説明

情報表示装置および方法

【課題】記憶された情報を効果的に表示できるようにする。
【解決手段】ICカード101の電力生成部123は、アンテナ121で受信された、リーダライタ102のアンテナ221から輻射された電磁波によりアンテナ121において励起された交流磁界を整流、安定化し、電力供給部125に出力する。太陽電池部124は、受光部で受光された太陽光などの光により、光電変換で得られた電力を、電力供給部125に出力する。太陽電池部124から電力が出力されている場合、表示切替部146がデータメモリ145に記憶されているデータを読出し、読み出されたデータに対応する情報を、表示部147に表示させる。本発明は、非接触ICカードに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置および方法に関し、特に、記憶された情報を効果的に表示できるようにする情報表示装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触型ICカードやRFIDなどの普及が目覚しい。特に、非接触ICカードは、電車の乗車券として用いられたり、小額の買い物などにおいてプリペイドカードとして用いられるなど、その利用形態が多様化してきている。
【0003】
非接触ICカードは、通常、コイル状のアンテナとコンデンサにより構成されるLC回路を有する構成とされ、LC回路が近傍に配置されたリーダライタから輻射される所定の周波数の電磁波と共振するようになされている。そして、アンテナにおいて励起された交流磁界をASK復調により整流し、それを安定化し、非接触ICカードの各部に直流電源として供給するようになされている。
【0004】
また、非接触ICカードを乗車券などとして利用する場合、非接触ICカードに交通機関の利用情報を送信することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、非接触ICカードに表示機能をもたせて、非接触ICカードに記憶されている情報を表示させることも提案されている。
【特許文献1】特開平9−81804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非接触ICカードには、通常、リーダライタから輻射される電磁波により電力が供給されるため、非接触ICカードに表示部を設けても、リーダライタから離れた位置では、情報を表示させることができない。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、記憶された情報を効果的に表示できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、ユーザにより携帯され、表示部を有する情報表示装置であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置との通信を行う通信手段と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とを備え、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させる情報表示装置である。
【0008】
ユーザにより携帯され、表示部を有する情報表示装置であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置との通信を行う通信手段と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とを備え、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させる情報表示装置である。
【0009】
前記情報処理装置は、リーダライタであり、非接触ICカードとして構成されるようにすることができる。
【0010】
前記表示部は、電子ペーパーで構成されるようにすることができる。
【0011】
前記リーダライタが自動改札機に組み込まれ、前記自動改札機を通過するための乗車券として用いられるようにすることができる。
【0012】
前記乗車券であって、定期券として用いられるようにすることができる。
【0013】
前記リーダライタが自動改札機、または列車の車内で用いられる端末に組み込まれ、前記自動改札機の通過、または前記列車の車内で用いられる端末による検札を受けるための指定席券として用いられるようにすることができる。
【0014】
前記リーダライタが入退場ゲート、または座席に組み込まれ、前記入退場ゲートの通過、または前記座席に着席するためのチケットとして用いられるようにすることができる。
【0015】
プリペイドカードとして用いられ、前記記憶手段によりチャージされたプリペイド残高が記憶されるようにすることができる。
【0016】
前記プリペイド残高は、前記表示部において、他の情報とは異なる表示方式で表示されるようにすることができる。
【0017】
本発明の一側面は、ユーザにより携帯され、表示部を有する情報表示装置であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置との通信を行う通信手段と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とを備える情報表示装置の情報表示方法において、前記第1の電力発生手段または前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けたか否かを判定し、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させるステップを含む情報表示方法である。
【0018】
本発明の一側面においては、表示すべき情報に対応するデータが記憶され、記憶されているデータが読み出されて、前記データに対応する情報が前記表示部に表示され、記憶されているデータを用いる処理が制御され、情報処理装置との通信が行われる。また、前記情報処理装置から発信される電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とが設けられ、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記情報処理装置との通信が行われ、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記読み出されたデータに対応する情報が前記表示部に表示される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、記憶された情報を効果的に表示できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0021】
本発明の一側面の情報表示装置は、ユーザにより携帯され、表示部(例えば、図1の表示部147)を有する情報表示装置(例えば、図1のICカード101)であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段(例えば、図1のデータメモリ145)と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段(例えば、図1の表示切替部146)と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段(例えば、図1のCPU144)と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置(例えば、図1のリーダライタ102)との通信を行う通信手段(例えば、図1の送受信部141)と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段(例えば、図1の電力生成部123)と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段(例えば、図1の太陽電池部124)とを備え、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させる。
【0022】
この情報表示装置は、前記プリペイド残高が、前記表示部において、他の情報とは異なる表示方式(例えば、バー表示)で表示されるようにすることができる。
【0023】
本発明の一側面の情報表示方法は、ユーザにより携帯され、表示部(例えば、図1の表示部147)を有する情報表示装置(例えば、図1のICカード101)であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段(例えば、図1のデータメモリ145)と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段(例えば、図1の表示切替部146)と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段(例えば、図1のCPU144)と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置(例えば、図1のリーダライタ102)との通信を行う通信手段(例えば、図1の送受信部141)と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段(例えば、図1の電力生成部123)と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段(例えば、図1の太陽電池部124)とを備える情報表示装置の情報表示方法において、前記第1の電力発生手段または前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けたか否かを判定し(例えば、図2のステップS101またはS102の処理)、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い(例えば、図2のステップS105の処理)、前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させる(例えば、図2のステップS103およびS104の処理)ステップを含む。
