説明

情報表示装置

【課題】携帯端末にも適用可能な実紙面イメージで画面上に表示する情報表示装置及び情報配信装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報表示装置は、アプリケーションを実行するためのプログラム及び各種データを記憶する記憶手段と、プログラムの実行、データの処理、及び入出力デバイスの制御を司る制御手段と、画像データ及び付随する属性情報を受信する通信手段と、各種操作に伴うイベント入力を受け付ける入力手段と、画像データ及び属性情報を表示画面上に表示する表示手段と、を少なくとも備え、画像データは画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の階層構造を有する複数の画像データからなり、表示手段は入力手段で受け付けた表示画像の拡大、縮小、又は移動操作に応じて該当する階層の画像データを選択して実紙面イメージ通りの画像全体又はその一部分を表示する画像処理手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末にも適用可能な情報表示装置及び情報配信装置に関し、より詳細には、新聞、書籍、雑誌、チラシ広告等の刊行物を実紙面イメージで表示画面上に表示する情報表示装置とそのための情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞を電子新聞として通信ネットワークを介して配信し、PC(パーソナルコンピュータ)等のユーザ端末の表示画面上に実紙面イメージで表示するものとしては、本出願人による特許文献1の出版物発行配信システム等が開示されている。PCで電子新聞を表示する場合は、表示手段としてWebブラウザを活用しWebページとして配信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−293939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯電話等の携帯端末では、PCの表示画面のように広い表示領域を確保することができず、また携帯情報端末(PDA)に携帯電話等の無線通信手段を組み込んだスマートフォンとして知られる携帯端末でも、その表示領域は限定的である。加えて携帯端末は大きさやバッテリー駆動時間等の制限から内蔵するCPU等の処理能力にも限りがあり、更に無線通信であることの制限や通信費等からデータのトラフィック資源にも留意しなければならない。
【0005】
そこで、本発明は、処理負担が軽く携帯端末にも適用可能な、実紙面イメージで刊行物の画像データを表示する情報表示装置を提供することを目的とする。
また、この情報表示装置に適した形式で画像データを配信する情報配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の携帯型情報表示装置は、情報配信装置から通信ネットワークを介して配信される刊行物の画像情報を受信し、受信した該画像情報を実紙面イメージで表示画面上に表示する情報表示装置であって、
アプリケーションを実行するためのプログラム及び各種データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたプログラムの実行、データの処理、及び入出力デバイスの制御を司る制御手段と、通信ネットワークを介して画像データ及び付随する属性情報を受信する通信手段と、キー、ポインティングディバイス、又はタッチパネルによる各種操作に伴うイベント入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段で受け付けた操作に応じた前記画像データ及び属性情報を表示画面上に表示する表示手段と、を少なくとも備え、
前記画像データは画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の階層構造を有する複数の画像データからなり、前記表示手段は前記入力手段で受け付けた表示画像の拡大、縮小、又は移動操作に応じて該当する階層の該当する画像データを選択して実紙面イメージ通りの画像の全体又はその一部分を表示する画像処理手段を有することを特徴とする。
前記制御手段は、前記入力手段によるイベント入力を受け付け、前記通信手段を介しHTTPにより前記情報配信装置と接続してイベント入力による検索情報を送信し、対応する前記画像データ及び属性情報のアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを受信して該XMLデータに基づき当該画像データ及び属性情報を受信し、前記表示手段を介して表示画面上に該画像データ及び属性情報を表示する。
ここで、前記画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データは刊行物の複数の頁毎に対応して存在し、前記制御手段は、前記情報配信装置より通信手段を介し複数の頁に亘る複数の画像データのうちから表示画面上に表示するのに必要な画像データを、前記入力手段によるイベント入力に応じて適宜ダウンロードするか、又は、前記情報配信装置より通信手段を介し複数の頁に亘る複数の画像データを一括してダウンロードする。
前記制御手段は、前記情報配信装置より複数の頁に亘る前記画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データをダウンロードする際に、該画像データの受信速度が所定値に満たなかった場合に解像度の高い階層の画像データをダウンロードしないように構成してもよい。
【0007】
前記表示手段は、前記画像情報を表示する表示画面内に別途の情報表示窓を設け、前記情報配信装置又は他のサーバから送信された別途の独立した内容の情報を該情報表示窓に表示する。
前記別途に設けられた情報表示窓は、前記表示画面の一側からアニメーション表示を伴い迫り出して表示され、このとき前記別途に設けられた情報表示窓に表示される情報は、前記画像情報の表示画像にオーバラップし半透過の表示画像として表示してもよい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の情報配信装置は、通信ネットワークを介して刊行物の画像情報を配信し、配信された該画像情報を情報表示装置の表示画面上に実紙面イメージで表示させるための情報配信装置であって、
刊行物を編集するための実紙面イメージ通りの画像を表示する表示端末に表示される画像のデータを所定領域の画素毎に順次取り込み圧縮形式の画像データに逐次変換して出力し記憶装置に保存する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段で生成された画像データに付随する属性情報を該画像データに関連付けして記憶装置に保存する属性情報付与手段と、前記記憶装置に格納された画像データ及び属性情報の索引情報を基に前記情報表示装置の表示画面に該画像データ及び属性情報を表示するためのアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを生成して記憶装置に保存するXMLデータ生成手段と、通信ネットワークに接続された前記情報表示装置からの要求に応答し、要求された検索情報を基に該当する前記XMLデータ、画像データ、及び属性情報を前記記憶装置より検索して取り出し当該情報表示装置に送信する画像情報送信手段と、を備え、
前記画像データ生成手段で生成される画像データは、実紙面イメージ通りの画像の全体又はその一部分を前記情報表示装置の表示画面上に拡大、縮小又は移動して表示するために圧縮比率及び画像サイズの異なる複数階層の階層構造を有する複数の画像データからなることを特徴とする。
前記画像データ生成手段は、前記圧縮比率及び画像サイズの異なる複数階層の複数の画像データを刊行物の複数の頁毎に生成し、前記画像情報送信手段は、該複数の頁に亘る複数の画像データのうちから前記情報表示装置の表示画面上に表示するのに必要な画像データを、該情報表示装置からの要求に応じて適宜送信するか、又は、前記情報表示装置からの要求に応答し、該複数の頁に亘る複数の画像データを一括して送信する。
