説明

情報処理装置

【課題】2種類の無線通信デバイスの各々を選択的に電源オン/オフすることができ、かつ簡単な操作で2種類の無線通信デバイスを確実に電源オフすることが可能な情報処理装置を実現する。
【解決手段】PDA10は、第1の無線通信デバイス126、第2の無線通信デバイス128およびワイヤレスコミュニケーションスイッチ15を備えている。スイッチ15がオフである場合、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス126および第2の無線通信デバイス128それぞれ電源オフする。スイッチ15がオンである場合、省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウインドウW1を用いて選択された、第1の無線通信デバイス126および第2の無線通信デバイス128の一方または双方を電源オンする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえばPDA(Personal Digital Assistants)のような情報処理装置に関し、特に複数種の無線通信方式をサポートする情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信機能を有する種々の携帯型通信端末が開発されている。この種の通信端末においては、その電力消費量を低減するための様々な技術が利用されている。
【0003】
電力消費量を低減する技術としては、電池の残容量が基準値以下である場合に無線通信モジュールの電源をオフ状態に設定する機能を有する通信端末が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ところで、最近では、IEEE802.11規格に対応した無線通信デバイスとBluetooth規格に対応した無線通信デバイスの双方を搭載したPDAが開発され始めている。この種のPDAは、IEEE802.11規格に対応した外部機器との無線通信のみならず、Bluetooth規格に対応した外部機器との無線通信も実行することができる。
【特許文献1】特開2004−164566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、たとえPDAが電源オン状態であっても、IEEE802.11規格に対応した無線通信や、Bluetooth規格に対応した無線通信が常に利用されるとは限らない。このため、もしIEEE802.11規格に対応した無線通信デバイスとBluetooth規格に対応した無線通信デバイスの双方を常時電源オン状態に設定しておくと、多くの無駄な電力が消費され、これによってPDAのバッテリ動作可能時間が著しく短縮されてしまう。
【0006】
また、バッテリ残量がある基準値よりも低下した状態においても、IEEE802.11規格に対応した無線通信デバイスおよびBluetooth規格に対応した無線通信デバイスのいずれか一方のみが電源オンされているならば、IEEE802.11規格およびBluetooth規格のいずれか一方に対応した無線通信をある一定期間は正常に実行することができる可能性がある。しかし、IEEE802.11規格に対応した無線通信デバイスおよびBluetooth規格に対応した無線通信デバイスの双方が電源オンされている状態においては、2つの無線通信デバイスの双方の電力消費によってバッテリ残量が急激に低下してしまい、IEEE802.11規格およびBluetooth規格のどちらの無線通信についても正常に実行することができなくなる場合がある。
【0007】
また、一般に、電波は、人体や計器に影響を起こす可能性があるかもしれないため、飛行機内や病院内などでは、PDAから電波が放射しないようにするために、PDAに搭載された各無線通信デバイスの電源を切らなければならない。
【0008】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、2種類の無線通信デバイスの各々を必要に応じて電源オンすることができ、かつ簡単な操作で2種類の無線通信デバイスを確実に電源オフすることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、筐体と、前記筐体内に設けられ、第1の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第1の無線通信部と、前記筐体内に設けられ、第2の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第2の無線通信部と、前記筐体に設けられた無線通信制御スイッチと、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択する選択手段と、前記無線通信制御スイッチがオフ状態である場合、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部をそれぞれ電源オフ状態に維持する電源オフ手段と、前記無線通信制御スイッチがオン状態である場合、前記選択手段によって選択された前記少なくとも一方の無線通信部を電源オンする電源オン手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、バッテリからの電力によって駆動可能な情報処理装置において、筐体と、前記筐体内に設けられ、第1の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第1の無線通信部と、前記筐体内に設けられ、第2の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第2の無線通信部と、前記筐体に設けられた無線通信制御スイッチと、ユーザからの要求に応じて、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択する選択手段と、前記無線通信制御スイッチがオフ状態である期間中、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部をそれぞれ電源オフ状態に維持する電源オフ手段と、前記無線通信制御スイッチがオンされており、かつ前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部のいずれか一方が選択された場合、前記選択された前記一方の無線通信部を電源オンする手段と、前記一方の無線通信部が電源オンされている状態で、前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の他方が新たに選択された場合、前記バッテリの残容量を検出する手段と、前記検出された残容量が所定のしきい値よりも低い場合、前記一方の無線通信部を電源オン状態に維持した状態で、前記新たに選択された前記他方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段とを具備することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1には、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の外観が示されている。この情報処理装置は例えば携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータのようなバッテリ駆動可能な携帯型情報処理装置から構成されている。以下では、情報処理装置をPDA10として実現した場合を想定する。
【0013】
このPDA10は、ペン入力をサポートする情報処理装置であり、ペン(スタイラス)やユーザの指によってタッチされた表示画面上の位置を検知可能に構成されている。このPDA10は、薄い箱状の筐体を備えている。この筐体の上面上には、表示部11、操作キー12、電源ボタン13、およびワイヤレスコミュニケーションLED(Light Emitting Diode)14などが設けられている。操作キー12は各種データを入力する入力部である。この操作キー12は、表示部11に表示されるメニューから目的の機能を選択および決定するための押しボタンスイッチ等を含む。
【0014】
電源ボタン13は、PDA10を電源オン/オフするための機能を有する押しボタンである。ワイヤレスコミュニケーションLED14は、PDA10によって現在実行中の無線通信の電源状態を表示するインジケータである。
【0015】
このPDA10は、Bluetooth規格に対応した無線通信デバイスと、IEEE802.11規格(無線LAN)に対応した無線通信デバイスの双方を搭載しており、それぞれの無線通信規格に対応した外部デバイス20および外部デバイス30との間で無線通信を実行することが出来る。
【0016】
