説明

情報提供装置、情報収集装置、通信端末、情報提供方法、情報収集方法、通信方法、情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラム

【課題】移動体100の混雑状況を把握すること。
【解決手段】移動体100内に複数のアクティブタグATを配置する。各アクティブタグATは、移動体100の現在位置を示す位置情報を保持しておく。また、移動体100の移動に伴って、アクティブタグATの保持する位置情報は更新される。そして、各アクティブタグATは、通信圏内にある携帯端末MTを介して、サーバSにアクティブタグATが有する位置情報を送信する。サーバSは、アクティブタグATから携帯端末MTを介して受信した位置情報の個数を、位置情報が示す位置における移動体100内の携帯端末MT数として計測する。これにより、移動体100の通過した各位置における携帯端末MT数を計測して、移動体100内の人数を計測し、移動体100の混雑状況を把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の提供や収集をおこなう情報提供装置、情報収集装置、通信端末、情報提供方法、情報収集方法、通信方法、情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の場所や領域(例えば、デパートの売場や遊園地の施設)の混雑状況や利用者の動向を取得することは、その場所や領域への人員の配置を適確におこなうために重要である。また、取得した混雑情況を、その場所や領域の利用者に提供することによって、利用者の利便性を向上させることができる。
【0003】
従来では、特定の場所や領域に設けられたゲートの通過人数を計測することにより、混雑状況や利用者の動向を把握する技術がある。また、特定の場所や領域の付近の基地局に接続している携帯端末数を計測することにより、混雑状況や利用者の動向を把握する技術がある。また、カメラによる顔認識数を計測することにより、混雑状況や利用者の動向を把握する技術がある。
【0004】
しかし、ゲートの通過人数を計測する技術、および基地局に接続している携帯端末数を計測する技術では、狭い範囲での人数を把握できない。また、カメラによる顔認識数を計測する技術では、技術の適用場所がカメラの設置場所に限られ、カメラの設置場所に制限がある場合は実施が困難である。
【0005】
そのため、短距離無線を用いて携帯端末と通信を行い、狭い通信圏内での携帯端末数を計測することにより、狭い範囲での混雑状況や利用者の動向を把握する技術がある(例えば、下記特許文献1参照)。
【0006】
また、RFID(Radio Frequency IDentification)に位置情報を記憶させておく。そして、RFIDの通信圏内にある携帯端末が、RFIDから読み出した位置情報を管理センターに送信する。これにより、管理センターにおいて、携帯端末の位置を認識して、狭い範囲での混雑状況や利用者の動向を把握する技術がある(例えば、下記特許文献2参照)。
【0007】
また、関連する技術としては、過去の電車の遅延事例に基づいて求めた最短経路候補をユーザに提供する技術がある(例えば、下記特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−102514号公報
【特許文献2】特開2005−196610号公報
【特許文献3】特開2007−303918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来技術では、混雑状況や利用者の動向を取得する対象となる特定の領域が、移動体内の領域である場合については、実現されていないという問題があった。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、移動体内の人数を把握できる情報提供装置、情報収集装置、通信端末、情報提供方法、情報収集方法、通信方法、情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグを備え、移動体の現在位置情報を取得し、取得された現在位置情報を、複数のタグの各々のタグのメモリに格納する情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムが提案される。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、移動体の現在位置情報を取得し、取得された現在位置情報を、複数のタグの各々のタグのメモリに格納する情報提供装置を有する移動体についての情報を収集する情報収集装置であって、複数のタグのタグごとに通信圏内にある通信端末に送信された移動体の現在位置情報を、通信圏内にある通信端末から受信し、受信された現在位置情報の数に基づいて、移動体内の通信端末の数を算出し、算出結果を出力する情報収集装置、情報収集方法、および情報収集プログラムが提案される。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが移動体の現在位置情報を送信するごとに、複数のタグのうちのいずれかのタグから移動体の現在位置情報を受信し、受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、現在位置情報群から第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出し、抽出された第1の現在位置情報と第2の現在位置情報とを送信する通信端末、通信方法、および通信プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、移動体における人数を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、移動体内の人数の計測の内容を示す説明図である。
【図2】図2は、タグ情報に識別情報や配置情報を含む場合の人数の計測の具体例を示す説明図である。
【図3】図3は、実施の形態にかかる情報提供装置110のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、タグ情報の内容を示す説明図である。
【図5】図5は、実施の形態にかかる携帯端末MTのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、移動履歴の内容を示す説明図である。
【図7】図7は、実施の形態にかかるサーバSのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図8】図8は、位置情報DBの内容を示す説明図である。
【図9】図9は、最新人数テーブルの内容を示す説明図である。
【図10】図10は、情報提供装置110の機能的構成例を示すブロック図である。
【図11】図11は、携帯端末MTの機能的構成例を示すブロック図である。
【図12】図12は、サーバSの機能的構成例を示すブロック図である。
【図13】図13は、サーバSによる最新人数テーブルの更新の具体例を示す説明図である。
【図14】図14は、基地局BSの負荷分散をおこなう場合の具体例を示す説明図である。
【図15】図15は、アクティブタグATによる位置情報の更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図16は、アクティブタグATによる位置情報の再集計処理の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図17は、携帯端末MTによる移動履歴の送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図18は、サーバSによる最新人数テーブルの更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報提供装置、情報収集装置、通信端末、情報提供方法、情報収集方法、通信方法、情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(移動体内の人数の計測の内容)
まず、図1を用いて、移動体内の人数の計測の内容について説明する。図1は、移動体内の人数の計測の内容を示す説明図である。図1では、移動体100が鉄道車両であって、「A駅」から「B駅」を経由して「C駅」に移動した場合を例に挙げて、情報収集装置による各駅における移動体100内の人数の計測について説明する。ここでは、移動体100は鉄道車両であるとするが、移動体100は、車両、船、飛行機であってもよい。
【0018】
