説明

押出セルロース高分子組成物およびそれを製造するシステム

本発明は、オリフィスで構成されたセル状木材プラスチック複合材料を製作する装置に関し、これは、材料の均一な流れが移行型板に到達するように、押出機(12)のアダプタから、移行型板(30)に複合材料を供給する。さらに、本装置は、材料の流れを流束抑制型板(60)に誘導し、材料の等量が流束抑制型板の全ての領域に確実に供給されるようにする移行型板;材料の流れに十分な抵抗を提供し、流束抑制型板との関係で上流側において、材料の部分の溶融圧力を高める流束抑制型板であって、多数の適当な寸法形状のストリームに流れを分割することにより、この抑制により生じる温度上昇を制御する流束抑制型板;流束抑制型板からの分離ストリーム流を、材料の単一のストリーム流に溶解する圧縮型板(70)であって、材料内でセルの不十分な形成が抑制されるレベルに、溶融圧力を維持する圧縮型板;完全に膨脹した材料が、所望のプロファイルに近い形状となるように、材料を定形するように構成された定形型板(80)であって、多数の均一セルが形成されるように、セルの形成および膨脹の速度を制御する定形型板;を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然木の代わりに使用される押出木材高分子複合材料、ならびに複合材料を製造するダイ(型)、機械および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2006年9月15日に出願された、「押出セルロースポリマー組成物およびシステム」という題目の、米国仮出願第60/844,827の権利を主張するものであり、この内容は、本願の参照として取り入れられている。
【0003】
レーバー(Laver)による米国特許第5,516,472号は、本願の参照として取り入れられている。Laverは、主として熱可塑性プラスチックとセルロースフィラーからなる合成木材の押出の際に、ストランド状型を使用することを提案している。ストランド状型により、複数のストランドが形成され、これは、その後、成形型中で圧縮され、相互に溶融される。圧縮体は、その後、定形型板に通され、ここで最終的なプロファイル形状が形成される。この配置では、定形型板から出た後、プロファイルを拡張することは難しく、その結果、セルロース複合材の密度を、所望の値に抑制することは難しい。
【0004】
セルロース、すなわち発泡木材プラスチック複合材の押出は、複合材マトリクス内のガスバブルまたはセルの形成に依存する。ガスが減圧状態で導入されると、ガスは、マトリクス全体に均等に分散し、これにより、多くのセル数を有する、より均一なセル構造が得られる。このタイプの構造は、より好ましいものとして許容される。押出プロセスにおける圧力の発生の結果、押出の流れが抑制される。直面する第1の問題は、有益な十分に大きな断面積を有するプロファイルの形成の際に、適当な圧力を発生させる必要があることである。明らかに、大きなプロファイルでは、小さなプロファイルに比べて、押出流束の抑制の度合いを弱める必要がある。
【0005】
大きなプロファイルの押出の際に、複数の溝に流れを分割することにより、抑制量を高めることが可能である。流れを分割する一つの方法は、Wileyらの米国特許第3,573,152号に記載されている。Wileyらによれば、型の開口が大きくなりすぎて、発泡プロセスに必要な圧力が生じなくなると、発泡剤を含む溶融プラスチック体の圧力を高めるため、型に複数のオリフィスが使用される。これらのオリフィスは、離間配置され、吹きつけ剤によって生じたガスバブルの存在により、溶融プラスチックストリーム流が膨脹した際に、所望の段階の膨脹が生じ、オリフィスの間の空間が占有される。オリフィスの下流の型の一部は、膨脹ストリーム流を含み、これらは、ある所望の形状に適合するが、膨脹を妨げることはできない。この処理プロセスでは、極めて低密度の発泡体が形成される。
【0006】
流れを複数の溝に分割することにより、第2の問題が生じる。分割された流れは、相互に再溶融され、密着構造が形成される。Wileyらによって示された、未充填高分子発泡剤の押出の間、膨脹ストリーム流は、相互に容易に結合される。高分子への木材および/または他の充填剤の添加の際に、困難が生じる。得られた複合ストリーム流は、追加の圧縮を加えなければ、十分に結合しない。これは、表面への高分子の量が添加フィラーによって減少するためである。Wileyらによって示された処理プロセスによって生じた高分子ストリーム流は、極めて広く離間され、統一構造を有するセル複合プロファイルの形成に必要な密着体を製造することはできない。オリフィスの後に、ストランドまたはストリーム流の圧縮が必要となる。
【0007】
Laverによって提案されたストランド板は、押出流を分割することにより、流れを抑制する。しかし、オリフィスの寸法は、セル形成に最適な条件が得られるように適合する必要がある。またLaverらによる成形型は、押出温度を上げずに、密着体の形成に必要な圧縮量が生じるように、適合させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,516,472号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、大きなプロファイルを押し出した際に、有効なセル形成に必要な圧力を高めるため、十分に抑制された押出流を形成する手段を提供するとともに、密着構造を有するプロファイルを製造する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、本発明のシステムの一例を示す図を参照して、本発明を説明する。本発明は、出口開口13を有する押出機12から、セル状発泡押出物を押出処理し、有機繊維材料と熱可塑性プラスチック材料の混合材料から、実質的に均一なセル構造を有する複合材成形押出製品を形成するダイ(型)システム14に関する。このダイシステム14は、以下の板を有する:
a.前記押出機12に取り外し可能に接続され、前記押出機12の前記出口開口13からの前記押出物を受容する適合型板20であって、前方開口22、後方開口23、および前記前方開口22と前記後方開口23を接続するフロー溝26を有する適合型板20;
b.前記適合型板20に隣接する少なくとも一つの移行型板30であって、前方開口31、後方開口33、および前記前方開口31と前記後方開口33を接続するフロー溝32を有する少なくとも一つの移行型板30;
c.前記移行型板30に隣接する流束抑制型板60であって、前方開口65、後方開口67、および前記前方開口65と前記後方開口67を接続するフロー溝63を有し、該フロー溝63は、前記押出物の流れを分割する複数のストランド(stranding)溝68を有し、該ストランド溝68は、前記押出物の流れに、十分な抵抗圧力を提供することが可能な直径および全長を有し、これにより、前記適合型板20に導入される前記押出物の抵抗圧力が上昇し、前記抵抗圧力の上昇により、前記適合型板20に導入される前記押出物が変化し、該適合型板20に導入される前記押出物において、セル構造の均一性が向上し、密度が低下し、前記移行型板30のフロー溝32は、前記流束抑制型板60への押出物の流れにおいて、押出物の等量が前記ストランド溝68に供給されるように定形される、流束抑制型板60;
d.前記流束抑制型板60に隣接し、前方開口72、後方開口74、およびフロー溝76を有する圧縮型板70であって、該圧縮型板の前方開口72は、前記流束抑制型板の後方開口67に隣接し、前記圧縮型板のフロー溝76は、前記押出物を押出物の単一のストリーム流に再形成するように定形され、さらに、前記圧縮型板のフロー溝76は、材料内でセルの不十分な形成が抑制されるレベルに、溶融圧力を維持するように定形される、圧縮型板70と、
