説明

排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法および排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法および排ガス浄化用メタルフィルタ

【課題】従来の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法では、メタルフィルタの表面がスラリーをはじいてしまうため、一度の含浸で担持できる触媒の量が少ないという課題があった。また、フィルタ表面と触媒との密着性が悪いため、担持した触媒が剥離しやすいという課題もあった。
【解決手段】はじめに、ステンレス製のメタルフィルタ1を1100℃で1時間焼成し、表面に酸化被膜2を形成させた。次いで、メタルフィルタ1シリカ濃度が重量比で40%のシリカゾルに含浸した後、余剰のゾルをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、シリカ層3を形成させた。次いで、Pt担持アルミナの濃度が重量比で4.5%のスラリーに、メタルフィルタ1を含浸した後、余剰のスラリーをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、Pt担持アルミナ層4を形成させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用エンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための排ガス浄化用メタルフィルタ及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンは熱効率が高く、燃費が良いことから二酸化炭素の排出量が少なく、大気環境保全、地球温暖化防止の観点から注目されている。しかしその一方で、ディーゼル排ガス中には人体や環境に悪影響を及ぼす窒素酸化物(NOx)やパティキュレート(PM)が多く含まれている。
【0003】
近年、自動車等から排出される排ガスに対する規制がますます厳しくなっており、NOxやPMの低減が望まれている。これらはエンジンの改良により大幅に低減されてはいるが、厳しい規制をクリアするためにはエンジンから排出された排ガスを浄化するための後処理が不可欠である。
【0004】
PMを低減させるための後処理技術としては、触媒担持DPFがある。これは、触媒を担持したフィルタにPMを捕集し、排ガスの熱を利用して連続的にPMを燃焼するシステムである。このフィルタの素材には、コージェライトや炭化珪素などのセラミックス、またはステンレスなどの金属が主に使用されている。
【0005】
従来、この種の排ガス浄化用メタルフィルタは、触媒を分散させたスラリーにメタルフィルタを含浸させ、乾燥することにより、フィルタに触媒を担持している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−145836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法では、メタルフィルタの表面がスラリーをはじいてしまうため、一度の含浸で担持できる触媒の量が少ないという課題があった。また、フィルタ表面と触媒との密着性が悪いため、担持した触媒が剥離しやすいという課題もあった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、メタルフィルタの表面がスラリーをはじいてしまうことなく、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、上記の方法により製造された排ガス浄化用メタルフィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法は、メタルフィルタの表面に酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成した後に、耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する、二つの前処理工程を経てから、排ガス浄化触媒を分散または/および溶解させた液に、メタルフィルタを含浸することを特徴とするものである。
【0010】
この製造方法により、メタルフィルタの表面がスラリーをはじいてしまうことなく、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用メタルフィルタを製造することができる。
【0011】
また、本発明の排ガス浄化用メタルフィルタは、上記の方法により製造されたことを特徴とするフィルタである。この排ガス浄化用メタルフィルタを、ディーゼルエンジンを搭載した車両のマフラーに装着することにより、排ガス中のPM、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン(HC)を効果的に浄化させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、この製造方法により、メタルフィルタの表面がスラリーをはじいてしまうことなく、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法を提供することができる。
【0013】
また、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効率よく浄化することができる排ガス浄化用メタルフィルタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明は、触媒を担持する前に、触媒担持量を増やすための表面処理をすることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0015】
これにより、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用フィルタを製造することができる。
【0016】
また、ここに示すメタルフィルタには、発泡金属、金属製不織布、金属製ファイバーメッシュやこれらの組合せによって造られる金属材料などを用いることができる。
【0017】
また、金属の種類は特に限定しないが、ステンレスなどの耐腐食性、耐熱性、耐衝撃性に優れる材料を用いるのが好ましい。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は、前述の触媒担持量を増やすための表面処理が、その後に担持する触媒を含むスラリーまたは/およびゾルをはじかないようにする処理であることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0019】
