情報表示システム、情報表示器、駆動装置
【課題】薄型でコンパクトな駆動装置と、薄型の情報表示器を用いて情報を表示できる情報表示システムを提供する。
【解決手段】 情報表示器1Aは、第1基板11及び第2基板12の間において電界で駆動する表示媒体を備え、画素電極34が配置されたTFT基板31を備える駆動装置30を用いて第1基板11と画素電極34との間に形成させた電界によって、表示媒体が駆動されて情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、情報表示システムは、第1基板11側の外側に、弾性変形する弾性体層61が配置される。
【解決手段】 情報表示器1Aは、第1基板11及び第2基板12の間において電界で駆動する表示媒体を備え、画素電極34が配置されたTFT基板31を備える駆動装置30を用いて第1基板11と画素電極34との間に形成させた電界によって、表示媒体が駆動されて情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、情報表示システムは、第1基板11側の外側に、弾性変形する弾性体層61が配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板間に、電界を付与することで駆動する表示媒体を配置した情報表示器、該情報表示器を駆動して情報を表示する駆動装置及びそれらで構成した情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電界を付与することで駆動できる表示媒体を封入した構成の情報表示パネルが情報表示器として知られている。この情報表示器は、2枚の基板間に形成した電界で表示媒体を駆動させて情報を表示するものであった。
【0003】
上述した構成の情報表示器に対して情報を表示するために、電界で駆動できる表示媒体を2枚の基板で挟んだパネル構造の情報表示器を大型の駆動装置にセットして、駆動装置から付与した電界で表示媒体を駆動させて画像を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の例では、情報表示器に情報を表示させる場合には大型のプリンター型駆動装置が必要である。そのような大型のプリンター型駆動装置は設置型となるため、情報表示器の表示内容を書き換えるときには設置された大型のプリンター駆動装置まで情報表示器を持っていかなければならない問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、薄型でコンパクトな駆動装置を用いて情報を表示できる情報表示器、薄型でコンパクトな駆動装置及びこれらの薄型の情報表示器と薄型でコンパクトな駆動装置とで構成される情報表示システムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の他の例示的側面としての情報表示システムは、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板(第1基板11,第2基板12)と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備える少なくとも1枚の情報表示器(情報表示器1A)と、画素電極が配置されたTFT基板を有する駆動装置と、を備える。前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で、前記第1基板と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、前記情報表示器の前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層(弾性体層61)が配置され、該弾性体層の外側には、該弾性体層を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されている。
【0008】
本発明に係る情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。また、情報表示器は、駆動装置側の画素電極との間で電界を形成するように構成されており、情報表示器自体が一対の電極を備えないため、情報表示器を薄型で簡易な構造にすることができる。
【0009】
また、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が配置されるため、弾性体層を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。例えば、情報表示器の面を机等の平面に対向させ、かつ駆動装置と情報表示器とを対向させた状態で、駆動装置を情報表示器に向けて押圧すると、情報表示器の第1基板と平面との間に弾性体層が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、情報表示画面領域における駆動装置と情報表示器との密着性を向上させ、第1基板と駆動装置のTFT基板が備える画素電極との距離の均一性を高めることができる。このように情報表示器の第1基板と画素電極との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板と画素電極との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。更に、弾性体層の外側に、机等の平面ではない押し当て平面を押し当て部材として別体に設けることにより、押し当て部材を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。弾性体層を平板上に形成した構成の押し当て部材としてもよい。この場合、弾性体層と平面とが一体になった平面部材として構成できる。
【0010】
また、本発明の例示的な側面としての情報表示器(情報表示器1A)は、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板(第1基板11,第2基板12)と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備え、前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が移動されて前記情報表示画面領域に情報を表示し、前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層(弾性体層61)が設けられている。
【0011】
また、本発明の例示的な側面としての駆動装置は、上記情報表示器(情報表示器1A)とともに上記情報表示システムを構成するものであって、情報表示器が備える表示媒体を駆動するための装置である。
本発明に係る駆動装置30は、薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極(画素電極34)を配置したTFT基板(TFT基板31)を表面側に備えており、駆動回路(駆動回路33)により画素電極に印加する電圧を制御するように構成されている。TFT基板31が備える画素電極34は、電極面が露出していてもよいが、絶縁性の膜でコートされていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る駆動装置は、前記した押し当て部材を連結していてもよい。連結構造としては、蝶番(ヒンジ)構造が好ましい。この蝶番構造によって、駆動装置30の上に載せた情報表示器1Aを押し当て部材で挟むようにして、情報表示器1Aを押し当て部材で駆動装置側に押し付けることができる。この構成においても、弾性体層(弾性体層61)は、押し当て平板とともに押し当て部材を形成し、情報表示器の第1基板と押し当て平面との間に配置される。
【0013】
本発明に係る情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が配置され、この弾性体層の外側には、この弾性体層を情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されているため、押し当て平面および弾性体層を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。例えば、壁等の平面上に設けた弾性体層の上に情報表示器を配置し、その情報表示器の上にTFT基板面を対面対向させた状態で載せた駆動装置を情報表示器に向けて押圧すると、第1基板と壁面(この平面が押し当て平面となる)との間に弾性体層が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、情報表示画面領域における駆動装置と情報表示器との密着性を向上させ、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板が備える画素電極との距離の均一性を高めることができる。このように情報表示器の第1基板と画素電極との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板と画素電極との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。更に、弾性体層と押し当て平面とが一体になった押し当て部材を別体に設けることにより、あるいは、弾性体層を備えた情報表示器とすることにより、押し当て平面を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成された情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板の画素電極との間に形成された電界によって情報表示器の表示媒体を駆動させて所望の情報を、情報表示器に表示することができる。
【0015】
情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と薄型の情報表示器とによって構成することができる。
【0016】
また、情報表示器の第1基板の外側には、弾性体層が配置され、さらに弾性体層の外側には、押し当て平面が配置されているため、駆動装置のTFT基板と情報表示器とを近付ける方向の押圧力を一点に集中させずに情報表示器全体に分散させ易くなり、駆動装置のTFT基板と情報表示器との密着性を向上させることができる。よって、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板との距離を一定に維持し、第1基板とTFT基板の画素電極との間に形成される電界を一定にすることができる。
【0017】
また、このように構成された情報表示器において、画素形状に対応してパターニングする必要がある画素電極を備えないため、情報表示器を容易に得ることができる。また、情報表示器は、薄型で軽量にすることができる。
【0018】
また、このような情報表示システムを構成する駆動装置では、TFT基板上の画素電極表面に絶縁性の膜をコートすることで、電極を保護するとともに使用時の感電や電極間に導電性のごみが付着したときに発生するおそれがあるリークを防止することができる。
さらに、弾性体層と押し当て平面とが一体になった押し当て部材を、蝶番構造で駆動装置と一体に設ける構成の駆動装置では、情報表示器と平面との間に弾性体層を配置した状態で、押し当て平面を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することが容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】情報表示システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】情報表示システムを構成する情報表示器の概略構成図である。
【図3】情報表示システムを構成する駆動装置の概略構成図である。
【図4】情報表示器と駆動装置との接続状態を示した情報表示システムの概略構成図である。
【図5】情報表示器の要部断面図である。
【図6】駆動装置の概略構成図である。(a)は平面図であり、(b)は、要部断面図である。
【図7】情報表示器と駆動装置の要部断面図である。
【図8】情報表示システムの表示原理の説明図である。
【図9】変形例1に係る情報表示器1Bの要部断面図である。
【図10】変形例2に係る情報表示器1Cを有する情報表示システムの要部断面図である。
【図11】変形例に係る情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。
【図12】変形例に係る情報表示器の平面図である。
【図13】変形例に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Jの要部断面図である。
【図14】変形例に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Kの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る情報表示器及び情報表示システムの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)情報表示器の概略構成、(3)駆動装置の概略構成、(4)押し当て平面の概略構成、(5)情報表示システムの情報表示原理、(6)変形例、(7)その他の実施形態、(8)作用・効果について説明する。
【0021】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(1)情報表示システムの概略構成
まず、図1から図4に基づいて情報表示システムの概略構成について説明する。図1は、情報表示システムの全体構成を示した図であり、図2は情報表示器1A(1)を示した図である。また、図3は、駆動装置30を示した図であり、図4は、駆動装置30に情報表示器1を載置した状態を示した図である。
【0023】
情報表示システムは、少なくとも1枚の情報表示器1A(1)と、1台の駆動装置30と、押し当て平面62と、弾性体層61と、を備えている。
情報表示器1Aは、面方向に導通する導電膜17を有する第1基板11と、絶縁体材料基板である第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間に配置された表示媒体層13と、接続端子部19と、を備える。表示媒体層13には、第1基板11と第2基板12との間に印加された電界に応じて駆動することで情報を表示する表示媒体16(図5参照)が封入されている。
【0024】
駆動装置30は、TFT付き画素電極が表面に配置されたTFT基板と、接続端子部35と、駆動回路33と、を備える。TFT基板は駆動装置の表面に配置される。
【0025】
情報表示器1Aの接続端子部19は、導電膜17と電気的に接続されている。接続端子部19は、情報表示器1Aの駆動装置30と対向する側に設けられている。図4に示す情報表示器1Aが駆動装置30に載置された状態において、接続端子部19は、駆動装置30の駆動回路33側と電気的に接続される。導電膜17は、接続端子部19を介して駆動装置30の接続端子部35と電気的に接続されるように構成されている。駆動装置30の接続端子部35は、画素電極34に印加する電圧を制御する駆動回路33と電気的に接続されている。
【0026】
なお、駆動装置30の接続端子部35は、情報表示器1Aの接続端子部19と接続可能な位置に設けられていればよく、図3(a)に示すように駆動回路33の上面に設けられていてもよいし、図3(b)に示すように駆動回路33の側面に設けられていてもよい。
【0027】
また、駆動装置30の接続端子部35と情報表示器1Aの接続端子部19とをフレキシブルケーブルやコードで接続するようにしてもよい。この場合の接続端子部35、19はいずれも設ける位置を比較的自由に設計できる。
【0028】
押し当て平面62と、情報表示器1との間には、弾性体層61が配置される。図1に示す構成では、押し当て平面となる押し当て板62と弾性体層61とが一体となった押し当て部材60となっている。図1に示す例では、押し当て板62の全面に弾性体層61を一体に設けた構成としている。弾性体層61は、弾性変形するゴム材によって形成されている。押し当て板62と弾性体層61とが一体になった押し当て部材60は、情報表示器1の第1基板側の面と弾性体層61とが当接するように、情報表示器1と対向配置される。
【0029】
図1(a)に示すように、押し当て部材60、情報表示器1及び駆動装置30は、別々に設けられており、互いに分離可能である。しかし、情報の書き換え等を行う場合には、それぞれを密着させて配置する。具体的には、図1(b)に示すように、情報表示器1の第2基板12側の面を、駆動装置30の画素電極34に対面対向配置させるように、駆動装置30のTFT基板上に情報表示器1を載置する。このように配置することにより、情報表示器1の接続端子部19と駆動装置30の接続端子部35とが電気的に接続されるように構成してある(図4参照)。
【0030】
次いで、押し当て部材60の弾性体層61を、情報表示器1の第1基板11側の面に対向配置させるように、情報表示器1上に押し当て部材60を載置する。そして、押し当て部材60を介して情報表示器1を駆動装置30側に押圧することにより、情報表示器1と駆動装置30のTFT基板とが密着し、画素電極34と第1基板11との距離を均一にすることができる。そして、駆動回路33を作動させることにより、第1基板11と第2基板12の間に形成された電界によって表示媒体16が駆動し、情報表示画面領域に情報を表示したり、情報表示画面領域にすでに表示されている情報を消去したりすることができる。
【0031】
例えば、弾性体層61を設けずに押し当て板62と情報表示器1とが直接接した構成においては、押し当て板62と情報表示器1とを全面に亘って密着させることが難しいことがあり、押圧力を情報表示器1に対して均等に伝達できないことがある。しかし、押し当て板62と情報表示器1との間に弾性体層61を設けることにより、弾性体層61によって押圧力を分散させて、押し当て板62を介して情報表示器1全面に押圧力を伝達させ易くなり、情報表示器1と駆動装置30のTFT基板とを密着させることが可能となる。これにより、導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができ、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にして、表示精度を向上させることが可能となる。
【0032】
(2)情報表示器の概略構成
本実施形態に係る情報表示器1Aの構成について、図2、図4及び図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態に係る情報表示器1Aの要部断面図である。具体的には、2枚の基板(第1基板11又は第2基板12)に対して直交する断面における断面図である。
【0033】
情報表示器1Aは、情報が表示される情報表示画面領域を有する。情報表示画面領域は、第1基板11側からの平面視において、表示媒体16が配置されている領域である。情報表示器1Aは、第1基板11と、第2基板12と、表示媒体層13と、支持部となる隔壁14と、接着層20と、表示媒体16と、を有する。
【0034】
(2−1)情報表示器の基板の構成
