説明

推定と経験則に基づく信号強度測定値のパターンマッチングによる無線端末の位置特定方法

無線端末の位置を特定する方法を開示する。本発明の実施例は、送信器からの信号の信号強度は、ある場所では異なり、それ故に、無線端末の位置は、現在観測している信号強度と、場所(地域)と信号強度とを関連付けるマップあるいはデータベースとを比較することにより、特定される。さらに、本発明の一実施例は、無線端末における基地局の制御チャネルの信号強度を相互性原理に基づいて推定している。これは、無線端末が実際に基地局から制御チャネルを受信しているか否かを問わないが、基地局が、無線端末からのアップリンク・トラフィック・チャネル信号を受信し測定している限り可能である。この推定した信号強度測定値を用いて、単独であるいは経験則に基づく信号強度測定値と組み合わせて、無線端末の位置を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信に関し、特に無線端末の位置を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、米国仮特許出願第60/488,866(出願日:2003年7月15日、発明の名称:「Location Estimation of Wireless Terminals Through Pattern Matching of Deduced Signal Strengths」に基づき、この特許出願は、本明細書の参照とする。
【0003】
図1は、無線通信システムによりサービスされる地理的領域のマップを示す。このシステムは、通信サービスを領域内にある無線端末(例、無線端末101)に提供する。通信システムの心臓部は、無線交換センター110である。この無線交換センター110は、携帯電話交換センター(”MSC”)あるいは移動電話交換局(”MTSO”)として公知である。
【0004】
通常、無線交換センター111は、複数の中間ネットワーク要素(例、基地局コントローラ等)を介して複数の基地局(例、基地局102−1,102−2,102−3)に接続されている。この基地局は、システムよりサービスされている地理的領域内に分散している。図1に示すように、基地局102−2は、無線端末101にサービスしている。
【0005】
従来、当業者に公知のように、無線交換センター111は、特に、無線端末どうしおよび無線端末と有線端末との間の呼びを、設定/維持する。有線端末は、地方電話ネットワークおよび/または長距離電話ネットワークを介してシステムに接続されるが、図1には示していない。
【0006】
有線通信に対する無線通信の顕著な利点は、無線通信システムのユーザに与えられる移動可能性である。他方で、無線通信システムの不利な点は、ユーザが移動するために、そのユーザの関係者は、そのユーザの位置を容易に特定することができないことである。
【0007】
関係者は、無線端末のユーザと遠隔地にいる者/装置の両方を含む。無線端末のユーザが相手の場所あるいは自分の場所を知りたい理由はさまざまである。例えば、ユーザは、自分とは離れた場所にいる相手と話したいと思っている場合である。
【0008】
遠隔地にいる者/装置がユーザの位置を知りたいと思う理由もさまざまである。例えば、無線端末からの緊急電話の受信者は、救急車をその場所に派遣するために、無線端末の位置を知る必要がある。
【0009】
無線端末の位置を特定するさまざまな従来技術が存在する。
【0010】
ある従来技術によれば、無線端末の位置は、無線端末が含まれるセルの中心にあると特定される。この技術は、無線端末あるいは無線通信システムに追加すべき付属のハードウェアを必要としない点で利点がある。これは、この第1の技術は、従来システムで経費をかけずに実現できることを意味する。しかし、この第1の技術は、数km程度の精度しかなく、それ故により高い精度を必要とするようなアプリケーション(例、緊急サービス、救急車の出動等)では一般に受け入れ難い。
【0011】
第2の技術によれば、無線端末の位置は、この無線端末が送信した信号をさまざまな受信器が受信した角度、あるいは信号の到着時間を三角測定法により特定することである。この技術は、数百mの程度で精度があり、従来の無線端末で使用できる利点がある。しかし不利な点としては、通信システムの基地局に追加すべきハードウェアが必要となり、非常に高価となる点である。
【0012】
第3の技術によれば、無線端末の位置は、無線航法装置(例えば、Global Positioning System (GPS))で、これを無線端末内に組み込むことにより、特定することである。この技術は、数十mの程度で精度があり、通信システムのインフラに付加すべきハードウェアを必要としない点で利点がある。しかし、この第3の技術の不利な点は、無線航法装置を搭載していない従来の無線端末では使用できない点である。
【0013】
それ故に、第1技術よりもより高い精度(解像度)でもって、無線端末の位置を特定し、且つ従来システムで安価に実施できる技術が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、無線端末あるいは通信システムの基地局のいずれにもハードウェアを追加することなく、無線端末の位置を特定できる方法を提供することである。理想としては、本発明のある実施例では従来の通信システムでも使用するのに適したものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の実施例は、送信器からの信号の信号強度は、ある場所では異なり、それ故に、無線端末の位置は、現在観測している信号強度と、場所(地域)と信号強度とを関連付けるマップあるいはデータベースとを比較することにより、特定される。例えば、ある特定の無線基地局は、強い信号を第1位置に、弱い信号を第2位置に送信することが分かっている場合には、未知の場所にいる無線端末が、この無線基地局から弱い信号を受信すると、その無線端末は第1位置ではなく、第2位置にいる可能性が大きい。
【0016】
無線端末位置の特定精度が向上するのは、複数の送信器と複数の信号を用いる場合である。簡単な例を挙げてこの点について説明する。第1無線基地局(無線局A)が強い信号を第1位置と第2位置に、弱い信号を第3位置と第4位置に送信するものとする。一方、第2無線基地局(無線局B)が強い信号を第1位置と第3位置に、弱い信号を第2位置と第4位置に送信するものする。この情報は以下の表で示され、位置と信号強度とを関連付けるマップあるいはデータベースを構成する。

表1−信号強度のデータベース(絶対信号強度)
無線局A 無線局B
第1位置 強い信号 強い信号
第2位置 強い信号 弱い信号
第3位置 弱い信号 強い信号
第4位置 弱い信号 弱い信号

未知の場所にいるある無線端末が、無線局Aから弱い信号を受信し、無線局Bから強い信号で受信した場合には、無線端末は、第1、第2、第4のいずれの位置よりも第3位置にいる確率が高い。
【0017】
さらに、無線端末の位置の特定精度が上がるのは、各位置における各信号の信号強度を定量的に測定した時である。簡単な例でこの点を説明する。ある特定の無線局からの信号を、第1位置では−50dBmの強度で受信し、第2位置では−53dBmの強度で、第3位置では−55dBmの強度で受信したとすると、−56dBmの強度で信号を受信したことは、その無線端末は、第1あるいは第2のいずれの位置よりも、第3位置にいる確率が高い。
【0018】
従来技術では、無線端末は、自分にサービスしていない基地局からの制御信号を受信した時の信号強度を測定し、この信号強度測定値の一部あるいは全てを、無線交換センターに報告する。この従来技術においては、これは、無線交換センターが、その無線端末にどの基地局がサービスしているかを識別しながら決定するよう行われる。本発明の実施例によれば、これらの信号強度測定値を、位置と信号強度とを関連付けるマップあるいはデータベースとともに、使用して無線端末の位置を特定している。
【0019】
