携帯型電子カルテ
【課題】高いセキュリティと高い使い勝手性とを兼ね備えた携帯型電子カルテを提供する。
【解決手段】第1認証を行う第1認証手段と、第2認証を行う第2認証手段と、カルテ画面を表示する表示手段と、入力を行う入力手段と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、を備える携帯型電子カルテ。
【解決手段】第1認証を行う第1認証手段と、第2認証を行う第2認証手段と、カルテ画面を表示する表示手段と、入力を行う入力手段と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、を備える携帯型電子カルテ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医者と患者とがともに使用しうる携帯型電子カルテに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子カルテシステムを採用する医療機関が増加している。電子カルテは、従来の紙カルテのように保管スペースを必要とせず、必要な時に素早くカルテ情報を読み出すことができるので、利便性が高い。
【0003】
携帯端末を用いた健康管理システムや電子カルテに関する技術としては、特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−295651号公報
【特許文献2】WO2005−045720
【0005】
特許文献1は、利用者に携帯されている時に利用者の運動量を自動計測するための計測手段と、利用者が自己の健康に関わる情報を入力するための入力手段と、前記計測手段により計測された運動量と前記入力手段により入力された情報とに基づいて健康データを作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段により作成された前記健康データを前記データ処理装置へ送信するための送信手段と、前記データ処理装置から前記健康データの処理結果を受信するための受信手段と、前記携帯端末内にある所定のデータを表示するためのディスプレイ手段とを有する携帯端末を開示している。
【0006】
特許文献2は、患者の主訴情報を入力し、この患者の主訴に対する医師の診察情報を入力し、これらの情報を蓄積する手段を備えた電子カルテ及びシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子カルテは、医者及び患者が同一の電子カルテを使用できることが好ましいが、カルテ情報には、患者が閲覧可能なメニュー(患者用メニュー)とともに、患者は閲覧せず医者のみが閲覧するメニュー(医者用メニュー)も含まれている。このため、医者用メニューの閲覧には、患者用メニューよりも高いセキュリティレベルが求められる。しかしながら、IDとパスワードとにより認証を行う従来の認証方法では、セキュリティチェックの段階数を変化させるものではないので、高いセキュリティが十分に確保できない。
【0008】
また、医者用情報を閲覧する際には2段階以上の認証を行うことにより、セキュリティレベルを高めることもできるが、この場合、医者が継続的に使用する際にも常に2段階以上の認証を求めるので、使い勝手性が悪い。
【0009】
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、医者用メニューを閲覧する場合に、高いセキュリティレベルを確保しつつも、使い勝手性の高い携帯型電子カルテを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、第1認証を行う第1認証手段と、第2認証を行う第2認証手段と、カルテ画面を表示する表示手段と、入力を行う入力手段と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、を備えることを特徴とする携帯型電子カルテである。
【0011】
上記構成では、患者用メニューを閲覧する際には、第1認証のみを用い、医者用メニューを閲覧する際には第1認証に加えて第2認証を用いているため、医者用メニュー閲覧時にはハイレベルのセキュリティチェックが行われる。また、第2認証を実質的に省略するように変更できる認証レベル変更手段を備えているので、医者が患者に渡すことなく継続して閲覧する場合には、実質的に第2認証を省略できるので、使い勝手性が高まる。
【0012】
ここで、「第2認証を実質的に省略」とは、第2認証を行わないことを含むのはもちろんのこと、ID,パスワード等の認証に際して入力すべき情報を記憶しておくことにより、第2認証のための入力を省略することも含まれる。
【0013】
上記構成において、第2認証は、物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定であるとすることができる。
【0014】
物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定は、使い勝手性がよい。
【0015】
上記構成において、制御手段は、医者用メニューが表示されているときにのみ、認証レベルを変更できるように、認証レベル変更手段の動作を制御する構成とすることができる。
【0016】
上記構成では、医者用メニューが表示されているとき、すなわち第1認証と第2認証とをパスした後にのみ、認証レベルを変更でき、患者用メニュー表示時に患者が勝手に認証レベルを変更できないので、高いセキュリティを確保できる。
【0017】
上記構成において、制御手段は、医師用メニューを表示手段に表示する際に、表示日時を記憶手段に記録し、且つ、記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示するように制御する構成とすることができる。
【0018】
上記構成では、医師用メニューを表示手段に表示する際に、表示日時が記憶手段に記録され、且つ、記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示されるので、自分以外が医者用メニューを閲覧したか否かを速やかに発見できる。自分以外が閲覧したことを確認した場合には、速やかにセキュリティレベルを変更する等の対策が可能となるので、高いセキュリティが確保できる。
【0019】
上記構成において、前記携帯型電子カルテは、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、前記患者用メニューは、病院内で使用するための院内メニューと、病院外で使用するための院外メニューとを有し、前記制御手段は、前記院内メニュー表示する際に、院内メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は病院をイメージさせる病院イメージ画像を同時に出力し、且つ、前記院外メニュー表示する際に、院外メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は家庭をイメージさせる家庭イメージ画像を同時に出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、前記病院イメージ及び前記家庭イメージは、前記記憶手段に記憶されている構成とすることができる。
【0020】
上記構成では、入院、来院時に使用する院内メニューと、家庭等の病院外で使用する院外メニューとを有し、それぞれをイメージさせる画像を同時表示し、及び/又は音声メッセージを出力している。このため、患者がメニュー選択を誤った場合に速やかに誤りを知ることができるので、その後の問診等を入力の誤りを防止することができる。
【0021】
上記構成において、前記患者用メニューは、診療科ごとの診療科メニューをさらに有し、前記制御手段は、診療科メニューを表示する際に、各診療科に関する診療科イメージ画像及び/又は診療科メニューであることを伝える診療科伝達音声メッセージを出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、前記診療科イメージ及び前記診療科伝達音声メッセージは、前記記憶手段に記憶されている構成とすることができる。
【0022】
上記構成では、患者が診療科選択を誤った場合に速やかに誤りを知ることができるので、その後の問診等を入力の誤りを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、医者のみが閲覧する医者用メニューには高いセキュリティを確保し、且つ、医者が継続して使用する場合には、セキュリティレベルを下げることにより使い勝手性を高めることができる。また、患者が問診入力を行う際に、メニュー選択、診療科選択のミスを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテのブロック図を示す。
【図3】図3は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの動作フローを示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの初期画面を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの第1認証画面を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの医者用メニュー画面を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの患者用メニューにおいて、誤入力を防止する動作フローを示す図である。
【図9】図9は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの患者用メニュー画面を示す図である。
【図10】図10は、院外用メニューを表示する際に同時表示する院外イメージ図である。
【図11】図11は、院外用メニュー画面を示す図である。
【図12】図12は、院外用且つ内科用メニュー画面を表示する際に同時表示する院外内科イメージ図である。
【図13】図13は、患者用、院外、内科を選択した場合の画面を示す図である。
【図14】図14は、院内用メニューを表示する際に同時表示する院内イメージ図である。
