説明

成膜源、真空成膜装置、有機ELパネルの製造方法

【課題】 成膜材料の混合を行うに際して成分割合の調整を容易に行うことができ、成膜領域のずれを防ぐ。
【解決手段】 真空成膜装置の成膜源10が、複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部11A,11Bと、各材料収容部11A,11B内の成膜材料を加熱する加熱手段12A,12Bと、成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口13A,13Bと、材料収容部11A,11Bと放出口13A,13Bとを気密に連通する放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bとを備え、同一成膜材料を放出する単数又は複数の放出口13A,13Bを一方向に延設し、該一方向に延設された放出口13A,13Bの外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域S1A,S1Bが平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うように、放出口13A,13Bを配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜源、真空成膜装置、有機ELパネルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板上に薄膜を形成する技術として、真空成膜法(真空蒸着、分子線エピタキシー法を含む)が知られている。この真空成膜法は、成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることによって生成される成膜材料の原子流又は分子流を、真空成膜室(真空チャンバ)内に配置した基板の被成膜面に向けて照射することで、この被成膜面上に成膜材料を付着させて薄膜を形成するものである。このような真空成膜法を実施する真空成膜装置は、一般に、坩堝又はセルと称される成膜材料を収容する材料収容部とこの成膜材料を加熱する加熱手段とを少なくとも備える成膜源と、前述した真空成膜室とを基本構成としている。
【0003】
このような真空成膜は、各種のエレクトロニクス機材における薄膜形成に採用されている。特に、自発光型フラットパネルディスプレイの表示要素として近年注目されている有機EL素子の製造においては、基板上に形成される電極或いは発光機能層を含む有機層の成膜に用いられている。
【0004】
このような真空成膜においては、複数の成膜材料を混合して共通の被成膜面上に成膜することが必要な場合がある。例えば、前述した有機EL素子を基板上に形成する有機ELパネルの製造では、有機発光機能層等の成膜に際して、単一の成膜材料では所望の発光特性や成膜特性を得ることができない場合に、複数の成膜材料を混合して成膜することが一般に行われており、発光層の成膜においては、発光能力は高いが自身は単独では発光できないゲスト材料(ドーパント色素)をホスト材料に極微量混合する色素ドーピングと呼ばれる手法が一般に採用されている。
【0005】
図1は、下記特許文献1に記載された従来の真空成膜装置(真空蒸着装置)における成膜源を示す説明図である。この成膜源では、2つの成膜材料を混合して共通の被成膜面(基板J0)上に成膜するに際して、それぞれの成膜材料M1,M2を収納した複数の坩堝J1,J2から放出された成膜材料M1,M2の分子を混合室J5内で混合した後に、同じ放出口J6から放出するようにしている。
【0006】
より具体的には、各坩堝J1,J2の周囲に成膜材料M1,M2を加熱して蒸発又は昇華させてそれらの分子を発生させるためのヒータJ7,J8が設けられ、坩堝J1,J2の上面開口部にはこの上面開口部を閉じるように蓋板J8が設けられ、この蓋板J8の坩堝J1側には流入口J3が、坩堝J2側には流入口J4が設けられ、この蓋板J8上に混合室J5を形成している。そして、流入口J3と流入口J4とは、それぞれ複数ずつ設けられているが、流入口J3の総面積と流入口J4の総面積との比が、基板J0上に成膜する成膜材料M1,M2の分子比に対応するように設定されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−155555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来技術によると、混合室J5内で2つの成膜材料M1,M2が均一に混合された状態になって放出口J6から放出されるので、基板J0上に成膜した薄膜に成分の偏りが生じることがなく、均一な分子比をもった薄膜を成膜させることができる。
【0009】
しかしながら、この従来技術では、成膜材料M1が混合室J5から坩堝J2に拡散・侵入し、成膜材料M1と成膜材料M2がコンタミネーション(混ざり合ってしまう)してしまうことや流入口J3又はJ4を塞いでしまう欠点がある。また、これによってホスト−ゲスト系(ホスト材料:成膜材料M1,ゲスト材料:成膜材料M2)の成膜を行う場合、成膜材料M2(ゲスト材料)の濃度を正確に制御できないことや成膜材料M2の成膜レートをモニタできないといった問題が生じる。
【0010】
