説明

抗ウイルス剤としての大環状化合物

本発明は式(I)(式中、W、n、R、R、R、R、R、M、Z、A環及びB環は本明細書中に定義する通りである。)の大環状化合物とその医薬的に許容可能な塩、これらを含有する医薬組成物、及びC型肝炎ウイルス感染の治療又は予防用としてのその使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はC型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害剤として有用な大環状化合物、その合成及びHCV感染の治療又は予防用としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染は肝硬変や肝細胞癌等の慢性肝疾患をもたらす重大な健康上の問題であり、感染者は相当数に及び、世界人口の2〜15%と推定される。世界保健機構によると、全世界の感染者数は1億7千万人を上回り、年間少なくとも300万人〜400万人が感染している。一旦感染すると、感染者の約20%からウイルスは消えるが、残りの感染者は終生HCVを保有し続ける。慢性感染者の10〜20%は肝臓を破壊する肝硬変又は癌を最終的に発症する。このウイルス性疾患は汚染した血液及び血液製剤、汚染した針により非経口感染し、あるいは性的感染や、感染母体又はキャリヤー母体からその子孫へと垂直感染する。
【0003】
HCV感染の現行治療法は組換えインターフェロンαの単独使用又はヌクレオシドアナログリバビリンとの併用による免疫療法に限られており、臨床効果も限られている。更に、HCVのワクチンは確立されていない。従って、慢性HCV感染を有効に抑制する改良型治療剤が緊急に必要とされている。
【0004】
治療介入の推定ターゲットとしてはウイルスによりコードされる数種の酵素があり、メタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)、及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)が挙げられる。NS3プロテアーゼはNS3蛋白のN末端ドメインに位置しており、NS3/4A部位の分子内開裂とNS4A/4B、NS4B/5A及びNS5A/5B境界の下流分子間プロセシングに関与しているので主要薬剤ターゲットとみなされている。従来の研究によると、各種程度のNS3プロテアーゼ阻害活性を示すペプチド類が同定されており、米国特許出願US2005/0020503、US2004/0229818及びUS2004/00229776に記載されているヘキサペプチドやトリペプチドが挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はHCV NS3プロテアーゼに対する活性を示す他の化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、1側面では、式(I)
【0007】
【化8】

[式中、
nは0、1又は2であり;
はCO、CONRSO、CONRSON(R又はテトラゾリルであり;
はC2−6アルキレン−Rであり;
は水素であり;または
とRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたC3−6シクロアルキル基を形成し;
はC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル又はシクロアルキルは場合により1〜3個のハロで置換されており;
はC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリール又は(CH0−3Hetであり、場合によりハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)R又はCON(Rで置換されており;
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリール又はヘテロアリールであり、場合により1〜8個のハロ又はC1−4アルキルで置換されており;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル又はC3−8シクロアルキルであり;
各Wは独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリール又はヘテロアリールであり;
Zは結合又はC=Oであり;
Mは場合によりC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル又は(CH0−3アリールで置換され、場合により1個のO又はS原子を含むC2−12アルキレン又はC2−12アルケニレンであり;
A環はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む8〜10員縮合二環式複素環系であり;
B環はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むC結合5又は6員複素芳香環である。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0008】
本発明の1態様において、nは0又は1である。nは0が好ましい。
【0009】
別の態様では、RはCONRSO又はCONRSON(Rであり、ここでRは上記に定義した通りである。RはCONRSOが好ましく、ここでRは上記に定義した通りである。RはCONHSOがより好ましく、ここでRは上記に定義した通りである。特に、RはCONHSO−C3−8シクロアルキルである。より特定的には、RはCONHSO−C3−6シクロアルキルである。最も特定的には、RはCONHSO−シクロプロピルである。
【0010】
別の態様では、RはC2−5アルキレン−Rであり、ここでRは上記に定義した通りである。RはC2−4アルキレン−Rが好ましく、ここでRは場合により1〜3個のハロで置換されたC1−6アルキルである。RはC2−3アルキレン−Rがより好ましく、ここでRは場合により1〜3個のフルオロ又はクロロで置換されたC1−4アルキルである。Rはエチレン−Rが最も好ましく、ここでRは場合により1〜3個のフルオロで置換されたC1−2アルキルである。特に、Rはエチレン−Rであり、ここでRはジフルオロメチル又はトリフルオロメチルである。
【0011】
別の態様では、RとRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたC3−5シクロアルキル基を形成し、ここでRはC1−6アルキル又はC2−6アルケニルである。RとRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりC1−4アルキル又はC2−4アルケニルで置換されたC3−4シクロアルキル基を形成することが好ましい。RとRはこれらが結合している炭素原子と共に、−CH=CHで置換されたシクロプロピル基を形成することがより好ましい。
【0012】
別の態様では、Rは場合によりハロ、OR又はC1−6アルキルで置換されたC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルであり、ここでRは上記に定義した通りである。RはC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルが好ましい。RはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルがより好ましい。RはC3−4アルキル又はC5−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、Rプロピル、ブチル、ブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0013】
別の態様では、Rは水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールである。Rは水素、ヨード、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はフェニルが好ましい。Rは水素、ヨード、エチル、メトキシ又はフェニルが最も好ましい。
【0014】
別の態様では、各Wは独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO又はCON(Rであり、ここでRは上記に定義した通りである。各Wは独立してハロ、OC1−6アルキル、CN、NO又はCFであることが好ましい。各Wは独立してOC1−4アルキルであることがより好ましい。Wはメトキシが最も好ましい。
【0015】
別の態様では、Aがピリジニルであるとき、Zは結合である。
【0016】
別の態様では、Aがピロリジニルてあるとき、ZはC=Oである。Zはピロリジニル部分の窒素原子に結合していることが好ましい。
【0017】
別の態様では、Mは場合によりC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルで置換され、場合により1個のO原子を含むC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンである。Mは場合によりC1−4アルキルで置換され、場合により1個のO原子を含むC3−6アルキレン又はC3−6アルケニレンが好ましい。Mは場合によりC1−2アルキルで置換され、場合により1個のO原子を含むC4−5アルキレン又はC4−5アルケニレンがより好ましい。適切なM基の例としてはブチレン、ペンチレン、
【0018】
【化9】

が挙げられる。
【0019】
別の態様では、AはN及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む9又は10員縮合二環式複素環系である。Aは1又は2個のN原子を含む9又は10員縮合二環式複素環系が好ましい。Aはキノリニル、イソキノリニル、イソインドリル又はイミダゾ[1,2−α]−ピリジニルがより好ましい。
【0020】
別の態様では、BはN、O及びSから選択される2又は3個のヘテロ原子を含むC結合5員複素芳香環である。Bはオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル又はオキサジアゾリルが好ましい。Bはチアゾリル又は1,3,4−オキサジアゾリルがより好ましい。
【0021】
本発明の別の態様では、式(Ia)
【0022】
【化10】

[式中、R、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0023】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0024】
はC2−6アルケニルが好ましい。Rは−CH=CHがより好ましい。
【0025】
はC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルが好ましい。RはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルがより好ましい。RはC2−4アルキル又は5−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、Rプロピル、ブチル、ブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0026】
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールが好ましい。Rは水素、C1−6アルキル又はC3−8シクロアルキルがより好ましい。Rは水素が最も好ましい。
【0027】
Mは場合によりC1−6アルキルで置換されたC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンが好ましい。Mは場合によりC1−4アルキルで置換されたC3−6アルキレン又はC3−6アルケニレンがより好ましい。Mは場合によりC1−2アルキルで置換されたC4−5アルキレン又はC4−5アルケニレンが最も好ましい。特に、Mはブチレン、ペンチレン、
【0028】
【化11】

である。
【0029】
本発明の別の態様では、式(Ib)
【0030】
【化12】

[式中、R、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0031】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0032】
はC2−6アルケニルが好ましい。Rは−CH=CHがより好ましい。
【0033】
はC1−6アルキルが好ましい。RはC3−4アルキルがより好ましい。Rプロピルが最も好ましい。
【0034】
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールが好ましい。Rは水素、C1−6アルキル又はアリールがより好ましい。Rは水素又はフェニルが最も好ましい。特に、Rはフェニルである。
【0035】
が水素以外のものであるときには、ピリジル部の2位に結合していることが好ましい。
【0036】
MはC2−12アルキレン又はC2−12アルケニレンが好ましい。MはC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンがより好ましい。MはC2−8アルキレンが最も好ましい。特に、MはC3−6アルキレンである。より特定的にはMはブチレンである。
【0037】
本発明の別の態様では、式(Ic)
【0038】
【化13】

[式中、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0039】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0040】
はC1−4アルキル又はC2−4アルケニルが好ましい。RはC1−2アルキル又は−CH=CHがより好ましい。Rはエチル又は−CH=CH最も好ましい。
【0041】
はC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルが好ましい。RはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルがより好ましい。RはC3−4アルキル又はC5−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、Rプロピル、ブチル、ブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0042】
Mは場合によりC1−6アルキルで置換され、場合によりO原子を含むC2−12アルキレン又はC2−12アルケニレンが好ましい。Mは場合によりC1−4アルキルで置換され、場合によりO原子を含むC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンがより好ましい。Mは場合によりC1−2アルキルで置換され、場合によりO原子を含むC3−6アルキレン又はC3−6アルケニレンが最も好ましい。特に、Mは場合によりメチルでで置換され、場合によりO原子を含むC4−5アルキレン又はC4−5アルケニレンである。より特定的にはMはペンチレン、
【0043】
【化14】

である。
【0044】
本発明の別の態様では、式(Id)
【0045】
【化15】

[式中、R、R、R、R、Z、M及びAは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0046】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0047】
はC2−6アルケニルが好ましい。Rは−CH=CHがより好ましい。
【0048】
はC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルが好ましい。RはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルがより好ましい。RはC3−4アルキル又はC5−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、Rプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0049】
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールが好ましい。Rは水素、C1−6アルキル又はハロがより好ましい。Rは水素、エチル又はヨードが最も好ましい。
【0050】
が水素以外のものであるとき、Aはピリジニルが好ましい。
【0051】
MはC2−12アルキレン又はC2−12アルケニレンが好ましい。MはC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンがより好ましい。MはC3−6アルキレン又はC3−6アルケニレンが最も好ましい。特に、MはC4−5アルキレン又はC4−5アルケニレンである。より特定的には、Mはブチレン、ペンチレン又は
【0052】
【化16】

である。
【0053】
AはN及びOから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む9又は10員縮合二環式複素環系が好ましい。Aは1個のN原子を含む9又は10員縮合二環式複素環系がより好ましい。Aはキノリル、イソキノリル又はイソインドリルが最も好ましい。
【0054】
本発明の別の態様では、式(Ie)
【0055】
【化17】

