説明

抗ウイルス剤として使用するためのモルホリニルアニリノキナゾリン誘導体

式(Ia)


(式中、R、R、R及びRは特許請求の範囲で定義した通り)
の化合物が、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害する活性を有することを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラビウイルス科感染を治療又は予防するのに有用なキナゾリン誘導体のシリーズに関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルス科のウイルスはポジティブセンスRNAゲノムを含む、小さな、正20面体の、エンベロープを持ったウイルスである。この科は、フラビウイルス属、ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属の3つの属から成る。
【0003】
多くのフラビウイルス科のウイルスは、重要なヒト病原体である。実際、ヘパシウイルス属は、C型肝炎ウイルスを含んでいる。しかしながら、今のところ、フラビウイルス科感染に対する有効で安全な治療は存在しない。
【0004】
WO98/02434は、プロテインチロシンキナーゼ阻害剤としてのキナゾリンを開示している。その文献に明確に開示されたいかなる化合物も、その6位にモルホリノ−アニリン基を有していない。
【0005】
ここで驚くべきことに、式(Ia)のキナゾリン誘導体は、フラビウイルス科ウイルスの複製を阻害する活性を有し、それゆえフラビウイルス科感染の治療又は予防に有効であることを見出した。本発明はそれゆえ、式(Ia)
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rは水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−COR’、−CONR’R’’、−A、−A−L−A’、−Z−L−A又は−A−L−Z−L−A(式中、R’及びR’’は同じか又は異なっており、それぞれ水素又はC−Cアルキルを示す)を示し;
は水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cハロアルコキシを示し;
は水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cハロアルコキシを示し;かつ
は水素、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを示し、
(ここで、
Aは、C−C10アリール、5−10員のヘテロアリール又は5−10員のヘテロ環式基を示し;
各Lは、同じか又は異なっており、直接結合又はC−Cアルキレン基であり;
A’は、5−10員のヘテロアリール又は5−10員のヘテロ環式基であり;
かつ
Zは、−S−、−O−、−NR’−、−CO−、−C(O)NR’−、−OC(O)−、−NR’C(O)−、−OCO−、−NR’CO−、−OC(O)NR’−、又は−NR’C(O)NR’’−(式中R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)である)
におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、ヒドロキシ、チオール、−NH、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cチオアルキル、C−Cアミノアルキル、シアノ、ニトロ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−CONR’R’’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素及びC−Cアルキルから選択され、L’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、Xは−S−、−O−又は−NR’−(式中R’は上記で定義した通り)であり、L’’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、かつYは水素、−COR、−CO、−S(O)又は−S(O)R(式中、Rは水素又はC−Cアルキルである))から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている)
のキナゾリン誘導体、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。
【0008】
疑いを避けるために、Z部分の幾何学的配置は、表された基の左手側がキナゾリン基又は−A−L−部分に結合するような配置である。それゆえ、例えば、Zが−C(O)NR’であり、かつRが−Z−L−Aであるとき、Rは−C(O)NR’−L−Aである。
【0009】
1つの実施態様において、式(Ia)のキナゾリン誘導体は式(I)
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、Rは水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−A−L−A’を示し、Rは水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cハロアルコキシを示し、
(ここで、
AはC−C10アリール、5−10員のヘテロアリール又は5−10員のヘテロ環式基を示し;
Lは直接結合又はC−Cアルキレン基であり;
A’は5−10員のヘテロアリール又はヘテロ環式基である)
におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、ヒドロキシ、チオール、−NH、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cチオアルキル、C−Cアミノアルキル、シアノ、ニトロ、−COR’、−COR’、−CONR’R’’、−SOR’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素及びC−Cアルキルから選択され、L’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、Xは−S−、−O−又は−NR’−(式中R’は上記で定義した通り)であり、L’’はC−Cアルキレン基であり、かつYは水素、−COR、−CO、−S(O)、又は−S(O)R(式中、Rは水素又はC−Cアルキルである))から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている)
のキナゾリン誘導体である。
【0012】
典型的には、式(I)中のRにおけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、ヒドロキシ、チオール、−NH、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cチオアルキル、C−Cアミノアルキル、シアノ、ニトロ、−COR’、−COR’、−CONR’R’’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素及びC−Cアルキルから選択され、L’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、Xは−S−、−O−又は−NR’−(式中R’は上記で定義した通り)であり、L’’はC−Cアルキレン基であり、かつYは水素、−COR、−CO、−S(O)又は−S(O)R(式中、Rは水素又はC−Cアルキルである))から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている。
【0013】
本明細書で用いられている、C−Cアルキル基又は部分は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル基又は部分である。典型的には、C−Cアルキル基又は部分は、C−Cアルキル基又は部分である。C−Cアルキル基又は部分は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル基又は部分である。C−Cアルキル基及び部分の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル及び3−メチル−ブチルが挙げられる。C−Cアルキル基及び部分の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル及びt−ブチルが挙げられる。疑いを避けるために、2つのアルキル部分が1つの基に存在する場合、該アルキル部分は同じか又は異なっていてもよい。
【0014】
本明細書で用いられている、C−Cアルキレン基又は部分は、直鎖又は分枝のアルキレン基又は部分である。例としては、メチレン、エチレン及びn−プロピレン基及び部分が挙げられる。
【0015】
典型的には、本明細書で用いられている、C−C10アリール基又は部分は、フェニル又はナフチルである。フェニルが好ましい。
【0016】
本明細書で用いられている、ハロゲンは、典型的には、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは、塩素、臭素又はフッ素である。
【0017】
本明細書で用いられている、C−Cアルコキシ基は典型的には、酸素原子に結合した上記C−Cアルキル基である。ハロアルキル又はハロアルコキシ基は典型的には、1以上の上記ハロゲン原子により置換された上記アルキル又はアルコキシ基である。典型的には、これは1、2又は3個の上記ハロゲン原子により置換されている。好ましいハロアルキル及びハロアルコキシ基には、−CX及び−OCX(式中、Xは上記ハロゲン原子、例えば塩素及びフッ素である)のようなパーハロアルキル及びパーハロアルコキシ基が挙げられる。特に好ましいハロアルキル基は、−CF及び−CClである。特に好ましいハロアルコキシ基は、−OCF及び−OCClである。
【0018】
本明細書で用いられている、C−Cヒドロシキアルキル基は、1以上のヒドロキシ基で置換されたC−Cアルキル基である。典型的には、これは1、2又は3個のヒドロキシ基により置換されている。好ましくは、これは単一のヒドロキシ基により置換されている。好ましいヒドロキシアルキル基は−CH−OHである。
【0019】
本明細書で用いられている、C−Cチオアルキル基は、1以上のチオ基(−SH)で置換されたC−Cアルキル基である。典型的には、これは1、2又は3個のチオ基により置換されている。好ましくは、これは単一のチオ基により置換されている。
【0020】
本明細書で用いられている、C−Cアミノアルキル基は、1以上の−NH基により置換されたC−Cアルキル基である。典型的には、これは1、2又は3個の−NH基により置換されている。好ましくは、これは単一の−NH基により置換されている。
【0021】
本明細書で用いられている、5−10員のヘテロアリール基又は部分は、例えば、O、S及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、1、2又は3個のヘテロ原子)を含む5又は6員環などの、単環式の5−10員の芳香族環である。例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピラゾリジニル、ピロリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピリダゾリル及びピラゾリル基が挙げられる。好ましい例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピラゾリジニル、ピロリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル及びピラゾリル基が挙げられる。フラニル、チエニル、ピリダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル及びチアゾリル基が好ましい。フラニル、チエニル、ピリミジニル及びチアゾリル基がより好ましい。フラニル、チエニル及びチアゾリル基がさらにより好ましい。
【0022】
本明細書で用いられている、5−10員のヘテロ環式基又は部分は、1以上(例えば、1、2又は3個)の炭素原子がN、O、S、S(O)及びS(O)から選択される部分により置換された単環式非芳香族の、飽和又は不飽和C−C10炭素環である。典型的には、これは5−6員環である。
【0023】
適切なヘテロ環式基及び部分には、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、チオモルホリニル、S−オキソ−チオモルホリニル、S,S−ジオキソ−チオモルホリニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキソリル及びピラゾリニル基及び部分が挙げられる。ピペラジニル、チオモルホリニル、S,S−ジオキソチオモルホリニル、モルホリニル及び1,3−ジオキソラニル基及び部分が好ましい。
【0024】
典型的には、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている。
【0025】
典型的には、L’は直接結合又はC−Cアルキレン基である。典型的には、Xは−O−又は−NR’−(式中、R’は上記で定義した通り)である。典型的には、L’’は直接結合又はC−Cアルキレン基、好ましくはC−Cアルキレン基である。典型的には、Yは水素、−COR、−CO−、−S(O)又は−S(O)R(式中、RはC−Cアルキル基である)である。好ましくは、Yは水素、−COR、−S(O)又は−S(O)R(式中、RはC−Cアルキル基である)である。
【0026】
好ましくは、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’、C−Cアルコキシ、−NR’−COR、−NR’−CO、−(C−Cアルキル)−NR’−CO、−NR’−S(O)−R及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’、R’’及びRは同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。
【0027】
1つの実施態様において、式(Ia)のキナゾリン誘導体は式(I)のキナゾリン誘導体であり、典型的には、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている。好ましくは、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている。より好ましくは、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。さらにより好ましくは、R置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1又は2個の置換基により置換されている。
【0028】
典型的には、Aはフェニル、5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基である。好ましくは、Aはフェニル又は5−6員のヘテロアリール基である。より好ましくは、Aはフェニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、チアゾリル又はピリダゾリル基である。さらにより好ましくは、Aはフェニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル又はチアゾリル基である。最も好ましくは、Aはフェニル、フラニル、チエニル又はチアゾリル基である。