これにより、メタルフィルタ表面が触媒を含むスラリーまたは/およびゾルをはじかないようになるので、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、前述の触媒担持量を増やすための表面処理が、メタルフィルタの表面積を増やす処理であることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0021】
メタルフィルタの表面積を増やすことにより、メタルフィルタ表面と、触媒を含むスラリーまたは/およびゾルとの、接触面積が増えるため、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができる。
【0022】
また、請求項4に記載の発明は、メタルフィルタの表面に酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成することを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0023】
メタルフィルタの表面に酸化被膜を形成させることにより、メタルフィルタ表面の表面積をふやすことができるので、メタルフィルタ表面と、触媒を含むスラリーまたは/およびゾルとの、接触面積が増え、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明は、耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する前処理工程を含むことを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0025】
これにより、メタルフィルタの表面を、耐熱性を有する無機酸化物で覆うことができるので、メタルフィルタ表面の表面積が非常に大きくなり、その後に担持する触媒の担持量を大幅に増やすことができる。
【0026】
また、耐熱性を有する無機酸化物で表面を覆うことにより、フィルタ自体の耐腐食性や耐熱性を高めることができる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明は、メタルフィルタの表面に酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成した後に、耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する、二つの前処理工程からなることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0028】
はじめに、酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成するにより、メタルフィルタ表面の表面積をふやすことができるので、耐熱性を有する無機酸化物の担持量が増加し、かつ、密着性が向上するため剥離しにくくなる。つぎに、耐熱性を有する無機酸化物で被覆することにより、メタルフィルタ表面の表面積が非常に大きくなり、その後に担持する触媒を含むスラリーまたは/およびゾルとの、接触面積が増えるため、触媒の担持量を大幅に増やすことができる。したがって、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用フィルタを製造することができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明は、前述の耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する前処理工程が、耐熱性を有する無機酸化物のゾルを用いて被覆する工程であることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0030】
ゾルを用いて被覆する方法としては、メタルフィルタをゾルに含浸する、ゾルをメタルフィルタ内部に流し込む、ゾルをスプレーする、または、ゾルをはけ等で塗る、といった方法が挙げられる。
【0031】
また、メタルフィルタとゾルのぬれ性を向上させるために界面活性剤を添加するのも良いし、密着性を向上させるためにバインダを添加するのも良い。ただし、界面活性剤やバインダは、乾燥または焼成の際に、燃焼または分解してしまうものが好ましい。
【0032】
また、請求項8に記載の発明は、前述のゾル中の耐熱性を有する無機酸化物の濃度が、重量比で40%以下であることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0033】
これにより、メタルフィルタに耐熱性を有する無機酸化物を均一、かつ、薄層として被覆することができる。
【0034】
ゾル中の耐熱性を有する無機酸化物の濃度が低すぎると、被覆されない部分ができてしまう可能性があり、また、濃度が高すぎると無機酸化物が塊になって剥離しやすくなる、フィルタの目を詰まらせてしまう、などの可能性があるため、無機酸化物の濃度は重量比で20%〜40%であるのが好ましい。
【0035】
また、請求項9に記載の発明は、前述の耐熱性を有する無機酸化物が、Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物であることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法である。
【0036】
耐熱性を有する無機酸化物としては、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの無機酸化物を用いることができ、さらに、これらの混合物および複合酸化物を用いるのも良い。
【0037】
また、請求項10に記載の発明は、前述の前処理をした後、排ガス浄化触媒を分散または/および溶解させた液に、メタルフィルタを含浸することを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法である。
【0038】
この製造方法により、メタルフィルタに一度の含浸で担持できる排ガス浄化触媒の量を増やすことができる。
【0039】
また、含浸した後にエアブローするなどして余剰液を除去し、乾燥、次いで、焼成することにより、排ガス浄化触媒をその位置に固定する操作をするのが好ましい。
【0040】
また、請求項11に記載の発明は、排ガス浄化触媒を分散または/および溶解させた液に、メタルフィルタを含浸した後、還元雰囲気で焼成することを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法である。
