説明

情報処理装置

【課題】ジョブの処理中にユーザに対して関連のある情報を表示し提供することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】複合機は、コピージョブの処理中に(S101)、ユーザからログインの操作を受け付けて個人認証を行い(S102)、認証許可の場合に(S103;Yes)、そのユーザの個人情報を外部のサーバなどから取得して(S107)、表示部に表示する(S109)。ユーザは、コピージョブの処理中に、複合機の表示部に表示される自分の個人情報が閲覧できるようになり、コピージョブの処理が完了するまでの待ち時間を有効に過ごすことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブの処理中に所定の情報を表示してユーザに提供する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機では、ユーザから依頼された原稿の複写印刷が完了するまでの待ち時間などに、複写機の前で待機するユーザに対して、表示部を利用し所定の情報を表示して提供しているものがある。たとえば、特許文献1には、コンビニエンスストアなどで複写サービスを利用する顧客に対し、複写印刷が完了するまでの待ち時間に複写機が広告情報を表示して提供すると共に、その待ち時間の長さに適した広告情報を選択的に取得して表示したり、待ち時間の長さに応じて広告情報を適宜編集して表示したりする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−230390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術は、複写サービスを利用する不特定の顧客に対して、サービス提供者側の利益向上を図るために広告を提供するようにしている。しかし、顧客の嗜好は様々であるため、必ずしも顧客の望む内容や顧客にとって有用性のある内容の広告を提供できるとは限らない。このような不適な内容の広告が提供された場合に、顧客は複写機の前で複写印刷が完了するのを待つ時間を有効に過ごせなくなる。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、ジョブの処理中にユーザに対して関連のある情報を表示し提供することができる情報処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0007】
[1]ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
前記処理部によるジョブの処理中に前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得して前記ジョブの処理中に前記表示部に表示する制御部と、
を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【0008】
上記発明では、ジョブの処理中に入力された認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証(特定)したユーザの個人情報を取得してそのジョブの処理中に表示する。取得および表示するユーザの個人情報には、ユーザに関連のある各種の情報が含まれる。たとえば、ユーザ宛に送られてくる通知情報や、ユーザが予め登録しておいた登録情報や、ユーザに関連付けられていて随時更新される更新情報などが含まれる。これにより、ユーザはジョブの処理中に自分の個人情報を閲覧できるようになる。
【0009】
[2]ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ユーザから依頼されたジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得してそのユーザから依頼されたジョブに対する前記処理部による処理中に前記個人情報を前記表示部に表示する制御部と、
を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【0010】
上記発明では、入力された認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証(特定)したユーザの個人情報を取得してそのユーザから依頼されたジョブの処理中に表示する。これにより、ユーザは自分の依頼したジョブの処理中に自分の個人情報を閲覧できるようになる。
【0011】
[3]前記制御部は、前記処理部による前記ジョブの処理の残り時間に応じて前記個人情報を加工し前記表示部に表示する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の情報処理装置。
【0012】
上記発明では、所定の記憶部から取得された個人情報がジョブの処理の残り時間に応じて加工されて表示される。個人情報の加工は、たとえば、残り時間に応じて、情報を簡略に表示するまたは詳細に表示するように加工したり、新しい情報や重要な情報を抽出して表示するように加工したり、新しい情報や重要な情報から優先的に表示するように加工したりすることができる。これにより、残り時間内でユーザが閲覧するのに適した情報を表示して提供することができる。
【0013】
[4] 前記表示部に表示された前記個人情報に対する選択を受け付ける選択部を備え、
前記制御部は、前記選択部で選択を受け付けた個人情報について、前記選択を受け付ける前に表示していた内容よりも詳細な内容を前記表示部に表示する
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0014】
上記発明では、表示されたユーザの個人情報が選択されると、選択前に表示されていた内容よりも詳細な内容が表示される。この詳細な内容の表示は、たとえば、選択前の内容に追加して表示したり、選択前の内容に置き換えて表示したりするなどが可能である。これにより、ユーザは所望の個人情報における詳細な内容を確認できるようになり、個人情報を表示してユーザに提供する上での利便性が向上する。
【0015】
[5]前記制御部は、前記処理部による前記ジョブの処理が完了すると前記表示部による前記個人情報の表示を終了する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0016】