更には、混合室J5の成膜温度は成膜材料M1(又はM2)の析出を防止するために、最も成膜温度が高い成膜材料の坩堝J1(又はJ2)温度と同じか、場合によっては、それ以上に加熱するため、もう一方の成膜材料M2(又はM1)の過剰な加熱によって材料の劣化が生じやすくなるといった問題もある。
【0011】
これに対して、各坩堝J1,J2から個別の放出流路を形成して成膜材料毎に放出口を形成した場合には、放出口を近接配置したとしても放出口の位置の違いによって、被成膜面上で各成膜材料の成膜領域にずれが生じる不具合が起きる。特に、シャドーマスク(成膜マスク)を介して特定の領域のみに成膜する場合には、この成膜領域のずれが顕著な問題になり、混合すべき成膜材料の共成膜領域がマスクで特定された成膜領域と一致しない、或いは一部の成膜領域が隣接する成膜領域に重なってしまうといった不具合が生じる。
【0012】
そして、有機ELパネルの製造において、シャドーマスクを用いて発光色の異なる成膜材料の塗り分けを行う場合には、前述した成膜領域のずれが色ずれの原因になり、適正な色の成膜を所望の成膜領域に形成することができないといった問題が生じる。
【0013】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、成膜材料の混合を行うに際して成分割合の調整を容易に行うことができること、成膜領域のずれを防いで、有機ELパネルの製造においては色ずれの問題を解消すること等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために、本発明の成膜源,真空成膜装置,これを利用した有機ELパネルの製造方法は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
【0015】
[請求項1]複数の成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることで生成する複数の成膜材料の原子流又は分子流を共通の被成膜面に向けて照射することで前記成膜材料を前記被成膜面上に成膜させる真空成膜装置の成膜源であって、複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部と、各材料収容部内の成膜材料を加熱する加熱手段と、前記成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口と、前記材料収容部と前記放出口とを気密に連通する放出流路とを備え、同一成膜材料を放出する単数又は複数の前記放出口を一方向に延設し、該一方向に延設された放出口の外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域が平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うように、前記放出口を配置したことを特徴とする成膜源。
【0016】
[請求項5]複数の成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることで生成する複数の成膜材料の原子流又は分子流を共通の被成膜面に向けて照射することで前記成膜材料を前記被成膜面上に成膜させる成膜源を備えた真空成膜装置であって、前記成膜源は、複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部と、各材料収容部内の成膜材料を加熱する加熱手段と、前記成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口と、前記材料収容部と前記放出口とを気密に連通する放出流路とを備え、同一成膜材料を放出する単数又は複数の前記放出口を一方向に延設し、該一方向に延設された放出口の外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域が平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うように、前記放出口を配置したことを特徴とする真空成膜装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図2は本発明の一実施形態に係る真空成膜装置の成膜源を示す説明図である。この成膜源10は、複数の成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることで生成する複数の成膜材料の原子流又は分子流を共通の被成膜面に向けて照射することでこれらの成膜材料を被成膜面上に成膜させるものである。図示の例では、2つの成膜材料を混合するものを示しているが、本発明の実施形態としては、3つ以上の成膜材料を混合して成膜するものであっても良い。
【0018】
この成膜源10の構成要素は、複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部11A,11Bと、各材料収容部11A,11B内の成膜材料を加熱する加熱手段12A,12Bと、成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口13A,13Bと、材料収容部11A,11Bと放出口13A,13Bとを気密に連通する放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bとを備える。
