説明

採血兼医用流体投与装置

【課題】複数回ではなく一回の針挿入作業で反復的かつ連続的に患者からの採血および患者への医用流体の投与の両者を行うために使用できる新規な装置を提供する。
【解決手段】発明装置(1、31、71、111)は、血液の固有な静脈圧力および装置の毛細管作用を利用して患者の静脈の一つから血液を採取でき、従って静脈の真空による潰れを阻止できる。本発明装置は、患者静脈に挿入できるようにカニューレ(3、33、73、113)に合流接続した管本体(2、32、72、112)で構成する。シリンジ開口(10、40、80、120)および採血用容積計(26、56、96、136)を管本体(2、32、72、112)から別々に分岐させる。本発明装置(1、31、71、111)7を使用する場合には、シリンジ開口(10、40、80、120)に空の採血用シリンジ(13、43、83、123)を装着し、患者の静脈にカニューレ(3、33、73、113)を挿入し、血液の流れを管本体(2、32、72、112)から固有な静脈血圧の作用および毛細管作用によって容積計(26、56、96、136)に受動的に導入し、次にシリンジプランジャ(17、47、87,127)を引き上げることによって容積計(26、56、96、136)から採血用シリンジ(13、43、83、123)に血液の流れを能動的に採取することによって採血する。必要な場合には、採血すべき血液量に応じて、血液の満たされたシリンジを取り外し、続けて別な空の採血用シリンジを装着し、上記の操作を行えばよい。また、本発明装置(1、31、71、111)を使用すれば、管本体(2、32、72、112)および容積計(26、56、96、136)から残留血液を吸引してから、管本体を殺菌等張食塩溶液で洗浄し、シリンジ開港(10、40、80、12)に接続した医用流体シリンジまたはカテーテルから管本体(2、32、72、112)を介して患者に医用流体を投与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者から採血するとともに、医用流体を患者に投与するシリンジなどの装置に関する。より具体的には、本発明は、一回の針挿入によって、患者から採血でき、かつ患者に薬やその他の医用流体を投与できる新規な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
来院して治療を受ける患者の場合、血液試験のための採血および医用流体の静脈投与の両者が必要なことが多い。また、患者の適切な治療のためには、採血を行い、かつ医用流体を規則的に反復投与することも必要である。従来、この手法では、患者の体の各部位に何度も針を挿入して、外頸静脈、内頸静脈、鎖骨下静脈、頭部静脈、大腿部静脈や伏在静脈などの静脈にアクセスする必要がある。針を何度も挿入することは、患者にとってかなり苦痛であるだけでなく、感染の恐れが強くなり、かつ医療側が汚染された針によって刺される危険も強くなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
患者から採血する従来の方法では、例えば、部分真空圧を利用して患者の静脈の一つから採血装置に集血する。静脈から採血するためにこのような部分真空圧を利用する場合、静脈が早めに潰れるため、異なる部位における別な静脈または同じ静脈に針を再挿入してさらに採血しなければならない事態が生じる。この問題は、特に幼児や老人(この場合、採血サンプル源は例えば細く、薄い静脈である)から採血する場合によく見られる問題である。従って、複数回ではなく一回の針挿入作業を利用して、反復的に患者からの採血および患者への医用流体投与を実施でき、しかも固有な血圧を利用することによって静脈の早すぎる潰れを阻止した状態で採血できる装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、全体としては、複数回ではなく一回の針挿入作業で反復的かつ連続的に患者からの採血および患者への医用流体の投与の両者を行うために使用できる新規な装置に関する。本発明装置は、血液の固有な静脈圧力および装置の毛細管作用を利用して患者の静脈の一つから血液を採取でき、従って静脈の真空による潰れを阻止できる。本発明装置は、患者静脈に挿入できるようにカニューレに合流接続した管本体で構成する。シリンジ開口および血液流量を測定する装置(以下、容積計と呼ぶ)を管本体から別々に分岐させる。装置を使用する場合には、シリンジ開口に空の採血用シリンジを装着し、患者の静脈にカニューレを挿入し、血液の流れを管本体から固有な静脈血圧の作用および毛細管作用によって容積計に受動的に導入し、次にシリンジプランジャを引き上げることによって容積計から採血用シリンジに血液の流れを能動的に採取することによって採血する。必要な場合には、採血すべき血液量に応じて、血液の満たされたシリンジを取り外し、続けて別な空の採血用シリンジを装着し、上記の操作を行えばよい。また、本発明装置を使用すれば、管本体および容積計から残留血液を吸引してから、管本体を殺菌等張食塩溶液で管本体を洗浄し、シリンジ開口または管本体に接続した補助開口に装着した医用流体シリンジまたはカテーテルから管本体を介して患者に医用流体を投与することができる。
【発明の効果】
【0005】
一つの実施態様では、液体は透過しないが空気は透過する膜を遠い位置にある容積計に装着することができ、この場合の容積計としては、膜に向かう血液の流量を視覚的に評価できる室、細長い折り曲げ式またはコイル式管、またはその他の要素を使用することができる。管本体からシリンジ開口を分岐し、シリンジを受け取るように構成し、試験用血液を採取する。装置から容積計を取り外し、医用流体充填シリンジを受け取るように構成して、医用流体を患者に投与することもできる。
