説明

情報提供システム

【課題】 イベントの時期的要件を、携帯電話器を使用して、最適なタイミングで的確に伝えることが可能な情報提供システムを提供する。
【解決手段】 イベントに関する情報が含まれた2次元コード3を読み取って解読し、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングを監視し、そのアラームタイミングにおいてアラームを発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末を使い、その携帯端末の使用者に情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンサート、映画、演劇、公演等のイベントに関しては、イベントの実施前にチケットの予約や販売が行われる。この予約や販売については、雑誌やWebサイトなどで知ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
イベントチケットの予約や販売のとくに開始時期については、一旦は雑誌で把握しても、そのうち、忘れることが多い。その場合、希望のチケットを入手できなくなってしまう。とくに、人気のあるチケットは、予約や販売が始まってすぐに売り切れとなってしまい、手に入れることが難しい。
【0004】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、イベントの時期的要件を、携帯端末を使用して、最適なタイミングで的確に伝えることが可能な情報提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明の情報提供システムは、イベントに関する情報が含まれた2次元コードを提供する手段と、上記2次元コードを読み取って解読し、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングにおいてアラームを発する携帯端末と、を備えている。
【0006】
請求項2に係る発明の情報提供システムは、イベントに関する情報が含まれた2次元コードを提供する手段と、上記2次元コードの読み取りおよびその読み取り結果に応じた処理を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されたサーバと、上記サーバから前記アプリケーションプログラムを受信する受信手段を有し、この受信手段で受信したアプリケーションプログラムに基づいて、上記バーコードを読み取って解読し、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングを監視し、そのアラームタイミングにおいてアラームを発する携帯端末と、を備えている。
【0007】
請求項3に係る発明の情報提供システムは、アラームタイミングおよびアラームについて限定している。アラームタイミングは、イベントのチケットの予約または販売が開始される直前のタイミングである。アラームは、イベントのチケットの予約または販売の開始が迫っていることを携帯端末の使用者に知らせるための表示および音である。
【発明の効果】
【0008】
この発明の情報提供システムによれば、イベントの時期的要件を、携帯端末を使用して、最適なタイミングで的確に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1において、情報提供企業1は、イベントに関する情報を提供するところで、出版物たとえば雑誌2を出版して市場に出荷および販売するとともに、インターネットによる外部からのアクセスが可能なWebサイト(ホームページともいう)を公開している。このWebサイトは、端末たとえばパーソナルコンピュータ4からのアクセスによって見ることができる。この際、情報提供企業1は、アプリケーション提供企業10から予め一般公開されているデータ構造の仕様に基づいて図2に示すようなマトリックス式の2次元コード(QRコードともいう)3を生成し、生成した2次元コード3を雑誌2の任意の頁に印刷するとともにWebサイトでも公開している。2次元コード3には、イベントたとえばコンサート、映画、演劇、公演、ゴミ収集、エアロビ教室などに関する情報いわゆるイベント情報が含まれている。
【0010】
アプリケーション提供企業10には、サーバ11が設置されている。このサーバ11に、2次元コード3の読み取りおよびその読み取り結果に応じた処理を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0011】
雑誌2を購入した読者は、雑誌2に記載されている情報を通常の目視により得るとともに、自身が持っているカメラ付きの携帯端末たとえば携帯電話器20で雑誌2の2次元コード3を読み取ることができる。また、携帯電話器20の使用者は、情報提供企業1のWebサイトにパーソナルコンピュータ4でアクセスすることにより、そのWebサイト上に公開されている2次元コード3を携帯電話器20で読み取ることもできる。
【0012】
携帯電話器20は、主制御部であるCPU21、カラー液晶画面を有する表示部22、各種キー釦からなる操作部23、無線電話回線を介して外部とのデータ送受信を行う送受信部24、撮像用のCCDカメラ25、制御プログラム記憶用のROM26、各種情報記憶用の書替可能な不揮発性メモリ27、報知音(メロディ音など)を生成する音生成部28、日時の経過を計測する計時部29を有している。
【0013】
上記送受信部24は、アプリケーション提供企業10のサーバ11に記憶されているアプリケーションプログラムを受信(ダウンロード)する受信手段として使用される。上記CCDカメラ25は、通常の写真用カメラとして使用できるほかに、雑誌2あるいはWebサイトの2次元コード3に対する読取手段として使用することができる。
【0014】
上記CPU21は、本発明に関わる主要な機能として、次の(1)〜(4)の手段を有している。
(1)送受信部24で受信したアプリケーションプログラムに基づいて、CCDカメラ25により、2次元コード3を読み取る読取手段。
【0015】
(2)上記アプリケーションプログラムに基づいて、上記読取手段で読み取った情報を解読する解読手段。