【0029】
典型的には、Lは直接結合又はC−Cアルキレン基である。
【0030】
典型的には、A’は5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基である。好ましくは、A’が5−6員のヘテロアリール基である場合、それはピラゾリル基である。
【0031】
より好ましくは、A’は5−6員のヘテロ環式又はヘテロアリール基であり、その基は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル及びC−Cハロアルコキシ置換基から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている。最も好ましくは、A’はモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル、S,S−ジオキソチオモルホリノ又はピラゾリル基であり、それらは無置換であるか、又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。
【0032】
1つの実施態様において、式(Ia)のキナゾリン誘導体は式(I)のキナゾリン誘導体であり、好ましくはA’は5−6員のヘテロ環式基である。より好ましくは、A’は5−6員のヘテロ環式基であり、それらは無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル及びC−Cハロアルコキシ置換基から選択される1、2もしくは3個の置換基により置換されている。最も好ましくは、A’は、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル(dioxoanyl)又はS,S−ジオキソチオモルホリノ基であり、それらは無置換であるか、又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。
【0033】
典型的には、Zは−O−、−CONR’−、−NR’C(O)−又は−NR’CO−(式中、R’は上記で定義した通り)である。好ましくはZは−O−、−CONH−、−CON(C−Cアルキル)−、−NHC(O)−又は−NHCO−である。
【0034】
典型的には、Rはハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−COR’、−CONR’R’’、−A、−A−L−A’、−Z−L−A、又は−A−L−Z−L−A(式中、R’、R’’、A、L、A’及びZは上記で定義した通り)である。好ましくは、Rはハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−CONR’R’’、−A、−Ar−L−A’、−Z−L−A、又は−Ar−Z−L−Ar(式中、R’及びR’’は同じか又は異なっており、それぞれ水素又はC−Cアルキル基を示し、A及びA’は上記で定義した通りであり、Arは無置換のフラニル又は無置換のフェニル基であり、Lは直接結合又はメチレン基であり、かつZは−O−、−C(O)NR’−、−NR’C(O)−又は−NR’CO−(式中、R’は上記で定義した通り)である)である。
【0035】
1つの実施態様において、式(Ia)のキナゾリン誘導体は式(I)のキナゾリン誘導体であり、典型的には、Rはハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−A−L−A’(式中、A、L及びA’は上記で定義した通り)である。好ましくは、Rはハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−Ar−L−A’(式中、A及びA’は上記で定義した通りであり、Arは無置換のフラニル基であり、かつLは直接結合又はメチレン基である)である。
【0036】
典型的には、Rは水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシである。好ましくは、Rは水素又はC−Cアルコキシである。
【0037】
典型的には、Rは水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル又はC−Cアルコキシである。好ましくは、Rは水素、メチル、トリフルオロメチル又はメトキシである。
【0038】
典型的には、Rは水素又はC−Cアルキルである。
【0039】
本発明の好ましい化合物は以下の化合物である:
はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−COR’−、−CONR’R’’、−A、−A−L−A’、−Z−L−A、又は−A−L−Z−L−Aであり;
は水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシであり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル又はC−Cアルコキシであり;
は水素又はC−Cアルキルであり;
Aはフェニル、5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基であり;
Lは直接結合又はC−Cアルキレン基であり;
A’は5−6員のヘテロアリール又はヘテロ環式基であり;かつ
Zは−O−、−CONR’−、−NR’C(O)−又は−NR’CO−(式中、R’は水素又はC−Cアルキルである)であり、
置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基により置換されている。
【0040】
本発明のさらに好ましい化合物は、式(Ia)のキナゾリン誘導体が式(I)のキナゾリン誘導体である化合物であり、ここで
はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−A−L−A’であり;
は水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル、5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基であり;
Lは直接結合又はC−Cアルキレン基であり;かつ
A’は5−6員のヘテロアリール又はヘテロ環式基であり、
置換基においてアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基により置換されている。
【0041】
本発明のさらに好ましい化合物は、式(Ia)のキナゾリン誘導体が式(I)のキナゾリン誘導体である化合物であり、ここで
はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−A−L−A’であり;
は水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル、5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基であり;
Lは直接結合又はC−Cアルキレン基であり;かつ
A’は5−6員のヘテロアリール又はヘテロ環式基であり、
置換基のアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは上記で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基により置換されている。
【0042】
本発明のさらに好ましい化合物は以下の化合物である:
はハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−CONR’R’’、−A、−Ar−L−A’、−Z−L−A、又は−Ar−Z−L−Ar(式中、R’及びR’’は同じか又は異なっており、それぞれ水素又はC−Cアルキル基を示す)であり、
は水素又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル又は5−6員のヘテロアリール基、例えばフラニル、チエニル、ピリミジニル及びチアゾリルであり、この基は無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’、C−Cアルコキシ、−NR’−COR、−NR’−CO、−(C−Cアルキル)−NR’−CO、−NR’−S(O)−R及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1もしくは2個の置換基により置換されており;
Arは無置換のフラニル又は無置換のフェニル基であり;
Lは直接結合又はメチレン基であり;
A’は5−6員のヘテロ環式又はヘテロアリール基、例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル、S,S−ジオキソチオモルホリニル及びピラゾリルであり、それらは無置換であるか、又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換されており、かつ
Zは−O−、−CONH−、−CON(C−Cアルキル)−又はNHC(O)−である。
【0043】
本発明のさらに好ましい化合物は、式(Ia)のキナゾリン誘導体が式(I)のキナゾリン誘導体である化合物であり、ここで
はハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−Ar−L−A’であり;
は水素又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル又は5−6員のヘテロアリール基、例えばフラニル、チエニル、ピリミジニル及びチアゾリルであり、この基は無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1もしくは2個の置換基により置換されており;
Arは無置換のフラニル基であり;
Lは直接結合又はメチレン基であり;かつ
A’は5−6員のヘテロ環式基、例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル(dioxoanyl)及びS,S−ジオキソチオモルホリニルであり、それらは無置換であるか、又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。
【0044】
本発明のさらに好ましい化合物は、式(Ia)のキナゾリン誘導体が式(I)のキナゾリン誘導体である化合物であり、ここで
はハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A、−Ar−L−A’であり;
は水素又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル又は5−6員のヘテロアリール基、例えばフラニル、チエニル及びチアゾリルであり、この基は無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1又は2個の置換基により置換されており;
Arは無置換のフラニル基であり;
Lは直接結合又はメチレン基であり;かつ
A’は5−6員のヘテロ環式基、例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル(dioxoanyl)及びS,S−ジオキソチオモルホリニルであり、それらは無置換であるか、又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている。
【0045】
式(Ia)の特に好ましい化合物としては、
(6−ブロモ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(6−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(6−フラン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フラン−2−カルバルデヒド;
{5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フラン−2−イル}−メタノール;
(6−{5−[(2−メタンスルホニル−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
{6−[5−(1,1−ジオキソ−1−λ−6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−イル]−キナゾリン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
{6−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−キナゾリン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(5−メチルアミノメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−o−トリル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チアゾール−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[6−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−アミン;
4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−ベンゾニトリル;
[6−(2−メトキシ−ピリミジン−5−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−チオフェン−2−カルボン酸;
[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
フラン−2−カルボン酸[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−アミド;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸4−メトキシ−ベンジルアミド;
3−{[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボニル]アミノ}−安息香酸エチルエステル;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸4−メチル−ベンジルアミド;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸メチルアミド;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸ジメチルアミド;
4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸エチルアミド;
N−{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−アセトアミド;
{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−カルバミン酸ベンジルエステル;
N−{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}アセトアミド;