【図15】図15は、院内用且つ外科用メニュー画面を表示する際に同時表示する院内外科イメージ図である。
【図16】図16は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図17】図17は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの動作フローを示す図である。
【図18】図18は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【図19】図19は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの設定画面を示す図である。
【図20】図20は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの数値設定変更画面を示す図である。
【図21】図21は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテのセキュリティレベル変更画面を示す図である。
【図22】図22は、実施の形態3に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図23】図23は、実施の形態3に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。
【0026】
図1(a)に、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図、図1(b)に、裏面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、ディップスイッチ8と、を備えている。携帯型電子カルテ1の大きさは、携帯電話程度のサイズであることが好ましいが、容易に持ち運ぶことのできるサイズであれば特に限定されるものではない。
【0027】
図2は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテのブロック図である。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテは、第1認証を行う第1認証手段101と、第2認証を行う第2認証手段102と、カルテ画面を表示する表示手段104と、入力を行う入力手段105と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段106と、患者用メニューのみを表示する場合には、第1認証のみを行い、医者用メニューを表示する場合には、第1認証及び第2認証を行うように、第1認証手段及び第2認証手段の動作を制御する制御手段107と、第2認証の省略の可否を決定することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段103と、を備えている。
【0028】
第1認証手段101は、第1認証を行うものである。具体的には、ID及びパスワード設定を用いて第1認証を行う。
【0029】
第2認証手段102は、第2認証を行うものである。認証レベル変更手段103は、第2認証の省略の可否を決定することにより、認証レベルを変更するものである。
【0030】
本実施の形態では、ディップスイッチのパターン設定を用いて、第2認証を行うものであり、ディップスイッチのパターン設定を変更しないことにより、次回以降の第2認証を実質的に省略して、認証レベルを変更できる。すなわち、第2認証手段102と認証レベル変更手段103とが一体化されているものである。
【0031】
表示手段104は、カルテ画面を表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の公知の表示手段を用いることができる。
【0032】
入力手段105は、これを用いて入力を行うものであり、キーボード、音声入力等の公知の入力手段を用いることができる。また、タッチパネル等、入力と表示と行う入力表示手段とすることもできる。
【0033】
記憶手段106には、医者用メニューと患者用メニューとが記憶されている。記憶手段としては、半導体メモリ、ハードディスク、ホログラフィックメモリ等の公知の記憶手段を用いることができる。
【0034】
制御手段107は、上記各手段の動作を統合的に制御するものであり、中央処理装置(CPU)等の処理装置を用いることができる。制御手段107は、認証に際して、患者用メニューのみを表示する場合には、第1認証のみを行い、医者用メニューを表示する場合には、第1認証及び第2認証を行うように、第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する。これにより、医者用メニューの表示の際には、患者用メニューの表示よりも高いセキュリティが確保されている。
【0035】
本実施の形態では、第2認証として、ディップスイッチを用いており、予め登録しているパターンと実際のパターンとが一致するか否かによって認証を行う。従って、ディップスイッチのパターンを登録パターンと異なるようにしておけば、IDとパスワードを入力しても、患者等、担当の医者以外の人は医者用メニューを閲覧できないので、セキュリティが保たれる。
【0036】
また、制御手段107は、医者のみが閲覧する医者用メニューに入ったときに自動的に閲覧日時を記憶手段106に記憶し、且つ、セキュリティを通って医者用メニューに入った時点で閲覧日時のリストを表示手段104に表示するように制御する構成とすることができる。
【0037】
この構成では、セキュリティが破られ、医者用メニューが担当の医者以外の人に見られた場合に、直ぐに把握することが可能となる。ソフトウェア的にディップスイッチのパターンを設定する構成では、セキュリティを破られた場合、直ぐにパターン設定を変更することで、以降のセキュリティを確保できるという利点がある。
【0038】
本実施の形態にかかる携帯型電子カルテは、さらにスピーカー等の音声出力手段、USB(universal serial bus)等の有線接続や赤外線通信やBluetooth等の無線通信を行う通信手段をさらに備えていてもよい。
【0039】
通信手段には、携帯型電子カルテ外部の外部コンピュータ、指紋パターンリーダー、血圧・体温・歩数・加速度等を検出するバイタルセンサー等と接続する構成とすることができる。
【0040】
本実施の形態にかかる認証方法を、図3を参照して説明する。
【0041】
ユーザである医者が本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1を用いる場合、電源スイッチ10(図1参照)を押すと処理が開始される(S101)。
【0042】
図4に示すように、医者用メニュー選択ボタン41及び患者用メニュー選択ボタン42とを有する初期画面が、タッチパネル4に表示される(S102)。
【0043】
ユーザが医者用メニュー選択ボタン41を選択すると(S103)、図5(a)に示すように、ディップスイッチ照合ボタン52を有する第2認証画面がタッチパネル4に表示される(S104)。
【0044】
ユーザがディップスイッチ8のスイッチパターンを登録されているパターンにあわせ(S105)、ディップスイッチ照合ボタン52を選択すると、ディップスイッチの照合が行われる(S106)。なお、ディップスイッチパターンがあらかじめ登録されているパターンにあわされている場合には、S105は省略される。
【0045】
照合された結果、一致していると判定されると、図6に示すように、ID入力画面61、パスワード入力画面62と、照会ボタン63と、が表示される(S107)。ディップスイッチパターンが登録パターンと異なっていると判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S131)。
【0046】
図6に示す画面で、ID及びパスワードを入力する(S108)。
【0047】
照会ボタン63が押されると、ID、パスワードが登録されているものと一致するかの判定を行う(S109)。
【0048】
一致していると判定された場合、自動的に照会ボタン63を押した日時が記憶手段106に記録され(S110)、図7に示すように、医者用メニューが表示されたときに今回の日時を含めた、過去の医者用メニューを閲覧した日時を記したリスト71が表示される(S111)。一致しないと判定された場合、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S132)。
【0049】
医者用メニューには、「医者用」という表示72がなされる同時に、診察科(同図では内科)73、患者名74及び担当医師名75が表示される。医者は、この表示を見ることにより、表示された患者と自分専用の画面であることを認識できる。その他、患者情報閲覧ボタン76、診断情報閲覧ボタン77、入力画面ボタン78、設定画面ボタン79、終了ボタン70等が、表示手段4に表示される。
【0050】
本実施の形態では、医者用メニューにおいて閲覧リスト71が表示されるので、これを見ることにより、過去に自分専用である医者用メニューを自分以外の人が閲覧したかどうかを確認できる。即ち、本実施の形態では、医者はセキュリティ管理状態を早期に且つ簡便に把握できる。そして、自分以外の人の閲覧が確認された場合、逸早くセキュリティ改善の対応を行うことができる。ディップスイッチを用いた本実施の形態では、別の携帯型電子カルテにデータを移し変えることで情報の漏洩を回避できる。
【0051】
ソフトウェア制御によりディップスイッチ認証パターンを変更可能である場合には、次のようにしてディップスイッチ認証パターンを変更する。
【0052】
設定画面ボタン79を押すと(S112)、ディップスイッチ認証パターン変更ボタンが表示される(S113)。
【0053】
ディップスイッチ認証パターン変更ボタンを押して、ディップスイッチ認証パターンを変更する(S114)。
【0054】
図4に示す初期画面において、医者用メニュー選択ボタン41ではなく患者用メニュー選択ボタン42を選択すると(S121)、図9に示すように、「患者用」と表示され(符号91)、ID入力画面92、パスワード入力画面93と、院外メニュー選択ボタン94と、院内メニュー選択ボタン95と、終了ボタン96と、解除ボタン97と、院外、院内メニュー選択ボタンと対応する2つのホールドボタン98、99と、が表示手段4に表示される(S122)。