【0016】
(3)上記アプリケーションプログラムに基づいて、上記解読手段で解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングを監視する監視手段。最適なアラームタイミングとは、例えば、イベントのチケットの予約または販売が開始される直前のタイミングのことである。
【0017】
(4)上記アプリケーションプログラムに基づいて、上記監視手段の監視による最適なアラームタイミングにおいて、アラームを発する報知手段。アラームは、イベントのチケットの予約または販売の開始が迫っていることを携帯電話器20の使用者に知らせるための表示および音である。
【0018】
つぎに、図3および図4のフローチャートを参照しながら、作用について説明する。
サーバ11のアプリケーションプログラムがメモリ27に記憶されているか否かが判定される(ステップ101)。まだ記憶されていない場合(ステップ101のNO)、携帯電話器20の使用者によるアプリケーションプログラムの要求操作に応じて(ステップ102のYES)、携帯電話器20がサーバ11のダウンロード用のWebサイトに接続され、そのWebサイトのトップページが図5に示すように携帯電話器20の表示部22で表示される。この表示画面において、“ダウンロードする”が指定操作されると、サーバ11内のアプリケーションプログラムが携帯電話器20にダウンロードされる(ステップ103)。ダウンロードされたアプリケーションプログラムは、携帯電話器20のメモリ27に記憶される。
【0019】
すでにアプリケーションプログラムが記憶されている状態(ステップ101のYES)、あるいは上記のように使用者の要求操作によりアプリケーションプログラムがダウンロード(および記憶)された状態では、携帯電話器20の操作によってアラームモードが設定された場合に(ステップ104のYES)、図6に示すように、携帯電話器20の表示部22でアラーム機能の待ち受け画面が表示される(ステップ105)。このアラーム機能の待ち受け画面において、“メニュー”が選択操作されると(ステップ106のYES)、図7に示すように、携帯電話器20の表示部22でアラーム機能のメニュー画面が表示される(ステップ109)。
【0020】
なお、アラーム機能の待ち受け画面において、“終了”が選択操作された場合は(ステップ106のNO、ステップ107のYES)、アラーム機能の待ち受け画面が終了する(ステップ108)。この終了により、携帯電話器20がアラームモードから通常モードに復帰する。
【0021】
メニュー画面では、2次元コード3を読み取る“QRコード読み取りモード”、アラーム情報を表示する“アラームリスト”、待ち受け画面の画像を設定するための“待ち受け画面設定”のいずれかを選択することができる(ステップ110,111,112)。“QRコード読み取りモード”が設定されると(ステップ110のYES)、携帯電話器20のCCDカメラ25が起動される(ステップ114)。この起動したCCDカメラ25により、雑誌2上の2次元コード3、あるいはパーソナルコンピュータ4のディスプレイ上の2次元コード3を、読み取ることができる。すなわち、CCDカメラ25の視野に2次元コード3を入れることにより、図8に示すように、2次元コード3が表示部22で表示される。この状態で、読み取り操作がなされることにより、実際に2次元コード3が読み取られる。
【0022】
2次元コード3の読み取りが完了すると(ステップ114のYES)、CCDカメラ25が停止されるとともに、読み取られた2次元コード3が解読される(ステップ115)。そして、図9に示すように、読み取り完了を知らせるための読み取り完了画面が表示部22で表示される(ステップ116)。読み取り完了画面には、解読されたイベント情報がたとえば“7月チケット発売情報”であることを示唆する説明文が表示される。この状態で、保存操作がなされると(ステップ117のYES)、解読されたイベント情報がメモリ27内のアラームリストに加えて記憶される(ステップ120)。仮に、取り消し操作がなされた場合は(ステップ117のNO、ステップ118のYES)、上記待ち受け画面の表示に復帰する(ステップ105)。この復帰に伴い、読み取られた情報および解読されたイベント情報が消去される。
【0023】
イベント情報がメモリ27内のアラームリストに加えられるのに伴い、アラームリストの内容が図10のように表示部22で表示される(ステップ121)。アラームリストの内容として、今回読み取られたイベント情報である“7月チケット発売情報”のほかに、“港区赤坂ゴミ収集日”“エアロビ教室7月”など種々のイベント情報がある。携帯電話器20の使用者は、表示されている各イベント情報の中から、いずれか1つのイベント情報を指定することができる。
【0024】
たとえば“7月チケット発売情報”が指定されると(ステップ122のYES)、図11に示すように、“7月チケット発売情報”の具体的内容である“Mr.ABCDE7/25”や“山川海太7/18”などのイベント情報(コンサート情報)が並べて表示される。携帯電話器20の使用者は、表示されている各イベント情報の中から、不要なものを削除したり、イベント情報のアラーム報知内容を確認・編集することができる。
【0025】
たとえば“Mr.ABCDE7/25”が指定されると(ステップ125のYES)、図12に示すように、“Mr.ABCDE7/25”のアラーム報知に関する編集画面が表示部22で表示される(ステップ127)。この編集画面において、“アラーム設定”の項目が選択されると(ステップ128のYES)、“Mr.ABCDE7/25”に含まれている時期的要件つまりチケットの予約開始日時や販売開始日時を知らせるのに最適なアラームタイミングが計時部29を通して監視される(ステップ129)。最適なアラームタイミングとは、予約開始時刻や販売開始時刻の直前たとえば5分前のタイミングである。
【0026】
