説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】ユーザにとって重要なコンテンツをバックアップするようにする。
【解決手段】記録媒体39には、コンテンツの嗜好値および記録媒体39の状態情報が記録されている。コンテンツ選別部62は、記録媒体39に記録されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する。状態チェック部63は、記録媒体39に記録されている状態情報から、さらに詳細チェックが必要と判断した場合、セクタチェック部64に記録媒体39の全面チェックを行わせる。セクタチェック部64は、エラーセクタの情報を保持し、そこに記録されているコンテンツのバックアップが必要であるか否かを判断する。バックアップ処理部65は、コンテンツ選別部62により選別されたコンテンツ、または、セクタチェック部64によりバックアップが必要であると判断されたコンテンツのバックアップ処理を行う。本発明は、パーソナルコンピュータに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、ユーザにとって重要なコンテンツをバックアップすることができるようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクレコーダなどの記録再生装置に記録されたデータに何らかの不具合が発生し、データの読み取りができなくなる場合を想定し、ミラーサーバに、全てのデータをバックアップすることが行われている。
【0003】
ミラーサーバ側の記録メディアは、圧縮してバックアップする場合もあるが、一般的には、ハードディスクレコーダの容量と同じ容量を備えておく必要がある。
【0004】
近年のハードディスクレコーダの大容量化に伴い、ハードディスクレコーダに記録されたデータを全てバックアップするためには、ミラーサーバ側の記録メディアの大容量化が必要となるだけでなく、バックアップに膨大な時間も必要となる。
【0005】
そこで、例えば、録画したコンテンツのうち、ユーザが不要と思われるコンテンツを自動的に消去するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。また例えば、ユーザの嗜好に合わせて録画するコンテンツを自動的に選択し、記録するようにしているものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
これらにより、記録再生装置の記録メディアの容量を抑えることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−44584号公報
【特許文献2】特開2004−72502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2の技術は、いずれも、記録再生装置側の記録メディアの容量を抑えるようにするものであり、ユーザにとって重要なコンテンツを自動的にバックアップすることができない課題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって重要なコンテンツを自動的にバックアップすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の情報処理装置は、コンテンツの記録を制御する記録制御手段と、コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理手段と、管理手段により管理されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別手段と、選別手段により選別された所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
前記選別手段は、嗜好値を用いて、記録制御手段により記録されている全てのコンテンツに順位を付け、嗜好値が所定の基準値以上のコンテンツ、または、嗜好値の上位のコンテンツを選別するようにすることができる。
【0012】
バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する判定手段と、判定手段によりバックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0013】
本発明の第1の情報処理方法は、コンテンツの記録を制御する記録制御ステップと、コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理ステップと、管理ステップの処理により管理されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別ステップと、選別ステップの処理により選別された所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の第1のプログラムは、コンテンツの記録を制御する記録制御ステップと、コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理ステップと、管理ステップの処理により管理されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別ステップと、選別ステップの処理により選別された所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の情報処理装置は、コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御手段と、記録部の状態に関する情報を管理する管理手段と、管理手段により管理されている記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段により記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックを行うチェック手段と、チェック手段によるチェックの結果、記録部の不良部分の情報を保持する保持手段と、保持手段により保持されている不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段によりバックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0017】