[式中、R、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0056】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0057】
はC2−4アルキレン−Rであり、Rは水素であることが好ましく、ここでRは場合により1〜3個のハロで置換されたC1−6アルキルである。Rはエチレン−Rであり、Rは水素であることがより好ましく、ここでRは場合により1〜3個のフルオロで置換されたC1−4アルキルである。R基の適切な例としてはジフルオロメチルとトリフルオロメチルが挙げられる。
【0058】
とRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたC3−4シクロアルキル基を形成することが好ましく、ここでRはC1−6アルキル又はC2−6アルケニルである。RとRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたシクロプロピル基を形成することが好ましく、ここでRはC1−4アルキル又はC2−4アルケニルである。適切なR基の例としてはメチル、エチル及びエテニルが挙げられる。
【0059】
本発明の別の態様では、式(If)
【0060】
【化18】

[式中、R、R、R、R、M及びWは式(I)について定義した通りであり;
YがCHであるとき、XはNであり;
YがNであるとき、XはCHである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩が提供される。
【0061】
はC(O)NRSOが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSOがより好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、RはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0062】
はC2−6アルケニルが好ましい。Rは−CH=CHがより好ましい。
【0063】
はC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルが好ましい。RはC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルがより好ましい。RはC2−4アルキル又は5−6シクロアルキルが最も好ましい。特に、Rプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0064】
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールが好ましい。Rは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ又はアリールがより好ましい。Rは水素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ又はフェニルが最も好ましい。特に、Rは水素、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ又はフェニルである。より特定的には、Rは水素、エチル、メトキシ又はフェニルである。
【0065】
Mは場合によりC1−6アルキルで置換されたC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンが好ましい。Mは場合によりC1−4アルキルで置換されたC3−6アルキレン又はC3−6アルケニレンがより好ましい。Mは場合によりC1−2アルキルで置換されたC4−5アルキレン又はC4−5アルケニレンが最も好ましい。特に、Mはブチレン、
【0066】
【化19】

である。
【0067】
Wはハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO又はCON(Rが好ましく、ここでRは式(I)について定義した通りである。Wはフルオロ、クロロ、OC1−6アルキル、CN、NO又はCFがより好ましい。Wはフルオロ、クロロ又はOC1−4アルキルが最も好ましい。特に、Wはメトキシである。
【0068】
いずれかの変項が式(I)又はいずれかの置換基に2回以上出現する場合には、出現毎のその定義は他の全出現時のその定義から独立している。
【0069】
本明細書で基又は基の部分として使用する「アルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のいずれもの直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。従って、例えば、「C1−6アルキル」とは全ヘキシルアルキル及びペンチルアルキル異性体と、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。別の例として、「C1−4アルキル」とはn−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0070】
「アルコキシ」なる用語は酸素橋を介して結合した指定範囲の炭素原子数のいずれもの直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。適切なアルコキシ基の例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ及びt−ブトキシが挙げられる。
【0071】
基又は基の部分としての「アルケニル」なる用語は鎖の任意の点に存在しすることができる少なくとも1個の二重結合を含む指定範囲の炭素原子数のいずれもの直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。適用可能な場合には、E体とZ体の両者を含む。適切なアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、ブテニル及びペンテニルが挙げられる。
【0072】
「シクロアルキル」なる用語は指定範囲の炭素原子数のいずれもの環状アルキル環を意味する。適切なシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0073】
基又は基の部分としての「アルキレン」及び「アルケニレン」なる用語は2価である場合、即ち2個の原子で結合している場合の夫々「アルキル」及び「アルケニル」基を意味する。
【0074】
「ハロゲン」又は「ハロ」なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する(あるいは夫々フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードとも言う)。
【0075】
基又は基の部分としての「アリール」なる用語は炭素環式芳香環を意味する。適切なアリール基の例としては、フェニルとナフチルが挙げられる。
【0076】
基又は基の部分としての「Het」なる用語はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜7員飽和又は不飽和非芳香環を意味する。
【0077】
基又は基の部分としての「ヘテロアリール」なる用語はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員複素芳香環系を意味する。このような基の例としてはピロリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリル及びイソキノリルが挙げられる。
【0078】
特に指定しない限り、本明細書に記載する全範囲は両端を含む。例えば、ヘテロアリール環が「1〜3個のヘテロ原子」を含むと言う場合には、この環が1、2、又は3個のヘテロ原子を含む可能性があることを意味する。
【0079】
化合物又は基が「場合により置換」と言う場合には、1個以上の置換基が存在し得る。更に、場合により存在する置換基はこれらの基が置換する化合物又は基と各種方法で結合することができ、直接結合してもよいし、アミン、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホンアミド、スルファミド、スルホキシド、尿素、チオ尿素及びウレタン等の結合基を介して結合してもよい。適宜、場合により存在する置換基はそれ自体別の置換基で置換されていてもよく、別の置換基は前者置換基と直接結合していてもよいし、上記のもの等の結合基を介して結合していてもよい。
【0080】
本発明の範囲内の特定化合物としては、後記実施例及び表に列挙するものとそれらの医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0081】
医薬用では、式(I)の化合物の塩は医薬的に許容可能な非毒性塩となる。しかし、本発明の化合物又はその医薬的に許容可能な非毒性塩の製造で他の塩が必要となる場合もある。本発明の化合物の適切な医薬的に許容可能な塩としては、例えば本発明の化合物の溶液を塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、琥珀酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸又は硫酸等の医薬的に許容可能な酸の溶液と混合することにより形成することができる酸付加塩が挙げられる。アミン基の塩としては、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニル又はアルアルキル部分等の適切な有機基をもつ第4級アンモニウム塩が挙げられる。更に、本発明の化合物が酸部分をもつ場合には、適切なその医薬的に許容可能な塩としてはアルカリ金属塩(例えばナトリウム又はカリウム塩)及びアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム又はマグネシウム塩)等の金属塩が挙げられる。
【0082】
塩は塩が不溶性の溶媒もしくは媒体中、又は減圧もしくは凍結乾燥により除去される水等の溶媒中で遊離塩基形態の生成物を1当量以上の適切な酸と反応させる方法や、既存塩のアニオンを適切なイオン交換樹脂上の別のアニオンに交換する等の慣用手段により形成することができる。
【0083】
本発明は上記式(I)の化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。一般に、このようなプロドラッグは式(I)の必要な化合物に容易にインビボ変換可能な式(I)の化合物の機能的誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の慣用選択及び製造方法は例えば“Design of Prodrugs,”H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載されている。
【0084】
プロドラッグとしては生物活性物質(「親薬剤」ないし「親分子」)の薬理的に不活性な誘導体であり、活性薬剤を放出するために生体内での変換を必要とし、親薬剤分子よりも送達特性を改良したものが挙げられる。生体内変換としては例えばカルボン酸、リン酸又は硫酸エステルの化学的又は酵素加水分解や、感受性官能基の還元又は酸化等の所定の代謝プロセスの結果として生じるものが挙げられる。
【0085】
本発明は式(I)の化合物及びその塩の溶媒物、例えば水和物をその範囲内に含む。
【0086】
本発明は式(I)の化合物のいずれものエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体及び互変異性体もその範囲内に含む。当然のことながら、このような全異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0087】
本発明の好ましい化合物は式(Ig)
【0088】
【化20】

に示すような立体配置をとる。
【0089】
本発明は更に治療用としての式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0090】
別の側面では、本発明はヒト又は動物におけるC型肝炎ウイルス感染の治療又は予防用医薬の製造用としての上記定義による式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0091】
本発明の別の側面は医薬的に許容可能なキャリヤーと共に上記定義による式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含有する医薬組成物を提供する。組成物は所期投与方法に応じて適切ないずれもの形態とすることができる。例えば、経口投与用として錠剤、カプセル剤もしくは液剤、又は非経口投与用として溶液剤もしくは懸濁液剤が挙げられる。
【0092】
医薬組成物は場合により更に抗ウイルス剤や免疫調節剤(例えばα−、β−又はγ−インターフェロン)等の1種以上の他のウイルス感染治療剤を含有する。
【0093】
別の側面では、本発明はC型肝炎ウイルスプロテアーゼの阻害方法及び/又はC型肝炎ウイルスに起因する疾患の治療もしくは予防方法として、前記症状をもつヒト又は動物(好ましくは哺乳動物)対象に治療又は予防有効量の上記医薬組成物又は上記定義による式(I)の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。「有効量」とは対象に効果を生じるか又は少なくとも対象の症状に変化を生じるために十分な量を意味する。
【0094】
本明細書で使用する「対象」(あるいは本明細書では「患者」とも言う)なる用語は治療、観察又は実験の対象とした動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0095】
化合物の投与用量は使用する特定化合物の活性、前記化合物の代謝安定性と作用時間、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与方式及び時間、排泄速度、薬剤併用、特定症状の重篤度並びに宿主の施療中の治療等の各種因子により異なる。適切な用量レベルは0.02〜5又は10g/日程度とすることができ、経口用量は2〜5倍とする。例えば、患者体重1kg当たり化合物10〜50mgを1日1〜3回投与すると適切であると思われる。適切な数値は日常的試験により選択可能である。化合物は単独投与してもよいし、他の治療薬と同時又は順次併用投与してもよい。例えば、当業者に公知の有効量の抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染剤又はワクチンと併用投与することができる。また、経口、静脈内、皮膚及び皮下等の適切な任意経路で投与することができる。更に、適切な部位に直接投与してもよいし、特定部位(例えば所定型の細胞)を標的とする方法で投与してもよい。適切な標的方法は既に知られている。
【0096】
本発明の別の側面は医薬組成物の製造方法として、上記定義による式(I)の少なくとも1種の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を1種以上の医薬的に許容可能なアジュバント、希釈剤もしくはキャリヤー及び/又は1種以上の他の治療もしくは予防活性剤と混合する段階を含む方法を提供する。
【0097】
上述のように、本発明は更に本発明の化合物と1種以上の治療剤の併用によるHCV NS3プロテアーゼの阻害方法、HCV複製の阻害方法、又はHCV感染の予防もしくは治療方法と、本発明の化合物に加えてHCV抗ウイルス剤、免疫調節剤及び抗感染剤から構成される群から選択される1種以上の治療剤を含有する医薬組成物にも関する。HCVに対して活性なこのような治療剤としては、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα−1、インターフェロン−β、インターフェロン−α、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンの併用剤、ペグインターフェロン−αとリバビリンの併用剤、インターフェロン−αとレボビリンの併用剤、及びペグインターフェロン−αとレボビリンの併用剤が挙げられる。インターフェロン−αとしては、組換えインターフェロン−α2a(例えばHoffmann−LaRoche,Nutley,NJから市販されているRoferonインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2a(Pegasys(登録商標))、インターフェロン−α2b(例えばSchering Corp.,Kenilworth,NJから市販されているIntron−Aインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2b(PegIntron(登録商標))、組換えコンセンサスインターフェロン(例えばインターフェロンαcon−1)、及び精製インターフェロン−α製剤が挙げられる。Amgen社から商品名Infergen(登録商標)で市販されている組換えコンセンサスインターフェロンも挙げられる。レボビリンはリバビリンのLエナンチオマーであり、リバビリンと類似の免疫調節活性を示している。ビラミジンはWO01/60379(ICN Pharmaceuticals)に開示されているリバビリンアナログである。本発明の方法によると、併用剤の個々の成分は治療期間中の異なる時点で別々に投与してもよいし、併用剤を分割するか又は単剤として同時に投与してもよい。
【0098】
HCV感染の治療には、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤である物質と本発明の化合物を併用投与してもよい。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤はWO98/22496、WO98/46630、WO99/07733、WO99/07734、WO99/38888、WO99/50230、WO99/64442、WO00/09543、WO00/59929、GB−2337262、WO02/48116、WO02/48172、及び米国特許第6,323,180号に開示されている。
【0099】
リバビリン、レボビリン及びビラミジンは細胞内酵素イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害を介してグアニンヌクレオチドの細胞内プールを調節することによりその抗HCV効果を発揮すると思われる。従って、IMPDHの阻害はHCV複製の阻害剤の発見に有用な別のターゲットである。従って、WO97/41211及びWO01/00622(Vertex)に開示されているVX−497等のIMPDH阻害剤;WO00/25780(Bristol−Myers Squibb)に開示されているもの等の別のIMPDH阻害剤;又はミコフェノール酸モフェチル[A.C.Allison and E.M.Eugui,Agents Action,44(Suppl.):165(1993)参照]と本発明の化合物を併用投与してもよい。
【0100】
HCV感染の治療には、本発明の化合物を抗ウイルス剤アマンタジン(1−アミノアダマンタン)[J.Kirschbaum,Anal.Profiles Drug Subs.12:1−36(1983)参照]と併用投与してもよい。
【0101】
HCV感染の治療には、R.E.Harry−O’kuruら,J.Org.Chem.,62:1754−1759(1997);M.S.Wolfeら,Tetrahedron Lett.,36:7611−7614(1995);米国特許第3,480,613号;WO01/90121;WO01/92282;WO02/32920;WO04/002999;WO04/003000;及びWO04/002422に開示されている抗ウイルス2’−C分岐リボヌクレオシドと本発明の化合物を併用してもよい。このような2’−C分岐リボヌクレオシドとしては、2’−C−メチル−シチジン、2’−C−メチル−ウリジン、2’−C−メチル−アデノシン、2’−C−メチル−グアノシン及び9−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジアミノプリン、リボースC−2’、C−3’及びC−5’ヒドロキシルの対応するアミノ酸エステル、並びに5’リン酸誘導体の対応する場合により置換された環状1,3−プロパンジオールエステルが挙げられる。
【0102】
HCV感染の治療には、WO02/51425(Mitsubishi Pharma Corp.);WO01/79246、WO02/32920及びWO02/48165(Pharmasset,Ltd.);WO01/68663(ICN Pharmaceuticals);WO99/43691;WO02/18404(Hoffmann−LaRoche);U.S.2002/0019363;WO02/100415;WO03/026589;WO03/026675;WO03/093290;US2003/0236216;US2004/0006007;WO04/011478;WO04/013300;US2004/0063658;並びにWO04/028481に開示されているもの等の抗HCV性をもつ他のヌクレオシドと本発明の化合物を併用してもよい。
【0103】
HCV感染の治療には、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害剤である物質と本発明の化合物を併用投与してもよい。併用療法として使用することができるこのようなHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤としてはWO02/057287、US6,777,395、WO02/057425、US2004/0067901、WO03/068244、WO2004/000858、WO04/003138及びWO2004/007512に開示されているものが挙げられる。他のこのようなHCVポリメラーゼ阻害剤としては、バロピシタビン(NM−283;Idenix)と2’−F−2’−β−メチルシチジン(WO2005/003147,譲受人Pharmasset,Ltd.も参照)が挙げられる。
【0104】
HCV感染の治療には、WO01/77091(Tularik,Inc.);WO01/47883(Japan Tobacco,Inc.);WO02/04425(Boehringer Ingelheim);WO02/06246、WO03/062211、WO2004/087714、WO2004/110442、WO2005/034941、WO2005/023819、WO2006/029912、WO2006/008556及びWO2006/027628(以上、Istituto di Ricerche di Biologia Moleculare P.Angeletti S.p.A.);WO02/20497;WO2005/016927(特にJTK003)及びWO2005/080399(Japan Tobacco,Inc.);WO2006/020082(Bristol−Myers Squibb Company)に開示されているもの;並びにHCV−796(Viropharma Inc.)等のHCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤と本発明の化合物を併用してもよい。
【0105】
本発明は式(I)の化合物の製造方法も提供する。
【0106】
一般方法(a)によると、式(I)の化合物は、式(II)のエステルを式(III)のアミン
【0107】
【化21】