{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル;
N−{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド;
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン;
(4−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
エチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−メチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メチル−ブチル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン;
イソプロピル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(3−メチル−ブチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
[6−(2−ベンジルオキシ−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン4−イル−フェニル)−アミン;
[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン4−イル−フェニル)−アミン;及び
医薬的に許容されるそれらの塩が挙げられる。
【0046】
1以上のキラル中心を含む式(Ia)の化合物はエナンチオマー又はジアステレオ異性体として純粋な形態、又は異性体の混合物の形態で用いられ得る。疑いを避けるために、式(Ia)の化合物は、必要に応じて、溶媒和物の形態で用いられ得る。さらに、疑いを避けるために、本発明の化合物は、任意の互変異性体の形態で用いられ得る。
【0047】
本明細書で用いられている、医薬的に許容される塩は、医薬的に許容される酸又は塩基との塩である。医薬的に許容される酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、ニリン酸、臭化水素酸又は硝酸などの無機酸、及びクエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸などの有機酸の両方が含まれる。医薬的に許容される塩基としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカリウム)及びアルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)の水酸化物並びにアルキルアミン、アラルキルアミン及びヘテロ環式アミンなどの有機塩基が含まれる。
【0048】
が水素又はハロゲン以外である本発明の化合物は、例えば、以下の反応スキームに従って製造することができる。
【0049】
【化3】

【0050】
当業者に明らかなように、上記反応スキームのXは適切な脱離基であり、例えばハロゲンである。
【0051】
スキーム1a及び1に関して、式(IIa)及び(II)の化合物の有機金属試薬(V)による処理は、それぞれ、適切な溶媒(テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又はトルエン等)中、高められた温度(例えば、50℃から還流まで)で都合よく行われる。該反応は、有機塩基(例えば、トリエチルアミン)又は無機塩基(例えば、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)の存在下、パラジウム触媒(例えば、20mol%トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(II)又は20mol%ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))下で都合よく行われる。試薬(V)が有機スタンナン(例えば、M=SnBu)である場合、当業者は該反応をスティルカップリングの例として理解し、そこでは、例えば、塩化リチウム、酸化銀などの追加の添加剤が有効であり得、該反応はトルエン中、還流温度において都合良く行われる。試薬(V)がボロン酸誘導体である場合、当業者は該反応を鈴木−宮浦カップリングの例として理解し、これはテトラヒドロフラン中、60℃で都合よく行われ得る。
【0052】
スキーム1a及び1に関して、式(III)の化合物の式(IIa)及び(II)の化合物への変換は、それぞれ、触媒活性剤(例えば、ジメチルホルムアミド)の添加と共に溶媒として塩化チオニルのような試薬を用いて、式(III)の化合物の4−ヒドロキシ基を適切な脱離基(例えば、クロロ)に変換し、続いて適切な溶媒(例えば、アセトニトリル)中で、4−モルホリノアニリンと反応させることにより達成される。
【0053】
スキームIa及びIに関して、式(IV)の化合物の式(III)の化合物への変換は、当業者に周知であり、溶媒としてホルムアミドを用い、高められた温度(例えば、還流)において都合よく行われる。
【0054】
が水素又はハロゲンである式(Ia)又は(I)の化合物は、当然に、Xが水素又はハロゲンである式(IV)の化合物を用いて、上記の通りに式(IV)の化合物を対応する式(III)の化合物へと変換し、それぞれ、上記の通りに式(VIa)又は(VI)の化合物と反応させることにより製造され得る。Rがアルキル、ハロアルキル、アルコキシ及びハロアルコキシである式(Ia)又は(I)の化合物もまた、当然に、類似の方法により製造され得る。
【0055】
上記反応スキームの出発物質は公知の化合物であるか、公知の方法と類似する方法により製造され得る。特に、式(VIa)の化合物は、スキーム2で概略されるような公知の方法により製造され得る。
【0056】
【化4】

【0057】
本発明の化合物は治療に有用である。本発明はそれゆえ、ヒト又は動物体の治療に用いるための上記で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体、又は医薬的に許容されるそれらの塩を提供する。同時に、上記で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体又はそれらの医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物もまた提供する。
【0058】
上記の医薬組成物は、典型的には、85重量%までの本発明の化合物を含む。より典型的には、この医薬組成物は50重量%までの本発明の化合物を含む。好ましい医薬組成物は、無菌であり、かつ発熱物質を含まないものである。さらに、本発明により提供される医薬組成物は、典型的には、実質的に純粋な光学異性体である本発明の化合物を含む。
【0059】
上記で説明したように、本発明の化合物はフラビウイルス科感染に対して活性を有する。本発明はそれゆえ、フラビウイルス科感染の治療又は予防に用いるための医薬の製造における、上記で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体又は医薬的に許容されるそれらの塩の使用を提供する。同時に、フラビウイルス科感染に罹患している又は感染しやすい患者を治療するための方法もまた提供し、この方法は、式(Ia)のキナゾリン誘導体又は医薬的に許容されるそれらの塩の有効量を上記患者に投与することを含む。
【0060】
フラビウイルス科は3つの属を含んでいる。これらはヘパシウイルス、フラビウイルス及びペスチウイルスである。本発明の化合物は、ヘパシウイルス感染、フラビウイルス感染又はペスチウイルス感染の治療又は予防に活性を有する。
【0061】
本発明の化合物により治療され得る典型的なペスチウイルス感染としては、牛ウイルス性下痢ウイルス、豚コレラウイルス及びボーダー病ウイルスが挙げられる。
【0062】
本発明の化合物により治療され得る典型的なフラビウイルス感染としては、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス及びダニ媒介脳炎ウイルスが挙げられる。
【0063】
本発明の化合物により治療され得る典型的なヘパシウイルス感染としては、C型肝炎ウイルスが挙げられる。
【0064】
本発明の化合物は、特にC型肝炎に対して活性を有する。典型的には、上記フラビウイルスは、それゆえC型肝炎ウイルスである。
【0065】
本発明の化合物は、様々な剤形で投与され得る。それゆえ、それらは例えば錠剤、トローチ、ドロップ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒として、経口で投与され得る。本発明の化合物はまた、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、経皮であるか、注入法であるかを問わず、非経口で投与され得る。本発明の化合物は、坐剤としても投与され得る。
【0066】
本発明の化合物は、典型的には、医薬的に許容される担体又は賦形剤と共に、投与のために製剤化される。例えば、固形経口剤は活性化合物と共に、賦形剤(例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ又はポテトスターチ)、滑剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコール)、結合剤(例えば、スターチ、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルピロリドン)、分散剤(例えば、スターチ、アルギン酸、アルギネート又はグリコール酸ナトリウムスターチ)、発泡混合物、染料、甘味料、湿潤剤(レシチン、ポリソルベート、ラウリルサルフェート等)、及び通常、医薬の製剤化において用いられる非毒性及び薬理学的に不活性な物質を含んでいてもよい。そのような医薬製剤は公知の方法、例えば、混合、造粒、錠剤化、糖衣、又はフィルムコーティング処理により製造され得る。
【0067】
経口投与のための液体分散物は、シロップ、エマルジョン及び懸濁液であり得る。該シロップは担体として、例えば、サッカロース、又はグリセリン及び/又はマンニトール及び/又はソルビトールと共にサッカロースを含み得る。
【0068】
懸濁液及びエマルジョンは、担体として、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はポリビニルアルコールを含み得る。筋肉内注射用の懸濁液又は溶液は、活性化合物と共に、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、及び、必要に応じて、適切な量の塩酸リドカインなどの医薬的に許容される担体を含んでいてもよい。
【0069】
注射又は注入のための溶液は、担体として、例えば、滅菌水を含んでいてもよく、又は好ましくは、それらは滅菌された水性の、等張の生理食塩水溶液の形態であり得る。
【0070】
本発明の化合物は、公知の抗ウイルス剤と共に用いられ得る。これに関して好ましい公知の抗ウイルス剤は、インターフェロン及びリバビリン、及びそれらの誘導体であり、これらはC型肝炎の治療において公知である(Clinical Microbiology Reviews、Jan.2000、67−82)。上記医薬はそれゆえ、典型的にはさらに、インターフェロン又はそれらの誘導体及び/又はリバビリン又はそれらの誘導体を含んでいる。さらに、本発明は、
(a)上記で定義した、式(Ia)のキナゾリン誘導体、又は医薬的に許容されるそれらの塩、
(b)インターフェロン又はそれらの誘導体及び/又はリバビリン又はそれらの誘導体、及び
(c)医薬的に許容される担体又は賦形剤
を含む医薬組成物を提供する。
【0071】
同時に、ヒト又は動物体の治療において、別々に、同時に又は連続して使用するための、
(a)上記で定義した、式(Ia)のキナゾリン誘導体、又は医薬的に許容されるそれらの塩;及び
(b)インターフェロン又はそれらの誘導体及び/又はリバビリン又はそれらの誘導体
を含む製品もまた提供する。
【0072】
好ましいインターフェロン誘導体はPEG−インターフェロンである。好ましいリバビリン誘導体は、ビラミジンである。
【0073】
本発明の化合物の治療有効量が患者に投与される。典型的な用量は、体重1kg当たり約0.01〜100mgであり、特定化合物の活性、治療される対象物の年齢、体重及び状態、疾患の種類及び重症度並びに投与の頻度及び経路に従う。好ましくは、体重1kg当たりの1日投与量は約0.05〜16mg、より好ましくは体重1kg当たり0.05〜1.25mgである。
【0074】
以下の実施例は本発明を説明する。しかしながらこれらは、本発明をいかなる方法においても制限しない。この点に関して、実施例の頁において用いられている特定の分析は、抗ウイルス活性を示すために設計されているにすぎないことを理解することが重要である。そのような活性を測定するために利用可能な分析は数多くあり、それゆえ、いずれか1つの特定の分析での否定的な結果は、決定的なものではない。
【実施例】
【0075】
全ての温度は℃である。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、uv254インジケーターを備えた、Si 60G被覆プラスチックプレート(Polygram)で行った。全てのNMRスペクトルは、特に言及していない限り、d−DMSO中、250MHzで得た。
【0076】
LC−MS条件
サンプルを、陽−陰イオン同時検出と共にエレクトロスプレーを用いて、MicroMass ZMDにかけた。
カラム:Synergi Hydro−RP、30×4.6mm I.D、4μm。
勾配:4分間で95:5から5:95 v/v HO/CHCN+0.05%ギ酸、3分間維持、0.2分間で95:5 v/v HO/CHCN+0.05%ギ酸に戻し、95:5 v/v HO/CHCN+0.05%ギ酸で3分間維持。
検出:PDA250−340nm
流速:1.5ml/分
【0077】
実施例1:(6−ブロモ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
5−ブロモ−2−アミノ安息香酸(5g、23.1mmol)を、ホルムアミド(5当量)に懸濁し、N下で16時間、155℃まで加熱した。混合物を放冷し、水に加えた。得られた析出物をろ過により単離し、乾燥して、6−ブロモキナゾリン−4−オール中間体を得た。この物質の1部(1g)を塩化チオニル(10ml)に溶解し、5時間還流する前にDMF(0.3ml)を加えた。溶媒を除去し、微量の塩化チエニルを除去するために残渣をトルエン(3×10ml)で共沸した。得られた物質をMeCN(10ml)に溶解し、4−モルホリノアニリン(1.1当量、Lancaster)を加え、反応混合物を24時間加熱還流した。冷却し、析出物をろ過により単離し、表題化合物をベージュ色の固体(867mg)として得た。
δ(DMSO)11.5(1H,br s);9.17(1H,d,J 2.5Hz);8.9(1H,s);8.22(1H,dd,J 8.8,1.9Hz);7.88(1H,d,J 8.8Hz);7.61(2H,d,J 8.8Hz);7.06(2H,d,J 8.8Hz);3.78(4H,m);3.18(4H,m)
LC−MS ES+=385,rt 3.89
【0078】
実施例2:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
