説明

成形された複合アセンブリ及びその製造方法

複合アセンブリ(10)の形状を形成する装置(50)及び方法であって、第1の表面(46)を有する型(51)と、その上に複数の真空バッグシート(53、55)を含む真空バッグ(45)と、その中にある複合アセンブリ(10)とを含み、複合アセンブリは複数の結合可能な層(12)を含み、少なくとも1つの複数の真空バッグシートは、複数の結合可能な層と型の第1の表面との間にあり、複数の結合可能な層は、真空バッグの内圧が減少し、バッグ及び複合アセンブリの複数の結合可能な層を型から取り除いても、型のネガ像である形状を保持できる、装置及び方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に部品を成形する装置及び方法に関する。具体的には、多層部品を製造する装置及び方法である。
【背景技術】
【0002】
金属製品に匹敵する、又はそれ以上の機能性があり、耐久性のある安価な製品に対して産業、政府規制当局及び消費者による需要が増えている。これは、特に自動車産業や運送業に当てはまる。このような製品の開発者及び製造者は、衝撃、曲げ、伸縮及びねじれからの復元力などの強度パラメータのほかに最軽量化にも関心がある。このような要求を満たすために、多数の反応性熱可塑性複合プリプレグならびに反応性熱硬化性複合プリプレグ、熱硬化性完全重合固結シートならびに熱可塑性完全重合固結シート(複合シートと呼ばれる)及び様々な複合シートならびに芯材によるサンドイッチ材が設計されている。このような材料は、型やプレスの加熱や冷却に長い時間を要するため、通常、最初に型やプレスでゆっくり加工される。このように加工処理に長い時間がかかると、費用の増加を招く。このため、加工処理時、加熱が早く、さらに型くずれしない多層部品を製造するための、改善された装置及び方法の必要性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様は、複合アセンブリの形状を自由に形成する装置であって、第1の表面を有する型と、その上に複数の真空バッグシートを含む真空バッグと、その中にある複合アセンブリとを含み、複合アセンブリは複数の結合可能な層を含み、少なくとも1つの複数の真空バッグシートは、複数の結合可能な層と型の第1の表面との間にあり、複数の結合可能な層は、真空バッグの内圧が減少し、バッグ及び複合アセンブリの複数の結合可能な層を型から取り除いても、型のネガ像である形状を保持できる、装置を提供する。
【0004】
本発明の第2の態様は、中空状の複合アセンブリの形状を形成する方法であって、第1の表面を有する型と、その上に複数の真空バッグシートを含む真空バッグとを提供すること;複数の結合可能な層を含む複合アセンブリであって、複合アセンブリの複数の結合可能な層は、複数の真空バッグシートの内側に含まれ、少なくとも1つの複数の真空バッグシートは、複合アセンブリの複数の結合可能な層と型の第1の表面との間にある複合アセンブリなどの装置を提供すること;真空バッグの内圧が減少し、型から複合アセンブリの複数の結合可能な層を取り除いても、複数の結合可能な層は、型の第1の表面のネガ像の形状を保持できるように、真空バッグの複数のシートの内圧を減少すること、を含む方法を提供する。
【0005】
本発明の第3の態様は、複合材支持構造(ウェブ)を有する複合アセンブリを形成する装置であって、第1及び第2の表面を有する型と、外側真空バックと、複数の内側真空バッグと、その間に複合材支持構造(ウェブ)を有する複合アセンブリとを含み、複合材支持構造(ウェブ)は、複合アセンブリの縦軸と直交する軸に沿って配置され、外側真空バッグは筒状であり、外側真空バッグは、型の第1の表面に適合する(conform)第1のシートと、型の第2の表面に適合する第2のシートとを含み、複合アセンブリは、少なくとも1つの結合可能な層L(式中、n=0、−1、−2・・・−i)を含み、複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層Ln=0の第1の表面は、型の第1の表面の形状及び外側真空バッグの第1のシートの形状又は型の第2の表面の形状及び外側真空バッグの第2のシートの形状のいずれかに面して適合し、それぞれ連続する下部の少なくとも1つの結合可能な層L(式中、n=−1、−2、・・・−i)は、それぞれ上部の層L1+n(式中、n=−2、−3、・・・−i)に適合し、L(式中、n=−1、−2、・・・−i+1)は、複合アセンブリの連続する下部の少なくとも1つの結合可能な層を表し、n=−iは、複合アセンブリの下部の少なくとも1つの結合可能な層の下端を表し、真空バッグの第1及び第2のシートは、複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層(L)を、型の第1及び第2の表面から隔て、複数の内側真空バッグは、ウェブの軸の周りに配列され、複合アセンブリの縦軸と直交し、複合アセンブリの少なくとも1つのL(−i)層の形状に適合する第1及び第2の放射状に伸張可能なシートを含み、外側真空バッグの第1のシート及び型の第1の表面の形状又は外側真空バッグの第2のシート及び型の第2の表面の形状に適合する複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層は、真空バッグが真空にされた場合、バッグ及び複合アセンブリの複数の結合可能な層を型から取り除いても、第1及び第2の表面それぞれのネガ像の形状を保持することができる装置を提供する。
【0006】
本発明の第4の態様は、中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置であって、内面を有する型と、外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを含み、中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグの間にi個の結合可能な層Lを含み、i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点(common point)を囲み、式中、x=1、2、3・・・(i−1)、iであり、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、式中、iは1以上の任意の正整数であり、i=i+iであり、i≧0及びi≧0であり、i+i≧1であり、第2のタイプのi個の結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分Cと同延(coextensive)の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分Cと、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分C及び放射状部分Rは、外面及び内面を有し、i個の結合可能な層Lの環状部分Cの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分Cの内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、第1の空間が、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、第2の空間が外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から中空状の複合アセンブリを隔て、外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lが、型の内面に適合し、型の内面と外側の真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリの第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型の内面のネガ像であり、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分Cと同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各環状部分C内の各点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合に、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離が本質的には同一となる装置を提供する。
【0007】