[式中、n、R、R、R、R、R、M、W、X、Z、A環及びB環は式(I)について定義した通りであり、PはC1−6アルキル(例えばメチル)である。]とカップリングさせることにより製造することができる。反応は溶媒中、TBTUやHATU等のカップリング試薬と、ジイソプロピルエチルアミンやトリエチルアミン等の塩基の存在下に実施すると好適である。適切な溶媒としてはDMFとジクロロメタンが挙げられる。
【0108】
Mが結合部に4個以上の炭素原子と1個以上の二重結合をもつ式(II)の化合物は式(IV):
【0109】
【化22】

[式中、n、R、R、W、X、Z、A環及びB環は式(I)について定義した通りであり、Pは式(II)について定義した通りである。]のジエンの内部閉環により製造することができる。反応は1,2−ジクロロエタン等の適切な溶媒中、Zhan触媒[ジクロロ(5−クロロ−2−イソプロポキシベンジリデン)(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウム]等のメタセシス触媒の存在下に好ましくは高温で実施すると好適である。得られた環二重結合を水素化すると、式(II)の別の化合物が得られる。水素化はメタノール/酢酸エチル混液等の適切な溶媒中、炭素担持パラジウム等の適切な触媒の存在下に実施することが好ましい。
【0110】
式(II)、(III)及び(IV)の化合物は当分野で周知であり、あるいは例えば本明細書中のスキーム及び実施例に記載する手順を使用して当業者に周知の慣用方法又は容易に理解される代替手順により製造することができる。
【0111】
適切な手順の更に詳細については本明細書中のスキームと実施例に記載する。例えば、当分野で周知の合成方法を使用して式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に変換することができる。
【0112】
従って、例えばメタノール/酢酸エチル混液等の適切な溶媒中、好ましくは炭素担持パラジウム等の適切な触媒の存在下で水素化することにより、Mが不飽和である式(I)の化合物をMが飽和である式(I)の化合物に変換することができる。
【0113】
本発明の化合物はHCVプロテアーゼ(例えばHCV NS3プロテアーゼ)の阻害と、HCV感染の予防又は治療に有用である。例えば、本発明の化合物は輸血、体液交換、咬傷、偶発的穿刺、又は外科手術中の患者血液との接触等により過去にHCVに暴露された疑いがある場合にHCV感染を治療するのに有用である。
【0114】
本発明の化合物は抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイの準備と実施に有用である。例えば、本発明の化合物はより強力な抗ウイルス化合物の優れたスクリーニングツールである酵素突然変異体を単離するために有用である。更に、本発明の化合物は例えば競合的阻害により、他の抗ウイルス剤とHCVプロテアーゼの結合部位を確定又は決定するのに有用である。従って、本発明の化合物はこれらの目的のために販売される商品である。
【0115】
合成の一般説明:
本発明の化合物は一般スキーム1、2、3、4及び5に要約するように合成することができる。
【0116】
【化23】

【0117】
スキーム1は(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド1−9と近縁化合物の合成を示す。(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロリド1−1をBoc保護アミノ酸とペプチドカップリングした後、BOCを除去してジペプチド1−2を得た後、FMOC−イソシアネートと反応させた後にピペリジンで処理することによりチオ尿素1−3に変換した。適切なα−ハロゲンメチルケトン1−4で処理し、チアゾール誘導体1−5を得た。閉環メタセシス、得られた大環状アルケン混合物1−6の水素化、エステル加水分解及びアミン1−8とのカップリングにより、必要な化合物1−9を得た。
【0118】
【化24】

【0119】
スキーム2は(1R,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド2−6と近縁化合物の合成を示す。これらの化合物は(3R,5S)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート塩酸塩(2−1,下記中間体7参照)を出発材料として使用することにより、スキーム1に記載したと同一の合成シーケンスに従って製造した。
【0120】
【化25】

【0121】
スキーム3は(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミドと近縁化合物の合成を示す。(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロリド1−1をカルボン酸3−1から5段階で得られたオキサゾール誘導体3−7とペプチドカップリングし、ジペプチド3−8を得た。閉環メタセシス、得られた大環状アルケン混合物3−9の水素化、エステル加水分解及びアミン1−8とのカップリングにより、必要な化合物3−12を得た。
【0122】
【化26】

