説明

描画方法、液補充量演算装置及び液滴吐出装置

【課題】機能液を補充する頻度を少なくする描画方法を提供する。
【解決手段】基材2上に複数種類の機能液を液滴にして吐出する液滴吐出装置を用いてパターンを描画する描画方法にかかわる。パターンを描画するときに各種類の機能液を消費する量の比率である消費量比率を演算する消費量比率演算工程と、各種類の機能液の量の比率を消費量比率と同じ比率にして機能液を液滴吐出装置9に設置する機能液設置工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画方法、液補充量演算装置及び液滴吐出装置にかかわり、特に、消費する機能液の補充方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能液を液滴にして吐出するインクジェット法を用いて塗布し、塗布された機能液を固化して膜を形成する方法が広く採用されている。複数の液滴を所定の位置に配置することにより所定のパターンが描画される。そして、機能液には染料や顔料を含んで着色する機能を有する液状体や、金属粒子を含んで金属配線を形成する機能を有する液状体等の多種類の液状体が用いられている。
【0003】
複数種類の機能液を吐出して多彩なパターンを描画することができる。複数の機能液を用いて描画するときに機能液であるインクを管理する方法が特許文献1に開示されている。それによると、インクジェット記録装置はインクタンクとインク容量検出センサーとを備えていた。インク容量検出センサーがインクの残量を検出しインク残量率に対して非直線型にインク残量率表示をする。そして、操作者がインクの残量が低下することを気付き易くした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−83564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、機能液に染料や顔料が含まれるとき、機能液に含まれる色素の濃度差によりパターンから受ける印象が異なるので、機能液の調整は品質良く行われる。そして、多種類の機能液の色素の濃度のバランスが影響を及ぼすことから、機能液の調整には1種類の機能液のみ補充する場合にも多種類の機能液を補充する場合と同様に大きな労力を必要とする。このために、機能液を補充する頻度を少なくする描画方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
本適用例にかかる描画方法は、基材上に第1の機能液及び第2の機能液を液滴にして吐出する液滴吐出装置を用いてパターンを描画する描画方法であって、前記パターンを描画するときに前記第1の機能液と前記第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する消費量比率演算工程と、前記第1の機能液と前記第2の機能液との量の比率を前記消費量比率と同じ比率にして前記第1の機能液及び前記第2の機能液を前記液滴吐出装置に設置する機能液設置工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この描画方法によれば、消費量比率演算工程においてパターンを描画するときに第1の機能液と第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する。そして、機能液設置工程では第1の機能液と第2の機能液との量の比率を消費量比率と同じ比率にして機能液を液滴吐出装置に設置する。これにより、第1の機能液と第2の機能液とが消費されて残量がなくなる時期を同じ時期にすることができる。従って、パターンを描画するときに第1の機能液と第2の機能液との補充時期を同じ時期にできる為、1回の補充作業で複数種類の機能液を補充できる。その結果、機能液を補充する頻度を少なくできる。
【0009】
[適用例2]
上記適用例にかかる描画方法において、前記液滴は液滴吐出ヘッドから吐出され、前記消費量比率は前記液滴吐出ヘッドを保守するときに消費する前記第1の機能液及び前記第2の機能液の量を含んで演算されることを特徴とする。
【0010】
この描画方法によれば、液滴吐出ヘッドを保守するときに消費する第1の機能液及び第2の機能液の量を含んで演算されている。従って、液滴吐出ヘッドを保守するときにも精度良く第1の機能液及び第2の機能液を補充する時期を推定することができる。
【0011】
[適用例3]
上記適用例にかかる描画方法において、前記機能液設置工程では収納容量の比率が前記消費量比率である第1の収納容器と第2の収納容器とを用いて、前記第1の収納容器に前記第1の機能液を収納し前記第2の収納容器に前記第2の機能液を収納した後、前記第1の収納容器及び前記第2の収納容器を前記液滴吐出装置に設置することを特徴とする。
【0012】
この描画方法によれば、第1の収納容器と第2の収納容器とが用意されている。そして、補充する量に対応する容器に第1の機能液及び第2の機能液を充填している。これにより、第1の収納容器内の第1の機能液を所定の量にすることができる。同様に、第2の収納容器内の第2の機能液を所定の量にすることができる。従って、機能液を計量して容器に入れるときに比べて簡便に機能液を補充することができる。
【0013】
[適用例4]
上記適用例にかかる描画方法において、前記消費量比率演算工程では前記パターンのデータを用いて前記消費量比率を演算することを特徴とする。
【0014】
この描画方法によれば、消費量比率を演算するときにパターンのデータを用いている。パターンのデータから第1の機能液及び第2の機能液を液滴にして吐出する回数を設定できるので、第1の機能液及び第2の機能液の消費量を演算することができる。この方法は、実際にパターンを描画して第1の機能液及び第2の機能液の消費量を測定する方法に比べて、簡便に消費量比率を知ることができる。
【0015】
[適用例5]
上記適用例にかかる描画方法において、前記基材は長尺に形成され、前記第1の収納容器に収納される前記第1の機能液の量は1つの前記基材に描画するときの前記消費量の整数倍または整数にて割切れる量であることを特徴とする。
【0016】
この描画方法によれば、第1の機能液を補充する時期と基材を補充する時期とが同じ時期となることがある。第1の機能液を補充した後や基材を補充した後には描画が正常に行えるように調整する必要がある。そして、第1の機能液の補充と基材の補充とを別に行うときには各々の補充時に描画の調整が必要となる。第1の機能液の補充と基材の補充とを同時に行うときには操作者は補充時に描画の調整を1回の調整でできる為、生産性良く補充と補充に伴う調整作業を行うことができる。
【0017】
[適用例6]
本適用例にかかる液補充量演算装置は、第1の機能液及び第2の機能液を用いてパターンを描画するときの前記第1の機能液と前記第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する消費量演算部と、前記第1の機能液と前記第2の機能液との量の比率が前記消費量比率と同じ比率となる前記第1の機能液及び前記第2の機能液の量の組合せを表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
この液補充量演算装置によれば、消費量演算部が第1の機能液及び第2の機能液を用いてパターンを描画するときに第1の機能液と第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する。そして、表示部は消費量比率となる第1の機能液及び第2の機能液の量の組合せを表示する。この組合せにて第1の機能液及び第2の機能液を準備することにより、パターンを描画するときに第1の機能液及び第2の機能液の補充時期が同じ時期になるように、機能液の量を調整して準備することがきる。その結果、機能液を準備する頻度を少なくできる。
【0019】
[適用例7]
上記適用例にかかる液補充量演算装置において、複数種類の容量の収納容器の容器情報を記憶する記憶部と、前記第1の機能液を収納する第1の収納容器と前記第2の機能液を収納する第2の収納容器との容量の比率が前記消費量比率となる組合せを演算する容器選択部と、をさらに備え、前記容器選択部が演算した前記第1の収納容器と前記第2の収納容器との組合せを前記表示部に表示することを特徴とする。