図2は、本PDA10を底面から見た斜視図である。本PDA10の筐体の底面には、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15が設けられている。このワイヤレスコミュニケーションスイッチ15は、無線LANおよびBluetoothにそれぞれに対応する2つ無線通信デバイスを電源オン/オフするための一つのハードウェアスイッチである。このワイヤレスコミュニケーションスイッチ15は、ユーザによる操作に応じて、スイッチオン状態とスイッチオフ状態の2つの状態の内のいずれか一方の状態に設定可能な2ステートスイッチから構成されている。ユーザはワイヤレスコミュニケーションスイッチ15を操作することにより、2つの無線通信デバイスの中から予め選択された少なくとも一つの無線通信デバイスを電源オンしたり、PDA10を電源オンしたままの状態で、現在電源オンされている各無線通信デバイスを電源オフすることができる。
【0017】
本PDA10は、ユーザからの要求に応じて、無線LANおよびBluetoothにそれぞれに対応する2つ無線通信デバイスの一方または双方を電源オンすべき無線通信デバイスとして選択するデバイス選択機能を有している。ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時、デバイス選択機能によって選択された、2つ無線通信デバイスの一方または双方が電源オンされる。
【0018】
デバイス選択機能は、2つ無線通信デバイスそれぞれの電源オン/オフを制御するソフトウェアである省電力制御ユーティリティプログラムによって実現されている。省電力制御ユーティリティプログラムが起動された時、省電力制御ユーティリティプログラムは、2つの無線通信デバイスそれぞれの電源オン/オフをユーザに指定させるためのセットアップウィンドウを表示部11に表示する。そして、省電力制御ユーティリティプログラムは、セットアップウィンドウ上で行われるユーザの操作に応じて、2つの無線通信デバイスの一方または双方を、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時に電源オンすべき無線通信デバイスとして選択する。
【0019】
省電力制御ユーティリティプログラムは、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時に自動的に起動される。この場合、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時に、省電力制御ユーティリティプログラムによって上述のセットアップウィンドウが表示部11に表示される。ユーザは、セットアップウィンドウ上で、電源オンすべき無線通信デバイスの変更、追加等を行うことができる。
【0020】
次に、図3を参照して、本PDA10のシステム構成について説明する。このPDA10は、上述の表示部11および操作キー12に加え、CPU121、グラフィクスコントローラ122、液晶ディスプレイ111、タブレットコントローラ123、電源回路124、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128、I/Oコントローラ129、不揮発性メモリ130、およびRAM131等から構成されている。
【0021】
表示部11は、タブレット110と液晶ディスプレイ(LCD)111とから構成されている。タブレット110は、例えば、LCD111の表示画面上に配置された透明の座標検出装置から構成されている。このタブレット110は、ユーザの指またはペンによってタッチされた表示画面上の位置を検出することができる。
【0022】
CPU121は本PDA10の動作を制御するプロセッサである。このCPU121は、不揮発性メモリ130からRAM131にロードされる、オペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラムを実行する。また、CPU121は、上述の省電力ユーティリティプログラム131Aも実行する。RAM131は、本PDA10のメインメモリとして機能する。なお、このPDA10において、オペレーティングシステムの一部の処理は、不揮発性メモリ130上で実行するように構成されている。
【0023】
グラフィクスコントローラ122は、本PDA10のディスプレイモニタとして使用されるLCD111を制御する表示コントローラである。タブレットコントローラ123は、タブレット110を制御し、ユーザによってタッチされたLCD111の表示画面上の位置を示す座標データをタブレット110から取得する。
【0024】
電源回路124は、ユーザによる電源ボタン13の操作に応じて、本PDA10を電源オン/電源オフする。すなわち、電源回路124は、ユーザによって電源ボタン13がオンされた時、ACアダプタ124Bを介して供給される外部電源またはバッテリ124Aからの電力を用いて、本PDA10の各コンポーネントに供給すべきシステム電源を生成する。
【0025】
また、電源回路124は、ACアダプタ124Bからの電源の供給の有無に応じて、ACアダプタ124Bが本PDA10に接続されているか否かを検出することができる。この検出結果はAC/バッテリフラグとして電源回路124内のステータスレジスタに設定される。ACアダプタ124Bが本PDA10に接続されている場合、電源回路124は、外部電源からシステム電源を生成すると共に、バッテリ124Aの充電を行う。一方、ACアダプタ124Bが本PDA10に接続されていない場合、電源回路124は、バッテリ124Aから、システム電源を生成する。
【0026】
第1の無線通信デバイス126はIEEE802.11規格(無線LAN)に対応する無線通信を実行する無線通信モジュールであり、インタフェースユニット125を介してCPU121に接続されている。第2の無線通信デバイス128はBluetooth規格に対応する無線通信を実行する無線通信モジュールであり、インタフェースユニット127を介してCPU121に接続されている。
【0027】
I/Oコントローラ129は、操作キー12およびワイヤレスコミュニケーションスイッチ15をそれぞれ制御する。操作キー12は、押下された操作キー12内の各押しボタンスイッチに対応するイベント/データを入力する入力装置であり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数の押しボタンを備えている。
【0028】
また、I/Oコントローラ129は、無線通信デバイス126,128の各々の電源オン/オフを制御するためのワイヤレスコミュニケーション電源コントローラ140を備えている。ワイヤレスコミュニケーション電源コントローラ140は、ユーザによるワイヤレスコミュニケーションスイッチ15の操作および省電力ユーティリティプログラム131Aからの指示に応じて、第1および第2の無線通信デバイス126,128の各々の電源オン/電源オフを制御する機能を有している。
【0029】
次に、図4を参照して、ワイヤレスコミュニケーション電源コントローラ140の構成を説明する。
【0030】
図4に示されているように、ワイヤレスコミュニケーション電源コントローラ140は、ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141、無線LANレジスタ142、Bluetoothレジスタ143、2つのANDゲートG1,G2、2つのスイッチ回路144,145等から構成されている。ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141、無線LANレジスタ142、およびBluetoothレジスタ143は、それぞれCPU121によってアクセス可能に構成されている。
【0031】
ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141は、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15のオン/オフ状態を示すフラグを保持する制御レジスタである。ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141のフラグは、ユーザによるワイヤレスコミュニケーションスイッチ15の操作に連動して、自動的にオン状態(=“1”)またはオフ状態(=“0”)に設定される。無線LANレジスタ142は、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が設定されるべき、電源オンおよび電源オフのいずれか一方の電源状態を示すフラグを保持する制御レジスタである。無線LANレジスタ142のフラグは、省電力ユーティリティプログラム131Aによって、オン状態(=“1”)またはオフ状態(=“0”)に設定される。Bluetoothレジスタ143は、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が設定されるべき、電源オンおよび電源オフのいずれか一方の電源状態を示すフラグを保持する制御レジスタである。Bluetoothレジスタ143のフラグは、省電力ユーティリティプログラム131Aによって、オン状態(=“1”)またはオフ状態(=“0”)に設定される。