【0019】
そして、この成膜源10では、同一成膜材料を放出する単数又は複数の放出口13A又は13Bを一方向に延設し、この一方向に延設された放出口13A又は13Bの外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域が平面的に少なくとも一部で重なり合うように、放出口13A又は13Bを配置している。
【0020】
また、放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bのいずれかに成膜材料の原子流又は分子流の流れを調整する流通調整手段15を設けている。図2の例では、放出流路14Bの途中に流通調整手段15を設けているが、これに限らず、他の流出経路に同様の流通調整手段を設けても良い。なお、この流通調整手段15は例えば流量可変調整弁等によって形成することができる。
【0021】
更には、放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bの所望の箇所に検出口16を設け、この検出口16に対して図示省略の検出器(膜厚モニタ等)を設けることで、検出器の検出結果によって各放出流路での放出レートを把握することができる。この検出結果に応じて流通調整手段15或いは加熱手段12A,12Bを調整することで各放出口から放出される成膜材料の成膜レートを個別に調整することが可能になる。
【0022】
前述の放出領域を図3〜図5によって更に具体的に説明する。放出領域は同一材料を放出する複数又は単数の放出口のカバー範囲を規格化したものである。この放出領域S1A等は、一方向に並んだ同一材料を放出する放出口13A等に対して、その並んだ方向に向いて右側の最外縁を直線L1で結ぶと共に左側の最外縁を直線L2で結び、この直線L,L間に形成される帯状の領域を指している。なお、ここでは2つの成膜材料を用いる例を示して説明しているが、同様にして、3つ以上の成膜材料に対する放出口の配置から放出領域を設定することができる。
【0023】
図3に示す例では、放出口が、第1の成膜材料を放出する円形開口を有する複数の第1の放出口13Aと第2の成膜材料を放出する円形開口を有する複数の第2の放出口13Bからなり、第1の放出口13Aの中心を連ねた直線Oと第2の放出口13Bの中心を連ねた直線O間の間隔Wを第1及び第2の放出口の半径(外径の1/2)R,rの和(R+r)より狭く設定する(W<(R+r))ことで、放出領域S1AとS1Bが平面的に一部互いに重なり合っている。ここでは、円形開口の例を示しているがこれに限らず、多角形等の開口であってもよい。
【0024】
図4の例は、図3の例において、放出領域S1Aの中に放出領域S1Bを完全に含める状態にしたものである。図の例では、前述の間隔Wをゼロにして(直線OとOを重ねて)いる。
【0025】
図5の例は、第1の成膜材料を放出する円形開口を有する複数の第1の放出口13Aと第2の成膜材料を放出する円形開口を有する複数の第2の放出口13Bが共に千鳥状に配置されており、これによって一つの放出口13A,13Bを大きくすることなく、放出領域S1A,S1Bを実質的に拡大したものである。
【0026】
この成膜源10では、材料収容部11A,11Bが加熱手段12A,12Bによって加熱され、材料収容部11A,11B内の成膜材料が昇華又は蒸発することで放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bに原子流又は分子流が流出するようになっている。この際、放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14B等の構成要素は全て加熱手段によって加熱され、材料の析出や分解を引き起こさない適正な温度に保たれていることが好ましい。材料収容部11A,11Bで昇華又は蒸発した成膜材料は、放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bを通って放出口13A,13Bからそれぞれ放出され、放出された原子流又は分子流は真空成膜室内及び被成膜面上で混合されて、被成膜面上に堆積することになる。
【0027】
この際に、放出領域S1A,S1Bの重なりによって、異なる成膜材料を放出領域毎に被成膜面に成膜するに際して、各成膜材料の成膜領域のずれを極力少なくすることが可能になり、複数の成膜材料を混合して共通の被成膜面上に成膜する際に、複数の成膜材料が混合された均一な成膜を所望の領域に形成することができる。
【0028】
特に、成膜マスクであるシャドーマスクを介して開口パターンに応じた設定領域に成膜を行う場合、或いは成膜領域を制限する遮蔽板を介して成膜を行う場合に、放出領域S1A,S1Bを成膜マスクの開口パターンや遮蔽板の制限方向に沿って形成することで、被成膜面上における異なる成膜材料の成膜領域を実用上問題のない範囲のずれ量で成膜することができる。これによって、シャドーマスク等で設定される設定領域から特定材料成分のみがはみ出し隣接する成膜領域に影響を与えたり、設定領域に材料の混合されていない領域が形成されるといった不具合を解消することができる。
【0029】
