携帯機器と連携した車載機器を用いてコンテンツを自動的に投稿するためのシステム
【課題】車内においても、投稿サービスを利用可能とする。
【解決手段】車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムは、携帯機器がネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む。車載機器によって、車両の走行状態に関する情報を取得する。プロファイル情報および該取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する。該作成したコンテンツが投稿サイトに反映されるように、携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する。サーバから携帯機器を介して受信した投稿サイト上のコンテンツを、表示装置上に表示する。
【解決手段】車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムは、携帯機器がネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む。車載機器によって、車両の走行状態に関する情報を取得する。プロファイル情報および該取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する。該作成したコンテンツが投稿サイトに反映されるように、携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する。サーバから携帯機器を介して受信した投稿サイト上のコンテンツを、表示装置上に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を備えるシステムに関し、より具体的には、該車載機器を利用してコンテンツを自動的に投稿するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが電子メールを作成して送信できない状況に対処するため、電子メールを自動的に作成して送信するシステムが提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、所定の位置にてメールの自動送信を行う携帯通信端末が記載されている。この場合、位置情報の履歴に基づいて携帯通信端末の所持者の移動手段の種類を判別し、移動手段の種類に応じたメールを生成し、該メールを自動送信する。
【0003】
また、下記の特許文献2には、問い合わせ電子メールに対して、現在位置、目的地等の移動情報を含む返信電子メールを自動送信する移動通信装置が記載されている。移動通信装置には、GPS受信機等の位置情報取得手段が設けられている。自動返信可否を判定する返信判定ルールと、返信電子メールの内容を規定する返信内容ルールを予め登録しておく。受信電子メールと返信判定ルールとを照合して返信可否を判定し、返信内容ルールに従って移動情報を含む返信電子メールを自動作成し送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243949号公報
【特許文献2】特開2003−308278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近においては、双方向および対多数の通信が志向されてきている。その結果、電子メールだけでなく、たとえばインターネット環境においては、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)のような、コンテンツの投稿をサービスする投稿サービスが普及し始めている。これらの投稿サービスを、車内でも利用したいというユーザニーズは高い。たとえば、携帯機器のユーザが車両に乗車する際に、該携帯機器で利用している投稿サービスを、引き続き車内でも利用したいという要望がある。
【0006】
しかしながら、投稿サービスを介してユーザにより投稿されるコンテンツは、通常、キーボードやそれに類似する入力部を備えた、パーソナルコンピュータや携帯機器で作成されることを前提としており、操作機器が限定され、また操作環境も特殊な車内で、このような投稿サービスを利用することは容易ではない。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を利用してコンテンツを自動的に作成し、車両が走行中であっても、車内のユーザが投稿サービスを安全かつ快適に利用することができる手法を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的の他の一つは、車両から発信されるコンテンツを、ナビゲーション情報として利用したり、複数の車両間で広く共用したりすることができるような手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一つの側面によると、車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムは、前記携帯機器が、ネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む手段と、前記車載機器によって、前記車両の走行状態に関する情報を取得する手段と、前記プロファイル情報および前記取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する手段と、前記作成したコンテンツが前記投稿サイトに反映されるように、前記携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する手段と、前記サーバから前記携帯機器を介して受信した前記投稿サイト上のコンテンツを、前記表示装置上に表示する表示手段と、を備える。
【0010】
この発明によれば、投稿サイトおよび(または)投稿者の特性を規定したプロファイル情報と車両の走行状態から、コンテンツを自動的に作成して、これを投稿サイトに投稿すると共に、該投稿サイトのコンテンツを車載の表示装置上に表示させることができる。たとえば、「○○付近が渋滞」というようなコンテンツを自動的に生成して該投稿サイト上に投稿し、これを閲覧することができる。したがって、車内であっても、投稿サイトへの投稿および閲覧を利用することができる。また、プロファイル情報を用いることにより、投稿サイトに固有の制限や投稿者に固有の特徴を満たすコンテンツを作成することができる。
この発明の一実施形態によると、前記プロファイル情報は、前記携帯機器が前記所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、自動的に作成される。こうして作成されたプロファイル情報を、コンテンツ作成に用いることができる。また、一実施形態によると、プロファイル情報は、前記投稿サイトの特性として、該投稿サイトにコンテンツを投稿する際の制限に関する情報を含むと共に、前記投稿者の特性として、該投稿者によるコンテンツの表現方法に関する情報を含む。
【0011】
投稿サイトは、その種類によって、たとえば投稿するコンテンツの文字数等の制限がある。また、投稿者によって、たとえば常体を使った文体とするのか、敬体を使った文体とするのか等、表現方法が異なる。この発明によれば、このような制限および表現方法をプロファイル情報として規定するので、その投稿サイトおよび投稿者の特徴を満たしたコンテンツを自動的に作成することができる。
【0012】
この発明の一実施形態によると、前記走行状態に関する情報は、前記車両に搭載された所定のセンサからの出力、および、該車両または携帯機器に搭載されたナビゲーション手段によって出力される情報、の少なくとも一方から取得される。
【0013】
車両には、様々なセンサが搭載されることができ、これらのセンサの出力に基づいて、車両がどのような走行状態にあるのかを見極めることができる。したがって、この発明によれば、該走行状態に基づくコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。たとえば、雨滴センサによって雨滴が検出されたならば、雨が降ってきたという趣旨のコンテンツを自動的に生成して投稿することができる。
【0014】
また、ナビゲーション機能は、車両の現在位置、目的地、走行経路等の情報を有している。したがって、この発明によれば、これらの情報に基づいて、たとえば車両が現在どこを走行しているのか等に関するコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。
【0015】
この発明の一実施形態によると、前記投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、ナビゲーション情報として利用可能なコンテンツを抽出し、前記ナビゲーション手段に送る手段を備える。
【0016】
投稿サイトには、様々な投稿者からコンテンツが投稿され、その中には、車両のナビゲーションに役立つ情報も含まれる可能性がある。この発明によれば、このような情報を自動的に抽出して、ナビゲーションの利用に供することができる。これにより、車両の乗員は、リアルタイムに、たとえば交通や天気に関する情報等を取得することができる。
【0017】
この発明の一実施形態によると、前記ナビゲーション手段は、前記抽出されたコンテンツに基づいて生成されたナビゲーション情報を、該ナビゲーション手段に接続される表示装置上に表示すると共に、所定のサーバを経由して他の車両に配信する。
【0018】
この発明によれば、投稿サイトから抽出されたコンテンツに基づくナビゲーション情報を、車両や携帯機器の表示装置上に表示したり、他の車両に配信したりすることができる。したがって、従来のプローブシステムのように、車両間で、たとえば交通や天気に関するナビゲーション情報を共有することができる。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点については、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例に従う、携帯機器と車載機器とが接続された車載処理システムの一形態を示す図。
【図2】この発明の一実施例に従う、車両内における携帯機器の設置の一形態を示す図。
【図3】この発明の一実施例に従う、携帯機器および車載機器を連携して動作させる形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【図4】この発明の一実施例に従う、コンテンツを作成して投稿する形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【図5】この発明の一実施例に従う、(a)プロファイル情報、および(b)テンプレートファイルのデータ例を示す図。
【図6】この発明の一実施例に従う、投稿条件および関連するデータの一例を示す図。
【図7】この発明の一実施例に従う、投稿データのフォーマットの一例を示す図。
【図8】この発明の一実施例に従う、車載機器の表示装置に表示される投稿サイトの内容の一例を示す図。
【図9】この発明の一実施例に従う、投稿サイトから所定のコンテンツを抽出する手法を説明するための図。
【図10】この発明の一実施例に従う、抽出された情報に基づいて生成されるナビゲーション情報の表示の一例を示す図。
【図11】この発明の一実施例に従う、投稿サイトへのコンテンツを作成して投稿するプロセスのフローチャート。
【図12】この発明の一実施例に従う、投稿サイトから所定のコンテンツを抽出するプロセスのフローチャート。
【図13】この発明の一実施例に従う、ナビゲーション情報を生成するプロセスのフローチャート。
【図14】この発明の他の実施例に従う、コンテンツを作成して投稿する形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。まず、図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に従う、携帯機器と連携可能な車載機器を備える車載処理システムの、前提となる概略的な構成を説明する。
【0022】
携帯機器10は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、およびスマートフォンのような、携帯可能であり、かつ情報処理機能および通信機能を備えた端末である。この実施形態では、携帯電話を例として説明する。
【0023】
携帯電話10は、データを表示するディスプレイ(表示画面)11、音および音声(以下、単に音声と呼ぶ)を出力するスピーカ12、および、携帯電話10に備えられたキー(ボタン)のように、ユーザが携帯電話10に何らかのデータ(信号)を入力するための入力操作部13を備えている。
【0024】
携帯電話10は、従来の音声通話機能だけでなく、中央処理装置(CPU)とメモリを有するコンピュータとしての情報処理機能を備えており、図には、それぞれ処理部14および記憶部15として示されている。たとえば入力操作部13によって入力された信号に応じて、記憶部15に記憶されたプログラムが処理部14によって実行され、その情報処理の結果が、ディスプレイ11上に表示され、および(または)スピーカ12を介して音声出力される。
【0025】
携帯電話10は、通信機能を備えており、図には、通信部16および車内通信部17として示されている。通信部16は、アンテナを介して外部のネットワークに接続し、音声通話およびデータ通信のための信号を送受信する機能を備えている。図には、外部のネットワーク31としてインターネットが示されており、通信部16は、インターネット31を経由して外部のウェブサーバ32に接続し、該ウェブサーバ32とデータ通信を行うことができる。
【0026】
また、車内通信部17は、車両に搭載される車載機器20の車内通信部27と、外部接続端子18を介して接続し、該車載機器20とデータ通信のための信号を送受信する機能を備えている。
【0027】
車載機器20は、データを表示する表示画面を有する表示装置21、音および音声を出力するスピーカ22、および該表示画面上に構成されるタッチパネル(タッチパネルディスプレイ)や該車載機器20に備えられた所定のキーなどを介してユーザが該車載機器に何らかのデータ(信号)を入力するための入力操作部23を備えている。表示装置21は、図2に示すように、運転者が視認しかつ操作可能なように、たとえば車両のダッシュボード36に該タッチパネルディスプレイ35とキーやボタン等の入力操作部23が組み込まれるように設置されることができる。なお、入力操作部23には、ステアリングスイッチやマイクロホン(ともに図示せず)を含めることができ、該ステアリングスイッチの操作を介してデータを入力できるようにしたり、該マイクロホンを介して音声データを入力できるようにしてもよい。
【0028】
車載機器20は、中央処理装置(CPU)とメモリを有するコンピュータである電子制御装置(ECU)を備えており、これらが、図には、それぞれ処理部24および記憶部25として示されている。たとえば入力操作部23によって入力された信号に応じて、記憶部25に記憶されたプログラムが処理部24によって実行され、その情報処理の結果が、表示装置21上に表示され、および(または)スピーカ22を介して音声出力される。
【0029】
携帯電話10に設けられた前述の車内通信部17および外部接続端子18に対応して、車載機器20には、車内通信部27および外部接続端子28が設けられている。外部接続端子18と外部接続端子28が互いに接続されることにより、携帯電話10の車内通信部17と車載機器20の車内通信部27は、互いに、所定のプロトコルに従って通信可能なように接続される。
【0030】
たとえば、携帯電話10の外部接続端子18と、車載機器20の外部接続端子28とを、USB(Universal Serial Bus)接続によって接続することにより、車内通信部17および27は互いに通信可能となる。たとえば、図2に示すように、車両のダッシュボード36に所定の挿入口37を設け、該挿入口37の底部に外部接続端子28を設ける。携帯電話10を該挿入口37に設置することにより、外部接続端子18と28とが互いに接続され、これにより、携帯電話10と車載機器20とは通信可能な状態となる。こうして、携帯電話10を、車載機器20と連携して動作可能なように、車載処理システムに一体的に組み込むことができる。
【0031】
代替的に、携帯電話10と車載機器20とを、ブルートゥース(Bluetooth)のような所定の無線通信を介して接続するようにしてもよい。携帯電話10の画面出力については、上記無線通信とは別に、コンポジットやHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の有線通信を用いても良い。
【0032】
車載機器20には、車両の走行状態を検出するための各種のセンサ29が接続されている。該走行状態には、車両の速度、アクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作等の車両自体の走行の状態だけでなく、降雨、外気温、照度等の車両の周辺の状態を含めることができる。該各種のセンサには、後述するように、任意の適切なセンサを含めることができる。
【0033】
一実施形態では、車両には、ナビゲーション装置30が搭載される。この場合、上記の表示装置21は、ナビゲーション装置30用に設置された表示装置とすることができる。ナビゲーション装置30は、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えたコンピュータで実現される。ナビゲーション装置30は、たとえば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS信号を、該ナビゲーション装置30に備えられた通信装置(図示せず)を介して受信し、該GPS信号に基づいて、車両の現在位置を検出する。ナビゲーション装置30は、車両の周辺の地図情報に、該現在位置を示す画像を重畳させて、表示装置21上に表示する。また、表示装置21のタッチパネルを介して、またはキーやボタン等の他の入力操作部23を介して、乗員はナビゲーション装置30に目的地を入力することができる。ナビゲーション装置30は、地図情報を用いて、該目的地までの車両の最適経路を算出し、該最適経路を示す画像を地図情報に重畳させて、表示装置21上に表示することができる。
【0034】
ナビゲーション装置30には、スピーカ22が接続されており、必要に応じて、たとえば一時停止や交差点等の経路案内を行う際に、表示装置21上への表示だけでなく、スピーカ22を介して音または音声によって乗員に知らせることができる。
【0035】
また、一実施形態では、ナビゲーション装置30は、インターネット31等の外部のネットワークに接続するための通信装置(図示せず)を備えており、該ネットワークを介して、ナビゲーションに関する様々なサービスを提供する所定のナビサーバ33に接続可能なように構成されることができる。この場合、上記の地図情報は、ナビゲーション装置30の記憶装置に記憶されることもできるし、該ナビサーバ33に記憶されてもよい。ナビサーバ33に記憶された地図情報を利用する場合、ナビゲーション装置30は、該ナビサーバ33に適宜接続して、車両の現在位置の周辺の地図データを取得し、これを表示装置21上に表示する。また、上記の最適経路の算出を、ナビサーバ33で行ってもよい。この場合、ナビゲーション装置30が、入力された目的地のデータを該ナビサーバ33に送信し、その後、ナビサーバ33によって算出された最適経路のデータを受信し、表示装置21上に表示することができる。
【0036】
また、ナビゲーション装置30は、渋滞、事故、一時停止の案内等の交通に関する情報、車両の現在位置の周辺に関する様々な情報(たとえば、施設や観光等の情報)をナビサーバ33から受信し、これらを、表示装置21上に表示したりスピーカ22を介して出力したりすることができる。最近のナビゲーション機能には、様々なものがあり、この実施形態では、任意の適切なナビゲーション装置を用いることができる。
【0037】
図3は、図1に示す、携帯電話10と連携した車載機器20を備えるシステムによって実現される基本的な通信形態を説明するために、携帯電話10の処理部14および車載機器10の処理部24を機能ブロックで表したものである。これらの機能は、CPUによって実行される。また、データ処理に用いるメモリ115、211が示されており、これらは、記憶部15および25にそれぞれ実現される。なお、外部接続端子18、28は省略されている。
【0038】
携帯電話10には、種々のアプリケーション(適用業務)が実装されている。アプリケーション実行部111は、たとえばユーザによる何らかの入力操作に応じて所望のアプリケーションを実行する際、対応するプログラムを、たとえば記憶部15の不揮発性メモリ(図示せず)から読み出したり、外部のネットワークから取得することにより、実行する。該プログラムによって処理された結果、出力されるべき表示画面のデータおよび(または)音声のデータが生成される。
