説明

抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法、抵抗素子内蔵プリント配線基板

【課題】抵抗膜が占有する面積が小さくし、小型化を容易に実現する。
【解決手段】第1の溝M1と、第1の溝M1よりも深い第2の溝M2とを、第1絶縁膜201の表面に形成する。そして、その第1の溝M1の表面を被覆するように第1抵抗膜312を形成すると共に、第2の溝M2の表面を被覆するように第2抵抗膜322を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法、抵抗素子内蔵プリント配線基板に関する。特に、本発明は、基板に設けられた絶縁膜上に、複数の抵抗素子を形成する抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法に関する。また、本発明は、複数の抵抗素子が絶縁膜上に設けられている抵抗素子内蔵プリント配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、小型化や薄型化が進められている。これに伴って、電子機器に搭載されるプリント配線基板などの部品についても、小型化が要求されている。
【0003】
プリント配線基板においては、抵抗素子などの受動素子が設けられている。たとえば、抵抗素子は、チップ部品としてプリント配線基板に実装されている。しかしながら、この場合には、小型化の要求に応えることが困難な場合がある。
【0004】
このため、この要求に対応するために、プリント配線基板に抵抗素子が内蔵された抵抗素子内蔵プリント配線基板が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
上記の抵抗素子の形成は、たとえば、スクリーン印刷法やリフトオフ法などの技術を用いて行われている。この場合において抵抗素子の抵抗値を変動させる際には、抵抗膜の長さや幅などの形状を変更している。
【0006】
また、この他に、トリミング技術を用いて、抵抗素子の抵抗値を調整することが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2007−250924号公報
【特許文献2】特開2008−130748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、抵抗素子において抵抗膜の長さを変更して抵抗値の調整をする場合には、その占有面積が大きくなり、小型化の実現が困難な場合がある。
【0009】
占有面積を大きくさせないためには、抵抗膜の幅を変更して抵抗値の調整をすることが有効的ではあるが、スクリーン印刷法での形成においては、最小寸法(たとえば、30μm程度)が存在し、小型化を十分に実現することが困難な場合がある。これと共に、スクリーン印刷の場合にてパターン形成後に焼結する時に、ペースト状の抵抗材に含まれる溶剤が揮発して、収縮するので、パターン幅が変動する場合がある。このため、この変動によって、特性にバラツキが生じる場合がある。
【0010】
また、トリミング技術を用いて抵抗値を調整する場合には、トリミング加工に長時間を要するため、効率的に製造することが困難な場合がある。また、さらに、トリミング装置は、非常に高価であり、量産化が困難な場合がある。このため、特に、トリミング加工の対象となる抵抗素子が多数存在している場合には、この不具合が顕在化する。
【0011】
このように、プリント配線基板においては、抵抗素子の占有面積の減少が困難であって、特性のバラツキが生ずる場合がある。このため、装置の小型化を実現することが困難な場合がある。また、製造効率を向上することが困難な場合がある。
【0012】
したがって、本発明は、小型化を容易に実現可能であって、製造効率を向上することが可能な抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法、および、抵抗素子内蔵プリント配線基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法は、基板上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜上に、第1抵抗膜を含む第1抵抗素子と、第2抵抗膜を含む第2抵抗素子とを少なくとも形成する抵抗素子形成工程とを具備し、前記抵抗素子形成工程は、第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを、前記絶縁膜の表面に形成する溝形成工程と、前記第1の溝の表面を被覆するように前記第1抵抗膜を形成すると共に、前記第2の溝の表面を被覆するように前記第2抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程とを有する。
【0014】
本発明の抵抗素子内蔵プリント配線基板は、少なくとも第1抵抗素子と第2抵抗素子とが絶縁膜上に設けられている基板を含み、第1抵抗素子は、前記絶縁膜に形成された第1の溝の表面を被覆する第1抵抗膜を有し、第2抵抗素子は、前記絶縁膜において前記第1の溝よりも深くなるように形成された第2の溝の表面を被覆する第2抵抗膜を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、小型化を容易に実現可能であって、製造効率を向上することが可能な抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法、抵抗素子内蔵プリント配線基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下より、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
説明は、下記の手順で行う。
