説明

成形型及び成形体の製造方法

【課題】第1及び第2柱状部に対して、柱軸方向に過剰な負荷が与えられることなく、第1及び第2柱状部を脱型可能な成形型を提供する。
【解決手段】成形型Mは、第1及び第2柱状部形成孔51,52が形成された柱状部形成型20と、それに対し第1及び第2柱状部形成孔51,52の開口を覆うように設けられた基部形成型10とを備える。柱状部形成型20は、第1柱状部形成孔51が形成されていると共に、それを縦割りするように分割された一対の型片21a,21bからなる第1柱状部形成セグメント21と、第1柱状部形成セグメント21に対しその分割線の側方に配されるように設けられ、第2柱状部形成孔52が形成されていると共に、それを縦割りし且つ第1柱状部形成セグメント21の分割線に沿うように分割された一対の型片22a,22bからなる第2柱状部形成セグメント22と、それらの間に挟まれるように設けられたスペーサセグメント24とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を成形するのに用いられる成形型及びそれを用いた成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基部に相互に間隔をおいて複数の柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体は、衝撃吸収部材等として有用である。
【0003】
例えば、特許文献1には、アッパーと、このアッパーに固着されたソール構造とを結合した状態で含む履物であって、ソール構造が、アッパーに固着されたアウトソールと、アウトソールから外側に延伸する複数個のグリップ部材と、アウトソールの中足部から下方後方に延伸するヒールプレートと、アウトソールとヒールプレートとの間に延伸しており且つアウトソールの踵部の外側部に配置されている第1支柱と、アウトソールとヒールプレートとの間に延伸しており且つアウトソールの踵部の内側部に配置されている第2支柱とを有するものが開示されている。また、同文献には、第1及び第2支柱をゴムやポリウレタンフォーム等で形成し、アウトソール及びヒールプレートのそれぞれに接着剤で固着させることが開示されている。
【特許文献1】特開2005−199075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の課題は、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を成形することができ、しかも、第1及び第2柱状部に対して、それらが基部を基端として延びる方向である柱軸方向に過剰な負荷が与えられることなく第1及び第2柱状部を脱型することができる成形型及びそれを用いた成形体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の成形型は、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を成形するのに用いられるものであって、
第1及び第2柱状部を成形するための第1及び第2柱状部形成孔がそれぞれ形成された柱状部形成型と、
上記柱状部形成型に対して上記第1及び第2柱状部形成孔の開口を覆うように設けられ、該柱状部形成型との組み合わせで、該第1及び第2柱状部形成孔のそれぞれに連続した、予め基部構成材をセットするための、又は、成形材料により基部を成形するための基部形成部を構成する基部形成型と、
を備え、
上記柱状部形成型は、
上記第1柱状部形成孔が形成されていると共に、該第1柱状部形成孔を縦割りするように分割された、一対の型片からなる第1柱状部形成セグメントと、
上記第1柱状部形成セグメントに対してその分割線の側方に配されるように設けられ、上記第2柱状部形成孔が形成されていると共に、該第2柱状部形成部を縦割りし且つ該第1柱状部形成セグメントの分割線に沿うように分割された、一対の型片からなる第2柱状部形成セグメントと、
上記第1柱状部形成セグメントと上記第2柱状部形成セグメントとの間に挟まれるように設けられたスペーサセグメントと、
を有する。
【0006】
そして、本発明の成形体の製造方法は、本発明の成形型を用いて、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を製造する方法であって、
上記第1及び第2柱状部形成孔のそれぞれに成形材料をセットして第1及び第2柱状部を成形する成形ステップと、
上記成形ステップ後、上記スペーサセグメントを取り外した後に、上記第1及び第2柱状部形成セグメントのそれぞれを、上記成形された第1及び第2柱状部のそれぞれの側方に各型片を外すように、型割りして成形体を脱型する脱型ステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ立設された形成体を一体成形することができ、また、柱状部形成型が第1及び第2柱状部形成セグメントとそれらの間のスペーサセグメントとを有しているので、成形後にスペーサセグメントを取り外し、成形された第1及び第2柱状部のそれぞれの側方に各型片を外すように第1及び第2柱状部形成セグメントのそれぞれを型割りすることにより、第1及び第2柱状部に対して、それらが基部を基端として延びる方向である柱軸方向に過剰な負荷を与えることなく成形体を脱型することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
(実施形態1)