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明を適用した通信システム100の構成例を示すブロック図である。同図において、ICカード101は、例えば、非接触ICカードとして構成され、リーダライタ102との間で無線通信を行うことが可能となるように構成されている。
【0026】
ICカード101は、例えば、ループ(コイル)状のアンテナ121により、近傍に配置されたリーダライタ102から輻射される所定の周波数の電磁波を受信するようになされている。
【0027】
また、ICカード101おいては、リーダライタとの間で行われる各種の処理の実行を制御し、処理に伴うデータの記憶を制御する制御部122に、電力供給部125から電源電力が供給されるようになされている。
【0028】
電力生成部123は、例えば、アンテナ121と図示せぬコンデンサにより構成されるLC回路が受信された電磁波と共振し、アンテナ121において励起された交流磁界を整流し、それを電圧レギュレータなどで安定化し、直流電源電力として電力供給部125に出力する。
【0029】
太陽電池部124は、図示せぬ受光部で受光された太陽光や、他の光源から発せられる光により、光電変換で電源電力を得ることができるようになされており、得られた電力を、電力供給部125に出力する。
【0030】
そして、電力供給部125が、電力生成部123または太陽電池部124から出力される電源電力を、制御部122に供給する。また、電力供給部125は、電力生成部123、または太陽電池部124から電源電力が出力されているか否かを表す情報を、必要に応じて制御部122に出力する。
【0031】
アンテナ121を介して受信された電磁波は、制御部122の送受信部141を介して変調/復調部142に供給される。変調復調部142は、例えば、アンテナ121を介して受信した変調波(ASK変調波)を包絡線検波して復調し、復調後のデータをBPSK(Binary Phase Shift Keying)し、CPU144に出力する。
【0032】
また、所定の情報をリーダライタ102に送信する場合、送受信部141は、変調復調部142により、CPU144から供給されるデータをASK変調し、その変調成分を、アンテナ121を介してリーダライタ102に送信する。
【0033】
CPU144は、ROM143に格納されている制御プログラムなどを実行し、ICカード101の全体の動作を制御する。例えば、CPU144は、リーダライタ102から輻射されている電磁波がアンテナ121において受信されたとき、それに応じて、ICカード101に設定されているカード識別番号等を含む情報をリーダライタ102に通知したり、リーダライタからの要求に応じて、トランザクション処理に必要となる情報をリーダライタ102に供給したりする。
【0034】
データメモリ145は、CPU144による処理の実行に伴って生成されるデータ、リーダライタ102から送信されるデータなどを記憶し、CPU144は、データメモリ145へのデータの書き込み(消去を含む)または読み出しを制御する。
【0035】
表示切替部146は、CPU144を介してデータメモリ145からデータを読出し、読み出したデータを表示部147に表示させる。
【0036】
表示部147は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイとして構成され、表示切替部146から供給される制御信号に基づいて画像を表示する。
【0037】
また、表示部147は、電子ペーパーにより構成されるようにしてもよい。このようにすることで、ICカード101を、より薄く小型に構成することが可能となる。
【0038】
リーダライタ102のアンテナ220は、上述したように、近傍のICカード101に対して所定の周波数の電磁波を輻射するとともに、ICカード101のアンテナ121から送信される電磁波を受信して送受信部221に供給する。
【0039】
送受信部221は、CPU223から出力されたデータが変調/復調部222を介して変調された信号を、アンテナ220を介してICカード101に送信する。また、送受信部221は、アンテナ220を介して取得した信号を変調/復調部222に供給し、変調/復調部222がその信号を復調して、CPU223にデータとして供給する。
【0040】
CPU223は、ROM224に格納されている制御プログラムなどを実行し、リーダライタ102の全体の動作を制御する。例えば、CPU223は、ICカード101から送信された電磁波がアンテナ220において受信されたとき、それに応じて、トランザクション処理などを実行し、必要に応じて処理に関する情報をICカード101に送信する。
【0041】
データメモリ225は、CPU223による処理の実行に伴って生成されるデータ、ICカード101から送信されるデータなどを記憶し、CPU223は、データメモリ225へのデータの書き込み(消去を含む)または読み出しを制御する。
【0042】
外部制御部226は、リーダライタ102に接続される外部機器227の動作を、CPU223からの指令に基づいて制御する。
【0043】
外部機器227は、リーダライタ102の制御に基づいて動作するように構成された機器であり、例えば、ICカード101が電車の乗車券として用いられる場合、外部機器227は、自動改札機として構成される。そして、リーダライタ102が自動改札機に組み込まれ、ICカード101に記憶されている情報に基づいて、例えば、自動改札機の開閉の動作を制御する。その他、リーダライタ102は、各種のゲート、売店のレジスタなどの端末など、ICカード101の用途に応じて各種の機器に組み込まれることが可能となるように構成されている。
【0044】
次に、図2のフローチャートを参照してICカード101の処理(動作)について説明する。
【0045】
ステップS101において、電力供給部125は、例えば、電力生成部123による電力の供給があったか否かを判定することで、リーダライタ102からの通信があったか否かを判定する。ステップS101において、リーダライタ102からの通信がなかったと判定された場合、処理は、ステップS102に進む。
【0046】
ステップS102において、電力供給部125は、太陽電池部124による電力の供給があったか否かを判定し、太陽電池部124による電力供給がなかったと判定された場合、処理は、ステップS101に戻る。ステップS102において、太陽電池部124による電力供給があったと判定された場合、処理は、ステップS103に進む。
【0047】
ステップS103において、表示切替部146は、CPU144を介してデータメモリ145から表示すべきデータを読み出す。
【0048】
ステップS104において、表示切替部146は、ステップS103の処理で読み出したデータを、表示部147に表示させる。
【0049】
ステップS104の処理の後、処理は、ステップS101に戻る。
【0050】
一方、ステップS101において、リーダライタ102からの通信があったと判定された場合、処理は、ステップS105に進み、カード種別対応処理が実行される。なお、カード種別対応処理の詳細については後述する。
【0051】
ステップS106において、CPU144は、カード種別対応処理の実行に伴うリセットがなされたか否かを判定し、リセットがなされたと判定されるまで待機する。ステップS106において、リセットがなされたと判定された場合、処理は、ステップS101に戻る。
【0052】
このように、リーダライタ102からの通信がなく(電力生成部123から電源電力が出力されておらず)、かつ太陽電池部124から電源電力が出力されていると判定された場合のみデータの表示が行われることになる。電力生成部123は、上述したように、リーダライタ102に近接されたとき電力を発生するので、例えば、リーダライタから離れた場所では電力を供給できない。また、電力生成部123は、アンテナ121において励起された交流磁界を整流して電力を発生するものなので、これにより供給される電力は微弱なものであって、リーダライタ102との通信などの処理に供されるべきものである。
【0053】
本発明においては、電力生成部123から電源電力が出力されておらず、かつ太陽電池部124から電源電力が出力されている場合のみ、表示部147に情報が表示されるので、リーダライタ102との通信などの処理を妨げることなく、表示部147に、データメモリ145からのデータに対応する所定の情報を表示させることが可能となる。太陽電池部124は、受光した光を光電変換することで電力を発生するので、明るい場所でなければ表示部147に情報を表示させることはできないが、そもそもユーザが表示部147に表示されている情報を確認する場合、明るい場所で確認するものと考えられるので、太陽電池部124が電力を発生できないときは、情報を表示できないとしても、ユーザにとっての利便性はなんら損なわれることはない。
【0054】