上記発明では、ユーザの依頼したジョブの処理が完了すると個人情報の表示が自動的に終了する。このジョブの処理完了後に情報処理装置を訪れた他のユーザなどに個人情報が目撃されることはないため、個人情報の機密性を確保することができる。
【0017】
[6]所定の操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部で所定の操作を受け付けると前記表示部による前記個人情報の表示を終了する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0018】
上記発明では、ユーザの依頼したジョブの処理中であっても、操作部を通して所定の操作を行うと個人情報の表示が終了する。たとえば、ユーザがジョブの処理中に情報処理装置から離れるような場合には、個人情報の表示を終了させてから離れられるようになる。このように、ジョブの処理中ではあるが処理を依頼したユーザが不在のときに、情報処理装置を訪れた他のユーザなどに個人情報が目撃されることはないため、個人情報の機密性を確保することができる。
【0019】
[7]前記認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証装置と通信する通信部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ認証を、前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報を前記通信部を通じて前記認証装置に送信して依頼し、その依頼したユーザ認証の結果を前記認証装置から前記通信部を通じて受信することにより行う
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0020】
上記発明では、情報処理装置は入力された認証情報を外部の認証装置に送信してユーザ認証を依頼し、その依頼したユーザ認証の結果を認証装置から受信することでユーザ認証を行う。
【0021】
[8]前記個人情報は、電子メールの情報と、スケジュールの情報と、マイページの情報との少なくとも1つを含む
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の印刷システム。
【0022】
上記発明では、ジョブの処理中にユーザの個人情報として、電子メールの情報と、スケジュールの情報と、マイページの情報との少なくとも1つを表示する。ユーザはジョブの処理中に表示された自分の電子メールの情報や、自分のスケジュールの情報や、自分のマイページの情報を閲覧できるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の情報処理装置によれば、ジョブの処理中にユーザに対して関連のある情報を表示し提供することができる。したがって、情報処理装置の前でジョブの処理が完了するのを待つユーザは、その待ち時間を自分に関連のある情報を閲覧しながら有効に過ごすことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システム5のシステム構成例を示している。情報処理システム5は、オフィスなどで使用されるシステムであり、任意台数の複合機(MFP;Multi Function Peripheral/Multi Function Printer)10と、任意台数のクライアント端末11と、メールサーバ12と、スケジュールサーバ13と、マイページサーバ14とをLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続して構成される。
【0026】
複合機10は、原稿のコピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能などを備えた装置(情報処理装置)である。また、入力された認証情報に基づいてユーザ認証を行う機能(ユーザ認証機能)、認証したユーザの個人情報を取得する機能、取得した個人情報をジョブの処理中に表示する機能を備えている。
【0027】
クライアント端末11は、複合機10に対してネットワーク2を通じてアクセスし、プリントジョブなど各種作業の依頼や操作の依頼などを行う装置であり、たとえば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)に複合機10のドライバプログラムなどを組み込んで構成される。
【0028】
メールサーバ12は、電子メールの送受信や管理を行う機能を備えている。スケジュールサーバ13は、クライアント端末11を使用するユーザのスケジュールの登録や管理をユーザ毎に行う機能、クライアント端末11を通じてスケジュールの閲覧を依頼するユーザに対し、そのユーザに対応するスケジュールの公開を行う機能を備えている。
【0029】
また本実施の形態では、情報処理システム5を導入した会社や部門などの組織が所属者(所属ユーザ)に対してマイページサービスを提供している。マイページサービスとは、ウェブサイト上にユーザ専用(半専用も含む)のホームページを作成しアクセス制限を掛けて公開するサービスである。マイページとは、マイページサービスを提供するウェブサイト上に作成されたユーザ専用のホームページである。
【0030】
このマイページには、ユーザが情報の登録、更新、削除などを行えてそのユーザのみに公開される専用領域や、管理者などが情報の登録、更新、削除などを行えて組織に所属する全ユーザまたは指定された一部の対象ユーザのみに公開される非専用領域(管理者領域)が設けられている。さらに、ユーザが登録、更新、削除などを行う情報が自分の所属する組織内の全ユーザまたは指定された一部の対象ユーザのみに公開される公共領域を設けるようにしてもよい。
【0031】
このようなマイページサービスにより、ユーザは自分のマイページを作成し、専用領域に自分の業務に関する情報などを登録して閲覧したり、非専用領域に表示される各種の情報、たとえば、組織が所属ユーザ向けに配信する連絡事項やニュース(トピックス)などの情報を閲覧したりすることができる。さらに、公共領域が設けられている場合には、公共領域に伝達事項などの情報を登録して他のユーザに閲覧させたり、他のユーザと情報交換したりすることもできる。
【0032】
マイページサーバ14は、ウェブサイト上に上記のマイページサービスを提供し、クライアント端末11を使用するユーザ毎のマイページ(ユーザ専用のホームページ)の登録や管理を行う機能、クライアント端末11を通じてマイページの閲覧を依頼するユーザに対し、そのユーザに対応するマイページの公開を行う機能を備えている。