第1基板11は、導電膜17を有しており、面方向に導通するように構成されている。第2基板12は、第1基板11と対向して配置されている。図5に示す情報表示器1Aで、第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域が透明な基板である。第2基板12は、絶縁体材料基板であり、面方向に導通しないように構成されている。第1基板11と第2基板12との間には、電界によって駆動する表示媒体16が封入された表示媒体層13が設けられている。
【0035】
図5に示す実施の形態では、第1基板11が観察基板である。具体的には、第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域が透明な基板であり、観察者は、第1基板11側から観察することによって、第1基板11と第2基板12の間の表示媒体16によって表示された情報を視認できる。第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域においては、可視光の透過率が高く、かつ耐熱性の良いものによって形成されている。一方、第2基板12は、非観察基板となる。本発明における透明とは、可視光を透過させるものであればよく、半透明も含む概念である。具体的には、可視光の透過率が50%以上あればよい。
【0036】
なお、図5に示す実施の形態1に係る情報表示器1Aは、第1基板11を観察基板として、第2基板12を非観察基板としているが、第2基板12を観察基板として、第1基板11を非観察基板としてもよい。また、第1基板11側から観察する場合と、第2基板12側から観察する場合とでは、丁度、ネガ・ポジの関係となるため、観察基板にあわせて表示媒体の駆動を行う。なお、第1基板11を観察基板とした構成では、情報表示器1Aを駆動装置30に取り付けた状態で、表示媒体の駆動を行って書き換えた情報をそのまま情報表示器1Aを駆動装置30に取り付けた状態で見ることができる。
【0037】
導電膜17は、第1基板11の全面にベタ状に形成されており、電界形成用の電極として機能する。このようにベタ状の導電膜17によって構成することにより、パターニングが不要であり、また駆動用ICやTFTを備えた画素電極を駆動装置30側に搭載して情報表示器側に搭載しない構成とすることで、極めて安価な情報表示器を作製することができる。また、導電膜17の1点で電気的な接続を実行すれば、第1基板11の情報表示画面領域全面と駆動回路側との導通がとれるため、駆動装置30側と情報表示器1A側との導通が容易である。
【0038】
導電膜17は、ベタ状とするほかにもストライプ状にしたり、網目状にしたり、ドット状に形成したりしたものを電気的に連続して接続することができる。第1基板11を観察基板としない場合には、第1基板11全体を導電性材料として構成することができる。なお、この構成においては、第1基板11自体が導電膜17として機能するので、この第1基板11の外側表面に絶縁膜を配置して感電や漏電を防止することが望ましい。
【0039】
本発明では、情報表示器1の導電膜17と、後述する駆動装置30の画素電極34とが対向する電極間に形成された電界によって、表示媒体層13に配置した表示媒体16を情報表示器1Aの2枚の基板間で駆動させる方式をとるため、対向電極の一方となる第1基板11の導電膜17は面方向に導通して共通電極として機能させる必要がある。一方、対向電極対の間に入り込むこととなる第2基板12は、面方向に導通しないようにして、対向電極間に発生させた電界をシールドしてしまうことがないようにする必要がある。
【0040】
第2基板12は、例えば、基板全体を絶縁体で構成したり、絶縁体材料で構成した基板表面に複数のドット状電極をそれぞれが電気的に接続されないように独立して設けて構成したりして、面方向に導通させない構造とすることができる。更に、第2基板12は、面方向に導通しない構成であればよく、その表面に導電膜が部分的に設けられていても、その導電膜が互いに電気的に接続され連続した構成となっていなければ面方向に導通しない構成とすることができる。このような構成によっても、電界をシールドすることがないため、情報の書き換え、言い換えると表示媒体の駆動の妨げとならない。
【0041】
第1基板11と第2基板12との間隔は、表示媒体16が駆動できて、表示コントラストを維持できればよく、2μm〜500μm、好ましくは5μm〜200μmに、表示媒体の種類に合わせて支持部となる隔壁14の高さによって調整される。
【0042】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、第1基板11と第2基板12との間隔は10μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲で調整される。さらに、この場合に、基板間の気体中空間(真空中を含む)における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動(駆動)に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0043】
第1基板11と第2基板12の間における外端部近傍には、シール部材10が設けられている(図5参照)。シール部材10によって表示媒体層13の内部に外部から湿分が浸入しないように構成されている。
【0044】
第1基板11の厚さは、特に制限がないが、厚くしすぎると情報表示器を薄型にできないため、25μm〜2000μmの範囲にする。また、第1基板11を観察基板とする場合には、厚くしすぎると、視認性に支障がでる場合があるのでそのような不都合がないように厚さを調整する。また、第1基板11の厚さが25μmより薄いと、情報表示器作製時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0045】
また、第2基板12の厚さはできるだけ薄く形成するのが好ましい。第2基板12の厚さは、25μm〜125μmが好ましく、さらに25μm〜100μmが好適である。第2基板12の厚さを25μm〜125μmの範囲の厚さに構成することで、駆動装置30側の画素電極34と導電膜17との間に印加した電圧で形成させた電界を、表示媒体16全体に効果的に与えることができる。具体的には、情報の書き換え等を行う際には、導電膜17と画素電極34との間に第2基板12が配置された状態で表示媒体16の駆動がなされる。したがって、第2基板12の厚さが厚すぎると、情報表示器1Aの導電膜17と画素電極34とが離れ過ぎてしまい、電極間の電圧を大きくしないと表示媒体16を駆動できる電界を得られない不都合がある。一方、第2基板12の厚さが薄すぎると、情報表示器1Aの作製時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0046】
第1基板11及び第2基板12に用いられる材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂やガラスなどの透明材料製シートや、ガラス繊維で補強したエポキシ樹脂などの不透明材料製シートを絶縁体基板として用いることができる。また、情報表示器の第1基板として導電性基板を採用する場合の導電性基板としては、導電性金属シートやシート基材の表面に金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属膜をコートした導電性シートなどを用いることができる。
【0047】
導電膜17に用いられる材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン鉛酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(Styrene sulfonate))等の導電性高分子が挙げられる。更に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属や、これらの金属を主成分とする合金を用いることができる。
【0048】
特に、第1基板11を観察基板とする際には、透明導電膜として好適なITO、IZO等の金属酸化物系材料やPEDOT−PSS等の高分子化合物系材料を用いることが望ましい。PEDOT−PSS等の高分子化合物系材料は、透明性を有するとともに可とう性も有するので情報表示器1をフレキシブルにする場合に好適である。
【0049】
ITO、IZO等の金属酸化物系材料は、金属材料に比べて可とう性が小さい。ITO、IZO等の金属酸化物系材料で導電膜を構成する場合には、透明導電膜中での断線防止のため、金属細線やPEDOT−PSS膜と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。観察基板の情報表示画面領域外や非観察基板に設ける導電膜は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた金属材料が好適に用いられる。また、観察基板の情報表示画面領域外や非観察基板に設ける導電膜の厚さは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01μm〜10μmに設計される。
【0050】
導電膜17の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(科学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法、金属箔(例えば、圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布して成膜する方法が用いられる。
【0051】
導電膜17の厚さは、導電性や光透過性を鑑みて決定され、0.01μm〜10μm、好ましくは、0.05μm〜5μmの範囲にする。なお、第2基板12が観察基板となる構成においては、導電膜17の光透過性を考慮しなくてもよい。
【0052】
(2−2)表示媒体層の構成
粒子を表示媒体とする表示媒体層13は、第1基板11、第2基板12、接着層20、及び隔壁14によって仕切られ、表示媒体とする粒子を収納するためのセル27を複数有する。各セル27には、複数の粒子からなる表示媒体16が封入されている。表示媒体16は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16Wと、正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16Bと、である。黒色表示媒体16Bと白色表示媒体16Wは、互いに反対の帯電極性を呈する構成であり、電界で、すなわち電気的に駆動可能である。第2基板12の外側に配置される駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と、第1基板11の導電膜17との間に電圧を印加して発生させた電界により、表示媒体16を2枚の基板間で駆動させて情報を表示する。具体的には、電界の方向によって、黒色表示媒体16Bと白色表示媒体16Wとが互いに反対の基板側に移動することで白地に黒色で表示したり、黒地に白色で表示したりする。
【0053】
隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間に形成されている。隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、基板間の情報表示画面領域に配置された表示媒体16が偏ることを抑制する機能と、を発揮する。隔壁14を設けることによって、第1基板11と第2基板とが一定の間隔で保持され、第1基板11の導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができる。導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことにより、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。隔壁で仕切られたセル内に表示媒体を収納するように配置することで、情報表示画面領域の面内方向で表意媒体が偏ることが抑制され、情報表示画面領域全面に表示媒体が均一に配置され、均一な表示が可能となる。隔壁14で囲まれたセル内に、表示媒体とする粒子を収納することによって、駆動した粒子が情報表示パネルの面方向にずれて偏在するようになることを抑制できる。
【0054】
また、隔壁14を設けることによって、上面及び下面が第1基板11及び第2基板12で形成され、側面が隔壁14で形成されたセル27が形成される。なお、セル27には、表示媒体16の他に、気体(例えば、空気)が封入されている。なお、セル内の空間は、真空であっても良いし、絶縁液体で満たしてもよい。
【0055】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、2枚の基板間に配置した表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
【0056】
この空隙部分とは、セル内の空間部分であり、対向する2枚の基板に挟まれる部分から、電極、表示媒体の占有部分、隔壁の占有部分、基板間のシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
【0057】
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように基板間に封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿分の浸入を防ぐためにシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0058】
各セルの大きさは、表示媒体とする粒子の平均粒子径が、1μm〜20μm程度の場合、平面視にて長方形であれば、1辺の長さが50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が望ましい。また、ハニカム(六角形)形状の場合は、向かい合う頂点の距離が100μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が好ましい。このような構成にすれば、セル内で移動(駆動)を繰り返した粒子が、凝集したり、偏在したりする不都合が発生しにくい。
【0059】
また、セル27を形成するための隔壁14の配置は格子状、ハニカム状、網目状などにすることができる。セルの横断面形状は、四角形、三角形、六角形、階段型八角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせても良い。非表示部となる隔壁の占める割合を小さくできる点からは四角形、階段型八角形や六角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動(駆動)しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。この二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形、角丸付きの階段型八角形が好ましく用いられる。非表示部となる隔壁14の占める割合は、平面視にて情報表示領域の10%程度であり、好ましくは10%以下である。
【0060】
なお、本実施の形態に係る隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16を配置する基板間の空間を仕切って配置した表示媒体が偏ることを抑制する機能と、を有するが、採用する表示媒体の種類によって、隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間を一定の間隔で保持する機能だけを有していればよい場合がある。例えば、表示媒体となる帯電性粒子を絶縁液体とともに封止した構造のマイクロカプセルやコレステリック液晶を表示媒体とする場合がそれにあたる。
【0061】
隔壁14の材料は、レジスト材が好適であり、液状レジスト材やドライフィルムレジスト材が用いられる。ドライフィルムレジスト材の一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。これらのレジスト材は露光硬化後に透明となるので好ましく用いられる。
【0062】
上記したレジスト材に顔料を配合せずにフォトリソグラフィーを実行すれば透明な隔壁を得ることができる。また、必要に応じて所望の色の顔料を配合したレジスト材を用いて形成すれば所望の色の隔壁を得ることができる。
【0063】
必要な隔壁をすべて同じレジスト材で形成する場合には、すべての隔壁を同時に形成できるので効率の面でも好ましい。
【0064】
接着層20は、隔壁14上に形成される。接着層20の一面は、隔壁14と接している。一面に対向する接着層20の他面は、2枚の基板(第1基板11と第2基板12)の一方と接している。隔壁14と接着層20を介して第1基板11と第2基板12とが固定される。情報表示器1Aにおいては、接着層20は、第2基板12側に形成されている。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤が用いられる。
【0065】
(2−3)表示媒体の構成
各セルに封入される表示媒体は、例えば、帯電性粒子を含む粒子群によって構成することができる。帯電性粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて荷電制御材剤、着色剤、無機添加物等の粒子構成材料を含ませることができる。以下に、荷電制御材料、着色料、その他添加剤を例示する。
【0066】
荷電制御材料としては、特に制限はないが、負荷電制御剤とすれば例えば、サリチル酸金属錯体、合金属アゾ染体、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ酸化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤とすれば例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0067】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
【0068】
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
【0069】
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0070】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
【0071】
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0072】
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
【0073】
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
【0074】
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0075】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0076】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0077】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。