【0009】
前記XML生成手段は、前記画像情報とは別途に予め記憶装置に保存された独立した内容の情報を表示するためのアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを更に生成する手段を有し、
情報配信装置は、前記情報表示装置からの要求に応答し、前記生成されたXMLデータ及び予め記憶装置に保存された対応する情報を前記記憶装置より取り出し前記情報表示装置に送信する付加情報送信手段、を更に備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報表示装置及び情報配信装置によれば、情報表示装置に実紙面イメージで刊行物の画像データを表示する際に、情報配信装置から実紙面イメージの画像データをWebページとして送信せず、XMLデータにより表示画像データを指定して画像データを直接ダウンロードし、Webブラウザを使用せずに専用の処理エンジンによって表示するようにしているので、Webページを送信しないことによる通信トラフィック資源の節約や情報表示装置の処理負担を軽くでき、これにより携帯端末に適用した場合でも、ユーザ操作や表示に対する応答速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による情報表示装置及び情報配信装置の全体構成図である。
【図2】図1に示す情報配信装置の一実施形態による構成図である。
【図3】情報配信装置による画像情報の取り込み処理のフロー図である。
【図4】画像情報を取り込んで逐次変換による圧縮符号化処理を行い階層化された画像データを生成する説明図である。
【図5】図1に示す携帯型情報表示装置の一実施形態による構成図である。
【図6】携帯型情報表示装置の一実施形態による外観図である。
【図7】サーバから画像情報を配信してWebページを表示する形態の説明図であり、(a)は従来の一般的なWebページを表示する構成であり、(b)はAjaxを適用したWebページを表示する構成図である。
【図8】図1に示す情報表示装置及び情報配信装置における閲覧方式の説明図であり、(a)はオンラインで閲覧する構成であり、(b)はローカルに保存後の構成図である。
【図9】画像データを表示する際の紙面ページ遷移と先読み動作の説明図である。
【図10】紙面ページ遷移における先読み動作と優先度の説明図である。
【図11】画像データ表示の際の見開きモードの説明図である。
【図12】携帯型情報表示装置における処理エンジンの一例の説明図である。
【図13】情報表示装置と情報配信装置との初期アクセス時の処理の説明図である。
【図14】情報表示装置と情報配信装置との2回目以降アクセス時の処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の情報表示装置及び情報配信装置を実施するための形態の具体例を、携帯端末(携帯型情報表示装置)に適用した一例を基に、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による情報表示装置及び情報配信装置の全体構成図であり、刊行物として新聞を配信する場合を主な代表例として説明する。
【0014】
本願発明の情報配信装置2が備えられた一実施形態による情報配信センターの構成について説明すると、図1の全体構成図に示すように、情報配信装置2は、情報配信センター内に設けられており、通信ネットワークにVPN(Virtual Private Network)等を適用して専用回線化された通信回線に接続されている本社、支社等の各地の新聞社の編集用の表示端末等(図示せず)から、実際に印刷されて配達される新聞の元データとなっている各新聞の実紙面イメージの画像情報をそのまま、情報配信センター内に設けられたFTPサーバ4を介して受信し、受信した実紙面イメージの画像のデータを、情報配信装置2に組み込まれた処理プログラム21aによりページ毎に取り込んで圧縮符号化された画像データを生成する。
【0015】
情報配信装置2の処理プログラム21aは、受信した各新聞の実紙面イメージの画像のデータを、発行日、紙面頁、紙面名等の付随する属性情報と共に取りこみ、紙面毎に画像サイズ及び解像度の異なる複数の階層画像としてJPEG(Joint Photographic Experts Group)等に圧縮符号化された複数の画像データを生成し、生成された画像データを、取り込まれた付随する属性情報と紙面全体に対する表示位置及び表示範囲の相対座標データ等と共に、索引情報を付与してデータベース24−1に保存する(図2に示す画像データ生成手段25、属性情報付与手段26)。
【0016】
処理プログラム21aは、更にデータベース24−1に保存された紙面毎の画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データやその属性情報を呼び出して携帯型情報表示装置1又は一般のPCにアプリケーションソフトウエアを実装することで機能する情報表示装置(PC)1b(以降、携帯型情報表示装置1を代表的な例として説明し、単に情報表示装置1とも称する)の表示画面上に実紙面イメージ通りの画像やその付随する属性情報を表示するために、保存された画像データを指定したアドレスや、画像データの表示位置を決める相対座標、階層番号等が記載されたXML(eXtensible Markup Language)データを自動生成して一旦データベースに保存する(図2に示すXMLデータ生成手段27)。
【0017】
情報配信装置2はWebサーバ28を備え、Webサーバ28は、実紙面イメージの電子新聞を表示する携帯型情報表示装置1からインターネット6に接続された無線LANのアクセスポイント8、又はインターネット6に接続された携帯電話通信網7等の通信ネットワークを介して要求された信号に応答し、画像データ及びその属性情報と、この画像データ及び付随する属性情報を携帯型情報表示装置1の表示画面上に表示するための情報が記載されたXMLデータを送信する。画像データやXMLデータは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)或いはHTTPS(HTTP over Secure Socket Layer)を用いて配信される。HTTP又はHTTPSはWebサーバ28に組み込まれており、Webサーバ28はPC等の汎用コンピュータに容易に実装できる。
【0018】
具体的には、携帯型情報表示装置1から検索情報がWebサーバ28に送信され、Webサーバ28は、携帯型情報表示装置1から送信された検索情報を基に対応するXMLデータをデータベース24−1から読み出して携帯型情報表示装置1に送信し、携帯型情報表示装置1がXMLデータを処理して対応する実紙面イメージの画像データ及び付随する属性情報を要求し、この要求に応えてWebサーバ28は、画像データ及び付随する属性情報をデータベース24−1より読み出して携帯型情報表示装置1に送信する。
【0019】
また、情報配信センターは、新聞以外にも、実際に販売されている書籍、雑誌、チラシ広告等のコンテンツを実紙面イメージ通りの画像データとして配信する。ユーザ情報サーバ29は、ユーザ情報の登録を担い、配信したコンテンツの情報と共にこれらの情報をデータベース24−3に保存する。課金サーバ30は、有料コンテンツとして配信する場合にユーザが購入手続を行うためのオプションサーバである。ユーザ情報サーバ29は、ユーザが情報表示装置1にローカルで保存している購入済みコンテンツを含む購入情報をバックアップ保存すると共にユーザ毎の購入情報を保存する。バックアップ保存された購入済みコンテンツは、同一ユーザが別の端末を使用して閲覧表示することもでき、或いは1ユーザが利用できる端末数を制限する場合は、新しく使用する端末に購入済みコンテンツの閲覧表示を引き継げるようにすることもできる。これらのユーザ情報は今後の購入傾向を探るためのマーケティングに利用することも可能である。ユーザ情報サーバ29、課金サーバ30、及びデータベース24−3は、情報配信センター内に限らず、ネットワーク接続により外部に設けてもよい。
