説明

搬送物品の一時保管装置

【課題】設置場所の省スペースを図るとともに、設備コストを低減し、好ましくは安全性を高めることができるようにした搬送物品の一時保管装置を提供する。
【解決手段】物品Aの搬送手段27が設けられた複数の棚20を上下に有する保管部10と、この保管部10を昇降可能とし、かつ前記保管部10のうちの選択された所定の棚20を搬送経路1と同じ高さに位置させる昇降手段15とを備えるとともに、前記搬送経路1の搬送手段5,6,7と前記所定の棚20の搬送手段27とを同期させることにより、前記搬送経路1から搬送される物品Aを、前記所定の棚20上に向けて搬入するか、または前記所定の棚20上の物品を、前記搬送経路1上に向けて搬出しうるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶や太陽電池を堆積させた大型ガラス基板等の板状物品を搬送する搬送経路の途中に用いられる搬送物品の一時保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送経路の途中に配置される搬送物品の一時保管装置としては、上下方向に複数段の固定棚を備えた保管部を、その固定棚の1つが物品の搬送経路と同じ高さ位置になるように設けるとともに、保管部の上流側に、上下方向に沿って昇降可能な入庫手段を設け、この入庫手段によって、搬送経路の上流側から搬送される物品を、保管部における選択された所定の固定棚に向けて搬入しうるようにして一時的に保管する一方、保管部の各固定棚に保管された物品を、入庫手段と同様に、保管部の上下方向に沿って昇降可能に設けた出庫手段によって、保管部における選択された所定の固定棚に保管された物品を、搬送経路の下流側に搬出しうるようにしたものが公知である(特許文献1参照)。
また、フォーク状のロボットハンドを用いて、搬送経路から搬送される物品をカセット装置内に搬入したり、カセット装置内に保管された物品を搬送経路に搬出しうるようにしたものも公知である(特許文献2,3参照)
【0003】
しかし、特許文献1に記載された一時保管装置では、保管部と、この保管部の上流側および下流側にそれぞれ設置される入庫手段および出庫手段が、物品の搬送方向に沿って一直線上に配置されているため、装置の設置場所に、大きな占有スペースを必要とするばかりでなく、入庫手段および出庫手段のそれぞれには、搬入または搬出用の棚を昇降させるための駆動モータ、ワイヤ、プーリおよび支柱によって構成された昇降機構を設ける必要があるため、複雑な構造となり、設備コストも高くなる。
また、特許文献2,3に記載されたカセット装置およびバッファ装置では、ロボットハンドの設置に、余分なスペースが占有されるとともに、ロボットハンド自体が高価なものであることから、設備コストが高騰するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4078969号公報
【特許文献2】特開2005−142480号公報
【特許文献3】実開平2−129342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した現状に鑑み、設置場所の省スペースを図るとともに、設備コストを低減し、好ましくは安全性を高めることができるようにした搬送物品の一時保管装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、「特許請求の範囲」の欄における各請求項に記載するように、次のような構成からなる発明によって解決される。
【0007】
(1) 物品の搬送経路の途中に配置される搬送物品の一時保管装置であって、物品の搬送手段が設けられた複数の棚を上下に有する保管部と、この保管部を昇降可能とし、かつ前記保管部のうちの選択された所定の棚を前記搬送経路と同じ高さに位置させる昇降手段とを備えるとともに、前記搬送経路と所定の棚との搬送手段を互いに同期させることにより、前記搬送経路から搬送される物品を、前記所定の棚上に向けて搬入するか、または前記所定の棚上の物品を、前記搬送経路上に向けて搬出しうるようにする。
【0008】
(2)上記(1)項において、上下の各棚における搬送手段を、搬送ベルトによって構成するとともに、選択された所定の棚における前記搬送ベルトの駆動軸に対して、一基の駆動モータの駆動力を、駆動力伝達手段を介して選択的に伝達可能にする。
【0009】
(3)上記(2)項において、駆動力伝達手段を、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向して設けられるとともに、周方向に沿って異なる磁性が交互な配列された1対の磁性体からなるものとする。
【0010】