e.前記圧縮型板70に隣接し、前方開口82、後方開口84、およびフロー溝86を有する定形型板80であって、該定形型板の前方開口82は、前記圧縮型板の後方開口74に隣接し、前記定形型板のフロー溝86は、最終押出製品16の所望のプロファイルの形に近づくように定形され、多数の均一セルが製造されるように、セルの形成および膨脹の速度が制御される、定形型板80。定形型板80の体積に対する、移行型板30、40および/または50のフロー溝32、46および/または56の体積比は、1.05:1から3.45:1の範囲である。
【0011】
本発明は、出口開口13を有する押出機12からのセル状発泡押出物を形成する方法であって、有機繊維材料と熱可塑性プラスチック材料の混合材料から、実質的に均一なセル構造を有する複合材成形押出製品16が形成される方法に関し、この方法は、
a.ホッパ10内でセルロース材料と熱可塑性プラスチック材料を混合するステップと、
b.前記混合された複合材料を押出機12に供給し、押出物を形成するステップと、
c.前記押出機12に取り外し可能に接続され、前記押出機12の出口開口13からの前記押出物を受容する適合型板20に、前記押出物を通過させるステップであって、前記適合型板20は、前方開口22、後方開口23、および前記前方開口22と前記後方開口23を接続するフロー溝26を有するステップと、
d.前記適合型板20に隣接する少なくとも一つの移行型板30に、前記押出物を通過させるステップであって、前記少なくとも一つの移行型板30は、前方開口31、後方開口33、および前記前方開口31と前記後方開口33を接続するフロー溝32を有し、前記移行型板のフロー溝32は、前記適合型板20のフロー溝26から押し出された材料を、最終押出製品の形状により近い形状に変形するように構成された形状を有するステップと、
e.前記移行型板30に隣接する流束抑制型板60に、前記押し出された材料を通過させるステップであって、前記流束抑制型板60は、前方開口65、後方開口67、および前記前方開口65と前記後方開口67を接続するフロー溝63を有し、該フロー溝63は、押出物の流れを分割する複数の連続ストランド溝68を有し、前記ストランド溝68は、前記押出物への抵抗圧力を高めるように構成された直径および全長を有し、前記抵抗圧力の上昇により、前記適合型板20に導入された前記押出物が変化し、前記適合型板20に導入された前記押出物において、セル構造の均一性が向上し、密度が低下し、前記移行型板30のフロー溝32は、前記流束抑制型板60への押出物の流れにおいて、押出物の等量が前記ストランド溝68に供給されるように定形されるステップと、
f.前記流束抑制型板60に隣接する圧縮型板70に、前記押し出された材料を通過させるステップであって、前記圧縮型板70は、前方開口72、後方開口74、およびフロー溝76を有し、前記圧縮型板の前方開口72は、前記流束抑制型板の後方開口67に隣接し、前記圧縮型板70のフロー溝76の前面72は、流束抑制型板60におけるフロー溝63内の全ての溝68の領域に、流束抑制型板60のフロー溝63を形成する、複数の溝68の間の領域を定める金属の領域を加えた領域のプロファイルと等しいプロファイルを有し、前記圧縮型板のフロー溝63は、押出物を、押出物の単一のストリーム流に再形成するように定形され、さらに、圧縮型板のフロー溝76は、材料内でセルの不十分な形成が抑制されるレベルに、溶融圧力を維持するように定形されるステップと、
g.前記圧縮型板70に隣接し、前方開口82、後方開口84、およびフロー溝86を有する定形型板80に、前記押出材料を通過させるステップであって、前記定形型板の前方開口82は、前記圧縮型板の後方開口74と隣接し、前記定形型板のフロー溝86は、最終押出製品16の所望のプロファイルの形状に近づくように定形され、多数の均一セルが製造されるように、セルの形成および膨脹の速度が制御されるステップと、
h.冷却タンク18内で、前記押出製品の材料を冷却するステップと、
を有する。
【0012】
また、本発明は、セルロース材料と熱可塑性プラスチック材料の複合材混合物からの、実質的に均一なセル構造を有する複合材成形製品であって、
a.0.50gm/ccから0.90gm/ccの範囲の密度と、
b.100ksiから250ksiの範囲の曲げ弾性率と、
c.24.5×10-6in/in゜Fから、32.0×10-6in/in゜Fの線膨張係数(CLTE)と、
d.0.75:1から1:1の範囲の、熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース材料の比と、
を有する複合材成形製品に関する。
【0013】
この方法の主要な利点の一つは、成形型から取り外した後に、最終成形製品が実質的に膨脹しないことである。これは、押出機およびダイシステムの低温処理プロセス、および板の特殊な構成によるものである。
【0014】
本発明の特殊なダイシステムでは、組み合わされた開始材料が、一定形状の均一な製品に結合され、押出物の流れに十分な押出抵抗を形成することにより、大きな押出プロファイルを押し出す際に、効率的なセル形成に必要な圧力上昇が得られ、最終押出製品は、所望の抑制されたセル密度を有し、密着構造を有するプロファイルを形成する手段が提供される。
【0015】
本発明の目的および利点は、添付図面を合わせた、本発明の好適実施例に関する以下の詳細な説明から、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の処理プロセスを示すフロー図である。
【図2】本発明のダイシステムの分解斜視図であって、各型板が示された図である。
【図3】本発明のダイシステムの断面図であって、各型板が示された図である。
【図4A】図4Dの4A−4A線に沿った図3の型板20の断面図である。
【図4B】図4Aの適合型板20の前方分解図である。
【図4C】図4Dの4C−4C線に沿った図4Aの適合型板20の断面図である。
【図4D】図4Aの適合型板の斜視図である。
【図5A】図5Dの5A−5A線に沿った本発明の移行型板30の断面図である。
【図5B】図5Aの移行型板30の前方上面図である。
【図5C】図5Dの5C−5C線に沿った図5Aの移行型板30の断面図である。
【図5D】図5Aの移行型板30の斜視図である。
【図6A】図6Dの6A−6A線に沿った本発明の移行型板40の断面図である。
【図6B】図6Aの移行型板40の前方上面図である。
【図6C】図6Dの6C−6C線に沿った図6Aの移行型板40の断面図である。
【図6D】図6Aの移行型板40の斜視図である。
【図7A】図7Dの7A−7A線に沿った本発明の移行型板50の断面図である。
【図7B】図7Aの移行型板50の前方上面図である。
【図7C】図7Dの7C−7C線に沿った図7Aの移行型板50の断面図である。
【図7D】図7Aの移行型板50の斜視図である。
【図8A】図8Dの8A−8A線に沿った本発明の移行型板60の断面図である。
【図8B】図8Aの移行型板60の前方上面図である。
【図8C】図8Dの8C−8C線に沿った図8Aの移行型板60の断面図である。
【図8D】図8Aの移行型板60の斜視図である。
【図9A】図9Dの9A−9A線に沿った本発明の圧縮型板70の断面図である。
【図9B】図9Aの圧縮型板70の前方上面図である。
【図9C】図9Dの9C−9C線に沿った図9Aの圧縮型板70の断面図である。
【図9D】図9Aの圧縮型板70の斜視図である。
【図10A】図10Dの10A−10A線に沿った本発明の定形型板80の断面図である。
【図10B】図10Aの定形型板80の前方上面図である。
【図10C】図10Dの10C−10C線に沿った図9Aの定形型板80の断面図である。
【図10D】図10Aの定形型板80の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