【0020】
この液補充量演算装置によれば、記憶部は複数種類の容量の収納容器の容器情報を記憶している。容器選択部は容器情報と消費量比率とを参照して第1の機能液及び第2の機能液を収納する第1の収納容器と第2の収納容器との組合せを演算する。容器選択部が演算した第1の収納容器と第2の収納容器の組合せを表示部が表示する。補充する量に対応して第1の収納容器と第2の収納容器とが指定されるので、指定された第1の収納容器に第1の機能液を充填し、指定された第2の収納容器に第2の機能液を充填することにより第1の機能液及び第2の機能液を所定の量の組合せにすることができる。その結果、簡便に所定量の組合せの第1の機能液及び第2の機能液を準備することができる。
【0021】
[適用例8]
本適用例にかかる液滴吐出装置は、上記に記載の液補充量演算装置と、前記第1の機能液及び前記第2の機能液を液滴にして前記パターンを描画する描画部と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
この液滴吐出装置によれば、第1の機能液及び第2の機能液の消費量比率を演算する液補充量演算装置が設置されている。そして、液滴吐出装置に補充する第1の機能液及び第2の機能液の量をこの消費量比率に対応する量の組合せにすることにより、パターンを描画するときに消費される第1の機能液及び第2の機能液の補充時期を同じ時期にできる。その結果、液滴吐出装置に第1の機能液及び第2の機能液を補充する頻度を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態にかかわり、(a)は、ラベルの一例を示す模式平面図、(b)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。
【図2】(a)は、キャリッジを示す模式側面図、(b)は、キャリッジを示す模式平面図、(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す要部模式断面図。
【図3】(a)は、収容タンクの構造を示す模式断面図、(b)は、機能液収納袋の容量の種類を説明するための図。
【図4】液滴吐出装置の電気制御ブロック図。
【図5】描画作業を示すフローチャート。
【図6】描画作業における描画方法を説明するための模式図。
【図7】描画作業における描画方法を説明するための模式図。
【図8】描画作業における描画方法を説明するための模式図。
【図9】第2の実施形態にかかわる描画作業における描画方法を説明するための図。
【図10】第3の実施形態にかかわる描画作業における描画方法を説明するための図。
【図11】第4の実施形態にかかわる液補充量演算装置の電気制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
【0025】
(第1の実施形態)
本実施形態では、被加工物であるラベル及び液滴吐出装置を説明する。この液滴吐出装置には液補充量演算部が内蔵されているので、液補充量の演算についても説明する。次に、この液滴吐出装置を用いてラベルにマークを描画する本発明の特徴的な描画方法の例について、図1〜図8に従って説明する。液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
【0026】
(ラベル)
図1(a)は、ラベルの一例を示す模式平面図である。最初に、パターンが描画されたラベル1について図1(a)に従って説明する。ラベル1は長尺のシート状の基材2上に図案3が描画されている。そして、図案3の外形の周囲には切取線4が設定され、切取線4に沿って基材2を切断することによりラベル1が基材2から分離する。これによりラベル1が完成する。本実施形態においては1つの基材2に3つの図案3が描画されている。各図案3の間は無地の背景部5になっており、描画された図案3の周囲は背景部5に囲まれている。このように、背景部5により囲まれた部分を1つのパターン6とする。尚、図中における図案3の図柄、形状、個数は一例であり特に限定されない。基材2の材料は描画が可能であれば特に限定されない。紙や樹脂製のシート等を用いることができる。
【0027】
(液滴吐出装置)
図1(b)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置9により、膜を形成する材料を含む機能液が吐出されて塗布される。本実施形態では機能液は基材2に着色する機能を備えた液状体である。図1(b)に示すように液滴吐出装置9は直方体形状に形成される基台10を備えている。本実施形態では、この基台10の長手方向をY方向とし、水平面内にてY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ方向とする。
【0028】
基台10の上面10aには、Y方向に延びる一対の案内レール11が同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台10の上側には、一対の案内レール11に対応する図示しない直動機構を備えた移動部としてのステージ12が取付けられている。この直動機構の種類は、特に限定されないが、サーボモーターとボールネジとを組合せた機構やリニアモーターを用いることができる。このステージ12が移動するY方向を副走査方向とする。
【0029】
さらに、基台10の上面10aには、案内レール11と平行に副走査位置検出装置13が配置され、ステージ12のY方向の位置が計測できるようになっている。ステージ12の上面には載置面14が形成され、その載置面14には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。
【0030】
基台10の−Y方向には基材供給装置15が設置され、基台10のY方向には基材収納装置16が設置されている。基材供給装置15は載置面14上に基材2を供給する装置である。基材供給装置15は回転機構15aを備え、回転機構15aの回転軸に基材2が巻かれている。回転機構15aはステップモーターやサーボモーターにより構成されており、所定の長さの基材2を載置面14上に供給可能になっている。
【0031】
基材収納装置16はパターン6が形成された後の基材2を収納する装置である。基材収納装置16は基材供給装置15と同様に回転機構16aを備え、回転機構16aの回転軸に基材2が巻かれている。回転機構16aはステップモーターやサーボモーターにより構成されており、所定の長さの基材2を載置面14上から巻き取って収納可能になっている。
【0032】
基材供給装置15が載置面14に基材2を供給して所定の位置に位置決めする。その後、基板チャック機構により基材2は載置面14に固定される。ステージ12をY方向に移動しながら基材2上にパターン6が描画される。その後、基板チャック機構が解除され、基材収納装置16が基材2を載置面14上から巻き取って収納する。
【0033】
基台10のX方向両側には、一対の支持台17が立設されている。その一対の支持台17には、X方向に延びる案内部材18が架設されている。案内部材18の下側には、X方向に延びる案内レール19がX方向全幅にわたり設置されている。そして、案内レール19に沿って略角柱状に形成された移動部としてのキャリッジ20が配置されている。キャリッジ20は直動機構を備え、X方向に走査移動することが可能になっている。この直動機構の種類は、特に限定されないが、例えば、リニアモーターを用いることができる。キャリッジ20が走査するX方向を主走査方向とする。案内部材18とキャリッジ20との間には、主走査位置検出装置21が配置され、キャリッジ20の位置が計測可能になっている。
【0034】
液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向である。本実施形態では主走査方向がX方向であり、副走査方向がY方向になっている。
【0035】