【0006】
別な実施態様では、変形性リザーバをカニューレおよび容積計と流体連絡する状態で配設する。このリザーバの場合、バレルにそって通気開口を備えたシリンジまたはその他の保護カバーのシリンジ内で保護することができる。採血用シリンジを使用する血液吸引操作の終了後、管を殺菌等張食塩溶液で洗浄することによって、残留血液を有効に除去することができる。装置からリザーバユニットを外すと、装置の残りの部分は通常のY形管として利用することができる。
【0007】
さらに別な実施態様では、患者の静脈に挿入するカニューレに管本体を合流接続する。シリンジ開口および血液流量を測定する装置(以下、容積計と呼ぶ)を管本体から別々に分岐させる。装置を使用する場合には、シリンジ開口に空の採血用シリンジを装着し、患者の静脈にカニューレを挿入し、血液の流れを管本体から固有な静脈血圧の作用および毛細管作用によって容積計に受動的に導入し、次にシリンジプランジャを引き上げることによって容積計から採血用シリンジに血液の流れを能動的に採取することによって採血する。必要な場合には、採血すべき血液量に応じて、血液の満たされたシリンジを取り外し、続けて別な空の採血用シリンジを装着し、上記の操作を行えばよい。また、本発明を使用すれば、管本体および容積計から残留血液を吸引してから、管本体を殺菌等張食塩溶液で管本体を洗浄し、シリンジ開口または管本体に接続した補助開口に装着した医用流体シリンジまたはカテーテルから管本体を介して患者に医用流体を投与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面について好適な実施態様を説明するが、この説明により本発明の特徴および作用効果を理解できるはずである。
【0009】
まず、図1について説明する。図の参照符号1は、本発明の採血兼医用流体投与装置(以下単に装置と呼ぶ)の一実施態様を示す。装置1は、例えば可撓性材料からなる管本体2で構成する。この管本体2に、カニューレ3のハブ4をねじその他の手段で取り付ける。カニューレ3に対向する側、即ちカニューレ3から最も遠い位置にある管本体2の端部に管分岐部5を設ける。なお、この管分岐部5は、管本体2に対して連続的に構成してもよく、あるいは間に分離要素を挟んで構成してもよい。カニューレハブ4と管分岐部5との間の管本体2部分に管クランプ6を設ける。この管クランプ6としては、管本体2を流れる流体の流れの容易な選択的、可逆的せき止めを可能にするタイプのクランプならば任意のクランプを使用することができる。また、管クランプ6としては、片手で操作できるものが好ましい。
【0010】
管分岐部5のシリンジ管脚部5aからシリンジ管本体9を延設する。なお、このシリンジ管本体9は、管分岐部5に対して連続的に構成してもよく、あるいは間に分離要素を挟んで構成してもよい。管分岐部5に対向する側のシリンジ管本体9の端部にシリンジ開口10を設ける。シリンジ開口10としては、雌形リュールロック式コネクタ要素かあるいはその他当業者にとって公知な形式のねじ式要素などの無針形シリンジ開口を使用することができる。あるいは、シリンジ13とシリンジ管本体9との間に可逆的な流体連絡を確保できるタイプならば、任意の無ねじ式コネクタも使用することができる。シリンジ13は通常のシリンジであればよく、例えば、雄形リュールロック式コネクタなどのシリンジコネクタ15をもつか、あるいは対応するシリンジ開口10に確実に係合・脱係合できる構造をもつ円筒形シリンジバレル14をもつシリンジであればよい。さらに、シリンジ13は複数のバレルフランジ16、および伸縮自在なシリンジプランジャ17を有する。
【0011】
管分岐部5の採血用管脚部5bから採血用管部19を延設する。なお、この採血用管部19は、管分岐部5に対して連続的に構成してもよく、あるいは間に分離要素を挟んで構成してもよい。装置1のインジケータユニット18は、採血用管部19と流体連絡するように構成した容積計管部20をもつ。インジケータユニット18は、管コネクタ21によって採血用管部19に着脱自在に取り付ける。なお、この管コネクタ21には、図示のように、採血用管部19に受け取られる受け取り要素22および容積計管部20に挿入される挿入要素23を設けることができる。あるいは、受け取り要素22を容積計管部20に設け、挿入要素23を採血用管部19に設けてもよい。この受け取り要素22を採血用管部19に設けた場合、これは、以下にさらに説明するように、医用流体を患者に投与するシリンジを着脱自在に受け取るシリンジ開口として使用することができる。なお、インジケータユニット18は、採血用管部19に着脱自在に取り付けるのではなく、これに固定してもよい。あるいは、さらに別な実施態様では、(想像線で示す)コネクタ7をクランプ6と分岐部5との間に設け、管本体2から、接続されているインジケータユニット18とともにシリンジ管部9およびシリンジ開口10を簡単に取り外すことができるように構成して、望む場合には、シリンジ管部9およびインジケータユニット18を廃棄できるようにしてもよい。
【0012】
