説明

押圧式入力装置

【課題】 キーボード装置などに設けられた押圧式入力装置において、キートップである操作体を常に安定した姿勢で昇降させることができるようにする。
【解決手段】 Y方向に移動する案内部材5と昇降動作する操作体6が設けられ、操作体6でスイッチ機構が押される。操作体6に、主突起71bが形成され、主突起71bに押圧傾斜部73bと制御傾斜部72bとが形成され、その先部に幅寸法の大きい抜け止め部75bが形成されている。案内部材5に穴部81bが形成されており、主突起71bが穴部81bに挿入されると、容易に外れなくなる。操作体6が押されると、押圧傾斜部73bによって案内部材5がY2方向へ押され、複数箇所に設けられた制御傾斜部72bによって操作体6がZ2方向へ引き込まれるため、操作体6が水平姿勢で安定して下降する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボード装置などの入力部に配置される押圧式入力装置に係り、特に、操作体を安定した姿勢で昇降動作させることができる押圧式入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1と特許文献2に、キーボード装置に使用される押圧式入力装置が開示されている。
【0003】
この押圧式入力装置は、基板の上にX状に組まれたリンク機構が設けられ、キートップが前記リンク機構に支持されて、基板の表面に接近する下降方向と基板の表面から離れる上昇方向へ動作できるようになっている。キートップは弾性体によって上昇方向へ付勢されている。基板の表面にスイッチ機構が設けられており、キートップが下降する力によってスイッチ機構が動作させられる。
【0004】
これらの押圧式入力装置は、X状に組まれたリンク機構によって、キートップの背面が4箇所で支持されているため、キートップが水平姿勢を保って昇降動作しやすくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−164066号公報
【特許文献2】特開2001−155580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1と特許文献2に記載されている押圧式入力装置は、基板とそれぞれのキートップとの間に、複数の部品を組み合わせたリンク機構を配置しているため、1つのキートップを組み付けるための部品点数が多くなる。また、リンク機構の4つの軸部を1つのキートップの背部に回動自在に組み付けることが必要であり、組み立て作業が煩雑である。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、少ない部品点数で構成できて、操作体を安定した姿勢で昇降動作させることができ、しかも組み立てが容易である押圧式入力装置を提供することを目的としている。
【0008】
また本発明は、押圧力が作用していない状態で、操作体のがたつきを防止でき且つ操作体が不用意に外れるのを防止することができる押圧式入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板と、基板の面に向かう下降方向と前記面から離れる上昇方向へ移動自在な操作体と、前記操作体を上昇方向に付勢する付勢部材と、前記基板と前記操作体との間に位置して前記面に沿う案内方向へ移動自在な案内部材と、前記操作体によって動作させられる検知部とが設けられ、
前記操作体の案内方向に間隔を空けた位置から前記基板に向けて突出する複数の突起が一体に形成され、前記案内部材に、前記突起が個別に挿入される複数の穴部が形成されており、
それぞれの前記突起に、前記操作体の下降力を前記案内部材の案内方向への移動力に変換する押圧傾斜部と、前記案内部材の案内方向への移動力を前記操作体の下降力に変換する制御傾斜部とが形成され、それぞれの前記穴部の縁部に、前記押圧傾斜部と摺動する摺動部および前記制御傾斜部と摺動する摺動部が対向して形成されており、
それぞれの前記突起の先部に、対向する前記摺動部どうしの間隔よりも幅寸法が大きい抜け止め部が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の押圧式入力装置は、操作体が押され、その下降力によって案内部材が水平な案内方向へ移動させられると、案内部材の移動力によって操作体が複数箇所で下降方向へ引き込まれる。そのため、操作体に偏った押圧力が作用しても安定した姿勢で下降動作できるようになる。
【0011】
また、操作体から突出する突起に、押圧傾斜部と制御傾斜部とが設けられ、案内部材に、それぞれの突起が挿入される穴部が形成され、この穴部に押圧傾斜部および制御傾斜部と摺動する摺動部が設けられているため、基板上に案内部材を配置し、さらに操作体を配置して、操作体の突起を案内部材の穴部に挿入させるだけで組み立てを完了できる。しかも、突起の先部に幅寸法を拡張した抜け止め部が形成されているため、操作体が不用意に外れるのを防止できる。
【0012】
本発明は、前記案内部材は、少なくとも1つの前記摺動部を含む部分が、他の領域よりも薄肉に形成されて弾性変形可能とされているものが好ましい。
