説明

情報提示システム、情報提示装置、情報提示方法、プログラム並びにプログラムを記録した記録媒体

【課題】映像中の被写体の位置関係を、より臨場感を持たせて再現する。
【解決手段】複数の物体の数に対応して設けられ、物体の映像を表示する可動型の情報提示装置200において、物体の映像を表示する表示部205と、水平方向及び垂直方向に可動する可動部207,208と、可動部207,208を駆動する駆動部206とを備えた。また、自装置の位置情報を取得する位置センサ209と、物体の三次元空間における位置を取得する物体位置情報取得部104と、物体の三次元位置情報を基に移動目標位置を算出し、移動目標位置と、位置センサ209で取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を駆動部206に出力する制御部105とを備えた。そして、制御部105で、物体位置情報取得部104によって位置情報が取得された物体の映像を表示部205に表示させる制御を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像コンテンツ内の被写体の動きを忠実に再現するのに好適な情報提示システム、情報提示方法、プログラム並びにプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送における映像の高精細化や、映像を表示する画面の広視野角化、5.1chサラウンド等をはじめとする音声の立体化等、臨場感あふれる映像や音声をユーザに提供するための様々な技術が考案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、ユーザを取り囲むような形式で表現された映像データを、ユーザの周囲に配された複数の表示装置に分割して表示する手法について開示してある。
【特許文献1】特開2006−294032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような手法を用いることで、ユーザに対して様々な角度から映像が提供されるようになるため、より高い臨場感をユーザに味わわせることができるようになる。ところが、特許文献1に記載の手法や、従来技術として述べた手法においては、映像と音声のみによってしか臨場感を表現することができないため、表現される臨場感に限りが生じてしまうという問題があった。
【0005】
つまり、映像と画像のみで構成された情報においては、映像中に表現された被写体の、奥行き方向や高さ方向の位置関係は、映像中の被写体の大小や音声の大小として表現されるようになる。このため、このような情報のみでは、被写体と被写体との間に存在する遠近感や被写体間の距離感等を、臨場感を持たせて再現することができなかった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、映像中の被写体の位置関係を、より臨場感を持たせて再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の物体の数に対応して設けられ、物体の映像を表示する可動型の情報提示装置において、物体の映像を表示する表示部と、水平方向及び垂直方向に可動する可動部と、可動部を駆動する駆動部とを備えた。また、自装置の位置情報を取得する位置センサと、物体の三次元空間における位置を取得する物体位置情報取得部と、物体位置情報取得部で取得された物体位置を基に移動目標位置を算出し、移動目標位置と、位置センサで取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を駆動部に出力する制御部とを備えた。そして、制御部で、物体位置情報取得部によって位置情報が取得された物体の映像を表示部に表示させる制御を行うようにした。
【0008】
このようにしたことで、映像内の物体の三次元空間における位置に基づいて、可動型の情報提示装置が水平方向及び垂直方向に可動するようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、映像内の物体の三次元空間における位置に基づいて、可動型の情報提示装置が水平方向及び垂直方向に可動するため、ユーザに対して映像中の被写体の位置関係を、より臨場感を持たせて再現することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。本例においては、情報提示装置で提示する映像コンテンツ(以下、単にコンテンツとも称する)を、カメラを用いて予め撮影しておき、カメラによる撮影時に、被写体の三次元空間での位置情報も同時に取得するようにしてある。情報提示装置では、このようにして得られた映像コンテンツを再生するとともに、撮影時に得られた被写体の位置情報に基づいて移動するよう、制御が行われる。
【0011】
被写体の位置情報を取得する手法としては、被写体の存在する空間全体を俯瞰撮影する俯瞰撮影用カメラが得た画像信号を基に、物体(被写体)の位置を算出する手法を用いてある。また、情報提示装置が情報を提示している間は、俯瞰撮影用カメラが得た画像信号を基に情報提示装置の位置情報を取得し、得た位置情報を基に情報提示装置の実際の位置を調整するようにしてある。なお、本例では俯瞰撮影用カメラが得た画像信号を基に物体の三次元位置を取得する構成としてあるが、測距機能を有するカメラを用いて物体の三次元位置を取得する構成に適用してもよく、個々の被写体や情報提示装置にGPS(Global Positioning System)装置を装着させることで、自己の位置情報を取得できるようにしてもよい。
【0012】
図1には、本例における情報提示ステムの内部構成例を示してある。図1において、情報提示装置200と制御装置100とは無線ネットワーク1を介して接続してあり、互いに通信可能な状態としてある。図1においては、情報提示装置200の図示は1つのみとしてあるが、実際には被写体の数と対応させて複数台設けてあるものとする。本例では、被写体の数が3つである場合を想定しているため、情報提示装置200の台数も3台となる。
【0013】
まず制御装置100の構成から説明すると、制御装置100は、物体撮影用カメラ101a、101b、101cと、記憶部102と、制御部103と、俯瞰撮影用カメラ104と、物体位置情報取得部105と、通信部106とを含む。
【0014】
物体撮影用カメラ101a〜101cは、それぞれ異なる被写体を撮影し、撮影して得た画像信号を記憶部102に出力する。記憶部102は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)ドライブやHDD(Hard Disk Drive)で構成してあり、物体撮影用カメラ101a〜101cが得た画像信号を蓄積するとともに、後述する物体位置情報取得部が取得した、物体又は情報処置装置200の位置情報も記憶するようにしてある。なお、記憶部102を外部記憶媒体として構成してもよい。また、本例では物体撮影用カメラ101a〜101cが得た画像信号を記憶部102に記憶させる構成としてあるが、画像信号を、後述する通信部106を介して映像提示装置200に直接送信するようにしてもよい。
