説明

折り返し装置

【課題】 表皮材の突出部を簡単かつ正確に折り返すことができるようにすること。
【解決手段】 基材32上に表皮材33を重合させてなる成形天井板31を支持するための支持台11を設ける。表皮材33の基材32からの突出部33aを基材32の端面が内包されるように折り返すための折り返し部材17を設ける。折り返し部材17の先端部に摩擦抵抗部としての粒体シート20を設け、その粒体シート20を介して表皮材33の突出部33aを折り返すように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車等の車両の成形天井板のように、基材上に表皮材を重合させてなる板状のワークについて、表皮材の基材からの突出部を基材の端面が内包されるように折り返して端面処理するための折り返し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両において、車両の前後長が長い場合、車室内の天井に装着される天井板は、複数枚の成形天井板を前後に接続して構成される。
すなわち、図8に示すように、成形天井板31は基材32上に表皮材33を重合した状態で所定形状に成形されている。そして、図9(a)及び(b)に示すように、この成形天井板31の基材32をその端縁に沿って所定幅にわたって切断除去して、表皮材33の端部に突出部33aを形成する。その後、図9(c)に示すように、表皮材33の突出部33aを基材32の端面が内包されるように折り返して、接着剤により基材32に接着固定する。前後の成形天井板31の接続に際しては、表皮材33で覆われた前後の成形天井板31がそれらの後端または前端をつきあわせた状態で車体に組み付けられる。
【0003】
しかしながら、従来では、この成形天井板31の端面処理を作業者が手作業で行っていた。このため、特に表皮材33の突出部33aを折り返す際には、その折り返し作業を突出部33aの全長にわたって同時に行うことができず、その長さ方向において均一な仕上げとするためにはかなりの熟練を要した。特に、成形天井板31の天板部31aと側板部31bとの間の円弧状部31cにおいては、シワ等が生じないように折り返すのが困難で、その部分の表皮材33の突出部33aに予めナイフで筋をつけて、折り返し作業を行う必要があった。よって、その折り返し作業が面倒で時間がかかり、このようにしても折り返し部をシワ等が生じることなく所定寸法にて高精度に仕上げることが難しく、仕上げとしてアイロンによるプレス作業を余儀なくされるという問題があった。
【0004】
このような問題に対処するため、例えば、特許文献1に開示されるような表皮付き成形品の端面処理装置も従来から提案されている。この従来装置においては、表皮付き成形品を上下型間にて押圧固定した状態で、その側方からガイドを加熱体と連動して接近移動させて、ガイドにより表皮材の巻き込み部を折り返す。その後、加熱体により折り返し状態の巻き込み部を芯材の側端面あるいは裏面に溶着するようになっている。
【特許文献1】特開2004−130632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の特許文献1の装置においては、表皮材をその全長にわたって同時に折り返すことができるため、作業工程の簡素化及び作業時間の短縮を図ることはできる。ところが、この従来装置では、ガイドにより表皮材の巻き込み部を折り返す際に、ガイドと巻き込み部との間で滑りが生じやすいため、巻き込み部を芯材の端面に沿ってシワ等が生じることなく正確に折り返すことができず、場合によっては後処理を必要とし、依然として品質上の問題と、製造工程上の煩雑さとを解消できないものであった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、前述の折り返し作業を短時間で簡単に行うことができるとともに、その折り返し部をシワ等が生じることなく所定寸法にて高精度に仕上げることができる折り返し装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基材上に表皮材を重合させてなるワークを支持するための支持台と、前記表皮材の基材からの突出部を基材の端面が内包されるように折り返すための折り返し部材とを備えた折り返し装置において、前記折り返し部材の先端部に摩擦抵抗部を設け、その摩擦抵抗部を介して前記表皮材の突出部を折り返すように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記摩擦抵抗部は、折り返し部材上に設けられた粒体シートよりなり、その粒体シートは、シート基体上に多数の粒体を貼着して構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記折り返し部材による表皮材の折り返しに先立って、表皮材の突出部を基材の端面に沿うようにほぼ90度に折り返すための予備折り返し部材を設け、前記折り返し部材は予備折り返し部材により折り返された突出部をさらに基材側へほぼ90度に折り返すことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記支持台は、ワークの天板部を受けるための天板受け部と、ワークの側板部を受けるための側板受け部と、その天板受け部と側板受け部との間においてワークの円弧状部を受けるための円弧受け部とを有し、前記折り返し部材及び予備折り返し部材は、前記支持台の天板受け部、側板受け部及び円弧受け部とそれぞれ対応する天板折り返し部、側板折り返し部及び円弧折り返し部を有することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記粒体シートは、折り返し部材の天板折り返し部及び側板折り返し部においてはその上面から垂下される垂下部を有し、円弧折り返し部においてはその上面に設けられる上面部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明においては、ワークが支持台上に支持された状態で、折り返し部材がワークの端縁に対して接近移動される。