【0055】
登録されているID及びパスワードを入力する(S123)。この後、照会ボタン63を押すと、ID、パスワード判定を行う(S124)。一致していると判定された場合、患者用メニューが表示される(S125)。一致しないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S131)。
【0056】
本実施の形態では、ディップスイッチのパターンを登録パターンからずらして患者に渡すことにより、患者が医者用メニューを見る際には、ディップスイッチパターン設定及びID・パスワードを要求するように(セキュリティレベルをハイレベルに)設定できる。このようにディップスイッチパターンを変更しても、患者用メニューを見る際には、ディップスイッチを用いた認証(第2認証)は行われないので、患者用メニュー閲覧に不便が生じることがない。
【0057】
例えば、図1(b)に示すディップスイッチでは、その組み合わせは2の11乗の約2000通りであるが、よりセキュリティを高めるために、ディップスイッチ数を増加させる構成としてもよい。また、図1(b)には、上下2段階のディップスイッチを例にして示しているが、上中下の3段階設定のディップスイッチを用いることで、その組み合わせは3の11乗の177,147通りとなり、セキュリティを高めることができる。
【0058】
また、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテでは、装置を立ち上げることなく、ディップスイッチパターンを登録パターンにあらかじめ合わせておくか否かにより、セキュリティレベルを変更できる。たとえば、担当医師が所定期間患者に渡さずに使用する場合には、ディップスイッチパターンを登録パターンに合わせておくことにより(ローレベル)、電源を一旦切っても、次に使用する時にはID及びパスワードの設定を行うことにより使用可能となるので、簡便に使用できる。また、患者に渡す場合には、装置を立ち上げることなくディップスイッチパターンを登録パターンと異なるようにすることにより、セキュリティレベルをハイレベルに変更できる。すなわち、簡易な操作で迅速にセキュリティレベルを変更できる。
【0059】
また、図7に示す医者用メニュー画面で、患者情報閲覧ボタン76を押すことにより、医者は、患者用メニューで患者が記入及び入力した患者情報を閲覧することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、従来、患者が問診表に記入する場合に犯しやすい以下の2つのミスを防止するための入力ミス防止機能が設けられていることに特徴がある。この2つのミスとは、(1)病院で入院時に記入する問診表と患者が通院時に携帯型電子カルテを家庭に持ち帰って記入する問診表の内容が重複する場合、例えば、体調に関する質問などは、記入してしまってから更に続く質問内容で気がつくというミス、(2)従来、1つの問診表を複数の診療科の医者が共通に見ており、患者は、複数の診療科に共通する問診以外に、関係している診療科の問診を捜して記入する必要があるが、複数の診療科を受診している場合、誤って違う診療科の問診に記入するミスである。
【0061】
本発明は、上記のミスを防止するため、表示画面の背景に院内用または院外用として、特徴的な背景を表示し、又は/及び、音声メッセージにより「院外用です」又は「院内用です」というメッセージを患者に伝えるような構成にすることで、記入ミスを防止する。特徴的な背景としては、院外用であれば図10に示すような家の画像や家族の写真などが利用でき、院内用であれば、図14に示すように病院の建物、薬のビンなどが利用できる。このようにイメージや音声メッセージを用いて院内、院外や診療科の区別を伝達することにより、患者が記入する場合、入院等の院内用と通院等の院外用との区別が確認でき、記入ミスを防止できる効果がある。
【0062】
複数の診療科に跨って診療を受けている場合、診療科ごとに問診表を表示するように、診療科の選択画面(図11参照)を設けた構成とすることができる。また、診療科を選択して問診表が表示されたとき、診療科に特徴的な画像が背景に表示されるか、又は/及び、音声により「○○科用です」というメッセージが患者に伝えられる。診療科に特徴的な画像としては、外科ならば、例えば、松葉杖の画像などがあり、内科ならば、聴診器の画像が利用できる。この画像は、上記の院外用または院内用を区別するための画像と同時に表示しても良い。このようなイメージ画像や音声メッセージは、記憶手段に記憶されている構成とする。
【0063】
このような患者側の入力ミス防止機能を、図8に示すフローを用いてさらに説明する。
【0064】
院外用ボタン94を押すと(S23)、図11に示すように、院外用に特徴的な背景画面(例えば家の画像)とともに、問診を入力する診療科を選択する入力科ボタン等が表示される(S24)。家の画像以外にも、家族の写真などの家庭に特徴的な画像を利用できる。この時、「院外用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。さらに、患者名を表示して、自分用の携帯型電子カルテであることが確認できる構成とすることができる。また、ホールドボタン98を押してアクティブにした後に院外用ボタン94を押すことで、次回からは常に院外用の画面だけが表示されるようにすることができる。
【0065】
次に、どの診療科の問診に入力するのかを選択するための「入力科」ボタンを押すと、現在、患者が診療を受けている診療科が表示され選択できる(S25)。この時、患者が診療を受けている診療科だけが選択できるように設定することができる。
【0066】
例えば、「内科」を選択した場合、図12に示すような内科に特徴的な、例えば聴診器の画像が家の画像と同時に表示される(S26)。この時に、「内科用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。
【0067】
このような背景画像に重なって図13に示すような体温や朝食メニュー(選択した科目に対応した問診記録表、データ記録表)が表示される(S27)。この場合、体温計の表示を図1のボタン2で直接入力してもよく、赤外線等の無線接続できる体温計であれば、図2の装置内の通信手段を介して自動的に入力されても良い。また、体重なども同様に入力することができる。入力されたバイタルセンサー情報は、通信手段を介してマイコンなどによりデータとして記憶手段に記録される。
【0068】
院外用の問診内容や食事メニューやバイタルセンサー情報を入力するシステムは、例えば上記特許文献1に提案されているシステムを利用できる。
【0069】
また、図9に示す画面表示で、院内用ボタン95を押すと(S21)、図14に示すような病院に特徴的な背景画面、例えば病院の建物や薬瓶の画像が表示される(S22)。これ以外にも病院の写真など特徴的な画像が利用できる。この時に、「院内用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。この後、院外用と同様にして診療科を選択する。この時、図15に示すような外科に特徴的な、例えば松葉杖の画像が病院に特徴的な画像と同時に表示される。この時に、「外科用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。次に、病院の入院患者であれば、それに適した問診入力画面が、通院患者であれば、診察前の問診入力画面が上記病院及び診療科に特徴的な背景画像と重なって表示される。
【0070】
院内用と院外用で共通する問診入力項目としては、痛み、痒みやその部位(頭、前頭部、こめかみ、後頭部、目頭、腹部、腹部右、腹部左、腹部中央、のど、足首など)の症状や部位などの主訴情報、体温、体重、現病歴情報、処方薬情報、家族の病歴情報、喫煙有無、飲酒量などがある。また、院外用に特徴的な入力項目としては、食事メニュー、運動関連情報(歩数、老人用加速度センサ情報など)、服薬時刻等がある。体重の日々の記録もまた、家庭での記録の特徴的なものである。院内用画面では、病院側が記録するものが多く、心電図、レントゲン写真、尿検査情報、体温、血糖値、尿酸値などである。これらは、通信手段を介して取得する構成であってもよい。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態を、図面を用いて説明する。図16(a)は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図、図16(b)は、裏面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、を備えている。本実施の形態では、ディップスイッチ8がないこと以外は、上記実施の形態1と同様である。
【0072】
本実施の形態では、第2認証として、第1認証とは異なるID及びパスワード設定や、数値パターン設定を用いる。この構成では、パスワードや数値設定をソフトウェア的に設定する。上記実施の形態1のディップスイッチを用いる方法では、予めパターン登録が必要であるのに対し、本実施の形態では、後述するような、設定画面から適宜設定することが可能である。
【0073】
本実施の形態にかかる携帯型電子カルテの動作フローを、図17を用いて説明する。
【0074】
ユーザである医者が本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1を用いる場合、電源スイッチ10を押すと処理が開始される(S201)。
【0075】
図4に示すように、医者用メニュー選択ボタン41及び患者用メニュー選択ボタン42とを有する初期画面が表示される(S202)。
【0076】
ユーザが医者用メニュー選択ボタン41を選択すると(S203)、セキュリティレベルの照合が行われる(S204)。セキュリティレベルがハイの場合は第2認証画面(図18参照)が表示される(S205)。セキュリティレベルがローの場合は第1認証画面(図6参照)が表示される(S208)。
【0077】
ユーザが数値入力を行い(S206)、照合ボタン51を選択すると、ID・パスワードの照合が行われる(S207)。
