説明

排気浄化装置

【課題】アンモニアスリップ量を抑制しながら、コストを改善して良好なNOx浄化を実現可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】アンモニアを還元剤として排気中のNOxを浄化するNOx触媒(40)と、NOx触媒(40)にアンモニアを供給するアンモニア供給手段(54)と、NOx触媒(40)の内部の温度を検出する触媒温度検出手段(72)と、アンモニア供給手段(54)からNOx触媒(40)にアンモニアを供給しているときに、NOx触媒(40)内部の温度が第1所定温度以上になるという中止条件が成立すると、アンモニア供給手段(54)からのアンモニアの供給を中止する制御手段(72)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気を浄化するための排気浄化装置に関し、特にアンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元浄化するNOx触媒を備えた排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから排出される排気中に含まれる汚染物質の1つであるNOx(窒素酸化物)を浄化するための排気浄化装置として、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型のNOx触媒を配設し、還元剤であるアンモニアをNOx触媒に供給することにより、排気中のNOxを浄化するようにした排気浄化装置が用いられている。
このような排気浄化装置では、NOx触媒の上流側に尿素水を供給し、この尿素水が排気の熱により加水分解して生じたアンモニアがNOx触媒に供給される。NOx触媒に供給されたアンモニアは一旦NOx触媒に吸着され、このアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がNOx触媒によって促進されることによりNOxの浄化が行われる。
【0003】
このようにアンモニアを還元剤として排気中のNOxを浄化するNOx触媒を備えたエンジンの排気浄化装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2003−343241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなNOx触媒でNOxを効率よく浄化するためには、十分な量のアンモニアをNOx触媒に吸着させておく必要がある。
一方、NOx触媒に吸着可能なアンモニアの量は、NOx触媒の温度の上昇と共に減少する傾向にあり、NOx触媒に吸着しているアンモニアは温度の上昇と共に脱離しやすくなる。NOx触媒の温度上昇が比較的緩やかであれば、NOx触媒から離脱したアンモニアはNOxの還元剤として消費されるが、エンジンの急加速などでNOx触媒の温度が急上昇した場合には、NOx触媒から離脱したアンモニアも急増する。このため、その一部は温度の上昇によってNOx触媒に吸着しなかったアンモニアと共にNOx触媒から流出し、アンモニアスリップ量が増大することとなる。
【0005】
従って、NOxを効率よく浄化するために十分な量のアンモニアをNOx触媒に吸着させておくと、NOx触媒の温度が急上昇した場合に大量のアンモニアスリップが発生してしまうことになる。一方、このようなアンモニアスリップを抑制するために、NOx触媒へのアンモニア供給量を減少させると、NOxを効率よく浄化することができないという問題が発生する。
【0006】
特許文献1の排気浄化装置では、排気温度低下時に尿素水の供給を停止するようにしているが、これはNOx触媒の温度上昇に伴って増大するアンモニアスリップを防止するものではなく、上述したような問題点を有するものである。
また、アンモニアを還元剤とするNOx触媒では、NOx触媒が浄化可能なNOxの量に対応した量のアンモニアがNOx触媒に供給され、その全量がNOxの浄化に使用されることが理想的であるが、実際には供給されたアンモニアの一部がNOxの浄化に寄与することなくNOx触媒から流出する。
【0007】
NOx触媒から流出したアンモニアが大気中に放出されるのを防止するため、NOx触媒の下流側に酸化触媒を配置することが知られている。
この酸化触媒は、NOx触媒から流出したアンモニアを酸化し、NまたはNOxとする。更に、このとき生成されたNOxは、酸化触媒に流入するアンモニアによりNとなる。こうして、NOx触媒から流出したアンモニアは酸化触媒により無害なNに転化されて大気に放出される。
【0008】
このような酸化触媒をNOx触媒の下流に配設することにより、大気中へのアンモニアの放出を防止することができるが、例えば車両に搭載されるエンジンなどの場合には酸化触媒を搭載するためのスペースを確保する必要が生じるほか、酸化触媒の触媒物質として高価な貴金属を使用するため、コストが増加するなどの問題が生じる。