【0123】
【化27】

【0124】
上記いずれもの合成シーケンスの間には、いずれかの該当分子上の感受性又は反応性基を保護することが必要な場合及び/又は望ましい場合がある。これはProtective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編,Plenum Press,1973;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,第3版,1999に記載されているもの等の慣用保護基により実施することができる。保護基は当分野で公知の方法を使用して適当な後続段階で除去することができる。
【0125】
本発明の化合物のHCV NS3プロテアーゼ阻害活性は当分野で公知のアッセイを使用して試験することができる。このようなアッセイの1例は以下に記載するHCV NS3プロテアーゼ時分割蛍光(TRF)アッセイである。
【0126】
HCV NS3プロテアーゼ時分割蛍光(TRF)アッセイ
50mM HEPES,pH7.5,150mM NaCl,15%グリセロール,0.15% Triton X−100,10mM DTT,及び0.1%PEG 8000を含有するアッセイ緩衝液中、最終容量100μlでNS3プロテアーゼTRFアッセイを実施した。NS3プロテアーゼに各種濃度の阻害剤を加えて10〜30分間プレインキュベートした。アッセイのペプチド基質はAc−C(Eu)−DDMEE−Abu−[COO]−XSAK(QSY7)−NH2であり、前記式中、Euはユーロピウム標識基であり、Abuは2−ヒドロキシプロパン酸(X)とエステル結合する1−アミノブタン酸である。NS3プロテアーゼ活性によりペプチドが加水分解されると、フルオロフォアがクエンチャーから分離し、その結果、蛍光が増加する。TRFペプチド基質(最終濃度50〜100nM)を添加することによりプロテアーゼの活性を誘導した。室温で1時間後に500mM MES(pH5.5)100μlを加えて反応を停止した。励起340nm/発光615nm及び50〜400μs減衰でVictor V2又はFusion蛍光光度計(Perkin Elmer Life and Analytical Sciiences)を使用して蛍光発生を検出した。シグナル対バックグラウンド比10〜30で各種酵素形態の試験濃度を選択した。4パラメーターフィットを使用して阻害定数を誘導した。
【0127】
別の適切なアッセイは以下に記載する細胞レプリコンないしrheplisaアッセイである。
【0128】
細胞HCV複製アッセイ
Lohmannら(1999)により記載されているI377neo/NS3−3’/wt(EMBL−genbank No.AJ242652)に一致するRNAレプリコンをHuh−7細胞にトランスフェクトした後に硫酸ネオマイシン(G418)で選択することにより、サブゲノムHCVレプリコンを安定に保持する細胞クローンを得た。(公開国際特許出願WO02/59321に記載されているような)抗NS3モノクローナル抗体10E5/24を使用して96ウェルマイクロタイタープレート(Cell−ELISA)で増殖させた細胞で直接実施したELISAアッセイによりNS3蛋白の発現を測定することによりウイルス複製をモニターした。最終容量0.1mlのDMEM/10%FCS中、10個/ウェルの密度で細胞を96ウェルプレートに撒いた。置床から2時間後に3倍濃度の阻害剤を添加したDMEM/10%FCS 50μlを加え、細胞を96時間培養した後、氷冷イソプロパノールで10分間固定した。各条件を2回ずつ試験し、平均吸光度値を計算に使用した。細胞をPBSで2回洗浄し、PBS中5%脱脂粉乳+0.1% Triton X100+0.02% SDS(PBSTS)でブロックした後、10E5/24 mabの脱脂粉乳/PBSTS希釈液を加え、4℃で一晩培養した。PBSTSで5回洗浄後、アルカリホスファターゼ(Sigma)に結合したFc特異的抗マウスIgGの脱脂粉乳/PBSTS希釈液を加えて細胞を3時間室温で培養した。再び上記のように洗浄後、反応体をp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム基質(Sigma)で展開し、所定間隔で405/620nmの吸光度を読み取った。阻害剤を添加せずに培養したサンプルの吸光度値が1〜1.5となるデータセットを計算に使用した。データをヒルの式にフィットさせることにより、NS3の発現を50%低下させた阻害剤濃度(IC50)を計算した。
阻害率=1−(Ai−b)/(A−b)=[I]/([I]+IC50
式中、Ai=指定濃度の阻害剤を添加したHB110細胞の吸光度値、
=阻害剤を添加せずに培養したHB110細胞の吸光度値、
b=同一マイクロタイタープレートに同一密度で置床し、阻害剤を添加せずに培養したHuh−7細胞の吸光度値、
n=ヒル係数。
【0129】
本発明の化合物は細胞HCV複製アッセイで活性であり、活性<50μM、特に<5μMであった。
【0130】
このようなアッセイの他の例は例えば国際公開特許出願WO2005/046712に記載されている。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤として有用な化合物はKiが50μM未満、より好ましくは10μM未満、最も好ましくは1μM未満、特に100nM未満、より特定的には50nM未満となる。
【0131】
以下、実施例により本発明とその実施を例示する。
【0132】
H NMRスペクトルは300〜600MHzの(報告値)周波数で作動するBruker AMシリーズ分光計で記録した。非交換性プロトン(及び認められる場合には交換性プロトン)に対応するシグナルの化学シフト(δ)はテトラメチルシランに対する百万分率(ppm)で記録し、残留溶媒ピークを基準として使用して測定する。シグナルは多重度(s,一重項;d,二重項;t,三重項;q,四重項;m,多重項;b,ブロード、及びその組み合わせ);ヘルツ(Hz)で表したカップリング定数;プロトン数の順に記載する。質量スペクトル(MS)データは負(ES)又は正(ES)イオン化モードで作動するPerkin Elmer API 100又はWaters MicroMass ZQで取得し、結果を質量対電荷比(m/z)で報告する。Fraction Linxソフトウェアを使用し、2525ポンプモジュール、Micromass ZMD検出器及び2767採取モジュールを搭載したWaters Micromass System又はShimadzu分取システムで分取規模のHPLC分離を実施した。
【0133】
実施例、スキーム及び表では以下の略語を使用する:AcOH:酢酸;ジオキサン:1,4−ジオキサン;DIPEA又はPr NEt:ジイソプロピルエチルアミン;DCE:1,2−ジクロロエタン;DCM:ジクロロメタン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EtO:ジエチルエーテル;EtOAc:酢酸エチル;eq.:当量;h:時間;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;min:分;MS:質量スペクトル;PE:石油エーテル30/60;quant.:定量的;RP−HPLC:逆相高圧液体クロマトグラフィー;RP−MS−HPLC:質量分析型逆相高圧液体クロマトグラフィー;RT:室温;sat.aq.:飽和水溶液;TBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;THF:テトラヒドロフラン。
【0134】
中間体1:(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロリド
ステップ1:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−ブロモイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
トランス4−ヒドロキシL−BOC−プロリン(1当量)を室温のDMSOに溶かした0.2mM溶液にBuOK(3当量)を一度に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、10℃まで冷却し、7−ブロモ−1−クロロイソキノリンを加えた(1当量)。得られた混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。有機層を飽和クエン酸水溶液、水及びブラインで洗浄し、水相をEtOAcで逆抽出した。有機相を合わせて乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧蒸発させ、暗色固体を得た。固体をMeOHに溶かし、この溶液に攪拌下に過剰(4当量)の2.0Mトリメチルシリルジアゾメタンヘキサン溶液を15℃で滴下した。得られた混合物をガス発生の停止後15分間撹拌した。揮発分をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO,溶離液PE/EtOAc 8/2v/v)により精製し、標記生成物を固体として得た。MS(ES)C2023BrN計算値:451,実測値:452(M+H)。
【0135】
ステップ2:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
ステップ1からの臭化アリールをトルエン(約0.15mM溶液)に溶かし、トリブチルビニル錫(1.5当量)と[PhP]Pd(0)(0.05当量)で処理した。反応混合物をN雰囲気下に100℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcに注ぎ、ブラインで洗浄した。有機相を蒸発させ、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO,溶離液PE/EtOAc 8/2v/v)により精製し、標記化合物を粘性油状物として得た。MS(ES)C2226計算値:398,実測値:399(M+H)。
【0136】
ステップ3:(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロリド
ステップ2からのカルバミン酸塩を4.0M HClジオキサン溶液に溶かした。得られた混合物を室温で30分間撹拌すると、この間に生成物は沈殿した。標記化合物を濾別し、ヘキサン/EtOAc 1/1v/vで洗浄した。MS(ES)C1718計算値:298,実測値:299(M+H)。
【0137】
中間体2:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)アミノ−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩
ステップ1:tert−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル]カルバメート
(WO03/099274に記載されているように製造した)tert−ブチル((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)カルバメートの溶液を水素化容器に仕込んだ後、Ru/C(7.5重量%)を加えた。容器をN(20psig)下に置き、大気圧に3回抽気し、残留酸素を除去した。次に容器をH(50psig)下に置き、H消費に基づいて<5時間で反応を完了した。20時間後に容器を大気圧に抽気した。次に反応スラリーを反応容器から取出し、濾過し、蒸発させて黄色油状物を得、それ以上精製せずに次段階に送った。MS(ES)C1424BNS計算値:332,実測値:333(M+H)。
【0138】
ステップ2:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)アミノ−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩
ステップ1からのカルバミン酸塩を4N HCl/ジオキサンに溶かした0.33M溶液を室温で12時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、標記化合物を淡黄色固体として得、次段階で直接使用した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.83(bs,2H),3.03(m,1H),1.71−1.37(m,5H),1.16−1.09(m,4H),0.97(t,J7.3,3H)。
【0139】
中間体3:1−ブロモヘキス−5−エン−2−オン
新たに調製したジアゾメタン(2.5当量)の0℃EtO溶液に塩化4−ペンテノイルのEtO溶液を加えた。得られた反応混合物を30分間0℃で撹拌し、更に12時間開放フラスコで室温にて撹拌した。0℃まで冷却後、HBr(48%水溶液,1.3当量)を滴下し、得られた反応混合物を室温で15分間撹拌した後、ガス発生が停止した。次にエーテル溶液を飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧蒸発させ、標記化合物を淡黄色油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.80(m,1H),5.06(dd,J17.5,1.3,1H),5.01(dd,J10.5,1.2,1H),3.88(s,2H),2.76(t,J7.3,2H),2.37(m,2H)。
【0140】
中間体4:1−ブロモ−3,3−ジメチルヘキス−5−エン−2−オン
2,2−ジメチルペント−4−エン酸とDMF(0.1当量)の0℃DCM溶液に塩化オキサリル(DCM中2M,1.5当量)を加え、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、粗塩化アシルを中間体3について記載したと同一手順に従って処理し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.68(m,1H),5.08(m,2H),4.14(s,2H),2.30(d,J7.3,2H),1.22(s,6H)。
【0141】
中間体5:1−ブロモヘプト−6−エン−2−オン
標記化合物は2,2−ジメチルペント−4−エン酸の代わりに5−ヘキセン酸を使用した以外は中間体4について記載した手順に従って製造した。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.77(m,1H),5.05−4.98(m,2H),3.87(s,2H),2.66(t,J7.3,2H),2.89(m,2H),2.09(m,2H)。
【0142】
中間体6:1−(アリルオキシ)−3−クロロアセトン
ステップ1:(アリルオキシ)酢酸エチル
NaH(1.1当量)を0℃のDMFに混合したスラリーにヒドロキシ酢酸エチルを滴下し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。0℃まで冷却後、臭化アリル(1.1当量)をシリンジで滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌し、飽和NHCl水溶液を注意深く加えることによりクエンチし、EtOとブラインに分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、減圧濃縮し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.91(m,1H),5.30(dd,J17.2,1.5,1H),5.24(dd,J10.6,0.6,1H),4.23(q,J2.1,2H),4.10(d,J5.7,2H),4.08(s,2H),1.29(t,J7.08,3H)。
【0143】
ステップ2:1−(アリルオキシ)−3−クロロアセトン
PrNet(3.1当量)の−78℃THF溶液にBuLi(ヘキサン中1.4M,3.1当量)を滴下した。得られた混合物を0℃で15分間撹拌し、−78℃まで再び冷却し、ステップ1からの(アリルオキシ)酢酸エチル(1当量)とヨードクロロメタン(2.5当量)の−78℃EtO溶液にカニューレで加えた。30分間−78℃で撹拌後、AcOH(25当量)のTHF溶液を滴下し、得られた混合物を室温で15分間撹拌し、EtOとブラインに分配した。次に有機層を飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。粗残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtO=9/1)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ5.90(m,1H),5.35−5.25(m,2H),4.30(s,2H),4.24(s,2H),4.07(d,J5.5,2H)。
【0144】
中間体7:(3R,5S)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート塩酸塩
ステップ1:1−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン
3−ブロモ−o−キシレン(196g,1.06mol)、N−ブロモスクシンイミド(377g,2.15mol)及び過酸化ベンゾイル(0.26g,1.0mmol)のCCl(1800mL)懸濁液を窒素下に15時間加熱還流した。反応フラスコの内容物を冷却し、濾過し、濾液を蒸発させた。粗物質を高減圧下に蒸留させた。主画分を88℃〜152℃で蒸留させた。純物質108gを回収した。次反応で使用可能な多少不純な物質182gを回収した。H NMR(CDCl)δ(ppm)7.56(d,J8.0,1H),7.31(d,J8.0,1H),7.26(s,1H),7.16(t,J8.0,1H),4.84(s,2H),4.64(s,2H)。
【0145】
ステップ2:2−ベンジル−4−ブロモイソインドリン
炭酸水素カリウム(204g,2.04mol)をMeCN(12L)に懸濁し、混液を80℃まで加熱した。1−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼンの溶液(280g,MeCN 500mL中0.82mol)とベンジルアミンの溶液(87.5g,MeCN 500mL中0.82mol)を同時に滴下漏斗で1時間加えた。反応混合物を77℃で16時間撹拌した。反応フラスコの内容物を冷却し、濾過し、溶媒を蒸発により除去した。反応混合物を1M KCOとEtOAcに分配した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ヘプタン→ヘプタン中10% EtOAc)に付し、蒸発後に標記化合物を淡色油状物として得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)7.41−7.39(m,2H),7.37−7.34(m,2H),7.32−7.27(m,2H),7.10−7.03(m,2H),4.02(s,2H),3.97(s,2H),3.91(s,2H)。LRMS(ESI)m/z 289[(M+H);C1515BrN計算値:289]。
【0146】
MTBEを加え、濾過することによりHCl塩をHCl/MeOHに変換し、生成物118gをHCl塩として得た。
【0147】
ステップ3:2−ベンジル−4−ビニルイソインドリン
2−ベンジル−4−ブロモイソインドリン(16.7g,58.0mmol)とトリブチル(ビニル)錫(20.3mL,69.6mmol)のトルエン(400mL)溶液に窒素ガスを15分間バブリングすることにより脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.30g,1.16mmol)を加え、得られた溶液を窒素下に100℃油浴で24時間加熱した。反応フラスコの内容物を冷却し、蒸発させ、ヘキサン/EtOAc 95/5を溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、蒸発後に標記化合物を淡色油状物として得、放置すると、ピンク色になった。LRMS(ESI)m/z 236[(M+H);C1718N計算値:236]。
【0148】
ステップ4:4−ビニルイソインドリン