キャリッジ20の載置面14を向く側にはヘッドユニット22と一対の硬化ユニット23が配置されている。ヘッドユニット22の載置面14側には液滴を吐出する図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。硬化ユニット23には吐出された液滴を硬化させる紫外線を照射する装置が配置されている。硬化ユニット23は主走査方向においてヘッドユニット22を挟んだ位置に配置されている。
【0036】
キャリッジ20の図中上側には収納容器としての収容タンク24が設置されている。収容タンク24の中には機能液が収容されている。ヘッドユニット22の液滴吐出ヘッドと収容タンク24とは図示しないチューブにより接続され、収容タンク24内の機能液がチューブを介して液滴吐出ヘッドに供給される。
【0037】
機能液は樹脂材料、光重合開始剤、溶媒を主材料とする。この主材料に顔料または染料等の色素や、親液性または撥液性等の表面改質材料等の機能性材料を添加することにより機能液が形成されている。機能液の樹脂材料は樹脂膜を形成する材料である。樹脂材料としては、常温で液状であり、重合させることによりポリマーとなる材料であれば特に限定されない。さらに、粘性の小さい樹脂材料が好ましく、オリゴマーの形態であるのが好ましい。モノマーの形態であればさらに好ましい。光重合開始剤はポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤であり、例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタールを用いることができる。溶媒は樹脂材料の粘度を調整するものである。機能液を液滴吐出ヘッドから吐出し易い粘度にすることにより、液滴吐出ヘッドは安定して機能液を吐出することができる。
【0038】
案内部材18のY方向には本硬化装置25が配置されている。本硬化装置25は描画されたパターン6に紫外線を照射して基材2上に着弾した機能液を硬化させる装置である。描画されたパターン6は本硬化装置25によって硬化された後、基材収納装置16に収納される。
【0039】
基台10の−X側には模擬吐出部26が設置されている。模擬吐出部26は液滴吐出ヘッドの内部にある機能液を吐出するときに、吐出された機能液を受ける場所である。模擬吐出部26には多孔質のマット26aが設置され、マット26a上に機能液が吐出される。そして、吐出された機能液が跳ねて液滴吐出ヘッドを汚さないようになっている。そして、マット26aに浸透した機能液は、模擬吐出部26の内部に形成された容器内に収納される。
【0040】
図2(a)は、キャリッジを示す模式側面図である。図2(a)に示すようにヘッドユニット22の載置面14側の面には4個の液滴吐出ヘッド29が配置されている。液滴吐出ヘッド29の個数は特に限定されず、吐出する機能液の種類に合わせて設定するのが良い。ヘッドユニット22と硬化ユニット23との間には一対のヘッド昇降装置30が配置されている。ヘッド昇降装置30はキャリッジ20に対してヘッドユニット22を昇降させる装置である。ヘッド昇降装置30はヘッドユニット22を昇降させることにより液滴吐出ヘッド29と基材2との距離を制御することができる。
【0041】
ヘッド昇降装置30はヘッドユニット22の移動方向を限定するガイドレールと直動機構とを備えている。直動機構は特に限定されないが、例えば、本実施形態ではボールねじとステップモーター等から構成されている。そして、ステップモーターに駆動パルス信号が入力されるとき、ステップモーターはボールねじを回転してヘッドユニット22をZ方向に昇降させる。
【0042】
キャリッジ20の上に配置された収容タンク24は第1タンク24a〜第4タンク24dから構成されている。第1タンク24aには赤色の機能液である第1の機能液が収納され、第2タンク24bには青色の機能液である第2の機能液が収納されている。第3タンク24cには緑色の機能液である第3の機能液が収納され、第4タンク24dには白色の機能液である第4の機能液が収納されている。機能液の色は特に限定されない。図案3を描画するために必要な色を設定するのが良い。
【0043】
収容タンク24とヘッドユニット22とはチューブ31により接続され、収容タンク24内に収納された機能液はチューブ31を通ってヘッドユニット22に供給される。
【0044】
図2(b)は、キャリッジを示す模式平面図である。図2(b)に示すようにキャリッジ20に配置されたヘッドユニット22には4個の液滴吐出ヘッド29が配置され、液滴吐出ヘッド29の下面には、それぞれノズルプレート32が備えられている。そのノズルプレート32には、それぞれ複数のノズル33がY方向に所定の間隔で配列されている。
【0045】
硬化ユニット23の載置面14と対向する面には吹出口34と照射窓35とが配置されている。硬化ユニット23の内部には温風装置と紫外光照射装置とが配置されている。温風装置はヒーターとファンとを備え、温風を形成する装置である。温風装置と吹出口34とが流路によって接続され、温風装置によって形成された温風は吹出口34から基材2に着弾した液滴に向けて吹出される。そして、着弾した液滴の表面が乾燥される。紫外光照射装置はLED(Light Emitting Diode)素子を備え、紫外線の光である紫外光を照射する装置である。紫外光は照射窓35を通過して基材2に着弾した液滴に向けて照射される。着弾した直後に液滴の表面を硬化させることにより、異なる色の液滴が交じり合わないようにすることができる。
【0046】
図2(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す要部模式断面図である。図2(c)に示すように、ノズルプレート32の上側であってノズル33と相対する位置には、キャビティ36が形成されている。そして、キャビティ36には第1の機能液及び第2の機能液としての機能液37が供給される。キャビティ36の上側には、上下方向に振動して、キャビティ36内の容積を拡大縮小する振動板38と、上下方向に伸縮して振動板38を振動させる圧電素子39が配設されている。
【0047】
液滴吐出ヘッド29が圧電素子39を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子39が上下方向に伸縮する。そして、圧電素子39は振動板38を振動させるので、振動板38と隣接するキャビティ36の容積が拡大縮小する。それにより、キャビティ36内に供給された機能液37のうち縮小した容積分の機能液37がノズル33を通り、液滴40になって吐出される。液滴吐出装置9はステージ12とキャリッジ20とを走査移動させる。そして、ノズル33が所定の場所に位置するときに液滴40を吐出することにより、所望のパターンを描画することができる。
【0048】
図3(a)は、収容タンクの構造を示す模式断面図である。収容タンク24は外装部41を備え、外装部41により収容タンク24は第1タンク24a〜第4タンク24dに仕切られている。外装部41の−Y方向側には着脱可能な前蓋部41aが設置され、外装部41のZ方向側には着脱可能な上蓋部41bが設置されている。
【0049】
外装部41の内部には空洞が形成され、この空洞に第1の収納容器及び第2の収納容器としての機能液収納袋42が設置されている。機能液収納袋42の内部には機能液37が収納されている。機能液収納袋42には筒状の出入口部42aが形成され、出入口部42aから機能液37を注入可能になっている。機能液37が注入された機能液収納袋42の出入口部42aにチューブ31が挿入されている。これにより、機能液収納袋42内の機能液37はチューブ31を経て液滴吐出ヘッド29へ供給される。機能液収納袋42内の機能液37の体積が減少するとき、機能液収納袋42の内部に空気が入らずに機能液収納袋42が変形する。これにより、機能液37が空気に触れて酸化することが防止される。
【0050】
チューブ31の出入口部42a側の端の近くには弁31aが設置されている。弁31aを閉じた状態にてチューブ31と出入口部42aとを接続することにより、チューブ31内への空気の侵入を少なくすることが可能になっている。そして、チューブ31と出入口部42aと接続した後、弁31aを開いて機能液37を機能液収納袋42内からチューブ31内に流動させる。機能液収納袋42が設置される外装部41の底面41cは斜面になっている。これにより、機能液37の残量が少ないときにも重力が作用して機能液37はチューブ31に流動する。
