説明

情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】 著作権を好適に保護しつつもHD及びSDの夫々のコンテンツ情報を好適に視聴する。
【解決手段】 情報記録装置(1)は、第1記録媒体(20)に記録された第1再生品質(HD)の第1コンテンツ情報を第2記録媒体(20)へムーブする情報記録装置であって、所定のスクランブルキーに基づいて第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段(35)と、第1コンテンツ情報のムーブ先である第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段(10/51)と、ムーブ処理及びスクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段(50)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVDレコーダやDVDプレーヤ等の情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置等として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地上波デジタル放送やBSデジタル放送等が開始され、家庭においても高画質なデジタル放送を視聴できるような環境が整いつつある。このようなデジタル放送では、いわゆる標準放送(以下、SD(Standard Definition)と称する)或いはSDTVの品質を有するコンテンツ情報から更に進んで、ハイビジョン放送(以下、HD(High Definition)と称する)或いはHDTVの品質を有するコンテンツ情報を視聴することができる。
【0003】
他方、このようなデジタル放送により放送されるコンテンツ情報は、デジタルデータであるがゆえに、複製によっても画質の劣化がなく、容易にコピーを作成することができる。このため、デジタルデータ(或いは、デジタル放送に係るコンテンツ情報)のコピーが、著作権の保護という点において問題となっている。このような著作権の保護を実現すべく、様々な著作権保護技術が開発されている(特許文献1から3参照)。特に、DVD等の記録媒体において採用されているCPPM(Content Protection for Prerecorded Media)やCPRM(Content Protection for Recording Media)といった著作権保護技術は、不正なコピーを防ぐための技術であり、例えばコンテンツ情報にコピーワンスの制約をかけることによって、コンテンツ情報の著作権を適切に保護している。
【0004】
【特許文献1】特開2000−324443号公報
【特許文献2】特開2000−298926号公報
【特許文献3】特開平9−171658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2004年4月より、現在放送されている地上波デジタル放送やBSデジタル放送には、著作権保護の観点から放送される全ての番組(コンテンツ情報)がコピーワンスの制約を受けることになる。
【0006】
このコピーワンスの制約により、例えばハードディスクに録画されたコンテンツ情報をDVD等の他の記録媒体に移す場合には、ハードディスクに録画された元のコンテンツ情報を消去する、いわゆるMOVE動作(ムーブ動作・ムーブ処理)のみが可能となる。例えば、自宅でHDのコンテンツ情報をハードディスクに録画した後に、このコンテンツ情報をDVD等に記録して外出先等で視聴したいユーザもいる。この場合、ハードディスクに録画されたHDのコンテンツ情報がSDのコンテンツ情報としてDVD等に記録され、且つハードディスクに録画されたHDのコンテンツ情報が消去されるというMOVE動作が行なわれる。このMOVE動作により、コンテンツ情報の著作権を適切に保護しつつも、コピーワンスの制約を受けるコンテンツ情報を他の記録媒体へ記録することが可能となる。
【0007】
このとき、ユーザが再度HDのコンテンツ情報を視聴したいと欲しても、既にSDのコンテンツ情報しか手元には残っておらず、HDのコンテンツ情報を視聴することができないという問題点を有している。このような問題は、デジタル放送の普及を妨げるのみならず、ハードディスクレコーダ等の情報機器の魅力をも半減させることにも繋がりかねず、好ましいものではない。
【0008】
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば著作権を好適に保護しつつもコンテンツ情報を好適に視聴することを可能とならしめる情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置等として機能させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の情報記録装置は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録装置であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項9に記載の情報記録方法は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録方法であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程と備える。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項10に記載の情報再生装置は、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生装置であって、当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段とを備える。
【0012】
上記課題を解決するために、請求項13に記載の情報再生方法は、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生方法であって、当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程とを備える。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項14に記載の情報記録再生装置は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生装置であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段と、当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれている否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段とを備える。
【0014】
上記課題を解決するために、請求項17に記載の情報記録再生方法は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生方法であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程と、当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれている否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程とを備える。
【0015】
上記課題を解決するために、請求項18に記載のコンピュータプログラムは、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記スクランブル手段、前記識別子記憶手段及び前記経緯情報生成手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0016】
上記課題を解決するために、請求項19に記載のコンピュータプログラムは、請求項10から12のいずれか一項に記載の情報再生装置に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1判定手段、前記取得手段、前記コンテンツ情報生成手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0017】
上記課題を解決するために、請求項20に記載のコンピュータプログラムは、請求項14から16のいずれか一項に記載の情報記録再生装置に備えられたコンピュータを制御する記録再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記スクランブル手段、前記識別子記憶手段、前記経緯情報生成手段、前記第1判定手段、前記取得手段、前記コンテンツ情報生成手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させる。
【0018】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムについて順に説明する。
【0020】
(情報記録装置の実施形態)
本発明の情報記録装置に係る実施形態は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録装置であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段とを備える。
【0021】
本発明の情報記録媒体に係る実施形態によれば、スクランブル手段の動作により、所定のスクランブルキーに基づいて第1コンテンツ情報にスクランブル処理が施される。その結果、第1コンテンツ情報からスクランブル情報が生成される。ここに、本発明における「スクランブル処理」とは、所定の映像等を示すコンテンツ情報を、当該所定の映像等を単体では示し得ない情報(即ち、スクランブル情報)へと変換する処理を示す趣旨である。即ち、スクランブル情報は、それ自体はコンテンツ情報を示す情報ではなく、スクランブルキーと共にデータ処理等をすることで、初めて各種映像や音声等を示す情報(具体的には、第1コンテンツ情報)となる。従って、スクランブル情報が生成される限りにおいては、コンテンツの著作権を適切に保護することができる。
【0022】
本実施形態では特に、識別子記憶手段の動作により、第1コンテンツ情報をムーブ処理した先の第2記録媒体を一意に識別する識別子を記憶する。加えて、経緯情報作成手段の動作により、スクランブル処理に関する経緯(例えば、後述するように、どのようなスクランブルキーを用いてどのようなスクランブル処理を行ったか)やムーブ処理に関する経緯(例えば、後述するように、どの第1コンテンツ情報をどの記録媒体又は装置からどの記録媒体等へムーブ処理したか)を示す経緯情報を作成する。
【0023】
このため、後述するように、スクランブルキーに基づいてスクランブル情報から第1コンテンツ情報を生成する際には、この識別子や経緯情報を参照することで、正規にスクランブル処理がなされたり或いは正規にムーブ処理されたりした第1コンテンツ情報を好適に再生することができる。一方で、この識別子や経緯情報を参照することで、不正に複製されたスクランブル情報等からの第1コンテンツ情報等の不正な再生を好適に防ぐことができる。例えば、識別子記憶手段に記憶された識別子を参照すると、本来第1コンテンツ情報がムーブ処理されていないことが判明した第2記録媒体の再生が指示された場合であっても、その不正な再生を防止することができる。これにより、コンテンツの著作権をより好適に保護することができる。
【0024】
従って、コンテンツの著作権が好適に保護されつつも、ユーザは、例えば第1再生品質から、より低精細度な第2再生品質にダウンコンバートされたコンテンツ情報(例えば後述する第2コンテンツ情報)が他の記録媒体に記録された後であっても、スクランブル情報に基づいて、再度第1再生品質に係る第1コンテンツ情報を視聴することが可能となる。即ち、例えば、相対的に高精細度なデジタル放送の番組を第1記録媒体に録画した後に、当該番組を相対的に低精細度な番組にダウンコンバートして第2記録媒体に記録しても、再び相対的に高精細度な番組として視聴することができる。もちろん、低精細度な番組としても視聴することもできる。