本発明の第2の情報処理方法は、コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御ステップと、記録部の状態に関する情報を管理する管理ステップと、管理ステップの処理により管理されている記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理により記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックを行うチェックステップと、チェックステップによるチェックの結果、記録部の不良部分の情報を保持する保持ステップと、保持ステップの処理で保持された不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第2のプログラムは、コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御ステップと、記録部の状態に関する情報を管理する管理ステップと、管理ステップの処理により管理されている記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理により記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックを行うチェックステップと、チェックステップによるチェックの結果、記録部の不良部分の情報を保持する保持ステップと、保持ステップの処理で保持された不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、コンテンツの記録が制御され、コンテンツに嗜好値が設定されて管理され、嗜好値を用いて、所定のコンテンツが選別され、選別された所定のコンテンツのバックアップ処理が行われる。
【0020】
本発明の第2の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、コンテンツの記録部への記録が制御され、記録部の状態に関する情報が管理され、記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるであるか否かが判定される。そして、記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックが行われ、記録部の不良部分の情報が保持され、その情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理が行われる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コンテンツをバックアップすることが可能となる。特に、コンテンツの嗜好値や記録媒体の状態に基づいて、ユーザにとって重要なコンテンツを選択し、バックアップすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明を実施するための最良の形態を説明するが、明細書中に記載の発明と、実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。明細書には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0023】
さらに、この記載は、明細書に記載されている実施の形態に対応するすべての発明が、記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている他の発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
【0024】
請求項1に記載の情報処理装置(例えば、図1の情報処理装置1)は、コンテンツの記録を制御する記録制御手段(例えば、図3の記録媒体39への記録を制御するCPU21)と、コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理手段(例えば、図4の情報管理部61)と、管理手段により管理されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別手段(例えば、図5のステップS1,S2の処理を実行する図4のコンテンツ選別部62)と、選別手段により選別された所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段(例えば、図6のバックアップ処理を実行する図4のバックアップ処理部65)とを備えることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載の情報処理装置は、バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する判定手段(例えば、図6のステップS13の処理を実行する図4のバックアップ処理部65)と、判定手段によりバックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段(例えば、図6のステップS18の処理を実行する図4のバックアップ処理部65)とをさらに備えることを特徴とする
【0026】
請求項4に記載の情報処理方法は、コンテンツの記録を制御する記録制御ステップ(例えば、図3の記録媒体39への記録を制御するCPU21により行われる処理)と、コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理ステップ(例えば、図4の情報管理部61により行われる処理)と、管理ステップの処理により管理されている嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別ステップ(例えば、図5のステップS1,S2)と、選別ステップの処理により選別された所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップ(例えば、図6のバックアップ処理)とを含むことを特徴とする。
【0027】
なお、請求項5に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項4に記載の情報処理方法と同様である。
【0028】