【0078】
照合された結果、一致知っていると判定されると、図6に示すように、ID入力画面62、パスワード入力画面63と、照会ボタン64と、が表示される(S208)。一致していないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S231)。
【0079】
図6に示す画面で、予め登録しているID及びパスワードを入力する(S209)。
【0080】
ユーザが、照会ボタン64を押すと、ID、パスワード判定を行う(S210)。
【0081】
一致していると判定された場合、自動的に照会ボタン64を押した日時が記録され(S211)、図7に示すように、医者用メニューが表示されたときに今回の日時を含めた、過去の医者用メニューを閲覧した日時を記したリスト71が表示される(S212)。一致しないと判定された場合、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S232)。
【0082】
医者用メニューには、「医者用」という表示72がなされる同時に、診察科(同図では内科)73、患者名74及び担当医師名75が表示される。医者は、この表示を見ることにより、表示された患者と自分専用の画面であることを認識できる。その他、患者情報閲覧ボタン76、診断情報閲覧ボタン77、入力画面ボタン78、設定画面ボタン79、終了ボタン70等が、表示手段4に表示される。
【0083】
医者用メニューで、設定画面ボタンを選択すると(S213)、図19に示すように設定画面が表示される(S214)。ここで、数値設定変更力ボタンを選択すると、図20に示すように数値設定変更画面が表示される。手入力ボタンを選択すると数値設定がキー入力により設定でき、乱数設定ボタンを選択する場合には、乱数が発生してランダムに数値パターンが決定され表示される。手入力、乱数入力のどちらでも、所望のパターンで設定ボタンを押すことで、数値パターンが設定できる。また、数値設定が変更されると、自動的にセキュリティレベルがハイに切り替えられる構成としてもよい。
【0084】
図19に示す設定画面において、セキュリティレベル変更ボタンを選択すると、図21に示すように、現在のセキュリティレベルが表示され、また、ハイレベル設定ボタンとローレベル設定ボタンとが表示される。ハイレベル設定ボタンを選択すると、現在と同じハイレベルとなり、ローレベル設定ボタンを選択すると、セキュリティレベルがローに変更される。
【0085】
本実施の形態では、担当医師以外が閲覧したことが分かった場合、第2認証の数値パターンを変更すれば、その後のセキュリティが確保されることが特徴である。数値パターンやID及びパスワードの設定は、医者用メニュー選択後に設定画面で行う構成であるので、担当医師以外に変更される懸念はない。
【0086】
本構成の特徴は、設定画面で随時パターンを変更できるので、上記のように担当医師以外が閲覧したことが分かった場合以外においても、数値パターンを変更しつつ使用することにより、固定した数値パターンを継続して使用する場合に比べ、セキュリティレベルを高めることができる。
【0087】
本実施の形態にかかる電子カルテでは、例えば医者用メニューから入る設定画面でのみセキュリティレベルの変更が可能である。担当医師が何日間か患者に渡さずに使用する場合、ローレベルに設定していれば電源を一旦切っても、次に使用する時に、第2認証は行わず第1認証のID及びパスワードの設定だけで使用でき、患者に渡す場合は、設定画面でセキュリティレベルをハイレベルに変更することで、医者用メニューに入るときに数値設定を要求することができ、セキュリティを確保できる。
【0088】
第2認証において、数値設定に代えてID及びパスワード設定を利用することができる。この場合、第2認証画面として、第1認証画面と同様のID及びパスワード入力画面(図6参照)が表示され、ID及びパスワードを入力(S206)すること以外は、上記数値パターンを使用する場合と同様である。
【0089】
なお、医者用メニュー選択ボタン41ではなく患者用メニュー選択ボタン42を選択する場合、次のように動作が行われる。
【0090】
患者用メニュー選択ボタン42を選択すると(S221)、図9に示すように、ID入力画面92、パスワード入力画面93、院外用ボタン94、院内用ボタン95、各々に対するホールドボタン98、99、終了ボタン96と解除ボタン97と、が表示手段4に表示される(S222)。
【0091】
登録されているID及びパスワードを入力する(S222)。この後、院外用ボタンまたは院内用ボタンのどちらかを押すと、ID、パスワード判定を行う(S223)。一致していると判定された場合、選択したメニュー(院外用メニューまたは院内用メニュー)が表示される(S224)。一致しないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S231)。
【0092】
(実施の形態3)
本実施の形態を、図面を用いて説明する。図22は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、指紋センサ9を備えている。本実施の形態では、ディップスイッチ8に代えて、指紋センサ9を備えていること以外は、上記実施の形態1と同様である。
【0093】
本実施の形態では、第2認証として、指紋という生体情報を用いて認証を行う方法を採用している。また、指紋以外の生体情報照合方法としては、例えば、声紋、掌紋、虹彩、網膜血管パターン、指の静脈パターン等を用いた照合方法を用いることができる。
【0094】
本実施の形態では、上記実施の形態2のS205〜207(図17参照)に代えて、次の動作を行うことである。
【0095】
セキュリティレベルがハイレベルの場合、指紋照合ボタンを有する第2認証画面(図23参照)が表示され、指紋センサに指定された指を置いて、指紋照合ボタンを押す。
【0096】
指紋パターンの照合を行い、指紋パターンが登録されているパターンと一致すれば第1認証画面を表示し、一致しない場合は、セキュリティ機能が動作して、電源がOFFとなる。
【0097】
本実施の形態では、生体情報認証というセキュリティレベルの非常に高い認証を用いているので、医者用メニューの保護レベルを高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によると、医者用メニューを表示する際には、患者用メニューを表示する場合よりも高いセキュリティを要求し、且つ、医者が継続して使用する場合には、セキュリティレベルを下げて、認証を簡易として使い勝手性を高めることができる。また、患者用メニューの表示の際に、院内用、院外用の区別、診療科の区別を、画像や音声を用いて知らせることができるので、問診情報の誤入力を防止できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0099】
1 携帯型電子カルテ
2 入力用ボタン
3 マイク
4 タッチパネル
5 スピーカー
6 カメラ
7 入力用ペン
8 ディップスイッチ
9 指紋センサ
101 第1認証手段
102 第2認証手段
103 認証レベル変更手段
104 表示手段
105 入力手段
106 記憶手段
107 制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、医者と患者とがともに使用しうる携帯型電子カルテに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子カルテシステムを採用する医療機関が増加している。電子カルテは、従来の紙カルテのように保管スペースを必要とせず、必要な時に素早くカルテ情報を読み出すことができるので、利便性が高い。
【0003】
携帯端末を用いた健康管理システムや電子カルテに関する技術としては、特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−295651号公報
【特許文献2】WO2005−045720
【0005】
特許文献1は、利用者に携帯されている時に利用者の運動量を自動計測するための計測手段と、利用者が自己の健康に関わる情報を入力するための入力手段と、前記計測手段により計測された運動量と前記入力手段により入力された情報とに基づいて健康データを作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段により作成された前記健康データを前記データ処理装置へ送信するための送信手段と、前記データ処理装置から前記健康データの処理結果を受信するための受信手段と、前記携帯端末内にある所定のデータを表示するためのディスプレイ手段とを有する携帯端末を開示している。
【0006】
特許文献2は、患者の主訴情報を入力し、この患者の主訴に対する医師の診察情報を入力し、これらの情報を蓄積する手段を備えた電子カルテ及びシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子カルテは、医者及び患者が同一の電子カルテを使用できることが好ましいが、カルテ情報には、患者が閲覧可能なメニュー(患者用メニュー)とともに、患者は閲覧せず医者のみが閲覧するメニュー(医者用メニュー)も含まれている。このため、医者用メニューの閲覧には、患者用メニューよりも高いセキュリティレベルが求められる。しかしながら、IDとパスワードとにより認証を行う従来の認証方法では、セキュリティチェックの段階数を変化させるものではないので、高いセキュリティが十分に確保できない。
【0008】
また、医者用情報を閲覧する際には2段階以上の認証を行うことにより、セキュリティレベルを高めることもできるが、この場合、医者が継続的に使用する際にも常に2段階以上の認証を求めるので、使い勝手性が悪い。
【0009】
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、医者用メニューを閲覧する場合に、高いセキュリティレベルを確保しつつも、使い勝手性の高い携帯型電子カルテを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、第1認証を行う第1認証手段と、第2認証を行う第2認証手段と、カルテ画面を表示する表示手段と、入力を行う入力手段と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、を備えることを特徴とする携帯型電子カルテである。