また、ステップS105の処理により更新されたデータがデータメモリ145から読み出され、表示部147に表示されるので、ユーザに、常に適切な情報を提示することが可能となる。
【0055】
なお、この例では、ステップS101において、リーダライタ102からの通信があったか否かを判定するようにしているが、上述したように、電力供給部125が、電力生成部123による電力の供給があったか否かの判定が行われるようにしてもよい。同様に、ステップS106の処理においても、リセットされたか否かの判定と同様の意味で、電力供給部からの電力の供給が停止された否かを判定するようにしてもよい。すなわち、ステップS101と、S106の処理は、例えば、CPU144が他の処理の実行中であっても、独立して実行可能である。
【0056】
従って、実際には、ステップS102乃至S104の処理の途中であっても、ICカード101がリーダライタ102に近接されて、アンテナ121を介して電力の供給を受けた場合、現に実行中のステップS102乃至S104の処理が、いわば強制的に終了され、ステップS105の処理の実行が開始されることになる。
【0057】
ステップS105においては、後述するようにカード種別対応処理が実行される。この処理は、リーダライタ102との通信に基づいて、ICカード101に記憶されるデータの書込み等を行う処理であるが、ICカード101の利用形態(カード種別)に応じてそれぞれ異なった処理となる。
【0058】
最初にICカード101が電車の乗車券として用いられる場合の例について説明する。ICカード101が電車の乗車券として用いられる場合、図2のステップS105では、図3に示されるカード種別対応処理1が実行される。なお、ICカード101が電車の乗車券として用いられる場合、リーダライタ102は、例えば、自動改札機、または駅構内の売店に設置された端末などに組み込まれていることになる。
【0059】
ここで、図3のフローチャートを参照して、カード種別対応処理1の詳細について説明する。
【0060】
ステップS201において、CPU144は、リーダライタ102との通信が可能か否かを判定し、リーダライタ102との通信が可能と判定されるまで待機する。ステップS201において、リーダライタ102との通信が可能と判定された場合、処理は、ステップS202に進む。
【0061】
ステップS202において、CPU144は、リーダライタ102との通信を行う。これにより、リーダライタ102からの要求に応じてトランザクション処理などが実行されることになる。
【0062】
ステップS203において、CPU144は、ステップS202におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理の種別を判定する。いまの場合、ICカード101は、電車の乗車券として用いられるので、処理の種別としては、改札入場、改札退場、またはプリペイドカードの3種類(種別)の処理があるものとする。
【0063】
ここで、改札入場は、例えば、ICカード101を所持したユーザが自動改札機を通過して駅(ホーム)に入場するときに実行される処理であり、改札退場は、例えば、ICカード101を所持したユーザが自動改札機を通過して駅(ホーム)から退場するときに実行される処理である。また、プリペイドカードは、ICカード101をプリペイドカードとして利用し、駅構内の売店等で小額の買い物などをするときに実行される処理である。
【0064】
ステップS203において、処理種別が改札入場であると判定された場合、処理は、ステップS204に進む。
【0065】
ステップS204において、CPU144は、残高が足りているか否かを判定する。ここで、残高は、例えば、ユーザが専用の機器などに、所定の金額を投入することによりICカード101にチャージされるプリペイド残高であり、電車の運賃、または駅構内の売店等での小額の買い物などの代金は、当該プリペイド残高が減額されることにより決済されるものとする。
【0066】
ステップS204において、残高が足りていると判定された場合、処理は、ステップS205に進む。ステップS205において、CPU144は、データメモリ145に、入場駅コード、現在の日時、更新後の残高、履歴情報などの情報を書き込む。
【0067】
ここで、入場駅コードは、駅名を特定するための情報と、その駅から入場したことを表す情報とにより構成されるコードとされる。また、改札入場に伴い、必要最低限の金額が徴収されるので、その金額が残高から減額され、更新後の残高の情報として書き込まれる。履歴情報は、通過した自動改札機の情報など必要に応じて書き込まれる所定の情報とされる。
【0068】
図4は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「入:新宿」と表示されている。これは、上述したステップS205の処理で書き込まれた入場駅コードに基づいて、「新宿駅」から入場したことが特定されて表示された情報である。
【0069】
また、表示部147には、「残高:\12,345」と表示されている。これは、上述したステップS205の処理で書き込まれた更新後の残高に基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、12,345円であることが特定されて表示された情報である。
【0070】
また、表示部147には、「06/06/14 10:12」と表示されている。これは、上述したステップS205の処理で書き込まれた日時の情報に基づいて、西暦2006年6月14日10時12分に処理が実行された(すなわち、入場した)ことが特定されて表示された情報である。
【0071】
一方、ステップS204において、残高が足りていないと判定された場合、処理は、ステップS210に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0072】
ステップS203において、処理種別が改札退場であると判定された場合、処理は、ステップS206に進む。
【0073】
ステップS206において、CPU144は、残高が足りているか否かを判定する。
【0074】
ステップS206において、残高が足りていると判定された場合、処理は、ステップS207に進む。ステップS207において、CPU144は、データメモリ145に、退場駅コード、現在の日時、更新後の残高、履歴情報などの情報を書き込む。
【0075】
ここで、退場駅コードは、駅名を特定するための情報と、その駅で退場したことを表す情報とにより構成されるコードとされる。また、改札退場に伴い、改札入場のときに減額された残高と、実際の運賃との差額がさらに徴収されるので、その金額が残高から減額され、更新後の残高の情報として書き込まれる。
【0076】
図5は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「出:五反田」と表示されている。これは、上述したステップS207の処理で書き込まれた退場駅コードに基づいて、「五反田駅」で退場したことが特定されて表示された情報である。
【0077】
また、表示部147には、「残高:\10,000」と表示されている。これは、上述したステップS207の処理で書き込まれた更新後の残高に基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、10,000円であることが特定されて表示された情報である。
【0078】
また、表示部147には、「06/06/14 10:27」と表示されている。これは、上述したステップS207の処理で書き込まれた日時の情報に基づいて、西暦2006年6月14日10時27分に処理が実行された(すなわち、退場した)ことが特定されて表示された情報である。
【0079】
一方、ステップS206において、残高が足りていないと判定された場合、処理は、ステップS210に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0080】
ステップS203において、処理種別がプリペイド(カード)であると判定された場合、処理は、ステップS208に進む。
【0081】
ステップS208において、CPU144は、買い物の代金を支払うにあたり、残高が足りているか否かを判定する。
【0082】
ステップS208において、残高が足りていると判定された場合、処理は、ステップS209に進む。ステップS209において、CPU144は、データメモリ145に、更新後の残高、履歴情報などの情報を書き込む。
【0083】
例えば、改札入場(ステップS204の処理)後であって、改札退場(ステップS206の処理)前に駅構内の売店などで買い物をした場合、買い物の代金分だけ残高が減額されて書き込まれて更新されることになるが、入場駅コードと、入場した日時の情報は更新されない。
【0084】
図6は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「入:新宿」と表示されている。これは、上述したステップS205処理で書き込まれた入場駅コードに基づいて、「新宿駅」から入場したことが特定されて表示された情報である。
【0085】
また、表示部147には、「残高:\10,000」と表示されている。これは、上述したステップS209の処理で書き込まれた更新後の残高に基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、10,000円であることが特定されて表示された情報である。
【0086】
