説明

情報収集システム、情報仲介装置、情報収集方法および情報仲介用プログラム

【課題】通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器が存在する場合であっても、その機器の使用者に特別な操作を行わせることなく、その機器が測定した測定情報を通信ネットワーク上の装置に収集できる情報収集システムを提供する。
【解決手段】情報提供装置80は、機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する。情報仲介装置90は、情報提供装置80と測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する。収集情報送信手段81は、測定情報を情報仲介装置90に送信する。受信情報送信手段91は、情報収集装置との通信が可能な場合に、情報提供装置80から受信した測定情報を情報収集装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定された情報を通信ネットワークを介して収集する情報収集システム、情報仲介装置、情報収集方法および情報仲介用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサの小型化や無線ネットワークの普及に伴い、遠隔から機械の分析やメンテナンスを行うシステムが実現されている。具体的には、車両や装置などの機械に複数のセンサが搭載され、そのセンサが機械の稼働状態や動作履歴の情報を収集する。そして、収集された情報がネットワーク上のサーバに送信されることで、管理者等が遠隔から機械の分析やメンテナンスが可能になる。
【0003】
このようなシステムの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたシステムでは、車両の運転状況および車両各部の動作状況を表す車両情報を収集する車両情報収集手段が車両上に設けられている。その車両情報収集手段は、無線通信回線を介して、収集した車両情報を基地局に送信する。基地局では、この車両情報(保守情報)を遠隔管理することで、車両の修理方法について事前検討したり、車両故障の予防を図ったりしている。
【0004】
特許文献1に記載されたシステムは、様々な場所に存在する複数の機械を遠隔から一元管理できる。そのため、このシステムは、多くの機械の一元管理が求められる事業等において広く用いられている。
【0005】
また、特許文献2には、車両の状態情報を取得できる車両情報収集システムが記載されている。特許文献2に記載されたシステムでは、エンジンが始動されると、タグ入出力部がリーダライタを介してICタグに状態情報を書き込む。ICタグに書き込まれた状態情報の読み出しには、情報利用装置が用いられる。情報利用装置は、リーダライタを介してICタグから状態情報を読み出す。
【0006】
なお、特許文献3には、混信防止の観点から、車載装置を選択的に呼び出してその呼びだした車載装置から車両情報を収集するサンプリング方法が記載されている。また、特許文献4には、車両の診断データを採取するために、車両が診断モードの切替、及び診断モードの状態を送信する遠隔故障診断システムが記載されている。また、特許文献5には、電子キーが外部の通信ネットワークを通じて提供される情報を取得する電子キーシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−110689号公報
【特許文献2】特開2005−71105号公報
【特許文献3】特開2006−65415号公報
【特許文献4】特開2004−58777号公報
【特許文献5】特開2009−275363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、通信ネットワークが使用可能な場所に、車両や装置などの管理対象とする機械が存在することを前提としている。そのため、通信ネットワークを使用できない場所に管理対象とする機械が存在する場合、適切に情報を収集できないという問題がある。
【0009】
具体的には、例えば、災害などにより通信ネットワークのインフラストラクチャ(以下、ネットワークインフラと記す。)が使用不可能になったエリアや、ネットワークインフラが未開発のエリアに車両が存在する場合、基地局は、それらの車両の情報を受信できなくなってしまう。これらの問題は、特許文献3から特許文献5に記載されたシステムや方法でも同様である。
【0010】
また、特許文献2に記載されたシステムでは、車両が備えるリーダライタを介してICタグに状態情報が書き込まれ、また、情報利用装置のリーダライタを介してICタグから状態情報が読み出される。そのため、情報利用装置は車両の状態情報を収集することが可能である。しかし、特許文献2に記載されたシステムでは、車両の使用者は、車両操作以外にも、状態情報を情報利用装置に読み出させる操作を行う必要がある。
【0011】
そのため、通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器が存在する場合であっても、使用者に上述する操作を行わせることなく、通信ネットワーク上の装置にその機器が測定した測定情報を収集できることが望ましい。
【0012】