移動体100には、移動体100の床面Fに埋め込まれたアクティブタグATを含み、移動体100の位置情報を取得する機能を有する情報提供装置110が搭載されている。移動体100内には、通信端末が存在する。通信端末は、例えば、乗客の所有する携帯端末MTである。また、携帯端末MTと通信可能な情報収集装置が存在する。情報収集装置は、例えば、移動体100外にあるサーバSであり、基地局BSを介して、携帯端末MTと通信可能になっている。
【0019】
ここで、情報提供装置110は、移動体100の位置情報を取得し、取得した位置情報をアクティブタグATのメモリに格納する。床面FのアクティブタグATは、それぞれの通信圏Eが重ならない距離に配置されている。アクティブタグATは、情報提供装置110が取得した移動体100の位置情報を含むタグ情報を記憶し、通信圏E内の携帯端末MTに一定時間ごとにタグ情報を送信する。また、タグ情報は、移動体100に固有の識別情報や移動体100内におけるアクティブタグATが配置されている領域を示す配置情報を含んでもよい。
【0020】
携帯端末MTは、アクティブタグATから受信したタグ情報を、近傍の基地局BSを介して、サーバSに送信する。また、携帯端末MTは、受信するタグ情報の変化に基づいて自端末の移動を検出し、移動前のタグ情報と移動後のタグ情報とを含む移動履歴を作成して、作成した移動履歴をサーバSに送信することにしてもよい。
【0021】
また、サーバSは、携帯端末MTから受信したタグ情報に基づいて、タグ情報内の位置情報が示す位置における移動体100内の携帯端末MT数を計測することにより、タグ情報内の位置情報が示す位置における移動体100内の人数を算出する。
【0022】
また、タグ情報に識別情報が含まれる場合、サーバSは、タグ情報内の位置情報が示す位置に複数移動体が存在する場合に、移動体ごとに携帯端末数を計測することができる。また、タグ情報に配置情報が含まれる場合、サーバSは、タグ情報内の位置情報が示す位置に存在する移動体100内において、移動体100内の人数を配置情報が示す領域ごとに算出することができる。さらに、携帯端末MTから移動履歴を受信した場合、サーバSは、移動体100内における携帯端末MTの移動方向を計測することもできる。
【0023】
(1)具体的には、まず、移動体100が「A駅」に存在する場合、情報提供装置110は、移動体100の位置情報として「A駅」を取得する。そして、各アクティブタグATに取得した位置情報を送信する。(2)アクティブタグATは、送信された位置情報に基づいてタグ情報を更新すると、通信圏E内の携帯端末MTに更新したタグ情報を送信する。
【0024】
タグ情報を受信した携帯端末MTは、タグ情報を基地局BSを介してサーバSに送信する。ここで、移動体100内に存在する全携帯端末MTがタグ情報を送信すると、サーバSは移動体100内の携帯端末MT数と同数のタグ情報を受信することになる。そのため、サーバSは、受信したタグ情報の個数を計測することにより、携帯端末MT数を計測し、移動体100内の人数を計測できる。
【0025】
ここでは、移動体100内の乗客は1人であり、1人の乗客の携帯端末MTからタグ情報が送信される。そして、サーバSは、「A駅」を示すタグ情報を1つ受信して、「A駅」における携帯端末MT数を1個と判断し、「A駅」の人数は1人であると計測する。
【0026】
(3)次に、移動体100が「A駅」から「B駅」に移動すると、情報提供装置110は、移動体100の位置情報として、「B駅」を取得する。そして、各アクティブタグATに取得した位置情報を送信する。(4)アクティブタグATは、送信された位置情報に基づいてタグ情報を更新すると、通信圏E内の携帯端末MTに更新したタグ情報を送信する。
【0027】
タグ情報を受信した携帯端末MTは、タグ情報を基地局BSを介してサーバSに送信する。ここでは、移動体100内の乗客は1人であり、1人の乗客の携帯端末MTからタグ情報が送信される。そして、サーバSは、「B駅」を示すタグ情報を1つ受信して、「B駅」における携帯端末MT数を1個と判断し、「B駅」の人数は1人であると計測する。
【0028】
(5)次に、移動体100が「B駅」から「C駅」に移動すると、情報提供装置110は、移動体100の位置情報として、「C駅」を取得する。そして、各アクティブタグATに取得した位置情報を送信する。(6)アクティブタグATは、送信された位置情報に基づいてタグ情報を更新すると、通信圏E内の携帯端末MTに更新したタグ情報を送信する。
【0029】
タグ情報を受信した携帯端末MTは、タグ情報を基地局BSを介してサーバSに送信する。ここで、「C駅」において、移動体100に2人の乗客が乗車したとする。この場合、移動体100内の乗客は3人となり、3人の乗客の携帯端末MTからタグ情報が送信される。そして、サーバSは、「C駅」を示すタグ情報を3つ受信して、「C駅」における携帯端末MT数を3個と判断し、「C駅」の人数は3人であると計測する。
【0030】
このように、サーバSは、各駅における移動体100内の人数を計測することができる。これにより、サーバSは、移動体の移動に伴う混雑状況の変化を把握することができる。次に、図2を用いて、タグ情報に移動体100に固有の識別情報や移動体100内におけるアクティブタグATが配置されている領域を示す配置情報を含む場合の人数の計測について説明する。
【0031】
(タグ情報に識別情報や配置情報を含む場合の人数の計測)
図2は、タグ情報に識別情報や配置情報を含む場合の人数の計測の具体例を示す説明図である。図2では、タグ情報には、位置情報に加えて、識別情報として列車識別番号と、配置情報としてアクティブタグATが配置された号車番号と領域名と、が含まれている。
【0032】
具体的には、エリアA1に配置されたアクティブタグATのタグ情報には、例えば、位置情報として「A駅」、識別情報として「列車XXX」、配置情報として「1号車の前方ドア付近」が含まれている。また、エリアA2に配置されたアクティブタグATのタグ情報には、「A駅、列車XXX、1号車の座席付近」が含まれている。
【0033】
エリアA3に配置されたアクティブタグATのタグ情報には、「A駅、列車XXX、1号車の後方ドア付近」が含まれている。エリアA4に配置されたアクティブタグATのタグ情報には、「A駅、列車XXX、2号車の前方ドア付近」が含まれている。
【0034】
タグ情報が識別情報を含むことにより、サーバSは、例えば、「A駅」に存在する移動体100が複数ある場合であっても、各移動体100を識別して人数を計測することができる。また、タグ情報が配置情報を含むことにより、サーバSは、例えば、「A駅」に存在する移動体100内の人数を、領域ごとに詳細に計測することができる。そのため、サーバSは、移動体100内の人数の分散を計測することができる。
【0035】
ここで、携帯端末MTが、受信するタグ情報の変化に基づいて移動を検出し、移動前のタグ情報と移動後のタグ情報とを含む移動履歴を作成して、サーバSに送信するようにしてもよい。この場合、サーバSは、移動体100内の乗客の移動方向を計測することができる。
【0036】
具体的には、図2に示すように、乗客がエリアA2からエリアA1に移動した場合、携帯端末MTは、まず、エリアA2において、「A駅、列車XXX、1号車の座席付近」というタグ情報を受信する。次に、移動先のエリアA1において、「A駅、列車XXX、1号車の前方ドア付近」というタグ情報を受信する。
【0037】
そして、携帯端末MTは、移動を検出し、移動履歴として移動前のタグ情報「A駅、列車XXX、1号車の座席付近」と移動後のタグ情報「A駅、列車XXX、1号車の前方ドア付近」を対応付けたレコードを作成して、サーバSに送信する。これにより、サーバSは、1号車の乗客の座席付近から前方ドア付近への移動方向を計測することができる。
【0038】
ただし、アクティブタグATのタグ情報には、識別情報と配置情報に代えて、アクティブタグATに固有の識別情報を含むようにしてもよい。そして、サーバSが、アクティブタグATの識別情報とアクティブタグATの配置された列車識別番号と号車番号と領域名を対応付けて記憶しておき、受信したタグ情報内のアクティブタグATの識別情報に対応する列車識別番号と号車番号と領域名を特定してもよい。
【0039】
(情報提供装置110のハードウェア構成例)
図3は、実施の形態にかかる情報提供装置110のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報提供装置110は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、I/F(Interface)304と、複数のアクティブタグATと、を備えている。また、各構成部はバス310によってそれぞれ接続されている。
【0040】
ここで、CPU301は、携帯端末MTの全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0041】