【0033】
また、上述した複合機10が取得する個人情報の詳細は、電子メールの情報と、スケジュールの情報と、マイページの情報である。複合機10は、認証したユーザの電子メールの情報を取得する場合には、メールサーバ12にアクセスし、そのユーザに対応する電子メールの情報を取得する。認証したユーザのスケジュールの情報を取得する場合には、スケジュールサーバ13にアクセスし、そのユーザに対応するスケジュールの情報を取得する。認証したユーザのマイページの情報を取得する場合には、マイページサーバ14にアクセスし、そのユーザに対応するマイページの情報を取得する。
【0034】
図2は、複合機10の概略構成を示している。複合機10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21に、バス22を介してROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、不揮発メモリ25と、ハードディスク装置26(図中では「HDD」(Hard Disk Drive)と表記)と、操作表示部27と、ファクシミリ通信部28と、ネットワーク通信部29と、原稿送り装置制御部30と、スキャナ部31と、画像処理部32と、プリンタ部33と、ユーザ認証入力部34とを接続して構成される。
【0035】
CPU21は、ROM23に格納されているプログラムに基づいて複合機10の動作を制御する。RAM24はCPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリとして使用されるほか、画像データを一時的に保存するための画像メモリなどにも使用される。
【0036】
不揮発メモリ25は、電源がオフされても記憶が保持されるメモリであり、装置固有の情報や各種の設定情報、ユーザの認証情報などが記憶される。ハードディスク装置26は、各種の保存データなどを格納するほか、原稿のスキャンやコピーにおける画像データ、クライアント端末11から依頼された印刷における画像データ(印刷データ)なども保存する。
【0037】
操作表示部27は、各種の画面を表示する表示部としての機能と、ユーザなどが複合機10に対して行う各種の操作を受け付ける操作部としての機能とを果たす。ここでは、操作表示部27は液晶ディスプレイとその画面上に設けられたタッチパネル(タッチスクリーン)と、各種のボタン類とで構成される。
【0038】
ファクシミリ通信部28は、ファクシミリ機能を備えた外部装置と公衆回線を通じて通信する機能を果たす。ネットワーク通信部29は、クライアント端末11、メールサーバ12、スケジュールサーバ13、マイページサーバ14などの外部装置とネットワーク2を通じて通信する機能を果たす。
【0039】
原稿送り装置制御部30は、図示しない自動原稿送り装置(Auto Document Feeder;ADF)の動作を制御する機能を果たす。自動原稿送り装置は、スキャナ部31による読取位置に原稿を自動で送り込む機能を備えている。たとえば、原稿が積載される原稿トレイと、原稿トレイに積載された原稿をスキャナ部31の読取位置に案内し排出するための搬送通路と、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送通路に送り込み、スキャナ部31の読取位置を通過させて搬送通路から排出する複数の搬送ローラと、スキャナ部31による読み取りの済んだ原稿が搬送通路から排出される排出トレイなどで構成される。
【0040】
スキャナ部31は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。たとえば、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光して原稿を幅方向に1ライン分読み取るイメージセンサと、原稿からの反射光をイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路などで構成される。
【0041】
画像処理部32は画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮(圧縮暗号化)/伸張(伸張復号化)など各種の画像処理を施す機能を果たす。また、クライアント端末11から依頼された印刷における印刷データ(ベクタ形式のイメージデータ)に対してラスタライズ処理を施す機能を果たす。
【0042】
プリンタ部33は、入力された画像データに対応する画像を用紙に印刷して出力する機能を果たす。たとえば、用紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを備え、電子写真プロセスによって用紙上に画像を形成するレーザープリンタなどとして構成される。
【0043】
ユーザ認証入力部34は、ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部としての機能を果たす。ユーザ認証としては、たとえば、カード認証技術、生体認証技術、パスワード認証技術などの汎用の各種の認証技術を単独もしくは組み合わせて用いることができる。
【0044】
カード認証技術は、ユーザの所有するIC(Integrated Circuit)カードやID(Identification)カードなどに記憶されている認証用データを接触式または非接触式のカードリーダなどで読み取って、予め登録されている認証情報と照合し個人認証を行う認証技術である。生体認証技術は、ユーザの指紋や指静脈などの生体情報を認証用データとして生体認証ユニットなどで読み取って、予め登録されている認証情報と照合し個人認証を行う認証技術である。パスワード認証技術は、ユーザが認証用パスワードを操作表示部27から入力して、予め登録されている認証情報と照合し個人認証を行う認証技術である。
【0045】
ユーザ認証入力部34は、カード認証技術を用いる場合にはカードリーダなどで構成される。生体認証技術を用いる場合には生体認証ユニットなどで構成される。パスワード認証技術を用いる場合には操作表示部27に組み込まれるなどして構成される。
【0046】