また、表示部147には、「06/06/14 10:12」と表示されている。これは、上述したステップS205の処理で書き込まれた日時の情報に基づいて、西暦2006年6月14日10時12分に処理が実行された(すなわち、入場した)ことが特定されて表示された情報である。
【0087】
一方、ステップS208において、残高が足りていないと判定された場合、処理は、ステップS211に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0088】
ステップS205、S207、S209、S210、またはS211の処理の後、処理は、ステップS212に進み、ICカード101がリセットされる。
【0089】
このようにして、乗車券として用いられるICカード101において改札入場、改札退場、またはプリペイドの処理が実行され、処理結果に伴って記憶されたデータに基づく情報が表示部147に表示される。
【0090】
次に、ICカード101が電車の定期券として用いられる場合の例について説明する。ICカード101が定期券として用いられる場合、図2のステップS105では、図7に示されるカード種別対応処理2が実行される。なお、ICカード101が定期券として用いられる場合、リーダライタ102は、やはり自動改札機、または駅構内の売店に設置された端末などに組み込まれていることになる。
【0091】
ここで、図7のフローチャートを参照して、カード種別対応処理2の詳細について説明する。
【0092】
ステップS241とS242の処理は、それぞれ図3のステップS201とS202の処理と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0093】
ステップS243において、CPU144は、ステップS242におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理の種別を判定する。いまの場合、ICカード101は、定期券として用いられるので、処理の種別としては、やはり、改札入場、改札退場、またはプリペイドカードの3種類(種別)の処理があるものとする。
【0094】
ステップS243において、処理種別が改札入場であると判定された場合、処理は、ステップS244に進む。
【0095】
ステップS244において、CPU144は、入場可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS242の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、その定期券(ICカード101)での乗車可能区間、有効期限などをチェックし、入場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS244では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて入場可能か否かが判定される。
【0096】
ステップS244において、入場可能と判定された場合、処理は、ステップS245に進む。ステップS245において、CPU144は、データメモリ145に、入場駅コード、現在の日時、残日数、運行情報、履歴情報などの情報を書き込む。
【0097】
ここで、入場駅コードは、上述したように駅名を特定するための情報と、その駅から入場したことを表す情報とにより構成されるコードとされる。また、残日数は、当該定期券の有効期限となる日までの残日数とされる。運行情報は、当該定期券で利用する路線などの運行状況に関する情報であって、例えば、現在どのくらいの遅れがでているかなどを表す情報とされる。なお、運行情報は、例えば、リーダライタ102が鉄道会社の運行監視システムなどに用いられるサーバなどと通信して取得し、ステップS242の処理により、ICカード101に送信するものとする。
【0098】
図8は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「入:新宿」と表示されている。これは、上述したステップS245の処理で書き込まれた入場駅コードに基づいて、「新宿駅」から入場したことが特定されて表示された情報である。
【0099】
また、表示部147には、「残高:\12,345」と表示されている。これは、データメモリ145から読み出されたデータに基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、12,345円であることが特定されて表示された情報である。
【0100】
さらに、表示部147には、「残日数:10日」と表示されている。これは、上述したステップS245の処理で書き込まれた残日数の情報に基づいて、定期券の有効期限までの残日数が10日であることが特定されて表示された情報である。
【0101】
また、表示部147には、「×××線:遅延」と表示されている。これは、上述したステップS245の処理で書き込まれた運行情報に基づいて、「×××線」で遅れ(遅延)がでていることが特定されて表示された情報である。
【0102】
一方、ステップS244において、入場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS250に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0103】
なお、その定期券(ICカード101)での乗車可能区間以外の駅からの入場の場合、ステップS250の処理でエラーとしてもよいが、エラーとはせずに、図3のステップS204の処理を実行させ、改札入場を許可するようにしてもよい。
【0104】
ステップS243において、処理種別が改札退場であると判定された場合、処理は、ステップS246に進む。
【0105】
ステップS246において、CPU144は、退場可能であるか否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS242の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、その定期券(ICカード101)での乗車可能区間、有効期限などをチェックし、退場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS246では、リーダライタ102から送信される退場可否を表す情報に基づいて退場可能か否かが判定される。
【0106】
ステップS246において、退場可能と判定された場合、処理は、ステップS247に進む。ステップS247において、CPU144は、データメモリ145に、退場駅コード、現在の日時、残日数、乗り換え情報、履歴情報などの情報を書き込む。
【0107】
ここで、退場駅コードは、上述したように駅名を特定するための情報と、その駅で退場したことを表す情報とにより構成されるコードとされる。また、残日数は、当該定期券の有効期限となる日までの残日数とされる。乗り換え情報は、例えば、当該定期券で利用する路線が複数ある場合などにおいて、乗り換える路線に関する情報とされる。
【0108】
図9は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「出:五反田」と表示されている。これは、上述したステップS247の処理で書き込まれた退場駅コードに基づいて、「五反田駅」で退場したことが特定されて表示された情報である。
【0109】
また、表示部147には、「残高:\10,000」と表示されている。これは、データメモリ145から読み出されたデータに基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、10,000円であることが特定されて表示された情報である。
【0110】
さらに、表示部147には、「残日数:10日」と表示されている。これは、上述したステップS247の処理で書き込まれた残日数の情報に基づいて、定期券の有効期限までの残日数が10日であることが特定されて表示された情報である。
【0111】
また、表示部147には、「○○○線乗換」と表示されている。これは、上述したステップS247の処理で書き込まれた乗換情報に基づいて、この後「○○○線」に乗り換えることが特定されて表示された情報である。
【0112】
一方、ステップS246において、退場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS250に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0113】
なお、その定期券(ICカード101)での乗車可能区間以外の駅からの退場の場合、ステップS250の処理でエラーとしてもよいが、エラーとはせずに、図3のステップS206の処理を実行させ、改札退場を許可するようにしてもよい。
【0114】
ステップS243において、処理種別がプリペイド(カード)であると判定された場合、処理は、ステップS248に進む。
【0115】
ステップS248において、CPU144は、買い物の代金を支払うにあたり、残高が足りているか否かを判定する。
【0116】
ステップS248において、残高が足りていると判定された場合、処理は、ステップS249に進む。ステップS249において、CPU144は、データメモリ145に、更新後の残高、残日数、履歴情報、運行情報などの情報を書き込む。
【0117】
例えば、改札入場(ステップS244の処理)後であって、改札退場(ステップS246の処理)前に駅構内の売店などで買い物をした場合、買い物の代金分だけ残高が減額されて書き込まれて更新されることになるが、入場駅コードは更新されない。
【0118】