【0078】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
【0079】
また、表示媒体を構成する帯電性粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0080】
さらに、表示媒体を構成する帯電性粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
【0081】
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の5096がこれより大き<、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)。Spanを5以下の範囲に納めることにより、表示媒体を構成する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0082】
さらにまた、複数の粒子群を表示媒体として使用する場合には、使用した粒子群の帯電性粒子の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)の比をl0以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに電気特性の異なる粒子群が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近い方が容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
【0083】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern lnstruments Ltd.)測定植を用いて、窒素気流中に粒子群を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
【0084】
各セルに黒色表示媒体16Bとして封入される黒色粒子は、例えば、以下の方法による得ることができる。メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部、及び、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させた後、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いることによって、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子を得ることができる。
【0085】
また、白色表示媒体16Wとしての白色粒子は、以下の方法で得ることができる。ポリメチルペンテンポリマー(TPX-R18;三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化することによって、平均粒子径9.5μmの負帯電性の白色粒子を得ることができる。
【0086】
このような帯電性粒子だけで構成した粒子群を表示媒体としたり、この帯電性粒子に微小粒子を付着させた構成の粒子群を表示媒体としたりする。帯電性粒子と微小粒子とのサイズの関係は、帯電性粒子の平均粒子径が1μm〜20μmの範囲であるのに対して、微小粒子の平均粒子径は10nm〜500nmの範囲である。
【0087】
(2−4)散乱層の構成
散乱層18は、観察基板の外側に形成される。図5に示す例では、第1基板11の面方向と直交する方向における外側に形成されている。第1基板11の外側とは、第2基板12側とは反対側をいう。すなわち、第1基板11の観察者に近い側である。散乱層18は、光を散乱するように構成されていればよく、光を散乱すれば散乱方法は問わない。例えば、散乱層18の表面(例えば、観察者側)に凹凸を有することにより、光を散乱しても良い。散乱層18は、散乱層18の屈折率と異なる屈折率を持つ粒子を散乱層18内部に含むことにより、光を散乱しても良い。散乱層18と粒子との屈折率との差による内部散乱により光が散乱される。両方の方法を組み合わせても良いし、別の方法により、散乱層を形成しても良い。
【0088】
(3)駆動装置の概略構成
次いで、駆動装置30について図3及び図6を参照して詳細に説明する。駆動装置30は、TFT基板31を駆動装置基台32上に形成して構成されている。TFT基板31は、TFT回路用基板36上にTFT回路を備えた画素電極34を形成して構成されている。図6は、TFT基板31を示しており、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図6(a)に示す平面図と(b)に示す断面図とは、必ずしも構成を一致させていない。TFT基板31の構成は、図6に示す例に限定されるものではなく、従来、TFT基板として公知の種々の構成を用いることができる。
【0089】
駆動装置30のTFT基板31は、アクティブ・マトリックス方式のTFT回路37と、各TFT回路37に接続した画素電極34を設けて構成されたTFT回路用基板36から形成している。TFT回路37は、マトリックス状に配置された画素電極34に対応して設けられた半導体層38に対し、ゲート電極39とソース電極40とを直交して設けるとともに、ドレイン電極41を設けて構成されている。ドレイン電極41は、各々別々に画素電極34と接続される。TFT回路37のスイッチング機能により、画素電極34に対する電圧の印加および非印加を制御している。
【0090】
画素電極34の表面は、絶縁性材料の膜でコートするのが好ましい。画素電極34が露出していると、導電性の埃等が画素電極間に付着した場合にリークが発生する虞があったり、情報表示器を載せたり取り外したりする際に電極が破損したり、画素電極に通電しているときに手が触れた際に感電したりする不都合がある。
【0091】
(4)押し当て平面の概略構成
次いで、図1、図11を参照して、押し当て平面62について詳細に説明する。押し当て平面62は、情報表示器1の情報表示画面領域2を覆うように配置される。図1では、押し当て平面62は平板部材62であり、図11では、情報表示器1Dの背面に位置する壁面(図示せず)である。
【0092】
押し当て平面62は、板状の部材であったり、壁面や机上面であったりする。本発明の情報表示システムでは、押し当て平面62と情報表示器1Aとの間に弾性体層61が配置される。
【0093】
弾性体層61は、弾性変形可能な材質によって構成されていればよい。弾性体層61の材料としては、ゴム材料やスポンジ構造を有しているゴム材料や樹脂材料が好ましい。弾性体層61の厚さは、材料によって異なるが、1mm〜10mmとする。1mmより薄いと、押圧力を適度に分散させて情報表示器1に対して押圧力を十分に伝達させることができないおそれがあり、10mmより厚いと、携帯性能が低下するおそれがある。
【0094】
その他、弾性体層61を、スプリングばねを均等に一面配置し、一方の平板(平面)を弾性変形可能な樹脂製平板とし、他方の平板(平面)を金属製平板としてこれら2枚の平板で挟んだ構造の押し当て平面62として構成することもできる。
【0095】
押し当て平面62は、情報表示器1の全面を駆動装置30に向けて押圧できるように構成されていればよく、少なくとも情報表示器1と対面対向して配置される面が平面であればよく、多少の凹凸があってもよい。なぜならば、情報表示器との間に配置される弾性体層によって多少の凹凸は吸収されてしまい、押圧力のばらつきを発生させるおそれはないからである。また、押し当て平面62は、板部材のほか机の上面や壁面を押し当て平面62として機能させることができる。したがって、本発明の押し当て平面62は、壁面、床面及び机上面などの平面および平面を有する部材を含むものとする。
【0096】
なお、机や壁面等ではなく、専用の押し当て部材62における材料としては、ステンレス(SUS)などの金属板、硬質プラスチック板、セラミック板などの平板が好ましい。
【0097】
また、押し当て平面62を有する専用の押し当て部材は、重くならないように薄く構成することが望ましいが、押し付けたときに反らないようにするためにはある程度の厚さが要るので、例えば、1mm〜5mmの厚さにする。更に例えば、平面の裏側にハニカム構造の支持体を設けた中空構造の平板とすることにより、薄く形成した場合であっても反りの問題を解消し、かつ薄くすることにより重量を軽くすることができる。
【0098】
また、弾性体層61は、情報表示器1の情報表示領域に対して均等に押圧力を伝達できる構成が望ましく、好適には、情報表示器と重なる部分において均一であることが望ましい。例えば、密度が均一になるように形成してもよいし、一定の領域において規則的な構造となるように形成して、均等に押圧力を伝達するように構成してもよい。また、弾性体層は、パンチング加工等によって全面に亘って規則的な穴や凹みが形成されていてもよい。
【0099】
また、押し当て平面62に弾性体層61を設けて、押し当て平面62と弾性体層61とを一体にした構成部材60とすることもでき、この構成を図1に示しているが、この構成に限られず、弾性体層61と情報表示器Aとを一体化して設け、押し当て平面62を別体に構成してもよい。なお、弾性体層61と情報表示器1とを一体化する構成においては、第1基板11が観察基板の場合には、弾性体層61を透明な材質によって構成する。また、第2基板12が観察基板の場合には、弾性体層61を有色の材料によって構成してもよい。
【0100】
また、図1に示した押し当て平面62と弾性体層61とを一体にした構成部材60と駆動装置30とを、蝶番構造で連結し、部材60と駆動装置30との間に情報表示器1を挟んで情報表示を書き換えるようにすることもできる。この構成によれば、駆動装置30の上に情報表示器1を載せた後、部材60を蝶番部を支点として閉じるだけで情報表示器が駆動装置側に押し当てられるようにできる。
【0101】
(5)情報表示システムの情報表示原理
次いで、このように構成された情報表示器1と駆動装置30とを用いた情報表示システムの情報表示原理を説明する。図7は、情報表示器1を駆動装置30上に配置した状態を示した拡大断面図であり、図8は、情報表示器1Aと画素電極34との関係の一例を示した模式断面図であり、情報表示器に情報を表示する方法を説明するための図である。
【0102】
この情報表示システムの特徴は、駆動装置30のTFT基板31の表面と、情報表示器1Aの第2基板12とを対面対向配置させて情報を書き換えて表示する点にある。なお、第2基板12とTFT基板31とは、対面対向配置させればよく、接していても離れていてもよいが、接していることが好ましい。また、できるだけ全面が接することが好ましい。更に、第2基板12とTFT基板31とは、必ずしも密着していなくてもよいが、もちろん密着させてもよい。第2基板12とTFT基板31とがあまりにも離れていると、表示媒体16を駆動させるために大きな電界が必要となる不具合があるので、できる限り近付けることが望ましい。
【0103】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図7に示すように、第2基板12と駆動装置30のTFT基板とを対面対向させて配置する。そして、TFT基板31の全てのTFT回路を全て接続状態にして、TFT基板の全ての画素電極34と情報表示器1Aの導電膜17との間に電圧を印加して2枚の基板間に形成した電界によって、基板間に配置されているすべての表示媒体16を駆動させる。このようにして、情報表示器1の情報表示画面領域全体を黒色表示又は白色表示とする消去工程を行う。図8(a)は、観察基板側にすべての白色表示媒体16Wを移動させて消去工程を修了した状態である。情報表示画面領域には白べた表示がなされている。
【0104】
次に、表示させたい情報に応じて、駆動装置30のTFT基板31の各TFT回路を接続状態又は非接続状態にして、駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と情報表示器1Aの導電膜17との間に印加する電圧を制御する。このようにして、図8(b)に示すように、画素電極34と導電膜17との間に形成した電界により表示媒体を駆動させて、情報表示器1の第1基板11又は第2基板12に情報を表示することができる。図8(b)では、第1基板11を観察側として、情報表示器1の第1基板11に表示した情報を見ている。
【0105】
その後、駆動装置30のTFT基板31から情報表示器1を取り外し、駆動回路側との接続を切っても、情報表示器1に表示された情報は、そのメモリー性により、そのまま消えることなく維持されるので、第2基板を観察基板として構成した場合であっても、情報表示器1の観察基板となる第2基板側から観察することによって、情報表示器1の第2基板12に表示された情報を見ることができる。
【0106】
(6)変形例
次いで、変形例に係る情報表示器について説明する。なお、以下の変形例の説明においては、実施の形態1における情報表示器1Aとの相違点について主に説明する。
【0107】
図9は、変形例1に係る情報表示器1Bの断面図である。変形例1に係る情報表示器1Bは、第2基板12が観察基板となる。第1基板11は、導電性を有する。第1基板11の外側には、弾性体層61が形成されている。この構成によれば、情報表示器1Bと弾性体層61を一体化することができる。
【0108】
また、弾性体層61が絶縁体である構成においては、弾性体層61が絶縁膜として機能するように構成してもよい。すなわち、弾性体層61は、絶縁膜を兼ねて構成されていてもよいし、弾性体層61が絶縁膜を兼ねていない構成においては、弾性体層61の外側に絶縁膜を設けてもよい。
【0109】
絶縁膜における絶縁性は、表面抵抗率で、1.0×108Ω/sq〜1.0×1016Ω/sqである。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると十分な絶縁性が得られない。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると、情報表示器1を駆動装置30に装着して表示画像を書換える際に感電や漏電するおそれがある。また、絶縁膜の膜厚は、100nm〜5μmとする。
【0110】
なお、絶縁膜の材料としては、特に制限されないが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、絶縁性膜材を有色とする場合には、着色剤の色を発現しやすい、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。これらの樹脂に荷電制御剤を添加して表面抵抗率を調整することもできる。膜の形成方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコーター法、刷毛塗り法等いずれの方法を用いてもよい。また、膜を形成する代わりに、上記絶縁性材料のフィルムを貼り合せてもよい。
【0111】
図10は、変形例2に係る情報表示器1Cを有する情報表示システムを示した図である。情報表示器1Cの第1基板側の外側には、弾性体層61が配置されている。情報表示システムは、机100の上面が押し当て平面62として機能している。弾性体層61が平滑な机上面に配置され、机100上配置された弾性体層61上に情報表示器1Cが載置されている。また、駆動装置30は、情報表示器の第2基板12側の面と画素電極34とが対面対向配置されるように、情報表示器1C上に載置されている。
【0112】
図10に示す状態において、駆動装置30を情報表示器1Cに向けて押圧すると、情報表示器1Cが机側に押圧される。このとき、机100と情報表示器1Cとの間に弾性体層61が配置されているため、弾性体層61によって押圧力が分散し、情報表示器1Cと駆動装置30のTFT基板とが全面に亘って密着する。
【0113】
このように机面や壁面等、情報表示器と接する平面を押し当て平面62としても用いてもよい。なお、押し当て平面として機能させる部材としては、略水平に配置された面を有する机等に限られず、略垂直に配置された面を有する壁等を用いてもよい。押し当て部材として機能させる部材の配置角度にはなんら制限はなく、平面と情報表示器1の情報表示画面領域全面とが対面対向すればよい。
【0114】
(7)その他の実施形態
本実施の形態に係る情報表示器は、非観察基板と隔壁14との間に接着層20を配置しているが、観察基板と隔壁14との間に接着層20を設けてもよい。また、本実施の形態に係る情報表示器は、第1基板11又は第2基板12と隔壁14との間に接着層を設けているが、本発明に係る情報表示器は接着層を設けなくてもよい。更に、実施の形態に係る情報表示器は散乱層18を備えているが、本発明に係る情報表示器は散乱層を備えていなくてもよい。
【0115】
また、本発明に係る情報表示器は、面方向に導通しない第2基板12の外側に、帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqであることが望ましい。帯電防止層はとしては、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))の様な透明な導電性高分子を塗布した後の透明な膜や、ITOやSnO2などの透明導電性酸化物の粒子を樹脂バインダーに分散して構成した透明膜などがある。なお、第2基板12が観察基板となる場合には、透明な帯電防止層を設ける。第2基板12が観察側とならない場合には、帯電防止層は透明でなくてもよい。
【0116】
表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである帯電防止層としての膜は、情報表示器の第2基板の全てを被覆したり、断続させて面方向の導通性をAより少なくしたりするように配置する。表面抵抗率が1.0×105Ω/sqより小さいと、言い換えれば導電性が高いと、第2基板全体が絶縁性基板でなくなってしまう不都合がある。また、表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sqを超えると、帯電防止機能を得られない不都合がある。
【0117】
なお、表面抵抗率は、二重リング法と呼ばれる方式で測定した。二重リング法では、二重リング電極(内極φ16mm、外極内径φ30mm、外極外径φ40mm)を用い、5N負荷、印加電圧10Vで測定した。測定器としては、シシド静電気製「Megaresta Model HT-301」表面抵抗計を用いた。
【0118】
また、本実施の形態におけるTFT基板31は、画素電極34が露出するように構成されているが、画素電極34の上に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を保護層として設けることができる。この保護層は、絶縁膜とするため1.0×105Ω/sq以上の表面抵抗率を有する必要がある。
【0119】
また、本実施の形態に係る情報表示器と駆動装置のTFT基板は、略同じ面積を備えており、駆動装置のTFT基板と情報表示器の情報表示領域とは対応して配置される。しかし、駆動装置のTFT基板に対して情報表示器の面積が大きくなるように構成してもよい。次いで、図11に基づいて変形例3に係る情報表示器1Dを有する情報表示システムについて説明する。
【0120】