【0020】
広告としては、チラシ広告以外にも、新聞、書籍、雑誌等の実紙面イメージに重ねて別途に設けた情報表示窓にこの広告を表示することができる。これらの機能についての詳細は後述する。この他、これらの機能以外の付随するサポート機能を処理し、データや通信機能等の監視、保護、メインテナンスを行うための管理サーバ5を備えている。
【0021】
なお、情報配信センター内のFTPサーバ4、管理サーバ5、及び情報配信装置2は、ワークステーションや市販のPCを用いて構成でき、ワークステーションやPCを構成するCPU(中央制御装置)、メモリやハードディスク等の記憶装置、画像やテキスト等を表示する表示装置、キーボードやマウス等の入力装置、及び通信回線との入出力装置等に関する説明及びその構成図面は省略する。また、記憶装置を有するデータベースも別途のコンピュータを用いて構成することができる。
【0022】
図2は、図1に示す情報配信装置の一実施形態による構成図である。
【0023】
図2に示す本実施形態の情報配信装置2は、MPU等による中央制御部21、キーボード、マウス等の入力装置22、LCDディスプレイ等の表示装置23、データベース24を構成する記憶装置24a、その他入出力装置(図示せず)を備えており、本実施形態で機能する各手段は、PC等のコンピュータシステムにアプリケーションプログラムを実装することで、当該ハードウエアを利用したソフトウエア処理により実現できる。
【0024】
画像データ生成手段25は、各地の新聞社からFTPサーバ4を介して受信した各新聞の実紙面イメージの画像のデータを、発行日、紙面頁、紙面名等の付随する属性情報と共に取りこむ画像取込手段25a、紙面毎に画像サイズ及び解像度の異なる複数の階層画像としてJPEG等に圧縮符号化された複数の画像データを生成する画像圧縮手段25bを含み、生成された画像データを付随する属性情報と共に索引情報を付与してデータベース24に保存する。
【0025】
属性情報付与手段26は、画像サイズ及び解像度の異なる複数の階層からなる複数の画像データを生成する際に、生成された画像データの紙面全体に対する表示位置及び表示範囲の相対座標データや階層番号等の関連する他の属性情報を付与してデータベース24に保存する。編集操作によりOCR(光学文字認識)でテキスト化したデータ等を属性情報として付与することも可能である。
【0026】
テキスト情報を付与した場合は、情報表示装置1でコンテンツを閲覧表示する際に、テキスト表示モードに切り替えてテキストのみを表示するようにしたり、字幕表示モードにして画像データに重ねて表示したりすることが可能になる。また、テキストデータを多言語に対応させれば、マンガ、雑誌等の画像情報を加工せずに所望の言語で閲覧表示することも可能になる。更にテキスト情報は、検索にも使用することができ、閲覧表示している情報表示装置1内のコンテンツからの検索だけでなく、様々なコンテンツが蓄積されている情報配信装置2のデータベース24から検索することも可能になる。
【0027】
XMLデータ生成手段27は、データベース24に保存された紙面毎の画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データやその属性情報の索引情報を基に、携帯型情報表示装置1の表示画面上に実紙面イメージ通りの画像やその付随する属性情報を呼び出して携帯型情報表示装置1の各操作に対応して表示させるために、保存された画像データを呼び出すためのアドレスや、画像データの表示位置を決める相対座標、表示サイズ、階層番号等が記載されたXMLデータを自動生成して一旦データベースに保存する。
【0028】
Webサーバ28は、HTTP又はHTTPSにより、携帯型情報表示装置1からインターネット6に接続された無線LANのアクセスポイント8、又はインターネット6に接続された携帯電話通信網7等の通信ネットワークを介して要求された信号に応答し、携帯型情報表示装置1端末から受信した検索情報を基に、対応する画像データ及び付随する属性情報を表示するための情報が記載されたXMLデータをデータベース24より呼び出して携帯型情報表示装置1端末に送信する。その後、携帯型情報表示装置1は受信したXMLデータを処理して対応する画像データ及び付随する属性情報を要求し、この要求に応答してWebサーバ28は、対応する画像データ及び付随する属性情報をデータベース24より読み出して携帯型情報表示装置1に送信する。画像情報送信手段28aは、Webサーバにより実現した、上記XMLデータ、画像データ、及び属性情報を送信する手段である。ユーザ情報サーバ29は、ユーザ情報の登録を行い、ユーザ毎の購入情報を保存するものであり、課金サーバ30は、有料コンテンツを配信する場合にユーザが購入手続を行うためのオプションサーバであり、その処理については上述した通りである。
【0029】
次に、情報配信装置2による画像情報の取り込み処理について図3に示すフロー図を参照して説明する。
【0030】
新聞社の編集用の表示端末等から、通信回線及びFTPサーバ4を介して実際に印刷されて配達される各新聞の実紙面イメージの画像情報を受信し、受信した画像情報を情報配信装置2に組み込まれた処理プログラムにより紙面(ページ)毎に取り込む(ステップS21)。取り込まれる画像情報は実紙面イメージの画像と付随する属性情報からなり、画像と付随する属性情報をそれぞれ取り込む(ステップS22a、ステップS22b)。
【0031】
各ページの各画像は、所定領域の画素毎に順次取りこんで圧縮形式のデータに逐次変換し(ステップS23a)、画像データを生成してデータベース24に保存する(ステップS24a)。このとき、画像データは複数の階層画像として生成され、図4を参照して後述するように各階層の階層画像は階層毎にそれぞれ紙面全体に対する画像サイズ及び圧縮比率(解像度)が異なる。階層画像の生成は、情報配信装置2の処理能力に応じて平行処理或いは順次処理により生成する。
【0032】
ステップS21で取り込まれる画像情報には、発行日、紙面頁、紙面名等の属性情報が含まれており、画像に付随するこれらの属性を取り込む(ステップS22b)。画像に付随するこれらの属性情報は、実紙面イメージの画像情報自体に埋め込まれている情報を抽出するか、或いは、予め定められている発行日、紙面頁、紙面名等が掲載された領域の画像をOCR処理しテキストデータに変換して取り込む。また、画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データを生成する際に、生成された画像データの紙面全体に対する表示位置を決める相対座標、表示サイズ、階層番号等を自動的に付与すると共に、必要に応じて編集操作によりその他の属性を付与し(ステップS23b)、その画像データに関連付けして属性情報を生成しデータベースに保存する(ステップS24b)。属性付与の際は、OCR処理により紙面全体に亘る領域の内容を全てテキスト化して付与してもよく、また多言語等の別途に用意したテキスト情報を付与してもよい。
【0033】
ステップS24aの画像データ生成と、ステップS24bの属性情報生成ではその索引情報が同時にデータベース24に保存され、携帯型情報表示装置1の表示画面上に実紙面イメージ通りの画像や付随する属性情報を表示させるため、この索引情報を基に対応する画像データ及びその属性情報を呼び出し、ユーザの各操作に応じて携帯型情報表示装置1の表示画面上に所望する画像を表示させるために、保存された画像データを指定したアドレスや、画像データの表示位置を決める相対座標、表示サイズ、階層番号等が記載されたXMLデータを自動生成してデータベースに保存する(ステップS25)。
【0034】