【0011】
上記構成では、患者用メニューを閲覧する際には、第1認証のみを用い、医者用メニューを閲覧する際には第1認証に加えて第2認証を用いているため、医者用メニュー閲覧時にはハイレベルのセキュリティチェックが行われる。また、第2認証を実質的に省略するように変更できる認証レベル変更手段を備えているので、医者が患者に渡すことなく継続して閲覧する場合には、実質的に第2認証を省略できるので、使い勝手性が高まる。
【0012】
ここで、「第2認証を実質的に省略」とは、第2認証を行わないことを含むのはもちろんのこと、ID,パスワード等の認証に際して入力すべき情報を記憶しておくことにより、第2認証のための入力を省略することも含まれる。
【0013】
上記構成において、第2認証は、物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定であるとすることができる。
【0014】
物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定は、使い勝手性がよい。
【0015】
上記構成において、制御手段は、医者用メニューが表示されているときにのみ、認証レベルを変更できるように、認証レベル変更手段の動作を制御する構成とすることができる。
【0016】
上記構成では、医者用メニューが表示されているとき、すなわち第1認証と第2認証とをパスした後にのみ、認証レベルを変更でき、患者用メニュー表示時に患者が勝手に認証レベルを変更できないので、高いセキュリティを確保できる。
【0017】
上記構成において、制御手段は、医師用メニューを表示手段に表示する際に、表示日時を記憶手段に記録し、且つ、記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示するように制御する構成とすることができる。
【0018】
上記構成では、医師用メニューを表示手段に表示する際に、表示日時が記憶手段に記録され、且つ、記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示されるので、自分以外が医者用メニューを閲覧したか否かを速やかに発見できる。自分以外が閲覧したことを確認した場合には、速やかにセキュリティレベルを変更する等の対策が可能となるので、高いセキュリティが確保できる。
【0019】
上記構成において、前記携帯型電子カルテは、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、前記患者用メニューは、病院内で使用するための院内メニューと、病院外で使用するための院外メニューとを有し、前記制御手段は、前記院内メニュー表示する際に、院内メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は病院をイメージさせる病院イメージ画像を同時に出力し、且つ、前記院外メニュー表示する際に、院外メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は家庭をイメージさせる家庭イメージ画像を同時に出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、前記病院イメージ及び前記家庭イメージは、前記記憶手段に記憶されている構成とすることができる。
【0020】
上記構成では、入院、来院時に使用する院内メニューと、家庭等の病院外で使用する院外メニューとを有し、それぞれをイメージさせる画像を同時表示し、及び/又は音声メッセージを出力している。このため、患者がメニュー選択を誤った場合に速やかに誤りを知ることができるので、その後の問診等を入力の誤りを防止することができる。
【0021】
上記構成において、前記患者用メニューは、診療科ごとの診療科メニューをさらに有し、前記制御手段は、診療科メニューを表示する際に、各診療科に関する診療科イメージ画像及び/又は診療科メニューであることを伝える診療科伝達音声メッセージを出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、前記診療科イメージ及び前記診療科伝達音声メッセージは、前記記憶手段に記憶されている構成とすることができる。
【0022】
上記構成では、患者が診療科選択を誤った場合に速やかに誤りを知ることができるので、その後の問診等を入力の誤りを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、医者のみが閲覧する医者用メニューには高いセキュリティを確保し、且つ、医者が継続して使用する場合には、セキュリティレベルを下げることにより使い勝手性を高めることができる。また、患者が問診入力を行う際に、メニュー選択、診療科選択のミスを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテのブロック図を示す。
【図3】図3は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの動作フローを示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの初期画面を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの第1認証画面を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの医者用メニュー画面を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの患者用メニューにおいて、誤入力を防止する動作フローを示す図である。
【図9】図9は、実施の形態1に係る携帯型電子カルテの患者用メニュー画面を示す図である。
【図10】図10は、院外用メニューを表示する際に同時表示する院外イメージ図である。
【図11】図11は、院外用メニュー画面を示す図である。
【図12】図12は、院外用且つ内科用メニュー画面を表示する際に同時表示する院外内科イメージ図である。
【図13】図13は、患者用、院外、内科を選択した場合の画面を示す図である。
【図14】図14は、院内用メニューを表示する際に同時表示する院内イメージ図である。
【図15】図15は、院内用且つ外科用メニュー画面を表示する際に同時表示する院内外科イメージ図である。
【図16】図16は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図17】図17は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの動作フローを示す図である。
【図18】図18は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【図19】図19は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの設定画面を示す図である。
【図20】図20は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテの数値設定変更画面を示す図である。
【図21】図21は、実施の形態2に係る携帯型電子カルテのセキュリティレベル変更画面を示す図である。
【図22】図22は、実施の形態3に係る携帯型電子カルテの外観図である。
【図23】図23は、実施の形態3に係る携帯型電子カルテの第2認証画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。
【0026】
図1(a)に、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図、図1(b)に、裏面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、ディップスイッチ8と、を備えている。携帯型電子カルテ1の大きさは、携帯電話程度のサイズであることが好ましいが、容易に持ち運ぶことのできるサイズであれば特に限定されるものではない。
【0027】
図2は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテのブロック図である。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテは、第1認証を行う第1認証手段101と、第2認証を行う第2認証手段102と、カルテ画面を表示する表示手段104と、入力を行う入力手段105と、医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段106と、患者用メニューのみを表示する場合には、第1認証のみを行い、医者用メニューを表示する場合には、第1認証及び第2認証を行うように、第1認証手段及び第2認証手段の動作を制御する制御手段107と、第2認証の省略の可否を決定することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段103と、を備えている。
【0028】
第1認証手段101は、第1認証を行うものである。具体的には、ID及びパスワード設定を用いて第1認証を行う。
【0029】
第2認証手段102は、第2認証を行うものである。認証レベル変更手段103は、第2認証の省略の可否を決定することにより、認証レベルを変更するものである。
【0030】
本実施の形態では、ディップスイッチのパターン設定を用いて、第2認証を行うものであり、ディップスイッチのパターン設定を変更しないことにより、次回以降の第2認証を実質的に省略して、認証レベルを変更できる。すなわち、第2認証手段102と認証レベル変更手段103とが一体化されているものである。
【0031】
表示手段104は、カルテ画面を表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の公知の表示手段を用いることができる。
【0032】
入力手段105は、これを用いて入力を行うものであり、キーボード、音声入力等の公知の入力手段を用いることができる。また、タッチパネル等、入力と表示と行う入力表示手段とすることもできる。