【0025】
以上の結果、本実施形態に係る情報記録装置によれば、コンテンツの著作権を好適に保護しつつも、ユーザはコンテンツ情報を好適に視聴することができる。
【0026】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の一の態様は、前記第1コンテンツ情報をダウンコンバートして前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報としてダウンコンバート手段と、前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録手段と、前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する消去手段とを備える。
【0027】
この態様によれば、ダウンコンバート手段の動作により、第1記録媒体に記録されている第1再生品質(HD)に係る第1コンテンツ情報がダウンコンバートされ、第2再生品質(SD)に係る第2コンテンツ情報が生成される。このとき、第2再生品質は第1再生品質と比較してより低精細度であるため、第2コンテンツ情報のデータサイズは第1コンテンツ情報のデータサイズと比較してより小さくなっている。そして、この生成された第2コンテンツ情報は、第1記録手段の動作により第2記録媒体に記録される。
【0028】
一方、第2コンテンツ情報が第2記録媒体に記録された後には、消去手段の動作により、第1記録媒体に記録されている第1コンテンツ情報が消去される。これにより、コンテンツの著作権を適切に保護することができる。
【0029】
以上の結果、本実施形態に係る情報記録装置によれば、コンテンツの著作権を好適に保護しつつも、ユーザは所望の再生品質(例えば、後述のHD画質に相当する第1再生品質或いは後述のSD画質に相当する第2再生品質)に係るコンテンツ情報を好適に視聴する
上述の如く第1記録手段等を備える情報記録装置の態様では、前記第1記録手段は更に、前記生成された経緯情報を前記第2記録媒体へ記録するように構成してもよい。
【0030】
このように構成すれば、正規に第1コンテンツ情報がムーブ処理された第2記録媒体に経緯情報が記録される。従って、経緯情報のみを不正にコピーしても、正規に第1コンテンツ情報がムーブ処理された第2記録媒体でなければ当該経緯情報を用いて、後述する第1コンテンツ情報等の再生を行うことができない。従って、コンテンツの著作権をより好適に保護することが可能となる。
【0031】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記経緯情報は、前記スクランブルキー、前記ムーブ処理を行った情報記録装置、前記ムーブ処理がなされた前記第1コンテンツ情報、及び前記ムーブ処理された第2コンテンツ情報の前記第2記録媒体上における記録位置のうち少なくとも一つを特定可能な情報を含む。
【0032】
この態様によれば、これらの経緯情報を適宜参照することで、第1コンテンツ情報等の不正な再生をより効果的に防止することが可能となる。従って、コンテンツの著作権をより好適に保護することが可能となる。尚、このほかに例えばムーブ先の第2記録媒体に関する情報等を経緯情報に含めてもよい。
【0033】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記識別子は、前記第2記録媒体に固有の情報である。
【0034】
この態様によれば、識別子を参照することで、正規に第1コンテンツ情報がムーブ処理された第2記録媒体を一意に特定することができる。従って、識別子を参照することで、不正にコピーされた第2記録媒体からのコンテンツ情報の再生をより効果的に防止することが可能となる。
【0035】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1記録媒体に前記スクランブル情報を記録する第2記録手段を更に備える。
【0036】
この態様によれば、第1記録媒体に記録されたスクランブル情報を用いて、後述する各種動作(特に、第1コンテンツ情報の生成動作)を適切に行うことができる。
【0037】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記スクランブルキーを生成するキー生成手段を備える。
【0038】
この態様によれば、キー生成手段の動作により、よりコンテンツの著作権を好適に保護し得る或いはよりセキュアなスクランブルキーを作成することができる。或いは、スクランブル処理毎に異なるスクランブルキーを作成することができる。
【0039】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備える。
【0040】
この態様によれば、第1コンテンツ情報とスクランブル情報とのデータ構造における相違に基づくことで、例えば第1記録媒体に混在して記録され得る第1コンテンツ情報及びスクランブル情報より、スクランブル情報を選択的に抽出(リストアップ)することができる。そして、例えば第1記録媒体等に記録されていくスクランブル情報の一覧を表示し、例えば所定のスクランブル情報等を消去する旨の指示をユーザより入力させるように構成することもできる。
【0041】
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、少なくとも前記第2記録媒体から読出可能な情報に基づいて前記スクランブルキーを生成するキー生成手段を更に備える。
【0042】
この態様によれば、例えば第2コンテンツ情報が記録される第2記録媒体に固有のスクランブルキーを生成することが可能となる。言い換えれば、スクランブルキーを生成するためには、実際に例えば第2コンテンツ情報が記録される第2記録媒体が必要とされる。即ち、ここでの「スクランブルキー」とは、少なくとも第2記録媒体から読み出される情報に基づかなければ生成することができないキーである。このため、スクランブルキーの不正な生成(複製)をより効果的に防止することができる。従って、不正にスクランブル情報を取得する者が仮にいたとしても、容易にスクランブルキーを生成することはできず、その結果、コンテンツの著作権をより好適に保護することが可能となる。
【0043】
上述の如くキー生成手段を備える情報記録装置の態様では、前記読出可能な情報は、前記第2コンテンツ情報が記録される前記第2記録媒体に固有の情報を含むように構成してもよい。また、前記読出可能な情報は、前記第2コンテンツ情報の少なくとも一部を含むように構成してもよい。また、前記読出可能な情報は、前記第1コンテンツ情報の著作権保護に用いられる暗号化キー及び該暗号化キーを生成するために必要な情報を含むように構成してもよい。
【0044】
このように構成すれば、スクランブルキーの不正な生成(複製)をより効果的に或いはより強固に防止することができ、その結果コンテンツの著作権をより好適に保護することが可能となる。
【0045】
(情報記録方法の実施形態)
本発明の情報記録方法に係る実施形態は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録方法であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程とを備える。
【0046】
本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
【0047】
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報記録方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0048】
(情報再生装置の実施形態)
本発明の情報再生装置に係る実施形態は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生装置であって、当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段とを備える。
【0049】
本発明の情報再生装置に係る実施形態によれば、経緯情報により特定されるスクランブル情報とスクランブルキーとを用いて、第1コンテンツ情報を生成することが可能となる。
この動作に先立って、第1判定手段の動作により、再生の対象となる(即ち、当該情報再生装置にローディングされた)第2記録媒体の識別子が、識別子記憶手段に記憶されている識別子と一致する(或いは、識別子記憶手段に記憶されている識別子の集合に含まれている)か否かが判定される。即ち、正規にムーブ処理がなされた第2記録媒体がローディングされているか否かが判定される。この判定の結果、再生の対象となる第2記録媒体の識別子が識別子記憶手段に記憶されている識別子等と一致するないしは含まれている(即ち、正規にムーブ処理がなされた第2記録媒体がローディングされている)と判定された場合にのみ、第2記録媒体から経緯情報が取得される。従って、不正に経緯情報やムーブ処理されたコンテンツ(具体的には、第2コンテンツ情報)が記録された第2記録媒体からは、経緯情報を取得することができず、その結果スクランブル情報より第1コンテンツ情報を作成することもできない。そして、一致すると判定された場合には、コンテンツ情報作成手段の動作により、スクランブルキーに基づいてスクランブル情報に対してデスクランブル処理(或いは、スクランブル解除処理)を施すことで、元の第1コンテンツ情報を生成することが可能となる。従って、一度第1コンテンツ情報を、例えばより低精細度な第2コンテンツ情報に変換して他の記録媒体に記録しても、ユーザは第1コンテンツ情報を再度視聴することが可能となる。
【0050】
以上の結果、本実施形態に係る情報再生装置によれば、コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、ユーザは、所望の再生品質(特に、第1再生品質)に係るコンテンツ情報を好適に視聴することが可能となる。
【0051】
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る各種態様に対応して、本発明の情報再生装置に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0052】
本発明の情報再生装置に係る実施形態の一の態様は、前記第2記録媒体には前記経緯情報が記録されており、前記取得手段は前記第2記録媒体より前記経緯情報を取得し、前記取得された経緯情報を参照することで、当該情報再生装置において前記第1コンテンツ情報を再生することが可能か否かを判定する第2判定手段を更に備え、前記情報生成手段は、前記第2判定手段により可能であると判定された場合に前記第1コンテンツ情報を生成する。
【0053】
この態様によれば、経緯情報を参照することで、不正にコピーされたスクランブル情報のデスクランブル処理が行われる不都合をより効果的に防ぐことができる。即ち、識別子を用いて第2記録媒体の正当性(例えば、正規にムーブ処理されているという正当性)を確認するのみならず、経緯情報を用いて更に第2記録媒体や情報再生装置等の正当性をも確認している。従って、コンテンツの著作権をより好適に保護しつつも、第1コンテンツ情報等の再生を好適に行うことができる。
【0054】
本発明の情報再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備える。
【0055】
この態様によれば、第1コンテンツ情報とスクランブル情報とのデータ構造における相違に基づくことで、例えば第1記録媒体に混在して記録され得る第1コンテンツ情報及びスクランブル情報より、スクランブル情報を選択的に抽出(リストアップ)することができる。そして、例えば第1記録媒体等に記録されていくスクランブル情報の一覧を表示し、例えば所定のスクランブル情報等を消去する旨の指示をユーザより入力させるように構成することもできる。
【0056】
本発明の情報再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記第2コンテンツ情報を再生する第2再生手段を更に備える。
【0057】
この態様によれば、ユーザは、第2コンテンツ情報をも適切に視聴することが可能となる。