XMLデータの生成は、特定の携帯型情報表示装置1を想定したPerlスクリプト等を用いたCGI(Common Gateway Interface)等によって自動生成することができる。データベース内を検索する方法として予め生成された索引情報を用いるのではなくSQL文により検索して抽出するようにしてもよいが、本実施形態のように、Perl等を用いたCGI等によってXML文を生成する場合はSQL文による処理に比べて容易に検索することができ、本格的な外部データベースを用いずに記憶装置を内蔵する市販のPCにアプリケーションプログラムを実装するだけで実現することができる利点がある。また、HTTP Requestヘッダ情報を利用することで、携帯型情報表示装置1の機種等を特定することができ、スクリプトの記述等を変更することで複数種類の携帯型情報表示装置1に対応することも可能である。
【0035】
図4は、画像情報を取り込んで逐次変換による圧縮符号化処理を行い階層化された画像データを生成する説明図である。
【0036】
新聞社の編集用の表示端末に表示される画像形式としては、BMP、PDF(Portable Document Format)、JBIG(Joint Bi−level Image Experts Group)、JPEG等があるが、情報配信装置2に取り込む際に、圧縮符号化処理されたデータは復号処理し、BMPはそのままで、一旦メモリ領域にBMP等の画素データに展開する。
【0037】
メモリ領域に展開された新聞画像は、所定の領域の画素単位、即ち図4では、8画素×8ラインのブロック単位で、例えば、2次元DCT(離散フーリエ変換)、DCTにより生じた変換係数を有限個の離散値に代表させる量子化、ハフマン符号等を用いた量子化された係数のエントロピー符号化等により、ブロック単位の画素が順次処理され逐次変換されて圧縮符号化された一つの画像データが生成される。
【0038】
生成された画像データは階層構造を有し、図4では3つの階層画像が生成される。各階層画像は、第1階層では紙面全体を1つの画像データに、第2階層では紙面全体を4分割した4つの画像データに、第3階層では紙面全体を16分割した16の画像データで構成される。各階層の各画像データの大きさは、紙面全体に対する画像サイズは異なるが、携帯型情報表示装置1の表示画面に対しては同一の画素数を有するサイズとすることが望ましい。従って、階層毎の各画像データの紙面全体に対する解像度及び圧縮比率は異なり、第1階層画像は携帯型情報表示装置1の表示画面では縮小画像となり、第3階層画像は拡大画像となる。階層は3つに限らず、2つ或いは4つ以上でもよい。
【0039】
次に、図5、6を参照して携帯型情報表示装置1について説明する。図5は、図1に示す携帯型情報表示装置の一実施形態による構成図であり、図6は、携帯型情報表示装置の一実施形態による外観図である。
【0040】
図5に示すように、本実施形態の携帯型情報表示装置1は、各種操作を行う入力手段(操作部)16や、操作に応じて表示画面上にLCD(液晶ディスプレイ)等を用いて実紙面イメージの画像を表示する表示手段13を備えており、表示される実紙面イメージの画像データ及びその属性データは、通信手段15によって携帯電話通信網7や無線LANのアクセスポイント8を介してインターネット6に接続された情報配信装置2より受信し、記憶手段12のRAM(Random Access Memory)、Flashメモリ或いはSSD(Solid State Drive)等に取り込まれ、ユーザ操作に応じて入力手段(操作部)16を介して制御手段(CPU:中央演算処理装置)11にその処理が受け渡され、制御手段11の司令に従って画像処理手段14により表示手段13を介して実紙面イメージの画像を表示する。
【0041】
実紙面イメージの画像を表示する際は、JPEG等により圧縮符号化(エンコード)さたデジタル画像データを受信し、受信した画像データを画像処理手段14により復号化処理(デコード)し、表示手段13のLCD画面等に表示できるように記憶手段12のRAM上に展開し、画像処理手段14によってユーザ操作に応じた画像を表示画面に表示する。
【0042】
画像処理手段14は、ハードウエア又はソフトウエアエンジンにより構成されたデコーダ(圧縮データの復号化処理)を有しており、圧縮されたデジタル画像データを表示画面上に表示する際の復号(デコード)処理を行い、また、ユーザによる縮小、拡大、移動操作に伴い入力手段16で発生したイベント入力に応じて、表示手段13に含まれる表示メモリ上に縮小、拡大、及び移動操作に応じた画像データの全部又は一部を記憶手段12のRAMから転送して表示する。表示メモリは表示手段13に含まれなくてもよく、その場合、記憶手段12のRAM上の特定の領域を表示メモリのウインドウとして用いることで、転送に要するタイムラグ等を抑えることができる。
【0043】
制御手段11は、上記各処理を司り、記憶手段12のROM(Read Only Memory)Flashメモリ、或いはSSDに記憶されているプログラムを実行することで、各手段を機能させる。携帯型情報表示装置1を構成する外部入出力手段17等のハードウエアの詳細やその説明は省略する。
【0044】
外部入出力手段17は、USB(Universal Serial Bus)を介して外部に接続されたプリンタに出力することや、携帯型情報表示装置1に内蔵された2次電池(図示せず)にUSB端子を介して充電するために用いられる。外部入出力手段17から実紙面イメージの画像を表示するためのプログラムや画像データを受信してもよい。
【0045】
カードインタフェース部18は、携帯型情報表示装置1で表示された画像データ等をメモリカード19に保存し、また保存された画像データ等を携帯型情報表示装置1に読み込むために用いる。カードインタフェース部18からメモリカード19に保存された実紙面イメージの画像を表示するためのプログラムを受信するようにしてもよい。
【0046】
また、図示していないが、通信手段15は、携帯電話と無線LANによる通信機能が内蔵されており、更にプリンタ等の外部機器にワイヤレスで接続するために、IEEE802.15.1等の短距離無線通信や赤外線通信機能を備えてもよい。
【0047】
図6に示す携帯型情報表示装置1は、スマートフォン型の携帯端末装置に適用した一実施形態であり、LCD等を用いて表示する表示画面13aと複数の操作ボタン16a等を備えており、操作ボタン16aには、主に、表示画面13a上の実紙面イメージの画像の、紙面の各面の選択、画像表示位置の移動、表示画面の拡大又は縮小等の操作を行うための十字状に配置された上下左右の操作ボタン及び中央の決定ボタンからなる操作部が含まれている。これらの操作は、操作ボタン16aによらず、表示画面上にタッチパネルを形成するタッチスクリーン上の操作によるものでもよい。
【0048】
携帯型情報表示装置1には、予め、情報配信装置2と接続して新聞を実紙面イメージで表示するためのプログラムをダウンロードしてインストールしておく。プログラムがインストールされた携帯型情報表示装置1は、図示していないが、ユーザ操作によりメニュー画面から日付等が指定されて読みたい新聞が選択されると、情報配信装置2にその検索情報を送信する。情報配信装置2は携帯型情報表示装置1からの要求に応答し、送信された検索情報を基に対応するXMLデータをデータベース24から読み出して携帯型情報表示装置1に送信する。携帯型情報表示装置1はXMLデータを処理して対応する実紙面イメージの画像データ及び付随する属性情報を要求する。情報配信装置2は、この要求に応えて画像データ及び付随する属性情報をデータベース24より読み出して携帯型情報表示装置1に送信する。
【0049】
実紙面イメージの画像データ及び付随する属性情報がダウンロードされると携帯型情報表示装置1の表示画面13a内には、図示していないが、ダウンロード経過に応じて、新聞の各紙面が、例えば9紙面等を一覧表示したサムネイル画像で表示される。サムネイル画像から一紙面が選択されると、図6に示すように、表示画面13a内には、実際に配達される新聞紙面と同様の実紙面イメージの画像100が表示され、表示画面13aの上部には、新聞紙名「○○新聞」、発行年月日「2009/01/30」、紙面の表示面のタイトル「総合」が表示され、下部には、紙面の各面を選択する矢印アイコン、表示紙面の番号と合計紙面数「1/32」が表示される。広告情報表示窓13bについては後述する。
【0050】