2−ベンジル−4−ビニルイソインドリン(58mmol)のDCE(150mL)溶液を窒素下に1L丸底フラスコに仕込んだ。これに滴下漏斗を取り付け、クロロギ酸1−クロロエチル(7.51mL,69.6mmol)のDCE溶液を加えた。反応フラスコを氷浴で冷却し、内温を<5℃に維持しながら滴下漏斗の内容物を20分間かけて滴下した。滴下の完了後、反応フラスコを室温まで昇温した後、45分間加熱還流した。反応フラスコの内容物を室温まで冷却した後、溶媒を蒸発により除去した。メタノール(200mL)を加え、反応フラスコの内容物を30分間加熱還流した。反応フラスコを冷却し、溶媒を蒸発により除去した。水(200mL)を加え、得られた混合物をEtOAc(2×250mL)で洗浄した。水層を2N水酸化ナトリウムで塩基性化した後、DCM(4×250mL)で抽出した。有機抽出層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を蒸発させた。DCM/MeOH/水酸化アンモニウム 97/3/0.3→95/5/0.5を溶離液として残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した。画分を蒸発させ、標記化合物6.00gを茶色油状物として得た(41.4mmol,2段階収率71%)。LRMS(ESI)m/z 146[(M+H);C1012N計算値:146]。
【0149】
ステップ5:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
窒素下の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(10.1g,41.4mmol)のDMF(90mL)溶液を0℃まで冷却した。固体1,1’−カルボニルジイミダゾール(6.70g,41.4mmol)を反応溶液に加えた。反応フラスコの内容物を室温まで昇温し、2時間後に4−ビニルイソインドリン(6.00g,41.4mmol)のDMF(10mL)溶液を加えた。反応溶液を60℃油浴で2時間加熱した後、冷却し、水+5%重硫酸カリウムに加えた。得られた混合物をEtOAc(4×250mL)で抽出した。有機抽出層を合わせてブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。ヘキサン/EtOAc 70/30を溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、標記化合物13.9gを白色フォームとして得た(33.4mmol,収率81%)。LRMS(ESI)m/z 417[(M+H);C22729計算値:417]。
【0150】
ステップ6:(3R,5S)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート塩酸塩
1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(13.9g,33.4mmol)のEtOAc(700mL)溶液を氷浴で冷却した後、塩化水素ガスで飽和させた。反応フラスコを密閉し、室温まで昇温した。3.5時間後に溶媒を蒸発により除去し、標記化合物11.2gを灰色固体として得た(収率95%)。H NMR(500MHz,ppm,CDOD)δ7.47−7.45(m,1H),7.32−7.31(m,1H),7.26−7.21(m,1H),6.79−6.73(m,1H),5.79−5.73(m,1H),5.46(s,1H),5.41−5.38(m,1H),4.80−4.72(m,4H),3.91(s,3H),3.74−3.63(m,2H),2.77−2.71(m,1H),2.51−2.46(m,1H)。LRMS(ESI)m/z 317[(M+H);C1721計算値:317]。
【実施例1】
【0151】
(表1、化合物番号1)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:メチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリル−(4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート
中間体1のDMF溶液にBoC−(L)−Val(1.05当量)を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.05当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、EtOAcと1N HCl水溶液に分配した。有機層を更に飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=7/3)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。MS(ES)C2735計算値:497,実測値:498(M+H)。
【0152】
ステップ2:メチルL−バリル−(4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート塩酸塩
ステップ1からのカルバミン酸塩を4N HCl/ジオキサンに溶かした0.27M溶液を室温で2時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、標記化合物をオフホワイト固体として得、次段階で直接使用した。MS(ES)C2227計算値:397,実測値:398(M+H)。
【0153】
ステップ3:メチルN−(アミノカルボノチオイル)−L−バリル−(4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート
ステップ2からの塩酸塩の0℃DCM懸濁液にPrNEt(2当量)を加え、得られた透明溶液をすぐにFMOC−イソチオシアネート(1.1当量)の0℃DCM溶液に加えた。得られた混合物を30分間撹拌後、20%ピペリジンMeOH溶液で処理した。3時間後に揮発分を減圧除去し、残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(勾配溶出,ヘキサン/EtOAc=8/2→DCM/MeOH=95/5)により精製し、標記化合物を淡黄色フォームとして得た。MS(ES)C2328S計算値:456,実測値:457(M+H)。
【0154】
ステップ4:メチルN−(4−ブト−3−エン−1−イル−1,3−チアゾール−2−イル)−L−バリル−(4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート
ステップ3からのチオ尿素と中間体3(1.5当量)をジオキサンに溶かした溶液を65℃で1時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=98/2)により精製し、標記化合物を薄茶色油状物として得た。MS(ES)C2934S計算値:534,実測値:535(M+H)。
【0155】
ステップ5:メチル(3R,5S,8S,16E又はZ)−8−イソプロピル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート
ステップ4からのオレフィンを85℃のDCEに溶かした0.05M溶液にジクロロ(5−クロロ−2−イソプロポキシベンジリデン)(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウム(Zhanルテニウムメタセシス触媒RC−301,0.15当量)を加え、得られた反応混合物を85℃で2時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1/1)により精製し、E−オレフィンとZ−オレフィンの混合物としての標記化合物を薄茶色ガラス状物として得た。MS(ES)C2730S計算値:506,実測値:507(M+H)。
【0156】
ステップ6:メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート
ステップ5からのオレフィンのMeOH/EtOAc(1/1v/v)溶液に10% Pd/C(10%w/w)を加え、得られた反応混合物をH雰囲気下に室温で2時間撹拌した。触媒を濾別し、新しいアリコート(10mg)に交換し、反応混合物を上記条件下で更に所定時間撹拌した。生成物への完全な変換が認められるまで上記のように処理を繰返した(一般に36時間、触媒アリコート3回交換)。触媒の濾別後、揮発分を減圧除去し、標記化合物を薄茶色油状物として得た。MS(ES)C2732S計算値:508,実測値:509(M+H)。
【0157】
ステップ7:(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ6からのエステルのTHF/HO(1/1v/v)溶液にLiOH(10当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した後、pH=2に達するまで1N HCl水溶液で処理した。揮発分を減圧除去し、残渣を数回トルエンと共沸させ、中間体としての所望酸を得た。[MS(ES)C2630S計算値:494,実測値:495(M+H)]。次に粗酸をDMFに溶かし、この溶液に(1R,2R)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−ビニルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩(WO03/099274に記載されているように製造,1.09当量)を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.09当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、逆相HPLCにより直接精製し、標記化合物をオフホワイト固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ10.69(s,1H),8.85(s,1H),8.01(d,J6.0,1H),7.95(bs,1H),7.87(d,J8.4,1H),7.65(d,J8.4,1H),7.43(d,J5.7,1H),6.53(bs,1H),6.01(bs,1H),5.62(m,1H),5.25(d,J18.3,1H),5.13(d,J11.7,1H),4.87(m,1H),4.46(m,1H),4.30(m,1H),3.99(dd,J11.4,3.0,1H),2.99−2.89(m,2H),2.75−2.45(m,4H),2.39−2.12(m,3H),1.77−1.56(m,5H),1.33(dd,J9.3,5.3,1H),1.14−1.07(m,7H),0.98(d,J6.9,3H);MS(ES)C3543計算値:706,実測値:707(M+H)。
【実施例2】
【0158】
(表1、化合物番号17)
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:メチルN−[4−(1,1−ジメチルブト−3−エン−1−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]−L−バリル−(4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート
標記化合物は中間体3の代わりに中間体4を使用した以外は実施例1,ステップ4に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3138S計算値:562,実測値:563(M+H)。
【0159】
ステップ2:(3R,5S,8S,16E)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキシレートメチル
標記化合物はステップ1からのオレフィンを使用し、実施例1,ステップ5に記載した手順に従って製造した。粗生成物をSiOゲルクロマトグラフィー(勾配溶出,PE/EtOAc=1/1→DCM/MeOH=95/5)により精製した。MS(ES)C2934S計算値:534,実測値:535(M+H)。
【0160】
ステップ3:(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ2からのエステルを使用し、実施例1,ステップ7に記載した手順に従って製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.51(s,1H),8.96(s,1H),7.97(d,J6.1,1H),7.89(bs,1H),7.84(d,J8.3,1H),7.64(d,J8.6,1H),7.39(d,J5.8,1H),6.46(d,J16.0,1H),6.34(bs,1H),5.81−5.73(m,2H),5.62(m,1H),5.23(d,J17.9,1H),5.11(d,J10.4,1H),4.41(d,J11.1,1H),4.32(dd,J10.4,7.3,1H),4.10−4.01(m,2H),2.99(m,1H),2.67−2.58(m,2H),2.21−2.09(m,3H),1.74(dd,J7.6,5.3,1H),1.38(s,3H),1.33−1.05(m,16H);MS(ES)C3744計算値:732,実測値:733(M+H)。
【実施例3】
【0161】
(表1、化合物番号20)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレートメチル
標記化合物は実施例2,ステップ2からのエステルを使用し、実施例1,ステップ6に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C253355計算値:536,実測値:537(M+H)。
【0162】
ステップ2:(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ1からのエステルを使用し、実施例1,ステップ7に記載した手順に従って製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.67(s,1H),8.92(s,1H),7.99(d,J5.8,1H),7.83(d,J8.3,1H),7.61(d,J8.3,1H),7.42(d,J5.86,1H),6.26(bs,1H),5.93(bs,1H),5.63(m,1H),5.26(d,J16.9,1H),5.13(d,J10.1,1H),4.43(m,1H),4.20(d,J11.9,1H),4.01(d,J9.8,1H),2.97(m,1H),2.75(m,2H),2.62(m,1H),2.27−2.12(m,4H),1.76(m,2H),1.54(m,1H),1.42−1.35(m,3H),1.26(s,3H),1.14−1.02(m,12H),0.97(d,J6.6,3H);MS(ES)C3746計算値:734,実測値:735(M+H)。
【実施例4】
【0163】
(表1、化合物番号11)
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド
ステップ1:(3R,5S)−1−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート
標記化合物は中間体1の代わりに中間体7を使用し、Boc−Valの代わりにBoc−Chgを使用した以外は実施例1,ステップ1に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3041計算値:555,実測値:556(M+H)。
【0164】
ステップ2:(3R,5S)−1−{(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート塩酸塩
標記化合物はステップ1からのカルバミン酸塩を使用し、実施例1,ステップ2に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C253355計算値:455,実測値:456(M+H)。
【0165】
ステップ3:(3R,5S)−1−{(2S)−2−[(アミノカルボノチオイル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート
標記化合物はステップ2からの塩酸塩を使用し、実施例1,ステップ3に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C2634S計算値:514,実測値:515(M+H)。
【0166】
ステップ4:(3R,5S)−1−{(2S)−2−シクロヘキシル−2−[(4−ペント−4−エン−1−イル−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]アセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート
標記化合物はステップ3からのチオ尿素を使用し、中間体3の代わりに中間体5を使用した以外は実施例1,ステップ4に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3342S計算値:606,実測値:607(M+H)。
【0167】
ステップ5:メチル(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキシレート
標記化合物はステップ4からのオレフィンを使用し、実施例1,ステップ5に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3138S計算値:578,実測値:579(M+H)。
【0168】
ステップ6:(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキセニル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ5からのエステルを使用し、実施例1,ステップ7に記載した手順に従って製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.64(s,1H),8.80(s,1H),7.32−7.20(m,3H),6.40(bs,1H),6.36(d,J16.2,1H),6.05(m,1H),5.6(m,1H),5.3(bs,1H),5.23(d,J16.9,1H),5.11(d,J11.1,1H),4.79(d,J14.6,1H),4.65(m,4H),4.29(t,J8.6,1H),4.16(m,1H),3.97(m,1H),2.9(m,1H),2.66−2.36(m,4H),2.35−2.09(m,9H),1.90−1.59(m,7H)1.34−0.99(m,7H);MS(ES)C3948計算値:776,実測値:777.0(M+H)。
【実施例5】
【0169】
(表1、化合物番号12)
(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド
ステップ1:メチル(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキシレート
標記化合物は実施例4,ステップ5からのエステルを使用し、実施例1,ステップ6に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3140S計算値:497,実測値:581(M+H)。
【0170】
ステップ2:(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ1からのエステルを使用し、実施例1,ステップ7に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3950計算値:778,実測値:779(M+H)。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.55(bs,1H),7.23(d,J7.6,1H),7.11(d,J7.3,1H),7.05(d,J7.3,1H),5.88(bs,1H),5.77(bs,1H),5.57(s,1H),5.26(d,J16.9,1H),5.13(d,J10.9,1H),4.74(m,2H),4.46(m,3H),4.22(bs,1H),3.88,(d,J10.1,1H),2.91(m,1H),2.58−2.03(m,10H),1.83−1.58(m,9H),1.44−1.03(m,14H);MS(ES)C3950計算値:778,実測値:779(M+H)。