【0039】
表示画面は、典型的には、テキスト(文字)および画像などのコンテンツと、ウィンドウ、ダイアログボックス、タスクバー、ボタン、チェックボックス、テキストフィールド等のGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)部品とから構成される。プログラム内で、所望のテキストデータを指定する(テキストデータ自体を記述してもよいし、該テキストデータのファイルを記述してもよい)ことにより、該テキストデータを描画することができる。画像データ(たとえば、JPEGのような画像データ)についても同様である。また、各種のGUI部品は、たとえば該携帯電話10に搭載されるOS(オペレーティング・システム)によって予めライブラリとして提供されて記憶部15に記憶されており、プログラム内で所望のGUI部品を指定することによって、該GUI部品を描画することができる。たとえば、Javaのプログラムにおいては、Buttonクラスをプログラムで定義することにより、ボタンというGUI部品を描画することができる。さらに、プログラム内で音声データのファイルを指定することにより、該音声データの再生を実行することができる。
【0040】
アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内で、指定されたテキストおよび画像のデータを描画する命令があれば、それらの描画命令を表示制御部113に出力する。この命令に応じて、表示制御部113は、該指定されたテキストおよび画像のデータを、たとえば記憶部15や外部のネットワークを介して取得し、これを、VRAMのような表示画面用のメモリ115に出力(描画)する。また、アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内に指定されたGUI部品があれば、その描画命令を表示制御部113に出力する。これに応じて、表示制御部113は、指定されたGUI部品を記憶部15から読み込み、これを、メモリ115に出力(描画)する。さらに、アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内で指定された音声データがあれば、該音声データの再生命令を音声制御部114に出力する。音声制御部114は、指定された音声データのファイルを、たとえば記憶部15や外部のネットワークを介して取得する。
【0041】
送受信制御部117は、携帯電話10のアプリケーションに対し、車載機器20というデバイスのドライバとしての役割を果たすように設けられており、その機能はソフトウェアプログラムによって実現されることができる。より具体的には、送受信制御部117は、メモリ115に格納された一画面分のデータから、車載機器20の表示装置21の画面解像度と同じ解像度を有するビットマップデータ(画面データと呼ぶ)を該メモリ115から切り出すと共に、音声制御部114によって取得された音声データのファイルを受け取り、該画面データおよび音声データのファイルを、車内通信部17を介して車載機器20に送信する。
【0042】
好ましくは、送受信制御部117は、画面データ(表示画面)に関する属性情報を表示制御部113から取得し、これを、該画面データと共に、車内通信部17を介して車載機器20に送信する。属性情報は、車載機器20の表示装置21に画面データを出力するに際して、後述する出力制御部213によって使用される情報である。属性情報には、たとえば、アプリケーション(プログラム)の種類、要求される入力操作の数および種類、表示項目の数、表示項目の色、表示される文字数等を含めることができる。表示制御部113は、前述したように、プログラムを実行することにより出力される描画命令に従って、表示画面を構成するコンテンツやGUI部品をメモリ115に出力するので、送受信制御部117は、表示画面の該属性情報を、表示制御部113からの情報に基づいて取得することができる。
【0043】
こうして、画面データとその属性情報、および音声データが、送受信制御部117から、車内通信部17を介して車載機器20に送信される。車載機器20の車内通信部27は、これらを受け取り、画面データおよび音声データを、一時的にメモリ211に記憶すると共に、属性情報を、出力制御部213に渡す。
【0044】
出力制御部213は、受け取った属性情報と、センサ29により検出された車両の走行状態とに基づいて、受け取った画面データおよび音声データの表示装置21およびスピーカ22への出力形態を制御する。この制御は、たとえば、安全性の観点から行われることができる。たとえば、出力制御部213は、属性情報に基づいて、受け取った画面データが、安全性の観点から決められた所定の条件を満たすかどうかを判断する。該所定の条件を満たすならば、該受け取った画面データを、加工することなく、そのまま表示装置21上に出力する。該所定の条件を満たさなければ、該受け取った画面データを、該所定の条件を満たす程度にまで加工処理を施し、該加工処理が施された画面データを、表示装置21上に出力する。該所定の条件を満たす程度にまで加工処理を施すことができないと判断した場合には、該画面データの表示装置21上への出力を禁止する。
【0045】
また、出力制御部213は、音声出力が、該所定の条件を満たすかどうかを判断する。該所定の条件を満たすならば、受け取った音声データをそのまま再生して、スピーカ22を介して出力する。該所定の条件を満たさなければ、該所定の条件を満たす時点まで該出力を時間的に遅延させる。該所定の条件を満たすのが困難と判断した場合には、該音声データのスピーカ22を介しての出力を禁止する。
【0046】
該所定の条件には、たとえば、(1)車両の走行状態(センサ29から得られた車速等)に基づく条件、(2)アプリケーション(プログラム)の処理内容(アプリケーションの種類等)に基づく条件、(3)表示内容(項目数、色等)に基づく条件、(4)音声に基づく条件(音声出力のタイミング等)、を含めることができる。このように、出力制御部213を設けることにより、携帯機器のアプリケーションによって提供されるサービスを、車内のユーザはより安心して享受することができる。
【0047】
車載機器20の表示装置21に上記のようにして表示された画面データには、たとえばキー入力やボタン選択などの入力操作を要求する部分が含まれていることがある。この場合、表示装置21のタッチパネルや所定のキー等の入力操作部23を介して、ユーザは、入力操作を行うことができる。該入力操作に応じた信号は、車内通信部27を介して携帯電話10に送信される。携帯電話10の送受信制御部117は、車内通信部17を介して該信号を受け取り、必要であればアプリケーション実行部111が解釈可能な形態の信号に変換して、該アプリケーション実行部111に渡す。アプリケーション実行部111は、現在実行中のプログラムに従って、該信号に応じた処理を行う。その結果、新たな表示画面を出力する場合には、前述したような処理を経て、画面データが、その属性情報と共に、再び送受信制御部117から車載機器20へと送信される。
【0048】
このように、アプリケーションのプログラム実行は、携帯電話10で行われるが、その結果として生成される表示画面および音声のデータは、車載機器20の表示装置21およびスピーカ22を介して出力される。このとき、携帯電話10のディスプレイ11およびスピーカ12に対する該表示画面および音声の出力については、禁止することができる。たとえば、携帯電話10の処理部14は、車載機器20が接続されたことを検知することにより、表示制御部113および音声制御部114に対し、ディスプレイ11およびスピーカ12への出力を禁止する信号を出力することができる。
【0049】
上記では、携帯機器10と車載機器20の間のデータ通信に関して説明したが、携帯機器10の音声通話機能にも、車載機器20を利用することができる。たとえば、携帯機器10は、車載機器20と接続されたことを検知して、音声通話を行うための音声データの入出力先を、車載機器20に切り換える。そして、携帯機器10によって外部と音声通話の接続がなされたとき、携帯機器10が受信した音声データは、車載機器20に伝えられてスピーカ22を介して出力され、車載機器20の入力操作部23に備えられたマイクロホンを介して入力された音声データは、携帯電話10に伝えられて外部に送信される。こうして、車両の乗員は、ハンズフリーで音声通話を行うことができる。なお、音声通話についても、出力制御部213による制御を介してもよい。
【0050】
以上のように、この実施形態では、携帯電話と車載機器が一体的なシステムを構成し、互いに通信可能なようになっている。本願発明は、このような通信形態を利用し、携帯電話10がインターネット31を介して接続するウェブサーバ32により提供される投稿サイトを、車内で利用可能なようにする手法を提案するものである。具体的には、コンテンツを自動的に作成して所望の投稿サイト上へ投稿する手法を提案する。さらに、該投稿サイトから所定のコンテンツを抽出してナビゲーションに利用する手法を提案する。なお、「コンテンツ」は、投稿サイト上へユーザが投稿する情報を示す。
【0051】
投稿サイトは、サービスプロバイダによって提供される投稿サービスを利用したサイトであり、ユーザが所望のコンテンツについて所定の投稿操作を行うことにより、該コンテンツを、他のユーザが閲覧可能なように該サイト上に表示させることができる。このような投稿サービスの種類として、たとえば、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)等があり、本願発明は、任意の投稿サイトについて適用可能である。
【0052】
図4は、この発明の一実施形態に従う、図1〜図3を参照して説明した構成を利用したコンテンツ投稿システムについて、携帯機器10の処理部14、車載機器20の処理部24、およびナビゲーション装置30を、機能ブロックで表したものである。図1および図3と同じブロックには、同じ符号が付されている。なお、図3を参照して説明した、ドライバとしての役割を果たす送受信制御部117は、ここでは、携帯電話10と車載機器20との間で投稿コンテンツに関するデータを通信する際に、必要なデータ形式の変換等を行う。プロファイル記憶部61、テンプレート記憶部62、および条件記憶部63は、車載機器20の記憶部25に実現される。
【0053】
携帯電話10の投稿サイトアクセス部41は、図3のアプリケーション実行部111が所定のプログラムを起動することによって実現される、インターネット31(図4では省略されている)を介して所望の投稿サイトにアクセスして該サイトのウェブページのデータ(マークアップ文書ファイルのように、ウェブページを構成するデータを含む)を取得する機能をブロックで表したものである。たとえば携帯電話10の入力操作部13または車載機器20の入力操作部23を介して、インターネット31上の所望の投稿サイトへのアクセスを要求するためのユーザ操作が行われたことに応じて、投稿サイトアクセス部41は、通信部16を介してインターネット31に接続し、該投稿サイトを提供するウェブサーバ32にアクセスする。ウェブサーバ32は、該投稿サイトのウェブページのデータを、インターネット31を介して携帯電話10に送信する。投稿サイトアクセス部41は、該受信したデータに基づいて、図3を参照して前述したように表示制御部113を介してメモリ115(図4では省略されている)にウェブページを描画(格納)し、その後、これが、画面データとして送受信制御部117により読み出されて車載機器20に送信される。
【0054】
車載機器20のデータ受信部51は、車内通信部27を介して該画面データを受信し、これを、表示装置21上に表示する。なお、図3を参照して前述した出力制御部213を、データ受信部51と表示装置21の間に設けてもよい。この場合、該画面データと共に、前述したような属性情報がデータ受信部51により受信され、出力制御部213は、該属性情報に基づいて、該画面データの表示装置21上への表示を許可するかどうかを判断し、許可すると判断した場合に、該画面データを表示装置21上に表示する。こうして、携帯電話10を介して取得した所望の投稿サイトのウェブページを、車載機器20の表示装置21上に表示させることができる。
【0055】
次に、コンテンツを自動的に作成して投稿する手法を説明する。最初に、コンテンツの作成に用いられるデータとして、プロファイル情報、テンプレート、および投稿条件があり、これらについて説明する。
【0056】
プロファイル情報は、投稿サイトの特性を規定した情報と、投稿者すなわち携帯電話10のユーザの特性を規定した情報と、のうちの少なくとも一方を含む。
【0057】
投稿サイトの種類によって、投稿するコンテンツに所定の制限が課せられることがある。たとえば、一度に投稿可能な文字数や、投稿可能な文字の種類が制限されることがある。このような制限は、投稿サイトをサービスする業者(サービスプロバイダ)によって、通常、予め決められている。したがって、このような制限を、投稿サイトの特性を規定した情報として、プロファイル情報に予め規定することができる。
【0058】
また、投稿者によって、投稿するコンテンツの表現方法に違いが生じうる。たとえば、投稿者の性別や年齢によって、文体が異なることが多い。また、常体(「だ」、「である」で整える文体)および敬体(「です」、「ます」で整える文体)のいずれの表現を用いるのか、いわゆる顔文字を用いるのか等、投稿者によって好みがある。したがって、コンテンツの表現方法を、投稿者の特性を規定した情報として、プロファイル情報に予め規定することができる。
【0059】
プロファイル情報は、任意の適切なタイミングで、また任意の適切な手法で生成することができる。一実施形態では、プロファイル情報は、プロファイル作成部52によって自動的に作成される。たとえば、携帯電話10による投稿サイトへのアクセスが行われたときに、プロファイル作成部52は、該投稿サイトのサービスの名前と、投稿者のアカウント情報とを要求する信号を携帯電話10に送信し、これに応じて、携帯電話10は、該投稿サイトから該名前とアカウント情報を取得し、これらを、車載機器20に返信することができる。プロファイル作成部52は、該投稿サイトのサービスの名前に基づいて、該投稿サイトに対応する上記のような制限をプロファイル情報に設定すると共に、該アカウント情報に基づいて、上記のような投稿者のプロファイルをプロファイル情報に設定する。
【0060】
たとえば、前述したように、投稿サービス毎に、投稿に関する制限は予め決まっている。たとえば、Twitterという投稿サービスでは、一度に投稿可能な文字数は140以内ということが決められているし、ブログサービスについても、該サービスの提供者によって、文字数が制限されていることがある。したがって、車載機器20の記憶部25に、投稿サービス(の種類)毎に制限に関する情報を予め記憶しておくことができる。その後、上記のように受信した投稿サービスの名前が、たとえばTwitterであれば、該記憶部25にアクセスして、Twitterに対応する制限情報を読み出し、これを、プロファイル情報に設定する。
【0061】
また、Twitterやブログ等の投稿サービスには、アカウント(プロフィール)情報が設定されており、ここには、投稿者名や、性別、年齢、出身地等が記述されていることがある。したがって、上記のように受信したアカウント(プロフィール)情報の内容を、プロファイル情報に設定する。
【0062】
なお、上記では、投稿サービス毎の制限情報を予め記憶部25に記憶しているが、携帯電話10が投稿サイトにアクセスしたときに該携帯電話10を介して該制限情報を取得することができる場合には、このような情報を予め記憶部25に記憶しなくてもよい。
【0063】
上記のようなアカウント情報を取得するのに加え、または該アカウント情報を取得するのに代えて、プロファイル作成部52は、該投稿者によって該投稿サイト上に過去に投稿されたコンテンツを取得し、該投稿者によるコンテンツの表現方法に関する特徴を取得してもよい。たとえば、プロファイル作成部52が、該投稿者のコンテンツを要求する信号を携帯電話10を介してウェブサーバ32に送信することにより、該投稿者によって過去に投稿されたコンテンツを取得することができる。プロファイル作成部52は、該取得したコンテンツの文体を調べ、常体を用いているのか敬体を用いているのかを判断したり、顔文字を使用しているかどうかを判断することができる。判断した結果を、プロファイル情報に設定することができる。
【0064】
こうして作成されたプロファイル情報は、プロファイル記憶部61に記憶される。該プロファイル情報の一例が、図5の(a)に示されている。この例では、 投稿サイトの特性を規定するのに、文字制限フィールドおよび文字種フィールドがあり、この例では、文字数は140字に制限され、文字種はテキストに制限されている。また、投稿者特性を規定するのに、名前、年齢、性別、文体、顔文字フィールドがあり、この例では、A、25歳、女性、常体、顔文字使用と規定されている。この例では、アカウント情報から、性別および年齢が取得され、過去の投稿コンテンツから、常体および顔文字使用が判断されて、プロファイル情報として規定されている。なお、アカウント情報から、たとえば文体および顔文字フィールドについて自動的に値を設定するようにしてもよい。たとえば、女性で所定年齢以下であれば、文体を常体とし、顔文字を使用可とし、女性で所定年齢以上であれば、文体を敬体とし、顔文字を使用不可とすることができる。
【0065】
この実施形態では、上記のように、プロファイル情報を自動的に作成しているが、代替的に、たとえばユーザによる入力操作を介して、プロファイル情報を作成するようにしてもよい。該プロファイル情報の作成に際して、予め用意されたひな形のプロファイル情報を使用してもよい。また、一旦作成されたプロファイル情報を、ユーザが、変更することができるようにしてもよい。たとえば、プロファイル情報の作成または変更画面上にて、該プロファイル情報を作成または変更することができ、これは、車載機器20の表示装置21上で行ってもよいし、携帯電話10のディスプレイ11上で行うようにしてもよい。
【0066】
なお、アクセスする投稿サイトが複数ある場合、プロファイル情報は、投稿サイト毎に作成することができる。
【0067】
次に、自動投稿するコンテンツの文例を規定したテンプレートについて説明する。各種のテンプレートは、テンプレートファイルとしてテンプレート記憶部62に記憶される。所望の内容のテンプレートを任意の数だけ予め作成して記憶しておくことができるが、テンプレートファイルは、プロファイル情報毎に記憶されるのが好ましい。プロファイル情報の内容によって、各テンプレート(文例)の文体や文字数等が異なるからである。
【0068】
この実施形態では、プロファイル情報が、プロファイル作成部52によって自動的に作成されるため、該プロファイル情報が作成されたときに、プロファイル作成部52によって、該作成したプロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが、該プロファイル情報に関連づけられる。たとえば、予め用意されたいくつかのテンプレートファイルのうち、該作成したプロファイル情報の内容に最も沿った文例を持つと判断したテンプレートファイルを、該プロファイル情報に関連づけて記憶することができる。あるいは、ひな形のテンプレートファイルを、該作成したプロファイル情報の内容に沿った文例となるよう修正し、該修正したテンプレートファイルを、該プロファイル情報に関連づけて記憶することができる。
【0069】
こうして、たとえば文字制限が所定数以下であり、文体が常体であり、顔文字が使用可というプロファイル情報に対して、各テンプレートについて文字数が所定数以下であり、常体かつ顔文字使用の文体で定義される1つのテンプレートファイルが関連づけられる。
【0070】
ここで、図5の(b)を参照すると、テンプレートファイルの一例が示されており、これは、図5の(a)のプロファイル情報用のものとなっている。この例では、第1〜第4のテンプレートが定義されており、テンプレートによっては、“変数”を含むものがある。変数には、後述するように、情報取得部53によって取得されたデータが設定される。
【0071】
どのテンプレートファイルが用いられるのかを予めユーザが確認できるようにしてもよい。たとえば、ユーザからの何らかの入力操作に応じて、現在設定されているプロファイル情報用のテンプレートファイルの内容をユーザに示すことができる。ユーザが、テンプレートファイルの内容を参照して、その文体を変更できるようにしてもよい。
【0072】
次に、コンテンツを投稿するための条件について説明する。該条件は、予め設定され、条件記憶部63に記憶される。各条件には、該条件が満たされたときに自動投稿されるコンテンツの基となるテンプレート、該テンプレートに挿入される変数、および、後述するメタデータ(属性情報)に設定されるパラメータが、関連づけられて規定される。
【0073】