実紙面イメージの紙面構成は、紙面毎に複数階層の複数の画像データが用意されており、ユーザが操作ボタン16aによって紙面送り、移動、縮小、拡大操作が行われると入力手段16でイベント入力が発生し、発生したイベント入力に応じて、画像処理手段14により表示メモリ上に縮小、拡大、及び移動操作に応じた階層の対応する画像データの全部又は一部が選択されて展開され、表示画面13a上に表示される。
【0051】
拡大又は縮小操作に応じた階層の画像データを表示する際は、その都度対応する紙面割り画像データを受信するのではなく、その表示領域と拡大又は縮小率に応じて次に表示されるべき紙面割り画像データRAM上の所定の領域に先読みしておくことで、ユーザ操作に伴うレスポンスを改善している。先読み動作については後述する。また、拡大、縮小は画素の補間又は間引きにより一つの画像データ内でも行われ、補間又は間引きの際にその割合が所定の臨界値を超えた場合に他の階層の画像データを選択する。臨界値は、拡大から縮小と縮小から拡大では異なり、ヒステリシスを有する。
【0052】
ここで、一般的に行われているサーバから画像情報を配信してPC等のユーザ端末のWebブラウザでWebページを表示する形態について、図7を参照しながら説明する。図7は、サーバから画像情報を配信してWebページを表示する形態の説明図であり、(a)は従来の一般的なWebページを表示する構成であり、(b)はAjaxを適用したWebページを表示する構成図である。
【0053】
図7(a)に示すように、ユーザ端末のWebブラウザでWebページを表示する従来の一般的構成は、サーバからユーザ端末のWebブラウザで表示するHTML画面(Webページ)が送信され、ユーザ端末のWebブラウザでこれを表示し、送信ボタンのクリック等によりGET又はPOSTによるデータをユーザ端末からサーバに受け渡し、サーバはこのデータを基にSQL等を用いてデータベースにアクセスし、Perlスクリプト等を用いたCGI等によりプログラム処理して必要な新たなHTML画面を生成し、再びこのHTML画面(Webページ)を送信してユーザ端末上に表示する。
【0054】
これに対して、図7(b)に示すように、近年、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)が多用されつつある。Ajaxの特徴は、XML文書やHTML文書をアプリケーションから利用するためのAPIであるDOM(Document Object Model)によるイベントの相互作用と動的な画面表示にあって、従来のWebアプリケーションが、送信ボタン等の操作よって、サーバへのリクエスト送信を行っていたのに対し、Ajaxではサーバとの通信を様々なイベントをトリガーとして送信を開始することができる。
【0055】
即ち、図7(b)に示すように、Ajaxではリクエスト送信間に画面遷移を伴うHTML画面の送信は行われず、画面内容の一部を動的に変更して受信データの表示を行うために、Webブラウザに実装されたスクリプト等の処理エンジンによりテキストデータのXMLを参照して必要な処理を実行する。画面遷移を伴わない点では従来から存在したDHTML(Dynamic HTML)もこれと似た機能を有する。
【0056】
上述した情報配信装置2による画像データの配信と携帯型情報表示装置1における画像データの表示は、このAjaxにおける処理と対比することで理解できる。本発明の携帯型情報表示装置1では、図12で後述する専用の処理エンジンを実装し、最初に受信したXMLデータを参照し、情報配信装置2からダウンロードする画像データをユーザ操作に伴うイベント入力に応じて適宜選択し、複数の頁に亘る複数の階層の複数の画像データのうちから情報配信装置2の表示画面上に表示するのに必要な紙面の必要な階層の画像データを情報配信装置2に要求してこれを受信する。
【0057】
これと異なり、表示画面の遷移に応じて適宜画像データを要求して受信するのではなく、予め複数の頁に亘る複数の階層の複数の画像データを一括してダウンロードするようにしてもよい。その際、通信手段15で画像データのダウンロード速度を監視し、この受信速度が所定値に満たなかった場合は、例えば第1階層画像と第2階層画像を受信した時点でダウンロードを終了し、第3階層画像は受信せずに、表示データの補間により表示画像を拡大して表示画面での拡大操作に対応する。
【0058】
本発明による画像データの閲覧方式について、図8を参照して説明する。図8は、図1に示す情報表示装置1及び情報配信装置2における閲覧方式の説明図であり、(a)はオンラインで閲覧する構成であり、(b)はローカルに保存後の構成図である。
【0059】
図8に示すように、本発明の情報配信装置2(サーバ)は、特別なソフトウエアプログラムを必要とせず、情報表示装置1(ユーザ端末)で閲覧表示に必要なファイルの格納場所、解像度情報、ページ情報、レイアウト情報等を全てXMLファイルにインデックス形式で記述しておき、情報表示装置1がこのXMLファイルを取得した後、このXMLファイルのインデックスを参照して書籍データが保存されたデータベース24に直接アクセスし、必要に応じて自立的に取得閲覧できる。従って、本発明によれば、サーバ側に特別な配信用ソフトウエアを必要とせず、クライアント(ユーザ端末)数が増大した場合等のサーバ側への配信負荷が少なく、サーバの分散処理やミラーリング処理等の構成が単純化でき、新聞、書籍、雑誌等のコンテンツデータをクライアント側の記憶手段にローカル保存(キャッシュ化)することで、ネットワーク接続のない状態、即ちクライアント単独でこれらのコンテンツの閲覧表示が可能になる等の特徴と効果が得られる。
【0060】
次に、情報表示装置1に表示される画像データが一紙面ページに対応する場合を例に画面ページ遷移とページの先読み動作について説明する。図9は、画像データを表示する際の紙面ページ遷移と先読み動作の説明図であり、図10は、紙面ページ遷移における先読み動作と優先度の説明図である。
【0061】
先読み動作を伴わない従来の場合は、表示され始めてから次に表示される紙面を読みにいくため、ページ遷移した直後では紙面が表示されるまでに時間がかかっていた。本実施形態では、図9に示すように、ページ遷移を伴わない場合にも予めコンテンツ毎に設定された優先度に基づき、次にユーザが読むことが予想されるページデータをバックグラウンド処理として先読みしておく。これにより、データ回線速度の依存が少ない良好なレスポンス表示が得られる。
【0062】
予め設定された優先度に従わないユーザ操作もありうるため、図10を参照して紙面ページ遷移における先読み動作と優先度について説明する。仮に読み込みが終わっていないページへ遷移した場合、最初に該当ページの読み込みを行い、次に予め設定された優先度に従ってユーザが読むことが予想されるページを読み込む。ユーザが読むことが予想されるページは、閲覧表示されるコンテンツにより異なり、例えば新聞の場合、単純に次のページではなく、最終面のTV欄の優先度を高くする。
【0063】
また、紙面ページの読み込み順序にはいくつかのバリエーションが考えられ、(1)表示中のページから以降の未読込ページを読み込み、最後まで読み込むと最初のページから未読込ページを読み込む、(2)表示中のページから以降の未読込ページを読み込み、最後まで読み込むと表示中のページ以前の未読込ページを逆に辿って読み込む、(3)表示中のページに近いページから遠いページの順番で未読込ページを読み込む、(4)各ページに予め所望の優先度を設け、表示中のページを読み込んだ後、設定された優先度に従い未読込ページを読み込む、(5)これらの組み合わせによる、等いずれを採用してもよい。優先度情報はユーザ操作の履歴を蓄積することで、学習するようにしてもよい。
【0064】
ここで、図11を参照して情報表示装置1に表示される画面のページについて説明する。図11は、画像データ表示の際の見開きモードの説明図である。
【0065】