【0032】
ANDゲートG1は、ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141のフラグおよび無線LANレジスタ142のフラグが共に“1”である時、スイッチ回路144をオンするための論理“1”のスイッチ制御信号を発生する。スイッチ回路144がオンされた時、電源回路124からのシステム電源VCCが第1の無線通信デバイス(無線LAN)126に動作電源として供給される。これにより、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126は電源オンされる。一方、ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141のフラグおよび無線LANレジスタ142のフラグのいずれか一方が“0”である時、ANDゲートG1は、スイッチ回路144をオフするための論理“0”のスイッチ制御信号を発生する。これにより、電源回路124からのシステム電源VCCはスイッチ回路144によって遮断され、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126は電源オフされる。
【0033】
ANDゲートG2は、ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141のフラグおよびBluetoothレジスタ143のフラグが共に“1”である時、スイッチ回路145をオンするための論理“1”のスイッチ制御信号を発生する。スイッチ回路145がオンされた時、電源回路124からのシステム電源VCCが第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128に動作電源として供給される。これにより、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128は電源オンされる。一方、ワイヤレスコミュニケーションレジスタ141のフラグおよびBluetoothレジスタ143のフラグのいずれか一方が“0”である時、ANDゲートG2は、スイッチ回路145をオフするための論理“0”のスイッチ制御信号を発生する。これにより、電源回路124からのシステム電源VCCはスイッチ回路145によって遮断され、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128は電源オフされる。
【0034】
次に、図5を参照して、省電力ユーティリティプログラム131Aの機能構成を説明する。
【0035】
図5に示されているように、省電力ユーティリティプログラム131Aは、イベント検出モジュール201、セットアップウィンドウ表示モジュール202、選択モジュール203、電源制御モジュール204を備えている。
【0036】
イベント検出モジュール201は、例えば、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされたことを示すイベントが発生したことを検出する。セットアップウィンドウ表示モジュール202は、例えば、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされたことがイベント検出モジュール201によって検出された時に、表示部11に上述のセットアップウィンドウを表示する。選択モジュール203は、セットアップウィンドウ上で行われるユーザの操作に応じて、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の少なくとも一方を、電源オンすべき無線通信デバイスとして選択する。また、選択モジュール203は、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128それぞれの電源オン/オフを指定するセットアップ情報を、テーブルT1を用いて管理する。電源制御モジュール204は、テーブルT1のセットアップ情報に従って、無線LANレジスタ142のフラグおよびBluetoothレジスタ143のフラグをそれぞれオン状態またはオフ状態に設定する。さらに、電源制御モジュール204は、バッテリ124Aの残容量が予め決められたしきい値よりも低い場合に、選択モジュール203によって選択された無線通信デバイスが電源オンされることを禁止する機能を有している。
【0037】
図6には、省電力ユーティリティプログラム131AによってLCD111の表示画面上に表示されるセットアップウィンドウW1の例が示されている。
【0038】
このセットアップウィンドウW1は、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128それぞれの電源オン/電源オフをユーザに指定させるためのGUI(Graphical User Interface)として機能する。このセットアップウィンドウW1は、ラジオボタン301、ラジオボタン302、チェックボックス303、および“OK”ボタン304を表示する。ラジオボタン301は、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の電源オン/電源オフを指定するために用いられる。ラジオボタン302は、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126の電源オン/電源オフを指定するために用いられる。チェックボックス303は、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時にセットアップウィンドウW1を自動的に表示する自動表示モードを、有効または無効に指定するために用いられる。チェックボックス303がチェックされた場合、つまり自動表示モードが選択されている場合には、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされる度に、セットアップウィンドウW1が自動的にLCD111に表示される。“OK”ボタン304がユーザによって押された時、セットアップウィンドウW1上に表示されている現在の設定状態(Bluetoothのオン/オフ、無線LANのオン/オフ、自動表示モードの有効/無効)がセットアップ情報として確定され、テーブルT1に保存される。
【0039】
図7には、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15の状態と、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128それぞれの電源オン/オフ状態との関係が示されている。
【0040】
ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の各々は、セットアップ情報に従って、電源オン状態または電源オフ状態の一方に設定される。例えば、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の双方が電源オンされているならば、ワイヤレスコミュニケーションLED14は、青色の点灯と赤色の点灯を交互に繰り返す。また、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンされ、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オフされている状態であれば、ワイヤレスコミュニケーションLED14は、青色で点灯する。また、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オフされ、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされている状態であれば、ワイヤレスコミュニケーションLED14は、赤色で点灯する。また、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の双方が電源オフされているならば、ワイヤレスコミュニケーションLED14は、消灯する。
【0041】
また、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオフのときは、セットアップ情報の内容に関係なく、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の双方が電源オフ状態に設定される。
【0042】
次に、図8を参照して、本PDA10がバッテリ駆動のときに省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される電源制御機能について説明する。
【0043】