図10は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「入:新宿」と表示されている。これは、上述したステップS245の処理で書き込まれた入場駅コードに基づいて、「新宿駅」から入場したことが特定されて表示された情報である。
【0119】
また、表示部147には、「残高:\10,000」と表示されている。これは、上述したステップS249の処理で書き込まれた更新後の残高に基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、10,000円であることが特定されて表示された情報である。
【0120】
さらに、表示部147には、「残日数:10日」と表示されている。これは、上述したステップS245の処理で書き込まれた残日数の情報に基づいて、定期券の有効期限までの残日数が10日であることが特定されて表示された情報である。
【0121】
また、表示部147には、「×××線:復旧」と表示されている。これは、上述したステップS249の処理で書き込まれた運行情報に基づいて、「×××線」の遅れ(遅延)が復旧したことが特定されて表示された情報である。
【0122】
一方、ステップS248において、残高は足りていないと判定された場合、処理は、ステップS251に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0123】
ステップS245、S247、S249、S250、またはS251の処理の後、処理は、ステップS252に進み、ICカード101がリセットされる。
【0124】
このようにして、定期券として用いられるICカード101において改札入場、改札退場、またはプリペイドの処理が実行され、処理結果に伴って記憶されたデータに基づく情報が表示部147に表示される。
【0125】
次に、ICカード101が電車の乗車券とともに利用される指定席券であって、特急電車などで利用される指定席券として用いられる場合の例について説明する。ここで、指定席券は、例えば、特急列車などで指定席を利用する乗客であるユーザが、予め専用の券売機などに代金を投入することで購入し、購入された指定席券は、ICカード101にデータとして記憶されるものとする。ICカード101が指定席券として用いられる場合、図2のステップS105では、図11に示されるカード種別対応処理3が実行される。
【0126】
ここで、図11のフローチャートを参照して、カード種別対応処理3の詳細について説明する。
【0127】
ステップS301とS302の処理は、それぞれ図3のステップS201とS202の処理と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0128】
ステップS303において、CPU144は、ステップS302におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理が発券の処理であるか否かを判定する。ここで、発券は、指定席券の購入に伴って実行される処理とされる。ステップS303において、発券の処理であると判定された場合、処理は、ステップS304に進む。なお、いまの場合、リーダライタ102は、専用の券売機などに組み込まれていることになる。
【0129】
ステップS304において、CPU144は、データメモリ145に、乗車区間、列車番号、発車日時、座席番号、ホーム番号、更新後残高、運行情報などの情報を書き込む。
【0130】
ここで、乗車区間は、その指定席券により列車に乗車できる区間を駅名などで表した情報とされ、列車番号は、その指定席券により乗車できる列車を特定する番号などとされ、発車日時は、その列車が発車する予定の日時である。また、座席番号は、その指定席券により予約された座席を特定する番号などとされ、ホーム番号は、その指定席券により乗車できる列車が、乗車駅において到着する駅のホームを特定する番号などとされる。さらに、更新後残高は、指定席券の代金がICカード101にチャージされているプリペイド残高から減額されて更新された残高であり、運行情報は、その指定席券により乗車できる列車の運行状況などに関する情報である。
【0131】
なお、上述したホーム番号に替えて、列車番号(例えば、○号車など)の情報が書き込まれるようにしてもよい。
【0132】
図12は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「東京―大阪」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれた乗車区間の情報に基づいて、その指定席券により列車に乗車できる区間が「東京駅」から「大阪駅」までであることが特定されて表示された情報である。
【0133】
また、表示部147には、「10:00−16:00」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれた発車日時の情報に基づいて、その指定席券により乗車できる列車が「東京駅」を10時に発車(出発)し、「大阪駅」に16時に到着することが特定されて表示された情報である。なお、到着時刻は、例えば、発車時刻と乗車区間に基づいて、CPU144が自動的に算出するものとする。
【0134】
さらに、表示部147には、「7番線 A17座席」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれたホーム番号の情報に基づいて、その指定席券により乗車できる列車が、乗車駅において到着する駅のホームが7番線であり、また、ステップS304の処理で書き込まれた座席番号の情報に基づいて、その指定席券により予約された座席がA17座席であることが特定されて表示された情報である。
【0135】
また、表示部147には、「通常運行中」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれた運行情報に基づいて、その指定席券により乗車できる列車が通常通り運行していることが特定されて表示された情報である。
【0136】
ステップS304の処理の後、または、ステップS303において、発券の処理ではないと判定された場合、処理は、ステップS305に進む。
【0137】
ステップS305において、CPU144は、ステップS302におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理の種別を判定する。いまの場合、ICカード101は、指定席券として用いられるので、処理の種別としては、改札入場、改札退場、または検札の3種類(種別)の処理があるものとする。ここでは、リーダライタ102は、自動改札機、または列車の車内で用いられる検札用の端末などに組み込まれていることになる。
【0138】
ステップS305において、処理種別が改札入場であると判定された場合、処理は、ステップS306に進む。
【0139】
ステップS306において、CPU144は、入場可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS302の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、その指定席券(ICカード101)での乗車可能区間などをチェックし、入場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS306では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて入場可能か否かが判定される。
【0140】
ステップS306において、入場可能と判定された場合、処理は、ステップS307に進む。ステップS307において、CPU144は、データメモリ145に、入場フラグON、運行情報などの情報を書き込む。
【0141】
ここで、入場フラグは、その指定席券を利用して入場がなされたことを表すフラグとされる。また、運行情報は、ステップS307の処理が行われた時点での最新の運行情報とされる。
【0142】
図13は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「東京―大阪」、「10:00−16:00」、「7番線 A17座席」と表示されている。すなわち、入場した時点では、上述したステップS304の処理で書き込まれた情報は更新されておらず、そのまま表示されている。
【0143】
また、表示部147には、「通常運行中」と表示されている。これは、上述したステップS307の処理で書き込まれた最新の運行情報に基づいて、その指定席券により乗車できる列車が通常通り運行していることが特定されて表示された情報である。
【0144】
図14は、ステップS307の処理が終了したときの表示部147の別の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「残高:\12,345」と表示されている。これは、データメモリ145から読み出されたデータに基づいて、現在ICカードにチャージされている残高が、12,345円であることが特定されて表示された情報である。
【0145】
また、表示部147には、「通常運行中」と表示されている。これは、上述したステップS307の処理で書き込まれた最新の運行情報に基づいて、その指定席券により乗車できる列車が通常通り運行していることが特定されて表示された情報である。
【0146】
ステップS307の処理が終了したとき、表示部147において、例えば、図13に示されるような表示画面と、図14に示されるような表示画面とが交互に連続して表示されるようにしてもよい。