請求項6に記載の情報処理装置(例えば、図1の情報処理装置1)は、コンテンツの記録部(例えば、図3の記録媒体39)への記録を制御する記録制御手段(例えば、図3のCPU21)と、記録部の状態に関する情報を管理する管理手段(例えば、図4の情報管理部61)と、管理手段により管理されている記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、図7の定期HDD状態のチェック処理を実行する図4の状態チェック部63)と、第1の判定手段により記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックを行うチェック手段(例えば、図8のステップS51,S52,S54の処理を実行する図4のセクタチェック部64)と、チェック手段によるチェックの結果、記録部の不良部分の情報を保持する保持手段(例えば図8のステップS53,S55の処理を実行する図4のセクタチェック部64)と、保持手段により保持されている不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段(例えば、図6のバックアップ処理を実行する図4のバックアップ処理部65)とを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載の情報処理装置は、バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する第2の判定手段(例えば、図6のステップS13の処理を実行する図4のバックアップ処理部65)と、第2の判定手段によりバックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段(例えば、図6のステップS18の処理を実行する図4のバックアップ処理部65)とをさらに備えることを特徴とする。
【0030】
請求項8に記載の情報処理方法は、コンテンツの記録部(例えば、図3の記録媒体39)への記録を制御する記録制御ステップ(例えば、図3のCPU21により行われる処理)と、記録部の状態に関する情報を管理する管理ステップ(例えば、図4の情報管理部61により行われる処理)と、管理ステップの処理により管理されている記録部の状態に関する情報に基づいて、記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する判定ステップ(例えば、図7の定期HDD状態のチェック処理)と、判定ステップの処理により記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、記録部の詳細なチェックを行うチェックステップ(例えば、図8のステップS51,S52,S54)と、チェックステップによるチェックの結果、記録部の不良部分の情報を保持する保持ステップ(例えば図8のステップS53,S55)と、保持ステップの処理で保持された不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップ(例えば、図6のバックアップ処理)とを含むことを特徴とする。
【0031】
なお、請求項9に記載のプログラムにおいても、各ステップが対応する実施の形態(但し一例)は、請求項8に記載の情報処理方法と同様である。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明を適用した情報処理システムの構成例を示すブロック図である。この情報処理システムにおいては、ネットワーク2を介して、情報処理装置1およびミラーサーバ3が接続されている。
【0034】
情報処理装置1は、例えば、家庭に設置されたハードディスクレコーダなどで構成され、アンテナ51(図3)で受信したRF(Radio Frequency)信号の中から、所定のチャンネルの信号を選局、検波、および復調し、トランスポートストリーム(TS)のスクランブルを解除した後、所定のストリームを抽出する。そして、情報処理装置1は、抽出したビデオデータに対して所定の映像処理を施し、得られた画像を映像表示装置53(図3)に表示させるとともに、抽出したオーディオデータに対して所定の音声処理を施し、得られた音声を音声出力装置54(図3)から出力させる。
【0035】
また、情報処理装置1は、図2に示されるように、嗜好値11および状態情報12などを含む管理情報10を記録媒体39(図3)に記憶させる。
【0036】
嗜好値11は、ユーザがコンテンツに対して行った操作や、コンテンツのメタ情報に基づいて算出される情報である。例えば、コンテンツの録画日時、視聴時間(再生時間)、再生回数、操作履歴、または嗜好情報などに基づいて、嗜好値11が算出される。ユーザ操作から算出される嗜好値11は、ユーザが行った操作の種類毎に反映させる数値に変化を加えることにより、当該嗜好値が明確に表される。メタ情報から算出される嗜好値11は、ユーザ嗜好と一致もしくは近似するキーワード情報などに基づいて、当該嗜好値が明確に表される。
【0037】
状態情報12は、例えば、記録媒体39の動作(ステータス)に関する情報であり、通算のWrite回数や通算のRead回数、UNC(UNCORRECTABLE ERROR)などのRead Error発生率、Power On/Off回数、Slow Responseの発生回数、および代替用のセクタの交代処理の回数などが含まれる。
【0038】
情報処理装置1は、嗜好値11または状態情報12に基づいて、ユーザにとって重要なコンテンツを選別し、ネットワーク2を介してミラーサーバ3にバックアップする。
【0039】
さらに、情報処理装置1は、ミラーサーバ3にバックアップされたコンテンツに関する情報を、ネットワーク2を介して取得し、コンテンツのリストを作成する。
【0040】
ミラーサーバ3は、例えば、ハードディスクドライブなどで構成され、ネットワーク2を介して情報処理装置1から供給されたコンテンツを記録する。
【0041】
図3は、情報処理装置1の内部の構成例を示すブロック図である。
【0042】
CPU(Central Processing Unit)21は、メモリ22に記憶されているプログラムを実行し、U/I(User/Interface)制御部23から供給されてくる信号に応じて、バス43に接続されている各部の動作を制御する。また、CPU21は、ユーザによる様々な操作などに基づいて、コンテンツに対応付けた嗜好値11、および、記録媒体39の動作に関する状態情報12からなる管理情報10(図2)を、記録媒体I/F38を介して記録媒体39に供給し、そこに記録させる。メモリ22には、CPU21が各種処理を実行する上で必要なプログラムやデータなどが適宜記憶されている。
【0043】
U/I制御部23は、リモートコントローラ52からの赤外線を受光し、復調して得られたユーザ操作に対応する信号をCPU21に出力する。
【0044】
チューナ24は、CPU21による制御に従って、アンテナ51で受信されたRF信号を選局、検波、復調し、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリーム(TS)をデスクランブラ25に出力する。
【0045】
デスクランブラ25は、カードI/F36に挿入されたICカード37に記憶されているデータを用いてスクランブルを解くキーを生成し、チューナ24から供給されてきたトランスポートストリームのスクランブルを解除する。デスクランブラ25によりスクランブルが解除されたトランスポートストリームはデマルチプレクサ26に供給される。
【0046】