図6に、該条件と関連データの一例を示し、これは、図5の(b)のテンプレートファイルに対応している。たとえば、第1の条件は、ナビゲーション装置で目的地が設定され、かつ走行が開始されること、である。第1の条件には、第1のテンプレートが関連づけられており、これは、第1の条件が満たされたときに第1のテンプレートを使用することを示している。第1の条件の変数は、目的地名である。したがって、第1の条件が満たされたときには、目的地名を取得して、該第1のテンプレートの変数に設定することとなる。さらに、第1の条件には、destinaというパラメータが関連付けられており、これは、第1の条件が満たされたときに作成される投稿データのメタデータ中に、destinaというパラメータを設定することを示す。
【0074】
ここで、各パラメータの意味を説明すると、destinaには、目的地名が設定される。locationには、車両の現在位置のデータ(たとえば、緯度および経度で表される)が設定される。arriveには、目的地に到着した場合にONが設定される。rainには、降雨中である場合にONが設定される。jamには、渋滞中である場合にONが設定される。
【0075】
図4に戻り、上記のプロファイル情報、テンプレートファイル、および投稿条件を用いて、どのように投稿コンテンツを作成するかについて説明する。
【0076】
情報取得部53は、車両に搭載された所定のセンサ29の出力を定期的に取得する。前述したように、該センサ29には、車両の走行状態を検知するための任意のセンサを含めることができ、たとえば、車両自体の走行の状態を把握するため、車両に搭載されたワイパーが動作しているかどうかを検知するセンサ、車両のブレーキペダルが操作されたかどうかを検知するセンサ、車両のアクセルペダルが操作されたかどうかを検知するセンサ、車両のパーキングブレーキが動作しているかどうかを検知するセンサ、車両の車速を検知するためのセンサ等を含めることができる。さらに、車両の周辺の状態を把握するため、雨が降っていることを検知するための雨滴センサ、車両の周辺の外気温を検知するための外気温センサ、車両の周辺の照度を検知するための照度センサ、等を含めることができる。
【0077】
また、情報取得部53は、ナビゲーション装置30から、定期的に所定の情報を取得することができる。図には、該所定の情報を送出する機能を、情報送出部71として表している。所定の情報には、任意のものを含めることができるが、この実施形態では、少なくとも、車両の現在位置の情報が含まれる。また、前述したように目的地が入力されたならば、該目的地に関する情報も、所定の情報として取得されることができる。
【0078】
条件判定部54は、情報取得部53によって定期的に取得されたセンサ29からの出力およびナビゲーション装置30からの情報を監視し、該センサ29の出力およびナビゲーション装置30からの情報が、条件記憶部63に記憶されたいずれかの条件を満たしたならば、投稿データ作成部55に、該満たした条件の番号を知らせると共に、該条件に関連づけて規定された変数の内容(データ)とパラメータ名を渡す。たとえば、図6に示すように、第1の条件が満たされたならば、条件判定部54は、該第1の条件が満たされたことを投稿データ作成部55に知らせると共に、目的地名のデータと、対応するパラメータdestinaを渡す。
【0079】
それに応じて、投稿データ作成部55は、投稿データを作成する。該投稿データのフォーマットの一例を、図7の(a)に示す。投稿データは、IDフィールドおよび本文フィールドを有しており、好ましくは、これに、メタデータのフィールドが付加される。
【0080】
IDフィールドは、投稿サイトへ投稿する者の識別子(ID)を設定するフィールドである。本文フィールドは、コンテンツの内容を設定するフィールドである。メタデータフィールドは、該投稿データの属性情報としてのメタデータが設定されるフィールドである。
【0081】
この実施形態では、メタデータには、所定の車両情報が埋め込まれ、このフォーマットの一例が、図7の(b)に示されている。車両情報であることが、”carinfo”によって示されている。車両情報carinfoには、複数のパラメータとその値(データ)を記述することができるようになっており、このパラメータ名の一例が、図6のパラメータフィールドで示されている。
【0082】
投稿データ作成部55は、投稿データのIDフィールドに、プロファイル情報に規定された投稿者名のデータを設定する。また、投稿データ作成部55は、該プロファイル情報用のテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出し、該テンプレートファイルのうち、該条件に対応するテンプレートを読み出す。さらに、読み出した該テンプレート中に変数があれば、該変数に、条件判定部54から受け取ったデータを挿入して、コンテンツを作成する。作成したコンテンツが、本文フィールドに設定される。さらに、投稿データ作成部55は、条件判定部54から受け取ったパラメータに、対応するデータ(値)を設定して、メタデータフィールドに設定する。
【0083】
なお、この実施形態では、プロファイル情報毎にテンプレートファイルが予め規定されているが、複数のプロファイル情報がある場合には、1つのテンプレートファイルを共用してもよい。この場合、投稿データ作成部55は、条件に合致したテンプレートに基づいてコンテンツを作成した後、今回使用するプロファイル情報の内容に従って、該コンテンツを修正することができる。
【0084】
たとえば、テンプレートを常体で予め規定しておき、プロファイル情報に敬体が規定されていれば、該作成したコンテンツ(常体)を、敬体に修正することができる。この場合、たとえば、「○○へ出発!」というコンテンツは、「○○へ出発です!」に修正される。また、たとえば変数にデータが挿入されることによって、プロファイル情報に規定された文字数を超えた場合には、コンテンツの一部を削除し、もしくは2つのコンテンツに分割して、各コンテンツが該文字数内となるよう修正することができる。
【0085】
投稿データ作成部55は、こうして生成した投稿データを、通信部27を介して携帯電話10に送信する。携帯電話10の投稿サイトアクセス部41は、受け取った該投稿データを、インターネット31を経由してウェブサーバ32に送信する。ウェブサーバ32では、該投稿データを受け取り、IDフィールドに設定された投稿者名で、本文フィールドに設定された内容を、投稿サイト上に反映させる。こうして、該投稿者名でコンテンツが投稿サイトに投稿される。更新された投稿サイトのウェブページのデータは、携帯電話10に送信される。これは、携帯電話10または車載機器20からの要求に応じて行われてもよい。投稿サイトアクセス部41は、受け取った更新後のウェブページの画面データを、通信部17を介して車載機器20に送信する。前述したように、これは、データ受信部51によって受信され、表示装置21上に表示される。
【0086】
ここで、具体的なコンテンツ作成の一例を、図8を参照して説明する。この例では、図5の(a)のプロファイル情報、図5の(b)のテンプレートファイル、および図6の投稿条件を用いている。また、センサ29として、降雨を検知する雨滴センサ、パーキングブレーキの動作を検知するセンサ、および車両の速度を検知する車速センサを用いている。ナビゲーション装置30からは、車両の現在位置情報を定期的に取得すると共に、目的地の情報、および車両が該目的地に到着したとの情報を取得するものとする。
【0087】
図には、一時に投稿可能な文字数が比較的小さい簡易投稿サイト(たとえば、Twitter)の表示例が示されており、この中の、コンテンツ301〜304が、投稿データ作成部55によって自動的に作成され投稿されたコンテンツであり、投稿者名は「A」となっている。コンテンツ305は、投稿者Aが、手動で(すなわち、自動投稿ではなく)投稿したコンテンツを示す。他のコンテンツは、他者から投稿されたコンテンツである。
【0088】
コンテンツ301〜304が、どのように投稿されたかを、具体的に説明していく。
【0089】
携帯電話10を介して投稿サイトへのアクセスが行われたことに応じて、車載機器20の表示装置21上には、該投稿サイトのウェブページが表示される。プロファイル作成部52は、前述したように、該投稿サイトの特性および投稿者の特性に基づいてプロファイル情報を作成し、プロファイル記憶部61に記憶する。
【0090】
情報取得部53は、前述したように、所定時間間隔で、雨滴センサ、車速センサ、パーキングブレーキの動作を検知するセンサの出力、およびナビゲーション装置30からの情報を取得している。
【0091】
車両内において、ナビゲーション装置30に、目的地名として「宇都宮」が入力され、パーキングブレーキが解除されて車両の走行が開始されたとする。情報取得部53によって、目的地名「宇都宮」というデータと、パーキングブレーキが解除されたとのデータが取得される。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第1の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、目的地名として「宇都宮」というデータと、対応するパラメータdestinaを渡す。
【0092】
投稿データ作成部55は、プロファイル記憶部61に記憶されたプロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出すと共に、該ファイルから、第1の条件に対応する第1のテンプレートを読み出し、該第1のテンプレートの変数に、条件判定部54から受け取った「宇都宮」というデータを設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、メタデータフィールドに、carinfo->”destina=宇都宮”を設定して投稿データを生成し、これを、携帯電話10に送信する。
【0093】
前述したように、携帯電話10からウェブサーバ32に送信される該投稿データは、投稿サイト上に反映される。更新後の投稿サイトのウェブページの画面データは、携帯電話10を介して車載機器20に送られ、表示装置21上に表示される。こうして、表示装置21上に、コンテンツ301が表示される。
【0094】
その後、情報取得部53によって、雨滴センサによって雨滴が検出されたとのデータが、車両の現在位置情報と共に取得されたとする。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第2の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、車両の現在位置情報(たとえば経緯度情報によって表され、この例では「xxxxN yyyyE」とする)と、パラメータlocationおよびrainを渡す。
【0095】
なお、図6に示すように、第1の条件については、変数フィールドに規定された変数「目的地名」と、パラメータフィールドに規定された「destina」は、同じものを示すので、変数のデータ(たとえば、「宇都宮」)を投稿データ作成部55に渡せばよいが、第2の条件については、変数フィールドには何も規定されておらず、パラメータフィールドには「location」が規定されている。この場合、変数として規定されていなくても、条件判定部54は、パラメータlocationのデータすなわち現在位置情報を、投稿データ作成部55に渡すこととなる。
【0096】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第2の条件に対応する第2のテンプレートを読み出すことで、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータlocationに、受け取った車両の現在位置情報を設定し、パラメータrainに、”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”location= xxxxN yyyyE”,“rain=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ302が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示されることとなる。
【0097】
その後、情報取得部53によって、所定距離内で発進および停止を所定回数以上繰り返す現象が検知され、車両の現在位置情報が取得されたとする。該現象は、車速等を監視することによって検知されることができる。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第3の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、現在位置情報(「zzzzN wwwwE」とする)と、パラメータlocationおよびjamを渡す。
【0098】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第3の条件に対応する第3のテンプレートを読み出し、該第3のテンプレートの変数に、現在位置情報に対応する地名(通り名や交差点名を含む)を設定し、コンテンツを作成する。ここで、現在位置情報に対応する地名は、たとえばナビゲーション装置30が使用する地図情報に基づいて求めることができる。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータlocationに、受け取った車両の現在位置情報を設定し、パラメータjamに、”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”location= zzzzN wwwwE”,”jam=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ303が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示される。
【0099】
その後、情報取得部53によって、車両が目的地に到着したとの情報が取得されたとする。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第4の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55にその旨を知らせると共に、目的地名である「宇都宮」というデータと、パラメータarriveを渡す。
【0100】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第4の条件に対応する第4のテンプレートを読み出し、該第4のテンプレートの変数に「宇都宮」を設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータarriveに”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”arrive=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ304が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示される。
【0101】
このように、コンテンツ301〜304は、車両の情報を利用して自動投稿される。図に示すように、自動投稿の場合には、”自動投稿”という表示を付してもよい。たとえば、メタデータフィールドにcarinfoという車両情報が付加されている場合には、自動投稿と判断して、このような表示を付すことができる(たとえば、投稿サイトを提供するサービスプロバイダ側でこのような表示を付すことができる)。その後、Aさんは、手動でコンテンツ305を投稿したことが示されているが、これには、自動投稿の表示は付されていない。
【0102】
こうして、車両の走行状態に応じたコンテンツを自動的に作成して投稿サイトに投稿することができる。したがって、車内においても、投稿サイトを利用することができる。また、投稿サイトに参加しているユーザ間で、情報を共有することが可能となる。たとえば、コンテンツ302は、渋滞を知らせるコンテンツであるが、これを、B〜Eさんの間で共有することができる。
【0103】
図8の表示例では、メタデータは非表示となっているが(しかしながら、該投稿サイトを提供するサービスプロバイダの投稿コンテンツのファイルには格納されている)、該メタデータをサイト上に表示するようにしてもよい。メタデータを用いることにより、該投稿サイトを利用するユーザは、たとえば投稿サイト上でのグルーピングを容易に行うことができる。たとえばTwitterなどでは、コメント(コンテンツ)にハッシュタグ#を付加して投稿することにより、グルーピングを簡単に行うことができるようになっている。たとえば、ユーザが、或る興味のある話題について付される特定のハッシュタグを検索することにより、該話題に関するコンテンツのみを容易に抽出することができる。これと同様に、メタデータを自動的に付加して投稿することにより、carinfoが付加されたコンテンツをグルーピングすることができる。ユーザは、carinfoが付加されたコンテンツのみを検索して、車両情報のみをまとめて閲覧することができる。また、メタデータ中のパラメータ毎の検索を行うことにより、車両情報のうちの特定の情報についてのみ閲覧することもできる。たとえば、jamというパラメータが付加されたコンテンツのみを抽出して閲覧することにより、渋滞がどこで起こっているかを見極めることができる。
【0104】
図8を参照して説明した形態は一例であり、使用されるセンサや条件は、任意に設定することができる。たとえば、第1の条件に規定される走行開始の検知に用いるセンサは、パーキングブレーキに限定されるものではなく、車速センサを用いてもよい。また、第2の条件を判断するのに、雨滴センサに代えて、ワイパーが動作したかどうかを検知するセンサで行ってもよい。さらに、雨滴センサ等で降雨が検知され、かつ外気温センサによって外気温が零度以下と感知された場合には、雪が降り出したと判定してもよい。雪が降り出したことを表現するテンプレートを予め用意しておいてもよい。また、第3の条件を判断するのに、車速センサに代えて、ブレーキペダルの動作を検知するセンサを用いてもよい。この場合、第3の条件を、所定時間または所定距離内にブレーキペダルを押す頻度が所定回数以上であることとしてもよい。
【0105】
さらに、雨滴センサ等によって雨滴が検知されなくなったとき、すなわち雨がやんだときには、その旨のコンテンツを投稿するように、テンプレートを用意してもよい。この場合、メタデータのパラメータrainに、”OFF”を設定することができる。同様に、所定距離内での発進・停止の所定回数以上の繰り返しが解消されたとき、すなわち渋滞が解消されたときには、その旨のコンテンツを自動投稿するように、テンプレートを用意してもよい。この場合、メタデータのパラメータjamに、”OFF”を設定することができる。
【0106】
さらに、第1の条件は、目的地が入力されることと、走行開始との2つの条件を含んでいるが、後者のみを必須の条件としてもよい。投稿データ作成部55は、走行開始が検出された際に目的地が入力されていなければ、テンプレート中の“(変数)へ”を削除して、コンテンツを作成することができる。
【0107】
上記の実施形態では、条件が満たされると自動的に投稿が行われるが、代替的に、投稿データを携帯電話10に送信する前に、作成されたコンテンツをスピーカ22を介して出力し、ユーザの確認を要求してもよい。ユーザは、該コンテンツの内容を聞いた上で、何らかの入力操作を介して(たとえば、音声入力でもよいし、何らかのスイッチに対する入力操作でもよい)、投稿の許可および禁止を決定することができる。また、ユーザが、条件毎に、対応するコンテンツの投稿を許可するか否かを予め設定できるようにしてもよい。たとえば、何らかの操作画面で、条件ないしテンプレート毎に、ユーザが、自動投稿を許可するか否かを設定できるようにしてもよい。
【0108】
次に、投稿されたコンテンツをナビゲーション機能に利用する手法について説明する。
【0109】
図4に戻り、コンテンツ抽出部56は、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、上記のメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。任意の適切な手法で、コンテンツを抽出することができる。
【0110】
一実施形態では、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイトのウェブページをウェブサーバ32から受信する際に、該ウェブページに含まれるメタデータ付きコンテンツのファイルも共に受信する。携帯電話10の送受信制御部117は、前述したように該ウェブページの画面データを車載機器20に送信する際に、一緒に、該コンテンツのファイルを車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信された該コンテンツのファイルを調べ、メタデータ付きのコンテンツを抽出する。