最適なアラームタイミングになると(ステップ130のYES)、図13に示すように、予約開始が迫っていることを知らせるためのアラーム表示画面が表示部22で表示されるとともに、予約開始が迫っていることを知らせるためのアラーム音たとえばメロディ音が音生成部28から発せられる(ステップ131)。携帯電話器20の使用者は、このアラーム表示およびアラーム音により、チケットの予約開始がすぐであることを的確に把握することができる。アラーム画面には、ネットワークを介して予約をするためのWebサイトアドレスの表示が含まれている。このWebサイトアドレスに携帯電話器20からアクセスすることにより、予約を完了することができる。
【0027】
アラーム表示画面において、終了操作がなされると(ステップ132のYES)、アラーム表示およびアラーム音発生が終了する(ステップ133)。
【0028】
アラーム表示画面において、再通知操作がなされると(ステップ132のNO、ステップ134のYES)、アラーム表示およびアラーム音発生が終了するとともに(ステップ135)、計時部29でタイムカウントtが開始される(ステップ136)。タイムカウントtが一定時間t1に達すると(ステップ137のYES)、タイムカウントtがクリアされて(ステップ138)、再び、アラーム表示およびアラーム音発生が繰り返される(ステップ131)。
【0029】
なお、ステップ121のアラームリストの表示画面において、“メニュー”が選択操作されると(ステップ122のNO、ステップ123のYES)、メニュー画面の表示に復帰する(ステップ109)。ステップ124のイベント情報の表示画面においても、“メニュー”が選択操作された場合に(ステップ125のNO、ステップ126のYES)、メニュー画面の表示に復帰する(ステップ109)。
【0030】
メニュー画面において、“アラームリスト”が選択操作されると(ステップ111のYES)、アラームリストの内容が表示される(ステップ121)。メニュー画面において、“待ち受け画面設定”が選択されると(ステップ112のYES)、携帯電話器20内にある任意の画像を選択し待ち受け画像として設定できる(ステップ105)。
【0031】
以上のように、イベントに関する情報が含まれた2次元コードを読み取って解読することで、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングを監視し、そのアラームタイミングにおいてアラームを発するようにしたので、イベントの時期的要件を、携帯電話器20を使用して、最適なタイミングで的確に伝えることができる。よって、希望のチケットを確実に入手することが可能となる。
【0032】
なお、上記実施形態では、イベントがコンサートである場合を例に説明したが、コンサートに限らず、種々のイベントへの対応が可能であり、いずれのイベントに関しても適切な時期的対処が可能となる。
その他、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】一実施形態における2次元コードの例を示す図。
【図3】一実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図4】図3に続くフローチャート。
【図5】一実施形態におけるダウンロード用のWebサイトのトップ画面を示す図。
【図6】一実施形態におけるアラーム機能の待ち受け画面を示す図。
【図7】一実施形態におけるアラーム機能のメニュー画面を示す図。
【図8】一実施形態における2次元コードの読み取り時の表示画面を示す図。
【図9】一実施形態における読み取り完了画面を示す図。
【図10】一実施形態におけるアラームリストの表示画面を示す図。
【図11】一実施形態における指定された各イベント情報の表示画面を示す図。
【図12】一実施形態におけるアラーム報知に関する編集画面を示す図。
【図13】一実施形態におけるアラーム表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1…情報提供企業、2…雑誌、3…2次元コード、10…アプリケーション提供企業、11…サーバ、20…携帯電話器、21…CPU、22…表示部、23…操作部、24…送受信部、25…CCDカメラ、26…ROM、27…書替可能な不揮発性メモリ、28…音生成部、29…計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントに関する情報が含まれた2次元コードを提供する手段と、
前記2次元コードを読み取って解読し、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングにおいてアラームを発する携帯端末と、
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
イベントに関する情報が含まれた2次元コードを提供する手段と、
前記2次元コードの読み取りおよびその読み取り結果に応じた処理を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されたサーバと、
前記サーバから前記アプリケーションプログラムを受信する受信手段を有し、この受信手段で受信したアプリケーションプログラムに基づいて、前記バーコードを読み取って解読し、解読した情報に含まれている時期的要件を知らせるのに最適なアラームタイミングを監視し、そのアラームタイミングにおいてアラームを発する携帯端末と、
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
前記アラームタイミングは、イベントのチケットの予約または販売が開始される直前のタイミングである、
前記アラームは、イベントのチケットの予約または販売の開始が迫っていることを携帯端末の使用者に知らせるための表示および音である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−93876(P2006−93876A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273905(P2004−273905)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(591144475)ドコモ・システムズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】