【0013】
上記構成では、薄肉部の弾性変形によって突起を穴部に挿入しやすくなり、挿入後は抜け止め部によって突起が穴部から抜けにくい構造となる。また、操作体を強制的に持ち上げると、前記薄肉部が弾性変形して突起を穴部から抜き出すことができ、分解作業を行えるようになる。
【0014】
本発明は、前記突起と前記穴部が、前記操作体の中心を通過して前記面と並行に延びる中心線を挟む両側に配置されていることが好ましい。
【0015】
あるいは、前記突起と前記穴部が、前記操作体の中心を通過して前記面と並行に互いに直交して延びる第1の中心線Oxと第2の中心線Oyのそれぞれを挟む両側に配置されていることが好ましい。
【0016】
上記構成では、押圧傾斜部と制御傾斜部が中心線を挟む両側に配置されているので、操作体のどの位置を押しても、操作体を安定した姿勢で昇降動作させることが可能になる。
【0017】
本発明は、前記付勢部材が弾性体で形成され、前記基板の上に前記検知部であるスイッチ機構が配置され、前記弾性体で前記スイッチ機構が押圧されるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、基板と操作体との間に案内部材を配置するという簡単な構造で、操作体が水平姿勢を保って昇降動作できるようになる。また、操作体に形成された突起を案内部材に形成された穴部に挿入するだけで組み立てることができ、組み立てが容易であり、組み立て後は、操作体が不用意に外れることがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態の押圧式入力装置を示す分解斜視図、
【図2】押圧式入力装置を構成する操作体を上下逆向きで示す斜視図、
【図3】組み立てられた状態の押圧式入力装置を、図1のIII−III線で切断した断面図、
【図4】組み立てられた状態の押圧式入力装置を、図1のIV−IV線で切断した断面図、
【図5】基板に形成された切り欠き部および案内縁部と、操作体に形成された摺動凸部との位置関係を示す平面図、
【図6】操作体に押圧力が作用していないときの押圧式入力装置を、図1のVI−VI線で切断した断面図、
【図7】操作体が下降したときの押圧式入力装置を、図1のVI−VI線で切断した断面図、
【図8】第1の押圧傾斜部と第2の押圧傾斜部および制御傾斜部による案内動作を動作別に示す拡大断面図、
【図9】図2に示す弾性体と検知部(スイッチ機構)の構造を示す拡大断面図、
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、実施の形態の押圧式入力装置1は、基板2とその上に設置されたメンブレンシート3を有している。メンブレンシート3の上に付勢部材である弾性体4および案内部材5が設置され、その上にキートップである操作体6が配置されている。
【0021】
押圧式入力装置1は、パーソナルコンピュータなどに装備されるキーボード装置に搭載される。実際の基板2およびメンブレンシート3は、図1に示すものよりも広い面積を有しており、複数組の弾性体4と案内部材5および操作体6が、基板2およびメンブレンシート3の上に配列している。ただし、各図では、基板2とメンブレンシート3を、1つの押圧式入力装置1の単位を構成する大きさのものとして示している。
【0022】
図1に示す押圧式入力装置1は、基板2の表面2aに沿う方向がX方向とY方向である。Z1方向が表面2aから離れる上昇方向であり、Z2方向が表面2aに接近する下降方向である。案内部材5は基板2の表面2aを摺動してY1−Y2方向に移動する。Y2方向が、操作体6が下降するときに案内部材5が移動する案内方向である。
【0023】
図1に示す基板2は金属板で形成されている。基板2は、X1側の縁部の2箇所から案内掛止部21,21がZ1方向に折り曲げられて形成され、X2側の縁部の2箇所から案内掛止部22,22がZ1方向へ折り曲げられて形成されている。案内掛止部21,21に、Y方向に向けて細長く開口する係止長穴21a,21aが形成され、案内掛止部22,22に、同じくY方向に向けて細長く開口する係止長穴22a,22aが形成されている。
【0024】
基板2は、中央部が支持部23であり、支持部23よりもX1側に切り欠き部24が形成され、支持部23よりもX2側に切り欠き部25が形成されている。切り欠き部24には中心側に案内縁部24a,24bが形成され、切り欠き部25には中心側に案内縁部25a,25bが形成されている。案内縁部24a,24bはY方向に向けて所定の長さで形成され、案内縁部25a,25bもY方向に向けて所定の長さで形成されている。案内縁部24aと案内縁部25aは、X方向に間隔を空けて互いに平行でY方向へ直線状に形成されており、案内縁部24bと案内縁部25bも、X方向に間隔を空けて互いに平行でY方向へ直線状に形成されている。
【0025】