5−ヨード−2−アミノ安息香酸を出発物質として用いて、実施例1と同様な手順により、表題化合物をオレンジ色の固体(568mg)として得た。
δ(DMSO)11.5(1H,br s);9.17(1H,d,J 2.5Hz);8.89(1H,s);8.22(1H,dd,J 8.8,1.9Hz);7.88(1H,d,J 8.8Hz);7.62(2H,d,J 8.8Hz);7.07(2H,d,J 8.8Hz);3.78(4H,m);3.18(4H,m)
LC−MS ES+=433,rt 3.97
【0079】
実施例3:(6,7−ジメトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
4,5−ジメトキシ−2−アミノ安息香酸を出発物質として用いて、実施例1と同様な手順により、表題化合物を得た。
LC−MS ES+=367 rt 3.76
【0080】
実施例4:(6−トリフルオロメトキシ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
5−トリフルオロメトキシ−2−アミノ安息香酸を出発物質として用いて、実施例1と同様な手順により、表題化合物を得た(110mg)。
δ(DMSO)10.0(1H,s);8.66(1H,s);8.62(1H,s);7.91(2H,s);7.68(2H,d,J 8.85Hz);7.0(2H,d,J 8.85Hz);3.80(2H,m);3.10(2H,m)
LC−MS 391 rt 4.89
【0081】
実施例5:(6−フラン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(実施例2、0.23mmol)をトルエン(5ml)に溶解し、トリブチルスタンニルフラン(Aldrich、1.1当量)、塩化リチウム(5当量)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム二塩化物(5mol%)で処理し、窒素下、24時間加熱還流した。水でワークアップし、その後カラムクロマトグラフィーに供して、表題化合物(22mg)を得た。
δ(DMSO)9.92(1H,s);8.89(1H,s);8.55(1H,s);8.23(1H,dd,J 8.85,1.89Hz);7.95(1H,d,1.26Hz);7.84(1H,d,8.85Hz);7.72(2H,d,J 8.85Hz);7.19(1H,d,J 1.89Hz);7.07(2H,d,9.48Hz);6.77(1h,dd,J 3.16Hz,1.89Hz);3.83(4H,m);3.18(4H,m)
LC−MS ES+=373 rt 4.31
【0082】
実施例6:[6−(5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−2−トリブチルスタンニルフランを用いて、実施例5の方法により、表題化合物(30mg)を得た。
δ(DMSO)8.56(1H,s);8.24(1H,s);7.96(1H,dd,J8.85,1.89Hz);7.86(1H,d,J 8.85Hz);7.75(2H,d,8.85Hz);6.88(2H,d,J 8.85Hz);6.83(1H,d,J 3.16Hz);6.5(1H,d,J 3.8Hz);5.95(1H,s);4.11(2H,m);4.01(2H,m);3.81(4H,m);3.11(4H,m)
LC−MS ES+=445 rt 4.21
【0083】
実施例7:5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フラン−2−カルバルデヒド
[6−(5−[1,3]ジオキソラン−2−イル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(100mg)を、加熱しながらTHF(10ml)に溶解し、2M HCl(2ml)に続いて水(10ml)を加え、TLC(SiO、CHCl/iPrOH 20%)が脱保護が完了したことを示すまで、75℃で加熱した。冷却した反応混合物を2M NaOHでpH8まで塩基性にして、表題化合物をろ過により黄色固体として単離した(45mg)。
δ(DMSO)10.07(1H,br s);9.72(1H,s);9.04(1H,s);8.56(1H,s),8.32(1H,d,J 8.21Hz);7.87(1H,d,J 8.84Hz);7.79(1H,d,J 3.79Hz);7.67(2H,d 8.84Hz),7.46(1H,d J 3.16Hz);7.05(2H,d J 8.84Hz);3.81(4H,m);3.17(4H,m)
LC−MS ES+=401 rt 4.16
【0084】
実施例8:{5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フラン−2−イル}−メタノール
5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フラン−2−カルバルデヒド(450mg)をCHCl(15ml)及び酢酸(1ml)中で、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.477g、2当量)で2時間還元し、続いて水で後処理することにより表題化合物を得た。
δ(DMSO)9.86(1H,br);8.77(1H,d,J 1.26Hz);8.47(1H,s);8.13(1H,dd J 8.85,1.89Hz);7.76(1H,d,8.85Hz);7.65(2H,d,J 8.85Hz);7.05(1H,d J 3.16Hz);7.0(2H,d J 8.85Hz);6.50(1H,d,3.16Hz),5.76(1H,s);5.34(1H,br);4.53(2H,s);3.70(4H,m);3.10(4H,m)
LC−MS ES+=403 rt 4.66
【0085】
実施例9:(6−{5−[(2−メタンスルホニル−エチルアミノ)−メチル]−フラン−2−イル}−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例7のカルボキサルデヒド(150mg)を2−メタンスルホニルエチルアミン(46mg、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14、1、、p111−114 Yue−Mei Zhang et al中の経路により製造)及び5Aモレキュラーシーブス(300mg)で、CHCl(15ml)中、40°で5時間処理した。酢酸(2ml)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(139mg、2当量)を加え、室温で一晩攪拌した。混合物を濃縮乾固し、サクションクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(70mg)を得た。
δ(CDCl)8.60(1H,br);8.29(1H,d,1.42Hz);7.88 91H,dd,J 8.68,1.74Hz);7.78(1H,d,8.86Hz);7.60(2H,d,9.0Hz);6.91(2H,d,9.10Hz);6.62(1H,d,3.32Hz);6.25(1H,d,3.30Hz);3.86(2H,s);3.81(4H,m);3.22(4H,s),3.10(4H,m);2.83(3H,s)
LC−MS ES+=508 rt 4.95
【0086】
実施例10:{6−[5−(1,1−ジオキソ−1−λ−6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−イル]−キナゾリン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例9の方法により、表題化合物を黄色固体(25mg)として得た。
δ(DMSO)9.82(1H,s);8.76(1H,s);8.48(1H,s);8.14(1H,dd,J 8.85,1.89Hz);7.79(1H,d,J 8.85Hz);7.64(2H,d,J 8.85Hz);7.08(1H,d,J 3.16Hz);7.01(2H,d,J 8.85Hz);6.59(1H,d,J 3.16Hz);3.85(2H,s);3.8(4H,m);3.15(8H,m);3.0(4H,m)
LC−MS ES+=520 rt 4.85
【0087】
実施例11:{6−[5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−イル]−キナゾリン−4−イル}−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例9の方法により、表題化合物を黄色固体(30mg)として得た。
δ(DMSO)9.75(1H,s);8.64(1H,d,J 1.26Hz);8.37(1H,s);8.03(1H,dd,J 8.85,1.26Hz);7.86(1H,s);7.67(1H,d,J 8.21Hz);7.54(2H,d,8.85Hz);6.96(1H,d,J 3.16Hz);6.91(2H,d,J 9.48Hz);6.40(1H,d,J 3.16Hz);3.67(4H,m);3.50(2H,s);3.27(8H,b);3.02(4H,m);2.03(3H,s)
LC−MS m/z 485 rt 4.48
【0088】
実施例12:[6−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例9の方法により、表題化合物を淡黄色固体(20mg)として得た。
δ(DMSO)9.92(1H,s);8.80(1H,s);8.49(1H,s);8.15(1H,d,J 8.21Hz);7.79(1H,d,J 8.85Hz);7.65(2H,d,J 8.85Hz);7.09(1H,d,J 3.16Hz);7.01(2H,d,J 8.85Hz);6.57(1H,d,J 3.16Hz);6.53(1H,s);3.80(10H,m);;3.33(4H,m);3.20(4H,m)
LC−MS m/z 472 rt 4.12
【0089】
実施例13:[6−(5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例9の方法により、表題化合物を淡黄色固体(20mg)として得た。
δ(DMSO)9.93(1H,s);8.85(1H,s);8.56(1H,s);8.22(1H,dd,J 8.85,1.26Hz);7.86(1H,d,J 8.85Hz);7.73(2H,d,J 9.48Hz);7.16(1H,d,J 3.16Hz);7.09(2H,d,J 8.85Hz);6.63(1H,d,J 3.16Hz);3.86(4H,m);3.73(2H,s);3.21(4H,m);2.37(6H,s)
LC−MS 430 rt 4.51
【0090】
実施例14:[6−(5−メチルアミノメチル−フラン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例9の方法により、表題化合物を淡黄色固体(8mg)として得た。
δ(DMSO)9.69(1H,s);8.63(1H,s);8.35(1H,s);8.02(1H,d,J 8.85Hz);7.64(1H,d,J 8.85Hz);7.53(2H,d,J 8.21Hz);6.90(3H,m);6.35(1H,m);3.65(6H,m);3.10(4H,m);2.23(3H,s)
LC−MS m/z 4.16
【0091】
実施例15:(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(実施例2、2.66g)及びチオフェン−2−ボロン酸(Lancaster、1.18g、1.5当量)のTHF(26ml)懸濁液をトリエチルアミン(2.6ml、3当量)で処理し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(282mg)を加える前に60℃まで温め、18時間加熱し続けた。得られた析出物を放冷した反応混合物から、ろ過により単離し、THF(10ml)で洗浄した。固体をDMSO(40ml)中に溶解し、水で希釈する前にセライトのパッドに通し、析出物をろ過により単離し、真空乾燥し、表題化合物を黄色固体(1.2g、50%)として得た。
δ(DMSO)10.75(1H,br s);8.9(1H,s);8.61(1H,s);8.20(1H,dd,J 8.85,1.89Hz);7.8(2H,d,8.85Hz);7.76(1H,s);7.66(1H,d,J 4.42Hz);7.58(2H,d,J 8.85Hz),7.21(1H,t,3.79Hz);7.0(2H,d,J 8.85Hz);3.70(4H,m);3.10(4H,m)
LC−MS ES+=389 rt 4.32
【0092】
実施例16:(6−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−
フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物(42mg)を得た。
δ(DMSO)11.86(1H,s);9.26(1H,s);8.97(1H,s);8.5(1H,dd,J 8.85,1.9Hz);8.06(2H,d8.85Hz);7.73(2H,d,J 8.85Hz);7.67(2H,d,J 8.85Hz);7.28(1H,d,J 8.85Hz);7.16(1H,d,J 9.48Hz);7.11(1H,d,J 9.48Hz);3.81(4H,m);3.2(4H,m)
LC−MS ES+=417.5 rt 4.4
【0093】
実施例17:(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−o−トリル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物(25mg)を得た。
δ(MeOD)8.58(1H,s);8.44(1H,d,J 1.26Hz);7.93(1H,d,J 1.89Hz);7.91(1H,s);7.65(2H,d,J 8.85Hz);7.39(4H,m);7.10(2H,d,J 8.85Hz);6.96(2H,s);3.92(2H,m);3.24(4H,m);2.39(3H,s)
LC−MS ES+=397 rt 4.26
【0094】
実施例18:(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チアゾール−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例5と同様な方法により、表題化合物(5.3mg)を得た。
δ(DMSO)10.16(1H,s),9.17(1H,s),8.61(1H,s),8.5(1H,d),8.48(1H,d,J 8.8Hz),8.10(1H,d,J 3Hz),7.98(1H,d,J 3Hz),7.91(1H,d,8.8Hz),7.72(2H,d,J 8.8Hz),7.09(2H,d,J 8.8Hz),3.85(4H,m),3.2(4H,m)
LC−MS m/z390 rt 3.31
【0095】
実施例19:[6−(2−メトキシ−ピリミジン−5−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を黄色固体(120mg)として得た。