さらに、インジケータユニット18は容積計26を備えている。この容積計は、例えば、容積計管部20に設けられた、透明材料製の容積計室である。あるいは、図2、図2Aおよび図4に関して後述するように、容積計26として、透明なコイル式管または透明な折り曲げ式管からなる細長い部分を使用してもよい。容積計26からインジケータユニット18の膜管部28を延設し、この膜管部28に通気性膜29を設ける。通気性膜29は好ましくは液体不透過性膜であるが、膜管部28からの血液の流出を阻止した状態で、膜管部28内の空気の流れを膜29に向けて両方向に加速できるか、あるいは容積計室26と膜管部28との間の空気の流れを両方向に加速できる構造のものならば任意のものを使用することができる。
【0013】
もう一度図1に戻って説明すると、代表的な使用例の場合、装置1をまず使用して、患者30の皮下静脈から採血し、血液をサンプリングする。この場合には従って、クランプ6を閉鎖位置に設定し、管本体2をカニューレ3と管分岐部5との間にシールする。採血用管部19とインジケータユニット18の容積計管部20との間に気密/液密接続を確保できるように管コネクタ21を検査する。管本体2、シリンジ管部9、採血用管部19および空気含有インジケータユニット18を用いて、図示のように、カニューレ3を経皮的に患者30の静脈に挿入する。例えば、カニューレ3の所定位置にテープを貼り、装置1を患者30に固定する。
【0014】
シリンジ13のシリンジコネクタ15をシリンジ管部9のシリンジ開口10に装着した後、クランプ6を調節し、管本体2を開放する。このため、患者30の静脈から血液がカニューレ3および管本体2を通って流れると、管本体2、採血用管部19およびインジケータユニット18それぞれ介して膜29に流れる血液によって空気が置換されることになる。採血用管部19内に発生する空気圧が管本体2内のより高い静脈血圧よりも低いため、血液が管本体2および管分岐部5の採血用管脚部5bから採血用管部19に流れるが、シリンジ管部9に流入することはない。血液は、管本体2および採血用管部19からそれぞれインジケータユニット18の管コネクタ21および容積計管部20を通って流れ、容積計室26に流れ込み、ここに集血する。次に、シリンジプランジャ17を採血用シリンジ13のシリンジバレル14から徐々に引き出し、シリンジ管部9から最初に吸気し、シリンジ13のシリンジバレル14内に吸い込み、これによって採血用管部19の内圧および管本体12内の固有な静脈血圧の両者に対してシリンジ管部9内の空気圧を下げる。この圧力低下によって、血液がそれぞれ容積計室26、容積計管部20および採血用管部19からシリンジ管部9に流れ込み、次にシリンジ13のシリンジバレル14に流入する。
【0015】
シリンジプランジャ17をシリンジバレル14から徐々に引き出すさいには、容積計室26の血液供給量が足りなくなり、かつ空気/血液界面が採血用管部19を通って管分岐部5を超える速度(この速度では、空気が採血用管部19からシリンジ管部9に吸い込まれ、次に採血用シリンジ13に吸い込まれることになる)で、シリンジプランジャ17を引っ張ることがないように留意する必要がある。プランジャ17をシリンジバレル14から引き出すさいに比較的ゆっくりとした制御速度で引き出すと、静脈内の血液の固有な流れ圧力を利用して患者30の静脈から装置1に血液を確実に採血できる上、静脈に真空圧が作用する(これが作用すると、静脈が潰れ、血液が流れなくなる)ことを確実に防止するだけでなく、採取血液における赤血球の溶血を確実に防止あるいは最小限に抑えることができる。代表例を挙げると、シリンジプランジャ17をシリンジバレル14から引っ張る速度については、管本体2からシリンジ管部9を介して採血用シリンジ13に連続的に採血するさいに、容積計室26内の血液容積をほぼ一定の容積に維持するのに十分な速度に設定する。これを確実に行うには、空気/流体界面を分岐部5から最も遠くに維持するとともに、膜29に対して近接維持すればよく、容積計室26によって与えられる血液流速を視覚的に評価すればよい。なお、容積計26は、インジケータユニット18から省くことができ、この場合には、インジケータユニット18に関しては、装置1の使用者が血液流れの進行を視覚的に検査でき、かつ血液サンプルをサンプリングしている間、空気/流体界面が分岐部5を超えてシリンジ管部9に移行することを防止できる透明な管やその他の要素からなる部分で構成すればよい。
【0016】
所望容積の血液をシリンジバレル14に採血した後、管クランプ6を調節し、血液が管本体2に続けて流れないようにする。管クランプ6が閉鎖位置にある間は、インジケータユニット18、採血用管部19およびシリンジ管部9からすべての残留血液がシリンジバレル14に吸い込まれるまで、シリンジ13のシリンジプランジャ17はシリンジバレル14から引き出されたままになっている。同時に、これら要素が空気で満たされるまで、空気は、インジケータユニット18を介して、またそれぞれ膜29、採血用管部19およびシリンジ管部9を介して吸引される。次に、シリンジコネクタ15をシリンジ開口10から分離することによって血液で満たされたシリンジ13を装置1から取り出し、シリンジ13内に採血された血液を血液試験に回す。必要な場合には、一つかそれ以上のシリンジを追加してこれらに血液をさらに採血してもよい。この場合には、それぞれ追加の空のシリンジをシリンジ管部9のシリンジ開口10に取り付け、以上説明してきた方法で、一つかそれ以上のシリンジ13に血液のサンプルをさらに採血すればよい。
【0017】