また、酸化触媒を設けることによりアンモニアスリップを抑制することができるので、NOxの浄化を効率よく行うことを優先すると、NOx触媒の温度上昇によって生じるアンモニアスリップで失われたアンモニアを補充するため、必要量よりも余分に尿素水を供給することになり、余分に供給した尿素水の分だけコストが増大するという問題がある。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アンモニアスリップ量を抑制しながら、コストを改善して良好なNOx浄化を実現可能な排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒にアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、前記NOx触媒の内部の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記アンモニア供給手段から前記NOx触媒にアンモニアを供給しているときに、前記触媒温度検出手段によって検出された温度が第1所定温度以上になるという中止条件が成立すると、前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を中止する制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
このように構成された排気浄化装置によれば、アンモニア供給手段からNOx触媒にアンモニアを供給しているときに、触媒温度検出手段によって検出されたNOx触媒内部の温度が第1所定温度以上になると、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止される。
より具体的には、このような排気浄化装置において、前記第1所定温度は、前記NOx触媒に吸着しているアンモニアが前記NOx触媒の温度上昇により脱離を開始する脱離開始温度に基づき設定されることを特徴とする(請求項2)。
【0012】
アンモニアを還元剤とするNOx触媒では、内部の温度が上昇してある温度(脱離開始温度)以上になると、それまでにNOx触媒に吸着したアンモニアが脱離し始める。従って、このように構成された排気浄化装置では、NOx触媒の温度が上昇することによりNOx触媒に吸着していたアンモニアがNOx触媒からの離脱を開始するのに対応して、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止される。
【0013】
また前記排気浄化装置において、前記中止条件は、更に前記NOx触媒内部の温度が前記第1所定温度より高い第2所定温度以下のときであることを特徴とする(請求項3)。
このように構成された排気浄化装置では、アンモニア供給手段からNOx触媒にアンモニアを供給しているときに、触媒温度検出手段によって検出されたNOx触媒内部の温度が第1所定温度以上であり、かつ第1所定温度より高い第2所定温度以下のときに、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止される。
【0014】
より具体的には、このような排気浄化装置において、前記第2所定温度は、前記NOx触媒にアンモニアが吸着可能な温度領域の上限である吸着限界温度に基づき設定されることを特徴とする(請求項4)。
NOx触媒の温度上昇に伴うアンモニアスリップは、NOx触媒に吸着したアンモニアがNOx触媒の温度上昇によって脱離することによって発生する。従って、NOx触媒にアンモニアが吸着しなければ、このようなアンモニアスリップも生じないことになる。そこで、このように構成した排気浄化装置では、アンモニアスリップ発生の要因となるアンモニアの吸着が行われる温度領域に対応して、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止される。
【0015】
また、これらの排気浄化装置のいずれかにおいて、前記中止条件は、更に前記NOx触媒内部の温度の変化速度が所定値以上のときであることを特徴とする(請求項5)。
このように構成された排気浄化装置によれば、上記いずれかの排気浄化装置における中止条件が成立し、かつNOx触媒内部の温度の変化速度が所定値以上であるときに、アンモニアスリップが発生する可能性が高いものとして、アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を中止する。
【0016】
更に、このような排気浄化装置において、前記制御手段は、前記中止条件が成立して前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を中止した後、前記NOx触媒内部の温度変化が減少方向にあるときに、前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を再開することを特徴とする(請求項6)。
このように構成された排気浄化装置では、NOx触媒の内部温度が減少方向にあれば、アンモニアスリップが発生する可能性は低いと判断して、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給を再開する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の排気浄化装置によれば、NOx触媒内部の温度が第1所定温度以上になったときに、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止されるようにしたので、NOx触媒内部の温度が上昇してアンモニアスリップが発生する可能性があるときにアンモニアの供給を中止し、良好にアンモニアスリップの発生を抑制することが可能となる。