一般的に、信号強度測定値の数が増えると、少ない数の信号強度測定値よりも、無線端末の位置特定の精度が上がる。それ故に、さらなる信号強度測定値の獲得は一般的に好ましい。さらなる信号強度測定値を獲得する1つの方法は、無線端末で信号を実際に物理的に測定することであるが、大部分の従来端末は、任意の数の信号を測定し、報告することはできない。
【0020】
「信号強度測定値」を獲得する別の方法は、他の情報に基づいて推論あるいは推定することである。これが、実施例に示したものである。
【0021】
特に、本発明の一実施例は、無線端末における基地局の制御チャネルの信号強度を相互性原理に基づいて推定している。これは、無線端末が実際に基地局から制御チャネルを受信しているか否かを問わないが、基地局が、無線端末からのアップリンク・トラフィック・チャネル信号を受信し測定している限り可能である。これは、相互性原理に従って行われる。相互性原理とは、ポイントAからポイントBへ送信された信号の減衰量は、ポイントBからポイントAへ送信された信号の減衰量と同じである、というものである。
【0022】
言い換えると、無線端末における基地局の制御チャネル信号の信号強度であるRは、基地局から送信された制御チャネル信号の信号強度であるTと、基地局と無線端末との間の信号の減衰量Aを用いて、次式で表される。
=T−A (式1)
【0023】
相互性原理によれば、基地局と無線端末との間の信号の減衰量Aは、無線端末と基地局との間の信号の減衰量Aに等しい。次式で表される。
=A (式2)
【0024】
無線端末と基地局との間の信号の減衰量Aは、信号が無線端末により送信された強度Tから、基地局で測定した信号の信号強度、Rを引いた値であり、次式で表される。
=T−R (式3)
【0025】
式3を式2に、式2を式1に代入すると、無線端末における基地局の制御チャネル信号の信号強度、Rは、基地局が送信した制御チャネル信号の強度Tと、信号が無線端末により送信された強度、Tと、無線端末からのアップリンク・トラフィック・チャネル信号を基地局が測定した強度、Rとから、次式で表される。
=T−(T−R) (式4)
【0026】
この推定した信号強度測定値を用いて、単独であるいは経験則に基づく信号強度測定値と組み合わせて、無線端末の位置を特定する。
【0027】
本発明の実施例は、無線端末が受信した第1のダウンリンク信号の信号強度測定値と、前記無線端末が送信したアップリンク信号の信号強度測定値を受信するステップと、前記第1のダウンリンク信号の信号強度測定値と前記アップリンク信号の信号強度測定値に基づいて、前記無線端末の位置を特定するステップとを有する。
【実施例】
【0028】
図2は、本発明の一実施例のマップを示す。このマップは、無線交換センター211と、位置特定システム212と、基地局202−1、202−2、202−3と、無線端末201とを有し、それらがが相互に接続されている。この実施例は、無線通信サービスを地理的領域200の大部分に公知の方法で提供し、地理的領域200内に無線端末201の位置を特定する機能を有する。
【0029】
この実施例は、移動通信用のグローバルシステム(グループ・スペシャル・モバイルとして公知)に従って動作し、このシステムは、GSMとして知られている。本明細書を参照すると、当業者は、本発明の実施例が、他のプロトコル(例えば、Universal Telephone System(”UMTS”)、CDMA−2000とIS−136 TDMAにも適用できることが分かる。
【0030】
無線交換センター211は、当業者に公知の交換センタであるが、位置特定システム212と以下に記載するような方法で通信できる点が異なる。本明細書の開示したところによれば、当業者は無線交換センター211を如何に製造し、使用するかが明らかとなる。さらにまた、交換機センターは、例えば携帯電話交換機センター、移動電話交換局等でもよい。
【0031】
本発明の一実施例は、1個の無線交換システムを有するが、当業者に明らかなように、本発明の実施例は、複数の交換システムを用いて、信号強度測定値を得てもよい。通常、これは、無線端末が1つあるいは複数のシステムの境界近傍にある場合に有効である。複数のシステムを用いて信号強度測定値を得ると、1個の無線交換センターは、IS−41プロトコル・メッセージ、例えば、ハンドオフ措置リクエスト(Handoff Measurement Request とHandoff Measurement Request 2)を用いて、別の交換システムから信号強度測定値を取り出すことができる。
【0032】
基地局202−1、202−2、202−3は、当業者に公知なものであり、無線交換センター211と、ケーブル又は基地局コントローラ等の他の装置(図示せず)を用いて、通信する。図2に示すように、無線端末201は、基地局202−2からのサービスを受けている。この実施例は3個の基地局を有するが、本発明の実施例は、如何なる数の基地局を有してもよい。
【0033】
各基地局202−1、202−2、202−3は、公知の方法で、以下のことができる。
i. 無線端末201から送信されたままのアップリンク・トラフィック・チャネル信号の信号強度を測定し、この測定値を無線交換センター211に報告すること、
ii. 無線交換センター211に、基地局が制御チャネルを送信した時の信号強度を、報告すること。
これらの機能の最初のものは、例えばIS−136TDMAシステムのDisital Locate Radio により行われる。当業者は、いくつかの基地局が、別のアップリンク信号、例えばアップリンク・シグナリング・チャネル信号等を測定する他の実施例を構成し使用することができる。
【0034】
ここに示した実施例によれば、基地局202−1は、無線端末201からのアップリンク信号S(図2で点線のジグザグ矢印で示す)の信号強度を受信し測定する。基地局202−1は、無線端末201近傍にあるが、基地局202−1は、(1)無線端末201に対してサービスする基地局でもなく、(2)近傍にある基地局を含む無線端末201のリスト上にはない。実施例は、無線端末201の近傍に1個の基地局のみを示し、アップリンク信号Sを受信しその強度を測定するが、(1)サービス中の基地局ではなく、(2)近傍にある基地局を含む無線端末201のリスト上にはない。当業者は、如何なる数の基地局を有する本発明の実施例を構成することができる。
【0035】
ここに示した実施例においては、基地局202−2は、無線端末201に対するサービス中の基地局であり、基地局202−2は、無線端末201からのアップリンク信号S(図2で点線のジグザグ矢印で示す)を受信しその信号強度を測定する。ここに示した実施例では、無線端末201は、基地局202−2からの制御チャネルの信号強度を測定しない。ここに示した実施例では、無線端末201は、基地局202−2からのダウンリンク・トラフィック・チャネル(図2の実線のジグザグ矢印で示す)を受信する。この実施例は、無線端末201に対し、サービスする1個の基地局のみを示しているが、本発明の実施例は、複数のサービスする基地局を用いることもできる(例、IS−95 CDMAシステム等)。
【0036】
ここに示した実施例によれば、基地局202−3は、近隣の基地局を含む無線端末201のリストに載っており、無線端末201は、基地局202−3からの制御チャネル(図2の点線のジグザグ矢印)を受信し、その信号強度を測定する。ここに示した実施例にでは、1個の基地局のみが近隣の基地局の無線端末201のリストに載っているが、当業者は、本発明の実施例は、如何なる数の基地局がその近隣の基地局のリスト上に載っていてもよい。
【0037】
基地局202−3は、無線端末201の近傍にあり、基地局202−3は、無線端末201からのアップリンク信号S(図2の点線のジグザグ矢印)を受信し、その信号強度を測定する。これは、基地局202−3が、近隣の基地局の無線端末201のリスト上にある必然の結果ではなく、単に基地局202−3と無線端末201が近い結果である。本発明のある実施例においては、近隣の基地局の無線端末のリスト上のある基地局は、無線端末201からのアップリンク信号Sを受信し、その信号強度を測定するが、別の実施例ではそうする必要はない。当業者に明らかなように、近隣の基地局の無線端末のリスト上にある一部の基地局あるいは全ての基地局が、無線端末201からのアップリンク信号Sを受信しその信号強度を測定するような変形例、あるいはどの基地局も全く測定しないような変形例も当業者には可能である。