【0058】
(情報再生方法の実施形態)
本発明の情報再生方法に係る実施形態は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生方法であって、当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれている否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程とを備える。
【0059】
本発明の情報再生方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
【0060】
尚、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報再生方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0061】
(情報記録再生装置の実施形態)
本発明の情報記録再生装置の実施形態は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生装置であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段と、当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段とを備える。
【0062】
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置及び情報再生装置の夫々に係る実施形態が有する各種利益を享受することができる。
【0063】
尚、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報記録再生装置の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0064】
本発明の情報記録再生装置に係る一の態様は、前記第2記録媒体には、前記ムーブ処理を行った情報記録再生装置を特定可能な情報を含んだ前記経緯情報が記録されており、前記取得手段は前記第2記録媒体より前記経緯情報を取得し、前記取得された経緯情報により特定される情報記録再生装置が、当該情報記録再生装置と一致するか否かを判定する第2判定手段を更に備え、前記コンテンツ情報生成手段は、前記第2判定手段により一致していると判定された場合に前記第1コンテンツ情報を生成する。
【0065】
この態様によれば、経緯情報に含まれているムーブ処理を行った情報記録再生装置を特定可能な情報を参照することで、不正にコピーされたスクランブル情報のデスクランブル処理が行われる不都合をより効果的に防ぐことができる。即ち、識別子を用いて第2記録媒体の正当性(例えば、正規にムーブ処理されているという正当性)を確認するのみならず、経緯情報を用いて情報記録再生装置の正当性(例えば、正規に第2記録媒体へムーブ処理を行ったという正当性)をも確認している。従って、コンテンツの著作権を好適に保護しつつも、第1コンテンツ情報等の再生を好適に行うことができる。
【0066】
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備える。
【0067】
この態様によれば、第1コンテンツ情報とスクランブル情報とのデータ構造における相違に基づくことで、例えば第1記録媒体に混在して記録され得る第1コンテンツ情報及びスクランブル情報より、スクランブル情報を選択的に抽出(リストアップ)することができる。そして、例えば第1記録媒体等に記録されていくスクランブル情報の一覧を表示し、例えば所定のスクランブル情報等を消去する旨の指示をユーザより入力させるように構成することもできる。
【0068】
(情報記録再生方法の実施形態)
本発明の情報記録再生方法に係る実施形態は、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生方法であって、所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程と、当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程とを備える。
【0069】
本発明の情報記録再生方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置及び情報再生装置の夫々に係る実施形態が有する各種利益を享受することができる。
【0070】
尚、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明に係る情報記録再生方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0071】
(コンピュータプログラムの実施形態)
本発明に係るコンピュータプログラムの第1実施形態は、コンピュータを上述した情報記録装置の実施形態(但し、その各種形態も含む)の少なくとも一部として機能させる。本発明に係るコンピュータプログラムの第2実施形態は、コンピュータを上述した情報再生装置の実施形態(但し、その各種形態も含む)の少なくとも一部として機能させる。本発明に係るコンピュータプログラムの第2実施形態は、コンピュータを上述した情報記録再生装置の実施形態(但し、その各種形態も含む)の少なくとも一部として機能させる。
【0072】
本発明に係るコンピュータプログラムの各実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置、情報再生装置又は情報記録再生装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
【0073】
尚、上述した本発明の情報記録装置、情報再生装置又は情報記録再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る各実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0074】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0075】
以上説明したように、本発明の情報記録装置又は方法に係る実施形態によれば、スクランブル手段、識別子記憶手段及び経緯情報作成手段、又はスクランブル工程、識別子記憶工程及び経緯情報作成工程を備える。また、本発明の情報再生装置又は方法に係る実施形態によれば、第1判定手段、コンテンツ情報生成手段及び再生手段、又は第1判定工程、コンテンツ情報生成工程及び再生工程を備える。従って、コンテンツの著作権を保護しつつも、ユーザはコンテンツ情報を好適に視聴することができる。
【実施例】
【0076】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明を進める。
【0077】
(基本構成)
先ず、図1を参照して、本発明の情報記録再生装置(情報記録装置或いは情報再生装置)に係る実施例の基本構成について説明を進める。ここに、図1は、本実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【0078】
図1に示すように、情報記録再生装置1は、ハードディスク10及び光ディスク20の夫々にデータを記録可能に構成されており、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、NIM(Network Interface Module)31、MPEG Demux32、ビデオオーディオデコーダ33、ダウンコンバータ/TS−PS(Transport Stream-Program Stream)変換器34、スクランブル/デスクランブル回路35、IDE(Integrated Drive Electronics)コントローラ36、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)コントローラ37、SW1、SW2、SW3、CPU50、RAM51、ROM52を備えている。
【0079】
ハードディスク10は、本発明における「第1記録媒体」」の一具体例であって、各種データを記録可能な磁気記録媒体であって、特に、光ディスク20の記録容量と比較して、より大きな記録容量を有している。
【0080】
ハードディスクドライブ11は、本発明における「第2記録手段」又は「消去手段」の一具体例であって、ハードディスク10へ各種データを記録又は消去可能に構成されている。
【0081】
光ディスク20は、本発明における「第2記録媒体」の一具体例であって、例えばDVD等の如く直径12cmの円盤状の形状を有している情報記録媒体である。
【0082】
特に、本実施例に係る情報記録再生装置1に用いられる光ディスク20は、CPRMに対応した書換可能な光ディスク(例えば、DVD−RW等)である。
【0083】
光ディスクドライブ21は、本発明における「第1記録手段」の一具体例であって、光ディスク20へ各種データを記録又は消去可能に構成されている。
【0084】
NIM(Network Interface Module)31は、例えば放送されるテレビ番組や映画番組等のMPEG−TS(トランスポートストリーム)を受信するための周波数同調を行う。また、受信すべきMPEG−TSを選択(或いは、選局)可能に構成されている。そして、受信したMPEG−TSを、MPEG Demux32へ出力可能に構成されている。
【0085】
MPEG Demux32は、MPEG−TS(トランスポートストリーム)やMPEG−PS(プログラムストリーム)から、出力すべきビデオパケットやオーディオパケット(更には、サブピクチャパケット等)を抽出し、ビデオオーディオデコーダ33へ出力可能に構成されている。
【0086】
ビデオオーディオデコーダ33は、MPEG Demux32より出力されるビデオパケットやオーディオパケット等をデコーディング可能に構成されている。そして、デコーディングされたデータは出力端子へ出力され、該出力端子に接続されたディスプレイに映像が表示され、スピーカーに音声が出力される。
【0087】
ダウンコンバータ/TS−PS(Transport Stream-Program Stream)変換器34は、本発明における「ダウンコンバート手段」の一具体例であって、HDサイズ(1920画素×1080画素)の映像に係るデータをSDサイズ(720画素×480画素)の映像に係るデータに、或いはSDサイズの映像に係るデータをHDサイズの映像に係るデータに変換可能に構成されている。また、この画素サイズの変換処理に加えて、入力されるデータのTS−PSフォーマット変換を行う。
【0088】
尚、本実施例では、単に画素数の面から映像を区別する際には、HDサイズの映像又はSDサイズの映像と称して区別する。そして、HDサイズの映像に相当する画素数を有しており、且つ実際にHD画質を実現する映像を特にHDコンテンツと称して特に区別する。また、SDサイズの映像に相当する画素数を有する映像は、HD画質を実現し得るはずもなく、SDサイズの映像を場合によってはSDコンテンツと称する。
【0089】
スクランブル/デスクランブル回路35は、所定のスクランブルキーに基づいて、ハードディスク10より読み取られるHDストリームに対してスクランブル処理を施す。その結果、スクランブルデータを生成可能に構成されている。生成されたスクランブルデータは、ハードディスク10へ記録される。また、所定のスクランブルキーに基づいて、ハードディスク10より読み取られるスクランブルデータに対してデスクランブル処理を施す。即ち、上述するスクランブル処理とは逆のデータ処理をスクランブルデータに対して施す。その結果、HDコンテンツを生成可能に構成されている。そして、スクランブル処理を行う回路部分が、本発明における「スクランブル手段」の一具体例に相当し、デスクランブル処理を行う回路部分が、本発明における「情報生成手段」の一具体例に相当する。尚、スクランブル/デスクランブル回路35は、スクランブル回路とデスクランブル回路との2つに分離された構成でもよい。
【0090】
IDE(Integrated Drive Electronics)コントローラ36は、ハードディスクドライブ11を制御可能に構成されており、特に、ハードディスク10への各種データの記録或いは再生を制御可能に構成されている。また、ハードディスク10へデータを記録する際の暗号化(即ち、Local Encryption)に必要な暗号化キーを生成可能に構成されていてもよい。