血液サンプル(複数の場合もある)の採取後、装置1を使用して患者30に医用流体を投与する場合には、次のようにすることができる。バレル14に一定量の洗浄用食塩溶液を収めたシリンジ13をまずシリンジ開口10に取り付ける。次に、流体充填シリンジバレル14にシリンジプランジャ17を押し込むと、食塩溶液が押出され、それぞれシリンジ管部9、採血用管部19および容積計管部20を流れ、容積計室26に流入する。次に、容積計管部20を管コネクタ21で採血用管部19から切り離し、望む場合には、容積計室26、膜管部28およびインジケータユニット18の膜29とともに廃棄することができる。次に、管クランプ6を開放位置に再調節し、シリンジプランジャ17のシリンジバレル14への押し込みを続け、管本体2を洗浄用食塩水で洗浄する。次に、シリンジ13を外してから、医用流体を収めた交換シリンジ13またはIVバッグ(図示省略)に接続したカテーテル(図示省略)をシリンジ開口10に取り付け、シリンジ管部9から患者30に医用流体を投与すればよい。あるいは、この場合、投与をそれぞれシリンジ開口22、採血用管部19および管本体2を介して行ってもよい。
【0018】
シリンジ13からの医用流体の投与開始後、あるいはその終了後に続けて患者30から血液サンプルを採取する必要がある場合には、シリンジ13の医用流体をシリンジ管部19に放出し、管クランプ6を閉鎖位置に取り付ける。次に、交換インジケータユニット18を管コネクタ21で採血用管部19に取り付ければよい。医用流体が放出されたシリンジ13のプランジャ17を次に引き上げ、インジケータユニット18およびシリンジ管部9から残っている医用流体を吸い込み、シリンジ開口10からシリンジ13を外し、廃棄する。この状態では、クランプ6は開放しているため、流体が管本体2から膜29に向かって流れる。プランジャ17を続けて引き上げると、食塩水/血液混合物を採取することができる。次に、クランプ6を閉じ、別な空の採血用シリンジ13をシリンジ開口10に接続し、管クランプ6を開放位置に再調節し、そしてこのシリンジ13を使用して患者30から続けて血液を採血する。これらはそれぞれ既に説明したように行う。
【0019】
次に、図2、図2Aおよび図3について説明する。符号31は、本発明装置の別な実施態様全体を示し、この装置は、一端にカニューレ33のハブ34を固着した管本体32で構成する。管本体32の反対側端部に設けた管分岐部35に、シリンジ管脚部35aおよび隣接する採血用管脚部35bを設ける。カニューレハブ34と管分岐部35との間において所定の設計構成の管クランプ36を管本体32に設ける。管クランプ36については、片手で操作できるものが好ましい。
【0020】
シリンジ管部39を管分岐部35のシリンジ管脚部35aから延設する。シリンジ開口40として、例えば無針形リュールロック式コネクタを使用し、管分岐部35から遠い位置にあるシリンジ管39の端部にこれを設ける。例えば、雄形リュールロック式コネクタ要素などのシリンジコネクタ45をもつ円筒形シリンジバレル44を備えたシリンジ43については、シリンジ開口40に液密接続関係で着脱自在に係合するものを利用する。さらに、採血用シリンジ43は通常のものでよく、複数のバレルフランジ46、および伸縮自在なシリンジプランジャ47を有する。
【0021】
管分岐部35の採血用管脚部35bから採血用管部49を延設する。インジケータユニット48については、管コネクタ51で採血用管部49に着脱自在に接続してもよく、またカバー用シリンジ63などの保護容器については、後述する目的のためにインジケータユニット48に着脱自在に接続してもよい。さらに、インジケータユニット48は、例えば開口管部59と容積計管部50との間に容積計56を設けてもよく、この容積計56を透明な容積計ケース57に収めてもよい。また、管コネクタ51には、例えば採血用管部49に設けられ、例えば容積計管部50に設けられた挿入要素53を着脱自在に受け取る受け取り要素52を設けることができる。あるいは、この受け取り要素52を容積計管部50に設け、挿入要素53を採血用管部49に設けてもよい。容積計56としては、例えば、図2に示すような細長く、全体として螺旋構成の透明クリアな装置を使用することができる。なお、容積計56としては、図1の容積計室26などの容積計室として構成してもよい。あるいは、図2Aに示すように、容積計61は、透明な容積計ケース62内でジグザグに折り曲げられた折り曲げ容積計管として設計構成してもよい。
【0022】
例えば、無針雌形リュールロック式コネクタを適用することができるシリンジ開口60をインジケータユニット48の開口管部59に設ける。図3に示すように、残留血液採血用リザーバ69に関しては、例えば雄形リュールロック式コネクタ要素を使用することができるシリンジコネクタ65を備えたカバー用シリンジ63などの保護容器のシリンジバレル64によってカバーし、対応するシリンジ開口60に着脱自在に接続してもよい。また、保護カバー用シリンジ63については、一対のバレルフランジ66をシリンジバレル64から延設し、シリンジプランジャ67をシリンジバレル64のバレル内部68(図3)に滑り自在に配設してもよい。
【0023】
図2および図3に示すように、一つか複数のバレル開口64aをシリンジバレル64の壁部に貫通開口する。図3に示すように、採血用リザーバ69をシリンジバレル64のバレル内部68に設ける。リザーバ69は、非常に薄く、簡単に変形するバルーン形構造にすればよく、この構造は例えば部分的に潰れる構造で、カニューレ33および容積計56と流体連絡する構造である。リザーバ69については、例えば、リザーバ69の内容積を周囲の大気圧力で維持できるSARAN WRAP(商標)などの薄いプラスチック材料か、あるいはゴムその他の簡単に変形できる材料で構成する。リザーバ69の吸気端部69aについては、例えば、シリンジコネクタ65内に固着するとともに、リザーバ69の吸気開口(図示省略)をシリンジ開口60に対向配置する。リザーバ69の最も遠い位置にある端部を、図3に示すように、プランジャ67に取り付ける。以下に説明するように、装置31を操作する場合には、リザーバ69が容積計56から残留血液を受け取る。シリンジ43のシリンジバレル44からシリンジプランジャ47をゆっくり引き出すと、血液がリザーバ69から引き抜かれる。即ち、血液がそれぞれ容積計56、採血用管部49およびシリンジ管部39を介してシリンジ43のシリンジバレル44に流入する。この時点で、管コネクタ51で採血用管部49からインジケータユニット48を外し、廃棄できる。
