接触端子基盤、情報記録媒体及びその製造方法
【課題】接触端子基盤の外形周辺の接着力を向上させると共に、端子同士の短絡を防止することが可能な接触端子基盤を提供する。
【解決手段】ICチップと接続する接触端子基盤(100)であって、接触端子基盤(100)裏面側に形成される複数の裏面端子(32)が接触端子基盤(100)の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、裏面端子(32)同士の短絡を防止するための土手(33)が各裏面端子(32)の周囲に形成されている。
【解決手段】ICチップと接続する接触端子基盤(100)であって、接触端子基盤(100)裏面側に形成される複数の裏面端子(32)が接触端子基盤(100)の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、裏面端子(32)同士の短絡を防止するための土手(33)が各裏面端子(32)の周囲に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップと接続する接触端子基盤、その接触端子基盤を搭載した情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年におけるカード技術の発達により、各種の通信システムに用いられる情報記録媒体として、広範囲な用途に適用可能なICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な非接触型のICカードと、がある。
【0003】
また、接触型のICカードと非接触型のICカードとが組み合わされたICカードも普及しており、接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型のICチップと、非接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う非接触型のICチップと、がそれぞれ搭載されたハイブリッド型のICカードや、接触状態及び非接触状態の何れの状態においても情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型及び非接触型兼用の1つのICチップが搭載されたコンビネーション型のICカードがある。
【0004】
上述したICカードとしては、COT(Chip On Tape)基板を実装して構成したものがあり、一般的なCOT基板は、片面基板で構成している。
【0005】
しかし、片面基板のCOT基板をコンビネーション型のICカードに採用してしまうと、ボンディング面側(カード内側)の端子(裏面端子)の配置が制約されてしまうことになる。
【0006】
上記の問題点は、両面基板で構成したCOT基板を採用することで解決できる。
【0007】
両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'は、図1、図2に示すように、スルーホール4'を介してカード内側に配線を導き、裏面配線31'を経由して裏面端子32'と外部接触端子(表面端子)1'とを接続することにしている。これにより、ボンディング面側(カード内側)の端子(裏面端子32')の配置に自由度を持たせることを可能にしている。
【0008】
しかし、両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'は、裏面端子32'が形成された領域以外に接着層(強接着領域)104'が形成され、図3に示すように、接着層(強接着領域)104'及び導電性ペースト(弱接着領域)103'を介してICカード基板101'と接着することになる。このため、図1に示すように、裏面端子32'をCOT基板(接触端子基盤)100'の外形周辺に配置した場合は、外形周辺の接着層(強接着領域)104'が少なくなり、COT基板(接触端子基盤)100'がICカード基板101'から剥離し易くなってしまうことになる。
【0009】
このようなことから、両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'をICカード基板101'に実装した場合でも、COT基板(接触端子基盤)100'が剥離し難い構造の開発が必要視されることになる。
【0010】
なお、本発明より先に出願された先行技術文献として、ICカードをATMで反復使用しても、搬送ローラの押圧により、金ワイヤ接続部がモールド樹脂部と一緒に剥離しないようにする技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
上記特許文献1では、矩形状の接触端子板を有するICカード用ICモジュール5を、カード1の四辺に平行し、かつISO7816に規定する位置に装着したICカードにおいて、当該ICモジュール5は、ICチップ側パッドと接触端子板背面のワイヤボンディング基板側パッドとがワイヤ接続されたものであり、C3とC7端子のワイヤボンディング基板側パッド26sの大きさを0.3mm〜0.5mmとし、かつICモジュール5の接触端子板の横中心線から1.0mm以内に位置するように形成している。
【0012】
また、上記特許文献2では、矩形状の接触端子板を有するICカード用ICモジュール5を、カード1の四辺に平行し、かつISO7816に規定する位置に装着したICカードにおいて、当該ICモジュール5は、ICチップ側パッドと接触端子背面のワイヤボンディング基板側パッドとがワイヤ接続されものであり、ワイヤボンディング基板側パッド26の貫通孔の外縁が封止樹脂の外周Qの左右辺から0.9mm〜2.0mmの範囲内に形成している。
【0013】
また、センサ領域151の外側に土手116を設け、保護材213を形成するための塗布液が土手116より表面形状認識用センサチップ100の内側に流れ込むことを抑制する点について開示された文献がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−133802号公報
【特許文献2】特開2007−133803号公報
【特許文献3】特開2002−303505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、上記特許文献1、2は、搬送ローラの押圧によるICモジュール5の剥離を防止することを主眼とした発明になっている。また、上記特許文献1、2は、ICチップ側パッドと接触端子板背面のワイヤボンディング基板側パッドとをワイヤ接続することを前提としている。このため、上記特許文献1、2では、COT基板(接触端子基盤)100の外形周辺の接着力を向上させる点や、端子同士の短絡を防止する点についは何ら考慮されたものではない。
【0016】
また、上記特許文献3は、土手116を設ける点が開示されているが、その土手116は、端子同士の短絡を防止することを目的としたものではない。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、接触端子基盤の外形周辺の接着力を向上させると共に、端子同士の短絡を防止することが可能な接触端子基盤、情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0019】
<接触端子基盤>
本発明にかかる接触端子基盤は、
ICチップと接続する接触端子基盤であって、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする。
【0020】
<情報記録媒体>
本発明にかかる情報記録媒体は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる情報記録媒体は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されており、