図11は、情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。情報表示器1Dの情報表示画面領域2は、駆動装置30のTFT基板31の面積に対して約4倍の面積を有する。情報表示画面領域2を4分割した表示区画2a〜2dは、駆動装置30のTFT基板31と略同じ面積である。駆動装置30は、情報表示器1Dと電気的に接続するためのケーブル42を備えており、情報表示器1Dには、ケーブル42が接続されるコネクタ25が設けられている。ケーブル42とコネクタ25とを接続することによって、駆動装置30の駆動回路と情報表示器1Dの導電膜17とが電気的に接続される。
【0121】
ここでは図示していないが、情報表示器1Dの背面側と壁面との間に弾性体層61が配置される。弾性体層61は壁面と一体になっていてもよいし、情報表示器1Dと一体になっていてもよい。
【0122】
このように構成された情報表示システムにおいて、情報の書き換えを行う際は、例えば、(b)に示すように、情報表示画面領域2の一つの表示区画2aに対して駆動装置30のTFT基板を対面対向配置させ、表示区画2aに情報を表示する。次いで、(c)に示すように、既に情報を表示した表示区画2aと異なる表示区画2bに対して駆動装置30のTFT基板を対面対向配置させて、表示区画2bに情報を表示する。このように、書き換えを繰り返し実行することにより、情報表示画面領域2全体に情報を表示することができる。
【0123】
また、本発明に係る情報表示器は、種々の構成を採用することができる。図12は、変形例4〜7に係る情報表示器の平面図である。図12(a)は、変形例4に係る情報表示器1Eを示している。情報表示器1Eの情報表示画面領域2は、4つの表示区画2a〜2dが、各々所定の間隔を空けて配置されている。このように、表示区画2a〜2dを隣接させず、間隔をあけて配置してもよい。
【0124】
また、図12(b)は、変形例5に係る情報表示器1Fを示している。情報表示器1Fの情報表示画面領域2は、駆動装置30のTFT基板31よりも大きな面積を有しているが、TFT基板31の面積に相当する表示区画2aは、情報表示画面領域2を4分割した領域よりも小さい。このように構成された情報表示器1Fは、1回の書き換え作業において情報を書き換えることができる表示区画の領域を、図12(a)と同程度にして、かつ情報表示画面領域2を4分割した領域よりも小さい。したがって、複数回繰り返して情報の書き換えを実行する際に、TFT基板が対面対向する表示区画をオーバーラップさせることなく書き換えを実行することができる。例えば、隣接する表示区画毎に書き換えを行う場合には、駆動装置30と表示区画とを正確に位置決めしないと、1回目にTFT基板を配置して書換えた情報の画像の上に、2回目にTFT基板を配置して書換えた情報の画像が重なって、1回面の画像が消去された上に2回目の画像が表示されるため、画像欠陥(情報画像が表示されない部分)が生じる可能性がある。しかし、TFT基板を配置する領域をオーバーラップさせないことにより、表示の抜け(画像欠陥)を防止することができる。
【0125】
図12(c)は、変形例6に係る情報表示器1Gを示している。情報表示器1Dは、駆動装置30によって検出可能なアライメントマーク24を備えている。例えば、駆動装置30に検出手段としてのCCDカメラ(図示せず)を設け、このCCDカメラによって情報表示器1Aのアライメントマーク24の位置情報を検出するように構成する。そして、位置情報に基づいて表示区画と画素電極34との相対位置情報を取得し、この相対位置情報に応じて画素電極34を駆動制御することができる。このような構成によれば、画素電極34と表示区画との位置ずれによる表示精度の低下を抑制することができる。
【0126】
具体的には、駆動装置30は、表示区画毎に画素電極34を駆動させて表示媒体16の駆動制御を実行する。しかし、情報表示器1Gと駆動装置30とは分離可能であり、情報の書き換えのタイミング等において駆動装置30と情報表示器1Gとを組み合わせるため、駆動装置30と情報表示器1Gとの相対位置を常に一定に維持することは難しい。画素電極34と表示区画との位置がずれている場合には、表示媒体16を正確に駆動させることができず、表示精度が低下するおそれがある。しかし、第2基板側の面とTFT基板側の面とが対面対向した状態における情報表示器の位置情報を検出し、この状態における画素電極と表示区画との相対位置を取得することにより、表示精度を高めることができる。
【0127】
また、情報表示器の駆動装置との位置決めを行うための位置決め部材26を設けてもよい。図12(d)は、変形例7に係る情報表示器1Hを示している。情報表示器1Hは、各表示区画2a〜2dの外側に配置された位置決め部材26を備えている。位置決め部材26は、駆動装置30の隣接する2辺と当接するように形成されている。各位置決め部材と当接するように駆動装置30を配置して表示制御を繰り返すことにより、駆動装置30と表示区画とを正確に位置決めすることができ、情報表示画面領域2全体に所望の情報を表示することができる。
【0128】
なお、情報表示器の情報表示画面領域2が駆動装置30のTFT基板31よりも大きく形成された情報表示システムにおいては、常に一定の領域(例えば情報表示画面領域の全面)に情報を表示するように構成してもよいし、情報を書き換える毎に異なる領域に情報を表示するように構成してもよい。
【0129】
更に、駆動装置30の画素電極34と対向する絶縁性の第2基板内面に、ドット電極を設けてもよい。ドット電極を設けることにより、情報を表示させた後の表示媒体を絶縁性の第2基板側に良好に保持でき、表示させた情報を良好に維持することができる。なお、ドット電極は、情報表示器の平面視においてドット状に配置し、面方向に導通しない構成とする。面方向に導通しないことにより、表示書き換えを行う際の電界に妨げとなることはない。
【0130】
表示媒体16は、白色表示媒体16W及び黒色表示媒体16Bに限られず、他色の表示媒体16を用いてもよい。また、表示媒体は、電界で駆動し、電源を切断状態にしても表示した情報が保持できる表示メモリー性があるものであればよい。
【0131】
帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させるもののほかに、他の構成を例示することができる。例えば、図13に示す変形例8に係る情報表示器1Jのように、帯電性粒子を含んだ粒子群を絶縁液体51中で駆動させるもの(マイクロカプセル型の電気泳動方式が知られている)であってもよい。図13に示す例では、表示媒体層に、帯電性粒子を含んだ粒子群(正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16B及び負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16W)を透明な絶縁液体51と共に封入したマイクロカプセル52を配置している。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、2枚の基板間に電界を付与して表示媒体16を駆動させることができる。(b)は、配置された画素電極34に対応して表示媒体が移動して情報が表示されている状態を示している。
【0132】
また、図14に示す変形例9に係る情報表示器1Kのように、帯電粒子を含んだ粒子群として構成した1種類の表示媒体(帯電性白色粒子16W)を青色絶縁液体53(青色表示媒体)とともに隔壁で形成したセル内に封入した情報表示器を例示することができる。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、2枚の基板間に電界を付与して表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、表示媒体16Wが移動して、白色表示媒体16Wと、青色表示媒体(青色絶縁液体53)とで情報が表示された状態を示している。
【0133】
更に、半分ずつ2色かつ異なる帯電極性に構成した球状粒子やマイクロカプセル内で回転駆動させるもの(ツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるものが、表示メモリー性を有する表示媒体として挙げられる。このうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させる方式が、駆動応答速度が速く、表示メモリー性にも優れており好ましく採用される。
【0134】
(8)作用・効果
本発明の情報表示システムは、薄型で作製が簡易な情報表示器とともに、薄型でコンパクトな駆動装置を提供する。情報表示器を駆動装置のTFT基板に対面対向させるとともに、駆動装置30と情報表示器1とを電気的に接続した後、駆動装置30を作動させることにより情報表示器1に表示したい情報を表示することができる。そして、情報表示器1に情報を表示した状態で、駆動装置30から情報表示器1を取り外して持ち歩いたり、壁面などに設置された情報表示器1に情報を表示した後、情報表示器1から駆動装置30を取り外して持ち歩くような使い方も可能にするものである。
【0135】
また、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層61が配置されるため、弾性体層61を介して情報表示器を駆動装置30側に押圧することができる。例えば、机等の平面と情報表示器1との間に弾性体層61を配置して、かつ駆動装置30と情報表示器1とを対面対向させた状態で、駆動装置30を情報表示器1に向けて押圧すると、情報表示器の第1基板11と押し当て平面62との間に弾性体層61が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、駆動装置30と情報表示器1の情報表示画面領域との密着性を向上させ、情報表示器の第1基板11と駆動装置30のTFT基板との距離の均一性を高めるとができる。このように情報表示器の第1基板11と駆動装置30の画素電極34との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板11と駆動装置30の画素電極34との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体16の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。
【0136】
更に、本発明の情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と、薄型で軽量な情報表示器1とで構成することができるため、情報表示システム全体を携帯することが可能となる。したがって、情報表示器を、リサイクルメモ用紙、リサイクルノート、リサイクル宣伝カード、会議の配布資料等の用途にリサイクルペーパーとして好適に使用することができる。
【0137】
また、本発明の情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と、薄型の情報表示器1とで構成することができるため、情報表示器1を壁面などに設置し、携帯できる駆動装置30で表示情報を書換えるようなことが可能となる。
【0138】
また、弾性体層は、情報表示画面領域に対応する部分を含む情報表示器の第1基板11の全面を覆うように配置されている。よって、少なくとも情報表示画面領域に対応する部分において、情報表示器と駆動装置のTFT基板とを密着させることができる。なお、情報表示画面領域と対応する部分とは、情報表示器の面方向と直交する方向において情報表示画面領域と重なる部分である。
【0139】
更に、弾性体層は、情報表示画面領域に対応する部分において均一に配置されている。弾性体層を情報表示画面領域に対応するように均一に配置することにより、弾性体層を介して情報表示器の情報表示画面領域に対して均等に押圧力を伝達することできる。
【0140】
本発明において弾性体層よりも外側には、押し当て平面(押し当て平板のような部材を含む)が設けられており、この平面(平板)は情報表示画面領域を含む情報表示器1全面を覆うように配置されている。このような平面(平板)を押し当て平面として用いることにより、情報表示基板側に向けて容易に押圧力を付与し、駆動装置30のTFT基板と情報表示器1とを密着させることができる。
【0141】
情報表示器の第1基板11の導電膜17と、駆動装置30の画素電極34とで構成された対向電極対の間に、第2基板12が配置された状態で表示媒体16が駆動されるので、第2基板12の厚さは薄い方が望ましい。具体的な第2基板12の厚さは、25μm〜125μmが好ましく、さらに25μm〜100μmが好適である。第2基板12の厚さが薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなったり、情報表示器作製時のハンドリングが容易でなくなったりする。125μmより厚いと、第1基板11の導電膜17と、画素電極34とが離れすぎてしまい、電極間の電圧を大きくしないと表示媒体16を駆動できる電界が得られない不都合がある。
【0142】
また、情報表示器の第2基板の外側には、表面抵抗が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである膜が形成されている。帯電防止層を構成する膜を設けることにより、情報を表示させた後、情報表示器に電気的外乱が加わった場合であっても、その外乱の影響をなくし、表示させた情報を好適に維持することができる。
【0143】
情報表示器の第1基板は、絶縁体材料基板と、この絶縁体材料基板の内側に配置された導電膜と、を含んでおり、導電膜は、少なくとも情報表示画面領域と対応する部分に形成されている。このように構成された第1基板を有する情報表示器と駆動装置とを用いて、導電膜と画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動し、情報を表示することができる。
【0144】
また、情報表示器の変形例に係る第1基板は、導電性材料基板と、この導電性材料基板の外側に配置された絶縁膜と、を含んで構成されている。このように構成された第1基板を有する情報表示器と駆動装置とを用いて、導電膜(導電性材料基板自身)と画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動し、情報を表示することができる。第1基板11すなわち導電性材料基板の外側表面に絶縁膜を配置することにより、感電や漏電を防止することができる。
【0145】
駆動装置のTFT基板の画素電極の表面に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を設けることができる。このような保護層は、無くてもよいが、情報表示器を付け替える時などに、TFT基板の画素電極34を機械的に傷つけてしまうことを防いだり、万が一、TFT基板の画素電極34を傷つけてしまっても断線につながることを抑制したりすることができるので、保護層は設けることが望ましい。また、情報表示器を付け替える時に、導電性の異物などを挟んでしまった場合に、保護層がないとTFTの画素電極34間が電気的にショートしてしまい、表示に影響を与える可能性が考えられる。しかし、保護層を設けることにより、画素電極34間のショートの発生を抑制することができる。
【0146】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0147】
1,1A〜1K…情報表示器、 11…第1基板、 12…第2基板、 13…表示媒体層、 14…隔壁、 16…表示媒体、 16B…黒色表示媒体、 16W…白色表示媒体、 17…導電膜、 18…散乱層、 19…接続端子部、 20…接着層、 24…アライメントマーク、 25…コネクタ、 26…位置決め部、 27・・・セル、 30…駆動装置、 31…TFT基板、 32…駆動装置基台、 33…駆動回路、 34…画素電極、 35…接続端子部、 36…TFT用の基板、 37…TFT回路、 38…半導体層、 39…ゲート電極、 40…ソース電極、 41…ドレイン電極、 42…ケーブル、 51…絶縁液体、 52…マイクロカプセル 、60…押し当て部材、 61…弾性体層(弾性体層、弾性部材)、 62…押し当て平面(平板)、 100・・・机
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板間に、電界を付与することで駆動する表示媒体を配置した情報表示器、該情報表示器を駆動して情報を表示する駆動装置及びそれらで構成した情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも観察側となる基板が透明な2枚の基板を対向させて形成した空間に、電界を付与することで駆動できる表示媒体を封入した構成の情報表示パネルが情報表示器として知られている。この情報表示器は、2枚の基板間に形成した電界で表示媒体を駆動させて情報を表示するものであった。
【0003】
上述した構成の情報表示器に対して情報を表示するために、電界で駆動できる表示媒体を2枚の基板で挟んだパネル構造の情報表示器を大型の駆動装置にセットして、駆動装置から付与した電界で表示媒体を駆動させて画像を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−34199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の例では、情報表示器に情報を表示させる場合には大型のプリンター型駆動装置が必要である。そのような大型のプリンター型駆動装置は設置型となるため、情報表示器の表示内容を書き換えるときには設置された大型のプリンター駆動装置まで情報表示器を持っていかなければならない問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、薄型でコンパクトな駆動装置を用いて情報を表示できる情報表示器、薄型でコンパクトな駆動装置及びこれらの薄型の情報表示器と薄型でコンパクトな駆動装置とで構成される情報表示システムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の他の例示的側面としての情報表示システムは、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板(第1基板11,第2基板12)と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備える少なくとも1枚の情報表示器(情報表示器1A)と、画素電極が配置されたTFT基板を有する駆動装置と、を備える。前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で、前記第1基板と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を駆動させて前記情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、前記情報表示器の前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層(弾性体層61)が配置され、該弾性体層の外側には、該弾性体層を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されている。
【0008】