1.第1実施形態(溝の側面と底面とに抵抗膜が形成されている場合)
2.第2実施形態(抵抗膜の底面に開口が形成されている場合)
3.第3実施形態(一の抵抗素子にて複数の溝が形成されている場合)
4.その他
【0018】
<1.第1実施形態>
[構成]
図1と図2は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の要部について、模式的に示す図である。ここで、図1は、断面図である。一方で、図2は、上面図である。図1においては、図2に示すX1−X2部分の断面について示している。
【0019】
抵抗素子内蔵プリント配線基板1は、図1と図2に示すように、基板101を含む。この基板101は、たとえば、絶縁基板であり、たとえば、エポキシ樹脂等の樹脂を用いて形成されている。この基板101は、いわゆるプリント配線基板であって、多層配線(図示なし)が形成されている。そして、これと共に、図1に示すように、基板101の一方の面には、第1絶縁膜201と、抵抗素子301と、第2絶縁膜401とが形成されている。
【0020】
第1絶縁膜201は、図1に示すように、基板101の一方の面を被覆するように設けられている。この第1絶縁膜201は、たとえば、樹脂などの絶縁材料によって形成されている。そして、第1絶縁膜201において基板101の側とは反対側の面には、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3が形成されている。
【0021】
第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3のそれぞれは、図1および2に示すように、第1絶縁膜201の表面において、x方向に並ぶように形成されている。
【0022】
ここでは、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3のそれぞれは、x方向とy方向とのそれぞれにおいて同じ幅になるように形成されている。
【0023】
しかし、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3のそれぞれは、図1に示すように、深さが、互いに異なるように形成されている。
【0024】
具体的には、第1の溝M1は、第2の溝M2および第3の溝M3よりも、深さが浅くなるように形成されている。また、第2の溝M2は、その深さが、第1の溝M1よりも深く、第3の溝M3よりも浅くなるように形成されている。そして、第3の溝M3は、第1の溝M1および第2の溝M2よりも、深さが深くなるように形成されている。
【0025】
すなわち、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の順で、深さが深くなるように、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3が形成されている。
【0026】
抵抗素子301は、図1および図2に示すように、複数が形成されている。
【0027】
ここでは、図1に示すように、この抵抗素子301として、第1抵抗素子311と第2抵抗素子321と第3抵抗素子331とが、第1絶縁膜201の表面に形成されている。
【0028】
第1抵抗素子311は、図1および図2に示すように、第1抵抗膜312と、一対の第1電極313とを有する。
【0029】
この第1抵抗素子311において、第1抵抗膜312は、抵抗体によって形成されている。そして、この第1抵抗膜312は、図1に示すように、第1絶縁膜201の表面において、第1の溝M1に対応する面を被覆するように設けられている。具体的には、図1に示すように、第1抵抗膜312は、第1の溝M1の側面および底面の全面を被覆するように設けられている。そして、これと共に、図1および図2に示すように、第1抵抗膜312は、第1絶縁膜201の表面において、第1の溝M1が設けられた周囲の領域を被覆するように設けられている。
【0030】
第1抵抗素子311において、一対の第1電極313は、図1および図2に示すように、第1抵抗膜312上において、互いが離れて設けられている。具体的には、一対の第1電極313のそれぞれは、第1抵抗膜312にて第1の溝M1が設けられた周囲において、第1の溝M1を挟むように間を隔てて設けられており、第1抵抗膜312に電気的に接続されている。そして、一対の第1電極313の一方は、図1および図2に示すように、第1導電バンプB1を介して、第1配線511に電気的に接続されている。また、他方は、図2に示すように、xy面を延在しており、配線としても機能するように構成されている。
【0031】
第2抵抗素子321は、図1および図2に示すように、第2抵抗膜322と、一対の第2電極323とを有する。
【0032】
この第2抵抗素子321において、第2抵抗膜322は、図1に示すように、第1絶縁膜201の表面において、第2の溝M2に対応する面を被覆するように設けられている。具体的には、図1に示すように、第2抵抗膜322は、第2の溝M2の側面および底面の全面を被覆するように設けられている。そして、これと共に、図1および図2に示すように、第2抵抗膜322は、第1絶縁膜201の表面において、第2の溝M2が設けられた周囲の領域を被覆するように設けられている。
【0033】
第2抵抗素子321において、一対の第2電極323は、図1および図2に示すように、第2抵抗膜322上において、互いが離れて設けられている。具体的には、一対の第2電極323のそれぞれは、第2抵抗膜322にて第2の溝M2が設けられた周囲において、第2の溝M2を挟むように間を隔てて設けられており、第2抵抗膜322に電気的に接続されている。この第2電極323は、第1電極313と同様にして、形成される。そして、一対の第2電極323の一方は、図1および図2に示すように、第2導電バンプB2を介して、第2配線521に電気的に接続されている。また、他方は、図2に示すように、xy面を延在しており、配線としても機能するように構成されている。