前記アンテナ基板は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0022】
<製造方法>
本発明にかかる製造方法は、
ICチップと接続する接触端子基盤の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する形成工程を有し、
前記形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる製造方法は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0024】
本発明にかかる製造方法は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に複数の裏面端子を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程を有し、
前記媒体形成工程は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように前記アンテナ基板に形成する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、接触端子基盤の外形周辺の接着力を向上させると共に、端子同士の短絡を防止することができる。その結果、接触端子基盤をICカード基板から剥がれ難くし、接触端子基盤とICカード基板との接続不良(断線)等の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明と関連する接触端子基盤100'の構成例を示す図である。
【図2】接触端子基盤100'の詳細構成例を示す図である。
【図3】接触端子基盤100'を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図5】接触端子基盤100を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図6】接触端子基盤100の詳細構成例を示す図である。
【図7】ICカードの製造方法を説明するための第1の図である。
【図8】ICカードの製造方法を説明するための第2の図である。
【図9】ICカードの製造方法を説明するための第3の図である。
【図10】第2の実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図12】第4の実施形態の接触端子基盤100を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図13】試験結果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<本発明と関連するICカードの構成例>
まず、図3を参照しながら、本発明と関連するICカードの構成例について説明する。
【0028】
図3に示すICカードは、カード表面に接触端子基盤100'を有して構成している。
【0029】
図3に示す接触端子基盤100'は、基板2'の主面上に複数の外部接触端子(表面端子)1'を有し、その外部接触端子(表面端子)1'がスルーホール4'を介して基板2'の他面に敷設された配線パターン3'と接続している。配線パターン3'は、図2に示すように、裏面配線31'と裏面端子32'とを有して構成し、配線パターン3'(裏面端子32')が導電性ペースト103'を介してICカード基板101'に実装されたアンテナ部102'と接続することになる。
【0030】
図3に示す接触端子基盤100'は、図1、図2に示すように、裏面端子32'が形成される領域以外に接着層(強接着領域)104'を有して構成し、その接着層(強接着領域)104'及び導電性ペースト(弱接着領域)103'を介してICカード基板101'に接着されている。接着層104'は、強接着領域を形成し、導電性ペースト103'は、弱接着領域を形成する。強接着領域とは、接着層104'の接着力が導電性ペースト103'の接着力よりも強い領域であることを意味し、弱接着領域とは、導電性ペースト103'の接着力が接着層104'の接着力よりも弱い領域であることを意味する。
【0031】
一般的な接触端子基盤100'は、図1に示すように、基盤100'の外形周辺に裏面端子32'が形成されている。裏面端子32'が形成される領域には、接着層(強接着領域)104'を形成することができないため、接着層(強接着領域)104'が基盤100'の中央部分に位置し、導電性ペースト(弱接着領域)103'が基盤100'の外形周辺に位置することになる。
【0032】
このため、図1に示す接触端子基盤100'をICカード基板101'に実装した場合は、基盤100'の中央部分がICカード基板101'に強接着力で接着し、基盤100'の外形周辺がICカード基板101'に弱接着力で接着することになる。その結果、図1に示す接触端子基盤100'の構成では、接触端子基盤100'の外形周辺の接着力が弱くなり、接触端子基盤100'がICカード基板101'から剥がれ易くなってしまう。接触端子基盤100'がICカード基板101'から剥がれ易くなってしまうと、導電性ペースト103'の部分に応力がかかり易くなり、接触端子基盤100'とICカード基板101'との接続不良(断線)等が発生してしまうことになる。
【0033】
このため、接触端子基盤100'の外形周辺の接着力を向上させ、接触端子基盤100'をICカード基板101'から剥がれ難くする必要がある。
【0034】
このようなことから、本発明者は、様々な試験、研究を重ねた結果、図4に示すように、裏面端子32を基盤100の中央部分に集約し、接着層(強接着領域)104を接触端子基盤100の外形周辺に多く形成するようにした。これにより、接触端子基盤100の外形周辺の接着力を向上させることが可能となる。その結果、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くし、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等の発生を防止することが可能となる。以下、図4〜図6を参照しながら、本実施形態のICカードについて説明する。
【0035】
<ICカードの構成例>
まず、図5を参照しながら、本実施形態のICカードの構成例について説明する。図5(A)は、ICカードの断面構成例を示し、図5(B)は、ICカードの上面構成例を示す。
【0036】
本実施形態のICカードは、カード表面に接触端子基盤100を有して構成している。
【0037】
図5(A)に示す接触端子基盤100は、基板2の主面上に複数の外部接触端子(表面端子)1を有し、その外部接触端子1がスルーホール4を介して基板2の他面に敷設された配線パターン3と接続している。配線パターン3は、図4、図6に示すように、裏面配線31と裏面端子32と土手33とを有して構成し、裏面端子32が導電性ペースト103を介してICカード基板101に実装されたアンテナ部102と接続している。アンテナ部102は、図5(B)に示すように、ICチップ105と接続するようにICカード基板101に実装される。土手33は、裏面端子32の周辺を囲むように形成し、導電性ペースト103を土手33で塞き止めるように構成する。これにより、導電性ペースト103の流出を防止することが可能となる。
【0038】
図5に示す接触端子基盤100は、図4、図6に示すように、裏面端子32が形成される領域以外に接着層(強接着領域)104を有して構成し、その接着層(強接着領域)104及び導電性ペースト(弱接着領域)103を介してICカード基板101に接着されている。接着層104は、強接着領域を形成し、導電性ペースト103は、弱接着領域を形成する。強接着領域とは、接着層104の接着力が導電性ペースト103の接着力よりも強い領域であることを意味し、弱接着領域とは、導電性ペースト103の接着力が接着層104の接着力よりも弱い領域であることを意味する。