本発明に係る情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置の画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動させて所望の情報を表示することができる。また、情報表示器は、駆動装置側の画素電極との間で電界を形成するように構成されており、情報表示器自体が一対の電極を備えないため、情報表示器を薄型で簡易な構造にすることができる。
【0009】
また、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が配置されるため、弾性体層を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。例えば、情報表示器の面を机等の平面に対向させ、かつ駆動装置と情報表示器とを対向させた状態で、駆動装置を情報表示器に向けて押圧すると、情報表示器の第1基板と平面との間に弾性体層が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、情報表示画面領域における駆動装置と情報表示器との密着性を向上させ、第1基板と駆動装置のTFT基板が備える画素電極との距離の均一性を高めることができる。このように情報表示器の第1基板と画素電極との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板と画素電極との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。更に、弾性体層の外側に、机等の平面ではない押し当て平面を押し当て部材として別体に設けることにより、押し当て部材を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。弾性体層を平板上に形成した構成の押し当て部材としてもよい。この場合、弾性体層と平面とが一体になった平面部材として構成できる。
【0010】
また、本発明の例示的な側面としての情報表示器(情報表示器1A)は、少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板(第1基板11,第2基板12)と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体(表示媒体16)と、を備え、前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜(導電膜17)を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が移動されて前記情報表示画面領域に情報を表示し、前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層(弾性体層61)が設けられている。
【0011】
また、本発明の例示的な側面としての駆動装置は、上記情報表示器(情報表示器1A)とともに上記情報表示システムを構成するものであって、情報表示器が備える表示媒体を駆動するための装置である。
本発明に係る駆動装置30は、薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極(画素電極34)を配置したTFT基板(TFT基板31)を表面側に備えており、駆動回路(駆動回路33)により画素電極に印加する電圧を制御するように構成されている。TFT基板31が備える画素電極34は、電極面が露出していてもよいが、絶縁性の膜でコートされていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る駆動装置は、前記した押し当て部材を連結していてもよい。連結構造としては、蝶番(ヒンジ)構造が好ましい。この蝶番構造によって、駆動装置30の上に載せた情報表示器1Aを押し当て部材で挟むようにして、情報表示器1Aを押し当て部材で駆動装置側に押し付けることができる。この構成においても、弾性体層(弾性体層61)は、押し当て平板とともに押し当て部材を形成し、情報表示器の第1基板と押し当て平面との間に配置される。
【0013】
本発明に係る情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が配置され、この弾性体層の外側には、この弾性体層を情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されているため、押し当て平面および弾性体層を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。例えば、壁等の平面上に設けた弾性体層の上に情報表示器を配置し、その情報表示器の上にTFT基板面を対面対向させた状態で載せた駆動装置を情報表示器に向けて押圧すると、第1基板と壁面(この平面が押し当て平面となる)との間に弾性体層が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、情報表示画面領域における駆動装置と情報表示器との密着性を向上させ、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板が備える画素電極との距離の均一性を高めることができる。このように情報表示器の第1基板と画素電極との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板と画素電極との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。更に、弾性体層と押し当て平面とが一体になった押し当て部材を別体に設けることにより、あるいは、弾性体層を備えた情報表示器とすることにより、押し当て平面を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成された情報表示システムによれば、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板の画素電極との間に形成された電界によって情報表示器の表示媒体を駆動させて所望の情報を、情報表示器に表示することができる。
【0015】
情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と薄型の情報表示器とによって構成することができる。
【0016】
また、情報表示器の第1基板の外側には、弾性体層が配置され、さらに弾性体層の外側には、押し当て平面が配置されているため、駆動装置のTFT基板と情報表示器とを近付ける方向の押圧力を一点に集中させずに情報表示器全体に分散させ易くなり、駆動装置のTFT基板と情報表示器との密着性を向上させることができる。よって、情報表示器の第1基板と駆動装置のTFT基板との距離を一定に維持し、第1基板とTFT基板の画素電極との間に形成される電界を一定にすることができる。
【0017】
また、このように構成された情報表示器において、画素形状に対応してパターニングする必要がある画素電極を備えないため、情報表示器を容易に得ることができる。また、情報表示器は、薄型で軽量にすることができる。
【0018】
また、このような情報表示システムを構成する駆動装置では、TFT基板上の画素電極表面に絶縁性の膜をコートすることで、電極を保護するとともに使用時の感電や電極間に導電性のごみが付着したときに発生するおそれがあるリークを防止することができる。
さらに、弾性体層と押し当て平面とが一体になった押し当て部材を、蝶番構造で駆動装置と一体に設ける構成の駆動装置では、情報表示器と平面との間に弾性体層を配置した状態で、押し当て平面を介して情報表示器を駆動装置側に押圧することが容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】情報表示システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】情報表示システムを構成する情報表示器の概略構成図である。
【図3】情報表示システムを構成する駆動装置の概略構成図である。
【図4】情報表示器と駆動装置との接続状態を示した情報表示システムの概略構成図である。
【図5】情報表示器の要部断面図である。
【図6】駆動装置の概略構成図である。(a)は平面図であり、(b)は、要部断面図である。
【図7】情報表示器と駆動装置の要部断面図である。
【図8】情報表示システムの表示原理の説明図である。
【図9】変形例1に係る情報表示器1Bの要部断面図である。
【図10】変形例2に係る情報表示器1Cを有する情報表示システムの要部断面図である。
【図11】変形例に係る情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。
【図12】変形例に係る情報表示器の平面図である。
【図13】変形例に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Jの要部断面図である。
【図14】変形例に係る情報表示システムの表示原理を説明した情報表示器1Kの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る情報表示器及び情報表示システムの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)情報表示システムの概略構成、(2)情報表示器の概略構成、(3)駆動装置の概略構成、(4)押し当て平面の概略構成、(5)情報表示システムの情報表示原理、(6)変形例、(7)その他の実施形態、(8)作用・効果について説明する。
【0021】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(1)情報表示システムの概略構成
まず、図1から図4に基づいて情報表示システムの概略構成について説明する。図1は、情報表示システムの全体構成を示した図であり、図2は情報表示器1A(1)を示した図である。また、図3は、駆動装置30を示した図であり、図4は、駆動装置30に情報表示器1を載置した状態を示した図である。
【0023】
情報表示システムは、少なくとも1枚の情報表示器1A(1)と、1台の駆動装置30と、押し当て平面62と、弾性体層61と、を備えている。
情報表示器1Aは、面方向に導通する導電膜17を有する第1基板11と、絶縁体材料基板である第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間に配置された表示媒体層13と、接続端子部19と、を備える。表示媒体層13には、第1基板11と第2基板12との間に印加された電界に応じて駆動することで情報を表示する表示媒体16(図5参照)が封入されている。
【0024】
駆動装置30は、TFT付き画素電極が表面に配置されたTFT基板と、接続端子部35と、駆動回路33と、を備える。TFT基板は駆動装置の表面に配置される。
【0025】
情報表示器1Aの接続端子部19は、導電膜17と電気的に接続されている。接続端子部19は、情報表示器1Aの駆動装置30と対向する側に設けられている。図4に示す情報表示器1Aが駆動装置30に載置された状態において、接続端子部19は、駆動装置30の駆動回路33側と電気的に接続される。導電膜17は、接続端子部19を介して駆動装置30の接続端子部35と電気的に接続されるように構成されている。駆動装置30の接続端子部35は、画素電極34に印加する電圧を制御する駆動回路33と電気的に接続されている。
【0026】
なお、駆動装置30の接続端子部35は、情報表示器1Aの接続端子部19と接続可能な位置に設けられていればよく、図3(a)に示すように駆動回路33の上面に設けられていてもよいし、図3(b)に示すように駆動回路33の側面に設けられていてもよい。
【0027】
また、駆動装置30の接続端子部35と情報表示器1Aの接続端子部19とをフレキシブルケーブルやコードで接続するようにしてもよい。この場合の接続端子部35、19はいずれも設ける位置を比較的自由に設計できる。
【0028】
押し当て平面62と、情報表示器1との間には、弾性体層61が配置される。図1に示す構成では、押し当て平面となる押し当て板62と弾性体層61とが一体となった押し当て部材60となっている。図1に示す例では、押し当て板62の全面に弾性体層61を一体に設けた構成としている。弾性体層61は、弾性変形するゴム材によって形成されている。押し当て板62と弾性体層61とが一体になった押し当て部材60は、情報表示器1の第1基板側の面と弾性体層61とが当接するように、情報表示器1と対向配置される。
【0029】
図1(a)に示すように、押し当て部材60、情報表示器1及び駆動装置30は、別々に設けられており、互いに分離可能である。しかし、情報の書き換え等を行う場合には、それぞれを密着させて配置する。具体的には、図1(b)に示すように、情報表示器1の第2基板12側の面を、駆動装置30の画素電極34に対面対向配置させるように、駆動装置30のTFT基板上に情報表示器1を載置する。このように配置することにより、情報表示器1の接続端子部19と駆動装置30の接続端子部35とが電気的に接続されるように構成してある(図4参照)。
【0030】
次いで、押し当て部材60の弾性体層61を、情報表示器1の第1基板11側の面に対向配置させるように、情報表示器1上に押し当て部材60を載置する。そして、押し当て部材60を介して情報表示器1を駆動装置30側に押圧することにより、情報表示器1と駆動装置30のTFT基板とが密着し、画素電極34と第1基板11との距離を均一にすることができる。そして、駆動回路33を作動させることにより、第1基板11と第2基板12の間に形成された電界によって表示媒体16が駆動し、情報表示画面領域に情報を表示したり、情報表示画面領域にすでに表示されている情報を消去したりすることができる。
【0031】
例えば、弾性体層61を設けずに押し当て板62と情報表示器1とが直接接した構成においては、押し当て板62と情報表示器1とを全面に亘って密着させることが難しいことがあり、押圧力を情報表示器1に対して均等に伝達できないことがある。しかし、押し当て板62と情報表示器1との間に弾性体層61を設けることにより、弾性体層61によって押圧力を分散させて、押し当て板62を介して情報表示器1全面に押圧力を伝達させ易くなり、情報表示器1と駆動装置30のTFT基板とを密着させることが可能となる。これにより、導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができ、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にして、表示精度を向上させることが可能となる。
【0032】
(2)情報表示器の概略構成
本実施形態に係る情報表示器1Aの構成について、図2、図4及び図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態に係る情報表示器1Aの要部断面図である。具体的には、2枚の基板(第1基板11又は第2基板12)に対して直交する断面における断面図である。
【0033】
情報表示器1Aは、情報が表示される情報表示画面領域を有する。情報表示画面領域は、第1基板11側からの平面視において、表示媒体16が配置されている領域である。情報表示器1Aは、第1基板11と、第2基板12と、表示媒体層13と、支持部となる隔壁14と、接着層20と、表示媒体16と、を有する。
【0034】
(2−1)情報表示器の基板の構成
第1基板11は、導電膜17を有しており、面方向に導通するように構成されている。第2基板12は、第1基板11と対向して配置されている。図5に示す情報表示器1Aで、第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域が透明な基板である。第2基板12は、絶縁体材料基板であり、面方向に導通しないように構成されている。第1基板11と第2基板12との間には、電界によって駆動する表示媒体16が封入された表示媒体層13が設けられている。
【0035】
図5に示す実施の形態では、第1基板11が観察基板である。具体的には、第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域が透明な基板であり、観察者は、第1基板11側から観察することによって、第1基板11と第2基板12の間の表示媒体16によって表示された情報を視認できる。第1基板11は、少なくとも情報表示画面領域においては、可視光の透過率が高く、かつ耐熱性の良いものによって形成されている。一方、第2基板12は、非観察基板となる。本発明における透明とは、可視光を透過させるものであればよく、半透明も含む概念である。具体的には、可視光の透過率が50%以上あればよい。
【0036】
なお、図5に示す実施の形態1に係る情報表示器1Aは、第1基板11を観察基板として、第2基板12を非観察基板としているが、第2基板12を観察基板として、第1基板11を非観察基板としてもよい。また、第1基板11側から観察する場合と、第2基板12側から観察する場合とでは、丁度、ネガ・ポジの関係となるため、観察基板にあわせて表示媒体の駆動を行う。なお、第1基板11を観察基板とした構成では、情報表示器1Aを駆動装置30に取り付けた状態で、表示媒体の駆動を行って書き換えた情報をそのまま情報表示器1Aを駆動装置30に取り付けた状態で見ることができる。
【0037】
導電膜17は、第1基板11の全面にベタ状に形成されており、電界形成用の電極として機能する。このようにベタ状の導電膜17によって構成することにより、パターニングが不要であり、また駆動用ICやTFTを備えた画素電極を駆動装置30側に搭載して情報表示器側に搭載しない構成とすることで、極めて安価な情報表示器を作製することができる。また、導電膜17の1点で電気的な接続を実行すれば、第1基板11の情報表示画面領域全面と駆動回路側との導通がとれるため、駆動装置30側と情報表示器1A側との導通が容易である。
【0038】
導電膜17は、ベタ状とするほかにもストライプ状にしたり、網目状にしたり、ドット状に形成したりしたものを電気的に連続して接続することができる。第1基板11を観察基板としない場合には、第1基板11全体を導電性材料として構成することができる。なお、この構成においては、第1基板11自体が導電膜17として機能するので、この第1基板11の外側表面に絶縁膜を配置して感電や漏電を防止することが望ましい。
【0039】
本発明では、情報表示器1の導電膜17と、後述する駆動装置30の画素電極34とが対向する電極間に形成された電界によって、表示媒体層13に配置した表示媒体16を情報表示器1Aの2枚の基板間で駆動させる方式をとるため、対向電極の一方となる第1基板11の導電膜17は面方向に導通して共通電極として機能させる必要がある。一方、対向電極対の間に入り込むこととなる第2基板12は、面方向に導通しないようにして、対向電極間に発生させた電界をシールドしてしまうことがないようにする必要がある。
【0040】
第2基板12は、例えば、基板全体を絶縁体で構成したり、絶縁体材料で構成した基板表面に複数のドット状電極をそれぞれが電気的に接続されないように独立して設けて構成したりして、面方向に導通させない構造とすることができる。更に、第2基板12は、面方向に導通しない構成であればよく、その表面に導電膜が部分的に設けられていても、その導電膜が互いに電気的に接続され連続した構成となっていなければ面方向に導通しない構成とすることができる。このような構成によっても、電界をシールドすることがないため、情報の書き換え、言い換えると表示媒体の駆動の妨げとならない。