【0034】
図1に示すように、第2の溝M2は、深さが第1の溝M1よりも深い。このため、第2抵抗膜322にて第2の溝M2の側面に形成された部分の長さは、第1抵抗膜312にて第1の溝M1の側面に形成された部分に形成された部分よりも長い。よって、第2抵抗素子321にて一対の第2電極323の間に形成された第2抵抗膜322の長さは、第1抵抗素子311にて一対の第1電極313の間に形成された第1抵抗膜312の長さよりも長い。したがって、第2抵抗素子321においては、第1抵抗素子311よりも抵抗値が高い。
【0035】
第3抵抗素子331は、図1および図2に示すように、第3抵抗膜332と、一対の第3電極333とを有する。
【0036】
この第3抵抗素子331において、第3抵抗膜332は、図1に示すように、第1絶縁膜201の表面において、第3の溝M3に対応する面を被覆するように設けられている。具体的には、図1に示すように、第3抵抗膜332は、第3の溝M3の側面および底面の全面を被覆するように設けられている。そして、これと共に、図1および図2に示すように、第3抵抗膜332は、第1絶縁膜201の表面において、第3の溝M3が設けられた周囲の領域を被覆するように設けられている。
【0037】
第3抵抗素子331において、一対の第3電極333は、図1および図2に示すように、第3抵抗膜332上において、互いが離れて設けられている。具体的には、一対の第3電極333のそれぞれは、第3抵抗膜332にて第3の溝M3が設けられた周囲において、第3の溝M3を挟むように間を隔てて設けられており、第3抵抗膜332に電気的に接続されている。そして、一対の第3電極333の一方は、図1および図2に示すように、第3導電バンプB3を介して、第3配線531に電気的に接続されている。また、他方は、図2に示すように、xy面を延在しており、配線としても機能するように構成されている。
【0038】
図1に示すように、第3の溝M3は、深さが第2の溝M2よりも深い。このため、第3抵抗膜332にて第3の溝M3の側面に形成された部分の長さは、第2抵抗膜322にて第2の溝M2の側面に形成された部分に形成された部分よりも長い。よって、第3抵抗素子331にて一対の第3電極333の間に形成された第3抵抗膜332の長さは、第2抵抗素子321にて一対の第2電極323の間に形成された第2抵抗膜322の長さよりも長い。したがって、第3抵抗素子331においては、第2抵抗素子321よりも抵抗値が高い。
【0039】
このように、抵抗素子301においては、第1抵抗素子311,第2抵抗素子321,第3抵抗素子331の順で、抵抗値が高くなるように形成されている。
【0040】
第2絶縁膜401は、図1に示すように、第1絶縁膜201上において、抵抗素子301を被覆するように設けられている。
【0041】
そして、第2絶縁膜401上においては、図1に示すように、第1配線511,第2配線521,第3配線531が設けられている。
【0042】
第1配線511は、金属などの導電材料によって形成されており、図1に示すように、第1導電バンプB1によって、第1電極313の一方に電気的に接続されている。第2配線521は、第1配線511と同様に形成されており、図1に示すように、第2導電バンプB2によって第2電極323の一方に電気的に接続されている。また、第3配線531は、第1配線511と同様に形成されており、図1に示すように、第3導電バンプB3によって第3電極333の一方に電気的に接続されている。
【0043】
上記の第1導電バンプB1と第2導電バンプB2と第3導電バンプB3とのそれぞれは、第2絶縁膜401を貫通するコンタクトホールに、導電材料を埋め込むことによって、形成されている。
【0044】
[製造方法]
以下より、本実施形態において、上記の抵抗素子内蔵プリント配線基板1を製造する製造方法の要部について説明する。
【0045】
図3から図8は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。この図3から図8において、(a)は、断面図であり、(b)は、上面図である。(a)においては、(b)に示すX1−X2部分の断面について示している。
【0046】
まず、図3に示すように、第1絶縁膜201を形成する。
【0047】
ここでは、図3(a)および(b)に示すように、第1絶縁膜201が基板101の一方の面の全体を被覆するように、第1絶縁膜201を設ける。
【0048】
本実施形態においては、次工程において、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の形成を、ナノインプリント法によって実施するため、たとえば、熱可塑性樹脂を用いて厚みが50μmになるように、第1絶縁膜201を形成する。
【0049】
つぎに、図4に示すように、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3を形成する。
【0050】
ここでは、図4(a),(b)に示すように、第1絶縁膜201において基板101の側とは反対側の面に、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3を、凹状に設ける。
【0051】
具体的には、図4(a),(b)に示すように、第1絶縁膜201の表面にて第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3のそれぞれがx方向に並ぶように、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3を第1絶縁膜201に形成する。また、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の順で、深さが深くなるように、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3について形成する。