【0039】
本実施形態の接触端子基盤100は、図4に示すように、裏面端子32が基盤100の中央部分に集約されて形成されている。これにより、接着層(強接着領域)104が基盤100の外形周辺に位置し、導電性ペースト(弱接着領域)103が基盤100の中央部分に位置することになる。
【0040】
このため、図4に示す接触端子基盤100をICカード基板101に実装した場合は、基盤100の中央部分がICカード基板101に弱接着力で接着し、基盤100の外形周辺がICカード基板101に強接着力で接着することになる。その結果、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。
【0041】
なお、図4に示すように、裏面端子32を基盤100の中央部分に集約して形成してしまうと、導電性ペースト103の流出により裏面端子32同士が接触し、裏面端子32が短絡してしまう虞がある。このため、本実施形態では、裏面端子32の周辺を取り囲むように土手33を設け、その土手33により導電性ペースト103の流出を塞き止めることにしている。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにしている。
【0042】
<ICカードの製造方法>
次に、図7〜図9を参照しながら、本実施形態のICカードの製造方法について説明する。
【0043】
まず、基板2の上下面に導電性層200を貼り付ける(ステップS1)。導電性層200は、外部接触端子(表面端子)1,配線パターン3を構成するためのものである。導電性層200としては、銅、アルミ、SUSなどの金属箔が適用可能である。基板2としては、ガラスエポキシ樹脂等が適用可能である。
【0044】
次に、導電性層200にエッチングを施し、基板2の表面に外部接触端子(表面端子)1を形成し、基板2の裏面に配線パターン3を形成する(ステップS2)。配線パターン3は、裏面配線31、裏面端子32、土手33を構成する。なお、外部接触端子1と配線パターン3との形成方法は、特に限定せず、公知の手法を適用することが可能である。また、外部接触端子1や配線パターン3が予め形成された導電性層200を基板2に貼り付けるようにすることも可能である。
【0045】
次に、基板2にスルーホール加工を行い、基板2に穴4を形成する(ステップS3)。
【0046】
次に、基板2に金メッキ加工を行い、外部接触端子1と配線パターン3とを金メッキ201でコーティングする(ステップS4)。これにより、外部接触端子1と、配線パターン3と、の強度を向上させることができる。また、基板2に形成した穴4も金メッキ201が施され、穴4を介して基板2の表裏を導通させることになる。これにより、穴4を介して外部接触端子1と配線パターン3とが導通した端子基板2を形成することが可能となる。
【0047】
上記工程で得られた端子基板2の裏面側の構成を図8(a)に示す。図8(a)に示すように、端子基板2の裏面側には、配線パターン3を構成する裏面配線31、裏面端子32、土手33が形成されることになる。
【0048】
次に、図8(b)に示すように、接着層104を金型、または、刃物等で抜き加工し、接着層104に穴202を形成する。穴202は、裏面端子32をICカード基板101側に接着させるための穴であるため、接着層104と端子基板2とを積層させた際に裏面端子32の位置に穴202が設けられるように予め設計して形成する。穴202は、端子基板2の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102との導通を妨げない形状であれば特に限定せず、あらゆる形状が適用可能である。
【0049】
次に、図8(c)に示すように、接着層104と端子基板2とを重ね合わせ、熱圧を掛け、接着層104と端子基板2とを仮止めする。
【0050】
これにより、接触端子基盤100が形成されることになる。
【0051】
次に、図9に示すように、ICカードを構成するICカード基板101にミーリング加工を施し、ICカード基板101に設けられたアンテナ部102を露出させると共に、接触端子基盤100を挿入するための挿入穴300を形成する(ステップA1)。
【0052】
次に、ICカード基板101のアンテナ部102に導電性ペースト103を塗布する(ステップA2)。なお、接触端子基盤100側に導電性ペースト103を塗布するようにすることも可能である。
【0053】
次に、接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、熱圧ヘッドを用いて接触端子基盤100をICカード基板101に熱圧着させる(ステップA3)。これにより、接触端子基盤100の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102とが導電性ペースト103を介して接続することになる。また、接触端子基盤100とICカード基板101とが導電性ペースト(弱接着領域)103及び接着層(強接着領域)104を介して接着することになる。
【0054】
これにより、接触端子基盤100をICカード基板101に実装したICカードが形成されることになる。
【0055】
なお、本実施形態のICカードは、接触端子基盤100の中央部分がICカード基板101に弱接着力で接着し、接触端子基盤100の外形周辺がICカード基板101に強接着力で接着することになる。その結果、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。その結果、ICカードを曲げたりした場合でも、導電性ペースト103の部分に応力がかかり難くなり、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等を発生させないようにすることが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0057】
第1の実施形態は、エッチングを用いて土手33を形成することにした。
【0058】
第2の実施形態は、図10に示すように、基板2に凹部を設けることで土手33を形成する。基板2に凹部を設けることで、導電性ペースト103が凹部に流入し、凹部から外側へ導電性ペースト103が流出するのを防止することが可能となる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0060】
第2の実施形態は、基板2に凹部を設けることで土手33を形成することにした。
【0061】
第3の実施形態は、図11に示すように、基板2に凸部を設けることで土手33を形成する。基板2に凸部を設けることで、導電性ペースト103が凸部で塞き止められることになる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0062】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0063】
上記実施形態では、接触端子基盤100に土手33を設けることにした。
【0064】
第4の実施形態では、アンテナ基板101側に土手33を設けることにする。アンテナ基板101側に土手33を設けた場合でも、上記の実施形態と同様に導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0065】
アンテナ基板101側に土手33を設ける場合には、図12に示すように、ICカードを構成するICカード基板101にミーリング加工を施し、ICカード基板101に設けられたアンテナ部102を露出させると共に、土手33を形成することになる(ステップB1)。