【0038】
無線端末201は、現在製造され、世界中で使用されている標準のGSM無線端末である。無線端末201は、公知の方法で、近隣の基地局を含むリスト上にない基地局からの信号の信号強度を測定し、それを無線交換センター211に報告するようなハードウェアとソフトウェアを具備している。
【0039】
GSM無線端末、例えば無線端末201は、−47dBmと−110dBmの間の64個のレベルの内の1つのレベルとして、信号の信号強度を報告できる。−47dBmよりも強い如何なる信号も−47dBmとして報告され、−110dBmよりも如何なる信号も−110dBmとして報告される。
【0040】
本発明の一実施例によれば、無線周波数スペクトラムの特定の部分の全ては、基地局202−1、202−2、202−3と通信するために、無線端末201が用いる同一の帯域内に入る。本発明の別の実施例によれば、無線周波数スペクトラムの特定の部分の全てあるいは一部は、基地局202−1、202−2、202−3と通信するために、無線端末201が用いる帯域外にある。いずれの場合にしても、当業者は、無線端末201の製造方法、使用方法は明らかである。
【0041】
位置特定システム212は、無線端末201の位置を予測できるコンピュータ・システムである。図に示した実施例は、位置特定システム212は1個の無線端末のみの位置を特定するものとして記載したが、当業者には、位置特定システム212は、無線交換センター211によりサービスを受けている複数の無線端末の位置を特定できることは明らかである。
【0042】
さらに、位置特定システム212は、図2においては、無線交換センター211と区別して示している。これは、無線交換センター211により行われる機能と位置特定システム212に行われる機能との差を目立たせるためにしたものである。言い換えると、位置特定システム212が、無線交換センター211内にある実施例、あるいは無線交換センター211外にある実施例、あるいは無線交換センター211と一体に形成されている実施例は、当業者には明らかである。
【0043】
さらにまた、無線交換センター211と、位置特定システム212と、基地局202−1、202−2、202−3とは、地理的領域200(すなわち、無線端末201の候補位置の領域)内にあるものとして、図2に教示している。しかし必ずしもそうする必要はない。当業者には、これらの部品の一部あるいは全てが位置を予測した領域内にはないような実施例も明らかである。
【0044】
図3は、本発明の一実施例による位置特定システム212の主要構成部品のブロック図である。
【0045】
図3に示すように、位置特定システム212は、プロセッサ301と、信号強度データベース302と、受信器303と、送信器304とを有する。それらは相互に接続されている。
【0046】
受信器303は、無線交換センター211から情報を受信し、以下図4で説明するように、この情報をプロセッサ301に転送する。
【0047】
プロセッサ301は、以下にそして図4に説明するような動作ができる公知の汎用プロセッサである。プロセッサ301は、公知の方法で、受信器303から入力を受信し、出力を送信器304に送る。
【0048】
信号強度データベース302は、信号強度測定値を記憶する非揮発性メモリである。これに関しては図4で説明する。
【0049】
送信器304は、プロセッサ301からの出力を受信し、公知の方法で、この出力を無線交換センター211に送る。
【0050】
全体説明−図4は、地理的領域200内にある無線端末201の位置を確定するための実施例により実行される動作のブロック図でを示す。要するに、この実施例により実行されるタスクは、理解を容易にするために、5つの動作に分ける。
i. 信号強度データベース302の母集団の形成(図4のステップ401)、
ii. アップリンクとダウンリンクの信号強度測定値を提供するために、無線交換セ ンター211に問い合わせること(図4のステップ402)、
iii. 無線端末でその信号強度が経験上測定できないようなダウンリンク信号の、 無線端末における信号強度の推定(図4のステップ403)、
iv. 測定したダウンリンク信号強度と推定したダウンリンク信号強度に基づいて、 無線端末201の位置を特定する(図4のステップ404)、
v. 無線端末201の特定された位置を使用すること(図4のステップ405)。
これらの操作は、以下に簡単に説明し、図5−14で更に詳述する。
【0051】
ステップ401において、信号強度データベース302は、地理的領域200内にある各位置を、その位置に対する特定の信号の信号強度測定値の要素と関連付ける。ステップ401は、一般的に複雑且つ高価故に、好ましくは1回で行いたい。ステップ401の詳細は、図5を参照して以下説明する。
【0052】
ステップ402において、位置特定システム212は、無線交換センター211に問い合わせて、次の情報を得る。
i. 無線交換センター211が受信した時の制御チャネル用経験則に基づく信号 強度測定値と、この制御チャネル信号の対応する送信強度と、
ii. 無線端末201により送信された時のアップリンク信号Sの経験則に基づく 信号強度測定値と、アップリンク信号Sの対応する送信強度。
【0053】
この問い合わせは、特定のデータを得るためでなく、無線交換センター211が提供できる如何なるものでもよい。ここに示した実施例によれば、位置特定システム212は、以下のデータ(表2にまとめてある)を受領する。
i. 基地局202−3が送信し、無線端末201が受信した時の(ダウンリンク) 制御チャネルの経験則に基づく信号強度測定値、これはR(3)として示す、
ii. 無線端末201がR(3)を測定した時期とほぼ同時期に、無線端末201 により送信された(アップリンク)信号Sの送信強度T
iii. 無線端末201がR(3)を測定した時期とほぼ同時期に、基地局202 −1、202−2、202−3が受信した時の(アップリンク)信号Sの経験 則に基づく信号強度測定値、T(1)、T(2)、T(3)、
iv. 無線端末201がR(3)を測定した時期とほぼ同時期に、基地局202 −1、202−2、202−3により送信された(ダウンリンク)制御チャネ ルの送信強度、T(1)、T(2)、T(3)。
(1)、T(2)、T(3)は、Tと共に、R(1)、R(2)、R(3)を推定するのに必要である。R(3)の値は経験上および無線端末201により直接決定でき、以下に示す理由により、R(3)の推定された値が好ましい。

表2−図示した実施例による位置特定システム212が受信した信号強度測定値
i R(i) R(i) T(i)
基地局202−1 1 −−− R(1) T(1)
基地局202−2 2 −−− R(2) T(2)
基地局202−3 3 R(3) R(3) T(3)
【0054】
図示した実施例によれば、無線端末201は、周期的あるいは散発的に、R(3)とTを、無線交換センター211に送り、測定値を位置特定システム212に転送する。ステップ402の詳細は、図11、12、13を引用して、以下詳述する。
【0055】
ステップ403において、位置特定システム212は、T、R(i)、T(i)に基づいて、R(i)の値を推定する。特に、位置特定システム212は、信号Sのアップリンク減衰A(i)を、式4により、パスiに沿って計算する。
(i)=T(i)−(T−R(i)) (式4)
(i)とR(i)が異なる周波数の場合、例えば、周波数分割多重システムの場合には、高速フェーディング(fast fading)(すなわちレイレイ・フェーディング(rayleigh fading))の影響をR(i)から取り除いて、R(i)の推定した値が、周波数R(i)で高速フェーディングとは独立していることを確保する。従来公知のように、高速フェーディングの影響は、公知のフィルタリング技術を用いて、R(i)から取り除くことができる。ステップ403の詳細は、図12を参照して、以下説明する。
