説明

携帯情報端末、制御方法、およびプログラム

【課題】従来の携帯情報端末では誤入力を防止できなかった状況下において、誤入力を防止し得る携帯情報端末を提供する。
【解決手段】携帯情報端末100の前面102に、2個の近接センサ110を設ける。2個の近接センサ110は、互いに操作キー105の1つ分以上の距離を隔て、かつ、それぞれ複数の操作キー105のいずれかの近傍に配置されている。携帯情報端末100は、2個の近接センサ110の両方によって、人体等の感知対象物が近接している状態が検出された状態において操作対応処理の実行を抑止する。その結果、操作キー105に顔や手が接触することで発生する誤入力を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯情報端末には、機能を選択したり、数字や文字を入力したりするための操作キーが備えられている。ユーザは、操作キーを指で押すことで操作を行い、所望の機能を選択する等の処理を携帯情報端末に実行させることができる。
近年、例えば、操作キーが静電容量式のタッチセンサによって構成される等、非常に小さい力(あるいは触れるだけ)で操作を行うことが可能な携帯情報端末が登場している。しかし、容易に接触操作を行える反面、ユーザの意図しない誤入力が発生し易いという問題がある。
【0003】
特許文献1には、通話時において、タッチセンサ式の操作キーが顔に触れて意図しない接触操作(誤入力)が生じることを防止する携帯情報端末が記載されている。具体的には、携帯情報端末のレシーバ(受話部)付近にタッチセンサを配置し、通話時に、ユーザの耳が接触センサに触れている場合は、操作キーへの入力を無効にすることで、誤入力を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−269567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レシーバ付近に接触センサ(以下、耳用センサという)を設けるだけでは、誤入力を防止するのに十分であるとは言えない。その理由を以下に述べる。
特許文献1の技術では、通話時以外では誤入力を防止できない。例えば、待ち受け時に携帯情報端末がポケットに収納された状態において、操作キーが衣服を介して人体(胸や太腿)に接触することによって生じる誤入力を防ぐことは困難である。また、特許文献1の技術では、例えば、通話開始時においても、携帯情報端末を耳に当てる際に人や物にぶつかるなどして、耳用センサに耳が接触する前に操作キーが顔に接触することによって生じる誤入力を防止するのは困難である。
【0006】
以上に述べたように、従来技術では、通話時に携帯情報端末を耳にあてた状態という限定された状況下でしか誤入力を防止することができない。
上記の問題に鑑み、本発明は、従来の携帯情報端末では防止できなかった状況下において誤入力を防止し得る携帯情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯情報端末は、筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーとを備えた携帯情報端末であって、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置と、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサとを備え、前記制御装置は、前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出された状態において、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯情報端末は、従来の携帯情報端末では防止できなかった状況下において誤入力を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る携帯情報端末100の外観構成を模式的に示す平面図である。
【図2】携帯情報端末100の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】携帯情報端末100の操作キー105および近接センサ110を示す断面図である。
【図4】携帯情報端末100におけるキー操作に関する処理の流れを概念的に示すフローチャートである。
【図5】携帯情報端末100における誤入力防止処理を示すフローチャートである。
【図6】操作キー105および近接センサ110の各々の検知距離を模式的に示す図である。
【図7】変形例1に係る携帯情報端末300の外観構成を模式的に示す平面図である。
【図8】変形例1における誤入力防止処理2を示すフローチャートである。
【図9】変形例2に係る携帯情報端末400の外観構成を模式的に示す平面図である。
【図10】変形例2における誤入力防止処理3を示すフローチャートである。
【図11】感知対象物280の表面が、操作キー105の表面Sに対して傾いている状態を模式的に示す図である。
【図12】変形例3に係る携帯情報端末500の外観構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態]
<1.携帯情報端末の構成>
[1.1]外観構成
図1は、実施の形態に係る携帯情報端末100の外観を模式的に示す平面図である。
【0011】
本実施の形態において、携帯情報端末100は、ストレート型の携帯電話機として構成されている。携帯情報端末100は、扁平な直方体形状をなす筐体101を備えている。その筐体101は、縦方向(Y軸方向)に長く、横方向(X軸方向)に短い長方形状をしている。また、筐体101の一の主面は前面102とされ、その前面102は、縦方向(Y軸方向)に長く、横方向(X軸方向)に短い長方形状をしている。前面102は、左右の長辺102a,b、上辺102c(短辺)、下辺102d(短辺)を有している。
【0012】
携帯情報端末100において、筐体101の前面102に、通話音声を出力するレシーバ(受話部)103、表示部104、複数の操作キー105が行列状に配置されてなる操作ブロック106、及びマイク(送話部)107が、縦方向に順に並べて配置されている。
操作キー105は、詳細は後述するが、静電容量式のタッチセンサによって構成されており、平面視四角形状をしている。
【0013】
操作ブロック106は、複数の操作キー105からなる操作キー群によって構成されている。操作ブロック106の外形は、複数の操作キー105が行列状に配列され、縦方向に長い長方形状をしている。
また、携帯情報端末100は、人体等の感知対象物が近接している近接状態を検出する2個の近接センサ110を備えている。各近接センサ110は、詳細は後述するが、平面視四角形状の電極を有する静電容量式のセンサによって構成されている。そして、各近接センサ110は、少なくとも人体を感知対象物とし、前面102の法線方向において、感知対象物の接近または離間に応じて検出値を変化させる。なお、後述するように、近接センサ110と操作キー105とは、平面形状は異なるものの、同じ構造にされている(図3参照)。
【0014】
近接センサ110は、筐体101の前面102の縦方向における中央、かつ、横方向(X軸方向)において操作ブロック106の隣に配置されている。また、2個の近接センサ110は、横方向において操作ブロック106を挟んでいる。この場合、2個の近接センサ110は、横方向に並ぶ3つの操作キー105を挟んでいる。なお、近接センサ110が前面102の縦方向における中央に配置されているとは、例えば、前面102を、縦方向に並ぶ3つのブロックに3等分した場合に、近接センサ110が中央のブロックに位置していることをいう。
【0015】
近接センサ110の前記電極は、平面視において縦方向に長い長方形状をなし、縦方向の寸法が操作キー105の2倍以上にされている。一方、近接センサ110の横方向の寸法は、操作キー105よりも小さくされている。
また、近接センサ110と操作キー105との離間距離は、操作キー105の横方向の長さよりも小さくされている。すなわち、近接センサ110は、いずれかの操作キー105の近傍に配置されている。
【0016】
[1.2]内部構成
図2は、主として携帯情報端末100の内部構成を模式的に示すブロック図である。
携帯情報端末100は、図1に示した構成の他に、制御装置200、並びに、制御装置200に接続された通信部201、通話制御部203、及び表示制御部204を備えている。
【0017】
制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ部、バス、及びI/Oインターフェースからなるコンピュータを備えている。制御装置200は、メモリ部に格納されている各種のプログラムをCPUによって実行することにより、携帯電話機の通信機能等、各種の機能を発揮させる制御を行う。
通信部201は、アンテナ202を介して基地局との間で電波の送受信を行う。通話制御部203は、制御装置200から送信された音声信号をD/A変換してレシーバ103から音声を出力し、マイク107に入力された音声をA/D変換して制御装置200に送信する。
【0018】
表示制御部204は、表示部104を制御し、制御装置200から送信された画像を表示部104に表示させる。なお、表示部104は、液晶パネルと、バックライトとを有している。それら液晶パネル及びバックライトは、表示制御部204によって制御されている。
また、携帯情報端末100は、制御装置200に接続された駆動部205と、複数の操作キー105を背面から照らすキーバックライト206とを備えている。キーバックライト206は駆動部205に接続されており、駆動部205は制御装置200の指示に従いキーバックライト206に供給する電力のオン・オフを切り換える。
【0019】
さらに、携帯情報端末100は、制御装置200に接続された静電容量計測部207を備えている。静電容量計測部207は、各操作キー105、及び、各近接センサ110と接続されている。静電容量計測部207は、IC(Integrated Circuit)によって構成され、各操作キー105、及び、各近接センサ110に、順にパルスを供給し、操作キー105等の静電容量を計測する。なお、各操作キー105等の静電容量の計測値は、静電容量計測部207が有する計測値レジスタ208に格納される。
【0020】
[1.3]操作キー105、近接センサ110
図3は、操作キー105、及び近接センサ110の、図1のA−A線における断面を示す図である。各操作キー105、及び、各近接センサ110は、それぞれ絶縁性の基板250上に配置された電極261,262と、電極261,262を被覆する絶縁性のカバー部263,264とによって構成されている。
【0021】