【0051】
機能液収納袋42を外装部41内に設置した後、前蓋部41a及び上蓋部41bが設置される。前蓋部41aと外装部41とが出入口部42aを挟むことにより機能液収納袋42が固定される。上蓋部41bの中央には液量検出装置43が設置されている。液量検出装置43は上蓋部41bと機能液収納袋42との距離を検出する。機能液収納袋42内の機能液37の量が多いときには上蓋部41bと機能液収納袋42との距離が短く、機能液37の量が減少するに従って機能液収納袋42との距離が長くなる。従って、液量検出装置43は上蓋部41bと機能液収納袋42との距離を検出することにより機能液収納袋42内の機能液37の量を推定することができる。液量検出装置43は第1タンク24a〜第4タンク24dにそれぞれ設置されている。そして、各収容タンク24に収納された機能液収納袋42内の機能液37の量が推定される。
【0052】
液量検出装置43は機能液収納袋42を変形させずに、上蓋部41bと機能液収納袋42との距離が測定可能であれば良く、検出方式は特に限定されない。光学式、静電容量式、磁気式の各種方式の測長方法を用いることができる。本実施形態では、例えば、機能液収納袋42に光線43aを照射して、機能液収納袋42にて反射される場所をフォトセンサーにて検出して測長する方法を採用している。
【0053】
図3(b)は、機能液収納袋の容量の種類を説明するための図である。図3(b)において、型番号は機能液収納袋42の容量毎に設定された番号であり、容量は各型番号における機能液収納袋42に収納可能な液体の容量を示している。型番号は1番から50番まで用意されている。型番号が1番の機能液収納袋42の容量は100mlであり、型番号が1つ増す毎に容量が20ml多くなるように設定されている。従って、100ml〜1080mlの容量の範囲に50種類の機能液収納袋42が用意されている。
【0054】
図4は、液滴吐出装置の電気制御ブロック図である。図4において、液滴吐出装置9は液滴吐出装置9の動作を制御する制御部としての制御装置44を備えている。そして、制御装置44はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)45と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー46とを備えている。
【0055】
主走査駆動装置47、主走査位置検出装置21、副走査駆動装置48、副走査位置検出装置13は、入出力インターフェイス49及びデータバス50を介してCPU45に接続されている。さらに、液滴吐出ヘッド29を駆動するヘッド駆動回路53、ヘッド昇降装置30、液量検出装置43も入出力インターフェイス49及びデータバス50を介してCPU45に接続されている。他にも、基材供給装置15、基材収納装置16、入力装置54、表示部としての表示装置55が入出力インターフェイス49及びデータバス50を介してCPU45に接続されている。
【0056】
主走査駆動装置47はキャリッジ20を駆動する装置であり、副走査駆動装置48はステージ12を駆動する装置である。主走査位置検出装置21がキャリッジ20の位置を検出し、主走査駆動装置47がキャリッジ20を駆動することにより、キャリッジ20を所望の速度にて走査することが可能になっている。同じく、副走査位置検出装置13がステージ12の位置を検出し、副走査駆動装置48がステージ12を駆動することにより、ステージ12を所望の位置に移動して停止させることが可能になっている。
【0057】
ヘッド駆動回路53は液滴吐出ヘッド29を駆動する回路である。そして、CPU45が指示する駆動電圧、吐出数、吐出間隔等の吐出条件に従って、ヘッド駆動回路53は液滴吐出ヘッド29を駆動する。ヘッド昇降装置30はキャリッジ20に対してヘッドユニット22を昇降させる装置である。ヘッド昇降装置30はCPU45の指示信号を受信し、指示信号に従って基材2とノズルプレート32との距離を制御する。
【0058】
液量検出装置43は各機能液収納袋42と上蓋部41bとの距離のデータをCPU45へ出力する。CPU45は、距離のデータを用いて機能液37の残量を推定する。機能液37の残量が少ないときには機能液37の補充を催促するメッセージを表示装置55に出力する。
【0059】
入力装置54は液滴40を吐出する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、描画するパターンのデータを入力する装置である。表示装置55は加工条件や作業状況を表示する装置であり、例えば、4種類の機能液37を収納する機能液収納袋42の型番を表示する。表示装置55に表示される情報を基に、操作者は入力装置54を用いて操作を行う。
【0060】
メモリー46は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には、液滴吐出装置9の動作の制御手順が記述されたプログラムソフト56を記憶する記憶領域や、基材2上に吐出する液滴40の着弾位置の座標データである吐出位置データ57を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、液滴吐出ヘッド29を駆動するときの駆動信号である駆動信号データ58を記憶するための記憶領域や、パターンを描画するときに消費する機能液37の量等のデータである消費量関連データ59を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、機能液収納袋42の型番と容量等のデータである容器関連データ60を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、CPU45のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
【0061】
CPU45は、メモリー46内に記憶されたプログラムソフト56に従って、基材2の所定の場所に液滴40を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として液滴吐出ヘッド29から液滴40を吐出して描画するための制御を行う描画制御部61を有する。
【0062】
描画制御部61を詳しく分割すれば、描画制御部61はキャリッジ20を主走査方向へ所定の速度で走査移動させるための制御を行う主走査制御部62と、ステージ12を副走査方向へ所定の移動量で移動させるための制御を行う副走査制御部63を有する。さらに、描画制御部61は液滴吐出ヘッド29内の複数あるノズル33から液滴40を吐出させるノズル33を選択する吐出制御部64等を有する。吐出制御部64は選択したノズル33に対応する圧電素子39を作動させて液滴40を吐出させる。描画制御部61、キャリッジ20、ステージ12、液滴吐出ヘッド29等により描画部が構成されている。
【0063】
他にも、CPU45は描画に必要な機能液37の適正量を演算する液補充量演算装置としての液補充量演算部65を有する。液補充量演算部65を詳しく分割すれば、液補充量演算部65は消費量演算部66と容器選択部67とを有する。消費量演算部66はパターン6を描画するときに消費する4種類の機能液37の比率を演算する。さらに、消費量演算部66は液滴吐出ヘッド29を保守するときに消費する機能液37の量を演算する。容器選択部67は消費する4種類の機能液37のデータを用いて各機能液37を収納するために最適な機能液収納袋42を選択する。
【0064】
さらに、CPU45は液残量演算部68を有する。液残量演算部68は、液量検出装置43が検出する上蓋部41bと機能液収納袋42との距離の検出値を用いて機能液37の残量を推定する演算を行う。他にも、CPU45はヘッド保守制御部69を有する。ヘッド保守制御部69はノズル33から液滴40を模擬吐出部26に吐出させる。これにより、ヘッド保守制御部69は液滴吐出ヘッド29の流路に存在する析出物を放出させる。
【0065】