<成形型>
図1〜3は、実施形態1に係る成形型Mを示す。
【0010】
この成形型Mは、各々、矩形板状に形成された上型10、中型20及び下型30を備えており、中型20が型本体をなし、その中型20が上型10及び下型30で上下から狭持された三層積層構造に構成されている。上型10、中型20及び下型30のそれぞれは、例えば、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等で形成されている。なお、上型10、中型20及び下型30は、全てが同一の材質で形成されていても、また、異種の材質で形成されたものが混在してもいずれでもよい。
【0011】
図4は、中型20を示す。
【0012】
中型20は、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22、スペーサセグメント24、並びに、外枠25を備えており、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22並びにスペーサセグメント24が外枠25に嵌め入れられて一体に構成されている。中型20は、例えば、縦50〜500mm、横50〜500mm及び厚さ5〜50mmに形成されている。
【0013】
第1柱状部形成セグメント21は、各々、細長直方体状に形成された同一長さの外側及び内側型片21a,21bの一対の型片が側面同士が当接して並びように設けられて構成されている。外側型片21aの内側型片21bとの対向側には、断面半円形状の欠損部が長さ方向に間隔をおいて2つ形成されている一方、内側型片21bの外側型片21aとの対向側には、外側型片21aの欠損部に対応して断面半円形状の欠損部が2つ形成されている。そして、第1柱状部形成セグメント21は、この外側型片21aの欠損部と内側型片21bの欠損部との組み合わせによって、各々、上下方向に延びる貫通した円筒孔の一対の第1及び第3柱状部形成孔51,53が構成されている。つまり、第1柱状部形成セグメント21は、第1及び第3柱状部形成孔51,53をそれぞれ縦割りするように外側及び内側型片21a,21bに分割された構成となっている。第1及び第3柱状部形成孔51,53は、例えば、直径5〜50mmに形成されている。
【0014】
第2柱状部形成セグメント22は、外側及び内側型片22a,22bの配置が対称である点を除いては寸法構成も含めて第1柱状部形成セグメント21と同一構成であって、外側型片22aの欠損部と内側型片22bの欠損部との組み合わせによって、各々、上下方向に延びる貫通した円筒孔の一対の第2及び第4柱状部形成孔52,54が構成されている。つまり、第2柱状部形成セグメント22は、第2及び第4柱状部形成孔52,54をそれぞれ縦割りするように外側及び内側型片22a,22bに分割された構成となっている。
【0015】
スペーサセグメント24は、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22よりもやや長尺の細長直方体に形成されている。
【0016】
外枠25は、同一寸法の一対のL字材26及び連結材27を備えており、一対のL字材26の短尺部26aの端面同士が突き合わされ且つ長尺部26bの端部間に連結材27が介設されてロの字枠を形成するように構成されている。
【0017】
各L字材26は、断面縦長長方形に形成され、長尺部26bの端面と連結材27の端部の外側側面との間にL字材取付用蝶番41が設けられ、それによって、図4に示すように、外側に回動可能に連結材27に取り付けられている。また、各L字材26には、長尺部26bの端部の内側に、断面コの字状の溝からなる蝶番収容部26cが上下方向に延びるように形成されている。さらに、一対のL字材26には、両短尺部26aの端部の外側側面に、それらを連結するように、短尺部26aの端面を突き合わせて固定するための固定用フック28が設けられている。
【0018】
連結材27は、細長直方体状に形成されており、中央の内側に、断面コの字状の溝からなるスペーサ嵌合部27aが上下方向に延びるように形成されている。
【0019】
第1及び第2柱状部形成セグメント21,22のそれぞれの外側型片21a,22aは、一端部の外側側面と連結材27の端面との間に型片取付用蝶番42が設けられ、それによって、図4に示すように、外側に回動可能に連結材27に取り付けられている。
【0020】
中型20は、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22のそれぞれが、外側型片21a,22aと内側型片21b,22bとが組み合わされて、それらの一端面が外枠25の連結材27の内側側面に当接するように設けられると共に、スペーサセグメント24が、一端部が外枠25のスペーサ嵌合部27aに嵌合して、第1柱状部形成セグメント21と第2柱状部形成セグメント22との間に挟まれるように設けられ、且つ、外枠25が、一対のL字材26の短尺部26aの端面同士が突き合わされるように設けられて、それらが固定用フック28によって固定されて、型組みされた状態が構成される。そして、このとき、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22は、相互に一方が他方の分割線の側方に配され且つ両分割線が並行に延びるように設けられ、中型20には、第1柱状部形成セグメント21に第1及び第3柱状部形成孔51,53が構成されると共に、第2柱状部形成セグメント22に第2及び第4柱状部形成孔52,54が構成される。