図8の縦軸は本PDA10に搭載されたバッテリ124Aの残容量を示している。今、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合を想定する。このとき電源制御モジュール204は、バッテリ124Aの現在の残容量を検出する処理を実行する。電源制御モジュール204は、検出されたバッテリ124Aの残容量が予め設定された所定のしきい値よりも低いかどうか、例えば、残容量が15パーセントよりも低いかどうかを判定する。バッテリ124Aの残容量が15パーセント以上であれば、電源制御モジュール204は、セットアップ情報によって電源オンすべきデバイスとして選択された、無線通信デバイス126,128の各々を電源オンする。一方、バッテリ124Aの残容量が15パーセント未満であれば、電源制御モジュール204は、セットアップ情報によって電源オンすべきデバイスとして選択された、無線通信デバイス126,127の各々が電源オンされることを禁止する。無線通信デバイス126,127の各々は比較的多くの電力を消費する。もしバッテリ124Aの残容量が少ないときに無線通信デバイスを電源オンすると、PDA10の動作性能の著しい低下、またはPDA10の誤動作が発生する危険がある。本実施形態では、上述したように、バッテリ124Aの残容量が少ないときには、無線通信デバイスは電源オンされない。よって、たとえバッテリ124Aの残容量が少ないときにワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がユーザによってオンされても、上述の不具合の発生を防止することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、ある無線通信デバイスがいったん電源オンされた後は、たとえバッテリ124Aの残容量が15パーセント未満に低下しても、その無線通信デバイスは電源オフされず、電源オン状態のまま維持される。これにより、例えば、無線通信デバイスによって現在実行中の無線通信が途中で突然強制終了されてしまうという事態の発生を防止することができる。
【0045】
次に、図9のフローチャートを参照して、省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される電源制御処理の第1の例を説明する。
【0046】
例えば、本PDA10が電源オンされている状態で、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた場合、省電力ユーティリティプログラム131Aが起動される。
【0047】
省電力ユーティリティプログラム131Aは、まず、セットアップウィンドウW1を表示すべきか否か、つまり自動表示モードが有効であるか否かを判別する(ステップS101)。もし自動表示モードが有効であれば(ステップS101のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウィンドウW1を表示する(ステップS102)。ユーザは、セットアップウィンドウW1上で、電源オンすべき無線通信デバイスを変更または追加する操作を行うことができる。セットアップウィンドウW1上の“OK”ボタン304が押された時、省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウィンドウW1上に表示されている現在の設定内容をセットアップ情報としてテーブルT1に格納する。
【0048】
一方、もし自動表示モードが無効であれば(ステップS101のNO)、ステップS102の処理はスキップされる。
【0049】
省電力ユーティリティプログラム131Aは、テーブルT1に格納されている現在のセットアップ情報を参照して、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択されているか否かを判別する(ステップS103)。第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択されているならば(ステップS103のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、本PDA10が外部電源によって駆動されているかどうか、つまりAC駆動であるかどうかを判定する処理を実行する(ステップS104)。
【0050】
もし本PDA10にACアダプタ124Bが接続されておらず、本PDA10がバッテリ124Aによって駆動されているならば(ステップS104のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が15パーセント以上であるかどうかを判別する(ステップS105)。バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント以上であれば(ステップS105のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142に“1”のフラグをセットすることにより、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を電源オンする(ステップS106)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント未満であるならば(ステップS105のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされることを禁止するために、ステップS106をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(無線LAN)を電源オンできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS107)。
【0051】
なお、本PDA10が外部電源によって駆動されている場合には、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの残容量に関係なく、無条件に、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を電源オンする。
【0052】
この後、省電力ユーティリティプログラム131Aは、テーブルT1に格納されている現在のセットアップ情報を参照して、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択されているか否かを判別する(ステップS108)。第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択されているならば(ステップS108のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、本PDA10が外部電源によって駆動されているかどうか、つまりAC駆動であるかどうかを判定する処理を実行する(ステップS109)。
【0053】
もし本PDA10にACアダプタ124Bが接続されておらず、本PDA10がバッテリ124Aによって駆動されているならば(ステップS109のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が15パーセント以上であるかどうかを判別する(ステップS110)。バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント以上であれば(ステップS110のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、Bluetoothレジスタ143に“1”のフラグをセットすることにより、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンする(ステップS111)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント未満であるならば(ステップS110のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンされることを禁止するために、ステップS111をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(Bluetooth)を電源オンできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS112)。
【0054】
なお、本PDA10が外部電源によって駆動されている場合には、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの残容量に関係なく、無条件に、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンする。
【0055】