CPU21はプログラムを実行することで、ユーザ認証入力部34で入力を受け付けた認証用データや認証用パスワードなどの認証情報と不揮発メモリ25に記憶されている認証情報を照合してユーザ認証(個人認証)を行う機能と、認証したユーザの個人情報を取得する機能と、取得した個人情報をジョブの処理中に操作表示部27に表示する機能とを果たす。さらに、ジョブの処理の残り時間に応じて個人情報を加工して表示する機能や、操作表示部27で選択を受け付けた個人情報について、選択を受け付ける前に表示していた内容よりも詳細な内容を表示する機能や、ジョブの処理が完了すると個人情報の表示を終了する機能や、操作表示部27で所定の操作を受け付けると個人情報の表示を終了する機能を果たす。
【0047】
ジョブの処理中に表示する個人情報は、認証したユーザにおける電子メールの情報と、スケジュールの情報と、マイページの情報との少なくとも1つを含むものである。この個人情報の表示に関しては、表示種類の選択、表示形式の選択、表示の優先順位付けなどが設定できるようにしてもよい。またその設定は、初期設定されていてもよく、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0048】
表示種類の選択は、複数種類(本実施の形態では3種類)の個人情報の中から実際に表示を行う種類を選択するものである(表示/非表示の選択)。
【0049】
表示形式の選択は、情報の内容を簡略または詳細に表示するなどの選択である(簡略表示/詳細表示の選択)。
【0050】
表示の優先順位付けは、複数種類の個人情報に対する表示形式の優先順位付けや、個人情報の中に複数の表示項目が含まれている場合のその複数の表示項目に対する表示形式や表示/非表示の優先順位付けなどである。前者の場合は、たとえば、優先順位の高い種類は低い種類より情報の内容を詳細に表示する、または、優先順位の低い種類は高い種類より情報の内容を簡略に表示するなどである。後者の場合は、たとえば、優先順位の高い表示項目は低い表示項目より情報の内容を詳細に表示する、または、優先順位の低い表示項目は高い表示項目より情報の内容を簡略に表示する、もしくは、優先順位の高い表示項目から順に表示するなどである。
【0051】
上記の個人情報の表示に関する設定情報は、不揮発メモリ25に保存される。ユーザが設定する場合には、ユーザが複合機10の操作表示部27を通して設定を行ったり、クライアント端末11を通して複合機10にアクセスして設定を行ったりするなどの構成が可能である。これらの操作でユーザにより設定された個人情報の表示に関する設定情報は、そのユーザの識別情報と関連付けられて不揮発メモリ25に保存される。
【0052】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0053】
上述したように、複合機10はジョブの処理中にユーザの個人情報を表示する機能を備えている。ここでは、コピージョブを例に説明する。また、ユーザによるコピージョブの設定や処理開始の操作は、ユーザ認証機能により、ユーザ認証(ログイン)を行ってから受け付けるような動作も可能であるが、ここでは、ユーザ認証を行わずに上記の操作を受け付け、コピージョブの処理中にユーザ認証を行う場合で説明する。また、コピージョブの処理中は、そのコピージョブを依頼したユーザがログインするほかに、他のユーザがログインすることも可能であるが、ここでは、コピージョブを依頼したユーザがログインする場合で説明する。また、個人情報の表示に関するユーザ設定が可能であり、その設定をユーザが予め行っているものとして説明する。
【0054】
図3は、複合機10によるコピージョブの処理の流れをフローチャートで示している。ユーザは複合機10でコピーを行うに当たり、たとえば原稿を自動原稿送り装置にセットし、必要に応じてコピーに関する各種の設定(コピージョブの設定)を行う。そして、スタートボタンを押下するなどにより、コピーの開始操作を行う。CPU21は本処理を開始し(Start)、ユーザから上記の操作を受け付けると、コピージョブの処理を開始する(ステップS101)。
【0055】
詳細には、CPU21は原稿送り装置制御部30を通じて自動原稿送り装置を制御し、原稿の送り込みを開始する。スキャナ部31は、自動原稿送り装置によって読取位置に送り込まれた原稿を光学的に読み取って画像データを取得し出力する。CPU21は、スキャナ部31から出力された画像データをRAM24またはハードディスク装置26に保存する。また、画像処理部32で画像データに各種の画像処理を施し、プリンタ部33に入力する。そしてプリンタ部33は、入力された画像データに対応する画像を用紙に印刷して出力する。
【0056】
CPU21は、上記のコピージョブの処理中に、ユーザからログインの操作を受け付けると、すなわち、ユーザ認証入力部34でユーザから認証情報の入力を受け付けると、入力された認証情報と不揮発メモリ25に記憶されている認証情報を照合して個人認証を行う(ステップS102)。
【0057】
認証不許可の場合には(ステップS103;No)、CPU21は、操作表示部27にその旨を表示して認証画面に表示を切り替え(ステップS104)、ステップS110へ移行する。認証許可の場合には(ステップS103;Yes)、CPU21は、認証したユーザの識別情報に基づいて、そのユーザに対応する個人情報の表示に関する設定情報を不揮発メモリ25から読み込み(ステップS105)、コピージョブの処理の残り時間を計算する(ステップS106)。残り時間の詳細は、現時点(ログイン時点)からコピージョブの処理が完了するまでの所要時間である。残り時間の計算は、複合機10の複写能力(連続複写速度)と残りの印刷枚数などに基づいて行う。
【0058】
たとえば、原稿が10枚でコピー部数が20部の場合は印刷枚数が200枚となり、この印刷枚数は原稿の読み取りが完了した時点で確定する。複合機10の連続複写速度が60枚/分であり、20/200枚まで印刷出力した時点でユーザが複合機10にログインした場合には、コピージョブの処理の残り時間は180(枚)÷60(枚/分)で概ね3分と算出される。
【0059】
CPU21は、認証したユーザの個人情報を、メールサーバ12、スケジュールサーバ13、マイページサーバ14から取得する(ステップS107)。この個人情報の取得においては、CPU21は、不揮発メモリ25から読み込んだ設定情報と、計算したコピージョブの処理の残り時間とに基づいて、必要な情報のみを取得する。
【0060】
続いてCPU21は、取得した個人情報を上記の設定情報と残り時間に基づいて加工し(ステップS108)、加工した個人情報を操作表示部27に表示して(ステップS109)、ステップS110へ移行する。
【0061】