また、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22、スペーサセグメント24並びに外枠25は、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22並びにスペーサセグメント24の他端面が面一となると共に、上下面もそれぞれ面一となり、且つ、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22並びにスペーサセグメント24と外枠25との間に隙間が形成されないように寸法設定されており、例えば、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22並びにスペーサセグメント24の幅の総和は連結材27の長さに等しい。さらに、内側型片21b,22bの最大幅a1及びスペーサセグメント24の幅bは、内側型片21b,22bの最小幅a2(最薄肉部分の厚さ)とスペーサセグメント24の幅bとの和が内側型片21b,22bの最大幅a1よりも大きくなるように寸法設定されている。なお、型組みされた状態では、外側型片21a,22aと連結材27との間に介設された型片取付用蝶番42はL字材26の蝶番収容部26cに収容される。
【0021】
上型10は、中型20よりも細幅であって、例えば、縦50〜500mm、横50〜500mm及び厚さ5〜50mmに形成されている。なお、上型は、中型20と同幅に形成されていてもよい。上型10の下面側には、矩形浅底の上側基部形成凹部11が設けられている。上側基部形成凹部11は、例えば、縦30〜400mm、横30〜400mm及び深さ1〜30mmに形成されている。
【0022】
下型30は、中型20と略同一幅であって、例えば、縦50〜500mm、横50〜500mm及び厚さ5〜50mmに形成されている。下型30の上面側には、矩形浅底の下側基部形成凹部31が設けられている。下側基部形成凹部31は、例えば、縦30〜400mm、横30〜400mm及び深さ1〜30mmに形成されている。
【0023】
上型10、中型20及び下型30を、上側基部形成凹部11が第1〜第4柱状部形成孔51〜54の開口を覆うと共に下側基部形成凹部31が第1〜第4柱状部形成孔51〜54の開口を覆うように積層して成形型Mを構成すると、図3に示すように、型内部には、成形体Aを成形するためのキャビティが構成される。このキャビティは、第1柱状部形成セグメント21に形成された第1及び第3柱状部形成孔51,53と、第2柱状部形成セグメント22に形成された第2及び第4柱状部形成孔52,54と、上型10の上側基部形成凹部11と中型20の上面との組み合わせで構成される上側基部形成部57と、下型30の下側基部形成凹部31と中型20の下面との組み合わせで構成される下側基部形成部58と、で構成される。また、このキャビティは、上側及び下側基部形成部57,58のそれぞれが第1〜第4柱状部形成孔51〜54のそれぞれに連続しており、全体が一つに構成されている。
【0024】
従って、この成形型Mでは、中型20が柱状部形成型を、上型10が基部形成型を、そして、下型30が他の基部形成型をそれぞれ構成しており、また、上型10の上側基部形成凹部11と中型20の上面とが基部を成形するための基部形成部を構成し、下型30の下側基部形成凹部31と中型20の下面とが他の基部を成形するための他の基部形成部を構成している。
【0025】
なお、上型10、中型20及び下型30は、それぞれ相互に分離して構成されていても、また、上型10及び下型30のそれぞれが中型20の外枠25の連結材27に蝶番等を介して開閉可能に取り付けられて構成されていてもいずれでもよい。
【0026】
<成形体の製造方法>
次に、上記成形型Mを用いた成形体Aの製造方法について説明する。
【0027】
−成形型準備ステップ−
まず、下型30の上に型組した中型20を載せ、上型10を外した状態にして成形型Mを準備する。なお、中型20については、図4に示すように、L字材26及び外側型片21a,22aが外側に開いた状態から、連結材27のスペーサ嵌合部27aにスペーサセグメント24の一端部を嵌合させて位置決めし、外側型片21a,22aを回動させ、その一端面を連結材27の内側側面に当接させるように配置すると共に内側型片21b,22bを外側型片21a,22aとスペーサセグメント24との間に配置した後、両L字材26を内向きに回動させて短尺部26aの端面同士を当接させ、固定用フック28で固定することにより型組する。
【0028】
上型10、中型20及び下型30の少なくともキャビティを構成する部分の型表面には、予め、離型剤を塗布、噴霧、浸漬等により付着させておくことが好ましい。かかる離型剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、鉱物油、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0029】
−材料セットステップ−
成形型Mの準備後、下側基部形成凹部31や第1〜第4柱状部形成孔51〜54等のキャビティ形成予定部分に成形材料をセットし、その後、中型20の上に上型10を載せる。なお、成形材料の種類によっては、上側基部形成凹部11にも成形材料をセットする。
【0030】
ここで、上側及び下側基部形成凹部11,31、並びに、第1〜第4柱状部形成孔51〜54のそれぞれに同一の成形材料をセットしても、また、異種の成形材料をセットしてもいずれでもよい。
