説明

成形体およびその製造方法

【課題】強度に優れた成形体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】繊維径1μm以下の互いに結合した複数の繊維状炭素と、Gaとを含む成形体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形体およびその製造方法に関し、より特定的には強度に優れた成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維状炭素は優れた導電性および機械的強度を有することが知られている。繊維状炭素のなかでもカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーは繊維径が微小であるため、将来のナノエレクトロニクス材料として期待されている。
【0003】
繊維状炭素は繊維径の違いによりカーボンナノチューブ(繊維径1〜10nm)、カーボンナノファイバー(繊維径10〜1000nm)および炭素繊維(繊維径約10μm)に分類される。このうちカーボンナノチューブは、炭素原子が規則的に配列されたグランフェンシートをチューブ状に丸めた中空の円筒形状を有している。このような形状のカーボンナノチューブをたとえば電子放出源として用いた場合には、その先端に電界集中が起こり易く、高い放出電流密度が期待できる。また、カーボンナノチューブは、化学的、物理的安定性が高い特性を有するので、動作真空中の残留ガスの吸着やイオン衝撃等に対して安定であることが予想される。
【0004】
また複数のカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーから形成された成形体も優れた導電性を有すると考えられるため、将来の機能性材料として期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の成形体はカーボンナノチューブやカーボンナノファイバー同士が物理的接触のみで結合されているため、実用的な強度を得ることが困難であった。
【0006】
したがって本発明の目的は、強度に優れた成形体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、繊維径1μm以下の互いに結合した複数の繊維状炭素と、Gaとを含む成形体である。本発明に係る成形体によれば、複数の繊維状炭素が互いに結合しているため、強度に優れている。
【0008】
本発明に係る成形体において好ましくは、繊維状炭素はカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーである。通常、カーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーは表面にグラフェン欠陥端部を有している。本発明に係る成形体によれば、該グラフェン欠陥端部同士が結合することにより複数の繊維状炭素が一体化されているため、強度に優れている。
【0009】
本発明に係る成形体において好ましくは、シート状に形成されている。シート状に形成されているため、様々な用途に用いることができる。
【0010】
本発明に係る成形体の製造方法は、繊維径1μm以下の複数の繊維状炭素の各々の表面にGaを付着させる工程と、Gaを付着させた複数の繊維状炭素同士を圧接する工程を含む。本発明に係る成形体の製造方法によれば、Gaは繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部に付着し、グラフェン欠陥端部を活性化させる。グラフェン欠陥端部が活性化された複数の繊維状炭素同士を圧接すると、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士がGaを介して結合する。その結果、強度に優れた成形体を得ることができる。
【0011】
なお、本明細書中において「圧接」とは、2つの物質を密着させた状態で圧力を加えることにより、2つの物質を結合させることを意味する。
【0012】
本発明に係る成形体の製造方法において好ましくは、複数の繊維状炭素の各々の表面にGaを付着させる工程は、繊維状炭素の各々の表面をGa蒸気に接触させる工程を含む。Ga蒸気は繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部との結合性に優れているため、グラフェン欠陥端部へのガリウムの付着を効率的に行うことができる。
【0013】
本発明に係る成形体の製造方法において好ましくは、複数の繊維状炭素同士を圧接する工程は、複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程を含む。複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱することで、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合を効率的に行うことができる。
【0014】
本発明に係る成形体の製造方法において好ましくは、複数の繊維状炭素同士を圧接する工程の後で、複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程をさらに備える。複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱することで、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合を効率的に行うことができる。
【0015】