【0091】
ATAPI(AT Attachment Packet Interface)コントローラ37は、光ディスクドライブ21を制御可能に構成されており、特に、光ディスク21への各種データの記録或いは再生を制御可能に構成されている。また、ATAPIコントローラ37は、各種データの記録や再生の際には、例えばCPRM等の規格に対応して、これら各種データの暗号化及び復号化を行う。
【0092】
SW1は、MPEG Demux32から出力されるデータ(例えば、HDコンテンツ等)とスクランブル/デスクランブル回路35から出力されるデータ(例えば、スクランブルデータ等)とのいずれのデータがハードディスク10に記録されるかに応じて、IDEコントローラ36への入力を切替可能に構成されている。
【0093】
SW2は、IDEコントローラ36(即ち、ハードディスク10)から出力されるデータがMPEG Demux32若しくはダウンコンバータ/TS−PS変換器34へ入力されるか、又はスクランブル/デスクランブル回路35から出力されるデータがMPEG Demux32若しくはダウンコンバータ/TS−PS変換機34へ入力されるかを適宜切替可能に構成されている。
【0094】
SW3は、MPEG Demux32から出力されるデータ(例えば、SDコンテンツ等)とダウンコンバータ/TS−PS変換器34から出力されるデータ(例えば、SDコンテンツ等)とのいずれのデータが光ディスク20に記録されるかに応じて、ATAPIコントローラ37への入力を切替可能に構成されている。
【0095】
CPU50は、当該情報記録再生装置1全体(即ち、図1中実線にて囲まれる各種構成要件)の動作を制御可能に構成されている。即ち、情報記録再生装置1が備える各構成要素に対してシステムコマンドを出力することで、情報記録再生装置1全体の制御を行う。
【0096】
RAM51は、情報記録再生装置1の動作に必要な各種データを一時的に記録可能に構成されている。
【0097】
ROM52は、例えばCPU50が動作するためのソフトウェアを記録可能に構成されている。
【0098】
尚、以上の情報記録再生装置1の各種構成要素のうち、主として図1中ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、ダウンコンバータ/TS−PS変換器34、スクランブル/デスクランブル回路35、IDEコントローラ36、ATAPIコントローラ37等が本発明における情報記録装置の一具体例を構成する。また、主として図1中ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、MPEG Demux32、ビデオオーディオデコーダ33、スクランブル/デスクランブル回路35、IDEコントローラ36、ATAPIコントローラ37等が、本発明における情報再生装置の一具体例を構成する。
【0099】
更に、各種構成要素を媒介するバスに付されている矢印は、データの入出力の方向を例示的に示すものであり、データの入出力の方向がこの矢印の方向に限定されないことは言うまでもない。
【0100】
(動作原理)
続いて、図2から図8を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置の動作原理について説明を進める。
【0101】
(1)MOVE動作
先ず、図2を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作について説明する。ここに、図2は、MOVE動作に係る流れを概念的に示すフローチャートである。
【0102】
尚、MOVE動作の前提として、ハードディスク10にHDコンテンツが記録される場合の動作について簡単に説明する。先ず、地上波や衛星電波を用いて放送されたり通信ネットワークを介して配信されるMPEGトランスポートストリーム等は、NIM31において受信される。受信されたMPEGトランスポートストリーム等から、MPEG Demux32において、所望の番組(プログラム)を構成するビデオパケットやオーディオパケットが抽出され、IDEコントローラ36へ出力される。このとき、CPU50の制御の下に、SW1がMPEG Demux32側に切り替えられ、MPEG Demux32とIDEコントローラ36とが接続される。そして、IDEコントローラ36の動作により、所望の番組を構成するビデオパケットやオーディオパケットがハードディスク10に記録される。このとき、HDコンテンツは、IDEコントローラ36の制御の下に、ローカルエンクリプション(暗号化)が施されて記録される。
【0103】
続いて、MOVE動作について説明する。尚、このときハードディスク10には、NIM31において受信されたHDコンテンツが記録されているものとして、以下の説明を進める。
【0104】
図2に示すように、CPU50よりIDEコントローラ36に対して、HDコンテンツを読み出す旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS101)。これにより、ハードディスク10に記録されているHDコンテンツが読み取られる。このとき、HDコンテンツは暗号化されたハードディスク10に記録されているため、HDコンテンツの読み出しに伴って復号化(非暗号化)処理が行われる。
【0105】
続いて、CPU50の制御の下に、SW1がスクランブル/デスクランブル回路35側へ切り替えられる。これにより、IDEコントローラ36とスクランブル/デスクランブル回路35とが接続される(ステップS102)。そして、ハードディスク10より読み出されたHDコンテンツは、IDEコントローラ36からスクランブル/デスクランブル回路35へ出力される。
【0106】
続いて、本発明における「キー生成手段」の一具体例たるCPU50の動作により、HDコンテンツをスクランブル処理するためのスクランブルキーが生成される(ステップS103)。
【0107】
ここで、スクランブルキーについて具体的に説明する。スクランブルキーは、HDコンテンツのスクランブル処理のために用いられ、CPU50が任意に設定することができる。但し、スクランブル処理により作成されるスクランブルデータのデスクランブル処理が、第三者により容易に行われないように、スクランブルキーは高い秘匿性・解読不能性を有していることが好ましい。
【0108】
このため、例えばスクランブルキーは、光ディスク20に記録されるSDコンテンツに基づいて生成されてもよい。例えば、スクランブル/デスクランブル回路35に入力されるHDコンテンツの再生時刻に対応する(即ち、同一再生時刻の)SDコンテンツのデータ(例えば、1フレーム毎のデータ)をスクランブルキーとしてもよい。或いは、SDコンテンツの少なくとも一部をスクランブルキーとしてもよい。そして、HDコンテンツのデータサイズと比較して小さいデータサイズを有するスクランブルキーを繰り返し使用してスクランブル処理を行うように構成してもよい。このとき、SDコンテンツ(或いは、その一部)をスクランブルキーとして使用するため、後述のデスクランブル処理の際には、実際にSDコンテンツが記録された光ディスク20が必要とされる。従って、本実施例の如く、CPRMにより当該光ディスク20(特に、当該光ディスク20に記録されるコンテンツ)の著作権が保護されていれば(例えば、容易に読み出すことができなければ)、スクランブルキーの複製(特に、不正な複製)をより効果的に防止することができる。
【0109】
また、CPRMに基づく暗号化のために用いられる暗号化キーをスクランブルキーとして用いてもよい。或いは、当該暗号化キーに基づいてスクランブルキーを生成してもよい。また、この暗号化キーを生成するために必要な各種情報に基づいてスクランブルキーを生成してもよい。これにより、スクランブルキーの複製(特に、不正な複製)をより効果的に防止することが可能となる。
【0110】
或いは、SDコンテンツが記録される光ディスク20に固有の情報(例えば、ディスクキーやメディアIDや或いはその他の各種識別番号等)に基づいてスクランブルキーを生成してもよい。これにより、スクランブルキーを生成するためには、SDコンテンツが実際に記録されている光ディスク20が必要となるため、スクランブルキーの複製(特に、不正な複製)をより効果的に防止することが可能となる。
【0111】
言い換えれば、スクランブルキーを容易に複製する(即ち、スクランブルデータを容易に復元(デスクランブル処理)する)ことができないように、SDストリーム或いは該SDストリームが記録される光ディスク20に固有のスクランブルキーを生成することが好ましい。これにより、仮にスクランブルデータを不正に入手した者がいたとしても、スクランブルキーを容易に複製できないため、結局HDストリームとして復元することができない。このため、コンテンツの著作権を好適に保護することが可能となる。
【0112】
尚、参考までに、例えばネットワーク上におけるデータ送受信の際のデータの暗号化に用いられるSSL(Secure Socket Layer)では、128ビットのサイズのキーを用いて暗号化処理を行っているが、本実施例ではコンテンツの著作権をより好適に保護するべく、128ビットよりも多いビット数を有するスクランブルキーにてスクランブル処理を行うことが好ましい。例えば、上述したように、1フレームのデータ量に相当するサイズのスクランブルキーにてスクランブル処理を行ってもよい。
【0113】
続いて、CPU50よりスクランブル/デスクランブル回路35に対して、HDコンテンツをスクランブル処理する旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS104)。これにより、ハードディスク10に記録されているHDコンテンツがステップS103において生成されたスクランブルキーに基づいてスクランブル処理されることで、スクランブルデータが生成される。このスクランブルデータはハードディスク10へ適宜記録される。このとき、スクランブルデータに対してローカルエンクリプションを施した上でハードディスク10に記録するように構成してもよい。
【0114】
尚、スクランブル/デスクランブル回路35においては、例えばスクランブルキーとHDコンテンツに係るデータとの排他的論理和(XOR演算)等の論理演算を行うことでスクランブルデータを生成するように構成してもよい。即ち、スクランブルキーを変換係数とし、変換形式としてXOR演算を適用してもよい。或いは、スクランブルキーに基づいて、HDコンテンツに係るデータに所定の演算(例えば、シフト演算等)を施すことでスクランブルデータを生成するように構成してもよいし、その他の演算を施すことでスクランブルデータを生成するように構成してもよい。要は、それ単体では所定の映像や音声等を何ら意味しておらず、後述するように、スクランブルキーと合わせてデータ処理(具体的には、デスクランブル処理)することで初めて意味のある映像や音声等を構成するようなスクランブルデータが生成されればよい。即ち、本実施例における「スクランブル処理」とは、所定の映像等を示すデータを、当該所定の映像等を単体では示し得ないデータへと変換する処理を示している。
【0115】
続いて、CPU50の制御の下にSW2が切り替えられ、IDEコントローラ36とダウンコンバータ/TS−PS変換器34とが接続される(ステップS105)。そして、ハードディスク10より読み出されたHDコンテンツは、IDEコントローラ36からダウンコンバータ/TS−PS変換器34へ出力される。
【0116】
続いて、CPU50よりダウンコンバータ/TS−PS変換器34に対して、HDコンテンツをダウンコンバート及びTS−PS変換する旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS106)。従って、ハードディスク10から出力されるHDコンテンツがSDコンテンツにダウンコンバートされ、またトランスポートストリーム形式のHDコンテンツがプログラムストリーム形式のSDコンテンツに変換される。但し、本実施例においては、以下に説明する光ディスク20の識別子の記憶及び光ディスク20上においてSDコンテンツを記録するべき記録位置を特定した後に、実際にダウンコンバート及びTS−PS変換が開始される。