【0111】
代替的に、該画面データの送信とは別個(非同期)に、メタデータ付きのコンテンツのファイルを車載機器20に送信してもよい。たとえば、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイト上のコンテンツの最新のファイル(たとえば、最新の1画面分のコンテンツのファイル、最新の所定件数のコンテンツのファイル、または現時点から所定時間内に投稿されたコンテンツのファイル)を、ウェブサーバ32から定期的に受信し、これを、送受信制御部117を介して車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信されたコンテンツファイルを調べ、メタデータ付きコンテンツを抽出する。
【0112】
なお、さらなる代替として、メタデータが投稿サイト上で表示されている場合には、データ受信部51によって受信される画面データを調べ、carinfoのメタデータが付加されているコンテンツを抽出するようにしてもよい。
【0113】
抽出対象とするコンテンツを時間的に制限することができる。たとえば、コンテンツ抽出部56は、現在の時間から所定時間以内に投稿されたコンテンツのみを抽出することができる。これにより、後述するナビ情報の新鮮さを保つことができる。
【0114】
こうして、自車両から自動投稿されたコンテンツだけでなく、他車両において自動投稿されたコンテンツも抽出される。抽出されたメタデータ付きコンテンツは、ナビゲーション装置30に送られる。
【0115】
ナビゲーション装置30のナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータ付きコンテンツに基づいて、ナビ情報を生成する。ナビ情報は、位置と、該位置に関連づけられた所定の情報と、を含む。この実施形態では、該所定の情報は、渋滞情報と降雨情報である。
【0116】
したがって、ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにrain=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。rain=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では降雨中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”rain=ON”,”location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN,yyyyE」に、降雨という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0117】
渋滞についても同様のことが行われる。ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにjam=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。jam=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では渋滞中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”jam=ON”,“location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN yyyyE」に、渋滞という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0118】
ナビ情報は、ナビゲーション装置30によって、車両の乗員にその内容を知らせるのに任意に使用されることができる。
【0119】
一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73が、ナビ情報を、表示装置21および(または)スピーカ22を介して出力することができる。さらに、ナビ情報表示/配信部73は、該ナビ情報を、地図データ上に視覚的に表示させることができる。すなわち、降雨中および渋滞中という情報を、表示装置21上に表示される地図データ上の対応する位置に、視覚的に表示する。こうして、地図データを視認する乗員に、渋滞ないし降雨がどの場所で生じているかを知らせることができる。
【0120】
さらに、一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73は、ナビ情報を、ナビサーバ33に送信することができる。ナビサーバ33は、該サーバ33に接続している他の車両に対し、該ナビ情報を配信することができる。配信範囲を、該ナビ情報の位置(locationパラメータから得られた位置)の周辺に存在する他の車両に制限してもよい。該他の車両では、受け取ったナビ情報を、該車両内の表示装置ないしスピーカを介して出力することができる。
【0121】
ここで、配信先である「他の車両」は、より正確には、該サーバ33に接続しているナビゲーション装置を示しており、該ナビゲーション装置は、いわゆる車載専用に搭載された装置でもよいし、ナビゲーション機能を備えている携帯機器でもよい。
【0122】
いわゆるプローブ情報システムは、各車両をセンサに見立てて情報を収集し、加工し、配信するシステムとして知られているが、上記の実施形態によれば、このような専用システムを利用しなくとも、投稿サイトを利用して、簡単かつ安価に、車両情報を共有するネットワークを構築することができる。
【0123】
ここで、具体的なコンテンツ抽出とその表示の一例を、図9および図10を参照して説明する。
【0124】
図9には、所定の簡易投稿サイトに投稿された投稿データの内容、すなわち、該投稿サイトを提供するウェブサーバ32に格納されるコンテンツファイルの内容の一例を示している。
【0125】
この例において、「Aさん」が投稿者であるコンテンツ401は、自車両から自動投稿されたものであり、コンテンツ402〜404は、他車両から自動投稿されたものである。
【0126】
コンテンツ抽出部56は、前述したように、carinfoというメタデータが付加されているコンテンツを抽出する。この例では、コンテンツ401は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、jam=ONとlocationのデータから、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中ということを示すナビ情報を生成する。
【0127】
同様に、コンテンツ402および403は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72により、コンテンツ402からは、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中というナビ情報が生成され、コンテンツ403からは、位置”zzzzN, wwwwE”において渋滞中というナビ情報が生成される。なお、コンテンツ402と403の間のCさんの投稿コンテンツは、メタデータが付加されていないため、抽出されない。
【0128】
コンテンツ404は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、rain=ONとlocationのデータから、位置”uuuuN vvvvE”において降雨中ということを示すナビ情報を生成する。
【0129】
ナビ情報表示/配信部73は、こうして生成されたナビ情報を、表示装置21上に表示する。図10は、該表示の一例を示す。表示装置21上には、地図データが表示されている。ナビ情報表示/配信部73は、コンテンツ401および402から抽出された位置情報に対応する位置(第1の位置)に、符号411に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ403から抽出された位置情報に対応する位置(第2の位置)に、符号412に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ404から抽出された位置情報に対応する位置(第3の位置)に、符号413に示すように、降雨を表すアイコンを重畳表示する。このようなアイコンの重畳表示により、車両の乗員は、どの場所で渋滞および降雨情報が発せられているかを、視覚的に認識することができる。
【0130】
また、この実施形態では、位置毎のコンテンツの投稿数が多いほど、アイコンの大きさを大きくしている。この例では、第1の位置に関するコンテンツ数は2であり、第2の位置に関するコンテンツ数は1であるので、第1および第2の位置には、渋滞を表す同じアイコンが表示されるものの、その大きさは、前者の方が後者よりも大きい。一般に、同じ趣旨のコンテンツを投稿している者が多いほど、その情報の信頼性は高い。したがって、このような表示形態を取ることにより、情報の信頼性を乗員に知らせることができる。
【0131】
なお、アイコンの大きさは、対応するコンテンツ数が多くなるほど、除々に大きくしてもよいし、該コンテンツ数が所定値以下の場合には小さいアイコンとし、所定値より多い場合には大きいアイコンとしてもよい。
【0132】
好ましくは、各アイコンには、対応するコンテンツが関連づけられる。この場合、各ナビ情報を生成する際に、対応するコンテンツを該ナビ情報に関連づけて記憶しておけばよい。こうして、たとえばアイコン411を選択すると、該アイコン411に対応するコンテンツ401および402が読み出されて表示される。これにより、ユーザは、渋滞情報を発したコンテンツの内容を閲覧することができる。
【0133】
さらに、この例では、ナビ情報表示/配信部73は、画面の上部に、テロップ415を表示する。テロップ415は、渋滞に関する情報を文字で表したものである。たとえば、ナビ情報には、位置と、該位置において渋滞中という情報が含まれているので、「○○で渋滞中」(○○には、位置に対応する地名が挿入される)という文を作成して、テロップ415として表示することができる。該テロップ表示により、渋滞のより詳しい情報を表示することができる。
【0134】
該テロップ415中の渋滞情報は、コンテンツ数が多い順番で表示されるのが好ましい。この例では、第1の位置のコンテンツ数が、第2の位置のコンテンツ数よりも多いため、第1の位置のアイコンに「1」という数字を付して、テロップ415の1番目に、第1の位置の渋滞情報を表示している。次に、第2の位置のアイコンに「2」という数字を付して、テロップ415の2番目に、第2の位置の渋滞情報を表示している。
【0135】
なお、或る場所で渋滞ないし降雨が発生して、これに関するコンテンツが複数の車両から投稿されても、locationパラメータに設定されている位置は経緯度情報で表されるため、実際には互いに異なることが多い。したがって、locationパラメータによって示される位置が属する場所の地名、通り名、交差点名等が同じであれば、同じ場所の渋滞情報を示すと判断するのがよい。こうして、図10のアイコン411に示すように、2つのコンテンツのlocationパラメータで示される位置が、○○交差点付近に属する場合には、該2つのコンテンツは同じ場所の渋滞情報を示していると判断して、第1の位置のアイコンに、該2つのコンテンツを関連づけることとなる。
【0136】
こうして、車両の周辺に関連する投稿コンテンツを、地図データ上でまとめて表示することができる。なお、ナビサーバ33によってナビ情報が配信されたならば、該配信されたナビ情報に基づいて、該配信先のナビゲーション装置の地図情報を用いて、図10のような表示を行うようにすることもできる。該配信には、各ナビ情報に対応するコンテンツを含めてもよい。
【0137】
上記の実施形態では、メタデータ付きのコンテンツを対象に抽出しており、該メタデータ付きコンテンツは、自動投稿されたものである。代替的に、手動で、メタデータをコンテンツに記述して投稿してもよく、この場合にも、該メタデータ付きコンテンツを抽出してナビ情報に用いてもよい。
【0138】
さらに、上記のようなメタデータが付加されていないコンテンツについても抽出できるようにしてもよい。たとえば、コンテンツを投稿する際、自動的に現在位置情報を付加する機能を提供するサービスがある(たとえば、ランブリンと呼ばれるサービス)。このようなサービスを提供する投稿サイトの場合には、上記のようなlocationというパラメータは必要とされない。したがって、コンテンツ抽出部56は、このような現在位置情報が自動的に付加される投稿サイトの場合には、たとえば、「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。こうして抽出された、現在位置情報付きのコンテンツに基づいて、上記のようなナビ情報を生成してもよい。
【0139】
また、上記のような投稿サービスには、所望の場所(スポット)に対してコンテンツを投稿するような機能もあり、該スポットに投稿されたコンテンツのみを閲覧することができる機能もある。このような機能を利用して、たとえばコンテンツ抽出部56は、携帯電話10を介して、車両の進行路上の或る場所(現在位置およびその周辺だけでなく、目的地や、ナビゲーション機能によって算出された最適経路上の任意の場所等を含むことができる)に対して投稿されたコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得する。該取得したコンテンツから、上記のように、「渋滞」や「雨」等のキーワード検索によって、渋滞ないし降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。
【0140】
さらに、上記のような投稿サービスにおいては、地図データも共に提供されることが多いため、ナビ情報を表示するのに、該投稿サービスから提供される地図データを用いてもよい。この場合、携帯電話10を介して該地図データを取得し、車載機器20において、上記のようなナビ情報を、該地図データ上に、たとえばアイコンによって重畳表示することができる。
【0141】
なお、上記の渋滞および降雨の情報は、ナビ情報として利用する情報の一例であり、他の様々な情報を、ナビ情報として利用できるようにしてもよい。また、それに応じて、メタデータのパラメータの種類を増やすようにしてもよい。
【0142】
図11は、この発明の一実施形態に従う、車載機器20の処理部24によって実行される、コンテンツ作成投稿プロセスのフローチャートである。該プロセスは、所定の時間間隔で実行されることができる。
【0143】
ステップS11において、携帯電話10を介して所定の投稿サイトにアクセスしているかどうかを判断する。前述したように、携帯電話10が車載機器20に接続されて、該携帯電話10から、該投稿サイトのウェブページのデータを受信したとき、この判断はYesとなり、ステップS12に進む。そうでなければ、当該プロセスを抜ける。
【0144】
ステップS12において、該アクセスした投稿サイトおよび投稿者(携帯電話10の所有者)について、プロファイル情報が作成されているかどうかを判断する。車両のイグニションをオンにした後に該投稿サイトに最初にアクセスするときには、ステップS12の判断はNoであるので、ステップS13において、前述したように、たとえばアクセスした投稿サイトから、その名前(投稿サービスの名前でもよい)とアカウント情報を取得し、投稿サイトの特性および(または)投稿者の特性からなるプロファイル情報を作成し、プロファイル記憶部61に記憶する。該作成したプロファイル情報には、前述したように、該プロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが関連づけられる。
【0145】
ステップS14において、所定のセンサ29からの出力およびナビゲーション装置30からの所定の情報を取得する。ステップS15において、該取得した情報に基づいて、図6に示すようにして定義された条件のうち、満たされるものがあるかどうかを判断する。いずれの条件も満たされなければ、コンテンツを作成するタイミングではないことを示すので、ステップS19に進む。いずれかの条件が満たされたならば、ステップS16において、ステップS13で作成したプロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出し、該テンプレートファイル中の、該条件に対応するテンプレートを読み出す。該テンプレートに中に変数があれば、該変数に、ステップS14で取得された、対応する情報を設定して、コンテンツを作成する。
【0146】
ステップS17において、図7に示すように、IDフィールドに、プロファイル情報からの投稿者名を設定し、本文フィールドに、ステップS16で作成されたコンテンツを設定し、該条件に対応するパラメータとその値をメタデータフィールドに設定して、投稿データを生成する。ステップS18において、該生成された投稿データを、携帯電話10を介して投稿サイトに送信する。
【0147】
ステップS19において、たとえば投稿サイトの更新後のウェブページを要求する信号を、携帯電話10に送信することにより、携帯電話10から、更新後のウェブページのデータを受信して、表示装置21上に表示する。更新後のウェブページには、自身が投稿したコンテンツが表示されることとなる。
【0148】
次に当該プロセスを実施したときには、ステップS12の判断がYesとなり、ステップS14に進む。なお、携帯電話10が、投稿サイトへのアクセスを中止したとき、ステップS19において、携帯電話10を介して更新後のウェブページを受信することができなくなる。これに応じて、ステップS11の判断はNoとなり、コンテンツの作成および投稿も中止されることとなる。
【0149】
図12は、車載機器20の処理部24によって実行される、コンテンツ抽出プロセスのフローチャートを示す。該プロセスは、所定の時間間隔で実行されることができ、また、図11のプロセスと並列に実行されることができる。
【0150】
ステップS31の処理は、ステップS11と同じであり、携帯電話10が投稿サイトにアクセスしている間にわたり、当該プロセスは実行される。
【0151】
ステップS32において、車載機器20によって受信された該投稿サイト上の投稿コンテンツに対して検索処理を実行し、carinfoというメタデータが付加されたコンテンツが見つかるかどうかを調べる。前述したように、ステップS19において投稿サイトのウェブページ(画面データ)を受信する際に、該ウェブページ内のコンテンツのデータを受信してこれを検索してもよいし、該画面データとは別個に携帯電話10を介してウェブサーバ32から取得した投稿コンテンツのファイルに対して検索してもよい。また、前述したように、検索対象となるコンテンツを、たとえば現在の時間から所定時間内に制限してもよい。
【0152】
ステップS33において、該メタデータ付きのコンテンツが見つかったかどうかを判断する。見つからなければ、抽出すべき情報が無いことを示すので、当該プロセスを抜ける。見つかったならば、ステップS34において、該メタデータ付きのコンテンツを抽出し、ステップS35において、該抽出したコンテンツをナビゲーション装置30に送信する。
【0153】
図13は、ナビゲーション装置30によって実行される、ナビ情報の生成配信プロセスのフローチャートを示す。該プロセスは所定の時間間隔で実行されることができる。
【0154】
ステップS51において、車載機器20によってステップS35(図12)で送信された抽出コンテンツを受け取ったかどうかを判断する。受け取っていなければ、当該プロセスを抜ける。受け取ったならば、ステップS52に進み、該受け取ったメタデータ付きコンテンツから、rain=ONおよびjam=ONのコンテンツをさらに選択して、前述したように、位置毎に、降雨中および渋滞中を示すナビ情報を生成する。
【0155】
ステップS53において、こうして生成されたナビ情報を、表示装置21および(または)スピーカ22を介して出力する。図10に示すように、地図データ上に視覚的に該ナビ情報を重畳表示することができる。
【0156】
ステップS54において、該ナビ情報を、所定のナビサーバ33に送信する。こうして、ナビサーバ33は、該受信したナビ情報を、他の車両に配信することができる。
【0157】
上記の実施形態では、情報取得部53によって、所定のセンサ29からの出力とナビゲーション装置30からの情報との両方が取得されているが、代替的に、いずれか一方のみを用いてもよい。この場合、いずれを用いるかに応じて、投稿条件およびテンプレートが規定されることとなる。
【0158】
また、上記の実施形態では、コンテンツの作成と投稿、およびコンテンツの抽出は、車載機器20の処理部24によって実行されるが、代替的に、携帯電話10の処理部14によって実行されてもよい。また、上記の実施形態では、ナビゲーション装置30は車載用のものであり、ナビ情報の生成および配信は、該車載のナビゲーション装置30によって実行されるが、代替的に、携帯電話10の処理部14によって実行されてもよい。すなわち、携帯電話10に備えられたナビゲーション機能を利用してもよく、この場合、車載のナビゲーション装置は必ずしも必要とされない。