(4)上記(3)項において、駆動力伝達手段を構成する、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向する磁性体して設けられている磁性体を、互いに対向する磁性体間の距離が調整しうるものとする。
【0011】
(5)上記(2)〜(4)項のいずれかにおいて、駆動モータを、搬送経路および選択された所定の棚とほぼ同じ高さに配置するとともに、搬送ローラの駆動軸側に向けて移動可能にする。
発明の具体的な内容は、次の通りである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
請求項1記載の発明によれば、物品の搬送手段が設けられた複数の棚を上下に有する保管部を昇降可能とするとともに、この保管部のうちの選択された所定の棚を、搬送経路と同じ高さに位置させ、かつ搬送経路の搬送手段と所定の棚の搬送手段とを同期させることにより、搬送経路から搬送される物品を、所定の棚上に向けて搬入するか、または所定の棚上の物品を、搬送経路上に向けて搬出しうるようにしてあるため、保管部の設置場所を設けるだけでよく、省スペースを図ることができるとともに、設備コストを低減させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、上下の各棚における搬送手段を、搬送ベルトによって構成するとともに、選択された所定の棚における搬送ベルトの駆動軸に対して、一基の駆動モータの駆動力を、駆動力伝達手段を介して選択的に伝達可能にしてあるため、複数の棚における搬送ベルトを、1基の駆動モータをもってそれぞれ選択的に駆動させることができ、設備コストを低減させることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、駆動力伝達手段を、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向させて設けられるとともに、周方向に沿って異なる磁性が交互な配列された1対の磁性体からなるものとしてあるため、駆動モータ側と搬送ベルト側との駆動力伝達を容易に切断することができ、安全性を高めることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、駆動力伝達手段を構成する、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向する磁性体して設けられている磁性体を、互いに対向する磁性体間の距離が調整しうるものとしてあるため、搬送する物品の重量に応じて、各棚の搬送手段に伝達する駆動力の大きさを容易に調整することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、駆動モータを、搬送経路および選択された所定の棚とほぼ同じ高さに配置してあるため、駆動力の伝達を円滑に行うことができる。
また、駆動モータを、搬送ベルトの駆動軸側に向けて移動可能にしてあるため、互いに対向する磁性体間の距離を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における一実施形態の一時保管装置を備えた物品搬送システムの全体構成を示す斜視図である。(実施例)
【図2】同じく、物品搬送システムの平面図である。
【図3】一時保管装置の拡大平面図である。
【図4】同じく、拡大正面図である。
【図5】同じく、拡大右側面図である。
【図6】保管部における各棚の搬送ベルトへの駆動力伝達状態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線における拡大断面図である。
【図8】一時保管装置を背面から見た最上段の棚における駆動軸に対する駆動力伝達状態を示し、図8(A)は、要部拡大背面図、図8(B)は、要部拡大平面図である。
【図9】同じく、最上段の棚における駆動軸に対する駆動力切断状態を示し、図9(A)は要部拡大背面図、図9(B)は、要部拡大平面図である。
【図10】駆動力伝達部における1対の磁性体の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、 本発明を、代表的な実施形態を挙げて詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明における一実施形態の一時保管装置を備えた物品搬送システムの全体構成を示す斜視図、図2は、同じく、物品搬送システムの平面図である。
なお、図1において、紙面の「左上」から「右下」を「左右方向」とし、「左下」から「右上」を「前後方向」として説明する。
【0020】