ステップS110では、CPU21はコピージョブの処理が完了したか否か、すなわち、原稿の複写および印刷出力が完了したか否かを判断する。コピージョブの処理が完了しておらず(ステップS110;No)、ユーザの認証中(ログイン中)でない場合には(ステップS111;No)、ステップS103へ戻る。この場合は、コピージョブの処理が完了するまで(ステップS110;Yes)、認証画面の表示が継続される(ステップS104)。
【0062】
ユーザの認証中(ログイン中)であるが(ステップS111;Yes)、操作表示部27を通してユーザからログアウトの操作を受け付けた場合には(ステップS112;Yes)、ステップS103へ戻る。この場合のステップS103では、ユーザを認証していないことにより(ステップS103;No)、CPU21は、操作表示部27の表示を認証画面に切り替え(ステップS104)、ステップS110へ移行する。このように、ユーザがログアウトの操作を行った場合には、操作表示部27によるユーザの個人情報の表示が終了して認証画面に表示が切り替えられる。そして、コピージョブの処理が完了するまで(ステップS110;Yes)、認証画面の表示が継続される(ステップS104)。
【0063】
コピージョブの処理が完了した場合には(ステップS110;Yes)、CPU21は、操作表示部27に認証画面を表示していた場合には、その認証画面の表示を終了して(ステップS113)、本処理を終了する(End)。また、操作表示部27にユーザの個人情報を表示していた場合には、個人情報の表示を終了する旨を表示して個人情報の表示を終了し(ステップS113s)、本処理を終了する(End)。
【0064】
図4〜図6は、複合機10の操作表示部27に表示されたユーザの個人情報の一例を示している。
【0065】
図4は、表示する個人情報が電子メールの情報に設定されている場合の一例である。操作表示部27は、タッチパネルディスプレイ50と、スタートボタン51を含む各種のハードボタンとを備えている。タッチパネルディスプレイ50には、コピージョブの処理における進捗状況52と残り時間53、次のジョブの情報を示す次ジョブ情報54が表示される。
【0066】
たとえば、コピー部数が4部のうちの2部まで印刷出力を終えている場合には、進捗状況52は「Job 2/4部」などで表示される。コピージョブの処理の残り時間が1分の場合には、残り時間53は「残時間1分」などで表示される。さらにタッチパネルディスプレイ50には、ユーザの個人情報として、複合機10(CPU21)がメールサーバ12から取得した当該ユーザ(認証ユーザ)の電子メールの情報が表示される。
【0067】
本例のように残り時間が1分と短い場合には、CPU21は、ユーザ宛の新着(未読)メールを抽出し、その件名を受信日時の新しい順に優先的に表示する加工を行って操作表示部27に表示する。たとえば、受信日時の新しい順に上から、新着メール1の件名55、新着メール2の件名56、新着メール3の件名57、新着メール4の件名・・・を並べて表示する(新着メール情報画面)。
【0068】
タッチパネルディスプレイ50に表示された新着メール(件名)は、表示領域が押下されることで選択されるようになっている。CPU21は、新着メールの選択を受け付けると、その新着メールの要約を件名の下に並べて表示する。要約は、たとえばメール本文の数行分を抜粋するなどして作成することができる。また、抜粋した文章に空白が設けられている場合には、空白を無くして文字を詰めるなどしてもよい。本例は、最新の新着メール1が選択された状態を示しており(ハッチング表記)、新着メール1の件名55の下に、新着メール1の要約58が並べて表示されている。
【0069】
図5は、表示する個人情報が電子メールの情報とスケジュールの情報に設定されている場合の一例である。操作表示部27のタッチパネルディスプレイ50には、図4と同様に、コピージョブの処理における進捗状況52と残り時間53、次ジョブ情報54が表示される。さらにユーザの個人情報として、複合機10(CPU21)がメールサーバ12から取得した当該ユーザの電子メールの情報と、スケジュールサーバ13から取得した当該ユーザのスケジュールの情報が表示される。
【0070】
本例のように残り時間が5分と比較的長い場合には、CPU21は、ユーザの1週間分のスケジュールを詳細に表示すると共に、新着メールと重要スケジュールを抽出しそれらの情報を簡略に表示する加工を行って操作表示部27に表示する。
【0071】
たとえば、ユーザが予め登録しておいた今週の週間スケジュール60を1日単位スケジュール61で詳細に表示する。その下に、新着メール情報62と重要スケジュール情報63をその順に上から下へ並べ、選択可能なメニューとして簡略に表示する。新着メール情報62は、たとえば新着(未読)メールの件数などを表示するようにしてもよい。重要スケジュール情報63は、たとえばユーザが予め「重要」に設定しておいたスケジュールのタイトルと日時などを表示するようにしてもよい。
【0072】
タッチパネルディスプレイ50に表示された週間スケジュール60における個々の1日単位スケジュール61と、新着メール情報62と、重要スケジュール情報63とは、表示領域が押下されることで選択されるようになっている。CPU21は、1日単位スケジュール61の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面をその1日単位スケジュール61の詳細なスケジュール情報を示す詳細画面に切り替える。新着メール情報62の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面を新着メールの詳細な情報を示す詳細画面、たとえば図4に示した新着メール情報画面などに切り替える。重要スケジュール情報63の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面を重要スケジュールの詳細な情報を示す詳細画面に切り替える。
【0073】
図6は、表示する個人情報が電子メールの情報とマイページの情報に設定されている場合の一例である。操作表示部27のタッチパネルディスプレイ50には、図4および図5と同様に、コピージョブの処理における進捗状況52と残り時間53、次ジョブ情報54が表示される。さらにユーザの個人情報として、複合機10(CPU21)がメールサーバ12から取得した当該ユーザの電子メールの情報と、マイページサーバ14から取得した当該ユーザのマイページの情報が表示される。
【0074】