以上のように、本実施形態においては、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた場合に2つの無線通信デバイス126,128が常に電源オンされるのではなく、ユーザによるセットアップウィンドウW1の操作によって選択された無線通信デバイスのみを電源オンすることができる。したがって、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオン状態の期間中2つの無線通信デバイス126,128の双方が常に電源オン状態に維持される構成に比し、本PDA10のバッテリ動作可能時間を伸ばすことが可能となる。
【0056】
また、バッテリ124Aの残容量が少ない場合には、たとえワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされても、無線通信デバイス126,128はセットアップ情報の内容に無関係に電源オフ状態に維持される。したがって、本PDA10の動作性能の著しい低下や本PDA10の誤動作のような、不具合の発生を未然に防止することができる。
【0057】
さらに、2つの無線通信デバイス126,128のどちらが電源オンされている場合であっても、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がユーザによってオフされたならば、本PDA10が電源オン状態に維持されたまま、現在電源オンされている無線通信デバイスは全て電源オフされる。よって、ユーザは、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15をオフするという簡単な操作を行うだけで、2つの無線通信デバイス126,128を確実に電源オフすることができる。
【0058】
次に、図10および図11のフローチャートを参照して、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126の電力消費を低減するために省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される省電力処理について説明する。
【0059】
図10のフローチャートに示されているように、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされたならば(ステップS201のYES)、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が外部デバイスとの間で実際の無線通信(データ通信など)を実行中であるか否かを判別する(ステップS202)。このステップS202においては、省電力ユーティリティプログラム131Aは、例えば、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を制御するソフトウェアであるデバイスドライバ等を介して第1の無線通信デバイス(無線LAN)126のステートをチェックし、これによって第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が外部デバイスとの無線通信を実行中であるかどうかを判別する。
【0060】
第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が外部デバイスとの実際の無線通信を実行中でないならば(ステップS202のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、省電力制御処理を開始する(ステップS203)。この省電力制御処理の手順を図11のフローチャートに示す。
【0061】
図11のフローチャートに示されているように、省電力制御処理においては、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126による無線信号の受信状況に応じて本PDA10の周囲の通信状況を検出し(ステップS301)、その検出結果に応じて、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126との無線通信を実行可能な通信相手が本PDA10の周囲(例えば、第1の無線通信デバイス126の電波が届く範囲内)に存在するか否かを判別する(ステップS302)。ステップS301では、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を制御する上述のデバイスドライバ等と共同して、例えば、IPパケットを監視する処理、つまり第1の無線通信デバイス(無線LAN)126によってIPパケットが受信されたか否かを監視する処理を、を実行する。
【0062】
ある一定期間の間、IPパケットが検知されなかったならば、省電力ユーティリティプログラム131Aは通信相手が存在しないと判断する。そして、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142に“0”のフラグをセットして、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を一時的に電源オフする(ステップS303)。第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オフされてから一定時間経過した時(ステップS304のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142に“1”のフラグをセットして、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を再び電源オンする(ステップS305)。この後、省電力ユーティリティプログラム131Aは、再び、周囲の通信状況を検出して第1の無線通信デバイス(無線LAN)126の通信相手が存在するか否かを判別する処理を実行する(ステップS301,S302)。
【0063】
以上の省電力制御処理により、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126による無駄な電力消費を効率よく低減することが可能となる。
【0064】
次に、図12および図13のフローチャートを参照して、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の電力消費を低減するために省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される省電力処理について説明する。
【0065】
図12のフローチャートに示されているように、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンされたならば(ステップS401のYES)、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が外部デバイスとの間で実際の無線通信(データ通信など)を実行中であるか否かを判別する(ステップS402)。このステップS402においては、省電力ユーティリティプログラム131Aは、例えば、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を制御するソフトウェアであるデバイスドライバ等を介して第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128のステートをチェックし、これによって第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が外部デバイスとの無線通信を実行中であるかどうかを判別する。
【0066】
第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が外部デバイスとの実際の無線通信を実行中でないならば(ステップS402のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、省電力制御処理を開始する(ステップS403)。この省電力制御処理の手順を図13のフローチャートに示す。
【0067】
図13のフローチャートに示されているように、省電力制御処理においては、省電力ユーティリティプログラム131Aは、例えば、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128にBluetooth規格に対応する周囲のデバイスを検出するためのデバイス検出処理を実行させることによって本PDA10の周囲の通信状況を検出し(ステップS501)、その検出結果に応じて、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128との無線通信を実行可能な通信相手が本PDA10の周囲(例えば、第2の無線通信デバイス128の電波が届く範囲内)に存在するか否かを判別する(ステップS502)。ステップS301では、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を制御する上述のデバイスドライバ等と共同して、デバイス検出処理を第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128に実行させる。