これまで、1画面1ページの画像データからなる構成の片ページモードを前提に説明してきたが、本発明の情報表示装置1の表示画面13aには、1画面2ページの画像データからなる見開きモードで表示することもできる。見開きモードの際は、図6に示す情報表示装置1を90度回転して表示画面13aを横長にするようにしてもよく、その場合、内蔵する加速度センサ等を利用して情報表示装置1自体の傾きを検知し、自動的に見開きモードに移行するようにしてもよいし、ユーザ操作によりボタンやスイッチ等で切り替え、横長の表示画面13a上に見開きモードで表示するようにしてもよい。
【0066】
新聞、書籍、雑誌等の実紙面イメージの電子出版物は、元となる出版物によって右綴じ/左綴じがあり、図11では、表紙を1ページ目と数え、閲覧表示中のページをXページとする。図11(a)は、右綴じ且つXが奇数、もしくは左綴じ且つXが偶数の場合を示しており、片ページモード時に閲覧表示していたXページを左側に、(X+1)ページを右側にして合わせた画像データを表示した例であり、図11(b)は、右綴じ且つXが偶数、もしくは左綴じ且つXが奇数の場合を示しており、片ページモード時に閲覧表示していたXページを右側に、(X−1)ページを左側に合わせた画像データを表示した例である。
【0067】
これとは逆に、見開きモードから片ページモードへ移行する例を図11(c)に示す。右綴じ・左綴じに関係なく見開き時の左側のページが片ページモードへの移行時に表示される一例である。しかし、右綴じ/左綴じによって表示するページを決定してもよいし、見開きモード時に表示していた左ページと右ページの割合に応じ、例えば割合が大きい方を片ページモード時に表示してもよく、様々な方法によって決定することができる。
【0068】
情報表示装置1は他にもコンテンツを表示する際に有益な機能を有しており、この機能のいくつかを説明する。「しおり機能」は、閲覧表示している書籍・雑誌等の電子出版物の所望するページ及びその該当箇所を複数記憶し抽出する機能であり、その情報は記憶手段12に保存される。「メモ機能」は、閲覧表示しているページにテキストや画像データを付加する機能であり、紙面上に重ねて表示したり、或いはメモのみを表示したりすることが可能である。画像データは、例えば表示画面13aがタッチパネル機能を有する場合、表示画面13aに表示された紙面上をなぞることで画像を描くことができる。この応用として、ラインマーカーを引くことや赤ペンで修正追記することも可能になる。この情報は記憶手段12に保存され、再表示させることができる。或いは、情報配信装置2のデータベース24に保存し、個人で占有したり仲間と共有したりするようにしてもよい。更に、多軸加速度センサ、角速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等を搭載することで、情報表示装置1自体の傾き等を検知し、ユーザ操作や表示の際に役立てることができる。傾き認識手段としては、他にもカメラで撮像した映像を基に、例えば映像のフレーム間の相違を比較する等によっても可能である。
【0069】
図12は、携帯型情報表示装置における処理エンジンの一例の説明図である。図12に示したように、携帯型情報表示装置1は、図5に示した制御手段11、記憶手段12、表示手段13、通信手段15、入力手段16等のハードウエア上で、記憶手段12のROM、Flashメモリ、又はSSDに記録されたプログラムを制御手段11が読み出して実行するOS(オペレーティング)が稼動し、OS上に実装されている各API(Application Program Interface)を介してアプリケーションを稼動させる。
【0070】
電子新聞を実紙面イメージで表示画面上に表示するための専用の処理エンジンとしてのアプリケーションは、予め情報配信装置2等からダウンロードして携帯型情報表示装置1に実装する。近年殆どの携帯端末はWebブラウザを実装しており、そのAPIを利用してもよいが、本実施形態では、表示画面上の描画や入力イベントに対する応答速度を考慮し、専用の処理エンジンによって実紙面イメージの電子新聞を表示画面上に表示する。
【0071】
ユーザ操作によるイベント入力は入力APIを介して取り込まれ、XMLデータを参照して表示手段13で表示される表示画像は、描画APIを介して画像処理手段14によりイベント入力に応じて対応する紙面の対応する階層の対応する画像データが適宜選択され、拡大、縮小操作に伴い必要に応じて表示画像の画素が補間又は間引きされて表示される。なお、通信APIはHTTPの処理を含み、その一部は処理速度の点からOSを介さずハードウエアを直接制御するものも含まれる。
【0072】
再び、図1、2、6を参照し、携帯型情報表示装置1の表示画面13a内に新聞等の刊行物の画像情報とは別途の独立した情報を表示するための情報表示窓を設け、その別途の独立した情報として広告を一例とした実施形態について説明する。
【0073】
情報配信センター内の情報配信装置2に設けられた広告情報及びそのXMLデータを保存するデータベース24−2は、図1に示したように情報配信装置2と同一の装置として設けても良いし、別途に設けても良い。或いは、情報配信センター自体を広告配信サーバとして別途に設けても良い。広告配信サーバとして機能させる場合、データベース24−2には、携帯型情報表示装置1の表示画面内に設けられた情報表示窓に、新聞等の刊行物の画像情報とは別途である広告を表示させるための画像やテキスト、或いは音声情報を保存し、XMLデータ生成手段27は、この広告情報を表示させるアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを生成し、データベース24−2に保存する。
【0074】
情報配信装置2は、付加情報送信手段(図示せず)を備えており、携帯型情報表示装置1からの要求に応答し、生成されたXMLデータ及び予め保存された付加情報としての広告情報をデータベース24より取り出して携帯型情報表示装置1に送信する。
【0075】
携帯型情報表示装置1に配信して掲載する広告は、例えば、広告制作会社等の端末装置(図示せず)と通信ネットワークを介して接続し、FTPサーバ4により受信してデータベース24に保存する。その際、情報配信装置2は、画像情報のみの場合は新聞等の刊行物の画像情報と同様の処理を行って画像データ及びテキストデータを生成し、広告制作会社等の端末装置からFTPサーバ4を介して直接配信可能な処理済みのデータを受信した場合、或いは予め直接配信可能なデータとして入手した場合は、そのまま、携帯型情報表示装置1に表示する広告情報として、画像、テキスト、及び音声を含むこれらのデータを保存する。図6に示すように、携帯型情報表示装置1の表示画面13a内には、別途に設けられた広告情報表示窓13bが表示され、その領域に広告情報が表示される。
【0076】
携帯型情報表示装置1に配信してその表示画面13aに表示される刊行物の実紙面イメージの画像100としては、新聞、雑誌、タウン誌、小説、マンガ等、様々なコンテンツが対象となりうるが、携帯型情報表示装置1の表示画面13a内に設けられた広告情報表示窓13bに別途の独立した情報が共通して表示されるように、予めこれらのコンテンツを表示するアプリケーションにそのためのソフトを組み込んでおくことで、広告情報を配信して表示させることができる。従って、ユーザが配信を希望したコンテンツのアクセス履歴を統計処理することで、配信する広告の種類をユーザの嗜好に応じて選択するいわゆる「ターゲット広告」とすることが可能になる。ユーザの嗜好を判断するための統計処理としては、新聞の場合はアクセスの多い紙面を、小説、雑誌、マンガの場合はその種類及びその内容を、タウン誌の場合は場所及び店舗の種類等を、そのアクセス情報として携帯型情報表示装置1内で生成し、情報配信装置2に送信する。情報配信装置2は、これらの情報をアクセス履歴として保存し、そのアクセス履歴を解析することでユーザの嗜好を判断して配信する広告内容を決定する。
【0077】
図6を参照すると、携帯型情報表示装置1の表示画面13a内には、広告情報を表示する別途の広告情報表示窓13bが設けられ、実紙面イメージの画像100にオーバラップして表示される。
【0078】
