説明

抗コリン作用薬とベータ受容体刺激薬を含む吸入用薬剤

本発明は1つ以上、好ましくは1つの抗コリン作用薬1と式2のベータ受容体刺激薬を含む新規な医薬組成物、その製法及び呼吸器系疾患の治療のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は1つ以上、好ましくは1つの抗コリン作用薬1と下記式2
【0002】
【化1】

【0003】
を有するベータ受容体刺激薬(betamimetics)を含む新規な医薬組成物、その製法及び呼吸器系疾患の治療のための使用に関する。
【0004】
発明の説明
本発明は、1つ以上、好ましくは1つの抗コリン作用薬1と下記式2
【0005】
【化2】

【0006】
を有するベータ受容体刺激薬を任意にそのジアステレオマー、そのジアステレオマーの混合物、ラセミ化合物又はその生理的に許容しうる酸付加塩の形で、又は任意にその水和物又はその溶媒和物の形で、任意に薬学的に許容しうる賦形剤と共に含む新規な医薬組成物に関する。
本発明のベータ受容体刺激薬2の薬理学的に許容しうる酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸、4-フェニルケイ皮酸又はマレイン酸の塩より選ばれる薬学的に許容しうる塩である。所望により、上記の酸の混合物は、2の塩を調製するために用いることもできる。
本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩及びキシナホ酸塩より選ばれた2の塩が好ましい。2の塩酸塩が特に好ましい。
本発明の医薬組成物においては、化合物2は、そのラセミ化合物、エナンチオマー又はその混合物の形で存在することができる。ラセミ化合物からエナンチオマーの分離は、当該技術において既知である方法を用いて行うことができる(例えば、キラル相等によるクロマトグラフィによって)。化合物2がそれらのエナンチオマーの形で用いられる場合、C-OH基でR配置を有するエナンチオマーを用いることが特に好ましい。
下記式2-en
【0007】
【化3】

【0008】
を有するR,R-エナンチオマーが本発明の範囲内で特に興味深い。
本発明の範囲内のベータ受容体刺激薬2は、おそらく、交感神経刺激薬又はベータ2-作動薬(β2-作動薬)と呼ぶこともできる。これらの用語は全て本発明のために同じ意味とみなされるべきである。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、好ましい実施態様においてはチオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩及びトロスピウム塩より選ばれる塩である。上記の塩においてチオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム及びトロスピウムのカチオンは薬理学的に活性な成分である。本特許出願の範囲内の上記カチオンに対する明確な指示は、番号1'の使用によって示される。上述の塩1に対するあらゆる指示には、当然、成分1'に対する指示も含まれる(チオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム又はトロスピウム)。本発明の範囲内に用いることができる塩1は、チオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム又はトロスピウムに加えて対イオン(アニオン)として、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン又はp-トルエンスルホン酸アニオンを含有する化合物を意味し、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン又はパラトルエンスルホン酸アニオンが好ましい。本発明の範囲内の全ての塩1の中でメタンスルホン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物が好ましい。トロスピウム塩が用いられる場合には、塩化物が特に重要である。前述のその他の塩からメタンスルホン酸塩と臭化物が特に重要である。チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩及びイプラトロピウム塩より選ばれた塩1が本発明によれば特に重要である。臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム及び臭化イプラトロピウムより選ばれる塩1が本発明によれば著しく重要である。臭化チオトロピウムが特に好ましい。上述の塩は、任意に溶媒和物又は水和物の形で、好ましくは水和物の形で存在することができる。臭化チオトロピウムを用いる場合には、国際出願第02/30928号に開示されるように、結晶性臭化チオトロピウム1水和物の形で存在することが好ましい。臭化チオトロピウムが無水形で用いられる場合には、国際出願第03/000265号に開示されるように、結晶性臭化チオトロピウムの形で存在することが好ましい。
任意に、上記抗コリン作用薬はキラル炭素中心を有する。この場合本発明の医薬併用剤は、それらのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形で抗コリン作用薬を含有することができる。好ましくはキラル抗コリン作用薬は、純粋なエナンチオマーの1つの形で存在する。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、他の好ましい実施態様においてLAS 34273の塩より選ばれ、
下記式1a
【0009】
【化4】

【0010】
(式中、X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンである。)
の任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形が特徴である。
好ましくは、X - がフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、4-トルエンスルホン酸アニオン及びメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンより選ばれた1個の負電荷をもつアニオンである式1aの塩が任意にラセミ化合物、エナンチオマー、その水和物の形で用いられる。
最も好ましくは、X - が塩素アニオン、臭素アニオン及びメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンより選ばれた1個の負電荷をもつアニオンである式1aの塩が、任意にラセミ化合物、エナンチオマー、その水和物の形で用いられる。
X - が臭素アニオンである式1aの塩が本発明によれば特に好ましい。
下記式1a-en













【0011】
【化5】

【0012】
(式中、X - は上記の意味を有するものである。)
を有するエナンチオマーが本発明によれば特に興味深い。
本発明の更に他の好ましい実施態様においては、
抗コリン作用薬1
下記式1b
【0013】
【化6】

【0014】
(式中、Rはメチル又はエチルであり、X - は上記の意味を有するものである。)
を有する化合物で表される。代替的には式1bの化合物は下記式1b-base







【0015】
【化7】

【0016】
の遊離塩基の形で存在することができる。
本発明の医薬併用剤は、式1b(又は1b-base)の抗コリン作用薬をエナンチオマー、エナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形で含有することができる。好ましくは、式1b(又は1b-base)の抗コリン作用薬は、R-エナンチオマーの形で存在する。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、更に他の好ましい実施態様においては下記式1c
【0017】
【化8】

【0018】
(式中、Aは
【0019】
【化9】

【0020】
より選ばれた二重結合基であり; X - は上記の意味を有するものであり、好ましくは塩素アニオン、臭素アニオン又はメタンスルホン酸アニオンであり;
R1、R2は同じでも異なってもよく、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルより選ばれた基であり、これはヒドロキシ又はフッ素で任意に置換されてもよく、好ましくは無置換メチルであり;
R3、R4、R5、R6は同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CF3又はNO2であり;
R7は水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、-CH2-F、-CH2-CH2-F、-O-CH2-F、-O-CH2-CH2-F、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、CF3、-CH2-OMe、-CH2-CH2-OMe、-CH2-OEt、-CH2-CH2-OEt、-O-COMe、-O-COEt、-O-COCF3、-O-COCF3、フッ素、塩素又は臭素である。)
を有する化合物より選ばれる。
1cの化合物は、当該技術において既知である(国際出願第02/32899号)。
本発明の併用剤の範囲内の式1cの好ましい化合物は、
X - は臭素アニオンであり;
R1、R2は同じでも異なってもよく、メチル及びエチルより選ばれた基、好ましくはメチルであり;
R3、R4、R5、R6は同じでも異なってもよく、水素、メチル、メチルオキシ、塩素又はフッ素であり;
R7は水素、メチル又はフッ素である
化合物である。
一般式1c
(式中、Aは
【0021】
【化10】

【0022】
より選ばれた二重結合基である。)
を有する化合物は、本発明の併用剤の中で特に重要である。
1cの化合物は、任意に、個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はそのラセミ化合物の形で存在してもよい。
2の化合物を以下の化合物1c:
- トロペノール-2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロミド、
- スコピン-2,2-ジフェニルプロピオン酸エステルメトブロミド、
- スコピン2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロミド及び
- トロペノール2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸エステルメトブロミド
の1つと組合わせて含有する医薬組成物が特に重要である。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、更に他の好ましい実施態様においては下記式1d











【0023】
【化11】

【0024】
(式中、A、X -、R1、R2は上記の意味を有するものであり、
R7、R8、R9、R10、R11、R12は同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CF3又はNO2である。但し、基R7、R8、R9、R10、R11、R12の少なくとも1つは水素でない。)
の化合物より選ばれる。
1dの化合物は、当該技術において既知である(国際出願第02/32898号)。
一般式1d
(式中、Aは
【0025】
【化12】

【0026】
より選ばれた二重結合基であり、
X - は臭素アニオンであり;
R1、R2は同じでも異なってもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり;
R7、R8、R9、R10、R11、R12は同じでも異なってもよく、水素、フッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素である。但し、R7、R8、R9、R10、R11、R12の少なくとも1つは水素でない。)
を有する化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
2の化合物を以下の化合物1d:
- トロペノール3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸酸エステルメトブロミド、
- スコピン3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸酸エステルメトブロミド、
- スコピン4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロミド、
- トロペノール4,4'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロミド、
- スコピン3,3'-ジフルオロベンジル酸エステルメトブロミド、及び
- トロペノール3,3'ジフルオロベンジル酸エステルメトブロミド
の1つと組合わせて含有する医薬組成物が特に重要である。
本発明の医薬組成物は、式1dの化合物を任意に個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はそのラセミ化合物の形で含有することができる。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、更に他の好ましい実施態様においては下記式1e
【0027】
【化13】

【0028】
(式中、A及びX - は上記の意味を有するものであり、
R15は水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、-CF3、CHF2又はフッ素であり;
R1'、R2'は同じでも異なってもよく、C1-C5-アルキルであり、これはC3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく又はR1'とR2'は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R13、R14、R13'、R14'は同じでも異なってもよく、水素、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンである。)
を有する化合物より選ばれる。
1eの化合物は、まだ当該技術においては知られていない。
一般式1e
(式中、Aは
【0029】
【化14】

【0030】
より選ばれた二重結合基であり、
X - は塩素アニオン、臭素アニオン及びメタンスルホン酸アニオンより選ばれたアニオン、好ましくは臭素アニオンであり;
R15はヒドロキシ、メチル又はフッ素、好ましくはメチル又はヒドロキシであり;
R1'、R2'は同じでも異なってもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり;
R13、R14、R13'、R14'は同じでも異なってもよく、水素、CF3、-CHF2又はフッ素、好ましくは水素又はフッ素である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
一般式1e
(式中、Aは
【0031】
【化15】

【0032】
より選ばれた二重結合基であり、
X - は臭素アニオンであり;
R15はヒドロキシ又はメチル、好ましくはメチルであり;
R1'、R2'は同じでも異なってもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり;
R13、R14、R13'、R14'は同じでも異なってもよく、水素又はフッ素である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
2の化合物を以下の化合物1e:
- トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド
の1つと組合わせて含有する医薬組成物が特に重要である。
本発明の医薬組成物は、式1eの化合物を任意に個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はそのラセミ化合物の形で含有することができる。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、更に他の好ましい実施態様においては
下記式1f
【0033】
【化16】

【0034】
(式中、X - は上記の意味を有するものであり、
D、Bは 同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、O、-S、-NH、-CH2、-CH=CH、又は-N(C1-C4-アルキル)-であり;
R16は水素、ヒドロキシ、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、-C1-C4-アルキレンハロゲン、-O-C1-C4-アルキレン-ハロゲン、-C1-C4-アルキレン-OH、-CF3、CHF2、-C1-C4-アルキレン-C1-C4-アルキルオキシ、-O-COC1-C4-アルキル、-O-COC1-C4-アルキレンハロゲン、-C1-C4-アルキレン-C3-C6-シクロアルキル、-O-COCF3又はハロゲンであり;
R1"、R2"は、同じでも異なってもよく、-C1-C5-アルキルであり、これは-C3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく、又はR1"とR2"は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R17、R18、R17'、R18'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンであり;
Rx、Rx'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンであるか又はRxとRx'は共に単結合又は架橋基であり、-O、-S、-NH、-CH2、-CH2-CH2-、-N(C1-C4-アルキル)、-CH(C1-C4-アルキル)-及び-C(C1-C4-アルキル)2の架橋より選ばれる。)
の化合物より選ばれる。
1fの化合物は、まだ当該技術においては知られていない。
【0035】
一般式1f
(式中、X - は塩素アニオン、臭素アニオン又はメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンであり;
D、Bは同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、O、-S、-NH又は-CH=CH-であり;
R16は水素、ヒドロキシ、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、-CF3、-CHF2、フッ素、塩素又は臭素であり;
R1"、R2"は同じでも異なってもよく、C1-C4-アルキルであり、これはヒドロキシ、フッ素、塩素又は臭素で任意に置換されてもよく、又はR1"とR2"は共に-C3-C4-アルキレン架橋でもあり;
R17、R18、R17'、R18'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2、フッ素、塩素又は臭素であり;
Rx、Rx'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2、フッ素、塩素又は臭素であるか又はRxとRx'は共に-O、-S、-NH-、-CH2-の架橋より選ばれた単結合又は架橋基である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
一般式1f
(式中、X - は塩素アニオン、臭素アニオン又はメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンであり;
D、Bは同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、-S又は-CH=CH-であり;
R16は水素、ヒドロキシ又はメチルであり;
R1"とR2"は同じでも異なってもよく、メチル又はエチルであり;
R17、R18、R17'、R18'は同じでも異なってもよく、水素、CF3又はフッ素、好ましくは水素であり;
Rx、Rx'は同じでも異なってもよく、水素、-CF3又はフッ素、好ましくは水素であるか又はRxとRx'は共に単結合又は架橋基-O-である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
【0036】
一般式1f
(式中、X - は臭素アニオンであり;
D、Bは-CH=CH-であり;
R16は水素、ヒドロキシ又はメチルであり;
R1"、R2"はメチルであり;
R17、R18、R17'、R18'は同じでも異なってもよく、水素又はフッ素、好ましくは水素であり;
Rx、Rx'は同じでも異なってもよく、
水素又はフッ素、好ましくは水素であるか又はRxとRx'は共に単結合又は架橋基-O-である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
2の化合物を以下の化合物1f:
- シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- シクロプロピルトロピンメチル4,4'-ジフルオロベンジレートメトブロミド
の1つと組合わせて含有する医薬組成物が特に重要である。
本発明の医薬組成物は式1fの化合物を任意に個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はそのラセミ化合物の形で含有することができる。
本発明の範囲内の抗コリン作用薬1は、更に他の好ましい実施態様においては、下記式1g
【0037】
【化17】