本発明の第5の態様は、中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置であって、外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを含み、中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグとの間にi個の結合可能な層Lを含み、i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点を囲み、式中、x=1、2、3・・・(i−1)、iであり、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、式中、iは1以上の任意の正整数であり、i=i+iであり、i≧0及びi≧0であり、i+i≧1であり、第2のタイプのi個の結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分と、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分及び放射状部分は、外面及び内面を有し、i個の結合可能な層Lの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、第1の空間が、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、第2の空間が外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔て、外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、・・・、L(i−1)、Lは、型の内面に適合し、型の内面と外側の真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型の内面のネガ像であり、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、i個の結合可能な層Lの各環状部分内の各点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離が本質的には同一となる装置を提供する。
【0008】
本発明の第6の態様は、中空状の複合アセンブリを製造する方法であって、内面を有する型を提供し、外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを提供し、中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグとの間にi個の結合可能な層Lを含み、i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点を囲み、式中、x=1、2、3・・・(i−1)、iであり、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、式中、iは1以上の任意の正整数であり、i=i+iであり、i≧0及びi≧0であり、i+i≧1であり、第2のタイプの結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分と、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分及び放射状部分は、外面及び内面を有し、i個の結合可能な層Lの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、第1の空間が、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、第2の空間が、外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔て、第1及び第2の空間に真空を提供し、外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、型の内面に適合し、型の内面と外側の真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型の内面のネガ像であり、型から中空状の複合アセンブリを取り除き、外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、外側真空バッグの壁と、型の内面のネガ像である中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状を保持し、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、i個の結合可能な層Lの各環状部分内の各点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離が本質的には同一となる方法を提供する。
【0009】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリを製造する方法は、型から複合アセンブリと真空バッグを取り除き、約80〜260℃で真空バッグ内の複合アセンブリを加熱することをさらに含む。
【0010】
本発明の第7の態様は、中空状の複合アセンブリの立体幾何学形態を固定する方法であって、第1の空間から逆平行方向に空気を抜いて、内側真空バッグの壁を型の表面に適合させること、第2の空間から逆平行方向に空気を抜いて、外側真空バッグの壁を中空状の複合アセンブリの壁に適合させること、のように外側真空バッグの壁を中空状の複合体に適合させ、中空状の複合アセンブリの幾何学形態を固定して、型の表面のネガ像の形状を有する中空状の複合アセンブリを形成すること、を含む方法を提供する。
【0011】
本発明の特徴を、本願の特許請求の範囲に記載する。しかし、本発明自体は、添付の図面とともに例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】曲げる前の複数の層を有するアセンブリの断面図である。
【図2】図1に示すアセンブリの、隣接層を固定も結合もしないで曲げた後の断面図である。
【図3】隣接層を固定して曲げた場合と固定せずに曲げた場合とを対比するために、隣接層を最初に結合(固定)してから曲げ加工した図1に示す複合アセンブリの断面図である。
【図4】本発明の実施形態による多層装置を製造する装置の縦断面図である。
【図5】本発明の実施形態による図4に示す装置の真空バッグを真空にした後の断面図である。
【図6】本発明の実施形態による図5に示す装置の型を取り除いた後の断面図である。
【図7A】本発明の実施形態による複合アセンブリの形状を自由に形成する方法のフロー図である。
【図7B】本発明の実施形態による複合アセンブリの形状を自由に形成する方法のフロー図である。
【図8A】本発明の実施形態による中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置の縦断面図である。
【図8B】本発明の実施形態による中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置の縦断面図である。
【図8C】本発明の実施形態による複合アセンブリの形状を保持する方法のフロー図である。
【図9】本発明の実施形態による中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置の端断面図である。
【図10】本発明の実施形態による図9に示す中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置の端断面図の分解図である。
【図11】本発明の実施形態による図8に示す中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置の端断面図である。
【図12A】本発明の実施形態による中空状の複合アセンブリを製造する方法を示すフロー図である。
【図12B】本発明の実施形態による中空状の複合アセンブリを製造する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、多層構部品及びその部品を形成する方法を提供することによって、当技術分野の要求を満たす。
【0014】
図1〜3は、多層構造の複合アセンブリを固定又は結合する効果を示す。特定の均質材料(アルミ、鉄鋼など)の曲げ剛性は、厚さの3乗となる。厚さが2倍になると、曲げ剛性は8倍となり、厚さが3倍になると、曲げ剛性は27倍と言うようになる。また、多層シートは、一体で動くように結合も固定もされない場合、結合したり固定したりする場合に比して、曲げ剛性がはるかに低いことはよく知られている。この違いは、結合した場合は厚さの合計の3乗(Σi)となり、結合しない場合は個々の厚さの3乗の合計Σ(i)となる違いと関係がある。
【0015】
図1は、隣接層が互いに自由に摺動する複数の層7を有する、アセンブリ5の断面図である。(例えば)公称厚さ1を、図1のアセンブリ5の各層7に割り当てることができる。
【0016】
図2は、隣接層7を固定しないで曲げた後の、図1に示す複数の層7を有するアセンブリ5の断面図である。連続した各隣接層7の各終端14の重なりから分かるように、図2に示す4つの層7の各層が各隣接層に対して摺動してもよい。したがって、各層7が個別に曲がるため、層7の各層の厚さの曲げ剛性に対する4つの寄与度は1であり、合計で4となることから、アセンブリ5には厚さの曲げ剛性への寄与度4が割り当てられる。
【0017】
図3は、隣接層7を固定して曲げた後の図1に示す複数の層7を有するアセンブリ5の断面図である。隣接層7は、曲げられるが、一緒に固定される。図3では、4つの隣接層7は、相互作用し、一体型ユニットとして曲がる傾向がある。このため、アセンブリ5は曲げ剛性に対する厚さの寄与度4=64が割り当てられ、4つの層7に対して4であり、合計64となることから、固定しないアセンブリ5の曲げ剛性より16倍大きくなる。これは、アセンブリ5の曲げ剛性に対する層を一緒に固定したり結合したりする効果を示す。
【0018】
固定効果は、真空バッグ内にアセンブリ5を配置するなどして、アセンブリ5の周りに真空を生成することによって実現してもよい。本発明の目的は、真空を加える前に複合アセンブリを曲げることによって、層が摺動し、アセンブリが容易に曲がり、従って、一旦所望の形状が得られることであり、本発明の別の目的は、真空を使って隣接層7を固定して補強効果(stiffening effect)をもたらすことによって、型からアセンブリを取り除くことができることである。真空バッグの補強効果は、層の何らかの結合処理で維持される。その部分は、真空バッグから取り除かれ、形状を保持できる。また、固定効果は、各側面に芯材及び皮材(skin)を有するサンドイッチパネルの周りに真空バッグを配置して、サンドイッチパネルに真空を加えることによって得てもよい。