従って、NOx触媒の下流側に酸化触媒を設ける場合には、NOx触媒からのアンモニアスリップ量が少ないため、酸化触媒に担持する貴金属の量を低く抑えることが可能となり、排気浄化装置のコストを低減することができる。
【0018】
更に、アンモニアスリップにより浪費されるアンモニアの量が減少するため、アンモニアに要するコストも低く抑えることが可能となる。
より具体的にした請求項2の排気浄化装置によれば、NOx触媒の温度が上昇することによりNOx触媒に吸着していたアンモニアがNOx触媒からの離脱を開始するのに対応して、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止されるので、必要以上にアンモニアの供給が中止されてNOx浄化効率を低下させることなく、より一層確実にアンモニアスリップを抑制することが可能となる。
【0019】
更にまた、請求項3の排気浄化装置によれば、NOx触媒内部の温度がアンモニアスリップが発生する可能性がより高い領域にあるときにアンモニアの供給を中止することが可能となるので、必要以上にアンモニアの供給が中止されてNOx浄化効率を低下させることなく、確実にアンモニアスリップを抑制することが可能となる。
より具体的にした請求項4の排気浄化装置によれば、アンモニアスリップの発生の要因となるアンモニアの吸着が行われる温度領域に対応して、アンモニア供給手段からのアンモニアの供給が中止されるので、必要以上にアンモニアの供給が中止されてNOx浄化効率を低下させることなく、より一層確実にアンモニアスリップを抑制することが可能となる。
【0020】
また、請求項5の排気浄化装置によれば、上述したいずれかの排気浄化装置における中止条件が成立し、かつNOx触媒内部の温度の変化速度が所定値以上であるときに、アンモニアの供給を中止するようにした。これにより、NOx触媒内部の温度がアンモニアスリップの発生する可能性が高い領域にあるばかりでなく、温度の急激な上昇によりアンモニアスリップが発生する可能性が高い場合にアンモニアの供給が中止され、必要以上にアンモニアの供給が中止されてNOx浄化効率を低下させることなく、より一層確実にアンモニアスリップの発生を抑制することが可能となる。
【0021】
更に、請求項6の排気浄化装置によれば、NOx触媒の内部温度が減少方向にあれば、アンモニアスリップが発生する可能性はないものとして、アンモニアの供給を再開するようにしたので、アンモニアスリップが発生する可能性が低い場合には迅速にアンモニアの供給を再開して、NOxの浄化を良好に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の1実施形態に係る排気浄化装置が適用される4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)のシステム構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、燃料噴射ポンプ(図示せず)から供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油が、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給され、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に軽油が噴射される。
【0023】
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気流量センサ16が設けられている。
【0024】
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管(排気通路)20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動する。
【0025】
排気後処理装置28は、上流側ケーシング30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通された下流側ケーシング34とで構成される。
上流側ケーシング30内には、その上流側に前段酸化触媒36が収容され、下流側にパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。
前段酸化触媒36は、排気中のNOを酸化してNOに転化し、下流側のフィルタ38に供給する。またフィルタ38はハニカム型のセラミック担体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化する。フィルタ38に捕集されて堆積したパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されるNOと反応して酸化することによりフィルタ38から除去され、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