本例も図5の場合と同様に残り時間が5分と比較的長くなっており、このような場合には、CPU21は、ユーザのマイページを詳細に表示すると共に、新着メールと重要スケジュールを抽出しそれらの情報を簡略に表示する加工を行って操作表示部27に表示する。
【0075】
たとえば、マイページ70における複数の項目を表示し、その下に、図5の場合と同じく新着メール情報62と重要スケジュール情報63を選択可能なメニューとして簡略に表示する。マイページ70の項目は、たとえば、ユーザが予め登録しておいたユーザ自身の業務に関する情報(業務情報)のインデックス71と、ユーザの所属する部門から部門内のユーザ向けに配信される連絡事項のタイトル72と、ユーザの所属する会社から会社内のユーザ向けに配信される社内ニュースのトピックス73などである。
【0076】
タッチパネルディスプレイ50に表示されたマイページ70の各項目と、新着メール情報62と、重要スケジュール情報63とは、表示領域が押下されることで選択されるようになっている。CPU21は、新着メール情報62または重要スケジュール情報63の選択を受け付けた場合には、図5で説明した詳細画面への切り替えを行う。マイページ70の項目の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面をその選択された項目の詳細な情報を示す詳細画面に切り替える。
【0077】
たとえば、インデックス71の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面を、ユーザ自身の業務に関する詳細な情報を示す詳細画面に切り替える。タイトル72の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面を、ユーザの所属部門から配信された連絡事項を示す詳細画面に切り替える。トピックス73の選択を受け付けた場合には、個人情報の表示画面を、ユーザの所属会社から配信された社内ニュースを示す詳細画面に切り替える。
【0078】
このように、本実施の形態に係る複合機10では、コピージョブの処理中にユーザ認証を行い、認証(特定)したユーザの個人情報を所定のサーバから取得してそのユーザから依頼されたコピージョブの処理中に表示する。これにより、ユーザから依頼されたコピージョブの処理中にそのユーザに対して関連のある情報であるユーザ自身の個人情報を表示し提供することができる。ユーザは、自分の依頼したコピージョブの処理が完了するまでの待ち時間を、自分の個人情報を閲覧しながら有効に過ごすことができるようになる。
【0079】
また本実施の形態では、取得した個人情報をコピージョブの処理の残り時間に応じて加工し表示することにより、残り時間内でユーザが閲覧するのに適した情報を表示して提供することができる。
【0080】
具体的には、残り時間が短い場合には、図4で説明した新着メールの抽出およびその件名をメール受信日時の新しい順に優先的に表示するというように、新しい情報から優先的に、かつ、情報を簡略に表示するようにしている。これにより、ユーザは短い時間の中で関心度が高い最新の情報を簡単に把握できるようになる。残り時間が長い場合には、図5で説明した週間スケジュールを詳細に表示したり、図6で説明したマイページを詳細に表示したりするというように、情報を詳細に表示するようにしている。これにより、ユーザは長い時間を有効に利用して、詳細な情報を丁寧に(十分に)確認できるようになる。
【0081】
また、表示されたユーザの個人情報は、選択されると選択前に表示されていた内容よりも詳細な内容が表示される。
【0082】
具体的には、図4で説明したように、ユーザの個人情報として表示された新着メールの件名(55〜57)を選択すると、その新着メールの要約(58)が追加表示される。また、図5および図6で説明したように、ユーザの個人情報として表示された週間スケジュール60における個々の1日単位スケジュール61や、マイページ70における業務情報のインデックス71、連絡事項のタイトル72、社内ニュースのトピックス73や、メニュー形式の新着メール情報62、重要スケジュール情報63を選択すると、その詳細画面に表示が切り替えられる。これにより、ユーザは所望の個人情報における詳細な内容を確認できるようになり、個人情報を表示してユーザに提供する上での利便性が向上する。
【0083】
また、表示されたユーザの個人情報は、ユーザの依頼したコピージョブの処理が完了すると自動的に表示が終了する。このコピージョブの処理完了後に複合機10を訪れた他のユーザなどに個人情報が目撃されることはないため、個人情報の機密性を確保することができる。
【0084】
さらに、ユーザの依頼したコピージョブの処理中であっても、ログオフの操作を行うと個人情報の表示が終了する。たとえば、ユーザがコピージョブの処理中に複合機10から離れるような場合には、個人情報の表示を終了させてから離れられるようになる。このように、コピージョブの処理中ではあるが処理を依頼したユーザが不在のときに、複合機10を訪れた他のユーザなどに個人情報が目撃されることはないため、個人情報の機密性を確保することができる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0086】
たとえば、実施の形態では複合機10がユーザ認証機能を備えており、複合機10のCPU21がユーザ認証(個人認証)を行うようにしているが、ユーザ認証は、図1に示すようなネットワーク2に接続された認証サーバ15などが行うようにしてもよい(サーバ認証)。
【0087】
この場合は、複合機10はユーザ認証入力部34で入力を受け付けた認証情報をネットワーク通信部29からネットワーク2を通じて認証サーバ15に送信しユーザ認証を依頼する。認証サーバ15は、複合機10から受信した認証情報と予め登録されている認証情報を照合してユーザ認証(個人認証)を行い、その結果(認証許可/認証不許可)をネットワーク2を通じて依頼元の複合機10に返信する。複合機10は、認証サーバ15からネットワーク2を通じてネットワーク通信部29で受信したユーザ認証の結果が認証許可である場合に、実施の形態で説明した動作、すなわち、認証したユーザの個人情報の取得とその個人情報のジョブ処理中の表示を行うような構成とすればよい。
【0088】
また、図3のフローチャートで説明したように、ユーザ認証はコピージョブの処理中に行うようにしているが、処理の開始前に行うようにしてもよい。たとえば、ユーザ毎や部門毎などに複合機10の使用(印刷枚数や金額など)を管理するため、ユーザがログインしないと複合機10の使用を許可されないような場合などがその適用対象となる。