【0033】
記憶手段106には、医者用メニューと患者用メニューとが記憶されている。記憶手段としては、半導体メモリ、ハードディスク、ホログラフィックメモリ等の公知の記憶手段を用いることができる。
【0034】
制御手段107は、上記各手段の動作を統合的に制御するものであり、中央処理装置(CPU)等の処理装置を用いることができる。制御手段107は、認証に際して、患者用メニューのみを表示する場合には、第1認証のみを行い、医者用メニューを表示する場合には、第1認証及び第2認証を行うように、第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する。これにより、医者用メニューの表示の際には、患者用メニューの表示よりも高いセキュリティが確保されている。
【0035】
本実施の形態では、第2認証として、ディップスイッチを用いており、予め登録しているパターンと実際のパターンとが一致するか否かによって認証を行う。従って、ディップスイッチのパターンを登録パターンと異なるようにしておけば、IDとパスワードを入力しても、患者等、担当の医者以外の人は医者用メニューを閲覧できないので、セキュリティが保たれる。
【0036】
また、制御手段107は、医者のみが閲覧する医者用メニューに入ったときに自動的に閲覧日時を記憶手段106に記憶し、且つ、セキュリティを通って医者用メニューに入った時点で閲覧日時のリストを表示手段104に表示するように制御する構成とすることができる。
【0037】
この構成では、セキュリティが破られ、医者用メニューが担当の医者以外の人に見られた場合に、直ぐに把握することが可能となる。ソフトウェア的にディップスイッチのパターンを設定する構成では、セキュリティを破られた場合、直ぐにパターン設定を変更することで、以降のセキュリティを確保できるという利点がある。
【0038】
本実施の形態にかかる携帯型電子カルテは、さらにスピーカー等の音声出力手段、USB(universal serial bus)等の有線接続や赤外線通信やBluetooth等の無線通信を行う通信手段をさらに備えていてもよい。
【0039】
通信手段には、携帯型電子カルテ外部の外部コンピュータ、指紋パターンリーダー、血圧・体温・歩数・加速度等を検出するバイタルセンサー等と接続する構成とすることができる。
【0040】
本実施の形態にかかる認証方法を、図3を参照して説明する。
【0041】
ユーザである医者が本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1を用いる場合、電源スイッチ10(図1参照)を押すと処理が開始される(S101)。
【0042】
図4に示すように、医者用メニュー選択ボタン41及び患者用メニュー選択ボタン42とを有する初期画面が、タッチパネル4に表示される(S102)。
【0043】
ユーザが医者用メニュー選択ボタン41を選択すると(S103)、図5(a)に示すように、ディップスイッチ照合ボタン52を有する第2認証画面がタッチパネル4に表示される(S104)。
【0044】
ユーザがディップスイッチ8のスイッチパターンを登録されているパターンにあわせ(S105)、ディップスイッチ照合ボタン52を選択すると、ディップスイッチの照合が行われる(S106)。なお、ディップスイッチパターンがあらかじめ登録されているパターンにあわされている場合には、S105は省略される。
【0045】
照合された結果、一致していると判定されると、図6に示すように、ID入力画面61、パスワード入力画面62と、照会ボタン63と、が表示される(S107)。ディップスイッチパターンが登録パターンと異なっていると判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S131)。
【0046】
図6に示す画面で、ID及びパスワードを入力する(S108)。
【0047】
照会ボタン63が押されると、ID、パスワードが登録されているものと一致するかの判定を行う(S109)。
【0048】
一致していると判定された場合、自動的に照会ボタン63を押した日時が記憶手段106に記録され(S110)、図7に示すように、医者用メニューが表示されたときに今回の日時を含めた、過去の医者用メニューを閲覧した日時を記したリスト71が表示される(S111)。一致しないと判定された場合、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S132)。
【0049】
医者用メニューには、「医者用」という表示72がなされる同時に、診察科(同図では内科)73、患者名74及び担当医師名75が表示される。医者は、この表示を見ることにより、表示された患者と自分専用の画面であることを認識できる。その他、患者情報閲覧ボタン76、診断情報閲覧ボタン77、入力画面ボタン78、設定画面ボタン79、終了ボタン70等が、表示手段4に表示される。
【0050】
本実施の形態では、医者用メニューにおいて閲覧リスト71が表示されるので、これを見ることにより、過去に自分専用である医者用メニューを自分以外の人が閲覧したかどうかを確認できる。即ち、本実施の形態では、医者はセキュリティ管理状態を早期に且つ簡便に把握できる。そして、自分以外の人の閲覧が確認された場合、逸早くセキュリティ改善の対応を行うことができる。ディップスイッチを用いた本実施の形態では、別の携帯型電子カルテにデータを移し変えることで情報の漏洩を回避できる。
【0051】
ソフトウェア制御によりディップスイッチ認証パターンを変更可能である場合には、次のようにしてディップスイッチ認証パターンを変更する。
【0052】
設定画面ボタン79を押すと(S112)、ディップスイッチ認証パターン変更ボタンが表示される(S113)。
【0053】
ディップスイッチ認証パターン変更ボタンを押して、ディップスイッチ認証パターンを変更する(S114)。
【0054】
図4に示す初期画面において、医者用メニュー選択ボタン41ではなく患者用メニュー選択ボタン42を選択すると(S121)、図9に示すように、「患者用」と表示され(符号91)、ID入力画面92、パスワード入力画面93と、院外メニュー選択ボタン94と、院内メニュー選択ボタン95と、終了ボタン96と、解除ボタン97と、院外、院内メニュー選択ボタンと対応する2つのホールドボタン98、99と、が表示手段4に表示される(S122)。
【0055】
登録されているID及びパスワードを入力する(S123)。この後、照会ボタン63を押すと、ID、パスワード判定を行う(S124)。一致していると判定された場合、患者用メニューが表示される(S125)。一致しないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S131)。
【0056】
本実施の形態では、ディップスイッチのパターンを登録パターンからずらして患者に渡すことにより、患者が医者用メニューを見る際には、ディップスイッチパターン設定及びID・パスワードを要求するように(セキュリティレベルをハイレベルに)設定できる。このようにディップスイッチパターンを変更しても、患者用メニューを見る際には、ディップスイッチを用いた認証(第2認証)は行われないので、患者用メニュー閲覧に不便が生じることがない。
【0057】
例えば、図1(b)に示すディップスイッチでは、その組み合わせは2の11乗の約2000通りであるが、よりセキュリティを高めるために、ディップスイッチ数を増加させる構成としてもよい。また、図1(b)には、上下2段階のディップスイッチを例にして示しているが、上中下の3段階設定のディップスイッチを用いることで、その組み合わせは3の11乗の177,147通りとなり、セキュリティを高めることができる。
【0058】
また、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテでは、装置を立ち上げることなく、ディップスイッチパターンを登録パターンにあらかじめ合わせておくか否かにより、セキュリティレベルを変更できる。たとえば、担当医師が所定期間患者に渡さずに使用する場合には、ディップスイッチパターンを登録パターンに合わせておくことにより(ローレベル)、電源を一旦切っても、次に使用する時にはID及びパスワードの設定を行うことにより使用可能となるので、簡便に使用できる。また、患者に渡す場合には、装置を立ち上げることなくディップスイッチパターンを登録パターンと異なるようにすることにより、セキュリティレベルをハイレベルに変更できる。すなわち、簡易な操作で迅速にセキュリティレベルを変更できる。
【0059】
また、図7に示す医者用メニュー画面で、患者情報閲覧ボタン76を押すことにより、医者は、患者用メニューで患者が記入及び入力した患者情報を閲覧することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、従来、患者が問診表に記入する場合に犯しやすい以下の2つのミスを防止するための入力ミス防止機能が設けられていることに特徴がある。この2つのミスとは、(1)病院で入院時に記入する問診表と患者が通院時に携帯型電子カルテを家庭に持ち帰って記入する問診表の内容が重複する場合、例えば、体調に関する質問などは、記入してしまってから更に続く質問内容で気がつくというミス、(2)従来、1つの問診表を複数の診療科の医者が共通に見ており、患者は、複数の診療科に共通する問診以外に、関係している診療科の問診を捜して記入する必要があるが、複数の診療科を受診している場合、誤って違う診療科の問診に記入するミスである。
【0061】
本発明は、上記のミスを防止するため、表示画面の背景に院内用または院外用として、特徴的な背景を表示し、又は/及び、音声メッセージにより「院外用です」又は「院内用です」というメッセージを患者に伝えるような構成にすることで、記入ミスを防止する。特徴的な背景としては、院外用であれば図10に示すような家の画像や家族の写真などが利用でき、院内用であれば、図14に示すように病院の建物、薬のビンなどが利用できる。このようにイメージや音声メッセージを用いて院内、院外や診療科の区別を伝達することにより、患者が記入する場合、入院等の院内用と通院等の院外用との区別が確認でき、記入ミスを防止できる効果がある。