メンブレンシート3は、中央部3aが、基板2の支持部23の上に設置され、少なくとも支持部23と中央部3aとが粘着剤を介して固定されている。中央部3aよりもX1側に切り欠き部3bと3cが形成され、X2側に切り欠き部3d,3eが形成されている。基板2に形成された案内掛止部21,21は、切り欠き部3b,3bのそれぞれを通過してZ1方向へ延び出ており、案内掛止部22,22は、切り欠き部3d,3eのそれぞれを通過してZ1方向へ延び出ている。基板2に形成された案内縁部24aは切り欠き部3bの内部に露出し、案内縁部24bは切り欠き部3cの内部に露出している。また、案内縁部25aは切り欠き部3dの内部に露出し、案内縁部25bは切り欠き部3eの内部に露出している。
【0026】
図9の拡大断面図に示されているように、メンブレンシート3の中央部3aのさらに中心部分に検知部であるスイッチ機構30が設けられている。
【0027】
図9に示すように、メンブレンシート3は、基部シート31と可撓性の上部シート32と、両シート31,32の間に位置するスペーサシート33とを有している。基部シート31と上部シート32およびスペーサシート33は、絶縁性の合成樹脂シートであり、互いに接着固定されている。
【0028】
図9に示すように、スイッチ機構30を構成する部分では、スペーサシート33に穴が形成されており、基部シート31と上部シート32との間に空間部35が形成されている。空間部35の内部では、基部シート31の上面に対を成す固定接点36,36が設けられ、上部シート32の下面に可動接点37が設けられている。固定接点36,36と可動接点37は、金や銀などの薄膜で形成されている。
【0029】
付勢部材である弾性体4は、合成ゴムなどで形成されている。図1と図9に示すように、弾性体4は、リング状の基部41の下面が、メンブレンシート3の中央部3aの表面に設置され、粘着剤または接着剤を介して固定されている。弾性体4は、基部41の上部にテーパ形状の弾性変形部42を有している。図9に示すように、基部41と弾性変形部42の内部は空洞部46であり、空洞部46の内部に、上部45からZ2方向に延びる押圧部44が一体に形成されている。
【0030】
弾性体4は、Z方向へ圧縮された状態でメンブレンシート3と操作体6との間に配置されており、弾性体4の上部45によって、操作体6が常に上昇方向(Z1方向)へ付勢されている。弾性体4は操作体6の中央部に当接しており、操作体6はその中央部が上昇方向へ付勢されている。
【0031】
操作体6がZ2方向へ押されると、操作体6によって弾性体4が押し潰され、押圧部44によってスイッチ機構30が押される。この押圧力により、スイッチ機構30において、上部シート32が空間部35内に向けて撓み、可動接点37が固定接点36,36に接触してスイッチ機構30がOFFからONに切り換えられる。
【0032】
検知部として機能するスイッチ機構は、図9に示す構造に限定されるものではない。例えば、基部シート31の上面に高抵抗体の膜が形成され、上部シート32の下面に、前記高抵抗体よりも比抵抗の小さい低抵抗体の膜が形成され、高抵抗体の両端の抵抗値の変化が電圧変化などで検知されるものであってもよい。このスイッチ機構では、上部シート32が撓んで低抵抗体が高抵抗体に接触したときに、検知出力を得ることができるとともに、低抵抗体と高抵抗体との接触面積の変化を抵抗値の変化として取り出して、操作体6の押圧力の変化を検知することが可能になる。
【0033】
なお、3層構造のメンブレンシート3の代わりに、1枚の基部シート31が使用され、基部シート31の中央部に固定接点36,36や高抵抗体の膜が形成され、弾性体4の押圧部44の下端に可動接点37または低抵抗体の膜が形成されているものであってもよい。さらに、検知部およびスイッチ機構として、他の構造のものを使用することが可能である。
【0034】
案内部材5は合成樹脂材料で形成されている。図1に示すように、案内部材5は、Z方向の板厚寸法が、X方向とY方向の幅寸法よりも十分に薄い板形状である。
【0035】
図1と図4および図5に示すように、案内部材5には、Y1側に向く縁部5a付近から下降方向(Z2方向)に向けて対を成して突出する摺動凸部51と摺動凸部52が一体に形成されている。摺動凸部51と摺動凸部52はX方向に間隔を空けて設けられており、摺動凸部51と摺動凸部52の互いに対向する面に縁摺動部51a,52aが形成されている。また、図1と図4に示すように、摺動凸部51と摺動凸部52に、下向き(Z2向き)の面摺動部51b,52bが形成されている。面摺動部51bと面摺動部52bは、同一面上に形成されている。
【0036】
図4と図5に示すように、摺動凸部51は、基板2の切り欠き部24の内部に挿入され、縁摺動部51aが、案内縁部24aに摺動自在に当接し、面摺動部51bが基板2の表面2aに摺動自在に当接している。同様に、摺動凸部52は、基板2の切り欠き部25の内部に挿入され、縁摺動部52aが、案内縁部25aに摺動自在に当接し、面摺動部52bが基板2の表面2aに摺動自在に当接している。
【0037】
図5と図6に示すように、案内部材5には、Y2方向に向く縁部5b付近から下降方向に向けて対を成して突出する摺動凸部53と摺動凸部54が一体に形成されており、摺動凸部53は、基板2に形成された切り欠き部24に挿入され、摺動凸部54は切り欠き部25に挿入されている。摺動凸部53に形成された縁摺動部53aが、基板2に形成された案内縁部24bに摺動自在に当接し、摺動凸部53に形成された面当接部が、基板2の表面2aに摺動自在に当接している。同様に、摺動凸部54に形成された縁摺動部54aが、基板2に形成された案内縁部25bに摺動自在に当接しているとともに、摺動凸部54に形成された面当接部が基板2の表面2aに摺動自在に当接している。
