説明

感光性赤色樹脂組成物及びその製造方法、赤色画素の製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、カラー表示装置、カラー液晶表示装置

【課題】本発明は、顔料濃度が高くても良好な現像性を示す感光性赤色樹脂組成物等を提供するものである。
【解決手段】赤色色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有し、前記赤色色素の含有量が、全固形分に対して45〜61重量%であり、前記樹脂が、主樹脂と、該主樹脂より低分子量の補助樹脂とを含有し、前記光重合性化合物が、光重合性不飽和結合を分子内に1〜4個含有し、分子量が400以下である感光性赤色樹脂組成物等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性赤色樹脂組成物及びその製造方法、赤色画素の製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、カラー表示装置、カラー液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー液晶表示装置、センサー及び色分解デバイスなどにカラーフィルタが多用されており、その特性上、高色純度化及び薄膜化が求められている。色純度は、画像の濃さや鮮やかさへ影響し、高ければ広色再現性が可能となる。また、薄膜化は、画素間の段差を抑制することができ、カラーフィルタの平坦化に効果がある。高色純度化及び薄膜化のいずれにおいても感光性着色樹脂組成物内の顔料成分の配合割合(顔料濃度)が影響する。顔料濃度が高い感光性着色樹脂組成物の場合、現像性が悪化することが知られている。現像性悪化に伴い、高解像度を有するカラーフィルタが得られにくくなり、より細密な映像の描写・鮮明さを損なう原因となりうる。このような現像性悪化を回避するため、顔料濃度を上げても解像度が低下しない、現像性の良い感光性着色樹脂組成物が求められるようになってきた。
これまでもカラーフィルタの解像度の改善に関しては、さまざまな試みが為されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−333712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、顔料濃度が高くても良好な現像性を示す感光性赤色樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。また、顔料濃度が高くても良好な解像度を示す赤色画素の製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、カラー表示装置、カラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題は、下記本発明により解決される。
すなわち、本発明は、赤色色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有し、前記赤色色素の含有量が、全固形分に対して45〜61重量%であり、前記樹脂が、主樹脂と、該主樹脂より低分子量の補助樹脂とを含有し、前記光重合性化合物が、光重合性不飽和結合を分子内に1〜4個含有し、分子量が400以下、である感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0005】
本発明は、また、前記光重合性化合物にペンタエリスリトールテトラアクリレートを含む感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0006】
本発明は、また、前記主樹脂が、酸価20〜300であり、重量平均分子量が1,500〜200,000のアクリル樹脂である感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0007】
本発明は、また、前記補助樹脂が、酸価60〜200であり、重量平均分子量が1,000〜15,000のアクリル樹脂であり、当該補助樹脂が、前記樹脂の全固形分量に対して5〜40重量%含有されてなる感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0008】
本発明は、また、前記補助樹脂のモノマ成分の少なくとも1種が、アルキル(メタ)アクリレートである感光性赤色樹脂組成物に関する。なお、本願において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれかを意味する。
【0009】
本発明は、また、前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びブチルアクリレートのいずれかである感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0010】
本発明は、また、さらに有機溶剤を含有してなる感光性赤色樹脂組成物に関する。
【0011】
本発明は、また、上記本発明の感光性赤色樹脂組成物の製造方法であって、一部の前記主樹脂と、前記赤色色素と、一部の前記有機溶剤とを混合して赤色色素分散物を作製し、該色素分散物に、残りの前記主樹脂と、前記補助樹脂と、前記光重合性化合物と、前記光重合開始剤と、残りの前記有機溶剤とを混合する感光性赤色樹脂組成物の製造方法に関する。
【0012】
本発明は、また、上記本発明の感光性赤色樹脂組成物を基板上に塗布して感光層を形成し、露光現像して赤色画素の製造方法に関する。
【0013】
本発明は、また、上記本発明の感光性赤色樹脂組成物を基板上に塗布して感光層を形成し、露光現像する赤色画素を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法に関する。
本発明は、また、上記カラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタに関する。