【0066】
次に、ICカード基板101のアンテナ部102に導電性ペースト103を塗布する(ステップB2)。なお、接触端子基盤100側に導電性ペースト103を塗布するようにすることも可能である。
【0067】
次に、接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、熱圧ヘッドを用いて接触端子基盤100をICカード基板101に熱圧着させる(ステップB3)。これにより、接触端子基盤100の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102とが導電性ペースト103を介して接続することになる。また、接触端子基盤100とICカード基板101とが導電性ペースト(弱接着領域)103及び接着層(強接着領域)104を介して接着することになる。
【0068】
これにより、接触端子基盤100をICカード基板101に実装したICカードが形成されることになる。なお、なお、導電性ペースト103は、ICカード基板101に形成された土手33で塞き止められることになる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0069】
(実施例)
次に、本実施形態の接触端子基盤100の接着強度について試験する。
【0070】
接触端子基盤100を構成する裏面端子32の配置位置を変更し、接触端子基盤100の接着強度について試験した。裏面端子32の直径は、2.0mmである。
図13(A)の(a)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.6mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(b)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(c)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.9mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(d)は、接触端子基盤100の外形周囲から2.1mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
【0071】
(a)〜(d)の接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、JIS X 6305による曲げ試験を行った。
ICカード長辺表向き250回→ICカード長辺裏向き250回→ICカード短辺表向き250回→ICカード短辺裏向き250回を繰り返し行った(1000回〜3000回以上)。
【0072】
JIS X 6305による曲げ試験を行い、接触端子基盤100の剥がれが発生したか、また、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等が発生したかを確認した。その試験結果を図13(B)に示す。図13(B)において○とする条件は、接触端子基盤100の剥がれが発生せず、且つ、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等が発生しない場合とする。それ以外は、×とする。
【0073】
図13(B)に示す試験結果から(a)の場合は、何れの場合も条件を満足することができなかった。
(b)、(c)の場合は、曲げ試験を1000回以上、2000回以上行った場合は条件を満足することができた。しかし、曲げ試験を3000回以上行った場合は条件を満足することができなかった。
(d)の場合は、曲げ試験を3000回以上行った場合でも条件を満足することができた。
【0074】
JIS X 6305による曲げ試験を鑑み、上記の試験結果から、図13(b)〜(d)に示すように、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計することが好ましいことが判明した。従って、本実施形態の接触端子基盤100は、JIS X 6305による曲げ試験を鑑み、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計する。これにより、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。また、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等を発生させないようにすることが可能となる。
【0075】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0076】
例えば、本実施形態のICカードの構成は、特に限定するものではなく、上述した実施形態で説明した接触端子基盤100を搭載することが可能であれば、あらゆる構造のICカードが適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、各種交通機関での定期券、回数券、電話カード、特定領域への入退出用のカード、IDカード、免許証、パチンコ,遊園地,映画館などに使用されるカード、クレジットカード等の情報記録媒体に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 外部接触端子(表面端子)
2 基板
3 配線パターン
31 裏面配線
32 裏面端子
33 土手
4 スルーホール
100 接触端子基盤
101 ICカード基板
102 アンテナ部
103 導電性ペースト(弱接着領域)
104 接着層(強接着領域)
105 ICチップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップと接続する接触端子基盤、その接触端子基盤を搭載した情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年におけるカード技術の発達により、各種の通信システムに用いられる情報記録媒体として、広範囲な用途に適用可能なICカードがある。このICカードには、専用の装置に接触させることで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な接触型のICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み処理、及び、読み出し処理が可能な非接触型のICカードと、がある。
【0003】
また、接触型のICカードと非接触型のICカードとが組み合わされたICカードも普及しており、接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型のICチップと、非接触状態にて情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う非接触型のICチップと、がそれぞれ搭載されたハイブリッド型のICカードや、接触状態及び非接触状態の何れの状態においても情報の書き込み処理、及び、読み出し処理を行う接触型及び非接触型兼用の1つのICチップが搭載されたコンビネーション型のICカードがある。
【0004】
上述したICカードとしては、COT(Chip On Tape)基板を実装して構成したものがあり、一般的なCOT基板は、片面基板で構成している。
【0005】
しかし、片面基板のCOT基板をコンビネーション型のICカードに採用してしまうと、ボンディング面側(カード内側)の端子(裏面端子)の配置が制約されてしまうことになる。
【0006】
上記の問題点は、両面基板で構成したCOT基板を採用することで解決できる。
【0007】