【0015】
俯瞰用撮影カメラ103は、被写体を見下ろすような高い位置から撮影を行い、得た画像信号を物体位置情報取得部104に出力する。俯瞰撮影用カメラ103による撮影は、コンテンツ作成時だけでなく、コンテンツ提示中も行うようにしてある。以下の説明において、俯瞰撮影用カメラ103が映像コンテンツ作成時に撮影する空間を撮影空間と称し、情報提示中に撮影する空間を情報提示空間と称する。物体位置情報取得部104は、俯瞰撮影用カメラ103から出力された画像信号から、撮影空間における各物体の三次元位置情報もしくは、情報提示空間における各情報提示装置200の三次元位置情報を取得し、取得した位置情報を制御部105に出力する。物体又は情報提示装置200の三次元位置取得方法の詳細については後述する。
【0016】
制御部105は、例えばMPU(Micro Processing Unit)で構成され、制御装置100を構成する各部の制御を行う。具体的には、物体位置情報取得部104から出力された、物体の経過時間毎の三次元位置情報を、各情報提示装置上で提示するコンテンツと対応させた対応表を生成し、生成した対応表を記憶部102に記憶させる処理を行う。本例では、各コンテンツ内の物体の三次元方向の動きを、物体の映像を表示した映像提示装置200の動きで忠実に再現させることを目的としている。このため、このようにして作成される対応表は、映像内のコンテンツの時間毎の三次元位置を記録したものであると同時に、各情報提示装置200における移動目標位置を示したものともなる。対応表の詳細については後述する。
【0017】
制御部105では、対応表を記憶部102に記憶させるとともに、記憶させた対応表を基に、情報提示開始からの経過時間における各情報提示装置200の移動目標位置を決定し、決定した移動目標位置を制御信号に含めて、通信部106に出力することも行う。また制御部105は、情報提示中には、各情報提示装置200の移動目標位置と実際の情報提示装置200の位置との誤差をゼロにするための制御信号を生成し、通信部106に出力する。
【0018】
通信部106は、制御部105から出力された制御信号を各情報提示装置200に送信するとともに、各情報提示装置200から送信された、情報提示装置200の位置情報を受信して制御部105に出力する。
【0019】
操作部107は、ユーザから入力された指示に応じて指令信号を生成し、生成した指令信号を制御部105に出力する。本例では、ユーザがコンテンツを視聴する形態を複数設けてあり、それらのモードを選択する操作も、操作部107を通して行われるようにしてある。ユーザがコンテンツを視聴する形態としては、複数の情報提示装置200の配置位置からある程度離れた所定の位置から、ユーザに視聴させるモード(第三者的視線で視聴させるモード)と、映像中に映っている物体のうちの1つに成り代わって情報提示装置200を視聴させるモードとを備えてある。映像中に映っている物体のうちの1つに成り代わって情報提示装置200を視聴させるモードが選択された場合には、成り代わりたい対象の物体の指定も受け付けるようにしてある。各モードの詳細については後述する。
【0020】
また、複数の情報提示装置200の配置位置からある程度離れた位置からユーザに視聴させるモードにおいても、ユーザの視聴形態に複数のパターンを設けている。ユーザを所定の位置に留めて視聴させるパターンと、情報提示空間の周囲をユーザに自由に移動させて視聴させるパターンである。これらのパターンの切り替えも、操作部107への操作によって行えるようにしてある。なお、ユーザの視聴形態として、これらすべてを備えている必要はなく、1つのモード(パターン)のみを備えた構成に適用してもよい。
【0021】
次に、引き続き図1を参照して、情報提示装置200の内部構成の例について説明する。情報提示装置200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203と、再生処理部204と、表示部205と、駆動部206a及び206bと、垂直方向可動部207と、水平方向可動部208と、位置センサ209と、対物センサ210とを備える。
【0022】
通信部201は、制御装置100から送信された制御信号を受信するとともに、後述する位置センサ209が取得した自装置(情報提示装置200)の位置情報を、制御装置100に送信する処理を行う。制御部202はMPU等で構成され、情報提示装置200を構成する各部の制御を行う。記憶部203は、DVDドライブやHDD等で構成され、後述する表示部205上に表示する映像コンテンツなどを記憶させる。映像コンテンツとしては、本例では、制御装置100の物体撮影用カメラ101a〜101cが撮影したものを用いるものとする。つまり、映像中の経過時間毎の位置情報が取得されている映像コンテンツを記憶させておく。なお、通信部201を通して得た映像コンテンツをリアルタイムで再生する構成としてもよく、その場合は記憶部203を備えないようにしてもよい。
【0023】
再生処理部204は、記憶部203に記憶された映像コンテンツを読み出して表示部205に表示するための処理を行う。表示部205は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成してあり、再生処理部204から出力された映像を表示する。
【0024】
駆動部206aは、垂直方向可動部207を駆動するためのアクチュエータである。垂直方向可動部207は、垂直方向に伸縮可能な柱として構成してあり、可動部206aは、柱を上下方向に可動させる油圧シリンダとして構成してある。駆動部206bは、水平方向可動部208を駆動するためのアクチュエータである。水平方向可動部208は、ホイールで構成してあり、駆動部206bは、ホイールを駆動させるためのモータとして構成してある。なお、水平方向の移動は、ベルトコンベア等を用いて実現するようにしてもよく、情報提示装置200全体を保持するアームを用いることで、水平方向及び垂直方向の可動を実現するようにしてもよい。
【0025】
ホイールとして構成した水平方向可動部208には、位置センサ209を接続してある。位置センサ209は、ホイールの回転量を検出するロータリエンコーダ等で構成してあり、ホイールの移動量や回転角度等を検出することにより、情報提示装置200の位置情報を取得する。情報提示装置200の機構の詳細については後述する。なお、情報提示装置200の回転角度を取得する手段として、ジャイロ等を用いるようにしてもよい。
【0026】
対物センサ210は、情報提示装置200の周辺の障害物や、情報提示装置200を視聴中のユーザの位置を検知するセンサであり、得た位置情報を制御部202に出力する。対物センサ210としては、赤外線、レーザ、超音波、温度等のセンサを利用可能である。なお、センサではなくカメラを取り付けて、カメラによって障害物やユーザを検知させる構成としてもよい。