【0019】
図4は、複数の結合可能な層12を有する多層構造の複合部品10などの装置10を製造する装置50の断面図である。装置50は、装置71と、第1の表面46を有する型51とを含む。装置71は、真空バッグ45と、真空バッグ45の内側に、反応性熱可塑性又は熱硬化性複合材プリプレグ、熱硬化性完全重合固結シートならびに熱可塑性完全重合固結シート(複合シートと呼ばれる)及び様々な複合シートならびに芯材によるサンドイッチ材などの装置10とを含む。真空バッグ45は、複数の真空バッグシート53、55を含む。
【0020】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10の形状を形成する装置50は、第1の表面46を有する型51と、その上に真空バッグ45とを含み、真空バッグ45は、その中に複数の真空バッグシート53、55及び装置10を含む。
【0021】
装置10は、複数の結合可能な層12を含む。「結合可能な層」は、接着剤などの結合剤によって化学的又は物理的に結合される層として定義される。典型的な接着剤は、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂であってもよい。真空バッグ45の複数のシート55の1つが、複数の結合可能な層12と型46の第1の表面との間にある。型51の第1の表面46と装置71の底面49との間に真空を加えてもよく、これにより装置71の底面49の形状を、型51の第1の表面46の反転像に適合させる。装置71の底面49は、型51の第1の表面46にテープで貼って、装置71の底面49を型51の第1の表面46に封止することにより、真空を加える準備をしてもよい。
【0022】
装置71の底面49と第1の型の表面46との間に、矢印77の方向に真空を加えると、装置71は矢印77の方向に第1の型の表面46に向かって引き寄せられ、型の表面46に装置71の表面49の形状を適合させる。また、矢印77の方向の力は、型51の第1の表面46に対して装置71の表面49を保持する物理的な圧力又は他の手段であり得る。
【0023】
図5は、真空バッグ45から空気を除去して真空バッグ45を真空にした後の、図4に示す装置50の断面図である。上部及び底部真空バッグシート53、55の間の矢印57、58の方向に真空を加え、内側の複合アセンブリなどの装置10を固定して、それを型51の第1の表面46の反転像に形成させる。
【0024】
図6は、矢印73の方向に型51を取り除いた後の図5に示す装置71の断面図である。底部真空バッグシート55と型51の第1の表面46との間から真空を開放し、真空バッグ45及び複合アセンブリなどの装置10を含む装置71を型51から取り除く。真空バッグ45及び装置10は、図6に示し、本願明細書に示すように、結合していない独立したアセンブリなどの装置71であり、熱サイクルや室温硬化接着剤により層を結合し、真空バッグ45から部品を取り除くことを可能にするなどの処理をさらに受けることができると同時に、型51の第1の表面46は別の装置10を形成するのに利用可能である。
【0025】
複数の結合可能な層12は、真空バッグ45の内圧が減少し、複合アセンブリなどの装置10のバッグ45と複数の結合可能な層12とが、型51から取り除かれても、型51のネガ像である形状を保持することができる。
【0026】
装置10の材料は、真空バッグ45によって、真空を加えていない間、型51の第1の表面46の形状に従って、所望の形状に形成することができる。ここで、真空を加え、装置71の複数の隣接層12を固定する。装置71は、型51内で、第1の型とは異なる材料で製造されてもよい第2の同じような形状の型(図示せず)内で、又は型51から装置71を取り除くことによってオーブン(図示せず)内で熱処理したり、型51などの形成固定具に取り付けないで約80℃〜約260℃の加熱装置内で熱処理することができる。型51は、平板パネルの製造を容易にするように平らなプレートと同じくらい単純なものであってよく、風力タービン翼と同じくらい複雑であってもよい。
【0027】
一実施形態では、型51は、冷間成形型であってもよく、装置10を冷間成形型から外して、熱処理のために熱金型に移してもよい。装置71の底面49と第1の型の表面46との間に、矢印77の方向に真空を加えると、装置71は矢印77の方向に第1の型の表面46に引き寄せられ、型の表面46に装置71の表面49の形状を適合させる。第1の型表面46と装置71の表面49との間を密着させることによって、装置10の加熱及び熱処理を速くすることが可能となる。装置10は、熱処理後に型から取り出してもよく、冷却のための別の冷間成形型に移してもよい。
【0028】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)である。
【0029】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層は、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層である。
【0030】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層は、フォームコア又は別の適切な芯材の各面上の予備形成シートである。
【0031】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層又はフォームコアもしくは別の適切な芯材の各面上の予備形成シートの組み合わせである。
【0032】
一実施形態では、装置10の複合アセンブリなどの複数の結合可能な層は、結合剤によって結合される。結合剤は、熱硬化性フィルム又はエチル酢酸ビニル(EVA)などの熱可塑性フィルム接着剤であってよい。
【0033】
また、反応性(重合性)熱硬化性樹脂から成る群から有利に選択される熱可塑性フィルムは、反応性大環状オリゴマーポリエステル、反応性大環状オリゴマーポリブチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリエチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリカーボネート及び反応性ラクタムモノマーであってよい。
【0034】
熱硬化性フィルムは、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、例えば、架橋ポリエチレン樹脂、架橋ポリプロピレン樹脂及び架橋ポリ塩化ビニル樹脂などの架橋熱可塑性樹脂から成る群から有利に選択される。熱硬化性樹脂の総合リストは、「Handbook of Thermoset Resins」第2版、Sidney H. Goodman、Noyes Publications、Westwood、NJ、ISBN:0−8155−1421−2(1998)で閲覧することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
一実施形態では、複合アセンブリなどの装置10は、複合アセンブリの滑らかな仕上げ面を隔てる「非結合」層を含む。「非結合」層は薄膜シートであってもよく、その材料は、金属及びプラスチックから成る群から選択され、非結合層と複合体との間に離型剤を有する。離型剤は、シリコーン離型剤であってもよい。「非結合」層は、薄膜シートであり、その材料は金属とプラスチックから成る群から選択される。金属は、鉄鋼、アルミ、銅、銀及び錫から成る群から有利に選択されてもよい。プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、PFA、ポリフルオロアルカン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから成る群から有利に選択されてもよい。
【0036】
一実施形態では、型51の第1の表面46の形状は、平面、凹面、凸面及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0037】
図7A〜7Bは、複合アセンブリなどの装置10の形状を形成する方法100のフロー図である。方法100はステップ105を含み、第1の表面46を有する型51と、その上に真空バッグ45を提供し、真空バッグ45は、複数の真空バッグシート53、55を含む。
【0038】
方法200のステップ110では、複数の結合可能な層12を含む複合アセンブリなどの装置10を提供し、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層12は、真空バッグ45の複数のシート53、55内に含まれる。真空バッグ45の複数のシート53、55の少なくとも1つは、複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層12と型51の第1の表面46との間にある。方法200のステップ115では、真空バッグ45の内圧が減少し、型51から複合アセンブリなどの装置10の複数の結合可能な層12を取り除いても、複数の結合可能な層12は型51の第1の表面46のネガ像である形状を保持できるように、真空バッグ45の複数のシート53、55の内圧を減少する。
【0039】