【0026】
一方、下流側ケーシング34内には、その上流側にアンモニア選択還元型のNOx触媒40が、また下流側に後段酸化触媒42が収容されている。
NOx触媒40は、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元することによりエンジン1の排気を浄化するものであって、前段酸化触媒36によって排気中のNOがNOに転化されることにより、NOx触媒40にはNOより還元しやすいNOが主として供給される。
【0027】
後段酸化触媒42は、NOx触媒40から流出したアンモニアを酸化してNとするものである。この後段酸化触媒42は、後述するフィルタ38の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCOを酸化し、COとして大気中に排出する機能も有している。
このように構成された排気後処理装置28の上流側ケーシング30内には、フィルタ38の前後に、フィルタ38上流側の排気圧力を検出する上流圧力センサ44と、フィルタ38下流側の排気圧力を検出する下流圧力センサ46とが設けられている。
【0028】
排気絞り弁26と排気後処理装置28との間の排気管20には、排気後処理装置28に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ50と、燃料噴射ポンプ(図示せず)から燃料が供給され、排気管20内の排気中に燃料を噴射する燃料添加弁52とが設けられている。
この燃料添加弁52は、フィルタ38の強制再生が必要となったときに排気中に燃料を噴射することにより、酸化触媒36にHCを供給し、酸化触媒36におけるHCの酸化により高温となった排気をフィルタ38に供給してフィルタ38の昇温を行うものである。
【0029】
また、排気後処理装置28の連通路32には、連通路32内の排気中に尿素水を噴射供給する噴射ノズル(アンモニア供給手段)54が設けられており、噴射ノズル54は尿素水噴射管56を介して尿素水噴射装置58に接続されている。
尿素水噴射装置58は、エアポンプ(図示せず)によって圧縮された加圧空気を蓄えたエアタンク60から供給される加圧空気中に、尿素水タンク62から尿素水供給ポンプ(図示せず)により供給される尿素水を噴出し、尿素水噴射管56を介して噴射ノズル54に加圧空気と共に尿素水を供給するものであって、エア供給管64を介してエアタンク60に接続されると共に、尿素水供給管66を介して尿素水タンク62に接続されている。
【0030】
エア供給管64にはエア制御弁68が設けられ、このエア制御弁68を開閉制御することにより、尿素水噴射装置58への加圧空気の供給量が調整される。また、尿素水供給通路66には尿素水制御弁70が設けられ、この尿素水制御弁70を開閉制御することにより、尿素水噴射装置58への尿素水の供給量が調整される。即ち、これらエア制御弁68及び尿素水制御弁70をそれぞれ開閉制御することにより、噴射ノズル54から排気中への尿素水の噴射供給量が調整される。
【0031】
噴射ノズル54から噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、NOx触媒40に供給される。NOx触媒40は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを浄化して無害なNとする。
このときNOxと反応せずにNOx触媒40から流出したアンモニアは、後段酸化触媒42によって酸化され、NまたはNOxとなる。ここで生成されるNOxは後段酸化触媒42に流入するアンモニアと反応してNになるので、後段酸化触媒42に流入するアンモニアは無害なNとなって大気中に放出されるようになっている。
【0032】
ECU(制御手段)72は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU72の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気流量センサ16、上流圧力センサ44、下流圧力センサ46、及び排気温度センサ50のほか、エンジン回転数を検出する回転数センサ74、及びアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ76などの各種センサ類が接続されており、出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26、燃料添加弁52、エア制御弁68及び尿素水制御弁70などの各種デバイス類が接続されている。
【0033】
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU72によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ74によって検出されたエンジン回転数とアクセル開度センサ76によって検出されたアクセル開度とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な燃料量が供給される。
【0034】