【0038】
図4に示すように、案内部材5には、X1側に向く縁部5cから下方向(Z2方向)に突出する係止脚部55が形成され、係止脚部55にX1方向へ突出する係止突部55aが一体に形成されている。また、案内部材5には、X2側に向く縁部5dから下方向に突出する係止脚部56形成され、係止脚部56からX2方向へ突出する係止突部56aが一体に形成されている。
【0039】
図1に示すように、X2側の係止脚部56と係止突部56aは、Y方向に間隔を空けて一対設けられている。図には現れていないが、X1側の係止脚部55と係止突部55aも、同様にしてY方向に間隔を空けて一対設けられている。
【0040】
案内部材5は、基板2のX1側に形成された案内掛止部21,21とX2側に形成された案内掛止部22,22との間で、基板2に押し付けるようにして組み付けられる。このとき、図5に示すように、案内部材5から下降方向(Z2方向)へ突出する摺動凸部51と53が基板2の切り欠き部24に挿入され、摺動凸部52と54が切り欠き部25に挿入される。また、案内部材5のX2側に設けられた一対の係止脚部56,56がわずかに弾性変形して、図3と図4に示すように、係止突部56a,56aが、基板2の案内掛止部22,22に形成された係止長穴22a,22aに嵌合する。これとともに、案内部材5のX1側に設けられた一対の係止脚部55,55がわずかに弾性変形し、係止突部55a,55aが、案内掛止部21,21に形成された係止長穴21a,21aに嵌合する。
【0041】
係止突部55a,55aが係止長穴21a,21aに嵌合し、係止突部56a,56aが係止長穴22a,22aに嵌合することで、案内部材5が基板2に離れることなく組み付けられる。図3に示すように、係止突部56a,56aが係止長穴22a,22a内で移動できる範囲で、また係止突部55a,55aが係止長穴21a,21a内で移動できる範囲で、案内部材5が基板2上でY1−Y2方向へ移動可能になる。
【0042】
図5に示すように、案内部材5に設けられた摺動凸部51,53の縁摺動部51a,53aが基板2の案内縁部24a,24bを摺動し、摺動凸部52,54の縁摺動部52a,54aが案内縁部25a,25bを摺動する。摺動凸部51,52は、案内部材5のY1側に向く縁部5a付近に設けられ、摺動凸部53,54が、案内部材5のY2側に向く縁部5b付近に設けられて、摺動凸部51,52と摺動凸部53,54がY方向に長い距離を開けて配置されている。このように、案内部材5がY方向に距離を開けた位置で、4箇所の摺動凸部51,52,53,54によって、基板2上に支持されているため、案内部材5がX−Y平面内で大きく傾いたり大きくがたつきを生じることなくY方向へスムースに案内されて移動できる。
【0043】
図5に示すように、案内部材5に設けられた摺動凸部51と摺動凸部52とで基板2がX方向から挟まれ、摺動凸部53と摺動凸部54とで基板2がX方向から挟まれている。そのため、係止突部55a,55aが係止長穴21a,21aから外れにくく、係止突部56a,56aが係止長穴22a,22aから外れにくくなり、案内部材5が基板2上から不用意に離脱しにくくなる。
【0044】
図1に示すように、案内部材5の中央部に、Z1−Z2方向に貫通する逃げ穴57が形成されている。案内部材5が、基板2とメンブレンシート3の上に設置されると、前記弾性体4が前記逃げ穴57の内部に位置する。弾性体4はメンブレンシート3の上面に固定されており、一方において、案内部材5がY1−Y2方向へ移動するため、逃げ穴57はX方向の内径寸法よりもY方向の内径寸法が大きい長穴である。
【0045】
キートップである操作体6は合成樹脂材料で形成されている。図1と図2に示すように、操作体6は、Z1側に現れている表面が押圧部61である。操作体6には、Y1側の縁部から下降方向(Z2方向)へ一体に延びる側壁部62aと、Y2側の縁部から下降方向へ一体に延びる側壁部62bとが一体に形成され、X1側の縁部から下降方向へ一体に延びる側壁部63aと、X2側の縁部から下降方向へ一体に延びる側壁部63bが一体に形成されている。側壁部62a,62b,63a,63bが連続し、押圧部61の外周の全周を囲む周壁部が形成されている。
【0046】
図2に示すように、操作体6は、押圧部61の下面61aと側壁部62a,62b,63a,63bとで囲まれた空間部64を有している。図9に示すように、前記弾性体4の上部45は、空間部64の内部に位置し、弾性体4の上面が押圧部61の下面61aに当接している。
【0047】
図2に示すように、操作体6には、X1側の側壁部63aの内側において、Y1側とY2側のそれぞれの端部から下向き(Z2方向)に突出する一対の摺動突部66,66が一体に形成され、X2側の側壁部63bの内側において、Y1側とY2側のそれぞれの端部から下向きに突出する一対の摺動突部67,67が一体に形成されている。