デマルチプレクサ26は、CPU21による制御に従って、デスクランブラ25から供給されてきたトランスポートストリームから所定のストリームを抽出し、抽出したストリーム(ストリームを構成するパケット)をVideoデコーダ27、Audioデコーダ30、メモリ31に出力する。具体的には、CPU21によって設定されるPID(Packet ID)によって、Video PES(Packetized Elementary Stream)データあるいはES(Elementary Stream)データ、Audio PESデータあるいはESデータ、さらにはSectionデータが抽出され、Video PESデータあるいはESデータは、Videoデコーダ27に、Audio PESデータあるいはESデータは、Audioデコーダ30に、Sectionデータは、メモリ31にそれぞれ出力される。
【0047】
また、デマルチプレクサ26は、コンテンツを記録媒体39に録画させる場合、得られたVideo PESデータおよびAudio PESデータ(コンテンツ)をスクランブラ32と情報検出部33、バッファ34、および記録媒体I/F38を介して記録媒体39に供給する。
【0048】
Videoデコーダ27は、デマルチプレクサ26から供給されてきたVideo PESデータあるいはESデータ(ビデオパケット)をデコードし、得られたビデオデータをマルチプレクサ28に出力する。
【0049】
マルチプレクサ28は、Videoデコーダ27から供給されてきたビデオデータに対して所定の画像処理、D/A(Digital to Analog)変換等を施し、コンテンツの画像を映像表示装置53に表示させる。また、マルチプレクサ28は、グラフィックス制御部29から供給されてきたグラフィックスデータにも基づいて所定の画像を映像表示装置53に表示させる。
【0050】
グラフィックス制御部29は、CPU21による制御に従って映像表示装置53に表示させる画像のグラフィックスデータを生成し、生成したグラフィックスデータをマルチプレクサ28に出力する。
【0051】
Audioデコーダ30は、デマルチプレクサ26から供給されてきたAudio PESデータあるいはESデータ(オーディオパケット)をデコードし、得られた音声を音声出力装置54から出力させる。
【0052】
メモリ31には、デマルチプレクサ26から供給されてきた、選局動作や付加情報などを含むSectionデータが記憶される。このSectionデータは、CPU21によって適宜読み出される。
【0053】
スクランブラ32は、デマルチプレクサ26から供給されたVideo PESデータおよびAudio PESデータ(コンテンツ)を、所定のキーを用いてスクランブル処理し、得られたデータを、バッファ34および記録媒体I/F38を介して記録媒体39に供給し、そこに記録させる。
【0054】
情報検出部33は、デマルチプレクサ26から供給されたVideo PESデータおよびAudio PESデータから再生手順情報および再生管理情報を検出し、バッファ34および記録媒体I/F38を介して記録媒体39に供給し、そこに記録させる。
【0055】
デスクランブラ35は、スクランブルを解く所定のキーを生成し、記録媒体39から、記録媒体I/F38、およびバッファ34を介して読み出したコンテンツのスクランブルを解除する。デスクランブラ35によりスクランブルが解除されたトランスポートストリームは、Videoデコーダ27、Audioデコーダ30に出力される。
【0056】
またデスクランブラ35は、記録媒体39に録画されているコンテンツを再生する場合、記録媒体39から、記録媒体I/F38、およびバッファ34を介して読み出したコンテンツをVideoデコーダ27、Audioデコーダ30に出力する。このとき読み出されるコンテンツは、記録媒体39に記録されている再生管理情報および再生手順情報に基づいて判別される。
【0057】
カードI/F36は、ICカード37から読み出したデータをデスクランブラ25に供給する。
【0058】
記録媒体I/F38は、記録媒体39から読み出したデータをVideoデコーダ27、Audioデコーダ30に出力したり、あるいは、デマルチプレクサ26から供給されてきたデータを記録媒体39に供給する。
【0059】
記録媒体39は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)などで構成され、記録媒体I/F38を介して供給されてきたデータを記録する。また、記録媒体39は、図2に示した管理情報10なども記憶する。
【0060】
ドライブ40は、そこに装着されたリムーバブルメディア41を駆動することにより、バス43を介して供給されてきたデータをリムーバブルメディア41に記録し、また、リムーバブルメディア41に記録されているデータ(プログラムを含む)を読み出してバス43上に出力する。リムーバブルメディア41は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは、半導体メモリなどである。
【0061】
通信制御部42は、ネットワーク2を介して接続されるミラーサーバ3との間で通信を行う。
【0062】
図4は、情報処理装置1の機能的構成例を示すブロック図である。図4に示す機能的構成例は、CPU21がメモリ22に記憶された所定のプログラムを実行することで実現される。
【0063】
情報管理部61は、ユーザによるコンテンツに対する様々な操作やコンテンツのメタ情報に基づいて、嗜好値11を算出し、それをコンテンツに設定する。また、情報管理部61は、記録媒体39の動作(ステータス)に関する状態情報12を取得する。そして、情報管理部61は、嗜好値11および状態情報12を含む管理情報10を記録媒体39に記録、管理する。
【0064】
コンテンツ選別部62は、記録媒体39に記録されている嗜好値11を用いて、各コンテンツに順位を設定した後、嗜好値11が所定の基準値以上のコンテンツ、または、嗜好値11の上位数個のコンテンツを選別し、バックアップ処理部65に、選別したコンテンツのバックアップ処理を行わる。
【0065】
状態チェック部63は、ユーザによる指示に基づいて、あるいは、所定の時間毎(定期的)に、記録媒体39の状態をチェック(検査)する。チェックの結果、さらに詳細チェックが必要と判断した場合、状態チェック部63は、呈示部66にチェック結果を呈示(通知)させた後、その詳細チェックとして、セクタチェック部64に記録媒体39の全面チェックを行わせる。
【0066】
セクタチェック部64は、状態チェック部63の制御の下、記録媒体39の全面チェック(すなわち、セクタ毎のエラー有無の検査)を行う。全面チェックの結果、セクタチェック部64は、ErrorまたはRead時間が長いセクタの情報(セクタ位置やそこに記録されているデータなど)を保持し、そのセクタに記録されているコンテンツのバックアップが必要であるか否かを判断する。バックアップが必要であると判断した場合、セクタチェック部64は、バックアップ処理部65に該当コンテンツのバックアップ処理を行わせる。