I/F304は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク330に接続され、このネットワーク330を介して他の装置に接続される。そして、I/F304は、ネットワーク330と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F304には、例えばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0042】
アクティブタグATは、制御回路305と、メモリ306と、通信I/F307と、を備えている。また、各構成部はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0043】
ここで、制御回路305は、アクティブタグATの全体の制御を司る。メモリ306は、プログラムを記憶している。また、メモリ306は、タグ情報を記憶している。メモリ306は、ワークエリアとして使用される。
【0044】
通信I/F307は、アンテナの通信圏E内にある外部装置との無線通信をおこなう。そして、通信I/F307は、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0045】
(タグ情報の内容)
ここで、図4を用いて、図3に示したメモリ306に記憶されているタグ情報の内容について説明する。
【0046】
図4は、タグ情報の内容を示す説明図である。図4において、タグ情報は、位置名項目を有する。ここで、位置名項目には、アクティブタグATの位置を示す位置情報が記憶されている。例えば、位置情報としては、施設名称を採用できる。施設名称とは、例えば、「A駅」である。また、位置情報は、移動体100の移動に伴ってアクティブタグATが移動するごとに更新される。例えば、移動体100が「A駅」から「B駅」に移動した場合は、情報提供装置110により位置情報「B駅」が取得され、タグ情報が更新される。
【0047】
位置情報は、例えば、情報提供装置110がGPS(Global Positioning System)により測位した座標から求めることができる。また、位置情報は、情報提供装置110が移動体100の近傍の基地局BSを検出して求めてもよいし、移動体100の運行情報(例えば、列車の時刻表)を参照して求めてもよい。
【0048】
さらに、位置名項目には、位置情報に加えて、移動体100内におけるアクティブタグATの配置場所を示す配置情報を記憶してもよい。例えば、移動体100が複数両編成の列車である場合には、配置情報としては、アクティブタグATの配置された列車の識別番号、アクティブタグATの配置された号車番号、アクティブタグATの配置された車両内のエリアを採用できる。
【0049】
配置情報を含む場合の位置名は、例えば、「A駅の列車XXXの1両目の2番ドア付近」である。また、移動体100が「A駅」から「B駅」に移動した場合は、位置名は、「B駅の列車XXXの1両目の2番ドア付近」に更新される。
【0050】
(携帯端末MTのハードウェア構成例)
図5は、実施の形態にかかる携帯端末MTのハードウェア構成例を示すブロック図である。図5において、携帯端末MTは、CPU501と、ROM502と、RAM503と、I/F504と、ディスプレイ505と、キーボード506と、を備えている。また、各構成部はバス510によってそれぞれ接続されている。
【0051】
ここで、CPU501は、携帯端末MTの全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。また、RAM503は、アクティブタグATから受信したタグ情報または移動履歴を記憶している。
【0052】
I/F504は、基地局BSとの電波の送受信を制御し、LAN、WAN、インターネットなどのネットワーク520に接続され、このネットワーク520を介して他の装置に接続される。そして、I/F504は、ネットワーク520と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0053】
ディスプレイ505は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ505は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0054】
キーボード506は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
【0055】
(移動履歴の内容)
ここで、図6を用いて、図5に示したRAM503に記憶されている移動履歴の内容について説明する。
【0056】
図6は、移動履歴の内容を示す説明図である。図6において、移動履歴は、旧位置名項目と、新位置名項目と、経過時間項目と、を有し、携帯端末MTの移動ごとにレコードを構成する。
【0057】
ここで、旧位置名項目には、携帯端末MTが移動前の位置においてアクティブタグATから受信したタグ情報が記憶されている。また、新位置名項目には、携帯端末MTが移動後の位置においてアクティブタグATから受信したタグ情報が記憶されている。タグ情報とは、図4において示したタグ情報であるため説明を省略する。また、経過時間項目には、移動履歴のレコードをサーバSに送信した時点からの経過時間が記憶されている。
【0058】
(サーバSのハードウェア構成例)
図7は、実施の形態にかかるサーバSのハードウェア構成例を示すブロック図である。図7において、サーバSは、CPU701と、ROM702と、RAM703と、磁気ディスクドライブ704と、磁気ディスク705と、光ディスクドライブ706と、光ディスク707と、ディスプレイ708と、I/F709と、キーボード710と、マウス711と、スキャナ712と、プリンタ713と、を備えている。また、各構成部はバス720によってそれぞれ接続されている。
【0059】
ここで、CPU701は、サーバSの全体の制御を司る。ROM702は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用される。また、RAM703は、位置情報DB(DataBase)と、最新人数テーブルと、を記憶している。
【0060】
磁気ディスクドライブ704は、CPU701の制御にしたがって磁気ディスク705に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク705は、磁気ディスクドライブ704の制御で書き込まれたデータを記憶する。光ディスクドライブ706は、CPU701の制御にしたがって光ディスク707に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク707は、光ディスクドライブ706の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク707に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0061】
ディスプレイ708は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ708は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0062】
I/F709は、通信回線を通じてLAN、WAN、インターネットなどのネットワーク714に接続され、このネットワーク714を介して他の装置に接続される。そして、I/F709は、ネットワーク714と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F709には、例えばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0063】
キーボード710は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス711は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0064】
スキャナ712は、画像を光学的に読み取り、サーバS内に画像データを取り込む。なお、スキャナ712は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ713は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ713には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0065】
(位置情報DBの内容)
ここで、図8を用いて、図7に示したRAM703に記憶されている位置情報DBの内容について説明する。