【0014】
本発明は、また、本発明のカラーフィルタを有するカラー表示装置に関する。
本発明は、また、本発明のカラー表示装置を有するカラー液晶表示装置に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、顔料濃度が高くても良好な現像性を示す感光性赤色樹脂組成物及びその製造方法を提供することができる。また、顔料濃度が高くても良好な解像度を示す赤色画素の製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法、カラー表示装置、カラー液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[1]感光性赤色樹脂組成物
本発明の感光性赤色樹脂組成物は、赤色色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する。以下、各成分について説明する。
【0017】
(1)赤色色素
赤色色素としては、染料及び顔料のいずれも使用できるが、耐熱性や耐光性を考慮すると顔料の方が好ましい。顔料には無機顔料と有機顔料があり、いずれも使用することができるが、色調の豊富さ等から有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、メチン・アゾメチン系、イソインドリノン系等が挙げられる。
【0018】
赤色色素の含有量は、感光性赤色樹脂組成物の全固形分に対して45〜61重量%とし、50〜61重量%であることが好ましい。赤色色素の含有量が45重量%未満では、カラーフィルタとした場合に赤色画素の色濃度が低くなってしまう。61重量%を超えると、光感度が低下してしまう。
【0019】
赤色色素としては、単一の赤色顔料系を用いてもよいし、黄色又は橙色顔料系を赤色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
赤色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントレッド1、2、5、9、17、31、32、41、122、123、144、149、155、166、168、170、171、176、177、178、179、180、185、187、202、206、207、209、214、217、220、221、224、242、243、254、255、262、264、272等が挙げられる。
黄色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、55、83、93、109、110、117、125、128、129、138、139、147、150、153、154、155、166、168、180、211等が挙げられる。
橙色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントオレンジ5、13、14、24、34、36、38、40、43、46、49、61、64、68、70、71、72、73、74等が挙げられる。
【0020】
これらの赤色、黄色及び橙色系顔料は、それぞれ2種以上混合して用いてもよい。また、赤色顔料系に黄色顔料又は橙色系顔料を混合して用いる場合には、これらの顔料の総量100重量部に対して、黄色顔料又は橙色顔料を90重量部以下とすることが好ましい。
【0021】
また、上記赤色顔料は、分散剤と共に使用することができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を挙げることができる。
【0022】
界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類を挙げることができる。
また、商品名としては、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、Disperbyk(ビックケミー・ジャパン(株)製)、ソルスパース(セネカ(株)製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)等を挙げることができる。
【0023】
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
分散剤の使用量は、赤色色素100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましい。
【0024】
(2)樹脂
本発明の感光性赤色樹脂組成物樹脂の樹脂には、主樹脂と該主樹脂より低分子量の補助樹脂とが含有されている。このように、分子量の異なる樹脂を2種配合させることにより、特に赤色色素の濃度が高くても、高い解像度を示すことができる。
【0025】
i)主樹脂
主樹脂は、それ自身光重合性を有する場合、また、後述するような感光性赤色樹脂組成物のように組成物として感光性が付与された場合には、露光後アルカリ現像性を有するという観点から、酸価が20〜300の範囲内であることが好ましく、40〜200の範囲内であることがより好ましく、60〜150の範囲であることがさらに好ましい。
酸価が20以上であると、アルカリ現像性が低下する傾向を防ぐことができる。また、酸価が300以下であると、アルカリ現像後の画素パターンの形状を鮮明なものとすることができる。
【0026】
主樹脂の重量平均分子量は1,500〜200,000の範囲とすることが好ましく、3,000〜100,000の範囲とすることがより好ましく、5,000〜50,000の範囲がさらに好ましい。
この重量平均分子量が1,500以上では、耐アルカリ性が低下する傾向を防ぐことができる。また、重量平均分子量が200,000以下であると、感光液にしたときに粘度が高くなることを防ぎ、塗布性、特に、スピンコートする際の塗布性の低下も防ぐことができる。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0027】