図8Aは、中空状の複合アセンブリ205の形状を保持する装置200の縦断面図であり、内面213を有する型220と、外側真空バッグ201と、「j」(jは少なくとも1)個の内側真空バッグ203、204と、その間に中空状の複合アセンブリ205とを含む。型220は二等分された部分109、111から構成されてもよい。第1の空間107が、型220の内面213から外側真空バッグ201の壁202を隔てていてもよい。第2の空間115が、外側真空バッグ201の壁202及びj個の少なくとも1つ内側真空バッグ203、204の壁208、210から中空状の複合アセンブリ205を隔てる。
【0040】
図8Bは、中空状の複合アセンブリ605の形状を保持する装置600の縦断面図であり、外面613を有する型620と、外側真空バッグ601と、内側真空バッグ603と、その間に中空状の複合アセンブリ605とを含む。型620は、例えば、筒形、偏菱形(rhomboid)、ピラミッド形などの任意の立体形状であってもよい。第1の空間657が、型620の外面613から内側真空バッグ603の壁630を隔ててもよい。第2の空間615が、内側真空バッグの壁608から中空状の複合アセンブリ605の壁604を隔て、外側真空バッグ601の壁602から中空状の複合アセンブリ605の壁625を隔てる。
【0041】
図8Bは、中空状の複合アセンブリ605の形状を保持する装置600の縦断面図であり、型620は内側型(internal mold)である。
【0042】
図8Cは、図8Bに示す中空状の複合アセンブリ605の立体幾何学形態を有利に固定する方法700を示す。
【0043】
方法700のステップ705では、矢印607、609によって示す逆平行方向に、第1の空間657から空気を抜くことができ、内側真空バッグ603の壁630は、型620の表面613に適合する。
【0044】
方法700のステップ710では、矢印607、609によって示す逆平行方向に、第2の空間615から空気を抜くことができ、外側真空バッグ601の壁602は、中空状の複合アセンブリ605の壁625に適合する。このように、外側真空バッグ601の壁625を中空状の複合アセンブリ605の壁625に適合させることで、中空状の複合アセンブリ605の幾何学形態を固定し、中空状の複合アセンブリ605が型620の表面613のネガ像を有するようにする。
【0045】
方法700のステップ715では、第1の空間657内の圧力を大気圧に戻すことができ、その結果、型620を開放して取り除くことができ、中空状の複合アセンブリ605の内側に空洞621を形成する。
【0046】
方法700のステップ710の一実施形態では、例えば、空間657、615を真空にする機械的な真空ポンプや適切な手段を利用するなどして、矢印607及び609の方向にポンプで空気を抜くことによって、空間657、615から空気を抜くことができる。
【0047】
方法700のステップ710の一実施形態では、第1の空間657内の圧力を大気圧に戻すことができ、その結果、型620を開放して取り除くことができ、中空状の複合アセンブリ605の内側に空洞621を形成する。
【0048】
方法700のステップ710の一実施形態では、第1及び第2の空間657、615からポンプによって、空気が抜かれる。
【0049】
方法700のステップ710の一実施形態では、例えば、機械的な真空ポンプを利用し、矢印607、609で示す逆平行方向に空気が抜かれる。
【0050】
図9は、中空状の複合アセンブリ205の形状を保持する装置200の端断面図を示す。中空状の複合アセンブリ205は、少なくとも1つの内側真空バッグ203、204と外側真空バッグ201との間のi個の結合可能な層Lを含み、式中、X=1、2、3、・・・(i−1)、iである。i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含む。第1のタイプのi個の結合可能な層Lは、C環状部分133のみを有する。第2のタイプのi個の結合可能な層は、C環状部分133及びR放射状部分127を有する。i個の結合可能な層LのC環状部分133は、中空状の複合アセンブリ205内の共通参照点160を囲み、式中、X=1、2、3、・・・(i−1)、iである。iは1以上の任意の正整数であってよい。
【0051】
結合可能な層の数iは、以下の式(1)によって表すことができる。
(1)i=i+i(式中、i≧0及びi≧0であり、i+i≧1である。)
【0052】
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層LのC環状部分133内の各参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示される。各参照点163、166、167、169及び171は、共通参照点160を含む平面に沿って位置し、共通参照点160とは距離「d」離れている。
【0053】
第2のタイプのi個の結合可能な各層Lは、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各C環状部分133と同延の少なくとも1つのR放射状部分127を含む。
【0054】
図10は、図9に示し、本願明細書中の説明と関連して示すように、中空状の複合アセンブリ205の形状を保持する装置200の端断面図の分解図である。第1のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133は、式中、X=1、2及び3であり、内面236、238及び240と、外面246、248及び250とを有する。第2のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133は、式中、X=(i−1)及びiであり、内面242及び244と、外面252及び254とを有する。
【0055】
第2のタイプのi個の結合可能な層LのR放射状部分127は、式中、X=(i−1)及びiであり、内面262、260及び270と、外面256及び258とを有する。
【0056】
図9では、j個の内側真空バッグ203、204はそれぞれ、空洞128、129を形成し、各空洞は参照点173、175を有し、参照点は、共通参照点160を含む平面に沿って位置し、共通参照点160とは距離「d」離れている。
【0057】
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133の各外面に沿った参照点163、166、167、169及び171と、共通参照点160との間の距離は、i個の結合可能な層LのC環状部分133の内面に沿った各点236、238、240、242及び244と、共通参照点160との間の距離より大きい。
【0058】
図8を参照すると、第1の空間107は、型220の内面213から外側真空バッグ201の壁202を隔てる。第2の空間115が、外側真空バッグ201の壁202とj個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210から中空状の複合アセンブリ205を隔てる。
【0059】
137の、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2タイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、型220の内面213に適合しているとき、型220の内面213と外側の真空バッグ201の壁202との間の第1の空間107と、外側真空バッグ201の壁202、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210から複合アセンブリ205を隔てる第2の空間115とが、j個の少なくとも1つの真空バッグ203、204の内圧より内圧が低い場合、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2タイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型220の内面213のネガ像である。
【0060】
一実施形態では、図8に示すように、型220の内面213と外側真空バッグ201の壁202との間の第1の空間107と、外側真空バッグの壁202から複合アセンブリ205を隔てる第2の空間115は、ポンプ、例えば機械的な真空ポンプ又は任意の適切な手段を利用して矢印207及び209の方向に空気が抜かれて、(j個の少なくとも1つの内側の真空バッグ203、204を大気圧などの高圧力源に開放した状態で、)j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の内圧より低い内圧下に置かれてもよい。
【0061】
第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分Cと同延の第2のタイプのi個の結合可能な各層Lの少なくとも1つのR放射状部分127は、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各C環状部分133内の各参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリ205と、外側真空バッグ201と、内側真空バッグ203が型220内にある場合も、型220から取り除かれた場合も、各参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離は本質的に同一となる。
【0062】