【0031】
成形材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂原料、エポキシ系樹脂原料、フェノール系樹脂原料、熱硬化性ポリエステル系樹脂原料、尿素樹脂原料などの熱硬化性樹脂原料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムなどの未架橋ゴム組成物等が挙げられる。これらは、常温で液状のものが加熱されて縮合、共重合又は架橋等により成形体を形成する、或いは、常温で固体のものが加熱することによって流動性を示し、冷却又は架橋により成形体を形成する材料である。
【0032】
成形材料として、成形の際に発泡して発泡成形体を与えるものを用いてもよい。発泡成形体を与える成形材料としては、自己発泡性を有するポリウレタン樹脂原料などをはじめ、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等が挙げられる。オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等を用いる場合、これらの樹脂を予備発泡させた予備発泡粒子を用いて発泡させる方法、樹脂に発泡剤を含浸させておいて型内発泡させる方法等がある。
【0033】
本発明で成形材料をセットするとは、前記のように液体/固体/発泡体等の成形体用原料、すなわち成形材料を注入あるいは充填することをいう。
【0034】
ポリウレタン樹脂原料を具体例とすると、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができるが、その代表例としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂原料、ポリエステル系ポリウレタン樹脂原料等が挙げられる。
【0035】
ポリウレタン樹脂原料として、ポリオール溶液とイソシアネートプレポリマーとを混合したものを用いることが好ましい。ポリオール溶液は、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオール成分、鎖延長剤、水、整泡剤及び必要に応じて触媒等を含有する。イソシアネートプレポリマーは、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオール成分と、メチレンジフェニルジイソシアネートやその変性物等のポリイソシアネート成分とから得られる。これらポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等のポリオール成分、鎖延長剤、整泡剤、触媒、ポリイソシアネート成分等は公知のもので構成することができる。また、ポリウレタン樹脂原料には、接触角低減物質が含有させていてもよい。接触角低減物質は、ポリオール溶液及び/又はイソシアネートプレポリマーに含有させておくことができるが、イソシアネートプレポリマー中に含有させておくことが好ましい。イソシアネートプレポリマー中における接触角低減物質の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
【0036】
成形材料のセット量は、成形材料の材質に対応して適切な量に設定される。例えば、無発泡の成形材料の場合には、成形後の体積がキャビティの容積よりも僅かに多くなる量に設定することが好ましい。
【0037】
−成形ステップ−
成形材料のセット後、成形型Mに所定成形温度及び所定成形圧力の条件下で所定時間保持する。このとき、成形材料は、キャビティ内を充填するように流動し、或いは、それに加えて縮合、共重合又は架橋等の反応が伴って成形体Aを形成する。
【0038】
成形温度、成形圧力及び保持時間のそれぞれは、成形材料の材質に対応して適切なものに設定される。
【0039】
例えば、成形材料を発泡ポリウレタン樹脂原料とした場合には、成形型Mの温度を20〜100℃とすることが好ましく、40〜70℃とすることがより好ましい。成形型Mを加熱する手段としては、例えば、熱プレスやオーブン等を挙げることができる。
【0040】
成形材料を発泡ポリウレタン樹脂原料とした場合には、成形圧力を0.05〜1MPaとすることが好ましく、0.1〜0.5MPaとすることがより好ましい。成形型Mを加圧する手段としては、例えば、熱プレスやC型クランプを挙げることができる。
【0041】
−脱型ステップ−
成形後、成形型Mから成形体Aを脱型する。なお、成形材料として熱可塑性樹脂を用いた場合には、脱型前に成形型Mを冷却する。
【0042】
脱型の際には、まず、上型10及び下型30のそれぞれを中型20から外す。このとき、上型10と中型20との間に形成された上側基部61が露出すると共に、下型30と中型20との間に形成された下側基部62が露出する。
【0043】
次いで、中型20の外枠25に取り付けられた固定用フック28を解除し、両L字材26を外向きに回動させると共に、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22の外側型片21a,22aも外向きに回動させて、それらを成形された第1〜第4柱状部71〜74に対して側方に外す。
【0044】
次いで、スペーサセグメント24をスペーサ嵌合部27aから外すと共に他端部側に引き抜いて取り外す。
【0045】