両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'は、図1、図2に示すように、スルーホール4'を介してカード内側に配線を導き、裏面配線31'を経由して裏面端子32'と外部接触端子(表面端子)1'とを接続することにしている。これにより、ボンディング面側(カード内側)の端子(裏面端子32')の配置に自由度を持たせることを可能にしている。
【0008】
しかし、両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'は、裏面端子32'が形成された領域以外に接着層(強接着領域)104'が形成され、図3に示すように、接着層(強接着領域)104'及び導電性ペースト(弱接着領域)103'を介してICカード基板101'と接着することになる。このため、図1に示すように、裏面端子32'をCOT基板(接触端子基盤)100'の外形周辺に配置した場合は、外形周辺の接着層(強接着領域)104'が少なくなり、COT基板(接触端子基盤)100'がICカード基板101'から剥離し易くなってしまうことになる。
【0009】
このようなことから、両面基板で構成したCOT基板(接触端子基盤)100'をICカード基板101'に実装した場合でも、COT基板(接触端子基盤)100'が剥離し難い構造の開発が必要視されることになる。
【0010】
なお、本発明より先に出願された先行技術文献として、ICカードをATMで反復使用しても、搬送ローラの押圧により、金ワイヤ接続部がモールド樹脂部と一緒に剥離しないようにする技術について開示された文献がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0011】
上記特許文献1では、矩形状の接触端子板を有するICカード用ICモジュール5を、カード1の四辺に平行し、かつISO7816に規定する位置に装着したICカードにおいて、当該ICモジュール5は、ICチップ側パッドと接触端子板背面のワイヤボンディング基板側パッドとがワイヤ接続されたものであり、C3とC7端子のワイヤボンディング基板側パッド26sの大きさを0.3mm〜0.5mmとし、かつICモジュール5の接触端子板の横中心線から1.0mm以内に位置するように形成している。
【0012】
また、上記特許文献2では、矩形状の接触端子板を有するICカード用ICモジュール5を、カード1の四辺に平行し、かつISO7816に規定する位置に装着したICカードにおいて、当該ICモジュール5は、ICチップ側パッドと接触端子背面のワイヤボンディング基板側パッドとがワイヤ接続されものであり、ワイヤボンディング基板側パッド26の貫通孔の外縁が封止樹脂の外周Qの左右辺から0.9mm〜2.0mmの範囲内に形成している。
【0013】
また、センサ領域151の外側に土手116を設け、保護材213を形成するための塗布液が土手116より表面形状認識用センサチップ100の内側に流れ込むことを抑制する点について開示された文献がある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−133802号公報
【特許文献2】特開2007−133803号公報
【特許文献3】特開2002−303505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、上記特許文献1、2は、搬送ローラの押圧によるICモジュール5の剥離を防止することを主眼とした発明になっている。また、上記特許文献1、2は、ICチップ側パッドと接触端子板背面のワイヤボンディング基板側パッドとをワイヤ接続することを前提としている。このため、上記特許文献1、2では、COT基板(接触端子基盤)100の外形周辺の接着力を向上させる点や、端子同士の短絡を防止する点についは何ら考慮されたものではない。
【0016】
また、上記特許文献3は、土手116を設ける点が開示されているが、その土手116は、端子同士の短絡を防止することを目的としたものではない。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、接触端子基盤の外形周辺の接着力を向上させると共に、端子同士の短絡を防止することが可能な接触端子基盤、情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0019】
<接触端子基盤>
本発明にかかる接触端子基盤は、
ICチップと接続する接触端子基盤であって、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする。
【0020】
<情報記録媒体>
本発明にかかる情報記録媒体は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる情報記録媒体は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されており、
前記アンテナ基板は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0022】
<製造方法>
本発明にかかる製造方法は、
ICチップと接続する接触端子基盤の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する形成工程を有し、
前記形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる製造方法は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0024】
本発明にかかる製造方法は、
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に複数の裏面端子を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程を有し、
前記媒体形成工程は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように前記アンテナ基板に形成する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、接触端子基盤の外形周辺の接着力を向上させると共に、端子同士の短絡を防止することができる。その結果、接触端子基盤をICカード基板から剥がれ難くし、接触端子基盤とICカード基板との接続不良(断線)等の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明と関連する接触端子基盤100'の構成例を示す図である。
【図2】接触端子基盤100'の詳細構成例を示す図である。
【図3】接触端子基盤100'を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図5】接触端子基盤100を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図6】接触端子基盤100の詳細構成例を示す図である。
【図7】ICカードの製造方法を説明するための第1の図である。
【図8】ICカードの製造方法を説明するための第2の図である。
【図9】ICカードの製造方法を説明するための第3の図である。
【図10】第2の実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態の接触端子基盤100の構成例を示す図である。
【図12】第4の実施形態の接触端子基盤100を搭載したICカードの構成例を示す図である。
【図13】試験結果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<本発明と関連するICカードの構成例>