【0159】
たとえば、図14は、この発明の他の実施形態に従う、携帯電話10に、コンテンツの作成と投稿、コンテンツの抽出、ナビ情報の生成および配信の機能を実装した、機能ブロック図を示す。図4と異なるのは、データ受信部51、情報取得部53および条件判定部54を除き、車載機器20側で設けられていた機能が、携帯電話10側に設けられている点である。
【0160】
各機能ブロックにより実現される機能は、図4を参照して説明したもの実質的に同じであるが、携帯電話10側のプロファイル作成部152、投稿データ作成部155、コンテンツ抽出部156は、投稿サイトアクセス部41と同様に、図3のアプリケーション実行部111が対応するプログラムを起動することによって実現される機能をブロックで表したものである。同様に、情報送出部171およびナビ情報生成部172は、アプリケーション実行部111が、対応するナビゲーションプログラムを起動することによって実現される機能をブロックで表したものである。ここで、プロファイル記憶部161およびテンプレート記憶部162は、記憶部15に実現される。
【0161】
動作について簡単に述べると、投稿サイトアクセス部41を介して携帯電話10が所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、プロファイル作成部152は、前述したように、該投稿サイトの特性と投稿者の特性から、プロファイル情報を作成し、これをプロファイル記憶部161に記憶する。前述したように、該作成されたプロファイル情報には、該プロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが関連づけられる。
【0162】
車載機器20の情報取得部53は、所定の時間間隔で、所定のセンサ29からの出力を取得すると共に、携帯電話10のナビゲーションプログラムによって実現される情報送出部171を介して、現在位置等の所定の情報を取得する。
【0163】
条件判定部54は、情報取得部53によって取得された情報に基づいて、条件記憶部63に記憶された所定の条件のうち、いずれかの条件が満たされるかどうかを判定する。満たされたならば、その旨を示す信号を、該条件に関連づけられた変数の内容(データ)およびパラメータ名と共に、携帯電話10に送信する。
【0164】
該信号に応じて、投稿データ作成部155は、プロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部162から読み出し、該テンプレートファイルから、該満たされた条件に対応するテンプレートを読み出す。該テンプレート中に変数があれば、車載機器20から受け取った変数のデータを設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部155は、図7に示すように、IDフィールドに、プロファイル情報の投稿者名を設定し、本文フィールドに、該作成したコンテンツを作成し、メタデータフィールドに、車載機器20から受け取ったパラメータとその値を設定して、投稿データを生成する。投稿サイトアクセス部41は、該生成された投稿データを、通信部16を介して、ウェブサーバ32に送信する。
【0165】
ウェブサーバ32からは、たとえば携帯電話10からの要求に応じて、投稿サイトの更新後のウェブページのデータが返信される。図には省略されているが、該ウェブページのデータは、図3を参照して説明したように、表示制御部113によってメモリ115に一旦描画された後、送受信制御部117によって読み出され、車載機器20に送られる。これが、データ受信部51を介して表示装置21上に表示される。
【0166】
他方、コンテンツ抽出部156は、投稿サイトアクセス部41を介して投稿サイト上に投稿されたコンテンツを取得する。前述したように、投稿サイトのウェブページの受信と一緒に該ウェブページ内のコンテンツをウェブサーバ32から取得してもよいし、これとは別個に、たとえば所定件数および所定期間の最新のコンテンツのファイルをウェブサーバ32から取得してもよい。コンテンツ抽出部156は、取得したコンテンツの中から、carinfoのメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。抽出されたコンテンツは、ナビゲーションプログラムによって実現されるナビ情報生成部172に渡され、前述したようにナビ情報が生成される。ナビ情報生成部172は、地図データ上に該ナビ情報を、たとえば図10に示すように重畳表示するための指示を表示制御部113に送る。表示制御部113は、該指示に従って、該地図データに該ナビ情報を重畳表示した表示画面のデータを、メモリ115に描画する。前述したように、送受信制御部117は、該メモリ115から画面データを読み出して車載機器20に送り、これが、表示装置21上に表示される。
【0167】
生成されたナビ情報は、通信部16を介してナビサーバ33に送信されることができ、これにより、該サーバ33に接続している他の車両(前述したように、車載専用のナビゲーション装置でもよいし、ナビゲーション機能を備えた他の携帯機器でもよい)に配信されることができる。
【0168】
代替的に、ナビ情報自体を車載機器20に送信するようにしてもよい。この場合、たとえば、車載機器20の処理部24は、記憶部25をアクセスすることにより、もしくは所定のサーバをアクセスすることにより、該ナビ情報に含まれる位置を含む地図データを取得し、該地図データ上に、該ナビ情報を、図10に示すようにマップして表示装置21上に表示することができる。また、該ナビ情報を、車載機器20からナビサーバ33に送信するようにしてもよい。
【0169】
図11〜図13のプロセスは、図14の形態にも適用可能である。この場合、図11のステップS14およびS15は、車載機器20によって実行されるが、他のステップは、携帯機器10によって実行されることができる。
【0170】
図14に示すものは、図4の実施形態の一変形例にすぎず、様々な変形が可能である。たとえば、図14において、条件判定部54は車載機器20に設けられているが、これを、携帯電話10の処理部14に設けてもよい。また、図14に示すものは、コンテンツ作成、投稿および抽出機能と、ナビゲーション機能とが、携帯電話10側に設けられているが、コンテンツ作成、投稿および抽出機能を携帯電話10側に設け、ナビゲーション機能は、図4に示すように、車載に専用に搭載されているナビゲーション装置30を用いて実現してもよい。
【0171】
以上のように、この発明の特定の実施形態について説明したが、本願発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0172】
10 携帯機器(携帯電話)
20 車載機器
29 センサ
21 表示装置
22 スピーカ
30 ナビゲーション装置
32 ウェブサーバ
33 ナビサーバ
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を備えるシステムに関し、より具体的には、該車載機器を利用してコンテンツを自動的に投稿するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが電子メールを作成して送信できない状況に対処するため、電子メールを自動的に作成して送信するシステムが提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、所定の位置にてメールの自動送信を行う携帯通信端末が記載されている。この場合、位置情報の履歴に基づいて携帯通信端末の所持者の移動手段の種類を判別し、移動手段の種類に応じたメールを生成し、該メールを自動送信する。
【0003】
また、下記の特許文献2には、問い合わせ電子メールに対して、現在位置、目的地等の移動情報を含む返信電子メールを自動送信する移動通信装置が記載されている。移動通信装置には、GPS受信機等の位置情報取得手段が設けられている。自動返信可否を判定する返信判定ルールと、返信電子メールの内容を規定する返信内容ルールを予め登録しておく。受信電子メールと返信判定ルールとを照合して返信可否を判定し、返信内容ルールに従って移動情報を含む返信電子メールを自動作成し送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243949号公報
【特許文献2】特開2003−308278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近においては、双方向および対多数の通信が志向されてきている。その結果、電子メールだけでなく、たとえばインターネット環境においては、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)のような、コンテンツの投稿をサービスする投稿サービスが普及し始めている。これらの投稿サービスを、車内でも利用したいというユーザニーズは高い。たとえば、携帯機器のユーザが車両に乗車する際に、該携帯機器で利用している投稿サービスを、引き続き車内でも利用したいという要望がある。
【0006】
しかしながら、投稿サービスを介してユーザにより投稿されるコンテンツは、通常、キーボードやそれに類似する入力部を備えた、パーソナルコンピュータや携帯機器で作成されることを前提としており、操作機器が限定され、また操作環境も特殊な車内で、このような投稿サービスを利用することは容易ではない。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、携帯機器と連携して動作可能な車載機器を利用してコンテンツを自動的に作成し、車両が走行中であっても、車内のユーザが投稿サービスを安全かつ快適に利用することができる手法を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的の他の一つは、車両から発信されるコンテンツを、ナビゲーション情報として利用したり、複数の車両間で広く共用したりすることができるような手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の一つの側面によると、車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムは、前記携帯機器が、ネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む手段と、前記車載機器によって、前記車両の走行状態に関する情報を取得する手段と、前記プロファイル情報および前記取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する手段と、前記作成したコンテンツが前記投稿サイトに反映されるように、前記携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する手段と、前記サーバから前記携帯機器を介して受信した前記投稿サイト上のコンテンツを、前記表示装置上に表示する表示手段と、を備える。
【0010】
この発明によれば、投稿サイトおよび(または)投稿者の特性を規定したプロファイル情報と車両の走行状態から、コンテンツを自動的に作成して、これを投稿サイトに投稿すると共に、該投稿サイトのコンテンツを車載の表示装置上に表示させることができる。たとえば、「○○付近が渋滞」というようなコンテンツを自動的に生成して該投稿サイト上に投稿し、これを閲覧することができる。したがって、車内であっても、投稿サイトへの投稿および閲覧を利用することができる。また、プロファイル情報を用いることにより、投稿サイトに固有の制限や投稿者に固有の特徴を満たすコンテンツを作成することができる。
この発明の一実施形態によると、前記プロファイル情報は、前記携帯機器が前記所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、自動的に作成される。こうして作成されたプロファイル情報を、コンテンツ作成に用いることができる。また、一実施形態によると、プロファイル情報は、前記投稿サイトの特性として、該投稿サイトにコンテンツを投稿する際の制限に関する情報を含むと共に、前記投稿者の特性として、該投稿者によるコンテンツの表現方法に関する情報を含む。
【0011】
投稿サイトは、その種類によって、たとえば投稿するコンテンツの文字数等の制限がある。また、投稿者によって、たとえば常体を使った文体とするのか、敬体を使った文体とするのか等、表現方法が異なる。この発明によれば、このような制限および表現方法をプロファイル情報として規定するので、その投稿サイトおよび投稿者の特徴を満たしたコンテンツを自動的に作成することができる。
【0012】
この発明の一実施形態によると、前記走行状態に関する情報は、前記車両に搭載された所定のセンサからの出力、および、該車両または携帯機器に搭載されたナビゲーション手段によって出力される情報、の少なくとも一方から取得される。
【0013】
車両には、様々なセンサが搭載されることができ、これらのセンサの出力に基づいて、車両がどのような走行状態にあるのかを見極めることができる。したがって、この発明によれば、該走行状態に基づくコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。たとえば、雨滴センサによって雨滴が検出されたならば、雨が降ってきたという趣旨のコンテンツを自動的に生成して投稿することができる。
【0014】
また、ナビゲーション機能は、車両の現在位置、目的地、走行経路等の情報を有している。したがって、この発明によれば、これらの情報に基づいて、たとえば車両が現在どこを走行しているのか等に関するコンテンツを自動的に作成して投稿することができる。
【0015】
この発明の一実施形態によると、前記投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、ナビゲーション情報として利用可能なコンテンツを抽出し、前記ナビゲーション手段に送る手段を備える。
【0016】
投稿サイトには、様々な投稿者からコンテンツが投稿され、その中には、車両のナビゲーションに役立つ情報も含まれる可能性がある。この発明によれば、このような情報を自動的に抽出して、ナビゲーションの利用に供することができる。これにより、車両の乗員は、リアルタイムに、たとえば交通や天気に関する情報等を取得することができる。
【0017】
この発明の一実施形態によると、前記ナビゲーション手段は、前記抽出されたコンテンツに基づいて生成されたナビゲーション情報を、該ナビゲーション手段に接続される表示装置上に表示すると共に、所定のサーバを経由して他の車両に配信する。
【0018】
この発明によれば、投稿サイトから抽出されたコンテンツに基づくナビゲーション情報を、車両や携帯機器の表示装置上に表示したり、他の車両に配信したりすることができる。したがって、従来のプローブシステムのように、車両間で、たとえば交通や天気に関するナビゲーション情報を共有することができる。
【0019】
本発明のその他の特徴及び利点については、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例に従う、携帯機器と車載機器とが接続された車載処理システムの一形態を示す図。
【図2】この発明の一実施例に従う、車両内における携帯機器の設置の一形態を示す図。
【図3】この発明の一実施例に従う、携帯機器および車載機器を連携して動作させる形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【図4】この発明の一実施例に従う、コンテンツを作成して投稿する形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【図5】この発明の一実施例に従う、(a)プロファイル情報、および(b)テンプレートファイルのデータ例を示す図。
【図6】この発明の一実施例に従う、投稿条件および関連するデータの一例を示す図。
【図7】この発明の一実施例に従う、投稿データのフォーマットの一例を示す図。
【図8】この発明の一実施例に従う、車載機器の表示装置に表示される投稿サイトの内容の一例を示す図。
【図9】この発明の一実施例に従う、投稿サイトから所定のコンテンツを抽出する手法を説明するための図。
【図10】この発明の一実施例に従う、抽出された情報に基づいて生成されるナビゲーション情報の表示の一例を示す図。
【図11】この発明の一実施例に従う、投稿サイトへのコンテンツを作成して投稿するプロセスのフローチャート。
【図12】この発明の一実施例に従う、投稿サイトから所定のコンテンツを抽出するプロセスのフローチャート。
【図13】この発明の一実施例に従う、ナビゲーション情報を生成するプロセスのフローチャート。
【図14】この発明の他の実施例に従う、コンテンツを作成して投稿する形態における、携帯機器および車載機器の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。まず、図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に従う、携帯機器と連携可能な車載機器を備える車載処理システムの、前提となる概略的な構成を説明する。
【0022】
携帯機器10は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、およびスマートフォンのような、携帯可能であり、かつ情報処理機能および通信機能を備えた端末である。この実施形態では、携帯電話を例として説明する。
【0023】
携帯電話10は、データを表示するディスプレイ(表示画面)11、音および音声(以下、単に音声と呼ぶ)を出力するスピーカ12、および、携帯電話10に備えられたキー(ボタン)のように、ユーザが携帯電話10に何らかのデータ(信号)を入力するための入力操作部13を備えている。
【0024】
携帯電話10は、従来の音声通話機能だけでなく、中央処理装置(CPU)とメモリを有するコンピュータとしての情報処理機能を備えており、図には、それぞれ処理部14および記憶部15として示されている。たとえば入力操作部13によって入力された信号に応じて、記憶部15に記憶されたプログラムが処理部14によって実行され、その情報処理の結果が、ディスプレイ11上に表示され、および(または)スピーカ12を介して音声出力される。
【0025】
携帯電話10は、通信機能を備えており、図には、通信部16および車内通信部17として示されている。通信部16は、アンテナを介して外部のネットワークに接続し、音声通話およびデータ通信のための信号を送受信する機能を備えている。図には、外部のネットワーク31としてインターネットが示されており、通信部16は、インターネット31を経由して外部のウェブサーバ32に接続し、該ウェブサーバ32とデータ通信を行うことができる。
【0026】
また、車内通信部17は、車両に搭載される車載機器20の車内通信部27と、外部接続端子18を介して接続し、該車載機器20とデータ通信のための信号を送受信する機能を備えている。
【0027】
車載機器20は、データを表示する表示画面を有する表示装置21、音および音声を出力するスピーカ22、および該表示画面上に構成されるタッチパネル(タッチパネルディスプレイ)や該車載機器20に備えられた所定のキーなどを介してユーザが該車載機器に何らかのデータ(信号)を入力するための入力操作部23を備えている。表示装置21は、図2に示すように、運転者が視認しかつ操作可能なように、たとえば車両のダッシュボード36に該タッチパネルディスプレイ35とキーやボタン等の入力操作部23が組み込まれるように設置されることができる。なお、入力操作部23には、ステアリングスイッチやマイクロホン(ともに図示せず)を含めることができ、該ステアリングスイッチの操作を介してデータを入力できるようにしたり、該マイクロホンを介して音声データを入力できるようにしてもよい。
【0028】
車載機器20は、中央処理装置(CPU)とメモリを有するコンピュータである電子制御装置(ECU)を備えており、これらが、図には、それぞれ処理部24および記憶部25として示されている。たとえば入力操作部23によって入力された信号に応じて、記憶部25に記憶されたプログラムが処理部24によって実行され、その情報処理の結果が、表示装置21上に表示され、および(または)スピーカ22を介して音声出力される。
【0029】
携帯電話10に設けられた前述の車内通信部17および外部接続端子18に対応して、車載機器20には、車内通信部27および外部接続端子28が設けられている。外部接続端子18と外部接続端子28が互いに接続されることにより、携帯電話10の車内通信部17と車載機器20の車内通信部27は、互いに、所定のプロトコルに従って通信可能なように接続される。
【0030】