そこで、本発明は、通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器が存在する場合であっても、その機器の使用者に特別な操作を行わせることなく、その機器が測定した測定情報を通信ネットワーク上の装置に収集できる情報収集システム、情報仲介装置、情報収集方法および情報仲介用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による情報収集システムは、機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、情報提供装置と測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置とを備え、情報提供装置が、測定情報を情報仲介装置に送信する収集情報送信手段を備え、情報仲介装置が、情報収集装置との通信が可能な場合に、情報提供装置から受信した測定情報をその情報収集装置に送信する受信情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明による情報仲介装置は、機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置であって、情報収集装置との通信が可能な場合に、情報提供装置から受信した測定情報をその情報収集装置に送信する受信情報送信手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明による情報収集方法は、機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置が、その情報提供装置と測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置にその測定情報を送信し、情報仲介装置が、情報収集装置との通信が可能な場合に、情報提供装置から受信した測定情報をその情報収集装置に送信することを特徴とする。
【0016】
本発明による情報仲介用プログラムは、機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、測定情報を収集する情報収集装置とを仲介するコンピュータに適用される情報仲介用プログラムであって、コンピュータに、情報収集装置との通信が可能な場合に、情報提供装置から受信した測定情報をその情報収集装置に送信する受信情報送信処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器が存在する場合であっても、その機器の使用者に特別な操作を行わせることなく、その機器が測定した測定情報を通信ネットワーク上の装置に収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による情報収集システムが使用される状況の例を示す説明図である。
【図2】本発明による情報収集システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における情報仲介装置の動作例を示すフローチャートである。
【図5】本発明による情報収集システムの第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明による情報収集システムの最小構成の例を示すブロック図である。
【図7】本発明による情報仲介装置の最小構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
実施形態1.
図1は、本実施形態による情報収集システムが使用される状況の例を示す説明図である。図1に示す例では、情報を収集するサーバ500は、通信ネットワーク50に接続されている。また、情報収集の対象機器である車両10は、通信ネットワーク50にアクセスができないエリア(以下、通信ネットワーク圏外エリア20と記す。)内に存在する。
【0021】
通信ネットワーク圏内エリア30は、通信ネットワーク50にアクセス可能な(すなわち、通信が可能な)エリアであり、サーバ500に接続が可能なエリアである。すなわち、通信ネットワーク圏内エリア30からアクセス可能な通信ネットワーク50にサーバ500が接続されているため、通信ネットワーク圏外エリア20からは通信ネットワーク50、及びサーバ500に接続することは不可能である。
【0022】
また、本実施形態では、ユーザが通信ネットワーク圏内エリア30と通信ネットワーク圏外エリア20の双方を行き来すると想定する。
【0023】
図2は、本発明による情報収集システムの第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。本実施形態における情報収集システムは、車両10と、情報仲介装置200と、サーバ500とを備えている。サーバ500は、後述する車両10が測定する情報を収集する装置である。
【0024】
上述の通り、サーバ500と情報仲介装置200とは、通信ネットワーク50を介して接続される。通信ネットワーク50の例として、例えば、無線公衆網やインターネットが挙げられる。なお、情報仲介装置200は、通信ネットワーク50の圏内エリア(すなわち、通信ネットワーク圏内エリア30)に存在するときのみ、通信ネットワーク50に接続可能である。
【0025】