続いて、第1柱状部形成セグメント21の内側型片21bを、成形された第1及び第3柱状部71,73に対して側方に外し、スペーサセグメント24が設けられていた位置で長さ方向に沿って他端部側に引き抜く。このとき、内側型片21bの最小幅a2(最薄肉部分の厚さ)とスペーサセグメント24の幅bとの和が内側型片21bの最大幅a1よりも大きくなるように内側型片21bの最大幅a1及びスペーサセグメント24の幅bが寸法設定されているので、内側型片21bが、成形された第1及び第3柱状部71,73と干渉することなくスムーズに引き抜くことができる。
【0046】
同様に、第2柱状部形成セグメント22の内側型片22bを、成形された第2及び第4柱状部72,74に対して側方に外して長さ方向に沿って他端部側に引き抜き、成形体Aを取り出す。
【0047】
なお、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22の内側型片21b,22bを取り外した後に外側型片21a,22aを外向きに回動させてもよく、また、先に第2柱状部形成セグメント22の内側型片22bを取り外し、後で第1柱状部形成セグメント21の内側型片21bを取り外してもよい。
【0048】
図5は、製造された成形体Aを示す。
【0049】
以上のようにして製造された成形体Aは、各々、矩形平板状に形成された上側基部(基部)61及び下側基部(他の基部)62と、各々、それらの間に介設され円柱状に形成され縦2本及び横2本の2×2配置された第1〜第4柱状部71〜74と、を備えている。そして、この成形体Aは、上側及び下側基部61,62並びに第1〜第4柱状部71〜74が一体に形成されている。また、上側及び下側基部61,62並びに第1〜第4柱状部71〜74は、全てが同一材質で形成されたもので構成されていても、複数種の材質のもので構成されていてもいずれでもよい。
【0050】
このような成形体Aを製造するためには割型を用いざると得ないところ、この実施形態1の成形型Mを用いて成形体Aを製造すれば、中型20が第1及び第2柱状部形成セグメント21,22とそれらの間のスペーサセグメント24とを有しているので、成形後にスペーサセグメント24を取り外し、成形された第1〜第4柱状部71〜74の側方に外側型片21a,22a及び内側型片21b,22bを外すように第1及び第2柱状部形成セグメント21,22のそれぞれを型割りすることにより、第1〜第4柱状部71〜74に対して、それらが上側及び下側基部61,62のそれぞれを基端として延びる方向である柱軸方向に過剰な負荷を与えることなく成形体Aを脱型することができる。
【0051】
また、製造された成形体Aは、上側及び下側基部61,62並びに第1〜第4柱状部71〜74が一体に形成されているので、基部と柱状部とが別体に形成され、柱状部が基部に接着固定されているものと比較すると、それらの間に高い結合性を得ることができる。上側及び下側基部61,62並びに第1〜第4柱状部71〜74が同一材質で形成されている場合には、特に高い結合性を得ることができる。
【0052】
成形体Aを衝撃吸収部材として使用する場合、上側及び下側基部61,62は、ポリウレタン樹脂、ナイロン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、熱硬化性ポリエステル系樹脂、尿素樹脂、硬質ポリエチレン樹脂、スチレン系樹などの比較的剛性の大きい硬質の構成材が得られる材料で形成されていることが好ましい。また、第1〜第4柱状部71〜74は、発泡ポリウレタン樹脂、軟質ポリエチレン樹脂、発泡ポリスチレン、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴムなどの比較的剛性の小さい軟質あるいは半硬質の構成材が得られる材料で形成されていることが好ましい。
【0053】
(実施形態2)
<成形型>
図6は、実施形態2に係る成形型Mを示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
【0054】
この成形型Mでは、上型10は、下面が平坦面に形成されており、その下面外周の4辺のそれぞれの中央から僅か内側に基部構成材保持突起12が下方に延びるように立設されている。また、基部構成材保持突起12に対応して、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22の外側型片21a,22aとスペーサセグメント24とに、突起挿通孔29が形成されている。
【0055】
同様に、下型30は、上面が平坦面に形成されており、その上面外周の4辺のそれぞれの中央から内側に基部構成材保持突起32が上方に延びるように立設されている。また、基部構成材保持突起32に対応して、第1及び第2柱状部形成セグメント21,22の外側型片21a,22aとスペーサセグメント24とに、突起挿通孔が形成されている。
【0056】
その他の構成は実施形態1に係る成形型Mと同一である。
【0057】
<成形体の製造方法>
次に、上記成形型Mを用いた成形体Aの製造方法について説明する。
【0058】
−成形型準備ステップ−
まず、上型10、中型20及び下型30を重ねない状態に成形型Mを準備する。中型20の型組及び離型剤については実施形態1と同一である。
【0059】
−材料セットステップ(基部構成材セットステップ)−
成形型Mの準備後、図7に示すように、基部構成材保持突起32が各辺の中央が当接して位置決めされるように、矩形平板状の下側基部構成材82を下型30の上面にセットする。
【0060】