なお、各電極261,262は、他の電極と離間して配され、電気的に絶縁されている。また、各電極261,262は、平面視四角形状の導電膜によって構成されている。
基板250の上面(前面102側の主面)には、操作キー105等を覆う絶縁性の保護膜265が形成されており、保護膜の表面を二点鎖線Sで示す。この保護膜の一部が、カバー部263,264を構成している。各操作キー105のカバー部261には、数字、記号、枠線等、操作キー105に対応付けられた文字(数字等)や機能の表示、操作キー105の位置を示す表示がされている。
【0022】
基板250は、積層基板とされ、図示を省略するが、内部に配線層が形成されている。その配線層を介して、各操作キー105等が、それぞれ静電容量計測部207と接続されている。基板250の背面には導電膜251が形成されている。その導電膜251は基準電位(GND)に接続されている。基板250の周囲には、導電部材からなる側板266が配置されている。その側板266は基準電位(GND)に接続されている。
【0023】
ここで、操作キー105の大きさは、電極261の大きさとされる。
<2.動作>
[2.1]キー操作、誤入力の防止に関する処理の概要
本実施の形態において、制御装置200は、操作キー105が接触操作(キー操作)された場合には、例えば通話発信を行う等、キー操作に対応する処理を実行する。一方、2個の近接センサ110a,bによって人体等の近接状態が検出された場合には、キー操作に対応する処理(以下、操作対応処理という)の実行を抑止し、つまり、操作をロックすることで、誤入力を防止する。なお、キー操作がロックされた状態を、「操作ロック状態」と称する。
【0024】
図4は、誤入力を防止するための処理の手順を概念的に示すフローチャートである。
[2.1.1]キースキャン処理
ステップS1において、静電容量計測部207によって、いわゆるキースキャン処理が行われる。本実施の形態において、操作キー105と近接センサ110とが同じ構造にされており、キースキャン処理において、各操作キー105及び各近接センサ110の静電容量が計測される。
【0025】
ここで、静電容量計測部207による静電容量の計測について説明する。
図3に示したように、各操作キー105等と導電膜251との間には静電容量Caが存在する。そして、操作キー105等にユーザの指260が接近すると、操作キー105等と指260との間に、結合容量Cpが発生する。この結合容量Cpは、指260が操作キー105に接近するほど大きくなるため、結合容量Cpの大きさに基づいて、操作キー105に指が接触したか、あるいは、近接センサ110に掌や顔が接近しているかを判断することができる。
【0026】
ここで、図3に示すように、ユーザの指260によって操作キー105が接触操作される状況を想定する。
静電容量計測部207は、操作キー105に矩形パルスを供給し、電圧が設定電圧に立ち上るまでの遅延時間Tを計測する。操作キー105の近くに人体等の感知対象物が存在しない場合、遅延時間Tは、静電容量Caに応じた時間Taとなる。一方、操作キー105に感知対象物となる指260が近接している状態において、遅延時間Tは、静電容量Caと結合容量Cpとを合わせた容量(Ca+Cp)の大きさに応じた時間Tpとなる。この時間Tpは、時間Taよりも大きい値となる。それは、結合容量Cpの影響によって電圧の上昇速度が低下するためである。
【0027】
この遅延時間Tに基づけば、後述するように、人体等の接近、接触等を判断することができる。
上記遅延時間Tの計測は、各操作キー105及び各近接センサ110について順次行われる。ここで、各操作キー105及び各近接センサ110について順次計測された遅延時間Tpの計測値は、計測値レジスタ208に格納される。また、各遅延時間Tpの計測値は、各操作キー105及び各近接センサ110に割り当てられたIDコードと対応付けられた状態で格納される。
【0028】
なお、操作キー105等の遅延時間Tの計測は、設定時間間隔で繰り返し行われ、新たな遅延時間Tが計測されると、計測値レジスタ208の値が更新される。
なお、遅延時間Tの計測値は、必ずしも静電容量そのものの値となるわけではないが、静電容量の大きさを示す値である。よって、遅延時間Tの計測値を「静電容量計測値」と呼ぶこととする。この静電容量計測値は、人体等と操作キー105との距離の大きさを示す値となる。
【0029】
[2.1.2]操作ロック状態であるか否かの判定
ステップS2において、キー操作検知部211は、誤入力防止部213によって操作ロック状態にされているか否かを判断する。具体的には、操作ロック状態であるか否かを示す操作ロックフラグの状態に基づき、上記判断を行う。
操作ロック状態(上記フラグがオン)である場合(判定がYES)は、ステップS3のキー操作検知処理が行われない。よって、操作対応処理の実行が抑止される。一方、操作ロック状態ではない場合(上記フラグがオフ)、つまり、操作許容状態である場合(判定がNO)は、S3以降の処理が行われる。
【0030】
なお、詳細は後述するが、誤入力防止部213は、静電容量計測部207の計測値レジスタ208に格納された近接センサ110a,bの静電容量計測値を取得し、その計測値に基づいて上記操作ロックフラグのオン、オフを切り換え、操作ロック状態と操作許容状態とを切り換えている。この誤入力防止部213の処理の詳細は、後のフローチャートを参照して説明する。
【0031】
[2.1.3]キー操作検知処理
操作許容状態では、ステップS3において、キー操作検知部211によってキー操作検知処理が行われる。
キー操作検知処理において、計測値レジスタ208に格納された各操作キー105の静電容量計測値(遅延時間Tの計測値)が取得され、その計測値に基づき、キー操作がなされたか否かが判断される。なお、キー操作検知処理の実行間隔は、S1のキースキャン処理の実行間隔よりも長い(例えば、キースキャン処理の実行間隔の2〜4倍)。そのため、キー操作検知処理の次回実行時には、計測値レジスタ208の遅延時間Tの計測値が更新されている。
【0032】
ここで、キー操作がなされたか否かの判断において、キー操作検知用閾値が用いられる。キー操作検知用閾値には、指260が各操作キー105の表面Sに面接触した状態における静電容量計測値が設定されている。
そして、実際の静電容量計測値がキー操作検知用閾値以上の場合にキー操作がなされたと判断される。一方、実際の遅延時間Tの計測値がキー操作検知用閾値未満の場合は、キー操作がなされていないと判断される。なお、静電容量計測値がキー操作検知用閾値以上の操作キー105が複数存在する場合は、計測値が最も大きい操作キー105に接触操作がなされたと判断される。
【0033】
キー操作検知部211は、キー操作が検出された場合に、操作キー105のIDコード(以下、キーコードと呼ぶ)を情報処理部210に送る。
以上で、1回のキー操作検知処理が完了する。なお、キー操作が検知されなかった場合、キーコードを情報処理部210に送ることなくキー操作検知処理が完了する。
なお、静電容量計測部207には、基準容量Csとなる基準コンデンサが接続されている。静電容量計測部207は、基準コンデンサにもパルスを供給し、基準容量Csに応じた基準遅延時間Tsを計測している。この基準遅延時間Tsに基づいて、キー操作検知用閾値が適切な値に補正される。なお、基準コンデンサには、電子回路用のコンデンサが用いられており、操作キー105、あるいは、近接センサ110と同等の静電容量を有するセラミックコンデンサとされている。また、基板250の背面側に別の基板を積層し、その別の基板に操作キー105、あるいは、近接センサ110と同じ面積の電極を配置することで、基準コンデンサを設けることもできる。
【0034】
ここで、上記キー操作検知用閾値を、操作キー105ごとに設定してもよい。
[2.1.4]操作対応処理
ステップS4において、情報処理部210によって、キー操作検知部211から送られてきたキーコードに対応する処理(操作対応処理)が実行される。操作対応処理の内容は、情報処理部210において実行されているプログラム(通話機能、メール機能等の各種の機能を発揮させるプログラム)によって異なる。例えば、通話用プログラムでは、数字キーの操作に応じて発信番号を入力する処理や、通話キー(図1の「TALK」キー105)の操作に応じて通話発信を行う処理が行われる。また、例えば、メール用プログラムでは、操作キー105に対応付けられた文字を選択する処理等が行われる。
【0035】
なお、上記通話発信や文字入力は、いわゆる「キーイベント」として各操作キー105に割り当てられている場合がある。このような場合、操作対応処理は、各操作キー105に対応付けられたキーイベントを実行する処理ということもできる。
[2.1.5]まとめ
以上に述べたように、ステップS2において、操作ロック状態とされている場合は、キー操作が検知されず、その結果、操作対応処理の実行が抑止され、誤入力が防止される。
【0036】
なお、上記フローチャートは処理の流れを概念的に示すものであるので、各ステップが同期して実行されるとは限らない。
[2.2]誤入力防止処理
以下に、誤入力を防止する処理の具体的な内容を説明する。
図5は、誤入力防止部213によって実行される誤入力防止処理のフローチャートを示す図である。なお、誤入力防止処理は、制御装置200において誤入力防止プログラムが実行されることで行われる(後述する誤入力防止処理2,3についても同様である)。
【0037】
[2.2.1]近接状態判定
ステップS10において、各近接センサ110a,bに人体等が近接している状態(以下、近接状態という)か否かが判断される。具体的には、静電容量計測部207の計測値レジスタ208から、各近接センサ110a,bの静電容量計測値が取得され、その静電容量計測値が近接状態検出用閾値と比較される。そして、静電容量計測値が、近接状態検出用閾値以上の場合に近接状態であると判定され、近接状態検出用閾値未満の場合に近接状態ではないと判定される。
【0038】
[2.2.1a]キー操作検知用閾値の補足説明
ここで、操作キー105に対するキー操作検知用閾値について補足説明する。
図6は、感知対象物280の平坦な対向面281が携帯情報端末100の前面102に接近している状態を模式的に示している。ここで、対向面281と、前面102とは平行にされている。なお、感知対象物280は人体を想定しているが、金属等の導体などによって代替してもよい。
【0039】
前述のように、キー操作検知用閾値は、各操作キー105に指260が面接触している状態における静電容量計測値とされている。この状態において、指260と操作キー105との接触面積は、例えば、操作キー105の面積の3分の1程度である。