【0038】
(式中、X - は上記の意味を有するものであり、
A'は
【0039】
【化18】

【0040】
より選ばれた二重結合基であり、
R19はヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、エチル、-CF3、CHF2又はフッ素であり;
R1'''、R2'''は同じでも異なってもよくC1-C5-アルキルであり、これはC3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく、又はR1'''とR2'''は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R20、R21、R20'、R21'は同じでも異なってもよく、水素、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンである。)
を有する化合物より選ばれる。
1gの化合物は、まだ当該技術においては知られていない。
一般式1g
(式中、A'は
【0041】
【化19】

【0042】
より選ばれた二重結合基であり、
X - は塩素アニオン、臭素アニオン又はメタンスルホン酸アニオン、好ましくは臭素アニオンであり;
R19はヒドロキシ又はメチルであり;
R1'''とR2'''は同じでも異なってもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり;
R20、R21、R20'、R21'は同じでも異なってもよく、水素、CF3、-CHF2又はフッ素、好ましくは水素又はフッ素である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
一般式1g
(式中、A'は
【0043】
【化20】

【0044】
より選ばれた二重結合基であり;
X - は臭素イオンであり;
R19はヒドロキシ又はメチル、好ましくはメチルであり;
R1'''、R2'''は同じでも異なってもよく、メチル又はエチル、好ましくはメチルであり;
R3、R4、R3'、R4'は同じでも異なってもよく
水素又はフッ素である。)
の化合物が本発明の併用剤の中で特に好ましい。
2の化合物を以下の化合物1g:
- トロペノール9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド;
- スコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド
の1つと組合わせて含有する医薬組成物が特に重要である。
本発明の医薬組成物は、式1gの化合物を任意に個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はそのラセミ化合物の形で含有することができる。
用いられるアルキル基は、特に明記しない限り、炭素原子1〜5個を有する分枝鎖や非分枝鎖のアルキル基である。例としては、メチル、エチル、プロピル又はブチルが含まれる。基メチル、基エチル、基プロピル又は基ブチルは、任意に、略号Me、Et、Prop又はBuで示されてもよい。特に明記しない限り、プロピルやブチルの定義には、問題の基の全ての可能な異性体の形が含まれる。従って、例えば、プロピルは、n-プロピルやイソプロピルを含み、ブチルはイソブチル、sec‐ブチルやtert-ブチル等を含んでいる。
用いられるシクロアルキル基は、特に明記しない限り、炭素原子3〜6個を有する脂環式基である。これらは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。本発明によれば、シクロプロピルが本発明の範囲内で特に重要である。
用いられるアルキレン基は、特に明記しない限り、炭素原子1〜5個を有する分枝鎖や非分枝鎖の二重結合アルキル架橋である。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン又はブチレンが含まれる。
【0045】
用いられるアルキレンハロゲン基は、特に明記しない限り、炭素原子1〜4個を有する分枝鎖や非分枝鎖の二重結合アルキル架橋であり、これはハロゲンでモノ-、ジ-又はトリ置換されてもよく、好ましくはジ置換されてもよい。従って、特に明記しない限り、アルキレン-OH基という用語は、炭素原子1〜4個を有する分枝鎖や非分枝鎖の二重結合アルキル架橋であり、これはハロゲンでモノ-、ジ-又はトリ置換されてもよく、好ましくはジ置換されてもよい。
用いられるアルキルオキシ基は、特に明記しない限り、酸素原子を介して結合される炭素原子1〜5個を有する分枝鎖や非分枝鎖のアルキル基である。以下の例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ又はブチルオキシを挙げることができる。メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基又はブチロキシ基は、任意に、略号MeO、EtO、PropO又はBuOで示すこともできる。特に明記しない限り、プロピルオキシやブチロキシの定義には問題の基の全ての可能な異性体の形が含まれている。従って、例えば、プロピルオキシには、n-プロピルオキシやイソプロピルオキシを含み、ブチルオキシには、イソブチルオキシ、sec‐ブチロキシ、tert-ブチロキシ等が含まれる。アルコキシという用語は、また、おそらくアルキルオキシという用語の代わりに本発明の範囲内で用いることができる。基メチルオキシ、基エチルオキシ、基プロピルオキシ又は基ブチロキシは、任意にまた、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はブトキシと呼ばれてもよい。
用いられるアルキレンアルキルオキシ基は、特に明記しない限り、炭素原子1〜5個を有する分枝鎖や非分枝鎖の二重結合アルキル架橋であり、これは、アルキルオキシ基でモノ‐、ジ‐又はトリ置換されてもよく、好ましくはモノ置換されてもよい。
用いられる-O-CO-アルキル基は、特に明記しない限り、エステル基を介して結合される炭素原子1〜4個を有する分枝鎖や非分枝鎖のアルキル基である。アルキル基は、直接エステル基のカルボニル炭素に結合される。-O-CO-アルキルハロゲン基という用語も同様に理解されるべきである。基-O-CO-CF3は、トリフルオロアセテートである。
本発明の範囲内のハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。特に明記しない限り、フッ素や臭素が好ましいハロゲンである。基COは、カルボニル基である。
驚くべきことに、抗コリン作用薬を式2のベータ受容体刺激薬と用いた場合には呼吸器器官系の炎症性及び/又は閉塞性疾患の治療に予想外の有益な治療効果を認めることができる。
2種の活性物質を単一活性物質製剤で同時に投与した場合も個別製剤で連続して投与した場合も上記有益な治療効果を認めることができる。本発明によれば、2種の活性物質成分を単一製剤で同時に投与することが好ましい。
本発明の範囲内の化合物1'に対するあらゆる指示は、塩1において含有される薬理学的に活性なカチオンに対する指示とみなされるべきである。これらは、チオトロピウムカチオン、オキシトロピウムカチオン、フルトロピウムカチオン、イプラトロピウムカチオン、グリコピロニウムカチオン、トロスピウムカチオン又は以下の式
【0046】
【化21】



