【0117】
続いて、CPU50よりATAPIコントローラ37に対して、ダウンコンバート/TS−PS変換器34から出力されるSDコンテンツを光ディスク20へ記録する旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS107)。これにより、ATAPIコントローラ37は、SDコンテンツを光ディスク20へ記録する。このとき、SDコンテンツは、CPRMに基づき暗号化された上で光ディスク20に記録される。但し、本実施例においては、以下に説明する光ディスク20の識別子の記憶及び光ディスク20上においてSDコンテンツを記録するべき記録位置を特定した後に、実際にSDコンテンツの記録が開始される。
【0118】
このSDコンテンツの記録に先立って、CPU50の制御の下に、SDコンテンツを記録しようとしている光ディスク20の識別子が読み出される。この読み出された識別子は、例えば本発明の「識別子記憶手段」の一具体例でもあるハードディスク10に記録される。但し、例えばRAM51等の他の記録媒体に記憶するように構成してもよい。
【0119】
この識別子は、例えば光ディスク20の一具体例たるDVDであれば、NBCA(Narrow Burst Cutting Area)にバーコード状に記録されているメディアIDであってもよいし、或いはその他のディスクIDであってもよい。或いは、これらのIDを組み合わせて一の識別子としてもよい。即ち、膨大な枚数の光ディスク20の中から、SDコンテンツを記録した光ディスク20を一意に特定することができる情報であれば、本実施例における識別子として用いることができる。
【0120】
ここで光ディスク20の識別子の記憶に関して、図3を参照してより詳細に説明する。ここに、図3は、ハードディスク10等に記録される識別子を概念的に示すデータ構造図である。
【0121】
図3に示すように、SDコンテンツを記録しようとしている光ディスク20の識別子は、識別子情報としてハードディスク10上に記憶される。ここでは、当該情報記録再生装置1によりコンテンツの記録が行われた光ディスク20の識別子がリスト形式で識別子情報として記憶されていることが好ましい。例えば図3に示す識別子情報であれば、情報記録再生装置1は、識別子#1により特定される光ディスク20に一のHDコンテンツを記録し、識別子#2により特定される光ディスク20に他のHDコンテンツを記録し、識別子#nにより特定される光ディスク20に更に別のHDコンテンツを記録している。
【0122】
再び図2において、CPU50の制御の下に、光ディスク20上においてSDコンテンツが記録される記録位置が特定される(ステップS109)。この記録位置は、例えば光ディスク20の一具体例たるDVDであれば、VOB番号であってもよいし、SDコンテンツが記録されるアドレス位置(例えば、物理的なアドレス位置や論理的なアドレス位置)であってもよい。或いは、SDコンテンツが実際に記録される記録位置を特定することができれば、その他の各種情報であってもよい。
【0123】
続いて、CPU50の制御の下に、実際にHDコンテンツのダウンコンバート及びTS−PS変換が行われながら、ダウンコンバータ/TS−PS変換器34より出力されるSDコンテンツが光ディスク20へ記録される(ステップS110)。より具体的には、SDコンテンツに対してCPRM処理が施される。具体的には、情報記録再生装置1が有するデバイスキーや光ディスク20に予め記録されているメディアキー(例えば、MKB(Media Key Block))等に応じて暗号化キーが生成される。そして、この暗号化キーに基づいて、記録されるコンテンツ(この場合、SDコンテンツ)の暗号化が行われる。そして、暗号化されたSDコンテンツが光ディスク20へ記録される。このとき、MOVE動作の要求を満たすべく、SDコンテンツの記録と同時に或いは並行して、ハードディスク10に記録されているHDコンテンツの消去が行なわれる。
【0124】
その後、HDコンテンツの最後の部分までダウンコンバート等がなされたか否か(HDコンテンツの最後に到達したか否か)が判定される(ステップS111)。即ち、HDコンテンツの最後の部分に対応するSDコンテンツの光ディスク20への記録が行われたか否かが判定される。
【0125】
この判定の結果、HDコンテンツの最後の部分までダウンコンバート等がなされていないと判定された場合(ステップS111:No)、再びステップS110へ戻り、HDコンテンツのダウンコンバート等及び光ディスク20へのSDコンテンツの記録(更には、ハードディスク10に記録されているHDコンテンツの消去)が継続して行われる。他方、HDコンテンツの最後の部分までダウンコンバート等がなされていると判定された場合(ステップS111:Yes)、本発明の「経緯情報生成手段」の一具体例たるCPU50の制御の下に、経緯情報が生成される(ステップS112)。
【0126】
この経緯情報について図4を参照しながらより詳細に説明する。ここに、図4は、経緯情報を概念的に示すデータ構造図である。
【0127】
図4に示すように、経緯情報は、MOVE動作及びスクランブル処理の夫々に関する動作経緯を示す情報である。例えば、MOVE動作を行なった情報記録再生装置とMOVE動作によりコンテンツが記録された光ディスクとの関係を一意に示す情報や、スクランブル処理に用いられたスクランブルキーや、スクランブル処理の結果生成されるスクランブルデータを示す情報等を含んでいる。より具体的には、経緯情報は、(i)ムーブ元装置ID、(ii)ムーブ元ファイル名、(iii)ムーブ先VOB番号、及び(iv)スクランブルキーデータが含まれている。
【0128】
ムーブ(MOVE)元装置IDは、HDコンテンツのMOVE動作を実際に行なった情報記録再生装置を特定するための識別番号等である。例えば、情報記録再生装置毎に割り振られる装置ID(デバイスID)であってもよいし、或いはムーブ動作を行なった情報記録再生装置を一意に特定可能であれば、その他の情報であってもよい。
【0129】
ムーブ(MOVE)元ファイル名は、MOVE動作の対象となったHDコンテンツを特定するための情報であって、例えばムーブされたHDコンテンツの情報記録再生装置内におけるファイル名(或いは、タイトル名やプログラム名等)である。
【0130】
ムーブ(MOVE)先VOB番号は、MOVE動作の結果記録されるSDコンテンツの光ディスク20内における記録位置を特定するための情報であって、例えば光ディスク20の一具体例であるDVDであれば、例えばVOB番号が示される。
【0131】
スクランブルキーデータは、スクランブルデータの生成時に用いられたスクランブルキーを特定するための情報である。例えば、スクランブルキーそのものを示す情報であってもよい。或いは、それのみではスクランブルキーそのものを示していないが、所定の演算を施せばスクランブルキーそのものを示す情報であってもよい。更に、スクランブルキーデータは、スクランブル処理の際に用いられた変換の形式(例えば、演算の手法や種類等であって、具体的にはXOR演算やシフト演算等)を示す情報を含んでいるように構成してもよい。
【0132】
尚、上述した全ての情報を含む経緯情報でなくとも、そのうち一部の情報を含む経緯情報であってもよい。また、経緯情報としてこれ以外の各種情報を含むように構成してもよい。要は、MOVE動作及びスクランブル処理の夫々に関する動作経緯を示す情報であって、MOVE動作の対象となるコンテンツの著作権を適切に保護し且つ一旦ダウンコンバートされたHDコンテンツの再度の再生動作を担保できるような情報であれば、本実施例における経緯情報の範囲に含まれる。
【0133】
再び図2において、ステップS112において生成された経緯情報が光ディスク20へ記録される(ステップS113)。このとき、光ディスク20上には複数種類(即ち、複数タイトル)のSDコンテンツが記録されていることもある。従って、記録されたSDコンテンツと当該SDコンテンツの記録(即ち、MOVE動作)に関連する経緯情報とを対応付けて夫々光ディスク20へ記録することが好ましい。例えば、経緯情報に、ムーブされたHDコンテンツの光ディスク20内におけるファイル名(即ち、SDコンテンツの光ディスク20内におけるファイル名)を含ませることで、経緯情報とSDコンテンツとの対応付けを図ってもよい。或いは、経緯情報に含まれる「ムーブ先VOB番号」により経緯情報とSDコンテンツとの対応付けを図ってもよい。
【0134】
このMOVE動作が実際に行なわれるブロック図上における構成要素及びデータの流れについて、図5を参照して説明する。ここに、図5は、MOVE動作に関する構成要素を抜粋したブロック図であり、
図5に示すように、主としてハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、ダウンコンバータ/TS−PS変換器34、スクランブル/デスクランブル回路35、IDEコントローラ36、ATAPIコントローラ37、SW1、SW2及びSW3等の動作により、上述したMOVE動作が行なわれる。そして、太線にてデータの流れが示されるように、HDコンテンツは、IDEコントローラ36を介してスクランブル/デスクランブル回路35及びダウンコンバータ/TS−PS変換器34へ出力される。また、点線にてデータの流れが示されるように、スクランブルデータは、スクランブル/デスクランブル回路35からIDEコントローラ36へ出力され、ハードディスク10へ記録される。また、2点鎖線にてデータの流れが示されるように、SDコンテンツは、ダウンコンバート/TS−PS変換器34からATAPIコントローラ37へ出力され、光ディスク20へ記録される。
【0135】
以上まとめると、SDストリームが光ディスク20に記録されると共に、HDストリームがハードディスク10から消去され、且つスクランブルデータがハードディスク10に記録される。このときのハードディスク10及び光ディスク20の夫々に記録されているデータの態様について図6を参照しながら説明する。ここに、図6は、MOVE動作時のハードディスク10及び光ディスク20の夫々に記録されるデータを概念的に示す説明図である。
【0136】
図6(a)に示すように、MOVE動作前においては、ハードディスク10にHDコンテンツの全体が記録されている。
【0137】
そして、上述したMOVE動作が進行するにつれて、図6(b)及び図6(c)に示すように、HDコンテンツがハードディスク10から徐々に消去されていき、またスクランブルデータがハードディスク10へ徐々に記録されていき、またSDコンテンツが光ディスク10へ徐々に記録されていく。
【0138】
そして、全てのSDコンテンツが光ディスク20に記録されたときには、図6(d)に示すように、ハードディスク10からHDコンテンツは全て消去されており、代わりにスクランブルデータが記録されている。更に、ハードディスク10には識別子情報が記録されており、光ディスク20には経緯情報が記録されている。
【0139】
尚、光ディスク20に記録されるSDコンテンツに対応しているHDコンテンツが同時に消去されるようにMOVE動作が行なわれることが好ましい。言い換えれば、光ディスク20に記録されたSDコンテンツが示す映像に相当する映像を示す(即ち、例えば同一フレームの又は同一再生時刻の)HDコンテンツが同時にハードディスク10より消去されるようにMOVE動作が行なわれることが好ましい。例えば、1分の(或いは、数分の、数秒の)再生時間単位毎にSDコンテンツが光ディスク20に記録され、且つHDコンテンツがハードディスク10より消去されることが好ましい。但し、このようにSDコンテンツ及びスクランブルデータの記録並びにHDコンテンツの消去が行なわれなくとも、例えばユーザが光ディスク20やハードディスク10を利用する際に、コンテンツの著作権が適切に保護されている状態にあれば、どのような順序・態様でSDコンテンツ及びスクランブルデータの記録並びにHDコンテンツの消去を行ってもよい。
【0140】
このように、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、コンテンツの著作権を適切に保護することが可能となる。特に、識別子(識別子情報)をハードディスク10に記録し、経緯情報を光ディスク20に記録することで、後述の再生動作において説明するようにより好適にコンテンツの著作権を保護することが可能となる。