基本的に、静電容量は、対向する電極の面積に比例する。そのため、上記キー操作検知用閾値を用いると、掌や顔など、指260よりも大きい面積を有する部分が近接している状態では、掌等が操作キー105に接触する前に、静電容量計測値がキー操作検知用閾値以上となる場合がある。
【0040】
よって、この図において、感知対象物280の対向面281と保護膜の表面Sとの距離が、検知距離D1以下になるとキー操作が検知される場合がある。この図のように、感知対象物280が操作キー105(電極261)の上面全てと対向している場合において、最大の検知距離D1は微小であるが0よりも大きくなる。
以上に述べた事情から、携帯情報端末100がポケットに収納されていた場合に、操作キー105が衣服越しに人体に密着すると、キー操作が検出され、誤入力が発生する場合がある。
【0041】
[2.2.1b]近接状態検出用閾値
近接状態検出用閾値は、対向面281と保護膜の表面Sとの距離が、検知距離D1以上の検知距離D2の状態における静電容量計測値とされる。検知距離D2を検知距離D1より大きくした場合には、感知対象物280が接近してきた状態において、キー操作が検知される前に近接状態を検出することができる。
【0042】
図のように、感知対象物280が近接センサ110(電極262)の上面全てと対向している場合において、検知距離D2は、キー操作が検知される前に近接状態を検出するために、検知距離D1より大きくすることができ、例えば、0.2mm以上であってもよい。
また、検知距離D2が過大であると、通常操作時に操作ロック状態になる虞があるため、不適切な操作ロックが行われないようにするため、検知距離D2は、例えば、10mm以下とすることができ、5mm以下であってもよい。
【0043】
なお、検知距離D2は、検知距離D1と同じにすることもできる。キー操作が検知されるのと同時に感知対象物280の近接状態が検出された場合でも、操作対応処理の実行を抑止することができるからである。
本実施の形態において、近接センサ110と操作キー105とは、形状および面積が異なるため、近接状態検出用閾値とキー操作検知用閾値とを単純に比較はできない。しかしながら、近接センサ110と操作キー105との、形状および面積が等しいと仮定した場合には、近接状態検出用閾値はキー操作検知用閾値よりも小さい値となる。
【0044】
なお、近接センサ110a,bごとに近接状態検出用閾値を設定してもよい。
[2.2.1c]近接状態判定
ステップS10では、各近接センサ110a,bについて、近接状態が検出された場合(静電容量計測値が近接状態検出用閾値以上である場合)に、各近接センサ110a,bに対応する近接状態検出フラグをオンにする。一方、近接状態が検出されない場合(静電容量計測値が近接状態検出用閾値よりも小さい場合)に、近接状態検出フラグをオフにする。
【0045】
[2.2.2]操作ロックの必要性の判断について
ステップS11において、近接状態検出フラグが参照され、判定が行われる。そして、2個の近接センサ110a,bの両方で近接状態が検出された場合に、操作ロックが必要と判断され、処理がS12に進む。一方、2個の近接センサ110a,bのうちの少なくとも1つで近接状態が検出されていない場合は、操作ロックが不要と判断され、処理がS13に進む。
【0046】
ここで、上述のように、2個の近接センサ110a,bの両方で近接状態が検出されないと操作ロックが不要と判断されるのは、通常操作時に操作ロックが行われないようにするためである。
本携帯情報端末100において、2個の近接センサ110a,bは、操作キー105のいずれかと隣接配置されている。そのため、通常操作時に、2個の近接センサ110a,bの一方がユーザの指等に反応して近接状態を検出する可能性がある。通常操作時に、1つの近接センサ110で近接状態が検出された場合に操作ロック状態となると、通常操作が行えなくなる。
【0047】
一方、2個の近接センサ110a,bは、操作ブロック106を挟み、十分な離間距離が確保された状態で配置されている。そのため、通常操作時に、2個の近接センサ110a,bの両方がユーザの指等に反応して近接状態を検出する可能性は非常に低い。よって、通常操作を妨げないように、操作ロックを行う条件を、2個の近接センサ110a,bの両方で近接状態が検出されることとしている。
【0048】
ここで、2個の近接センサ110a,bの両方によって人体等の近接状態が検出されている状態において、誤入力が発生し易い理由について述べる。
2個の近接センサ110a,bが十分離間していることから、2個の近接センサ110a,bの両方によって人体等の近接状態が検出されている場合、人体の中でも比較的面積の大きい部分が操作ブロック106に近接していると判断することができる。例えば、顔、胸、掌、太腿等である。
【0049】
さらに、操作ブロック106を挟む2個の近接センサ110a,bの両方で近接状態を検出することにより、操作ブロック106を覆うように顔や掌が接近している状態であると判断できる。具体的には、(a)通話時に携帯情報端末100の前面102が顔に当てられている状態、(b)待ち受け時に携帯情報端末100が胸ポケットやズボンのポケットに収納されて前面102が胸や太腿に対向している状態、(c)手で操作ブロック106を覆うように携帯情報端末100が掴まれた状態などである。このような状態では、顔等が操作キー105に接触して誤入力が発生し易い。
【0050】
よって、2個の近接センサ110a,bの両方で近接状態が検出された状態で、操作ロックを行うことで誤入力を防止することが望ましい。
以上に述べたように、2個の近接センサ110a,bの両方によって人体等の近接状態が検出された状態で操作ロックを行うことで、通常操作を妨げることなく誤入力を防止できる。
【0051】
[2.2.3]操作ロック状態、操作許容状態の切り換え
ステップS12において、誤入力防止部213によって、キー操作をロックする処理が行われる。具体的には、誤入力防止部213からキー操作検知部211に、キー操作検知処理を停止する旨の要求がなされる(例えば、操作ロックフラグがオンにされる)。キー操作検知部211は、前記要求を受けるとキー操作検知処理を停止する。その結果、キー操作がなされても検出されず、情報処理部210において操作対応処理が実行されなくなる。すなわち、キー操作がロックされ、操作対応処理の実行が抑止されるのである。
【0052】
一方、操作ロックが不要である場合は、ステップS13において、誤入力防止部213によって操作ロックが解除される(操作許容状態にされる)。具体的には、誤入力防止部213からキー操作検知部211に、キー操作検知処理を再開する旨の要求がなされ(例えば、操作ロックフラグがオフにされる)、処理が再開する。
[2.2.4]まとめ
以上に説明した誤入力防止処理により、ユーザが意図しない入力(誤入力)が発生し易い状態を検知し、操作ロックを行うことで誤入力を防止することができる。
【0053】
なお、本実施の形態において、2個の近接センサ110a,bは、横方向において操作ブロック106を挟んで配置されている。そのため、携帯情報端末100が衣服のポケットに収納された状態において、ユーザの胸、太腿等に操作ブロック106が近接している状態を容易に検知できる。
また、本実施の形態において、2個の近接センサ110a,bは、縦方向において前面102の中央に配置されている。よって、通話時に、携帯情報端末100が耳に当てられた状態において、近接センサ110が顔の近くに位置することとなり、操作ブロック106に顔が近接した状態を検知できる。このような状態において操作ロックを行うことで、誤入力を防止できる。
【0054】
さらに付言すると、上述のように、2個の近接センサ110a,bは、横方向において操作ブロック106を挟んで配置されており、ユーザの手で操作ブロック106を覆うようにして携帯情報端末100が掴まれるといった特殊な状態も、誤入力が生じやすい状態として検知される。ここで、詳細に説明する。携帯情報端末100は、縦方向に長い形状をしており、ユーザの手で掴まれる場合に、ユーザの手が操作ブロック106をX軸方向に横切る状態で把持されやすい。そうすると、ユーザの手は、操作ブロック106および2個の近接センサ110を覆うこととなるので、ユーザの手で覆われた状態を容易に検出することができる。
【0055】
<3.その他>
本実施の形態において、2個の近接センサ110a,bによってN個の近接センサ、及び2個以上の所定の近接センサが構成されている。つまり、本実施の形態では、N個の近接センサと2個以上の所定の近接センサとが同一にされている。
本実施の形態において、ステップS11は、「前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されているか否かを判定する第1ステップ」の一例である。なお、ステップS10とS11とを合わせたものが、前記第1ステップの一例であると考えることもできる。
【0056】
本実施の形態において、ステップS12は、「前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定された場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する第2ステップ」の一例である。なお、ステップS13は、「前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定されなかった場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を許容するステップ」の一例である。なお、ステップS12とS13とを合わせて、1つのステップと考えてもよい。
【0057】
本実施の形態において、ステップS10は、「前記N個の近接センサによって前記感知対象物が近接している状態を検出するステップ」の一例である。
本実施の形態において、2個の近接センサ110a,bの縦方向の長さは、操作キー105の縦方向の長さよりも長くされている。そのため、各近接センサ110の面積に対し、指260と対向する面積の割合が、操作キー105に比して小さくなり、通常操作時に、指260に反応し難くなる。よって、通常操作時に操作ロックが行われる可能性が一層低くなる。
【0058】
具体的に説明する。各近接センサ110の近接状態検出用閾値は、人体のうちの顔、胸等、面積の広い部分によって全面が覆われた状態を想定して設定されている。そのため、例えば、指260によって近接センサ110の面積の4分の1が覆われた場合(指260と対向する部分の面積割合が4分の1)、静電容量計測値は約4分の1となる。したがって、近接センサ110の長さを操作キー105の2倍以上の長さにする等、指260によって全体が覆われにくい形状にすれば、指260に反応し難くなるのである。
【0059】