携帯型情報表示装置1の表示画面13aに表示される実紙面イメージの画像100としては、上記のように、新聞の他にも、雑誌、タウン誌、小説、マンガ等の各種コンテンツがあり、ユーザの所望するコンテンツが配信され、同時に、表示画面13a内に設けられた広告情報表示窓13bにも広告情報が配信される。広告情報としては、これらのコンテンツと連携した広告内容の情報を配信することも可能であるが、本実施形態ではこれらのコンテンツに連携せずに共通した同一の広告内容の情報が配信される。従って、情報配信装置2は、新聞等のコンテンツの配信とは無関係に独立して広告情報を配信する別途に設けられた広告配信サーバとすることができ、その際、携帯型情報表示装置1から配信されたコンテンツに関するアクセス情報を情報配信装置2側にフィードバックすることで、これらのコンテンツのユーザ嗜好に基づいて、「ターゲット広告」を配信することが可能になる。
【0079】
広告情報表示窓13bは、表示画面13a内の、例えば、プルアップメニューのようにアニメーション表示によって下側から迫り出して表示される。アニメーションを伴って表示される場合は、下側に限らず上、左右の横、中央の点からズームアップ、或いは表示画面内に表示された広告アイコンからズームアップして表示されるようにすることも可能である。このとき、表示画面13a内の広告情報表示窓13bに表示され、実紙面イメージの画像100にオーバラップして表示される広告情報は、半透過の表示画像として表示することもできる。
【0080】
表示画面13a内の広告情報表示窓13bは、表示画面13aに対応して画像を表示する表示メモリの該当する一部分を割り当てることで実現される。表示メモリはそのアドレスポインタによって表示される場所を特定できるので、広告情報を表示する広告情報表示窓13bを特定することができる。
【0081】
広告情報表示窓13bのアニメーション表示は、表示メモリのアドレスポインタを移動させながら、予めバッファメモリに書き込まれた広告情報のデータを順次表示メモリのアドレスに転送することで実現できる。また。広告情報を半透過の表示画像として実紙面イメージの画像100にオーバラップさせる場合は、表示メモリ内の広告情報表示窓13bに対応する場所の表示メモリを交互に、例えば実紙面イメージの画像100データと広告情報の画像データとを1画素毎に交互に配置することで実現できる。
【0082】
なお、携帯型情報表示装置1の表示画面13aに表示されるコンテンツは、雑誌、タウン誌、小説、マンガ等の実紙面イメージの画像100に限らず、動画、写真、アニメーションを含むものでもよいし、また、広告情報表示窓13bに表示される情報も、広告に限らず、共通して配信されるものであれば、静止画、動画、アニメーション、更に音声情報を含んで本発明の構成を適用することができる。また、広告情報表示窓13bは表示画面13aの一部だけでなく、全面を覆うようにしても構わない。更に携帯型情報表示装置1にWebブラウザが実装されている場合は、広告情報表示窓13bに広告が表示された後、広告主のWebサイトに接続するようにしてもよい。
【0083】
最後に、図13、14を参照し、情報表示装置と情報配信装置とのアクセスについて、書籍又は雑誌等の電子出版物を有料で配信する例を挙げて説明する。
【0084】
図13は、情報表示装置と情報配信装置との初期アクセス時の処理の説明図であり、図14は、情報表示装置と情報配信装置との2回目以降アクセス時の処理の説明図である。
【0085】
初期アクセス(新規に電子出版物を購入し閲覧表示するモード)時は、図13に示すように、情報表示装置1の表示画面13aに、予め情報配信装置2にユーザ登録されたユーザによって電子出版物の「購入画面」を表示させ(ステップS31)、その画面上で購入可能な電子出版物の一覧を表示させて所望する電子出版物を選択させ(ステップS32)ることで、一部閲覧可能なサンプルのダウンロードや購入手続を行う。購入手続により購入申請に必要な情報が情報表示装置1から情報配信装置2の課金サーバ30に送信され(ステップS33)ると、課金サーバ30は、ユーザ情報サーバ29と連携して登録ユーザ、与信等の購入チェックを行い(ステップS34)、購入可の場合はその旨(OK)の情報を通知し(ステップS35)、所望する電子出版物のダウンロードを可能にする。尚、情報配信装置2へのユーザ登録についてはその説明を省略する。
【0086】
情報表示装置1は、購入可の通知を受信すると購入情報を情報配信装置2のユーザ情報サーバ29に送信し(ステップS36)、ユーザ情報サーバ29は、この購入情報を受けてデータベース24−3(図1参照)の購入データを更新する(ステップS37)。併せて、情報表示装置1は、電子出版物の購入情報が保存されるテーブルの購入データを更新する(ステップS38)。
【0087】
情報表示装置1は、購入データを更新した後、ステップS32で選択した電子出版物の紙面データ(画像データ)を情報配信装置2に要求し(ステップS39)、データベース24から該当する電子出版物の紙面データをダウンロードする(ステップS40)。ダウンロード先は、ステップS32の選択・購入画面で一覧表示される電子出版物にそのURL等をリンク情報として埋め込むことで自動的にダウンロードすることができる。これと異なり、課金サーバ30がダウンロード先を通知するようにしてもよい。
【0088】
情報表示装置1は、ダウンロードした電子出版物の画像データを記憶手段12のRAMやFlashメモリ(キャッシュ)に保存すると共に、表示画面13aにその紙面データを表示する(ステップS41)。
【0089】
2回目以降アクセス(購入済みの電子出版物を閲覧表示するモード)時は、図14に示す通りであるが、図13と同じ処理についてはその説明を簡略化又は省略する。購入済みの電子出版物を閲覧表示するモード時は、ユーザによって購入済みの書籍一覧の「本棚画面」を表示させ(ステップS51)、購入済みの電子出版物の一覧を表示させて所望する電子出版物を選択させる(ステップS52)。電子出版物が選択され、購入されたものか否かの確認申請に関する情報が情報表示装置1から情報配信装置2の課金サーバ30に送信され(ステップS53)ると、課金サーバ30は、購入チェックを行い(ステップS54)、購入されていることが確認されるとその旨(OK)の情報を通知する(ステップS55)。
【0090】
情報表示装置1は、購入済みの通知を受信すると購入済みである旨の購入情報を情報配信装置2のユーザ情報サーバ29に送信し(ステップS56)、ユーザ情報サーバ29は、この購入情報を受けてデータベース24−3(図1参照)の購入データを更新する(ステップS37)。併せて、情報表示装置1は、電子出版物の購入情報が保存されるテーブル(図示せず)の購入データを更新する(ステップS58)。
【0091】
情報表示装置1は、購入データを更新した後、記憶手段のキャッシュを確認し、キャッシュに画像データが残っていれば、そのローカルの画像データを表示し、キャッシュに画像データが残っていない場合は、情報配信装置2に該当する紙面データを要求し、データベース24からその紙面データをダウンロードし(ステップS59、S60、S61)、この紙面データを記憶手段12のキャッシュに保存すると共に、表示画面13aにその紙面データを表示する(ステップS62)。
【0092】
本発明による情報表示装置は、携帯電話、スマートフォン、PC、ゲーム機、テレビ等の他、コピー機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ等の機能を一つにまとめた多機能プリンタ等の複合機に適用することも可能である。また、携帯型情報表示装置としては、専用端末でもよいし、モバイルPC、スマートフォン、PDA、携帯型音楽プレイヤにアプリケーションソフトウエアを適用したものでもよい。
【0093】
以上、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 携帯型情報表示装置、情報表示装置
1b、 情報表示装置(PC)
2 情報配信装置
4 FTPサーバ
5 管理サーバ
6 インターネット
7 携帯電話通信網
8 アクセスポイント
11 制御手段