【0067】
バックアップ処理部65は、コンテンツ選別部62またはセクタチェック部64から通知されたバックアップ予定のコンテンツの容量と、バックアップ先(いまの場合、ミラーサーバ3)の空き容量を比較し、バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判断する。バックアップ先の空き容量が足りていると判断した場合、バックアップ処理部65は、バックアップ処理を行う。一方、バックアップ先の空き容量が不足していると判断した場合、バックアップ処理部65は、その旨(エラーメッセージ)を呈示部66に呈示させる。
【0068】
また、バックアップ先の空き容量が不足している場合において、優先的にバックアップするコンテンツがユーザにより選択されると、バックアップ処理部65は、ミラーサーバ3に既にバックアップされているコンテンツのうち、優先度の低いコンテンツを削除して、ユーザにより選択されたコンテンツのバックアップ処理を行う。
【0069】
さらに、バックアップ先の空き容量が不足している場合において、情報処理装置1の動作モードがAutoに設定されていると、バックアップ処理部65は、ミラーサーバ3に既にバックアップされているコンテンツのうち、嗜好値の低いコンテンツを削除して、当該コンテンツのバックアップ処理を行う。
【0070】
呈示部66は、状態チェック部63によるチェック結果に基づいて、ユーザに呈示(通知)するための画面(チェック結果)を映像表示装置53に表示させるとともに、必要に応じて、対応する音声を音声出力装置54から出力させる。上述したように、詳細チェックが必要であると判断された場合に、チェック結果が映像表示装置53に表示されることから、ここで表示される画面を見て、ユーザは、記録媒体39の詳細チェック(すなわち、全面チェック)が行われることを把握することができる。
【0071】
また、呈示部66は、バックアップ処理部65から通知されたメッセージに基づいて、ユーザに呈示するための画面(バックアップ先の空き容量が不足している旨を示すエラーメッセージ)を映像表示装置53に表示させる。上述したように、バックアップ先の空き容量が不足していると判断された場合に、容量不足を示すエラーメッセージが映像表示装置35に表示されることから、ここで表示される画面を見て、ユーザは、バックアップ先の空き容量不足を把握し、優先的にバックアップしたいコンテンツを選択することができる。
【0072】
次に、図5のフローチャートを参照して、情報処理装置1が実行する、定期バックアップ処理について説明する。この処理は、所定の時間毎(定期的)に開始される。
【0073】
ステップS1において、コンテンツ選別部62は、記録媒体39に記録されている嗜好値11を読み出し、その嗜好値11を用いて、記録済みコンテンツに順位を付ける。ステップS2において、コンテンツ選別部62は、ステップS1の処理で順位を付けたコンテンツのうち、嗜好値11が所定の基準値以上のコンテンツ、または、嗜好値11の上位数個のコンテンツを選別する。ただし、既にバックアップされているコンテンツは、選別対象から省かれる。
【0074】
ステップS3において、バックアップ処理部65は、ステップS2の処理で選別されたコンテンツのバックアップ処理を行う。このバックアップ処理の詳細については、図6のフローチャートを参照して後述するが、この処理により、選別されたコンテンツのミラーサーバ3へのバックアップ処理が行われる。
【0075】
以上の定期バックアップ処理により、ミラーサーバ3には、嗜好値の高いコンテンツが自動的にバックアップされる。これにより、ユーザは、情報処理装置1の記録媒体39に記録されているコンテンツのうち、ユーザにとって重要度の高いコンテンツを、ミラーサーバ3に自動的にバックアップさせることが可能となる。
【0076】
次に、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS3における、バックアップ処理の詳細について説明する。
【0077】
ステップS11において、バックアップ処理部65は、図5のステップS2の処理で選別されたバックアップ予定のコンテンツの容量を算出する。ステップS12において、バックアップ処理部65は、バックアップ先であるミラーサーバ3の記録メディアの空き容量を確認する。
【0078】
ステップS13において、バックアップ処理部65は、ステップS12の処理で確認したバックアップ先の空き容量が、ステップS11の処理で算出したバックアップ予定のコンテンツの容量より大きいか否かを判定し、バックアップ先の空き容量がバックアップ予定のコンテンツの容量より大きいと判定した場合、ステップS14に進み、バックアップ予定のコンテンツ(すなわち、図5のステップS2の処理で選別されたコンテンツ)のミラーサーバ3へのバックアップ処理を行う。
【0079】
具体的には、例えば、記録媒体39に記録されているコンテンツが、そのまま通信制御部42およびネットワーク2を介してミラーサーバ3に供給され、そこにバックアップ(記録)される。また、例えば、記録媒体39に記録されているコンテンツがスクランブラ32でスクランブル処理された後、ミラーサーバ3に供給され、そこにバックアップされる。また、例えば、ミラーサーバ3が複数の記録メディアで構成されている場合、記録媒体39に記録されているコンテンツが複数のコンテンツに分割された後、複数の記録メディアにそれぞれバックアップされる。さらにまた、例えば、コピーコントロールが必要なコンテンツは、ムーブ機能を用いてバックアップされる(すなわち、ミラーサーバ3にコピーしつつ、コピーが終了した記録媒体39内のコンテンツが全て消去または無効化される)。
【0080】
なお、上述したバックアップ方法に限らず、例えば、記録媒体39に記録されているコンテンツが複数のコンテンツに分割され、各コンテンツがスクランブラ32でスクランブル処理された後、ミラーサーバ3に供給され、そこにバックアップされるといったように、バックアップ方法を組み合わせることも勿論可能である。
【0081】
一方、ステップS13において、バックアップ先の空き容量がバックアップ予定のコンテンツの容量より小さいと判定された場合、ステップS15に進み、バックアップ処理部65は、バックアップ先(ミラーサーバ3)に既にバックアップされているコンテンツの嗜好値と、バックアップ予定のコンテンツの嗜好値を比較して順位を付ける。
【0082】
ステップS16において、バックアップ処理部65は、バックアップ先に既にバックアップされているコンテンツのうち、バックアップ予定のコンテンツの嗜好値より低いコンテンツが存在するか否かを判定し、バックアップ先にバックアップされているコンテンツのうち、バックアップ予定のコンテンツの嗜好値より低いコンテンツが存在すると判定した場合、ステップS17に進む。