このとき、折り返し部材の先端部に設けられた摩擦抵抗部が表皮材の突出部に接合して、その摩擦抵抗部を介して表皮材の突出部が全長にわたり滑りを生じることなく同時に折り返される。よって、表皮材の突出部を容易かつ短時間に折り返すことができるとともに、その折り返し部をシワ等が生じることなく所定寸法にて高精度に仕上げることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明においては、表皮材の突出部の折り返し時に、粒体シートにより表皮材の突出部に対して適度の摩擦抵抗を付与することができて、それらの間に滑りが生じるのを確実に抑制することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明においては、予備折り返し部材により表皮材の突出部が基材の端面に沿うようにほぼ90度に予備的に折り返された後、折り返し部材により予備折り返し状態の突出部がさらに基材側へほぼ90度に折り返される。よって、表皮材の突出部を基材の端面が内包されるように、一層確実に折り返すことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明においては、例えば車両の成形天井板のように、ワークが天板部、側板部及び円弧状部とから湾曲状に形成されている場合でも、円弧状部に対応する表皮材の突出部にスリット等を予め形成する必要がなく、予備折り返し部材及び折り返し部材により、表皮材の突出部を容易かつ高精度に折り返すことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、ワークの天板部、側板部及び円弧状部において、粒体シートにより表皮材の突出部に対して均一に摩擦抵抗を付与することができて、その突出部を一層高精度に折り返すことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、表皮材の突出部を容易かつ短時間に折り返すことができるとともに、その折り返し部をシワ等が生じることなく所定寸法にて高精度に仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明の一実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。なお、この実施形態においては、車両における成形天井板をワークとして、そのワークの端面処理を行うための折り返し装置に具体化している。よって、ワークとしての成形天井板及びその関連構成については、図8及び図9に示す構成符号と同一の符号を引用して、それらの詳細な説明は省略する。
【0019】
図1及び図2に示すように、この折り返し装置には、基材32上に表皮材33を重合させてなるワークとしての成形天井板31を支持するための支持台11が装備されている。この支持台11は、成形天井板31の天板部31aを受けるための天板受け部11aと、成形天井板31の側板部31bを受けるための側板受け部11bと、その天板受け部11aと側板受け部11bとの間において、成形天井板31の円弧状部31cを受けるための円弧受け部11cとを備えている。なお、前記成形天井板31の長手方向の一端部には、予め基材32を端縁に沿って所定幅にわたって切断除去することにより、表皮材33の突出部33aが形成されている。
【0020】
前記支持台11の天板受け部11aの端部上面には複数の位置決め突起12が突設され、成形天井板31の端部に形成された複数の位置決め孔34をこれらの位置決め突起12に係合させることにより、成形天井板31が支持台11上の所定位置に位置決めされる。支持台11の一端上方には押え部材13が昇降可能に配設され、この押え部材13が下降されることにより、成形天井板31が表皮材33の突出部33aの近傍で支持台11に対して押圧保持される。
【0021】
図1,図3及び図4に示すように、前記表皮材33の突出部33aに対応して、支持台11の側部には昇降板14が昇降可能に配設され、昇降用シリンダ15により下方の待機位置と上方の作用位置との間で昇降される。昇降板14上には平板状の予備折り返し部材16が立設固定されている。昇降板14の上面には上部をほぼ逆L字状に形成した折り返し部材17が支持台11に対して接離する方向へ移動可能に支持され、移動用シリンダ18により支持台11から離間した外側の退避位置と支持台11に接近した内側の折り返し位置とに移動される。
【0022】
前記予備折り返し部材16及び折り返し部材17には、支持台11の天板受け部11a、側板受け部11b及び円弧受け部11cとそれぞれ対応して、天板折り返し部16a,17a、側板折り返し部16b,17b及び円弧折り返し部16c,17cが形成されている。折り返し部材17の各折り返し部17a,17b,17cの端部には、所定傾斜角度(例えば30〜60度の範囲で、好ましくは45度)の折り返し端面19が形成されている。
【0023】