【0056】
ステップ404において、位置特定システム212は、無線端末201の位置を、ダウンリンク信号強度測定値(すなわち、測定した信号強度測定値、R、...Rn−1と、推定した信号強度値、R(1)、...R(3))の全てと、位置と信号強度測定値とを関連付けるマップあるいはデータベースに基づいて、特定する。
【0057】
ある場合には、位置特定システム212は、ダウンリンク信号の経験則に基づく信号強度測定値を受信し、その同一のダウンリンク信号の信号強度を推定することもできる。この場合、推定した値を経験則に基づく測定値の代わりに用いるべきであるというのは、アップリンクの信号強度測定値の精度は、通常、ダウンリンクの信号強度測定値の精度よりも良いからである。当業者は、測定値に対し、1つ或は複数の経験則に基づく測定値を、推定値の代わりに用いるような実施例も考えることができる。
【0058】
ステップ404の詳細は、図14を参照して、以下詳述する。
【0059】
ステップ405において、位置特定システム212は、ステップ405で特定した位置を、アプリケーションで使用するエンティティ/装置(図示せず)に送信する。無線端末の特定された位置をアプリケーションで使用する方法は、当業者には公知である。
【0060】
ステップ401−404を詳述する。
【0061】
信号強度データベース302の母集団の形成−図5は、ステップ401で行われる動作の主要なステップのフローチャートを示す。
【0062】
サブステップ501において、地理的領域200を、複数の格子状の領域(ロケーション)に分割する。地理的領域200は矩形であり、5,525個のスクエア・アークセカント(square arc-seconts)を有し、赤道に近い場所で約5平方kmに等しい(図6)。本明細書を参考にして、如何なる形状あるいは大きさの地理的領域で動作する実施例の構成と使用法は、当業者には公知である。
【0063】
本発明の実施例によれば、地理的領域200は、221個の四角の領域(ロケーション)からなる格子に分割される。この領域は、x、yからx17、y13で示される。地理的領域200が分割される領域の数は、以下のことを考慮してすれば任意である。ここに示した実施例によれば、各領域は、横方向が約5アークセカントで、縦方向が5アークセカントである。赤道に近い場所での5アークセカントは、約150mである。
【0064】
領域の大きさが、図示した実施例が無線端末の位置を特定する最高解像度を規定する。言い換えると、この実施例は、1個の領域内に無線端末の位置を特定することができるだけである(すなわち、この実施例では5×5アークセカントである)。より細かい解像度が必要な場合、例えば、1アークセカントの解像度が必要なの場合、地理的領域200は1アークセカント×1アークセカントの領域に分割する必要がある。地理的領域200が1アークセカントの領域に分割された場合には、この実施例で使用される221個の領域よりもかなり多い5,525の四角の領域(ロケーション)となる。見かけ上は5アークセカントに対し1アークセカントのより細かい解像度は、利点があるが、多数の領域に対するかなりの不利な点もある。
【0065】
地理的領域200を分割する領域(ロケーション)の数は、3つのファクタに基づいている。第1のファクタは、各領域の大きさが小さくなるにつれて、解像度が増加する点である。第2のファクタは、各領域の大きさが小さくなるにつれて、地理的領域内の分割された領域(ロケーション)の数が増加することである。従って、ステップ404の計算の複雑度が急速に増すことである。第3のファクタは、各領域は隣接する領域よりも少なくとも若干異なる信号強度特性を有するよう十分大きくなければならないことである。これは、ここに示した実施例は必ずしもそうではないが、同一の信号強度特性を有する隣接の領域間を区別する困難があるためである。当業者は、これらの3つのファクタを考慮に入れて、地理的領域を如何に分割するかを決めることができる。
【0066】
ステップ502において、各基地局からの信号に対する信号強度測定値は、地理的領域内の各位置で決定される。ここに示した実施例によれば、各基地局からの信号は制御チャネルである。その理由は、制御チャネルは一定のパワーで放送するからであり、また、無線端末201は、制御チャネルがBSIC(GSMネットワーク用)に復号化することができる場合には、あらゆる他の制御チャネルから区別することができるからである。
【0067】
図示した実施例においては、それぞれが1個の制御チャネルを有する3個の基地局が示されているために、各位置における3個の信号強度測定値からなる集合(tuple)を決定しなければならない。
【0068】
一般的に電磁信号の信号強度は、送信器からの距離に応じて減少する(図7aに示す)が、しかし、領域の形状と建物、木の存在、および他の無線周波数の障害物が、これらの一般的状況を変えてしまう(図7b)。
【0069】
ここに示した実施例によれば、各位置に対する3つの信号強度測定値からなる集合は、以下のものを組み合わせて、決定できる。
(i) 理論的な無線周波数伝搬モデル
(ii) 経験則に基づく信号強度測定値
当業者にはこれらを如何に組み合わせるかは明らかである。
【0070】
例えば、屋外の無線周波数信号の伝搬に対する公知のあるモデル化技術は、累乗法則(power-law)減衰モデルから採用できる。この累乗法則減衰モデルは、基地局のアンテナは地上から高く、無線端末までのライン・オブ・サイト(見通せる)伝搬(line-on-sight propagation)が可能なものとしている。無線端末が受信する平均信号強度、Pは、ある区切り点までは、送信器からの距離の二乗に反比例して減衰する。
P=1/r(式5)
区切り点をを超えると、無線端末の平均パワーは、送信器からの距離の4乗の反比例する。
P=1/r(式6)
区切り点の位置は、地上から反射した信号がライン・オブ・サイト信号と交差するロケーションでの経験則に基づく信号強度測定値により決定する。
【0071】
他の公知のモデルによれば、各位置における信号強度測定値は、さまざまな場所(ローケーション)での経験則に基づく値を取り入れ、代表的な領域(ロケーション)の間の領域を補間することによって決定できる。この方法は、多くの経験則に基づく測定値を必要としない点で利点があるが、あらゆる場所において測定値を得るよりも精度は劣る。
【0072】
当業者には、次のことを考慮に入れて、地理的領域内における各位置の信号強度測定値を如何に決定するかは、明らかである。
(i) 理論的な無線周波数伝搬モデル または、
(ii) 経験則に基づく信号強度測定値 または、
(iii) iとiiの組み合わせ。
【0073】
ここに示した実施例によれば、図8は、地理的領域200内の各位置における基地局202−1からの信号(以下「信号1」と称する)の信号強度を示す。一般に、信号1は、基地局202−1に近いところでは強く、基地局202−1から離れると弱くなる。
【0074】
ここに示した実施例によれば、図9は、地理的領域200内の各位置における基地局202−2からの信号(以下「信号2」と称する)の信号強度を示す。一般に、信号2は、基地局202−2に近いところでは強く、基地局202−2から離れると弱くなる。これは、信号1と同様である。
【0075】
ここに示した実施例によれば、図10は、地理的領域200内の各位置における基地局202−3からの信号(以下「信号3」と称する)の信号強度を示す。一般に、信号3は、基地局202−3に近いところでは強く、基地局202−3から離れると弱くなる。これは、信号1、2と同様である。
【0076】
地理的領域200内の各位置(ロケーション)における信号強度要素が決定されると、それらは各位置とその位置に対する要素とを関連付けるデータ構造の形式で信号強度データベース内に記憶される。このデータ構造は、信号強度データベース302内に記憶される。

表3−信号強度データベース
信号強度要素
位置 信号1の強度 信号2の強度 信号3の強度
、Y −115 −115 −115
、Y −115 −115 −111