【0052】
本実施形態においては、上述したように、ナノインプリント法によって、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の形成を行う。第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3のそれぞれは、図1に示したように、後工程にて各溝M1,M2,M3に設ける抵抗素子301の抵抗値に応じて深くなるように形成される。
【0053】
たとえば、下記の条件にて、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の形成を実施する。
・第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3の幅:2μm
・第1の溝M1の深さ:2μm
・第2の溝M2の深さ:5μm
・第3の溝M3の深さ:10μm
【0054】
つぎに、図5に示すように、抵抗体膜TMを形成する。
【0055】
ここでは、図5(a),(b)に示すように、第1絶縁膜201において、第1の溝M1,第2の溝M2,第3の溝M3が形成された面に、抵抗体を成膜することによって、第1絶縁膜201上に抵抗体膜TMを設ける。
【0056】
たとえば、TaN,HfN,ZrNなどの金属窒化物を、抵抗体として第1絶縁膜201上に成膜することで、抵抗体膜TMの形成を実施する。この他に、金属にSiOや、SiNを添加した合金を用いて、抵抗体膜TMの形成を実施してもよい。
【0057】
この抵抗体膜TMの形成においては、PE−ALD(Atomic Layer Deposition)法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法のように、低温下での成膜方法を用いて、抵抗体を成膜する。
具体的には、第1絶縁膜201を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い温度において、成膜する。たとえば、膜厚が、50〜100μmになるように、成膜を行う。
【0058】
つぎに、図6に示すように、第1抵抗膜312,第2抵抗膜322,第3抵抗膜332を形成する。
【0059】
ここでは、図6(a),(b)に示すように、第1抵抗膜312については、第1絶縁膜201の表面にて第1の溝M1に対応する面を被覆するように設ける。具体的には、第1の溝M1の側面および底面の全面を第1抵抗膜312が被覆すると共に、第1絶縁膜201の表面にて第1の溝M1が設けられた周囲の領域を第1抵抗膜312が被覆するように、第1抵抗膜312を設ける。
【0060】
第2抵抗膜322については、第1絶縁膜201の表面にて第2の溝M2に対応する面を被覆するように設ける。具体的には、第2の溝M2の側面および底面の全面を第2抵抗膜322が被覆すると共に、第1絶縁膜201の表面にて第2の溝M2が設けられた周囲の領域を第2抵抗膜322が被覆するように、第2抵抗膜322を設ける。
【0061】
第3抵抗膜332については、第1絶縁膜201の表面にて第3の溝M3に対応する面を被覆するように設ける。具体的には、第3の溝M3の側面および底面の全面を第3抵抗膜332が被覆すると共に、第1絶縁膜201の表面にて第3の溝M3が設けられた周囲の領域を第3抵抗膜332が被覆するように、第3抵抗膜332を設ける。
【0062】
上記の第1抵抗膜312,第2抵抗膜322,第3抵抗膜332の形成においては、まず、図6(a),(b)に示すように、第1抵抗膜312,第2抵抗膜322,第3抵抗膜332の形成領域を被覆するように、レジストマスクRM1を設ける。
【0063】
具体的には、抵抗体膜TM(図5参照)上に感光性樹脂をスピンコート法で塗布して感光性樹脂膜(図示なし)を成膜した後、フォトリソグラフィ技術によって感光性樹脂膜(図示なし)をパターン加工することで、レジストマスクRM1を設ける。
【0064】
その後、そのレジストマスクRM1を用いて、抵抗体膜TM(図5参照)についてエッチング処理を実施することで、上記のように、第1抵抗膜312,第2抵抗膜322,第3抵抗膜332にパターン加工する。たとえば、エッチング処理は、RIE法などのように反応ガスを用いたドライエッチング処理や、薬液を用いたウェットエッチング処理によって実施する。そして、レジストマスクRM1を除去する。
【0065】
つぎに、図7に示すように、第1電極313と第2電極323と第3電極333とを形成する。
【0066】
ここでは、図7(a),(b)に示すように、第1電極313については、第1抵抗膜312上にて、一対が互いに離れるように設ける。具体的には、第1抵抗膜312にて第1の溝M1が設けられた周囲において、一対の第1電極313のそれぞれが第1の溝M1を挟むように、一対の第1電極313を設ける。
【0067】
第2電極323については、第2抵抗膜322上にて、一対が互いに離れるように設ける。具体的には、第2抵抗膜322にて第2の溝M2が設けられた周囲において、一対の第2電極323のそれぞれが第2の溝M2を挟むように、一対の第2電極323を設ける。
【0068】
第3電極333については、第3抵抗膜332上にて、一対が互いに離れるように設ける。具体的には、第3抵抗膜332にて第3の溝M3が設けられた周囲において、一対の第3電極333のそれぞれが第3の溝M3を挟むように、一対の第3電極333を設ける。
【0069】
上記の第1電極313,第2電極323,第3電極333の形成においては、まず、図7(a),(b)に示すように、第1電極313,第2電極323,第3電極333の形成領域以外を被覆するように、レジストマスクRM2を設ける。つまり、第1絶縁膜201において第1電極313,第2電極323,第3電極333を形成する領域が露出するように、レジストマスクRM2を設ける。