【0141】
尚、上述した実施例では、スクランブルデータを生成した後にSDコンテンツの記録を行なっているが、SDコンテンツの記録とスクランブルデータの生成とを同時に或いは並行して行ってもよい。この場合、HDコンテンツの消去の際には、生成したスクランブルデータを該HDコンテンツが記録されている記録領域に上書きしていくことで、HDコンテンツの消去を行なうように構成してもよい。また、SDコンテンツを記録した後にスクランブルデータを生成してもよい。つまり、最終的に、ハードディスク10にスクランブルデータ及び識別子情報が記録されており且つHDコンテンツが消去されており、光ディスク20にSDコンテンツ及び経緯情報が記録されている態様になれば、どのような順序・形式でMOVE動作を行なってよい。但し、MOVE動作を規定する規格に準拠しながら該MOVE動作を行なうことがより好ましい。
【0142】
(2)MOVE動作後のHDコンテンツの再生動作
続いて、図7及び図8を参照して、MOVE動作後のHD画質映像の再生動作について説明する。ここに、図7は、MOVE動作後のHDコンテンツの再生動作の流れを概念的に示すフローチャートであり、図8は、MOVE動作後のHDコンテンツの再生動作に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
【0143】
図7に示すように、先ず再生対象となる光ディスク20が情報記録再生装置1にローディングされ、該光ディスク20の識別子が読み取られる(ステップS201)。続いて、ステップS201において読み取られた識別子が、ハードディスク10内に記憶されている識別子情報に含まれているか否かが判定される(ステップS202)。即ち、当該情報記録再生装置1自身の動作により、このローディングされた光ディスク20にSDコンテンツが記録されたか否かが判定される。
【0144】
この判定の結果、ハードディスク10内に記憶された識別子情報に、ステップS201で読み取られた識別子が含まれていないと判定された場合(ステップS202:No)、HDコンテンツの再生動作(より具体的には、スクランブルデータを用いたHDコンテンツの再生動作)を行なうことができない。即ち、例えば経緯情報やSDコンテンツを不正にコピーした光ディスク20を、情報記録再生装置1にローディングしたとしても、当該光ディスク20の識別子が情報記録再生装置1に記憶されていない。このため、当該光ディスク20に不正にコピーされた経緯情報を用いて、当該光ディスク20に記録されているSDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生(即ち、スクランブルデータのスクランブル処理)を行うことはできない。
【0145】
但しこの場合、光ディスク20に記録されているSDコンテンツ等を再生することはできる(ステップS211)。従って、光ディスク20にHDコンテンツが記録されていれば、そのHDコンテンツを再生することはできる。尚、この光ディスク20に記録されているSDコンテンツ等の再生については後に詳述する。
【0146】
他方、ハードディスク10内に記憶された識別子情報に、ステップS201で読み取られた識別子が含まれていると判定された場合(ステップS202:Yes)、光ディスク20に記録されている経緯情報を取得する(ステップS203)。続いて、ステップS203において取得された経緯情報内のムーブ元ファイル名が正しいか否かが判定される(ステップS204)。より具体的には、経緯情報内のムーブ元ファイル名が、情報記録再生装置1によるMOVE動作の対象となったHDコンテンツのファイル名と一致するか否かが判定される。例えば、情報記録再生装置1がMOVE動作の対象となったHDコンテンツのファイル名を記憶していれば、該記憶されたファイル名と経緯情報のムーブ元ファイル名とを比較することで上記判定を行ってもよい。或いは、元のHDコンテンツのファイル名が対応付けられたスクランブルデータが記録されていれば、該対応付けられたファイル名と経緯情報のムーブ元ファイル名とを比較することで上記判定を行ってもよい。これらのファイル名が一致すれば、ムーブ元ファイル名は正しいと判定され、他方これらのファイル名が一致しなければ、ムーブ元ファイル名は正しくないと判定される。
【0147】
この判定の結果、ムーブ元ファイル名が正しくないと判定された場合(ステップS204:No)、光ディスク20に記録されているSDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生動作(より具体的には、スクランブルデータを用いたHDコンテンツの再生動作)を行なうことができない。但しこの場合も、光ディスク20に記録されているSDコンテンツ等を再生することはできる(ステップS211)。
【0148】
他方、ムーブ元ファイル名が正しいと判定された場合(ステップS204)、CPU50の制御の下に、経緯情報からスクランブルキーデータを取得し、且つスクランブルキーを特定する(ステップS205)。これにより、上述したスクランブル処理の際に用いられたスクランブルキーと同一のスクランブルキーが特定される。加えて、スクランブル処理の際に用いられた変換の形式が特定されるように構成してもよい。そして、この特愛知されたスクランブルキー等は、スクランブル/デスクランブル回路35へ出力される。
【0149】
尚、ステップS204におけるムーブ元ファイル名の判定と同時に或いは並行して、ステップS203において取得された経緯情報内のムーブ元装置IDが、この情報記録再生装置1の装置IDと一致するか否かが判定されることが好ましい。この判定の結果、一致しなければ、ローディングされた光ディスク20に記録されているSDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生動作を行なわないように構成することが好ましい。このため、ローディングされた光ディスク20に対して実際にMOVE動作を行なった情報記録再生装置1でなければ、光ディスク20に記録されているSDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生(即ち、スクランブルデータのデスクランブル処理)を行うことはできない。従って、MOVE動作を行なっていない他の情報記録再生装置では、HDコンテンツの再生を行うことはできず、実質的にコンテンツの著作権の保護が図られている。
【0150】
また、ステップS204における判定と同時に或いは並行して、ステップS203において取得された経緯情報のムーブ先VOB番号と、実際に光ディスク10に記録されているSDコンテンツ等のVOB番号と一致するか否かが判定されることが好ましい。この判定の結果、一致しなければ、ローディングされた光ディスク20に記録されているSDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生動作を行なわないように構成することが好ましい。このため、不正にSDコンテンツや経緯情報をコピーすることで、当該SDコンテンツが記録されているVOB番号が変わってしまえば、該SDコンテンツに対応するHDコンテンツの再生(即ち、スクランブルデータのデスクランブル処理)を行うことはできない。従って、実際に、MOVE動作の対象となった光ディスクをローディングしなければHDコンテンツの再生を行うことはできず、実質的にコンテンツの著作権の保護が図られている。
【0151】
続いて、CPU50よりスクランブル/デスクランブル回路35に対して、スクランブルデータをデスクランブル処理する旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS206)。これにより、ハードディスク10に記録されているHDコンテンツがステップS205において特定されたスクランブルキーに基づいてデスクランブル処理が施されることで、HDコンテンツが生成される。但し、本実施例においては、以下に説明するSW2の切替動作の後に、実際にデスクランブル処理が行われる。
【0152】
図2に示すように、CPU50よりIDEコントローラ36に対して、スクランブルデータを読み出す旨の指示を示すシステムコマンドが出力される(ステップS207)。これにより、ハードディスク10に記録されているスクランブルデータが読み取られ、スクランブル/デスクランブル回路35へ出力される。このときスクランブルデータが暗号化して記録されていれば、復号化を行ってスクランブルデータを読み取る。但し、本実施例においては、以下に説明するSW2の切替動作の後に、実際にデスクランブル処理が行われる。
【0153】
続いて、CPU50の制御の下にSW2が切り替えられ、MPEG Demux32とスクランブル/デスクランブル回路35とが接続される(ステップS208)。そして、スクランブル/デスクランブル回路35によるデスクランブル処理の結果生成されるHDコンテンツが、MPEG Demux32へ出力される。
【0154】
そして、実際にスクランブルデータがハードディスク10から読み出され、且つ該読み出されたスクランブルデータに対してデスクランブル処理が施されることで、HDコンテンツの再生が行われる(ステップS209)。従って、ユーザはHDコンテンツを視聴することができる。
【0155】
仮に、従来のハードディスクレコーダ等の如くスクランブルデータを生成しない情報記録再生装置であれば、ハードディスク10に記録されていたHDコンテンツを、SDコンテンツに変換(即ち、ダウンコンバート等)してMOVE動作を行なった後には、当該SDコンテンツを再度HDコンテンツとして再生することは困難或いは不可能である。また、SDコンテンツをアップコンバートしても、画素数の面ではHDサイズの映像として再生することはできても、画質の面では本来のHDコンテンツとして再生することは困難或いは不可能である。
【0156】
しかるに、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、ハードディスク10に記録されていたHDコンテンツを、SDコンテンツに変換して光ディスク20に記録した後であっても、上述の如くスクランブルデータを用いて再生動作を行なえば、再度HDコンテンツを再生することが可能となる。そして、HDコンテンツをSDコンテンツに変換して光ディスク20に記録しても、ハードディスク10には本来のHDコンテンツ或いはSDコンテンツとは全く異なるデータであるスクランブルデータしか記録されておらず、コンテンツの著作権は適切に保護されている。
【0157】
従って、ユーザは、例えば自宅等においては、ハードディスクレコーダ等の高度な情報記録再生装置に記録されたHDコンテンツを再生することで、プラズマテレビ或いはプロジェクター等の大画面にて高画質な映像を視聴することができる。その一方で、HDコンテンツを変換して、例えばDVD等の光ディスク20にSDコンテンツとして記録することで、例えば自動車に搭載されているDVDプレーヤ(或いは、カーナビゲーションに搭載されているDVDプレーヤ)等を用いて同様のコンテンツを自動車の中においても楽しむことができる。即ち、自宅のように高度なAV視聴環境を実現できる場所であっても、自動車内のように簡易なAV視聴環境を実現できる場所であっても、ユーザは所望のコンテンツを所望の再生品質にて選択的に視聴するという大きな利点を享受することができる。
【0158】
加えて、本実施形態では特に、経緯情報と識別子とを参照することで、正規にスクランブル処理がなされたり或いは正規にムーブされた場合でなければ、HDコンテンツを好適に再生することができない。このため、不正に複製されたHDコンテンツ等の不正な再生を好適に防ぐことができる。この結果、コンテンツの著作権をより好適に保護することができる。
【0159】
尚、上述の如くHDコンテンツを再生することに加えて又は代えて、スクランブル/デスクランブル回路35において生成されたHDコンテンツがハードディスク10へ記録されるように構成してもよい。即ち、MOVE BACK動作(HD)が行なわれてもよい。
【0160】