【0048】
図3に示すように、基板2上に操作体6が組み付けられると、操作体6のX2側に設けられた摺動突部67,67が、基板2のX2側の縁部に形成された2つの案内掛止部22,22のY1側に向く縁部22bとY2側に向く縁部22cに当接する。また、操作体6のX1側に設けられた摺動突部66,66が、基板2のX1側の縁部に形成された2つの案内掛止部21,21のY1側に向く縁部21bとY2側に向く縁部21cに摺動する。摺動突部66,66で案内掛止部21,21がY方向の両側部から挟まれ、摺動突部67,67で案内掛止部22,22がY方向の両側から挟まれる。これにより、昇降案内部が構成されて、操作体6は、Y1−Y2方向へがたつくことなく、昇降方向(Z1−Z2方向)へのみ移動できるように組み付けられる。
【0049】
そして、案内部材5の上に操作体6が装着されると、主当接部70a,70b,70c,70dにおいて、案内部材5と操作体6とが容易に分離しないように且つ相対移動できるように組み合わされる。主当接部70a,70b,70c,70dは、図2に示すように、操作体6の下面61aから斜め下向きに突出する主突起71a,71b,71c,71dと、図1に示すように、案内部材5に形成された4箇所の穴部81a,81b,81c,81dとで構成されている。
【0050】
図1と図2に示すように、主当接部70a,70bと主当接部70c,70dは、操作体6の中心を通って基板2の表面2aと平行に延びる第1の中心線Oxを挟んで両側に配置され、主当接部70a,70cと主当接部70b,70dは、操作体6の中心を通り表面2aと平行で第1の中心線Oxと直交する第2の中心線Oyを挟んで両側に配置されている。
【0051】
図6と図7には、主当接部70bと主当接部70dが断面図で示されている。主当接部70bでは、操作体6から延びる主突起71bが、案内部材5に形成された穴部81bに挿入されている。主突起71bのY1方向に向く傾斜面は制御傾斜部72bであり、主突起71bのY2方向に向く傾斜面は第2の押圧傾斜部73bである。図8に拡大して示すように、制御傾斜部72bと第2の押圧傾斜部73bは、互いに平行であり、案内部材5が移動する案内方向であるY2方向に向かうにしたがって、上昇方向(Z1方向)に離れていく傾斜面である。図8に示すように、基板2の表面2aに対する制御傾斜部72bと第2の押圧傾斜部73bの立ち上がり角度θ1はほぼ45度である。この立ち上がり角度θ1は、例えば30〜60度の範囲で選択可能である。
【0052】
図6と図8に示すように、案内部材5に形成された穴部81bの縁部には、制御傾斜部72bと摺動する第2の摺動部82bと、第2の押圧傾斜部73bと摺動する第3の摺動部83bとが互いに対向して形成されている。第2の摺動部82bと第3の摺動部83bとの対向間隔が、穴部81bの開口幅である。第3の摺動部83bが形成されている部分では、案内部材5に薄肉部58が形成されて、薄肉部58がわずかに弾性変形できるようになっている。また、第2の摺動部82bが形成されている部分も、案内部材5の他の部分よりの薄肉になっており、わずかに弾性変形可能である。
【0053】
主突起71bの先部(下端部)には、第2の押圧傾斜部73bの下端部から連続して、表面2aからの立ち上がり角度が第2の押圧傾斜部73bよりも急になる拡張部74bが形成され、主突起71bの先部に、穴部81bの開口幅すなわち第2の摺動部82bと第3の摺動部83bとの対向間隔よりも幅寸法W1が大きい抜け止め部75bが一体に形成されている。
【0054】
操作体6を組み付けるときに、主突起71bの先部の抜け止め部75bを案内部材5の穴部81b内に強制的に挿入すると、第3の摺動部83bが設けられた薄肉部58と第2の摺動部82bが形成されている薄肉部分がわずかに弾性変形して、図6と図8に示すように、抜け止め部75bが穴部81bの内部に入り込む。その後は、主突起71bが穴部81bから抜け出にくくなる。
【0055】
図6に示すY2側の主当接部70dにおいても、操作体6に一体に設けられた主突起71dに、制御傾斜部72dと第2の押圧傾斜部73dが形成されている。主突起71dの先部には、拡張部74dが形成されて、抜け止め部75dが設けられている。穴部81dには第2の摺動部82dと第3の摺動部83dが形成されている。操作体6が案内部材5に組みつけられるときは、第2の摺動部82dが形成された部分がわずかに弾性変形し、抜け止め部75dが穴部81dに入り込む。
【0056】
図1と図2に示すように、主当接部70aと主当接部70bは、第2の中心線Oyを挟んで線対称に構成されている。操作体6に設けられた主突起71aには、制御傾斜部72aと第2の押圧傾斜部73bとが形成され、拡張部74aと抜け止め部75aが形成されている。図1に示すように、案内部材5に形成された穴部81aには、第2の摺動部82aと第3の摺動部83aとが形成され、第3の摺動部83aが形成された部分に薄肉部58が形成されている。
【0057】