なお、近接センサ110の縦方向の長さを操作キー105の3倍以上としてもよい。近接センサ110の長さをさらに長くすることで、通常操作時にユーザの指260と対向する部分の面積割合が小さくなって指260に反応し難くなるため、通常操作時に操作ロックが行われてしまう可能性がさらに低くなる。また、近接センサ110の面積が大きくなるほど、検知距離D2を大きくすることができる。
【0060】
本実施の形態において、近接センサ110は、純粋に人体等の対象物の接近を検知するために設けられている。よって、仮に近接センサ110に接触操作がなされたとしても操作対応処理は実行されない。
本実施の形態において、操作ロック(操作対応処理の実行の抑止)は、キー操作検知処理を停止することでなされていたが、他の方法でも操作ロックを行うことができる。例えば、(i) 静電容量計測部207が行う操作キー105のキースキャン処理を停止させ、計測値レジスタ208内の静電容量計測値をキー操作検知用閾値未満の値(例えば、0)に書き換える方法、(ii) キー操作検知部211に、検知されたキー操作のIDコードを情報処理部210に送らないように指示する方法、(iii) 情報処理部210にキー操作が検知されても操作対応処理を実行しないように指示する方法等が可能である。
【0061】
ステップS12において、操作ロックフラグをオンにするとともに、キーバックライト206への電力供給を停止させる指令を駆動部205送信してもよい。これにより、携帯情報端末100の消費電力を低減させることができる。さらに、S12において、表示部104のバックライトをオフにさせる指令を表示制御部204に送信してもよい。
本実施の形態において、静電容量計測部207は、制御装置200とは別に設けられていたが、制御装置200が静電容量計測部207を含んでいてもよい。
【0062】
静電容量計測部207は、前面102の法線方向において、近接センサ110に対する人体等の離間距離を示す値を取得することから、離間距離情報取得部と称することもできる。
本実施の形態において、「近接センサ110によって人体等の近接状態が検出される」とは、近接センサ110において結合容量Cpが所定の値以上の状態になっていることを指している。しかしながら、その状態では、制御装置200は近接状態が検出されたか否かを知ることはできない。よって、静電容量計測部207によって結合容量Cpの大きさを示す値を計測し、その値が閾値以上であるか否かによって近接状態が検出されたことを検知している。
【0063】
携帯情報端末100等の前面102、操作キー105、及び近接センサ110等の平面視における形状は、四角形に限られず、楕円状等であってもよい。
操作キー105の電極261と近接センサ110等の電極262等とは、Z軸方向の上面の高さ位置が同じにされているが、電極262の高さ位置を電極261よりも高くする等、上面の高さ位置を互いに異ならせてもよい。
【0064】
[変形例1]
上記実施の形態において、2個の近接センサ110が操作キー105の近傍に配置されていた。それら2個の近接センサ110に加えて、従来技術のように、レシーバ103の近傍にユーザの耳の接触を検出する耳用センサを設けてもよい。この耳用センサを用いれば、通話時に、レシーバ103が耳に当てられている状態において、操作ロック状態とすることにより、操作キー105がユーザの顔に接触するなどして生じる誤入力を防止することができる。本変形例は、従来技術の耳用センサと2個の近接センサ110とを用いて誤入力を防止する態様である。
【0065】
<構成>
図7は、本変形例の携帯情報端末300の外観を示す正面図である。
携帯情報端末300は、前記携帯情報端末100と同様の構成(図1、図2参照)に加え、レシーバ103がユーザの耳に当てられている状態、あるいは耳に近接している状態であることを検出する耳用センサ310を備えている。耳用センサ310は、前面102のレシーバ103近傍に配置されている。また、耳用センサ310は、近接センサ110と同様に、電極とカバー部とを有している。
【0066】
また、図示を省略するが、耳用センサ310の電極は、静電容量計測部207に接続されている。静電容量計測部207は、キースキャン処理(S3)において、耳用センサ310の電極にパルスを供給し、耳用センサ310の静電容量計測値を取得する。なお、キースキャン処理において、近接センサ110と耳用センサ310とは、同じ時間間隔で静電容量計測値が計測されるが、異なる時間間隔としてもよい。
【0067】
<動作>
図8は、本変形例における誤入力防止処理2のフローチャートを示す図である。
なお、誤入力防止処理2は、前記実施の形態1の誤入力防止処理にステップS14の処理を追加したものである。よって、ステップS10〜S13の説明を省略する。
ステップS14は、S11において、NOの判定がなされた場合に行われる。つまり、2個の近接センサ110a,bの少なくとも一方で近接状態が検出されておらず、近接センサ110a,bの検出結果から操作ロックが不要と判断される場合である。
【0068】
ステップS14において、携帯情報端末400で通話中であり、かつ、耳用センサ310の静電容量計測値が耳用センサ用の閾値以上である場合に、操作ロックが必要であると判断される。S12において、操作ロックフラグがオンにされ、携帯情報端末400が操作ロック状態にされる。その結果、図4のフローチャートに示したS4の操作対応処理の実行が抑止され、誤入力が防止される。
【0069】
一方、通話中でない場合、又は、耳用センサ310によって接触状態が検出されていない場合に、操作ロックが不要であると判断される。その結果、S13において、操作ロックフラグがオフにされ、携帯情報端末400が操作許容状態にされる。これにより、通話中であっても、携帯情報端末400を耳から離せば操作対応処理の実行が可能となる。
なお、通話中(あるいは通話時)とは、通話キー(TALKキー)への入力によって通話発信(あるいは通話着信による通話)が開始されてから、切断キー(ENDキー)への入力によって通話の切断がなされるまでの間の状態である。
【0070】
<まとめ>
本携帯情報端末400では、S11,S14の、2種類の判定を行っており、実施の形態1に比して、誤入力を防止する効果が高い。
例えば、通話時において、耳用センサ310に耳が接触している場合、効果的に誤入力を防止することができる。さらに、通話開始時において、例えば、携帯情報端末を耳に当てる際に人や物にぶつかるなどして、耳用センサ310に耳が接触する前に操作キー105が顔に接触することによって生じる誤入力を防止することができる。
【0071】
なお、S11,S14の2つの判定の一方が満たされた後、2つの判定処理の両方が満たされなくなっても、所定時間(例えば、1秒前後)操作ロック状態を維持してもよい。2つの判定処理の両方が満たされなくなった直後は、通常操作が行われる可能性が低く、誤入力を防止することが好ましいためである。このような操作ロック状態の維持は、実施の形態および他の変形例にも適用できる。
【0072】
また、ステップS14において、通話中か否かの判定条件を省略し、耳用センサ310で接触状態が検出されているか否かだけを判断してもよい。
本変形例において、2個の近接センサ110a,bによってN個の近接センサ、及び2個以上の所定の近接センサが構成されている。つまり、本実施の形態では、N個の近接センサと2個以上の所定の近接センサとが同一にされている。
【0073】
上記耳用センサ310の閾値を変更し、近接センサ110と同様な近接センサとして機能させてもよい。この場合に、耳用センサ310は、N個の近接センサのうちの、2個以上の所定の近接センサ以外のセンサに含めることができる。
[変形例2]
前記実施の形態1および変形例において、携帯情報端末100に近接センサ110が2つ設けられていたが、4つの近接センサ110を設けることもできる。そして、4つの近接センサ110のうちの2個の近接センサ110によって近接状態が検出された場合に、操作ロック状態とすることで、より効果的に誤入力を防止することができる。
【0074】
図9は、携帯情報端末400を示す正面図である。
<構成>
携帯情報端末400は、前記携帯情報端末300と同様の構成(図1、図2、図7参照)に加え、近接センサ110c,dを備えている。近接センサ110c,dは、それぞれ近接センサ110a,bと縦方向(Y軸方向)に並べられた状態で前面102に配置されている。また、縦方向に並ぶ2個の近接センサ110a,c(あるいは近接センサ110b,d)は、互いに操作キー105の1つ分以上の距離を隔てて配置されている。
【0075】
近接センサ110c,dは、近接センサ110a,bと同様に、電極262とカバー部264とを有している(図3参照)。
また、近接センサ110c,dの電極262は、静電容量計測部207に接続されている。静電容量計測部207は、キースキャン処理において、近接センサ110a,bと同様に、近接センサ110c,dの静電容量を計測する。
【0076】
<動作>
図10は、本変形例における誤入力防止処理3のフローチャートを示す図である。
なお、誤入力防止処理3は、前記変形例1の誤入力防止処理2のステップS11の処理をS11bに変更したものである。よって、ステップS10,S12〜S14の説明を省略する。
【0077】
ステップS11bにおいて、4つの近接センサ110a,b,c,dのうちの、2個以上の近接センサ110によって近接状態が検出されているか否かが判断される。そして、4つの近接センサ110a,b,c,dのうちの、2個以上の近接センサ110の静電容量計測値が近接状態検出用閾値以上である場合に、操作ロックが必要と判断される。その結果、S12において操作ロック状態とされ、誤入力が防止される。
【0078】
本変形例2において、2個の近接センサ110の組合せとしては、例えば、近接センサ110a,b、近接センサ110a,c、近接センサ110b,d、近接センサ110c,d等が挙げられる。
ここで、近接センサ110a,bの組合せは、実施の形態、及び変形例1と同じ作用効果を奏する。
【0079】
また、縦方向に並ぶ2個の近接センサ110a,cの組合せ(あるいは、近接センサ110b,dの組合せ)では、例えば、携帯情報端末400がポケットに収納されている状態において、人体の表面に対して携帯情報端末400の前面102が平行になっていない場合に好適である。
図11に、感知対象物280と前面102とが平行になっていない状態の一例を示す。この図において、携帯情報端末400の近接センサ110a,c側が人体に近接し、近接センサ110b,d側が人体から離間している状態が示されている。
【0080】