車両10は、情報収集の対象とする機器である。上述の通り、本実施形態では、車両10は、通信ネットワーク50の圏外エリア(すなわち、通信ネットワーク圏外エリア20)に存在しているものとする。また、本実施形態では、情報収集の対象とする機器として車両を例に説明する。ただし、情報収集の対象とする機器は、車両に限定されない。情報収集の対象とする機器は、工場設備における機器や輸送機器など、任意の機器で構わない。
【0026】
車両10は、起動装置300と、センサ装置400と、情報提供装置100とを含む。
【0027】
起動装置300は、ユーザの操作に基づいて、車両10の動作の開始指示、及び終了指示を行う。起動装置300の例として、車両10に搭載され、エンジンの始動や停止を行うキー装置が挙げられる。
【0028】
センサ装置400は、車両の各種情報を測定(センシング)する機能を有する。センサ装置400には、各種情報を測定するセンサが搭載され、そのセンサが車両10の各種情報を測定する。以下、車両10に搭載されたセンサが測定する各種情報を測定情報と記す。センサ装置400が測定する測定情報の例として、車両の動作状態や、車両内の各部品の状態、車両の動作履歴など、車両の状態を示す情報が挙げられる。
【0029】
情報提供装置100は、センサ装置400が測定および収集した情報(すなわち、測定情報)を、情報仲介装置200に送信する機能を有する。具体的には、情報提供装置100は、制御部110と、情報送信部120と、センサ情報取得部130と、センサ情報格納部140と、起動識別部150とを有する。
【0030】
センサ情報取得部130は、センサ装置400から車両10の情報(すなわち、測定情報)を取得する。
【0031】
センサ情報格納部140は、センサ情報取得部130が取得した測定情報を記憶する。センサ情報格納部140には、センサ装置400が測定した測定情報が制御部110により記憶される。センサ情報格納部140は、例えば、メモリ等により実現される。
【0032】
起動識別部150は、起動装置300による車両10の開始処理および終了処理を識別する。具体的には、起動識別部150は、車両10の動作状態を検知する。起動識別部150は、例えば、起動装置300が車両10に開始指示を行ったときに、車両10が稼働していることを検知してもよい。また、起動識別部150は、起動装置300が車両10に終了指示を行ったときに、車両10が停止状態であると検知してもよい。
【0033】
情報送信部120は、短距離(近距離)無線通信を用いて、少なくとも測定情報を情報仲介装置200に送信する。情報送信部120が使用する短距離無線通信の例として、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどが挙げられる。
【0034】
情報送信部120は、センサ情報取得部130が収集した測定情報(より具体的には、センサ情報格納部140に記憶された測定情報)を、随時送信してもよい。また、情報送信部120は、車両10が停止状態であることを起動識別部150が検知したときに、センサ情報取得部130が収集した測定情報をまとめて送信してもよい。
【0035】
制御部110は、情報提供装置100が情報仲介装置200に測定情報を提供するまでの処理を制御する。具体的には、制御部110は、起動識別部150が車両10の動作が開始したことを検知すると、センサ装置400が測定した測定情報をセンサ情報取得部130に収集させる。また、制御部110は、収集した測定情報をセンサ情報格納部140に記憶させる。さらに、制御部110は、起動識別部150が車両10の動作が終了したことを検知すると、情報送信部120に対して、センサ情報格納部140に格納された測定情報を送信させる。
【0036】
制御部110と、情報送信部120と、センサ情報取得部130と、起動識別部150とは、プログラム(情報提供プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。例えば、プログラムは、情報提供装置100の記憶部(図示せず)に記憶され、CPUは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、制御部110、情報送信部120、センサ情報取得部130、及び起動識別部150として動作してもよい。また、制御部110と、情報送信部120と、センサ情報取得部130と、起動識別部150とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0037】
情報仲介装置200は、車両10の使用者(ユーザ)が携帯する装置である。情報仲介装置200の形状は任意であり、例えば、車両10の鍵に付けるキーホルダーとして使用できる形状であってもよい。この場合、ユーザに車両10の鍵とともに情報仲介装置200を携帯させるようにしてもよい。また、情報仲介装置200の機能を、携帯電話機など、既存の携帯端末に内蔵させてもよい。この場合、ユーザに情報仲介装置200の機能が内蔵された携帯端末を携帯させるようにしてもよい。
【0038】
情報仲介装置200は、制御部210と、情報送信部220と、情報受信部230と、情報格納部240とを有する。
【0039】