主当接部70cと主当接部70dは、第2の中心線Oyを挟んで線対称に構成されている。操作体6に設けられた主突起71cには、制御傾斜部72cと第2の押圧傾斜部73cが形成され、拡張部74cと抜け止め部75cが形成されている。図1に示すように、案内部材5に形成された穴部81cには、第2の摺動部82cと第3の摺動部83cとが形成されている。
【0058】
それぞれの制御傾斜部72a,72c,72dの表面2aからの立ち上がり角度およびそれぞれの第2の押圧傾斜部73a,73c,73dの表面2aからの立ち上がり角度は、図8に示す制御傾斜部72bおよび第2の押圧傾斜部73bの立ち上がり角度θ1と同じである。
【0059】
図2に示すように、操作体6には、Y1側の側壁部62aの内側の中央に第1の押圧傾斜部77aが形成され、同じく側壁部62aの内側で且つX1側とX2側の両端部に第1の押圧傾斜部77b,77bが一体に形成されている。Y1−Y2方向のほぼ中央部では、X1−X2方向に位置する側壁部63a,63bの内側の2箇所に第1の押圧傾斜部78,78が形成されている。
【0060】
主突起71cと主突起71dとの中間位置にも第1の押圧傾斜部79aが形成されている。主突起71cには、制御傾斜部72cと並ぶ位置に第1の押圧傾斜部79bが一体に形成され、主突起71dにも、制御傾斜部72dと並ぶ位置に第1の押圧傾斜部79bが一体に形成されている。
【0061】
図8には、操作体6のY1側に設けられた第1の押圧傾斜部77bが示されている。第1の押圧傾斜部77bは、Y2方向に向かうにしたがって基板2の上昇方向(Z1方向)に向かう傾斜面である。第1の押圧傾斜部77bの基板2の表面2aからの立ち上がり角度θ2は、制御傾斜部72bおよび第2の押圧傾斜部73bの立ち上がり角度θ1よりも大きく、θ2はほぼ60度である。第1の押圧傾斜部77bの立ち上がり角度θ2は、制御傾斜部72bおよび第2の押圧傾斜部73bの立ち上がり角度θ1よりも大きければよく、例えば50〜75度の範囲で選択可能である。
【0062】
他の第1の押圧傾斜部77a,78,79a,79bは、図8に示した第1の押圧傾斜部77bと同じ傾斜面であり、立ち上がり角度θ2も同じである。
【0063】
図1に示すように、案内部材5のY1側の縁部5aの上部に、第1の押圧傾斜部77aと摺動する第1の摺動部87aおよび、第1の押圧傾斜部77b,77bとそれぞれ摺動する第1の摺動部87b,87bが設けられている。案内部材5のX1側の縁部5cとX2側の縁部5dには、それぞれ突起が一体に形成されており、突起の上縁部が、第1の押圧傾斜部78,78と摺動する第1の摺動部88,88となっている。
【0064】
案内部材5に形成された逃げ穴57の縁部に凹部が形成され、この凹部の上縁部が、第1の押圧傾斜部79aと摺動する第1の摺動部89aとなっている。また案内部材5の穴部81cのX1側の縁部と、穴部81dのX2側の縁部に、第1の押圧傾斜部79b,79bとそれぞれ摺動する第1の摺動部89b,89bが形成されている。
【0065】
図2に示すように、第1の押圧傾斜部77a,77b,77bと第1の摺動部87a,87b,87bとの摺動当接部は、主当接部70a,70bよりも、第1の中心線Oxから離れた位置であって、操作体6のY1側の縁部に位置している。第1の押圧傾斜部78,78と第1の摺動部88,88との摺動当接部は、それぞれの主当接部70a,70b,70c,70dよりも、第2の中心線Oyから離れた位置であって、操作体6のX1側とX2側の縁部に位置している。さらに、操作体6のY2側では、第1の押圧傾斜部79a,79b,79bが、制御傾斜部73c,73dとY方向においてほぼ同じ位置に設けられている。
【0066】
第1の押圧傾斜部77a,77b,78,79a,79bと第1の摺動部87a,87b,88,89a,89bとの摺動当接部は全部で8箇所であり、主当接部70a,70b,70c,70dの数よりも多くなっている。
【0067】
次に、前記押圧式入力装置1の動作を説明する。
図3と図4と図6および図8(A)は、操作体6にZ2方向の押圧力が作用していない非操作状態を示している。非操作状態では、弾性体4の上昇方向(Z1方向)への付勢力によって操作体6が上昇させられている。それぞれの主当接部70a,70b,70c,70dでは、制御傾斜部72a,72b,72c,72dと案内部材5に形成された第2の摺動部82a,82b,82c,82dとが摺動し、案内部材5がY1方向へ移動させられている。
【0068】
図8(A)に示すように、制御傾斜部72bの立ち上がり角度θ1よりも第1の押圧傾斜部77bの立ち上がり角度θ2の方が大きい。第1の押圧傾斜部77bと第1の摺動部87bとの当接点(a)と、制御傾斜部72bと第2の摺動部82bとの当接点(b)との距離をL1とすると、第1の押圧傾斜部77bの傾斜線Laと制御傾斜部72bの傾斜線Lbとの間隔が、いずれかの場所においで必ず前記距離L1と一致する。
【0069】
したがって、図8(A)に示すように、操作体6に形成された主突起71bと案内部材5に形成された穴部81bとの間に隙間δが存在していたとしても、操作体6がZ1方向へ上昇するときに、当接点(b)において制御傾斜部72bが第2の摺動部82bに当接すると、当接点(a)において、第1の摺動部87bが第1の押圧傾斜部77bに当接する。