【0062】
複数の診療科に跨って診療を受けている場合、診療科ごとに問診表を表示するように、診療科の選択画面(図11参照)を設けた構成とすることができる。また、診療科を選択して問診表が表示されたとき、診療科に特徴的な画像が背景に表示されるか、又は/及び、音声により「○○科用です」というメッセージが患者に伝えられる。診療科に特徴的な画像としては、外科ならば、例えば、松葉杖の画像などがあり、内科ならば、聴診器の画像が利用できる。この画像は、上記の院外用または院内用を区別するための画像と同時に表示しても良い。このようなイメージ画像や音声メッセージは、記憶手段に記憶されている構成とする。
【0063】
このような患者側の入力ミス防止機能を、図8に示すフローを用いてさらに説明する。
【0064】
院外用ボタン94を押すと(S23)、図11に示すように、院外用に特徴的な背景画面(例えば家の画像)とともに、問診を入力する診療科を選択する入力科ボタン等が表示される(S24)。家の画像以外にも、家族の写真などの家庭に特徴的な画像を利用できる。この時、「院外用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。さらに、患者名を表示して、自分用の携帯型電子カルテであることが確認できる構成とすることができる。また、ホールドボタン98を押してアクティブにした後に院外用ボタン94を押すことで、次回からは常に院外用の画面だけが表示されるようにすることができる。
【0065】
次に、どの診療科の問診に入力するのかを選択するための「入力科」ボタンを押すと、現在、患者が診療を受けている診療科が表示され選択できる(S25)。この時、患者が診療を受けている診療科だけが選択できるように設定することができる。
【0066】
例えば、「内科」を選択した場合、図12に示すような内科に特徴的な、例えば聴診器の画像が家の画像と同時に表示される(S26)。この時に、「内科用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。
【0067】
このような背景画像に重なって図13に示すような体温や朝食メニュー(選択した科目に対応した問診記録表、データ記録表)が表示される(S27)。この場合、体温計の表示を図1のボタン2で直接入力してもよく、赤外線等の無線接続できる体温計であれば、図2の装置内の通信手段を介して自動的に入力されても良い。また、体重なども同様に入力することができる。入力されたバイタルセンサー情報は、通信手段を介してマイコンなどによりデータとして記憶手段に記録される。
【0068】
院外用の問診内容や食事メニューやバイタルセンサー情報を入力するシステムは、例えば上記特許文献1に提案されているシステムを利用できる。
【0069】
また、図9に示す画面表示で、院内用ボタン95を押すと(S21)、図14に示すような病院に特徴的な背景画面、例えば病院の建物や薬瓶の画像が表示される(S22)。これ以外にも病院の写真など特徴的な画像が利用できる。この時に、「院内用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。この後、院外用と同様にして診療科を選択する。この時、図15に示すような外科に特徴的な、例えば松葉杖の画像が病院に特徴的な画像と同時に表示される。この時に、「外科用です」という音声メッセージが流れる構成であっても良い。次に、病院の入院患者であれば、それに適した問診入力画面が、通院患者であれば、診察前の問診入力画面が上記病院及び診療科に特徴的な背景画像と重なって表示される。
【0070】
院内用と院外用で共通する問診入力項目としては、痛み、痒みやその部位(頭、前頭部、こめかみ、後頭部、目頭、腹部、腹部右、腹部左、腹部中央、のど、足首など)の症状や部位などの主訴情報、体温、体重、現病歴情報、処方薬情報、家族の病歴情報、喫煙有無、飲酒量などがある。また、院外用に特徴的な入力項目としては、食事メニュー、運動関連情報(歩数、老人用加速度センサ情報など)、服薬時刻等がある。体重の日々の記録もまた、家庭での記録の特徴的なものである。院内用画面では、病院側が記録するものが多く、心電図、レントゲン写真、尿検査情報、体温、血糖値、尿酸値などである。これらは、通信手段を介して取得する構成であってもよい。
【0071】
(実施の形態2)
本実施の形態を、図面を用いて説明する。図16(a)は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図、図16(b)は、裏面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、を備えている。本実施の形態では、ディップスイッチ8がないこと以外は、上記実施の形態1と同様である。
【0072】
本実施の形態では、第2認証として、第1認証とは異なるID及びパスワード設定や、数値パターン設定を用いる。この構成では、パスワードや数値設定をソフトウェア的に設定する。上記実施の形態1のディップスイッチを用いる方法では、予めパターン登録が必要であるのに対し、本実施の形態では、後述するような、設定画面から適宜設定することが可能である。
【0073】
本実施の形態にかかる携帯型電子カルテの動作フローを、図17を用いて説明する。
【0074】
ユーザである医者が本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1を用いる場合、電源スイッチ10を押すと処理が開始される(S201)。
【0075】
図4に示すように、医者用メニュー選択ボタン41及び患者用メニュー選択ボタン42とを有する初期画面が表示される(S202)。
【0076】
ユーザが医者用メニュー選択ボタン41を選択すると(S203)、セキュリティレベルの照合が行われる(S204)。セキュリティレベルがハイの場合は第2認証画面(図18参照)が表示される(S205)。セキュリティレベルがローの場合は第1認証画面(図6参照)が表示される(S208)。
【0077】
ユーザが数値入力を行い(S206)、照合ボタン51を選択すると、ID・パスワードの照合が行われる(S207)。
【0078】
照合された結果、一致知っていると判定されると、図6に示すように、ID入力画面62、パスワード入力画面63と、照会ボタン64と、が表示される(S208)。一致していないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S231)。
【0079】
図6に示す画面で、予め登録しているID及びパスワードを入力する(S209)。
【0080】
ユーザが、照会ボタン64を押すと、ID、パスワード判定を行う(S210)。
【0081】
一致していると判定された場合、自動的に照会ボタン64を押した日時が記録され(S211)、図7に示すように、医者用メニューが表示されたときに今回の日時を含めた、過去の医者用メニューを閲覧した日時を記したリスト71が表示される(S212)。一致しないと判定された場合、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S232)。
【0082】
医者用メニューには、「医者用」という表示72がなされる同時に、診察科(同図では内科)73、患者名74及び担当医師名75が表示される。医者は、この表示を見ることにより、表示された患者と自分専用の画面であることを認識できる。その他、患者情報閲覧ボタン76、診断情報閲覧ボタン77、入力画面ボタン78、設定画面ボタン79、終了ボタン70等が、表示手段4に表示される。
【0083】
医者用メニューで、設定画面ボタンを選択すると(S213)、図19に示すように設定画面が表示される(S214)。ここで、数値設定変更力ボタンを選択すると、図20に示すように数値設定変更画面が表示される。手入力ボタンを選択すると数値設定がキー入力により設定でき、乱数設定ボタンを選択する場合には、乱数が発生してランダムに数値パターンが決定され表示される。手入力、乱数入力のどちらでも、所望のパターンで設定ボタンを押すことで、数値パターンが設定できる。また、数値設定が変更されると、自動的にセキュリティレベルがハイに切り替えられる構成としてもよい。
【0084】
図19に示す設定画面において、セキュリティレベル変更ボタンを選択すると、図21に示すように、現在のセキュリティレベルが表示され、また、ハイレベル設定ボタンとローレベル設定ボタンとが表示される。ハイレベル設定ボタンを選択すると、現在と同じハイレベルとなり、ローレベル設定ボタンを選択すると、セキュリティレベルがローに変更される。
【0085】
本実施の形態では、担当医師以外が閲覧したことが分かった場合、第2認証の数値パターンを変更すれば、その後のセキュリティが確保されることが特徴である。数値パターンやID及びパスワードの設定は、医者用メニュー選択後に設定画面で行う構成であるので、担当医師以外に変更される懸念はない。
【0086】
本構成の特徴は、設定画面で随時パターンを変更できるので、上記のように担当医師以外が閲覧したことが分かった場合以外においても、数値パターンを変更しつつ使用することにより、固定した数値パターンを継続して使用する場合に比べ、セキュリティレベルを高めることができる。
【0087】
本実施の形態にかかる電子カルテでは、例えば医者用メニューから入る設定画面でのみセキュリティレベルの変更が可能である。担当医師が何日間か患者に渡さずに使用する場合、ローレベルに設定していれば電源を一旦切っても、次に使用する時に、第2認証は行わず第1認証のID及びパスワードの設定だけで使用でき、患者に渡す場合は、設定画面でセキュリティレベルをハイレベルに変更することで、医者用メニューに入るときに数値設定を要求することができ、セキュリティを確保できる。
【0088】
第2認証において、数値設定に代えてID及びパスワード設定を利用することができる。この場合、第2認証画面として、第1認証画面と同様のID及びパスワード入力画面(図6参照)が表示され、ID及びパスワードを入力(S206)すること以外は、上記数値パターンを使用する場合と同様である。
【0089】
なお、医者用メニュー選択ボタン41ではなく患者用メニュー選択ボタン42を選択する場合、次のように動作が行われる。