【0041】
第1基板11と第2基板12との間隔は、表示媒体16が駆動できて、表示コントラストを維持できればよく、2μm〜500μm、好ましくは5μm〜200μmに、表示媒体の種類に合わせて支持部となる隔壁14の高さによって調整される。
【0042】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、第1基板11と第2基板12との間隔は10μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲で調整される。さらに、この場合に、基板間の気体中空間(真空中を含む)における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体としての粒子の移動(駆動)に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0043】
第1基板11と第2基板12の間における外端部近傍には、シール部材10が設けられている(図5参照)。シール部材10によって表示媒体層13の内部に外部から湿分が浸入しないように構成されている。
【0044】
第1基板11の厚さは、特に制限がないが、厚くしすぎると情報表示器を薄型にできないため、25μm〜2000μmの範囲にする。また、第1基板11を観察基板とする場合には、厚くしすぎると、視認性に支障がでる場合があるのでそのような不都合がないように厚さを調整する。また、第1基板11の厚さが25μmより薄いと、情報表示器作製時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0045】
また、第2基板12の厚さはできるだけ薄く形成するのが好ましい。第2基板12の厚さは、25μm〜125μmが好ましく、さらに25μm〜100μmが好適である。第2基板12の厚さを25μm〜125μmの範囲の厚さに構成することで、駆動装置30側の画素電極34と導電膜17との間に印加した電圧で形成させた電界を、表示媒体16全体に効果的に与えることができる。具体的には、情報の書き換え等を行う際には、導電膜17と画素電極34との間に第2基板12が配置された状態で表示媒体16の駆動がなされる。したがって、第2基板12の厚さが厚すぎると、情報表示器1Aの導電膜17と画素電極34とが離れ過ぎてしまい、電極間の電圧を大きくしないと表示媒体16を駆動できる電界を得られない不都合がある。一方、第2基板12の厚さが薄すぎると、情報表示器1Aの作製時のハンドリングが容易でなくなる不都合がある。
【0046】
第1基板11及び第2基板12に用いられる材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂やガラスなどの透明材料製シートや、ガラス繊維で補強したエポキシ樹脂などの不透明材料製シートを絶縁体基板として用いることができる。また、情報表示器の第1基板として導電性基板を採用する場合の導電性基板としては、導電性金属シートやシート基材の表面に金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム等の導電性金属膜をコートした導電性シートなどを用いることができる。
【0047】
導電膜17に用いられる材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン鉛酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(Styrene sulfonate))等の導電性高分子が挙げられる。更に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属や、これらの金属を主成分とする合金を用いることができる。
【0048】
特に、第1基板11を観察基板とする際には、透明導電膜として好適なITO、IZO等の金属酸化物系材料やPEDOT−PSS等の高分子化合物系材料を用いることが望ましい。PEDOT−PSS等の高分子化合物系材料は、透明性を有するとともに可とう性も有するので情報表示器1をフレキシブルにする場合に好適である。
【0049】
ITO、IZO等の金属酸化物系材料は、金属材料に比べて可とう性が小さい。ITO、IZO等の金属酸化物系材料で導電膜を構成する場合には、透明導電膜中での断線防止のため、金属細線やPEDOT−PSS膜と併用することが好ましい。この金属細線の幅は、1μm〜10μmとすれば表示視認性の妨げとならないので好ましい。観察基板の情報表示画面領域外や非観察基板に設ける導電膜は光透過性を考慮する必要がないので電気抵抗が小さく、可とう性にも優れた金属材料が好適に用いられる。また、観察基板の情報表示画面領域外や非観察基板に設ける導電膜の厚さは電気抵抗および生産性、コストの観点から、0.01μm〜10μmに設計される。
【0050】
導電膜17の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(科学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法、金属箔(例えば、圧延銅箔など)をラミネートする方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布して成膜する方法が用いられる。
【0051】
導電膜17の厚さは、導電性や光透過性を鑑みて決定され、0.01μm〜10μm、好ましくは、0.05μm〜5μmの範囲にする。なお、第2基板12が観察基板となる構成においては、導電膜17の光透過性を考慮しなくてもよい。
【0052】
(2−2)表示媒体層の構成
粒子を表示媒体とする表示媒体層13は、第1基板11、第2基板12、接着層20、及び隔壁14によって仕切られ、表示媒体とする粒子を収納するためのセル27を複数有する。各セル27には、複数の粒子からなる表示媒体16が封入されている。表示媒体16は、負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16Wと、正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16Bと、である。黒色表示媒体16Bと白色表示媒体16Wは、互いに反対の帯電極性を呈する構成であり、電界で、すなわち電気的に駆動可能である。第2基板12の外側に配置される駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と、第1基板11の導電膜17との間に電圧を印加して発生させた電界により、表示媒体16を2枚の基板間で駆動させて情報を表示する。具体的には、電界の方向によって、黒色表示媒体16Bと白色表示媒体16Wとが互いに反対の基板側に移動することで白地に黒色で表示したり、黒地に白色で表示したりする。
【0053】
隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間に形成されている。隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、基板間の情報表示画面領域に配置された表示媒体16が偏ることを抑制する機能と、を発揮する。隔壁14を設けることによって、第1基板11と第2基板とが一定の間隔で保持され、第1基板11の導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことができる。導電膜17と画素電極34との距離を一定に保つことにより、導電膜17と画素電極34との間に形成される電界を一定にすることが可能となる。隔壁で仕切られたセル内に表示媒体を収納するように配置することで、情報表示画面領域の面内方向で表意媒体が偏ることが抑制され、情報表示画面領域全面に表示媒体が均一に配置され、均一な表示が可能となる。隔壁14で囲まれたセル内に、表示媒体とする粒子を収納することによって、駆動した粒子が情報表示パネルの面方向にずれて偏在するようになることを抑制できる。
【0054】
また、隔壁14を設けることによって、上面及び下面が第1基板11及び第2基板12で形成され、側面が隔壁14で形成されたセル27が形成される。なお、セル27には、表示媒体16の他に、気体(例えば、空気)が封入されている。なお、セル内の空間は、真空であっても良いし、絶縁液体で満たしてもよい。
【0055】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、気体中空間(真空中を含む)で駆動させる方式とする場合には、2枚の基板間に配置した表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
【0056】
この空隙部分とは、セル内の空間部分であり、対向する2枚の基板に挟まれる部分から、電極、表示媒体の占有部分、隔壁の占有部分、基板間のシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
【0057】
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように基板間に封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿分の浸入を防ぐためにシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0058】
各セルの大きさは、表示媒体とする粒子の平均粒子径が、1μm〜20μm程度の場合、平面視にて長方形であれば、1辺の長さが50μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が望ましい。また、ハニカム(六角形)形状の場合は、向かい合う頂点の距離が100μm〜1000μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度が好ましい。このような構成にすれば、セル内で移動(駆動)を繰り返した粒子が、凝集したり、偏在したりする不都合が発生しにくい。
【0059】
また、セル27を形成するための隔壁14の配置は格子状、ハニカム状、網目状などにすることができる。セルの横断面形状は、四角形、三角形、六角形、階段型八角形等の多角形や、円形、楕円形、レーストラック形等いずれでも良いし、複数の形状を組み合わせても良い。非表示部となる隔壁の占める割合を小さくできる点からは四角形、階段型八角形や六角形が好ましく、表示媒体を構成する粒子を移動(駆動)しやすくできる点からは曲線を有する形状が好ましい。この二つの点から角丸付きの四角形や角丸付きの六角形、角丸付きの階段型八角形が好ましく用いられる。非表示部となる隔壁14の占める割合は、平面視にて情報表示領域の10%程度であり、好ましくは10%以下である。
【0060】
なお、本実施の形態に係る隔壁14は、第1基板11と第2基板との間を一定の間隔で保持する機能と、表示媒体16を配置する基板間の空間を仕切って配置した表示媒体が偏ることを抑制する機能と、を有するが、採用する表示媒体の種類によって、隔壁14は、第1基板11と第2基板12との間を一定の間隔で保持する機能だけを有していればよい場合がある。例えば、表示媒体となる帯電性粒子を絶縁液体とともに封止した構造のマイクロカプセルやコレステリック液晶を表示媒体とする場合がそれにあたる。
【0061】
隔壁14の材料は、レジスト材が好適であり、液状レジスト材やドライフィルムレジスト材が用いられる。ドライフィルムレジスト材の一例として、アルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。これらのレジスト材は露光硬化後に透明となるので好ましく用いられる。
【0062】
上記したレジスト材に顔料を配合せずにフォトリソグラフィーを実行すれば透明な隔壁を得ることができる。また、必要に応じて所望の色の顔料を配合したレジスト材を用いて形成すれば所望の色の隔壁を得ることができる。
【0063】
必要な隔壁をすべて同じレジスト材で形成する場合には、すべての隔壁を同時に形成できるので効率の面でも好ましい。
【0064】
接着層20は、隔壁14上に形成される。接着層20の一面は、隔壁14と接している。一面に対向する接着層20の他面は、2枚の基板(第1基板11と第2基板12)の一方と接している。隔壁14と接着層20を介して第1基板11と第2基板12とが固定される。情報表示器1Aにおいては、接着層20は、第2基板12側に形成されている。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤が用いられる。
【0065】
(2−3)表示媒体の構成
各セルに封入される表示媒体は、例えば、帯電性粒子を含む粒子群によって構成することができる。帯電性粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて荷電制御材剤、着色剤、無機添加物等の粒子構成材料を含ませることができる。以下に、荷電制御材料、着色料、その他添加剤を例示する。
【0066】
荷電制御材料としては、特に制限はないが、負荷電制御剤とすれば例えば、サリチル酸金属錯体、合金属アゾ染体、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ酸化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤とすれば例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0067】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
【0068】
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
【0069】
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0070】
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
【0071】
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0072】
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
【0073】
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
【0074】
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0075】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0076】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0077】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。
【0078】
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の帯電性粒子を作製できる。
【0079】
また、表示媒体を構成する帯電性粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1μm〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0080】
さらに、表示媒体を構成する帯電性粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
【0081】
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の5096がこれより大き<、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)。Spanを5以下の範囲に納めることにより、表示媒体を構成する粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0082】
さらにまた、複数の粒子群を表示媒体として使用する場合には、使用した粒子群の帯電性粒子の内、最大の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)に対する、最小の平均粒子径d(0.5)を示す帯電性粒子のd(0.5)の比をl0以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに電気特性の異なる粒子群が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近い方が容易に移動できるようになるので好適であり、それがこの範囲となる。
【0083】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。ここで、粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern lnstruments Ltd.)測定植を用いて、窒素気流中に粒子群を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
【0084】
各セルに黒色表示媒体16Bとして封入される黒色粒子は、例えば、以下の方法による得ることができる。メチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)60重量部、及び、1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)40重量部(約25mol%)に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部、及び、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパーF600:日本油脂製)5重量部を溶解させた後、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いることによって、平均粒子径9.2μmの正帯電性黒色粒子を得ることができる。
【0085】
また、白色表示媒体16Wとしての白色粒子は、以下の方法で得ることができる。ポリメチルペンテンポリマー(TPX-R18;三井化学社製)100重量部と、着色剤として二酸化チタン(タイペークCR-90:石原産業社製)100重量部と、負帯電の荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)5重量部とを2軸混練機により溶融混練し、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマチック(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS-2:日本ニュ−マチック工業)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR-10:日本ニュ−マチック工業)を用いて溶融球状化することによって、平均粒子径9.5μmの負帯電性の白色粒子を得ることができる。
【0086】