本発明に係る成形体の製造方法において好ましくは、複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程は、複数の繊維状炭素を600℃以上に加熱する工程を含む。複数の繊維状炭素を600℃以上に加熱することで、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合を効率的に行うことができる。
【0016】
本発明に係る成形体の製造方法において好ましくは、複数の繊維状炭素同士を圧接する工程は、複数の繊維状炭素に1×105Pa以上の圧力をかける工程を含む。複数の繊維状炭素に1×105Pa以上の圧力をかけることで、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、強度に優れた成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)本発明の実施形態における成形体を示す模式図である。(b)(a)の線分IB−IBにおける断面模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態における成形体の製造方法の第一工程を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態における成形体の製造方法の第二工程を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施の形態における成形体の製造方法の第三工程を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する、なお、以下の図面において同一のまたは相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0020】
<成形体>
図1(a)は本発明の実施形態における成形体を示す模式図である。図1(b)は図1(a)の線分IB−IBにおける断面模式図である。
【0021】
図1(a)に示すように、本発明の一実施の形態における成形体10は、たとえば複数の繊維状炭素1が互いに結合しており、たとえば複数の繊維状炭素が集束または積層することにより一体化されている。ここで集束するとは複数の繊維状炭素1が集まって束になることを意味しており、積層するとは複数の繊維状炭素1が積み重なって層になっていることを意味する。
【0022】
図1(a)においては、成形体10はシート状に成形されているが、形状は特に制限されず、波打ちシート状、円筒状、たらい状などとすることができる。成形体を構成する繊維状炭素の積層方向の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが取り扱いおよび成形性の観点から好ましい。
【0023】
図1(b)を参照して、各々の繊維状炭素1の繊維径dは1μm以下であり、表面にはGa原子2が付着している。
【0024】
<繊維状炭素>
本発明の一実施の形態における成形体10を構成する繊維状炭素1としては、繊維径が1μm以下のカーボンナノチューブ(繊維径1〜10nm)またはカーボンナノファイバー(繊維径10〜1000nm)を用いることができる。
【0025】
カーボンナノチューブとしては、1層の6角網目のチューブから構成されているシングルウォールナノチューブ(以下、「SWNT」と略称する)でも、多層の6角網目のチューブから構成されているマルチウォールナノチューブ(以下、「MWNT」と略称する)でもよい。一般に、SWNTのほうがフレキシブルであり、MWNTのように多層になればなるほど剛直になる傾向にある。SWNTとMWNTとは、その性質を考慮して、目的に応じて使い分けることが望ましい。
【0026】
適用可能な繊維状炭素1の長さとしては、特に限定されるものではないが、一般的に10nm〜10000μmの範囲のものが用いられ、100nm〜1000μmの範囲のものが好ましく用いられる。
【0027】
<Ga(ガリウム)原子>
Ga原子2は繊維状炭素1の表面に付着しており、特に繊維状炭素1表面のグラフェン欠陥端部と結合していると考えられる。成形体10におけるGa原子は、グラフェン接合の触媒として用いるため、Gaの付着をできるだけ欠陥近傍部分に限定するようにし、極力使用量を少なくすることが好ましい。
【0028】
<成形体の製造方法>
本発明の一実施の形態における成形体10の製造方法を図2〜図4を用いて説明する。成形体の製造方法は、図3に示すように繊維径1μm以下の複数の繊維状炭素の各々の表面にGaを付着させる工程と、図4に示すようにGaを付着させた複数の繊維状炭素同士を圧接する工程とを含む。
【0029】
(繊維状炭素の準備)
図2を参照して、通常、繊維状炭素1は表面にグラフェン欠陥端部3を有していると考えられる。グラフェン欠陥端部では、繊維状炭素を構成するグラフェンにおいて式(1)に示すように炭素原子同士が結合せず、不対電子が残存していると推定できる。
【0030】
【化1】

【0031】
繊維状炭素1はできるだけ分散した状態のものを準備する。
(繊維状炭素の各々の表面へGaを付着させる工程)
次に、繊維状炭素1の各々の表面にGa原子2を付着させる工程(以下、「Ga付着工程」ともいう)を実施する。
【0032】
図3を参照して、Gaを付着させるための装置25はチャンバ22と、ヒーター23と、容器24とを備えている。チャンバ22の外壁にはヒーター23が設けられており、チャンバ22の内部には容器24が配置されている。容器24の内部にはヒーター23によって加熱された液体Ga20が充填されている。液体Ga20の加熱温度は、600〜2000℃であることが好ましい。チャンバ22の図中左側には真空排気系22aが設けられている。