尚、本実施形態では、上記の各機能がCPU45を用いてプログラムソフトで実現することとしたが、上記の各機能がCPUを用いない単独の電子回路(ハードウェア)によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いることも可能である。
【0066】
(描画方法)
次に、上述した液滴吐出装置9を用いて、所定のパターンを描画する描画方法について図5〜図8にて説明する。図5は、描画作業を示すフローチャートである。図6〜図8は、描画作業における描画方法を説明するための模式図である。
【0067】
図5に示すフローチャートにおいて、ステップS1は、消費量比率演算工程に相当する。この工程は、パターンを描画するときに消費する4種類の機能液の消費量の比率を演算し、最適な機能液収納袋を選択する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、除給材工程に相当する。この工程は、基材収納装置から描画された基材を除去し、基材供給装置に描画されていない基材を設置する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は機能液設置工程に相当する。この工程は、機能液収納袋に機能液を収納した後、機能液収納袋を収容タンクに設置する工程である。次にステップS4に移行する。
【0068】
ステップS4は、ヘッド保守判断工程に相当する。この工程は、ヘッド保守作業をするかしないかの判断をする工程である。ヘッド保守作業をするときステップS5に移行する。ヘッド保守作業をしないときステップS6に移行する。ステップS5はヘッド保守工程に相当する。この工程は、液滴吐出ヘッド内の機能液を模擬吐出部に吐出して、液滴吐出ヘッド内の流路を洗浄する工程である。次にステップS6に移行する。
【0069】
ステップS6は、描画工程に相当する。この工程は、基材と液滴吐出ヘッドとを相対移動させながら液滴を基材に吐出して描画する工程である。次に、ステップS7に移行する。ステップS7は、液補充判断工程に相当する。この工程は、収容タンクに機能液を補充するかしないかの判断をする工程である。機能液を補充するときステップS3に移行する。機能液を補充しないときステップS8に移行する。
【0070】
ステップS8は、基材補充判断工程に相当する。この工程は、基材供給装置に基材を補充するかしないかの判断をする工程である。基材を補充するときステップS2に移行する。基材を補充しないときステップS9に移行する。ステップS9は、終了判断工程に相当する。この工程は、描画作業を終了するかの判断をする工程である。描画する作業を継続するときステップS4に移行する。描画する作業を終了する判断を行うときには、描画作業を終了する。
【0071】
次に、図6〜図8を用いて、図5に示したステップと対応させて、描画作業方法を詳細に説明する。図6(a)及び図6(b)は、ステップS1の消費量比率演算工程に対応する図である。ステップS1において、CPU45はパターン6のデータを用いて各色の機能液37を液滴40にして着弾させる場所を設定する。そして、消費量演算部66は、液滴40を吐出する回数である吐出回数を各色の機能液37毎に演算する。そして、液滴40の体積と吐出回数とを積算することにより1つのパターン6を描画するときの機能液の消費量を演算する。図6(a)は1つのパターン6を描画するときの機能液の消費量の一例を示している。例えば、1つのパターン6を描画するときに第1の機能液〜第4の機能液がそれぞれ0.1ml(ミリリットル)、0.05ml、0.01ml、0.03ml消費される。次に、消費量演算部66は各機能液37が消費される比率を演算する。本実施形態における例では、第1〜第4の機能液37の消費量比率が10:5:1:3になっている。消費量比率はパターン6に対応して算出される値であり、パターン6が変更される毎に演算される必要がある。
【0072】
次に、消費量演算部66は5000個のパターン6を描画するときに消費する機能液37の量を演算する。基材供給装置15は5000個のパターン6を描画する長さの基材2を収納することができる。つまり、消費量演算部66は、基材2の補充をせずに基材供給装置15が供給可能な長さの基材2に液滴吐出装置9がパターン6を描画するときに消費する機能液37の量を演算する。例えば、5000個のパターン6を描画するときに第1の機能液〜第4の機能液がそれぞれ500ml、250ml、50ml、150ml消費される。
【0073】
続いて、消費量演算部66は、5000個のパターン6を描画する間にステップS5のヘッド保守工程で消費される機能液37の消費量を演算する。この消費量は、液滴吐出ヘッド29を保守する回数と保守するときの機能液37の消費量とを乗算することにより算出される。例えば、5000個のパターン6を描画するときに液滴吐出ヘッド29を保守するために機能液37が50ml消費される。
【0074】
次に、消費量演算部66はステップS6の描画工程における消費量とステップS5のヘッド保守工程における消費量とを加算して、消費量予測の総量を算出する。本実施形態における例では、第1〜第4の機能液37の消費量予測の総量がそれぞれ550、300、100、200mlになる。
【0075】
続いて、容器選択部67は、演算した消費量予測の総量を収納可能な機能液収納袋42を選択する。第1の機能液37を収納する機能液収納袋42は収納容量が550ml以上で550mlに近い機能液収納袋42を選択する。収容タンク24の機能液収納袋42を交換した後機能液収納袋42内に残った機能液37を廃棄する。従って、消費量予測の総量と容器の容量とが近いときの方が離れているときより機能液37の廃棄量を少なくすることができる。
【0076】
容器選択部67は、以上の条件を満たす機能液収納袋42を図3(b)に示すリストから選択する。詳細には、このリストはメモリー46に容器関連データ60として記憶されている。容器選択部67は消費量予測の総量と同量か同量より大きな容量の機能液収納袋42を検索する。次に、検索された機能液収納袋42のうち収納容量の小さい機能液収納袋42を検索する。本実施形態では容量が560mlの機能液収納袋42を選択した。
【0077】
同様な方法にて第2〜第4の機能液37を収納する機能液収納袋42を選択する。本実施形態では、第2〜第4の機能液37を収納する機能液収納袋42の容量をそれぞれ300、100、200mlとした。容器選択部67は選択した機能液収納袋42の容量に対応する機能液収納袋42の型番を容器関連データ60から検索する。そして、容器選択部67は第1〜第4の機能液37に対して選択した機能液収納袋42の容量と型番を表示装置55に表示させる。
【0078】
この組合せの機能液収納袋42を用いて予定通りに機能液37を消費するとき、第2〜第4の機能液37の残量が0mlと成り、第1の機能液37の残量が10mlとなる。従って、基材供給装置15に設置した基材2に5000個のパターン6を描画した後、基材2を設置する時期と機能液収納袋42を設置する時期が同じ時期となる。このとき、機能液37の残量は第1の機能液37における10mlとなり、残量を少量にすることができる。
【0079】
図6(c)はステップS2の除給材工程に対応する図である。図6(c)に示すようにステップS2において、基材供給装置15に描画前の基材2を設置する。基材2は予め円筒状に巻き取られている。その円筒状の軸を回転機構15aの軸に設置する。そして、回転機構15aを回転させることにより基材供給装置15から基材2が排出可能となる。本実施形態では基材2の長さは5000個のパターン6を描画可能な長さになっている。操作者は液滴吐出ヘッド29と載置面14との間に基材2を通過させる。その後、基材2の一端を基材収納装置16の回転機構16aの回転軸に固定する。これにより、基材供給装置15により供給された基材2が載置面14を通過して基材収納装置16に回収可能になる。
【0080】