【0090】
患者用メニュー選択ボタン42を選択すると(S221)、図9に示すように、ID入力画面92、パスワード入力画面93、院外用ボタン94、院内用ボタン95、各々に対するホールドボタン98、99、終了ボタン96と解除ボタン97と、が表示手段4に表示される(S222)。
【0091】
登録されているID及びパスワードを入力する(S222)。この後、院外用ボタンまたは院内用ボタンのどちらかを押すと、ID、パスワード判定を行う(S223)。一致していると判定された場合、選択したメニュー(院外用メニューまたは院内用メニュー)が表示される(S224)。一致しないと判定されると、セキュリティ機能が作動して、電源がOFF状態になる(S231)。
【0092】
(実施の形態3)
本実施の形態を、図面を用いて説明する。図22は、本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1の表面概略図を示す。本実施の形態にかかる携帯型電子カルテ1は、入力を行う複数のボタン2、音声入力を行うマイク3、表示及びタッチ入力を行うタッチパネル4、音声を出力するスピーカー5、食事メニューなどを撮影するカメラ6、タッチ入力用のペン7と、指紋センサ9を備えている。本実施の形態では、ディップスイッチ8に代えて、指紋センサ9を備えていること以外は、上記実施の形態1と同様である。
【0093】
本実施の形態では、第2認証として、指紋という生体情報を用いて認証を行う方法を採用している。また、指紋以外の生体情報照合方法としては、例えば、声紋、掌紋、虹彩、網膜血管パターン、指の静脈パターン等を用いた照合方法を用いることができる。
【0094】
本実施の形態では、上記実施の形態2のS205〜207(図17参照)に代えて、次の動作を行うことである。
【0095】
セキュリティレベルがハイレベルの場合、指紋照合ボタンを有する第2認証画面(図23参照)が表示され、指紋センサに指定された指を置いて、指紋照合ボタンを押す。
【0096】
指紋パターンの照合を行い、指紋パターンが登録されているパターンと一致すれば第1認証画面を表示し、一致しない場合は、セキュリティ機能が動作して、電源がOFFとなる。
【0097】
本実施の形態では、生体情報認証というセキュリティレベルの非常に高い認証を用いているので、医者用メニューの保護レベルを高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によると、医者用メニューを表示する際には、患者用メニューを表示する場合よりも高いセキュリティを要求し、且つ、医者が継続して使用する場合には、セキュリティレベルを下げて、認証を簡易として使い勝手性を高めることができる。また、患者用メニューの表示の際に、院内用、院外用の区別、診療科の区別を、画像や音声を用いて知らせることができるので、問診情報の誤入力を防止できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0099】
1 携帯型電子カルテ
2 入力用ボタン
3 マイク
4 タッチパネル
5 スピーカー
6 カメラ
7 入力用ペン
8 ディップスイッチ
9 指紋センサ
101 第1認証手段
102 第2認証手段
103 認証レベル変更手段
104 表示手段
105 入力手段
106 記憶手段
107 制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1認証を行う第1認証手段と、
第2認証を行う第2認証手段と、
カルテ画面を表示する表示手段と、
入力を行う入力手段と、
医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、
前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、
前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、
を備えることを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記第2認証は、物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定である、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記制御手段は、前記医者用メニューが表示されているときにのみ、前記認証レベルを変更できるように、前記認証レベル変更手段の動作を制御する、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記制御手段は、前記医師用メニューを前記表示手段に表示する際に、表示日時を前記記憶手段に記憶し、且つ、前記記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示するように制御する、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記携帯型電子カルテは、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記患者用メニューは、病院内で使用するための院内メニューと、病院外で使用するための院外メニューとを有し、
前記制御手段は、前記院内メニュー表示する際に、院内メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は病院をイメージさせる病院イメージ画像を同時に出力し、且つ、前記院外メニュー表示する際に、院外メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は家庭をイメージさせる家庭イメージ画像を同時に出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、
前記病院イメージ及び前記家庭イメージは、前記記憶手段に記憶されている、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記患者用メニューは、診療科ごとの診療科メニューをさらに有し、
前記制御手段は、診療科メニューを表示する際に、各診療科に関する診療科イメージ画像及び/又は診療科メニューであることを伝える診療科伝達音声メッセージを出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、
前記診療科イメージ及び前記診療科伝達音声メッセージは、前記記憶手段に記憶されている、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項1】
第1認証を行う第1認証手段と、
第2認証を行う第2認証手段と、
カルテ画面を表示する表示手段と、
入力を行う入力手段と、
医者用メニューと患者用メニューとを記憶する記憶手段と、
前記患者用メニューを表示する場合には、前記第1認証のみを行い、前記医者用メニューを表示する場合には、前記第1認証及び前記第2認証を行うように、前記第1認証手段及び前記第2認証手段の動作を制御する制御手段と、
前記第2認証を実質的に省略するか否かを変更することにより、認証レベルを変更する認証レベル変更手段と、
を備えることを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記第2認証は、物理スイッチのパターン設定、ID及びパスワード設定、または乱数を利用した数値パターン設定である、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記制御手段は、前記医者用メニューが表示されているときにのみ、前記認証レベルを変更できるように、前記認証レベル変更手段の動作を制御する、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記制御手段は、前記医師用メニューを前記表示手段に表示する際に、表示日時を前記記憶手段に記憶し、且つ、前記記憶手段に記憶された表示日時をリスト表示するように制御する、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記携帯型電子カルテは、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記患者用メニューは、病院内で使用するための院内メニューと、病院外で使用するための院外メニューとを有し、
前記制御手段は、前記院内メニュー表示する際に、院内メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は病院をイメージさせる病院イメージ画像を同時に出力し、且つ、前記院外メニュー表示する際に、院外メニューであることを伝える音声メッセージ及び/又は家庭をイメージさせる家庭イメージ画像を同時に出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、
前記病院イメージ及び前記家庭イメージは、前記記憶手段に記憶されている、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯型電子カルテにおいて、
前記患者用メニューは、診療科ごとの診療科メニューをさらに有し、
前記制御手段は、診療科メニューを表示する際に、各診療科に関する診療科イメージ画像及び/又は診療科メニューであることを伝える診療科伝達音声メッセージを出力するように、前記表示手段及び/又は前記音声出力手段の動作を制御し、
前記診療科イメージ及び前記診療科伝達音声メッセージは、前記記憶手段に記憶されている、
ことを特徴とする携帯型電子カルテ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−118617(P2011−118617A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274830(P2009−274830)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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