【0033】
Ga付着工程は、チャンバ22内に複数の繊維状炭素1を配置し、繊維状炭素1の表面に液体Ga20を加熱して得られたGa蒸気21を接触させることにより行う。バルクのGaと炭素は状態図としては非固溶系である。しかし、ミクロのスケールではGa蒸気21を繊維状炭素1に接触させると、Ga原子2と繊維状炭素1の表面のグラフェン欠陥端部3に結合が生じる。この結果、たとえば式(2)に示すようにグラフェン欠陥端部3が活性化される。このときの繊維状炭素の温度は、600℃以下であることが好ましい。
【0034】
【化2】

【0035】
なおGa付着工程は、液体Gaの代わりに、InGa合金を気化させることにより行われる。また、上述の方法の代わりに、液体Ga中に複数の繊維状炭素1を浸漬することにより行われる。
【0036】
繊維状炭素1が分散しているものであればGa付着工程において、Gaを繊維状炭素表面により均一に付着させることができる。
【0037】
(Gaを付着させた複数の繊維状炭素同士を圧接する工程)
次に、Gaを付着させた複数の繊維状炭素同士を圧接する工程(以下、「圧接工程」ともいう)を実施する。
【0038】
図4を参照して、たとえば金型などに複数の繊維状炭素1を充填し、複数の繊維状炭素1に圧力を加える。これにより、複数の繊維状炭素1同士が結合する。これは以下の理由によるものと推測される。複数の繊維状炭素1同士を密着させた状態で圧力を加えると、たとえば式(3)に示すようにグラフェン欠陥端部3同士が直接結合する。
【0039】
【化3】

【0040】
この結果、複数の繊維状炭素1同士が集束または積層することにより一体化し、成形体10となる。該成形体10は、複数の繊維状炭素1同士が炭素の共有結合で結合していると推測されるため、優れた強度を有する。
【0041】
なお、上記圧接工程を行うと同時に、または上記圧接行程の後に、複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱してもよい。これにより繊維状炭素1のグラフェン欠陥端部3とGa原子2との結合が外れるものと推測される。また、複数の繊維状炭素1の各々の表面を加熱する場合には、複数の繊維状炭素を600℃以上、より好ましくは800〜1100℃に加熱することが好ましい。複数の繊維状炭素を600℃以上に加熱することで、Ga原子2の脱離が促進されて、繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合が促進される。
【0042】
圧接工程において、複数の繊維状炭素に1×105Pa以上、好ましくは1×106Pa以上の圧力をかけることが好ましい。複数の繊維状炭素に1×105Pa以上の圧力をかけることで、接触する異なる繊維状炭素表面のグラフェン欠陥端部同士の結合を効率的に行うことができる。
【0043】
成形体の成形は、シート状や波打ちシート状などの所望の形状の金型に、複数の繊維状炭素を配置した後に圧接工程を実施する。
【実施例】
【0044】
<実施例1>
触媒(鉄、コバルト、ニッケルなど)を除去する処理を施した、できるだけ分散したカーボンナノチューブを準備した。実施例1で使用したカーボンナノチューブの平均繊維径は20nm、平均繊維長さは100μmである。
【0045】
次に当該カーボンナノチューブを熱処理炉内に設置した。熱処理炉を10-6Torrの減圧下で400℃に加熱し、熱処理炉内の坩堝中の液体Gaを気化してGa蒸気を発生させ、カーボンナノチューブ表面にGaを付着させた。
【0046】
その後、Gaを付着させたCNTを積層させ、厚さ0.2mm程度で5mm×20mm角の大きさのシートを成形した。その後、シートに100kgf/cm2(98×105Pa)の圧力をかけるとともに熱処理炉内の温度を1000℃に昇温した後、圧力をかけた状態で室温まで冷却した。
【0047】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
実施例1の成形体の引張破断強度は4GPaであった。
【0048】
<実施例2>
触媒(鉄、コバルト、ニッケルなど)を除去する処理を施した、できるだけ分散したカーボンナノチューブを準備した。実施例2で使用したカーボンナノチューブの平均繊維径は10nm、平均繊維長さは200μmである。
【0049】
次に当該カーボンナノチューブを熱処理炉内に設置した。熱処理炉を10-6Torrの減圧下で500℃に加熱し、さらに熱処理炉内の坩堝中の液体Gaを電子ビームで加熱することによってGa蒸気を発生させ、カーボンナノチューブ表面にGaを付着させた。
【0050】
その後、Gaを付着させたCNTを積層させ、厚さ0.5mm程度で5mm×20mm角の大きさのシートを成形した。その後、シートに10kgf/cm2(9.8×105Pa)の圧力をかけるとともに熱処理炉内の温度を900℃に昇温した後、圧力をかけた状態で室温まで冷却した。
【0051】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
実施例2の成形体の引張破断強度は4GPaであった。
【0052】
<実施例3>
触媒(鉄、コバルト、ニッケルなど)を除去する処理を施した、できるだけ分散したカーボンナノチューブを準備した。実施例3で使用したカーボンナノチューブの平均繊維径は30nm、平均繊維長さは200μmである。
【0053】
次に当該カーボンナノチューブを熱処理炉内に設置した。熱処理炉を10-6Torrの減圧下で600℃に加熱し、熱処理炉内の坩堝中の液体Gaを気化してGa蒸気を発生させ、カーボンナノチューブ表面にGaを付着させた。