【0066】
図8は、位置情報DBの内容を示す説明図である。図8において、位置情報DBは、旧位置名項目と、新位置名項目と、経過時間項目と、を有し、携帯端末MTから移動履歴のレコードを受信するごとに、レコードを構成する。
【0067】
ここで、旧位置名項目、新位置名項目、および経過時間項目には、それぞれ、携帯端末MTから受信した移動履歴のレコードの旧位置名項目、新位置名項目、および経過時間項目の内容が記憶される。各内容は、図6において説明した内容であるため、ここでは説明を省略する。
【0068】
(最新人数テーブルの内容)
次に、図9を用いて、図7に示したRAM703に記憶されている最新人数テーブルの内容について説明する。
【0069】
図9は、最新人数テーブルの内容を示す説明図である。図9において、最新人数テーブルは、位置名項目と、人数項目と、を有し、位置名ごとにレコードを構成する。そして、各レコードは、携帯端末MTから移動履歴を受信するごとに更新される。
【0070】
ここで、位置名項目には、人数を計測する対象となる位置名が記憶されている。位置名項目に記憶される内容は、図4に示した位置名項目と同様であるため、説明を省略する。また、人数項目には、携帯端末MTから受信した移動履歴に基づいて算出した各位置名項目が示す位置における人数が記憶される。ここで、各位置名項目が示す位置における人数は、携帯端末MTから受信した移動履歴に基づいて、各位置名項目が示す位置における携帯端末MT数を算出して求めることができる。
【0071】
(情報提供装置110の機能的構成例)
次に、情報提供装置110の機能的構成例について説明する。図10は、情報提供装置110の機能的構成例を示すブロック図である。情報提供装置110は、複数のタグ(例えば、アクティブタグAT)と、取得部1001と、格納部1002と、を含む構成である。この制御部となる機能(取得部1001と格納部1002)は、具体的には、例えば、図3に示したROM302、RAM303などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F304により、その機能を実現する。
【0072】
取得部1001は、移動体100の現在位置情報を取得する機能を有する。具体的には、例えば、取得部1001は、移動体100の移動中における現在位置情報を取得する。これにより、移動体100内の人数に変動がないと解される移動中に現在位置情報を取得しておくことができる。
【0073】
また、具体的には、例えば、取得部1001は、移動体100の停止中における現在位置情報を取得する。これにより、停止場所(例えば、列車の停車駅)に停止中の移動体100の現在位置情報を取得することができる。
【0074】
また、具体的には、例えば、取得部1001は、一定時間ごとに移動体100の現在位置情報を取得する。これにより、一定時間ごとに移動体100の最新の現在位置情報を取得することができる。なお、取得部1001により取得されたデータは、RAM303などの記憶領域に記憶される。
【0075】
格納部1002は、取得部1001によって取得された現在位置情報を、複数のタグの各々のタグのメモリに格納する機能を有する。これにより、アクティブタグATが送信するメモリ306内のデータを更新することができる。
【0076】
具体的には、例えば、格納部1002は、取得部1001によって取得された停止中における現在位置情報を、移動体が停止中から移動中になったときに、複数のアクティブタグATの各々のアクティブタグATのメモリ306に格納する。これにより、移動体100への乗客の乗降が終了した時点でアクティブタグATのメモリ306に現在位置情報を更新することができる。
【0077】
具体的には、例えば、格納部1002は、取得部1001によって移動体100の現在位置情報が取得されるごとに、現在位置情報を複数のアクティブタグATの各々のアクティブタグATのメモリ306に格納する。これにより、メモリ306内のデータを最新の現在位置情報に更新することができる。
【0078】
アクティブタグATは、移動体100内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏E内にある移動体100内の通信端末に対して非接触で送信する機能を有する。ここで、メモリ内のデータとは、上述した移動体100の位置情報を含むタグ情報である。タグ情報は、上述した移動体100の識別情報やアクティブタグATの配置情報を含んでもよい。通信端末とは、上述した携帯端末MTである。
【0079】
具体的には、例えば、アクティブタグATは、格納部1002によって格納された現在位置情報のうちの最新の現在位置情報を含むメモリ306内のデータを通信圏E内にある移動体100内の携帯端末MTに対して非接触で送信する。これにより、アクティブタグATは、携帯端末MTに移動体の最新の現在位置情報を送信することができる。
【0080】
(携帯端末MTの機能的構成例)
次に、携帯端末MTの機能的構成例について説明する。図11は、携帯端末MTの機能的構成例を示すブロック図である。携帯端末MTは、受信部1101と、抽出部1102と、送信部1103と、を含む構成である。この制御部となる機能(受信部1101〜送信部1103)は、具体的には、例えば、図5に示したROM502、RAM503などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU501に実行させることにより、または、I/F504により、その機能を実現する。
【0081】
受信部1101は、移動体100内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが移動体100の現在位置情報を送信するごとに、複数のタグのうちのいずれかのタグから移動体100の現在位置情報を受信する機能を有する。ここで、タグとは、上述したアクティブタグATである。メモリとは、上述したメモリ306である。現在位置情報とは、上述したタグ情報内の位置情報であり、識別情報や配置情報を含んでもよい。
【0082】
具体的には、例えば、受信部1101は、移動体100内のアクティブタグATからタグ情報を受信する。これにより、携帯端末MTの現在位置となる移動体100の現在位置を示す位置情報を取得できる。また、携帯端末MTが存在する移動体100を特定する識別情報を取得できる。また、携帯端末MTの移動体100内での位置を示す配置情報を取得することができる。なお、受信したデータは、RAM503に記憶される。
【0083】
抽出部1102は、受信部1101によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、現在位置情報群から第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する機能を有する。ここで、記憶装置とは、上述したRAM503である。第1の現在位置情報とは、受信部1101によって受信された最新のタグ情報である。第2の現在位置情報とは、最新のタグ情報を受信した受信部1101によって、以前に受信されたタグ情報である。
【0084】
具体的には、例えば、抽出部1102は、受信部1101によって受信されたタグ情報と、受信部1101によって前回受信されたタグ情報とを抽出する。これにより、抽出されたタグ情報から携帯端末MTの移動方向を示す移動履歴を作成することができる。
【0085】
送信部1103は、抽出部1102によって抽出された第1の現在位置情報と第2の現在位置情報とを送信する機能を有する。具体的には、例えば、送信部1103は、移動履歴をサーバSに送信する。これにより、携帯端末MTの移動方向を示す移動履歴をサーバSに送信することができる。
【0086】
(サーバSの機能的構成例)
次に、サーバSの機能的構成例について説明する。図12は、サーバSの機能的構成例を示すブロック図である。サーバSは、受信部1201と、算出部1202と、出力部1203と、特定部1204と、を含む構成である。この制御部となる機能(受信部1201〜出力部1204)は、具体的には、例えば、図7に示したROM702、RAM703などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、または、I/F709により、その機能を実現する。
【0087】
受信部1201は、複数のタグのタグごとに通信圏E内にある通信端末に送信された移動体100の現在位置情報を、通信圏E内にある通信端末から受信する機能を有する。ここで、タグとは、上述したアクティブタグATである。通信端末とは、上述した携帯端末MTである。現在位置情報とは、上述したタグ情報に含まれる位置情報である。具体的には、受信部1201は、アクティブタグATからタグ情報を受信した携帯端末MTから、移動体の現在位置を示す位置情報を含むタグ情報を受信する。