このような帯電性粒子だけで構成した粒子群を表示媒体としたり、この帯電性粒子に微小粒子を付着させた構成の粒子群を表示媒体としたりする。帯電性粒子と微小粒子とのサイズの関係は、帯電性粒子の平均粒子径が1μm〜20μmの範囲であるのに対して、微小粒子の平均粒子径は10nm〜500nmの範囲である。
【0087】
(2−4)散乱層の構成
散乱層18は、観察基板の外側に形成される。図5に示す例では、第1基板11の面方向と直交する方向における外側に形成されている。第1基板11の外側とは、第2基板12側とは反対側をいう。すなわち、第1基板11の観察者に近い側である。散乱層18は、光を散乱するように構成されていればよく、光を散乱すれば散乱方法は問わない。例えば、散乱層18の表面(例えば、観察者側)に凹凸を有することにより、光を散乱しても良い。散乱層18は、散乱層18の屈折率と異なる屈折率を持つ粒子を散乱層18内部に含むことにより、光を散乱しても良い。散乱層18と粒子との屈折率との差による内部散乱により光が散乱される。両方の方法を組み合わせても良いし、別の方法により、散乱層を形成しても良い。
【0088】
(3)駆動装置の概略構成
次いで、駆動装置30について図3及び図6を参照して詳細に説明する。駆動装置30は、TFT基板31を駆動装置基台32上に形成して構成されている。TFT基板31は、TFT回路用基板36上にTFT回路を備えた画素電極34を形成して構成されている。図6は、TFT基板31を示しており、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。なお、説明の便宜上、図6(a)に示す平面図と(b)に示す断面図とは、必ずしも構成を一致させていない。TFT基板31の構成は、図6に示す例に限定されるものではなく、従来、TFT基板として公知の種々の構成を用いることができる。
【0089】
駆動装置30のTFT基板31は、アクティブ・マトリックス方式のTFT回路37と、各TFT回路37に接続した画素電極34を設けて構成されたTFT回路用基板36から形成している。TFT回路37は、マトリックス状に配置された画素電極34に対応して設けられた半導体層38に対し、ゲート電極39とソース電極40とを直交して設けるとともに、ドレイン電極41を設けて構成されている。ドレイン電極41は、各々別々に画素電極34と接続される。TFT回路37のスイッチング機能により、画素電極34に対する電圧の印加および非印加を制御している。
【0090】
画素電極34の表面は、絶縁性材料の膜でコートするのが好ましい。画素電極34が露出していると、導電性の埃等が画素電極間に付着した場合にリークが発生する虞があったり、情報表示器を載せたり取り外したりする際に電極が破損したり、画素電極に通電しているときに手が触れた際に感電したりする不都合がある。
【0091】
(4)押し当て平面の概略構成
次いで、図1、図11を参照して、押し当て平面62について詳細に説明する。押し当て平面62は、情報表示器1の情報表示画面領域2を覆うように配置される。図1では、押し当て平面62は平板部材62であり、図11では、情報表示器1Dの背面に位置する壁面(図示せず)である。
【0092】
押し当て平面62は、板状の部材であったり、壁面や机上面であったりする。本発明の情報表示システムでは、押し当て平面62と情報表示器1Aとの間に弾性体層61が配置される。
【0093】
弾性体層61は、弾性変形可能な材質によって構成されていればよい。弾性体層61の材料としては、ゴム材料やスポンジ構造を有しているゴム材料や樹脂材料が好ましい。弾性体層61の厚さは、材料によって異なるが、1mm〜10mmとする。1mmより薄いと、押圧力を適度に分散させて情報表示器1に対して押圧力を十分に伝達させることができないおそれがあり、10mmより厚いと、携帯性能が低下するおそれがある。
【0094】
その他、弾性体層61を、スプリングばねを均等に一面配置し、一方の平板(平面)を弾性変形可能な樹脂製平板とし、他方の平板(平面)を金属製平板としてこれら2枚の平板で挟んだ構造の押し当て平面62として構成することもできる。
【0095】
押し当て平面62は、情報表示器1の全面を駆動装置30に向けて押圧できるように構成されていればよく、少なくとも情報表示器1と対面対向して配置される面が平面であればよく、多少の凹凸があってもよい。なぜならば、情報表示器との間に配置される弾性体層によって多少の凹凸は吸収されてしまい、押圧力のばらつきを発生させるおそれはないからである。また、押し当て平面62は、板部材のほか机の上面や壁面を押し当て平面62として機能させることができる。したがって、本発明の押し当て平面62は、壁面、床面及び机上面などの平面および平面を有する部材を含むものとする。
【0096】
なお、机や壁面等ではなく、専用の押し当て部材62における材料としては、ステンレス(SUS)などの金属板、硬質プラスチック板、セラミック板などの平板が好ましい。
【0097】
また、押し当て平面62を有する専用の押し当て部材は、重くならないように薄く構成することが望ましいが、押し付けたときに反らないようにするためにはある程度の厚さが要るので、例えば、1mm〜5mmの厚さにする。更に例えば、平面の裏側にハニカム構造の支持体を設けた中空構造の平板とすることにより、薄く形成した場合であっても反りの問題を解消し、かつ薄くすることにより重量を軽くすることができる。
【0098】
また、弾性体層61は、情報表示器1の情報表示領域に対して均等に押圧力を伝達できる構成が望ましく、好適には、情報表示器と重なる部分において均一であることが望ましい。例えば、密度が均一になるように形成してもよいし、一定の領域において規則的な構造となるように形成して、均等に押圧力を伝達するように構成してもよい。また、弾性体層は、パンチング加工等によって全面に亘って規則的な穴や凹みが形成されていてもよい。
【0099】
また、押し当て平面62に弾性体層61を設けて、押し当て平面62と弾性体層61とを一体にした構成部材60とすることもでき、この構成を図1に示しているが、この構成に限られず、弾性体層61と情報表示器Aとを一体化して設け、押し当て平面62を別体に構成してもよい。なお、弾性体層61と情報表示器1とを一体化する構成においては、第1基板11が観察基板の場合には、弾性体層61を透明な材質によって構成する。また、第2基板12が観察基板の場合には、弾性体層61を有色の材料によって構成してもよい。
【0100】
また、図1に示した押し当て平面62と弾性体層61とを一体にした構成部材60と駆動装置30とを、蝶番構造で連結し、部材60と駆動装置30との間に情報表示器1を挟んで情報表示を書き換えるようにすることもできる。この構成によれば、駆動装置30の上に情報表示器1を載せた後、部材60を蝶番部を支点として閉じるだけで情報表示器が駆動装置側に押し当てられるようにできる。
【0101】
(5)情報表示システムの情報表示原理
次いで、このように構成された情報表示器1と駆動装置30とを用いた情報表示システムの情報表示原理を説明する。図7は、情報表示器1を駆動装置30上に配置した状態を示した拡大断面図であり、図8は、情報表示器1Aと画素電極34との関係の一例を示した模式断面図であり、情報表示器に情報を表示する方法を説明するための図である。
【0102】
この情報表示システムの特徴は、駆動装置30のTFT基板31の表面と、情報表示器1Aの第2基板12とを対面対向配置させて情報を書き換えて表示する点にある。なお、第2基板12とTFT基板31とは、対面対向配置させればよく、接していても離れていてもよいが、接していることが好ましい。また、できるだけ全面が接することが好ましい。更に、第2基板12とTFT基板31とは、必ずしも密着していなくてもよいが、もちろん密着させてもよい。第2基板12とTFT基板31とがあまりにも離れていると、表示媒体16を駆動させるために大きな電界が必要となる不具合があるので、できる限り近付けることが望ましい。
【0103】
情報を書き換え表示する際の一例としては、図7に示すように、第2基板12と駆動装置30のTFT基板とを対面対向させて配置する。そして、TFT基板31の全てのTFT回路を全て接続状態にして、TFT基板の全ての画素電極34と情報表示器1Aの導電膜17との間に電圧を印加して2枚の基板間に形成した電界によって、基板間に配置されているすべての表示媒体16を駆動させる。このようにして、情報表示器1の情報表示画面領域全体を黒色表示又は白色表示とする消去工程を行う。図8(a)は、観察基板側にすべての白色表示媒体16Wを移動させて消去工程を修了した状態である。情報表示画面領域には白べた表示がなされている。
【0104】
次に、表示させたい情報に応じて、駆動装置30のTFT基板31の各TFT回路を接続状態又は非接続状態にして、駆動装置30のTFT基板31の画素電極34と情報表示器1Aの導電膜17との間に印加する電圧を制御する。このようにして、図8(b)に示すように、画素電極34と導電膜17との間に形成した電界により表示媒体を駆動させて、情報表示器1の第1基板11又は第2基板12に情報を表示することができる。図8(b)では、第1基板11を観察側として、情報表示器1の第1基板11に表示した情報を見ている。
【0105】
その後、駆動装置30のTFT基板31から情報表示器1を取り外し、駆動回路側との接続を切っても、情報表示器1に表示された情報は、そのメモリー性により、そのまま消えることなく維持されるので、第2基板を観察基板として構成した場合であっても、情報表示器1の観察基板となる第2基板側から観察することによって、情報表示器1の第2基板12に表示された情報を見ることができる。
【0106】
(6)変形例
次いで、変形例に係る情報表示器について説明する。なお、以下の変形例の説明においては、実施の形態1における情報表示器1Aとの相違点について主に説明する。
【0107】
図9は、変形例1に係る情報表示器1Bの断面図である。変形例1に係る情報表示器1Bは、第2基板12が観察基板となる。第1基板11は、導電性を有する。第1基板11の外側には、弾性体層61が形成されている。この構成によれば、情報表示器1Bと弾性体層61を一体化することができる。
【0108】
また、弾性体層61が絶縁体である構成においては、弾性体層61が絶縁膜として機能するように構成してもよい。すなわち、弾性体層61は、絶縁膜を兼ねて構成されていてもよいし、弾性体層61が絶縁膜を兼ねていない構成においては、弾性体層61の外側に絶縁膜を設けてもよい。
【0109】
絶縁膜における絶縁性は、表面抵抗率で、1.0×108Ω/sq〜1.0×1016Ω/sqである。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると十分な絶縁性が得られない。表面抵抗率が、1.0×108Ω/sq未満であると、情報表示器1を駆動装置30に装着して表示画像を書換える際に感電や漏電するおそれがある。また、絶縁膜の膜厚は、100nm〜5μmとする。
【0110】
なお、絶縁膜の材料としては、特に制限されないが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、絶縁性膜材を有色とする場合には、着色剤の色を発現しやすい、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。これらの樹脂に荷電制御剤を添加して表面抵抗率を調整することもできる。膜の形成方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコーター法、刷毛塗り法等いずれの方法を用いてもよい。また、膜を形成する代わりに、上記絶縁性材料のフィルムを貼り合せてもよい。
【0111】
図10は、変形例2に係る情報表示器1Cを有する情報表示システムを示した図である。情報表示器1Cの第1基板側の外側には、弾性体層61が配置されている。情報表示システムは、机100の上面が押し当て平面62として機能している。弾性体層61が平滑な机上面に配置され、机100上配置された弾性体層61上に情報表示器1Cが載置されている。また、駆動装置30は、情報表示器の第2基板12側の面と画素電極34とが対面対向配置されるように、情報表示器1C上に載置されている。
【0112】
図10に示す状態において、駆動装置30を情報表示器1Cに向けて押圧すると、情報表示器1Cが机側に押圧される。このとき、机100と情報表示器1Cとの間に弾性体層61が配置されているため、弾性体層61によって押圧力が分散し、情報表示器1Cと駆動装置30のTFT基板とが全面に亘って密着する。
【0113】
このように机面や壁面等、情報表示器と接する平面を押し当て平面62としても用いてもよい。なお、押し当て平面として機能させる部材としては、略水平に配置された面を有する机等に限られず、略垂直に配置された面を有する壁等を用いてもよい。押し当て部材として機能させる部材の配置角度にはなんら制限はなく、平面と情報表示器1の情報表示画面領域全面とが対面対向すればよい。
【0114】
(7)その他の実施形態
本実施の形態に係る情報表示器は、非観察基板と隔壁14との間に接着層20を配置しているが、観察基板と隔壁14との間に接着層20を設けてもよい。また、本実施の形態に係る情報表示器は、第1基板11又は第2基板12と隔壁14との間に接着層を設けているが、本発明に係る情報表示器は接着層を設けなくてもよい。更に、実施の形態に係る情報表示器は散乱層18を備えているが、本発明に係る情報表示器は散乱層を備えていなくてもよい。
【0115】
また、本発明に係る情報表示器は、面方向に導通しない第2基板12の外側に、帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqであることが望ましい。帯電防止層はとしては、ポリチオフェン、例えば、PEDOT−PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(styrene sulfonate))の様な透明な導電性高分子を塗布した後の透明な膜や、ITOやSnO2などの透明導電性酸化物の粒子を樹脂バインダーに分散して構成した透明膜などがある。なお、第2基板12が観察基板となる場合には、透明な帯電防止層を設ける。第2基板12が観察側とならない場合には、帯電防止層は透明でなくてもよい。
【0116】
表面抵抗率が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである帯電防止層としての膜は、情報表示器の第2基板の全てを被覆したり、断続させて面方向の導通性をAより少なくしたりするように配置する。表面抵抗率が1.0×105Ω/sqより小さいと、言い換えれば導電性が高いと、第2基板全体が絶縁性基板でなくなってしまう不都合がある。また、表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sqを超えると、帯電防止機能を得られない不都合がある。
【0117】
なお、表面抵抗率は、二重リング法と呼ばれる方式で測定した。二重リング法では、二重リング電極(内極φ16mm、外極内径φ30mm、外極外径φ40mm)を用い、5N負荷、印加電圧10Vで測定した。測定器としては、シシド静電気製「Megaresta Model HT-301」表面抵抗計を用いた。
【0118】
また、本実施の形態におけるTFT基板31は、画素電極34が露出するように構成されているが、画素電極34の上に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を保護層として設けることができる。この保護層は、絶縁膜とするため1.0×105Ω/sq以上の表面抵抗率を有する必要がある。
【0119】
また、本実施の形態に係る情報表示器と駆動装置のTFT基板は、略同じ面積を備えており、駆動装置のTFT基板と情報表示器の情報表示領域とは対応して配置される。しかし、駆動装置のTFT基板に対して情報表示器の面積が大きくなるように構成してもよい。次いで、図11に基づいて変形例3に係る情報表示器1Dを有する情報表示システムについて説明する。
【0120】
図11は、情報表示システムの使用態様を模式的に示した図である。情報表示器1Dの情報表示画面領域2は、駆動装置30のTFT基板31の面積に対して約4倍の面積を有する。情報表示画面領域2を4分割した表示区画2a〜2dは、駆動装置30のTFT基板31と略同じ面積である。駆動装置30は、情報表示器1Dと電気的に接続するためのケーブル42を備えており、情報表示器1Dには、ケーブル42が接続されるコネクタ25が設けられている。ケーブル42とコネクタ25とを接続することによって、駆動装置30の駆動回路と情報表示器1Dの導電膜17とが電気的に接続される。
【0121】
ここでは図示していないが、情報表示器1Dの背面側と壁面との間に弾性体層61が配置される。弾性体層61は壁面と一体になっていてもよいし、情報表示器1Dと一体になっていてもよい。
【0122】
このように構成された情報表示システムにおいて、情報の書き換えを行う際は、例えば、(b)に示すように、情報表示画面領域2の一つの表示区画2aに対して駆動装置30のTFT基板を対面対向配置させ、表示区画2aに情報を表示する。次いで、(c)に示すように、既に情報を表示した表示区画2aと異なる表示区画2bに対して駆動装置30のTFT基板を対面対向配置させて、表示区画2bに情報を表示する。このように、書き換えを繰り返し実行することにより、情報表示画面領域2全体に情報を表示することができる。
【0123】
また、本発明に係る情報表示器は、種々の構成を採用することができる。図12は、変形例4〜7に係る情報表示器の平面図である。図12(a)は、変形例4に係る情報表示器1Eを示している。情報表示器1Eの情報表示画面領域2は、4つの表示区画2a〜2dが、各々所定の間隔を空けて配置されている。このように、表示区画2a〜2dを隣接させず、間隔をあけて配置してもよい。
【0124】
また、図12(b)は、変形例5に係る情報表示器1Fを示している。情報表示器1Fの情報表示画面領域2は、駆動装置30のTFT基板31よりも大きな面積を有しているが、TFT基板31の面積に相当する表示区画2aは、情報表示画面領域2を4分割した領域よりも小さい。このように構成された情報表示器1Fは、1回の書き換え作業において情報を書き換えることができる表示区画の領域を、図12(a)と同程度にして、かつ情報表示画面領域2を4分割した領域よりも小さい。したがって、複数回繰り返して情報の書き換えを実行する際に、TFT基板が対面対向する表示区画をオーバーラップさせることなく書き換えを実行することができる。例えば、隣接する表示区画毎に書き換えを行う場合には、駆動装置30と表示区画とを正確に位置決めしないと、1回目にTFT基板を配置して書換えた情報の画像の上に、2回目にTFT基板を配置して書換えた情報の画像が重なって、1回面の画像が消去された上に2回目の画像が表示されるため、画像欠陥(情報画像が表示されない部分)が生じる可能性がある。しかし、TFT基板を配置する領域をオーバーラップさせないことにより、表示の抜け(画像欠陥)を防止することができる。
【0125】
図12(c)は、変形例6に係る情報表示器1Gを示している。情報表示器1Dは、駆動装置30によって検出可能なアライメントマーク24を備えている。例えば、駆動装置30に検出手段としてのCCDカメラ(図示せず)を設け、このCCDカメラによって情報表示器1Aのアライメントマーク24の位置情報を検出するように構成する。そして、位置情報に基づいて表示区画と画素電極34との相対位置情報を取得し、この相対位置情報に応じて画素電極34を駆動制御することができる。このような構成によれば、画素電極34と表示区画との位置ずれによる表示精度の低下を抑制することができる。