このような状態において、横方向に並ぶ2個の近接センサ110a,bの両方、あるいは近接センサ110c,dの両方によっては、近接状態が検出されない。さらに、携帯情報端末400がズボンのポケットに収納されている場合、太ももなど人体の表面(図において、対向面282に相当する)が湾曲していることから、上記の状態で両者が接近すると、いずれかの操作キー105(特に左下、あるいは右下の操作キー105)が衣服を介して人体に密着し、誤入力が発生する可能性がある。よって、縦方向に並ぶ2個の近接センサ110a,cによって近接状態が検出された場合に、操作ロックを行い、誤入力を防止することが望ましい。
【0081】
ここで、上記図11の状態は、対向面282に対し、前面102が縦方向の軸線回りに傾いている状態である。
さらにまた、携帯情報端末400の下部(マイク107側の部分)において、横方向に並ぶ2個の近接センサ110c,dの組合せでは、近接センサ110a,bの組合せと類似した作用効果が得られる。なお、近接センサ110c,dは、近接センサ110a,bとの配置の違いにより、通話時にユーザの顔に近接する状態になりにくいと考えられる。
【0082】
近接センサ110c,dの組合せは、近接センサ110a,bの組合せにはない作用効果が得られる場合がある。例えば、携帯情報端末400がシャツの胸ポケットに収納されている状態において、携帯情報端末400の下部が人体に近接し、携帯情報端末400の上部(レシーバ103側の部分)が人体から離間している場合に効果的である。これは、胸ポケットに縦方向に収納された場合に、携帯情報端末400の重みによって傾いてしまうのであるが、このような状態において、中央の2個の近接センサ110a,bによって近接状態が検出されない可能性がある。さらに、人体の表面が湾曲していることから、上記の状態において、いずれかの操作キー105(特に左下、あるいは右下の操作キー105)が衣服を介して人体に密着し、誤入力が発生する可能性がある。よって、下部に配置された2個の近接センサ110c,dによって近接状態が検出された場合に、操作ロックを行い、誤入力を防止することが望ましい。
【0083】
ここで、上記の状態は、対向面282に対し、前面102が横方向の軸線回りに傾いている状態である。
なお、上記以外にも、近接センサ110a,dの組合せや、近接センサ110b,cの組合せによって近接状態が検出された場合に、操作ロックを行ってもよい。
本変形例において、縦方向に並ぶ2個の近接センサ110a,cは、互いに操作キー105の1つ分以上の距離を隔てて配置されている。これにより、通常操作時に2個の近接センサ110a,cによって近接状態が検出されることがなく、通常操作を妨げる虞がなくなる。
【0084】
<まとめ>
本変形例において、4つの近接センサ110a,b,c,dのうちの、2個以上の近接センサ110によって近接状態が検出されている場合に操作ロックを行うことにより、より多様な状況に対応でき、非常に効果的に誤入力を防止し得る。
本変形例において、4つの近接センサ110によって、「N個の近接センサ」が構成されている。また、4つの近接センサ110のうちの、いずれか2個の近接センサ110の組合せによって、「2個以上の所定の近接センサ」が構成されている。
【0085】
なお、本変形例において、3つ以上の近接センサ110によって近接状態が検出されている場合は、操作ロック状態にされる。上記2個の近接センサ110の組合せによって近接状態が検出されている場合は、その他の近接センサ110によって近接状態が検出されているか否かに拘らず操作ロックが行われるためである。
本変形例において、縦方向に近接センサを3つ以上(例えば、3つ)並べ、それら3つの近接センサの全てによって近接状態が検出されている状態において操作ロックを行ってもよい。このような例では、3つの近接センサによって、「2個以上の所定の近接センサ」が構成されている。
【0086】
なお、本変形例において、耳用センサ310を省略してもよい。
[変形例3]
前記実施の形態および変形例において、近接センサ110は操作ブロック106と長辺102a,bの各々との間に配置されていたが、近接センサを操作ブロック106と下辺102dとの間に配置することもできる。
【0087】
<構成>
図12は、本変形例の携帯情報端末500の外観を示す正面図である。
携帯情報端末500は、前記携帯情報端末100と同様の構成に加え、近接センサ510a,bを備えている。2個の近接センサ510a,bは、前面102の下辺102dと操作ブロック106との間に配置されている。また、2個の近接センサ510a,bは、横方向において、マイク107を挟んで互いに離間した状態で、並べられている。
【0088】
2個の近接センサ510a,bは、横方向(X軸方向)において、互いに操作キー105の1つ分以上の距離を隔てて配置されている。よって、通常操作時に、2個の近接センサ510a,bの両方によって近接状態が検出される可能性は非常に低い。
2個の近接センサ510a,bは、前記近接センサ110a,bと同様に、電極とカバー部とを備え(図3参照)、静電容量計測部207に接続され、キースキャン処理によって静電容量が計測される。
【0089】
<動作>
本変形例において行われる誤入力防止処理4は、図10に示した誤入力防止処理3のフローチャートからステップS14を省略したものである。あるいは、図5の誤入力防止処理のS11を、図10に示したS11bに変更したものということもできる。このように、誤入力防止処理4の内容は、前記実施の形態および変形例2から容易に理解できるため、説明を省略する。
【0090】
ここで、近接センサ510a,bと、前記携帯情報端末400の近接センサ110c,dとの配置の違いによる作用効果の違いについて説明する。
近接センサ510a,bは、前記近接センサ110c,dと比して、下辺102dの近くに配置されている。また、横方向に長い形状とされている。そのため、携帯情報端末500がシャツの胸ポケットに収納されている状態において、携帯情報端末500の下部が人体に近接し、携帯情報端末500の上部が胸から離間している場合に、特に効果的に誤入力を防止できる。
【0091】
また、近接センサ510a,bは、それぞれ長辺102a,bの近くに配置されていることから、上記図11に示したように、携帯情報端末400の前面102が、対向面282に対し、縦方向の軸線回りに傾いている場合にも対応し得る。この場合、近接センサ110aと近接センサ510aとの組み合わせ、近接センサ110bと近接センサ510bとの組み合わせによって、感知対象物280が近接している状態を検出することができる。
【0092】
<まとめ>
本変形例において、4つの近接センサ110a,b、及び近接センサ510a,bのうちの、2個以上の近接センサ110によって近接状態が検出されている場合に操作ロックを行うことにより、より多様な状況に対応でき、非常に効果的に誤入力を防止し得る。
本変形例において、4つの近接センサ110a,b、及び近接センサ510a,bによって、「N個の近接センサ」が構成されている。また、4つの近接センサ110のうちの、いずれか2個の近接センサ110の組合せによって、「2個以上の所定の近接センサ」が構成されている。
【0093】
なお、近接センサ510a,bと同様の2個の近接センサを、図に示す記号Bの矢印が示す位置に設けてもよい。この場合、筐体101の長さを長くし、表示部104と操作ブロック106との間を広げ、その間に2個の近接センサを横方向に並べて配置することができる。この場合、通話時において、ユーザの顔が操作キー105に接触して生じる誤入力を効果的に防止することができる。なお、上記2個の近接センサは、近接センサ110a,bに代えて設けてもよいし、近接センサ110a,bとともに設けてもよい。また、携帯情報端末に上記2個の近接センサを設け、近接センサ110a,b、及び近接センサ510a,bを省略してもよい。
【0094】
以上の実施形態及び変形例1〜3において述べたように、本携帯情報端末は、(i)操作キーの近傍に近接センサを配置することで、操作キーに人体等の感知対象物が近接した状態を検出することができ、(ii)互いに隔てられた2個以上の所定の近接センサの全てによって人体等の近接が検出された状態において接触操作に対応する処理の実行を抑止することで、通常操作を妨げずに誤入力を防止することができる。
【0095】
[補足]
(a)前記実施の形態および変形例の説明は本発明の例示にすぎない。また、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。
(b)本携帯情報端末が携帯電話機として構成される場合、種々の形式を採用することができる。例えば、ストレート式、折り畳み式、スライド式等に適用可能である。折り畳み式、スライド式の携帯電話機では、不使用時に操作キーは収納されてしまうが、本発明を適用した場合には、例えば、通話時において誤入力を防止し得る。また、例えば、操作キーが外部に露出している状態で、その操作キーを手で覆うように携帯電話機が掴まれた場合等において誤入力を防止し得る。
【0096】
(c)前記実施の形態および変形例において、近接センサ110等だけでなく、操作キー105の静電容量計測値も参照して操作ロックを行うこともできる。例えば、2個の近接センサ110a,bの両方によって近接状態が検出された状態において、いずれかの操作キー105によっても接触状態が検出されたとする。その後、2個の近接センサ110a,bの一方によって近接状態が検出されなくなっても、近接センサ110a,bの他方によって近接状態が検出され、かつ、前記いずれかの操作キー105によって接触状態が検出されている状態において操作ロック状態を持続させることができる。
【0097】
あるいは、2個の近接センサ110a,bの両方によって近接状態が検出され、いずれかの操作キー105によって接触状態が検出された後、2個の近接センサ110a,bの両方によって近接状態が検出されなくなっても、前記いずれかの操作キー105によって接触状態が検出されている状態において操作ロック状態を持続させることができる。
このような処理により、携帯情報端末100等がY軸線(あるいはX軸線)周りに回転して人体等から離れるといった状況で、人体等が操作キー105に接触し、かつ、近接センサ110a,bの一方が人体等から離間してしまった場合に、操作ロック状態を持続させることで誤操作を防止し得る。
【0098】
(d)静電容量計測部は、前記実施の形態のものに限られず、公知の集積回路、電子回路等を用いて構成することができる。例えば、コンデンサ(電極261,262)の電位変化を計測する回路や、放電電流を計測する回路を用いてもよい。なお、放電電流を計測する回路を用いた場合、例えば、結合容量Cpに複数回充放電を行い、その放電によって他のコンデンサを所定電圧まで充電する時間を計測することができる。また、結合容量Cpに複数回充放電を行うとともに、その複数回の充電によって結合容量Cpと並列に接続された他のコンデンサを所定電圧まで充電する時間を計測してもよい。