情報送信部220は、通信ネットワーク50を介して測定情報をサーバ500に送信する。具体的には、情報送信部220は、通信ネットワーク50(より具体的には、サーバ500)との通信可否を検知する。言い換えると、情報送信部220は、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在するか、通信ネットワーク圏外エリア20に存在するかを検知する。そして、情報送信部220は、通信ネットワーク50(より具体的には、サーバ500)との通信が可能な場合に、通信ネットワーク50に接続し、測定情報をサーバ500に送信する。
【0040】
情報受信部230は、短距離無線通信を用いて、情報提供装置100から送信される測定情報を受信する。なお、情報受信部230が用いる短距離無線通信は、情報送信部120が用いる短距離無線通信と同一である。
【0041】
情報格納部240は、情報受信部230が受信した測定情報を記憶する。情報格納部240には、情報受信部230が受信した測定情報が制御部210により記憶される。情報格納部240は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0042】
制御部210は、情報仲介装置200が行う、情報提供装置100からサーバ500に提供される測定情報の仲介処理を制御する。具体的には、制御部210は、情報提供装置100から受信した測定情報を情報格納部240に記憶させる。また、制御部210は、情報送信部220に通信ネットワーク50への接続状況を確認させる。情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在することを情報送信部220が検知すると、制御部210は、情報送信部220に対して、情報格納部240に記憶された測定情報をサーバ500に送信させる。
【0043】
制御部210と、情報送信部220と、情報受信部230とは、プログラム(情報仲介プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。また、制御部210と、情報送信部220と、情報受信部230とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。
【0044】
次に、本実施形態の情報収集システムの動作を説明する。以下の説明では、車両10が通信ネットワーク圏外エリア20に存在するものとする。そして、まず、ユーザが車両10の使用を開始する(以下、動作1と記す。)。次に、ユーザが、車両10の使用を終了する(以下、動作2と記す。)。そして、その後、ユーザが通信ネットワーク圏内エリア30へ移動する(以下、動作3と記す。)。以下、ユーザが動作1から動作3までの動作を行った場合における情報収集システムの動作を説明する。
【0045】
図3は、本実施形態における情報提供装置100の動作例を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態における情報仲介装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ユーザが動作1を行った場合(すなわち、ユーザが車両10の使用を開始した場合)について説明する。ユーザは、通信ネットワーク圏外エリア20において、車両10の使用を開始する。その際、ユーザは、車両10の起動装置300を利用して車両10の動作開始処理を行う。具体的には、ユーザは、例えば、車両10のキーでエンジンをかける操作を行う。この際、情報仲介装置200は、ユーザに携帯されているため、情報仲介装置200は車両10の近傍に存在する。
【0047】
ここで、初期状態において、車両10内の情報提供装置100の制御部110は、起動識別部150により、車両10の動作が開始したか否かを識別する(図3におけるステップS11)。車両10の動作が開始していない場合(ステップS11におけるN)、ステップS11の処理を繰り返す。すなわち、起動識別部150が車両10の動作が開始したことを検知するまで、制御部110は、以降の処理を行わずに待機する。
【0048】
一方、ユーザが起動装置300を操作して動作開始処理を行うと、車両10の動作が開始する。この場合(ステップS11におけるY)、起動識別部150は、車両10の動作が開始したことを検知する。制御部110は、ユーザの起動装置300による動作開始処理が検知されると、センサ装置400が測定した測定情報をセンサ情報取得部130に収集させる。そして、制御部110は、収集した測定情報をセンサ情報格納部140に記憶させる(ステップS12)。
【0049】
その後、起動識別部150は、車両10の動作が終了したか否かを識別する(ステップS13)。車両10の動作が終了していない場合(ステップS13におけるN)、制御部110は、ステップS12以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部110は、起動識別部150によって車両10の動作終了が検知されるまで、ステップS12の処理を繰り返す。
【0050】
次に、ユーザが動作2を行った場合(すなわち、ユーザが車両10の使用を終了した場合)について説明する。ユーザは、車両10の使用を終了する場合、車両10の起動装置300を利用して車両10の動作終了処理を行う。具体的には、ユーザは、例えば、車両10のキーでエンジンを切る操作を行う。