図1,図3及び図4に示すように、前記折り返し部材17の各折り返し部17a,17b,17c上には、摩擦抵抗部としての粒体シート20が配設されている。この粒体シート20は、シート基体21上に多数の粒体22を貼着してなる、例えばサンドペーパーから構成されている。また、この粒体シート20は、折り返し部材17の天板折り返し部17a及び側板折り返し部17bと対応する部分においては、それらの上面に接合した上面部20aと、その上面部20aから垂下した垂下部20bとを有し、円弧折り返し部17cと対応する部分においては、その上面に接合した上面部20aのみを有している。
【0024】
そして、前記支持台11上に成形天井板31が支持された状態で、昇降板14が下方の待機位置から上方の作用位置に上昇移動されたとき、図5及び図6に示すように、予備折り返し部材16の折り返し部16a,16b,16cより、表皮材33の突出部33aが基材32の端面に沿うようにほぼ90度で予備的に上方へ折り返される。その後、折り返し部材17が外側の退避位置から内側の折り返し位置に移動されたとき、図7に示すように、その折り返し部材17の折り返し部17a,17b,17cにより粒体シート20を介して、予備折り返し状態の突出部33aがさらに基材32側へほぼ90度に折り返されるようになっている。
【0025】
次に、前記のように構成された折り返し装置の動作を説明する。
さて、図4に示す状態では、昇降板14が下方の待機位置に配置されるとともに、折り返し部材17が外側の退避位置に配置されている。この状態で、支持台11上にワークとしての成形天井板31を支持して、位置決め孔34と位置決め突起12との係合により所定位置に位置決め配置する。また、表皮材33の突出部33aの表面、あるいは基材32の上面には接着剤を塗布する。その後、折り返し装置が起動されると、昇降用シリンダ15が突出動作されて、昇降板14が下方の待機位置から上方の作用位置に上昇移動される。すると、図5及び図6に示すように、予備折り返し部材16の折り返し部16a,16b,16cより、表皮材33の突出部33aが持ち上げられて、基材32の端面に沿うようにほぼ90度で予備的に折り返される。
【0026】
この場合、成形天井板31の天板部31a及び側板部31bと対応する部分では、表皮材33の突出部33aが支持台11の天板受け部11a及び側板受け部11b上で直線状に延長配置されているため、突出部33aがスムーズに折り返されて、その裏面にて粒体シート20の垂下部20bに接合される。
【0027】
これに対して、成形天井板31の円弧状部31cと対応する部分では、表皮材33の円弧状をなす突出部33aが支持台11の円弧受け部11c上で円弧状に配置されているため、その部分の突出部33aには折り返しに抗する力が作用する。つまり、円弧状の突出部33aを折り返す場合には、その先端側にその部分が広がる(延びる)方向への力が作用するため、それに抗する力が作用する。このため、図6に示すように、原位置を保持しようとし、突出部33aの円弧状部分は容易に折り返されないで、その先端裏面にて粒体シート20の上面部20aに接合される。
【0028】
その後、移動用シリンダ18が突出動作されて、折り返し部材17が退避位置から折り返し位置に移動される。すると、図7に示すように、その折り返し部材17の折り返し部17a,17b,17cにより粒体シート20を介して、予備折り返し状態の突出部33aがさらに基材32側へほぼ90度に折り返される。このとき、成形天井板31の天板部31a及び側板部31bと対応する部分では、表皮材33の突出部33aが粒体シート20の主として垂下部20bに接合されて、適度の抵抗を付与されながら折り返される。
【0029】
また、成形天井板31の円弧状部31cと対応する部分では、突出部33aが粒体シート20の上面部20aのみに接合されながら折り返される。つまり、前述のように、突出部33aの円弧状部分では、折り返しに抗する力が作用しているため、粒体シート20の垂下部20bが存在しなくても、突出部33aと粒体シート20の上面部20aとが適度の接触圧で接触する。
【0030】
よって、粒体シート20により表皮材33の突出部33aに対して適度の摩擦抵抗を均一に付与することができて、その突出部33aを基材32の端面が内包されるように、全長にわたって滑りを生じることなく同時に折り返すことができる。
【0031】
そして、この場合、図7に示すように、折り返し部材17の移動により、予備折り返し部材16が基材32の端面側における表皮材33の突出部33aの折り返し部分に圧接される。しかも、この状態で昇降板14の若干の下降移動により、折り返し部材17が図7に鎖線で示す位置から実線で示す位置に移動されて、折り返し部材17の折り返し部17a〜17cが基材32の上面側における表皮材33の突出部33aの折り返し部分に圧接され、一定時間この状態が維持される。よって、突出部33aの折り返し部をシワ等が生じることなく、基材32の上面に接着されて、基材32の端末処理を所定の寸法にて高精度に形成することができる。
【0032】
以上に述べたように、この実施形態においては、以下の効果を発揮する。
・ 表皮材33の突出部33aの折り返し時に、粒体シート20により表皮材33の突出部33aに対して適度の摩擦抵抗を付与することができる。このため、表皮材33と折り返し部材17との間に滑りが生じるのを抑制することができ、表皮材33の突出部33aを短時間で、シワ等が生じることなく正確に折り返すことができる。
【0033】
・ 粒体シート20を設けたのみの構成で、前記の折り返し効果を得ることができ、構成がきわめて簡単である。
・ 折り返し部材17の折り返しに先立って、予備折り返し部材16により表皮材33の突出部33aが基材32の端面に沿うように予備的に折り返される。よって、表皮材33の突出部33aを所定の位置で確実に折り返すことができる。