【0041】
この製造方法により、金属粒子で存在することにより高い排ガス浄化能を発揮する金属が、金属塩や金属酸化物になっている場合に、金属塩や金属酸化物から金属粒子に還元することができるため、高い排ガス浄化能を発揮することができる。
【0042】
ここに示す還元雰囲気とは、酸素を含まない雰囲気ということを示している。触媒を還元雰囲気炉に入れ、脱気した後、窒素などの還元ガスを導入すればよい。さらに好ましくは、水素など還元能の高いガスを混合するのが良い。
【0043】
また、請求項12に記載の発明は、前述の排ガス浄化触媒が、Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物と、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物とを、含むことを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法である。
【0044】
Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物を担体とすることにより、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物を高分散に担持させることができるので、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効率よく浄化することができる。
【0045】
また、請求項13に記載の発明は、前述のSi、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物が、アルミナであることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法である。
【0046】
比表面積の大きなアルミナを、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物の担体として用いることにより、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物を高分散に担持することができるため、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効率よく浄化することができる。
【0047】
また、請求項14に記載の発明は、前述のPt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物が、Ptであることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法である。
【0048】
Ptの酸化力が非常に高いため、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効率よく浄化することができる。
【0049】
また、請求項15に記載の発明は、上記の方法により製造された排ガス浄化用メタルフィルタである。
【0050】
上記の方法により製造された排ガス浄化用メタルフィルタは、Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物と、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物とを、含む触媒が担持されているため、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効率よく浄化することができる。
【0051】
また、触媒担持する前に、メタルフィルタと、排ガス浄化触媒との、密着性を向上させるための前処理をしているため、触媒が剥離しにくいフィルタとなる。
【0052】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0053】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1における排ガス浄化用メタルフィルタの概念断面図を示す。はじめに、ステンレス製のメタルフィルタ1を1100℃で1時間焼成し、表面に酸化被膜2を形成させた。次いで、メタルフィルタ1をシリカ濃度が重量比で40%のシリカゾルに含浸した後、余剰のゾルをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、耐熱性を有する無機酸化物であるシリカ層3を形成させた。次いで、Pt担持アルミナの濃度が重量比で4.5%のスラリーに、メタルフィルタ1を含浸した後、余剰のスラリーをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、Pt担持アルミナ層4を形成させた。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
(サンプルA)10cm×10cmのステンレス板を1100℃で1時間焼成し、ステンレス板表面に酸化被膜2を形成させた。次いで、シリカ濃度が重量比で40%のシリカゾルをステンレス板の表面にはけで塗り、余剰のゾルをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、耐熱性を有する無機酸化物であるシリカ層3を形成させた。次いで、Pt担持アルミナの濃度が重量比で4.5%のスラリーをステンレス板の表面にはけで塗り、余剰のスラリーをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、Pt担持アルミナ層4を形成させた。
【0055】
(サンプルB)10cm×10cmのステンレス板を1100℃で1時間焼成し、ステンレス板表面に酸化被膜2を形成させた。次いで、Pt担持アルミナの濃度が重量比で4.5%のスラリーをステンレス板の表面にはけで塗り、余剰のスラリーをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、Pt担持アルミナ層4を形成させた。
【0056】
(サンプルC)10cm×10cmのステンレス板の表面に、Pt担持アルミナの濃度が重量比で4.5%のスラリーをはけで塗り、余剰のスラリーをエアブローで除去し、100℃で1時間乾燥後、600℃で5時間焼成することにより、Pt担持アルミナ層4を形成させた。
【0057】
(評価例1)
実施例1で作製した各サンプルに対して、Pt担持アルミナ層4の形成前後の重量から、Pt担持アルミナの担持量を測定した。
【0058】
【表1】

【0059】