【0083】
ステップS17において、バックアップ処理部65は、情報処理装置1の動作モードがAutoに設定されているか否かを判定し、情報処理装置1の動作モードがAutoに設定されていると判定した場合、ステップS18に進み、バックアップ先に既にバックアップされているコンテンツのうち、嗜好値の低いコンテンツから順番に、バックアップ予定のコンテンツの容量分の削除を行い、バックアップ予定の嗜好値の高いコンテンツのバックアップ処理を行う。
【0084】
ステップS14またはステップS18の処理の後、ステップS19に進み、バックアップ処理部65は、コピー元である記録媒体39に記録されているコンテンツのメタ情報と、バックアップ先であるミラーサーバ3にバックアップされたコンテンツを関連付ける。すなわち、バックアップ時、情報処理装置1とミラーサーバ3との間で、コンテンツの繋がりがつくようにする。
【0085】
ステップS17において、情報処理装置1の動作モードがAutoに設定されていない、すなわち、Normalに設定されていると判定された場合、バックアップ処理部65は、バックアップ先の空き容量が不足している旨(エラーメッセージ)を呈示部66に供給し、ステップS20に進む。
【0086】
ステップS20において、呈示部66は、バックアップ処理部65から供給されたメッセージに基づいて、ユーザに呈示(通知)するための画面を映像表示装置64に表示させる。ここで呈示される画面には、例えば、バックアップ先の空き容量が不足している旨を示すメッセージ、および、バックアップ先に既にバックアップされているコンテンツのうち、優先度の低いコンテンツの削除を促すダイアログなどが含まれる。
【0087】
ステップS19の処理の後、ステップS20の処理の後、または、ステップS16において、バックアップ先にバックアップされているコンテンツのうち、バックアップ予定のコンテンツの嗜好値より低いコンテンツが存在しないと判定された場合、バックアップ処理は終了される。
【0088】
以上のバックアップ処理により、バックアップ先の空き容量がバックアップ予定のコンテンツより大きい場合には、自動的にバックアップ処理が行われる。また、バックアップ先の空き容量が不足している場合において、バックアップ先に嗜好値が低いコンテンツが存在し、かつ、動作モードがAutoに設定されている場合においても、自動的にバックアップ先の嗜好値の低いコンテンツが削除された後、バックアップ処理が行われる。これらにより、ユーザは、情報処理装置1の記録媒体39に記録されているコンテンツのうち、ユーザにとって重要度の高いコンテンツを、ミラーサーバ3に自動的にバックアップさせることが可能となる。
【0089】
さらに、バックアップ先の空き容量が不足している場合において、バックアップ先に嗜好値が低いコンテンツが存在し、かつ、動作モードがNormalに設定されている場合には、バックアップ先のコンテンツの削除を促す画面をユーザに呈示することができる。これにより、ユーザは、ミラーサーバ3に既にバックアップされているコンテンツのうち、優先度が低い(不要)と判断したコンテンツを選択、削除することで、新たなコンテンツをミラーサーバ3にバックアップさせることが可能となる。
【0090】
また、ステップ19において、コピー元である記録媒体39に記録されているコンテンツのメタ情報と、バックアップ先であるミラーサーバ3にバックアップされたコンテンツを関連付けることにより、情報処理装置1は、ミラーサーバ3からネットワーク2を介して、バックアップされたコンテンツに関する情報を取得し、コンテンツのリストを作成、表示することも可能である。
【0091】
次に、図7のフローチャートを参照して、情報処理装置1が実行する、定期ハードディスクドライブ(HDD)状態のチェック処理について説明する。この処理は、例えば、ユーザによってリモートコントローラ42が操作され、ハードディスク状態のチェック処理が指示された場合、あるいは、所定の時間毎(定期的)に開始される。
【0092】
ステップS31において、状態チェック部63は、記録媒体39に記憶されている管理情報10を読み出し、その管理情報10に含まれる状態情報12から、UNC(UNCORRECTABLE ERROR)が発生しているか否かを判定し、UNCが発生していると判定した場合、ステップS32に進み、記録媒体39にUNCが発生していると診断する。
【0093】
ステップS31において、UNCが発生していないと判定された場合、または、ステップS32の処理の後、ステップS33に進み、状態チェック部63は、さらに、読み出した管理情報10の状態情報12から、Power On/Off回数がスペックを超えているか否かを判定し、Power On/Off回数がスペックを超えていると判定した場合、ステップS34に進み、記録媒体39のPower On/Off回数がスペックを超えていると診断する。
【0094】
ステップS33において、Power On/Off回数がスペックを超えていないと判定された場合、または、ステップS34の処理の後、ステップS35に進み、状態チェック部63は、さらに、読み出した管理情報10の状態情報12から、セクタ代替または交代処理が発生しているか否かを判定し、セクタ代替または交代処理が発生していると判定した場合、ステップS36に進み、記録媒体39にセクタ代替または交代処理が発生していると診断する。
【0095】
ステップS35において、セクタ代替または交代処理が発生していないと判定された場合、または、ステップS36の処理の後、ステップS37に進み、状態チェック部63は、さらに、読み出した管理情報10の状態情報12から、Slow Responseが多いか否かを判定し、Slow Responseが多いと判定した場合、ステップS38に進み、記録媒体39のSlow Response頻度が高いと診断する。
【0096】
ステップS37において、Slow Responseが多くないと判定された場合、または、ステップS38の処理の後、ステップS39に進み、状態チェック部63は、ステップS32,S34,S36,S38で診断された各種データに基づいて、ハードディスクドライブ(すなわち、記録媒体39)の状態を判別する。
【0097】
ステップS40において、状態チェック部63は、ステップS39の処理による判別の結果、さらにハードディスクドライブの詳細チェックが必要であるか否かを判定し、詳細チェックが必要であると判定した場合、チェック結果を呈示部66に供給し、ステップS41に進む。
【0098】
ステップS41において、呈示部66は、状態チェック部63から供給されたチェック結果に基づいて、ユーザに呈示(通知)するための画面を映像表示装置53に表示させる。ここで呈示される画面には、例えば、ハードディスクドライブの詳細チェックが必要である旨を示すメッセージなどが含まれる。