【0027】
次に、図2を参照して、情報提示装置200の構成例について説明する。図2(a)は正面図であり、図2(b)は側面図である。情報提示装置200の最下部には、水平方向可動部としてのホイール208を設けてあり、ホイール208が備え付けられた台の上部に、ホイール208を駆動するモータ(駆動部)206bを設けてある。また、モータ206aの設置場所と近接する位置に、ホイール208の回転量を検出するロータリエンコーダ(位置センサ)209を配置してある。本例においては、ホイール208を4つ設けてあるため、モータ206bとロータリエンコーダ209も、ホイール208の数に対応させて4つ設けてある。
【0028】
ホイール208が備え付けられた台の中心には、台に対して垂直方向に柱(垂直方向可動部)207を設けてあり、柱207に近接する位置に、柱207を垂直方向に可動させる油圧シリンダ(駆動部)206aを配置してある。油圧シリンダ206aの側面部分には、制御部202を搭載するための板状の制御部搭載部301を垂直方向に設けてあり、制御部搭載部301上に制御部202が搭載された様子を示してある。
【0029】
制御部搭載部301の上方には、通信部201や再生処理部204等を搭載するための台である搭載部302を設けてあり、その更に上方に、表示部205を搭載するための台である表示部搭載部303を設けてある。垂直方向可動部としての柱207は、表示部搭載部303の下面から、ホイール208をその下に有する台との間に渡してあり、油圧シリンダ206aによって柱207が垂直方向に伸縮することで、表示部205を搭載した表示部搭載部303もその動きに追従して上下方向に伸縮する。
【0030】
次に、情報提示装置200に表示させる映像コンテンツを生成する際に、同時に物体の撮影空間における三次元位置情報も取得する処理の例について、図3の説明図及び図4のフローチャートを参照して説明する。図3には、俯瞰撮影用カメラ103が撮影する撮影空間の中に、被写体としての人物(物体)Ob1とサッカーボールOb2、人物Ob3が存在する様子を示してある。図3の例では、人物Ob1と人物Ob3とがサッカーボールOb2を用いてサッカーを行っており、これらの被写体は、所定の撮影時間の間、撮影空間内を自由に移動するものとする。
【0031】
各被写体には、各被写体を撮影する物体撮影用カメラ101を設けてあり、図2に示した例では、人物Ob1を撮影するカメラとして物体撮影用カメラ101aを、サッカーボールOb1を撮影するカメラとして物体撮影用カメラ101bを、人物Ob1を撮影するカメラとして物体撮影用カメラ101cを設けてある。これらのカメラは、撮影時間中、割り当てられた被写体を撮影し続けるものであり、被写体の動きに追随してカメラの角度(アングル)も変えるようにしてある。なお、図3に示した例では各物体撮影用カメラ101の設置位置は固定とし、アングルのみを可動とする例を挙げているが、被写体の動きに合わせて物体撮影用カメラ101の位置も移動させる構成に適用してもよい。
【0032】
図3に示した例では、物体撮影用カメラ101a〜101cで各被写体の撮影を行うのと同時に、俯瞰撮影用カメラ104での撮影も行うことで、被写体の三次元位置を取得するようにしてある。各被写体の三次元位置を取得するために、各被写体にそれぞれ色や形状、大きさの異なるマーカを装着させており、俯瞰撮影用カメラ104が得た画像信号中のマーカの位置や大きさに基づいて、各被写体(物体)の三次元位置を算出するようにしてある。
【0033】
このような処理を行う場合、映像コンテンツの撮影の前段階で、予め撮影空間の範囲を定義しておく必要がある。撮影空間の定義の段階では、物体の座標の原点とする位置や撮影空間の四隅等にマーカを配置し、この状態を撮影した画像を用いてキャリブレーションを行っておく。このとき、zとして示した垂直の方向にもいくつかマーカを配置することで、撮影空間におけるz軸(高さ)方向の位置も定義することができる。
【0034】
そして映像コンテンツ撮影時にも、空間定義時原点として設定した位置と同位置に、原点を示すマーカMk0を配置し、それぞれの被写体にもマーカを装着させるようにする。図3に示した例では、人物Ob1にマーカMk1を、サッカーボールOb2にマーカMk2を、人物Ob3にマーカMk3を装着させてある。
【0035】
このようにして撮影した俯瞰映像から、各物体の三次元位置情報を取得するまでの処理の例を、図4にフローチャートで示してある。図4においては、俯瞰撮影用カメラ103と、物体位置情報取得部104と、制御部105での処理の例を示してある。
【0036】
図4において、俯瞰撮影用カメラ103は、まず原点及び各被写体にマーカを設置又は装着した状態で被写体を俯瞰撮影し(ステップS1)、俯瞰撮影して得た画像信号を、物体位置情報取得部104に送信する(ステップS2)。物体位置情報取得部104は、俯瞰撮影用カメラ103から送信された画像信号を受信すると(ステップS3)、画像信号から得た画像の中での各マーカの動きや大きさを基に、各物体の時間毎の位置を取得して(ステップS4)、取得した位置情報を制御部105に送信する(ステップS5)。
【0037】
制御部105は、物体位置情報取得部104から送信された位置情報を受信すると(ステップS6)、各物体とその位置情報を、各物体の映像を含む各映像コンテンツとを対応づけた対応表を生成する(ステップS7)。ステップS7では、図5に示したような対応表が生成される。
【0038】
図5に示した対応表Tb1は、左端の列には映像中の経過時間(タイムコード)を0.1秒単位で示してあり、その右側の列においては、物体毎に用意された映像コンテンツの種類を特定してある。図5の例では、映像コンテンツはA,B,Cの3種類としてある。映像コンテンツAは、例えば図3に示した人物Ob1を撮影した映像であり、映像コンテンツBはサッカーボールBb2を、映像コンテンツCは人物Ob3を撮影した映像となる。
【0039】
そして、その右側の3列には、各コンテンツA〜C内に映っている各物体の撮影空間における三次元位置を、X,Y,Zの3つの座標で示してある。つまり、図5の対応表Tb1には、映像中の各経過時間における、物体の三次元位置情報が示されていることになる。ここでのX,Y,Zは、撮影空間において予め定めておいた原点(0,0,0)からの、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向における距離となる。
【0040】
例えば0.0秒の時点では、コンテンツA内に映っている物体の座標は(X,Y,Z)=(-100.0,60.0,20.0)であり、コンテンツB内に映っている物体の座標は(-30.0,-80.0,60.0)であり、コンテンツC内に映っている物体の座標は(100.0,10.0,-30.0)となる。0.1秒時点でもこれらの座標には変化が無く、0.2秒時点になると、コンテンツA内に映っている物体の座標が(-40.0,60.0,20.0)と変化している。つまり、0.2秒時点ではコンテンツA内に映っている物体が、0.0秒時点と比べてX軸の方向に60.0分だけ移動していることが分かる。