酸価が20〜300、重量平均分子量が1,500〜200,000の主樹脂としては、特に、(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。この樹脂のモノマ成分としては、少なくとも2種類が(I)2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び(II)メタクリル酸であり、他に(III)単位分子内に一つ以上のベンゼン環を有し共重合可能な(メタ)アクリルモノマからなることが好ましい。そして、(I),(II)及び(III)からなる共重合樹脂を100重量部とした場合、(I)3〜30重量部(II)5〜50重量部及び(III)20〜92重量部からなる(メタ)アクリル樹脂が顔料の分散安定性及び光感度の点から好ましい。
【0028】
主樹脂としては、赤色色素(特に赤色顔料)の分散性を有するものであれば特に制限はないが、成膜性を有するものが好ましい。また、感光性を妨げず、現像性を有するものがより好ましい。
【0029】
このような樹脂としては、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を使用することができるが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマの単独重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有重合性モノマと(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、スチレン誘導体、その他の重合性モノマとの共重合体等が特に好ましい。
【0030】
マレイン酸モノアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜12のものが好ましい。具体的には、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノイソプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−n−オクチル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、マレイン酸モノ−n−ノニル、マレイン酸モノ−n−ドデシル等が挙げられる。
シトラコン酸モノアルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が1〜12のものが好ましい。具体的には、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノ−n−プロピル、シトラコン酸モノイソプロピル、シトラコン酸モノ−n−ブチル、シトラコン酸モノ−n−ヘキシル、シトラコン酸モノ−n−オクチル、シトラコン酸モノ−2−エチルヘキシル、シトラコン酸モノ−n−ノニル、シトラコン酸モノ−n−ドデシル等が挙げられる。
スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、m−又はp−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−メトキシ−4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−4−メチルスチレン等が挙げられる。
【0031】
主樹脂としては、光重合性不飽和結合を有するものを使用してもよい。このような樹脂の好ましい例としては、高酸価のカルボキシ基含有樹脂にグリシジルメタクリレート、グルシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルグリシジルエーテル等のオキシラン環と、エチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物やアリルアルコール、2−ブテン−4−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基とエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有する化合物(不飽和アルコール)を反応させた樹脂、水酸基を有するカルボキシル基含有樹脂に遊離イソシアネート基含有不飽和化合物を反応させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との付加反応物に多塩基酸無水物を反応させた樹脂、共役ジエン重合体や共役ジエン共重合体と不飽和ジカルボン酸無水物との付加反応物に水酸基含有重合性モノマを反応させた樹脂などが挙げられる。
【0032】
これらの主樹脂の不飽和当量は、100〜3000が好ましく、200〜2500がより好ましく、600〜2000がさらに好ましい。
不飽和当量を100以上とすると、感光材料の調製時で、特に顔料を樹脂に分散させる時に一部硬化する傾向を防ぐことができる。また、不飽和当量を3000以下とすると、不飽和基の導入による光重合性が十分に付与することができる。
なお、ここでいう不飽和当量とは、不飽和結合一つあたりの樹脂の分子量を意味している。
【0033】
また、主樹脂としては、前述したものを使用する際に、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等を使用してもよい。他の樹脂は樹脂の総量100重量部に対して、50重量部以下で使用することが好ましい。
【0034】
ii)補助樹脂
補助樹脂は、主樹脂より低分子量で、酸価が60〜200でかつ重量平均分子量が1,000〜15,000であれば主樹脂として使用できる組成を用いることができるが、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
