説明

投射型映像表示装置

【課題】投射型映像表示装置に内蔵されたカメラにより設置状態に関係なく、所望の方向を撮像する事が出来る投射型映像表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】撮像手段は、前記投射方向と略同一の方向を撮像する第1のカメラと、前記投射方向と略直行する方向を撮像する第2のカメラと、で構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のカメラのいずれかを択一的に選択して作動させる選択手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は光源からの光を入力映像信号に基づき変調して、投射レンズを介して映像を投射するプロジェクタ等の投射型映像表示装置において、投射型映像表示装置の周囲状況も内蔵のカメラによって撮影し、映像配信可能な投射型映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投射型映像表示装置において、映像投射機能とカメラ機能を組み合わせた発明は特許文献1において知られている。
【0003】
特許文献1記載の図16は、プロジェクタ60の外観を示す斜視図である。プロジェクタ60は、本体701とカメラ台711から構成される。
【0004】
カメラ台711は、基台712、基台712に対して回動可能なように設けられた腕を形成する支持アーム713、アーム714及びカメラ取付部715、カメラ取付部715に設けられたビデオカメラ部716を持つ。
【0005】
基台712は、本体701のカメラ取付側面部703に取り付けられ、支持アーム713は、基台712に対して垂直を成す軸を中心として回動可能に取り付けられる。
【0006】
アーム714は、棒状の形を成し、その長手方向の一端が支持アーム713に対して回動可能に取り付けられる。
【0007】
カメラ取付部715は、支持アーム713と反対側のアーム714の他端に回動可能に取り付けられる。
【0008】
前記各々の回動部を動かすことにより、ビデオカメラ部716が適切な位置で撮像できる様に配置することが可能である
【特許文献1】特開2006−138972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
投射型映像表示装置は設置場所の多様化、ポータブル化に伴い小型軽量化が望まれるようになってきているが、上述の投射型映像表示装置では、本体外に基台712、アーム714、カメラ取付部715等の機構が必要な為、大型重量化する欠点があった。
【0010】
また小型化を図る為に本体へカメラを内蔵する構成も考えられるが、この構成であっても設置場所が机上若しくは床面や天吊状態等であったり、縦置きまたは横置きにする可能性が有り、設置状態に関係なく所望の方向をカメラで撮像することができなかった。
【0011】
本願発明は上記事情に鑑み、小型軽量化を図ることが出来ると共に、設置状態に関係なく、所望の方向をカメラにより撮像することが出来る投射型映像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する為の第1の手段は、光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して投射方向に映像を投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの映像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は、前記投射方向と略同一の方向を撮像する第1のカメラと、前記投射方向と略直行する方向を撮像する第2のカメラと、で構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のカメラのいずれかを択一的に選択して作動させる選択手段と、を備えることによるものである。
【0013】
第2の手段は、光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して投射方向に映像を投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された撮像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は、前記投射方向と略同一の方向を撮像する第1のカメラと、前記投射方向と略直行する方向を撮像する第2のカメラと、で構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のカメラからの撮像信号の一方を択一的に選択する選択手段と、を備えることによるものである。
【0014】
第3の手段は、光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して映像を投射方向に投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された撮像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は撮像方向が映像の投射方向と略同一の方向と該映像の投射方向と略直行する方向との間で変化するカメラで構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段を備え、該姿勢検出手段の出力に応じて前記撮像手段の撮像方向を変化させることである。
【0015】
また、姿勢検出結果に基づき、撮像信号による映像が180度回転するように映像変換される撮像映像補正手段を備えてもよい。
【0016】
また、姿勢検出結果に基づき、投射される映像が180度回転するように映像変換される投射映像補正手段を備えてもよい。
【0017】
また、前記撮像信号による映像が投射される映像に重畳表示させる重畳手段を備えてもよい。