【0099】
(e)N個の近接センサを、互いの中心を操作キー2つ分以上の距離を隔てて配置してもよい。例えば、2個の近接センサの平面形状が長方形状等、長手形状をしており、かつ、2個の近接センサが長手方向に直列に並べられている場合に好適である。
(f)前記実施の形態および変形例において、各操作キー105、各近接センサ110の電極261,262の背面側に接地電極となる導電膜251が設けられていた。その他、接地電極を、各電極261,262の周りを囲む形状としてもよい。
【0100】
(g)以下に、本実施形態に係る各種の携帯情報端末における構成及び効果について説明する。
(1)本実施形態に係る携帯情報端末は、筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーとを備えた携帯情報端末であって、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置と、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサとを備え、前記制御装置は、前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出された状態において、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止することを特徴とする。
【0101】
本項の携帯情報端末は、従来の携帯情報端末では防止できなかった状況下において誤入力を防止し得る。以下に、具体的に説明する。
本項の携帯情報端末は、2個以上の所定の近接センサを備えている。それら2個以上の所定の近接センサの全てによって、一の面に人体等の感知対象物が近接した状態が検出された状態では、感知対象物が操作キーに接触するなどして誤操作が生じやすい。そのため、操作キーに感知対象物が近接した状態において接触操作に対応する処理の実行を抑止することで、誤入力を防止することができる。
【0102】
したがって、例えば、携帯情報端末がポケットに収納されている場合等、人体等が操作キーに接触して(この例では、衣服を介した接触となる)ユーザの意図しない誤入力が生じ得る状態において、接触操作に対応する処理(以下、操作対応処理という)の実行を抑止し、誤入力を防止することができる。
なお、「感知対象物が近接している状態」を、単に近接状態、感知対象物の近接状態等と表現する場合がある。
【0103】
感知対象物には、人体、及び人体以外の物体が含まれ得る。また、人体以外の物体(金属等)が操作キーに接触することによっても誤入力が発生し得るが、ここでは、感知対象物としての人体の接触によって生じる誤入力を例に説明する。
本項の携帯情報端末では、2個以上の所定の近接センサの全てによって人体等の近接状態が検出されていることが、操作対応処理の実行を抑止する条件とされている。これにより、通常操作(意図的な操作)が行われている場合に、操作対応処理の実行が抑止されて通常操作が妨げられる可能性を低減させることができる。以下に説明する。
【0104】
なお、通常操作とは、一本の指(親指、人差し指等)でいずれかの操作キーを軽く押すといった操作である。この場合、一本の指以外に、複数の操作キー上に位置するものはない。具体的には、例えば、携帯情報端末の側面を4本の指と掌とで把持し、操作キーを親指で軽く押すといった操作である。
通常操作時にユーザが親指でキー操作を行ったとしても、2個以上の所定の近接センサ、例えば、2個の近接センサの両方によって、近接状態が検出される可能性は低い。したがって、2個の近接センサの両方によって人体等の近接状態が検出されている状態では、通常操作は行われていないと判断することができる。
【0105】
一方、例えば、人体等の近接状態を検出している近接センサが1つの状態では、通常操作が行われている可能性が高いため、誤入力を防止する処理はなされず、操作対応処理が実行される。よって、通常操作が妨げられない。なお、いずれの近接センサによっても人体等の近接状態が検出されない状態では、誤入力は生じないと判断でき、誤入力を防止する処理は行われない。よって、この場合にも通常操作は妨げられない。
【0106】
近接センサは、少なくとも一の面の法線方向において、感知対象物が近接している状態を検出するものとすることができる。これは、一の面の法線方向において、感知対象物が近接している状態では、感知対象物が操作キーに接触して誤入力が発生し易いからである。
ここで、感知対象物が近接センサに近接している近接状態は、例えば、近接センサと人体等の感知対象物との距離が10mm以下の状態とすることができる。また、近接センサは、近接センサと人体等の感知対象物との距離が0.2mm以上で近接状態を検出できるものであってもよい。
【0107】
ここで、2個以上の所定の近接センサは、N個の近接センサと同数であってもよい。この場合、N個の近接センサの全てによって感知対象物の近接状態が検出された状態において、操作対応処理の実行が抑止される。
近接センサには、例えば、静電容量式センサ、赤外線式センサ等を採用することができる。なお、静電容量式センサは、近接センサと人体等との間の結合容量を検出するものである。近接センサの感知対象物には、静電容量式センサの場合は人体、導体等、コンデンサの電極として機能する物体が含まれる。また、赤外線式センサの場合は赤外線を反射する物体が含まれる。
【0108】
操作キーは、比較的小さい力で操作キーを押すことにより、あるいは軽く触れることにより操作(接触操作)を行うことができるものであり、例えば、いわゆるタッチセンサ式の操作キーとすることができる。操作キーを構成するセンサには、例えば、静電容量式センサ、感圧式センサ等を採用することができる。なお、感圧式センサは、例えば、操作キーが押されることによって変形し、抵抗値、静電容量等が変化するものとすることができる。
【0109】
ここで、近接センサに静電容量式センサを採用する場合に、操作キーにも静電容量式センサを採用してもよい。また、操作キーに感圧式センサを採用する場合に、近接センサに赤外線式センサを採用してもよい。
複数の操作キーへの接触操作に対応する処理(操作対応処理)は、例えば、制御装置で実行されるプログラムにおいて操作キーに対応付けられている処理である。具体例としては、操作メニューの選択結果、文字や数字の入力結果等を反映させ、選択されたアプリケーションソフトを起動させたり、画面表示を更新したりすることをいう。
【0110】
一方、操作対応処理の実行を抑止するのは、例えば、操作キーへの接触操作を検知しないようにすること、操作対応処理を実行するプログラムに接触操作の検知結果を通知しないようにすること、操作対応処理を実行するプログラムに操作対応処理の実行禁止指令を行うこと等によって行うことができる。
(2)上記携帯情報端末を、前記2個以上の所定の近接センサは、互いに操作キー1つ分以上の距離を隔て、かつ、それぞれ前記複数の操作キーのいずれかの近傍に配置されている、ものとしてもよい。
【0111】
本項の携帯情報端末は、(i)操作キーの近傍に所定の複数の近接センサを配置することで、操作キーに人体等の感知対象物が近接した状態を検出することができ、(ii)互いに隔てられた所定の複数の近接センサの全てによって人体等の近接が検出された状態において接触操作に対応する処理の実行を抑止することで、通常操作を妨げずに誤入力を防止することができる。
【0112】
したがって、例えば、携帯情報端末がポケットに収納されている場合等、人体等が操作キーに接触して(この例では、衣服を介した接触となる)ユーザの意図しない誤入力が生じ得る状態において、接触操作に対応する処理(以下、操作対応処理という)の実行を抑止し、誤入力を防止することができる。
本項の携帯情報端末では、互いに操作キー1つ分以上の距離を隔てて配置された2個以上の所定の近接センサの全てによって人体等の近接状態が検出されていることが、操作対応処理の実行を抑止する条件とされている。これにより、通常操作(意図的な操作)が行われている場合に、操作対応処理の実行が抑止されて通常操作が妨げられることを防ぐことができる。
【0113】
それは、一般的に、操作キーは一本の指で操作できる大きさにされていることから、例えば、操作キー1つ分以上の距離離間させられた2個の近接センサの両方に、一本の指が近接することはまずないと考えられるためである。このように、より確実に、通常操作時に操作対応処理の実行が抑止されないようにされている。なお、2個の近接センサの離間距離を操作キー2つ分以上の距離としてもよい。
【0114】
ここで、互いに隔てられた2個以上の所定の近接センサの全てによって人体等の近接状態が検出されている状態は、人体のなかで親指よりも面積の大きい部分(顔、胸、掌、太腿等)が一の面に近接しているといった状況である可能性が大きい。このような状況では、操作キーに人体等が接触することにより誤入力が生じやすい状況であるといえる。よって、操作対応処理の実行が抑止され、誤入力が防止される。
【0115】
ここで、操作キー1つ分以上の距離は、例えば、複数の操作キーが行列状に配列しているような場合に、2個の近接センサが縦方向(列と平行な方向)に並べられていれば、それらの離間距離を操作キーの縦方向の長さ寸法以上にすることができる。また、例えば、2個の近接センサが横方向(行と平行な方向)に並べられていれば、2個の近接センサの離間距離を操作キーの横方向の長さ寸法以上にすることができる。さらに、2個の近接センサが行列方向に対して斜めに配置されていれば、例えば、2個の近接センサの離間距離を操作キーの斜め方向の長さ寸法以上にすることができる。
【0116】
なお、操作キー1つ分以上の距離を、例えば、上記縦方向、横方向等において互いに隣合う2つの操作キーの中心間距離以上の距離としてもよい。操作キーの大きさを特定し難い場合に有効である。
各近接センサを操作キーの近傍に配置するために、例えば、近接センサと操作キーとの離間距離を、操作キー1つ分の距離以下にすることができる。また、上記離間距離を、互いに隣合う2つの操作キーの中心間距離以下としてもよい。
【0117】
ここで、操作キー1つ分の距離は、縦長の携帯電話機を例にすると、操作キーと近接センサとが縦方向に並べられている場合に、それらの離間距離を操作キーの縦方向の長さ寸法以下にすることができる。また、例えば、操作キーと近接センサとが横方向に並べられている場合に、それらの離間距離を操作キーの横方向の長さ寸法以下にすることができる。さらに、例えば、操作キーと近接センサとが斜めに配置されていれば、それらの離間距離を操作キーの斜め方向の長さ寸法以下にすることができる。
【0118】