【0051】
ステップS13において、起動識別部150が車両10の動作が終了したか否かを識別している。そのため、ユーザが起動装置300を操作して動作終了処理を行うと、車両10の動作が終了する。この場合(ステップS13におけるY)、起動識別部150は、車両10の動作が終了したことを検知する。制御部110は、ユーザの起動装置300による動作終了処理が検知されると、情報送信部120を介して、無線通信にて外部の情報仲介装置200にセンサ情報格納部140に格納された測定情報を送信する(ステップS14)。すなわち、制御部110は、情報送信部120に測定情報を送信させる。その後、ステップS11に戻り、制御部110は、待機処理を行う。
【0052】
一方、ステップS14における制御部110の動作で測定情報が送信されると、情報仲介装置200の情報受信部230は、その測定情報を受信する。そして、制御部210は、受信した測定情報を情報格納部240に記憶させる(図4におけるステップS21)。
【0053】
制御部210は、情報送信部220に通信ネットワーク50への接続状況を確認させる。すなわち、情報送信部220は、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在するか否かを判定する(ステップS22)。情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在しない場合(ステップS22におけるN)、情報送信部220は、ステップS22の処理を繰り返す。すなわち、情報送信部220は、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に移動するまで、処理を行わずに待機する(ステップS22)。
【0054】
次に、ユーザが動作3を行った場合(すなわち、ユーザが通信ネットワーク圏内エリア30へ移動した場合)について説明する。ユーザは、車両10の使用を終了すると、通信ネットワーク圏内エリア30に移動する。具体的には、ユーザは、例えば、オフィスや事務所などの通信ネットワーク50にアクセス可能なエリアが存在する場所(すなわち、通信ネットワーク圏内エリア30)に移動する。この際、ユーザは、情報仲介装置200を携帯するため、情報仲介装置200も通信ネットワーク圏内エリア30に移動することになる。
【0055】
ステップS22において、情報送信部220は、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在するか否かを判定している。そのため、ユーザが移動して、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に移動すると、情報送信部220は、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在することを検知する。この場合(ステップS22におけるY)、制御部210は、情報送信部220に対して、ステップS21の処理で情報格納部240に記憶された測定情報を、通信ネットワーク50を介してサーバ500に送信させる(ステップS23)。
【0056】
以上に述べたように、ユーザが車両10を使用し、その後、通信ネットワーク圏内エリア30に移動するという動作によって、車両10のセンサ装置400が取得した情報が、通信ネットワーク50を介してサーバ500に送信される。これらの動作により、通信ネットワーク圏外エリア20に存在する車両10の測定情報を、サーバ500が取得可能になる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、情報提供装置100の情報送信部120が、情報仲介装置200に測定情報を送信する。そして、情報仲介装置200の情報送信部220が、サーバ500との通信が可能な場合に、情報提供装置100から受信した測定情報をサーバ500に送信する。
【0058】
このように、情報送信部220がサーバ500(通信ネットワーク50)との通信可否を検知して測定情報を送信する。そのため、通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器(ここでは、車両10)が存在する場合であっても、その機器の使用者に特別な操作を行わせることなく、その機器が測定した測定情報を通信ネットワーク上の装置(ここでは、サーバ500)に収集できる。すなわち、サーバ500に測定情報を送信するための操作をユーザに行わせることなく、その測定情報をサーバ500に収集できる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、情報提供装置100のセンサ情報取得部130が、センサ装置400が測定した測定情報を収集し、起動識別部150が車両10の動作状態を検知する。そして、起動識別部150が車両10の稼働していることを検知したときにセンサ情報取得部130が測定情報を収集し、情報送信部120が情報仲介装置200にセンサ情報取得部130が収集した測定情報を送信する。このように、車両10の稼働が開始したことをトリガとして測定情報が収集される。そのため、測定情報の収集を開始するための操作をユーザに行わせることなく、センサ情報格納部140に測定情報を収集できる。
【0060】
実施形態2.