【0070】
制御傾斜部72a,72b,72c,72dは4箇所に設けられ、第1の押圧傾斜部77a,77b,78,79a,79bは8箇所に設けられており、操作体6と案内部材5は、少なくとも3箇所の当接点(a)および少なくとも3箇所の当接点(b)とで必ず当接することになり、非操作状態において、操作体6および案内部材5にがたつきが生じない。
【0071】
図3に示すように、操作体6に形成された摺動突起67,67が案内掛止部22,22の縁部22b,22cを摺動し、X1側においても摺動突部66,66が、案内掛止部21,21の縁部21b,21cを摺動し、操作体6はY方向へ動くことなく昇降方向(Z方向)へのみ動作できるようになっている。また、非操作状態では、図8(A)に示すように、操作体6と案内部材5とが当接点(a)(b)で当接し、主突起71bが穴部81bからZ1方向へ抜け出ないように、操作体6と案内部材5とが互いに嵌合し合っている。したがって、非操作状態において、操作体6がZ1方向へ容易に抜け出ることがない。
【0072】
特に、それぞれの主突起71a,71b,71c,71dの先部に抜け止め部75a,75b,75c,75dが形成され、図6に示すように、抜け止め部75a,75b,75c,75dの幅寸法W1が、案内部材5に形成された穴部81a,81b,81c,81dの開口幅よりも大きいため、さらに操作体6がZ1方向へ外れるのを防止できる。
【0073】
ただし、図6に示すように、案内部材5は、第3の摺動部83a,83bの部分が薄肉部58であり、第2の摺動部82a,82b,82c,82dが形成されている部分も薄肉部であるため、組み立て時にそれぞれの主突起71a,71b,71c,71dを穴部81a,81b,81c,81dに挿入するときに前記薄肉部が弾性変形することで比較的容易に組み付けることができる。また、操作体6を強制的に強い力でZ1方向へ引っ張り上げると、前記薄肉部が弾性変形し、操作体6を取り外して押圧式入力装置1を分解することが可能である。
【0074】
非操作状態から操作体6がZ2方向へ押されると、図8(A)に示すように、第1の押圧傾斜部77bの下降力が当接点(a)において案内部材5の案内方向(Y2方向)への移動力に変換される。第1の押圧傾斜部77bの立ち上がり角度θ2よりも、第2の押圧傾斜部73bの立ち上がり角度θ1の方が小さい。そのため、操作体6が少し下降し、第1の押圧傾斜部77bに押されて案内部材5がY2方向へ移動し始めた直後に、第2の押圧傾斜部73bが第3の摺動部83bに当たる。その後は、操作体6の下降動作に伴って、図8(B)に示すように、案内部材5の第1の摺動部87bが第1の押圧傾斜部77bから離れ、第2の押圧傾斜部73bによって案内部材5がY2方向へ移動させられる。
【0075】
このように、操作体6が押されたときに、最初に第1の押圧傾斜部77bで第1の摺動部87bが押され、その後は、第2の押圧傾斜部73bで第3の摺動部83bが押されるため、主突起71bと穴部81bと間に隙間δが有っても、操作体6の下降力が、途切れることなく連続して案内部材5のY2方向への移動力に変換されることになり、操作体6と案内部材5が、がたつきを生じることなくスムースに動作できるようになる。
【0076】
この動作は、他の第1の押圧傾斜部77a,78,79a,79bと他の第2の押圧傾斜部87a,88,89a,89bとの当接部、および他の第2の押圧傾斜部73a,73c,73dと他の第3の摺動部83a,83c,83dとの当接部においても同じである。
【0077】
案内部材5がY2方向へ移動すると、4箇所の主当接部70a,70b,70c,70dにおいて、案内部材5に設けられた第2の摺動部82a,82b,82c,82dが制御傾斜部72a,72b,72c,72dを摺動し、それぞれの第2の摺動部82a,82b,82c,82dからそれぞれの制御傾斜部72a,72b,72c,72dに対してZ2方向への引き込み力が作用する。操作体6が押される際に、4箇所の主当接部70a,70b,70c,70dにおいて、操作体6にZ2方向への引き込み力が作用するため、操作体6の押圧部61のどの位置が押されても、図7に示すように、操作体6は水平姿勢を維持して下降させられる。
【0078】
図2と図6に示すように、操作体6のY1側の側壁部62aの内側に第1の押圧傾斜部77a,77b,77bが形成されている。そのため、図6に示すように、操作体6のY1側の縁部の偏った位置に操作力F1が与えられたとしても、直下に位置する第1の押圧傾斜部77a,77b,77bによって案内部材5がY2方向へ押され、案内部材5がY2方向へスムースに始動する。その後は、4箇所の第2の押圧傾斜部73a,73b,73c,73dによって案内部材5がY2方向へ移動させられ、4箇所の制御傾斜部72a,72b,72c,72dにZ2方向への引き込み力が作用して、操作体6が水平姿勢を保ったまま下降する。
【0079】