【0018】
また、前記投射映像補正手段の出力による映像に撮像される映像を重畳表示させる重畳手段を備えてもよい。
【0019】
また、周囲の音を集音する為のマイクを備え、該マイクにより集音された音声データを撮像信号による映像と共に同期させて出力させてもよい。
【0020】
また、姿勢検出結果に基づいて前記カメラを予め決定されている方向へ撮像方向を自動で変化させる手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によればユーザーのニーズにより、机上若しくは床面や天吊等の設置場所、縦置き横置きの設置方向、のような設置状態が異なる状態においてもユーザーが所望する方向をカメラで撮像することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本願発明の第1実施形態を図1乃至図11を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は本願実施形態の3板式液晶光学エンジン1を示した図である。光源2における発光部は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等から成り、その照射光はパラボラリフレクタ3によって平行光となって出射され、インテグレータレンズ4へと導かれる。
【0024】
インテグレータレンズ4は一対のレンズ群(フライアイレンズ)4a、4bから構成されており、個々のレンズ部分が光源2から出射された光を後述する液晶ライトバルブの全面に導くようになっており、光源2において存在する部分的な輝度ムラを平均化し、画面中央と周辺部とでの光量差を低減する。インテグレータレンズ4を経た光は、偏光変換装置5、及び集光レンズ6を経た後、第1ダイクロイックミラー7へと導かれることになる。
【0025】
偏光変換装置5は、偏光ビームスプリッタアレイ(以下、PBSアレイと称する)によって構成されている。PBSアレイは、偏光分離膜と位相差板(1/2λ板)とを備える。PBSアレイの各偏光分離膜は、インテグレータレンズ4からの光のうち例えばP偏光を通過させ、S偏光を90度光路変更する。光路変更されたS偏光は隣接の偏光分離膜にて反射されてそのまま出射される。一方、偏光分離膜を透過したP偏光はその前側(光出射側)に設けてある前記位相差板によってS偏光に変換されて出射される。すなわち、この場合には、ほぼ全ての光はS偏光に変換されるようになっている。
【0026】
第1ダイクロイックミラー7は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー7を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー8にて反射されて光路を変更される。反射ミラー8にて反射された赤色光はレンズ9を経て赤色光用の透過型の液晶ライトバルブ31を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー7にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー10に導かれる。
【0027】
第2ダイクロイックミラー10は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー10にて反射した緑色波長帯域の光は、レンズ11を経て緑色光用の透過型の液晶ライトバルブ32に導かれ、これを透過することで光変調される。また、第2ダイクロイックミラー10を透過した青色波長帯域の光は、全反射ミラー12、全反射ミラー13、レンズ14を経て青色光用の透過型の液晶ライトバルブ33に導かれ、これを透過することで光変調される。
【0028】
各液晶ライトバルブ31、32、33は、入射側偏光板31a、32a、33aと、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部31b、32b、33bと、出射側偏光板31c、32c、33cと、を備えて成る。
【0029】
液晶ライトバルブ31、32、33を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、クロスダイクロイックプリズム15によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投射レンズ16によって拡大投射され、図示しないスクリーン上に表示される。
【0030】
図2は本願発明に係る投射型映像表示装置51で、前記光学エンジン1を収納する筐体40と、筐体40の前面に形成された投射窓41と、光学エンジン1から投射される映像の光路42を投射窓41を通して例えば床面43に到達させる為に投射レンズ16から拡大投射される映像を屈曲させる凹面反射鏡44と、を備えている。
【0031】
図3は、実際に本願発明の投射型映像表示装置51の設置例を示したものであり、投写方向が下方から上方へ投写するように向けて机上52に設置され、投射型映像表示装置51が投写する壁面58に近接している。投射型映像表示装置51は、投写方向と同一面側を撮像するカメラ53aと、投写方向と略直行する面を撮像するカメラ53bと、重力方向と傾きに応じて変化する方向との角度差を電気的に変換して検出が出来る為に投射型映像表示装置51の設置状態を検出可能なジャイロスコープに代表される姿勢検出手段61(図4参照)と、を備えている。また投射型映像表示装置51はネットワーク54により他のテレビ会議システム55またはサーバー等の他の受像装置に接続されており、カメラ53a、またはカメラ53bで撮像したデータや直接接続されたコンピューター57等からの映像信号を送信することができる。またネットワーク54を使用して投射型映像表示装置51が投写する映像信号の受信や直接接続されたコンピューター57等からの映像信号を入力することにより、投写レンズ16から壁面58へ映像投射が可能である。