図11は、図8に示すように、中空状の複合アセンブリ205の形状を保持して、本願明細書中の説明と関連して示すように、j個の内側真空バッグ203、204を含み、式中、jは4である装置200の端断面図である。各j個の内側真空バッグ203、204は、空洞162、164、166及び168を形成し、各空洞は参照点170、172、174及び176を有し、参照点は、共通参照点160を含む平面に沿って位置し、共通参照点160とは距離「d」離れている。
【0063】
一実施形態では、外側真空バッグ201が真空になると(空気が抜かれると)、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204が有利に伸長可能である。
【0064】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205の結合可能な層(L)は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)である。
【0065】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205の結合可能な層(L)は、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備形成シートの層である。
【0066】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205の結合可能な層(L)は、フォームコア又は別の適切な芯材の各面上の予備形成シートである。
【0067】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205の結合可能な層(L)は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層又はフォームコアもしくは別の適切な芯材の各面上の予備形成シートの組み合わせである。
【0068】
一実施形態では、結合可能な層(L)は、結合剤によって結合される。
【0069】
一実施形態では、結合可能な層Lを結合する結合剤は、熱可塑性フィルム接着剤又は熱硬化性フィルム接着剤である。
【0070】
一実施形態では、結合可能な層Lを結合する熱可塑性フィルム接着剤は、エチル酢酸ビニル(EVA)フィルム接着剤、コポリアミドフィルム接着剤、コポリエステルフィルム接着剤、ポリプロピレンフィルム接着剤、ポリエチレンフィルム接着剤、ポリウレタンフィルム接着剤、多層フィルム接着剤及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0071】
一実施形態では、結合可能な層Lを結合する反応性(重合性)熱可塑性樹脂から成る群から選択される熱可塑性フィルム接着剤は、反応性大環状オリゴマーポリエステル、反応性大環状オリゴマーポリブチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリエチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリカーボネート及び反応性ラクタムモノマーであってもよい。
【0072】
一実施形態では、Lの結合可能な層を結合する熱可塑性フィルム接着剤は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、架橋ポリプロピレン樹脂及び架橋ポリ塩化ビニル樹脂などの架橋熱可塑性樹脂から成る群から選択される。
【0073】
一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205は、中空状の複合アセンブリ205の滑らかな仕上げ面を隔てる「非結合」層を含む。
【0074】
一実施形態では、「非結合」層は、薄膜シートであり、その材料は鉄鋼、アルミ及びプラスチックから成る群から選択される。
【0075】
一実施形態では、プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、PFA、ポリフルオロアルカン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから成る群から有利に選択されてもよい。
【0076】
一実施形態では、型220の表面213の形状は、平面、凹面、凸面及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0077】
図12A〜12Bは、中空状の複合アセンブリ205を製造する方法300を説明するフロー図である。方法300は、内面213を有する型220を提供するステップ305を含む。
【0078】
方法300のステップ310では、外側真空バッグ201と、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204と、その間の中空状の複合アセンブリ205とから成る真空バッグアセンブリ133が提供される。
【0079】
中空状の複合アセンブリ205は、少なくとも1つの内側真空バッグ203、204と外側真空バッグ201との間のi個の結合可能な層Lとを含む。i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層LのC環状部分は、中空状の複合アセンブリ205内の共通参照点160を囲み、式中、x=1、2、3、・・・(i−1)、iである。iは1以上の任意の正整数であってよい。
【0080】
結合可能な層の数iは、以下の式(1)によって表すことができる。
(1)i=i+i(式中、i≧0及びi≧0であり、i+i≧1である。)
【0081】
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層LのC環状部分133内の各参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示される。第2のタイプのi個の結合可能な各層Lは、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各C環状部分133と同延の少なくとも1つのR放射状部分127を含む。
【0082】
第1のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133は、式中、X=1、2及び3であり、内面236、238及び240と、外面246、248及び250とを有する。第2のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133は、式中、X=(i−1)及びiであり、内面242及び244と、外面252及び254とを有する。
【0083】
第2のタイプのi個の結合可能な層LのR放射状部分127は、式中、x=(i−1)及びiであり、内面262、260及び270と、外面256及び258とを有する。
【0084】
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層LのC環状部分133の各外面に沿った参照点163、166、167、169及び171と、共通参照点160との間の距離は、i個の結合可能な層LのC環状部分133の内面に沿った各点236、238、240、242及び244と、共通参照点160との間の距離より大きい。
【0085】
方法300のステップ315では、第1の空間107及び第2の空間115に真空を提供する。真空アセンブリ137は、外側真空バッグ201の壁202を含み、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、型220の内面213に適合し、型220の内面213と外側真空バッグ201の壁202との間の第1の空間107と、外側真空バッグの壁202から複合アセンブリ205を隔てる第2の空間115が真空下である場合、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、内側真空バッグ203、204の壁208、210との形状は、型220の内面213のネガ像である。
【0086】
方法300のステップ320では、型220から中空状の複合アセンブリ205を取り除く。真空アセンブリ137は、外側真空バッグ201の壁202を含み、中空状の複合アセンブリ205のi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、型220の内面213に適合され、型220の内面213と外側真空バッグ201の壁202との間の第1の空間107と、外側真空バッグ201の壁202から複合アセンブリ205を隔てる第2の空間115が真空下である場合に、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210との形状は、型220の内面213のネガ像である。
【0087】
真空アセンブリ137は、外側真空バッグ201の壁202を含み、中空状の複合アセンブリ205のi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、外側真空バッグ201の壁202の形状を保持し、中空状の複合アセンブリの第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210との形状は、型220の内面213のネガ像であり、第2のタイプの結合可能な層Lの各C環状部分133と同延の少なくとも1つのR放射状部分127は、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各C環状部分133内の参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離「d」を確立又は固定し、真空アセンブリ137が型220内にある場合に、真空アセンブリ137が型220から取り除かれている場合と同様、各参照点163、166、167、169及び171と共通参照点160との間の距離は本質的に同一となる。