【0099】
ステップS42において、セクタチェック部64は、記録媒体39の全面チェック処理を行う。
【0100】
ここで、図8のフローチャートを参照して、図7のステップS42における、全面チェック処理の詳細について説明する。
【0101】
ステップS51において、セクタチェック部64は、記録媒体39の所定のセクタを読み出した後にステータスを読み出す。ステップS52において、セクタチェック部64は、ステップS51の処理で読み出したセクタにErrorがあるか否かを判定し、セクタにErrorがあると判定した場合、ステップS53に進み、当該エラーセクタの情報(セクタ位置やそこに記録されているデータなど)を保持する。
【0102】
ステップS52において、読み出したセクタにErrorがないと判定された場合、または、ステップS53の処理の後、ステップS54に進み、セクタチェック部64は、さらに読み出したセクタのRead時間が長いか否かを判定し、Read時間が長いと判定した場合、ステップS54に進み、当該エラーセクタの情報を保持する。
【0103】
ステップS54において、読み出したセクタのRead時間が長くないと判定された場合、または、ステップS55の処理の後、ステップS56に進み、セクタチェック部64は、記録媒体39の全面チェックが終了したか、すなわち、全てのセクタの読み出しを終了したか否かを判定し、未だ全面チェックが終了していないと判定した場合、ステップS51に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0104】
ステップS56において、記録媒体39の全面チェックが終了したと判定された場合、ステップS57に進み、セクタチェック部64は、ステップS53,S55で保持されたエラーセクタの情報から、該当コンテンツの絞り込みを行うとともに、エラーの重要性を求める。
【0105】
ステップS58において、セクタチェック部64は、ステップS57の処理で絞り込んだ該当コンテンツのバックアップが必要であるか否かを判定し、バックアップが必要であると判定した場合、ステップS59に進み、バックアップ処理部65に該当コンテンツのバックアップ処理を行わせる。すなわち、上述した図6のバックアップ処理が実行され、該当コンテンツのミラーサーバ3へのバックアップ処理が行われる。
【0106】
一方、ステップS58において、ステップS57の処理で絞り込んだ該当コンテンツのバックアップが必要ではないと判定された場合、バックアップ処理は行われず、そのまま全面チェック処理は終了される。また、ステップS57で行った絞り込みの結果、該当コンテンツの絞り込みができなかった場合も、全面チェック処理は終了される。
【0107】
その他、ステップS58において、ステップS57で求められたエラー重要度が高いと判定された場合、バックアップ処理は行われず、エラーの重要度が高いことがユーザに通知される。その後、全面チェック処理は終了される。
【0108】
以上の定期ハードディスクドライブ状態のチェック処理および全面チェック処理により、エラーセクタに記録されているコンテンツが自動的にバックアップされる。これにより、ユーザは、特別な操作を行うことなく、情報処理装置1の記録媒体39のエラーセクタに記録されているコンテンツを、ミラーサーバ3に自動的にバックアップさせることが可能となる。
【0109】
以上のように、コンテンツに設定された嗜好値11や記録媒体39の状態情報12に基づいて、ユーザにとって重要なコンテンツを選別し、自動的にミラーサーバ3にバックアップするようにしたので、ミラーサーバ3の記録メディアの容量を抑えることができるとともに、バックアップ時間も短縮することが可能となる。
【0110】
また、嗜好値11および状態情報12に基づいて、ユーザにとって重要なコンテンツを選択し、自動的にバックアップするだけでなく、ユーザが自ら選択したコンテンツをバックアップすることも勿論可能である。
【0111】
なお、記録媒体39の状態情報12から、エラーセクタに記録されているコンテンツを特定することができない場合には、ユーザに自主的なバックアップを要請するようにしてもよい。
【0112】
以上においては、ミラーサーバ3は、ネットワーク2を介して接続されたハードディスクドライブであるものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、ネットワーク2を介して接続された他の装置内の記録媒体(例えば、ハードディスクレコーダ)をミラーサーバとして用いるようにしたり、情報処理装置1内に、記録媒体39とは別の記録媒体を新たに設け、それをミラーサーバとして用いるようにしたり、あるいは、ドライブ40に挿入されたリムーバブルメディア41をミラーサーバとして用いるようにしてもよい。
【0113】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0114】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0115】
この記録媒体は、図3に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは、半導体メモリなどのリムーバブルメディア41により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されている、メモリ22や記録媒体39に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0116】
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0117】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表わすものである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】管理情報の例を示す図である。
【図3】図1の情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】情報処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図5】定期バックアップ処理を説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップS3における、バックアップ処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図7】定期ハードディスクドライブ状態のチェック処理を説明するフローチャートである。
【図8】図7のステップS42における、全面チェック処理の詳細を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0119】