図1および図2に示すように、物品搬送システムの搬送経路1は、物品供給源(図示せず)から供給される、例えば液晶や薄膜太陽電池を堆積させた大型ガラス基板等の板状物品Aを左右方向の一方向(図示の実施形態では、右から左方向)に向けて水平搬送する第1搬送経路2と、この第1搬送経路2の途中に平面視T字状に分岐させて連結された、前記板状物品Aを前後方向に向けて水平搬送する第2搬送経路3と、この第2搬送経路3によって分岐される前記第1搬送経路2の上流側2Aと下流側2Bとの間に配置された水平回転可能な方向転換旋回台4とを、床面F上から所定の高さHをもって設置することにより構成されている。
これら第1搬送経路2、第2搬送経路3および方向転換旋回台4における搬送手段は、図示しない駆動モータによって駆動する複数の搬送ローラからなるコンベア5,6,7によって、それぞれ構成されている。
【0021】
第1搬送経路2の途中における第2搬送経路3の反対側後方には、方向転換旋回台4を間に介在させて、板状物品Aを一時的に保管する一時保管装置8が配置されている。
【0022】
方向転換旋回台4は、コンベア7を第1搬送経路2のコンベア5または第2搬送経路3のコンベア6と互いに同期して、板状物品Aの搬送方向と水平方向の回転を適宜に制御しうるようになっている。
これによって、第1搬送経路2の上流側2Aから搬送される板状物品Aを、第2搬送経路3に向けて方向転換させて搬送するか、または第2搬送経路3から搬送される板状物品Aを、第1搬送経路2の下流側2Bに向けて方向転換させて搬送するか、または一時保管装置8に向けて搬入しうるように搬送するか、または一時保管装置8から搬出される板状物品Aを、第1搬送経路2の下流側2Bに向けて方向転換させて搬送するか、またはそのまま第2搬送経路3に向けて搬送するか、所望に応じて選択的に制御しうるようになっている。
【0023】
図3は、一時保管装置の拡大平面図、図4は、同じく、拡大正面図、図5は、同じく、拡大右側面図、図6は、保管部における各棚の搬送ベルトへの駆動力伝達状態を示す要部拡大斜視図、図7は、図6のVII−VII線における拡大断面図である。
【0024】
一時保管装置8は、図3〜図5に示すように、基台9上に、板状物品Aが保管される保管部10を備えるとともに、この保管部10は、左右に対向する1対の側壁11,11と後壁12とをもって、前記方向転換旋回台4に向けて前方に開放する平面視前向きコ字状のブロック体によって形成され、かつ基台9の四隅に立設した支柱9Aに、ガイドレール13およびガイド部材14を介して、後記する昇降装置15によって、上下方向に昇降可能に設けられている。
【0025】
前記昇降装置15は、前記基台9上に設置された1基の駆動モータ16の回転駆動力を、回転軸17および軸回転方向変換器18を介して、前記左右の側壁11,11における外側面の前後方向中央部に、それぞれ螺合させて設けた上下方向を向く棒ねじ19,19に伝達し、これら各棒ねじ19を、前記駆動モータ16の駆動に同期して正逆回転させることによって、前記保管部10が昇降可能になっている。
【0026】
保管部10は、複数の棚20を上下に有し、これら上下各段の棚20は、前記左右の側壁11,11の内側面に、互いに左右方向に離間して対向しうるように内側に向けて水平状態をもって突出させた1対の支持杆21,21を、前後方向に複数配置することによって形成されているとともに、これら左右の各支持杆21間に、板状物品Aが搬入されるようにして、板状物品Aを保管しうるようになっている。
左右の各支持杆21の左右方向に対向する内側端には、図6に示すように、支軸22を介して回転可能に軸支された従動プーリ23が設けられており、これら前後方向に配置された各従動プーリ23には、後記する駆動力伝達装置24によって駆動する搬送ベルト27が掛け渡されている。
【0027】
すなわち、前記駆動力伝達装置24は、前記保管部10の後壁12における前後方向の内面に回転可能に軸支され、かつ前記上下の各棚20の後方にそれぞれ対応させて配置した左右方向に延びる複数の駆動軸25と、これら各駆動軸25に前記左右の各支持杆21の従動プーリ23に対応させて設けた左右1対の駆動プーリ26,26と、これら左右の各駆動プーリ26と左右の各支持杆21の従動プーリ23との間に跨って掛け渡された左右1対の無端状の搬送ベルト27,27とを備えている。
これら各搬送ベルト27の下方、すなわち上下の棚20間には、図7に示すように、断面上向きコ字状の受板28が前後方向に沿って配置され、この受板28は、上段の棚20の搬送ベルト27が撓んだときに、下段の棚20上に垂れ下がらないようにしている。
【0028】
各駆動軸25における軸方向の一端には、保管部10の後壁12における左右方向の一端に向けて突出させた搬送ベルト側伝達部29が設けられているとともに、これらのうちの1つ、すなわち、前記昇降装置15による保管部10の昇降によって、前記方向転換旋回台4の搬送面とほぼ同じ高さH(図4、図5参照)に対応する所定の位置に停止しうるように、選択された所定の棚20の搬送ベルト側伝達部29が、後記する駆動力伝達部30の駆動モータ側伝達部38に互いに対向しうるようになっている。