【0088】
方法300のステップ310の一実施形態では、少なくとも2つの内側真空バッグ203、204を提供する。すなわち、jは2以上である。
【0089】
方法300のステップ315の一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205とj個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204が、第1の空間107及び第2の空間115に真空を加えた後に、外側真空バッグ201の内側で25℃以上まで加熱される。
【0090】
方法300のステップ315の一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205と少なくとも1つの内側真空バッグ203、204が、第1の空間107及び第2の空間115に真空を加えた後に、外側真空バッグ201の内側で約50℃〜約250℃で加熱される。
【0091】
方法300のステップ315の一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205と少なくとも1つの内側真空バッグ203、204が、第1の空間107及び第2の空間115に真空を加えた後に、外側真空バッグ201の内側で約100℃〜約250℃で加熱される。
【0092】
方法300のステップ315の一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205と少なくとも1つの内側真空バッグ203、204が、第1の空間107及び第2の空間115に真空を加えた後に、外側真空バッグ201の内側で周囲温度から約250℃の間で加熱される。
【0093】
方法300のステップ315の一実施形態では、真空アセンブリ137を熱処理するために接触加熱が使用され、当該真空アセンブリ137は、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とを含む。外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、型220の内面213に適合され、外側真空バッグ201の壁202を形成し、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204の壁208、210とが、型220の内面213のネガ像に形成される。
【0094】
「接触加熱」という用語は、型220以外の熱源によって真空アセンブリ137を直接密着させる加熱処理を意味する。熱源は、真空アセンブリ137を急速加熱(ballistically heating)可能な加熱器であってよく、これにより、型220は、例えば、真空アセンブリ137の接触表面126を熱処理するために、周囲温度と250℃の間の温度領域で循環する(cycled)必要はない。
【0095】
方法300のステップ315の一実施形態では、中空状の複合アセンブリ205と、外側真空バッグ201内のj個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204とを含む真空アセンブリ133の加熱は、同一の熱源を使用すれば、型220を含む加熱装置200より速くなる。これは、中空状の複合アセンブリ205と、外側真空バッグ201内の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204よりも重量のかなり大きい型220の加熱を回避することによる。
【0096】
一実施形態では、真空アセンブリ137の「高温」接触表面126は、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとである。外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとが、型220の内面213に適合され、外側真空バッグ201の壁202と、中空状の複合アセンブリ205の第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lと、j個の内側真空バッグ203、204の少なくとも1つの壁208、210との形状は、型220の内面213のネガ像になる。真空が再度加わると、真空アセンブリ137の外面126は、熱処理の型220の内面213の精確な形状に適合される。
【0097】
一実施形態では、第2の熱処理のために真空アセンブリ137を型220に戻し、第1の空間107及び第2の空間115に真空を再度加え、型220の内面213に真空アセンブリ137の外面126を適合させる。
【0098】
「高温」という用語は、周囲温度と250℃との間にある外側真空バッグ201の壁202の接触表面126を熱処理することを意味する。
【0099】
方法300のステップ315の一実施形態では、外側真空バッグ201の内圧が大気圧未満まで減少し、これにより、j個の少なくとも1つの内側真空バッグ203、204は伸張する。
【0100】
本発明の実施形態の上記の記載は説明の目的で示す。この記載は、網羅的ではなく、本発明を開示する正確な形式に限定することを意図するものでもなく、明らかに多くの改変及び変形が可能である。当業者には明白であると考えられる改変及び変形は、本願明細書の実施形態で定義する本発明の範囲内に含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合アセンブリの形状を自由に形成する装置であって、
第1の表面を有する型と、
その上に複数の真空バッグシートを含む真空バッグと、
その中にある複合アセンブリとを含み、
複合アセンブリは複数の結合可能な層を含み、
少なくとも1つの複数の真空バッグシートは、複数の結合可能な層と型の第1の表面との間にあり、
複数の結合可能な層は、真空バッグの内圧が減少し、バッグ及び複合アセンブリの複数の結合可能な層を型から取り除いても、型のネガ像である形状を保持できる、装置。
【請求項2】
複合アセンブリの複数の結合可能な層は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複合アセンブリの複数の結合可能な層は、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複合アセンブリの複数の結合可能な層は、フォームコア又は別の適切な芯材の各面上の予備形成シートである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
複合アセンブリの複数の結合可能な層は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層又はフォームコアもしくは別の適切な芯材の各面上の予備形成シートの組み合わせである請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数の結合可能な層(L)は、結合剤によって結合される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
結合剤は、熱可塑性フィルム接着剤又は熱硬化性フィルム接着剤である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
熱可塑性フィルム接着剤は、エチル酢酸ビニル(EVA)フィルム接着剤、コポリアミドフィルム接着剤、コポリエステルフィルム接着剤、ポリプロピレンフィルム接着剤、ポリエチレンフィルム接着剤、ポリウレタンフィルム接着剤、多層フィルム接着剤及びそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
反応性(重合性)熱可塑性樹脂から成る群から選択される熱可塑性フィルムは、反応性大環状オリゴマーポリエステル、反応性大環状オリゴマーポリブチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリエチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリカーボネート及び反応性ラクタムモノマーであってもよい請求項7に記載の装置。
【請求項10】
(削除)熱硬化性樹脂フィルム接着剤はエポキシ系である請求項9に記載の装置。
【請求項11】
熱硬化性フィルムは、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、例えば、架橋ポリエチレン樹脂、架橋ポリプロピレン樹脂及び架橋ポリ塩化ビニル樹脂などの架橋熱可塑性樹脂から成る群から選択される請求項7に記載の装置。
【請求項12】
複合アセンブリは、複合アセンブリの滑らかな仕上げ面を隔てる「非結合」層を含む請求項1に記載の装置。
【請求項13】
非結合層は、プラスチック又は金属を含み、非結合層と複合体との間には離型剤を有する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
非結合層は、薄膜シートであり、その材料は金属及びプラスチックから成る群から選択される請求項12に記載の装置。
【請求項15】