【0024】
代表的な使用例について説明すると、図1の装置1に関して述べたように、まず装置31を使用して患者(図示省略)の皮下静脈から血液を採取し、その後に患者に医用流体を投与する。この場合には従って、クランプ36を閉鎖位置に設定し、管本体32をカニューレ33と管分岐部35との間にシールする;カニューレ33を患者の静脈に挿入する;採血用シリンジ43のシリンジコネクタ45をシリンジ管部34のシリンジ開口40に取り付ける;そしてクランプ36を調節し、管本体32を開放する。患者の静脈から血液がカニューレ33および管本体32を通って流れると、管本体32、採血用管部49およびインジケータユニット48それぞれ介して部分的に潰れた採血用リザーバ69(図3)に流れる血液によって空気が置換されることになる。採血用管部49内に発生する空気圧が管本体32内のより高い静脈血圧よりも低く、従って膨張性採血用リザーバ69によって加圧されるため、血液が管本体32および管分岐部35の採血用管脚部35bから採血用管部49に流れるが、シリンジ管部39に流入することはない。血液は、管本体32および採血用管部49からそれぞれ管コネクタ51および容積計管部50を通って流れ、容積計56に流れ込み、ここに集血する。血液の一部が容積計56から開口管部59およびシリンジ開口60を通ってカバー用シリンジ63のシリンジコネクタ65に流れると、この血液は採血用リザーバ69(図3)に溜まり、以下に説明するように、後の段階で、カバー用シリンジ63からさらに別な血液サンプルとして放出することができる。
【0025】
以上説明したように、血液が採血用管部49から容積計56に流入した後、採血用シリンジ43のシリンジプランジャ47を採血用シリンジ43のシリンジバレル44から徐々に引き出し、シリンジ管部39から最初に吸気し、シリンジ43のシリンジバレル44内に吸い込み、これによって採血用管部49の空気圧に対してシリンジ管部39内の空気圧を下げる。この圧力低下によって、血液がそれぞれ容積計室56、容積計管部50および採血用管部49からシリンジ管部39に流れ込み、次にシリンジ43のシリンジバレル44に流入する。
【0026】
シリンジプランジャ47を採血用シリンジ43のシリンジバレル44から徐々に引き出すさいには、容積計56の血液供給量が足りなくなり、かつ空気/血液界面が管分岐部35を超える速度(この速度では、空気が採血用管部49からシリンジ管部39に吸い込まれ、次にシリンジ管部39に吸い込まれることになる)で、シリンジプランジャ47を引っ張ることがないように留意する必要がある。例えば、管本体32からそれぞれ採血用管部49および容積計管部50を介して容積計56に連続採血するさいには、容積計56内にほぼ一定の容積の血液を維持できるのに十分な速度でシリンジプランジャ47をシリンジバレル44から引き上げる。このように、比較的ゆっくりとした制御速度でシリンジバレル44からプランジャ47を引き上げると、静脈内中の血液の固有な流れ圧力を利用して、血液を患者の静脈から装置31に確実に抽出できる。
【0027】
所望容積の血液を採血用し臨時43のシリンジバレル44に採血した後、管クランプ36を調節し、血液が管本体32に続けて流れないようにする。管クランプ36が閉鎖位置にある間は、容積計56、容積計管部50、採血用管部49およびシリンジ管部39からすべての残留血液がシリンジバレル44に吸い込まれるまで、採血用シリンジ43のシリンジプランジャ47はシリンジバレル44から引き出されたままになっている。次に、シリンジコネクタ45をシリンジ開口40から分離することによって血液で満たされたシリンジ43を装置31から取り出し、シリンジ43内に採血された血液を血液試験に回す。必要な場合には、既述のように、シリンジ開口40でシリンジ管部39に一つかそれ以上の空の採血用シリンジ43をシリンジ管部39に取り付け、追加血液サンプルを採血用シリンジ43(あるいは複数の連続採血用シリンジ43)に採取することによって、追加採血用シリンジ(複数の場合のある)に追加血液サンプルを採取することもできる。採血用リザーバ69(図3)に採血された血液がある場合には、シリンジバレル44からプランジャ47を引っ張ることによって採血用シリンジ43のバレル44内に採血すればよい。
【0028】