【0147】
一方、ステップS306において、入場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS312に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0148】
ステップS305において、処理種別が改札退場であると判定された場合、処理は、ステップS308に進む。
【0149】
ステップS308において、CPU144は、退場可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS302の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、その指定席券(ICカード101)での乗車可能区間、上述した入場フラグ及び後述する検札フラグがONとされているかなどをチェックし、退場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS308では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて退場可能か否かが判定される。
【0150】
ステップS308において、退場可能と判定された場合、処理は、ステップS309に進む。ステップS309において、CPU144は、データメモリ145に、その指定席券を使用済扱とするための情報(例えば、フラグ)などとともに、履歴情報、乗換情報などの情報を書き込む。
【0151】
ここで、乗換情報は、例えば、その指定券の乗車区間の到着駅近郊の路線の情報などとされる。
【0152】
図15は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「残高:\12,345」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれた情報が更新されず、そのまま表示されている。
【0153】
また、表示部147には、「乗換案内:xxxxxx・・・」と表示されている。これは、上述したステップS309の処理で書き込まれた乗換情報に基づいて、その指定席券の乗車区間の到着駅近郊の路線の情報が特定されて表示された情報である。
【0154】
なお、図15に示されるような表示画面は、あまり長い間表示しても意味が無いので、一時的(所定の時間だけ)表示され、その後は、表示部147に、単に「残高:\12,345」と表示されるようにしてもよい。
【0155】
一方、ステップS308において、退場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS312に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0156】
ステップS305において、処理種別が検札であると判定された場合、処理は、ステップS310に進む。
【0157】
ステップS310において、CPU144は、正当に検札された(検札OK)か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS302の処理で、ICカード101に記憶された情報が、駅員の検札用端末などとして構成されるリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、その指定席券(ICカード101)での乗車可能区間、座席番号、入場フラグがONであるかなどをチェックし、検札OKか否かを表す情報がICカード101に送信される。ステップS310では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて入場可能か否かが判定される。
【0158】
あるいはまた、リーダライタ102が、例えば、列車内の座席に組み込まれ、ICカード101を所持するユーザが、座席に着席すると、自動的に検札の処理が実行されるようにしてもよい。
【0159】
ステップS310において、検札OKと判定された場合、処理は、ステップS311に進む。ステップS311において、CPU144は、データメモリ145に、検札フラグON、到着駅情報などの情報を書き込む。
【0160】
ここで、検札フラグは、その指定席券について検札がなされたことを表すフラグとされる。また、到着駅情報は、例えば、ステップS307の処理が行われた時点での到着駅周辺の天気の情報などとされる。
【0161】
図16は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「大阪行き」と表示され、また「16:00着予定」と表示されている。すなわち、上述したステップS304の処理で書き込まれた情報は更新されていないが、入場した後(入場フラグがONとなった後)の時点では、出発駅と発車時刻は表示されず、到着駅と到着予定の時刻のみが表示されている。
【0162】
また、表示部147には、「大阪:晴れ」と表示されている。これは、上述したステップS311の処理で書き込まれた到着駅情報に基づいて、その指定席券の乗車区間の到着駅(大阪駅)の周辺の天気が晴れであることが特定されて表示された情報である。
【0163】
図17は、ステップS311の処理が終了したときの表示部147の別の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「7番線 A17座席」と表示され、また、「残高:\12,345」と表示されている。これは、上述したステップS304の処理で書き込まれたデータがデータメモリ145から読み出されて表示された情報である。
【0164】
ステップS311の処理が終了したとき、表示部147において、例えば、図16に示されるような表示画面と、図17に示されるような表示画面とが交互に連続して表示されるようにしてもよい。
【0165】
一方、ステップS310において、検札OKではないと判定された場合、処理は、ステップS313に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0166】
ステップS307、S309、S311、S312、またはS313の処理の後、処理は、ステップS314に進み、ICカード101がリセットされる。
【0167】
このようにして、指定席券として用いられるICカード101において改札入場、改札退場、または検札の処理が実行され、処理結果に伴って記憶されたデータに基づく情報が表示部147に表示される。
【0168】
次に、ICカード101が劇場などで公演される演劇やコンサートなどのチケットとして用いられる場合の例について説明する。ここで、チケットは、例えば、演劇やコンサートなどの観客であるユーザが、予めインターネットに接続されたPCなどを操作してICカード101のプリペイド残高からチケットの代金分を支払うことで購入し、購入されたチケットは、ICカード101にデータとして記憶されるものとする。ICカード101がチケットとして用いられる場合、図2のステップS105では、図18に示されるカード種別対応処理4が実行される。
【0169】
ここで、図18のフローチャートを参照して、カード種別対応処理4の詳細について説明する。
【0170】
ステップS341とS342の処理は、それぞれ図3のステップS201とS202の処理と同様の処理なので詳細な説明は省略する。
【0171】
ステップS343において、CPU144は、ステップS302におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理が発券の処理であるか否かを判定する。ここで、発券は、チケットの購入に伴って実行される処理とされる。ステップS343において、発券の処理であると判定された場合、処理は、ステップS344に進む。なお、いまの場合、リーダライタ102は、インターネットに接続されたPCなどに組み込まれていることになる。
【0172】
ステップS344において、CPU144は、データメモリ145に、名称コード、開演日時、上演場所、座席番号、更新後残高、案内情報などの情報を書き込む。
【0173】
ここで、名称コードは、例えば、そのチケットにより観劇できる演劇やコンサートなどの名称を特定するためのコードとされ、開演日時、上演場所、および座席番号は、それぞれ、そのチケットにより観劇できる演劇やコンサートなどの開演日時、上演場所、およびそのチケットにより予約された座席の番号とされる。なお、必要に応じて上演終了時刻の情報も記憶されるようにしてもよい。また、更新後残高は、チケットの代金がICカード101にチャージされているプリペイド残高から減額されて更新された残高であり、案内情報は、例えば、そのチケットにより観劇できる演劇やコンサートなどに関連する情報とされる。
【0174】
図19は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「XYZ劇」と表示されている。これは、上述したステップS344の処理で書き込まれた名称コードに基づいて、そのチケットにより観劇できる演劇の名称が「XYZ劇」であることが特定されて表示された情報である。
【0175】
また、表示部147には、「06/10/01 18:00」と表示されている。これは、上述したステップS344の処理で書き込まれた開演日時の情報に基づいて、そのチケットにより観劇できる演劇の開演日時が西暦2006年10月1日18時であることが特定されて表示された情報である。
【0176】