補助樹脂は、酸価が70〜150でかつ重量平均分子量が2,000〜12,000であることがより好ましい。酸価が200以下であるか、重量平均分子量が1,000以上であると、溶解性が上がりすぎず、現像により画素がダメージをうけにくくなる。また、酸価が60以上、または、重量平均分子量が15,000以下の範囲では、現像性の悪化を防ぐことができる。
【0035】
また、アクリル樹脂のモノマ成分の少なくとも1種が、アルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びブチルアクリレートのいずれかであることがより好ましい。
【0036】
補助樹脂の添加量は、樹脂の総固形分量に対して5〜40重量%であることが好ましく、20〜30重量%であることがより好ましい。添加量が、5重量%以上であると、十分な効果を発揮することが可能となり、40重量%以下であると、顔料の分散性が低下することを防ぐことができる。
【0037】
主樹脂及び補助樹脂を含む樹脂は、本発明の感光性赤色樹脂組成物に使用される赤色色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤といった固形分の総量に対し、10〜85重量%であることが好ましく、20〜60重量%であることがより好ましく、25〜50重量%であることがさらに好ましい。
樹脂が上記範囲にあることで、赤色色素の分散安定性が低下することを防ぐとともに、感光液にしたときの粘度が高くなることを防いで、塗布性、特にスピンコートする際の塗布性の低下を防ぐことができる。
【0038】
(3)光重合性化合物
光重合性化合物は、光重合性不飽和結合を分子内に1〜4個含有し、分子量が400以下とする。分子量400を超えると現像性が悪化する傾向にある。分子量は、360以下とすることが好ましい。なお、本明細書においては、特筆しない限り、単に「光重合性化合物」という場合には、分子量が400以下の光重合性化合物をいう。
【0039】
当該光重合性化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。なかでも、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが好ましい。
【0040】
これらの光重合性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、分子量が400以下の光重合性化合物と分子量が400を超える光重合性化合物とを適宜組み合わせて用いてもよい。この場合、分子量が400以下の光重合性化合物は、光重合性化合物の総量100重量部に対して、5から100重量部の範囲で用いることが好ましく、10から100重量部の範囲で用いることがより好ましい。
【0041】
光重合性化合物(分子量が400を超える光重合性化合物が含まれる場合は、これを含む)の総量は、本発明の感光性赤色樹脂組成物に使用される色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤といった固形分の総量に対し、2〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましく、10〜30重量%であることがさらに好ましい。
光重合性化合物が上記範囲にあることで、光感度が低くなることを防ぎ、色素の分散安定性の低下を防ぐことができる。
【0042】
(4)光重合開始剤
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0043】
光重合開始剤は、本発明の感光性赤色樹脂組成物に使用される色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤といった固形分の総量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましく、2〜10重量%であることがさらに好ましい。
光重合開始剤が上記範囲にあることで、光感度が低くなることを防ぎ、密着性の低下を防ぐことができる。
【0044】
(5)有機溶剤
本発明の感光性赤色樹脂組成物には、有機溶剤を含有させてもよい。
有機溶剤としては、例えば、ケトン化合物、アルキレングリコールエーテル化合物、アルコール化合物、芳香族化合物などが挙げられる。
【0045】
ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等挙げられる。
アルキレングリコールエーテル化合物としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールイソプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール−t−ブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
アルコール化合物としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等が挙げられる。
芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
その他、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有機溶剤が挙げられる。
【0046】
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。有機溶剤の含有量は、全固形分が5〜40重量%の範囲になるようにすることが好ましい。全固形分が40重量%以下であると粘度が高くなるのを防いで塗布性の低下を防ぐことができる。全固形分が5重量%以上であると粘度が低くなるのを防いで塗布性の低下を防ぐことができる。
【0047】