【0047】
【化22】

【0048】
を有するカチオンである。
前述の医薬併用剤においては、活性物質は、単一製剤に組合わせてもよく又は2つの個別製剤において含有されてもよい。単一製剤に活性物質12を含有する医薬組成物が本発明によれば好ましい。
一態様においては、本発明は、12の治療的に有効な量に加えて、薬学的に許容しうる担体を含有する上記の医薬組成物に関する。他の態様においては、本発明は、12の治療的に有効な量に加えていかなる薬学的に許容しうる担体も含有しない上記の医薬組成物に関する。
本発明は、また、呼吸器系の炎症性又は閉塞性疾患を治療する2を含有する医薬組成物を調製するための治療的に有効な量の塩1の使用に関する。好ましくは、本発明は、喘息又はCOPDを治療する医薬組成物を調製するための上記の使用に関する。
本発明の範囲内の化合物12は、同時に又は連続して投与することができ、発明によれば化合物12を同時に投与することが好ましい。
本発明は、更に、炎症性又は閉塞性呼吸器系疾患、特に喘息又はCOPDを治療するための治療的に有効な量の塩12の使用に関する。
活性物質12が本発明の活性物質の併用剤に用いることができる割合は可変である。活性物質12は、おそらくそれらの溶媒和物又は水和物の形で存在することができる。化合物12の選択によっては、本発明の範囲内で用いることができる質量比は、種々の化合物の異なる分子量やそれらの異なる効力に基づいて変動する。
一般に、本発明による医薬併用剤は、成分12を通常は1:400〜150:1の範囲にある質量比で、好ましくは1:350〜100:1の範囲にある質量比で含有することができる。
12の併用剤を含有する本発明の医薬組成物は、通常は、12(遊離塩基に基づく値)が一回量につき0.01〜10000μg、好ましくは0.1〜5000μg、特に好ましくは0.5〜1000μgの投与量で共に投与されるように用いられる。
本発明の組成物が抗コリン作用薬成分1としてチオトロピウム塩を含有する場合には、本発明の活性物質の併用剤はチオトロピウムカチオン1'と式2(遊離塩基に基づく)の化合物を1:300〜50:1、好ましくは1:200〜30:1、特に好ましくは1:150〜20:1、更に好ましくは1:50〜15:1の範囲で含有することができる。例えば、本発明の範囲を制限せずに、本発明の好ましい併用剤12はチオトロピウム1'2(遊離塩基に基づく値)を以下の重量比: 1:35、1:34、1:33、1:32、1:31、1:30、1:29、1:29、1:27、1:26、1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1で含有することができる。成分12としてチオトロピウムの併用剤を含有する本発明の医薬組成物は、1'(チオトロピウムカチオン)と2(遊離塩基に基づく値)が共に5〜500μg、好ましくは、本発明によれば一回量につき10〜200μgの用量で存在するように投与されることが好ましい。
【0049】
例えば、本発明の12の併用剤は、チオトロピウム1'と化合物2(遊離塩基に基づく値)の量を含有し、一回量につき全用量は10μg、15μg、25μg、20μg、35μg、30μg、50μg、45μg、60μg、55μg、70μg、65μg、80μg、75μg、90μg、85μg、100μg、95μg、110μg、105μg、120μg、115μg、130μg、125μg、140μg、135μg、150μg、145μg、160μg、155μg、170μg、165μg、180μg、185μg、175μg、190μg、195μg、200μg等である。上で指定された一回量につき示された用量は、実際に明示された数値に制限されるとみなされるべきでないことは当業者に明らかである。当業者に明らかなように、特に少数範囲内で、約±2.5gの変動が含まれる。これらの用量範囲において、活性物質1'2は上で示された質量比で存在することができる。
例えば、本発明の範囲を制限せずに、本発明の12の併用剤は、チオトロピウム1'と化合物2(遊離塩基に基づく値)の量を含有することができ、5μgの1'と5μgの2、5μgの1'と10μgの2、5μgの1'と15μgの2、5μgの1'と25μgの2、5μgの1'と50μgの2、5μgの1'と100μgの2、10μgの1'と5μgの2、10μgの1'と10μgの2、10μgの1'と15μgの2、10μgの1'と25μgの2、10μgの1'と50μgの2、10μgの1'と100μgの2、18μgの1'と5μgの2、18μgの1'と10μgの2、18μgの1'と15μgの2、18μgの1'と25μgの2、18μgの1'と50μgの2、18μgの1'と100μgの2、36μgの1'と5μgの2、36μgの1'と10μgの2、36μgの1'と15μgの2、36μgの1'と25μgの2、36μgの1'と50μgの2、36μgの1'と100μgの2、40μgの1'と5μgの2、40μgの1'と10μgの2、40μgの1'と15μgの2、40μgの1'と25μgの2、40μgの1'と50μgの2又は40μgの1'と100μgの2が一回量につき投与される。
本発明のチオトロピウム含有併用剤の適切な投与量の上述の例から、塩12の酸付加塩の対応量が容易に計算可能である。
本発明の組成物が抗コリン作用薬成分1として式1aの塩を含有する場合には、本発明の活性物質の併用剤はカチオン1a'と式2(遊離塩基に基づく)の化合物を、例えば、以下の質量比: 1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1で含有することができる。
1a2の併用剤を含有する本発明の医薬組成物は、1a'2(遊離塩基に基づく値)が一回量につき10〜2000μg、好ましくは15〜1000μg、更に好ましくは20〜1900μgの用量で共に存在するように投与されることが好ましい。
【0050】
例えば、本発明の1aと2の併用剤は、1a'2(遊離塩基に基づく)の量を含有し、一回量につき全用量は約15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、705μg、710μg、715μg、720μg、725μg、730μg、735μg、745μg、740μg、755μg、750μg、765μg、760μg、775μg、770μg、785μg、780μg、795μg、790μg、805μg、800μg、815μg、810μg、825μg、820μg、835μg、830μg、845μg、840μg、855μg、850μg、865μg、860μg、875μg、870μg、885μg、880μg、890μg、895μg、900μg等である。上で指定された一回量につき示された用量は、実際に明示された数値に制限されるとみなされるべきでないことは当業者に明らかである。当業者に明らかなように、特に少数範囲内で、約±2.5gの変動が含まれる。これらの用量範囲において、活性物質1a'2は上で示された質量比で存在することができる。
【0051】
例えば、それらに本発明の範囲を制限せずに、本発明の医薬組成物は、例えば、各一回量について以下の量: 20μgの1a'と5μgの2、20μgの1a'と10μgの2、20μgの1a'と15μgの2、20μgの1a'と25μgの2、20μgの1a'と50μgの2、20μgの1a'と100μgの2、40μgの1a'と5μgの2、40μgの1a'と10μgの2、40μgの1a'と15μgの2、40μgの1a'と25μgの2、40μgの1a'と50μgの2、40μgの1a'と100μgの2、60μgの1a'と5μgの2、60μgの1a'と10μgの2、60μgの1a'と15μgの2、60μgの1a'と25μgの2、60μgの1a'と50μgの2、60μgの1a'と100μgの2、100μgの1a'と5μgの2、100μgの1a'と10μgの2、100μgの1a'と15μgの2、100μgの1a'と25μgの2、100μgの1a'と50μgの2、100μgの1a'と100μgの2、200μgの1a'と5μgの2、200μgの1a'と10μgの2、200μgの1a'と15μgの2、200μgの1a'と25μgの2、200μgの1a'と50μgの2、200μgの1a'と100μgの2、300μgの1a'と5μgの2、300μgの1a'と10μgの2、300μgの1a'と15μgの2、300μgの1a'と25μgの2、300μgの1a'と50μgの2、300μgの1a'と100μgの2、400μgの1a'と5μgの2、400μgの1a'と10μgの2、400μgの1a'と15μgの2、400μgの1a'と25μgの2、400μgの1a'と50μgの2、400μgの1a'と100μgの2、500μgの1a'と5μgの2、500μgの1a'と10μgの2、500μgの1a'と15μgの2、500μgの1a'と25μgの2、500μgの1a'と50μgの2、500μgの1a'と100μgの2、600μgの1a'と5μgの2、600μgの1a'と10μgの2、600μgの1a'と15μgの2、600μgの1a'と25μgの2、600μgの1a'と50μgの2、600μgの1a'と100μgの2、700μgの1a'と5μgの2、700μgの1a'と10μgの2、700μgの1a'と15μgの2、700μgの1a'と25μgの2、700μgの1a'と50μgの2、700μgの1a'と100μgの2、800μgの1a'と5μgの2、800μgの1a'と10μgの2、800μgの1a'と15μgの2、800μgの1a'と25μgの2、800μgの1a'と50μgの2、800μgの1a'と100μgの2、900μgの1a'と5μgの2、900μgの1a'と10μgの2、900μgの1a'と15μgの2、900μgの1a'と25μgの2、900μgの1a'と50μgの2、900μgの1a'と100μgの2、1000μgの1a'と5μgの2、1000μgの1a'と10μgの2、1000μgの1a'と15μgの2、1000μgの1a'と25μgの2、1000μgの1a'と50μgの2、1000μgの1a'と100μgの2を含有することができる。
【0052】
本発明の1a'含有併用剤の適切な投与量の上述の例から、塩1a2の酸付加塩の対応量が容易に計算可能である。
本発明の組成物が抗コリン作用薬成分1として式1cの塩を含有する場合には、本発明の活性物質の併用剤はカチオン1c'と式2(遊離塩基に基づく)の化合物を、例えば、以下の質量比: 1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1で含有することができる。
1c2の併用剤を含有する本発明の医薬組成物は、1c'2(遊離塩基に基づく値)が一回量につき10〜2000μg、好ましくは15〜1000μg、更に好ましくは20〜800μg、本発明によれば好ましくは30〜750μg、好ましくは40〜700μgの用量で共に存在するように投与されることが好ましい。
例えば、本発明の1c2の併用剤は、1c'2(遊離塩基に基づく)の量を含有し、一回量につき全用量は約15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg等である。上で指定された一回量につき示された用量は、実際に明示された数値に制限されるとみなされるべきでないことは当業者に明らかである。当業者に明らかなように、特に少数範囲内で、約±2.5gの変動が含まれる。これらの用量範囲において、活性物質1c'2は上で示された質量比で存在することができる。
【0053】
例えば、それらに本発明の範囲を制限せずに、本発明の併用剤1c2は、カチオン1c'2(遊離塩基に基づく値)の量を含有することができ、各一回量について、例えば、8.3μgの1c'と5μgの2、8.3μgの1c'と10μgの2、8.3μgの1c'と15μgの2、8.3μgの1c'と25μgの2、8.3μgの1c'と50μgの2、8.3μgの1c'と100μgの2、16.5μgの1c'と5μgの2、16.5μgの1c'と10μgの2、16.5μgの1c'と15μgの2、16.5μgの1c'と25μgの2、16.5μgの1c'と50μgの2、16.5μgの1c'と100μgの2、33.0μgの1c'と5μgの2、33.0μgの1c'と10μgの2、33.0μgの1c'と15μgの2、33.0μgの1c'と25μgの2、33.0μgの1c'と50μgの2、33.0μgの1c'と100μgの2、49.5μgの1c'と5μgの2、49.5μgの1c'と10μgの2、49.5μgの1c'と15μgの2、49.5μgの1c'と25μgの2、49.5μgの1c'と50μgの2、49.5μgの1c'と100μgの2、82.6μgの1c'と5μgの2、82.6μgの1c'と10μgの2、82.6μgの1c'と15μgの2、82.6μgの1c'と25μgの2、82.6μgの1c'と50μgの2、82.6μgの1c'と100μgの2、165.1μgの1c'と5μgの2、165.1μgの1c'と10μgの2、165.1μgの1c'と15μgの2、165.1μgの1c'と25μgの2、165.1μgの1c'と50μgの2、165.1μgの1c'と100μgの2、206.4μgの1c'と5μgの2、206.4μgの1c'と10μgの2、206.4μgの1c'と15μgの2、206.4μgの1c'と25μgの2、206.4μgの1c'と50μgの2、206.4μgの1c'と100μgの2、412.8μgの1c'と5μgの2、412.8μgの1c'と10μgの2、412.8μgの1c'と15μgの2、412.8μgの1c'と25μgの2、412.8μgの1c'と50μgの2、412.8μgの1c'と100μgの2が存在する。
本発明の1c'含有併用剤の適切な投与量の上述の例から、塩1c2の酸付加塩の対応量が容易に計算可能である。
抗コリン作用薬として式1dを含有する本発明の組成物については、1d2の質量比と量は1c2を含有する併用剤について上で示した範囲にある。
本発明の組成物が抗コリン作用薬成分1として式1eの塩を含有する場合には、本発明の活性物質の併用剤はカチオン1e'と式2(遊離塩基に基づく)の化合物を、例えば、以下の質量比: 1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1で含有することができる。
【0054】
1c2の併用剤を含有する本発明の医薬組成物は、1e'2(遊離塩基に基づく値)が一回量につき5〜2000μg、好ましくは15〜1000μg、更に好ましくは20〜800μg、本発明によれば好ましくは30〜750μg、好ましくは40〜700μgの用量で共に存在するように投与されることが好ましい。
例えば、本発明の1e2の併用剤は、1e'2(遊離塩基に基づく)の量を含有し、一回量につき全用量は約15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg等である。上で指定された一回量につき示された用量は、実際に明示された数値に制限されるとみなされるべきでないことは当業者に明らかである。当業者に明らかなように、特に少数範囲内で、約±2.5gの変動が含まれる。これらの用量範囲において、活性物質1e'2は上で示された質量比で存在することができる。
【0055】
例えば、それに本発明の範囲を制限せずに、本発明の1e2の併用剤はカチオン1e'2(遊離塩基に基づく値)の量を含有することができ、
各一回量については、例えば、8.2μgの1e'と5μgの2、8.2μgの1e'と10μgの2、8.2μgの1e'と15μgの2、8.2μgの1e'と25μgの2、8.2μgの1e'と50μgの2、8.2μgの1e'と100μgの2、16.5μgの1e'と5μgの2、16.5μgの1e'と10μgの2、16.5μgの1e'と15μgの2、16.5μgの1e'と25μgの2、16.5μgの1e'と50μgの2、16.5μgの1e'と100μgの2、33.0μgの1e'と5μgの2、33.0μgの1e'と10μgの2、33.0μgの1e'と15μgの2、33.0μgの1e'と25μgの2、33.0μgの1e'と50μgの2、33.0μgの1e'と100μgの2、49.5μgの1e'と5μgの2、49.5μgの1e'と10μgの2、49.5μgの1e'と15μgの2、49.5μgの1e'と25μgの2、49.5μgの1e'と50μgの2、49.5μgの1e'と100μgの2、82.5μgの1e'と5μgの2、82.5μgの1e'と10μgの2、82.5μgの1e'と15μgの2、82.5μgの1e'と25μgの2、82.5μgの1e'と50μgの2、82.5μgの1e'と100μgの2、165.0μgの1e'と5μgの2、165.0μgの1e'と10μgの2、165.0μgの1e'と15μgの2、165.0μgの1e'と25μgの2、165.0μgの1e'と50μgの2、165.0μgの1e'と100μgの2、206.2μgの1e'と5μgの2、206.2μgの1e'と10μgの2、206.2μgの1e'と15μgの2、206.2μgの1e'と25μgの2、206.2μgの1e'と50μgの2、206.2μgの1e'と100μgの2、412.5μgの1e'と5μgの2、412.5μgの1e'と10μgの2、412.5μgの1e'と15μgの2、412.5μgの1e'と25μgの2、412.5μgの1e'と50μgの2、412.5μgの1e'と100μgの2が存在する。
本発明の1e'含有併用剤の適切な投与量の上述の例から、塩1e2の酸付加塩の対応量が容易に計算可能である。
抗コリン作用薬として式1f又は1gを含有する本発明の組成物については、1f/1g2の質量比と量は1e2を含有する併用剤について上で示した範囲にある。
【0056】
本発明の併用剤に適用できる可能な用量の上述の例は、単一適用に対する用量を示すものとして理解すべきである。しかしながら、これらの例は、本発明の併用剤を複数回投与する可能性を除外しないものとして理解される。治療を必要とする患者によっては複数の吸入適用を受けることもできる。一例として、患者は、本発明の併用剤を各治療日の朝に例えば、2又は3回(例えば、粉末吸入器により2又は3パフ、MDI等)受けることができる。上述の用量例が単一適用(即ち、1パフにつき)に対する用量例としてのみ理解されるので、本発明の併用剤の複数の適用により、上述の例の多回投与になる。本発明の併用剤の適用は、例えば、1日に一度、又は1日2回又は2又は3日毎に1回抗コリン作用薬の作用の持続時間に左右され得る。
更に、上述の用量例は計量された用量の例としてのみ理解すべきことが強調される。言い換えれば、上述の用量例は、実際には肺に達しない本発明の併用剤の有効量として理解すべきである。肺に送達された用量は、投与された有効成分の計量された用量よりたいてい少ないことは当業者に明らかである。
本発明の12の活性物質の併用剤は、吸入により投与することが好ましい。このために、12は吸入に適した形で役に立たなければならない。本発明の吸入用製剤としては、吸入用粉末、噴射剤含有定量エアゾール又は噴射剤を含有しない吸入用溶液が含まれる。活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用粉末は、活性物質だけ又は活性物質と生理的に許容しうる賦形剤との混合物からなってもよい。本発明の範囲内の担体なる用語は、任意に賦形剤なる用語の代わりに用いられてもよい。本発明の範囲内の噴射剤を含有しない吸入用溶液なる用語には濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液が含まれる。本発明の製剤は、活性物質12の組合わせを1つの製剤で一緒にか又は2つの個別製剤で含有してもよい。本発明の範囲内で用いることができるこれらの製剤は、明細書の次のパートで更に詳述される。
【0057】
A) 本発明の活性物質12の併用を含有する吸入用粉末:
本発明の吸入用粉末は、12だけで又は適切な生理的に許容しうる賦形剤と混合して含有することができる。
活性物質12が生理的に許容しうる賦形剤と混合して存在する場合には、本発明の吸入用粉末を調製するために次の生理的に許容しうる賦形剤を用いることができる:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクロース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類又は多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、シクロデキストリン、(例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、χ-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤相互の混合物。好ましくは単糖類又は二糖類が用いられ、ラクトース、トレハロース又はグルコースの使用が好ましく、特に、全部ではないが水和物の形で用いられる。
本発明の吸入用粉末の範囲内の賦形剤の最大平均粒径は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmである。上記賦形剤に平均粒径が1〜9μmの微細な賦形剤部分を加えることがしばしば適切であると思われることがある。これらの微細な賦形剤は、可能な上記賦形剤の群より選ばれる。最後に、本発明の吸入用粉末を調製するために、平均粒径が、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1〜6μmの微粉化活性物質12が賦形剤混合物に添加される。粉砕し微粉化し、最後にそれらの成分を共に混合することにより、本発明の吸入用粉末を製造する方法は、従来技術から既知である。本発明の吸入用粉末は、12も含有する単一粉末混合物の形か又は1又は2のみを含む個別の吸入用粉末の形で調製し投与することができる。
【0058】
本発明の吸入用粉末は、従来技術から既知の吸入器を用いて投与することができる。12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、米国特許出願第4570630号に記載される計量チャンバを用いて又はドイツ特許出願第36 25 685号に記載される他の手段によって供給部から一回量を送り出す吸入器によって投与することができる。1及び2を任意に生理的に許容しうる賦形剤と共に含有する本発明の吸入可能な粉末は、例えば、名称Turbuhaler(登録商標)で知られる吸入器を用いて又は、例えば、欧州特許第237507A号に開示される吸入器を用いて投与することができる。好ましくは、12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、国際出願第94/28958号に記載される吸入器に用いられるカプセル(いわゆるインハレットを製造するために)へ充填される。
インハレットにおいて本発明の薬剤の併用剤を用いるのに特に好ましい吸入器を図1に示す。
カプセルから粉末医薬組成物を吸入させるこの吸入器は、2つの窓2を有するハウジング1、空気注入口があり且つスクリーンハウジング4によって固定されたスクリーン5を備えているデッキ3と、2つの鋭いピン7とスプリング8に対して可動カウンタを備えた押しボタンがあるデッキ3に接続した吸入チャンバ6、及びハウジング1、デッキ3と、ぱっと開いたり閉じたりすることを可能にするスピンドル10によるカバー11に接続したマウスピース12、並びに流動抵抗を調整するエアスルーホール13を特徴とする。
本発明の吸入用粉末を上記好ましい使用のカプセル(吸入器)へ充填する場合には、各カプセルへ充填する量は、1カプセル当たり1〜30mgでなければならない。本発明によれば、これらのカプセルは共にか又は別個に各一回量について上述した12の投与量を含有する。
【0059】
B) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射ガス駆動吸入エアゾール:
本発明の噴射ガスを含有する吸入エアゾールは、噴射ガスに溶解した又は分散した形の物質12を含有することができる。12は、個別製剤又は単一製剤で存在することができ、12を両方溶解するか、両方分散させるか又は成分の一方だけを溶解し、もう一方を分散させる。本発明の吸入エアゾールを調製するために用いることができる噴射ガスは、従来技術から既知である。適切な噴射ガスは、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素又はメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素より選ばれる。上記噴射ガスは、それだけで又は混合物で用いることができる。特に好ましい噴射ガスは、TG11、TG12、TG134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)及びTG227(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)及びその混合物より選ばれたハロゲン化アルカン誘導体であり、噴射ガスTG134a、TG227及びその混合物が好ましい。
本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、補助溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤又はpH調整剤のような他の成分を含むことができる。これらの成分はすべて当該技術において既知である。
本発明の噴射剤を含む吸入エアゾールは、5 wt.%までの活性物質1及び/又は2を含有することができる。本発明のエアゾールは、例えば、0.002〜5 wt.%、0.01〜3 wt.%、0.015〜2 wt.%、0.1〜2 wt.%、0.5〜2 wt.%又は0.5〜1 wt.%の活性物質1及び/又は2を含有する。
活性物質1及び/又は2が分散された形で存在する場合には、活性物質粒子の平均粒径は、10μmまで、好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは1〜5μmであることが好ましい。
上記本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において既知の吸入器(MDI = 定量吸入器)を用いて投与することができる。
従って、他の態様においては、本発明は、これらのエアゾールを投与するのに適した1種以上の吸入器と組合わせた上記噴射剤駆動エアゾールの形での医薬組成物に関する。更に、本発明は、本発明の上記噴射ガス含有エアゾールを含有することを特徴とする吸入器に関する。本発明は、また、適切な吸入器に用いることができる適切なバルブを備えるとともに本発明の上記噴射ガス含有吸入エアゾールの1つを含有するカートリッジに関する。適切なカートリッジ及びこれらのカートリッジを本発明の噴射ガスを含有する吸入用エアゾールで充填する方法は従来技術から既知である。
【0060】
C) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液:
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液や懸濁液は、例えば、水性又はアルコール溶媒、好ましエタノール溶媒、任意に水性溶媒と混合したエタノール溶媒を含有する。水/エタノール溶媒混合物を用いる場合には、水と比較したエタノールの相対割合は制限されず、最大が70容量%まで、特に60容量%までのエタノールである。残りの容量は水を利用する。12を別個に又は共に含有する溶液又は懸濁液は、適切な酸を用いてpH 2〜7、好ましくは2〜5に調整される。pHは無機又は有機酸より選ばれた酸を用いて調整することができる。特に適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に適切な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸が挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸や硫酸である。活性物質の1種と酸付加塩を既に形成した酸を用いることも可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸、クエン酸が好ましい。所望される場合には、特に酸化する性質のほかに他の性質を、例えば、香味剤、抗酸化剤又は錯化剤としてもつ酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合に上記酸の混合物を用いることができる。本発明によれば、pHを調整するために塩酸を用いることが特に好ましい。
本発明によれば、安定剤又は錯化剤としてエデト酸(EDTA)又はその既知の塩の1種、エデト酸ナトリウムの添加は本発明に不要である。他の実施態様は、この化合物又はこれらの化合物を含有することができる。好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムに基づく含量は100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、更に好ましくは20mg/100ml未満である。一般的には、エデト酸ナトリウムの含量が0〜10mg/100mlである吸入可能な溶液が好ましい。
補助溶媒及び/又は他の賦形剤は本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液に添加することができる。好ましい補助溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を有するもの、例えば、アルコール-特にイソプロピルアルコール、グリコール-特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール又はポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。これに関連した賦形剤や添加剤なる用語は、活性物質でなく、活性物質製剤の定性的性質を改善するために生理的に適切な溶媒中で1種又は複数種の物質と配合され得る薬理的に許容しうる物質を示している。好ましくは、これらの物質は、薬理作用がなく、所望の治療に関連して認知できる薬理作用がなく、少なくとも望ましくない薬理作用がない。賦形剤や添加剤としては、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドンのような界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終医薬製剤の寿命を保証又は延長する抗酸化剤及び/又は保存剤、香味剤、ビタミン及び/又は当該技術において既知の他の添加剤が含まれる。添加剤には、また、等張剤として塩化ナトリウムのような生理的に許容しうる塩が含まれる。
【0061】
好ましい賦形剤としては、pH、ビタミンA、ビタミンE、トコフェノロ−ル又はヒト体内で生じる同様のビタミン又はプロビタミンを調整するために既に用いられていなければ、例えば、アスコルビン酸のような抗酸化剤が含まれる。
保存剤は、病原体による汚染から製剤を保護するために用いることができる。適切な保存剤は、当該技術において既知のもの、特に塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩の従来技術より既知の濃度のものである。上記保存剤は、好ましくは50mg/100mlまで、更に好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。
好ましい製剤は、溶媒の水と活性物質12の組合わせに加えて、塩化ベンザルコニウムとエデト酸のみを含有する。他の好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムは存在しない。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液は、特に治療的吸入に適したエアゾールを生じる数秒以内で少量の液体製剤を治療的必要量で噴射させることができる種類の吸入器を用いて投与される。本発明の範囲内の好ましいネブライザは、エアゾールの吸入可能部分が治療的に有効な量に相当するようにして100μl未満、好ましくは50μl未満、更に好ましくは20〜30μlの活性物質溶液の量を、好ましくは1回の噴霧作用で平均粒径が20μm未満、好ましくは10μm未満のエアゾールを形成するように噴射させることができるものである。
吸入用液体医薬組成物の定量の噴射剤を含まずに送り出すこの種類の装置は、例えば、国際出願第91/14468号や国際出願第97/12687号(特に図6aと図6bを参照のこと)に記載されている。その中に記載されているネブライザ(装置)はRespimat(登録商標)の名前で知られている。
このネブライザ(Respimat(登録商標))は、活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用エアゾールを生じるように有利に用いることができる。形が円筒状であり、便利なサイズの長さが9cm未満から15cmまで、幅が2〜4cmであることから、患者がその装置をどこにでも運ぶことができる。ネブライザによって、吸入用エアゾールを生じるように小さなノズルを通って高圧を用いて一定量の医薬製剤がスプレーされる。
【0062】
好ましいアトマイザは、本質的にハウジング上部と、ポンプハウジングと、ノズルと、ロッキングメカニズムと、スプリングハウジングと、スプリングと、貯蔵容器とからなり、
- 該ハウジング上部に固定されかつ一端に該ノズル又はノズル配置をもつノズルボディを含むポンプハウジング、
- バルブボディをもつ中空プランジャ、
- 該中空プランジャが固定され且つ該ハウジング上部内にあるパワーテイクオフフランジ、
- 該ハウジング上部内にあるロッキングメカニズム、
- 回転軸受によって該ハウジング上部に回転可能に取り付けられた、スプリングがその中にあるスプリングハウジング、
- スプリングハウジングに軸方向に取り付けられたハウジング下部
を特徴とする。
バルブボディをもつ中空プランジャは、国際出願第97/12687号に開示された装置に対応している。ポンプハウジングのシリンダの中に部分的に突出し、シリンダ内で軸方向に移動可能である。特に図1〜図4、特に図3と説明の関連部分に言及されている。スプリングが作動する時にバルブボディをもつ中空プランジャによって5〜60 Mpa(約50〜600 bar)、好ましくは10〜60 Mpa(約100〜600 bar)が液体、計量の活性物質溶液に高圧の最後に加えられる。1スプレーにつき10〜50μlの容量が好ましくは、10〜20μlの容量が更に好ましく、15μlの容量が最も好ましい。
バルブボディは、ノズルボディに面した中空プランジャの端に取り付けられていることが好ましい。
ノズルボディ内のノズルは微細構造であること、即ち、マイクロテクノロジーによって製造されることが好ましい。微細構造バルブボディは、例えば、国際出願第94/07607号に開示され、その明細書の内容、特にその中の図1と、関連がある説明は本願明細書に含まれるものとする。
ノズルボディは、例えば、2枚のシートが一緒に固定されたガラス及び/又はシリコンからなり、少なくとも1枚はノズル入口端をノズル出口端に接続する1以上の微細構造チャンネルを有する。ノズル出口端に深さ2〜10μm(μ)、幅5〜15μm(μ)の少なくとも1つの丸い又は丸くない穴があり、深さ4.5〜6.5μm(μ)、長さ7〜9μm(μ)が好ましい。
【0063】
ノズル穴が複数、好ましくは2つある場合には、ノズルボディのノズルの噴霧の向きは相互に平行してもよく、ノズル穴の向きに相互に傾斜してもよい。出口端に少なくとも2つのノズル穴をもつノズルボディにおいては、噴霧の向きは相互に20〜160oの角度、好ましくは60〜150oの角度、最も好ましくは80〜100oの角度であってもよい。ノズル穴は、好ましくは10〜200μm(μ)の間隔、更に好ましくは10〜100μm(μ)の間隔、最も好ましくは30〜70μm(μ)で配列している。50μm(μ)の間隔が最も好ましい。それ故、噴霧の向きはノズル穴の領域に適合する。
液体医薬製剤は600 barまで、好ましくは200〜300 barのエントリー圧でノズルボディに当たり、ノズル穴を通って吸入用エアゾールへ噴霧される。エアゾールの好ましい粒子径又は小滴は20μm(μ)まで、好ましくは3〜10μm(μ)である。
ロッキングメカニズムは、機械エネルギーの貯蔵としてスプリング、好ましくは円筒形圧縮コイルばねを有する。スプリングは、ロッキング部分の位置で決まる動きを作動部分としてのパワーテイクオフフランジに作用する。パワーテイクオフフランジの移動は上止め具と下止め具によって正確に制限される。スプリングは、好ましくは、パワーステップアップギア、例えば、ヘリカルスラストギアを介してハウジング上部がハウジング下部のスプリングハウジングに対して回転するときに生じる外部トルクによってバイアスがかかる。この場合、ハウジング上部とパワーテイクオフフランジは単一又は複数のV形ギアを有する。
ロッキング面が係合しているロッキング部分は、パワーテイクオフフランジの周りにリングで配列している。例えば、固有に半径方向に弾性的に変形可能であるプラスチック又は金属のリングからなる。リングはアトマイザ軸に対して垂直な角度の面に配列している。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分のロッキング面はパワーテイクオフフランジの通路に移動し、スプリングが緩むのを防止する。ロッキング部分はボタンによって作動する。作動ボタンはロッキング部分に接続又は結合している。ロッキングメカニズムを作動させるために、作動ボタンを環状面に平行に、好ましくはアトマイザの中に移動し、それにより変形可能リングが環状面で変形する。ロッキングメカニズムの構成の詳細は、国際出願第97/20590号に記載されている。
【0064】
ハウジング下部は、スプリングハウジング上に軸方向に押され、取付部と、スピンドルの駆動部と、液体用貯蔵容器とを包含している。
アトマイザが作動したとき、ハウジングの上部はスプリングハウジングを保持している下部に相対して回転する。それによりスプリングが圧縮し、コイルスラストギアによってバイアスがかけられ、ロッキングメカニズムが自動的に係合する。回転角度は、好ましくは360度の整数部分、例えば、180度である。スプリングにバイアスがかかると同時に、ハウジング上部のパワーテイクオフ部分が一定距離だけ移動し、中空プランジャがポンプハウジングのシリンダー内に引っ張られ、結果として貯蔵容器から液体の一部がノズルの前の高圧チャンバへ吸引される。
所望される場合には噴霧させるべき液体を含有する多くの置換可能貯蔵容器をアトマイザへ次々に押入れ、続けて用いることができる。貯蔵容器は、本発明の水性エアゾール製剤を含有している。
噴霧プロセスは、作動ボタンを弱く押圧することにより開始する。結果として、ロッキングメカニズムがパワーテイクオフ部分の通路を開放する。バイアスをかけたスプリングがプランジャを押してポンプハウジングのシリンダーへ入る。液体がアトマイザのノズルから噴霧の形で出る。
構成の詳細は、本願明細書に含まれるものとする国際出願第97/12683号と同第97/20590号に開示されている。
アトマイザ(ネブライザ)の部品は、その機能に適した材料から製造されている。アトマイザのハウジングと動作が可能である場合には他の部分もプラスチックから、例えば、射出成形によって製造されることが好ましい。医療用の場合、生理的に安全な材料が用いられる。
【0065】
国際出願第97/12687号の図6a/bは、本発明の水性エアゾール製剤を吸入させるために有利に使用し得るRespimat(登録商標)ネブライザを示した図である。国際出願第97/12687号の図6aは、スプリングにバイアスがかけられたアトマイザの中の縦断面図であり、国際出願第97/12687号の図6bはスプリングが緩んだアトマイザの中の縦断面図である。
ハウジング上部(51)はポンプハウジング(52)を有し、その端にアトマイザノズルのためのホルダ(53)が取り付けられている。ホルダ内にノズルボディ(54)とフィルタ(55)がある。ロッキングメカニズムのパワーテイクオフフランジ(56)に固定された中空プランジャ(57)がポンプハウジングのシリンダの中に一部突出している。その端に中空プランジャがバルブボディ(58)を備えている。中空プランジャはシール(59)によって密封されている。スプリングが緩んだときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(60)はハウジング上部内側にある。スプリングのバイアスがかけられたときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(61)はパワーテイクオフフランジ上にある。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分(62)は止め具(61)とハウジング上部の支持体(63)との間に移動する。作動ボタン(64)はロッキング部分に接続している。ハウジング上部の端は口金(65)であり、載置し得る保護カバー(66)によって密封されている。
圧縮スプリング(68)をもつスプリングハウジング(67)は、スナップインラグ(69)と回転軸受によってハウジング上部に回転可能に取り付けられている。ハウジング下部(70)は、スプリングハウジングの上に押される。スプリングハウジング内部に噴霧すべき液体(72)の取り替え可能な貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器はストッパ(73)で密封され、中空プランジャが貯蔵容器の中に突出し、その端が液体(活性物質溶液の供給部)に浸漬している。
機械的カウンタのスピンドル(74)はスプリングハウジングの外側に取り付けられている。駆動ピニオン(75)はハウジング上部に面したスピンドルの端にある。スピンドル上にスライダ(76)がある。
上記ネブライザは、吸入に適したエアゾールを生じる本発明のエアゾール製剤を噴霧させるのに適している。
本発明の製剤を上記方法(Respimat(登録商標))を用いて噴霧させる場合には、吸入器の全動作(スプレー動作)のすべての少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%で追い出される量は、許容する一定量がこの量の25%以下、好ましくは20%に対応しなければならない。好ましくは5〜30mg、最も好ましくは5〜20mgの製剤が各動作に対する一定質量として送り出される。
【0066】
しかしながら、本発明の製剤は上記以外の吸入器、例えば、ジェットストリーム吸入器又は他の固定ネブライザを用いて噴霧させることもできる。
従って、他の態様においては、本発明は、上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形でこれらの製剤を投与するのに適した装置と、好ましくはRespimat(登録商標)と共に組合わせた医薬製剤に関する。好ましくは、本発明は、Respimat(登録商標)の名称で知られる装置と共に本発明の活性物質12の組合わせを特徴とする噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液に関する。更に、本発明は、上記本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液を含むことを特徴とする上記吸入用装置、好ましくはRespimat(登録商標)に関する。
本発明によれば、活性物質12を単一製剤で含有する吸入可能な溶液が好ましい。“単一製剤”なる用語には、例えば、国際出願第00/23037号に開示される2つの成分12を2室カートリッジで含有する製剤が含まれる。この引例の記載は全体で本願明細書に含まれるものとする。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液は、濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液又は懸濁液、また、Respimat(登録商標)に用いられるように設計された上記溶液や懸濁液の形を取ることができる。用時調製製剤は、例えば、濃縮物から等張生理食塩水を添加することにより作ることができる。用時調製滅菌製剤は、ベンチュリ原理又は他の原理により超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる自立型又は携帯型エネルギー作動ネブライザを用いて投与することができる。
従って、他の態様においては、本発明は、濃縮物又は用時調製滅菌製剤の形を取る上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形で、これらの溶液を投与するのに適した装置と組合わせた医薬組成物であって、該装置がベンチュリ原理又は他の方法による超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる自立型又は携帯型エネルギー作動ネブライザであることを特徴とする、前記医薬組成物に関する。
以下の実施例は、一例として本発明の範囲を以下の実施態様に制限せずに本発明を更に詳細に示すものである。
まず、当該技術において既知でない化合物1e1f1gの製剤が記載される。
【0067】
I) 式1eの化合物の実施例及び調製:
実施例1: トロペノール-9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0068】
【化23】