またECU72は、回転数センサ74によって検出されたエンジン回転数や燃料の主噴射量等のエンジン運転状態に基づき、エンジン1から排出されるNOxをNOx触媒40で選択還元するために必要な尿素水供給量を、予め記憶しているマップデータから求め、エア制御弁68及び尿素水制御弁70を開閉制御する。
尿素水制御弁70によって供給量が調整された尿素水は、エア制御弁68によって供給量が調整された加圧空気と尿素水噴射装置58で混合され、加圧空気と共に噴射ノズル54から連通路32内の排気中に噴射供給される。こうして噴射供給された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、NOx触媒40に吸着する。NOx触媒40は吸着したアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応を促進し、排気中のNOxは無害なNとなる。
【0035】
また、このときアンモニア選択還元型NOx触媒40に吸着されずにそのまま流出したアンモニアは、前述したように、後段酸化触媒42により無害なNとなって大気中に放出される。
このように構成された排気浄化装置では、エンジン1から排出された排気が排気管20を通って排気後処理装置28に導入され、排気中のパティキュレートがフィルタ40に捕集されると共に、前述したように前段酸化触媒36から供給されるNOを用いた連続再生により、フィルタ38に堆積したパティキュレートの酸化除去が行われる。
【0036】
また、エンジン1の排気温度が低い運転状態、例えば低速、低負荷運転などでは排気温度が前段酸化触媒36の活性化温度まで上昇せず、排気中のNOが酸化されずにフィルタ38の連続再生が十分行われない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ38内にパティキュレートが過剰に堆積し、フィルタ38が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ38におけるパティキュレートの堆積状況に応じて、適宜フィルタ38を昇温し強制再生を行うようにしている。
【0037】
フィルタ38の強制再生は、上流圧力センサ44や下流圧力センサ46の検出値などからフィルタ38へのパティキュレートの堆積状況を判断して行われる。
まず、前段酸化触媒36が活性化していない場合には、吸気制御弁12や排気絞り弁26を閉方向に制御することにより排気温度を上昇させ、高温の排気を供給して前段酸化触媒36を活性化させる。このとき、必要に応じて燃料添加弁52から排気中に燃料を供給し、高温の排気中で燃料を燃焼させることにより前段酸化触媒36の活性化を促進する。
【0038】
前段酸化触媒36が活性化した後は、燃料添加弁52から排気中に供給された燃料のHCを前段酸化触媒36で酸化することにより、フィルタ38に流入する排気の温度を更に上昇させ、フィルタ38内に堆積したパティキュレートが焼却される。
また、NOx触媒40による排気中のNOxの浄化は、前述のように噴射ノズル54から排気中に供給された尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として、排気中のNOxを選択還元することにより行われる。
【0039】
このときの尿素水供給制御は、エンジン1が始動されると図2のフローチャートに従って、ECU72により所定の制御周期で行われる。
まず、ステップS2では、排気中への尿素水の供給が可能であるか否かを判定する。例えば、エンジン1の始動直後などのようにNOx触媒40が活性化温度に達していない場合や、排気温度が尿素水の加水分解を可能とする温度に達していない場合などでは、アンモニアを還元剤とするNOxの浄化ができないため、尿素水を排気中に供給することができない。従って、ステップS2では排気温度センサ50によって検出された排気後処理装置28入口側の排気温度などのエンジン運転状態に基づき、尿素水の供給を行ってもよい状態であるか否かを判定する。
【0040】
ステップS2で尿素水の供給が不可と判定した場合は、今回の制御周期を終了し、次回の制御周期で再びステップS2から処理を行うが、以下においてはエンジン1が尿素水を供給可能な運転状態にあるものとして説明を行う。
ステップS2で尿素水の供給が可能であると判定した場合は、ステップS4に進み、排気温度センサ50が検出した排気後処理装置28入口側の排気温度に基づく推定を行うことにより、NOx触媒40の内部温度Tsを検出する。従って、ECU72が本発明の触媒温度検出手段に相当する。
【0041】
より具体的なNOx触媒40の内部温度Tsの検出は以下のようにして行う。まず、アクセル開度センサ76が検出したアクセルペダルの踏み込み量と回転数センサ74が検出したエンジン回転数とからエンジントルクを求める。このエンジントルクとエンジン回転数とに基づき求めたNOx触媒40の排気流量と、NOx触媒40の担体が有する熱容量と、排気温度センサ50によって検出された排気温度とによりNOx触媒40に供給される熱量と、NOx触媒40から持ち去られる熱量とを算出する。そして、これら両熱量の差からNOx触媒40の内部温度が求められる。
【0042】