金属は、鉄鋼、アルミ、銅、銀及び錫から成る群から選択される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、PFA、ポリフルオロアルカン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから成る群から選択される請求項14に記載の装置。
【請求項17】
型の第1の表面の形状は、平面、凹面、凸面及びそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1に記載の装置。
【請求項18】
中空状の複合アセンブリの形状を形成する方法であって、
第1の表面を有する型と、
その上に真空バッグとを提供し、
真空バッグは複数の真空バッグシートを含み、
複合アセンブリを提供し、
複合アセンブリは複数の結合可能な層を含み、
複合アセンブリの複数の結合可能な層は、真空バッグの複数のシート内に含まれ、
少なくとも1つの複数の真空バッグシートは、複合アセンブリの複数の結合可能な層と型の第1の表面との間にあり、
真空バッグの内圧が減少し、型から複合アセンブリの複数の結合可能な層を取り除いても、複数の結合可能な層は、型の第1の表面のネガ像の形状を保持できるように、真空バッグの複数のシートの内圧を減少することを含む方法。
【請求項19】
型から複合アセンブリと真空バッグを取り除き、約80℃〜260℃で真空バッグ内の複合アセンブリを加熱することをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
同一の熱源を使用する場合、バッグ内の複合アセンブリの加熱が、型及び複合アセンブリを加熱するより速い請求項18に記載の方法。
【請求項21】
接触加熱が使用され、これにより、熱源の接触表面温度は、複合アセンブリの接触表面温度のように循環する必要がない請求項20に記載の方法。
【請求項22】
真空バッグの内圧が大気圧未満まで減少し、これにより、内側真空バッグは伸張する請求項18に記載の方法。
【請求項23】
複合材支持構造(ウェブ)を有する複合アセンブリを形成する装置であって、
第1及び第2の表面を有する型と、
外側真空バックと、複数の内側真空バッグと、その間に複合材支持構造(ウェブ)を有する複合アセンブリとを含み、
複合材支持構造(ウェブ)は、複合アセンブリの縦軸と直交する軸に沿って配置され、
外側真空バッグは筒状であり、外側真空バッグは、型の第1の表面に適合する第1のシートと、型の第2の表面に適合する第2のシートとを含み、
複合アセンブリは、少なくとも1つの結合可能な層L(式中、n=0、−1、−2、・・・−i)を含み、
複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層Ln=0の第1の表面は、型の第1の表面の形状及び外側真空バッグの第1のシートの形状又は型の第2の表面の形状及び外側真空バッグの第2のシートの形状のいずれかに面して適合し、
各々連続する下部の少なくとも1つの結合可能な層L(式中、n=−1、−2、・・・−i)は、それぞれ上部の層L1+n(式中n=−2、−3・・・−i)に適合し、
(式中、n=−1、−2、・・・−i+1)は、複合アセンブリの連続する下部の少なくとも1つの結合可能な層を表し、n=−iは、複合アセンブリの下部の少なくとも1つの結合可能な層の下端を表し、
真空バッグの第1及び第2のシートは、複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層(L)を、型の第1及び第2の表面から隔て、
複数の内側真空バッグは、ウェブの軸の周りに配列され、複合アセンブリの縦軸と直交し、複合アセンブリの少なくとも1つのL(−i)層の形状に適合する第1及び第2の放射状に伸張可能なシートを含み、外側真空バッグの第1のシート及び型の第1の表面の形状又は外側真空バッグの第2のシート及び型の第2の表面の形状に適合する複合アセンブリの少なくとも1つの結合可能な層は、真空バッグが真空にされた場合、バッグ及び複合アセンブリの複数の結合可能な層を型から取り除いても、第1及び第2の表面それぞれのネガ像を保持することができる装置。
【請求項24】
内面を有する型と、
外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを含み、
中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグとの間にi個の結合可能な層Lを含み、
i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点を囲み、
式中、X=1、2、3、・・・(i−1)、iであり、
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、
式中、iは1以上の任意の正整数であり、
i=i+iであり、
≧0及びi≧0であり、
+i≧1であり、第2のタイプのi個の結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分Cと同延の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、
第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分Cと、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分C及び放射状部分Rは、外面及び内面を有し、i個の結合可能な層Lの環状部分Cの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分Cの内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、
第1の空間が、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、
第2の空間が、外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から中空状の複合アセンブリを隔て、
外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、型の内面に適合し、型の内面と外側真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが、真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリの第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型の内面のネガ像であり、
第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分Cと同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lの各環状部分C内の点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離が本質的には同一となる、中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置。
【請求項25】
j個の内側真空バッグを含み、jは2より大きい正整数である請求項24に記載の中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置。
【請求項26】
外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを含み、
中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグとの間にi個の結合可能な層Lを含み、
i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点を囲み、
式中、x=1、2、3、・・・(i−1)、iであり、
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、
式中、iは1以上の任意の正整数であり、
i=i+iであり、
≧0及びi≧0であり、
+i≧1であり、
第2のタイプの結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、
第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分と、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分及び放射状部分は、外面及び内面を有し、
i個の結合可能な層Lの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、
第1の空間が、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、
第2の空間が、外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔て、
外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、型の内面に適合し、型の内面と外側真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが、真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状が、型の内面のネガ像であり、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、i個の結合可能な層Lの各環状部分内の点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離は本質的に同一となる中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置。