次いで、基部構成材保持突起32が中型20の下面側に形成された対応する突起挿通孔に挿通されるように、下型30の上に中型20を載せる。
【0061】
続いて、第1〜第4柱状部形成孔51〜54のそれぞれに成形材料をセットする。
【0062】
そして、図7に示すように、基部構成材保持突起12が各辺の中央が当接して位置決めされるように、矩形平板状の上側基部構成材81を上型10の下面にセットした後、基部構成材保持突起12が中型20の上面側に形成された対応する突起挿通孔29に挿通されるように、中型20の上に上型10を載せる。
【0063】
上側及び下側基部構成材81,82としては、例えば、ナイロン樹脂やウレタン樹脂等で形成されたものが挙げられる。上側及び下側基部構成材81,82は、成形材料と同種の材質であっても、また、異なる材質であってもいずれでもよい。
【0064】
この成形型Mでは、上側基部構成材(基部構成材)81が上型10と中型20との間で狭持され、また、下側基部構成材82(他の基部構成材)が中型20と下型30との間で狭持される構成であり、従って、上型10の下面と中型20の上面が予め基部構成材をセットするための基部形成部を構成し、また、中型20の下面と下型30の上面とが予め他の基部構成材をセットするための他の基部形成部を構成し、そして、上型10が基部形成型及び下型30が他の基部形成型をそれぞれ構成している。
【0065】
−成形ステップ−
成形材料のセット後、成形型Mに所定成形温度及び所定成形圧力の条件下で所定時間保持する。このとき、成形材料は、第1〜第4柱状部形成孔51〜54内を充填するように流動し、或いは、それに加えて縮合、共重合又は架橋等の反応が伴って第1〜第4柱状部71〜74を形成すると共に、上側及び下側基部構成材81,82に接触して硬化することにより結合する。成形条件については、実施形態1と同一である。
【0066】
脱型ステップは、実施形態1と同一である。
【0067】
図8は、製造された成形体Aを示す。
【0068】
製造された成形体Aは、各々、矩形平板状の上側基部構成材81で構成された上側基部(基部)61及び下側基部構成材82で構成された下側基部(他の基部)62と、各々、それらの間に介設され円柱状に形成され縦2本及び横2本の2×2配置された第1〜第4柱状部71〜74と、を備えている。そして、この成形体Aは、成形前に予めセットされた上側及び下側基部構成材81,82で構成された上側及び下側基部61,62のそれぞれと第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれとが一体成形されて強固に結合している。
【0069】
この実施形態2の成形型Mを用いて成形体Aを製造すれば、第1〜第4柱状部71〜74に対して、それらが上側及び下側基部61,62のそれぞれを基端として延びる方向である柱軸方向に過剰な負荷を与えることなく成形体Aを脱型することができる点は、実施形態1と同一である。
【0070】
また、製造された成形体Aは、上側及び下側基部61,62のそれぞれと第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれとが一体成形されて強固に結合しているので、基部と柱状部とが別体に形成され、柱状部が基部に接着固定されているものと比較すると、それらの間に高い結合性を得ることができる。
【0071】
ここで、上側及び下側基部構成材81,82の少なくとも第1〜第4柱状部結合予定部をバフがけ、サンドプラスト、或いは、ヤスリがけにより凹凸表面に形成して表面粗さを高めることにより、接触面積が広くなると共に物理的結合作用も伴ってより一層高い結合性を得ることができる。特に、図9(a)及び(b)に示すように、開口径cよりも内部径dの方が大きい凹部を上側及び下側基部構成材81,82の表面に多数形成すれば、各凹部に成形材料が流入して硬化し、上側及び下側と第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれとの間に微細な嵌合構造が多数構成され、高い物理的結合作用を得ることができる。また、逆に、基端部よりも先端部の方が外径が大きい凸部を上側及び下側基部構成材81,82の表面に多数形成しても、同様に高い物理的結合作用を得ることができる。
【0072】
(実施形態3)
<成形型>
図10は、実施形態3に係る成形型Mを示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
【0073】
この成形型Mでは、上型10は、下面に、中型20の第1〜第4柱状部形成孔51〜54のそれぞれに対応して、同径で浅底の円形凹部13が4つ形成されている。
【0074】
同様に、下型30の上面にも4つの円形凹部13が形成されている。
【0075】
その他の構成は実施形態2に係る成形型Mと同一である。
【0076】
<成形体の製造方法>
成形体Aの製造方法は、上側及び下側基部構成材81,82として、図11に示すように、第1〜第4柱状部結合予定部のそれぞれに複数の細孔83が形成されたものを用いることを除いては、実施形態2と同一である。
【0077】
この場合、成形時に、成形材料は、第1〜第4柱状部形成孔51〜54内を充填するように流動し、或いは、それに加えて縮合、共重合又は架橋等の反応が伴って第1〜第4柱状部71〜74を形成すると共に、上側及び下側基部構成材81,82に接触して硬化することにより結合し、それに加えて、上側及び下側基部構成材81,82の細孔83を流通して円形凹部13を充填し、第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれと細孔83を介して結合した円盤部71a〜74aを上側基部構成材81の上面側及び下側基部構成材82の下面側のそれぞれに形成する。