【0069】
1.1.: メチル9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレート:
50.4g(0.223モル)の9-ヒドロキシ-9-フルオレンカルボン酸を、500mlのメタノールに溶解し、5ml(0.089モル)の濃硫酸と合わせ、1時間還流する。冷却後、100mlの炭酸水素ナトリウム溶液(約pH 8)を添加し、メタノールをほとんど蒸発させる。その混合物をジクロロメタンと水で抽出し、有機相を乾燥し、蒸発乾固する。生成物を、酢酸エチルから再結晶によって精製する。
収量: 50.0gの白色結晶(=理論の93%)。
1.2: トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレート:
13.4g(0.056モル)のメチルエステル1.1、11.65g(0.084モル)のトロペノール、0.3gのナトリウムを75mbarで4時間沸騰水の浴上で時々の撹拌しながら加熱して融解させる。冷却した後にナトリウム残留物を、アセトニトリルで溶解し、その溶液を蒸発乾固し、残留物を、ジクロロメタン/水で抽出する。有機相を水洗し、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。生成物をジエチルエーテルから再結晶によって精製する。
収量: 11.40gの白色結晶(=理論の29%)。
1.3: トロペノール9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド :
1.75g(0.005モル)の1.2を30mlのジクロロメタンと15mlのアセトニトリルに溶解し、2.85g(0.015モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと合わせる。その反応混合液を周囲温度で3日間放置し、その間に生成物が結晶化する。沈殿した結晶を分離し、ジエチルエーテルから再結晶してそれらを精製する。
収量: 1.95gの白色結晶(=理論の88%); 融点: 250℃。
元素分析:計算値: C(62.45)H(5.47)N(3.17)
実測値: C(61.53)H(5.84)N(3.22)。
【0070】
実施例2: トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0071】
【化24】