図1の装置1の場合と同様に、装置31を使用して患者30に医用流体を投与する場合には、次のようにすることができる。シリンジ開口40から血液が充填された採血用シリンジ43を取り外した後、バレル44に一定量の洗浄用食塩溶液を収めた交換シリンジ43をシリンジ開口40に装着する。次に、シリンジバレル44にシリンジプランジャ47を押し込むと、食塩溶液が押出され、それぞれシリンジ管部39、採血用管部49、容積計管部50、容積計56およびインジケータユニット48の開口管部59を流れ、採血用リザーバ69(図3)に流入する。次に、インジケータユニット48を管コネクタ51で採血用管部49から切り離し、カバー用シリンジ63に収めた残留血液採血用リザーバ69とともに廃棄する。あるいは、リザーバ69に血液/食塩溶液混合物が残っている場合には、部分真空試験管または試験ビンが適当な容器に試料を引っ張り込むことによって血液培養に利用することができる。次に、管クランプ36を開放位置に再調節し、シリンジプランジャ47のシリンジバレル44への押し込みを続け、管本体32を洗浄用食塩溶液で洗浄する。次に、シリンジ43を外してから、医用流体を収めた交換シリンジ43またはIVバッグ(図示省略)に接続したカテーテル(図示省略)をシリンジ開口40に取り付け、それぞれシリンジ管部39および管本体32から患者30に医用流体を投与すればよい。さらに血液サンプルを採取する場合には、シリンジ開口40から医用流体充填シリンジ43を外し、採血用管部49に交換インジケータユニット48および残留採血用リザーバ69を接続し、シリンジ開口40に空の採血用シリンジ43を接続し、既述の方法で患者から血液を採取すればよい。
【0029】
次に、図4について説明する。全体を符号71で示す本発明装置のさらに別な実施態様は、管本体72で構成し、これにカニューレ73のハブ74をねじその他の手段で装着する。管本体72の端部に管分岐部75を設け、管本体72に管クランプ76を設ける。管クランプ76としては、片手で操作できるものが好ましい。
【0030】
管分岐部75のシリンジ管脚部75aからシリンジ管部79を延設し、シリンジ開口80をシリンジ管部79の端部に開口する。通常のものを使用することができるシリンジ83は、例えば、雄形リュールロック式コネクタ要素などのシリンジコネクタ85を備えた円筒形シリンジバレル84か、あるいはシリンジ開口80に着脱自在に係合する他の構造をもつ。さらに、例えば、シリンジ83は、複数のバレルフランジ86および伸縮自在なシリンジプランジャ87を備えている。
【0031】
管分岐部75の管脚部75bの採血部から採血用管部89を延設する。例えば、雌形リュールロック式コネクタ要素などを利用することができるシリンジ開口91を採血用管部89に設ける。インジケータユニット88は、シリンジ開口91に着脱自在に接続する雄形リュールロック式コネクタなどのコネクタ要素(図示省略)をもつ容積計管部90で構成する。さらに、インジケータユニット88には、図示のように、また図2の装置31の容積計56に関して説明したように、透明なコイル式管または折り曲げ式管を利用することができる血液容積計96を形成する。あるいは、血液容積計96としては図1について説明した容積計室26などの容積計室を利用することができる。容積計96からインジケータユニット88の膜式管部98を延設し、管部98に開口レセプタクル99aを備えた自己シール式開口またはその他の開口99を設ける。さらに、好ましくは遠い位置に通気性膜102をもち、かつ近接位置に無針ブラントプローブまたは保護針101をもつキャップ装置100を開口99に装着できる。なお、図5から、キャップ装置100を開口99に装着すると、保護針または無針プローブ101が、膜式管部98の方に向かって自己シール式開口99のレセプタクル99aに挿入することを理解できるはずである。これによって、周囲外圧が膜102を介して膜式管部98に確実に作用することになる。周囲の空気圧より固有静脈圧力が高いため、この場合には、血液がキャップ装置100に向かって流れることになる。通気性膜102については、液体不透過性であるのが好ましく、膜式管部98から血液が流出することを防いだ状態で、容積計96および膜式管部98からの空気の流れを邪魔しない構造であれば任意の構造のものを使用することができる。また、キャップ装置100の外面には、開口99の内側キャップねじ(図示省略)に係合するキャップねじを形成し、膜式キャップ装置100を開口99に装着できるようにする。あるいは、当業者にとって公知な他の任意の方法があればこれを利用して開口99にキャップ装置100を装着してもよい。
【0032】
使用時には、装置71を使用して患者から複数の血液サンプルを、シリンジ開口80に順次接続した一つか複数の採血用シリンジ83に採取すればよい。開口80ですべての血液サンプルを採取した後、図1の装置1のシリンジ13および図2の装置31のシリンジ43に関して説明した同じ方法で、管を通常の殺菌食塩溶液で洗浄する。次に、医用流体を患者に投与するが、この場合には、図1の装置1および図2の装置31に関して説明した同じ方法で、流体充填シリンジまたは流体を充填した連続シリンジ83を利用して投与すればよい。さらに、装置71のインジケータユニット88を装置71のシリンジ開口91から取り外し、そしてシリンジ(図示省略)またはIVカテーテル(図示省略)をシリンジ開口91に接続し、医用流体を充填したシリンジ83または連続シリンジ83を使用して、シリンジ管部79を介して装置71に導入された医用流体ととともに患者に医用流体を投与してもよい。
【0033】
次に、図6〜6Bについて説明する。全体を符号111で示す本発明装置のさらに別な実施態様は、カニューレ113のハブ114を取り付けた管本体112で構成する。管本体112から採血用管部129を延設する。好ましくは片手で操作できる管クランプ116を管本体112に設ける。採血用ユニット128については、採血用管部129に流体連絡する容積計管部140で構成する。この場合、採血用ユニット128は、所定設計構造の管コネクタ131によって採血用管部129に着脱自在に取り付けてもよい。
【0034】