【実施例6】
【0171】
(表1、化合物番号16)
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド
標記化合物は(1R,2R)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−ビニルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩の代わりに中間体2を使用した以外は実施例4,ステップ6に記載した手順に従って製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.60(s,1H),8.76(s,1H),7.34−7.25(m,3H),6.43−6.39(m,2H),6.07(m,1H),5.33(bs,1H),4.84−4.62(m,5H),4.32(bt,J8.3,1H),4.18(d,J11.4,1H),4.02(dd,J11.0,3.7,1H),2.99(m,1H),2.67−2.15(m,7H),1.87−1.67(m,8H),1.55(m,1H),1.44−1.07(m,13H),0.93(t,J7.1,3H);MS(ES)C3950計算値:778,実測値:779(M+H)。
【実施例7】
【0172】
(表1、化合物番号14)
(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−[(1S)−1−メチルプロピル]−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド
ステップ1:メチルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−イソロイシル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート
標記化合物はBoc−Chgの代わりにBoc−Ileを使用した以外は実施例4,ステップ1に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C2839計算値:529,実測値:530(M+H)。
【0173】
ステップ2:メチルL−イソロイシル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート塩酸塩
標記化合物はステップ1からのカルバミン酸塩を使用し、実施例1,ステップ2に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C2331計算値:429,実測値:430(M+H)。
【0174】
ステップ3:N−(アミノカルボノチオイル)−L−イソロイシル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート
標記化合物はステップ2からの塩酸塩を使用し、実施例1,ステップ3に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C2432S計算値:488,実測値:489(M+H)。
【0175】
ステップ4:メチルN−(4−ペント−4−エン−1,3−チアゾール−2−イル)−L−イソロイシル−(4R)−4−([(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート
標記化合物はステップ3からのチオ尿素を使用し、中間体3の代わりに中間体5を使用した以外は実施例1,ステップ4に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C3140S計算値:580,実測値:581(M+H)。
【0176】
ステップ5:メチル(1R,12E,22S,25S)−22−sec−ブチル−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキシレート
標記化合物はステップ4からのオレフィンを使用し、実施例1,ステップ5に記載した手順に従って製造した。MS(ES)C2936S計算値:552,実測値:553(M+H)。
【0177】
ステップ6:(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−[(1S)−1−メチルプロピル]−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ5からのエステルを使用し、実施例1,ステップ7に記載した手順に従って製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.63(s,1H),8.86(s,1H),7.34−7.25(m,3H),6.43−6.39(m,2H),6.07(m,1H),5.64(m,1H),5.32(bs,1H),5.27(d,J16.9,1H),5.14(d,J11.4,1H),4.83(bd,J14.6,1H),4.75−4.62(m,4H),4.33(t,J8.3,1H),4.20(d,J11.1,1H),4.02(bd,J8.1,1H),2.97(m,1H),2.66−2.15(m,9H),1.96−1.74(m,4H),1.53(m,1H),1.35(dd,J9.2,4.9,1H),1.22(m,1H),1.13−1.03(m,7H),0.90(t,J7.33,3H);MS(ES)C3746計算値:750,実測値:751(M+H)。
【実施例8】
【0178】
(表2、化合物番号1)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:tert−ブチル2−ペント−4−エノイルヒドラジンカルボキシレート
0.1Mペント−4−エン酸DCM溶液にカルバジン酸tert−ブチル(2当量)を加え、次いで1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.02当量)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。DCMを加え、有機溶液を飽和NaHCO水溶液と飽和NaCl水溶液で順次洗浄した後、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、標記化合物を無色油状物として得た。この物質をそれ以上精製せずに次段階で使用した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ:7.33(bs,1H),6.51(bs,1H),5.88−5.75(m,1H),5.10−4.99(m,2H),2.43−2.38(m,2H),2.32(t,J6.8,2H),2.03(s,9H)。
【0179】
ステップ2:ペント−4−エノヒドラジド
(ステップ1からの)tert−ブチル2−ペント−4−エノイルヒドラジンカルボキシレートを0℃まで冷却し、トリフルオロ酢酸を滴下漏斗で加えた。混合物を室温まで1時間昇温した。pH7に達するまでNaHCOを混合物に加えた。生成物をDCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:8.95(bs,1H),5.84−5.74(m,1H),5.04(dd,J17,1.6,1H),4.97(d,J10,1H),4.26(bs,2H),2.45−2.23(m,2H),2.12−2.08(m,2H)。
【0180】
ステップ3:メチルN−[(2−ペント−4−エノイルヒドラジノ)カルボニル]−L−バリネート
(ステップ2からの)1.6Mペント−4−エノヒドラジドのジオキサン溶液に(J.Het.Chem 1990,739に記載されているように製造した)メチルN−(オキソメチレン)−L−バリネート1当量を加えた。室温で3時間撹拌後、揮発分を減圧除去し、標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:9.55(d,J2.1,1H),7.86(d,J2.2,1H),6.48(d,J8.1,1H),5.86−5.76(m,1H),5.04(dd,J17.2,1.5,1H),4.96(d,J18.2,10.3,1H),4.09(dd,J8.7,5.7,1H),3.64(s,3H),2.32−2.24(m,2H),2.22−2.15(m,2H),2.08−1.90(m,1H),0.94(d,J3.9,3H),0.92(d,J3.9,3H)。MS(ES)C1221計算値:271;実測値:272(M+H)。
【0181】
ステップ4:メチルN−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリネート
(ステップ3からの)メチルN−[(2−ペント−4−エノイルヒドラジノ)カルボニル]−L−バリネートをPOCl(0.1M溶液)中で80℃に2時間加熱した。混合物を0℃に冷却し、水を注意深く加えた。混合物がpH7に達するまで固体NaHCOを加えた後、混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、淡黄色油状物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:8.42(d,J15.7,1H),5.88−5.78(m,1H),5.08(d,J17.2,1H),5.01(d,J10.3,1H),4.04(dd,J7.1,14.2,1H),3.64(s,3H),2.75(t,J7.3,2H),2.39(m,2H),2.13−2.06(m,1H),0.94(d,J3.9,3H),0.92(d,J3.9,3H)。MS(ES)C1219計算値:253;実測値:254(M+H)。
【0182】
ステップ5:N−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリン
(ステップ4からの)メチルN−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリネートをHO/THF(1/1v/v)に溶かした0.18M溶液にLiOH(2当量)を室温で加えた。得られた反応混合物を1時間室温で撹拌した後、pH=2に達するまで1N HClで処理した。水相をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、淡黄色固体を得た。MS(ES)C1117計算値:239;実測値:240(M+H)。
【0183】
ステップ6:メチルN−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリル−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート
中間体1のDMF溶液にN−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリン(ステップ5から,1.05当量)を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.05当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、EtOAcとブラインに分配した。有機層を乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(Hex/EtOAc=1/1)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。MS(ES)C2833計算値:519,実測値:520(M+H)。
【0184】
ステップ7:メチル(3R,5S,8S,16E又はZ)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキシレート
(ステップ6からの)オレフィンであるメチルN−(5−ブト−3−エン−1−イル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−L−バリル−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネートを85℃のDCEに溶かした0.01M溶液にジクロロ(5−クロロ−2−イソプロポキシベンジリデン)(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウム(Zhanルテニウムメタセシス触媒RC−301,0.15当量)を加え、得られた反応混合物を85℃で2時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc=3/7)により精製し、E−異性体とZ−異性体の混合物としての標記化合物を淡黄色油状物として得た。MS(ES)C2629計算値:491,実測値:492(M+H)。
【0185】
ステップ8:メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−11−チア−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート
(ステップ7からの)メチル(3R,5S,8S,16E又はZ)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキシレートのEtOH溶液に10% Pd/C(10%w/w)を加え、得られた反応混合物をH雰囲気下に室温で2時間撹拌した。触媒を濾別し、揮発分を減圧除去し、標記化合物を無色油状物として得た。MS(ES)C2631計算値:493,実測値:494(M+H)。
【0186】
ステップ9:(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボン酸
(ステップ8からの)メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−11−チア−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレートのTHF/HO(1/1v/v)溶液にLiOH(4当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した後、pH=2に達するまで1N HCl水溶液で処理した。水相をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、白色固体を得た。MS(ES)C2529計算値:479,実測値:480(M+H)。
【0187】
ステップ10:(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
(ステップ9からの)(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボン酸をDMFに溶かし、この溶液に(1R,2R)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−ビニルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩(WO03/09927に記載されているように製造,1.09当量)を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.09当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、逆相HPLCにより直接精製し、標記化合物をオフホワイト固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.34(s,1H),8.93(s,1H),7.97−7.92(m,2H),7.78(d,J8.3,1H),7.68(s,1H),7.60(d,J8.3,1H),7.36(d,J5.7,1H),5.76(bs,1H),5.62−5.56(m,1H),5.21(d,J17.1,1H),5.08(d,J10.7,1H),4.90(d,J11.3,1H),4.25−4.16(m,2H),3.97(d,J8.6,1H),2.96−2.89(m,4H),2.86−2.58(m,2H),2.19−2.07(m,3H),1.75−1.62(m,5H),1.42−1.40(m,1H),1.29(m,1H),1.10−1.05(m,3H),1.01(d,J6.6,3H),0.96(d,J6.6,3H)。MS(ES)C3441S計算値:691,実測値:692(M+H)。
【実施例9】
【0188】
(表1、化合物番号3)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ1で中間体1の代わりに(WO2006/119061に記載されているように製造した)メチル(2S,4R)−4−[(2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩を使用した以外は実施例1に記載したように製造した。MS(ES)C4047計算値:782,実測値:783(M+H)。
【実施例10】
【0189】
(表2、化合物番号3)
(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,19−ペンタエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でペント−4−エン酸の代わりにヘキス−5−エン酸を使用し、ステップ6で中間体1の代わりに中間体7を使用した以外は実施例8に記載したように製造した。MS(ES)C3849S計算値:763,実測値:764(M+H)。
【実施例11】
【0190】
(表2、化合物番号4)
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,19−ヘキサエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でペント−4−エン酸の代わりにヘキス−5−エン酸を使用し、ステップ6で中間体1の代わりに中間体7を使用し、実施例8に記載した水素化ステップ8を実施しなかった点を除き、実施例8に記載したように製造した。MS(ES)C3847S計算値:761,実測値:762(M+H)。
【実施例12】
【0191】
(表2、化合物番号5)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.021,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキシレート
標記化合物はステップ1でペント−4−エン酸の代わりにヘキス−5−エン酸を使用した以外は実施例8,ステップ1−8に記載したように製造した。MS(ES)C2733計算値:507,実測値:508(M+H)。
【0192】
ステップ2:メチル(3R,5S,8S)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキシレート
(ステップ1からの)0.3Mメチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキシレートの無水DCM溶液にトリフルオロメタンスルホン酸(2当量)とN−ヨードスクシンイミド(2当量)を加え、混合物をN下に16時間撹拌した。更にN−ヨードスクシンイミド(2当量)を加え、反応混合物を更に24時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCOに加え、DCMで(2回)抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗化合物をシリカゲル(PE中20%→40% EtOAc)で精製し、化合物を黄色固体として得た。MS(ES)C2732IN計算値:633,実測値:634(M+H)。
【0193】
ステップ3:(3R,5S,8S)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボン酸