【0070】
具体的には、第1絶縁膜201において、第1抵抗膜312,第2抵抗膜322,第3抵抗膜332が形成された面上に、感光性樹脂をスピンコート法で塗布して感光性樹脂膜(図示なし)を成膜する。その後、フォトリソグラフィ技術によって、その感光性樹脂膜(図示なし)をパターン加工することで、レジストマスクRM2を設ける。
【0071】
そして、第1絶縁膜201においてレジストマスクRM2で被覆されずに露出している表面部分に、導電材料を成膜することで、第1電極313,第2電極323,第3電極333を形成する。
【0072】
たとえば、下記の条件にて、この表面部分に金属材料をメッキすることによって、第1電極313,第2電極323,第3電極333の形成を実施する。そして、その後、レジストマスクRM2を除去する。
・メッキ材料:Cu
・膜厚50μm
【0073】
つぎに、図8に示すように、第2絶縁膜401を形成する。
【0074】
ここでは、図8(a),(b)に示すように、第1絶縁膜201上において、第2絶縁膜401が第1抵抗素子311と第2抵抗素子321と第3抵抗素子331とを被覆するように、第2絶縁膜401を設ける。
【0075】
たとえば、絶縁材料からなるグリーンシートを貼り付けることによって、第2絶縁膜401を形成する。
【0076】
つぎに、図1,図2に示すように、第1配線511,第2配線521,第3配線531を形成する。
【0077】
ここでは、図1,図2に示すように、上記の第1から第3の配線511,521,531の形成に先立って、まず、第1から第3の導電バンプB1,B2,B3を形成する。
【0078】
具体的には、第2絶縁膜401において、第1から第3の導電バンプB1,B2,B3を形成する部分に、貫通孔を形成する。その後、その貫通孔に、導電材料を埋め込むことで、第1から第3の導電バンプB1,B2,B3を形成する。
【0079】
そして、図1,図2に示すように、第1配線511が第1導電バンプB1を介して第1電極313の一方に電気的に接続するように、第1配線511を設ける。
【0080】
また、第2配線521が第2導電バンプB2を介して第2電極323の一方に電気的に接続するように、第2配線521を設ける。
【0081】
そして、第3配線531が第3導電バンプB3を介して第3電極333の一方に電気的に接続するように、第3配線531を設ける。
【0082】
具体的には、たとえば、銅箔などの導電膜(図示なし)を第2絶縁膜401上に貼り付ける。その後、フォトリソグラフィ技術によって、その導電膜についてパターン加工することで、第1から第3の配線511,521,531を形成する。
【0083】
以上のように、本実施形態にて、第1から第3の溝M1,溝M2,溝M3を第1絶縁膜201の表面に形成する際には、第1の溝M1よりも第2の溝M2が深いと共に、第2の溝M2よりも第3の溝M3が深くなるように形成する。ここでは、各溝M1,M2,M3に設ける抵抗素子301の抵抗値に応じて、深さが深くなるように各溝M1,M2,M3を形成する。そして、第1の溝M1の表面を被覆するように第1抵抗素子311の第1抵抗膜を形成すると共に、第2の溝M2の表面を被覆するように第2抵抗素子321の第2抵抗膜322を形成する。また、第3の溝M3の表面を被覆するように第3抵抗素子331の第3抵抗膜332を形成する。
【0084】
このように、本実施形態では、抵抗値が異なる複数の抵抗素子301を構成する各抵抗膜312,322,332は、各溝M1,M2,M3にて深さ方向zに延在する側面に形成され、この側面部分の長さが、抵抗値に応じて深くなっている。つまり、凹形状の溝M1,M2,M3に対応するように、各抵抗膜312,322,332を形成しているので、抵抗素子301の占有面積を大きくせずに、各抵抗素子の抵抗値を、所望な値にすることができる。
【0085】
よって、本実施形態は、各抵抗膜312,322,332が、基板101の面にて占有する面積が小さくなるので、小型化を容易に実現可能である。
【0086】
また、本実施形態においては、各溝M1,M2,M3について、ナノインプリント法によって同時に形成する。すなわち、凸状にパターンが形成された金型の面を、第1絶縁膜201に押し当てることで第1絶縁膜201を変形させて、凹状の溝M1,M2,M3のそれぞれを、同時に形成する。このようにして、深さが互いに異なる溝M1,M2,M3のそれぞれが、同時に形成される。
【0087】
そして、各抵抗膜312,322,332については、各溝M1,M2,M3の側面および底面を含む領域を被覆するように抵抗体を堆積して抵抗体膜TMを成膜後、その抵抗体膜TMをパターン加工することで、同時に形成する。
【0088】
このように、本実施形態では、各溝M1,M2,M3の同時形成と、各抵抗膜312,322,332の同時形成とを実施している。
【0089】
よって、本実施形態は、工程数が少なく、製造効率を向上させることができる。また、本実施形態では、上記のように、同一の抵抗体膜TMから各抵抗膜312,322,332を形成しているので、温度特性の変化が少なく、高精度な抵抗素子301を形成できる。
【0090】
そして、本実施形態では、ALD法またはスパッタ法によって成膜した薄膜な抵抗体膜TMから各抵抗膜312,322,332を形成している。このため、各抵抗膜312,322,332は、高精度な線幅で形成可能である。
【0091】
<2.第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。
【0092】
[構成]
図9と図10は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの要部について、模式的に示す図である。ここで、図9は、断面図である。一方で、図10は、上面図である。図9においては、図10に示すX1b−X2b部分の断面について示している。