本発明の感光性赤色樹脂組成物には、暗反応を抑制するための熱重合禁止剤(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、t−ブチルカテコール等)、基板との密着性を向上させるためのカップリング剤(ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等を有したシランカップリング剤やイソプロピルトリメタクリロイルチタネート、ジイソプロピルイソステアロイル−4−アミノベンゾイルチタネート等)、膜の平滑性を向上させるための界面活性剤(フッ素系、シリコン系、炭化水素系等)及びその他、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添加剤を必要に応じて適宜使用することができる。
【0048】
[3]感光性赤色樹脂組成物の製造方法
感光性赤色樹脂組成物を製造するには、まず、赤色色素を、樹脂、有機溶剤及び必要に応じて添加される分散剤と混合して分散させて色素分散物を調製する。このとき、超音波分散機、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー、ニーダー等の分散・混練装置を用いて混練することにより分散処理することが好ましい。
【0049】
樹脂は、赤色色素100重量部に対して少なくとも20重量部用いることが好ましい。20重量部以上とすることで、赤色色素(特に、赤色顔料)の分散安定性を向上させることができる。
有機溶剤は、分散時の赤色色素及び樹脂の全量100重量部に対し、分散時に少なくとも100重量部用いることが好ましい。100重量部以上とすることで、分散時の粘度が高くなりすぎるのを防ぎ、特にボールミル、サンドミル、ビーズミルなどで分散する場合の分散を容易にすることができる。
【0050】
色素分散物にさらに、光重合性化合物及び光重合開始剤を混合して感光性赤色樹脂組成物が製造される。光重合性化合物及び光重合開始剤は、樹脂中への赤色色素の分散処理の前に混合してもよく、分散処理後に混合してもよい。樹脂は分散時に全量使用せず、残りを後で混合してもよい。同様に、有機溶剤もその全量を分散処理時に赤色色素とともに用いてもよく、有機溶剤の一部を分散処理後に加えてもよい。
各成分の使用量は、最終的に前記した感光性赤色樹脂組成物における配合割合になるように調整される。
【0051】
分散剤としては、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリスルホン酸型高分子界面活性剤等のアニオン系分散剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマ等のノニオン系分散剤、アントラキノン系、ペリレン系、フタロシアニン系、キナクリドン系等の有機色素にカルボキシル基、スルホン酸塩基、カルボン酸アミド基、水酸基等の置換基を導入した有機色素の誘導体などがある。赤色色素の分散性や分散安定性が向上し、好ましい。これらの顔料分散剤や有機色素の誘導体は、赤色色素100重量部に対して50重量部以下で用いることが好ましい。50重量部以下とすることで、色度がずれる傾向を抑えることができる。
【0052】
感光性赤色樹脂組成物の製造方法の好ましい態様としては、一部の前記主樹脂と、前記赤色色素と、一部の前記有機溶剤とを混合して赤色色素分散物を作製し、該色素分散物に、残りの前記主樹脂と、前記補助樹脂と、前記光重合性化合物と、前記光重合開始剤と、残りの前記有機溶剤とを混合する方法が挙げられる。
【0053】
上記方法のように、主樹脂及び有機溶剤の混合を2回に分け、色素分散物を作製した後で補助樹脂などを混合し感光性赤色樹脂組成物を作製することで、色素の分散性を向上させることが可能となり、画素特性の向上を図ることができる。
【0054】
[4]赤色画素の製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法
本発明の感光性赤色樹脂組成物は、赤色画素の製造やカラーフィルタの製造に利用することができる。
まず、赤色画素の製造に利用する場合は、本発明の感光性赤色樹脂組成物を基板上に塗布して感光層を形成して、露光現像すればよい。また、本発明のカラーフィルタを製造するには、既述の赤色画素の製造方法を、赤色画素を形成する工程として組み込めばよい。
【0055】
本発明のカラーフィルタにおいて赤色以外の着色画素を製造する場合には、緑、青及び黒色等の着色画素に適した各顔料系等の色素が用いられる。
【0056】
緑色の着色画素には、単一の緑色顔料系を用いてもよいし、黄色顔料系を緑色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
緑色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントグリーン、7、36、37、136、137等、銅フタロシアニンの金属部が銅から亜鉛に変わった亜鉛フタロシアニン及びそのハロゲン化物が挙げられる。また、黄色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、55、83、93、109、110、117、125、128、129、138、139、147、150、153、154、155、166、168、180、211等が挙げられる。
これらの緑色及び黄色顔料は、それぞれ2種以上混合して用いることもできる。また、緑色顔料系と黄色顔料系を混合して用いる場合には、緑色顔料系と黄色顔料系の総量100重量部に対して黄色顔料系を90重量部以下で用いることが好ましい。
【0057】
青色の着色画素には、単一の青色顔料系を用いてよいし、紫色顔料系を青色顔料系に混合して調色を行ってもよい。
青色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、22、40、60、76、80等が挙げられる。また、紫色顔料系としては、例えば、カラーインデックス名でピグメントバイオレット10、19、23、29、37、50等が挙げられる。