尚、MOVE BACK動作とは、MOVE動作後に、再度そのデータを元の記録媒体に記録する動作を示す。具体的には、一の記録媒体に記録されているデータを他の記録媒体に記録するMOVE動作を行なった後に、この他の記録媒体に記録されたデータを再度一の記録媒体に記録する動作を、MOVE BACK動作と称する。特に、HDコンテンツとして元の記録媒体に記録する動作をMOVE BACK動作(HD)と称し、SDコンテンツとして元の記録媒体に記録する動作をMOVE BACK動作(SD)と称して区別する。
【0161】
このHDコンテンツの記録動作と並行して、光ディスク20に記録されているSDコンテンツが消去される(ステップS208)。これにより、コンテンツの著作権を保護することができる。ユーザは再度ハードディスク上に記録されたHDコンテンツを視聴することが可能となる。この場合、光ディスク20に記録されている経緯情報も消去されるように構成してもよい。既にHDコンテンツがハードディスク10に記録されているため、経緯情報は必要とされないからである。
【0162】
このとき、ハードディスク10に記録されているスクランブルデータも合わせて消去することが好ましい。これにより、ハードディスク10の記録容量をより有効に利用することが可能となる。
【0163】
この際、例えば図9に示すように、MOVE BACK動作を行なったSDコンテンツに対応するスクランブルデータを消去する旨を情報記録再生装置1のユーザに確認するウインドウ画面を、ディスプレイ等に表示するように構成してもよい。例えば図9においては、VOB番号が“YYY”にて特定されるSDコンテンツに対してMOVE BACK動作が行なわれる際に、このSDコンテンツに付随する(即ち、対応する)スクランブルデータの消去の可否が確認されている。ここで、ユーザにより“Yes”が選択されれば、スクランブルデータの消去が行われる。他方、ユーザにより“No”が選択されれば、スクランブルデータの消去は行われない。
【0164】
このスクランブルデータ等を消去する動作の流れを、図10のフローチャートを用いて簡単に説明する。ここに、図10は、スクランブルデータ等を消去する動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
【0165】
図10に示す動作の前提として、図7のステップS201からS204における動作が行なわれ、情報記録再生装置10に正規の(即ち、不正コピーが行われていない)光ディスク20がローディングされたか否かが確認されているものとする。続いて、図9に例示する画面等を用いて、スクランブルデータの消去をする旨の指示がユーザからなされているか否かが判定される(ステップS301)。
【0166】
この判定の結果、スクランブルデータを消去する旨の指示がユーザからなされていると判定された場合(ステップS301:Yes)、対応する経緯情報が消去され(ステップS302)、光ディスク20上のSDコンテンツが消去され(ステップS303)、対応する識別子が識別子情報より消去され(ステップS304)、対応するスクランブルデータが消去される(ステップS305)。
【0167】
他方、スクランブルデータを消去する旨の指示がユーザからなされていないと判定された場合(ステップS301:No)、対応する経緯情報が消去され(ステップS302)、光ディスク20上のSDコンテンツが消去され(ステップS303)、対応する識別子が識別子情報より消去され(ステップS304)、対応するスクランブルデータは消去されない。但し、この場合、該スクランブルデータをデスクランブルするためのスクランブルキーを特定可能な経緯情報は、ステップS302において消去されているため、このスクランブルデータよりHDコンテンツを再生することはできず、結果としてコンテンツの著作権は好適に保護されている。
【0168】
尚、これらの動作は、光ディスク20上に記録されているSDコンテンツに対してMOVE BACK動作を行なう場合のみならず、例えば光ディスク20上に記録されているSDコンテンツをユーザの指示により消去する場合にも行われる。
【0169】
更に、光ディスク20上に複数のSDコンテンツが記録されている場合には、図11に示すように、いずれのSDコンテンツに対してMOVE BACK動作を行なうか(或いは、いずれのSDコンテンツを消去するか)否かをユーザに選択させるためのウインドウ画面を表示するように構成してもよい。そして、このウインドウ画面で選択されたSDコンテンツに対して、図11に示す動作が行なわれる。
【0170】
加えて、ハードディスク10に記録されているスクランブルデータを、上述のMOVE BACK動作等とは別個独立して、ユーザの指示により消去されるように構成してもよい。この場合、例えば図12に示すようにハードディスク10上に記録されているスクランブルデータの一覧を示すウインドウ画面が表示されて、ユーザに消去を望むスクランブルデータを選択させるように構成してもよい。そして、ユーザにより所定のスクランブルデータが選択された場合には、図13に示すように、改めて消去してもよいかを最終確認する画面を表示するように構成してもよい。即ち、ユーザの選択によりスクランブルデータが消去されてしまうと、そのスクランブルデータに対応するHDコンテンツを再生することができなくなるため、改めて最終確認することが好ましい。
【0171】
尚、ここでの、ハードディスク上に記録されているスクランブルデータの特定は、以下に説明するように行われる。
【0172】
ハードディスク10上において、通常のHDコンテンツ(即ち、HDコンテンツに係るファイル)は、図14(a)に示すデータ構造を有して記録されている。図14(a)に示すように、HDコンテンツを特定するためのファイル識別子(即ち、ファイル名等)には、HDコンテンツの実体を管理するためのファイル実体管理構造体のアドレス位置を指し示すポインタが含まれている。そして、このファイル実体管理構造体が有するファイル実体ポインタが、ハードディスク10上におけるHDコンテンツのアドレス位置を指し示している。加えて、ファイル実体管理構造体には、特別識別子予約領域へのポインタが含まれている。そして、特別識別子予約領域には、ハードディスク10上におけるHDコンテンツの暗号化(例えば、ローカルエンクリプション)の態様等を規定する暗号鍵の実体を管理するための暗号鍵実体管理構造体のアドレス位置を指し示すポインタが含まれている。そして、暗号化がなされている場合には、特別識別子予約領域には、暗号鍵記録識別情報が含まれている。 他方、ハードディスク10上において、スクランブルデータ(即ち、スクランブルデータに係るファイル)は、図14(b)に示すデータ構造を有して記録されている。図14(b)に示すように、ファイル実体管理構造体に関するデータ構造は、通常のHDコンテンツと同様であるが、特別識別子予約領域には、暗号鍵記録識別情報が含まれていない。即ち、スクランブルデータはハードディスク10上において暗号化されずに記録されているため、この暗号鍵記録識別情報の有無によってスクランブルデータを抽出し、図12に示す一覧表示を行うことができる。
【0173】
但し、通常のHDコンテンツの全てを暗号化することなく記録する情報記録再生装置が存在する場合等においては、HDコンテンツとスクランブルデータとの区別がつかない恐れが生ずる。従って、このようにスクランブルデータとHDコンテンツ等を区別する場合には、HDコンテンツが暗号化されて記録される所定のディレクトリ中において、上述の区別及びスクランブルデータの抽出を行うことが好ましい。
【0174】
このMOVE動作後のHDコンテンツの再生動作が実際に行なわれるブロック図上における構成要素を抽出すると、図8に示される。即ち、主としてハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、MPEG Demux32、ビデオオーディオデコーディング33、ダウンコンバータ/TS−PS変換器34、スクランブル/デスクランブル回路35、IDEコントローラ36、ATAPIコントローラ37、SW1、SW2及びSW3等の動作により、上述したMOVE動作が行なわれる。そして、太線にてデータの流れが示されるように、HDコンテンツは、スクランブル/デスクランブル回路35からMPEG Demux32へ出力され、更にMPEG Demux32からビデオオーディオデコーダ33へ出力される。また、点線にてデータの流れが示されるように、スクランブルデータは、IDEコントローラ36を介してスクランブル/デスクランブル回路35へ出力される。また、2点鎖線にてデータの流れが示されるように、SDコンテンツは、ATAPIコントローラ37を介してMPEG Demux32へ出力され、MPEG Demux32からビデオオーディオデコーダ33へ出力される。
【0175】
(3)MOVE動作後のSDコンテンツ等の再生動作
先ず光ディスク20よりSDコンテンツ等が読み取られ、復号化が行われる。そして、復号化されたSDコンテンツは、ATAPIコントローラ37を介してMPEG Demux32へ出力され、MPEG Demux32からビデオオーディオデコーダ33へ出力することで、該SDコンテンツを再生することができる。これによりユーザは、光ディスクに記録されたSDコンテンツ等を視聴することができる。この場合、光ディスク20に記録されているコンテンツを再生しているため、経緯情報の有無・正否によらず、コンテンツの再生を行うことができる。
【0176】
他方、上述の如くSDコンテンツを再生することに加えて又は代えて、復号化されたSDコンテンツがハードディスク10へ記録されるように構成してもよい。即ち、MOVE BACK動作(SD)が行われてもよい。このとき、経緯情報もハードディスク10に記録されることが好ましい。後にスクランブル処理を行う際に必要とされるからである。そして特に、SDコンテンツと対応付けられて記録されることが好ましい。
【0177】
このSDコンテンツの記録動作と並行して、光ディスク20に記録されているSDコンテンツが消去される(ステップS208)。これにより、コンテンツの著作権を保護することができる。そして、ハードディスク10よりSDコンテンツを再生することができる。
【0178】
このとき、ハードディスク10に記録されているスクランブルデータは、HDコンテンツを再生するために必要であるため、このまま残しておくことが好ましい。
【0179】
更に、このようにコンテンツを、予めSDコンテンツとしてハードディスク10に記録しておけば、ハードディスク10に記録されたSDコンテンツ及び経緯情報を、光ディスク20へ記録する際(即ち、MOVE動作の際)に、複雑なデータ処理(例えば、ダウンコンバート処理やエンコーディング処理やデコーディング処理等)を行なう必要がなく、高速なMOVE動作を実現することができる。
【0180】
以上説明したように、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、ハードディスク10に記録されていたHDコンテンツを、SDコンテンツに変換して光ディスク20に記録した後であっても、上述の如くスクランブルデータを用いて再生動作を行なえば、再度HDコンテンツを再生することが可能となる。そして、HDコンテンツをSDコンテンツに変換して光ディスク20に記録しても、ハードディスク10には本来のHDコンテンツ或いはSDコンテンツとは全く異なるデータであるスクランブルデータしか記録されておらず、ユーザは、コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、所望の再生品質に係るコンテンツを好適に視聴することが可能となる。
【0181】
加えて、識別子及び経緯情報に基づいてデスクランブル処理を行うことで、正規にスクランブル処理がなされたり或いは正規にムーブされた場合でなければ、HDコンテンツを好適に再生することができない。従って、不正に複製されたHDコンテンツ等の不正な再生を好適に防ぐことができる。この結果、コンテンツの著作権をより好適に保護することができる。
【0182】
また、上述の実施例では、記録媒体の一例としてハードディスク10及び光ディスク20、並びに情報記録再生装置の一例としてハードディスク10及び光ディスク20に係るレコーダ(プレーヤ)について説明したが、本発明は、ハードディスク及び光ディスク、並びにそのレコーダ(プレーヤ)に限られるものではなく、他の各種記録媒体並びにそのレコーダ(プレーヤ)にも適用可能である。