図2に示すように、操作体6のY2側の側壁部62bのすぐ内側に第1の押圧傾斜部79a,79b,79bが設けられている。そのため、図6に示すように、操作体6のY2側の縁部に偏った位置に操作力F2が与えられたとしても、その近くに有る第1の押圧傾斜部79a,79b,79bによって、案内部材5がY2方向へ始動させられ、案内部材5をY2方向へ移動させることができ、操作体6を水平姿勢を保った状態で下降させることができる。
【0080】
このように、図6に示すように、案内部材5のY1方向の全長に近いL2の範囲において、操作体6のどの位置に操作力を与えても、案内部材5を案内方向(Y2方向)への始動させることができ、操作体6を水平姿勢を維持したまま下降動作させることが可能になる。
【0081】
さらに、図2に示すように、操作体6のX1側の側壁部63aの内側と側壁部63bの内側に、第1の押圧傾斜部77b,78,79bが設けられているため、操作体6のX1側の縁部やX2側の縁部の偏った場所が押されたときも、案内部材5がY2方向へ向けて直ちに始動し、操作体6が水平姿勢を維持してスムースに下降するようになる。
【0082】
図7に示すように、操作体6が下降すると、図9に示される弾性体4の押圧部44によって、スイッチ機構30の上部シート32が押され、可動接点37が固定接点36,36に接触して、スイッチ機構30がONに切り換えられる。
【0083】
スイッチ機構30がONに切り換えられた後に、操作体6に与えられるZ2方向への押圧力が解除されると、弾性体4の復元力が、操作体6の中央部に対してZ1方向へ作用する。操作体6は中央部が押されて安定した姿勢でZ1方向へ移動する。このとき、4箇所の制御傾斜部72a,72b,72c,72dから第2の摺動部82a,82b,82c,82dにY1方向へ案内する力が作用し、案内部材5がY1方向へ移動して復帰する。
【符号の説明】
【0084】
1 押圧式入力装置
2 基板
2a 基板の表面
3 メンブレンシート
4 弾性体
5 案内部材
6 操作体
21,22 案内掛止部
21a,22a 係止長穴
24,25 切り欠き部
24a,25a 案内縁部
30 スイッチ機構(検知部)
51,52,53,54 摺動凸部
51a,52a,53a,54a 縁摺動部
51b,52b 面摺動部
55,56 係止脚部
55a,56a 係止突部
58 薄肉部
66,67 摺動突部
70a,70b,70c,70d 主当接部
71a,71b,71c,71d 主突起
72a,72b,72c,72d 制御傾斜部
73a,73b,73c,73d 第2の押圧傾斜部
74a,74b,74c,74d 拡張部
75a,75b,75c,75d 抜け止め部
77a,77b,78,79a,79b 第1の押圧傾斜部
81a,81b,81c,81d 穴部
82a,82b,82c,82d 第2の摺動部
83a,83b,83c,83d 第3の摺動部
87a,87b,88,89a,89b 第1の摺動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板の面に向かう下降方向と前記面から離れる上昇方向へ移動自在な操作体と、前記操作体を上昇方向に付勢する付勢部材と、前記基板と前記操作体との間に位置して前記面に沿う案内方向へ移動自在な案内部材と、前記操作体によって動作させられる検知部とが設けられ、
前記操作体の案内方向に間隔を空けた位置から前記基板に向けて突出する複数の突起が一体に形成され、前記案内部材に、前記突起が個別に挿入される複数の穴部が形成されており、
それぞれの前記突起に、前記操作体の下降力を前記案内部材の案内方向への移動力に変換する押圧傾斜部と、前記案内部材の案内方向への移動力を前記操作体の下降力に変換する制御傾斜部とが形成され、それぞれの前記穴部の縁部に、前記押圧傾斜部と摺動する摺動部および前記制御傾斜部と摺動する摺動部が対向して形成されており、
それぞれの前記突起の先部に、対向する前記摺動部どうしの間隔よりも幅寸法が大きい抜け止め部が設けられていることを特徴とする押圧式入力装置。
【請求項2】
前記案内部材は、少なくとも1つの前記摺動部を含む部分が、他の領域よりも薄肉に形成されて弾性変形可能とされている請求項1記載の押圧式入力装置。
【請求項3】
前記突起と前記穴部が、前記操作体の中心を通過して前記面と並行に延びる中心線を挟む両側に配置されている請求項1または2記載の押圧式入力装置。
【請求項4】
前記突起と前記穴部が、前記操作体の中心を通過して前記面と並行に互いに直交して延びる第1の中心線Oxと第2の中心線Oyのそれぞれを挟む両側に配置されている請求項1または2記載の押圧式入力装置。
【請求項5】
前記付勢部材が弾性体で形成され、前記基板の上に前記検知部であるスイッチ機構が配置され、前記弾性体で前記スイッチ機構が押圧される請求項1ないし4のいずれかに記載の押圧式入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−59513(P2012−59513A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201190(P2010−201190)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】