【0088】
また、受信部1201は、移動体100に固有の識別情報、各々のアクティブタグATが配置された移動体100内の領域を示す配置情報を含むタグ情報を受信する。これにより、各携帯端末MTの位置を示すタグ情報を携帯端末MT数分受信することができる。
【0089】
算出部1202は、受信部1201によって受信された現在位置情報の数に基づいて、移動体100内の通信端末の数を算出する機能を有する。具体的には、例えば、算出部1202は、タグ情報内の位置情報が示す位置ごとに、タグ情報の個数を計測し、計測した個数を携帯端末MT数として算出する。また、受信した移動履歴から作成した位置情報DBの新位置名項目のタグ情報内の位置情報が示す位置ごとに位置情報DBのレコードの数を計測して携帯端末MT数を算出してもよい。これにより、移動体100内の人数を計測できる。
【0090】
また、具体的には、例えば、算出部1202は、特定部1204によって特定された移動区間における現在位置情報の数に基づいて、移動体100内の通信端末の数を算出する。これにより、乗客の乗降がない移動体100の移動中となる移動区間において携帯端末MT数を計測して、移動体100内の人数を算出することができる。
【0091】
また、算出部1202は、受信部1201によって受信された移動体100に固有な識別情報ごとに、現在位置情報の数に基づいて、移動体100内の携帯端末MTの数を算出する。これにより、タグ情報内の位置情報が示す位置に、移動体100が複数ある場合でも、タグ情報内の識別情報に基づいて移動体100ごとに携帯端末MT数を算出することができる。
【0092】
また、算出部1202は、受信部1201によって受信された移動体100内の領域を示す配置情報ごとに、現在位置情報の数に基づいて、移動体100内の携帯端末MTの数を算出する。これにより、移動体100内の携帯端末MT数を、タグ情報内の配置情報が示す領域ごとに算出することができる。
【0093】
出力部1203は、算出部1202によって算出された算出結果を出力する機能を有する。具体的には、例えば、出力部1203は、算出された移動体100内の携帯端末MT数を、移動体100内の人数として、プリンタ713やディスプレイ708に出力する。これにより、移動体100内の人数をサーバSのユーザに通知することができる。
【0094】
特定部1204は、移動体100の現在位置情報ごとに、移動体100が現在移動している移動区間を特定する機能を有する。具体的には、例えば、特定部1204は、移動体100の運行情報を参照して、タグ情報内の位置情報が示す位置から移動区間を特定する。
【0095】
(サーバSによる最新人数テーブルの更新)
次に、図13を用いて、駅のホームH1から移動体100内のエリアA1に乗客が移動した場合を例に挙げて、サーバSによる最新人数テーブルの更新について説明する。
【0096】
図13は、サーバSによる最新人数テーブルの更新の具体例を示す説明図である。ここでは、エリアA1に配置されたアクティブタグATは、タグ情報として「A駅の1号車(以下、単にA1とする)」を記憶している。また、ホームH1に配置されたアクティブタグATは、タグ情報として「A駅のホーム(以下、単にH1とする)」を記憶している。
【0097】
乗客の移動前では、携帯端末MTは、移動履歴として、新位置名項目にタグ情報「H1」を記憶し、経過時間項目に「10」を記憶したレコードを有している。なお、旧位置名項目には、情報は記憶されていない。サーバSの最新人数テーブルには、乗客の移動前におけるエリアA1の人数「0人」と、ホームH1の人数「2人」とが記憶されている。
【0098】
ここで、乗客が駅のホームH1から移動体100内のエリアA1に移動すると、携帯端末MTは、タグ情報「A1」を受信し、移動を検出する。そして、移動履歴に記憶されている新位置名項目のタグ情報「H1」を旧位置名項目に記憶し、受信したタグ情報「A1」を新位置名項目に記憶するあらたな移動履歴を作成する。なお、あらたな移動履歴の経過時間項目には、情報は記憶されていない。そして、携帯端末MTは、移動履歴をサーバSに送信する。
【0099】
サーバSは、移動履歴を受信すると、最新人数テーブルにおいて、移動履歴の旧位置名項目のタグ情報「H1」が示すホームH1の人数を「2人」から「1人」にする。また、サーバSは、最新人数テーブルにおいて、移動履歴の新位置名項目のタグ情報「A1」が示すエリアA1の人数を「0人」から「1人」にする。これにより、移動体100に乗客が乗車したことを検出して、各位置における人数を計測することができる。
【0100】
なお、携帯端末MTが移動履歴ではなく携帯端末MTの現在位置でのタグ情報のみを送信する場合、サーバSは、一定時間ごとに最新人数テーブルの全位置名項目の位置での携帯端末MT数を計測して、人数項目を更新する。
【0101】
(基地局BSの負荷分散)
なお、携帯端末MTからの移動履歴の送信により、基地局BSの負荷が増大する虞がある。図14を用いて、アクティブタグATの送信時刻の設定により、基地局BSの負荷分散をおこなう場合について説明する。
【0102】
図14は、基地局BSの負荷分散をおこなう場合の具体例を示す説明図である。ここで、携帯端末MTは、アクティブタグATからのタグ情報の受信に伴って、移動履歴を作成して、基地局BSへ移動履歴を送信している。そのため、移動体100内の全アクティブタグATが同時にタグ情報を送信すると、移動体100内の全携帯端末MTも同様に基地局BSへ移動履歴を送信することになる。
【0103】
(A)に示すように、移動体100内の各エリアA1〜A3の全アクティブタグATが時刻Tにタグ情報を送信する場合、携帯端末MTからの移動履歴も同様に時刻Tに基地局BSへ送信される。これにより、移動体100内の携帯端末MT数の増加に伴って、基地局BSの負荷が増大し、正常にサーバSへの移動履歴の中継ができなくなる虞がある。例えば、(A)では、基地局BSは、時刻Tにおいて、同時に3つの移動履歴を中継する必要が生じる。
【0104】
そのため、(B)に示すように、移動体100内の複数のアクティブタグATのタグ情報の送信時刻をずらすことにより、携帯端末MTの基地局BSへの移動履歴の送信時刻をずらして、基地局BSの負荷を分散する。
【0105】
例えば、(B)では、エリアA1のアクティブタグATは時刻Tにタグ情報を送信し、エリアA2のアクティブタグATは時刻T+1にタグ情報を送信し、エリアA3のアクティブタグATは時刻T+2にタグ情報を送信する。そのため、基地局BSは、時刻T、時刻T+1、時刻T+2のそれぞれの時刻において、1つずつ移動履歴を中継すればよい。このように(A)に比して、基地局BSの負荷を分散することができる。
【0106】
(アクティブタグATによる位置情報の更新処理)
次に、図15を用いて、アクティブタグATによる位置情報の更新処理の詳細について説明する。図15は、アクティブタグATによる位置情報の更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0107】
まず、制御回路305は、情報提供装置110から移動体100の位置情報を受信したか否か判定する(ステップS1501)。ここで、移動体100の位置情報を受信していない場合(ステップS1501:No)、ステップS1501に戻り、制御回路305は、移動体100の位置情報の受信を待つ。
【0108】
一方、移動体100の位置情報を受信した場合(ステップS1501:Yes)、制御回路305は、受信した位置情報が、メモリ306に記憶されたタグ情報に含まれる位置情報から変化しているか否かを判定する(ステップS1502)。ここで、位置情報が変化していない場合(ステップS1502:No)、位置情報の更新処理を終了する。
【0109】
一方、位置情報が変化している場合(ステップS1502:Yes)、制御回路305は、タグ情報に含まれる位置情報を、受信した位置情報に書き換えて(ステップS1503)、位置情報の更新処理を終了する。これにより、アクティブタグATは、移動体100の位置情報を更新して、常に最新の位置情報を保持しておくことができる。
【0110】
(アクティブタグATによる位置情報の再集計処理)
次に、図16を用いて、アクティブタグATによる位置情報の再集計処理の詳細について説明する。図16は、アクティブタグATによる位置情報の再集計処理の詳細を示すフローチャートである。
【0111】
まず、制御回路305は、タグ情報の書き換えがあってからの経過時間を測定し、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1601)。ここで、一定時間が経過していない場合(ステップS1601:No)、位置情報の再集計処理を終了する。