δ(DMSO)9.75(1H,s),9.15(2H,s),8.86(1H,s),8.53(1H,s),8.23(1H,d,J 8.85Hz),7.83(1H,d,J 8.85Hz),7.64(2H,d,J 8.85Hz),6.996(2H,d,J 8.85Hz),4.0(3H,s),3.76(4H,m),3.11(4H,m)
LC−MS m/z 415
【0096】
実施例20:[6−(4−メチル−チオフェン−2−イル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を赤色固体として得た。
δ(DMSO)11.8(1H,br s),9.18(1H,s),8.83(1H,s),8.31(1H,d,J 8.85Hz),7.97(1H,d,J 8.2Hz),7.77(1H,s),7.61(2H,d,J 8.85Hz),7.32(1H,s),7.08(1H,s),3.78(4H,m),3.19(4H,m),2.3(3H,s)
LC−MS m/z 403
【0097】
実施例21:5−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−チオフェン−2−カルボン酸
実施例15と同様な方法により、表題化合物を赤褐色固体として得た。
δ(DMSO)11.97(1H,br s),9.36(1H,s),8.86(1H,s),8.43(1H,d,J 8.2Hz),7.99(2H,m),7.82(1H,d,J 3.8Hz),7.61(2H,d,J 8.85Hz),7.08(2H,d,J9.5Hz),3.77(4H,m),3.18(4H,m)
LC−MS m/z 433
【0098】
実施例22:[6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を黄色固体として得た。
δ(DMSO)9.91(1H,br s),8.91(1H,s),8.53(1H,s),8.15(4H,m),7.86(1H,d,J 8.85Hz),7.64(2H,d,J 8.85Hz),6.99(2H,d,J 8.85Hz),3.76(4H,m),3.29(3H,s),3.11(4H,m)
LC−MS M/z 461
【0099】
実施例23:(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−[6−(3−ピラゾール−1−イル−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を分取LC−MSにより褐色固体として分離した(5mg)。δ(DMSO)3.12(s,4H)3.75(s,4H)6.25(s,1H)7.01(d,2H)7.54(m,4H)7.65(d,2H)7.89(d,1H)8.11(m,2H)8.55(s,1H)8.72(s,1H)9.99(s,1H),LC/MS RT=3.62分、実測値ES+=449.4
【0100】
実施例24:4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−ベンゾニトリル
実施例15と同様な方法により、表題化合物を分取LC−MSにより褐色固体として単離した(5mg)。δ(DMSO)3.12(s,4H)3.77(s,4H)7.01(d,2H)7.62(d,2H)7.82(d,2H)8.03−8.24(m,5H)8.50(s,1H)8.90(s,1H)9.91(bs,1H),LC/MS RT=2.50分、実測値ES+=408.5
【0101】
実施例25:フラン−2−カルボン酸[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−アミド
工程1:(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−ニトロ−キナゾリン−4−イル)−アミン(実施例1の方法により製造、3.60 LC−MS ES+ 352 ES− 350、0.5g)に続いてラネーニッケル(2へら、過剰)を、攪拌したTHF:MeOH(1:1、25ml)溶液に加えた。混合物を50℃まで加熱し、この段階でヒドラジン(1ml)を加え、この温度で5時間攪拌した。混合物を放冷し、セライトを通してろ過した。溶媒を真空下で除去することにより固体を得、それを2.5−5%MeOH:DCMを用いた、シリカのカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率0.16g(35%)。
LCMS:RT 2.01、ES322、ES320
δ(DMSO)9.28(1H,s);8.25(1H,s);7.67(2H,d,J 8.85Hz);7.50(1H,d,J 8.85Hz);7.34(1H,d,1.90Hz),7.22(1H,dd,J 8.85Hz,1.90Hz);6.96(2H,d,J 8.85Hz);5.53(2H,s);3.77(4H,m),3.09(4H,m)。
【0102】
工程2:ピリジン(4ml)中のアミン(50mg)の一部分に、2−フロイルクロリド(0.033g、1.2当量)を加え、4時間攪拌した。ピリジンを真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得た。
δ(DMSO)8.77(1H,s);8.43(1H,s);8.01(1H,d,J 8.5Hz);7.97(1H,s);7.72(1H,d,J 8.85Hz);7.64(2H,d,J 8.85Hz);7.42(1H,d,J 3.16Hz);6.96(2H,d,J 8.85Hz);6.73(1H,m);3.75(4H,m);3.08(4H,m),LC−MS m/z 416 rt 2.22
【0103】
実施例26:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸4−メトキシ−ベンジルアミド
工程1:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸の製造
実施例2(2.0g、4.6mMol)、炭酸カリウム(1.4g、11.6mMol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(0.27g、0.23mMol)及びジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.16g、0.23mMol)の4:1ジメチルホルムアミド:水(75ml)溶液を一酸化炭素雰囲気下に置き、100℃で6時間加熱した。冷却し、反応溶媒を真空下で除去し、残渣を水中に取った。1M塩酸でpH2まで酸性化し、オレンジ色の析出物を形成した。これをろ取し、メタノール中でスラリー状にした。得られた懸濁液をろ過し、風乾し、4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸を黄色固体として得た。収率=0.56g(1.6mMol、35%)
LC/MS:RT−2.05,MH@351,δ(DMSO)10.37(1H,s);9.46(1H,s);8.79(1H,s);8.49(1H,dd,J 8.4Hz,1.2Hz);8.01(1H,d,J 8.2Hz);7.87(2H,d,J 8.8Hz);7.21(2H,d,J 8.8Hz);3.98(4H,t,J 4.4Hz);3.33(4H,t,J 4.4Hz)
工程2:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸(50mg、0.14mMol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N−N−N’−N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(55mg、0.14mMol)及びトリエチルアミン(45μl、0.32mMol)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液を4−メトキシベンジルアミンで処理し、一晩攪拌した。反応混合物に水を加えたところ、析出物が生じた。これをろ過により集め、風乾し、表題化合物を得た。
δ(DMSO)10.06(1H,s);9.20(1H,s);9.16(1H,s);8.36(1H,d,J 8.2Hz);7.92(1H,d,J 8.8Hz);7.78(2H,d,J 8.8Hz);7.45(2H,d,J 8.8Hz);7.12(2H,d,J 8.8Hz);7.05(2H,d,J 8.2Hz);4.62(2H,d,J 5.1Hz);3.85−3.94(7H,m);3.24(4H,t,J 3.6Hz),LC−MS m/z 470 rt 2.46
実施例26と同様な方法により、工程2において(利用可能な場合)純粋な又はテトラヒドロフラン中の溶液として適切なアミン(1.2当量)を用いて、以下を製造した。
【0104】
実施例27:3−{[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボニル]−アミノ}−安息香酸エチルエステル
δ(DMSO)10.68(1H,s);10.00(1H,s);9.13(1H,s);8.57(1H,s);8.47(1H,s);8.30(1H,dd,J 8.8Hz,1.3Hz);8.13(1H,d,J 8.2Hz);7.84(1H,d,J 8.8Hz);7.72(1H,d,J 8.2Hz);7.67(2H,d,J 8.8Hz);7.50−7.59(1H,m);6.99(2H,d,J 8.8Hz);4.33(2H,q,J 7.2Hz);3.75(4H,t,J 4.4Hz);3.10(4H,t,J 4.4Hz),1.33(3H,t,J 6.9Hz),LC−MS m/z 498 rt 2.70
【0105】
実施例28:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸3−メトキシ−ベンジルアミド
δ(DMSO)9.75(1H,s);8.93(1H,t,J 5.7Hz);8.85(1H,s);8.35(1H,s);8.05(1H,d,J 8.2Hz);7.76(1H,s);7.60(1H,d,J 8.2Hz);7.46(2H,d,J 8.2Hz);7.07(1H,t,J 7.6Hz);6.72−6.82(3H,m);6.63(1H,d,J 8.8Hz);4.34(2H,d,J 5.1Hz);3.11−3.17(7H,m);2.87−2.94(3H,m),LC−MS m/z 470 rt 2.48
【0106】
実施例29:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸4−メチル−ベンジルアミド
δ(DMSO)10.14(1H,s);9.30(1H,t,J 6.1Hz);9.24(1H,s);8.76(1H,s);8.44(1H,dd,J 8.8Hz,1.3Hz);8.00(1H,d,J 8.8Hz);7.87(2H,d,J 8.8Hz);7.47(2H,d,J 8.2Hz);7.36(2H,d,J 7.6Hz);7.20(2H,d,8.8Hz);4.73(2H,d,J 5.7Hz);3.94−4.00(4H,m);3.29−3.35(4H,m);2.49(3H,s)LC−MS m/z 454 rt 2.58
【0107】
実施例30:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸メチルアミド
δ(DMSO)9.81(1H,s);8.86(1H,s);8.39−8.45(2H,m);8.04(1H,dd,J 8.8Hz,1.9Hz);7.65(1H,d,J 8.2Hz);7.53(2H,d,J 8.8Hz);6.86(2H,d,J 8.8Hz);3.59−3.67(4H,m);2.95−3.01(4H,m);2.73(3H,d,J 4.4Hz),LC−MS rt 2.08,m/z 364
【0108】
実施例31:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸ジメチルアミド
δ(DMSO)9.60(1H,s);8.43(1H,s);8.35(1H,s);7.63(1H,dd,J 8.2Hz,1.3Hz);7.57(2H,d,J 8.8Hz);6.79(2H,d,J 8.8Hz);3.53−3.59(4H,m);2.89−2.94(4H,m);2.86(3H,s);2.79(3H,s),LC−MS rt 2.09,m/z 378
【0109】
実施例32:4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−カルボン酸エチルアミド
δ(DMSO)9.96(1H,s);9.01(1H,s);8.63(1H,t,J 5.4Hz);8.57(1H,s);8.21(1H,dd,J 8.8Hz,1.9Hz);7.80(1H,d,J 8.8Hz);7.69(2H,d,J 9.5Hz);7.02(2H,d,J 8.8Hz);3.75−3.82(4H,m);3.38(2H,q,J 6.9Hz);3.11−3.17(4H,m);1.21(3H,t,J 6.9Hz),LC−MS rt 2.15,m/z 378
【0110】
実施例33:N−{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−アセトアミド
実施例15と同様な方法により、表題化合物を分取LC−MSにより褐色固体として単離した(5mg)。
δ(DMSO)2.10(s,3H)3.13(s,4H)3.77(s,4H)7.01(d,2H)7.54(m,2H)7.67(d,2H)7.85(d,1H)8.03(m,2H)8.53(s,1H)8.79(s,1H)9.89(s,1H)10.15(s,1H)
LC/MS RT=3.62分、実測値ES+=449.4
【0111】
実施例34:{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−カルバミン酸ベンジルエステル
実施例15の方法により、δ(DMSO)3.10−3.14(t,2H),3.75−3.93(t,2H),5.19(s,2H),6.99−7.03(d,2H,J=9Hz),7.36−7.48(m,5H),7.64−7.68(t,3H),7.78−7.87(m,3H),8.13−8.16(dd,1H),8.33−8.35(d,1H),8.50(s,1H),8.77(s,1H),9.82(s,1H),9.97(s,1H);LC−MS m/z 533,rt 2.81
【0112】
実施例35:N−{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−アセトアミド
実施例15の方法により、δ(DMSO)2.17−2.19(s,3H),3.21−3.24(t,4H),3.85−3.89(t,4H),7.10−7.13(d,2H),7.75−7.79(d,2H),7.84−7.98(m,5H),8.24−8.27(d,1H),8.60(s,1H),8.88(s,1H),9.92(s,1H),10.23(s,1H),LC−MS m/z 440,rt 2.44
【0113】
実施例36:{4−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例15の方法により、δ1.47(s,9H),3.06−3.10(t,4H),3.71−3.74(t,4H),6.95−6.99(d,2H),7.57−7.64(m,4H),7.76−7.79(t,3H),8.10−8.12(d,1H),8.45(s,1H),8.75(s,1H),9.50(s,1H),9.75(s,1H);LC−MS m/z 498,rt 2.86