12 記憶手段
13 表示手段
13a 表示画面
13b 広告情報表示窓
14 画像処理手段
15 通信手段
16 入力手段
16a 操作ボタン
17 外部入出力手段
18 カードインタフェース部
19 メモリカード
21 中央制御部
21a 処理プログラム
22 入力装置
23 表示装置
24、24−1、24−2、24−3 データベース
24a 記憶装置
25 画像データ生成手段
25a 画像取込手段
25b 画像圧縮手段
26 属性情報付与手段
27 XMLデータ生成手段
28 Webサーバ
28a 画像情報送信手段
29 ユーザ情報サーバ
30 課金サーバ
100 画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報配信装置から通信ネットワークを介して配信される刊行物の画像情報を受信し、受信した該画像情報を実紙面イメージで表示画面上に表示する情報表示装置であって、
アプリケーションを実行するためのプログラム及び各種データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたプログラムの実行、データの処理、及び入出力デバイスの制御を司る制御手段と、
通信ネットワークを介して画像データ及び付随する属性情報を受信する通信手段と、
キー、ポインティングディバイス、又はタッチパネルによる各種操作に伴うイベント入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた操作に応じた前記画像データ及び属性情報を表示画面上に表示する表示手段と、を少なくとも備え、
前記画像データは画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の階層構造を有する複数の画像データからなり、前記表示手段は前記入力手段で受け付けた表示画像の拡大、縮小、又は移動操作に応じて該当する階層の該当する画像データを選択して実紙面イメージ通りの画像の全体又はその一部分を表示する画像処理手段を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記入力手段によるイベント入力を受け付け、前記通信手段を介しHTTPにより前記情報配信装置と接続してイベント入力による検索情報を送信し、対応する前記画像データ及び属性情報のアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを受信して該XMLデータに基づき当該画像データ及び属性情報を受信し、前記表示手段を介して表示画面上に該画像データ及び属性情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データは刊行物の複数の頁毎に対応して存在し、前記制御手段は、前記情報配信装置より通信手段を介し複数の頁に亘る複数の画像データのうちから表示画面上に表示するのに必要な画像データを、前記入力手段によるイベント入力に応じて適宜ダウンロードすることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データは刊行物の複数の頁毎に対応して存在し、前記制御手段は、前記情報配信装置より通信手段を介し複数の頁に亘る複数の画像データを一括してダウンロードすることを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記情報配信装置より複数の頁に亘る前記画像サイズ及び解像度の異なる複数階層の複数の画像データをダウンロードする際に、該画像データの受信速度が所定値に満たなかった場合に解像度の高い階層の画像データをダウンロードしないことを特徴とする請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記画像情報を表示する表示画面内に別途の情報表示窓を設け、前記情報配信装置又は他のサーバから送信された別途の独立した内容の情報を該情報表示窓に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記別途に設けられた情報表示窓は、前記表示画面の一側からアニメーション表示を伴い迫り出して表示されることを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記別途に設けられた情報表示窓に表示される情報は、前記画像情報の表示画像にオーバラップし半透過の表示画像として表示されることを特徴とする請求項6に記載の情報表示装置。
【請求項9】
通信ネットワークを介して刊行物の画像情報を配信し、配信された該画像情報を情報表示装置の表示画面上に実紙面イメージで表示させるための情報配信装置であって、
刊行物を編集するための実紙面イメージ通りの画像を表示する表示端末に表示される画像のデータを所定領域の画素毎に順次取り込み圧縮形式の画像データに逐次変換して出力し記憶装置に保存する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段で生成された画像データに付随する属性情報を該画像データに関連付けして記憶装置に保存する属性情報付与手段と、
前記記憶装置に格納された画像データ及び属性情報の索引情報を基に前記情報表示装置の表示画面に該画像データ及び属性情報を表示するためのアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを生成して記憶装置に保存するXMLデータ生成手段と、
通信ネットワークに接続された前記情報表示装置からの要求に応答し、要求された検索情報を基に該当する前記XMLデータ、画像データ、及び属性情報を前記記憶装置より検索して取り出し当該情報表示装置に送信する画像情報送信手段と、を備え、
前記画像データ生成手段で生成される画像データは、実紙面イメージ通りの画像の全体又はその一部分を前記情報表示装置の表示画面上に拡大、縮小又は移動して表示するために圧縮比率及び画像サイズの異なる複数階層の階層構造を有する複数の画像データからなることを特徴とする情報配信装置。
【請求項10】
前記画像データ生成手段は、前記圧縮比率及び画像サイズの異なる複数階層の複数の画像データを刊行物の複数の頁毎に生成し、前記画像情報送信手段は、該複数の頁に亘る複数の画像データのうちから前記情報表示装置の表示画面上に表示するのに必要な画像データを、該情報表示装置からの要求に応じて適宜送信することを特徴とする請求項9に記載の情報配信装置。
【請求項11】
前記画像データ生成手段は、前記圧縮比率及び画像サイズの異なる複数階層の複数の画像データを刊行物の複数の頁毎に生成し、前記画像情報送信手段は、前記情報表示装置からの要求に応答し、該複数の頁に亘る複数の画像データを一括して送信することを特徴とする請求項9に記載の情報配信装置。
【請求項12】
前記XML生成手段は、前記画像情報とは別途に予め記憶装置に保存された独立した内容の情報を表示するためのアドレス及び表示位置が記載されたXMLデータを更に生成する手段を有し、
前記情報表示装置からの要求に応答し、前記生成されたXMLデータ及び予め記憶装置に保存された対応する情報を前記記憶装置より取り出し前記情報表示装置に送信する付加情報送信手段、を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の情報配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−205252(P2010−205252A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198890(P2009−198890)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【特許番号】特許第4529020号(P4529020)
【特許公報発行日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(501089302)株式会社ヤッパ (14)
【Fターム(参考)】