たとえば、携帯電話10の外部接続端子18と、車載機器20の外部接続端子28とを、USB(Universal Serial Bus)接続によって接続することにより、車内通信部17および27は互いに通信可能となる。たとえば、図2に示すように、車両のダッシュボード36に所定の挿入口37を設け、該挿入口37の底部に外部接続端子28を設ける。携帯電話10を該挿入口37に設置することにより、外部接続端子18と28とが互いに接続され、これにより、携帯電話10と車載機器20とは通信可能な状態となる。こうして、携帯電話10を、車載機器20と連携して動作可能なように、車載処理システムに一体的に組み込むことができる。
【0031】
代替的に、携帯電話10と車載機器20とを、ブルートゥース(Bluetooth)のような所定の無線通信を介して接続するようにしてもよい。携帯電話10の画面出力については、上記無線通信とは別に、コンポジットやHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の有線通信を用いても良い。
【0032】
車載機器20には、車両の走行状態を検出するための各種のセンサ29が接続されている。該走行状態には、車両の速度、アクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作等の車両自体の走行の状態だけでなく、降雨、外気温、照度等の車両の周辺の状態を含めることができる。該各種のセンサには、後述するように、任意の適切なセンサを含めることができる。
【0033】
一実施形態では、車両には、ナビゲーション装置30が搭載される。この場合、上記の表示装置21は、ナビゲーション装置30用に設置された表示装置とすることができる。ナビゲーション装置30は、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えたコンピュータで実現される。ナビゲーション装置30は、たとえば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS信号を、該ナビゲーション装置30に備えられた通信装置(図示せず)を介して受信し、該GPS信号に基づいて、車両の現在位置を検出する。ナビゲーション装置30は、車両の周辺の地図情報に、該現在位置を示す画像を重畳させて、表示装置21上に表示する。また、表示装置21のタッチパネルを介して、またはキーやボタン等の他の入力操作部23を介して、乗員はナビゲーション装置30に目的地を入力することができる。ナビゲーション装置30は、地図情報を用いて、該目的地までの車両の最適経路を算出し、該最適経路を示す画像を地図情報に重畳させて、表示装置21上に表示することができる。
【0034】
ナビゲーション装置30には、スピーカ22が接続されており、必要に応じて、たとえば一時停止や交差点等の経路案内を行う際に、表示装置21上への表示だけでなく、スピーカ22を介して音または音声によって乗員に知らせることができる。
【0035】
また、一実施形態では、ナビゲーション装置30は、インターネット31等の外部のネットワークに接続するための通信装置(図示せず)を備えており、該ネットワークを介して、ナビゲーションに関する様々なサービスを提供する所定のナビサーバ33に接続可能なように構成されることができる。この場合、上記の地図情報は、ナビゲーション装置30の記憶装置に記憶されることもできるし、該ナビサーバ33に記憶されてもよい。ナビサーバ33に記憶された地図情報を利用する場合、ナビゲーション装置30は、該ナビサーバ33に適宜接続して、車両の現在位置の周辺の地図データを取得し、これを表示装置21上に表示する。また、上記の最適経路の算出を、ナビサーバ33で行ってもよい。この場合、ナビゲーション装置30が、入力された目的地のデータを該ナビサーバ33に送信し、その後、ナビサーバ33によって算出された最適経路のデータを受信し、表示装置21上に表示することができる。
【0036】
また、ナビゲーション装置30は、渋滞、事故、一時停止の案内等の交通に関する情報、車両の現在位置の周辺に関する様々な情報(たとえば、施設や観光等の情報)をナビサーバ33から受信し、これらを、表示装置21上に表示したりスピーカ22を介して出力したりすることができる。最近のナビゲーション機能には、様々なものがあり、この実施形態では、任意の適切なナビゲーション装置を用いることができる。
【0037】
図3は、図1に示す、携帯電話10と連携した車載機器20を備えるシステムによって実現される基本的な通信形態を説明するために、携帯電話10の処理部14および車載機器10の処理部24を機能ブロックで表したものである。これらの機能は、CPUによって実行される。また、データ処理に用いるメモリ115、211が示されており、これらは、記憶部15および25にそれぞれ実現される。なお、外部接続端子18、28は省略されている。
【0038】
携帯電話10には、種々のアプリケーション(適用業務)が実装されている。アプリケーション実行部111は、たとえばユーザによる何らかの入力操作に応じて所望のアプリケーションを実行する際、対応するプログラムを、たとえば記憶部15の不揮発性メモリ(図示せず)から読み出したり、外部のネットワークから取得することにより、実行する。該プログラムによって処理された結果、出力されるべき表示画面のデータおよび(または)音声のデータが生成される。
【0039】
表示画面は、典型的には、テキスト(文字)および画像などのコンテンツと、ウィンドウ、ダイアログボックス、タスクバー、ボタン、チェックボックス、テキストフィールド等のGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)部品とから構成される。プログラム内で、所望のテキストデータを指定する(テキストデータ自体を記述してもよいし、該テキストデータのファイルを記述してもよい)ことにより、該テキストデータを描画することができる。画像データ(たとえば、JPEGのような画像データ)についても同様である。また、各種のGUI部品は、たとえば該携帯電話10に搭載されるOS(オペレーティング・システム)によって予めライブラリとして提供されて記憶部15に記憶されており、プログラム内で所望のGUI部品を指定することによって、該GUI部品を描画することができる。たとえば、Javaのプログラムにおいては、Buttonクラスをプログラムで定義することにより、ボタンというGUI部品を描画することができる。さらに、プログラム内で音声データのファイルを指定することにより、該音声データの再生を実行することができる。
【0040】
アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内で、指定されたテキストおよび画像のデータを描画する命令があれば、それらの描画命令を表示制御部113に出力する。この命令に応じて、表示制御部113は、該指定されたテキストおよび画像のデータを、たとえば記憶部15や外部のネットワークを介して取得し、これを、VRAMのような表示画面用のメモリ115に出力(描画)する。また、アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内に指定されたGUI部品があれば、その描画命令を表示制御部113に出力する。これに応じて、表示制御部113は、指定されたGUI部品を記憶部15から読み込み、これを、メモリ115に出力(描画)する。さらに、アプリケーション実行部111は、プログラムを実行したとき、該プログラム内で指定された音声データがあれば、該音声データの再生命令を音声制御部114に出力する。音声制御部114は、指定された音声データのファイルを、たとえば記憶部15や外部のネットワークを介して取得する。
【0041】
送受信制御部117は、携帯電話10のアプリケーションに対し、車載機器20というデバイスのドライバとしての役割を果たすように設けられており、その機能はソフトウェアプログラムによって実現されることができる。より具体的には、送受信制御部117は、メモリ115に格納された一画面分のデータから、車載機器20の表示装置21の画面解像度と同じ解像度を有するビットマップデータ(画面データと呼ぶ)を該メモリ115から切り出すと共に、音声制御部114によって取得された音声データのファイルを受け取り、該画面データおよび音声データのファイルを、車内通信部17を介して車載機器20に送信する。
【0042】
好ましくは、送受信制御部117は、画面データ(表示画面)に関する属性情報を表示制御部113から取得し、これを、該画面データと共に、車内通信部17を介して車載機器20に送信する。属性情報は、車載機器20の表示装置21に画面データを出力するに際して、後述する出力制御部213によって使用される情報である。属性情報には、たとえば、アプリケーション(プログラム)の種類、要求される入力操作の数および種類、表示項目の数、表示項目の色、表示される文字数等を含めることができる。表示制御部113は、前述したように、プログラムを実行することにより出力される描画命令に従って、表示画面を構成するコンテンツやGUI部品をメモリ115に出力するので、送受信制御部117は、表示画面の該属性情報を、表示制御部113からの情報に基づいて取得することができる。
【0043】
こうして、画面データとその属性情報、および音声データが、送受信制御部117から、車内通信部17を介して車載機器20に送信される。車載機器20の車内通信部27は、これらを受け取り、画面データおよび音声データを、一時的にメモリ211に記憶すると共に、属性情報を、出力制御部213に渡す。
【0044】
出力制御部213は、受け取った属性情報と、センサ29により検出された車両の走行状態とに基づいて、受け取った画面データおよび音声データの表示装置21およびスピーカ22への出力形態を制御する。この制御は、たとえば、安全性の観点から行われることができる。たとえば、出力制御部213は、属性情報に基づいて、受け取った画面データが、安全性の観点から決められた所定の条件を満たすかどうかを判断する。該所定の条件を満たすならば、該受け取った画面データを、加工することなく、そのまま表示装置21上に出力する。該所定の条件を満たさなければ、該受け取った画面データを、該所定の条件を満たす程度にまで加工処理を施し、該加工処理が施された画面データを、表示装置21上に出力する。該所定の条件を満たす程度にまで加工処理を施すことができないと判断した場合には、該画面データの表示装置21上への出力を禁止する。
【0045】
また、出力制御部213は、音声出力が、該所定の条件を満たすかどうかを判断する。該所定の条件を満たすならば、受け取った音声データをそのまま再生して、スピーカ22を介して出力する。該所定の条件を満たさなければ、該所定の条件を満たす時点まで該出力を時間的に遅延させる。該所定の条件を満たすのが困難と判断した場合には、該音声データのスピーカ22を介しての出力を禁止する。
【0046】
該所定の条件には、たとえば、(1)車両の走行状態(センサ29から得られた車速等)に基づく条件、(2)アプリケーション(プログラム)の処理内容(アプリケーションの種類等)に基づく条件、(3)表示内容(項目数、色等)に基づく条件、(4)音声に基づく条件(音声出力のタイミング等)、を含めることができる。このように、出力制御部213を設けることにより、携帯機器のアプリケーションによって提供されるサービスを、車内のユーザはより安心して享受することができる。
【0047】
車載機器20の表示装置21に上記のようにして表示された画面データには、たとえばキー入力やボタン選択などの入力操作を要求する部分が含まれていることがある。この場合、表示装置21のタッチパネルや所定のキー等の入力操作部23を介して、ユーザは、入力操作を行うことができる。該入力操作に応じた信号は、車内通信部27を介して携帯電話10に送信される。携帯電話10の送受信制御部117は、車内通信部17を介して該信号を受け取り、必要であればアプリケーション実行部111が解釈可能な形態の信号に変換して、該アプリケーション実行部111に渡す。アプリケーション実行部111は、現在実行中のプログラムに従って、該信号に応じた処理を行う。その結果、新たな表示画面を出力する場合には、前述したような処理を経て、画面データが、その属性情報と共に、再び送受信制御部117から車載機器20へと送信される。
【0048】
このように、アプリケーションのプログラム実行は、携帯電話10で行われるが、その結果として生成される表示画面および音声のデータは、車載機器20の表示装置21およびスピーカ22を介して出力される。このとき、携帯電話10のディスプレイ11およびスピーカ12に対する該表示画面および音声の出力については、禁止することができる。たとえば、携帯電話10の処理部14は、車載機器20が接続されたことを検知することにより、表示制御部113および音声制御部114に対し、ディスプレイ11およびスピーカ12への出力を禁止する信号を出力することができる。
【0049】
上記では、携帯機器10と車載機器20の間のデータ通信に関して説明したが、携帯機器10の音声通話機能にも、車載機器20を利用することができる。たとえば、携帯機器10は、車載機器20と接続されたことを検知して、音声通話を行うための音声データの入出力先を、車載機器20に切り換える。そして、携帯機器10によって外部と音声通話の接続がなされたとき、携帯機器10が受信した音声データは、車載機器20に伝えられてスピーカ22を介して出力され、車載機器20の入力操作部23に備えられたマイクロホンを介して入力された音声データは、携帯電話10に伝えられて外部に送信される。こうして、車両の乗員は、ハンズフリーで音声通話を行うことができる。なお、音声通話についても、出力制御部213による制御を介してもよい。
【0050】
以上のように、この実施形態では、携帯電話と車載機器が一体的なシステムを構成し、互いに通信可能なようになっている。本願発明は、このような通信形態を利用し、携帯電話10がインターネット31を介して接続するウェブサーバ32により提供される投稿サイトを、車内で利用可能なようにする手法を提案するものである。具体的には、コンテンツを自動的に作成して所望の投稿サイト上へ投稿する手法を提案する。さらに、該投稿サイトから所定のコンテンツを抽出してナビゲーションに利用する手法を提案する。なお、「コンテンツ」は、投稿サイト上へユーザが投稿する情報を示す。
【0051】
投稿サイトは、サービスプロバイダによって提供される投稿サービスを利用したサイトであり、ユーザが所望のコンテンツについて所定の投稿操作を行うことにより、該コンテンツを、他のユーザが閲覧可能なように該サイト上に表示させることができる。このような投稿サービスの種類として、たとえば、ブログ、チャット、掲示板、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、Twitter(ツイッター)等があり、本願発明は、任意の投稿サイトについて適用可能である。
【0052】
図4は、この発明の一実施形態に従う、図1〜図3を参照して説明した構成を利用したコンテンツ投稿システムについて、携帯機器10の処理部14、車載機器20の処理部24、およびナビゲーション装置30を、機能ブロックで表したものである。図1および図3と同じブロックには、同じ符号が付されている。なお、図3を参照して説明した、ドライバとしての役割を果たす送受信制御部117は、ここでは、携帯電話10と車載機器20との間で投稿コンテンツに関するデータを通信する際に、必要なデータ形式の変換等を行う。プロファイル記憶部61、テンプレート記憶部62、および条件記憶部63は、車載機器20の記憶部25に実現される。
【0053】
携帯電話10の投稿サイトアクセス部41は、図3のアプリケーション実行部111が所定のプログラムを起動することによって実現される、インターネット31(図4では省略されている)を介して所望の投稿サイトにアクセスして該サイトのウェブページのデータ(マークアップ文書ファイルのように、ウェブページを構成するデータを含む)を取得する機能をブロックで表したものである。たとえば携帯電話10の入力操作部13または車載機器20の入力操作部23を介して、インターネット31上の所望の投稿サイトへのアクセスを要求するためのユーザ操作が行われたことに応じて、投稿サイトアクセス部41は、通信部16を介してインターネット31に接続し、該投稿サイトを提供するウェブサーバ32にアクセスする。ウェブサーバ32は、該投稿サイトのウェブページのデータを、インターネット31を介して携帯電話10に送信する。投稿サイトアクセス部41は、該受信したデータに基づいて、図3を参照して前述したように表示制御部113を介してメモリ115(図4では省略されている)にウェブページを描画(格納)し、その後、これが、画面データとして送受信制御部117により読み出されて車載機器20に送信される。
【0054】
車載機器20のデータ受信部51は、車内通信部27を介して該画面データを受信し、これを、表示装置21上に表示する。なお、図3を参照して前述した出力制御部213を、データ受信部51と表示装置21の間に設けてもよい。この場合、該画面データと共に、前述したような属性情報がデータ受信部51により受信され、出力制御部213は、該属性情報に基づいて、該画面データの表示装置21上への表示を許可するかどうかを判断し、許可すると判断した場合に、該画面データを表示装置21上に表示する。こうして、携帯電話10を介して取得した所望の投稿サイトのウェブページを、車載機器20の表示装置21上に表示させることができる。
【0055】
次に、コンテンツを自動的に作成して投稿する手法を説明する。最初に、コンテンツの作成に用いられるデータとして、プロファイル情報、テンプレート、および投稿条件があり、これらについて説明する。
【0056】
プロファイル情報は、投稿サイトの特性を規定した情報と、投稿者すなわち携帯電話10のユーザの特性を規定した情報と、のうちの少なくとも一方を含む。
【0057】
投稿サイトの種類によって、投稿するコンテンツに所定の制限が課せられることがある。たとえば、一度に投稿可能な文字数や、投稿可能な文字の種類が制限されることがある。このような制限は、投稿サイトをサービスする業者(サービスプロバイダ)によって、通常、予め決められている。したがって、このような制限を、投稿サイトの特性を規定した情報として、プロファイル情報に予め規定することができる。
【0058】
また、投稿者によって、投稿するコンテンツの表現方法に違いが生じうる。たとえば、投稿者の性別や年齢によって、文体が異なることが多い。また、常体(「だ」、「である」で整える文体)および敬体(「です」、「ます」で整える文体)のいずれの表現を用いるのか、いわゆる顔文字を用いるのか等、投稿者によって好みがある。したがって、コンテンツの表現方法を、投稿者の特性を規定した情報として、プロファイル情報に予め規定することができる。
【0059】
プロファイル情報は、任意の適切なタイミングで、また任意の適切な手法で生成することができる。一実施形態では、プロファイル情報は、プロファイル作成部52によって自動的に作成される。たとえば、携帯電話10による投稿サイトへのアクセスが行われたときに、プロファイル作成部52は、該投稿サイトのサービスの名前と、投稿者のアカウント情報とを要求する信号を携帯電話10に送信し、これに応じて、携帯電話10は、該投稿サイトから該名前とアカウント情報を取得し、これらを、車載機器20に返信することができる。プロファイル作成部52は、該投稿サイトのサービスの名前に基づいて、該投稿サイトに対応する上記のような制限をプロファイル情報に設定すると共に、該アカウント情報に基づいて、上記のような投稿者のプロファイルをプロファイル情報に設定する。
【0060】
たとえば、前述したように、投稿サービス毎に、投稿に関する制限は予め決まっている。たとえば、Twitterという投稿サービスでは、一度に投稿可能な文字数は140以内ということが決められているし、ブログサービスについても、該サービスの提供者によって、文字数が制限されていることがある。したがって、車載機器20の記憶部25に、投稿サービス(の種類)毎に制限に関する情報を予め記憶しておくことができる。その後、上記のように受信した投稿サービスの名前が、たとえばTwitterであれば、該記憶部25にアクセスして、Twitterに対応する制限情報を読み出し、これを、プロファイル情報に設定する。
【0061】
また、Twitterやブログ等の投稿サービスには、アカウント(プロフィール)情報が設定されており、ここには、投稿者名や、性別、年齢、出身地等が記述されていることがある。したがって、上記のように受信したアカウント(プロフィール)情報の内容を、プロファイル情報に設定する。
【0062】
なお、上記では、投稿サービス毎の制限情報を予め記憶部25に記憶しているが、携帯電話10が投稿サイトにアクセスしたときに該携帯電話10を介して該制限情報を取得することができる場合には、このような情報を予め記憶部25に記憶しなくてもよい。
【0063】