複合木材押出技術の一般的な説明として、Laverの文献が参照される。本発明の実際のセル複合材押出型および特に記載のない場合を除き、Laverは、標準的な押出技術を示す引例として取り入れられる。
【0018】
本発明は、木材高分子複合材製品、ならびにそのような製品を製造する処理プロセスおよび機械に関する。本発明は、特に、低温押出機とダイ(型)システムの組み合わせに関する。
【0019】
(セルロース材料)
本発明のセルロース繊維高分子複合材料は、通常の従来技術に比べて、高いセルロース繊維含有量を有するという特徴を有する。通常、従来技術では、約50%の繊維と50%の熱可塑性プラスチック材料を含む材料が必要となるが、本発明の材料は、好ましくは、より高い繊維量を有する。材料は、本発明の連続低温押出処理を用いて、最大約1:0の繊維/熱可塑性プラスチック量を有するように構成され、これに適当な開始材料の混合物を含んでも良い。基本プロセスは、セルロース繊維と熱可塑性プラスチック材料とを含む原材料の基本混合物を必要とする。基本混合物に、架橋剤および処理潤滑剤を添加しても良い。
【0020】
本発明の一つの利点は、実質的に、いかなる種類の廃棄セルロース材料をも取り込むことができることであり、おがくずから池のスラッジおよび新聞紙まで利用することができる。後述するように、新聞紙、たばこ、小麦パルプ、木片、木材粒子、木粉、木材フレーク、木材繊維、砕木、木製単板、木製積層板、ケナフ麻、紙、厚紙、わら、および他のセルロース繊維材料を原材料とした、いかなるセルロース材料を使用しても良い。またセルロース繊維材料は、例えば綿のような精製セルロース、またはケナフ麻、竹、ヤシ、わらのような粘性植物繊維、または他のセルロース繊維材料を有しても良い。他の開始材料と組み合わせる前に、セルロース材料は、乾燥され、水分量は、約1%から9%の範囲にされる。好適な水分量は、2%未満である。乾燥技術は、従来より公知である。適当な例は、Premier Pneumatics社(ペンシルバニア州Allentown)より市販されている乾燥ドライヤである。
【0021】
(熱可塑性プラスチック材料)
熱可塑性プラスチック材料は、主として、プロセス流動化体として機能する。多くの種類の熱可塑性プラスチック材料が使用でき、例えば、多層化膜、未使用熱可塑性プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、コポリエチレン−酢酸ビニル、他の産業からの廃棄プラスチックおがくず、および他のリサイクル高分子材料がある。熱可塑性プラスチック材料は、開始材料の構成に好ましい成分であるが、必ずしも必要ではない。開始材料が十分な量の架橋剤と潤滑剤を有し、押出機で混合物を「可塑化」することができる限り、開始材料に、必ずしも熱可塑性プラスチック材料を使用する必要はない。
【0022】
従って、熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース繊維の割合は、約4:1から1:0の間である。熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース繊維の割合は、約1:1であることが好ましい。
【0023】
(架橋剤)
架橋剤は、最終均一製品において、セルロース繊維のいくつかのストランド(strand)間の結合を強化する機能を有する。架橋剤は、セルロース分子鎖において、未終端化水酸基を結合させる。架橋剤は、比較的低温で、強固な結合を形成する特性を有する必要がある。架橋剤の例には、イソシアネート(イソシアン酸塩)のようなポリウレタン、フェノール樹脂、未飽和ポリエステルおよびエポキシ樹脂、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。フェノール樹脂は、いかなる単段階または2段階樹脂であっても良いが、低ヘキサン量のものが好ましい。開始材料は、セルロース繊維ストランド間の結合を強化するため、架橋剤を有しても良いが、開始材料中に、熱可塑性プラスチックおよびセルロース材料が含まれている限り、架橋剤は、本発明によって得られる最終製品を形成する際に、必ずしも必要ではない。
【0024】
(潤滑剤)
潤滑剤は、従来のプラスチック処理において知られている一般的な潤滑剤であり、処理材として機能する。典型的な潤滑剤の例には、内部潤滑剤であるイソシアン酸亜鉛、および外部潤滑剤であるパラフィン式のワックスが含まれる。
【0025】
(他の材料)
添加され得る他の材料は、従来の押出技術で知られており、これには、加速剤、インヒビター、エンハンサー、互換剤、および吹きつけ剤が含まれる。加速剤、インヒビター、エンハンサー、互換剤は、架橋剤が機能する速度を制御する助剤である。加速剤は、架橋反応の速度を高めるために添加される。加速材の一例には、Dabco RTM.BDO(Air Products社、ペンシルバニア州Allentown)およびDEH40.RTM(ダウケミカル社)のようなアミン触媒が含まれる。インヒビターは、架橋反応の速度を抑制するために添加される。既知のインヒビターの例には、クエン酸のような有機酸が含まれる。エンハンサーは、成分同士の反応性を高めるために添加される。エンハンサーの一例には、コバルト系の化合物が含まれる。互換剤は、セルロース材料と熱可塑性プラスチックの間に、より効果的な結合を形成するために使用される。互換剤の一例には、エチレン−マレイン酸無水コポリマが含まれる。吹きつけ剤は、密度を低下するために添加される。吹きつけ剤の一例は、CELOGEN.TSH(Uniroyal Chemical社)である。
【0026】
開始混合物を調製するための、多くの形成レシピが存在する。
【0027】
以下の表には、4つの例を示す(材料は、ポンドで記載)。
【0028】
【表1】

好適な組み合わせは、以下の通りである。
【0029】
【表2】

木粉は、水分量が2%以下になるまで乾燥される。ポリエチレン(HDPE)およびポリウレタンは、リボンブレンダ内で、吸収するまで混合され、この時間は、おおよそ5分である。残りの成分は、混合物に添加され、約3分間混合され、あるいは、従来の条件の下で、均一に混合される。
【0030】
以下、図面を参照して、説明する。図面において、同じ参照符号は、同じまたは同様の特徴物を表す。図1には、本発明の処理フロー図が示されている。
【0031】
(ホッパ)
第1のステップでは、従来の方法により、セルロース繊維および熱可塑性プラスチック原材料が落下され、ブレンダ8において、架橋剤および処理潤滑剤と物理的に混合され、その後、供給ホッパ10に移行される。セルロース材料は、従来既知の粒子微細化機器に流通される。これらは、グラインダ、ボールミル、チョッパ、または繊維を明確な粒子サイズまたはサイズ範囲の粉に粉砕することの可能な他の機器を含んでも良い。40メッシュの粉が最良の形態であるが、より粗い材料およびより微細な材料においても、良好な結果が得られている。
【0032】
押出機12に搬送される前に、いかなる単純な混合装置により、材料の混合が行われても良い。混合の間、加熱は不要であり、各成分の均一な分散だけが必要となる。少量用のドラムタンブラを使用しても良く、または従来既知のリボンブレンダのような、多量用のバッチ式の混合器を用いても良い。
【0033】
この処理プロセスに使用される通常の供給ホッパは、特定の成分の流れ特性に応じて、重量供給、枯渇供給、または負荷供給(「クラマー」として知られている)ホッパであっても良い。
【0034】
(押出機12)