まず、図3を参照しながら、本発明と関連するICカードの構成例について説明する。
【0028】
図3に示すICカードは、カード表面に接触端子基盤100'を有して構成している。
【0029】
図3に示す接触端子基盤100'は、基板2'の主面上に複数の外部接触端子(表面端子)1'を有し、その外部接触端子(表面端子)1'がスルーホール4'を介して基板2'の他面に敷設された配線パターン3'と接続している。配線パターン3'は、図2に示すように、裏面配線31'と裏面端子32'とを有して構成し、配線パターン3'(裏面端子32')が導電性ペースト103'を介してICカード基板101'に実装されたアンテナ部102'と接続することになる。
【0030】
図3に示す接触端子基盤100'は、図1、図2に示すように、裏面端子32'が形成される領域以外に接着層(強接着領域)104'を有して構成し、その接着層(強接着領域)104'及び導電性ペースト(弱接着領域)103'を介してICカード基板101'に接着されている。接着層104'は、強接着領域を形成し、導電性ペースト103'は、弱接着領域を形成する。強接着領域とは、接着層104'の接着力が導電性ペースト103'の接着力よりも強い領域であることを意味し、弱接着領域とは、導電性ペースト103'の接着力が接着層104'の接着力よりも弱い領域であることを意味する。
【0031】
一般的な接触端子基盤100'は、図1に示すように、基盤100'の外形周辺に裏面端子32'が形成されている。裏面端子32'が形成される領域には、接着層(強接着領域)104'を形成することができないため、接着層(強接着領域)104'が基盤100'の中央部分に位置し、導電性ペースト(弱接着領域)103'が基盤100'の外形周辺に位置することになる。
【0032】
このため、図1に示す接触端子基盤100'をICカード基板101'に実装した場合は、基盤100'の中央部分がICカード基板101'に強接着力で接着し、基盤100'の外形周辺がICカード基板101'に弱接着力で接着することになる。その結果、図1に示す接触端子基盤100'の構成では、接触端子基盤100'の外形周辺の接着力が弱くなり、接触端子基盤100'がICカード基板101'から剥がれ易くなってしまう。接触端子基盤100'がICカード基板101'から剥がれ易くなってしまうと、導電性ペースト103'の部分に応力がかかり易くなり、接触端子基盤100'とICカード基板101'との接続不良(断線)等が発生してしまうことになる。
【0033】
このため、接触端子基盤100'の外形周辺の接着力を向上させ、接触端子基盤100'をICカード基板101'から剥がれ難くする必要がある。
【0034】
このようなことから、本発明者は、様々な試験、研究を重ねた結果、図4に示すように、裏面端子32を基盤100の中央部分に集約し、接着層(強接着領域)104を接触端子基盤100の外形周辺に多く形成するようにした。これにより、接触端子基盤100の外形周辺の接着力を向上させることが可能となる。その結果、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くし、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等の発生を防止することが可能となる。以下、図4〜図6を参照しながら、本実施形態のICカードについて説明する。
【0035】
<ICカードの構成例>
まず、図5を参照しながら、本実施形態のICカードの構成例について説明する。図5(A)は、ICカードの断面構成例を示し、図5(B)は、ICカードの上面構成例を示す。
【0036】
本実施形態のICカードは、カード表面に接触端子基盤100を有して構成している。
【0037】
図5(A)に示す接触端子基盤100は、基板2の主面上に複数の外部接触端子(表面端子)1を有し、その外部接触端子1がスルーホール4を介して基板2の他面に敷設された配線パターン3と接続している。配線パターン3は、図4、図6に示すように、裏面配線31と裏面端子32と土手33とを有して構成し、裏面端子32が導電性ペースト103を介してICカード基板101に実装されたアンテナ部102と接続している。アンテナ部102は、図5(B)に示すように、ICチップ105と接続するようにICカード基板101に実装される。土手33は、裏面端子32の周辺を囲むように形成し、導電性ペースト103を土手33で塞き止めるように構成する。これにより、導電性ペースト103の流出を防止することが可能となる。
【0038】
図5に示す接触端子基盤100は、図4、図6に示すように、裏面端子32が形成される領域以外に接着層(強接着領域)104を有して構成し、その接着層(強接着領域)104及び導電性ペースト(弱接着領域)103を介してICカード基板101に接着されている。接着層104は、強接着領域を形成し、導電性ペースト103は、弱接着領域を形成する。強接着領域とは、接着層104の接着力が導電性ペースト103の接着力よりも強い領域であることを意味し、弱接着領域とは、導電性ペースト103の接着力が接着層104の接着力よりも弱い領域であることを意味する。
【0039】
本実施形態の接触端子基盤100は、図4に示すように、裏面端子32が基盤100の中央部分に集約されて形成されている。これにより、接着層(強接着領域)104が基盤100の外形周辺に位置し、導電性ペースト(弱接着領域)103が基盤100の中央部分に位置することになる。
【0040】
このため、図4に示す接触端子基盤100をICカード基板101に実装した場合は、基盤100の中央部分がICカード基板101に弱接着力で接着し、基盤100の外形周辺がICカード基板101に強接着力で接着することになる。その結果、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。
【0041】
なお、図4に示すように、裏面端子32を基盤100の中央部分に集約して形成してしまうと、導電性ペースト103の流出により裏面端子32同士が接触し、裏面端子32が短絡してしまう虞がある。このため、本実施形態では、裏面端子32の周辺を取り囲むように土手33を設け、その土手33により導電性ペースト103の流出を塞き止めることにしている。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにしている。
【0042】
<ICカードの製造方法>
次に、図7〜図9を参照しながら、本実施形態のICカードの製造方法について説明する。
【0043】
まず、基板2の上下面に導電性層200を貼り付ける(ステップS1)。導電性層200は、外部接触端子(表面端子)1,配線パターン3を構成するためのものである。導電性層200としては、銅、アルミ、SUSなどの金属箔が適用可能である。基板2としては、ガラスエポキシ樹脂等が適用可能である。
【0044】
次に、導電性層200にエッチングを施し、基板2の表面に外部接触端子(表面端子)1を形成し、基板2の裏面に配線パターン3を形成する(ステップS2)。配線パターン3は、裏面配線31、裏面端子32、土手33を構成する。なお、外部接触端子1と配線パターン3との形成方法は、特に限定せず、公知の手法を適用することが可能である。また、外部接触端子1や配線パターン3が予め形成された導電性層200を基板2に貼り付けるようにすることも可能である。
【0045】
次に、基板2にスルーホール加工を行い、基板2に穴4を形成する(ステップS3)。
【0046】
次に、基板2に金メッキ加工を行い、外部接触端子1と配線パターン3とを金メッキ201でコーティングする(ステップS4)。これにより、外部接触端子1と、配線パターン3と、の強度を向上させることができる。また、基板2に形成した穴4も金メッキ201が施され、穴4を介して基板2の表裏を導通させることになる。これにより、穴4を介して外部接触端子1と配線パターン3とが導通した端子基板2を形成することが可能となる。