【0032】
次に姿勢検出手段61に基づいて、撮像するカメラを選択する制御方法に関して図4のブロック図を用いて詳細に説明する。まず姿勢検出手段61により投写方向が下方から上方へ投写するように向けて机上設置された図3の状態と、投写方向が上方から下方へ投写するように向けて天吊設置された図5の状態と、投写方向を側面に向けて机上設置された図10の状態と、を検出し、姿勢検出結果を制御部62に伝送する。
【0033】
制御部62は、前記姿勢検出結果に基づき、カメラ53aまたはカメラ53bのどちらかを作動させる命令を行い、後述する処理部63a、63bへは前記姿勢検出結果を伝送する。
【0034】
制御部62により作動したカメラ53aまたはカメラ53bで撮像された映像は、デジタル化され、撮像映像信号として記憶部64aへ順次伝送される。
【0035】
コンピューター57から伝送される投写映像は、同様にデジタル化され、投射映像信号として記憶部64bへ順次伝送される。
【0036】
処理部63aは、順次記憶された記憶部64aの撮像映像信号を読み出し、前記姿勢検出結果に基づき最適な映像となるように処理を行い、ネットワーク54へ伝送する。
【0037】
処理部63bは、順次記憶された記憶部64bの投射映像信号を読み出し、前記姿勢検出結果に基づき最適な映像となるように処理を行い、光学エンジン1へ伝送する。
【0038】
また、ユーザーからの投射映像に撮像映像を重畳させる命令があった場合、処理部63a、63bは、夫々投射映像信号と撮像映像信号を合成部65へ伝送させる。
【0039】
合成部65は投射映像信号に撮像映像信号を重畳させ、その重畳映像信号を光学エンジン1へ伝送することにより、重畳映像を投射することが可能となる。(図11参照)
尚、投射映像を記憶部64bへ伝送するものであれば、コンピューター57に代えてネットワーク54等でも良いものとする。
【0040】
例えば図3の設置状態の時、ジャイロスコープによって、投写方向が下方から上方へ投写するように向けた設置状態を検知すると、2つ具備しているカメラ53a、53bから投写方向と略直行する面を撮像するカメラ53bを選択する。
【0041】
カメラ53bが人物56を撮像した場合に処理部63aは、映像を受像する視聴者が正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64aに順次記憶された撮像映像信号を順次読み出しをする。また処理部63bは、壁面58に投写する映像を人物56によって正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64bに順次記憶された投射映像信号を順次読み出しする。
【0042】
図5は投射型映像表示装置51の設置場所が前記図3の設置例と異なり、投写方向が上方から下方へ投写するように向けて天吊設置し、投射型映像表示装置51が投写する壁面58に近接している。尚、投射型映像表示装置51が具備している構成は前記図3と同じ構成である為に全てを図5には図示せず、省略している。
【0043】
例えば本設置状態の時、ジャイロスコープによって、投写方向が上方から下方へ投写するように向けた設置状態を検知すると、2つ具備しているカメラ53a、53bから投写方向と略直行する方向を撮像するカメラ53bを選択する。しかし本設置状態は投写方向が下方から上方へ投写するように向けた前記図3の設置状態とは異なる為に前記図3と同様にカメラ53bによって撮像する上下左右方向も図7の様に正しい映像から180度回転された映像として撮像されてしまう。同様に映像の上下左右方向を変えずに投写すると人物56からは図6の様に正しい映像から180度回転した映像として投写されてしまう。
【0044】
本設置状態の時は前記投写方向が下方から上方へ投写するように向けた前記図3の設置状態とは異なり、カメラ53bが人物56を撮像した場合に処理部63aは、映像を受像する視聴者が正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64aに順次記憶された撮像映像信号を逆に読み出す。処理部63bは、壁面58に投写する映像を人物56によって正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64bに順次記憶された投射映像信号を逆に読み出す。
【0045】
従って、投写映像は図8のように、撮像映像は図9のように、180度回転させた映像へ変換させることができる。
【0046】
図10は投射型映像表示装置51の設置場所が前記設置例と異なり、投写方向を側面に向けて机上67に設置されている。尚、投射型映像表示装置51が具備している構成は前記図3と同じ構成である為に全てを図10には図示せず、省略している。
【0047】
例えば本設置状態の時、ジャイロスコープによって、投写方向を側面に向けた設置状態を検知すると、2つ具備しているカメラ53a、53bから投写方向と同一面側を撮像するカメラ53aを選択する。
【0048】
カメラ53aによって取り込む撮像方向を前記投写方向が下方から上方へ投写するように向けた図3の設置状態と同様に人物56を正しく認識できる上下左右方向で撮像すれば良いが、映像の上下左右方向を変えずに投写すると人物56からは図6の様に正しい映像から180度回転した映像として投写されてしまう。
【0049】
本設置状態の時は、投写方向が下方から上方へ投写するように向けた前記図3の設置状態とは異なり、カメラ53aが人物56を撮像した場合に処理部63aは、映像を受像する視聴者が正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64aに順次記憶された撮像映像信号を順次読み出す。処理部63bは、壁面58に投写する映像を人物56によって正しく認識できる上下左右方向となるように、記憶部64bに順次記憶された投射映像信号を逆に読み出す。
【0050】