さらに、例えば、採血用ユニット128には、容積計ケース137内部に収めることができる容積計136を形成する。この容積計136から開口管部139を延設し、開口管部139の遠い位置にある端部に開口141を開口する。この開口141としては、当業者にとっては公知な、例えば、無針形開口または保護針開口として構成すればよい。図6Aに示すように、開口部143を開口141内に延設形成し、伸縮血液レセプタクル146の入り口端部から延設した対応するレセプタクルコネクタ149を着脱自在に受け取ることができるようにする。血液レセプタクル146は、プラスチック、ゴムまたはその他の変形材料で構成し、検査室の条件や行うべき血液試験のタイプにもよるが、その容積は例えば約1/2cc〜約10ccに設定する。図6Aに示すように、血液レセプタクル146を取り付けスリーブ147に取り付け、ここにレセプタクルコネクタ149を延設してもよい。また、図6に示すように、開口141に、この取り付けスリーブ147に形成した内側スリーブねじ148に係合する外側ねじ142を形成し、開口141と流体連絡する血液レセプタクル146を着脱自在に取り付けるように構成してもよい。なお、当業者にとって公知な各種ある任意の取り付け方法のうち任意の方法を利用して、取り付けスリーブ147を開口141に取り付けてもよい。採血量が例えば約1cc大きな血液レセプタクル146の場合、一つかそれ以上のケース151をもつレセプタクルケース150内部に形成してもよい。エンクロージャアンカー152を使用して、血液レセプタクル146の遠い位置にある端部をレセプタクルケース150にねじその他の手段で取り付ける。
【0035】
さらに図6に示すように、管本体112の最も遠い位置に管分岐部115を設けることができる。この場合、管分岐部115のシリンジ管脚部115aからシリンジ管部119を延設し、そして管分岐部11の採血用管脚部115bから採血用管部129を延設する。シリンジ管部119の最も遠い位置に開口したシリンジ開口120にシリンジ123を着脱自在に受け取り、後述するように、患者からの血液サンプルの採取および/または患者への医用流体の投与を行う。さらに、血液レセプタクル146を使用して、患者から血液サンプル試験用血液サンプルを採取してから、これを開口141から取り外し、血液サンプルを試験してもよい。次に、後述するように、開口141にシリンジ(図示省略)またはカテーテルを装着すれば、医用流体を患者に投与できる。
【0036】
次に代表的な使用例について説明する。患者の皮下静脈(図示せず)にカニューレ113を挿入し、装置111をテープで所定位置に固定する。対象とする静脈内の静脈血圧は血液レセプタクル146の外面に作用する周囲空気圧よりも高いため、血液は静脈からそれぞれ管本体112、採血用管部129および容積計136を通って血液レセプタクル146に流入する。血液レセプタクル146が血液で満たされた後、取り付けスリーブ147を開口141から取り外し、続けて空の血液レセプタクル146を順次開口141に装着すると、血液サンプルを続けて採取できる。なお、血液レセプタクル146については、目的の血液試験に応じてそのサイズを設定すればよい。すべての血液試料の採取後、最後の血液レセプタクル146を開口141から取り外し、廃棄すると、自己シール式開口141が露出する。次に、等張食塩溶液を使用して、例えば開口141を介して装置111を洗浄し、開口141にIVライン(図示せず)を開口141に接続すると、通常の延長管としてこの装置111を使用できる。あるいは、図1〜4の実施態様に関して説明したように、装置111を殺菌用等張食塩溶液で洗浄し、シリンジ開口120に接続したシリンジ123またはIVラインを使用して患者に医用流体を投与することもできる。
【0037】
血液のサンプリング時に、カニューレ113を太い静脈に挿入する場合は、例えば、血液は血液レセプタクル146に急速に流入するので、血液サンプルを採取するためにはシリンジ123は必要ない。一方、カニューレ113を細い静脈に挿入する場合は、例えば、血液は血液レセプタクル146にゆっくり流れ込むため、シリンジ123を使用して、シリンジ開口120を介して血液サンプルを採取できる。次に、交換シリンジ123またはIVライン(図示省略)を開口120に装着すると、患者にシリンジ管部119を介して医用流体を投与できる。このように、開口141が患者からの血液サンプルの採取および患者への医用流体の投与両者に好適である限り、シリンジ管部119、分岐部115およびシリンジ開口120はいずれもオプション成分であり、装置111から目的に応じて省略することができる。さらに、容積計136も、装置111を使用するさいには、管本体112からレセプタクル146に流れる血液の量を評価するのに役立つように設計されたオプション要素である。
【0038】
以上、本発明の好適な実施態様を説明してきたが、本発明によれば各種の変更が可能であり、また特許請求の範囲は、発明の精神および範囲に属する上記以外の実施態様すべてを包摂するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】カニューレを想像線で示す患者に挿入した状態の、本発明の一実施態様を示す斜視図である。
【図2】本発明装置の別な実施態様を示す斜視図である。
【図2A】本発明装置の折り曲げ式管容積計を示す側面図である。
【図3】図2の3-3線についての横断面図である。
【図4】本発明装置のさらに別な実施態様を示す展開斜視図である。
【図5】図4に示した装置の開口要素およびこの開口に着脱自在に係合するキャップ装置を示す側面図である。
【図6】本発明装置のさらに別な実施態様を示す展開斜視図である。
【図6A】図6に示した装置の開口要素およびこの開口に着脱自在に係合する血液レセプタクルを示す側面図である。