【0068】
通信相手が存在しないならば、省電力ユーティリティプログラム131Aは、Bluetoothレジスタ143に“0”のフラグをセットして、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を一時的に電源オフする(ステップS503)。第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オフされてから一定時間経過した時(ステップS504のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、Bluetoothレジスタ143に“1”のフラグをセットして、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を再び電源オンする(ステップS505)。この後、省電力ユーティリティプログラム131Aは、再び、周囲の通信状況を検出して第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の通信相手が存在するか否かを判別する処理を実行する(ステップS501,S502)。
【0069】
以上の省電力制御処理により、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126の無駄な電力消費量を効率よく低減することが可能となる。
【0070】
次に、図14のフローチャートを参照して、省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される電源制御処理の第2の例を説明する。
【0071】
例えば、本PDA10が電源オンされている状態で、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた場合、省電力ユーティリティプログラム131Aが起動される。省電力ユーティリティプログラム131Aは、まず、セットアップウィンドウW1を表示すべきか否か、つまり自動表示モードが有効であるか否かを判別する(ステップS601)。もし自動表示モードが有効であれば(ステップS601のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウィンドウW1を表示する(ステップS602)。ユーザは、セットアップウィンドウW1上で、電源オンすべき無線通信デバイスを変更または追加する操作を行うことができる。セットアップウィンドウW1上の“OK”ボタン304が押された時、省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウィンドウW1上に表示されている現在の設定内容をセットアップ情報としてテーブルT1に格納する。
【0072】
一方、もし自動表示モードが無効であれば(ステップS601のNO)、ステップS602の処理はスキップされる。
【0073】
省電力ユーティリティプログラム131Aは、テーブルT1に格納されている現在のセットアップ情報を参照して、2つの無線通信デバイス126,128の電源オン/オフの組み合わせが以下の3つの内のいずれであるかを判別する(ステップS603,S608,S613)。
【0074】
(1)無線LAN=ON,Bluetooth=OFF
(2)無線LAN=OFF,Bluetooth=ON
(3)無線LAN=ON,Bluetooth=ON
無線LAN=ON,Bluetooth=OFFであれば(ステップS603のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、本PDA10が外部電源によって駆動されているかどうか、つまりAC駆動であるかどうかを判定する処理を実行する(ステップS604)。
【0075】
もし本PDA10にACアダプタ124Bが接続されておらず、本PDA10がバッテリ124Aによって駆動されているならば(ステップS604のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が15パーセント以上であるかどうかを判別する(ステップS605)。バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント以上であれば(ステップS605のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142に“1”のフラグをセットすることにより、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を電源オンする(ステップS606)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント未満であるならば(ステップS605のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされることを禁止するために、ステップS606をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(無線LAN)を電源オンできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS607)。
【0076】
無線LAN=OFF,Bluetooth=ONであれば(ステップS608のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、本PDA10が外部電源によって駆動されているかどうか、つまりAC駆動であるかどうかを判定する処理を実行する(ステップS609)。もし本PDA10にACアダプタ124Bが接続されておらず、本PDA10がバッテリ124Aによって駆動されているならば(ステップS609のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が15パーセント以上であるかどうかを判別する(ステップS610)。バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント以上であれば(ステップS610のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、Bluetoothレジスタ143に“1”のフラグをセットすることにより、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンする(ステップS611)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント未満であるならば(ステップS610のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンされることを禁止するために、ステップS611をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(Bluetooth)を電源オンできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS612)。
【0077】
無線LAN=ON,Bluetooth=ONであれば(ステップS613のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、本PDA10が外部電源によって駆動されているかどうか、つまりAC駆動であるかどうかを判定する処理を実行する(ステップS614)。もし本PDA10にACアダプタ124Bが接続されておらず、本PDA10がバッテリ124Aによって駆動されているならば(ステップS614のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が、15パーセントよりも多い、例えば30パーセント、以上であるかどうかを判別する(ステップS615)。バッテリ124Aの現在の残容量が30パーセント以上であれば(ステップS615のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142およびBluetoothレジスタ143にそれぞれ“1”のフラグをセットすることにより、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128の双方を電源オンする(ステップS616)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が30パーセント未満であるならば(ステップS615のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126および第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128が電源オンされることを禁止するために、ステップS616をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(Bluetooth)と無線通信デバイス(無線LAN)の双方を同時に電源オンすることはできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS617)。