(ステップ2からの)メチル(3R,5S,8S)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキシレートのTHF/HO(1/1v/v)溶液にLiOH(4当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した後、pH=2に達するまで1N HClで処理した。水相をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、白色固体を得た。MS(ES)C2630IN計算値:619,実測値:620(M+H)。
【0194】
ステップ4:(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.021,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキサミド
(ステップ3からの)(3R,5S,8S)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2.28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボン酸をDMFに溶かし、この溶液に中間体2(1.09当量)を加え、次いでPrNEt(3.5当量)とTBTU(1.09当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、逆相HPLCにより精製し、標記化合物をオフホワイト固体として得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.364(s,1H),8.96(s,1H),8.36(s,1H),8.00(d,J9.1,1H),7.80(d,J8.4,1H),7.74(d,J10.8,1H),7.73(s,1H),5.80(s,1H),5.61(m,1H),5,21(d,J17.7,1H),5.08(d,J11.8,1H),4.95(d,J11.6,1H),4.24(dd,J11.0,6.7,1H),4.05(t,J9.6,1H),4.あ0(dd,J11.6,3.5,1H),2.96−2.89(m,2H),2.72(m,1H),2.62(m,1H),2.55−2.49(m,2H),2.19−2.08(m,3H),1.80(m,1H),1.73−1.64(m,3H),1.59(m,1H),1.44−1.39(m,2H),1.28(dd,J9.4,5.1,1H),1.10−1.03(m,4H),1.00(d,J6.7,3H),0.96(d,J6.7,3H)。MS(ES)C3542INS計算値:831,実測値:832(M+H)。
【実施例13】
【0195】
(表3、化合物番号10)
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ1で中間体1の代わりに(WO2006/119061に記載されているように製造した)メチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩を使用し、Boc−(L)−Valの代わりにBoc−(L)−シクロヘキシルグリシンを使用した以外は実施例2に記載したように製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.56(s,1H),8.94(s,1H),8.18(d,J5.8,2H),7.86(s,1H),7.82−7.73(m,4H),7.67(s,1H),6.72(d,J16.4,1H),6.48(s,1H),5.97(bs,1H),5.84(m,1H),5.61(m,1H),5.23(d,J16.9,1H),5.13(d,J10.1,1H),4.54(d,J12.6,1H),4.31(m,1H),4.20(d,J10.6,1H),4.06(s,3H),2.98(m,1H),2.74(m,2H),2.62(m,2H),2.39−2.26(m,2H),2.14−1.58(m,7H),1.40(s,3H),1.35−1.00(m,14H);MS(ES)C4754計算値:879,実測値:880(M+H)。
【実施例14】
【0196】
(表3、化合物番号11)
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でメチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩の代わりに(WO2006/119061に記載されているように製造した)メチル(2S,4R)−4−[(6−メトキシ−7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩を使用した以外は実施例13に記載したように製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.50(s,1H),8.93(s,1H),7.91(d,J5.8,1H),7.78(s,1H),7.31(bs,3H),6.66(d,J16.4,1H),6.33(s,1H),5.65(m,3H),5.23(d,J17.4,1H),5.11(d,J10.6,1H),4.38(d,J12.4,1H),4.27(m,1H),4.01(m,1H),3.96(s,3H),2.99(m,1H),2.66(m,2H),2.22−2.08(m,3H),1.97−1.69(m,6H),1.36(s,3H),1.33−1.08(m,14H);MS(ES)C4150計算値:803,実測値:804(M+H)。
【実施例15】
【0197】
(表3、化合物番号13)
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19,23−ジメトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でメチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩の代わりにメチル(2S,4R)−1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(2,7−ジメトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩(中間体8,下記合成手順)を使用した以外は実施例13に記載したように製造した。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ10.52(s,1H),8.91(s,1H),7.59(s,1H),7.11(s,1H),6.66(d,J16.2,1H),6.43(s,1H),6.33(s,1H),5.67−5.51(m,2H),5.46(s,1H),5.22(d,J16.7,1H),5.11(d,J11.6,1H),4.41(d,J12.1,1H),4.21(dd,J10.2,6.9,1H),4.03(d,J9.6,1H),3.98(s,3H),3.93(s,3H),2.98(m,1H),2.63(m,2H),2.18−2.08(m,3H),1.97−1.62(m,6H),1.36(s,3H),1.31−1.07(m,14H);MS(ES)C4252計算値:833,実測値:834(M+H)。
【0198】
中間体8:メチル(2S,4R)−1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(2,7−ジメトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩
ステップ1:メチル(2S,4S)−4−[((4−ブロモフェニル)スルホニル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩
(WO2006/119061に記載されているように製造した)1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−[((4−ブロモフェニル)スルホニル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを0℃のEtOに溶かした0.22M溶液に4M HClジオキサン溶液(25当量)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌後、固体生成物が形成された。懸濁液を濾過し、フィルターケーキを冷EtOで洗浄した。固体生成物を減圧乾燥し、生成物をそれ以上精製せずに使用した。MS(ES)C1214BrNOS計算値:363,実測値:364,365(M+H)。
【0199】
ステップ2:メチル(2S,4S)−4−[((4−ブロモフェニル)スルホニル)オキシ]−1−[(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル]ピロリジン−2−カルボキシレート
ステップ1からのプロリン誘導体のDMF溶液にBoc−(L)−シクロヘキシルグリシン(1.05当量)を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.05当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、EtOAcと1N HCl水溶液に分配した。有機層を更に飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=75/25)により精製し、標記化合物をオフホワイトフォームとして得た。MS(ES)C2535BrNS計算値:603,実測値:603,605(M+H)。
【0200】
ステップ3:6−ブロモ−4−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−2(1H)−オン
標記化合物はK.Faber,H.Steininger and T.Kappe,J.Het.Chem.1985,22(4),1081により報告されている手順に従って4−ブロモ−3−メトキシアニリンから製造した。MS(ES)C10BrNO計算値:270,実測値:270,272(M+H)。
【0201】
ステップ4:メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−7−メトキシ−2−オキソ−1.2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル]ピロリジン−2−カルボキシレート
ステップ3からのヒドロキシルキノリノン(1当量)とステップ2からのブロシレート(1当量)をN−メチル−2−ピロリジノンに溶かした0.27M溶液に炭酸セシウム(1.5当量)を加え、得られた混合物を60℃に16時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、水とEtOAcに分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、揮発分を減圧除去した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(溶離液50% EtOAc/Hex後、0−5% MeOH/DCM)により精製し、標記化合物を得た。MS(ES)C2938BrN計算値:637,実測値:636,638(M+H)。
【0202】
ステップ5:メチル(2S,4R)−1−[(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート
ステップ4からの臭化アリールをEtOHに溶かした0.25M溶液にビニルトリフルオロ硼酸カリウム(1.1当量)、EtN(1.5当量)及びPdCl(dppf)−CHCl付加物(0.05当量)を加えた。得られた混合物を90℃に2.5時間撹拌した。反応を完了させるために、ビニルトリフルオロ硼酸カリウム(0.5当量)、EtN(0.6当量)及びPd触媒(0.05当量)を3.5時間間隔で更に2回加えた。混合物を室温まで冷却し、水とEtOAcに分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、揮発分を減圧除去した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(溶離液DCM/MeOH=95/5)により精製し、標記化合物を薄いオレンジ色フォームとして得た。MS(ES)C3141計算値:583,実測値:584(M+H)。
【0203】
ステップ6:メチル(2S,4R)−1−[(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(2,7−ジメトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート
ステップ5からの中間体をDCMに溶かした0.04M溶液にテトラフルオロ硼酸トリメチルオキソニウム(1.05当量)を加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をNaHCOとDCMに分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、揮発分を減圧除去した。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(溶離液PE/AcOEt=7/3→6/4)により精製し、標記化合物を無色油状物として得た。MS(ES)C3243計算値:597,実測値:598(M+H)。
【0204】
ステップ7:メチル(2S,4R)−1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(2,7−ジメトキシ−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート塩酸塩(中間体8)
ステップ6からのBoc保護中間体を4M HCl/ジオキサンに溶かした0.09M溶液を室温で2時間撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、残渣(白色固体)をそれ以上精製せずに使用した。MS(ES)C2735計算値:497,実測値:498(M+H)。
【実施例16】
【0205】
(表3、化合物番号3−14)
(1R,22S,25S)−22−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,19−ペンタエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でペント−4−エン酸の代わりにヘキス−5−エン酸を使用し、ステップ6で中間体1の代わりに中間体7を使用した以外は実施例8に記載したように製造した。MS(ES)C3747S計算値:749,実測値:750(M+H)。
【実施例17】
【0206】
(表3、化合物番号15)
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,19−ヘキサエン−25−カルボキサミド
標記化合物はステップ1でペント−4−エン酸の代わりにヘキス−5−エン酸を使用し、ステップ6で中間体1の代わりに中間体7を使用し、実施例8に記載した水素化ステップ8を実施しなかった点を除き、実施例8に記載したように製造した。MS(ES)C3745S計算値:747,実測値:748(M+H)。
【実施例18】
【0207】
(表3、化合物番号16)
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
ステップ1:メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−22−ビニル−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート
メチル(3R,55,8S)−22−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート(実施例12,ステップ2)を無水トルエンに溶かした0.1M溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.05当量)を加えた。Nを反応混合物に5分間バブリングし、トリブチルエテニルスタナン(1.5当量)を加えた。混合物を100℃で1時間撹拌し、室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(20%→40% EtOAc/PE)で精製し、化合物を白色固体として得た。MS(ES)C2833計算値:519,実測値:520(M+H)。
【0208】
ステップ2:メチル(3R,5S,8S)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレート
(ステップ1からの)メチル(3R,5S,8S)−8−イソプロピル−7−オキソ−22−ビニル−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレートをEtOHに溶かした9mM溶液に10% Pd/C(0.1当量)を加え、得られた反応混合物をH雰囲気下に室温で2時間撹拌した。触媒をセライトパッドで濾別し、揮発分を減圧除去し、標記化合物を無色油状物として得た。MS(ES)C2835計算値:521,実測値:522(M+H)。
【0209】
ステップ3:(3R,5S,8S)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボン酸
(ステップ2からの)メチル(3R,5S,8S)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキシレートのTHF/HO(1/1 v/v)溶液にLiOH(4当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した後、pH=2に達するまで1N HCl水溶液で処理した。水相をEtOAcで抽出し、有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、白色固体を得た。MS(ES)C2733計算値:507,実測値:508(M+H)。
【0210】
ステップ4:(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド
(ステップ3からの)(3R,5S,8S)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボン酸をDMFに溶かし、この溶液に中間体2を加えた後、PrNEt(3.5当量)とTBTU(1.09当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌し、逆相HPLCにより精製し、標記化合物を白色固体として得た。H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.33(s,1H),8.92(s,1H),7.96(d,J9.7,1H),7.87(d,J8.6,1H),7.78(s,1H),7.71(s,1H),7.63(dd,J8.6,1.5,1H),5.71(s,1H),5.59(m,1H),5.20(d,J17.2,1H),5.08(d,J10.2,1H),4.88(d,J10.8,1H),4.20(dd,J11.3,7.2,1H),4.17(t,J9.6,1H),3.96(dd,J11.4,3.4,1H),2.94−2.86(m,4H),2.76(m,1H),2.64(m,1H),2.18−2.09(m,3H),1.75−1.69(m,3H),1.67−1.62(m,2H),1.39−1.36(m,2H),1.29−1.24(m,4H),1.10−1.08(m,2H),1.04−1.03(m,2H),1.00(t,J6.6,3H),0.96(d,J6.6,3H)。MS(ES)C3645S計算値:719,実測値:720(M+H)。
【0211】
下表は本発明の特定化合物を示す。下表には各化合物の構造及び名称とES−MSにより測定したその分子イオン+1(M+1)の質量を示す。化合物を製造するために利用した合成スキームも最終列に示す。
【0212】
【表1】