【0093】
本実施形態においては、図9および図10に示すように、各抵抗素子311b,321b,331bを構成する各抵抗膜312b,322b,332bの形状が、第1実施形態と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、第1実施形態と同様である。このため、重複する個所については、記載を省略する。
【0094】
図9および図10に示すように、各抵抗膜312b,322b,332bは、各溝M1,M2,M3の底面に設けられた部分に、開口K1,K2,K3が形成されている。
【0095】
具体的には、図9および図10に示すように、第1抵抗素子311bの第1抵抗膜312bにおいては、第1の溝M1の底面に設けられた部分に開口K1が設けられている。また、第2抵抗素子321bの第2抵抗膜322bにおいては、第2の溝M2の底面に設けられた部分に開口K2が設けられている。そして、第3抵抗素子331bの第3抵抗膜332bにおいては、第3の溝M3の底面に設けられた部分に開口K3が設けられている。
【0096】
ここでは、図10に示すように、各開口K1,K2,K3は、矩形形状で形成されている。
【0097】
[製造方法]
図11,図12は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。この図11,図12において、(a)は、断面図であり、(b)は、上面図である。(a)においては、(b)に示すX1−X2部分の断面について示している。
【0098】
各抵抗膜312b,322b,332bを形成する際には、これに先立って、第1実施形態と同様にして、抵抗体膜TMを形成する(図5参照)。
【0099】
その後、図11に示すように、第1抵抗膜312b,第2抵抗膜322b,第3抵抗膜332bを形成する。
【0100】
ここでは、図11(a),(b)に示すように、まず、第1抵抗膜312b,第2抵抗膜322b,第3抵抗膜332bの形成領域を被覆するように、レジストマスクRM1を設ける。
【0101】
具体的には、抵抗体膜TM(図5参照)上において、第1抵抗膜312b,第2抵抗膜322b,第3抵抗膜332bのパターンに対応する形状になるように、レジストマスクRM1bを設ける。
【0102】
その後、そのレジストマスクRM1bを用いて、抵抗体膜TM(図5参照)についてエッチング処理を実施することで、上記のように、第1抵抗膜312b,第2抵抗膜322b,第3抵抗膜332bにパターン加工する。つまり、抵抗体膜TMにおいて、各溝M1,M2,M3の底面に設けられた部分を除去し、開口K1,K2,K3を設ける。
【0103】
そして、図12に示すように、第1実施形態と同様にして、各電極313,323,333を形成する。その後、第1実施形態と同様にして、図9に示すように、第2絶縁膜401、各配線511,521,531を形成することで、抵抗素子内蔵プリント配線基板1bを完成させる。
【0104】
以上のように、本実施形態においては、第1実施形態の場合と同様に、各抵抗膜312b,322b,332bを形成している。つまり、本実施形態では、各抵抗膜312b,322b,332bは、各溝M1,M2,M3にて深さ方向zに延在する側面に形成され、この側面部分の長さが、各抵抗素子311b,321b,331bの抵抗値に応じて深くなっている。
【0105】
よって、本実施形態は、第1実施形態の場合と同様な効果を奏することができる。つまり、本実施形態は、小型化を容易に実現可能であって製造効率を向上させることができる。
【0106】
<3.第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。
【0107】
図13と図14は、本発明の第3実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1cの要部について、模式的に示す図である。ここで、図13は、断面図である。一方で、図14は、上面図である。図13においては、図14に示すX1c−X2c部分の断面について示している。
【0108】
本実施形態においては、図13および図14に示すように、第1絶縁膜201に設けた各溝M1,M2,M3の本数が、第1実施形態と異なる。また、各抵抗素子311c,321c,331cを構成する各抵抗膜312c,322c,332cの形状が、第1実施形態と異なる。この点、および、これに関連する点を除き、第1実施形態と同様である。このため、重複する個所については、記載を省略する。
【0109】
各溝M1,M2,M3は、図13に示すように、第1実施形態の場合と同様に、第1絶縁膜201の表面において、x方向に並ぶように形成されている。
【0110】
しかし、本実施形態では、図14に示すように、各溝M1,M2,M3は、y方向において、複数が並ぶように形成されている。
【0111】
具体的には、第1の溝M1は、図14に示すように、一対の第1電極313の間において、2本が同一形状でy方向に並んでいる。ここでは、2本の第1の溝M1が、第1絶縁膜201の表面において互いに平行な方向に延在するように形成されている。
【0112】
そして、第2の溝M2は、図14に示すように、第1の溝M1と同様に、一対の第2電極323の間において、2本が同一形状でy方向に並んでいる。また、第3の溝M3は、図14に示すように、第1の溝M1と同様に、一対の第3電極333の間において、2本が同一形状でy方向に並んでいる。
【0113】
第1から第3の溝M1,M2,M3のそれぞれは、第1実施形態の場合と同様にして、ナノインプリント法によって形成される。
【0114】
各抵抗膜312c,322c,332cは、図13および図14に示すように、第1絶縁膜201の表面において、各溝M1,M2,M3に対応する面を被覆するように設けられている。