【0112】
一方、一定時間が経過した場合(ステップS1601:Yes)、制御回路305は、情報提供装置110に移動体100の位置情報を問い合わせて、タグ情報を書き換えて(ステップS1602)、位置情報の再集計処理を終了する。これにより、制御回路305は、記憶されているタグ情報が古い情報である場合に、あらたな位置情報を受信して、タグ情報を書き換えることができる。
【0113】
(携帯端末MTによる移動履歴の送信処理)
次に、図17を用いて、携帯端末MTによる移動履歴の送信処理の詳細について説明する。図17は、携帯端末MTによる移動履歴の送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【0114】
まず、CPU501は、移動履歴のレコードを初期化し、タイマによる計時を開始する(ステップS1701)。次に、CPU501は、カウンタ値Nを初期化する(ステップS1702)。
【0115】
そして、CPU501は、カウンタ値Nと閾値Xとを比較し、カウンタ値Nが閾値Xより大きいか否かを判定する(ステップS1703)。ここで、カウンタ値Nが閾値Xより大きい場合(ステップS1703:Yes)、移動履歴の送信処理を終了する。
【0116】
一方、カウンタ値Nが閾値X以下である場合(ステップS1703:No)、CPU501は、アクティブタグATからタグ情報を受信したか否かを判定する(ステップS1704)。ここで、タグ情報を受信していない場合(ステップS1704:No)、CPU501は、カウンタ値Nに1を加算して(ステップS1705)、ステップS1703に戻る。
【0117】
一方、タグ情報を受信した場合(ステップS1704:Yes)、CPU501は、受信したタグ情報内の位置情報を抽出する。(ステップS1706)。そして、CPU501は、抽出した位置情報が示す位置が、移動履歴の最新の位置から変化しているか否かを判定する(ステップS1707)。ここで、変化していない場合(ステップS1707:No)、ステップS1702に戻る。
【0118】
一方、変化している場合(ステップS1707:Yes)、CPU501は、移動履歴の最新の位置を旧位置とし、抽出した位置情報が示す位置を新位置とするあらたなレコードを作成する(ステップS1708)。そして、CPU501は、移動履歴の全レコードをサーバSに送信する(ステップS1709)。
【0119】
次に、CPU501は、正常に送信完了したか否かを判定する(ステップS1710)。ここで、正常に送信完了した場合(ステップS1710:Yes)、CPU501は、最新のレコード以外のレコードを削除して(ステップS1711)、ステップS1714に移行する。
【0120】
一方、正常に送信完了しなかった場合(ステップS1710:No)、CPU501は、最新のレコードに経過時間が記憶されているか否かを判定する(ステップS1712)。ここで、経過時間が記憶されていない場合(ステップS1712:No)、CPU501は、計時中のタイマの値を経過時間としてレコードにセットして(ステップS1713)、ステップS1714に移行する。
【0121】
一方、経過時間が記憶されている場合(ステップS1712:Yes)、ステップS1714に移行する。そして、CPU501は、タイマに再度計時を開始させて(ステップS1714)、ステップS1702に戻る。
【0122】
これにより、携帯端末MTは、アクティブタグATから受信したタグ情報に変化があった場合に、変化前後のタグ情報をサーバSに送信することができる。
【0123】
(サーバSによる最新人数テーブルの更新処理)
次に、図18を用いて、サーバSによる最新人数テーブルの更新処理の詳細について説明する。図18は、サーバSによる最新人数テーブルの更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0124】
まず、CPU701は、携帯端末MTからレコードを受信したか否かを判定する(ステップS1801)。ここで、レコードを受信していない場合(ステップS1801:No)、ステップS1801に戻り、CPU701は、レコードの受信を待つ。
【0125】
一方、レコードを受信した場合(ステップS1801:Yes)、CPU701は、位置情報DBに受信したレコードを登録する(ステップS1802)。そして、CPU701は、最新人数テーブルの新位置に記載の人数に1人加算する(ステップS1803)。
【0126】
次に、CPU701は、最新人数テーブルの旧位置に記載の人数から1人減算する(ステップS1804)。そして、最新人数テーブルの更新処理を終了する。これにより、サーバSは、最新人数テーブルの各位置における人数を、移動体100内に存在する最新の人数に更新することができる。
【0127】
以上説明したように、移動体100内の複数のアクティブタグATが、逐次位置情報を更新し、更新した位置情報を携帯端末MTを介してサーバSに送信する。これにより、サーバSは、各位置情報が示す位置における移動体100内の携帯端末MT数を計測して、移動体100内の人数を計測でき、移動体100の混雑状況を把握できる。また、位置情報を逐次更新するため、リアルタイムの混雑状況を把握することができる。
【0128】
また、アクティブタグATが、移動体100の移動中に位置情報を更新して、更新した位置情報を携帯端末MTを介してサーバSに送信することにより、サーバSは、移動体100内の人数の変動がないと解される移動中の人数を計測することができる。
【0129】
ここで、アクティブタグATは、通信圏E内が狭いため、狭いエリアごとの人数を正確に計測することができる。また、アクティブタグATを移動体100の床面Fに設置したため、乗客のポケットや鞄にある携帯端末MTが通信圏E内に入りやすくなっている。
【0130】
また、アクティブタグATが、停止場所(例えば、列車の停車駅)に停止中の移動体100の位置情報を更新し、移動体100が移動をはじめたときに更新した位置情報をサーバSに送信する。そのため、サーバSでは、乗客の乗降が終了した時点での移動体100内の人数を計測できる。
【0131】
また、移動体100内の複数のアクティブタグATが、位置情報に加えて、移動体100の識別情報を携帯端末MTを介してサーバSに送信することにより、サーバSは、各位置情報が示す位置に複数の移動体100が存在する場合に、移動体100ごとの携帯端末MT数を計測することができる。具体的には、例えば、サーバSは、位置情報が示す駅において、多数の路線および上り下りの列車が存在する場合であっても、各列車を区別して、列車ごとの人数を計測することができる。
【0132】
また、移動体100内の複数のアクティブタグATが、位置情報に加えて、アクティブタグATが配置された領域を示す配置情報を携帯端末MTを介してサーバSに送信することにより、移動体100内の携帯端末MT数を、領域ごとに詳細に計測することができる。具体的には、例えば、サーバSは、配置情報が示す号車番号に基づいて、列車の号車ごとに、人数を計測することができ、号車ごとの混雑状況を把握することができる。
【0133】
また、具体的には、例えば、サーバSは、配置情報が示す領域に基づいて、列車内の領域ごとの人数を計測することができ、領域ごとの混雑状況(例えば、何号車の何ドア目が混雑しているか)を把握することができる。
【0134】
また、携帯端末MTが、移動前の位置におけるタグ情報と移動後の位置におけるタグ情報とを含む移動履歴をサーバSに送信することにより、サーバSは携帯端末MTを所有する乗客の移動方向を計測することができる。また、携帯端末MTが送信する移動履歴に移動に要した経過時間を含むことにより、サーバSは乗客の移動方向と移動時間とを計測することができる。
【0135】
また、アクティブタグATは、携帯端末MTを介して、サーバSと通信をおこなうため、情報収集に必要なネットワークを構築する費用を抑えることができる。また、複数のアクティブタグATが携帯端末MTへの位置情報の送信時刻をそれぞれずらすことにより、基地局BSの負荷を減らすことができる。
【0136】
そして、サーバSのユーザは、把握された混雑状況に基づいて、乗客に混雑回避の経路を提供することができ、結果として、混雑を緩和させることができる。また、サーバSのユーザは、混雑状況から危険予測をおこない、事故を防止することができる。具体的には、例えば、混雑状況に基づいて、駅構内への入場制限をおこなう事例が挙げられる。
【0137】
また、サーバSのユーザは、把握された混雑状況を監視カメラを用いた画像監視システムと連携させることにより、特に混雑している場所を自動的に選択して表示させることができ、画像監視システムの効率化を図ることができる。
【0138】