−−− −−− −−− −−−
、Y −45 −51 −49
、Y −46 −52 −55
、Y −50 −49 −62
−−− −−− −−− −−−
16、Y13 −115 −96 −115
17、Y13 −115 −105 −115
【0077】
表3は、各位置とその位置における信号強度の要素を関連付けたデータ構造の一部を示す。
【0078】
表3の横列の3個の信号強度測定値が、順番の要素の、すなわち満たされた組を構成する。例えば、位置x、yにおける信号強度要素は、3−要素{−45、−51、−49}である。一般的に、本発明の実施例では、ある位置にある無線端末による信号強度測定値と、信号強度データベース302内の信号強度要素とをパターンマッチングさせることにより、無線端末の位置を特定する。このプロセスの詳細は、ステップ402を参照して、以下説明する。
【0079】
制御は、サブステップ502から、図4のステップ402に移る。
【0080】
無線交換センタからの送信強度と信号強度測定値の問い合わせ−図11は、ステップ402で実行される操作のフローチャートを示す。
【0081】
サブステップ1101において、位置特定システム212は、リクエストを無線交換センター211に送り、以下を提供する。
i. 無線端末201に対するアップリンク送信信号強度、T
ii. 無線端末201が受信できる制御チャネルの一部あるいは全ての、 無線端末201からのダウンリンク信号強度測定値、R(3)、
iii. 無線端末201のアップリンク信号、R(1)からR(3)を受信
し、測定することのできるさまざまな基地局におけるアップリンク信
号強度測定値。
これらの内の3番目の値は、IS−41(Handoff Measurement Request あるいはHandoff Measurement Request2)の形態で、無線交換センター211から要求される。
【0082】
サブステップ1102において、無線交換センター211は、無線端末201に対するアップリンク送信信号強度、Tと、無線端末201が受信できる制御チャネルの一部あるいは全てに対する、無線端末201からのダウンリンク信号強度測定値、R(3)を公知の方法で獲得する(例えば、図2の基地局202−2等からの)。サブステップ1102の詳細は図12を参照して、説明する。
【0083】
サブステップ1103において、無線交換センター211は、R(1)からR(3)を受信し、アップリンク信号強度測定値を、公知の方法で獲得する。サブステップ1103の詳細は図13を参照して、説明する。
【0084】
サブステップ1104において、位置特定システム212は、無線交換センター211から、以下を受信する。
i. 無線端末201に対するアップリンク送信信号強度、T
ii. 無線端末201が受信できる制御チャネルの一部あるいは全ての、 無線端末201からのダウンリンク信号強度測定値、R(3)、
iii. 無線端末201のアップリンク信号、R(1)からR(3)を受信
し、測定することのできるさまざまな基地局におけるアップリンク信
号強度測定値。
【0085】
図12は、サブステップ1102で行われる主要なサブステップを表すフローチャート図である。
【0086】
サブステップ1201において、無線交換センター211は、無線端末201に対し、公知の方法で、以下を指示する。(1)近隣の基地局のリスト上にある基地局の制御チャネルの受信を試みること、(2)各受信した制御チャネルの信号強度値の報告すること、(3)無線端末201が送信した信号の送信強度を報告すること。
【0087】
サブステップ1202において、無線端末201は、公知の方法で、無線端末201が受信した制御チャネルの一部あるいは全ての信号強度測定値R...Rn−1を、サービス中のセルの基地局(例、図2の基地局202−2)に報告する。
【0088】
サブステップ1203において、無線端末201は、サービス中の基地局に、公知の方法で、無線端末201が送信した信号Sの送信強度Rを報告する。従来公知のように、無線端末201は、規則的に信号を送信し、これらの信号のいずれもサブステップ1103、1202で、「信号S」として用いることができる。
【0089】
サブステップ1204において、基地局は、(i)サブステップ1102で受信した信号強度測定値と、(ii)サブステップ1103で受信した送信強度を、無線交換センター211に、公知の方法で転送する。
【0090】
サブステップ1205において、無線交換センター211は、(i)サブステップ1102で受信した信号強度測定値と、(ii)サブステップ1103で受信した送信強度を、位置特定システム212に、公知の方法で送信する。
【0091】
ステップ402を実行する本発明の実施例の構成と使用例は当業者に明らかである。ステップ1205から、制御は図11のサブステップ1104に移る。
【0092】
(iii)制御チャネルの送信強度と、(iv)信号Sの信号強度測定値の受領−図13はサブステップ1103で行われる主要な動作を表すフローチャート図である。
【0093】
サブステップ1301において、無線交換センター211は、無線端末201の近傍にある基地局に対し、無線端末201からのアップリンク信号の信号強度を測定し、報告するよう、指示する。
【0094】
サブステップ1302において、無線端末201からのアップリンク信号の信号強度を測定できる各基地局は、無線交換センター211に、測定した信号強度を報告する。
【0095】
サブステップ1303において、サブステップ1302での値を報告した基地局は、無線交換センター211に、基地局が送信した制御チャネルの送信強度を報告する。
【0096】
サブステップ1304において、無線交換センター211は、サブステップ1302で受信した信号強度測定値と、サブステップで1303で受信した制御チャネル送信強度を、位置特定システム212に転送する。
【0097】
当業者には、サブステップ1103を実行する本発明の実施例を容易に構成できる。ステップ1304から、制御は、図11のサブステップ1104に移る。
【0098】
無線端末201の位置の特定−図14は、ステップ404で実行される操作のフローチャートを表す。図14に示されたステップ404を3回説明する。第1回目は、ステップ404は基となった理論に焦点を当てて概略を説明する。次に、ステップ404は、第1回目の報告に適応するように記載し、最後に、ステップ404は、第2回目の報告に適用する際に記載する。
【0099】
第1回目の報告により、信号1の信号強度、R(1)が推測され、それは−98である。信号2の信号強度、R(2)が推測され、それは−64である。信号3の信号強度、R(3)は経験則に基づいて測定され、それは−51である。
【0100】
第2回の報告により、信号1の信号強度、R(1)が推測され、それは−98である。信号2の信号強度、R(2)が推測され、それは−64である。信号3の信号強度、R(3)は経験則に基づいて測定され、それは−50である。
【0101】
一般的特定−サブステップ1401は、無線端末201の位置として考えなければならない211(17×13=211)個の候補位置から始まる。それ故に、211個の信号強度要素(すなわち、信号強度データベース302内にある211個の要素)を処理しなければならない。サブステップ1402−1405が集中的計算され、計算負荷は考慮しなければならない候補位置の数に従って増加する。それ故に、位置特定システム212は、サブステップ1401で、サブステップ1402−1405で処理しなければならない候補位置の数を減らすよう試みる。
【0102】