【0114】
実施例37:{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−ベンジル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例15の方法により、δ1.17(s,3H),2.87−2.90(t,4H),3.51−3.55(t,4H),4.01−4.03(d,2H),6.75−6.79(d,2H),7.27−7.31(d,2H),7.41−7.44(t,2H),7.49−7.51(d,1H),7.58−7.62(d,1H),7.87(d,1H),7.9(d,1H),8.2(s,1H),8.28(s,1H),8.56(s,1H),9.65(s,1H),LC−MS m/z 514,rt 2.18
【0115】
実施例38:N−{3−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−キナゾリン−6−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド
実施例15の方法により
δ(DMSO,)2.86−2.89(s,3H),2.95−2.98(t,4H),3.53−3.57(t,4H),6.86−6.89(d,2H),7.07−7.10(d,1H),7.31−7.45(m,5H),7.88(d,1H),8.07−8.10(d,1H),8.65(s,1H),9.05(s,1H),9.35(s(broad),1H),9.78(s,1H),11.79(s,1H),LC−MS m/z 476 rt 2.54
【0116】
実施例39:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(4−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン
工程1:5−フルオロ−2−ニトロベンゾトリフルオライド(2.1g、10mM)及びトリエチルアミン(2.50ml、24mMol)のアセトニトリル(35ml)溶液をモルホリン(1.74ml、20mMol)で処理した。得られた溶液を一晩、加熱還流した。冷却し、反応溶媒を真空下で除去し、粗製の残渣をジクロロメタンと10%(w/v)クエン酸溶液との間で分配した。有機物を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮し、4−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−モルホリン(2.63g、95%)を得た。LC/MS:RT−3.69,非イオン化 δ(CDCl)8.04(1H,d,J 8.8Hz);7.17(1H,d,J 3.2Hz);6.96(1H,dd,J 8.8Hz,2.5Hz);3.89(4H,t,J 4.5Hz);3.40(4H,t,J 4.5Hz)
【0117】
工程2:4−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−モルホリン(2.63g、0.95mMol)及び10%パラジウムカーボン(263mg)の2:1トルエン:エタノール(75ml)懸濁液を、反応が完了するまで、標準的な手順を用いて水素雰囲気下に置いた。反応混合物をセライトのパッドを通してろ過し、次いでそれをエタノールで洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、4−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−フェニルアミンをベージュ色の固体として得た。(1.25g、53%)、LC/MS:RT−2.40,非イオン化,δ(CDCl)7.05−7.12(2H,m);6.83(1H,d,J 8.8Hz);3.96(4H,t,J 4.4Hz);3.14(4H,t,4.4Hz)
【0118】
工程3:工程2からの生成物(280mg)をアセトニトリル(4ml)中の4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(300mg、1.1mMol)で一晩還流して処理することにより、析出物を得た。反応を冷却し、析出物をろ取した。これを空気乾燥する前に、1M水酸化ナトリウム溶液及び水で洗浄し、表題化合物を得た。δ(DMSO)9.79(1H,s);8.85(1H,s);8.27(1H,d,J 12.0Hz);8.03(1H,d,J 7.0Hz);7.17−7.43(4H,m);3.72−3.78(4H,m);3.16−3.23(4H,m),LC/MS:RT−2.80,MH@501,
【0119】
実施例40:(4−モルホリン−4−イル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例39(170mg、0.4mMol)、2−チオフェンボロン酸(50mg、0.4mMol)、トリエチルアミン(120μl、1.0mMol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(50mg、15Mol%)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液を、一晩加熱還流した。冷却し、反応混合物をシリカにのせて濃縮し、フラッシュクラマトグラフィー(ジクロロメタン−ジクロロメタン中2.5%メタノール勾配で溶出)を行うことにより、表題化合物を黄色固体として得た。
δ(DMSO)9.84(1H,s);8.71(1H,s);8.31(1H,s);8.09(1H,d,J 8.2Hz);7.73(1H,d,J 8.8Hz);7.65(1H,d,J 3.2Hz);7.60(1H,d,J 5.1Hz);7.14−7.36(4H,m);3.67−3.77(4H,m);3.13−3.19(4H,m).LC/MS:RT−2.80,MH@457
【0120】
実施例41:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
工程1:2−ブロモ−5−ニトロ−アニソール(0.5g)及びモルホリン(1.92g)を130℃で一晩、一緒に加熱した。冷却した反応混合物を氷に加え、得られた析出物を水で洗浄し、乾燥し、所望の4−(2−メトキシ−4−ニトロ−フェニル)−モルホリン(91%、m/z 239)を得た。
工程2:触媒としてパラジウムカーボンを用いて、エタノ−ル中、室温でニトロ基を水素化し、3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを褐色固体(76%、0.159g)として得て、それを更に精製することなく用いた。
工程3:アセトニトリル(10ml)中の3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(136mg)及び4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(186mg)を一晩加熱還流し、冷却し、ろ過により単離した析出物を水で洗浄し、次いで1N NaOHでスラリー状にし、更に水で洗浄し乾燥した。これにより表題化合物(263mg、88%)を得た。
δ(DMSO)11.01(1H,br s);9.20(1H,s);8.83(1H,s);8.29(1H,d,J 8.85Hz);7.67(1H,d,J 8.85Hz);7.40(2H,m);6.98(1H,d,J 8.85Hz);8.83(3H,s);3.76(4H,m);3.01(4H,m).,LC−MS rt 2.74,m/z E+463
【0121】
実施例42:(3−メトキシ−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例15と同様な方法により、実施例41を出発物質として用いて表題化合物(14mg、11%)を得た。
δ(DMSO)9.96(1H,s);8.86(1H,s);8.61(1H,s);8.22(1H,d,J 8.85Hz);7.87(1H,d,J 8.85Hz);7.83(1H,d,J 3.79Hz);7.76(1H,d,J 5.06Hz);7.48(2H,m);7.33(1H,t J 5.05,3.79Hz);7.03(1H,d,J 8.85Hz);3.92(3H,s);3.84(4H,m);3.07(4H,m),LC−MS rt 3.63,m/z E+419
【0122】
実施例43:(2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
工程1:5−フルオロ−2−ニトロトルエン(1.22ml、10mM)及びトリエチルアミン(2.10ml、20mMol)のアセトニトリル(30ml)溶液をモルホリン(1.74ml、20mMol)で処理した。得られた溶液を一晩、加熱還流した。冷却し、反応溶媒を真空下で除去し、粗製の残渣をジクロロメタンと10%(w/v)クエン酸溶液との間で分配した。有機物を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮し、4−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−モルホリンを得た。(1.96g、88%) LC−MS:RT−2.76、非イオン化
【0123】
工程2:4−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−モルホリン1.96g(8.9mMol)及び10%パラジウムカーボン(100mg)のトルエン(30ml)懸濁液を、反応が完了するまで、標準的な手順を用いて水素雰囲気下に置いた。反応混合物をセライトを通してろ過し、溶液を真空下で濃縮し、2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを暗褐色固体として得た。(1.07g、63%)、LC/MS:RT−0.71,MH@193;δ(CDCl)6.74(1H,s);6.64−6.70(2H,m);3.88(4H,t,J 4.5Hz);3.06(4H,t,J 4.5Hz);1.99(3H,s)
【0124】
工程3:4−クロロ−6−ヨード−キナゾリン(500mg、1.8mMol)及び2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(360mg、1.9mMol)のアセトニトリル(3ml)懸濁液を、一晩加熱還流し、その間に析出物が生じた。反応を冷却し、析出物をろ取した。これを風乾する前に、1M水酸化ナトリウム溶液及び水で洗浄し、(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(738mg、95%)を得た。LC/MS:RT−3.55,MH@447 δ(DMSO)10.35(1H,br s);9.04(1H,d,1.3Hz);8.55(1H,s);8.20(1H,dd,J 8.8Hz,1.3Hz);7.60(1H,d,J 8.8Hz);7.14(1H,d,J 8.8Hz);6.92(1H,d,J 2.5);6.87(1H,dd,J 8.2Hz,1.9Hz);3.77(4H,t,4.4Hz);3.15(4H,t,4.4Hz);2.15(3H,s)
【0125】
工程4:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(250mg、0.6mMol)、2−チオフェンボロン酸(75mg、0.6mMol)、トリエチルアミン(150μl、1.2mMol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(50mg、10Mol%)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液を一晩加熱還流した。冷却し、反応混合物をシリカにのせて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(200:8:1 ジクロロメタン:エタノール:アンモニア水混合物により溶出)を行うことにより、(2−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミンを黄色固体として得た。
LC/MS:RT−3.54,MH@403;δ(DMSO)9.89(1H,s);8.89(1H,d,J 1.9Hz);8.46(1H,s);8.25(1H,dd,J 8.8Hz,1.9Hz);7.89(1H,d,J 8.8Hz);7.84(1H,3.8Hz),7.78(1H,d,J 5.0Hz);7.36(1H,dd,J 5.0Hz,3.8Hz);7.30(1H,d,8.2Hz);7.05(1H,d,1.9Hz);6.98(1H,dd,J 8.8Hz,3.2Hz);3.90(4H,t,J 4.4Hz);3.28(4H,t,J 4.4Hz);2.29(3H,s)
【0126】
実施例44:(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
工程1:2−フルオロ−5−ニトロトルエン(1.65g、10.6mMol)、トリエチルアミン(2.96ml、21.2mMol)及びモルホリン(1.86ml、21.2mMol)のアセトニトリル(30ml)溶液を一晩加熱還流した。放冷し、反応溶媒を真空下で除去し、残渣をモルホリン中に取った。この溶液を、TLCにより反応が完了するまで100℃で加熱した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1Mクエン酸溶液で洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮し、油状物を得た。これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール−9:1ペトロール:酢酸エチル勾配で溶出)により精製し、4−(2−メチル−4−ニトロ−フェニル)−モルホリンをオレンジ色の固体として得た。(0.53g、22%)、LC/MS:RT−3.76,非イオン化;δ(CDCl)7.99−8.02(2H,m);6.94(1H,d,J 9.5Hz);3.81(4H,t,J 4.5Hz);2.95(4H,t,J 4.5Hz);2.31(3H,s)
工程2:4−(2−メチル−4−ニトロ−フェニル)−モルホリン(0.53g、2.4mMol)及び10%パラジウムカーボン(55mg)の1:1トルエン:エタノール(25ml)懸濁液を、反応が完了するまで、標準的な手順を用いて水素雰囲気下に置いた。反応混合物をセライトのパッドを通してろ過し、次いでそれをエタノ−ルで洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミンを黄褐色固体として得た。(0.47g、100%)、LC/MS:RT−2.66,MH@193;δ(CDCl)6.82(1H,d,J 8.2Hz);6.48−6.54(2H,m);3.76(4H,t,J 4.4Hz);2.76(4H,t,J 4.4Hz);2.18(3H,s)
工程3:4−クロロ−6−ヨード−キナゾリン(300mg)及び3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(240mg)のアセトニトリル(4ml)懸濁液を一晩加熱還流し、その間に析出物が生じた。反応を冷却し、析出物をろ取した。これを風乾する前に、1M水酸化ナトリウム溶液及び水で洗浄し、(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミンを得た。