【0089】
このように、ユーザがログインしてからコピージョブの設定や処理開始の操作を受け付けて処理を開始する場合には、そのユーザの個人情報を処理開始の操作(スタートボタン51の押下など)を契機に表示したり、コピージョブの処理中に受け付ける他の手動操作を契機に表示したりするようにしてもよい。他の手動操作による場合は、個人情報を表示するためのボタン(個人情報表示ボタン)を設ける、たとえば、操作表示部27にハードボタンとして設けたり、タッチパネルディスプレイ50にソフトボタンとして表示して設けたりするなどにより実現できる。また、手動操作を受け付ける前には、個人情報表示ボタンを押下するなどの所定の手動操作を行うことで、ジョブの処理中にユーザの個人情報を表示させて閲覧できる旨を、タッチパネルディスプレイ50に表示するようにしてもよい。
【0090】
上記の機能を実現する構成は、[特許請求の範囲]に記載した[請求項2]に係る情報処理装置の構成により網羅される。また、上記の機能を実現する構成をより明確にするならば、以下のように表現することもできる。
【0091】
情報処理装置は、
ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ユーザから依頼されたジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザからのジョブの依頼を受け付け、そのユーザから依頼されたジョブに対する前記処理部による処理中にそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得して前記ジョブの処理中に前記表示部に表示する制御部と、
を備える。
【0092】
また実施の形態で説明した、ユーザ認証をジョブの処理中に行う機能を実現する構成については、[特許請求の範囲]に記載した[請求項1]および[請求項2]に係る情報処理装置の構成により網羅される。この実施の形態で説明した機能を実現する構成をより明確にするならば、以下のように表現することもできる。
【0093】
情報処理装置は、
ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ユーザから依頼されたジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
ユーザから依頼されたジョブに対する前記処理部による処理中に、そのユーザから前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得して前記ジョブの処理中に前記表示部に表示する制御部と、
を備える。
【0094】
なお、処理中のジョブを依頼したユーザと、当該ジョブの処理中にログインしたユーザとの一致不一致を確認し、一致した場合にのみそのログインしたユーザの個人情報を表示するように構成されてもよいし、一致不一致を問わずにログインしたユーザの個人情報を表示するように構成されてもよい。
【0095】
また実施の形態では、コピージョブの処理中にユーザがログオフすると認証画面が表示されることで、他のユーザがログインすることも可能である。これにより、他のユーザがログインして自分の個人情報の提供を受けるようなことも可能になる。
【0096】
これは、ジョブの処理を行う処理部、たとえば、実施の形態におけるファクシミリ通信部28、ネットワーク通信部29、原稿送り装置制御部30、スキャナ部31、プリンタ部33などが前のユーザのジョブの処理中であって、次のユーザのジョブ処理を直ちに開始することはできないが、操作表示部27が開放されていれば操作表示部27は次のユーザが利用できるようにするものである。
【0097】
たとえば、複合機10を使用するために訪れたユーザが、前のユーザの依頼したコピージョブの処理中によって、自分のジョブの処理を直ちに依頼して開始することができず待ち時間が発生するような場合には、そのユーザが複合機10にログインし自分の個人情報の提供を受けることで、待ち時間を有効に過ごすことができるようになる。この機能を実現する構成は、[特許請求の範囲]に記載した[請求項1]に係る情報処理装置の構成により網羅される。
【0098】
なお、ユーザAのジョブの処理中にユーザBがログインした場合、ユーザBの個人情報の表示に係る時間(個人情報の表示時間)は、(1)ユーザAのジョブの残り時間、あるいは(2)ユーザAのジョブの残り時間+ユーザBの予約したジョブの処理時間、として表示内容を制御してもよい。
【0099】
また、個人情報の表示(閲覧)は、コピージョブの処理(複写および印刷出力)が完了するのに伴い終了するようにしているが、所定の条件の下で個人情報の表示を継続するようにしてもよい。
【0100】
たとえば、次に処理を行うジョブも同じユーザから依頼されたジョブである場合に表示を継続させたり、ジョブの処理の完了時点から一定時間(たとえば、数秒〜数十秒など)だけ表示を継続させたりするようにしてもよい。また、一定時間だけ表示を継続する場合でも、その一定時間内に他のユーザから依頼された次のジョブの処理を開始する場合には、個人情報の機密性を確保するためにその時点で表示を終了することが望ましい。
【0101】
また、ユーザがログアウトの操作を行ったときに個人情報の表示を終了する場合も説明したが、これ以外に、ユーザのログイン中でかつジョブの処理中に無操作状態で一定時間が経過するとタイムアウトで自動的にログアウトし、個人情報の表示を終了するようにしてもよい。
【0102】
さらに、ログアウト操作に限らず、たとえば、個人情報の表示を終了するためのボタン(個人情報表示終了ボタン)の押下操作や他のジョブを選択するボタンの押下操作などを受け付けた場合に個人情報の表示を終了するようにしてもよい。
【0103】
また、ユーザによる手動操作ではなく自動的に個人情報の表示が終了する場合には、表示終了までの時間が所定の閾値以下(たとえば、10秒以下など)になったときに、その時間が経過すると個人情報の表示が終了する旨をタッチパネルディスプレイ50に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは個人情報の表示終了タイミングを事前に把握でき、閲覧の途中で予期せずに表示が終了してしまうようなことを回避できるようになる。
【0104】