【0041】
なお、図5に示した対応表Tb1には、物体の情報としてはX,Y,Z座標で示される位置情報のみを掲載した例を挙げたが、各コンテンツを生成する際の物体撮影用カメラ101a〜101cのアングル情報を、タイムコードと対応させて記録するようにしてもよい。
【0042】
そして、制御装置100の制御部105では、情報提示装置200に映像コンテンツを表示させる時には、このようにして生成した対応表Tb1を基に、各情報提示装置200の移動目標位置を設定して、各情報提示装置200に送信する。
【0043】
次に、図6及び図7のフローチャートを参照して、情報提示装置200による情報提示中の処理の例について説明する。図6及び図7においては、制御装置100と情報提示装置200との間で行われるやり取りを示してある。図6には、制御装置100が各情報提示装置200に対して制御信号を送信してから、各情報提示装置200からの位置情報のフィードバックを受けて、各情報提示装置200に位置の調整を行わせるための制御信号を送信するまでの処理を示してある。
【0044】
図6において、まず制御装置100は、ユーザが成り代わりたい対象の物体が指定されているか否かの判断を行う(ステップS11)。つまり、映像中に映っている物体のうちの1つに成り代わって視聴するモードが選択されているか否かの判断を行う。成り代わりたい対象の物体が選択されていない場合には、各コンテンツ内の物体の三次元位置情報を基に、各情報提示装置200の移動目標を設定する処理を行う(ステップS12)。つまり、図5に例示した対応表Tbの情報を基に、各情報提示装置の移動目標位置を設定する。例えば、情報提示を開始してからの経過時間が0.0秒の時点では、0.1秒時点の座標が移動目標位置として設定される。そして、設定した移動目標位置を、制御開始コマンドに含めて情報提示装置200に送信する(ステップS13)。
【0045】
そして次に、ユーザの視聴位置を固定とする設定がされているか否かの判断を行う(ステップS14)。ユーザの視聴位置を固定とするか否かについては、予め操作部107への入力等によって設定されているため、ここではその設定を確認する処理を行う。ユーザの視聴位置を固定とする設定がされている場合には、“Yes”が選択され、俯瞰撮影用カメラ103が得た画像信号に基づいて、各情報提示装置200の三次元位置が取得される(ステップS15)。ユーザの視聴位置が固定されていないと判断した場合には、“No”が選択され、俯瞰撮影用カメラ103が得た画像信号に基づいて、ユーザの位置情報と各情報提示装置200の位置情報とが取得される。つまり、ユーザの視聴位置が固定である場合には、ユーザの位置情報の取得は行われず、ユーザの視聴位置が固定でない場合にのみ、ユーザの位置情報が取得されるようになる。
【0046】
ステップS11で、成り代わりたい対象の物体が選択されていると判断された場合には、各コンテンツにおける物体の位置情報を基に、成り代わりの対象として指定された物体と、それ以外の物体との相対的な位置関係を算出する処理を行う(ステップS17)。そして、算出した相対位置関係を基に各情報提示装置200における移動目標位置を算出し(ステップS18)、算出した移動目標位置情報を制御開始コマンドに含めて、情報提示装置200に送信する(ステップS19)。制御開始コマンドを送信後には、俯瞰撮影用カメラ103が得た画像信号に基づいて、ユーザの位置及び各情報提示装置200の位置情報が取得される(ステップS16)。
【0047】
ステップS17の処理について、図5を参照して説明すると、ユーザによって成り代わり先の物体として物体Ob1が選択された場合には、物体Ob1以外の物体、つまりコンテンツBに含まれる物体Ob2の座標と、コンテンツCに含まれる物体Ob3の座標は、原点からの距離ではなく、コンテンツA内の物体Ob1の座標からの相対的な距離に換算される。このような処理が行われることによって、撮影空間における各物体の位置関係が、特定の物体に成り代わったユーザの位置を中心として、忠実に再現されるようになる。
【0048】
図6のフローチャートに戻って説明を続けると、情報提示装置200側では、ステップS13又はステップS19で制御装置100から送信された制御開始コマンドを受信すると(ステップS20)、映像コンテンツの再生を開始する(ステップS21)。そして、映像コンテンツが表示部205(図1参照)上に表示されるようになる。コンテンツの再生を開始すると、位置センサ209(図1参照)での位置検出も開始し(ステップS22)、検出した位置情報を制御装置100に送信する(ステップS23)。
【0049】
制御装置100では、情報提示装置200から送信された位置情報を受信すると(ステップS24)、移動目標位置と、ステップS24で受信した各情報提示装置200の位置とを、情報を提示する情報提示空間の広さに合わせて正規化する処理を行う(ステップS25)。そして、移動目標位置と、ステップS15又はステップS16で俯瞰画像から取得した各情報提示装置の位置との誤差を、ゼロにするための制御信号を生成し(ステップS26)、生成した制御信号を各情報提示装置200に送信する(ステップS27)。
【0050】
続いて、ステップS27で送信された制御信号を情報提示装置200が受信した後の処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7において、情報提示装置200は制御装置100から送信された制御信号を受信すると(ステップS28)、ユーザが成り代わりたい対象の物体が指定されているか否かの判断を行う(ステップS29)。ユーザが特定の物体に成り代わって視聴するモードが選択されている場合には、“Yes”が選択されてステップS30に進む。
【0051】
ステップS30では、対物センサ210が検知したユーザの方向に表示部205が向くように駆動部206bが制御される。そして次に、受信した制御信号に基づいて駆動部206aと206bとが駆動される(ステップS31)。つまり、制御信号の中に記載された移動目標位置まで移動するように、駆動部206bが制御されることで、水平方向可動部208(本例ではホイール)が回転し、情報提示装置200が移動目標位置に移動する。また、制御信号の中で垂直方向での移動目標位置が指定されている場合には、駆動部206aが制御され、駆動部206bの駆動に基づいて垂直方向可動部207(本例では柱)が伸縮する。つまり、情報提示装置200の高さが変更される。
【0052】