上記のようなアカウント情報を取得するのに加え、または該アカウント情報を取得するのに代えて、プロファイル作成部52は、該投稿者によって該投稿サイト上に過去に投稿されたコンテンツを取得し、該投稿者によるコンテンツの表現方法に関する特徴を取得してもよい。たとえば、プロファイル作成部52が、該投稿者のコンテンツを要求する信号を携帯電話10を介してウェブサーバ32に送信することにより、該投稿者によって過去に投稿されたコンテンツを取得することができる。プロファイル作成部52は、該取得したコンテンツの文体を調べ、常体を用いているのか敬体を用いているのかを判断したり、顔文字を使用しているかどうかを判断することができる。判断した結果を、プロファイル情報に設定することができる。
【0064】
こうして作成されたプロファイル情報は、プロファイル記憶部61に記憶される。該プロファイル情報の一例が、図5の(a)に示されている。この例では、 投稿サイトの特性を規定するのに、文字制限フィールドおよび文字種フィールドがあり、この例では、文字数は140字に制限され、文字種はテキストに制限されている。また、投稿者特性を規定するのに、名前、年齢、性別、文体、顔文字フィールドがあり、この例では、A、25歳、女性、常体、顔文字使用と規定されている。この例では、アカウント情報から、性別および年齢が取得され、過去の投稿コンテンツから、常体および顔文字使用が判断されて、プロファイル情報として規定されている。なお、アカウント情報から、たとえば文体および顔文字フィールドについて自動的に値を設定するようにしてもよい。たとえば、女性で所定年齢以下であれば、文体を常体とし、顔文字を使用可とし、女性で所定年齢以上であれば、文体を敬体とし、顔文字を使用不可とすることができる。
【0065】
この実施形態では、上記のように、プロファイル情報を自動的に作成しているが、代替的に、たとえばユーザによる入力操作を介して、プロファイル情報を作成するようにしてもよい。該プロファイル情報の作成に際して、予め用意されたひな形のプロファイル情報を使用してもよい。また、一旦作成されたプロファイル情報を、ユーザが、変更することができるようにしてもよい。たとえば、プロファイル情報の作成または変更画面上にて、該プロファイル情報を作成または変更することができ、これは、車載機器20の表示装置21上で行ってもよいし、携帯電話10のディスプレイ11上で行うようにしてもよい。
【0066】
なお、アクセスする投稿サイトが複数ある場合、プロファイル情報は、投稿サイト毎に作成することができる。
【0067】
次に、自動投稿するコンテンツの文例を規定したテンプレートについて説明する。各種のテンプレートは、テンプレートファイルとしてテンプレート記憶部62に記憶される。所望の内容のテンプレートを任意の数だけ予め作成して記憶しておくことができるが、テンプレートファイルは、プロファイル情報毎に記憶されるのが好ましい。プロファイル情報の内容によって、各テンプレート(文例)の文体や文字数等が異なるからである。
【0068】
この実施形態では、プロファイル情報が、プロファイル作成部52によって自動的に作成されるため、該プロファイル情報が作成されたときに、プロファイル作成部52によって、該作成したプロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが、該プロファイル情報に関連づけられる。たとえば、予め用意されたいくつかのテンプレートファイルのうち、該作成したプロファイル情報の内容に最も沿った文例を持つと判断したテンプレートファイルを、該プロファイル情報に関連づけて記憶することができる。あるいは、ひな形のテンプレートファイルを、該作成したプロファイル情報の内容に沿った文例となるよう修正し、該修正したテンプレートファイルを、該プロファイル情報に関連づけて記憶することができる。
【0069】
こうして、たとえば文字制限が所定数以下であり、文体が常体であり、顔文字が使用可というプロファイル情報に対して、各テンプレートについて文字数が所定数以下であり、常体かつ顔文字使用の文体で定義される1つのテンプレートファイルが関連づけられる。
【0070】
ここで、図5の(b)を参照すると、テンプレートファイルの一例が示されており、これは、図5の(a)のプロファイル情報用のものとなっている。この例では、第1〜第4のテンプレートが定義されており、テンプレートによっては、“変数”を含むものがある。変数には、後述するように、情報取得部53によって取得されたデータが設定される。
【0071】
どのテンプレートファイルが用いられるのかを予めユーザが確認できるようにしてもよい。たとえば、ユーザからの何らかの入力操作に応じて、現在設定されているプロファイル情報用のテンプレートファイルの内容をユーザに示すことができる。ユーザが、テンプレートファイルの内容を参照して、その文体を変更できるようにしてもよい。
【0072】
次に、コンテンツを投稿するための条件について説明する。該条件は、予め設定され、条件記憶部63に記憶される。各条件には、該条件が満たされたときに自動投稿されるコンテンツの基となるテンプレート、該テンプレートに挿入される変数、および、後述するメタデータ(属性情報)に設定されるパラメータが、関連づけられて規定される。
【0073】
図6に、該条件と関連データの一例を示し、これは、図5の(b)のテンプレートファイルに対応している。たとえば、第1の条件は、ナビゲーション装置で目的地が設定され、かつ走行が開始されること、である。第1の条件には、第1のテンプレートが関連づけられており、これは、第1の条件が満たされたときに第1のテンプレートを使用することを示している。第1の条件の変数は、目的地名である。したがって、第1の条件が満たされたときには、目的地名を取得して、該第1のテンプレートの変数に設定することとなる。さらに、第1の条件には、destinaというパラメータが関連付けられており、これは、第1の条件が満たされたときに作成される投稿データのメタデータ中に、destinaというパラメータを設定することを示す。
【0074】
ここで、各パラメータの意味を説明すると、destinaには、目的地名が設定される。locationには、車両の現在位置のデータ(たとえば、緯度および経度で表される)が設定される。arriveには、目的地に到着した場合にONが設定される。rainには、降雨中である場合にONが設定される。jamには、渋滞中である場合にONが設定される。
【0075】
図4に戻り、上記のプロファイル情報、テンプレートファイル、および投稿条件を用いて、どのように投稿コンテンツを作成するかについて説明する。
【0076】
情報取得部53は、車両に搭載された所定のセンサ29の出力を定期的に取得する。前述したように、該センサ29には、車両の走行状態を検知するための任意のセンサを含めることができ、たとえば、車両自体の走行の状態を把握するため、車両に搭載されたワイパーが動作しているかどうかを検知するセンサ、車両のブレーキペダルが操作されたかどうかを検知するセンサ、車両のアクセルペダルが操作されたかどうかを検知するセンサ、車両のパーキングブレーキが動作しているかどうかを検知するセンサ、車両の車速を検知するためのセンサ等を含めることができる。さらに、車両の周辺の状態を把握するため、雨が降っていることを検知するための雨滴センサ、車両の周辺の外気温を検知するための外気温センサ、車両の周辺の照度を検知するための照度センサ、等を含めることができる。
【0077】
また、情報取得部53は、ナビゲーション装置30から、定期的に所定の情報を取得することができる。図には、該所定の情報を送出する機能を、情報送出部71として表している。所定の情報には、任意のものを含めることができるが、この実施形態では、少なくとも、車両の現在位置の情報が含まれる。また、前述したように目的地が入力されたならば、該目的地に関する情報も、所定の情報として取得されることができる。
【0078】
条件判定部54は、情報取得部53によって定期的に取得されたセンサ29からの出力およびナビゲーション装置30からの情報を監視し、該センサ29の出力およびナビゲーション装置30からの情報が、条件記憶部63に記憶されたいずれかの条件を満たしたならば、投稿データ作成部55に、該満たした条件の番号を知らせると共に、該条件に関連づけて規定された変数の内容(データ)とパラメータ名を渡す。たとえば、図6に示すように、第1の条件が満たされたならば、条件判定部54は、該第1の条件が満たされたことを投稿データ作成部55に知らせると共に、目的地名のデータと、対応するパラメータdestinaを渡す。
【0079】
それに応じて、投稿データ作成部55は、投稿データを作成する。該投稿データのフォーマットの一例を、図7の(a)に示す。投稿データは、IDフィールドおよび本文フィールドを有しており、好ましくは、これに、メタデータのフィールドが付加される。
【0080】
IDフィールドは、投稿サイトへ投稿する者の識別子(ID)を設定するフィールドである。本文フィールドは、コンテンツの内容を設定するフィールドである。メタデータフィールドは、該投稿データの属性情報としてのメタデータが設定されるフィールドである。
【0081】
この実施形態では、メタデータには、所定の車両情報が埋め込まれ、このフォーマットの一例が、図7の(b)に示されている。車両情報であることが、”carinfo”によって示されている。車両情報carinfoには、複数のパラメータとその値(データ)を記述することができるようになっており、このパラメータ名の一例が、図6のパラメータフィールドで示されている。
【0082】
投稿データ作成部55は、投稿データのIDフィールドに、プロファイル情報に規定された投稿者名のデータを設定する。また、投稿データ作成部55は、該プロファイル情報用のテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出し、該テンプレートファイルのうち、該条件に対応するテンプレートを読み出す。さらに、読み出した該テンプレート中に変数があれば、該変数に、条件判定部54から受け取ったデータを挿入して、コンテンツを作成する。作成したコンテンツが、本文フィールドに設定される。さらに、投稿データ作成部55は、条件判定部54から受け取ったパラメータに、対応するデータ(値)を設定して、メタデータフィールドに設定する。
【0083】
なお、この実施形態では、プロファイル情報毎にテンプレートファイルが予め規定されているが、複数のプロファイル情報がある場合には、1つのテンプレートファイルを共用してもよい。この場合、投稿データ作成部55は、条件に合致したテンプレートに基づいてコンテンツを作成した後、今回使用するプロファイル情報の内容に従って、該コンテンツを修正することができる。
【0084】
たとえば、テンプレートを常体で予め規定しておき、プロファイル情報に敬体が規定されていれば、該作成したコンテンツ(常体)を、敬体に修正することができる。この場合、たとえば、「○○へ出発!」というコンテンツは、「○○へ出発です!」に修正される。また、たとえば変数にデータが挿入されることによって、プロファイル情報に規定された文字数を超えた場合には、コンテンツの一部を削除し、もしくは2つのコンテンツに分割して、各コンテンツが該文字数内となるよう修正することができる。
【0085】
投稿データ作成部55は、こうして生成した投稿データを、通信部27を介して携帯電話10に送信する。携帯電話10の投稿サイトアクセス部41は、受け取った該投稿データを、インターネット31を経由してウェブサーバ32に送信する。ウェブサーバ32では、該投稿データを受け取り、IDフィールドに設定された投稿者名で、本文フィールドに設定された内容を、投稿サイト上に反映させる。こうして、該投稿者名でコンテンツが投稿サイトに投稿される。更新された投稿サイトのウェブページのデータは、携帯電話10に送信される。これは、携帯電話10または車載機器20からの要求に応じて行われてもよい。投稿サイトアクセス部41は、受け取った更新後のウェブページの画面データを、通信部17を介して車載機器20に送信する。前述したように、これは、データ受信部51によって受信され、表示装置21上に表示される。
【0086】
ここで、具体的なコンテンツ作成の一例を、図8を参照して説明する。この例では、図5の(a)のプロファイル情報、図5の(b)のテンプレートファイル、および図6の投稿条件を用いている。また、センサ29として、降雨を検知する雨滴センサ、パーキングブレーキの動作を検知するセンサ、および車両の速度を検知する車速センサを用いている。ナビゲーション装置30からは、車両の現在位置情報を定期的に取得すると共に、目的地の情報、および車両が該目的地に到着したとの情報を取得するものとする。
【0087】
図には、一時に投稿可能な文字数が比較的小さい簡易投稿サイト(たとえば、Twitter)の表示例が示されており、この中の、コンテンツ301〜304が、投稿データ作成部55によって自動的に作成され投稿されたコンテンツであり、投稿者名は「A」となっている。コンテンツ305は、投稿者Aが、手動で(すなわち、自動投稿ではなく)投稿したコンテンツを示す。他のコンテンツは、他者から投稿されたコンテンツである。
【0088】
コンテンツ301〜304が、どのように投稿されたかを、具体的に説明していく。
【0089】
携帯電話10を介して投稿サイトへのアクセスが行われたことに応じて、車載機器20の表示装置21上には、該投稿サイトのウェブページが表示される。プロファイル作成部52は、前述したように、該投稿サイトの特性および投稿者の特性に基づいてプロファイル情報を作成し、プロファイル記憶部61に記憶する。
【0090】
情報取得部53は、前述したように、所定時間間隔で、雨滴センサ、車速センサ、パーキングブレーキの動作を検知するセンサの出力、およびナビゲーション装置30からの情報を取得している。
【0091】
車両内において、ナビゲーション装置30に、目的地名として「宇都宮」が入力され、パーキングブレーキが解除されて車両の走行が開始されたとする。情報取得部53によって、目的地名「宇都宮」というデータと、パーキングブレーキが解除されたとのデータが取得される。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第1の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、目的地名として「宇都宮」というデータと、対応するパラメータdestinaを渡す。
【0092】
投稿データ作成部55は、プロファイル記憶部61に記憶されたプロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出すと共に、該ファイルから、第1の条件に対応する第1のテンプレートを読み出し、該第1のテンプレートの変数に、条件判定部54から受け取った「宇都宮」というデータを設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、メタデータフィールドに、carinfo->”destina=宇都宮”を設定して投稿データを生成し、これを、携帯電話10に送信する。
【0093】
前述したように、携帯電話10からウェブサーバ32に送信される該投稿データは、投稿サイト上に反映される。更新後の投稿サイトのウェブページの画面データは、携帯電話10を介して車載機器20に送られ、表示装置21上に表示される。こうして、表示装置21上に、コンテンツ301が表示される。
【0094】
その後、情報取得部53によって、雨滴センサによって雨滴が検出されたとのデータが、車両の現在位置情報と共に取得されたとする。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第2の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、車両の現在位置情報(たとえば経緯度情報によって表され、この例では「xxxxN yyyyE」とする)と、パラメータlocationおよびrainを渡す。
【0095】
なお、図6に示すように、第1の条件については、変数フィールドに規定された変数「目的地名」と、パラメータフィールドに規定された「destina」は、同じものを示すので、変数のデータ(たとえば、「宇都宮」)を投稿データ作成部55に渡せばよいが、第2の条件については、変数フィールドには何も規定されておらず、パラメータフィールドには「location」が規定されている。この場合、変数として規定されていなくても、条件判定部54は、パラメータlocationのデータすなわち現在位置情報を、投稿データ作成部55に渡すこととなる。
【0096】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第2の条件に対応する第2のテンプレートを読み出すことで、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータlocationに、受け取った車両の現在位置情報を設定し、パラメータrainに、”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”location= xxxxN yyyyE”,“rain=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ302が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示されることとなる。
【0097】
その後、情報取得部53によって、所定距離内で発進および停止を所定回数以上繰り返す現象が検知され、車両の現在位置情報が取得されたとする。該現象は、車速等を監視することによって検知されることができる。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第3の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55に、その旨を知らせると共に、現在位置情報(「zzzzN wwwwE」とする)と、パラメータlocationおよびjamを渡す。
【0098】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第3の条件に対応する第3のテンプレートを読み出し、該第3のテンプレートの変数に、現在位置情報に対応する地名(通り名や交差点名を含む)を設定し、コンテンツを作成する。ここで、現在位置情報に対応する地名は、たとえばナビゲーション装置30が使用する地図情報に基づいて求めることができる。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータlocationに、受け取った車両の現在位置情報を設定し、パラメータjamに、”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”location= zzzzN wwwwE”,”jam=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ303が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示される。
【0099】
その後、情報取得部53によって、車両が目的地に到着したとの情報が取得されたとする。条件判定部54は、条件記憶部63に設定された第4の条件が満たされたと判定し、投稿データ作成部55にその旨を知らせると共に、目的地名である「宇都宮」というデータと、パラメータarriveを渡す。
【0100】
投稿データ作成部55は、該テンプレートファイルから、第4の条件に対応する第4のテンプレートを読み出し、該第4のテンプレートの変数に「宇都宮」を設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部55は、プロファイル情報の投稿者名を、IDフィールドに設定し、作成したコンテンツを本文フィールドに設定する。さらに、投稿データ作成部55は、パラメータarriveに”ON”を設定する。こうして、メタデータフィールドにcarinfo->”arrive=ON”が設定された投稿データが生成され、これが、携帯電話10に送信される。こうして、コンテンツ304が投稿サイト上に投稿され、表示装置21上に表示される。
【0101】
このように、コンテンツ301〜304は、車両の情報を利用して自動投稿される。図に示すように、自動投稿の場合には、”自動投稿”という表示を付してもよい。たとえば、メタデータフィールドにcarinfoという車両情報が付加されている場合には、自動投稿と判断して、このような表示を付すことができる(たとえば、投稿サイトを提供するサービスプロバイダ側でこのような表示を付すことができる)。その後、Aさんは、手動でコンテンツ305を投稿したことが示されているが、これには、自動投稿の表示は付されていない。
【0102】