【0029】
図8は、一時保管装置を背面から見た最上段の棚における駆動軸に対する駆動力伝達状態を示し、図8(A)は要部拡大背面図、図8(B)は、要部拡大平面図、図9は、同じく、最上段の棚における駆動軸に対する駆動力切断状態を示し、図9(A)は要部拡大背面図、図9(B)は、要部拡大平面図、図10は、駆動力伝達部における1対の磁性体の分解斜視図である。
【0030】
前記駆動力伝達部30は、図8(A),(B)および図9(A),(B)に示すように、前記方向転換旋回台4の搬送面(搬送経路)とほぼ同じ高さHに位置するように前記基台9の支柱9Aのほぼ中間位置に取付けた支持台9B上に配置された駆動モータ31と、この駆動モータ31が取付けられ、かつ支持台9B上に設けたガイドレール32に沿って左右方向に移動可能な移動板33と、この移動板33上に駆動モータ31の回転駆動軸34と並列させて設けられた回転伝達軸35と、この回転伝達軸35と駆動モータ31の回転駆動軸34との間にプーリ34a,35aを介して掛け渡され、かつ駆動モータ31の回転力を回転伝達軸35に伝達する無端状のタイミングベルト36とを備えている。
移動板33は、支持台9Bの下面部に取付けたエアシリンダ37の駆動力をもって、前記駆動モータ31と共に回転伝達軸35が左右方向に移動可能になっている。
【0031】
回転伝達軸35の一端には、駆動モータ側伝達部38が、前記搬送ベルト側伝達部29に対向しうるように設けられている。
搬送ベルト側伝達部29と駆動モータ側伝達部38とは、図10に示すように、互いの対向面の周方向に沿って異なる磁性N,Sが交互に配列された1対の磁性体29A,38Aからなるとともに、前記エアシリンダ37の伸縮長さを調整することによって、互いに対向する磁性体29A,38A間の距離が調整可能になっている。
この場合、駆動軸25による搬送ベルト27への動力伝達時において、搬送ベルト側伝達部29と駆動モータ側伝達部38との間の距離を調整することによって、搬送される板状物品Aの重量に応じて、各棚20の搬送ベルト27に伝達する駆動力の大きさを、容易に調整することができる。
【0032】
駆動モータ側伝達部38は、エアシリンダ37の駆動をもって、回転伝達軸35を搬送ベルト側伝達部29に向けて移動させて近接もしくは接触させ、それらの磁性体29A,38A間に発生する磁力による吸引力によって、駆動モータ31の駆動力を駆動軸25に伝達し、各棚20の搬送ベルト27を駆動させるようになっている(図8(A),(B)参照)。
一方、搬送ベルト側伝達部29と駆動モータ側伝達部38との近接もしくは接触による駆動力の伝達状態において、エアシリンダ37の駆動をもって、回転伝達軸35を搬送ベルト側伝達部29から離間する方向に移動させ、互いの磁性体29A,38Aの磁力が効かない距離まで離間させることによって、駆動軸25、すなわち棚20における搬送ベルト27の駆動を駆動モータ31から切断するようになっている(図9(A),(B)参照)。
【0033】
次に、本発明に係る一時保管装置8への板状物品Aの搬入による保管および搬出工程を説明する。
【0034】
図2に示すように、一時保管装置8の保管部10に、搬送経路1における第1搬送経路2の上流側2Aから搬送される板状物品Aを一時保管するには、第1搬送経路2のコンベア5に対して方向転換旋回台4のコンベア7とを同一搬送方向に同期させ、板状物品Aが方向転換旋回台4上に載置状態で搬送された時点で、コンベア7を一旦停止させる。
この状態で、方向転換旋回台4を水平回転させて、方向転換旋回台4上の板状物品Aが保管部10の間口側に向くように、板状物品Aの搬送方向を転換させる。
【0035】
次いで、昇降装置15を駆動させて、保管部10を昇降させることにより、保管部10の各棚20のうちから、選択された所定の棚20の搬送面を、方向転換旋回台4の搬送面の高さと同じ位置となるようにして、保管部10を停止させた後、方向転換旋回台4のコンベア7と選択された所定の棚20の搬送ベルト27とを同一搬送方向に同期させて、方向転換旋回台4上の板状物品Aを選択された所定の棚20に向けて搬入することにより保管する。
【0036】
一方、保管部10内に保管された板状物品Aを、搬送経路1上に搬出するには、方向転換旋回台4のコンベア7の搬送方向が保管部10の間口側に向くように、方向転換旋回台4を水平回転させた後、昇降装置15を駆動させて、保管部10を昇降させることにより、保管部10の各棚20のうちから、選択された所定の棚20の搬送面が、方向転換旋回台4の搬送面の高さと同じ位置となるようにして、保管部10を停止させる。