【0115】
具体的には、第1抵抗素子311cの第1抵抗膜312cは、図14に示すように、第1絶縁膜201の表面において、y方向に並ぶ2本の第1の溝M1に対応する面を被覆するように、設けられている。そして、第2抵抗素子321cの第2抵抗膜322cは、図14に示すように、第1絶縁膜201の表面において、y方向に並ぶ2本の第2の溝M2に対応する面を被覆するように、設けられている。そして、第3抵抗素子331cの第3抵抗膜332cは、図14に示すように、第1絶縁膜201の表面において、y方向に並ぶ2本の第3の溝M3に対応する面を被覆するように、設けられている。
【0116】
第1から第3の抵抗膜312c,322c,332cのそれぞれは、第1実施形態の場合と同様にして形成される。
【0117】
そして、第1配線511は、図14に示すように、複数の第1導電バンプB1によって、第1電極313の一方に電気的に接続されている。そして、第2配線521は、図14に示すように、複数の第2導電バンプB2によって、第2電極323の一方に電気的に接続されている。また、第3配線531は、図14に示すように、複数の第3導電バンプB3によって、第3電極333の一方に電気的に接続されている。なお、各電極313,323,333に対する各導電バンプB1,B2,B3の数については、特に、限定されず、単数であってもよい。
【0118】
以上のように、本実施形態では、各溝M1,M2,M3は、複数であり、複数の各溝M1,M2,M3が、第1絶縁膜201の表面において互いに平行な方向に延在するように形成されている。
【0119】
よって、本実施形態は、各抵抗膜312,322,332が、基板101の面にて占有する面積を、更に小さくすることができるので、小型化を容易に実現可能である。
【0120】
<4.その他>
本発明の実施に際しては、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
【0121】
たとえば、上記の第3実施形態においては、各溝M1,M2,M3に関して、複数が、y方向に並ぶように形成する場合について説明したが、これに限定されない。
【0122】
図15と図16は、本発明の実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板において、第1抵抗素子311dを拡大して示す図である。ここで、図15は、断面図である。一方で、図16は、上面図である。図15においては、図16に示すX1d−X2d部分の断面について示している。
【0123】
図15および図16に示すように、第1の溝M1について、x方向において、複数(たとえば、3本)が並ぶように、第1絶縁膜201の表面に形成してもよい。
【0124】
そして、この場合には、図15,図16に示すように、第1絶縁膜201の表面において、x方向に並ぶ3本の第1の溝M1に対応する面を被覆するように、第1抵抗膜312dを設ける。
【0125】
図示を省略しているが、第2抵抗素子、第3抵抗素子についても、この第1抵抗素子311dと同様に、形成しても良い。
【0126】
また、本実施形態においては、第1絶縁膜201の形成において、熱可塑性樹脂を用いているが、ナノインプリント法で第1絶縁膜201に各溝M1,M2,M3が形成可能であれば、これに限らない。
【0127】
また、本実施形態においては、各溝M1,M2,M3について幅が互いに同じになるように形成しているが、これに限らない。各溝M1,M2,M3の間においては、幅が異なっていてもよい。
【0128】
なお、上記の実施形態において、基板101は、本発明の基板に相当する。また、上記の実施形態において、第1絶縁膜201は、本発明の絶縁膜に相当する。また、上記の実施形態において、第1抵抗膜312,312b,312c,312cは、本発明の第1抵抗膜に相当する。また、上記の実施形態において、第1抵抗素子311,311b,311c,311dは、本発明の第1抵抗素子に相当する。また、上記の実施形態において、第2抵抗膜322,322b,322c、第3抵抗膜332,332b,332cは、本発明の第2抵抗膜に相当する。また、上記の実施形態において、第2抵抗素子321,321b,321c、第3抵抗素子331,331b,331cは、本発明の第2抵抗素子に相当する。また、上記の実施形態において、溝M1は、本発明の第1の溝に相当する。また、上記の実施形態において、溝M2,M3は、本発明の第2の溝に相当する。また、上記の実施形態において、抵抗素子内蔵プリント配線基板1,1b,1cは、本発明の抵抗素子内蔵プリント配線基板に相当する。また、上記の実施形態において、抵抗体膜TMは、本発明の抵抗体膜に相当する。また、上記の実施形態において、開口K1,K2,K3は、本発明の開口に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の要部について、模式的に示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の要部について、模式的に示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第1実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1の製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの要部について、模式的に示す図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの要部について、模式的に示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1bの製造方法において、各工程にて製造される要部を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1cの要部について、模式的に示す図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板1cの要部について、模式的に示す図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板において、第1抵抗素子311dを拡大して示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施形態に係る抵抗素子内蔵プリント配線基板において、第1抵抗素子311dを拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0130】