また、この成膜源10では、放出口13A,13Bは成膜材料毎に独立しており、この放出口13A,13Bに至るまでの放出流路14A,14A,14A,14B,14B,14Bも成膜材料毎に独立しているので、個別の成膜材料が流れる放出流路の途中で流通状態を調整又は制御することが可能になり、これによって混合される成膜材料の成分割合を任意に調整することが可能になる。
【0030】
図6は、本発明の実施形態に係る成膜源10の他の形態を示すものである(前述の実施形態と共通する部分には同一符号を付して一部重複説明を省略する)。この実施形態は、一つの成膜材料に係る放出口13Aを独立したノズルではなく、ライン状の単一開口にしたものである。そして、この放出口13A内にもう一つの成膜材料に係る放出口13Bが形成されるべく、放出口13Bに連通する流出流路14Bが放出口13Aに連通する流出流路14A内に進入して配備されている。
【0031】
この実施形態では、放出口13Aの開口部分自体が一つの放出領域S2Aになっており、放出口13Bによって形成される放出領域S2Bが放出領域S2A内に含まれた状態になって互いに重なり合っている。
【0032】
この実施形態によっても前述の実施形態と同様の作用を得ることができるが、特には、ライン状の単一開口にした放出口13A側を混合割合の高いホスト材料用にして、その放出口13A内に配置されるノズル状の放出口13Bをホスト材料に混入されるゲスト材料用にすることで、混合割合に見合った原子流又は分子流の放出状態を容易に得ることが可能になる。また、放出流路14Bに流通調整手段15を設けてゲスト材料のレート調整を行うことで、ゲスト材料の調整に要求される微調整を正確且つ簡易に行うことが可能になる。
【0033】
図7は、放出口に関する他の実施形態を示す説明図である。この実施形態は、放出口23を共にライン状の単一開口からなる放出口23A,23Bによって形成し、それぞれの放出口から異なる成膜材料を放出するようにしたものである。そして、この実施形態においても、放出口23Aによって形成される放出領域S3Aと放出口23Bによって形成される放出領域S3Bとが互いに重なり合うように、放出口23A,23B間の境界領域に平面的な凹凸部分を形成して、それぞれの凹凸部分が互いに噛み合うようにしている。
【0034】
これによっても前述した実施形態と同様の作用を得ることができる。特に、2つの成膜材料の混合割合を等分にして、ライン状の方向に指向性の少ない成膜を行う場合などに有効である。
【0035】
なお、前述した各実施形態における放出口の配置関係は平面的に放出領域が互いに重なり合っていれば良く、立体的な放出口の高さは用途に応じて適宜設定することができる。例えば、図8に示す例のように、基板1における被成膜面1Aに対して、放出口13Aからの距離hと放出口13Bからの距離hが異なるようにしてもよい。その際には、各放出口13Aと基板1の成膜領域とを結ぶ直線で囲まれる空間に各放出口13Bが入り込まないようにすることが好ましく、このような配置にすることで、放出口13Aによる成膜を放出口13Bの存在が妨げる不都合が生じない。なお、放出口13Bを影響がない程度に小さくすることで、このような配置の制約は解消できる。
【0036】
図9は、本発明の実施形態に係る真空成膜装置の一例を示す説明図である。この真空成膜装置30は、前述した成膜源10を用いて基板1の被成膜面1Aに成膜を行うための装置であって、基板1が配置される真空成膜室31と、真空成膜室31内で基板1を成膜源10に対して相対的に移動させる移動手段32とを備えるものである。図示の例では、成膜源10における材料収容部11A,11Bが真空成膜室31の外に配備され、シャッターバルブ17を介して放出流路14A,14Bが真空成膜室31内に導入されている。そして、放出口13A,13Bによって形成される放出領域は紙面に垂直な方向に延設されており、この方向に対して垂直な矢印の方向に沿って基板1が移動するようになっている。この例における移動手段32としては、例えばローラ式のライン搬送装置等を採用することができる。
【0037】
この実施形態における真空成膜装置30は、基板1の被成膜面1Aに面してシャドーマスク2を設置して、シャドーマスク2の開口パターンが放出口13A,13Bによって形成される放出領域に沿うようにしており、基板1を移動手段32によって移動させながら、放出口13A,13Bから放出される成膜材料をシャドーマスク2の開口パターンに応じた領域に成膜するものであって、インライン型の真空成膜装置を形成することができるものである。
【0038】
このような真空成膜装置30によると、放出口13A,13Bによって形成される放出領域が互いに重なり合ってシャドーマスク2の開口パターンに沿って延設されることになるので、シャドーマスク2の開口パターンによって設定される成膜領域には、放出口13Aから放出される成膜材料と放出口13Bから放出される成膜材料とが均一に混合された状態で成膜されることになる。そして、前述した放出領域の重なり合いによって、放出口13Aによる成膜領域と放出口13Bによる成膜領域のずれが実用的に許容される範囲内に収まって、シャドーマスク2によって設定された成膜領域にほぼ一致して形成されることになる。
【0039】