次にステップS6に進むと、供給中止フラグFの値が1であるか否かを判定する。供給中止フラグFは噴射ノズル54からの尿素水の供給を中止するか否かを示すものであり、値が1であると供給の中止を示し、値が0であると供給を許容することを示す。供給中止フラグFの初期値は0となっており、ここではステップS6からステップS8に進む。
ステップS8では、ステップS4で検出したNOx触媒40の内部温度Tsが第1所定温度Td以上であり、かつ第1所定温度Tdより高温の第2所定温度Tn以下であるか否かを判定する。
【0043】
この第1所定温度Tdは、NOx触媒40に吸着しているアンモニアがNOx触媒40の温度上昇により脱離を開始する脱離開始温度に相当する温度である。即ち、NOx触媒40に吸着しているアンモニアは、NOx触媒40内部の温度が上昇して、この脱離開始温度を超えると、NOx触媒40から脱離し始める。
一方、第2所定温度Tnは、NOx触媒40にアンモニアが吸着可能な温度領域の上限である吸着限界温度に相当する温度である。即ち、NOx触媒40は、温度上昇に伴ってアンモニア吸着量が減少し、NOx触媒40の内部温度がこの吸着限界温度を超えるとアンモニアがNOx触媒に吸着しなくなる。
【0044】
ステップS8で、NOx触媒40の内部温度Tsがこのような温度範囲にあると判定した場合にはステップS14に進む一方、このような温度範囲にないと判定した場合にはステップS10に進む。
即ち、アンモニアスリップは、NOx触媒40に吸着しているアンモニアが、NOx触媒40の温度上昇によりNOx触媒40から脱離することによって生じるものであることから、NOx触媒40からアンモニアが脱離することのない温度領域(脱離開始温度より低い温度領域)、或いはNOx触媒にアンモニアが吸着しない温度領域(吸着限界温度より高い温度領域)では、このようなアンモニアスリップが発生する可能性はないものと判断し、ステップS10に進んで、噴射ノズル54からの尿素水供給量を設定する。
【0045】
ステップS10では、NOx触媒40で排気中のNOxを浄化するために必要なアンモニアの量から、供給すべき尿素水の量を求める。具体的には、まず回転数センサ74によって検出されたエンジン回転数やECU72によって算出された燃料主噴射量などのエンジン運転状態に基づき、エンジン1からのNOx排出量を推定する。また、NOx触媒40の内部温度Tsに基づき、予め記憶しているマップからNOx触媒40のNOx浄化率を求める。そして、これらNOx推定排出量とNOx浄化率とからNOx触媒40によるNOx浄化量を求め、そのNOx浄化量に対応するアンモニア量を求める。このようにして求められたアンモニア量から必要な尿素水供給量が求められる。
【0046】
次にステップS10からステップS12に進むと、ステップS10で求められた量の尿素水が噴射ノズル54から排気中に噴射供給されるように、エア制御弁68と尿素水制御弁70とが開閉制御され、噴射ノズル54から尿素水が加圧空気と共に連通路32内の排気中に噴射される。
噴射ノズル54から噴射された尿素水は排気の熱によって加水分解し、アンモニアが生成される。このアンモニアはNOx触媒40に供給され、排気中のNOxとアンモニアとの間の脱硝反応がNOx触媒40によって促進される。こうして、排気中のNOxが選択還元されることにより無害なNに転化される。
【0047】
このようにしてステップS12で尿素水の供給を行った後、今回の制御周期を終え、次の制御周期で再びステップS2から処理を行う。
次の制御周期以降でも、NOx触媒40の内部温度Tsが第1所定温度に満たない、或いは第2所定温度より高温である限りは、ステップS8からステップS10及びステップS12に進んで、噴射ノズル54から尿素水の供給が行われる。
【0048】
一方、ステップS8で、NOx触媒40の内部温度Tsが第1所定温度Td以上、かつ第2所定温度Tn以下であると判定した場合には、前述のようにアンモニアがNOx触媒40に吸着可能であると共に、NOx触媒40に吸着しているアンモニアが脱離する温度領域にあることになる。
アンモニアスリップは、NOx触媒40に吸着しているアンモニアが、NOx触媒40の温度上昇によりNOx触媒40から脱離することによって生じるものであることから、NOx触媒40の内部温度Tsがこのような温度領域にあるときには、アンモニアスリップが発生する可能性があることになる。
【0049】
このような場合、ステップS14に進むと、ステップS4で検出したNOx触媒40の内部温度Tsから求めた、内部温度Tsの変化速度ΔTsが所定値ΔTd以上であるか否かを判定する。
NOx触媒40の内部温度の上昇に伴い、NOx触媒に吸着しているアンモニアはNOx触媒40から脱離するが、温度上昇が比較的緩やかである場合には、NOx触媒40からのアンモニアの離脱も緩やかであるため、離脱したアンモニアはNOxを選択還元する際の還元剤として消費され、アンモニアスリップが発生する可能性は低い。一方、NOx触媒40の内部温度が急激に上昇する場合は、NOx触媒40から離脱するアンモニアの量も急激に増加するため、その全てが還元剤としては消費されず、アンモニアスリップが発生する。
【0050】
そこで、このようなアンモニアスリップが発生する温度上昇速度を、予め実験等で確認し、その確認結果に基づき所定値ΔTdを決定してステップS14で用いている。