【0034】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図10に示すように、昇降板14と折り返し部材17とを分離形成するとともに、それらを昇降用シリンダ15及び移動用シリンダ18により、それぞれ単独で動作されるように構成すること。このように構成すれば、予備折り返し部材16が上昇して表皮材33の突出部33aを上方へ折り曲げた後に、折り返し部材17を上昇させるとともに、図7のように折り返し方向に水平移動させることができる。従って、予備折り返し部材16及び折り返し部材17の移動タイミングを単独で適切なものに設定できる。
【0035】
・ 折り返し部材17の天板折り返し部17a対応する部分においては、粒体シート20の上面部20aを省略し、垂下部20bのみを設けること。折り返し部材17の天板折り返し部17aに対応する部分における表皮材33の突出部33aに対する折り返しに際しては、主として垂下部20bが突出部33aと接触するため、前記実施形態と同様な作用を得ることができる。
【0036】
・ 折り返し部材17の折り返し部17a〜17c上に摩擦抵抗部を一体的に形成すること。
・ 摩擦抵抗部として、前記実施形態以外の構成を採用すること。例えば、ゴム等の滑り摩擦係数が高い素材を用いたり、ローレット構造等の粗面構造を用いたりすること。
【0037】
・ 予備折り返し部材16を設けることなく、折り返し部材17のみを上昇及び横移動させて、表皮材33の突出部33aを折り返すように構成すること。
・ 前記実施形態の折り返し装置を、成形天井板31とは異なったワークの表皮材を基材側に折り返す場合に具体化すること。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一実施形態の折り返し装置を示す斜視図。
【図2】支持台を示す一部斜視図。
【図3】図1の折り返し装置の折り返し部材の内側面図。
【図4】図3の3−3線における折り返し装置の部分拡大断面図。
【図5】図3の折り返し装置の動作状態を示す部分断面図。
【図6】図3の5−5線の構造部分において図5と対応した動作状態を示す部分断面図。
【図7】図6の状態からさらに動作した状態を示す部分断面図。
【図8】車両の成形天井板を示す斜視図。
【図9】(a)は図8の8−8線における部分拡大断面図。(b)は(a)の状態から基材の一部を切断除去した状態を示す部分断面図。(c)は(b)の状態から表皮材の突出部を折り返した状態を示す部分断面図。
【図10】別の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0039】
11…支持台、11a…天板受け部、11b…側板受け部、11c…円弧受け部、14…昇降板、15…昇降用シリンダ、16…予備折り返し部材、16a…天板折り返し部、16b…側板折り返し部、16c…円弧折り返し部、17…折り返し部材、17a…天板折り返し部、17b…側板折り返し部、17c…円弧折り返し部、18…移動用シリンダ、20…摩擦抵抗部としての粒体シート、20a…上面部、20b…垂下部、21…シート基体、22…粒体、31…ワークとしての成形天井板、31a…天板部、31b…側板部、31c…円弧状部、32…基材、33…表皮材、33a…突出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に表皮材を重合させてなるワークを支持するための支持台と、前記表皮材の基材からの突出部を基材の端面が内包されるように折り返すための折り返し部材とを備えた折り返し装置において、
前記折り返し部材の先端部に摩擦抵抗部を設け、その摩擦抵抗部を介して前記表皮材の突出部を折り返すように構成したことを特徴とする折り返し装置。
【請求項2】
前記摩擦抵抗部は、折り返し部材上に設けられた粒体シートよりなり、その粒体シートは、シート基体上に多数の粒体を貼着して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の折り返し装置。
【請求項3】
前記折り返し部材による表皮材の折り返しに先立って、表皮材の突出部を基材の端面に沿うようにほぼ90度に折り返すための予備折り返し部材を設け、前記折り返し部材は予備折り返し部材により折り返された突出部をさらに基材側へほぼ90度に折り返すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の折り返し装置。
【請求項4】
前記支持台は、ワークの天板部を受けるための天板受け部と、ワークの側板部を受けるための側板受け部と、その天板受け部と側板受け部との間においてワークの円弧状部を受けるための円弧受け部とを有し、前記折り返し部材及び予備折り返し部材は、前記支持台の天板受け部、側板受け部及び円弧受け部とそれぞれ対応する天板折り返し部、側板折り返し部及び円弧折り返し部を有することを特徴とする請求項3に記載の折り返し装置。
【請求項5】
前記粒体シートは、折り返し部材の天板折り返し部及び側板折り返し部においてはその上面から垂下される垂下部を有し、円弧折り返し部においてはその上面に設けられる上面部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の折り返し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−110799(P2006−110799A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299020(P2004−299020)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】