【0072】
2.1: トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレート:
1.66 ml(0.009モル)のビス(2-メトキシエチル)アミノスルファトリフルオリドを10mlのジクロロメタンに入れ、15°-20℃で20分以内に25mlのジクロロメタン中の2.4g(0.007モル)の1.2の溶液をそれに添加する。その混合液を周囲温度で20時間撹拌し、0℃に冷却し、十分に撹拌しながら80mlの水と注意深く合わせる。次に、その混合液をNaHCO3水溶液でpH 8に注意深く調整し、有機相を分離し、水相をジクロロメタンで更にまた抽出し、合わせた有機相を水洗し、MgSO4で乾燥して蒸発乾固する。塩酸塩が沈殿し、アセトニトリル/ジエチルエーテルから再結晶させる。次に、遊離塩基を、10%炭酸ナトリウム水溶液を用いられて更にまた遊離させる。収量: 1.05gの明るい黄色結晶(=理論の53%)
2.2: トロペノール9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程1.3と同様に、1.05g(0.003モル)の2.1を20mlのアセトニトリルに溶解し、1.71g(0.009モル)50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。それを精製するために生成物をアセトニトリルから再結晶する。
収量: 0.80gの白色の結晶(=理論の60%); 融点: 252℃。
元素分析: 計算値: C(62.17)H(5.22)N(3.15)
実測値: C(62.04)H(5.23)N(3.15)。
【0073】
実施例3: スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0074】
【化25】

【0075】
3.1: スコピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレート:
9.0 g(0.026モル)のトロペノールエステル2.1を90mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、0.47g(0.003モル)バナジウム-(V)-オキシドと合わせる。60℃で20mlの水中の4.89g(0.052モル)のH2O2-尿素の溶液を添加し、60℃で6時間撹拌する。20℃に冷却した後に生じた沈殿を吸引ろ過し、ろ液を4N塩酸でpH 2に調整し、水に溶解したNa2S2O5と合わせる。得られた溶液を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン/水で抽出する。酸性水相をNa2CO3で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮する。次に、1mlのアセチルクロリドを周囲温度で添加し、その混合液を1時間撹拌する。1N塩酸で抽出した後に水相を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出し、有機相を水洗し、Na2SO4で乾燥する。次に、溶媒を蒸留によって除去する。粗生成物を、ジエチルエーテルから再結晶によって精製する。
収量: 2.8gの白色結晶(=理論の30%)。
3.2: スコピン9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程1.3と同様に、1.3g(0.004モル)の3.1を20mlのクロロホルムと20mlのアセトニトリルに溶解し、2.279g(0.012モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。それを精製するために生成物をアセトニトリルから再結晶する。
収量: 1.25gの薄いベージュの結晶(=理論の68%); 融点: 243-244℃。
元素分析: 計算値: C(60.27)H(5.28)N(3.06)
実測値: C(60.03)H(5.35)N(3.55)。
【0076】
実施例4: スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:










【0077】
【化26】

【0078】
4.1: スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレート:
2.1の手順と同様に、0.885ml(0.005モル)のビス(2-メトキシエチル)アミノスルファトリフルオリドを25mlのジクロロメタンに入れ、1.42g(0.004モル)の3.1と反応させる。
収量: 1.1gのベージュの結晶(=理論の75%)
4.2: スコピン9-フルオロフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程1.3と同様に、1.1 g(0.003モル)の4.1を30mlのアセトニトリルに溶解し、1.71g(0.009モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。それを精製するために生成物をイソプロパノールから再結晶する。
収量: 0.45gの白色結晶(=理論の33%); 融点: 200-201℃。
元素分析: 計算値: C(60.01)H(5.04)N(3.04)
実測値: C(59.91)H(5.18)N(3.10)。
【0079】
実施例5: トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0080】
【化27】

【0081】
5.1.: 9-メチルフルオレン-9-カルボン酸:
a) メチル9-メチルフルオレン-9-カルボキシレート:
7.6g(0.33モル)ナトリウムと300mlのエタノールからナトリウムエトキシド溶液を調製し、69.6g(0.33モル)の9-フルオレンカルボン酸をバッチ式で添加する。添加が終了した後に、混合物を周囲温度で2.5時間撹拌する。次に、蒸発乾固し、残留物を600mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、93.96g(0.662モル)のヨウ化メチルを添加する。その混合物を一定温度で3時間撹拌する。濁った溶液を、冷却しながら500mlの水と300mlのジエチルエーテルに撹拌し、抽出し、有機相を、水と10%炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固する。残留物を、カラムクロマトグラフィ、溶離液シクロヘキサン/酢酸エチル96:4で精製する。
収量: 12.61gの白色結晶(=理論の16%); 融点: 108°-109℃。
b) 9-メチルフルオレン-9-カルボン酸:
12.6g(0.053モル)のメチル9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートとそして、53mlの2モルの水酸化ナトリウム水溶液を120mlの1,4-ジオキサンに周囲温度で24時間撹拌する。ジオキサンを留去し、水で300mlの総容量にし、ジエチルエーテルで抽出する。水相を、3モルの水性HClで酸性にし、結晶化し、ろ過する。
収量: 11.25gの白色結晶(=理論の95%);融点: 168°-169℃。
5.2: トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレート:
6.73g(0.03モル)5.1を60mlのジクロロメタンに懸濁し、5.0gの塩化オキサリルと1滴のジメチルホルムアミドと合わせ、次に、周囲温度で1時間撹拌し、最後に、溶媒を留去する。残っている酸塩化物をあらゆる更なる精製せずに次の工程で用いられる。
4.18g(0.03モル)のトロペノールと4.27g(0.033モル)のジイソプロピルエチルアミンを100mlのジクロロエタンに懸濁し、酸クロリドを35-40℃で30mlのジクロロエタンに滴下し、次に、40℃で24時間撹拌する。懸濁液をジクロロメタンで希釈し、希塩酸で抽出する。次に、有機相を水洗し、MgSO4で乾燥し、生成物をジエチルエーテル中のHClの溶液でその塩酸塩に変換する。次に、溶媒を除去する。それを精製するために沈殿した塩酸塩を水に溶解し、ジエチルエーテルで抽出する。水相を10%炭酸ナトリウム水溶液で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。
収量: 4.40gの黄色油状物(=理論の42%);
5.3: トロペノール9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程1.3の方法と同様に、1.8g(0.005モル)の遊離塩基5.2を反応させる。生成物をアセトンから再結晶によって精製させる。
収量: 1.80gの白色結晶(=理論の82%); 融点: 258-259℃;
元素分析: 計算値: C(65.46)H(5.95)N(3.18)
実測値: C(64.15)H(5.95)N(3.18)。
【0082】
実施例6: スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:











【0083】
【化28】

【0084】
6.1: スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレート:
工程3.1のプロセスと同様に、2.5g(0.007モル)のトロペノールエステル5.2を、0.13g(0.001モル)バナジウム-(V)-オキシドと1.43g(0.015モル)のH2O2-尿素と反応させる。
収量: 1.8gの白色結晶(=理論の71%)。
6.2: スコピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程1.3と同様に、1.8g(0.005モル)の6.1を30mlのアセトニトリルに溶解し、2.848g(0.015モル)の50%臭化メチル溶液と反応させる。
収量:1.6gの白色結晶(=理論の70%); 融点: 214℃。
元素分析: 計算値: C(62.13)H(5.93)N(4.26)
実測値: C(62.23)H(6.05)N(4.32)。
【0085】
II) 式1fの化合物の実施例及び調製:
出発物質シクロプロピルトロピンの調製:
35ml(0.35モル)の40%水酸化カリウム水溶液を100mlのジエチルエーテルで覆い、氷浴で冷却する。このために、23.64g(0.101モル)のNメチル-N-ニトロソ尿素をバッチ式で添加し、次に、混合物を約10分間撹拌する。エーテル相を傾瀉し、得られた溶液を以下の工程で用いる。
上で調製した25mlのジアゾメタン溶液を25mlのジエチルエーテルと5mlのメタノール中の4.01g(0.028モル)のトロペノールの溶液に氷浴で冷却しながら添加する。次に、53.4mg(0.000139モル)のビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)を添加する。次に、28mlのジアゾメタン溶液を更にバッチ式で添加する。約1.5時間後に溶媒を減圧下で留去し、残っている残留物を抽出し、この溶液をろ過し、溶媒を蒸留によって除去する。
収量: 4.25gのわずかに黄色がかった結晶(=理論の96%)
【0086】
実施例7: シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド:





【0087】
【化29】

【0088】
7.1.: メチルベンジレート:
90g(0.394モル)のベンジル酸を900mlのアセトニトリルに溶解し、5℃で109.6g(0.72モル)のDBUを滴下する。204.4g(1.44モル)のヨウ化メチルを添加した後にその混合液を周囲温度(約20-23℃)で24時間撹拌する。その溶液を残留物に蒸発させ、残留物をジエチルエーテルに溶解し、水で抽出する。有機相を5%炭酸ナトリウム水溶液と水で洗浄し、乾燥し、溶媒を留去する。生成物をシクロヘキサンから再結晶によって精製する。収量: 77.19gの白色結晶(=理論の81%)融点: 74°-76℃。
7.2.: シクロプロピルトロピンベンジレート:
5.34 g(0.022モル)のメチルベンジレート7.1、1.53g(0.01モル)のシクロプロピルトロピン、0.25g(0.01モルのナトリウムを時々振盪しながら75mbarで1時間沸騰水浴で加熱して融解する。冷却後、ナトリウム残留物をアセトニトリルで溶解し、溶液を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン/水で抽出する。有機相を10%硫酸水素カリウム溶液で抽出し、得られた水相を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機相を分離し、乾燥し、蒸発乾固する。生成物をアセトニトリルから再結晶によって精製する。収量: 2.41gの白色結晶(=理論の66%)。
7.3: シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド:
0.46 g(0.0013モル)の7.2を5mlのアセトニトリルに溶解し、80℃の加圧反応容器において1.53g(0.0082モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルで撹拌する。2日後にその溶液を蒸発乾固し、残留物をアセトニトリルに溶解し、保温しながらろ過する。冷却した後に沈殿した結晶を分離し、乾燥し、アセトニトリルから再結晶する。
収量: 0.066gの白色結晶(=理論の11%); 融点: 208-209℃。
元素分析: 計算値: C(62.89)H(6.16)N(3.06)
実測値: C(62.98)H(6.20)N(3.03)。
【0089】
実施例8: シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド:






【0090】
【化30】

【0091】
8.1.: 2,2-ジフェニルプロピオン酸クロリド:
52.08g(0.33モル)の塩化オキサリルを、25.0g(0.11モル)の2,2-ジフェニルプロピオン酸、100mlのジクロロメタン、4滴のジメチルホルムアミドの懸濁液に20℃で徐々に滴下する。20℃で1時間、50℃で0.5時間撹拌する。溶媒を留去し、残っている残留物をいかなる精製もせずに次の工程に用いる。
8.2: シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネート:
2.3 g(0.015モル)のシクロプロピルトロピンと2.13g(0.016モル)のジイソプロピルエチルアミンを30mlのジクロロメタンに入れ、15分間以内にジクロロメタン中の酸クロリド8.1の溶液と合わせる。次に、その混合液を周囲温度で2時間、40℃で72時間撹拌する。仕上げるために、水洗し、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。生成物をジエチルエーテル中のHClの溶液でその塩酸塩に変換する。それを精製するために沈殿した塩酸塩を水に溶解し、ジエチルエーテルで抽出する。水相を10%炭酸ナトリウム水溶液で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。
収量: 2.15gの黄色油状物(=理論の36%)
8.3: シクロプロピルトロピン2,2-ジフェニルプロピオネートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に、1.8 g(0.005モル)の遊離塩基8.2を反応させる。アセトニトリル/ジエチルエーテルから再結晶によって精製を行う。
収量: 1.53gの白色結晶(=理論の67%); 融点: 208-209℃;
元素分析: 計算値: C(65.79)H(6,63)N(3.07)
実測値: C(65.47)H(6.77)N(3.03)。
【0092】
実施例9:シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:







【0093】
【化31】

【0094】
9.1.: メチル9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート:
a) メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
21.75g(0.95モル)のナトリウムと1500mlのエタノールからナトリウムエトキシド溶液を生成する。214g(0.95モル)のキサンテン-9-カルボン酸をこの溶液にバッチ式で添加し、得られた懸濁液を周囲温度で1時間撹拌する。次に、固形物を分離し、1500mlのジエチルエーテルで洗浄し、分離した結晶を、1500mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、126.73ml(2.0モル)のヨウ化メチルを撹拌しながら添加する。得られた溶液を周囲温度で24時間放置し、6リットルの全容積まで水で希釈し、結晶化し、吸引ろ過し、水洗し、乾燥する。
収量: 167gの白色結晶7(=理論の74%)
融点: 82℃。
b) メチル9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート:
48.05 g(0.2モル)のメチルキサンテン-9-カルボキシレートを1200mlのテトラヒドロフランに溶解し、0℃で23.63g(0.2モル)のカリウムtert‐ブトキシドと合わせる。次に、酸素を-10°〜-5℃で2時間管で送り、次に、その混合液を2N水性塩酸で酸性にし、溶媒の大部分を蒸留によって除去する。残っている残留物を酢酸エチルと水で抽出し、有機相をNa2S2O5水溶液で抽出し、水洗し、乾燥し、溶媒を留去する。
生成物をジイソプロピルエーテルとシクロヘキサンから結晶化によって精製する。収量: 11.10gの白色結晶(=理論の22%)
9.2: シクロプロピルトロピン[9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート]:
工程7.2と同様に、6.0 g(0.023モル)9.1、3.065gの(0.02モル)シクロプロピルトロピン、0.02gのナトリウムを反応させる。収量: 2.2gの白色結晶(=理論の25%);
融点: 115-116℃。
9.3: シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に、2.1 g(0.006モル)の遊離塩基9.2を反応させる。イソプロパノールから再結晶によって精製を行う。
収量: 1.05gのベージュの結晶(=理論の37%); 融点: 218℃;
元素分析: 計算値: C(61.02)H(5.55)N(2.97)
実測値: C(60.40)H(5.72)N(2.96)。
【0095】
実施例10: シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0096】
【化32】

【0097】
10.1.: 9-メチルフルオレン-9-カルボン酸:
a) メチル9-メチルフルオレン-9-カルボキシレート:
ナトリウムエトキシド溶液を7.6g(0.33モル)のナトリウムと300mlのエタノールから調製し、69.6g(0.33モル)の9-フッ化エンカルボン酸をそれにバッチ式で添加する。添加が終了した後に、周囲温度で2.5時間撹拌する。次に、蒸発乾固し、残留物を600mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、93.96g(0.662モル)のヨウ化メチルを滴下する。混合液を一定温で3時間撹拌する。濁った溶液を500mlの水と300mlのジエチルエーテルに冷却しながら撹拌し、抽出し、有機相を水と10%炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固する。残留物を、カラムクロマトグラフィ、溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル96:4)によって精製する。
収量: 12.61gの白色結晶(=理論の16%); 融点: 108°-109℃。
b) 9-メチルフルオレン-9-カルボン酸:
12.6 g(0.053モル)のメチル9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートと53mlの2モルの水酸化ナトリウム水溶液を120mlの1,4-ジオキサンに周囲温度で24時間撹拌する。ジオキサンを留去し、水を300mlの全容積を得るために添加し、混合液をジエチルエーテルで抽出する。水相は、3モルの水性HClで酸性にし、結晶化し、ろ過する。
収量: 11.25gの白色結晶(=理論の95%); 融点: 168°-169℃。
10.2: シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレート:
4.0g(0.018モル)の10.1、4.53g(0.036モル)の塩化オキサリル4滴のジメチルホルムアミドから40mlのジクロロメタン中で酸塩化物を調製する。2.48g(0.016モル)のシクロプロピルトロピンと1.91g(0.019モル)のトリエチルアミンを30mlのジクロロエタンに懸濁し、その酸塩化物を0mlのジクロロエタンに30℃で15分以内に3滴下し、次に、40℃で24時間撹拌する。懸濁液をジクロロメタンと水で抽出し、有機相を水性酢酸で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸留で除去する。生成物は、その塩酸塩に変換する。精製するために沈殿した塩酸塩を水に溶解し、ジエチルエーテルで抽出する。水相を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。粗生成物をアセトニトリルから再結晶によって精製する。収量: 1.81gのわずかにベージュの結晶(=理論の30%); 融点: 138°-139℃。
10.3: シクロプロピルトロピン9-メチルフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に1.81g(0.005モル)の遊離塩基10.2を反応させる。アセトニトリルから再結晶によって精製を行う。
収量: 1.26gの白色結晶(=理論の56%); 融点: 228-229℃;
元素分析: 計算値: C(66.09)H(6.21)N(3.08)
実測値; C(66.26)H(6.26)N(3.11)
【0098】
実施例11: シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0099】
【化33】

【0100】
11.1.: 9-メチルキサンテン-9-カルボン酸:
a) メチル9-メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
工程10.1.aの方法と同様に、9.61g(0.04モル)のメチル9-キサンテンカルボキシレート(工程9.1.aに従って得られる)から出発して標記化合物を得る反応を行う。収量: 6.05gの白色結晶(=理論の60%);
融点: 91-92℃。
b) 9-メチルキサンテン-9-カルボン酸:
工程10.1.bの方法と同様に、20.34g(0.08モル)のメチル9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートから出発して標記化合物を得る反応を行う。
収量: 14.15gの白色結晶(=理論の74%); 融点: 207-208℃。
11.2 シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
5.0g(0.021モル)の11.1、5.53g(0.042モル)の塩化オキサリル、4滴のジメチルホルムアミドを50mlのジクロロメタン中で酸クロリドを調製する。工程10.2の方法と同様に、3.06g(0.02モル)のシクロプロピルトロピンと上で得た酸塩化物を反応させて標記化合物を得る。
収量: 1.95gのわずかにベージュの結晶(=理論の26%); 融点: 87-88℃。
11.3: シクロプロピルトロピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に、1.95 g(0.005モル)の遊離塩基11.1を反応させる。アセトニトリルから再結晶によって精製を行う。
収量: 0.54gの白色結晶(=理論の23%); 融点: 193-194℃;
元素分析: 計算値; C(63.83)H(6.00)N(2.98)
実測値; C(61.42)H(6.24)N(2.97)。
【0101】
実施例12: シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0102】
【化34】