次に、この原材料の混合物は、加熱押出機12に供給される。押出機12は、低温混合および押出方式を利用する。ほとんどのプラスチック混合処理プロセスでは、極めて高温の可塑化温度での混合が必要となるため、これは特殊である。本混合温度は、実質的に低く、好ましくは、約180゜F(82℃)である。押出機を通過した材料は、ある温度の均一な材料を形成し、この温度は、特定の成分に依存し、約180゜乃至200゜F(85℃〜93℃)である。本発明では、いかなる容量の押出機で処理が行われても良い。好適実施例では、Cincinnati Milacron社(CM−55−HP)によって製造されている、対向回転および相互嵌合ツインスクリュー、高圧、押出機が使用される。処理は、ツインスクリュー押出機によって行われることが好ましく、この装置は、処理温度まで加熱され、製品は、低温の均一混合物とともに、十分に混合される。
【0035】
(温度)
材料は、低温、高圧の押出機12内で混合、加熱された後、ダイシステムに導入される。本発明の押出機12では、可塑化温度よりも低い均一温度で、ブレンダに投入される製品のみが必要となる。押出機12の温度は、押出速度、外部押出機ヒータ、剪断動作、およびダイシステム内のヒータにより制御され、熱電対および他の監視回路により監視される。熱電対は、各ステーションでの温度を監視する目的を有する。バルク温度は、十分に低く、例えば約150゜乃至200゜F(66℃〜93℃)であり、これは、熱可塑性プラスチック流動化体の「真溶融」温度よりも低い。
【0036】
(流速)
押出機12の流速は、約100から2500ポンド/時間の範囲であっても良い。好適実施例では、約180゜F(82℃)の温度では、流速は、約600ポンド/時間である。押出機12から排出された製品は、実質的に非結合円形品である。25mmから72mmの範囲の、各種寸法の押出機オリフィスが利用される。好適実施例では、38mmのオリフィスが使用される。
【0037】
(ダイシステム14)
材料は、混合、加熱され、ダイシステム14に押出投入される。ダイシステム14は、一連の型板で構成される。これらについては、図2乃至10を参照して、以下に説明する。特殊なダイシステム14により、開始材料が結合され、均一形状の製品が形成される。各板は、必要な目的を達成するため、従来既知の材料で構成される。典型的な材料には、鋳鉄およびステンレス鋼が含まれる。
【0038】
ダイシステム14に収容される押出物の体積は、適合型板20により制御される。この型板は、図4A−4Dに示されており、さらに、移行型板30、40、および50の形状は、それぞれ、図5A−5D、図7A−7Dに示されている。図8A−8Dには、流束抑制型板60、図9A−9Dには、圧縮型板70、図10A−10Dには、定形型板80が示されている。流束抑制型板60は、本発明の基本部である。付随の型は、流束抑制型板60の効率的な製作に必要な、材料の流れを提供するように設計される。
【0039】
(適合型板20)
押出材料は、適合型板20を介して、セル複合材押出ダイシステム14に入る。適合型板20は、通路として機能し、この通路を介して、材料は、押出機12から、移行型板30、40、50の方に進行する。
【0040】
適合型板20は、ダイシステム14を押出機12の出口開口13に接続する。図4A−4Dに示すように、適合型板20は、前面24、後面25、およびフロー溝26を有する。フロー溝26は、前面24から後面25に向かって、径が細くなっている。フロー溝26は、適合型板20を貫通しており、材料の流れが、移行型板30、40、50の全ての領域に均等に誘導されるように設計される。通常、溝26には、50mmから300mmの範囲の寸法のものが利用される。
【0041】
図4Bには、適合型板20の正面図を示す。適合型板20の前面24は、円筒状前方開口22を有し、この開口は、押出機12に近接するフロー溝26の端部、および楕円形後方開口23で、ツインスクリュー押出機12を収容する。適合型板20の前面24の端部近傍には、ボルト穴29が備えられ、適合型板20が押出機12に固定される。
【0042】
図4Dには、適合型板20の斜視図を示す。適合型板20の後面25は、楕円形オリフィス27を有し、このオリフィスは、移行型板30に最近接のフロー溝26の端部近傍に配置される。さらに、適合型板20の後面25は、延長部28を有し、この部分は、移行型板30の一部を構成する細いフロー溝32内に入るように設計される。移行型板30内には、第2組のボルト穴34が備えられ、適合型板20の後面25の延長部28に、ボルト穴29がかみ合わされ、適合型板20に移行型板30が固定される。
【0043】
(移行型板)
図5−7に示すように、移行型板30、40、50は、均一な速度で、押出材料の流れを、流束抑制型板60の全ての領域に、移行誘導するように構成される。図には、3つの移行型板30、40、50が示されているが、ダイシステム14において、1つまたは2つの移行型板を使用することは、本発明の範囲に属する。1つまたは2つの移行型板を使用する場合、板の幅は、通常より厚くなる。移行型板を3つの分離型板30、40、50に分割することにより、この移行型板に要求される複雑形状の加工がより容易となる。
【0044】
また、適合型板20または移行型板30、40、50のいかなる区画においても、材料の流れに、ベンチュリ効果は生じないことが重要である。これが生じると、局部的に圧力が低下し、その結果、不適正なセルが形成される。
【0045】
(移行型板30)
押出材料は、図5A−5Dに示すような移行型板30において再定形され、僅かに膨脹する。通常、移行型板30は、約1から1.5インチの厚さの円形の金属板であり、前面31と、後面33と、ボルト穴34とを有する。ボルト穴34は、前面31から、型板を貫通して、後面33まで延伸する。これらの穴は、システム14における各種型の組み立てに使用され、各型板と同じ位置に配置されても良い。図2に示すように、ボルト15は、各型板のボルト穴を通るように適合され、型板が相互に固定される。
【0046】
また移行型板30は、先に適合型板20に関して説明したように、楕円形フロー溝32を有する。溝32の開口35は、適合型板20の後方開口23と実質的に同じ形状であり、これにより、型板20、30が相互にシールされると、適合型板20から移行型板30を通る、押出物の連続的な流れが得られる。フロー溝32は、適合型板20からフロー溝26から放出される押出物を、図2に示すような最終製品16のより一般的な形状に変換する。
【0047】
同様に、移行型板40および50は、押出材料を最終形状に変換するように機能し、押出材料の外側端部での流速が、押出材料の中心速度と均等化される。
【0048】
(移行型板40)
図6A−6Dを参照すると、移行型板40は、移行型板30と同様の外観であり、開口44を有する前面42を有し、開口44は、押出材料の連続流用の移行型板30の後方開口36と同様の寸法および形状を有する。楕円フロー溝46は、寸法が僅かに膨脹しており、後方開口48の寸法は、前方開口44の寸法よりも大きい。移行型板30と同様に、移行型板40は、ボルト穴41を備え、移行型板40がシステム14の残りの部分と結合される。
【0049】
(移行型板50)
図7A−7Dを参照すると、移行型板50は、移行型板30および40と同様の外観であり、移行型板50は、開口54を有する前面52を有し、この開口54は、押出材料の連続流用の、移行型板40の後方開口48とほぼ等しい寸法および形状を有する。楕円フロー溝56は、寸法が僅かに膨脹しており、後面53での後方開口48の寸法は、前方開口54の寸法よりも大きい。移行型板30および40と同様、移行型板50は、ボルト穴51を備えており、移行型板50がダイシステム14の残りの部分と結合される。
【0050】
(流束抑制型板60)
図8A−8Dを参照すると、流束抑制型板60は、平坦板62で構成され、この平坦板は、前面64、後面66、およびフロー溝63を有し、この溝は、複数の平行配置開口または溝68を有し、これは、円筒状、スロット状または他の形状であっても良い。押出材料の流れは、フロー溝63を通る別個のストリーム流に分割される。別個のストリーム流は、所与の体積において、一つの大きなストリーム流に比べて、より大きな表面積を有するため、これにより、材料の流れの抵抗が高まる。複数の溝68を通る材料の流れの抵抗は、材料ストリーム流に圧力上昇を発生させる。