【0183】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、並びに、記録制御用、再生制御用及び記録再生制御用のコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の情報記録再生装置に係る実施例の基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図3】本実施例に係る情報記録再生装置に用いられる識別子情報を概念的に示すデータ構造図である。
【図4】本実施例に係る情報記録再生装置に用いられる経緯情報を概念的に示すデータ構造図である。
【図5】本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE動作に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
【図6】MOVE動作時のハードディスク及び光ディスクの夫々に記録されるデータを概念的に示す説明図である
【図7】本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作後のHDコンテンツの再生動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図8】本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE動作後のHDコンテンツの再生動作関する構成要素を抜粋したブロック図である。
【図9】スクランブルデータの消去の可否をユーザに確認するためのウインドウ画面の一具体例を示す説明図である。
【図10】本実施例に係る情報記録再生装置における、スクランブルデータ等の消去動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図11】消去すべきSDコンテンツをユーザに選択させるためのウインドウ画面の一具体例を示す説明図である。
【図12】消去すべきスクランブルデータをユーザに選択させるためのウインドウ画面の一具体例を示す説明図である。
【図13】スクランブルデータの消去の可否をユーザに確認するためのウインドウ画面の一具体例を示す説明図である。
【図14】通常のHDコンテンツ及びスクランブルデータの夫々の、ハードディスク上におけるデータ構造を概念的に示すデータ構造図である。
【符号の説明】
【0185】
1 情報記録再生装置
10 ハードディスク
11 ハードディスクドライブ
20 光ディスク
21 光ディスクドライブ
34 ダウンコンバータ/TS−PS変換器
35 スクランブル/デスクランブル回路
50 CPU
51 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録装置であって、
所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、
前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、
前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段と
を備えることを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記第1コンテンツ情報をダウンコンバートして前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報としてダウンコンバート手段と、
前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録手段と、
前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する消去手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記第1記録手段は更に、前記生成された経緯情報を前記第2記録媒体へ記録することを特徴とする請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記経緯情報は、前記スクランブルキー、前記ムーブ処理を行った情報記録装置、前記ムーブ処理がなされた前記第1コンテンツ情報、及び前記ムーブ処理された第2コンテンツ情報の前記第2記録媒体上における記録位置のうち少なくとも一つを特定可能な情報を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記識別子は、前記第2記録媒体に固有の情報であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記第1記録媒体に前記スクランブル情報を記録する第2記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記スクランブルキーを生成するキー生成手段を更に備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報記録装置。
【請求項9】
第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブする情報記録方法であって、
所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、
前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、
前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程と
を備えることを特徴とする情報記録方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生装置であって、
当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、
前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、
前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段と
を備えることを特徴とする情報再生装置。
【請求項11】
前記第2記録媒体には前記経緯情報が記録されており、前記取得手段は前記第2記録媒体より前記経緯情報を取得し、
前記取得された経緯情報を参照することで、当該情報再生装置において前記第1コンテンツ情報を再生することが可能か否かを判定する第2判定手段を更に備え、
前記コンテンツ情報生成手段は、前記第2判定手段により可能であると判定された場合に前記第1コンテンツ情報を生成することを特徴とする請求項10に記載の情報再生装置。
【請求項12】
前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の情報再生装置。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体へムーブされる前記第1コンテンツ情報を再生する情報再生方法であって、
当該情報再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、
前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、
前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程と
を備えることを特徴とする情報再生方法。
【請求項14】
第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生装置であって、
所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル手段と、
前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶手段と、
前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成手段と、
当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得手段と、
前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成手段と、
前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生手段と
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項15】
前記第2記録媒体には、前記ムーブ処理を行った情報記録再生装置を特定可能な情報を含んだ前記経緯情報が記録されており、前記取得手段は前記第2記録媒体より前記経緯情報を取得し、
前記取得された経緯情報により特定される情報記録再生装置が、当該情報記録再生装置と一致するか否かを判定する第2判定手段を更に備え、
前記コンテンツ情報生成手段は、前記第2判定手段により一致していると判定された場合に前記第1コンテンツ情報を生成することを特徴とする請求項14に記載の情報記録再生装置。
【請求項16】
前記第1コンテンツ情報及び前記スクランブル情報の夫々のデータ構造の相違に基づいて前記スクランブル情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出されたスクランブル情報の一覧を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の情報記録装置。
【請求項17】
第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報を第2記録媒体へムーブ処理する情報記録再生方法であって、
所定のスクランブルキーに基づいて前記第1コンテンツ情報をスクランブル処理することで、スクランブル情報を生成するスクランブル工程と、
前記第1コンテンツ情報のムーブ先である前記第2記録媒体を識別するための識別子を記憶する識別子記憶工程と、
前記ムーブ処理及び前記スクランブル処理の夫々の経緯を示す経緯情報を生成する経緯情報生成工程と、
当該情報記録再生装置による再生の対象となる前記第2記録媒体の前記識別子が、前記識別子記憶手段に記憶されている前記第1コンテンツのムーブ先である前記第2記録媒体の識別子に含まれているか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定手段により含まれていると判定された場合に、前記経緯情報を取得する取得工程と、
前記経緯情報より特定される前記スクランブル情報及び前記スクランブルキーの夫々に基づいて、前記第1コンテンツ情報を生成するコンテンツ情報生成工程と、
前記生成される前記第1コンテンツ情報を再生する再生工程と
を備えることを特徴とする情報記録再生方法。
【請求項18】
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記スクランブル手段、前記識別子記憶手段及び前記経緯情報生成手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項10から12のいずれか一項に記載の情報再生装置に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1判定手段、前記取得手段、前記コンテンツ情報生成手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項14から16のいずれか一項に記載の情報記録再生装置に備えられたコンピュータを制御する記録再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記スクランブル手段、前記識別子記憶手段、前記経緯情報生成手段、前記第1判定手段、前記取得手段、前記コンテンツ情報生成手段及び前記再生手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−24320(P2006−24320A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203154(P2004−203154)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】