従って、本設置状態の時は、投射方向が下方から上方へ投写するように向けた前記図3の設置状態とは異なり、投射映像だけを180度回転させ、図8となるように映像変換させる。
【0051】
但し、本設置状態において例に挙げたように人物56は、図10の様に視聴しているが、投射型映像表示装置51の投写方向に人物56が必ず居るとは限らず、投射型映像表示装置51の投写方向と逆方向から視聴する可能性もある為、手動で投写映像を180度回転させても良いものとする。
【0052】
また撮像する為のカメラは撮像する方向が投写方向と投写方向と略直行する方向であれば具備している2つのカメラは投射型映像表示装置51のどの面に配置してあっても良いものとする。投写映像にカメラ53aまたはカメラ53bで例えば人物56のような周囲状況を撮像して映像を重畳させて図11の様に例えば人物56が確認できるようにしても良いものとする。姿勢検出手段61としてジャイロスコープを用いたが投射型映像表示装置51の設置状態を検出することが可能なシステムであれば、押しボタン式スイッチ、設置状態によって内部の温度上昇部位が気流の流れの違いで異なることを利用した温度センサー、撮像するカメラを用いた画像認識、等を使用しても良いものとする。ネットワーク54より通信するデータは映像データを代表例として取り上げたが図示しないマイクによって集音された音声データを映像データと同期させ、ネットワーク54を介して共に送信しても良いものとする。
【0053】
この構成であれば、投射型映像表示装置を頻繁に持ち運びする必要があって、設置場所を固定できない使用形態であってもユーザーが所望する方向をカメラで撮像することができ、且つユーザーが使用する上で投写映像と撮像映像の上下左右方向を正しい方向へ切り替えることが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態は、姿勢検出結果に基づき、カメラ53aまたはカメラ53bのどちらかを選択し作動させたが、第2実施形態では、カメラ53a及びカメラ53bで撮像した映像信号のどちらか一方を選択している。
【0054】
図12は、姿勢検出手段61に基づいて、カメラ53a及びカメラ53bが撮像している映像の一方を選択する制御方法に関して示したブロック図である。尚、構成に関しては第1実施形態と同一であるため、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
カメラ53a、53bは、予め作動させており、夫々の撮像映像信号は選択部76へ伝送させる。
【0056】
選択部76は、制御部62から伝送される姿勢検出結果に基づいて記憶部64aへ伝送する撮像映像信号を選択する。
【0057】
この構成であれば、前記第1実施形態の効果を奏すると共に、カメラ53a、53bを予め作動させている為、ユーザーが投射型映像表示装置51の設置方法を急に変更した場合でもカメラ53aまたはカメラ53bを起動する時間を省くことが可能で、所望の撮像する範囲を速く決定することが出来る。
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、投射型映像表示装置51に2つのカメラ53a、53bを具備させたが、図13に示すように第3実施形態では2つのカメラ53a、53bの代わりに映像の投射方向と該映像の投射方向と略直行する方向との間を回動可能なカメラ68を具備させている。
【0058】
尚、第1実施形態と同一部分に付いては同一符号を付して説明を省略し、投射型映像表示装置51が具備している構成は前記図3と同じ構成である為に全てを図13には図示せず、省略している。
【0059】
図14は、回動可能なカメラ68の詳細説明をする為、概念図として示した図である。周囲状況を撮像する為の回動可能なカメラ68は、筐体40の内壁面に回転自在に軸支された主軸82によって中心が支えられている取付台83の端部に固定されている。
【0060】
主軸82には、取付台83と同様に歯車84aの中心が固定されており、主軸82を回動させることにより取付台83と歯車84aは主軸82と一体に回転する。
【0061】
歯車84aにはモーター部85の動力が伝達される歯車84bが噛み合わされており、姿勢検出結果に基づき、制御部62がモーター部85を駆動させる。
【0062】
また、姿勢検出結果に基づき、自動で回動させる際の撮像範囲は、前記第1実施例で選択したカメラ53a、53bの撮像範囲と同一であり、回動可能なカメラ68は、投写方向が下方から上方へ投写するように向けて机上設置された状態と、投写方向が上方から下方へ投写するように向けて天吊設置された状態とでは、前記カメラ53bと同位置へ自動で回動し、投写方向を側面に向けて机上設置された状態では、前記カメラ53aと同位置へ自動で回動する。
【0063】
図15は、回動可能なカメラ68の制御方法に関するブロック図である。図4と同様に姿勢検出手段61から伝送された姿勢検出結果に基づき、制御部62はモーター部85へ駆動の有無と駆動の方向を指示し、処理部63a、63bへは前記姿勢検出結果を伝送する。
【0064】
モーター部85は、正回転、逆回転が可能であり、回転することにより回動可能なカメラ68へ回動力を伝達することが出来る。
【0065】
回動可能なカメラ68は、撮像した撮像映像をデジタル化し、撮像映像信号として記憶部64aへ順次伝送する。
【0066】
尚、これ以降の図15におけるブロック図の説明は図4と同一である為、同一部分には同一符号を付して、説明を省略する。
【0067】
また回動可能なカメラ68は手動で動かしても良いものとし、回動可能なカメラ68の停止位置は機械的なストッパーを使用しても、フォトインタラプターやフォトリフレクター等の光センサーを使用しても良いものとする。。
【0068】