【図6B】本発明装置の別な実施態様において、レセプタクルケースの収めた血液レセプタクルを示す横断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1、31、71、111:本発明装置、
2、32、72、112:管本体、
3、33、73、113:カニューレ、
6、36、76、116:クランプ、
10、40、80、120:シリンジ開口、
18、48、88、128:インジケータユニット、
26、56、96、136:容積計、
29、102:通気性膜、
63:保護容器、
69:血液リザーバ、
100:キャップ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から採血し、患者に医用流体を投与する装置であって、
血液および医用流体を運ぶ管本体(2、32、72、112)と、
管本体(2、32、72、112)に対して流体連絡関係かつ相互に分岐関係で配設した血液量を表示するインジケータユニット(18、48、88、128)およびシリンジ開口(10、40、80、120)と、そして
管本体(2、32、72、112)と連動係合し、この管本体を選択的にブロックするクランプ(6、36、76、116)とを有することを特徴とする装置。
【請求項2】
患者から採血し、患者に医用流体を投与する装置であって、
血液および医用流体を運ぶ管本体(32)と、
管本体(32)に対して流体連絡関係かつ相互に分岐関係で配設した血液量を表示するインジケータユニット(48)およびシリンジ開口(40)と、
上記インジケータユニットと流体連絡する血液リザーバ(69)と、そして
管本体(32)と連動係合し、この管本体を選択的にブロックするクランプ(36)とを有することを特徴とする装置。
【請求項3】
患者から採血し、患者に医用流体を投与する装置であって、
血液および医用流体を運ぶ管本体(32)と、
管本体(32)に対して流体連絡関係かつ相互に分岐関係で配設した血液量を表示するインジケータユニット(48)およびシリンジ開口(40)と、
インジケータユニット(48)と流体連絡する第2シリンジ開口(60)と、そして
管本体(32)と連動係合し、この管本体を選択的にブロックするクランプ(36)とを有することを特徴とする装置。
【請求項4】
患者から採血し、患者に医用流体を投与する装置であって、
血液および医用流体を運ぶ管本体(112)と、
管本体(112)に対して流体連絡関係で配設したシリンジ開口(141)と、
管本体(112)と流体連絡するシリンジ開口(141)と着脱自在に係合する拡張性血液レセプタクル(146)と、そして
管本体(112)と連動係合し、この管本体を選択的にブロックするクランプ(116)とを有することを特徴とする装置。
【請求項5】
インジケータユニット(18、48、88、128)内および/または管本体(2、32、72、112)と流体連絡関係で血液容積計(26、56、96、136)を配設し、この血液容積計(26、56、96、136)として螺旋式管容積計、折り曲げ式管容積計または容積計室を使用した請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
管本体(2、32、72、112)に対して着脱自在な流体連絡関係でインジケータユニット(18、48、88、128)を配設した請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
インジケータユニット(18、88)に対して流体連絡関係で通気性膜(29、102)を配設した請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
インジケータユニット(48)に対して流体連絡関係で保護容器(63)を配設し、この保護容器(63)内に血液リザーバ(69)を収めた請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
さらに、第2シリンジ開口(60)に着脱自在に係合しかつこの開口をシールするキャップ装置(100)、およびこのキャップ装置(100)によって支持される通気性膜(102)を有する請求項2〜8のいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
管本体(112)に対して流体連絡関係で第2シリンジ開口(120)を配設し、シリンジ開口(141)および第2シリンジ開口(120)を管本体(112)から別々に分岐した請求項1〜9のいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2007−500540(P2007−500540A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521941(P2006−521941)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/023770
【国際公開番号】WO2005/011773
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506029060)ワン スティック,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】ONE STICK,LLC
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 1325,Idalou,TX 79329
【Fターム(参考)】