【0103】
12.1: メチル9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレート:
50.4 g(0.223モル)の9-ヒドロキシ-9-フルオレンカルボン酸を500mlのメタノールに溶解し、5ml(0.089モル)の濃硫酸と合わせ、1時間還流する。冷却した後に100mlの炭酸水素ナトリウム溶液(約pH 8)を添加し、メタノールをほとんど蒸発させる。それをジクロロメタンと水で抽出し、有機相を乾燥し、蒸発乾固する。酢酸エチルから再結晶によって精製を行う。
収量: 50.0gの白色結晶(=理論の93%)。
12.2: シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレート:
工程7.2と同様に、6.0 g(0.025モル)の12.1、3.45g(0.023モル)のシクロプロピルトロピン、0.03gのナトリウムを反応させる。アセトニトリルから再結晶によって精製を行う。収量: 3.46gの白色結晶(=理論の38%); 融点: 131-132℃。
12.3: シクロプロピルトロピン9-ヒドロキシフルオレン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に、3.36 g(0.009モル)の遊離塩基12.2を反応させる。イソプロパノールから再結晶によって精製を行う。
収量: 3.32gの白色結晶(=理論の79%); 融点: 219-220℃;
元素分析: 計算値; C(63.16)H(5.74)N(3.07)
実測値; C(62.93)H(5.93)N(3.10)。
【0104】
実施例13: シクロプロピルトロピン4,4'-ジフルオロメチルベンジレートメトブロミド:
【0105】
【化35】

【0106】
13.1.: 4,4'-ジフルオロメチルベンジレート:
a) 4,4'-ジフルオロベンジル酸:
250mlのジオキサン中の24.62g(0.1モル)の4,4'-ジフルオロベンジルを300mlの水中の49.99g(1.25モル)のNaOH薄片の溶液に約100℃で添加し、2時間撹拌する。ジオキサンをほとんど留去し、残っている水溶液をジクロロメタンで抽出する。その水溶液を硫酸で酸性にした場合、沈殿が堆積し、それを吸引ろ過し、洗浄し、乾燥する。ろ液をジクロロメタンで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発乾固する。収量: 25.01g(=理論の95%); 融点: 133°-136℃
b) 4,4'-ジフルオロメチルベンジレート:
25.0g(0.095モル)の4,4'-ジフルオロベンジル酸を、2.17g(0.095モル)のナトリウムと200mlのエタノールから新たに調製したナトリウムエトキシド溶液に20℃で添加し、3時間撹拌する。溶液を蒸発乾固し、残留物をDMFに溶解し、22.57g(0.16モル)のヨウ化メチルを20℃で滴下し、混合液を24時間撹拌する。生成した懸濁液に300mlの水を氷で冷却しながら滴下し、その混合液をジエチルエーテルで抽出し、有機相水洗し、Na2SO4で乾燥し、蒸発乾固する。
収量: 21.06g(=理論の80%)。
13.2: シクロプロピルトロピン4,4'-ジフルオロメチルベンジレート:
工程7.2と同様に、6.2 g(0.022モル)の13.1、3.37g(0.022モル)のシクロプロピルトロピン、0.051gのナトリウムを反応させて生成物を得る。アセトニトリルから再結晶によって精製を行う。
収量: 4.15gの白色結晶(=理論の47%); 融点: 120-121℃。
13.3: シクロプロピルトロピン4,4'-ジフルオロメチルベンジレートメトブロミド:
工程7.3の方法と同様に、2.0 g(0.005モル)の遊離塩基13.2を反応させる。エタノール/ジエチルエーテルから再結晶によって精製を行う。
収量: 1.8gの白色結晶(=理論の73%); 融点: 206-207℃;
元素分析: 計算値; C(58.31)H(5.30)N(2.83)
実測値; C(58.15)H(5.42)N(2.84)。
【0107】
III) 式1gの化合物の実施例及び調製:
実施例14: トロペノール9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0108】
【化36】

【0109】
14.1.: メチル9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート:
a) メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
21.75g(0.95モル)のナトリウムと1500mlのエタノールからナトリウムエトキシド溶液を調製する。214g(0.95モル)のキサンテン-9-カルボン酸をこの溶液にバッチ式で添加し、得られた懸濁液を周囲温度で1時間撹拌する。次に、固形物を分離し、1500mlのジエチルエーテルで洗浄し、分離した結晶を1500mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、126.73ml(2.0モル)のヨウ化メチルと撹拌しながら合わせる。生成した溶液を周囲温度で24時間放置し、次に、6リットルの全容積まで水で希釈し、結晶化し、吸引ろ過し、水洗し、乾燥する。収量: 167gの白色結晶7(=理論の74%)融点: 82℃。
b) メチル9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート:
48.05g(0.2モル)のメチルキサンテン-9-カルボキシレートを1200mlのテトラヒドロフランに溶解し、0℃で23.63g(0.2モル)のカリウムtert‐ブトキシドと合わせる。酸素を-10〜-5℃で2時間管に送り、次に、混合液を2N水性塩酸で酸性にし、溶媒の大部分を留去する。残っている残留物を酢酸エチルと水で抽出し、有機相をNa2S2O5水溶液で抽出し、水洗し、乾燥し、溶媒を留去する。生成物をジイソプロピルエーテルとシクロヘキサンから結晶化によって精製する。収量: 11.10gの白色結晶(=理論の22%)
14.2: トロペノール9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレート:
13.65g(0.053モル)のメチルエステル14.1、8.35g(0.06モル)のトロペノールノール、0.2gのナトリウムを時々撹拌しながら沸騰水浴で75mbarで4時間加熱して融解する。冷却した後にナトリウム残留物をアセトニトリルで溶解し、その溶液を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン/水で抽出する。有機相を水洗し、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。ジエチルエーテル/石油エーテルから再結晶によって生成物を精製する。
収量: 5.28gの白色結晶(=理論の27%); 融点: 117℃。
14.3: トロペノール9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
0.8 g(0.002モル)の14.2を20mlのジクロロメタンと20mlのアセトニトリルに溶解し、1.14g(0.006モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと合わせる。反応混合液を周囲温度で3日間放置し、その間に生成物が結晶化する。沈殿した結晶を分離し、アセトンから再結晶してそれらを精製する。
収量: 0.94gの白色結晶(=理論の93%); 融点: 249-250℃。
元素分析: 計算値; C(60.27)H(5.28)N(3.06)
実測値; C(60.04)H(5.34)N(2.98)。
【0110】
実施例15: スコピン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0111】
【化37】

【0112】
15.1: スコピン9-ヒドロキシキサンテン-9-カルボキシレート:
6.8g(0.019モル)のトロペノール14.2を75mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、0.36g(0.002モル)のバナジウム(V)-オキシドと合わせる。60℃において15mlの水中の3.52g(0.037モル)のH2O2‐尿素の溶液を滴下し、その混合液を60℃で6時間撹拌する。20℃に冷却した後にその混合液を4N塩酸でpH 2に調整し、水に溶解したNa2S2O5と合わせる。得られた溶液を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン/水で抽出する。得られた酸性水相をNa2CO3で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出し、有機相をNa2SO4で乾燥し、濃縮する。次に、1mlのアセチルクロリドを周囲温度で添加し、混合液を1時間撹拌する。1N塩酸で抽出した後に水相を塩基性にし、ジクロロメタンで抽出し、有機相を水洗し、MgSO4で乾燥する。最後に、溶媒を留去する。粗生成物をジエチルエーテルから再結晶によって精製する。収量: 5.7gの黄色油状物(=理論の79%)。
15.2: スコピンン9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程14.3と同様に、4.0 g(0.011モル)の15.1を60mlのアセトニトリルに溶解し、6.27g(0.033モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。収量: 3.6gの白色結晶(=理論の69%); 融点: 226-227℃。
元素分析: 計算値; C(58.24)H(5.10)N(2.95)
実測値; C(58.33)H(4.98)N(3.05)。
【0113】
実施例16: トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0114】
【化38】

【0115】
16.1.: 9-メチルキサンテン-9-カルボン酸:
a) メチル9-メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
9.61g(0.04モル)のメチル9-キサンテンカルボキシレート(工程14.1.aに従って得られる)を150mlのテトラヒドロフランに溶解し、THF中の5.0g(0.042モル)のカリウムtert‐ブトキシドの溶液と合わせ、10分間撹拌する。次に、5ml(0.08モル)のヨウ化メチルを穏やかに冷却しながら滴下し、全て添加した後に、その混合液を周囲温度で1時間撹拌する。その反応混合液を800mlの全容積まで水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、有機相をNa2CO3飽和水溶液で抽出し、水洗し、MgSO4で乾燥し、溶媒を留去する。メタノールから再結晶によって生成物を精製する。収量: 6.05gの白色結晶(=理論の70%); 融点: 91°-92℃。
b) 9-メチルキサンテン-9-カルボン酸:
20.34g(0.08モル)の上記メチルエステルと80mlの2モルの水酸化ナトリウム水溶液を200mlのジオキサン中で周囲温度で24時間の撹拌し、次に、ジオキサンを留去し、混合液を水で600mlの全容積まで溶解し、ジエチルエーテルで抽出し、水相を4N塩酸で酸性にする。生成物を結晶化し、吸引ろ過し、水洗する。アセトニトリルから再結晶によって精製する。収量: 14.15gの白色結晶(=理論の74%); 融点: 207-208℃。
16.2: トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
7.76g(0.03モル)の16.1、0.06モルの塩化オキサリル、4滴のジメチルホルムアミドから、100mlのジクロロメタン中で酸塩化物を調製する。ジクロロメタン中の溶液として140mlのジクロロメタン中の8.77g(0.063モル)のトロペノールに滴下し、次に、40℃で24時間撹拌し、冷却する。反応混合液を水で抽出し、MgSO4で乾燥し、ろ別する。得られたろ液をエーテルの塩酸でpH2に酸性にし、ジエチルエーテルで抽出し、水相を塩基性にする。ジクロロメタンで抽出した後に有機相を水で中性に洗浄し、MgSO4で乾燥し、蒸発乾固する。残留物をジエチルエーテルに溶解し、不溶物をろ別し、溶媒を蒸留によって除去する。収量: 3.65gの黄色油状物(=理論の34%)。
16.3: トロペノール9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程14.3と同様に、1.65 g(0.005モル)の16.2を20mlのアセトニトリルに溶解し、2.85g(0.015モル)の50%臭化メチル溶液とアセトニトリル中で反応させる。収量: 1.5gの白色結晶(=理論の65%); 融点: 212-213℃。
元素分析: 計算値; C(63.16)H(5.74)N(3.07)
実測値; C(62.50)H(5.94)N(3.11)。
【0116】
実施例17: スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド
【0117】
【化39】

【0118】
17.1: スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレート:
工程15.1の方法と同様に、1.9 g(0.005モル)のトコペノールエステル16.2を30mlのジメチルホルムアミドに懸濁し、0.12g(0.001モル)のバナジウム‐(V)-オキシドと0.01モルのH2O2-尿素と水中で反応させる。
収量: 1.4gの白色結晶(=理論の74%)。
17.2: スコピン9-メチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程14.3と同様に、1.35g(0.004モル)の17.1を10mlのジクロロメタンと20mlのアセトニトリルに溶解し、2.28g(0.012モル)の50%臭化メチル溶液とアセトニトリル中で反応させる。
収量:1.35gの白色結晶(=理論の71%); 融点: 208-209℃。
元素分析: 計算値; C(61.02)H(5.55)N(2.97)
実測値; C(59.78)H(5.70)N(2.96)。
【0119】
実施例18: トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0120】
【化40】

【0121】
18.1.: 9-エチルキサンテン-9-カルボン酸:
a) メチル9-エチルキサンテン-9-カルボキシレート:
10.0g(0.042モル)のメチル9-キサンテンカルボキシレート(工程14.1.aに従って得られる)100mlのテトラヒドロフランに溶解し、5.16g(0.044モル)のカリウムtert‐ブトキシドと冷却しながらバッチ式で合わせる。次に、約18-22℃で6.296ml(0.083モル)のブロモエタンを滴下し、全て添加された後に、その混合液を周囲温度で約1.5時間撹拌する。生じた沈殿を吸引ろ過し、溶媒を蒸留によって除去する。残っている残留物をジエチルエーテルに溶解し、水で抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を蒸留によって除去する。得られた粗生成物をいかなる精製もせずに次の工程に用いる。
収量: 7.92gの黄色油状物。(=理論の70%)。
b) 9-エチルキサンテン-9-カルボン酸:
7.92g(0.03モル)の上記エチルエステルと29.5mlの2モルの水酸化ナトリウム水溶液を80mlのジオキサン中で2.5時間還流する。混合液を工程3.1.b)のように処理する。
収量: 4.46gの白色結晶(=理論の58%); 融点: 175-176℃。
18.2: トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレート:
4.46g(0.03モル)の18.1、4.45g(0.035モル)の塩化オキサリル、3滴のジメチルホルムアミドから、酸クロリドを40mlのジクロロメタン中で調製する。60mlのジクロロメタン中の4.87g(0.035モル)のトロペノールにジクロロメタン中の溶液として添加し、工程16.2の手順と同様に反応させ、処理する。収量: 0.97gの油状物(=理論の15%)。
18.3: トロペノール9-エチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程14.3と同様に、0.97g(0.003モル)の18.2を70mlのアセトニトリルに溶解し、1.77g(0.009モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。精製するために生成物をアセトニトリルから再結晶する。
収量: 0.65gの白色結晶(=理論の46%); 融点: 217-218℃。
元素分析: 計算値; C(63.83)H(6.00)N(2.98)
実測値; C(61.76)H(6.32)N(2.92)。
【0122】
実施例19: トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
【0123】
【化41】