【0051】
図8A−8Dには、複数の開口68が示されており、これらは、移行型板50の後方開口58の形状と同様の、楕円形領域に収容される。全ての開口68は、実質的に円形であっても良く、これらは、材料を貫通しており、実質的に相互に平行であり、前面64から後面67まで、一定の形状を維持している。流束抑制型板60のある好適実施例は、開口68を有し、この開口は、ほぼ1/8インチの直径を有する。個々のストランドの開口面積は、全体にわたって一定であり、あるいはある位置において、所望の密度または体積が得られるように変化する。
【0052】
流束抑制型板60の開口68の数、寸法、および全長は、各個々の発泡プロファイルに対して調整され、体積流速の特定の範囲に、最適圧力上昇が得られるように設計される。この圧力上昇は、セル複合材料の製造の重要部分である。また、この抵抗に対する材料の流れにより、熱が発生する。複数の開口68の間で流れが等しく分割される場合、流束抑制型板60は、最も効果的に作動し、発生した熱は、均一に分配される。適合型板20および移行型板30、40、50は、流束抑制型板60に、均一な材料の流れを提供するように構成される。他の板と同様に、流束抑制型板60は、組み立て用のボルト穴69を有する。流束抑制型板60により、押出機12内に圧力が生じ、これにより、セルを構成するガスまたは蒸気が分散され、セル構造が均一となるとともに、木粉の熱可塑性プラスチックマトリクスへの導入が促進される。この導入の促進により、押出物に各種特性が提供される。
【0053】
円筒状フロー溝68での圧力低下は、以下の関係により説明される。
【0054】
ここで、
Lを円筒の長さ、
Mを、円筒内を流れる材料の濃度(濃度は、粘性流のべき乗則により、粘度に相関し、Mは、べき乗則の定数である)、
Rを円筒の半径、
Qを体積流速(例えばcm3/秒)、
π=3.14159、
nをべき乗則の指数
とする。
【0055】
「圧力低下」という用語は、フロー溝の入口側と出口側の間の圧力の差を表す。より簡単に言うと、これは、以下のことを意味する:
1.円筒状フロー溝の圧力低下は、フロー溝の全長とともに増加し、流体の濃度、すなわち粘度の上昇とともに増加し、フロー溝の寸法、すなわち半径の増加とともに低下する。
2.円筒状フロー溝の圧力低下は、流速の上昇とともに増加する。しかしながら、この関係は、流体を表すべき乗則に影響される。べき乗則の指数は、流体が高速または低速で流れる際に生じることの指標となる。例えば水の場合、べき乗則の指数は、1である。水の粘度は、水の流速には影響されない。本発明に使用される高分子、すなわちプラスチックは、剪断薄化流体である。これは、高分子は、速く流れるほど、粘性が低下することを意味する。換言すれば、これらは、速く流れるほど、薄くなる。この場合、指数は、1未満となる。本発明のセル複合材料のべき乗則の指数は、通常約0.24である。
3.円筒状フロー溝の圧力低下は、フロー溝の半径の3乗とともに低下する。ただし、この関係も、べき乗則の指数により影響される。
【0056】
従って、流束抑制型板60に導入された際に押出物が受ける圧力は:1)流束抑制型板60において、多くのフロー溝68により分割され、押出機12から排出される材料の量、すなわち体積流速に相関し、これは、前述の圧力低下の式において、個々の溝68を通る流速である;2)個々のフロー溝68の全長;3)個々のフロー溝68の半径;および4)流体自身の特性に相関する。
【0057】
従って、フロー溝68の全長が大きくなると、圧力も上昇する。また、フロー溝68の半径が大きくなると、圧力は、上昇する。流束抑制型板60に、より多くのフロー溝68が設けられると、各フロー溝68を通る流速は、減少し、圧力は低下する。逆に、フロー溝68の数が少なくなると、各フロー溝68を流れる流速は、大きくなり、流れの圧力は増加する。
【0058】
各ガスは、混合流体中に溶解する所与の温度において、ある圧力を有するため、圧力は、重要である。本発明の場合、本発明の複合材のセル構造を形成するガスは、いくつかの理由により、複合押出物中に溶解することが好ましい。まず、セルがより完全に分散されるようになる。次に、セルが溶解した際、溶液からより多くのガスが発生し、セルが小さくなる。
【0059】
同様の関係は、矩形状のフロー溝68においても成立する。この場合、溝68の高さは、円筒状フロー溝の半径とほぼ等しい。溝68の高さが大きくなると、圧力は低下する。全長、流速、濃度、およびべき乗則の指数も、円筒状フロー溝の場合と同様の影響を及ぼす。
【0060】
フロー溝を通る流体の流れによって生じた熱は、別の重要な事項である。セル複合材は、多数のセルまたはバブルで構成されるため、熱は、重要である。セルは、該セルの壁が薄くなり、崩壊するようになるまで成長する。セルは、崩壊して外部に開いても良く、あるいは、結合処理として知られているように、崩壊後に、隣接するセルと結合されても良い。セル複合材のセル壁の強度は、複合材料の温度と直接相関する。温度が高いと、セル壁は、弱くなる。円筒状溝68を流れる流体の温度は、フロー溝68の全長、流体の濃度、および流体の速度と直接相関する。流体の速度に関して、流速が大きいほど、粘度が大きくなる。温度は、フロー溝68の半径と反相関する。これは、フロー溝68が多くなると、すなわち各々の流れが低下すると、フロー溝68の増大と同様に、温度上昇が抑制されることを意味する。溝68が大きくなると、より大きな温度上昇が生じる。従って、システムに有害な、温度の上昇を引き起こすものと同じ因子により、有益な圧力の増大が生じる。従って、溝68の数に基づいて、流速と溝68の全長および半径の間に、均衡が得られ、圧力は、使用ガスが溶解してセルが製造される程度に、十分に高くなり、温度は、セルが損傷しない程度に、十分に低く維持される。
【0061】
移行型板30、40、50の体積は、流束抑制型板60のいずれかの所与の溝68を流れる、利用可能な押出材料の量に相関する。所与の溝68を通る利用可能な材料量は、溝68の数、移行型板30、40および/または50を通る押出材料が受ける圧力、ならびに流れの経路を見出す際に、材料が受ける拘束に依存する。移行型板30、40および/または50の体積が十分に小さい場合、押出物は、高速で流れるように力を受け、流束抑制型板60の中央を通って流れ易くなる。中央において、溝68を流れる材料は、流束抑制型板60の外側部分を流れる材料に比べて速く移動し、これにより、中央において材料の過熱が生じる。移行型板30、40、および/または50の体積が十分に大きい場合、押出物は、ある領域において流れにくくなり、流束抑制型板60の有効面積が低下するとともに、材料が停滞していない領域では、材料が必要以上に速く流れるため、やはり過熱が生じる。
【0062】
いずれの場合も、最終プロファイルは、セルの崩壊による大きなボイドおよびガスポケットを有する。従って、移行型板30、40、および/または50の体積が、フロー溝68の数に対して十分に小さく、複合材の流れの圧力が十分に小さい場合、流れは、側部に比べて、流束抑制型板60の中央に向かってより誘導される。移行型板30、40、および/または50の体積が十分に大きい場合、材料は、移行型板30、40、および/または50の外側部分に停滞しやすく、中央部において、必要以上に急速に流れるようになる。所与の時間間隔で通過する材料の量と、移行型板30、40、および/または50の体積を均衡化することにより、溝68を通る流れが均等化される。これにより、各フロー溝68に、より均一な温度上昇が生じ、各個々の溝68は、過熱されにくくなる。
【0063】
(圧縮型板70)