【請求項27】
j個の内側真空バッグを含み、jは2より大きい正整数である請求項26に記載の中空状の複合アセンブリの形状を保持する装置。
【請求項28】
外側真空バッグが真空になると、内側真空バッグが伸張可能である請求項26に記載の装置。
【請求項29】
中空状の複合アセンブリの結合可能な層(L)は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)である請求項26に記載の装置。
【請求項30】
中空状の複合アセンブリの結合可能な層(L)は、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備形成シートの層である請求項26に記載の装置。
【請求項31】
中空状の複合アセンブリの結合可能な層(L)は、フォームコア又は別の適切な芯材の各面上の予備形成シートである請求項26に記載の装置。
【請求項32】
中空状の複合アセンブリの結合可能な層(L)は、反応性ポリマーが予備含浸された強化材料(プリプレグ)、材料及び厚さが用途によってさまざまな予備成形シートの層又はフォームコアもしくは別の適切な芯材の各面上の予備形成シートの組み合わせである請求項26に記載の装置。
【請求項33】
結合可能な層(L)は、結合剤によって結合される請求項26に記載の装置。
【請求項34】
結合剤は、熱可塑性フィルム接着剤又は熱硬化性フィルム接着剤である請求項26に記載の装置。
【請求項35】
(補正)熱可塑性フィルム接着剤は、エチル酢酸ビニル(EVA)フィルム接着剤、コポリアミドフィルム接着剤、コポリエステルフィルム接着剤、ポリプロピレンフィルム接着剤、ポリエチレンフィルム接着剤、ポリウレタンフィルム接着剤、多層フィルム接着剤及びそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項34に記載の装置。
【請求項36】
反応性(重合性)熱硬化性樹脂から成る群から選択される熱可塑性フィルム接着剤は、反応性大環状オリゴマーポリエステル、反応性大環状オリゴマーポリブチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリエチレンテレフタレート、反応性大環状オリゴマーポリカーボネート及び反応性ラクタムモノマーであってもよい請求項34に記載の装置。
【請求項37】
熱硬化性フィルム接着剤は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂)、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、例えば、架橋ポリエチレン樹脂、架橋ポリプロピレン樹脂及び架橋ポリ塩化ビニル樹脂などの架橋熱可塑性樹脂から成る群から選択される請求項34に記載の装置。
【請求項38】
中空状の複合アセンブリは、中空状の複合アセンブリの滑らかな仕上げ面を隔てる「非結合」層を含む請求項26に記載の装置。
【請求項39】
「非結合」層は、薄膜シートであり、その材料は金属とプラスチックから成る群から選択される請求項38に記載の装置。
【請求項40】
金属は、鉄鋼、アルミ、銅、銀及び錫から成る群から選択される請求項39に記載の装置。
【請求項41】
プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、PFA、ポリフルオロアルカン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから成る群から選択される請求項40に記載の装置。
【請求項42】
型の第1の表面の形状は、平面、凹面及び凸面から成る群から選択される請求項26に記載の装置。
【請求項43】
中空状の複合アセンブリを製造する方法であって、
内面を有する型を提供し、
外側真空バッグと、少なくとも1つの内側真空バッグと、その間に中空状の複合アセンブリとを提供し、
中空状の複合アセンブリは、少なくとも1つの内側真空バッグと外側真空バッグとの間にi個の結合可能な層Lを含み、
i個の結合可能な層Lは、第1のタイプのi個の結合可能な層Lと第2のタイプのi個の結合可能な層Lとを含み、i個の結合可能な層Lの環状部分Cは、中空状の複合アセンブリ内の共通点を囲み、
式中、X=1、2、3、・・・(i−1)、iであり、
第1及び第2のタイプのi個の結合可能な層Lは、第1及び第2のタイプの結合可能な層Lの環状部分内の各点と共通点との間の距離が減少する順にL、L、L・・・、L(i−1)、Lと示され、
式中、iは1以上の任意の正整数であり、
i=i+iであり、
≧0及びi≧0であり、
+i≧1であり、
第2のタイプの結合可能な各層Lは、第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rを含み、
第1のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分と、第2のタイプのi個の結合可能な層Lの環状部分及び放射状部分は、外面及び内面を有し、
i個の結合可能な層Lの各外面に沿った点と共通点との間の距離が、内面に沿った各点と共通点との間の距離より大きく、
第1の空間は、型の内面から外側真空バッグの壁を隔て、
第2の空間が外側真空バッグの壁と少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔て、
第1及び第2の空間に真空を提供し、
外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、型の内面に適合し、型の内面と外側の真空バッグの壁との間の第1の空間と、外側真空バッグの壁及び少なくとも1つの内側真空バッグの壁から複合アセンブリを隔てる第2の空間とが真空下にある場合、外側真空バッグの壁と、中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lが、型の内面のネガ像であり、
型から中空状の複合アセンブリを取り除き、
外側真空バッグの壁と中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lは、外側真空バッグの壁と、型の内面のネガ像である中空状の複合アセンブリのi個の結合可能な層L、L、L・・・、L(i−1)、Lとの形状を保持し、
第2のタイプの結合可能な層Lの各環状部分と同延の少なくとも1つの放射状部分Rは、i個の結合可能な層Lの各環状部分内の点と共通点との間の距離を確立又は固定し、これにより、中空状の複合アセンブリと外側及び内側真空バッグが型内にある場合、型から取り除かれている場合と同様、各点と共通点との間の距離は本質的に同一となる方法。
【請求項44】
j個の内側真空バッグを提供し、jは2より大きい正整数である請求項43に記載の方法。
【請求項45】
型から中空状の複合アセンブリと真空バッグを取り除き、約80℃〜260℃で真空バッグ内の中空状の複合アセンブリを加熱することを含む請求項43に記載の方法。
【請求項46】
同一の熱源を使用する場合、バッグ内の中空状の複合アセンブリの加熱が、型及び複合アセンブリを加熱するより速い請求項43に記載の方法。
【請求項47】
接触加熱が使用され、これにより、熱源の接触表面温度は、中空状の複合アセンブリの接触表面温度のように循環する必要のない請求項43に記載の方法。
【請求項48】
真空バッグの内圧が大気圧未満まで減少し、これにより、内側真空バッグは伸張する請求項43に記載の方法。
【請求項49】
中空状の複合アセンブリの立体幾何学形態を固定する方法であって、
第1の空間から逆平行方向に空気を抜いて、内側真空バッグの壁を型の表面に適合させること、
第2の空間から逆平行方向に空気を抜いて、外側真空バッグの壁を中空状の複合アセンブリの壁に適合させること、
前記のように外側真空バッグの壁を中空状の複合体に適合させ、中空状の複合アセンブリの幾何学形態を固定して、型の表面のネガ像の形状を有する中空状の複合アセンブリを形成すること、を含む方法。
【請求項50】
第1の空間内の圧力が大気圧に戻されると、型を外して取り除くことができ、中空状の複合アセンブリ内に空洞を形成する請求項48に記載の方法。
【請求項51】
ポンプで空気を抜くことによって、第1及び第2の空間から空気が抜かれる請求項49に記載の方法。
【請求項52】
機械的ポンプによって、例えば、機械的な真空ポンプを利用して、空気が抜かれる請求項51に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate


【公表番号】特表2012−508662(P2012−508662A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543835(P2011−543835)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007445
【国際公開番号】WO2010/055404
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(510261005)アイキュー テック スウィツァランド ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】