【0124】
19.1.: 9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボン酸:
a) メチル9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレート:
16.8 g(0.07モル)のメチル9-キサンテンカルボキシレート(工程14.1.aに従って得られる)を300mlのテトラヒドロフランに溶解し、9.1g(0.077モル)のカリウムtert‐ブトキシドを冷却しながらバッチ式で添加する。次に、ジフルオロクロロメタンを0℃で1.5時間管で送る。全てのガスが管で送られた後に、反応混合液を周囲温度で72時間放置する。次に、反応混合液を約2000mlの全容積に水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、5%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。水で更にまた抽出した後に有機相をMgSO4で乾燥し、溶媒を蒸留で除去する。粗生成物をシリカゲルによるクロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル98:2)によって又はシクロヘキサンから再結晶によって精製する。
収量: 5.35gの白色結晶(=理論の26%); 融点: 101℃。
b) 9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボン酸:
工程16.1.b)の反応と同様に、5.38 g(0.019モル)の上記エステルと18.5mlの2モルの水酸化ナトリウム水溶液を60mlのジオキサン中で反応させ、処理する。
収量: 2.77gの白色結晶(=理論の53%); 融点: 181-182℃。
19.2: 9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートトロペノール:
2.77g(0.01モル)の19.1、1mlの塩化オキサリル、1滴のジメチルホルムアミドから酸クロリドを調製する。工程16.2と同様に、50mlの1,2-ジクロロエタン中の2.78g(0.02モル)のトロペノールに添加し、反応させ、処理する。収量: 0.6gの油状物(=理論の15%)。
19.3: トロペノール9-ジフルオロメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド:
工程14.3と同様に、0.6g(0.002モル)の19.2を20mlのアセトニトリルに溶解し、1.14g(0.006モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。
収量: 0.44gのベージュの結晶(=理論の45%); 融点: 227-228℃。
元素分析: 計算値; C(58.55)H(4.91)N(2.84)
実測値; C(57.19)H(5.11)N(2.86)。
【0125】
実施例20: スコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレートメトブロミド
【0126】
【化42】

【0127】
20.1.: スコピン9-ヒドロキシメチル-キサンテン-9-カルボキシレート:
国際出願第92/16528号に記載されるように得ることができる、3.63 g(0.010モル)のスコピンキサンテン-9-カルボキシレートを20mlのジメチルホルムアミドに溶解し、0.36g(0.012モル)のパラホルムアルデヒドと合わせる。0.168g(0.002モル)のカリウムtert‐ブトキシドを20℃で添加した後に、混合物液を周囲温度で2時間撹拌する。その混合液を冷却しながら4N塩酸をでpH 2に酸性にし、溶媒を減圧下で留去する。残っている残留物をジエチルエーテルと水で抽出し、水相を10%炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、ジクロロメタンで抽出する。有機相を分離し、水洗し、乾燥し、溶媒を減圧下で留去する。それを精製するために生成物をアセトニトリルから再結晶する。
収量: 1.55gの白色結晶(=理論の36%); 融点: 232℃。
20.2: スコピン9-ヒドロキシメチルキサンテン-9-カルボキシレート:
工程14.3と同様に、1.15 g(0.003モル)の20.1を20mlのアセトニトリルに溶解し、1.71g(0.009モル)の50%臭化メチル溶液/アセトニトリルと反応させる。
収量: 1.28gの白色結晶(=理論の87%); 融点: 234℃。
元素分析: 計算値; C(59.02)H(5.37)N(2.87)
実測値; C(59.30)H(5.41)N(3.03)。
【0128】
IV) 製剤の実施例
当該技術において既知である方法と同様に得ることができる、以下の製剤の実施例は、これらの実施例の内容物に制限せずに更に詳細に本発明を示すものである。
吸入用粉末:
1)





2)

3)

4)

【0129】
5)

6)

7)




8)

【0130】
9)

10)

11)

12)

【0131】
13)



14)

15)

16)

【0132】
17)

18)

19)

20)

【0133】
B) 噴射剤含有吸入用エアゾール:
1)

2)

3)

4)

【0134】
5)

6)


7)

8)

【0135】
9)

10)

11)





12)

13)

【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】インハレットにおいて本発明の薬剤の併用剤を用いるのに特に好ましい吸入器である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上、好ましくは1つの抗コリン作用薬1と下記式2
【化1】

を有するベータ受容体刺激薬を任意にそのジアステレオマー、そのジアステレオマーの混合物、ラセミ化合物又はその生理的に許容しうる酸付加塩の形で、又は任意にその水和物又はその溶媒和物の形で、任意に薬学的に許容しうる賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項2】
活性物質12が共に単一製剤か又は2つの個別製剤で存在することを特徴とする、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
2が下記式2-en
【化2】

を有するそのエナンチオマーの形で存在することを特徴とする、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
1がチオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩又はトロスピウム塩より、任意にそのジアステレオマー、そのジアステレオマーの混合物、ラセミ化合物又はその生理的に許容しうる酸付加塩の形で、又は任意にその水和物又は溶媒和物の形で選ばれることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項5】
1が対イオン(アニオン)として塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン又はp-トルエンスルホン酸アニオンを含有することを特徴とする、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
1が臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム及び臭化イプラトロピウムより選ばれることを特徴とする、請求項4又は5記載の医薬組成物。
【請求項7】
1が下記式1a
【化3】

(式中、X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンである。)
を有する任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形の塩であることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項8】
1が下記式1a-en
【化4】

を有するエナンチオマーの形で存在することを特徴とする、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
1が下記式1b
【化5】

(式中、Rはメチル又はエチルであり、
X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンである。)
を有する任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形の化合物であることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項10】
1が下記式1b-base
【化6】

を有する任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形の化合物であることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項11】
1b又は1b-baseがそのR-エナンチオマーの形で存在することを特徴とする、請求項9又は10記載の医薬組成物。
【請求項12】
1が下記式1c
【化7】

(式中、Aは
【化8】

より選ばれた二重結合基であり;
X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンであり;
R1、R2は同じでも異なってもよく、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルより選ばれた基であり、これはヒドロキシ又はフッ素で任意に置換されてもよく、好ましくは無置換メチルであり;
R3、R4、R5、R6は同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CF3又はNO2であり;
R7は水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、-CH2-F、-CH2-CH2-F、-O-CH2-F、-O-CH2-CH2-F、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、CF3、-CH2-OMe、-CH2-CH2-OMe、-CH2-OEt、-CH2-CH2-OEt、-O-COMe、-O-COEt、-O-COCF3、-O-COCF3、フッ素、塩素又は臭素である。)
を有する化合物の形で任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形で存在することを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項13】
1が下記式1d
【化9】

(式中、Aは
【化10】

より選ばれた二重結合基であり;
X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンであり;
R1、R2は同じでも異なってもよく、メチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルより選ばれた基であり、これはヒドロキシ又はフッ素で任意に置換されてもよく、好ましくは無置換メチルであり;
R7、R8、R9、R10、R11、R12は同じでも異なってもよく、水素、メチル、エチル、メチルオキシ、エチルオキシ、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、CN、CF3又はNO2である。但し、基R7、R8、R9、R10、R11、R12の少なくとも1つは水素でない。)
を有する化合物の形で任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形で存在することを特徴とする、1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項14】
1が下記式1e
【化11】

(式中、Aは
【化12】

より選ばれた二重結合基であり;
X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンであり;
R15は水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、-CF3、CHF2又はフッ素であり;
R1'、R2'は同じでも異なってもよく、C1-C5-アルキルであり、これはC3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく又はR1'とR2'は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R13、R14、R13'、R14'は同じでも異なってもよく、水素、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンである。)
を有する化合物の形で任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形で存在することを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項15】
1が下記式1f
【化13】

(式中、X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンであり;
D、Bは 同じでも異なってもよく、好ましくは同じであり、O、-S、-NH、-CH2、-CH=CH、又は-N(C1-C4-アルキル)-であり;
R16は水素、ヒドロキシ、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、-C1-C4-アルキレンハロゲン、-O-C1-C4-アルキレンハロゲン、-C1-C4-アルキレン-OH、-CF3、CHF2、-C1-C4-アルキレン-C1-C4-アルキルオキシ、-O-COC1-C4-アルキル、-O-COC1-C4-アルキレンハロゲン、-C1-C4-アルキレン-C3-C6-シクロアルキル、-O-COCF3又はハロゲンであり;
R1"、R2"は、同じでも異なってもよく、-C1-C5-アルキルであり、これは-C3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく、又はR1"とR2"は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R17、R18、R17'、R18'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンであり;
Rx、Rx'は同じでも異なってもよく、水素、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンであるか又は
RxとRx'は共に単結合又は架橋基であり、-O、-S、-NH、-CH2、-CH2-CH2-、-N(C1-C4-アルキル)、-CH(C1-C4-アルキル)-及び-C(C1-C4-アルキル)2の架橋より選ばれる。)
を有する化合物の形で任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形で存在することを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項16】
1が下記式1g
【化14】

1g
(式中、X - は1個の負電荷をもつアニオン、好ましくはフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン及びp-トルエンスルホン酸アニオンからなる群より選ばれたアニオンであり;
A'は
【化15】

より選ばれた二重結合基であり、
R19はヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、エチル、-CF3、CHF2又はフッ素であり;
R1'''、R2'''は同じでも異なってもよくC1-C5-アルキルであり、これはC3-C6-シクロアルキル、ヒドロキシ又はハロゲンで任意に置換されてもよく、又はR1'''とR2'''は共に-C3-C5-アルキレン架橋でもあり;
R20、R21、R20'、R21'は同じでも異なってもよく、水素、-C1-C4-アルキル、-C1-C4-アルキルオキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2又はハロゲンである。)
を有する化合物の形で任意にラセミ化合物、エナンチオマー、又はその水和物の形で存在することを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項17】
12の質量比が、一般的には1:400〜150:1の範囲に、好ましくは1:350〜100:1の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
吸入に適した製剤の形にあることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
吸入用粉末、噴射剤含有定量エアゾール及び噴射剤を含有しない吸入用溶液より選ばれた製剤であることを特徴とする、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
12を単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、多価アルコール類、塩類又はこれらの賦形剤の混合物より選ばれた適切な生理的に許容しうる賦形剤と混合して含有する吸入用粉末であることを特徴とする、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
賦形剤の最大平均粒度が250μmまで、好ましくは10〜150μmであることを特徴とする、請求項20記載の吸入用粉末。
【請求項22】
成分として活性物質12だけを含有する吸入用粉末であることを特徴とする、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項23】
12を溶解又は分散した形で含有する噴射剤含有吸入用エアゾールであることを特徴とする、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項24】
噴射剤ガスとして、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素又はメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの塩素化及び/又はフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素を含有することを特徴とする、請求項23記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項25】
噴射ガスが、TG11、TG12、TG134a、TG227又はその混合物、好ましくはTG134a、TG227又はその混合物であることを特徴とする、請求項24記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項26】
5質量%まで活性物質1及び/又は2を含有することができることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか1項に記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項27】
溶媒として水、エタノール又は水とエタノールとの混合物を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液であることを特徴とする、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項28】
任意に他の補助溶媒及び/又は賦形剤を含有してもよいことを特徴とする、請求項27記載の吸入用溶液。
【請求項29】
補助溶媒として、ヒドロキシル基又は他の極性基、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含有する成分を含有することを特徴とする、請求項28記載の吸入用溶液。
【請求項30】
賦形剤として界面活性剤、安定剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は防腐剤、香味剤、薬理学的に許容しうる塩及び/又はビタミンを含有することを特徴とする、請求項28又は29記載の吸入用溶液。
【請求項31】
錯化剤としてエデト酸又はエデト酸の塩、好ましくはエデト酸ナトリウムを含有することを特徴とする、請求項30記載の吸入用溶液。
【請求項32】
炎症性又は閉塞性呼吸器系疾患、特に喘息又はCOPDの治療用薬剤を調製するための請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−500676(P2007−500676A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521457(P2006−521457)
【出願日】平成16年7月17日(2004.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008013
【国際公開番号】WO2005/013994
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】