サブステップ1402−1405で処理しなければならない候補位置の数を減らす為に、位置特定システム212は、以下の観測を用いる。最大の信号強度(すなわち、この実施例では「−47」)を持ったダウンリンク信号が報告された時は、位置特定システム212は、その信号の信号強度測定値が最大値(測定誤差と組織的なバイアスのファクタを引いた後の値)以下となるあらゆる場所を、候補位置としての対象から外す。言い換えると、最大の信号強度を持った信号が報告されると、位置特定システム212は、サブステップ1402−1405において、信号強度データベース302が報告された最大値(測定誤差と組織的なバイアスのファクタを引いた後の値)以下となる信号強度を予測したような候補地に絞り込む。ここに示した実施例においては、測定誤差と組織的バイアスのファクタは3dBmであり、それ故に、ダウンリンク信号が−47を持つと報告された時には、位置特定システム212は、サブステップ1402−1405において、信号強度データベース302が信号強度が−50dBm以上と予測した候補位置に絞り込む。当業者は、測定誤差および組織的バイアス以外の他の要素を如何に使用し決定することは容易である。
【0103】
サブステップ1402において、位置特定システム212は、最大の信号強度にはないダウンリンクの信号強度測定値の全て(すなわち、経験則に基づいた信号強度測定値と推定した信号強度測定値の両方)に対する信号強度の差分を計算する。特に、最大の信号強度にはないn個の独自のダウンリンク信号強度測定値に対しては、n−1個の信号強度の差分が計算される。
ΔS=S−S (式7)
ここで、k=2、3...nであり、ΔSは、k番目の信号強度差分であり、Sは、信号kのダウンリンクの信号強度であり、Sは、信号1のダウンリンクの信号強度である。m個のダウンリンク信号が、最大の信号強度(すなわち、−47dBm)にある時には、
n−m−1 (式8)
の対の差分が、残りのn−mの信号に対し計算される。サブステップ1402の終了時において、位置特定システム212は、n−m−1の対の差分、ΔSからΔSn−mを計算する。
【0104】
サブステップ1403において、位置特定システム212は、ステップ1201で考慮から外されなかった位置の信号強度の差分を計算する。
【0105】
さらに、位置特定システム212は、サブステップ1402で計算された差分に対応する信号強度の差分を計算する。このアイディアは、「リンゴとリンゴを比べる(apples are compared with apples)」ものである。特に、最大の信号強度ではない、n個の報告された信号に対し、n−1個の信号強度の差分が計算される。
ΔRk、x、y=Rk、x、y−R1、x、y (式9)
ここで、k=2、3、...nであり、ΔRk、x、yは、位置x、yに対するk番目の信号強度差分であり、Rk、x、yは、信号強度データベース302内の位置x、yでの信号kの信号強度であり、R1、x、yは、信号強度データベース302内にある位置x、yでの信号1の報告された信号強度である。
【0106】
サブステップ1403の終わりにおいて、位置特定システム212は、全ての候補位置に対し、サブステップ1403で計算された対方式の差分に対応する n−m−1個の対の差分、ΔR2、x、yないしΔRn−m、x、yを計算する。
【0107】
サブステップ1404において、位置特定システム212は、サブステップ1402で計算された信号強度の差分、ΔSないしΔSn−mと、サブステップ1403で計算された信号強度差分、ΔR2、x、yないしΔRn−m、x、yを比較して、ステップ402、403で受領した値から計算された信号強度差分と、信号強度データベース302内の要素から計算された信号強度差分との間の適合性の良好さを示す確率分布を生成する。これを行うためにi個の候補位置のそれぞれでのユークリッド・ノルム(Euclidean norm)を、ステップ402、403で受領した値から計算した信号強度差分と、信号強度データベース302内の要素から計算された信号強度差分のそれぞれに対し、計算する。これを式10に示す。
【数1】

ここで、Vx、yは、信号強度データベース302内の位置x、yに対する信号強度要素とステップ402、403で受領した値から計算した信号強度差分との間のユークリッド・ノルムである。
【0108】
次に、式4で計算されたユークリッド・ノルムを、式11により、正規化していない確率式内に入れる。
【数2】

ここで、τの二乗は、ΔSとΔRk、x、yの不確定性量を表す。
【0109】
最後に、Px、yの値を正規化して、地理的領域200内の無線端末201の位置に対する確率分布を生成する。
【0110】
サブステップ1405において、位置特定システム212は、サブステップ1404で生成された確率分布に基づいて、無線端末201の位置を特定する。ここに示した実施例においては、位置特定システム212は、サブステップ1404で生成された確率分布の相乗平均(geometric mean)に基づいて無線端末の位置を特定する。本明細書により当業者は、無線端末201の位置をサブステップ1404で生成された確率分布の他の機能に基づいて、例えば最ゆう度(確率)関数(maximum likelihood function)に基づいて決定する実施例を用いることもできる。
【0111】
サブステップ1405から、制御は、図14のステップ404に移る。
【0112】
第1回目の報告に適用された時の特定(信号1=−98、信号2=−64、信号3=−51)−サブステップ1401において、位置特定システム212は、どの報告された信号も、最大の報告された値から測定誤差とシステムバイアスのファクタ(すなわち、3dBm)を引いた値にないという事実に基づいて、如何なる候補の位置も考慮から外すことはできない。言い換えると、位置特定システム212は、全ての信号が−51dBm以下である故に、如何なる候補の信号も考慮から外すことはできない。それ故に、位置特定システム212はサブステップ1402ないし1305において、211個の候補位置の全てを考慮しなければならない。
【0113】
サブステップ1402において、位置特定システム212は、R=信号1=−98、R=信号2=−64、R=信号3=−43である第1回目の報告に対する2個の信号強度差分を計算する。特にΔR2、ΔR3は表4に示すよう計算される。

表4−信号1=−98、信号2=−64、信号3=−43の信号強度差分
k ΔR−R
2 34 −64−(−98)
3 47 −51−(−98)
【0114】
サブステップ1403において、位置特定システム212は、信号強度データベース302内にある221個の位置のそれぞれに対する2つの信号強度差分を表5に示す。

表5−信号強度データベース302内の各要素に対する信号強度差分
領域 ΔS2、x、y ΔS3、x、y
x1、y1 −110−(−110)=0 −110−(−110)=0
x2、y1 −110−(−110)=0 −111−(−110)=−1
x3、y1 −110−(−110)=0 −97−(−110)=3
... ... ...
x16、y13 −96−(−110)=14 −110−(−110)=0
x17、y13 −105−(−110)=5 −110−(−110)=0
【0115】
サブステップ1404において、位置特定システム212は、最初に、表2の信号強度差分と表3の各位置に対する信号強度差分の間のユークリッド・ノルムを計算する。そのユークリッド・ノルムを表6に示す。

表6−各位置に対するユークリッド・ノルム(第1回報告)
領域 Vx、y
x1、y1 64.66
x2、y1 63.81
x3、y1 62.13
... ...
x16、y13 58.52
x17、y13 62.18
【0116】
次に、ユークリッド・ノルムを正規化していない確率分布に変換する。その正規化していない確率分布を正規化して、地理的領域200内の211個のロケーションでの無線端末201の位置の確率分布を生成する。
【0117】
第2報告(信号1=−98、信号2=−64、信号3=−50)に適用された時の特定−サブステップ1401において、位置特定システム212は、自動的に大部分の候補位置を考慮から外すが、その理由は、報告された信号の1つの信号強度、信号3=−50dBmの信号強度は、最大報告値(−47dBm)から測定誤差とシステムバイアスのファクタ(3dBm)を引いた値よりも大きいからである。言い換えると、位置特定システム212は、Sが少なくとも−50dBmでないような候補位置のいずれも、考慮から外す。それ故に、位置特定システム212は、サブステップ1402ないし1305において、考慮の対称を、信号3が−50dBm以上と予測されるような信号強度データベース302内の位置に限定する。図10から分かるように、信号3が−50dBmよりも強いのは、僅か13個の位置(x8,y4;x9,y4;x10,y4;x7,y5;x8,y5;x9,y5;x10,y5;x7,y6;x8,y6;x9,y6;x10,y6;x7,y7;x8,y7;x9,y7)であり、それ故に、この13個の位置に基づいて、上記した方法でサブステップ1402ないし1305のみを実行する必要がある。処理すべき候補の位置の数を221個から13個に減らすことにより、ステップ1401はステップ403の計算の複雑さを大幅に低減できる。
