説明

抗真菌作用三環性複素環化合物

【課題】1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を、カンジダ属などの病原性真菌に特異的または選択的に発現し得る化合物の提供。
【解決手段】下記の式(I)で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物(式中、R1は含窒素複素環基または塩基性置換基を有する基を示し、Aを含む構造部分は、窒素原子を1〜3個有していてもよい6員の芳香環を示す)。例えば、Xが酸素、Aがピリジン環、Rがジメチルアミノピロリジル基、Rがフェニル基、Rがメチル基、Rがニトリル基等の場合、高い抗真菌活性を示す。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物:
【化1】

[式中、Rは、
窒素原子を1個または2個を含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の含窒素複素環基(ここで、窒素原子が1個のときはこの窒素原子は母核への結合部位とはならず、また、窒素原子上には炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。)
を示すか、あるいは、塩基性置換基として
(1) アミノ基、
(2) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
(3) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基
(4) アミノメチル基、
(5) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノメチル基、または
(6) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノメチル基、
が置換した下記の[a]ないし[c]から選ばれる基を示し;
[a]:窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の複素環基、
[b]:二重結合を含んでいてもよい4員環から6員環の環状炭化水素基、
[c]:
次式:
−X−(炭素数1から6のアルキル基)
[式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CH−、または式:
−N(−R11)−
(ここで、窒素原子上のR11は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数7から9のアラルキル基を示す。)
で示される構造を示す。]
で示される基を示し、
ここで、[a]の複素環基および[b]の環状炭化水素基は、[置換基群1]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
[置換基群1]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R12)R13
(式中、窒素原子上のR12およびR13は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素数1から8のアルキル基、
炭素数2から8のアルケニル基、
炭素数2から8のアルキニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数5から6のシクロアルケニル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)、または
下式:
−X−R21
[式中、Xは、−C(=O)−、−(CH−、−C(=O)−N(−R22)−、または−N(−R23)−C(=O)−を示し、
nは、1から3の整数のいずれかを示し、
21は、
炭素数1から6のアルキル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、または
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)
を示し、
22およびR23は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
で示される基を示すが、
これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、[置換基群2]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
[置換基群2]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、および
次式:
−C(=O)−N(−R24)R25
(式中、窒素原子上のR24およびR25は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
ここで、[置換基群2]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる1個または2個の基を置換基として有していてもよく、さらに、置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい;
は、
水素原子、
炭素数1から4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、
炭素数3または4の環状アルキル基、
炭素数1から4のアルコキシ基、
同一もしくは異なるアルキル鎖を有し、炭素数の合計が2から4であるジアルキルアミノ基、
トリハロゲノアルキル基、および
炭素数1から3のアルコキシ基を有するアルコキシメチル基
からなる群の基から選ばれる基を示し;
は、
シアノ基、次式:
−COOR41、または次式:
−C(=O)−N(−R42)R43
(これらの式中、R41、R42およびR43は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基であるか、あるいは
とRとは一体化して、次式(−R−R−を示す。):
−(C=Y)−Y−(CH
(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、N−R44、またはC(−R45)R46を示し、Yは、N−R47、酸素原子、または硫黄原子を示し、R44、R45、R46、およびR47は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し、pは、整数の1または2である。)
で示される構造を形成してもよく;
式:
【化2】

で示される構造のうちのAを含む構造部分は、窒素原子を1個、2個または3個有していてもよい6員環の芳香環を示し;
は、水素原子を示すかまたは次の[i]ないし[iv]に示される置換基群から選ばれる基を示す:
[i]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、および
炭素数3からの6シクロアルキル基;
[ii]:
アミノ基、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
窒素原子を結合部位とする4員環から6員環の飽和含窒素複素環基;
[iii]:
下式:
−C(=O)R51
(式中、炭素原子上のR51は、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキル基および炭素数1から6のアルコキシ基を有するアルキル(アルコキシ)アミノ基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含有し、窒素原子上でカルボニルと結合する5員環または6員環の飽和環状含窒素複素環基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基、
同一であってもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基と炭素数1から3のアルキレン基とからなる芳香族複素環置換アルキル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す。)
で示される基;
[iv]:
下式:
−N(−R52)−C(=O)R53
(式中、R52およびR53は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基;
さらに、置換基群[i]から[iv]の基におけるアルキル部分およびアルコキシ基のアルキル部分は[置換基群5]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく、また、芳香族または飽和の複素環基および含窒素複素環基は、[置換基群5]に炭素数1から6のアルキル基をリンカーとして加えて構成される基であって、重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよい;
[置換基群5]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R54)R55
(式中、窒素原子上のR54およびR55は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
ここで、[置換基群5]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる基を1個または2個置換基として有していてもよく、さらに、該アミノ基の置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよく;
Xは、酸素原子、硫黄原子、N−R、またはC(−R71)R72を示し、
、R71およびR72は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
【請求項2】
Xが酸素原子である請求項1に記載の塩、またはそれらの水和物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する医薬。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する感染症治療剤。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する抗真菌剤。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を使用する感染症の治療方法。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療のための使用。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療薬の製造のための使用。

【公開番号】特開2007−204458(P2007−204458A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28829(P2006−28829)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000002831)第一製薬株式会社 (129)
【Fターム(参考)】