また、サーバSのユーザは、把握された混雑状況に基づいて、特に混雑している場所に、経路案内や乗客の整理をおこなう人員を多く配置するといった対策をおこなうことができる。さらに、サーバSのユーザは、把握された混雑状況に基づいて、移動体100の運行予定の検討(例えば、列車ダイヤの改正)や、移動体100近辺への設置施設の検討(例えば、監視カメラ、エレベータ、または広告の設置場所の検討)をおこなうことができる。
【0139】
なお、本実施の形態で説明した情報提供方法、情報収集方法および通信方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本情報提供プログラム、情報収集プログラムおよび通信プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0140】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0141】
(付記1)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、(AT)
前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、(1001)
前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、(1002)
を備えることを特徴とする情報提供装置。(1,図3,図4,図10,図15,図16)
【0142】
(付記2)前記取得手段は、(1001)
前記移動体の移動中における現在位置情報を取得することを特徴とする付記1に記載の情報提供装置。(図3,図4,図10)
【0143】
(付記3)前記取得手段は、(1001)
前記移動体の停止中における現在位置情報を取得し、
前記格納手段は、(1002)
前記取得手段によって取得された前記停止中における現在位置情報を、前記移動体が前記停止中から移動中になったときに、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納することを特徴とする付記1または2に記載の情報提供装置。(図3,図4,図10)
【0144】
(付記4)前記取得手段は、(1001)
一定時間ごとに前記移動体の現在位置情報を取得し、
前記格納手段は、(1002)
前記取得手段によって前記移動体の現在位置情報が取得されるごとに、前記現在位置情報を前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納し、
前記複数のタグは、(AT)
前記格納手段によって格納された現在位置情報のうちの最新の現在位置情報を含む前記メモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信することを特徴とする付記1に記載の情報提供装置。(2,図3,図4,図10)
【0145】
(付記5)前記複数のタグの各々のタグのメモリには、前記移動体に固有の識別情報が格納されていることを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の情報提供装置。(3,図4)
【0146】
(付記6)前記複数のタグの各々のタグのメモリには、各々のタグが配置された前記移動体内の領域を示す配置情報が格納されていることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の情報提供装置。(4,図4)
【0147】
(付記7)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置であって、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信手段と、(1101)
前記受信手段によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出手段と、(1102)
前記算出手段によって算出された算出結果を出力する出力手段と、(1103)
を備えることを特徴とする情報収集装置。(5,図7〜図9,図12,図13,図18)
【0148】
(付記8)前記移動体の前記現在位置情報ごとに、前記移動体が現在移動している移動区間を特定する特定手段を備え、(1104)
前記算出手段は、(1103)
前記特定手段によって特定された移動区間における前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出することを特徴とする付記7に記載の情報収集装置。(図7〜図9)
【0149】
(付記9)前記受信手段は、(1101)
前記複数のタグの各々のタグのメモリに前記移動体に固有の識別情報が記憶されている場合、前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報および前記移動体に固有の識別情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信し、
前記算出手段は、(1103)
前記受信手段によって受信された前記移動体に固有な識別情報ごとに、前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出することを特徴とする付記7に記載の情報収集装置。(6,図7〜図9,図12,図13)
【0150】
(付記10)前記受信手段は、(1101)
前記複数のタグの各々のタグのメモリに各々のタグが配置された前記移動体内の領域を示す配置情報が記憶されている場合、前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報および前記移動体内の領域を示す配置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信し、
前記算出手段は、(1103)
前記受信手段によって受信された前記移動体内の領域を示す配置情報ごとに、前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出することを特徴とする付記7に記載の情報収集装置。(7,図7〜図9,図12,図13)
【0151】
(付記11)移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信手段と、(1201)
前記受信手段によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出手段と、(1202)
前記抽出手段によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信手段と、(1203)
を備えることを特徴とする通信端末。(8,図5,図6,図11,図13,図17)
【0152】
(付記12)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグ(AT)を備える情報提供装置が、
前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、(1001)
前記取得工程によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納工程と、(1002)
を実行することを特徴とする情報提供方法。(9,図3,図4,図10,図15,図16)
【0153】
(付記13)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置が、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信工程と、(1101)
前記受信工程によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出工程と、(1102)
前記算出工程によって算出された算出結果を出力する出力工程と、(1103)
を実行することを特徴とする情報収集方法。(10,図7〜図9,図12,図13,図18)
【0154】
(付記14)コンピュータが、
移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信工程と、(1201)
前記受信工程によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出工程と、(1202)
前記抽出工程によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信工程と、(1203)
を実行することを特徴とする通信方法。(11,図5,図6,図11,図13,図17)
【0155】
(付記15)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグ(AT)を備える情報提供装置に、