【0047】
上記工程で得られた端子基板2の裏面側の構成を図8(a)に示す。図8(a)に示すように、端子基板2の裏面側には、配線パターン3を構成する裏面配線31、裏面端子32、土手33が形成されることになる。
【0048】
次に、図8(b)に示すように、接着層104を金型、または、刃物等で抜き加工し、接着層104に穴202を形成する。穴202は、裏面端子32をICカード基板101側に接着させるための穴であるため、接着層104と端子基板2とを積層させた際に裏面端子32の位置に穴202が設けられるように予め設計して形成する。穴202は、端子基板2の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102との導通を妨げない形状であれば特に限定せず、あらゆる形状が適用可能である。
【0049】
次に、図8(c)に示すように、接着層104と端子基板2とを重ね合わせ、熱圧を掛け、接着層104と端子基板2とを仮止めする。
【0050】
これにより、接触端子基盤100が形成されることになる。
【0051】
次に、図9に示すように、ICカードを構成するICカード基板101にミーリング加工を施し、ICカード基板101に設けられたアンテナ部102を露出させると共に、接触端子基盤100を挿入するための挿入穴300を形成する(ステップA1)。
【0052】
次に、ICカード基板101のアンテナ部102に導電性ペースト103を塗布する(ステップA2)。なお、接触端子基盤100側に導電性ペースト103を塗布するようにすることも可能である。
【0053】
次に、接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、熱圧ヘッドを用いて接触端子基盤100をICカード基板101に熱圧着させる(ステップA3)。これにより、接触端子基盤100の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102とが導電性ペースト103を介して接続することになる。また、接触端子基盤100とICカード基板101とが導電性ペースト(弱接着領域)103及び接着層(強接着領域)104を介して接着することになる。
【0054】
これにより、接触端子基盤100をICカード基板101に実装したICカードが形成されることになる。
【0055】
なお、本実施形態のICカードは、接触端子基盤100の中央部分がICカード基板101に弱接着力で接着し、接触端子基盤100の外形周辺がICカード基板101に強接着力で接着することになる。その結果、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。その結果、ICカードを曲げたりした場合でも、導電性ペースト103の部分に応力がかかり難くなり、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等を発生させないようにすることが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0057】
第1の実施形態は、エッチングを用いて土手33を形成することにした。
【0058】
第2の実施形態は、図10に示すように、基板2に凹部を設けることで土手33を形成する。基板2に凹部を設けることで、導電性ペースト103が凹部に流入し、凹部から外側へ導電性ペースト103が流出するのを防止することが可能となる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0060】
第2の実施形態は、基板2に凹部を設けることで土手33を形成することにした。
【0061】
第3の実施形態は、図11に示すように、基板2に凸部を設けることで土手33を形成する。基板2に凸部を設けることで、導電性ペースト103が凸部で塞き止められることになる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0062】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0063】
上記実施形態では、接触端子基盤100に土手33を設けることにした。
【0064】
第4の実施形態では、アンテナ基板101側に土手33を設けることにする。アンテナ基板101側に土手33を設けた場合でも、上記の実施形態と同様に導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0065】
アンテナ基板101側に土手33を設ける場合には、図12に示すように、ICカードを構成するICカード基板101にミーリング加工を施し、ICカード基板101に設けられたアンテナ部102を露出させると共に、土手33を形成することになる(ステップB1)。
【0066】
次に、ICカード基板101のアンテナ部102に導電性ペースト103を塗布する(ステップB2)。なお、接触端子基盤100側に導電性ペースト103を塗布するようにすることも可能である。
【0067】
次に、接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、熱圧ヘッドを用いて接触端子基盤100をICカード基板101に熱圧着させる(ステップB3)。これにより、接触端子基盤100の配線パターン3とICカード基板101のアンテナ部102とが導電性ペースト103を介して接続することになる。また、接触端子基盤100とICカード基板101とが導電性ペースト(弱接着領域)103及び接着層(強接着領域)104を介して接着することになる。
【0068】
これにより、接触端子基盤100をICカード基板101に実装したICカードが形成されることになる。なお、なお、導電性ペースト103は、ICカード基板101に形成された土手33で塞き止められることになる。これにより、導電性ペースト103の流出を防止し、裏面端子32同士を接触しないようにすることが可能となる。
【0069】
(実施例)
次に、本実施形態の接触端子基盤100の接着強度について試験する。
【0070】
接触端子基盤100を構成する裏面端子32の配置位置を変更し、接触端子基盤100の接着強度について試験した。裏面端子32の直径は、2.0mmである。
図13(A)の(a)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.6mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(b)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(c)は、接触端子基盤100の外形周囲から1.9mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
(d)は、接触端子基盤100の外形周囲から2.1mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計した場合である。
【0071】
(a)〜(d)の接触端子基盤100をICカード基板101に実装し、JIS X 6305による曲げ試験を行った。
ICカード長辺表向き250回→ICカード長辺裏向き250回→ICカード短辺表向き250回→ICカード短辺裏向き250回を繰り返し行った(1000回〜3000回以上)。
【0072】