これらの青色及び紫色顔料は、それぞれ2種以上混合して用いることもできる。また、青色顔料系と紫色顔料系を混合して用いる場合には、青色顔料系と紫色顔料系の総量100重量部に対して紫色顔料系を90重量部以下で用いることが好ましい。
【0058】
黒色の着色画素には、例えば、カーボンブラック、黒鉛、チタンカーボン、黒色酸化鉄、二酸化マンガン等、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7の黒色顔料が用いられる。
赤色色素以外の色素を用いたときの、感光性着色樹脂組成物における配合、その他の使用成分、組成物及び調製方法等は、感光性赤色樹脂組成物に準じて決定される。
【0059】
基板としては、用途により選択されるが、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス板、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製シート、フィルム又は板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などが挙げられる。これらの基板には予めクロム蒸着等によりブラックマトリックスが形成されているものでもよい。
【0060】
感光性赤色樹脂組成物を始めとした感光性着色樹脂組成物を用いて基板上へ感光層を形成するには、感光性着色樹脂組成物を基板に直接塗布すればよい。
【0061】
感光性着色樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、ロールコーター塗布、スピンコーター塗布、スプレー塗布、ホエラー塗布、ディップコーター塗布、カーテンフローコーター塗布、ワイヤーバーコーター塗布、グラビアコーター塗布、エアナイフコーター塗布などがある。塗布後、50〜130℃の温度で1〜30分乾燥もしくは、真空乾燥により乾燥することが好ましい。
【0062】
このようにして形成された感光層の厚みは、用途によって適宜定まるが、0.1〜300μmの範囲とされることが好ましい。また、カラーフィルタに用いる場合には、0.2〜5μmの範囲とされることが好ましい。
【0063】
基板上に形成された感光層への露光は、その感光層に活性光線を画像状に照射することにより行なうことができる。露光時の光量は、通常、10〜500mJ/cm2とすることが好ましい。これにより露光部の膜を硬化させることができる。露光に際し、その膜の表面にポリビニルアルコール等の酸素遮断膜を0.5〜30μmの厚みで形成し、その上から露光してもよい。
【0064】
活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、可視光レーザーなどが好適である。これらの光源を用いてフォトマスクを介したパターン露光や走査による直接描写などを行なうことにより画像状に活性光線が照射される。
【0065】
上記の露光に続いて現像を行なう。
現像は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の無機アルカリ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の有機塩基、又は塩を含む水溶液(アルカリ現像液)、有機溶剤等の現像液を吹き付けるか、現像液に浸漬するなどして未露光部を除去する。このような現像により、画像に対応した硬化膜の着色画像パターン(着色画素)を得ることができる。
【0066】
現像後、さらに、着色画素をより強固に硬化させるため、ポストベークを行なうことが好ましい。ポストベーク温度は、60〜280℃の温度が好ましく、加熱時間は1〜60分間程度が好ましい。
【0067】
このようにして着色画素が得られるが、特に、カラーフィルタの製造においては、本発明の赤色画素の製造法により赤色画素を形成する工程を、異なる3〜4色の着色画素について繰り返し行なうことが好ましい。例えば、先にクロム蒸着などにより形成したブラックマトリックス上に赤、緑、青の着色画素を順次形成する。そして、上記と同様の感光層の形成、露光現像を行なうことにより、形成することができる。
【0068】
また、黒色の感光性着色樹脂組成物を用いてブラックマトリックスを形成した後、赤、緑、青の各着色画素を形成してもよい。さらに、赤、緑、青の着色画素を形成した後に、これらの着色画素の隙間に黒色の画素形成材料を用いてブラックマトリックスを形成してもよい。赤、緑、青の着色画素の形成順序は任意である。
【0069】
[5]カラー表示装置、カラー液晶表示装置
本発明のカラー表示装置及びカラー液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタを備える。具体的には、電界放射型表示装置、蛍光表示装置、有機エレクトロルミネッセンスカラーディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【実施例】
【0070】
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0071】
(主樹脂の作製)
ベンジルメタクリレート70モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15モル%及びメタクリル酸15モル%となるようにこれらを共重合し、重量平均分子量が12,000かつ酸価96の共重合体(主樹脂)を作製した。
【0072】
(補助樹脂の作製)
ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びメタクリル酸を成分とする共重合樹脂で、メタクリル酸の比率を変化させて酸価を変化させ、重量平均分子量が11,000かつ酸価96の共重合体(補助樹脂)を作製した。
【0073】
(赤色色素分散物の作製)