図9A−9Dに示すように、圧縮型板70は、前面72、後面74、およびフロー溝76を有し、フロー溝76は、前方開口78および後方開口79を有する。圧縮型板70は、流束抑制型板60の個々のフロー溝68から排出された押出材料を、押出材料の一つの塊に成形し、流束抑制型板60の後方開口67と、定形型板80の間に、線形圧力低下が生じるように構成される。
【0064】
流束抑制型板60の後方開口67とダイシステム14の出口間のある位置では、押出材料が収容される圧力は、材料内でセルが形成されるレベルまで低下する。前述のように、セル、すなわち木材プラスチック複合材の押出は、複合材マトリクス内でのガスバブルまたはセルの形成に依存する。ガスが減圧下で導入されると、ガスは、マトリクス全体に、より均一に分散し、この結果、セルの数が多くなり、より均一なセル構造が得られる。この種類の構造は、好ましい。押出処理の際の圧力の発生の結果、押出物の流れが抑制される。圧縮型板80は、流束抑制型板60の開口68からの分離ストリーム流を、材料の単一のストリーム流に熔解するように機能し、材料中に不健全セルが生じることが抑制されるようなレベルに、融点を維持する。
【0065】
ストランドは、圧縮型板70内で圧縮され、定形される。各ストランドの加熱外部表面は、ストランド同士を熱処理する機能を有する。また、個々のストランドは、相互に対して圧縮され、各ストランドの外側表面の局部的な高温により、セルロース分子鎖上の未結合水酸基ユニットに、熱硬化性材料の結合が生じる。開始材料に架橋剤が含まれている場合、架橋剤は、各ストランドの外表面で、発熱反応を発生するように機能し、これにより、セルロース分子鎖での未結合水酸基ユニットへの熱硬化性材料の結合が容易となる。他の板と同様に、圧縮型板70は、組み立て用のボルト穴71を有する。
【0066】
圧縮型板70のフロー溝76の前方開口72は、流束抑制型板60のフロー溝63内の全ての溝68の領域と、流束抑制型板60のフロー溝63を形成する複数の溝68の間の領域を定める材料の面積との和と等しい、大きなプロファイルとなっている。このプロファイルは、テーパ化され、すなわち定形型板80の前面82と同様の寸法まで、急激に小さくなる。
【0067】
押出物は、このテーパ化フロー溝76を通るため、同量の材料が、徐々に狭くなる圧縮型板70の後方開口79を通過する。このため、押出材料は、より速く動く必要がある。このため、押出物の流れにより、圧縮型板70内で、圧力上昇が生じる。材料の速度が大きくなるため、より多くの熱が発生する。圧縮型板70のフロー溝76は、単位長さ当たり、15%から30%の間の範囲でテーパ化される。テーパ化量が15%未満の場合、圧縮型板70の圧力が低くなり、流束抑制型板60の個々のフロー溝68を通る材料は、相互に溶融し、最終製品16にボイドが形成される。テーパ化量が30%を超えると、加速が激しくなり、セルが崩壊されるほどの熱が生じるようになり、この場合も、材料中にボイドが生じる。
【0068】
(定形型板80)
図10A−10Dに示すように、定形型板80は、前面82、後面84、およびフロー溝86を有し、このフロー溝86は、前方開口85および後方開口87を有する。初期のセル形成は、定形型板80の前面82で生じる必要がある。複合材の高粘性および低溶融強度のため、膨脹は、ゆっくりとした速度で開始されることが有意である。これにより、セルを形成するガスの分散が助長され、押出プロファイル内に、大きなガスポケットが突発的に形成されることが回避される。これは、前面82近傍の溝86で、または定形型板80の入口で、セル形成を開始させ、定形型板80内での膨脹の速度を制御することにより行われ、定形型板80の後面84から材料が排出された際に、多数のセルの形成が開始される。また、これは、セル複合材ダイシステム14の外部出口でもある。
【0069】
複合材料は、ダイシステム14から排出された後、ある時間の間、膨脹し続ける。膨脹量は、全ての方向で同じではないが、プロファイル塊の中心から、膨脹点までの距離に相関する。定形型板80の後面84の出口は、完全に膨脹した材料がほぼ所望のプロファイルに定形されるような状態で、材料を定形するように構成される。他の型板と同様に、定形型板は、組み立て用のボルト穴81を有する。
【0070】
本発明では、移行型板30、40および/または5のフロー溝32、46および/または56の体積は、定形型板80の体積と相関する。2:1の比(移行型体積:定形型体積)が好ましい。この比は、1.05:1から3.45:1の範囲であっても良い。比が1.05:1よりも小さい場合、体積は、極めて小さくなり、中央の流束の加熱が生じる。比が3.45:1よりも大きいと、移行型の体積は、極めて大きくなり、停滞が生じる。
【0071】
このプロセスの主な利点の一つは、成形型から取り出された後、成形製品が実質的に膨脹しないことである。これは、押出機およびダイシステムの低温処理プロセスによるものである。
【0072】
いかなる形状の型板80を定形することも、本発明の範囲に含まれ、これには、クラウンモールディング、腰長押、すそ板、ドア成形等の家庭用の装飾的な成形、絵画フレーム、家具様縁飾り、本願に記載の他の製品が含まれる。定形型板80では、最終形状が維持される。開始材料に架橋剤が含まれる場合、架橋剤は、定形型板80内で連続的に反応し、これにより、個々のストランドが相互に結合される。
【0073】
(冷却タンク18)
成形製品16は、定形型板80から排出された後、通気式冷却タンク18に供給される。これは、冷却処理を介して材料を搬送するコンベアシステム(従来技術)となっている。この冷却処理は、特に、製品が中空コアを有する場合、陰圧下で行われても良い。代表的なコンベアタイプの冷却タンクは、Cincinnati Milacronにより製作されている。好適実施例では、冷却タンク18は、真空水タンクを有しても良い。成形製品16の全長は、冷却タンクの長さで規定される。従って、成形製品16の別の利点は、システムから連続的に押し出される場合、製品の全長に制限がないことである。
【0074】
成形製品16は、通気式冷却タンク18内で冷却され、既知の引き抜き機構(図示されていない)により、ローラ(図示されていない)上に輸送される。次に、冷却された成形製品16は、従来手段を用いて、所望の長さに切断される。
【0075】
成形製品16は、ビニル材料、プラスチックラミネート、ペンキ、または従来公知の他の適当な被覆材で被覆される。従来のインラインクロスヘッド押出型を、引き抜き機構の下流に取付け、既知の化合物のキャップストックを、外部仕上げとして適用しても良い。
【0076】
(セルロースプラスチック複合材)
設計されたフロー特性のため、ダイシステム14により、流束が抑制され、押出複合材料の摩擦による加熱は、最小限に抑制される。流束抑制型板60により、押出機12内に圧力が生じ、この圧力は、セルを形成するガスまたは蒸気を分散させ、セル構造を均一にするとともに、熱可塑性プラスチックマトリクスへの木粉の導入を助長する。この助長された導入により、複合材料に有効な特性が付加される。
【0077】
セル複合材押出型14で製作された、セルロースプラスチック複合材押出物は、以下に示す特徴的な性質を有する。この複合材料は、熱可塑性プラスチック樹脂をベースとしても良く、この樹脂は、通常、工業用樹脂には分類されない。一例は、ポリエチレンである。本発明において、ポリエチレンから製造される複合材料は、0.50gm/ccから0.90gm/ccの範囲の密度を有し、好ましくは、0.65gm/ccから0.75gm/ccの密度を有する。樹脂自身の密素は、0.95gm/ccである。この複合材料の曲げ弾性率は、100キロポンド/in2(ksi)から250ksiの範囲であり、樹脂自身の曲げ弾性率は、150ksiである。製作されたセル材料は、STRANDEX材料(Strandex社、Madison、ウィスコンシン州)のような従来の複合材料に比べて密度が低い。従来の材料は、密度が1.12から1.18g/cm3の範囲である。低密度化により、セル材料は、固定、切断、定形が容易である。