図7(a)及び図7(b)はステップS3の機能液設置工程に対応する図である。ステップS3において、操作者はステップS1にて表示装置55に表示された機能液収納袋42の型番を確認する。次に、図7(a)に示すように操作者70は機能液収納袋42に機能液37を収納する。機能液37は貯蔵タンク71内に貯蔵されている。貯蔵タンク71に蛇口71aが設置され、蛇口71aには開閉弁71bが形成されている。そして、操作者70は蛇口71aに機能液収納袋42の出入口部42aを接続して開閉弁71bを開く。これにより、貯蔵タンク71内の機能液37が機能液収納袋42内に収納される。機能液収納袋42の容量は型番毎に所定の量になっているので、機能液収納袋42内に収納される量は所定の量となる。これにより、機能液37の体積を計量することなく、操作者70は所定の量の機能液37を機能液収納袋42内に収納できる。
【0081】
次に、図7(b)に示すように操作者70は、機能液37が収納された機能液収納袋42を収容タンク24内に設置する。まず、操作者70はチューブ31の弁31aを閉じて出入口部42aをチューブ31に挿入する。次に、弁31aを開いて機能液37がチューブ31内に流動可能にする。続いて、機能液収納袋42を外装部41の中に設置して前蓋部41a及び上蓋部41bを設置する。この作業は第1タンク24a〜第4タンク24dにおいて実施される。
【0082】
ステップS3にて機能液収納袋42を設置した後はステップS4にてヘッド保守作業を実施する判断をする。図7(c)はステップS5のヘッド保守工程に対応する図である。図7(c)に示すようにステップS5においてヘッド保守制御部69は主走査駆動装置47にキャリッジ20を駆動させて液滴吐出ヘッド29を模擬吐出部26と対向する場所に移動させる。次に、模擬吐出部26はヘッド駆動回路53を駆動させてマット26a上に液滴40を吐出される。着弾した液滴40はマット26aから模擬吐出部26の内部に流れて収納される。
【0083】
これにより、液滴吐出ヘッド29内に在留する機能液37が排出され、機能液収納袋42内の機能液37が液滴吐出ヘッド29内に流入する。その結果、液滴吐出装置9は機能液収納袋42内に収納した機能液37を用いて描画することが可能になる。
【0084】
図7(d)はステップS6の描画工程に対応する図である。図7(d)に示すようにステップS6において液滴吐出装置9は基材2にパターン6を描画する。まず、描画制御部61は載置面14に形成された基板チャック機構を作動させて基材2を載置面14に吸着させる。次に、描画制御部61はキャリッジ20を走査移動させながらノズル33から液滴40を吐出させる。液滴吐出ヘッド29が基材2のX方向の端まで移動した後ステージ12をY方向に移動して改行動作を行う。そして、描画制御部61はキャリッジ20とステージ12とを移動させながらノズル33から液滴40を吐出させる。これにより、基材2上にはパターン6が描画される。
【0085】
ノズル33から液滴40が吐出されるとき、着弾した液滴40に硬化ユニット23から紫外光72が照射され熱風73が吹き付けられる。これにより、着弾した液滴40の表面に膜が形成されるので、隣接して着弾した液滴40が混合しないようになる。換言すれば、着弾した液滴40は紫外光72及び熱風73によりピニングされる。さらに、本硬化装置25から基材2に向けて紫外光72が照射される。基材2上に着弾した液滴40は本硬化装置25と対向する場所を通過するときに紫外光72が照射される。これにより、基材2上に着弾した液滴40は内部まで硬化される。
【0086】
載置面14に搭載された場所の基材2にパターン6を描画した後、描画制御部61は基板チャック機構を解除する。次に、描画制御部61は基材供給装置15及び基材収納装置16を駆動して載置面14に描画されていない基材2を供給する。描画制御部61は載置面14への基材2の供給と描画とを繰り返して長尺の基材2にパターン6を描画する。
【0087】
図8はステップS7の液補充判断工程及びステップS8の基材補充判断工程に対応する図である。図8において、横軸は描画図数を示し、縦軸は機能液の残量及び基材の残量を示す。第1基材残量推移線76は描画していない基材2の量の推移を示している。基材供給装置15には5000個のパターン6を描画可能な長さの基材2が設置されている。従って、5000個のパターン6を描画する毎に操作者70はステップS2の除給材工程を行って基材供給装置15に基材2を補充する。
【0088】
第1機能液残量推移線77は機能液収納袋42の収納されている機能液37の残量の推移を示す。各色の機能液収納袋42には5000個のパターン6を描画可能な消費量の機能液37とステップS5のヘッド保守工程にて消費する量の機能液37とが収納されている。5000個のパターン6を描画する毎に操作者70はステップS3の機能液設置工程を行って収容タンク24に機能液37を補充する。機能液37の量の比率は消費量比率と同じ比率となっている。これにより、各色の機能液37の補充時期は同じ時期になっている。
【0089】
ステップS2の除給材工程を行う時期とステップS3の機能液設置工程を行う時期は共に5000個のパターン6を描画する毎に行われる。従って、この2つの工程は同じときに行われる。予定した数量のパターン6を液滴吐出装置9が描画したとき描画作業を終了する。
【0090】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS1の消費量比率演算工程においてパターン6を描画するときに各種類の機能液37を消費する量の比率である消費量比率を消費量演算部66が演算している。そして、表示装置55は消費量比率となる機能液37の量の組合せを表示する。操作者70は、ステップS3の機能液設置工程にて各色の機能液37の量の比率を消費量比率と同じ比率にして機能液37を液滴吐出装置9に設置する。従って、パターン6を描画するときに各色の機能液37の補充時期を同じ時期にできる為、1回の補充作業で複数色の機能液37を補充できる。その結果、機能液37を補充する頻度を少なくできる。
【0091】
(2)本実施形態によれば、機能液37の消費量予測の総量は液滴吐出ヘッド29を保守するときに消費する機能液37の量を含んで演算されている。従って、ステップS5のヘッド保守工程を実施するときにも、機能液37を補充する時期の推定精度を向上することができる。
【0092】
(3)本実施形態によれば、複数種類の容量の機能液収納袋42が用意されている。そして、補充する量に対応する機能液収納袋42が用意されているので、所定の機能液収納袋42に機能液37を充填することにより機能液37を所定の量にすることができる。従って、機能液37を計量して容器に入れるときに比べて簡便に機能液37を補充することができる。
【0093】
(4)本実施形態によれば、ステップS1の消費量比率演算工程にて消費量比率を演算するときにパターン6のデータを用いている。パターン6のデータから液滴40を吐出する回数を設定できることから、各種類の機能液37の消費量を演算することができる。この方法は、実際にパターンを描画して機能液37の消費量を測定する方法に比べて、簡便に消費量比率を知ることができる。
【0094】
(5)本実施形態によれば、機能液37を補充する時期と基材2を補充する時期とが同じ時期になっている。機能液37を補充した後や基材2を補充した後には描画が正常に行えるように調整する必要がある。そして、機能液37の補充と基材2の補充とを別に行うときには各々の補充時に描画の調整が必要となる。機能液37の補充と基材2の補充とを同時に行うときには操作者70は補充時に描画の調整を1回の調整でできる為、生産性良く補充と調整を行うことができる。
【0095】
(6)本実施形態によれば、メモリー46は複数種類の機能液収納袋42の容量情報を記憶している。容器選択部67は消費量比率を参照して機能液37を収納する機能液収納袋42の組合せをメモリー46から検索する。容器選択部67が検索した機能液収納袋42の組合せは表示装置55に表示される。補充する量に対応する機能液収納袋42が指定されるので、操作者70が指定された機能液収納袋42に機能液37を充填することにより機能液を所定の量の組合せにすることができる。
【0096】