(3)上記携帯情報端末を、前記2個以上の所定の近接センサは、1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む、ものとしてもよい。
本態様では、2個の近接センサが1つ以上の操作キーを挟んで配置されている。よって、2個の近接センサの両方によって近接状態が検出されるのは、人体のなかでも比較的面積の大きい部分(顔、胸、掌等)が、操作キーを覆うように接近している状態であると判断できる。よって、誤入力が発生し易いため、操作対応処理の実行の抑止によって誤入力が防止される。
【0119】
また、2個の近接センサが1つ以上の操作キーを挟んで配置されることで、2個の近接センサの離間距離を十分に確保できる。そのため、通常操作時に2個の近接センサによって近接状態が検出される可能性は非常に低い。したがって、通常操作が行われていない場合に、誤入力を防止することができる。
(4)上記携帯情報端末を、前記2個の近接センサは、前記筐体の平面視における短手方向において1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている、ものとしてもよい。
【0120】
本項の携帯情報端末の筐体は、例えば直方体形状等、長手形状とされている。そして、2個の近接センサが筐体の平面視における短手方向に並んでいることから、ユーザの手や顔によって一の面が短手方向に横切るように覆われている状態を検知することが容易になる。また、2個の近接センサが複数の操作キーを挟み、それぞれ筐体の長辺の近くに位置している場合でも、2個の近接センサの離間距離が過大にならず、誤入力が発生し易い状態を適度に検出することができる。なお、筐体の平面視とは、一の面の法線方向において、筐体を眺める視線である(他の項でも同様である)。また、本項における筐体の短手方向は、筐体の長手方向と直交(直角に交差)し、かつ、一の面に沿う方向とすることができる。
【0121】
(5)上記携帯情報端末を、前記2個の近接センサは、前記筐体の長手方向における中央に配置されている、ものとしてもよい。
本携帯情報端末では、2個の近接センサが、筐体の長手方向における中央に配置されており、例えば、通話時にユーザの顔が操作キーに近接した状態を検出することができる。よって、通話時にユーザの顔が操作キーに接触して生じる誤入力を防止することができる。
【0122】
(6)上記携帯情報端末を、前記2個以上の所定の近接センサは、前記筐体の平面視における短手方向において1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む第1の組合せと、前記筐体の平面視における長辺の一方と前記複数の操作キーからなる操作キー群との間に、前記筐体の長手方向に並べて配置されている2個の近接センサを含む第2の組合せとのいずれかである、ものとしてもよい。
【0123】
本携帯情報端末では、人体等が近接した状態を検出するための2個以上の所定の近接センサの組合せが複数存在する。よって、多様な状況で人体等が近接した状態を検出することが可能であり、効果的に誤入力を防止し得る。なお、上記第1の組合せにおける作用効果は、既に述べたものと同様であるので説明を省略する(前記(3)項、(4)項の説明を参照)。
【0124】
本項の第2の組合せによれば、人体等の表面と一の面とが平行でない場合に、人体等の近接状態を検出することが容易になる。例えば、2つの長辺の一方と人体等との距離が小さく、2つの長辺の他方と人体等との距離が大きい状態で、人体等の近接を検知し、誤入力を防止し得る。このように、第2の組合せによれば、人体等の表面に対し、一の面が筐体の長手方向と平行な軸線回りに傾いている状態で、人体等の近接を検知することが容易になる。
【0125】
なお、第2の組合せに、筐体の長手方向に並べて配置されている2個の近接センサ以外の他の近接センサが含まれる場合には、筐体の短手方向において2個の近接センサと他の近接センサとが近くに配置されていることが望ましい。また、第2の組合せを、前記筐体の長辺の一方と前記操作キーとの間に、前記筐体の長手方向に並べて配置されている2個以上の近接センサのみで構成してもよい。この場合は、人体等の表面に対し、一の面が筐体の長手方向と平行な軸線回りに傾いている状態で、人体等の近接を検知することがさらに容易になる。
【0126】
ここで、筐体の長辺は、一の面を挟む2つの長辺であり、一の面の長辺である場合が多い。また、筐体の短辺は、一の面を挟む2つの短辺であり、一の面の短辺である場合が多い。
第2の組合せにおいて、上記2個の近接センサは、筐体の短辺方向において、筐体の長辺の一方と操作キー群との間に位置していればよく、必ずしも短辺方向において近接センサが長辺の一方と前記操作キー群とに挟まれていなくともよい。
【0127】
ここで、上記2つの長辺の一方と操作キーとの間に配置された複数の近接センサとは別に、2つの長辺の他方の側に2個以上の所定の近接センサの第3の組合せを構成する複数の近接センサを配置してもよい。
ここで、2つの長辺の一方と操作キーとの間に2個の近接センサを配置することで、通常操作時に操作対応処理の実行が抑止されないようにされている。
【0128】
(7)上記携帯情報端末を、前記2個以上の所定の近接センサは、1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む第1の組合せと、前記筐体の平面視における短辺の一方と前記複数の操作キーからなる操作キー群との間に、前記筐体の平面視における短手方向に並べて配置されている2個の近接センサを含む第2の組合せとのいずれかである、ものとしてもよい。
【0129】
本携帯情報端末では、人体等が近接した状態を検出するための2個以上の所定の近接センサの組合せが複数存在する。よって、多様な状況で人体等が近接した状態を検出することができ、効果的に誤入力を防止し得る。
本項の第1の組合せには、筐体の短手方向において1つ以上の操作キーを挟む態様と、筐体の長手方向において1つ以上の操作キーを挟む態様とが含まれる。なお、前者の態様の作用効果は、既に述べたものと同様であるので説明を省略する(前記(3)項、(4)項の説明を参照)。
【0130】
本項の第2の組合せによれば、人体等の表面と一の面とが平行でない場合に、人体等の近接状態を検出することが容易になる。例えば、2つの短辺の一方と人体等との距離が小さく、2つの短辺の他方と人体等との距離が大きい状態で、人体等の近接を検知し、誤入力を防止し得る。このように、第2の組合せによれば、人体等の表面に対し、一の面が筐体の短手方向と平行な軸線回りに傾いている状態で、人体等の近接を検知することが容易になる。
【0131】
なお、第2の組合せに、筐体の短手方向に並べて配置されている2個の近接センサ以外の他の近接センサが含まれる場合には、筐体の長手方向において2個の近接センサと他の近接センサとが近くに配置されていることが望ましい。また、第2の組合せを、前記筐体の短辺の一方と操作キー群との間に、筐体の短手方向に並べて配置されている2個以上の近接センサのみで構成してもよい。
【0132】
第2の組合せにおいて、上記2個の近接センサは、筐体の短辺方向において、筐体の長辺の一方と操作キー群との間に位置していればよく、必ずしも短辺方向において近接センサが長辺の一方と前記操作キー群とに挟まれていなくともよい。
ここで、上記2つの短辺の一方と操作キーとの間に配置された複数の近接センサとは別に、2つの短辺の他方の側に2個以上の所定の近接センサの第3の組合せを構成する複数の近接センサを配置してもよい。
【0133】
ここで、2つの短辺の一方と操作ブロックとの間に2個の近接センサを配置することで、通常操作時に操作対応処理の実行が抑止されないようにされている。
(8)上記携帯情報端末を、さらに、前記一の面に受話部、表示部、及び前記複数の操作キーからなる操作キー群が、この順に並べて配置されており、前記2個以上の所定の近接センサは、前記筐体の平面視における短辺のうち、前記操作キー群に近い方の短辺と前記操作キー群との間に配置されている、ものとしてもよい。
【0134】
本携帯情報端末では、携帯情報端末の上側に受話部が配置され、携帯情報端末の下側の短辺の近くに2個以上の所定の近接センサ(第2の組合せ)が配置される。これにより、例えば、携帯情報端末が胸ポケットに収納された場合などに、携帯情報端末の下部が胸に密着し、上部が胸から離間している状態で、効果的に人体等の近接を検知し、誤入力を防止し得る。
【0135】
(9)上記携帯情報端末を、前記複数の操作キーおよび前記N個の近接センサは、それぞれ静電容量式センサによって構成されている、ものとしてもよい。
本携帯情報端末では、操作キーと近接センサとを同じ方式のセンサによって構成しており、構造をシンプルにすることができる。また、近接センサと操作キーとの感知対象物が同じになるため、効果的に誤入力を防止できる。なお、本携帯情報端末(あるいは、制御装置)に、各操作キー及び各近接センサの静電容量の大きさを示す値を計測する静電容量計測部を設けることができる。
【0136】
(10)上記携帯情報端末を、前記操作キーは、前記感知対象物に含まれる人体の指が接触した状態で接触操作を検出し、前記N個の近接センサは、前記感知対象物との距離が、所定距離の状態から接触状態となるまでの間、近接状態を検出するものであり、前記所定距離は、0mmより大きくかつ5mm以下の値である、ものとしてもよい。
本携帯情報端末では、人体等と接触する前に近接状態を検出することで、より確実に、人体等が操作キーに接触する前に、2個以上の所定の近接センサによって人体等が近接した状態を検出することができる。よって、より効果的に誤入力を防止し得る。
【0137】
ここで、上記所定距離は、感知対象物の平坦な面を一の面に平行にして接近させた場合の値とすることができる。なお、感知対象物を金属等の導電性の部材にしてもよい。さらに、複数種類の厚さのシート(布や樹脂)を介在させた状態で、掌等を近接センサに接触させて、所定距離の大きさを測定してもよい。
(11)上記携帯情報端末を、前記N個の近接センサは、前記筐体の平面視における長手方向と短手方向との少なくとも一方において、前記操作キーよりも長い形状をしている、ものとしてもよい。
【0138】
本携帯情報端末では、近接センサを、操作キーよりも長くすると、通常操作時においてユーザの指に反応し難くなる一方、ユーザの顔等、面積の広い部分の近接を検知することができる。よって、通常操作時に、2個以上の所定の近接センサによって人体等が近接した状態が検出されにくくなり、通常操作が妨げられることを効果的に防ぐことができる。