さらに、表示部147には、「ABCホール」と表示されている。これは、上述したステップS344の処理で書き込まれた上演場所の情報に基づいて、そのチケットにより観劇できる演劇の上演場所が、ABCホールであることが特定されて表示された情報である。
【0177】
また、表示部147には、「A17座席」と表示されている。これは、上述したステップS344の処理で書き込まれた座席番号の情報に基づいて、そのチケットにより予約された座席の番号が「A17」であることが特定されて表示された情報である。
【0178】
ステップS344の処理の後、または、ステップS343において、発券の処理ではないと判定された場合、処理は、ステップS345に進む。
【0179】
ステップS345において、CPU144は、ステップS342におけるリーダライタ102との通信に基づいて実行されるトランザクションなどの処理の種別を判定する。いまの場合、ICカード101は、チケットとして用いられるので、処理の種別としては、入場、着席、または退場の3種類(種別)の処理があるものとする。ここでは、リーダライタ102は、入場ゲート、退場ゲート、または座席に組み込まれていることになる。
【0180】
ここで、入場は、例えば、ICカード101を所持するユーザが、上演場所の入口などに設置されたリーダライタ102が組み込まれたゲートを通過するときに行われる処理とされる。また、着席は、例えば、ICカード101を所持するユーザが、上演場所の内部の所定の座席であって、リーダライタ102が組み込まれた座席に着席するときに行われる処理とされる。さらに、退場は、例えば、ICカード101を所持するユーザが、上演場所の出口などに設置されたリーダライタ102が組み込まれたゲートを通過するときに行われる処理とされる。
【0181】
ステップS345において、処理種別が入場であると判定された場合、処理は、ステップS346に進む。
【0182】
ステップS346において、CPU144は、入場可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS302の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、そのチケット(ICカード101)で観劇できる演劇の名称コードなどをチェックし、入場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS346では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて入場可能か否かが判定される。
【0183】
ステップS346において、入場可能と判定された場合、処理は、ステップS347に進む。ステップS347において、CPU144は、データメモリ145に、入場フラグON、座席イメージなどの情報を書き込む。
【0184】
ここで、入場フラグは、そのチケットを利用して入場がなされたことを表すフラグとされる。また、座席イメージは、そのチケットにより予約された座席の位置をユーザに知らせるための画像などのデータとされる。
【0185】
図20は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「A17座席」と表示されており、また、「18:00開演」と表示されている。これらは、上述したステップS344の処理で書き込まれた情報が更新されず、そのまま表示されたものである。
【0186】
また、表示部147に、上述したステップS347の処理で書き込まれた座席イメージのデータに基づく画像としての座席イメージが表示されている。なお、リーダライタ102とICカード101との間での画像データの送受信が困難である場合、または、ICカード101の表示部147に座席イメージの画像を表示することが困難な場合などは、座席イメージに代えて、例えば、「前から○列目、左から×番目」など座席の位置を表す文字情報が表示されるようにしてもよい。
【0187】
一方、ステップS346において、入場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS352に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0188】
ステップS345において、処理種別が着席であると判定された場合、処理は、ステップS348に進む。
【0189】
ステップS348において、CPU144は、着席可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS342の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、そのチケット(ICカード101)で予約された座席番号が当該座席の座席番号と一致するかなどをチェックし、着席可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS348では、リーダライタ102から送信される入場可否を表す情報に基づいて入場可能か否かが判定される。
【0190】
ステップS348において、退場可能と判定された場合、処理は、ステップS349に進む。ステップS349において、CPU144は、データメモリ145に、着席フラグONなどの情報を書き込む。ここで、着席フラグは、そのチケットで予約された座席に、ユーザが着席したことを表すフラグとされる。
【0191】
図21は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「XYZ劇」と表示されており、また「21:00終了」と表示されており、さらに「A17座席」と表示されている。すなわち、上述したステップS344の処理で書き込まれた情報は更新されていないが、入場した後(入場フラグがONとなった後)の時点では、開演時刻と上演場所は表示されず、演劇の名称と、終了時刻と、座席番号とが表示されている。
【0192】
また、表示部147には、「次回予定:xxx」と表示されている。これは、上述したステップS344の処理で書き込まれた案内情報に基づいて、その上演場所(いまの場合、ABCホール)で、次回公演される演劇の名称などが特定されて表示された情報である。
【0193】
一方、ステップS348において、着席可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS352に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0194】
ステップS345において、処理種別が退場であると判定された場合、処理は、ステップS350に進む。
【0195】
ステップS350において、CPU144は、退場可能か否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS342の処理で、ICカード101に記憶された情報がリーダライタ102に送信され、リーダライタ102において、そのチケット(ICカード101)の上述した入場フラグ及び着席フラグがONとされているかなどをチェックし、退場可否を表す情報がICカード101に送信される。ステップS350では、リーダライタ102から送信される退場可否を表す情報に基づいて退場可能か否かが判定される。
【0196】
ステップS350において、退場可能と判定された場合、処理は、ステップS351に進む。ステップS351において、CPU144は、データメモリ145に、そのチケットを使用済扱とするための情報(例えば、フラグ)などとともに、履歴情報、案内情報などの情報を書き込む。
【0197】
ここで、案内情報は、例えば、その上演場所(いまの場合、ABCホール)で、次回公演される演劇についての詳細な情報などとされる。
【0198】
図22は、このときの表示部147の表示例を示す図である。同図において、表示部147には、「次回予定:(詳細情報)」と表示されている。これは、上述したステップS351の処理で書き込まれた案内情報に基づいて、その上演場所で、次回公演される演劇についての詳細な情報が特定されて表示された情報である。なお、実際の詳細情報は、例えば、その上演場所で、次回公演される演劇の出演者、開演日時などの情報とされる。
【0199】
また、図22に示されるような表示画面は、あまり長い間表示しても意味が無いので、一時的(所定の時間だけ)表示され、その後は、表示部147に、プリペイド残高などが表示されるようにしてもよい。
【0200】
一方、ステップS350において、退場可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS353に進み、所定のエラー処理が実行される。
【0201】
ステップS347、S349、S351、S352、またはS353の処理の後、処理は、ステップS354に進み、ICカード101がリセットされる。
【0202】
このようにして、チケットとして用いられるICカード101において入場、退場、または着席の処理が実行され、処理結果に伴って記憶されたデータに基づく情報が表示部147に表示される。
【0203】
あるいはまた、ICカード101が遊園地などで利用されるチケットとして用いられるようにしてもよい。このような場合、表示部147には、例えば、いわゆるスタンプラリーのように、ユーザが体験した乗り物やアトラクションなどの情報、利用施設のマークなどが付加された園内マップなどが適宜表示されることになる。
【0204】