上記主樹脂2gと、色素としてピグメントレッド254を15gと、分散剤としてソルスパース(セネカ(株)製)3.4gと、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79.6gとを混合し、ビーズミルを用いて2時間分散を行って赤色色素分散物を作製した。
【0074】
(実施例1)
(1)感光性赤色樹脂組成物の作製:
赤色色素分散物69.7gに、主樹脂0.8g、補助樹脂0.9g、光重合性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレート2.1g、光重合開始剤としてベンゾフェノン0.8g、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン0.4g、及び有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.3gを混合し、下記第1表に示す組成の感光性赤色樹脂組成物を作製した。
【0075】
(2)赤色画素の作製及び評価:
(1)で作製した感光性赤色樹脂組成物を、ガラス基板(コーニング社製、商品名7059)上にスピンコート法により塗布し、さらに90℃で2.5分間乾燥を行い、膜厚1.0μmの膜を形成した。この膜に、凸版印刷製解像度測定用マスク(凸版テストチャート、凸版印刷■製)を通して超高圧水銀灯により画素状に150mJ/cm2の露
光を行い、次いで水酸化カリウムを0.03重量%含む水溶液により25℃、0.02MPaのスプレー現像を40秒行い、赤色画素を作製した。
【0076】
作製した赤色画素について解像度を調べた。結果を下記第2表に示す。
なお、解像度は、テストチャート(解像度測定用マスク)によって調べた。第2表には、画素形成可能な最小のラインアンドスペース幅が示されている。この数値が小さいほど、より精細なラインアンドスペースのレジストを形成することができる。
【0077】
(実施例2,3及び比較例1〜3)
下記第1表の組成とした以外は実施例1と同様にして、感光性赤色樹脂組成物を作製した。作製した感光性赤色樹脂組成物について、実施例1と同様にして解像度の評価を行った。評価結果を下記第2表に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
第2表より、実施例1〜3が比較例1〜3と比較して解像度が良好であることが確認される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色色素、樹脂、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有し、
前記赤色色素の含有量が、全固形分に対して45〜61重量%であり、
前記樹脂が、主樹脂と、該主樹脂より低分子量の補助樹脂とを含有し、
前記光重合性化合物が、光重合性不飽和結合を分子内に1〜4個含有し、分子量が400以下、である感光性赤色樹脂組成物。
【請求項2】
前記光重合性化合物にペンタエリスリトールテトラアクリレートを含む請求項1に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項3】
前記主樹脂が、酸価20〜300であり、重量平均分子量が1,500〜200,000のアクリル樹脂である請求項1または2に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項4】
前記補助樹脂が、酸価60〜200であり、重量平均分子量が1,000〜15,000のアクリル樹脂であり、
当該補助樹脂が、前記樹脂の全固形分量に対して5〜40重量%含有されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項5】
前記補助樹脂のモノマ成分の少なくとも1種が、アルキル(メタ)アクリレートである請求項4に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項6】
前記アルキル(メタ)アクリレートが、メチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート及びブチルアクリレートのいずれかである請求項5に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項7】
さらに有機溶剤を含有してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性赤色樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性赤色樹脂組成物の製造方法であって、
一部の前記主樹脂と、前記赤色色素と、一部の前記有機溶剤とを混合して赤色色素分散物を作製し、該色素分散物に、残りの前記主樹脂と、前記補助樹脂と、前記光重合性化合物と、前記光重合開始剤と、残りの前記有機溶剤とを混合する感光性赤色樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性赤色樹脂組成物を基板上に塗布して感光層を形成し、露光現像する赤色画素の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性赤色樹脂組成物を基板上に塗布して感光層を形成し、露光現像して赤色画素を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタ。
【請求項12】
請求項11に記載のカラーフィルタを有するカラー表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載のカラー表示装置を有するカラー液晶表示装置。

【公開番号】特開2009−20322(P2009−20322A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183013(P2007−183013)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】