【0078】
2つの無線通信デバイス126,128が同時に電源オンされた場合にはPDA10の電力消費量が大幅に増加する。本実施形態では、2つの無線通信デバイス126,128の双方が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択された場合には、2つの無線通信デバイス126,128のいずれか一方が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択された場合よりも、大きな値のしきい値が用いられる。したがって、たとえ2つの無線通信デバイス126,128の双方が電源オンすべき無線通信デバイスとして選択された場合でも、本PDA10の動作性能の著しい低下や本PDA10の誤動作のような、不具合の発生を未然に防止することができる。
【0079】
次に、図15のフローチャートを参照して、省電力ユーティリティプログラム131Aによって実行される電源制御処理の第3の例を説明する。
【0080】
省電力ユーティリティプログラム131AのセットアップウィンドウW1は、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ15がオンされた時だけでなく、例えばユーザが操作キー12を操作することによって任意のタイミングで表示することができる。このため、ユーザは、2つの無線通信デバイス126,128の一方が電源オンされている状態で、セットアップウィンドウW1を起動することにより、現在電源オフされている、2つの無線通信デバイス126,128の他方を電源オンすべき無線通信デバイスとして新たに追加することができる。
【0081】
バッテリ124Aの残容量がある基準値よりも低下した状態においても、2つの無線通信デバイス126,128のいずれか一方のみが電源オンされているならば、当該いずれか一方の無線通信デバイスに対応した、無線LAN規格またはBluetooth規格の無線通信をある一定期間は継続して実行することができる可能性がある。しかし、もしこの状態で、現在電源オフされている他方の無線通信デバイスが電源オンされたならば、2つの無線通信デバイス126,128双方の電力消費によってバッテリ124Aの残容量が急激に低下してしまい、これによって無線LAN規格およびBluetooth規格のどちらの無線通信についても正常に実行することができなくなる危険がある。
【0082】
そこで、電源制御処理の第3の例では、省電力ユーティリティプログラム131Aは、2つの無線通信デバイス126,128のいずれか一方のみが電源オンすべきデバイスとして選択された場合には、その無線通信デバイスを無条件に電源オンする。そして、他方の無線通信デバイスが電源オンすべき無線通信デバイスとして新たに選択された時に、省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量に応じて、当該他方の無線通信デバイスが電源オンされることを許可または禁止するための制御を行う。以下、具体的に説明する。
【0083】
ここでは、PDA10がバッテリ起動されている場合を想定する。省電力ユーティリティプログラム131Aは、セットアップウィンドウW1上でBluetooth=ON、無線LAN=OFFが指定された場合、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンすべき無線通信デバイスとして選択する(ステップS701)。そして、省電力ユーティリティプログラム131Aは、Bluetoothレジスタ143に“1”のフラグをセットすることにより、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンする(ステップS702)。
【0084】
次に、しばらく時間が経過した後に、ユーザによってセットアップウィンドウW1が呼び出され、そのセットアップウィンドウW1上でBluetooth=ON、無線LAN=ONが指定された場合を想定する。
【0085】
省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を電源オンすべき新たな無線通信デバイスとして選択する(ステップS703)。省電力ユーティリティプログラム131Aは、バッテリ124Aの現在の残容量を検出し、その検出された残容量が15パーセント以上であるかどうかを判別する(ステップS704)。バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント以上であれば(ステップS704のYES)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、無線LANレジスタ142に“1”のフラグをセットすることにより、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126を電源オンする(ステップS705)。一方、バッテリ124Aの現在の残容量が15パーセント未満であるならば(ステップS704のNO)、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされることを禁止するために、ステップS705をスキップする。そして、バッテリの残容量が少ないために無線通信デバイス(無線LAN)を電源オンできない旨のエラーメッセージをLCD111の表示画面上に表示する(ステップS706)。第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128は電源オン状態のまま維持される。
【0086】
なお、電源制御処理の第3の例では、最初に選択された一方の無線通信デバイスについては無条件に電源オンしたが、図9で説明した電源制御処理の第1の例と同様に、バッテリ残量が15パーセント以上あることを条件に電源オンしてもよい。この場合、バッテリ残量が15パーセント以上ある状態で、セットアップウィンドウW1上で例えばBluetooth=ON、無線LAN=OFFが指定されたならば、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オンする。この後、もしバッテリ残量が15パーセント未満の状態で、セットアップウィンドウW1上でBluetooth=ON、無線LAN=ONが指定されたならば、省電力ユーティリティプログラム131Aは、第2の無線通信デバイス(Bluetooth)128を電源オン状態に維持したまま、第1の無線通信デバイス(無線LAN)126が電源オンされることを禁止する。
【0087】
また、電源制御処理の第2の例および電源制御処理の第3の例どちらにおいても、図10乃至図13で説明した省電力処理を実行することができる。
【0088】
また、本実施形態で説明した処理の手順は全てコンピュータプログラムによって実現されているので、当該コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じて通常のコンピュータに導入するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することが出来る。
【0089】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す図。
【図2】同実施形態の情報処理装置の外観底面部を示す斜視図。
【図3】同実施形態の情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態の情報処理装置によって用いられるワイヤレスコミュニケーション電源コントローラの構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態の情報処理装置によって用いられる省電力ユーティリティプログラムの機能構成を示すブロック図。
【図6】図5の省電力ユーティリティプログラムによって表示される操作画面の例を示す図。
【図7】ワイヤレスコミュニケーションスイッチの状態と無線通信デバイスの状態に対応して表示されるインジケータの状態を説明するための図。
【図8】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される省電力機能を説明するための図。
【図9】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される電源制御処理の第1の例を示すフローチャート。
【図10】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される第1の無線通信デバイス(無線LAN)の省電力処理を示すフローチャート。