従って、ステップS14でNOx触媒40の内部温度の変化速度ΔTsが所定値ΔTdに満たない場合には、アンモニアスリップが発生する可能性が低いものと判断してステップS10に進み、更にステップS12に進んで前述したようにして噴射ノズル54から尿素水を供給する。
【0051】
一方、ステップS14で、NOx触媒40の内部温度の変化速度ΔTsが所定値ΔTd以上であると判定した場合には、アンモニアスリップが発生する可能性が高いとして、ステップS16に進み、供給中止フラグFの値を1として、今回の制御周期を終了する。従って、この場合には噴射ノズル54からの尿素水の供給は行われない。
従って、アンモニアスリップが発生する可能性が高い場合には、確実に尿素水の供給が中止されることになる。
【0052】
次の制御周期では、再びステップS4で排気後処理装置28の入口側排気温度に基づきNOx触媒40の内部温度Tsを検出した後、ステップS6で供給中止フラグFの値が1であるか否かを判定する。
供給中止フラグFの値は、前回の制御周期においてステップS16で1とされているので、ここではステップS18に処理が進む。
【0053】
ステップS18では、ステップS4で検出したNOx触媒40の内部温度Tsから求めた内部温度Tsの変化速度ΔTsが負の値であるか否か、即ち内部温度Tsが減少方向にあるか否かを判定する。
前述したように、アンモニアスリップが発生する一つの要因は、NOx触媒40の内部温度が上昇することにより、NOx触媒40に吸着しているアンモニアが脱離することにある。従って、NOx触媒40の内部温度が減少傾向にあれば、そのようなアンモニアスリップが発生する可能性が低いものと判断することができる。そこで、ステップS18でNOx触媒40の内部温度Tsの変化速度ΔTsが負の値を有すると判定した場合は、ステップS20で供給中止フラグFの値を0とした後、ステップS10に進み、更にステップS12に進んで、前述のようにして噴射ノズル54から尿素水の供給を再開する。
【0054】
このようにして尿素水の供給が再開されると、次の制御周期では、再びステップS4でNOx触媒40の内部温度Tsを検出した後、ステップS6で供給中止フラグFの値が1であるか否かを判定する。供給中止フラグFの値はステップS20で0とされており、処理はステップS8へ進むようになる。
従って、尿素水の供給が再開された後は、再びステップS8でNOx触媒40の内部温度Tsが第1所定値Tdと第2所定値とで規定される温度領域内にあると判定し、かつステップS14でNOx触媒40の内部温度Tsの変化速度ΔTsが所定値ΔTd以上と判定するまでは、尿素水が噴射ノズル54から供給されることになる。
【0055】
一方、ステップS18でNOx触媒40の内部温度Tsの変化速度ΔTsが0以上であると判定した場合には、依然としてアンモニアスリップが発生する可能性が高いものとして、尿素水の供給を行わずに今回の制御周期を終了する。
従って、一旦噴射ノズル54からの尿素水の供給が中止された後は、NOx触媒40の内部温度Tsの変化速度ΔTsが負の値となるまで、尿素水の供給中止が継続されることになる。
【0056】
以上のような尿素水供給制御を行うことにより、NOx触媒40の内部温度Tsが、アンモニアスリップの要因であるNOx触媒40へのアンモニアの吸着とNOx触媒40からの脱離を生じるような温度領域にあると共に、この内部温度Tsの変化速度ΔTs即ち内部温度Tsの上昇度合いが、アンモニアスリップを生じるほど急激である場合に、噴射ノズル54からの尿素水の供給が中止される。
【0057】
従って、アンモニアスリップが発生する可能性が高い状態を的確に判断して尿素水の供給を中止するので、確実にアンモニアスリップを抑制することが可能となる。また、アンモニアスリップが発生する可能性が低い場合には尿素水の供給が行われるので、必要以上に尿素水の供給が中止されることなく、良好にNOxの浄化を行って、NOx浄化効率を高めることができる。
【0058】
また、上述の尿素水供給制御を行うことによりアンモニアスリップが抑制されるため、本実施形態のように、NOx触媒40の下流側に後段酸化触媒42を設ける場合には、後段酸化触媒42に担持する貴金属の量を低減することが可能となり、排気浄化装置のコストを低減することができる。
更に、アンモニアスリップが多く発生する場合には、NOx触媒40によるNOxの浄化効率を確保するため、そのアンモニアスリップ量を見込んで、余分に尿素水を供給する必要があったが、本実施形態のようにしてアンモニアスリップを抑制することにより、余分な尿素水を削減することが可能となり、尿素水消費量を低減することができる。
【0059】
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、NOx触媒40の内部温度Tsを、排気温度センサ50で検出された排気後処理装置34の入口側排気温度から推定して検出するようにしたが、これに代えてNOx触媒40の内部に触媒温度検出手段として直接温度センサを設けるようにしてもよい。
【0060】
この場合には、より正確にNOx触媒40の内部温度を検出することが可能となるが、前記実施形態の方が、NOx触媒40の上流側で検出した排気温度に基づき推定することで、実際にNOx触媒40の内部温度が上昇する前にこれを検知できるので、応答性を向上させることができる。