(7)本実施形態によれば、4種類の機能液37は同時に補充されている。同じ容量の機能液収納袋42を用いるとき、消費量の小さい機能液37は補充する間の時間が長くなる。機能液37を長期間滞留させるとき機能液37に溶解している成分が凝集して沈殿することがある。このとき、機能液37の成分が変わるので機能液37の品質が低下する。他にも、機能液37の化学反応が進んで変質し、機能液37の品質が低下する場合がある。長期間滞留した機能液37には粘度が変化したり、凝集した成分が粒子状になることがある。この機能液37を液滴40にしてノズル33から吐出するとき、機能液37がノズル33を通過し難くなる。これにより、液滴40が曲がって飛行し、パターン6の品質が低下する。本実施形態の方法では、特定の機能液37のみ機能液収納袋42及び液滴吐出ヘッド29内に長期間滞留させることがない。従って、特定の機能液37を吐出する品質が低下することを防止することができる。
【0097】
(8)本実施形態によれば、色の異なる4種類の機能液37を同時に交換している。パターン6は4種類の機能液37のバランスにより画質が変わるので、1種類の機能液37を交換するときにも4種類の機能液37のバランスを調整することが必要となる。本実施形態では4種類の機能液37を同時に補充することにより4種類の機能液37のバランスを調整する回数を低減することができる。
【0098】
(第2の実施形態)
次に、描画方法の一実施形態について図9の描画作業における描画方法を説明するための図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、保守時消費量を消費量予測の総量に含めない点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0099】
すなわち、本実施形態では、図9に示したように、保守時消費量を0としている。そして、5000個のパターン6を描画するときの消費量を消費量予測の総量としている。機能液収納袋42に収納された機能液37を液滴吐出ヘッド29の保守時に使用しないときには描画時の消費量を消費量予測の総量としても良い。
【0100】
ステップS3の機能液設置工程にて液滴吐出ヘッド29の保守を行っても良い。その後、描画に用いる機能液37を機能液収納袋42に収納しても良い。他にも、保守に用いる機能液37と描画するときに用いる機能液37とを別の容器に収納しても良い。保守に用いる機能液37を収納する保守用機能液収納袋を用意する。そして、描画に用いる機能液37を機能液収納袋42に収納する。
【0101】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、機能液収納袋42に収納された機能液37は主に描画に用いられるので、機能液37を補充する時期をさらに精度良く推定することができる。
【0102】
(第3の実施形態)
次に、描画方法の一実施形態について図10の描画作業における描画方法を説明するための図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、1回の補充で描画可能なパターン6の数が基材2と機能液37とで異なっている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0103】
図10(a)において、横軸は描画図数を示し、縦軸は機能液の残量及び基材の残量を示す。第2基材残量推移線78は描画していない基材2の量の推移を示している。基材供給装置15には10000個のパターン6を描画可能な長さの基材2が設置されている。従って、10000個のパターン6を描画する毎に操作者70はステップS2の除給材工程を行って基材供給装置15に基材2を補充する。
【0104】
第1機能液残量推移線77は機能液収納袋42の収納されている機能液37の残量の推移を示す。5000個のパターン6を描画可能な消費量の機能液37とステップS5のヘッド保守工程にて消費する量の機能液37とが各色の機能液収納袋42に収納されている。従って、各色の機能液収納袋42に機能液37が補充される時期は同じ時期となる。5000個のパターン6を描画する毎に操作者70はステップS3の機能液設置工程を行って収容タンク24に機能液37を補充する。
【0105】
機能液収納袋42に収納された機能液37の量で描画可能なパターン6の数である5000個は1つの基材2に描画可能なパターン6の数である10000個を2で割切れる個数になっている。従って、ステップS3の機能液設置工程を2回行う時期とステップS2の除給材工程を行う時期とは共に10000個のパターン6を描画する毎に行われる。従って、ステップS2とステップS3の2つの工程は同じときに行われる。
【0106】
次に、1回の補充で描画可能なパターン6の数が基材2と機能液37とで異なっているもう1つの例を説明する。図10(b)において、横軸は描画図数を示し、縦軸は機能液の残量及び基材の残量を示す。第1基材残量推移線76は描画していない基材2の量の推移を示している。基材供給装置15には5000個のパターン6を描画可能な長さの基材2が設置されている。従って、5000個のパターン6を描画する毎にステップS2の除給材工程を行って操作者70は基材供給装置15に基材2を補充する。
【0107】
第2機能液残量推移線79は機能液収納袋42の収納されている機能液37の残量の推移を示す。10000個のパターン6を描画可能な消費量の機能液37とステップS5のヘッド保守工程にて消費する量の機能液37とが各色の機能液収納袋42に収納されている。従って、各色の機能液収納袋42には同じ時期に機能液37が補充される。10000個のパターン6を描画する毎に操作者70はステップS3の機能液設置工程を行って収容タンク24に機能液37を補充する。
【0108】
機能液収納袋42に収納された機能液37の量で描画可能なパターン6の数である10000個は1つの基材2に描画可能なパターン6の数である5000個の2倍の量になっている。従って、ステップS2の除給材工程を2回行う時期とステップS3の機能液設置工程を行う時期とは共に10000個のパターン6を描画する時期になっている。従って、ステップS3とステップS2の2つの工程は同じときに行われる。
【0109】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、機能液37を補充する時期と基材2を補充する時期とが同じ時期となることがある。機能液37の補充と基材2の補充とを別に行うときには各々の補充時に描画の調整が必要となる。機能液37の補充と基材2の補充とを同時に行うときには操作者70は機能液37の補充のときに行う調整と基材2を補充する時の調整を同時にできる為、生産性良く補充作業を行うことができる。
【0110】
(第4の実施形態)
次に、液補充量演算装置の一実施形態について図11の液補充量演算装置の電気制御ブロック図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、液滴吐出装置9の機能の中で機能液37を補充する量を演算する機能を抽出した点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0111】
図11において、液補充量演算装置82はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)83と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー84とを備えている。そして、入力装置54、表示装置55が入出力インターフェイス49及びデータバス50を介してCPU83に接続されている。
【0112】
メモリー84は第1の実施形態におけるメモリー46と同様に各種の情報を記憶する装置である。機能液37の最適な補充量を演算する演算手順が記述されたプログラムソフト85を記憶する記憶領域が設定される。他にも、第1の実施形態と同様な吐出位置データ57、消費量関連データ59、容器関連データ60を記憶するための記憶領域が設定される。他にも、CPU83のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
【0113】
CPU83は、メモリー84内に記憶されたプログラムソフト85に従って、機能液37の補充量の演算を行うものである。具体的な機能実現部として第1の実施形態の制御装置44と同様に液補充量演算部65を有する。液補充量演算部65は消費量演算部66と容器選択部67とを有している。