以上においては、処理、用途などに応じてICカード101に記憶されているデータが読み出されて表示部147に表示される各種の例について説明したが、表示される情報の中でもプリペイド残高の情報は特に重要な情報とされる。例えば、チケットとしてICカード101が用いられる場合、入場後に飲食物などプリペイドカードで購入したいとき、残高が分からないと不便である。また、例えば、ICカード101を利用して、誤って残高以上の買い物などをしてしまうと、残高不足でエラーとなり、その結果、現金で払うより処理に時間がかかってしまい、プリペイドカードとしてのICカード101の利便性が失われることもある。
【0205】
しかしながら、小型のICカード101において、表示部147を、充分な大きさとすることは難しいと考えられる。
【0206】
そこで、例えば、表示部147において残高を表示する領域を確保できない場合、残高を、数字ではなく、バーを用いた表示に切り替えるようにしてもよい。すなわち、表示切替部146が、表示部147に表示すべき情報の量などに基づいて、残高を表示する領域を確保できる否かを判定し、残高を表示する領域が確保できない場合、例えば、表示部147の画面下側などにバー表示により残高を表示させるようにすればよい。
【0207】
図23は、残高をバー表示させる場合の表示部147の表示画面の例を示す図である。同図は、上述した図13の表示画面上でさらに残高を表示させる場合の例であり、図13の場合と同様の情報が表示されるとともに、図中下側にバー301として残高が表示されている。すなわち、バー301は、その下側に記載された目盛上の位置に対応する残高を表すものであり、同図では、ICカード101にチャージされている残高が「12,345円」の場合のバー301の表示例が示されている。なお、バー301の下側の目盛は、残高の額に応じて、その目盛の単位、間隔などが変更されて表示されるようにすることも可能である。
【0208】
このようにすることで、表示部147の限られた領域を有効に活用することが出来るようになる。
【0209】
なお、本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明を適用した通信システム100の一実施形態における構成例を示すブロック図である。
【図2】ICカードの処理を説明するフローチャートである。
【図3】カード種別対応処理1を説明するフローチャートである。
【図4】ICカードの表示部の表示例を示す図である。
【図5】ICカードの表示部の別の表示例を示す図である。
【図6】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図7】カード種別対応処理2を説明するフローチャートである。
【図8】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図9】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図10】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図11】カード種別対応処理3を説明するフローチャートである。
【図12】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図13】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図14】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図15】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図16】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図17】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図18】カード種別対応処理4を説明するフローチャートである。
【図19】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図20】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図21】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図22】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【図23】ICカードの表示部のさらに別の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0211】
100 通信システム, 101 ICカード, 102 リーダライタ, 121 アンテナ, 122 制御部, 123 電力生成部, 124 太陽電池部, 125 電力供給部, 144 CPU, 145 データメモリ, 146 表示切替部, 147 表示部, 221 アンテナ, 223 CPU, 226 外部制御部, 227 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより携帯され、表示部を有する情報表示装置であって、
表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段と、
前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置との通信を行う通信手段と、
前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、
受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とを備え、
前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、
前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させる
情報表示装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、リーダライタであり、
非接触ICカードとして構成される
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、電子ペーパーで構成される
請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記リーダライタが自動改札機に組み込まれ、
前記自動改札機を通過するための乗車券として用いられる
請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記乗車券であって、定期券として用いられる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記リーダライタが自動改札機、または列車の車内で用いられる端末に組み込まれ、
前記自動改札機の通過、または前記列車の車内で用いられる端末による検札を受けるための指定席券として用いられる
請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記リーダライタが入退場ゲート、または座席に組み込まれ、
前記入退場ゲートの通過、または前記座席に着席するためのチケットとして用いられる
請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項8】
プリペイドカードとして用いられ、
前記記憶手段によりチャージされたプリペイド残高が記憶される
請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記プリペイド残高は、前記表示部において、他の情報とは異なる表示方式で表示される
請求項8に記載の情報表示装置。
【請求項10】
ユーザにより携帯され、表示部を有する情報表示装置であって、表示すべき情報に対応するデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを読み出して、前記データに対応する情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記記憶手段に記憶されているデータを用いる処理を制御する処理制御手段と、前記処理制御手段の制御に基づいて、情報処理装置との通信を行う通信手段と、前記情報処理装置から発生させられた電磁波をもとに電力を発生する第1の電力発生手段と、受光した光を光電変換して電力を発生する第2の電力発生手段とを備える情報表示装置の情報表示方法において、
前記第1の電力発生手段または前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けたか否かを判定し、
前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記通信手段は、前記情報処理装置との通信を行い、
前記第1の電力発生手段により発生された電力の供給を受けておらず、かつ前記第2の電力発生手段により発生された電力の供給を受けた場合、前記表示制御手段は、前記記憶手段から読み出されたデータに対応する情報を前記表示部に表示させるステップ
を含む情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−21176(P2008−21176A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193125(P2006−193125)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】