ステップS29で、ユーザが特定の物体に成り代わるモードが選択されていないと判断された場合には、次にユーザの視聴位置が固定に設定されているか否かの判断がされる(ステップS32)。ユーザの視聴位置が固定に設定されている場合には“Yes”が選択され、ステップS31に進む。ユーザの視聴位置が固定されていないと判断された場合には、ステップS30に進む。つまり、ユーザの視聴位置が固定されている場合には、表示部205の向きは調整されずに一定の向き(ユーザの視聴位置の方向)に保たれ、ユーザの視聴位置が固定でない場合には、表示部205の向きが、ユーザの方向に追従して変わるようになる。
【0053】
次に、制御装置100から終了コマンドが送信されたか否かの判断を行い(ステップS33)、終了コマンドを受信していない場合には図6のステップS20に戻って処理を続ける。制御装置100から送信された終了コマンドを受信した場合には、処理を終了する。
【0054】
制御装置100においては、再生すべき画像信号がある限り上述した処理を継続するようにしてあり、ステップS34では、再生すべき画像信号がまだあるか否かの判断を行う。再生すべき画像信号がまだあると判断した場合には、図6のステップS11に戻って処理を続け、再生すべき画像信号はもうないと判断した場合には、情報提示装置200に対して終了コマンドを送信する(ステップS35)。ステップS35で終了コマンドが送信されると、情報提示装置200のステップS33では“Yes”が選択されるため、処理が終了となる。
【0055】
図8は、情報提示装置200を第三者的視点で視聴するモードが選択された場合の、各情報提示装置200の動きを模式的に示したものである。図8(a)に示した状態から所定の時間が経過した状態を、図8(b)に示してある。図8(a)及び(b)において、ユーザUが視聴する情報提示空間には、人物Ob1の映像を表示した情報提示装置200−1と、サッカーボールOb2の映像を表示した情報提示装置200−1と、人物Ob3の映像を表示した情報提示装置200−3が配置されている。
【0056】
図8(a)に示した段階では、人物Ob1の映像を映した情報提示装置200−1がY方向の手前側、かつX方向では原点に一番近い位置に位置しており、情報提示装置200−1に対してX軸の右側の位置に、サッカーボールOb2の映像を映した情報提示装置200−2が位置している様子が示されている。情報提示装置200−2は、Y方向の一番奥側に位置している。そして、情報提示装置200−2に対してX軸の右側の位置、かつY方向では少し手前側の位置に、人物Ob3の映像を映した情報提示装置200−3が配置されている。
【0057】
図8(a)に示した各情報提示装置200の配置位置は、映像コンテンツにおける物体の配置位置を忠実に再現したものであり、図3として示した撮影空間における各物体の位置と対応している。そして、図8(a)に示した状態から所定時間が経過した図8(b)の段階では、情報提示装置200−1〜200−3が移動していることが示されている。情報提示装置200−1は、Y方向の奥側に移動しており、情報提示装置200−2はX方向においては右側、Y方向では手前側に移動しており、情報提示装置200−3は、図8(a)に示した位置とほぼ同位置に留まっている。
【0058】
図8(b)に示した位置は、図8(a)として示した段階で、制御装置100から情報提示装置200−1〜200−3に送信された制御信号に基づいて、各情報提示装置200−1〜200−3が移動した結果の位置である。つまり、制御信号の中に記載された移動目標位置と合致する位置である。このようにして、情報提示装置200−1〜200−3が移動している間も、俯瞰撮影用カメラ103が得た画像信号を基に、移動目標位置と各情報提示装置200の実際の位置との誤差をなくすための制御が行われるため、各情報提示装置200は、必ず移動目標位置に到達するようになる。
【0059】
図8には、ユーザUにもマーカMk4を装着させた様子を示してあるが、ユーザUの視聴位置が固定である場合にはユーザUの位置情報を取得する必要がないため、ユーザUにはマーカを装着させなくてもよい。
【0060】
図9は、ユーザが特定の物体(人物Ob1)に成り代わる形態で情報提示装置200を視聴するモードが選択された場合の、各情報提示装置200の動きを模式的に示したものである。図9(a)に示した状態から所定の時間が経過した状態を、図9(b)に示してある。図9(a)及び図9(b)における、各情報提示装置200の三次元位置は、図8(a)及び図8(b)に示した位置と一致しているが、図8(a)では情報提示装置200−1が位置していた位置にユーザUが位置している点と、情報提示装置200−2及び情報提示装置200−3の表示部205が、ユーザUの方向を向いている点が異なっている。
【0061】
図9に示した例では、ユーザUが人物Ob1に成り代わって情報提示装置200を視聴する形態が選択されているため、人物Ob1以外の物体を映している情報提示装置200−2と200−3が、常にユーザUの方向を向くように制御されている。そして、図9(b)に示されるように、映像コンテンツ内での各物体の位置関係が、ユーザUの位置を基準とした相対的な位置関係として表現されている。
【0062】
このような処理を行うことで、映像コンテンツ内の被写体の三次元方向の動きが情報提示装置200によって忠実に再現されるようになるため、ユーザUはコンテンツをより臨場感を持って体感することができるようになる。
【0063】
また、映像コンテンツ内の被写体の三次元方向の動きが情報提示装置200によって忠実に再現されるようになるため、被写体と被写体との間に存在する遠近感や被写体間の距離感等をより正確に理解することができるようになり、ユーザUはコンテンツの内容をより深く理解できるようになる。
【0064】
また、コンテンツ内の被写体の1つになりきってコンテンツを視聴するモードを選択することで、ユーザUは、コンテンツ内で表現される世界により深く没頭してコンテンツを視聴することができるようになる。
【0065】
なお、上述した実施の形態では、情報提示装置200の表示部205の向きを一定とする場合と、ユーザUの方向に向ける場合の2つの例を挙げたが、コンテンツ作成時の物体撮影用カメラ101のアングルに対応させて、表示部205の角度を変える構成としてもよい。この場合は、物体撮影用カメラ101のアングル情報を予め対応表Tb1に記録しておき、記録されたアングル情報を基に、表示部205の角度を決定するようにする。
【0066】
また、上述した実施の形態では、情報提示装置200が、コンテンツ内の物体の動きを再現するようにして移動する例を挙げたが、情報提示装置200がユーザUを検知するとユーザUから離れるようにする等、ユーザUの移動パターンに応じて情報提示装置200の移動パターンを変化させるような構成としてもよい。
【0067】
また、上述した実施の形態では、物体撮影用カメラ101が撮影した映像を情報提示装置200の表示部205に表示させるようにしたが、俯瞰撮影用カメラ103が撮影して得た映像の中から、各物体が映っている箇所を切り出して各表示部205に表示させるようにしてもよい。
【0068】