また、前記実施形態では、フィルタ38を強制再生する際に、燃料添加弁52から燃料添加を行うことにより、前段酸化触媒36やフィルタ38を昇温するようにしたが、これに代えてインジェクタ4から主噴射とは別のポスト噴射により追加燃料噴射を行うようにしてもよい。
【0061】
更に、前記実施形態では、上流側ケーシング30内にフィルタ38を配置すると共に、下流側ケーシング内にNOx触媒40を配置するようにしたが、フィルタ38を下流側ケーシング34内でNOx触媒40の上流側や下流側に配置するようにしてもよいし、フィルタ38を設けないものであってもよい。
また、前記実施形態では、尿素水を供給するための噴射ノズル54を連通路32に配置するようにしたが、上述のようにしてフィルタ38の配置を変更した場合、噴射ノズル54は前記実施形態と同様に連通路32に配置してもよいし、下流側ケーシング34のNOx触媒40上流側に配置するようにしてもよい。
【0062】
更に、排気後処理装置28を上流側ケーシング30と下流側ケーシング34とに分けて構成したが、単一のケーシング内に前段酸化触媒36、フィルタ38、NOx触媒40及び後段酸化触媒42を収容するようにしてもよい。
また、前記実施形態では噴射ノズル54から尿素水を供給することにより、NOx触媒40にアンモニアを供給するようにしたが、噴射ノズル54或いは他の手段によりアンモニアそのものをNOx触媒40に供給するようにしてもよいし、尿素水に代えて排気中でアンモニアに転化可能な物質を排気中に供給するようにしてもよい。
【0063】
最後に、前記実施形態はディーゼルエンジンの排気浄化装置に本発明を適用したものであったが、エンジンの形式はこれに限定されるものではなく、アンモニア選択還元型のNOx触媒と、このNOx触媒にアンモニアを供給する手段とを備えたエンジンであればどのようなものでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る排気浄化装置の全体構成図である。
【図2】図1の排気浄化装置で行われる尿素水供給制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 エンジン
20 排気管(排気通路)
40 NOx触媒
54 噴射ノズル(アンモニア供給手段)
72 ECU(制御手段、触媒温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを浄化するNOx触媒と、
前記NOx触媒にアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、
前記NOx触媒の内部の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記アンモニア供給手段から前記NOx触媒にアンモニアを供給しているときに、前記触媒温度検出手段によって検出された温度が第1所定温度以上になるという中止条件が成立すると、前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を中止する制御手段と
を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
前記第1所定温度は、前記NOx触媒に吸着しているアンモニアが前記NOx触媒の温度上昇により脱離を開始する脱離開始温度に基づき設定されることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
【請求項3】
前記中止条件は、更に前記NOx触媒内部の温度が前記第1所定温度より高い第2所定温度以下のときであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
【請求項4】
前記第2所定温度は、前記NOx触媒にアンモニアが吸着可能な温度領域の上限である吸着限界温度に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載の排気浄化装置。
【請求項5】
前記中止条件は、更に前記NOx触媒内部の温度の変化速度が所定値以上のときであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の排気浄化装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記中止条件が成立して前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を中止した後、前記NOx触媒内部の温度変化が減少方向にあるときに、前記アンモニア供給手段からの前記アンモニアの供給を再開することを特徴とする請求項5に記載の排気浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−162487(P2007−162487A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356147(P2005−356147)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】