【0078】
本発明により製造されたポリエチレン系の複合材は、24.5×10-6in/in゜Fから32.0×10-6in/in゜F線膨張係数(CLTE)を有し、樹脂そのもののCLTE値は、70×10-6in/in゜Fである。この複合材料は、低コストフィラーを有し、その比は、0.75:1から1:1の範囲である(フィラー対樹脂比)。
【0079】
ポリエチレン複合材への木材繊維の導入により、菌による劣化に対する耐性および低密度性を有したまま、木材と同様の複合材の切断、平坦化、加工、および固定が可能となる。本発明により製造されたポリエチレン系複合材は、他のセルロースプラスチック複合材に比べて、耐衝撃性が向上する。この複合材では、木材(ポンデローサ松の場合、2.6%)または高密度複合材(STRANDEX複合材の場合、1.15%)に比べて、水分の摂取により生じる隆起が抑制される(24時間浸漬で、0.93%)。ポリエチレン系のセルロースプラスチック複合材のこの特性組み合わせは、まれである。
【実施例】
【0080】
以下、実施例について説明する。
【0081】
単位100樹脂当たり(phr)100部の高密度ポリエチレン、および67phrの木粉を含む組成物は、28.15Pa-secに等しい濃度(べき乗則の定数)を有し、べき乗則の指数は、0.36に等しい。これらの値は、べき乗則流体としての挙動を示す高分子押出物の流動性を定める、いかなる標準的な方法で求められても良い。
【0082】
一度これらの値が把握されると、これらを用いて、各種寸法および形状の溝を押出物が流れる際に生じる圧力が計算される。べき乗則の流体が、いくつかの単純断面の溝を流れる際に生じる圧力を表す一般式は、Kozickiによって示されている(Kozicki,W.,ら.,「任意断面のダクト内の非ニュートン流」,Chemical Engineering Science,1966,21巻,665-679頁)。
【0083】
【数1】

ここで、ΔPは、溝の入口と溝の出口の間の圧力低下であり、
Lは、溝の全長であり、
Mは、押出物のべき乗則の定数であり、
Rhは、溝断面の動水半径(面積/周)であり、
Qは、体積流速であり、
aおよびbは、溝の断面の形状に依存した形状因子であり、
nは、押出物のべき乗則の指数である。
【0084】
公称寸法が1×4(0.75”×3.5”)のセル複合材プロファイルが好ましく、製造の速度およびプロファイルの密度は、それぞれ、6フィート/分、および0.9g/cm3であることが好ましく、本発明によるこのプロファイルの製品のシステムは、以下のように構成される。
【0085】
所与の組成物で構成される押出物の密度は、約1.12g/cm3である。好ましい製造速度は、単位分当たり、0.9g/ccの密度で、189インチ3のプロファイルとして得られる(0.75”×3.5”×6フィート/分×12”/1’)。これは、単位分当たり、密度0.9g/cm3のプロファイルの3097cm3に相当する。このプロファイル量を形成するのに必要な、1.12g/cm3の密度での押出物の量は、単位分当たり、2489cm3であり、あるいは41.5cm3/秒である。これは、好ましい体積流速である。
【0086】
1.12g/cm3から0.9g/cm3への密度の所望の変化の結果、3次元膨脹が生じる。0.90g/cm3の密度の材料1cm3では、密度1.12g/cm3の材料で、0.8036 cm3の膨脹が生じる。0.8036 cm3は、0.930cmの立方体体積である。従って、定形型の断面は、0.75”×0.93=0.70”と3.5”×0.93=3.26”の積である。これは、1.77cm と8.27cmの積に等しい。
【0087】
1000kPaの圧力で、使用ガスが逸散し、核発生する(初期バブル形成する)ことが実験的に求められ、定形型の入口で核発生が生じると仮定すると、一般式を用いて、形状因子a=0.3358、b=0.8428とすることにより、定形型の全長は、10cmと計算される(aおよびbは、Kozickiによる方法を使用して計算しても良い)。
【0088】
押出物中のガスの溶解に必要な圧力が12000kPaである場合、流束抑制型において、約10000kPaの圧力低下が生じる。この圧力低下は、2.54cm×0.5cm(a=0.3441およびb=0.8531)で、7.6cmの長さを有する15の矩形状フロー溝を使用することにより得られる。フロー溝は、長手方向が平行に揃うように配置され、相互に0.2cmの壁で仕切られる。フロー溝の長手領域は、2.54cmの高さで、10.3cmの幅を有する。
【0089】
成形型の入口は、フロー溝領域の寸法と一致している。成形型の出口は、1.77cm×8.27cm=14.64cm2の断面を有する定形型の寸法と一致する。成形型の単位ユニット長さ当たりの体積の15%から30%の抑制により、成形型の全長は、2.9cmと1.5cmの間であることが好ましい。
【0090】
定形型の開口体積に対する、移行型の開口体積の好ましい比は、2.1:1である。移行型の入口は、適合型の出口の寸法と一致し、出口は、流束抑制型のフロー溝領域の寸法に一致する。最も単純な形状は、これらの2つの断面を、直線で接続する。この形状の構成により、コンピュータ援用製図(CAD)プログラムの使用により解析された体積が得られる。そのようなプログラムは、設計者および製作者には良く知られている。移行型板の長さは、トライアンドエラーにより定められても良い。
【0091】
本発明は、本願に示した各部品の特定の構成および配置に限定されないことが理解される。そのような修正形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口開口を有する押出機から、セル状発泡押出物を押出処理し、セルロース繊維高分子複合材料から、実質的に均一なセル構造を有する成形押出製品を形成するダイ(型)システムであって、
a.前記押出機に取り外し可能に接続され、前記押出機の前記出口開口からの前記押出物を受容する適合型板であって、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有する適合型板と、
b.前記適合型板に隣接する少なくとも一つの移行型板であって、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有する少なくとも一つの移行型板と、
c.前記移行型板に隣接する流束抑制型板であって、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有し、該フロー溝は、前記押出物の流れを分割する複数のストランド(stranding)溝を有し、該ストランド溝は、前記押出物の流れに、十分な抵抗圧力を提供することが可能な直径および全長を有し、これにより、前記適合型板に導入される前記押出物の抵抗圧力が上昇し、前記抵抗圧力の上昇により、前記適合型板に導入される前記押出物が変化し、該適合型板に導入される前記押出物の、セル構造の均一性が向上し、密度が低下し、前記移行型板のフロー溝は、前記流束抑制型板への押出物の流れにおいて、押出物の等量が前記ストランド溝に供給されるように定形される、流束抑制型板と、
d.前記流束抑制型板に隣接し、前方開口、後方開口、およびフロー溝を有する圧縮型板であって、該圧縮型板の前方開口は、前記流束抑制型板の後方開口に隣接し、前記圧縮型板のフロー溝は、前記押出物を押出物の単一のストリーム流に再形成するように定形され、さらに、前記圧縮型板のフロー溝は、材料内でセルの不十分な形成が抑制されるレベルに、溶融圧力を維持するように定形される、圧縮型板と、
e.前記圧縮型板に隣接し、前方開口、後方開口、およびフロー溝を有する定形型板であって、該定形型板の前方開口は、前記圧縮型板の後方開口に隣接し、前記定形型板のフロー溝は、最終押出製品の所望のプロファイルの形に近づくように定形され、多数の均一セルが製造されるように、セルの形成および膨脹の速度が制御される、定形型板と、