また、上述した実施の形態では、情報提示装置200で提供する映像コンテンツを予め撮影しておき、そのコンテンツを撮影している時に取得した各被写体の位置情報に基づいて、各情報提示装置200を移動させる構成を例に挙げたが、既成の映像コンテンツを用いるようにしてもよい。
【0069】
既成の映像コンテンツを用いる場合には、映像コンテンツとそれを表示させる情報提示装置との対応付けや、映像中の物体の位置情報等を手動で設定する必要がある。ユーザにこのような操作を行わせる場合のユーザインタフェース(以下、UIと称する)の例を、図10及び図11に示してある。図10及び図11に示したUIは、制御装置100や情報提示装置200のいずれか(もしくは両方)に持たせてもよく、リモートコントローラとして構成した操作部107に持たせるようにしてもよい。
【0070】
図10に示したUIは、映像コンテンツとそれを再生させる情報提示装置200とを対応させる処理を行うためのUIである。図10に示した画面の左側の四角で囲われた数字は、情報提示装置200を示すものであり、その右側のリストボックスで、各情報提示装置200に表示させたい映像コンテンツの保存場所を指定することができるようにしてある。図10に示した例では、情報提示装置(1)にはCドライブ中に保存されているコンテンツを表示させ、情報提示装置(2)にはDVD−ROM DRIVE中に記録されているコンテンツを表示させ、情報提示装置(3)にはウェブ上のコンテンツを表示させるように設定した様子が示されている。
【0071】
図11には、各情報提示装置200における、単位時間毎の移動目標位置を設定するためのUIの例を示してある。図11に示した各UIにおいては、画面左上方にコンテンツの映像を示す欄を設けてあり、その右側には各情報提示装置200の配置をX軸とY軸の2軸で表現してある。そして、画面の下方に、X,Y,Zの各座標位置を設定できるつまみKb2を設けてある。
【0072】
図11に示すUIにおいては、まず、映像コンテンツ内のタイムコードを指定する処理を行わせる。この操作は、図11(a)に示したように、映像中のタイムコードを時間方向に前後させることのできるつまみKbを、左右の所望の位置に移動させることにより、行えるようにしてある。
【0073】
タイムコードを指定した後は、図11(b)に示した画面上で、移動目標位置を設定したい情報提示装置を選択する処理を行わせる。移動目標位置を設定したい情報提示装置の選択は、映像コンテンツを示す枠の下方に設けたボタンを押下することにより、行えるようにしてある。ボタンは左から順に1,2,3と並んでおり、これらが情報提示装置200の種類と対応している。図11(b)においては、情報提示装置(1)が選択された様子を示してある。
【0074】
図11(b)に示した画面上で、移動目標位置を設定したい情報提示装置が選択された後は、実際に移動目標位置を設定する処理を行わせる。図11(c)に示されるように、X,Y,Zのそれぞれに設けられたつまみKb2を左右の所望の位置に移動させることで、右上の表の中における情報提示装置が連動して移動するようにしてある。図11(c)に示した例では、X軸に対応するつまみKb2を右側の方向に移動させることにより、右上の表の中の情報処理装置(1)も、連動して右側に移動している様子が示されている。このようなUIを用いて、映像コンテンツと情報提示装置200の動作とを対応させるようにしてもよい。
【0075】
このように、情報提示装置200上で提示するコンテンツとして既成のコンテンツを利用する場合で、各情報提示装置200が自己の三次元位置を取得する手段(例えばGPS等)を備えている場合には、制御装置100を用いず、情報提示装置200単体で情報を提示するようにしてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0077】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0078】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態例の機能が実現される場合も含まれる。
【0079】
また、本明細書において、ソフトウェアを構成するプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0080】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施の形態による情報提示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態による情報提示装置の構成例を示す説明図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による映像コンテンツ生成時の処理例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による映像コンテンツ生成時の物体の位置取得処理の例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による物体位置情報とコンテンツとの対応表の例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による情報提示処理の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態による情報提示処理の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態による第三者的視点で視聴する場合の例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による特定の被写体に成り代わる形で視聴する場合の例を示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施の形態によるコンテンツと情報提示装置とを対応させるユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態による情報提示装置の移動目標位置を設定するユーザインタフェースの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0082】
100…制御装置、101…物体撮影用カメラ、102…記憶部、103…俯瞰撮影用カメラ、104…物体位置情報取得部、105…制御部、106…通信部、200…情報提示装置、201…通信部、202…制御部、203…記憶部、204…再生処理部、205…表示部、206a、206b…駆動部、207…垂直方向可動部(柱)、208…水平方向可動部(ホイール)、209…位置センサ、210…対物センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記複数の物体の映像を表示する複数の可動型の情報提示装置と、前記情報提示装置を制御するための制御信号を前記情報提示装置に出力する制御装置とを備えた情報提示システムであって、