JIS X 6305による曲げ試験を行い、接触端子基盤100の剥がれが発生したか、また、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等が発生したかを確認した。その試験結果を図13(B)に示す。図13(B)において○とする条件は、接触端子基盤100の剥がれが発生せず、且つ、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等が発生しない場合とする。それ以外は、×とする。
【0073】
図13(B)に示す試験結果から(a)の場合は、何れの場合も条件を満足することができなかった。
(b)、(c)の場合は、曲げ試験を1000回以上、2000回以上行った場合は条件を満足することができた。しかし、曲げ試験を3000回以上行った場合は条件を満足することができなかった。
(d)の場合は、曲げ試験を3000回以上行った場合でも条件を満足することができた。
【0074】
JIS X 6305による曲げ試験を鑑み、上記の試験結果から、図13(b)〜(d)に示すように、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計することが好ましいことが判明した。従って、本実施形態の接触端子基盤100は、JIS X 6305による曲げ試験を鑑み、接触端子基盤100の外形周囲から1.8mm内側の範囲内に裏面端子32が位置するように設計する。これにより、接触端子基盤100の外形周辺の接着力が強くなり、接触端子基盤100をICカード基板101から剥がれ難くすることが可能となる。また、接触端子基盤100とICカード基板101との接続不良(断線)等を発生させないようにすることが可能となる。
【0075】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0076】
例えば、本実施形態のICカードの構成は、特に限定するものではなく、上述した実施形態で説明した接触端子基盤100を搭載することが可能であれば、あらゆる構造のICカードが適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、各種交通機関での定期券、回数券、電話カード、特定領域への入退出用のカード、IDカード、免許証、パチンコ,遊園地,映画館などに使用されるカード、クレジットカード等の情報記録媒体に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 外部接触端子(表面端子)
2 基板
3 配線パターン
31 裏面配線
32 裏面端子
33 土手
4 スルーホール
100 接触端子基盤
101 ICカード基板
102 アンテナ部
103 導電性ペースト(弱接着領域)
104 接着層(強接着領域)
105 ICチップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップと接続する接触端子基盤であって、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする接触端子基盤。
【請求項2】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項3】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されており、
前記アンテナ基板は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項4】
ICチップと接続する接触端子基盤の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する形成工程を有し、
前記形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項5】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【請求項6】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に複数の裏面端子を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程を有し、
前記媒体形成工程は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように前記アンテナ基板に形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【請求項1】
ICチップと接続する接触端子基盤であって、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする接触端子基盤。
【請求項2】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されていると共に、前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項3】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体であって、
前記接触端子基盤は、
前記接触端子基盤裏面側に形成される複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されており、
前記アンテナ基板は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように形成されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項4】
ICチップと接続する接触端子基盤の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する形成工程を有し、
前記形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項5】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に、複数の裏面端子と、前記裏面端子の短絡を防止するための土手と、を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程と、
前記土手が各裏面端子の周囲に配置されるように前記土手を前記基板の裏面側に形成する工程と、
を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【請求項6】
ICチップが実装されたアンテナ基板と、
前記ICチップと接続する接触端子基盤と、を搭載した情報記録媒体の製造方法であって、
前記接触端子基盤を構成する基板の裏面側に複数の裏面端子を形成する基盤形成工程と、
前記アンテナ基板を搭載した情報記録媒体を形成する媒体形成工程と、
前記接触端子基盤を前記アンテナ基板に実装されたICチップと接続するように前記接触端子基盤を前記情報記録媒体に搭載する搭載工程と、
を有し、
前記基盤形成工程は、
前記複数の裏面端子が前記接触端子基盤の外形周囲から1.8mm内側の領域内に配置されるように前記複数の裏面端子を前記基板の裏面側に形成する工程を有し、
前記媒体形成工程は、
前記裏面端子同士の短絡を防止するための土手が各裏面端子の周囲に位置するように前記アンテナ基板に形成する工程を有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−225073(P2010−225073A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74105(P2009−74105)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】
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