図5は、本発明の第2の実施の形態における情報収集システムの例を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、図2と同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態における情報収集システムも、車両60と、情報仲介装置200と、サーバ500とを備えている。情報仲介装置200、及びサーバ500の内容は、第1の実施形態と同様である。
【0061】
車両60は、起動装置300と、センサ装置400と、情報提供装置600とを含む。なお、起動装置300、及びセンサ装置400の内容は、第1の実施形態と同様である。
【0062】
情報提供装置600は、情報仲介装置200またはサーバ500に測定情報を送信する機能を有する。すなわち、情報提供装置600と情報仲介装置200とは、通信ネットワーク50を介して接続される。具体的には、情報提供装置600は、制御部110と、情報送信部620と、センサ情報取得部130と、センサ情報格納部140と、起動識別部150とを有する。なお、制御部110、センサ情報取得部130、センサ情報格納部140、及び起動識別部150の内容は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
情報送信部620は、短距離(近距離)無線通信を用いて、少なくとも測定情報を情報仲介装置200に送信する。また、情報送信部620は、通信ネットワーク50を介して少なくとも測定情報をサーバ500に送信する。
【0064】
さらに、情報送信部620は、サーバ500との通信可否を検知する。そして、情報送信部620は、サーバ500との通信が可能な場合(すなわち、情報提供装置600が通信ネットワーク圏内エリア30に存在する場合)に、通信ネットワーク50に接続し、測定情報をサーバ500に送信する。一方、サーバ500との通信が不可能な場合(すなわち、情報提供装置600が通信ネットワーク圏外エリア20に存在する場合)、情報送信部620は、短距離(近距離)無線通信を用いて情報仲介装置200に測定情報を送信する。
【0065】
このように、本実施形態では、情報提供装置600が通信ネットワーク圏内エリア30に存在する場合に、情報送信部620が測定情報を直接サーバ500に送信する。そのため、第1の実施形態の効果に加え、サーバ500で車両10の測定情報をより迅速に収集できる。
【0066】
次に、本発明の最小構成例を説明する。図6は、本発明による情報収集システムの最小構成の例を示すブロック図である。図7は、本発明による情報仲介装置の最小構成の例を示すブロック図である。本発明による情報収集システムは、機器(例えば、車両10)に搭載されたセンサ(例えば、センサ装置400)が測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置80(例えば、情報提供装置100)と、情報提供装置80と測定情報を収集する情報収集装置(例えば、サーバ500)とを仲介する情報仲介装置90(例えば、情報仲介装置200)とを備えている。図7に示す情報仲介装置は、図6に示す情報仲介装置90と同様である。
【0067】
情報提供装置80は、測定情報を情報仲介装置90に送信する収集情報送信手段81(例えば、情報送信部120)を備えている。
【0068】
情報仲介装置90は、情報収集装置との通信が可能な場合(例えば、情報仲介装置200が通信ネットワーク圏内エリア30に存在することを検知した場合)に、情報提供装置80から受信した測定情報を情報収集装置に送信する受信情報送信手段91(例えば、情報送信部220)を備えている。
【0069】
そのような構成により、通信ネットワークが使用不可能なエリアに測定対象の機器が存在する場合であっても、その機器の使用者に特別な操作を行わせることなく、その機器が測定した測定情報を通信ネットワーク上の装置に収集できる。すなわち、情報収集装置に測定情報を送信するための操作を使用者に行わせることなく、その測定情報を情報収集装置に収集できる。
【0070】
また、情報提供装置80は、センサが測定した測定情報を収集するセンサ測定情報収集手段(例えば、センサ情報取得部130)と、機器の動作状態(例えば、車両10のエンジンがかかっているか、切れているか)を検知する動作状態検知手段とを備えていてもよい。そして、センサ測定情報収集手段が、動作状態検知手段が機器の稼働を検知したときに測定情報を収集し、収集情報送信手段81が、測定情報収集手段が収集した測定情報を情報仲介装置90に送信してもよい。この場合、測定情報の収集を開始するための操作を使用者に行わせることなく測定情報を収集できる。
【0071】
また、収集情報送信手段81は、動作状態検知手段が機器の稼働が停止したことを検知したときに、測定情報収集手段が収集した測定情報を情報仲介装置90に送信してもよい。この場合、測定情報をまとめて情報仲介装置90に送信できる。
【0072】