を有することを特徴とするダイシステム。
【請求項2】
前記セルロース繊維高分子複合材料は、熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース繊維の比が、4:1から1:0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のダイシステム。
【請求項3】
前記適合型板に導入される前記複合材料は、0.50gm/ccから0.90gm/ccの範囲の密度を有することを特徴とする請求項1に記載のダイシステム。
【請求項4】
前記定形型板の体積に対する前記移行型板のフロー溝の体積の比は、1.05:1から3.45:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のダイシステム。
【請求項5】
前記定形型板の体積に対する前記移行型板のフロー溝の体積の比は、2:1であることを特徴とする請求項1に記載のダイシステム。
【請求項6】
前記圧縮型板のフロー溝は、単位長さ当たり15%から30%の範囲で、テーパ化されていることを特徴とする請求項1に記載のダイシステム。
【請求項7】
セルロース繊維高分子複合材料から、実質的に均一なセル構造を有するセル状発泡押出物を形成する方法であって、
a.ホッパ内で前記複合材料を混合するステップと、
b.前記混合された複合材料を押出機に供給し、押出物を形成するステップと、
c.前記押出機に取り外し可能に接続され、前記押出機の出口開口からの前記押出物を受容する適合型板に、前記押出物を通過させるステップであって、前記適合型板は、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有するステップと、
d.前記適合型板に隣接する少なくとも一つの移行型板に、前記押出物を通過させるステップであって、前記少なくとも一つの移行型板は、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有し、前記移行型板のフロー溝は、前記適合型板のフロー溝から押し出された押出材料を、最終押出製品の形状により近い形状に変形するように構成された形状を有するステップと、
e.前記移行型板に隣接する流束抑制型板に、前記押し出された材料を通過させるステップであって、前記流束抑制型板は、前方開口、後方開口、および前記前方開口と前記後方開口を接続するフロー溝を有し、該フロー溝は、押出物の流れを分割する複数の連続ストランド溝を有し、前記ストランド溝は、前記押出物への抵抗圧力を高めるように構成された直径および全長を有し、前記抵抗圧力の上昇により、前記適合型板に導入された前記押出物が変化し、前記適合型板に導入された前記押出物において、セル構造の均一性が向上し、密度が低下し、前記移行型板のフロー溝は、前記流束抑制型板への押出物の流れにおいて、押出物の等量が前記ストランド溝に供給されるように定形されるステップと、
f.前記流束抑制型板に隣接する圧縮型板に、前記押し出された材料を通過させるステップであって、前記圧縮型板は、前方開口、後方開口、およびフロー溝を有し、前記圧縮型板の前方開口は、前記流束抑制型板の後方開口に隣接し、前記圧縮型板のフロー溝は、前記押出物を、押出物の単一のストリーム流に再形成するように定形され、さらに、前記圧縮型板のフロー溝は、材料内でセルの不十分な形成が抑制されるレベルに、溶融圧力を維持するように定形されるステップと、
g.前記圧縮型板に隣接し、前方開口、後方開口、およびフロー溝を有する定形型板に、前記押出材料を通過させるステップであって、前記定形型板の前方開口は、前記圧縮型板の後方開口と隣接し、前記定形型板のフロー溝は、最終押出製品の所望のプロファイルの形状に近づくように定形され、多数の均一セルが製造されるように、セルの形状および膨脹の速度が制御されるステップと、
h.前記押出製品の材料を冷却するステップと、
を有する方法。
【請求項8】
前記適合型板に導入される複合材料は、0.50gm/ccから0.90gm/ccの密度を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記押出機は、150゜Fから200゜Fの範囲の温度で、約100から2500ポンド/時間の範囲の速度で作動することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記適合型板のフロー溝は、50mmから300mmの範囲の直径を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも3つの移行型板によって、前記複合材を前記最終形状に変形し、前記押出材料の外端部での流速を、前記押出材料の中央部での流速に均質化するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記流束抑制型板における前記ストランド溝の数および寸法は、体積流速の特定の範囲に、最適圧力上昇が発生するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記ストランド溝は、円筒状またはスロット状の形状であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記定形型板の体積に対する前記移行型板のフロー溝の体積の比は、1.05:1から3.45:1の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記定形型板の体積に対する前記移行型板のフロー溝の体積の比は、2:1であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記圧縮型板のフロー溝は、単位長さ当たり15%から30%の範囲で、テーパ化されていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項17】
セルロース材料と熱可塑性プラスチック材料の複合材混合物からの、実質的に均一なセル構造を有する複合材成形製品であって、
a.0.50gm/ccから0.90gm/ccの範囲の密度と、
b.100ksiから250ksiの範囲の曲げ弾性率と、
c.24.5×10-6in/in゜Fから、32.0×10-6in/in゜Fの線膨張係数(CLTE)と、
d.0.75:1から1:1の範囲の、熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース材料の比と、
を有する複合材成形製品。
【請求項18】
前記熱可塑性プラスチック材料は、ポリエチレンであることを特徴とする請求項17に記載の複合材。
【請求項19】
前記熱可塑性プラスチック材料に対するセルロース材料の比は、1:1であることを特徴とする請求項17に記載の複合材。
【請求項20】
前記セルロース材料は、約1%から9%の間の水分量を有することを特徴とする請求項17に記載の複合材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公表番号】特表2010−503566(P2010−503566A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528523(P2009−528523)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/078638
【国際公開番号】WO2008/034127
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509073361)ストランデクス コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】