前記情報提示装置は、
前記物体の映像を表示する表示部と、
水平方向及び垂直方向に可動する可動部と、
前記可動部を駆動する駆動部と
自装置の位置情報を取得する位置センサと、
前記制御装置から送信された制御信号を受信するとともに、前記位置センサが得た位置情報を前記制御装置に送信する通信部と、
前記表示部での表示の制御や前記駆動部の制御を行う制御部を備え、
前記制御装置は、
前記複数の物体の三次元空間における位置を取得する物体位置情報取得部と、
前記情報提示装置から送信された位置情報を受信する通信部と、
前記物体位置情報取得部で取得された物体位置を基に、前記物体の映像を表示させる前記情報提示装置の移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記通信部で受信した位置情報に示される前記情報提示装置の位置とを一致させるための制御信号を前記通信部に出力する制御部とを備え、
前記情報提示装置の制御部は、前記制御装置の物体位置情報取得部によって位置情報が取得された物体の映像を、前記表示部に表示させる制御を行うとともに、前記通信部が受信した制御信号に基づいて前記駆動部の制御を行うことを特徴とする
情報提示システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置の制御部は、
前記移動目標位置と、前記物体位置情報取得部により算出された前記複数の物体の三次元空間での位置情報を、前記複数の情報提示装置が情報を提示する空間の広さに合わせて正規化し、前記正規化された移動目標位置と前記物体の位置情報を基に前記制御信号を生成することを特徴とする
情報提示システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置の物体位置情報取得部は、前記情報提示装置に提示中の映像を見ているユーザの位置を取得し、
前記制御装置の制御部は、前記物体位置情報取得部で取得されたユーザの位置と前記情報提示装置の位置とを所定の位置関係とするための制御信号を出力することを特徴とする
情報提示システム。
【請求項4】
請求項3記載の情報提示システムにおいて、
前記情報提示装置は、前記ユーザの位置を検出する対物センサを備え、
前記情報提示装置の制御部は、前記制御装置から出力された制御信号中で指定された移動目標位置において、前記表示部が、前記対物センサが検出したユーザの方向を向くように前記駆動部を制御することを特徴とする
情報提示システム。
【請求項5】
請求項1記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置は操作部を備え、
前記操作部を介して、前記ユーザが前記複数の物体の1つに成り代わって前記情報提示装置を視聴する旨の指令が入力された場合には、
前記制御装置の制御部は、ユーザが成り代わる物体とその他の物体との相対的な位置関係を算出し、前記算出した相対的位置関係と前記ユーザの位置情報を基に、前記他の物体の映像を表示させる情報提示装置の移動目標位置を、ユーザの位置情報を基準として再計算することを特徴とする
情報提示システム。
【請求項6】
請求項1記載の情報提示システムにおいて、
前記情報提示装置は、垂直方向に伸縮可能な垂直方向可動部を備え、
前記情報提示装置の制御部は、前記物体位置情報取得部により算出された、前記物体の三次元空間における垂直方向の位置に基づいて、前記垂直方向可動部を駆動することを特徴とする
情報提示システム。
【請求項7】
請求項1記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置の物体位置情報取得部は、前記複数の撮像装置のアングル情報を前記物体の位置情報と対応づける処理を行うことを特徴とする
情報提示システム。
【請求項8】
請求項7記載の情報提示システムにおいて、
前記制御装置の制御部は、前記複数の撮像装置のアングル情報を基に前記情報提示装置の表示部の角度を設定し、前記設定した角度を前記制御信号に含めることを特徴とする
情報提示システム。
【請求項9】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記複数の物体の映像を表示する複数の可動型の情報提示装置と、前記情報提示装置を制御するための制御信号を前記情報提示装置に出力する制御装置とで構成される情報提示システムを用いた情報提示方法であって、
前記情報提示装置は、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記制御装置から送信された制御信号を受信するとともに、前記位置取得した位置情報を前記制御装置に送信する手順とを備え、
前記制御装置は、
前記複数の物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記情報提示装置から送信された位置情報を受信する手順と、
前記取得した物体位置を基に、前記物体の映像を表示させる前記情報提示装置の移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記受信した位置情報に示される前記情報提示装置の位置とを一致させるための制御信号を出力する手順とを備え、
前記情報提示装置は、前記制御装置によって位置情報が取得された物体の映像を表示させる制御を行うとともに、受信した制御信号に基づいて前記可動の制御を行う手順とを備えたことを特徴とする
情報提示方法。
【請求項10】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記複数の物体の映像を表示する複数の可動型の情報提示装置と、前記情報提示装置を制御するための制御信号を前記情報提示装置に出力する制御装置とで構成される情報提示システムを用いて情報提示処理を実行させるためのプログラムであって、
前記情報提示装置で、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記制御装置から送信された制御信号を受信するとともに、前記位置取得した位置情報を前記制御装置に送信する手順とを実行させ、
前記制御装置で、
前記複数の物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記情報提示装置から送信された位置情報を受信する手順と、
前記取得した物体位置を基に、前記物体の映像を表示させる前記情報提示装置の移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記受信した位置情報に示される前記情報提示装置の位置とを一致させるための制御信号を出力する手順と、
前記情報提示装置で、前記制御装置によって位置情報が取得された物体の映像を表示させる制御を行うとともに、受信した制御信号に基づいて前記可動の制御を行う手順とを実行させるための
プログラム。