また、収集情報送信手段81は、情報収集装置との通信が可能な場合に、測定情報を情報収集装置に送信し、情報収集装置との通信が不可能な場合に、測定情報を情報仲介装置90に送信してもよい。この場合、情報収集装置は、機器の測定情報をより迅速に収集できる。
【0073】
また、収集情報送信手段81は、短距離無線通信(例えば、Bluetooth、無線LANなど)により測定情報を情報仲介装置90に送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、測定された情報を通信ネットワークを介して収集する情報収集システムに好適に適用される。
【符号の説明】
【0075】
10,60 車両
20 通信ネットワーク圏外エリア
30 通信ネットワーク圏内エリア
50 通信ネットワーク
100,600 情報提供装置
110 制御部
120,620 情報送信部
130 センサ情報取得部
140 センサ情報格納部
150 起動識別部
200 情報仲介装置
210 制御部
220 情報送信部
230 情報受信部
240 情報格納部
300 起動装置
400 センサ装置
500 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、
前記情報提供装置と前記測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置とを備え、
前記情報提供装置は、
前記測定情報を前記情報仲介装置に送信する収集情報送信手段を備え、
前記情報仲介装置は、
前記情報収集装置との通信が可能な場合に、前記情報提供装置から受信した測定情報を当該情報収集装置に送信する受信情報送信手段を備えた
ことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
情報提供装置は、
センサが測定した測定情報を収集するセンサ測定情報収集手段と、
機器の動作状態を検知する動作状態検知手段とを備え、
前記センサ測定情報収集手段は、前記動作状態検知手段が機器の稼働を検知したときに測定情報を収集し、
収集情報送信手段は、前記測定情報収集手段が収集した測定情報を情報仲介装置に送信する
請求項1記載の情報収集システム。
【請求項3】
収集情報送信手段は、動作状態検知手段が機器の稼働が停止したことを検知したときに、測定情報収集手段が収集した測定情報を情報仲介装置に送信する
請求項2記載の情報収集システム。
【請求項4】
収集情報送信手段は、情報収集装置との通信が可能な場合に、測定情報を当該情報収集装置に送信し、情報収集装置との通信が不可能な場合に、測定情報を情報仲介装置に送信する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項5】
収集情報送信手段は、短距離無線通信により測定情報を情報仲介装置に送信する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の情報収集システム。
【請求項6】
機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、前記測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置であって、
前記情報収集装置との通信が可能な場合に、前記情報提供装置から受信した測定情報を当該情報収集装置に送信する受信情報送信手段を備えた
ことを特徴とする情報仲介装置。
【請求項7】
機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置が、当該情報提供装置と前記測定情報を収集する情報収集装置とを仲介する情報仲介装置に当該測定情報を送信し、
前記情報仲介装置が、前記情報収集装置との通信が可能な場合に、前記情報提供装置から受信した測定情報を当該情報収集装置に送信する
ことを特徴とする情報収集方法。
【請求項8】
情報提供装置が、機器の稼働を検知したときに、センサが測定した測定情報を収集し、収集した測定情報を情報仲介装置に送信する
請求項7記載の情報収集方法。
【請求項9】
機器に搭載されたセンサが測定する測定情報を他の装置に提供する情報提供装置と、前記測定情報を収集する情報収集装置とを仲介するコンピュータに適用される情報仲介用プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記情報収集装置との通信が可能な場合に、前記情報提供装置から受信した測定情報を当該情報収集装置に送信する受信情報送信処理
を実行させるための情報仲介用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−227708(P2012−227708A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93166(P2011−93166)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】