LC/MS:RT−2.81,MH@447;δ(DMSO)9.82(1H,s);9.03(1H,d,J 1.9Hz);8.59(1H,s);8.12(1H,dd,J 8.8Hz,1.9Hz);7.60−7.70(2H,m);7.58(1H,d,J 8.8Hz);7.09(1H,d,J 8.8Hz);3.78(4H,t,J 4.1Hz);2.87(4H,t,J 4.1Hz);2.32(3H,s)
工程4:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(170mg、0.4mMol)、2−チオフェンボロン酸(50mg、0.4mMol)、トリエチルアミン(120μl、1.0mMol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(50mg、15Mol%)の無水テトラヒドロフラン(3ml)溶液を一晩加熱還流した。冷却し、反応混合物をシリカにのせて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−ジクロロメタン中2.5%メタノール勾配により溶出)を行うことにより、(3−メチル−4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミンを黄色固体として得た。
LC/MS:RT−2.76,MH@403;δ(DMSO)10.05(1H,s);8.97(1H,d,J 1.9Hz);8.71(1H,s);8.32(1H,dd,J 8.8Hz,1.9Hz);7.99(1H,d,J 8.8Hz);7.93(1H,dd,J 3.8Hz,1.3Hz);7.87(1H,dd,J 5.1Hz,1.3Hz);7.75−7.85(3H,m,);7.44(1H,dd,J 5.1Hz,3.2Hz);7.29(1H,d,J 8.8Hz);3.96(4H,t,J 4.4Hz);3.06(4H,t,J 4.4Hz);2.51(3H,s)
【0127】
実施例45:エチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
工程1:攪拌した乾燥DMF(10ml)溶液に、N−(4−アミノフェニル)モルホリン(0.5g、2.80mmol)に続いてEtN(0.70g、7.0mmol)を加えた。塩化アセチル(0.24g、3.10mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温で一晩攪拌した。水(50ml)を加え、混合物を酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。有機洗浄物を合わせ、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空下で除去し、N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−4−アセトアミドを固体として得た。収率0.29g(47%)。δ(DMSO)9.71(1H,bs);7.42(2H,d,J 8.85Hz);6.87(2H,d,J 9.48Hz);3.72(4H,m);3.01(4H,m);1.98(3H,s),LCMS:RT 1.97,ES221
工程2:N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−4−アセトアミド(1g)を実施例46、工程2と同様な方法により処理し、準粗製のエチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(0.92g)を得、これを実施例46、工程3の通りに4−クロロ−6−ヨードキナゾリンと反応させ、次いで実施例44、工程4の通りに反応させて、表題化合物(104mg、61%)を得た。δ(DMSO)8.61(1H,s);8.18(1H,s);7.93(1H,d,J 8.85Hz);7.70(2H,d,J 8.85Hz);7.50(1H,d,J 4.42Hz);7.14(5H,m);4.11(2H,m);3.76(4H,m);3.19(4H,m);1.22(3H,t,J 6.31Hz),LC−MS rt 2.67,m/z E+417
【0128】
実施例46:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−メチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
工程1:ギ酸(0.41g)を0℃で攪拌しながら、無水酢酸(0.75g)に加え、次いで50℃まで2時間加熱した。冷却した混合物を乾燥THF(5ml)で希釈し、4−モルホリノアニリン(0.5g)を加え、混合物を3時間かけて戻した。溶媒を真空下で除去し、N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−4−ホルムアミドを黄色固体として得た。(450mg、77%)、δ(DMSO)8.72(1H,s),7.90(1H,d,J 8.85Hz);7.51(1H,d,J 8.85Hz);7.15(5H,m);3.81(4H,m);3.56(3H,s);3.21(4H,m),LC−MS rt 2.62,m/z E+447.
工程2:N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−4−ホルムアミド(0.29g)の乾燥THF(2ml)溶液を、0℃において、水素化ホウ素ナトリウム(160mg)で処理し、30分間攪拌した。BF/ETO(0.67ml)の溶液を10分間かけて加え、さらに1時間、0℃で攪拌した。次いで、混合物を5時間加熱還流した。混合物を冷却し、水(3ml)を滴下し、過剰の水素化ホウ素ナトリウムを加水分解した。混合物をジエチルエーテル(2×10ml)で抽出した。有機洗浄物を合わせ、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空下で除去し、メチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミンを白色固体として得た。収率43mg(16%)δ(DMSO)6.76(2H,d,J 8.85Hz);6.47(2H,d,J 8.85Hz);5.17(1H,bs);3.69(4H,m);2.87(4H,m);2.60(3H,s),LCMS:RT 2.35,ES193
工程3:アセトニトリル(6ml)中のメチル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(37mg)及び4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(52mg)を一晩加熱還流し、冷却し、得られた析出物をろ過により単離し、水で洗浄し、次いで1N NaOHでスラリー状にし、さらに水で洗浄し乾燥した。これにより表題化合物(22mg、28%)を得た。δ(DMSO)8.72(1H,s),7.90(1H,d,J 8.85Hz);7.51(1H,d,J 8.85Hz);7.15(5H,m);3.81(4H,m);3.56(3H,s);3.21(4H,m),LC−MS rt 2.62,m/z E+447
【0129】
実施例47:(6−ヨード−キナゾリン−4−イル)−(3−メチル−ブチル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
工程1:カルーセルチューブにN−(4−アミノフェニル)モルホリン(0.25g、1.40mmol)、DCM(乾燥15ml)、モレキュラーシーブ3A(過剰0.2g)及び3−メチル−ブチルアルデヒド(0.14g、1.4mmol)を加えた。混合物を室温で1時間、次いで45℃で2時間攪拌した。混合物を冷却し、酢酸(1ml)に続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.60g、2.80mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、粗製の生成物を2.5%MeOH:DCMを用いたシリカのカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−メチル−ブチル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミンを得た。収率0.20g(57%)、
δ(DMSO)6.75(2H,d,J 8.85Hz);6.50(2H,d,J 8.85Hz);3.71(4H,m);3.17(2H,m);2.89(4H,m);1.66(1H,m);1.39(2H,m);0.91(6H,d,J 6.32Hz),LCMS:RT 2.22,ES249
工程2:実施例47、工程3の通りに、(3−メチル−ブチル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン(210mg)を処理し、表題化合物(294mg、71%)を得た。δ(DMSO)8.69(1H,s);7.89(1H,dd,J 8.85Hz,1.9Hz);7.50(1H,d,J 8.85Hz);7.16(4H,AB,J 8.85Hz);7.06(1H,d,J 1.90Hz);4.12(2H,t,J 7.58Hz);3.80(4H,m);3.23(4H,m);1.62(2H,m);1.37(1H,m);0.94(6H,d,6.32Hz),LC−MS rt 3.11,m/z E+503
【0130】
実施例48:イソプロピル−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例47と同様な方法により、続いて実施例45、工程4と同様な方法により、表題化合物(4.5mg)を得た。δ(DMSO)8.61(1H,s);7.90(1H,d,J 7.58Hz);7.67(1H,d,J 8.85Hz);7.51(1H,d,J 4.42Hz);7.09(7H,m);5.51(1H,m);3.77(4H,m);3.23(4H,m);1.18(6H,d,J 6.32Hz),LC−MS rt 2.74,m/z E+431
【0131】
実施例49:(3−メチル−ブチル)−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−(6−チオフェン−2−イル−キナゾリン−4−イル)−アミン
実施例44、工程4と同様な方法により、表題化合物(12.5mg)を得た。δ(DMSO)8.63(1H);8.21(1H,s);7.94(1H d,J 8.85Hz);7.72(2H,m);7.52(1H,d,J 5.06Hz);7.12(5H,m);4.13(2H,m);3.78(4H,m);3.20(4H,m);3.0(3H,m);1.15(6H,t,J 7.58Hz),LC−MS rt 2.98,m/z E+459
【0132】
実施例50:[6−(2−ベンジルオキシ−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を得た。LC−MS m/z 489.4 rt 2.82
【0133】
実施例51:[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−キナゾリン−4−イル]−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
実施例15と同様な方法により、表題化合物を得た。(DMSO,δ)3.07−3.10(t,4H),3.71−3.75(t,4H),5.18(s,2H),6.95−6.99(d,2H),7.14−7.18(d,2H),7.28−7.48(m,5H),7.60−7.64(d,2H),7.74−7.83(m,3H),8.08−8.12(d,1H),8.45(s,1H),8.71(s,1H),LC−MS m/z 490 rt 2.89
【0134】
活性例
用いた細胞:
蛍ルシフェラーゼ−ユビキチン−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク及び細胞培養適応変異を有するEMCV−IRES駆動HCVポリプロテインを含有した、HCVレプリコン細胞Huh9B(ReBlikon)。
【0135】
細胞培養条件:
細胞を、5%CO環境中、37℃で培養し、週に2度分割し、1日目に2×10E6細胞/フラスコで、3日後に1×10E6で播種した。いくらかの0.25mg/ml G418を培養培地に加えた(125μl/25ml)が、分析培地には加えなかった。
【0136】
4500g/lグルコ−ス及びグルタマックス(Gibco 61965−026)を含むDMEMからなる培養培地に、1×非必須アミノ酸、ペニシリン(100IU/ml)/ストレプトマイシン(100μg/ml)、FCS(10%、50ml)及び1mg/ml G418(Invitrogen cat no 10131−027)及び10%ウシ胎仔血清を補充したもの。
【0137】
分析手法:
細胞のフラスコをトリプシン処理し、細胞計数を行った。細胞を100,000細胞/mlまで希釈し、その100μlを用いて、IC50が検査される7つの化合物全てについて、1つの不透明な白色96ウェルプレート(レプリコン分析用)及び1つの平底透明プレート(毒性(tox)分析用)に播種した。ウェルG12及びH12をブランクとして、透明なプレート中に何も入れなかった。次いでプレートを、5%CO環境中、37℃で24時間インキュベートした。
【0138】
次の日、化合物の希釈物を、それらの所望の最終濃度の2倍の濃度で、透明な丸底プレートにおいて培地中で調製する。全ての希釈物は、1%のDMSO最終濃度を有する。
【0139】
希釈物のプレートを調製した時点で、コントロール及び化合物を、複製プレート中に100μl/ウェルで、分析プレート(細胞を含む)に移した。
【0140】
例外:白色(レプリコン)プレート中で、ウェルA1及びA2には化合物を加えず、代わりに100μlの1%DMSOを加えた。透明な(毒性)プレート中の、ウェルE12及びF12はDMSOコントロールのみ含んでいた。次いでプレートを、5%CO下、37℃で72時間培養した。
【0141】
インキュベーション時間の最後に、白色プレート中の細胞を200μl/ウェルの温(37℃)PBSで洗浄することにより収集し、20μlの細胞培養物溶解バッファー(Promega)で溶解した。室温での5分間のインキュべーションの後、ルシフェリン溶液を、200μl/10ml LARBで、ルシフェラーゼ分析バッファー(LARB)に加えた。マイクロプレート照度計(Lmax、Molecular Devices)のMインジェクターを4×300lインジェクションで準備した。プレートを照度計に挿入し、100μlのルシフェラーゼ分析試薬をインジェクターにより照度計に加えた。シグナルは1秒遅延に続いて4秒測定プログラムを用いて測定した。IC50(非処理細胞コントロール値に対してレプリコンレベルを50%低減するのに必要とされる薬剤濃度)は、薬剤濃度に対するルシフェラーゼ活性の割合減少のプロットから計算することができる。
【0142】
透明なプレートを、50%エタノ−ル中100μlの0.5%メチレンブルーで、室温で1時間染色し、続いて、吸収されたメチレンブルーを、100μl/ウェルの1%ラウロイルサルコシン中で溶媒化した。プレートの吸光度は、マイクロプレート分光光度計(Molecular Devices)により測定し、化合物の各濃度の吸光度は、相対DMSOコントロールの割合として表した。TD50(DMSOコントロールに対して全細胞面積を50%低減するのに必要とされる薬剤濃度)は、薬剤濃度に対する620nmにおける吸光度をプロットすることにより計算することができる。