【請求項11】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記複数の物体の映像を表示する複数の可動型の情報提示装置と、前記情報提示装置を制御するための制御信号を前記情報提示装置に出力する制御装置とで構成される情報提示システムを用いて情報提示処理を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
前記情報提示装置で、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記制御装置から送信された制御信号を受信するとともに、前記位置取得した位置情報を前記制御装置に送信する手順とを実行させ、
前記制御装置で、
前記複数の物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記情報提示装置から送信された位置情報を受信する手順と、
前記取得した物体位置を基に、前記物体の映像を表示させる前記情報提示装置の移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記受信した位置情報に示される前記情報提示装置の位置とを一致させるための制御信号を出力する手順と、
前記情報提示装置で、前記制御装置によって位置情報が取得された物体の映像を表示させる制御を行うとともに、受信した制御信号に基づいて前記可動の制御を行う手順を実行させるためのプログラムを記録した
記録媒体。
【請求項12】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記物体の映像を表示する可動型の情報提示装置であって、
前記物体の映像を表示する表示部と、
水平方向及び垂直方向に可動する可動部と、
前記可動部を駆動する駆動部と
自装置の位置情報を取得する位置センサと、
前記物体の三次元空間における位置を取得する物体位置情報取得部と、
前記物体位置情報取得部で取得された物体位置を基に移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記位置センサで取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を前記駆動部に出力する制御部とを備え、
前記制御部は、前記物体位置情報取得部によって位置情報が取得された物体の映像を前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする
情報提示装置。
【請求項13】
請求項12記載の情報提示装置において、
前記制御部は、
前記移動目標位置と、前記物体位置情報取得部により算出された前記複数の物体の三次元空間での位置情報を、前記複数の情報提示装置が情報を提示する空間の広さに合わせて正規化し、前記正規化された移動目標位置と前記物体の位置情報を基に前記制御信号を生成することを特徴とする
情報提示装置。
【請求項14】
請求項12記載の情報提示装置において、
前記物体位置情報取得部は、前記表示部で提示中の映像を視聴しているユーザの位置を取得し、
前記制御部は、前記物体位置情報取得部で取得されたユーザの位置と前記位置センサで取得した自装置の位置とを所定の位置関係とするための制御信号を出力することを特徴とする
情報提示装置。
【請求項15】
請求項14記載の情報提示装置において、
前記ユーザの位置を検出する対物センサを備え、
前記制御部は、前記移動目標位置において、前記表示部が前記対物センサが検出したユーザの方向を向くように前記駆動部を制御することを特徴とする
情報提示装置。
【請求項16】
請求項12記載の情報提示装置において、
操作部を備え、
前記操作部を介して、前記ユーザが前記複数の物体の1つに成り代わって前記映像を視聴する旨の指令が入力された場合には、
前記制御部は、ユーザが成り代わる物体とその他の物体との相対的な位置関係を算出し、前記算出した相対的位置関係と前記ユーザの位置情報を基に、前記移動目標位置を、ユーザの位置情報を基準として再計算することを特徴とする
情報提示装置。
【請求項17】
請求項12記載の情報提示装置において、
垂直方向に伸縮可能な垂直方向可動部を備え、
前記制御部は、前記物体位置情報取得部により算出された、前記物体の三次元空間における垂直方向の位置に基づいて、前記垂直方向可動部を駆動することを特徴とする
情報提示装置。
【請求項18】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記物体の映像を表示する可動型の情報提示装置を用いた情報提示方法であって、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記取得された物体の三次元空間における位置を基に移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を基に前記可動を制御する手順と、
前記三次元空間における位置情報が取得された物体の映像を表示させる手順とを備えたことを特徴とする
情報提示方法。
【請求項19】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記物体の映像を表示する可動型の情報提示装置を用いて情報提示処理を実行させるためのプログラムであって、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記取得された物体の三次元空間における位置を基に移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を基に前記可動を制御する手順と、
前記三次元空間における位置情報が取得された物体の映像を表示させる手順とを実行させるための
プログラム。
【請求項20】
複数の物体の数に対応して設けられ、前記物体の映像を表示する可動型の情報提示装置を用いて情報提示処理を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であって、
前記物体の映像を表示する手順と、
水平方向及び垂直方向に可動する手順と、
自装置の位置情報を取得する手順と、
前記物体の三次元空間における位置を取得する手順と、
前記取得された物体の三次元空間における位置を基に移動目標位置を算出し、前記移動目標位置と、前記取得した自装置の位置とを一致させるための制御信号を基に前記可動を制御する手順と、
前記三次元空間における位置情報が取得された物体の映像を表示させる手順とを実行させるためのプログラムを記録した
記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−60287(P2009−60287A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224732(P2007−224732)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】