【0054】
その後、Gaを付着させたCNTを積層させ、厚さ1mm程度の波型シートを成形した。その後、シートに50kgf/cm2(49×105Pa)の圧力をかけるとともに熱処理炉内の温度を800℃に昇温した後、圧力をかけた状態で室温まで冷却した。
【0055】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
実施例3の成形体の引張破断強度は3GPaであった。
【0056】
<実施例4>
触媒(鉄、コバルト、ニッケルなど)を除去する処理を施した、できるだけ分散したカーボンナノチューブを準備した。実施例4で使用したカーボンナノチューブの平均繊維径は10nm、平均繊維長さは200μmである。
【0057】
次に当該カーボンナノチューブを熱処理炉内に設置した。熱処理炉を10-6Torrの減圧下で450℃に加熱し、さらに熱処理炉内の坩堝中のGaIn合金(Ga85In15)を900℃に加熱してGaIn合金を気化させ、カーボンナノチューブ表面にGaIn合金を付着させた。
【0058】
その後、GaIn合金を付着させたCNTを積層させ、厚さ0.5mm程度で5mm×20mm角の大きさのシートを成形した。その後、シートに100kgf/cm2(98×105Pa)の圧力をかけるとともに熱処理炉内の温度を900℃に昇温した後、圧力をかけた状態で室温まで冷却した。
【0059】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
実施例4の成形体の引張破断強度は3GPaであった。
【0060】
<実施例5>
触媒(鉄、コバルト、ニッケルなど)を除去する処理を施した、できるだけ分散したカーボンナノチューブを準備した。実施例5で使用したカーボンナノチューブの平均繊維径は10nm、平均繊維長さは500μmである。
【0061】
次に当該カーボンナノチューブを熱処理炉内に設置した。熱処理炉を10-6Torrの減圧下で300℃に加熱し、熱処理炉内の坩堝中の液体Gaを気化してGa蒸気を発生させ、カーボンナノチューブ表面にGaを付着させた。
【0062】
その後、Gaを付着させたCNTを積層させ、厚さ0.5mm程度のシートを成形した。その後、シートに5kgf/cm2(4.9×105Pa)の圧力をかけるとともに熱処理炉内の温度を600℃に昇温した後、圧力をかけた状態で室温まで冷却した。
【0063】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
実施例5の成形体の引張破断強度は2GPaであった。
【0064】
<比較例1>
比較例1は液体Gaを用いない以外は実施例1と同様の工程で成形体を準備した。
【0065】
得られたシート状の成形体の引張破断強度を引っ張り試験機で測定した。
比較例1の成形体の引張破断強度は1GPaであった。
【0066】
実施例1〜4および比較例1の製造条件および結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1 繊維状炭素、10 成形体、2 Ga原子、20 液体Ga、21 Ga蒸気、22 チャンバ、22a 真空排気系、23 ヒーター、24 容器、25 Gaを付着させるための装置、3 グラフェン欠陥端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維径1μm以下の互いに結合した複数の繊維状炭素と、Gaとを含む成形体。
【請求項2】
前記繊維状炭素はカーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバーである、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
シート状の形状を有する、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項4】
繊維径1μm以下の複数の繊維状炭素の各々の表面にGaを付着させる工程と、
前記Gaを付着させた複数の繊維状炭素同士を圧接する工程とを含む、成形体の製造方法。
【請求項5】
前記複数の繊維状炭素の各々の表面にGaを付着させる工程は、繊維状炭素の各々の表面をGa蒸気に接触させる工程を含む、請求項4に記載の成形体の製造方法。
【請求項6】
前記複数の繊維状炭素同士を圧接する工程は、前記複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程を含む、請求項4または5に記載の成形体の製造方法。
【請求項7】
前記複数の繊維状炭素同士を圧接する工程の後で、前記複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程をさらに備える、請求項4または5に記載の成形体の製造方法。
【請求項8】
前記複数の繊維状炭素の各々の表面を加熱する工程は、前記複数の繊維状炭素を600℃以上に加熱する工程を含む、請求項6または7に記載の成形体の製造方法。
【請求項9】
前記複数の繊維状炭素同士を圧接する工程は、前記複数の繊維状炭素に1×105Pa以上の圧力をかける工程を含む、請求項4〜8のいずれか1つに記載の成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−280517(P2010−280517A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133218(P2009−133218)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【Fターム(参考)】