この構成にすることによって、カメラを2台組み込むことが無くなる為に、部品点数の削減と小型化を行うことができ、且つ固定カメラではなし得なかったカメラの撮像方向を回動させることによって撮像範囲を微調整することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態における投射型映像表示装置の光学エンジン構成図
【図2】第1実施形態における凹面反射鏡を使用した投射型映像表示装置
【図3】第1実施形態における投射型映像表示装置を投写方向が下方から上方へ投写するように向けて机上設置した概念図
【図4】第1実施形態における映像データ補正を示すブロック図
【図5】第1実施形態における投射型映像表示装置を投写方向が上方から下方へ投写するように向けて天吊設置した概念図
【図6】180度回転させた投写映像
【図7】180度回転させたカメラ撮像映像
【図8】正しく表示された投射映像
【図9】正しく表示されたカメラ撮像映像
【図10】第1実施形態における投射型映像表示装置を投写方向が側面となるように机上設置した概念図
【図11】投写映像にカメラ撮像映像を入れ込んだ映像
【図12】第2実施形態における映像データ補正を示すブロック図
【図13】第3実施形態における回動可能なカメラを具備した投射型映像表示装置
【図14】第3実施形態における回動可能なカメラの詳細概念図
【図15】第3実施形態における映像データ補正を示す回動可能なカメラを具えた時のブロック図
【図16】従来技術のプロジェクタの斜視図
【符号の説明】
【0070】
1 光学エンジン(光学系)
2 光源
16 投写レンズ
51 投射型映像表示装置
53a 映像の投写方向と同一方向のカメラ(第1のカメラ)
53b 映像の投写方向と略直行する方向のカメラ(第2のカメラ)
61 姿勢検出手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して投射方向に映像を投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの映像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は、前記投射方向と略同一の方向を撮像する第1のカメラと、前記投射方向と略直行する方向を撮像する第2のカメラと、で構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のカメラのいずれかを択一的に選択して作動させる選択手段と、を備えることを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項2】
光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して投射方向に映像を投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、該撮像手段により撮像された撮像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は、前記投射方向と略同一の方向を撮像する第1のカメラと、前記投射方向と略直行する方向を撮像する第2のカメラと、で構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段の検出結果に基づいて前記第1及び第2のカメラからの撮像信号の一方を択一的に選択する選択手段と、を備えることを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項3】
光源からの光を入力映像信号に基づき変調し、投射レンズを介して映像を投射方向に投射する光学系と、周囲状況を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された撮像信号を出力する出力手段と、を備えた投射型映像表示装置において、前記撮像手段は撮像方向が映像の投射方向と略同一の方向と該映像の投射方向と略直行する方向との間で変化するカメラで構成されると共に、前記投射型映像表示装置の設置状態を検出する姿勢検出手段を備え、該姿勢検出手段の出力に応じて前記撮像手段の撮像方向を変化させることを特徴とする投射型映像表示装置。
【請求項4】
姿勢検出結果に基づき、撮像信号による映像が180度回転するように映像変換される撮像映像補正手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の投射型映像表示装置。
【請求項5】
姿勢検出結果に基づき、投射される映像が180度回転するように映像変換される投射映像補正手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の投射型映像表示装置。
【請求項6】
前記撮像信号による映像が投射される映像に重畳表示させる重畳手段を備える請求項1乃至請求項3記載の投射型映像表示装置。
【請求項7】
前記撮像映像補正手段の出力による映像が投射される映像に重畳表示させる重畳手段を備える請求項4記載の投射型映像表示装置
【請求項8】
前記投射映像補正手段の出力による映像に撮像される映像を重畳表示させる重畳手段を備える請求項5記載の投射型映像表示装置。
【請求項9】
周囲の音を集音する為のマイクを備え、該マイクにより集音された音声データを撮像信号による映像と共に同期させて出力することを特徴とする請求項1乃至請求項8記載の投射型映像表示装置。
【請求項10】
姿勢検出結果に基づいて前記カメラを予め決定されている方向へ撮像方向を自動で変化させる手段を備えることを特徴とする請求項3記載の投射型映像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−206726(P2009−206726A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46058(P2008−46058)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】