【0114】
消費量演算部66はパターン6のデータを用いて基材2上に液滴40を着弾させる場所を演算する。そして、消費量演算部66は各機能液37における吐出回数を演算する。これにより消費量演算部66は各機能液37における消費量を算出することができる。次に、容器選択部67は消費する4種類の機能液37のデータを用いて各機能液37を収納するために最適な機能液収納袋42を検索する。そして、液補充量演算部65は検索した機能液収納袋42の組合せを表示装置55に表示する。
【0115】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、液補充量演算装置82は描画機能を備えていないので、液滴吐出装置9より小型の装置にすることができる。各種類の機能液収納袋42が収納されている場所が液滴吐出装置9の近くにいないことがある。このときにも、機能液収納袋42が収納されている場所の近くに液補充量演算装置82を設置することにより、液補充量演算装置82を用いて最適な容量の機能液収納袋42の検索と機能液収納袋42の準備を行い易くすることができる。
【0116】
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では基材2は長尺のシート状に形成されていたが、基材2は長尺に限定されない。四角形の紙やシートを用いても良い。この場合にも、各色の機能液収納袋42における収納量の比率を消費量比率と同じ比率にすることにより、各色の機能液37の補充時期を同じ時期にできる。そして、描画するパターン6の予定数に対応する機能液37の消費量を整数にて割切れる量に機能液収納袋42の容量を合わせることにより、機能液収納袋42内の機能液37を使い切ることができる。従って、機能液収納袋42内に残留する機能液37を廃棄するときの量を削減できる為、省資源な描画方法とすることができる。
【0117】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、第1の機能液〜第4の機能液の4種類の機能液37を用いた。機能液37の種類はこれに限らない。2種類以上の機能液37を用いるときに上記の描画方法を用いることができる。各機能液収納袋42における収納量の比率を消費量比率と同じ比率にすることにより、各色の機能液37の補充時期を同じ時期にできる。
【0118】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、機能液収納袋42に機能液37を収納した。機能液37が酸化し難いときには、収容タンク24等の容器に機能液37を収納しても良い。容器の開口部を広くできるので容器に機能液37を入れ易くすることができる。
【0119】
(変形例4)
前記第1の実施形態では、消費量演算部66がパターン6のデータから各機能液37の消費量を演算した。これに限らず、パターン6を描画して消費される各機能液37の量を測定しても良い。液滴40の吐出量の微調整による変動を含んだ消費量が測定できるので、消費量を精度良く推定することができる。
【0120】
(変形例5)
前記第1の実施形態では、機能液37は光重合開始剤を含み紫外光72の照射により固化した。機能液37は紫外光72の照射により固化する液状体に限定されない。機能液37は加熱により固化する樹脂材料でも良い。この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0121】
(変形例6)
前記第3の実施形態の1つめの例では、機能液収納袋42に収納された機能液37の量で描画可能なパターン6の数は1つの基材2に描画可能なパターン6の数を2で割切れる量になっていた。2の数で割切れる量に限らず、3以上の整数で割り切れる量でも良い。この場合にも同様の効果を得ることができる。
【0122】
(変形例7)
前記第3の実施形態の2つめの例では、機能液収納袋42に収納された機能液37の量で描画可能なパターン6の数は1つの基材2に描画可能なパターン6の数の2倍の量になっていた。2倍の量に限らず、3倍以上の整数倍の量でも良い。この場合にも同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0123】
2…基材、6…パターン、9…液滴吐出装置、29…液滴吐出ヘッド、37…第1の機能液及び第2の機能液としての機能液、40…液滴、42…第1の収納容器及び第2の収納容器としての機能液収納袋、46,84…記憶部としてのメモリー、55…表示部としての表示装置、65…液補充量演算装置としての液補充量演算部、66…消費量演算部、67…容器選択部、82…液補充量演算装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に第1の機能液及び第2の機能液を液滴にして吐出する液滴吐出装置を用いてパターンを描画する描画方法であって、
前記パターンを描画するときに前記第1の機能液と前記第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する消費量比率演算工程と、
前記第1の機能液と前記第2の機能液との量の比率を前記消費量比率と同じ比率にして前記第1の機能液及び前記第2の機能液を前記液滴吐出装置に設置する機能液設置工程と、を備えることを特徴とする描画方法。
【請求項2】
請求項1に記載の描画方法であって、
前記液滴は液滴吐出ヘッドから吐出され、前記消費量比率は前記液滴吐出ヘッドを保守するときに消費する前記第1の機能液及び前記第2の機能液の量を含んで演算されることを特徴とする描画方法。
【請求項3】
請求項2に記載の描画方法であって、
前記機能液設置工程では収納容量の比率が前記消費量比率である第1の収納容器と第2の収納容器とを用いて、前記第1の収納容器に前記第1の機能液を収納し前記第2の収納容器に前記第2の機能液を収納した後、前記第1の収納容器及び前記第2の収納容器を前記液滴吐出装置に設置することを特徴とする描画方法。
【請求項4】
請求項3に記載の描画方法であって、
前記消費量比率演算工程では前記パターンのデータを用いて前記消費量比率を演算することを特徴とする描画方法。
【請求項5】
請求項4に記載の描画方法であって、
前記基材は長尺に形成され、前記第1の収納容器に収納される前記第1の機能液の量は1つの前記基材に描画するときの前記消費量の整数倍または整数にて割切れる量であることを特徴とする描画方法。
【請求項6】
第1の機能液及び第2の機能液を用いてパターンを描画するときの前記第1の機能液と前記第2の機能液との消費量の比率である消費量比率を演算する消費量演算部と、
前記第1の機能液と前記第2の機能液との量の比率が前記消費量比率と同じ比率となる前記第1の機能液及び前記第2の機能液の量の組合せを表示する表示部と、を備えることを特徴とする液補充量演算装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液補充量演算装置であって、
複数種類の容量の収納容器の容器情報を記憶する記憶部と、
前記第1の機能液を収納する第1の収納容器と前記第2の機能液を収納する第2の収納容器との容量の比率が前記消費量比率となる組合せを演算する容器選択部と、をさらに備え、
前記容器選択部が演算した前記第1の収納容器と前記第2の収納容器との組合せを前記表示部に表示することを特徴とする液補充量演算装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の液補充量演算装置と、
前記第1の機能液及び前記第2の機能液を液滴にして前記パターンを描画する描画部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−251274(P2011−251274A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128612(P2010−128612)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】