【0078】
図12は、製造された成形体Aを示す。
【0079】
製造された成形体Aは、各々、矩形平板状の上側基部構成材81で構成された上側基部(基部)61及び下側基部構成材82で構成された下側基部(他の基部)62と、各々、それらの間に介設され円柱状に形成され縦2本及び横2本の2×2配置された第1〜第4柱状部71〜74と、各々、円盤状に形成され上側基部61の上面側及び下側基部62の下面側のそれぞれに第1〜第4柱状部71〜74に対応して設けられた円盤部71a〜74aと、を備えている。そして、この成形体Aは、成形前に予めセットされた上側及び下側基部構成材81,82で構成された上側及び下側基部61,62のそれぞれと第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれとが一体成形され、しかも、第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれが上側又は下側基部61,62の細孔83を介して円盤部71a〜74aに結合し、その物理的抜け留め作用も手伝って、それらが強固に結合している。
【0080】
この実施形態3の成形型Mを用いて成形体Aを製造すれば、第1〜第4柱状部71〜74に対して、それらが上側及び下側基部61,62のそれぞれを基端として延びる方向である柱軸方向に過剰な負荷を与えることなく成形体Aを脱型することができる点は、実施形態1及び2と同一である。
【0081】
また、製造された成形体Aは、上側及び下側基部61,62のそれぞれと第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれとが一体成形され、それに加えて、円盤部71a〜74aの抜け留め作用も手伝って、それらが強固に結合しているので、基部と柱状部とが別体に形成され、柱状部が基部に接着固定されているものと比較すると、それらの間に高い結合性を得ることができる。
【0082】
上側及び下側基部構成材81,82の少なくとも第1〜第4柱状部結合予定部を凹凸表面に形成して表面粗さを高めることにより、より一層高い結合性を得ることができる点は実施形態2と同一である。
【0083】
(その他の実施形態)
上記実施形態1〜3では、上側及び下側基部61,62間に第1〜第4柱状部71〜74が介設された成形体Aを製造する成形型Mとしたが、特にこれに限定されるものではなく、単一の基部の一方側に複数の柱状部が立設された成形体を製造するものであってもよい。この場合、成形型を、上型と上方に開口した有底の柱状部形成孔が形成された中型とで構成すればよい。
【0084】
上記実施形態1〜3では、第1〜第4柱状部71〜74の4本の柱状部を有する成形体Aを成形する成形型Mとしたが、特にこれに限定されるものではなく、柱状部を2本以上有する成形体を成形するものであれば、実施形態1〜3のようなスペーサセグメントを用いた成形型を構成することができる。但し、柱状部を2本有する成形体を成形する成形型の場合、2つの柱状部形成孔を共通で縦割り分割する構成とすればスペーサセグメントが不要であるので、実施形態1〜3のようなスペーサセグメントを用いた成形型の構成は、特に柱状部を3本以上有する成形体を成形するものに有用である。具体的には、図13(a)に示すように、中型が第1〜第3柱状部形成セグメント21〜23と一対のスペーサセグメント24とを有し、第1〜第6柱状部形成孔51〜56が形成された成形型、図13(b)に示すように、中型が第1及び第2柱状部形成セグメント21,22とスペーサセグメント24とを有し、第1〜第3柱状部形成孔51〜53が形成された成形型、図13(c)に示すように、中型が第1及び第2柱状部形成セグメント21,22とスペーサセグメント24とを有し、第1〜第5柱状部形成孔51〜55が形成された成形型が挙げられる。
【0085】
上記実施形態1〜3では、第1〜第4柱状部71〜74のそれぞれの形状が円柱形の成形体Aを成形する成形型Mとしたが、特にこれに限定されるものではなく、四角柱などの角柱を成形するものであっても、異種形状のものが混在したものを成形するものであってもよく、また、均一断面ではなく、中央部分が基端部分よりも太い又は細いものを成形するものであってもよい。
【0086】
上記実施形態2及び3では、上型10の下面と中型20の上面が予め基部構成材をセットするための基部形成部を構成し、また、中型20の下面と下型30の上面とが予め他の基部構成材をセットするための他の基部形成部を構成したものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、上型の下面側及び/又は中型の上面側に基部構成材を収容するための凹部を形成して基部形成部を構成し、中型の下面側及び/又は下型の上面側に他の基部構成材を収容するための凹部を形成して他の基部形成部を構成したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を成形するのに用いられる成形型及びそれを用いた成形体の製造方法について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】(a)は実施形態1に係る成形型の上型を閉じた状態を示す斜視図であり、(b)は上型を開いた状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は中型の平面図であり、(b)は上型の平面図であり、(c)は下型の平面図である。