更には、放出口13A,13Bによって形成される放出領域は一方向に延びた状態で形成されているので、前述したインライン型の成膜を行うのに適しており、この放出領域の形態によって、基板1の移動方向とは垂直な方向に広く均一なライン状の成膜領域を形成することができる。よって、基板1の移動方向と垂直方向に広いスリット形状のシャドーマスク2を用いた場合、開口パターンに沿った方向で均一な成膜を得ることができる。
【0040】
図10は、真空成膜装置の他の実施形態を示す説明図である。この実施形態では、前述の実施形態と同様に真空成膜室31内で基板1を成膜源10に対して相対的に移動させる移動手段33を備えるものであるが、この移動手段33は、放出口13A,13Bによって形成される放出領域の延びる方向に対して基板1を回転させるものである。この際に、基板1には回転中心Cに対して放射状の方向に開口パターンが形成されたシャドーマスク2が設置されている。この例は、基板1を真空成膜室31内に搬送手段(ロボットアーム等)で出し入れして設置するクラスタ型の真空成膜装置に採用することができる。これによっても、前述と同様に、放出領域の重なり合いによって、放出口13Aによる成膜領域と放出口13Bによる成膜領域のずれが実用的に許容される範囲内に収まって、シャドーマスク2によって設定された成膜領域にほぼ一致して形成されることになる。
【0041】
なお、前述した実施形態に係る真空成膜装置30は、抵抗加熱法、高周波加熱法、レーザ加熱法、電子ビーム加熱法等の真空蒸着装置に採用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。一例として、抵抗加熱法の真空蒸着装置の場合を説明すると、真空成膜室31として高真空(10−4Pa以下)の状態に設定可能な真空チャンバが用いられ、材料収容部11A,11Bとして、アルミナ(Al),ベリリア(BeO)等の高融点酸化物で形成された容器の周囲に、タンタル(Ta),モリブデン(Mo),タングステン(W)等の高融点金属のフィラメントやボート状の加熱コイルからなる加熱装置12A,12Bを装備したものを用いることができる。また、前述したように基板を個々に処理するクラスタ型、連続で処理するインライン型の両方を構成することができる。
【0042】
また、図示の例では、放出口13A,13Bを上方に向けて被成膜面1Aを下向きに設置したものを示しているが、これに限らず、放出口13A,13Bを水平方向に向けて、これに対向するように被成膜面1Aを向け基板1を垂直に立てて設置するものであってもよい。また、放出口の形状は、円形だけでなく、矩形や多角形であってもよく、特にその形状に限定されるものではない。
【0043】
本発明の実施形態に係る真空成膜装置30は、有機ELパネルの製造方法に適用することができる。有機ELパネルは、一対の電極間に有機発光機能層を含む有機層が挟持された有機EL素子を基板上に形成したものであるが、電極若しくは有機層を形成する少なくとも1種類の成膜材料を基板1上に成膜する際に、前述の真空成膜装置30を用いることができる。
【0044】
図11は、前述した真空成膜装置30を用いた有機ELパネルの製造方法の一例を示す説明図である。ここでは、RGB3色の発光層の塗り分けを行う例を説明する。この例では、線状の開口パターンを有するシャドーマスクを用いて、1回の成膜で1色分の成膜領域をストライプ状に形成し、これを3回繰り返して塗り分けることで、隣接したRGB3色の成膜領域を形成している。
【0045】
図に沿って説明すると、同図(a)は、基板上に形成された発光領域40R,40G,40B(基板上の下部電極上を絶縁膜で区画して形成した開口部分)に対して、R色の発光領域40Rの上にシャドーマスク(図示省略)の開口パターンを位置決めして、1回目の成膜を行い、R色の発光層の成膜領域41Rを形成する。
【0046】
次に、同図(b)に示すように、形成された成膜領域41Rの隣の発光領域40G上にシャドーマスクの開口パターンを位置決めして、2回目の成膜を行い、G色の発光層の成膜領域41Gを形成する。更には、同図(c)に示すように、形成された成膜領域41Gの隣の発光領域40B上にシャドーマスクの開口パターンを位置決めして、3回目の成膜を行い、B色の発光層の成膜領域41Bを形成する。
【0047】
このように成膜領域41R,41G,41Bの塗り分けを行う際に、前述した実施形態に係る真空成膜装置30を用いると、各色の成膜領域41R,41G,41Bにおいて色ずれの問題が生じなくなる。すなわち、発光層を形成するホスト材料と色素ドーパントからなるゲスト材料とを混合して成膜を行う際に、シャドーマスクの開口パターンによって設定される成膜領域にほぼ一致して、ホスト材料からなる成膜領域とゲスト材料からなる成膜領域を実用上問題のない範囲のずれ量で成膜することができる。これによって、シャドーマスク等で設定される設定領域から特定の色成分のみがはみ出したり、設定領域に材料の混合されていない領域が形成されるといった不具合が無くなり、発光領域における色ずれの問題を解消することができる。
【0048】
図12は、前述した製造方法によって製造される有機ELパネルの例を示す説明図である。
【0049】