(12)上記携帯情報端末を、さらに、前記一の面に受話部、表示部、及び前記複数の操作キーが、この順に並べて配置されており、前記一の面には、前記2個以上の所定の近接センサとは別に、少なくともユーザの耳を含む感知対象物の接触又は近接を検出する耳用センサが前記表示部よりも受話部の側に設けられており、前記制御装置は、前記耳用センサによって前記感知対象物の接触又は近接が検出された状態において、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する、ものとしてもよい。
【0139】
本携帯情報端末では、耳用センサを用いることによって、通話時等において受話部がユーザの耳に当てられた状態において誤入力を防止できる。よって、2個以上の所定の近接センサと合わせて、より効果的に誤入力を防止することができる。
(13)本実施形態に係る携帯情報端末の制御方法は、筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーと、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサと、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置とを備えた携帯情報端末を制御する方法であって、前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されているか否かを判定する第1ステップと、前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定された場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0140】
本項の制御方法によれば、従来の携帯情報端末の制御方法では防止できなかった状況下において誤入力を防止し得る。
(14)本実施形態に係るプログラムは、筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーと、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサと、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置とを備えた携帯情報端末を制御する制御処理を実行させるためのプログラムであって、前記制御処理は、前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されているか否かを判定する第1ステップと、前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定された場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0141】
本項のプログラムによれば、前記携帯情報端末と同様に、従来の携帯情報端末を制御する制御処理を実行させるためのプログラムでは防止できなかった状況下において誤入力を防止し得る。なお、本項のプログラムを記録媒体(例えば、非一時的な記録媒体)に保存して頒布等するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明に係る携帯情報端末は、比較的弱い力で、あるいは接触するだけで接触操作可能な操作キーを備えた携帯電話機などとして用いることが有用である。
【符号の説明】
【0143】
100,300,400,500 携帯情報端末
101 筐体
102 前面
102a,b 長辺
103 レシーバ
104 表示部
105 操作キー
106 操作ブロック
110a〜d 近接センサ
200 制御装置
201 通信部
203 通話制御部
207 静電容量計測部
208 計測値レジスタ
210 情報処理部
211 キー操作検知部
213 誤入力防止部
260 指
261,262 電極
280 感知対象物
310 耳用センサ
510a,b 近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーとを備えた携帯情報端末であって、
前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置と、
前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサと
を備え、
前記制御装置は、前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出された状態において、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記2個以上の所定の近接センサは、互いに操作キー1つ分以上の距離を隔て、かつ、それぞれ前記複数の操作キーのいずれかの近傍に配置されている
請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記2個以上の所定の近接センサは、1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む
請求項2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記2個の近接センサは、前記筐体の平面視における短手方向において1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている
請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記2個の近接センサは、前記筐体の長手方向における中央に配置されている
請求項4に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記2個以上の所定の近接センサは、
前記筐体の平面視における短手方向において1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む第1の組合せと、
前記筐体の平面視における長辺の一方と前記複数の操作キーからなる操作キー群との間に、前記筐体の長手方向に並べて配置されている2個の近接センサを含む第2の組合せと
のいずれかである
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記2個以上の所定の近接センサは、
1つ以上の前記操作キーを挟んで配置されている2個の近接センサを含む第1の組合せと、
前記筐体の平面視における短辺の一方と前記複数の操作キーからなる操作キー群との間に、前記筐体の平面視における短手方向に並べて配置されている2個の近接センサを含む第2の組合せと
のいずれかである
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
さらに、前記一の面に受話部、表示部、及び前記複数の操作キーからなる操作キー群が、この順に並べて配置されており、
前記2個以上の所定の近接センサは、前記筐体の平面視における短辺のうち、前記操作キー群に近い方の短辺と前記操作キー群との間に配置されている
請求項7に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記複数の操作キーおよび前記N個の近接センサは、それぞれ静電容量式センサによって構成されている
請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
前記操作キーは、前記感知対象物に含まれる人体の指が接触した状態で接触操作を検出し、
前記N個の近接センサは、前記感知対象物との距離が、所定距離の状態から接触状態となるまでの間、近接状態を検出するものであり、
前記所定距離は、0mmより大きくかつ5mm以下の値である
請求項9に記載の携帯情報端末。
【請求項11】
前記N個の近接センサは、前記筐体の平面視における長手方向と短手方向との少なくとも一方において、前記操作キーよりも長い形状をしている
請求項10に記載の携帯情報端末。
【請求項12】
さらに、前記一の面に受話部、表示部、及び前記複数の操作キーが、この順に並べて配置されており、
前記一の面には、前記2個以上の所定の近接センサとは別に、少なくともユーザの耳を含む感知対象物の接触又は近接を検出する耳用センサが前記表示部よりも受話部の側に設けられており、
前記制御装置は、
前記耳用センサによって前記感知対象物の接触又は近接が検出された状態において、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する
請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項13】
筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーと、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサと、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置とを備えた携帯情報端末を制御する方法であって、
前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されているか否かを判定する第1ステップと、
前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定された場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する第2ステップと
を含むことを特徴とする携帯情報端末の制御方法。
【請求項14】
筐体と、前記筐体の一の面に配置されている複数の操作キーと、前記一の面に配置され、感知対象物が近接している状態であることを検出するN(N≧2)個の近接センサと、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理を実行する制御装置とを備えた携帯情報端末を制御する制御処理を実行させるためのプログラムであって、
前記制御処理は、
前記N個の近接センサのうちの2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されているか否かを判定する第1ステップと、
前記第1ステップにより、前記2個以上の所定の近接センサによって前記感知対象物の近接状態が検出されていると判定された場合に、前記複数の操作キーへの接触操作に対応する処理の実行を抑止する第2ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−49688(P2012−49688A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188214(P2010−188214)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】