次いで、方向転換旋回台4のコンベア7と選択された所定の棚20の搬送ベルト27とを同一搬送方向に同期させることにより、選択された所定の棚20上の板状物品Aを方向転換旋回台4に向けて容易に搬出することができる。
【0037】
また、方向転換旋回台4上に搬出された板状物品Aは、方向転換旋回台4によって方向転換させずに、第2搬送経路3のコンベア6を、方向転換旋回台4のコンベア7と同一搬送方向に同期させることにより、第2搬送経路3上を前方に向けて搬送される。
一方、方向転換旋回台4上に搬出された板状物品Aを、第1搬送経路2の下流側2Bに搬送させる場合には、方向転換旋回台4を水平回転させて、第1搬送経路2における下流側2Bのコンベア5を、方向転換旋回台4のコンベア7と同一搬送方向に同期させればよい。
【0038】
この場合、選択された所定の棚20の搬送ベルト27を、方向転換旋回台4のコンベア7と同一搬送方向に同期させるには、図9(A),(B)に示す動力切断状態において、駆動モータ側伝達部38の回転伝達軸35を、エアシリンダ37の駆動をもって前記所定の棚20の搬送ベルト側伝達部29に向けて移動させるとともに、それらの磁性体29A,38Aを、搬送する板状物品Aの重量に起因する駆動力の大きさに応じて、近接もしくは接触させればよい(図8(A),(B)参照)。
【符号の説明】
【0039】
1 搬送経路
2 第1搬送経路
2A 上流側
2B 下流側
3 第2搬送経路
4 方向転換旋回台
5,6,7 コンベア(搬送手段)
8 一時保管装置
9 基台
9A 支柱
9B 支持台
10 保管部
11 側壁
12 後壁
13 ガイドレール
14 ガイド部材
15 昇降装置(昇降手段)
16 駆動モータ
17 回転軸
18 軸回転方向変換器
19 棒ねじ
20 棚
21 支持杆
22 支軸
23 従動プーリ
24 駆動力伝達装置(駆動力伝達手段)
25 駆動軸
26 駆動プーリ
27 搬送ベルト(搬送手段)
28 受板
29 搬送ベルト側伝達部
29A 磁性体
30 駆動力伝達部
31 駆動モータ
32 ガイドレール
33 移動板
34 回転駆動軸
34a プーリ
35 回転伝達軸
35a プーリ
36 タイミングベルト
37 エアエアシリンダ
38 駆動モータ側伝達部
38A 磁性体
A 板状物品
F 床面
H 床面からの高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の搬送経路の途中に配置される搬送物品の一時保管装置であって、
物品の搬送手段が設けられた複数の棚を上下に有する保管部と、この保管部を昇降可能とし、かつ前記保管部のうちの選択された所定の棚を前記搬送経路と同じ高さに位置させる昇降手段とを備えるとともに、前記搬送経路と所定の棚との搬送手段を互いに同期させることにより、前記搬送経路から搬送される物品を、前記所定の棚上に向けて搬入するか、または前記所定の棚上の物品を、前記搬送経路上に向けて搬出しうるようにしたことを特徴とする搬送物品の一時保管装置。
【請求項2】
上下の各棚における搬送手段を、搬送ベルトによって構成するとともに、選択された所定の棚における前記搬送ベルトの駆動軸に対して、一基の駆動モータの駆動力を、駆動力伝達手段を介して選択的に伝達可能にした請求項1記載の搬送物品の一時保管装置。
【請求項3】
駆動力伝達手段を、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向して設けられるとともに、周方向に沿って異なる磁性が交互な配列された1対の磁性体からなるものとした請求項2記載の搬送物品の一時保管装置。
【請求項4】
駆動力伝達手段を構成する、駆動モータ側と搬送ベルト側とにそれぞれ互いに対向する磁性体して設けられている磁性体を、互いに対向する磁性体間の距離が調整しうるものとした請求項3記載の搬送物品の一時保管装置。
【請求項5】
駆動モータを、搬送経路および選択された所定の棚とほぼ同じ高さに配置するとともに、搬送ローラの駆動軸側に向けて移動可能にした請求項2〜4項のいずれかに記載の搬送物品の一時保管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−189094(P2010−189094A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33147(P2009−33147)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(596085623)シーダー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】