【0118】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】従来技術に係る無線通信システムの一部のマップを表す図。
【図2】本発明の一実施例のマップを表す図。
【図3】位置特定システム212の構成要素のブロック図。
【図4】地理的領域200内にある無線端末201の位置を特定するために、本発明の一実施例により実行される操作を表すフローチャート図。
【図5】ステップ401内で行われる動作を表すフローチャート図。
【図6】本発明の一実施例により、地理的領域200が如何に500の位置(場所)に分割されるかを表す図。
【図7a】電磁信号の信号強度が、無線周波数障害物がない環境下において、送信器からの距離に応じて減衰する状態を表すグラフ。
【図7b】電磁信号の信号強度が、2個の無線周波数障害物がある環境下において、送信器からの距離に応じて減衰する状態を表すグラフ。
【図8】地理的領域200内にある基地局202−1から送信された信号の信号強度測定値のマップを表す図。
【図9】地理的領域200内にある基地局202−2から送信された信号の信号強度測定値のマップを表す図。
【図10】地理的領域200内にある基地局202−3から送信された信号の信号強度測定値のマップを表す図。
【図11】ステップ402で行われる動作を表すフローチャート図。
【図12】サブステップ1102で行われる動作を表すフローチャート図。
【図13】サブステップ1103で行われる動作を表すフローチャート図。
【図14】ステップ404で行われる動作を表すフローチャート図。
【符号の説明】
【0120】
100 地理的領域
101 無線端末
102 基地局
110,111 無線交換センター
200 地理的領域
201 無線端末
202 基地局
211 無線交換センター
212 位置特定システム
301 プロセッサ
302 信号強度データベース
303 受信器
304 送信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) 無線端末が受信した第1のダウンリンク信号の信号強度測定値と、前記無線端末が送信したアップリンク信号の信号強度測定値を受信するステップと、
(B) 前記第1のダウンリンク信号の信号強度測定値と前記アップリンク信号の信号強度測定値に基づいて、前記無線端末の位置を特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項2】
(C) 前記無線端末における、第2のダウンリンク信号の信号強度を、前記アップリンク信号の信号強度測定値に基づいて、推定するステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(B)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度とを、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(B)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度との差分を、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(C)は、前記第2のダウンリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(C)は、前記アップリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項7】
(D) 前記アップリンク信号の信号強度測定値を得るために、携帯電話交換センターにリクエストを送信するステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
(A) (i)無線端末が送信し、第1の位置で受信したアップリンク信号の第1の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末が送信し、第2の位置で受信した前記アップリンク信号の第2の信号強度測定値とを受信するステップと、
(B) 前記無線端末における、第1のダウンリンク信号の信号強度を、前記アップリンク信号の第1の信号強度に基づいて、推定するステップと、
(C) 前記無線端末における、第2のダウンリンク信号の信号強度を、前記アップリンク信号の第2の信号強度に基づいて、推定するステップと、
(D) 前記無線端末の位置を、前記第1のダウンリンク信号の推定した信号強度と前記第2のダウンリンク信号の推定した信号強度とに基づいて、特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項9】
前記ステップ(D)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度とを、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(D)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度との差分を、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記ステップ(B)は、前記第2のダウンリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記ステップ(B)は、前記アップリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項13】
(E) アップリンク信号の第1の信号強度測定値と、アップリンク信号の第2の信号強度測定値とを得るために、携帯電話交換センターにリクエストを送信するステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項14】
(F) 携帯電話交換センターから、前記アップリンク信号の第1の信号強度測定値と前記アップリンク信号の第2の信号強度測定値とを含むメッセージをするステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項15】
(A) 無線端末により送信されたアップリンク信号に対する、第1の位置における第1の信号強度測定値と、第2の位置における第2の信号強度測定値とを得るために、携帯電話交換センターにリクエストを送信するステップと、
(B) 前記携帯電話交換センターから、第1の信号強度測定値と第2の信号強度測定値とを含むメッセージを受信するステップと、
(C) 前記無線端末における、第1のダウンリンク信号の信号強度を前記第1の信号強度測定値から推定するステップと、
(D) 前記無線端末における、第2のダウンリンク信号の信号強度を前記第2の信号強度測定値から推定するステップと、
(E) 前記無線端末の位置を、前記第1のダウンリンク信号の推定した信号強度と前記第2のダウンリンク信号の推定した信号強度に基づいて、特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項16】