測定結果の評価例1におけるサンプルのPt担持アルミナの担持量を表1に示す。表1より、前処理をしなかったサンプルCにはPt担持アルミナを担持させることができなかった。これは、ステンレス表面がスラリーをはじいてしまうため、エアブローしたときにほとんどすべてのスラリーが除去されてしまったためである。
【0060】
サンプルBには、0.0078gのPt担持アルミナが担持された。酸化被膜2が形成されたことにより、ステンレス表面とスラリーとの親和性が良くなり、Pt担持アルミナが担持されやすくなったと考えられる。
【0061】
サンプルAには、0.0167gのPt担持アルミナが担持された。スラリーがシリカ層3に染み込むため、酸化被膜2上に担持させたサンプルBよりも担持量が大幅に増えたと考えられる。
【0062】
(評価例2)
実施例1で作製したサンプルAとサンプルBとを、それぞれガラス容器に入れ、ステンレス板がすべて浸るようにイオン交換水を加え、1時間超音波振動させた。100℃で1時間乾燥後、重量測定し、Pt担持アルミナの残存率を算出した。
【0063】
【表2】

【0064】
測定結果の評価例2におけるサンプルのPt担持アルミナの残存率を表2に示す。表2より、酸化被膜2と、耐熱性を有する無機酸化物であるシリカ層3とを形成させたサンプルAは、水中で1時間超音波振動させても93%、2時間でも87%の触媒が残存することがわかった。これにより、本発明の製造前処理を行うことによって、メタルフィルタに対する触媒の密着性が良くなり、触媒が剥離しにくくなることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法により、メタルフィルタの表面が排ガス浄化触媒を含むスラリーをはじいてしまうことなく、一度の含浸で担持できる触媒の量を増やすことができ、かつ、担持した触媒が剥離しにくい排ガス浄化用メタルフィルタを製造することができるので有用である。
【0066】
また、本発明の排ガス浄化用メタルフィルタを、ディーゼルエンジンを搭載した車両のマフラーに装着することにより、排ガス中のPM、NO、CO、HCなどを効果的に燃焼させることができるので有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1における排ガス浄化用メタルフィルタの概念断面図
【符号の説明】
【0068】
1 メタルフィルタ
2 酸化被膜
3 シリカ層
4 Pt担持アルミナ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒を担持する前に、触媒担持量を増やすための表面処理をすることを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項2】
触媒担持量を増やすための表面処理が、その後に担持する触媒のスラリーまたは/およびゾルをはじかないようにする処理であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項3】
触媒担持量を増やすための表面処理が、メタルフィルタの表面積を増やす処理であることを特徴とする請求項1または2記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項4】
メタルフィルタの表面に酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項5】
耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する前処理工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項6】
メタルフィルタの表面に酸化被膜が形成される温度でフィルタを焼成した後に、耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する、二つの前処理工程からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項7】
耐熱性を有する無機酸化物でメタルフィルタを被覆する前処理工程が、耐熱性を有する無機酸化物のゾルを用いて被覆する工程であることを特徴とする請求項5または6記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項8】
ゾル中の耐熱性を有する無機酸化物の濃度が、重量比で40%以下であることを特徴とする請求項7記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項9】
耐熱性を有する無機酸化物が、Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法を実施した後、排ガス浄化触媒を分散または/および溶解させた液に、メタルフィルタを含浸することを特徴とする排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法。
【請求項11】
排ガス浄化触媒を分散または/および溶解させた液に、メタルフィルタを含浸した後、還元雰囲気で焼成することを特徴とする請求項10記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法。
【請求項12】
排ガス浄化触媒が、Si、Ti、Al、Zrから選択される少なくとも1種を含む酸化物を担体とし、Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物が担持されている触媒であることを特徴とする請求項10または11記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法。
【請求項13】
排ガス浄化触媒の担体が、アルミナであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法。
【請求項14】
Pt、Pd、Rhから選択される少なくとも1種を含む化合物が、Ptであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれかに記載の方法により製造された排ガス浄化用メタルフィルタ。

【図1】
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【公開番号】特開2007−83204(P2007−83204A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277753(P2005−277753)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】