有機ELパネル100の基本構成は、第1電極102と第2電極103との間に有機発光機能層を含む有機材料層104を挟持して基板101上に複数の有機EL素子110を形成したものである。図示の例では、基板101上にシリコン被覆層101aを形成しており、その上に形成される第1電極102をITO等の透明電極からなる陽極に設定し、第2電極103をAl等の金属材料からなる陰極に設定して、基板101側から光を取り出すボトムエミッション方式を構成している。また、有機材料層104としては、正孔輸送層104A,発光層104B,電子輸送層104Cの3層構造の例を示している。そして、基板101と封止部材105とを接着層106を介して貼り合わせることによって基板101上に封止空間Saを形成し、この封止空間Sa内に有機EL素子110からなる表示部を形成している。
【0050】
有機EL素子110からなる表示部は、図示の例では、第1電極102を絶縁層107で区画しており、区画された第1電極102の下に各有機EL素子110による単位表示領域(110R,110G,110B)を形成している。また、封止空間Saを形成する封止部材105の内面には乾燥手段108が取り付けられて、湿気による有機EL素子110の劣化を防止している。
【0051】
また、基板101の端部には、第1電極10と同材料,同工程で形成される第1の電極層109Aが、第1電極102とは絶縁層107で絶縁された状態でパターン形成されている。第1の電極層109Aの引出部分には、銀合金等を含む低抵抗配線部分を形成する第2の電極層109Bが形成されており、更にその上に、必要に応じてIZO等の保護被膜109Cが形成されて、第1の電極層109A,第2の電極層109B,保護被膜109Cからなる引出電極109が形成されている。そして、封止空間Sa内端部で第2電極103の端部103aが引出電極109に接続されている。
【0052】
第1電極102の引出電極は、図示省略しているが、第1電極102を延出して封止空間Sa外に引き出すことによって形成することができる。この引出電極においても、前述した第2電極103の場合と同様に、Ag等を含む低抵抗配線部分を形成する電極層を形成することもできる。
【0053】
以下に、本発明の実施形態に係る有機ELパネル100及びその製造方法の細部について、更に具体的に説明する。
【0054】
a.電極;
第1電極102,第2電極103は、一方が陰極側、他方が陽極側に設定される。陽極側は陰極側より仕事関数の高い材料で構成され、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属膜やITO、IZO等の酸化金属膜等の透明導電膜が用いられる。逆に陰極側は陽極側より仕事関数の低い材料で構成され、アルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs)、アルカリ土類金属(Be,Mg,Ca,Sr,Ba)、希土類金属等、仕事関数の低い金属、その化合物、又はそれらを含む合金、ドープされたポリアニリンやドープされたポリフェニレンビニレン等の非晶質半導体、Cr、NiO、Mn等の酸化物を使用できる。また、第1電極102,第2電極103ともに透明な材料により構成した場合には、光の放出側と反対の電極側に反射膜を設けた構成にすることもできる。
【0055】
引出電極(図示の引出電極109及び第1電極102の引出電極)には、有機ELパネル100を駆動する駆動回路部品やフレキシブル配線基板が接続されるが、可能な限り低抵抗に形成することが好ましく、前述したように、Ag,Cr,Al合金等の低抵抗金属電極層を積層するか、或いはこれらの低抵抗金属電極単独で形成することができる。
【0056】
b.有機材料層;
有機材料層104は、少なくとも有機EL発光機能層を含む単層又は多層の有機化合物材料層からなるが、層構成はどのように形成されていても良い。一般には、図12に示すように、陽極側から陰極側に向けて、正孔輸送層104A、発光層104B、電子輸送層104Cを積層させたものを用いることができるが、発光層104B、正孔輸送層104A、電子輸送層104Cはそれぞれ1層だけでなく複数層積層して設けても良く、正孔輸送層104A、電子輸送層104Cについてはどちらかの層を省略しても、両方の層を省略しても構わない。また、正孔注入層、電子注入層等の有機材料層を用途に応じて挿入することも可能である。正孔輸送層104A、発光層104B、電子輸送層104Cは従来の使用されている材料(高分子材料、低分子材料を問わない)を適宜選択して採用できる。
【0057】
また、発光層104Bを形成する発光材料においては、1重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と3重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(りん光)のどちらを採用しても良い。
【0058】
c.封止部材(封止膜);
有機ELパネル100において、有機EL素子110を気密に封止するための封止部材105としては、金属製,ガラス製,プラスチック製等による板状部材又は容器状部材を用いることができる。ガラス製の封止基板にプレス成形,エッチング,ブラスト処理等の加工によって封止用凹部(一段掘り込み、二段掘り込みを問わない)を形成したものを用いることもできるし、或いは平板ガラスを使用してガラス(プラスチックでも良い)製のスペーサにより基板101との間に封止空間Saを形成することもできる。
【0059】