前記ステップ(E)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度とを、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(E)は、(i)前記ダウンリンク信号の信号強度測定値と、(ii)前記無線端末における前記ダウンリンク信号の推定した信号強度との差分を、信号強度測定値と位置とを相関付けるマップに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記ステップ(C)は、前記第2のダウンリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記ステップ(C)は、前記アップリンク信号の送信強度に基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】
(A) 無線端末における、第1の信号の信号強度、Rを、前記無線端末により送信された第2信号の送信強度、Tに基づいて、推定するステップと、
(B) 前記無線端末の位置を、前記第1信号の信号強度、Rに基づいて、特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項21】
前記ステップ(A)は、前記第1の信号の送信強度、Tに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記ステップ(A)は、前記第1の信号が送信された場所における、前記第2の信号の信号強度測定値、Rに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記ステップ(A)は、前記無線端末と第1の信号が送信された場所との間での、第2の信号の減衰量、Aに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rを、前記無線端末に対する候補位置を前記第1の信号の予測された信号強度測定値とを関連付けるデータベースに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記ステップ(B)は、前記無線端末における、第3の信号の信号強度測定値、Rに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項26】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、行う
ことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記ステップ(B)は、前記無線端末の位置に対する2次元の確率分布を、前記第1信号の信号強度、Rと、前記第3信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、生成する
ことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項29】
(A) 無線端末における、第1の信号の信号強度、Rを、前記第1の信号が送信された場所における第2の信号の信号強度測定値、Rに基づいて推定するステップと、
(B) 前記無線端末の位置を、前記第1の信号の信号強度、Rに基づいて特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項30】
前記ステップ(A)は、前記第1の信号の送信強度、Tに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記ステップ(A)は、前記無線端末が送信した前記第2の信号の送信強度、Tに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項32】
前記ステップ(A)は、前記無線端末と第1の信号が送信された場所との間での、第2の信号の減衰量、Aに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rを、前記無線端末に対する候補位置を前記第1の信号の予測された信号強度測定値とを関連付けるデータベースに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記ステップ(B)は、前記無線端末における、第3の信号の信号強度測定値、Rに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項35】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、行う
ことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記ステップ(B)は、前記無線端末の位置に対する2次元の確率分布を、前記第1信号の信号強度、Rと、前記第3信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、生成する
ことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項38】
(C) Rに対する高速フェーディングの影響を取り除くステップ
をさらに有する
ことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項39】
(A) 無線端末における、第1の信号の信号強度、Rを、前記無線端末が送信した第2信号の減衰量、Aに基づいて、推定するステップと、
(B) 前記無線端末の位置を、前記第1の信号の信号強度、Rに基づいて、特定するステップと
を有する
ことを特徴とする無線端末の位置特定方法。
【請求項40】
前記ステップ(A)は、前記第1の信号の送信強度、Tに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記ステップ(A)は、前記第1の信号が送信された場所における、前記第2の信号の信号強度測定値、Rに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記ステップ(A)は、前記第2の信号の送信強度、Tに基づいて、行われる
ことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rを、前記無線端末に対する候補位置を前記第1の信号の予測された信号強度測定値とを関連付けるデータベースに対し、パターンマッチングを行うステップを含む
ことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項44】
前記ステップ(B)は、前記無線端末における、第3の信号の信号強度測定値、Rに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項45】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとに基づいて、行う
ことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記ステップ(B)は、前記第1の信号の信号強度、Rと、前記第3の信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、行う
ことを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記ステップ(B)は、前記無線端末の位置に対する2次元の確率分布を、前記第1信号の信号強度、Rと、前記第3信号の信号強度測定値、Rとの差の絶対値に基づいて、生成する
ことを特徴とする請求項44記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−532026(P2007−532026A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520314(P2006−520314)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022676
【国際公開番号】WO2005/011321
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506016646)ポラリス ワイアレス,インク. (16)
【Fターム(参考)】