【0213】
【表2】


【0214】
【表3】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
nは0、1又は2であり;
はCO、CONRSO、CONRSON(R又はテトラゾリルであり;
はC2−6アルキレン−Rであり;
は水素であり;または
とRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたC3−6シクロアルキル基を形成し;
はC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル又はシクロアルキルは場合により1〜3個のハロで置換されており;
はC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリール又は(CH0−3Hetであり、場合によりハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)R又はCON(Rで置換されており;
は水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリール又はヘテロアリールであり、場合により1〜8個のハロ又はC1−4アルキルで置換されており;
各Rは独立して水素、C1−6アルキル又はC3−8シクロアルキルであり;
各Wは独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリール又はヘテロアリールであり;
Zは結合又はC=Oであり;
Mは場合によりC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル又は(CH0−3アリールで置換され、場合により1個のO又はS原子を含むC2−12アルキレン又はC2−12アルケニレンであり;
A環はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む8〜10員縮合二環式複素環系であり;
B環はN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むC結合5又は6員複素芳香環である。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
nが0又は1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がCONRSO又はCONRSON(Rであり、ここでRは請求項1に定義した通りである請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
がC2−5アルキレン−Rであり、ここでRは請求項1に定義した通りである請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
とRはこれらが結合している炭素原子と共に、場合によりRで置換されたC3−5シクロアルキル基を形成し、ここでRはC1−6アルキル又はC2−6アルケニルである請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が場合によりハロ、OR又はC1−6アルキルで置換されたC1−6アルキル又は(CH0−33−8シクロアルキルであり、ここでRは請求項1に定義した通りである請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル又はアリールである請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Wが独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO又はCON(Rであり、ここでRは請求項に定義した通りである請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Aがピリジニルであるとき、Zは結合である請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Aがピロリジニルてあるとき、ZはC=Oである請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Mが場合によりC1−4アルキル又はC3−6シクロアルキルで置換され、場合により1個のO原子を含むC2−8アルキレン又はC2−8アルケニレンである請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
AがN及びOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む9又は10員縮合二環式複素環系である請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
BがN、O及びSから選択される2又は3個のヘテロ原子を含むC結合5員複素芳香環である請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の式(Ia)
【化2】

[式中、R、R、R、R及びMは請求項1に定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項15】
請求項1に記載の式(Ib)
【化3】

[式中、R、R、R、R及びMは請求項1に定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項16】
請求項1に記載の式(Ic)
【化4】

[式中、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項17】
請求項1に記載の式(Id)
【化5】

[式中、R、R、R、R、Z、M及びAは請求項1に定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項18】
請求項1に記載の式(Ie)
【化6】

[式中、R、R、R、R及びMは式(I)について定義した通りである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項19】
請求項1に記載の式(If)
【化7】

[式中、R、R、R、R、M及びWは請求項1に定義した通りであり;
YがCHであるとき、XはNであり;
YがNであるとき、XはCHである。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項20】
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,25,28−テトラアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10(28),12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1,1−ジメチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16Z)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1,1−ジメチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1,1−ジメチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,21S,24S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−21−(1−メチルエチル)−3,22−ジオキソ−2−オキサ−18−チア−4,20,23,27−テトラアザペンタシクロ[21.2.1.14,7.116,19.06,11]オクタコサ−6,8,10,12,16,19(27)−ヘキサエン−24−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−(1−メチルエチル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]オクタコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−(1,1−ジメチルエチル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−(1,1−ジメチルエチル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキセニル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−[(1R)−1−メチルプロピル]−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−22−[(1S)−1−メチルプロピル]−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−[(1R)−1−メチルプロピル]−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−[(1S)−1−メチルプロピル]−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−14,14−ジメチル−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(25),10(27),12,16,18,20,21,23,25−ノナエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキセニル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,15−ジオキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,22S,25S)−22−シクロヘキセニル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,20(28)−ペンタエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−14,14−ジメチル−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(25),10(27),12,18,20,21,23,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(5S,8S)−N−((1R,2S)−2−エテニル−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−8−(1−メチルエチル)−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.022,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,19−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,22S,25S)−22−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,19−ペンタエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−23−ヨード−8−イソプロピル−7−オキソ−2,28−ジオキサ−6,9,11,12,25−ペンタアザペンタシクロ[17.6.2.13,6.110,13.021,26]ノナコサ−1(25),10,12,19,21,23,26−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2−オキサ−19−チア−4,21,24,28−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,20(28)−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(1R,12E,21S,24S)−21−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−15,15−ジメチル−3,22−ジオキソ−2−オキサ−18−チア−4,20,23,27−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.116,19.06,11]オクタコサ−6,8,10,12,16,19(27)−ヘキサエン−24−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(1R,12E,21S,24S)−21−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−15,15−ジメチル−3,22−ジオキソ−2−オキサ−18−チア−4,20,23,27−テトラアザペンタシクロ[22.2.1.14,7.116,19.06,11]オクタコサ−6,8,10,12,16,19(27)−ヘキサエン−24−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−8−イソプロピル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,21,23,25−ノナエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−[(1S)−1−メチルプロピル]−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16Z)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−23−フェニル−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19−メトキシ−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,24,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S,16E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−19,23−ジメトキシ−14,14−ジメチル−7−オキソ−2−オキサ−11−チア−6,9,22,27−テトラアザペンタシクロ[16.6.2.13,5.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10(27),12,16,18,20,22,25−オクタエン−5−カルボキサミド、
(1R,22S,25S)−22−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,17,19−ペンタエン−25−カルボキサミド、
(1R,12E,22S,25S)−22−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エテニルシクロプロピル)−3,23−ジオキソ−2,28−ジオキサ−4,18,19,21,24−ペンタアザペンタシクロ[22.1.14,7.117,20.06,11]ノナコサ−6,8,10,12,17,19−ヘキサエン−25−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−エチル−8−イソプロピル−7−オキソ−2,27−ジオキサ−6,9,11,12,24−ペンタアザペンタシクロ[16.6.2.13,6.110,13.021,25]オクタコサ−1(24),10,12,18,20,22,25−ヘプタエン−5−カルボキサミドから選択される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項21】
治療用としての請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項22】
ヒト又は動物におけるC型肝炎ウイルス感染の治療又は予防用医薬の製造用としての請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項23】
医薬的に許容可能なキャリヤーと共に請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含有する医薬組成物。
【請求項24】
更に抗ウイルス剤や、α−、β−又はγ−インターフェロン等の免疫調節剤等の1種以上の他のウイルス感染治療剤を含有する請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
C型肝炎ウイルスプロテアーゼの阻害方法及び/又はC型肝炎ウイルスに起因する疾患の治療もしくは予防方法であって、前記症状をもつヒト又は動物(好ましくは哺乳動物)対象に治療又は予防有効量の請求項23もしくは24に記載の医薬組成物又は請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物もしくはその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む前記方法。

【公表番号】特表2009−537481(P2009−537481A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510429(P2009−510429)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054594
【国際公開番号】WO2007/131966
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】