1 情報処理装置, 2 ネットワーク, 3 ミラーサーバ,10 管理情報, 11 嗜好値, 12 状態情報, 21 CPU, 39 記録媒体, 41 リムーバブルメディア, 52 リモートコントローラ, 53 映像表示装置, 61 情報管理部, 62 コンテンツ選別部, 63 状態チェック部, 64 セクタチェック部, 65 バックアップ処理部, 66 呈示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツをバックアップする情報処理装置において、
前記コンテンツの記録を制御する記録制御手段と、
前記コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理手段と、
前記管理手段により管理されている前記嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別手段と、
前記選別手段により選別された前記所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選別手段は、前記嗜好値を用いて、前記記録制御手段により記録されている全てのコンテンツに順位を付け、前記嗜好値が所定の基準値以上のコンテンツ、または、前記嗜好値の上位のコンテンツを選別する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記バックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンテンツをバックアップする情報処理装置の情報処理方法において、
前記コンテンツの記録を制御する記録制御ステップと、
前記コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理ステップと、
前記管理ステップの処理により管理されている前記嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別ステップと、
前記選別ステップの処理により選別された前記所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンテンツをバックアップする情報処理装置の情報処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記コンテンツの記録を制御する記録制御ステップと、
前記コンテンツに嗜好値を設定し、管理する管理ステップと、
前記管理ステップの処理により管理されている前記嗜好値を用いて、所定のコンテンツを選別する選別ステップと、
前記選別ステップの処理により選別された前記所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンテンツをバックアップする情報処理装置において、
前記コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御手段と、
前記記録部の状態に関する情報を管理する管理手段と、
前記管理手段により管理されている前記記録部の状態に関する情報に基づいて、前記記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により前記記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、前記記録部の詳細なチェックを行うチェック手段と、
前記チェック手段によるチェックの結果、前記記録部の不良部分の情報を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持されている前記不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
バックアップ先の空き容量が足りているか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により前記バックアップ先の空き容量が足りていないと判定された場合、バックアップ先に既にバックアップされている所定のコンテンツを削除する削除手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンテンツをバックアップする情報処理装置の情報処理方法において、
前記コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御ステップと、
前記記録部の状態に関する情報を管理する管理ステップと、
前記管理ステップの処理により管理されている前記記録部の状態に関する情報に基づいて、前記記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの処理により前記記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、前記記録部の詳細なチェックを行うチェックステップと、
前記チェックステップによるチェックの結果、前記記録部の不良部分の情報を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理で保持された前記不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンテンツをバックアップする情報処理装置の情報処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記コンテンツの記録部への記録を制御する記録制御ステップと、
前記記録部の状態に関する情報を管理する管理ステップと、
前記管理ステップの処理により管理されている前記記録部の状態に関する情報に基づいて、前記記録部の詳細チェックが必要であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの処理により前記記録部の詳細チェックが必要であると判定された場合、前記記録部の詳細なチェックを行うチェックステップと、
前記チェックステップによるチェックの結果、前記記録部の不良部分の情報を保持する保持ステップと、
前記保持ステップの処理で保持された前記不良部分の情報に基づいて、所定のコンテンツのバックアップ処理を行うバックアップ処理ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−113962(P2006−113962A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302970(P2004−302970)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】