有機EL素子110を気密に封止するためには、封止部材105に換えて封止膜で有機EL素子110を被覆するようにしても良い。この封止膜は、単層膜または複数の保護膜を積層することによって形成することができる。使用する材料としては無機物、有機物等のどちらでもよい。無機物としては、SiN,AlN,GaN等の窒化物、SiO,Al,Ta,ZnO,GeO等の酸化物、SiON等の酸化窒化物、SiCN等の炭化窒化物、金属フッ素化合物、金属膜、等を挙げることができる。有機物としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリパラキシレン、パーフルオロオレフィン、パーフルオロエーテル等のフッ素系高分子、CHOM、COM等の金属アルコキシド、ポリイミド前駆体、ペリレン系化合物、等を挙げることができる。積層や材料の選択は有機EL素子110の設計により適宜選択する。
【0060】
d.接着剤;
接着層106を形成する接着剤は、熱硬化型,化学硬化型(2液混合),光(紫外線)硬化型等を使用することができ、材料としてアクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリオレフィン等を用いることができる。特には、加熱処理を要さず即硬化性の高い紫外線硬化型のエポキシ樹脂製接着剤の使用が好ましい。
【0061】
e.乾燥手段;
乾燥手段108は、ゼオライト,シリカゲル,カーボン,カーボンナノチューブ等の物理的乾燥剤、アルカリ金属酸化物,金属ハロゲン化物,過酸化塩素等の化学的乾燥剤、有機金属錯体をトルエン,キシレン,脂肪族有機溶剤等の石油系溶媒に溶解した乾燥剤、乾燥剤粒子を透明性を有するポリエチレン,ポリイソプレン,ポリビニルシンナエート等のバインダに分散させた乾燥剤により形成することができる。
【0062】
f.有機EL表示パネルの各種方式等;
本発明の実施形態に係る有機ELパネル100としては、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の設計変更が可能である。例えば、有機EL素子110の発光形態は、前述した実施例のように基板101側から光を取り出すボトムエミッション方式でも、基板101とは逆側から光を取り出すトップエミッション方式でも構わない。また、有機ELパネル100は単色表示であっても複数色表示であっても良く、複数色表示を実現するためには、前述した塗り分け方式によって、2色以上の多色表示を行うことができる。
【0063】
また、基材フィルム上に電極又は有機層を含む転写層を形成したドナーフィルムを形成し、その後ドナーフィルムの基材フィルムに光パターンを照射して、ドナーフィルムから基板に有機層を転写するLITI(Laser-induced Thermal Imaging)法を利用した有機ELパネルの製造方法を用いてもよい。ホスト−ゲスト系を利用したドナーフィルムの成膜工程に利用することで成膜材料の有効利用、ゲスト材料の成膜レート制御を行うことができるなどの効果を得ることができる。
【0064】
以上説明した本発明の実施形態に係る成膜源,真空成膜装置,有機ELパネルの製造方法によると、成膜材料の混合を行うに際して成分割合の調整を容易に行うことができる。更には、成膜領域のずれを防いで、有機ELパネルの製造においては色ずれの問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】従来技術の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る真空成膜装置の成膜源を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る成膜源の放出領域を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る成膜源の放出領域を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る成膜源の放出領域を説明する説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る成膜源の他の形態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る成膜源における放出口の他の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る成膜源の形態例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る真空成膜装置の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係る真空成膜装置の他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る真空成膜装置を用いた有機ELパネルの製造方法の一例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法によって製造される有機ELパネルの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0066】
1 基板
1A 被成膜面
2 シャドーマスク
10 成膜源
11A,11B 材料収容部
12A,12B 加熱手段
13A,13B,23,23A,23B 放出口