【0143】
【表1−1】

【0144】
【表1−2】

【0145】
【表1−3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)
【化1】

(式中、Rは水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−COR’、−CONR’R’’、−A、−A−L−A’、−Z−L−A又は−A−L−Z−L−A(式中、R’及びR’’は同じか又は異なっており、それぞれ水素又はC−Cアルキルを示す)を示し;
は水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cハロアルコキシを示し;
は水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ又はC−Cハロアルコキシを示し;かつ
は水素、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを示し、
(ここで、
Aは、C−C10アリール、5−10員のヘテロアリール又は5−10員のヘテロ環式基を示し;
各Lは、同じか又は異なっており、直接結合又はC−Cアルキレン基であり;
A’は、5−10員のヘテロアリール又は5−10員のヘテロ環式基であり;
かつ
Zは、−S−、−O−、−NR’−、−CO−、−C(O)NR’−、−OC(O)−、−NR’C(O)−、−OCO−、−NR’CO−、−OC(O)NR’−、又は−NR’C(O)NR’’−(式中R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)である)
におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、ヒドロキシ、チオール、−NH、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cチオアルキル、C−Cアミノアルキル、シアノ、ニトロ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−CONR’R’’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素及びC−Cアルキルから選択され、L’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、Xは−S−、−O−又は−NR’−(式中R’は上記で定義した通り)であり、L’’は直接結合又はC−Cアルキレン基であり、かつYは水素、−COR、−CO、−S(O)又は−S(O)R(式中、Rは水素又はC−Cアルキルである)である)から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている)
のキナゾリン誘導体である化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩。
【請求項2】
L’が直接結合又はC−Cアルキレン基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Xが−O−又は−NR’−(式中、R’は請求項1で定義した通り)である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
L’’が直接結合又はC−Cアルキレン基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
Yが水素、−COR、−CO、−S(O)R又は−S(O)(式中、RはC−Cアルキル基である)である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分が、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’及び−L’−X−L’’−Y置換基(式中、R’、L’、X、L’’及びYは請求項1〜5のいずれかで1項で定義した通り)から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換されている、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
置換基におけるアリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分が、無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、シアノ、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’、C−Cアルコキシ、−NR’−COR、−NR’−CO、−(C−Cアルキル)−NR’−CO、−NR’−S(O)−R及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’、R’’及びRは同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1もしくは2個の置換基により置換されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
Aがフェニル、5−6員のヘテロアリール又は5−6員のヘテロ環式基である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
Aがフェニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、チアゾリル又はピリダゾリル基である、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
Lが直接結合又はC−Cアルキレン基である、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
A’が、無置換であるか又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル及びC−Cハロアルコキシ置換基から選択される1、2もしくは3個の置換基によって置換された、5−6員のヘテロ環式又はヘテロアリール基である、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
A’が、無置換であるか又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル置換基から選択される1もしくは2個の置換基により置換された、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル、S,S−ジオキソチオモルホリニル又はピラゾリル基である、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Zが−O−、−CONR’−、−NR’C(O)−又は−NR’CO−(式中、R’は請求項1〜12のいずれかで定義した通り)である、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Zが−O−、−CONH−又は−CON(C−Cアルキル)−又は−NHC(O)−、−NHCO−である、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
がハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−COR’、−CONR’R’’、−A、−A−L−A’、−Z−L−A、又は−A−L−Z−L−A(式中、R’、R’’、A、L、A’及びZは請求項1〜14のいずれかで定義した通り)である、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
がハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−CONR’R’’、−A、−Ar−L−A’、−Z−L−A、又は−Ar−Z−L−Ar(式中、R’及びR’’は同じか又は異なっており、それぞれ水素又はC−Cアルキル基を示し、A及びA’は請求項1〜15のいずれか1項で定義した通りであり、Arは無置換のフラニル又は無置換のフェニル基であり、Lは直接結合又はメチレン基であり、かつZは−O−、−C(O)NR’、−NR’C(O)−又は−NR’CO−(式中、R’は水素又はC−Cアルキル基である)である)である、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
が水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシである、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
が水素、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル又はC−Cアルコキシである、請求項1〜17のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
が水素又はC−Cアルキルである、請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
式(Ia)のキナゾリン誘導体が、式(I)
【化2】

(式中、
はハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−Ar−L−A’であり、
は水素又はC−Cアルコキシであり;
Aはフェニル又は5−6員のヘテロアリール基(例えばフラニル、チエニル、ピリミジニル及びチアゾリル)であり、該基は無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−COR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1又は2個の置換基により置換されており、
Arは無置換のフラニル基であり、
Lは直接結合又はメチレン基であり、かつ
A’は、無置換であるか又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換された、5−6員のヘテロ環式基(例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル(dioxoanyl)及びS,S−ジオキソチオモルホリニル)である)のキナゾリン誘導体である、請求項1〜19のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
がハロゲン、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、−A又は−Ar−L−A’であり;
が水素又はC−Cアルコキシであり;
Aがフェニル又は5−6員のヘテロアリール基(例えばフラニル、チエニル及びチアゾリル)であり、該基は無置換であるか、又はハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−COR’、−(C−Cアルキル)−NR’R’’及び−(C−Cアルキル)−NR’−(C−Cアルキル)−S(O)−R’’置換基(式中、各R’及びR’’は同じか又は異なっており、水素又はC−Cアルキルを示す)から選択される1又は2個の置換基により置換されており、
Arが無置換のフラニル基であり、
Lが直接結合又はメチレン基であり、かつ
A’が、無置換であるか又はC−Cアルキル、ハロゲン及びC−Cハロアルキル基から選択される1もしくは2個の置換基により置換された、5−6員のヘテロ環式基(例えばモルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,3−ジオキソラニル(dioxoanyl)及びS,S−ジオキソチオモルホリニル)である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
ヒト又は動物体の治療に用いるための、請求項1〜21のいずれか1項で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれか1項で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体又は医薬的に許容されるそれらの塩、及び医薬的に許容される担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項24】
フラビウイルス科感染の治療又は予防に用いるための医薬の製造における、請求項1〜21のいずれか1項で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体、又は医薬的に許容されるそれらの塩の使用。
【請求項25】
フラビウイルス科感染がペスチウイルス感染である、請求項24記載の使用。
【請求項26】
ペスチウイルス感染が、牛ウイルス性下痢ウイルス、豚コレラウイルス又はボーダー病ウイルスによる感染である、請求項25記載の使用。
【請求項27】
フラビウイルス科感染がフラビウイルス感染である、請求項24記載の使用。
【請求項28】
フラビウイルス感染が、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス又はダニ媒介脳炎ウイルスによる感染である、請求項27記載の使用。
【請求項29】
フラビウイルス科感染がヘパシウイルス感染である、請求項24記載の使用。
【請求項30】
ヘパシウイルス感染がC型肝炎ウイルスによる感染である、請求項29記載の使用。
【請求項31】
医薬が、(a)インターフェロン又はその誘導体及び/又は(b)リバビリン又はその誘導体をさらに含む、請求項30記載の使用。
【請求項32】
インターフェロン誘導体が、PEG−インターフェロンであり、かつ/又はリバビリン誘導体がビラミジンである、請求項31記載の使用。
【請求項33】
ヒト又は動物体の治療において、同時に、別々に又は連続して使用するための、
(a)請求項1〜21のいずれか1項で定義した式(Ia)のキナゾリン誘導体、又はそれらの医薬的に許容されるそれらの塩;及び
(b)請求項31又は32で定義したインターフェロン又はインターフェロン誘導体及び/又は請求項31又は32で定義したリバビリン又はリバビリン誘導体
を含む製品。
【請求項34】
請求項1〜21のいずれかで定義した式(I)のキナゾリン誘導体又は医薬的に許容されるそれらの塩の有効量を患者に投与することを含む、請求項24〜30のいずれか1項で定義したフラビウイルス科感染に罹患している又は感染しやすい患者を治療する方法。

【公表番号】特表2007−534735(P2007−534735A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510104(P2007−510104)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001598
【国際公開番号】WO2005/105761
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(502132933)アロウ セラピューティクス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】