前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、(1001)
前記取得工程によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納工程と、(1002)
を実行させることを特徴とする情報提供プログラム。(12,図3,図4,図10,図15,図16)
【0156】
(付記16)移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置に、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信工程と、(1101)
前記受信工程によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出工程と、(1102)
前記算出工程によって算出された算出結果を出力する出力工程と、(1103)
を実行させることを特徴とする情報収集プログラム。(13,図7〜図9,図12,図13,図18)
【0157】
(付記17)移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信工程と、(1201)
前記受信工程によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出工程と、(1202)
前記抽出工程によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信工程と、(1203)
をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。(14,図5,図6,図11,図13,図17)
【符号の説明】
【0158】
100 移動体
110 情報提供装置
AT アクティブタグ
MT 携帯端末
S サーバ
1001 取得部
1002 格納部
1101 受信部
1102 抽出部
1103 送信部
1201 受信部
1202 算出部
1203 出力部
1204 特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、
前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記取得手段は、
一定時間ごとに前記移動体の現在位置情報を取得し、
前記格納手段は、
前記取得手段によって前記移動体の現在位置情報が取得されるごとに、前記現在位置情報を前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納し、
前記複数のタグは、
前記格納手段によって格納された現在位置情報のうちの最新の現在位置情報を含む前記メモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記複数のタグの各々のタグのメモリには、前記移動体に固有の識別情報が格納されていることを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記複数のタグの各々のタグのメモリには、各々のタグが配置された前記移動体内の領域を示す配置情報が格納されていることを特徴とする請求項2または3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置であって、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された算出結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【請求項6】
前記受信手段は、
前記複数のタグの各々のタグのメモリに前記移動体に固有の識別情報が記憶されている場合、前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報および前記移動体に固有の識別情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信し、
前記算出手段は、
前記受信手段によって受信された前記移動体に固有な識別情報ごとに、前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出することを特徴とする請求項5に記載の情報収集装置。
【請求項7】
前記受信手段は、
前記複数のタグの各々のタグのメモリに各々のタグが配置された前記移動体内の領域を示す配置情報が記憶されている場合、前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報および前記移動体内の領域を示す配置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信し、
前記算出手段は、
前記受信手段によって受信された前記移動体内の領域を示す配置情報ごとに、前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出することを特徴とする請求項5に記載の情報収集装置。
【請求項8】
移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項9】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグを備える情報提供装置が、
前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納工程と、
を実行することを特徴とする情報提供方法。
【請求項10】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置が、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された算出結果を出力する出力工程と、
を実行することを特徴とする情報収集方法。
【請求項11】
コンピュータが、
移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信工程と、
を実行することを特徴とする通信方法。
【請求項12】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグを備える情報提供装置に、
前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納工程と、
を実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項13】
移動体内に設けられ、それぞれメモリ内のデータを通信圏内にある前記移動体内の通信端末に対して非接触で送信する複数のタグと、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された現在位置情報を、前記複数のタグの各々のタグのメモリに格納する格納手段と、を備える情報提供装置を有する前記移動体についての情報を収集する情報収集装置に、
前記複数のタグのタグごとに前記通信圏内にある前記通信端末に送信された前記移動体の前記現在位置情報を、前記通信圏内にある前記通信端末から受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記現在位置情報の数に基づいて、前記移動体内の前記通信端末の数を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された算出結果を出力する出力工程と、
を実行させることを特徴とする情報収集プログラム。
【請求項14】
移動体内に設けられ、メモリ内のデータを非接触で送信する複数のタグが前記移動体の現在位置情報を送信するごとに、前記複数のタグのうちのいずれかのタグから前記移動体の現在位置情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された現在位置情報群を記憶する記憶装置から、最新となる第1の現在位置情報と、前記現在位置情報群から前記第1の現在位置情報以外の第2の現在位置情報と、を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記第1の現在位置情報と前記第2の現在位置情報とを送信する送信工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−210851(P2012−210851A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76818(P2011−76818)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】