【図3】図1におけるIII-III断面図である。
【図4】中型の分解した状態を示す平面図である。
【図5】実施形態1の成形体の斜視図である。
【図6】実施形態2に係る成形型の上型を開いた状態を示す斜視図である。
【図7】実施形態2の成形型の製造方法を示す説明図である。
【図8】実施形態2の成形体の斜視図である。
【図9】(a)及び(b)はいずれも上側(下側)基部構成材の断面図である。
【図10】実施形態3に係る成形型の上型を開いた状態を示す斜視図である。
【図11】実施形態3の上側(下側)基部構成材の平面図である。
【図12】実施形態3の成形体の斜視図である。
【図13】(a)、(b)及び(c)はいずれもその他の実施形態の中型内の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0089】
M 成形型
A 成形体
10 上型(基部形成型)
20 中型(柱状部形成型)
30 下型(他の基部形成型)
21 第1柱状部形成セグメント
21a,22a 外側型片
21b,22b 内側型片
22 第2柱状部形成セグメント
24 スペーサセグメント
51 第1柱状部形成孔
52 第2柱状部形成孔
53 第3柱状部形成孔
57 上側基部形成部(基部形成部)
58 下側基部形成部(他の基部形成部)
61 上側基部(基部)
62 下側基部(他の基部)
71 第1柱状部
72 第2柱状部
81 上側基部構成材(基部構成材)
82 下側基部構成材(他の基部構成材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を成形するのに用いられる成形型であって、
第1及び第2柱状部を成形するための第1及び第2柱状部形成孔がそれぞれ形成された柱状部形成型と、
上記柱状部形成型に対して上記第1及び第2柱状部形成孔の開口を覆うように設けられ、該柱状部形成型との組み合わせで、該第1及び第2柱状部形成孔のそれぞれに連続した、予め基部構成材をセットするための、又は、成形材料により基部を成形するための基部形成部を構成する基部形成型と、
を備え、
上記柱状部形成型は、
上記第1柱状部形成孔が形成されていると共に、該第1柱状部形成孔を縦割りするように分割された、一対の型片からなる第1柱状部形成セグメントと、
上記第1柱状部形成セグメントに対してその分割線の側方に配されるように設けられ、上記第2柱状部形成孔が形成されていると共に、該第2柱状部形成部を縦割りし且つ該第1柱状部形成セグメントの分割線に沿うように分割された、一対の型片からなる第2柱状部形成セグメントと、
上記第1柱状部形成セグメントと上記第2柱状部形成セグメントとの間に挟まれるように設けられたスペーサセグメントと、
を有する成形型。
【請求項2】
上記柱状部形成型は、上記第1及び第2柱状部形成孔がそれぞれ貫通孔に形成されており、
上記柱状部形成型に対して上記基部形成型とは反対側の上記第1及び第2柱状部形成孔の開口を覆うように設けられ、該柱状部形成型との組み合わせで、該第1及び第2柱状部形成孔のそれぞれに連続した、予め他の基部構成材をセットするための、又は、他の基部を成形するための他の基部形成部を構成する他の基部形成型をさらに備え、
基部と他の基部との間に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に介設された成形体を成形するのに用いられる請求項1に記載された成形型。
【請求項3】
第1柱状部形成セグメントは、上記第1柱状部形成孔と一緒に縦割り分割される第3柱状部形成孔が形成されている請求項1又は2に記載された成形型。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された成形型を用いて、基部に相互に間隔をおいて第1及び第2柱状部がそれぞれ一体に立設された成形体を製造する方法であって、
上記第1及び第2柱状部形成孔のそれぞれに成形材料をセットして第1及び第2柱状部を成形する成形ステップと、
上記成形ステップ後、上記スペーサセグメントを取り外した後に、上記第1及び第2柱状部形成セグメントのそれぞれを、上記成形された第1及び第2柱状部のそれぞれの側方に各型片を外すように、型割りして成形体を脱型する脱型ステップと、
を備えた成形体の製造方法。
【請求項5】
上記成形ステップの前に、上記基部形成部に予め基部構成材をセットする基部構成材セットステップをさらに備えた請求項4に記載された成形体の製造方法。
【請求項6】
上記基部構成材として、第1及び第2柱状部結合予定部のそれぞれが凹凸表面に形成されたものを用いる請求項5に記載された成形体の製造方法。
【請求項7】
上記基部と上記第1及び第2柱状部とを異なる材質で形成する請求項4乃至6のいずれかに記載された成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−326243(P2007−326243A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157406(P2006−157406)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】