14A,14A,14A,14B,14B,14B 放出流路
15 流通調整手段
16 検出口
1A,S1B,S2A,S2B 放出領域
30 真空成膜装置
31 真空成膜室
32,33 移動手段
40R,40G,40B 発光領域
41R,41G,41B 成膜領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることで生成する複数の成膜材料の原子流又は分子流を共通の被成膜面に向けて照射することで前記成膜材料を前記被成膜面上に成膜させる真空成膜装置の成膜源であって、
複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部と、
各材料収容部内の成膜材料を加熱する加熱手段と、
前記成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口と、
前記材料収容部と前記放出口とを気密に連通する放出流路とを備え、
同一成膜材料を放出する単数又は複数の前記放出口を一方向に延設し、該一方向に延設された放出口の外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域が平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うように、前記放出口を配置したことを特徴とする成膜源。
【請求項2】
前記放出流路には、前記成膜材料の原子流又は分子流の流れを調整する流通調整手段を設けることを特徴とする請求項1に記載された成膜源。
【請求項3】
前記放出領域は、成膜マスクの開口パターンに沿って形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載された成膜源。
【請求項4】
前記放出口は、第1の成膜材料を放出する開口を有する複数の第1の放出口と第2の成膜材料を放出する開口を有する複数の第2の放出口からなり、
前記第1の放出口の中心を連ねた直線と前記第2の放出口の中心を連ねた直線間の間隔を前記第1及び第2の放出口の外径の1/2の和より狭く設定することで、前記放出領域が平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された成膜源。
【請求項5】
複数の成膜材料を加熱して昇華又は蒸発させることで生成する複数の成膜材料の原子流又は分子流を共通の被成膜面に向けて照射することで前記成膜材料を前記被成膜面上に成膜させる成膜源を備えた真空成膜装置であって、
前記成膜源は、
複数の成膜材料をそれぞれ収容する複数の材料収容部と、
各材料収容部内の成膜材料を加熱する加熱手段と、
前記成膜材料の原子流又は分子流を成膜材料毎に放出する放出口と、
前記材料収容部と前記放出口とを気密に連通する放出流路とを備え、
同一成膜材料を放出する単数又は複数の前記放出口を一方向に延設し、該一方向に延設された放出口の外縁を直線で結んで形成される帯状の放出領域が平面的に少なくとも一部で互いに重なり合うように、前記放出口を配置したことを特徴とする真空成膜装置。
【請求項6】
前記被成膜面が形成される基板が配置される真空成膜室と、前記真空成膜室内で前記基板を前記成膜源に対して相対的に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載された真空成膜装置。
【請求項7】
前記移動手段は、前記放出領域の延びる方向に対して前記基板を垂直に移動させることを特徴とする請求項5に記載された真空成膜装置。
【請求項8】
前記移動手段は、前記放出領域の延びる方向に対して前記基板を回転させることを特徴とする請求項5に記載された真空成膜装置。
【請求項9】
一対の電極間に有機発光機能層を含む有機層が挟持された有機EL素子を基板上に形成してなる有機ELパネルの製造方法であって、
前記電極又は有機層を形成する少なくとも1種類の成膜材料を、請求項6〜8のいずれかに記載された真空成膜装置により前記基板上に成膜することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。
【請求項10】
前記有機発光機能層は、前記放出領域に沿った開口パターンを有する成膜マスクを介して発光色毎に塗り分けられることを特徴とする請求項9に記載された有機ELパネルの製造方法。
【請求項11】
一対の電極間に有機発光機能層を含む有機層が挟持された有機EL素子を基板上に形成してなる有機ELパネルの製造方法であって、
前記電極又は有機層を形成する少なくとも1種類の成膜材料を、請求項6〜8のいずれかに記載された真空成膜装置により基材フィルム上に成膜してドナーフィルムを形成する工程と、
該ドナーフィルムの前記基材フィルム上に光パターンを照射し、前記成膜材料を前記基板上に転写することで前記電極又は有機層のパターンを前記基板上に形成する工程とを有することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−57173(P2006−57173A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243298(P2004−243298)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】