【図11】図10の省電力処理内において実行される省電力制御処理を示すフローチャート。
【図12】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される第2の無線通信デバイス(Bluetooth)の省電力処理を示すフローチャート。
【図13】図12の省電力処理において実行される省電力制御処理を示すフローチャート。
【図14】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される電源制御処理の第2の例を示すフローチャート。
【図15】図5の省電力ユーティリティプログラムによって実行される電源制御処理の第3の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0091】
1…PDA本体、11…表示部、12…操作キー、13…電源ボタン、14…ワイヤレスコミュニケーションLED、15…ワイヤレスコミュニケーションスイッチ、110…タブレット、111…LCD、121…CPU、122…グラフィクスコントローラ、123…タブレットコントローラ、124…電源回路、124A…バッテリ、124B…ACアダプタ、125,127…インタフェースユニット、126…第1の無線通信デバイス(無線LAN)、128…第2の無線通信デバイス(Bluetooth)、129…I/Oコントローラ、130…不揮発性メモリ、131…RAM、131A…省電力ユーティリティプログラム、140…ワイヤレスコミュニケーション電源コントローラ、141…ワイヤレスコミュニケーションレジスタ、142…無線LANレジスタ、143…Bluetoothレジスタ、G1,G2…ANDゲート、144,145…スイッチ回路、201…イベント検出モジュール、202…セットアップウィンドウ表示モジュール、203…選択モジュール、204…電源制御モジュール、301,302…ラジオボタン、303…チェックボックス、304…“OK”ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、第1の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第1の無線通信部と、
前記筐体内に設けられ、第2の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第2の無線通信部と、
前記筐体に設けられた無線通信制御スイッチと、
前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択する選択手段と、
前記無線通信制御スイッチがオフ状態である場合、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部をそれぞれ電源オフ状態に維持する電源オフ手段と、
前記無線通信制御スイッチがオン状態である場合、前記選択手段によって選択された前記少なくとも一方の無線通信部を電源オンする電源オン手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置はバッテリからの電力によって駆動可能に構成されており、
前記電源オン手段は、
前記無線通信制御スイッチがオンされた場合、前記バッテリの残容量を検出する手段と、
前記検出された残容量が所定のしきい値よりも低い場合、前記選択された前記一方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置はバッテリからの電力によって駆動可能に構成されており、
前記電源オン手段は、
前記無線通信制御スイッチがオンされており、かつ前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部のいずれか一方が既に選択されている状態で、前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の他方が新たに選択された場合、前記バッテリの残容量を検出する手段と、
前記検出された残容量が所定のしきい値よりも低い場合、前記既に選択されている前記一方の無線通信部を電源オン状態に維持した状態で、前記新たに選択された前記他方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置はバッテリからの電力によって駆動可能に構成されており、
前記電源オン手段は、
前記無線通信制御スイッチがオンされた場合、前記バッテリの残容量を検出する手段と、
前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部のいずれか一方が選択されている場合、前記検出された残容量が第1のしきい値よりも低いことを条件に、前記選択された前記一方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段と、
前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の双方が選択されている場合、前記検出された残容量が前記第1のしきい値よりも高い第2のしきい値よりも低いことを条件に、前記選択された前記双方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択された前記一方の無線通信部が電源オンされた場合、前記情報処理装置の周囲の通信状況を検出して前記選択された前記一方の無線通信部との無線通信を実行可能な通信相手が存在するか否かを判別する手段と、
前記通信相手が存在しないことが判別された場合、前記一方の無線通信部を所定期間電源オフ状態に設定する手段とをさらに具備することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記無線通信制御スイッチは一つのハードウェアスイッチであり、
前記選択手段は、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択するための画面を前記情報処理装置の表示装置に表示するグラフィカルユーザインターフェースを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記無線通信制御スイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択させる画面を前記情報処理装置の表示装置に表示する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
バッテリからの電力によって駆動可能な情報処理装置において、
筐体と、
前記筐体内に設けられ、第1の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第1の無線通信部と、
前記筐体内に設けられ、第2の無線通信方式に対応する無線通信を実行する第2の無線通信部と、
前記筐体に設けられた無線通信制御スイッチと、
ユーザからの要求に応じて、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の少なくとも一方を選択する選択手段と、
前記無線通信制御スイッチがオフ状態である期間中、前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部をそれぞれ電源オフ状態に維持する電源オフ手段と、
前記無線通信制御スイッチがオンされており、かつ前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部のいずれか一方が選択された場合、前記選択された前記一方の無線通信部を電源オンする手段と、
前記一方の無線通信部が電源オンされている状態で、前記選択手段によって前記第1の無線通信部および前記第2の無線通信部の他方が新たに選択された場合、前記バッテリの残容量を検出する手段と、
前記検出された残容量が所定のしきい値よりも低い場合、前記一方の無線通信部を電源オン状態に維持した状態で、前記新たに選択された前記他方の無線通信部が電源オンされることを禁止する手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記選択された前記一方の無線通信部が電源オンされた場合、前記情報処理装置の周囲の通信状況を検出して前記一方の無線通信部との無線通信を実行可能な通信相手が存在するか否かを判別する手段と、
前記通信相手が存在しないことが判別された場合、前記一方の無線通信部を所定期間電源オフ状態に設定する手段とをさらに具備することを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−74615(P2006−74615A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257547(P2004−257547)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】