【0126】
具体的には、駆動装置30は、表示区画毎に画素電極34を駆動させて表示媒体16の駆動制御を実行する。しかし、情報表示器1Gと駆動装置30とは分離可能であり、情報の書き換えのタイミング等において駆動装置30と情報表示器1Gとを組み合わせるため、駆動装置30と情報表示器1Gとの相対位置を常に一定に維持することは難しい。画素電極34と表示区画との位置がずれている場合には、表示媒体16を正確に駆動させることができず、表示精度が低下するおそれがある。しかし、第2基板側の面とTFT基板側の面とが対面対向した状態における情報表示器の位置情報を検出し、この状態における画素電極と表示区画との相対位置を取得することにより、表示精度を高めることができる。
【0127】
また、情報表示器の駆動装置との位置決めを行うための位置決め部材26を設けてもよい。図12(d)は、変形例7に係る情報表示器1Hを示している。情報表示器1Hは、各表示区画2a〜2dの外側に配置された位置決め部材26を備えている。位置決め部材26は、駆動装置30の隣接する2辺と当接するように形成されている。各位置決め部材と当接するように駆動装置30を配置して表示制御を繰り返すことにより、駆動装置30と表示区画とを正確に位置決めすることができ、情報表示画面領域2全体に所望の情報を表示することができる。
【0128】
なお、情報表示器の情報表示画面領域2が駆動装置30のTFT基板31よりも大きく形成された情報表示システムにおいては、常に一定の領域(例えば情報表示画面領域の全面)に情報を表示するように構成してもよいし、情報を書き換える毎に異なる領域に情報を表示するように構成してもよい。
【0129】
更に、駆動装置30の画素電極34と対向する絶縁性の第2基板内面に、ドット電極を設けてもよい。ドット電極を設けることにより、情報を表示させた後の表示媒体を絶縁性の第2基板側に良好に保持でき、表示させた情報を良好に維持することができる。なお、ドット電極は、情報表示器の平面視においてドット状に配置し、面方向に導通しない構成とする。面方向に導通しないことにより、表示書き換えを行う際の電界に妨げとなることはない。
【0130】
表示媒体16は、白色表示媒体16W及び黒色表示媒体16Bに限られず、他色の表示媒体16を用いてもよい。また、表示媒体は、電界で駆動し、電源を切断状態にしても表示した情報が保持できる表示メモリー性があるものであればよい。
【0131】
帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させるもののほかに、他の構成を例示することができる。例えば、図13に示す変形例8に係る情報表示器1Jのように、帯電性粒子を含んだ粒子群を絶縁液体51中で駆動させるもの(マイクロカプセル型の電気泳動方式が知られている)であってもよい。図13に示す例では、表示媒体層に、帯電性粒子を含んだ粒子群(正帯電性黒色粒子を含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体16B及び負帯電性白色粒子を含んだ粒子群として構成した白色表示媒体16W)を透明な絶縁液体51と共に封入したマイクロカプセル52を配置している。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、2枚の基板間に電界を付与して表示媒体16を駆動させることができる。(b)は、配置された画素電極34に対応して表示媒体が移動して情報が表示されている状態を示している。
【0132】
また、図14に示す変形例9に係る情報表示器1Kのように、帯電粒子を含んだ粒子群として構成した1種類の表示媒体(帯電性白色粒子16W)を青色絶縁液体53(青色表示媒体)とともに隔壁で形成したセル内に封入した情報表示器を例示することができる。この情報表示器においても、導電膜17と画素電極34との間に電圧を印加することにより、2枚の基板間に電界を付与して表示媒体16Wを移動させることができる。(b)は、表示媒体16Wが移動して、白色表示媒体16Wと、青色表示媒体(青色絶縁液体53)とで情報が表示された状態を示している。
【0133】
更に、半分ずつ2色かつ異なる帯電極性に構成した球状粒子やマイクロカプセル内で回転駆動させるもの(ツイストボール方式)やコレステリック液晶を駆動させるものが、表示メモリー性を有する表示媒体として挙げられる。このうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を気体中で駆動させる方式が、駆動応答速度が速く、表示メモリー性にも優れており好ましく採用される。
【0134】
(8)作用・効果
本発明の情報表示システムは、薄型で作製が簡易な情報表示器とともに、薄型でコンパクトな駆動装置を提供する。情報表示器を駆動装置のTFT基板に対面対向させるとともに、駆動装置30と情報表示器1とを電気的に接続した後、駆動装置30を作動させることにより情報表示器1に表示したい情報を表示することができる。そして、情報表示器1に情報を表示した状態で、駆動装置30から情報表示器1を取り外して持ち歩いたり、壁面などに設置された情報表示器1に情報を表示した後、情報表示器1から駆動装置30を取り外して持ち歩くような使い方も可能にするものである。
【0135】
また、情報表示器の第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層61が配置されるため、弾性体層61を介して情報表示器を駆動装置30側に押圧することができる。例えば、机等の平面と情報表示器1との間に弾性体層61を配置して、かつ駆動装置30と情報表示器1とを対面対向させた状態で、駆動装置30を情報表示器1に向けて押圧すると、情報表示器の第1基板11と押し当て平面62との間に弾性体層61が配置されているため、押圧力を一点に集中させずに分散させて情報表示器にかけることができる。よって、駆動装置30と情報表示器1の情報表示画面領域との密着性を向上させ、情報表示器の第1基板11と駆動装置30のTFT基板との距離の均一性を高めるとができる。このように情報表示器の第1基板11と駆動装置30の画素電極34との距離の均一性を高めることにより、情報表示器の第1基板11と駆動装置30の画素電極34との間に形成される電界の均一性を向上させ、表示媒体16の駆動態様を一様にして、表示の斑が発生することを抑制できる。
【0136】
更に、本発明の情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と、薄型で軽量な情報表示器1とで構成することができるため、情報表示システム全体を携帯することが可能となる。したがって、情報表示器を、リサイクルメモ用紙、リサイクルノート、リサイクル宣伝カード、会議の配布資料等の用途にリサイクルペーパーとして好適に使用することができる。
【0137】
また、本発明の情報表示システムは、薄型でコンパクトな駆動装置と、薄型の情報表示器1とで構成することができるため、情報表示器1を壁面などに設置し、携帯できる駆動装置30で表示情報を書換えるようなことが可能となる。
【0138】
また、弾性体層は、情報表示画面領域に対応する部分を含む情報表示器の第1基板11の全面を覆うように配置されている。よって、少なくとも情報表示画面領域に対応する部分において、情報表示器と駆動装置のTFT基板とを密着させることができる。なお、情報表示画面領域と対応する部分とは、情報表示器の面方向と直交する方向において情報表示画面領域と重なる部分である。
【0139】
更に、弾性体層は、情報表示画面領域に対応する部分において均一に配置されている。弾性体層を情報表示画面領域に対応するように均一に配置することにより、弾性体層を介して情報表示器の情報表示画面領域に対して均等に押圧力を伝達することできる。
【0140】
本発明において弾性体層よりも外側には、押し当て平面(押し当て平板のような部材を含む)が設けられており、この平面(平板)は情報表示画面領域を含む情報表示器1全面を覆うように配置されている。このような平面(平板)を押し当て平面として用いることにより、情報表示基板側に向けて容易に押圧力を付与し、駆動装置30のTFT基板と情報表示器1とを密着させることができる。
【0141】
情報表示器の第1基板11の導電膜17と、駆動装置30の画素電極34とで構成された対向電極対の間に、第2基板12が配置された状態で表示媒体16が駆動されるので、第2基板12の厚さは薄い方が望ましい。具体的な第2基板12の厚さは、25μm〜125μmが好ましく、さらに25μm〜100μmが好適である。第2基板12の厚さが薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなったり、情報表示器作製時のハンドリングが容易でなくなったりする。125μmより厚いと、第1基板11の導電膜17と、画素電極34とが離れすぎてしまい、電極間の電圧を大きくしないと表示媒体16を駆動できる電界が得られない不都合がある。
【0142】
また、情報表示器の第2基板の外側には、表面抵抗が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである膜が形成されている。帯電防止層を構成する膜を設けることにより、情報を表示させた後、情報表示器に電気的外乱が加わった場合であっても、その外乱の影響をなくし、表示させた情報を好適に維持することができる。
【0143】
情報表示器の第1基板は、絶縁体材料基板と、この絶縁体材料基板の内側に配置された導電膜と、を含んでおり、導電膜は、少なくとも情報表示画面領域と対応する部分に形成されている。このように構成された第1基板を有する情報表示器と駆動装置とを用いて、導電膜と画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動し、情報を表示することができる。
【0144】
また、情報表示器の変形例に係る第1基板は、導電性材料基板と、この導電性材料基板の外側に配置された絶縁膜と、を含んで構成されている。このように構成された第1基板を有する情報表示器と駆動装置とを用いて、導電膜(導電性材料基板自身)と画素電極との間に形成された電界によって表示媒体を駆動し、情報を表示することができる。第1基板11すなわち導電性材料基板の外側表面に絶縁膜を配置することにより、感電や漏電を防止することができる。
【0145】
駆動装置のTFT基板の画素電極の表面に表面抵抗率1.0×105Ω/sq以上の膜を設けることができる。このような保護層は、無くてもよいが、情報表示器を付け替える時などに、TFT基板の画素電極34を機械的に傷つけてしまうことを防いだり、万が一、TFT基板の画素電極34を傷つけてしまっても断線につながることを抑制したりすることができるので、保護層は設けることが望ましい。また、情報表示器を付け替える時に、導電性の異物などを挟んでしまった場合に、保護層がないとTFTの画素電極34間が電気的にショートしてしまい、表示に影響を与える可能性が考えられる。しかし、保護層を設けることにより、画素電極34間のショートの発生を抑制することができる。
【0146】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0147】
1,1A〜1K…情報表示器、 11…第1基板、 12…第2基板、 13…表示媒体層、 14…隔壁、 16…表示媒体、 16B…黒色表示媒体、 16W…白色表示媒体、 17…導電膜、 18…散乱層、 19…接続端子部、 20…接着層、 24…アライメントマーク、 25…コネクタ、 26…位置決め部、 27・・・セル、 30…駆動装置、 31…TFT基板、 32…駆動装置基台、 33…駆動回路、 34…画素電極、 35…接続端子部、 36…TFT用の基板、 37…TFT回路、 38…半導体層、 39…ゲート電極、 40…ソース電極、 41…ドレイン電極、 42…ケーブル、 51…絶縁液体、 52…マイクロカプセル 、60…押し当て部材、 61…弾性体層(弾性体層、弾性部材)、 62…押し当て平面(平板)、 100・・・机
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備える少なくとも1枚の情報表示器と、画素電極が配置されたTFT基板を有する駆動装置と、を備える情報表示システムであって、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で、前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を移動させて前記情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、
前記情報表示器の前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性部材が配置され、該弾性部材の外側には、該弾性部材を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されている、情報表示システム。
【請求項2】
前記弾性体層は、前記情報表示器の前記情報表示画面領域に対応する部分に配置されている請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記弾性体層は、前記情報表示器の前記情報表示画面領域に対応する部分において均一に設けられている、請求項1又は請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記弾性体層よりも外側には、該弾性体層を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されており、
前記押し当て平面は、前記情報表示器の少なくとも前記情報表示領域に対応する部分に配置されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示システム。
【請求項5】
少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が移動されて前記情報表示画面領域に情報を表示する情報表示器であって、
前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が設けられている、情報表示器。
【請求項6】
前記第2基板側の外側には、表面抵抗が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである膜が形成されている、請求項5に記載の情報表示器。
【請求項7】
前記第1基板は、絶縁体材料基板と、該絶縁体材料基板の内側に配置された導電膜と、を含んでおり、
前記導電膜は、少なくとも前記情報表示領域と対応する部分に形成されている、請求項5または請求項6に記載の情報表示器。
【請求項8】
前記第1基板は、導電性材料基板と、該導電性材料基板の外側に配置された絶縁膜と、を含んで構成されている、請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示器。
【請求項9】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報表示システムを構成する駆動装置であって、
駆動装置が備えるTFT基板の画素電極の表面に保護膜が配置された駆動装置。
【請求項1】
少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備える少なくとも1枚の情報表示器と、画素電極が配置されたTFT基板を有する駆動装置と、を備える情報表示システムであって、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
前記情報表示器の前記第2基板側の面と前記駆動装置のTFT基板側の面とを対向させた状態で、前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に電界を形成することによって、前記表示媒体を移動させて前記情報表示画面領域に情報を表示するように構成されており、
前記情報表示器の前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性部材が配置され、該弾性部材の外側には、該弾性部材を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されている、情報表示システム。
【請求項2】
前記弾性体層は、前記情報表示器の前記情報表示画面領域に対応する部分に配置されている請求項1に記載の情報表示システム。
【請求項3】
前記弾性体層は、前記情報表示器の前記情報表示画面領域に対応する部分において均一に設けられている、請求項1又は請求項2に記載の情報表示システム。
【請求項4】
前記弾性体層よりも外側には、該弾性体層を該情報表示器側に向けて押圧する押し当て平面が配置されており、
前記押し当て平面は、前記情報表示器の少なくとも前記情報表示領域に対応する部分に配置されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示システム。
【請求項5】
少なくとも一方の情報表示画面領域が透明な2枚の基板と、該2枚の基板の間に配置され電界で駆動する表示媒体と、を備え、
前記2枚の基板は、面方向に導通する導電膜を有する第1基板と、該第1基板と対向し、かつ面方向に導通しない第2基板と、であり、
画素電極が配置されたTFT基板を備える駆動装置を用いて前記第1基板の導電膜と前記画素電極との間に形成させた電界によって、前記表示媒体が移動されて前記情報表示画面領域に情報を表示する情報表示器であって、
前記第1基板側の外側には、弾性変形する弾性体層が設けられている、情報表示器。
【請求項6】
前記第2基板側の外側には、表面抵抗が1.0×105Ω/sq〜1.0×1012Ω/sqである膜が形成されている、請求項5に記載の情報表示器。
【請求項7】
前記第1基板は、絶縁体材料基板と、該絶縁体材料基板の内側に配置された導電膜と、を含んでおり、
前記導電膜は、少なくとも前記情報表示領域と対応する部分に形成されている、請求項5または請求項6に記載の情報表示器。
【請求項8】
前記第1基板は、導電性材料基板と、該導電性材料基板の外側に配置された絶縁膜と、を含んで構成されている、請求項5から請求項7のいずれかに記載の情報表示器。
【請求項9】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報表示システムを構成する駆動装置であって、
駆動装置が備えるTFT基板の画素電極の表面に保護膜が配置された駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−113260(P2012−113260A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264429(P2010−264429)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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