また実施の形態では、複合機10が表示する複数種類の個人情報(電子メールの情報、スケジュールの情報、マイページの情報)を外部の複数の記憶部(メールサーバ12、スケジュールサーバ13、マイページサーバ14)が管理する構成としたが、外部の1つの記憶部(多機能サーバなど)が管理したり、複合機10の内部に設けられた記憶部(ハードディスク装置26など)で管理したりする構成としてもよい。
【0105】
また、個人情報を表示するジョブはコピージョブに限らない。ユーザがクライアント端末11を通じて複合機10に依頼するプリントジョブなどにも適用できる。
【0106】
たとえば、ユーザがクライアント端末11を通じて複合機10に親展印刷を依頼した場合には、依頼先の複合機10はそのユーザを認証し、依頼を受けた親展印刷を実行する操作を受けて出力を開始する。このようなプリントジョブの処理中にユーザの個人情報を表示するようにしてもよい。
【0107】
また、実施の形態に係る複合機10ではタッチパネル式の操作表示部27が操作部(選択部)と表示部の機能を兼ね備えているが、この操作部と表示部とは個別に構成するようにしてもよい。複合機10におけるプリンタ部33は、レーザ光に代えてLED(Light Emitting Diode)で感光体ドラムを走査露光するLEDプリンタなどの他の方式のプリンタとしてもよい。
【0108】
また本発明は、実施の形態で説明した複合機に限らず、複写機やプリンタ機などの他の情報処理装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置としての複合機の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る複合機によるコピージョブの処理を示す流れ図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る複合機の操作表示部にユーザの個人情報として電子メールの情報が表示された一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る複合機の操作表示部にユーザの個人情報として電子メールとスケジュールの情報が表示された一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る複合機の操作表示部にユーザの個人情報として電子メールとマイページの情報が表示された一例を示す図である。
【符号の説明】
【0110】
2…ネットワーク
5…情報処理システム
10…複合機(MFP)
11…クライアント端末(PC)
12…メールサーバ
13…スケジュールサーバ
14…マイページサーバ
15…認証サーバ
21…CPU
22…バス
23…ROM
24…RAM
25…不揮発メモリ
26…ハードディスク装置(HDD)
27…操作表示部
28…ファクシミリ通信部
29…ネットワーク通信部
30…原稿送り装置制御部
31…スキャナ部
32…画像処理部
33…プリンタ部
34…ユーザ認証入力部
50…タッチパネルディスプレイ
51…スタートボタン
52…進捗状況
53…残り時間
54…次ジョブ情報
55〜57…件名
58…要約
60…週間スケジュール
61…1日単位スケジュール
62…新着メール情報
63…重要スケジュール情報
70…マイページ
71…インデックス(業務情報のインデックス)
72…タイトル(連絡事項のタイトル)
73…トピックス(社内ニュースのトピックス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
前記処理部によるジョブの処理中に前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得して前記ジョブの処理中に前記表示部に表示する制御部と、
を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ認証を行うための認証情報の入力を受け付ける入力部と、
ユーザから依頼されたジョブの処理を行う処理部と、
表示部と、
前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報に基づいてユーザ認証を行い、認証した場合はそのユーザの個人情報を所定の記憶部から取得してそのユーザから依頼されたジョブに対する前記処理部による処理中に前記個人情報を前記表示部に表示する制御部と、
を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記処理部による前記ジョブの処理の残り時間に応じて前記個人情報を加工し前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示部に表示された前記個人情報に対する選択を受け付ける選択部を備え、
前記制御部は、前記選択部で選択を受け付けた個人情報について、前記選択を受け付ける前に表示していた内容よりも詳細な内容を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記処理部による前記ジョブの処理が完了すると前記表示部による前記個人情報の表示を終了する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定の操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部で所定の操作を受け付けると前記表示部による前記個人情報の表示を終了する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記認証情報に基づいてユーザ認証を行う認証装置と通信する通信部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ認証を、前記入力部で入力を受け付けた前記認証情報を前記通信部を通じて前記認証装置に送信して依頼し、その依頼したユーザ認証の結果を前記認証装置から前記通信部を通じて受信することにより行う
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記個人情報は、電子メールの情報と、スケジュールの情報と、マイページの情報との少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−20223(P2010−20223A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182701(P2008−182701)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】