1,1b,1c:抵抗素子内蔵プリント配線基板、K1,K2,K3:開口、M1,M2,M3:溝、101:基板、201:第1絶縁膜、301:抵抗素子、311,311b,311c,311d:第1抵抗素子、312,312b,312c,312c:第1抵抗膜、313:第1電極、321,321b,321c:第2抵抗素子、322,322b,322c:第2抵抗膜、323:第2電極、331,331b,331c:第3抵抗素子、332,332b,332c:第3抵抗膜、333:第3電極、401:第2絶縁膜、511:配線、511:第1配線、521:第2配線、531:第3配線、TM:抵抗体膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜上に、第1抵抗膜を含む第1抵抗素子と、第2抵抗膜を含む第2抵抗素子とを少なくとも形成する抵抗素子形成工程と
を具備し、
前記抵抗素子形成工程は、
第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを、前記絶縁膜の表面に形成する溝形成工程と、
前記第1の溝の表面を被覆するように前記第1抵抗膜を形成すると共に、前記第2の溝の表面を被覆するように前記第2抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程と
を有する、
抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記抵抗膜形成工程においては、
前記第1の溝および前記第2の溝の側面および底面を含む領域を被覆するように抵抗体を堆積することによって抵抗体膜を成膜後、当該抵抗体膜についてパターン加工を実施することによって、前記第1抵抗膜および前記第2抵抗膜を形成する、
請求項1に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記溝形成工程においては、
前記第1抵抗素子と前記第2抵抗素子との抵抗値に応じて、深さが深くなるように、前記第1の溝と前記第2の溝とを形成する、
請求項2に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記抵抗膜形成工程においては、
前記抵抗体膜において、前記第1の溝および前記第2の溝の底面に設けられた部分を除去し、開口を設けるように、前記パターン加工を実施する
請求項3に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記溝形成工程においては、
ナノインプリント法によって前記第1の溝と前記第2の溝とを前記絶縁膜に同時に形成する、
請求項1から4のいずれかに記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記溝形成工程においては、
前記第1の溝が複数であって、当該複数の第1の溝が、前記絶縁膜の表面において互いに平行な方向に延在するように形成すると共に、
前記第2の溝が複数であって、当該複数の第2の溝が、前記絶縁膜の表面において互いに平行な方向に延在するように形成する、
請求項4に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記抵抗膜形成工程においては、
ALD法,スパッタ法、または、CVD法によって前記抵抗体を堆積し前記抵抗体膜を成膜する
請求項6に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板の製造方法。
【請求項8】
少なくとも第1抵抗素子と第2抵抗素子とが絶縁膜上に設けられている基板
を含み、
第1抵抗素子は、
前記絶縁膜に形成された第1の溝の表面を被覆する第1抵抗膜
を有し、
第2抵抗素子は、
前記絶縁膜において前記第1の溝よりも深くなるように形成された第2の溝の表面を被覆する第2抵抗膜
を有する
抵抗素子内蔵プリント配線基板。
【請求項9】
前記第1抵抗膜は、前記第1の溝の底面に設けられた部分に開口が設けられており、
前記第2抵抗膜は、前記第2の溝の底面に設けられた部分に開口が設けられている、
請求項8に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板。
【請求項10】
前記第1の溝は、複数であり、当該複数の第1の溝が、前記絶縁膜の表面において互いに平行な方向に延在するように形成されており、
前記第2の溝は、複数であり、当該複数の第2の溝が、前記絶縁膜の表面において互いに平行な方向に延在するように形成されている、
請求項8または9に記載の抵抗素子内蔵プリント配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−129787(P2010−129787A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303071(P2008−303071)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】