こうして、車両の走行状態に応じたコンテンツを自動的に作成して投稿サイトに投稿することができる。したがって、車内においても、投稿サイトを利用することができる。また、投稿サイトに参加しているユーザ間で、情報を共有することが可能となる。たとえば、コンテンツ302は、渋滞を知らせるコンテンツであるが、これを、B〜Eさんの間で共有することができる。
【0103】
図8の表示例では、メタデータは非表示となっているが(しかしながら、該投稿サイトを提供するサービスプロバイダの投稿コンテンツのファイルには格納されている)、該メタデータをサイト上に表示するようにしてもよい。メタデータを用いることにより、該投稿サイトを利用するユーザは、たとえば投稿サイト上でのグルーピングを容易に行うことができる。たとえばTwitterなどでは、コメント(コンテンツ)にハッシュタグ#を付加して投稿することにより、グルーピングを簡単に行うことができるようになっている。たとえば、ユーザが、或る興味のある話題について付される特定のハッシュタグを検索することにより、該話題に関するコンテンツのみを容易に抽出することができる。これと同様に、メタデータを自動的に付加して投稿することにより、carinfoが付加されたコンテンツをグルーピングすることができる。ユーザは、carinfoが付加されたコンテンツのみを検索して、車両情報のみをまとめて閲覧することができる。また、メタデータ中のパラメータ毎の検索を行うことにより、車両情報のうちの特定の情報についてのみ閲覧することもできる。たとえば、jamというパラメータが付加されたコンテンツのみを抽出して閲覧することにより、渋滞がどこで起こっているかを見極めることができる。
【0104】
図8を参照して説明した形態は一例であり、使用されるセンサや条件は、任意に設定することができる。たとえば、第1の条件に規定される走行開始の検知に用いるセンサは、パーキングブレーキに限定されるものではなく、車速センサを用いてもよい。また、第2の条件を判断するのに、雨滴センサに代えて、ワイパーが動作したかどうかを検知するセンサで行ってもよい。さらに、雨滴センサ等で降雨が検知され、かつ外気温センサによって外気温が零度以下と感知された場合には、雪が降り出したと判定してもよい。雪が降り出したことを表現するテンプレートを予め用意しておいてもよい。また、第3の条件を判断するのに、車速センサに代えて、ブレーキペダルの動作を検知するセンサを用いてもよい。この場合、第3の条件を、所定時間または所定距離内にブレーキペダルを押す頻度が所定回数以上であることとしてもよい。
【0105】
さらに、雨滴センサ等によって雨滴が検知されなくなったとき、すなわち雨がやんだときには、その旨のコンテンツを投稿するように、テンプレートを用意してもよい。この場合、メタデータのパラメータrainに、”OFF”を設定することができる。同様に、所定距離内での発進・停止の所定回数以上の繰り返しが解消されたとき、すなわち渋滞が解消されたときには、その旨のコンテンツを自動投稿するように、テンプレートを用意してもよい。この場合、メタデータのパラメータjamに、”OFF”を設定することができる。
【0106】
さらに、第1の条件は、目的地が入力されることと、走行開始との2つの条件を含んでいるが、後者のみを必須の条件としてもよい。投稿データ作成部55は、走行開始が検出された際に目的地が入力されていなければ、テンプレート中の“(変数)へ”を削除して、コンテンツを作成することができる。
【0107】
上記の実施形態では、条件が満たされると自動的に投稿が行われるが、代替的に、投稿データを携帯電話10に送信する前に、作成されたコンテンツをスピーカ22を介して出力し、ユーザの確認を要求してもよい。ユーザは、該コンテンツの内容を聞いた上で、何らかの入力操作を介して(たとえば、音声入力でもよいし、何らかのスイッチに対する入力操作でもよい)、投稿の許可および禁止を決定することができる。また、ユーザが、条件毎に、対応するコンテンツの投稿を許可するか否かを予め設定できるようにしてもよい。たとえば、何らかの操作画面で、条件ないしテンプレート毎に、ユーザが、自動投稿を許可するか否かを設定できるようにしてもよい。
【0108】
次に、投稿されたコンテンツをナビゲーション機能に利用する手法について説明する。
【0109】
図4に戻り、コンテンツ抽出部56は、投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、上記のメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。任意の適切な手法で、コンテンツを抽出することができる。
【0110】
一実施形態では、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイトのウェブページをウェブサーバ32から受信する際に、該ウェブページに含まれるメタデータ付きコンテンツのファイルも共に受信する。携帯電話10の送受信制御部117は、前述したように該ウェブページの画面データを車載機器20に送信する際に、一緒に、該コンテンツのファイルを車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信された該コンテンツのファイルを調べ、メタデータ付きのコンテンツを抽出する。
【0111】
代替的に、該画面データの送信とは別個(非同期)に、メタデータ付きのコンテンツのファイルを車載機器20に送信してもよい。たとえば、投稿サイトアクセス部41は、投稿サイト上のコンテンツの最新のファイル(たとえば、最新の1画面分のコンテンツのファイル、最新の所定件数のコンテンツのファイル、または現時点から所定時間内に投稿されたコンテンツのファイル)を、ウェブサーバ32から定期的に受信し、これを、送受信制御部117を介して車載機器20に送信する。コンテンツ抽出部56は、データ受信部51を介して受信されたコンテンツファイルを調べ、メタデータ付きコンテンツを抽出する。
【0112】
なお、さらなる代替として、メタデータが投稿サイト上で表示されている場合には、データ受信部51によって受信される画面データを調べ、carinfoのメタデータが付加されているコンテンツを抽出するようにしてもよい。
【0113】
抽出対象とするコンテンツを時間的に制限することができる。たとえば、コンテンツ抽出部56は、現在の時間から所定時間以内に投稿されたコンテンツのみを抽出することができる。これにより、後述するナビ情報の新鮮さを保つことができる。
【0114】
こうして、自車両から自動投稿されたコンテンツだけでなく、他車両において自動投稿されたコンテンツも抽出される。抽出されたメタデータ付きコンテンツは、ナビゲーション装置30に送られる。
【0115】
ナビゲーション装置30のナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータ付きコンテンツに基づいて、ナビ情報を生成する。ナビ情報は、位置と、該位置に関連づけられた所定の情報と、を含む。この実施形態では、該所定の情報は、渋滞情報と降雨情報である。
【0116】
したがって、ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにrain=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。rain=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では降雨中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”rain=ON”,”location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN,yyyyE」に、降雨という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0117】
渋滞についても同様のことが行われる。ナビ情報生成部72は、受け取ったメタデータcarinfoのうち、パラメータにjam=ONを含むコンテンツがあるかどうかを調べる。jam=ONがあれば、これに対応するlocationパラメータから、位置情報を取得する。こうして、位置と、該位置では渋滞中という情報とが得られる。たとえば、或るコンテンツのメタデータが、carinfo->”jam=ON”,“location=xxxxN yyyyE”であれば、位置「xxxxN yyyyE」に、渋滞という情報が関連づけられ、ナビ情報を生成することができる。
【0118】
ナビ情報は、ナビゲーション装置30によって、車両の乗員にその内容を知らせるのに任意に使用されることができる。
【0119】
一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73が、ナビ情報を、表示装置21および(または)スピーカ22を介して出力することができる。さらに、ナビ情報表示/配信部73は、該ナビ情報を、地図データ上に視覚的に表示させることができる。すなわち、降雨中および渋滞中という情報を、表示装置21上に表示される地図データ上の対応する位置に、視覚的に表示する。こうして、地図データを視認する乗員に、渋滞ないし降雨がどの場所で生じているかを知らせることができる。
【0120】
さらに、一実施形態では、ナビ情報表示/配信部73は、ナビ情報を、ナビサーバ33に送信することができる。ナビサーバ33は、該サーバ33に接続している他の車両に対し、該ナビ情報を配信することができる。配信範囲を、該ナビ情報の位置(locationパラメータから得られた位置)の周辺に存在する他の車両に制限してもよい。該他の車両では、受け取ったナビ情報を、該車両内の表示装置ないしスピーカを介して出力することができる。
【0121】
ここで、配信先である「他の車両」は、より正確には、該サーバ33に接続しているナビゲーション装置を示しており、該ナビゲーション装置は、いわゆる車載専用に搭載された装置でもよいし、ナビゲーション機能を備えている携帯機器でもよい。
【0122】
いわゆるプローブ情報システムは、各車両をセンサに見立てて情報を収集し、加工し、配信するシステムとして知られているが、上記の実施形態によれば、このような専用システムを利用しなくとも、投稿サイトを利用して、簡単かつ安価に、車両情報を共有するネットワークを構築することができる。
【0123】
ここで、具体的なコンテンツ抽出とその表示の一例を、図9および図10を参照して説明する。
【0124】
図9には、所定の簡易投稿サイトに投稿された投稿データの内容、すなわち、該投稿サイトを提供するウェブサーバ32に格納されるコンテンツファイルの内容の一例を示している。
【0125】
この例において、「Aさん」が投稿者であるコンテンツ401は、自車両から自動投稿されたものであり、コンテンツ402〜404は、他車両から自動投稿されたものである。
【0126】
コンテンツ抽出部56は、前述したように、carinfoというメタデータが付加されているコンテンツを抽出する。この例では、コンテンツ401は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、jam=ONとlocationのデータから、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中ということを示すナビ情報を生成する。
【0127】
同様に、コンテンツ402および403は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72により、コンテンツ402からは、位置”xxxxN yyyyE”において渋滞中というナビ情報が生成され、コンテンツ403からは、位置”zzzzN, wwwwE”において渋滞中というナビ情報が生成される。なお、コンテンツ402と403の間のCさんの投稿コンテンツは、メタデータが付加されていないため、抽出されない。
【0128】
コンテンツ404は、carinfoのメタデータを含んでいるので、抽出される。ナビ情報生成部72は、rain=ONとlocationのデータから、位置”uuuuN vvvvE”において降雨中ということを示すナビ情報を生成する。
【0129】
ナビ情報表示/配信部73は、こうして生成されたナビ情報を、表示装置21上に表示する。図10は、該表示の一例を示す。表示装置21上には、地図データが表示されている。ナビ情報表示/配信部73は、コンテンツ401および402から抽出された位置情報に対応する位置(第1の位置)に、符号411に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ403から抽出された位置情報に対応する位置(第2の位置)に、符号412に示すように、渋滞を表すアイコンを重畳表示し、コンテンツ404から抽出された位置情報に対応する位置(第3の位置)に、符号413に示すように、降雨を表すアイコンを重畳表示する。このようなアイコンの重畳表示により、車両の乗員は、どの場所で渋滞および降雨情報が発せられているかを、視覚的に認識することができる。
【0130】
また、この実施形態では、位置毎のコンテンツの投稿数が多いほど、アイコンの大きさを大きくしている。この例では、第1の位置に関するコンテンツ数は2であり、第2の位置に関するコンテンツ数は1であるので、第1および第2の位置には、渋滞を表す同じアイコンが表示されるものの、その大きさは、前者の方が後者よりも大きい。一般に、同じ趣旨のコンテンツを投稿している者が多いほど、その情報の信頼性は高い。したがって、このような表示形態を取ることにより、情報の信頼性を乗員に知らせることができる。
【0131】
なお、アイコンの大きさは、対応するコンテンツ数が多くなるほど、除々に大きくしてもよいし、該コンテンツ数が所定値以下の場合には小さいアイコンとし、所定値より多い場合には大きいアイコンとしてもよい。
【0132】
好ましくは、各アイコンには、対応するコンテンツが関連づけられる。この場合、各ナビ情報を生成する際に、対応するコンテンツを該ナビ情報に関連づけて記憶しておけばよい。こうして、たとえばアイコン411を選択すると、該アイコン411に対応するコンテンツ401および402が読み出されて表示される。これにより、ユーザは、渋滞情報を発したコンテンツの内容を閲覧することができる。
【0133】
さらに、この例では、ナビ情報表示/配信部73は、画面の上部に、テロップ415を表示する。テロップ415は、渋滞に関する情報を文字で表したものである。たとえば、ナビ情報には、位置と、該位置において渋滞中という情報が含まれているので、「○○で渋滞中」(○○には、位置に対応する地名が挿入される)という文を作成して、テロップ415として表示することができる。該テロップ表示により、渋滞のより詳しい情報を表示することができる。
【0134】
該テロップ415中の渋滞情報は、コンテンツ数が多い順番で表示されるのが好ましい。この例では、第1の位置のコンテンツ数が、第2の位置のコンテンツ数よりも多いため、第1の位置のアイコンに「1」という数字を付して、テロップ415の1番目に、第1の位置の渋滞情報を表示している。次に、第2の位置のアイコンに「2」という数字を付して、テロップ415の2番目に、第2の位置の渋滞情報を表示している。
【0135】
なお、或る場所で渋滞ないし降雨が発生して、これに関するコンテンツが複数の車両から投稿されても、locationパラメータに設定されている位置は経緯度情報で表されるため、実際には互いに異なることが多い。したがって、locationパラメータによって示される位置が属する場所の地名、通り名、交差点名等が同じであれば、同じ場所の渋滞情報を示すと判断するのがよい。こうして、図10のアイコン411に示すように、2つのコンテンツのlocationパラメータで示される位置が、○○交差点付近に属する場合には、該2つのコンテンツは同じ場所の渋滞情報を示していると判断して、第1の位置のアイコンに、該2つのコンテンツを関連づけることとなる。
【0136】
こうして、車両の周辺に関連する投稿コンテンツを、地図データ上でまとめて表示することができる。なお、ナビサーバ33によってナビ情報が配信されたならば、該配信されたナビ情報に基づいて、該配信先のナビゲーション装置の地図情報を用いて、図10のような表示を行うようにすることもできる。該配信には、各ナビ情報に対応するコンテンツを含めてもよい。
【0137】
上記の実施形態では、メタデータ付きのコンテンツを対象に抽出しており、該メタデータ付きコンテンツは、自動投稿されたものである。代替的に、手動で、メタデータをコンテンツに記述して投稿してもよく、この場合にも、該メタデータ付きコンテンツを抽出してナビ情報に用いてもよい。
【0138】
さらに、上記のようなメタデータが付加されていないコンテンツについても抽出できるようにしてもよい。たとえば、コンテンツを投稿する際、自動的に現在位置情報を付加する機能を提供するサービスがある(たとえば、ランブリンと呼ばれるサービス)。このようなサービスを提供する投稿サイトの場合には、上記のようなlocationというパラメータは必要とされない。したがって、コンテンツ抽出部56は、このような現在位置情報が自動的に付加される投稿サイトの場合には、たとえば、「渋滞」や「雨」というキーワードを検索して、渋滞を示すコンテンツや、降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。こうして抽出された、現在位置情報付きのコンテンツに基づいて、上記のようなナビ情報を生成してもよい。
【0139】
また、上記のような投稿サービスには、所望の場所(スポット)に対してコンテンツを投稿するような機能もあり、該スポットに投稿されたコンテンツのみを閲覧することができる機能もある。このような機能を利用して、たとえばコンテンツ抽出部56は、携帯電話10を介して、車両の進行路上の或る場所(現在位置およびその周辺だけでなく、目的地や、ナビゲーション機能によって算出された最適経路上の任意の場所等を含むことができる)に対して投稿されたコンテンツをサーバ32に対して要求し、取得する。該取得したコンテンツから、上記のように、「渋滞」や「雨」等のキーワード検索によって、渋滞ないし降雨を示すコンテンツを、該コンテンツに付加された現在位置情報と共に抽出することができる。
【0140】
さらに、上記のような投稿サービスにおいては、地図データも共に提供されることが多いため、ナビ情報を表示するのに、該投稿サービスから提供される地図データを用いてもよい。この場合、携帯電話10を介して該地図データを取得し、車載機器20において、上記のようなナビ情報を、該地図データ上に、たとえばアイコンによって重畳表示することができる。
【0141】
なお、上記の渋滞および降雨の情報は、ナビ情報として利用する情報の一例であり、他の様々な情報を、ナビ情報として利用できるようにしてもよい。また、それに応じて、メタデータのパラメータの種類を増やすようにしてもよい。
【0142】
図11は、この発明の一実施形態に従う、車載機器20の処理部24によって実行される、コンテンツ作成投稿プロセスのフローチャートである。該プロセスは、所定の時間間隔で実行されることができる。
【0143】
ステップS11において、携帯電話10を介して所定の投稿サイトにアクセスしているかどうかを判断する。前述したように、携帯電話10が車載機器20に接続されて、該携帯電話10から、該投稿サイトのウェブページのデータを受信したとき、この判断はYesとなり、ステップS12に進む。そうでなければ、当該プロセスを抜ける。
【0144】
ステップS12において、該アクセスした投稿サイトおよび投稿者(携帯電話10の所有者)について、プロファイル情報が作成されているかどうかを判断する。車両のイグニションをオンにした後に該投稿サイトに最初にアクセスするときには、ステップS12の判断はNoであるので、ステップS13において、前述したように、たとえばアクセスした投稿サイトから、その名前(投稿サービスの名前でもよい)とアカウント情報を取得し、投稿サイトの特性および(または)投稿者の特性からなるプロファイル情報を作成し、プロファイル記憶部61に記憶する。該作成したプロファイル情報には、前述したように、該プロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが関連づけられる。
【0145】
ステップS14において、所定のセンサ29からの出力およびナビゲーション装置30からの所定の情報を取得する。ステップS15において、該取得した情報に基づいて、図6に示すようにして定義された条件のうち、満たされるものがあるかどうかを判断する。いずれの条件も満たされなければ、コンテンツを作成するタイミングではないことを示すので、ステップS19に進む。いずれかの条件が満たされたならば、ステップS16において、ステップS13で作成したプロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部62から読み出し、該テンプレートファイル中の、該条件に対応するテンプレートを読み出す。該テンプレートに中に変数があれば、該変数に、ステップS14で取得された、対応する情報を設定して、コンテンツを作成する。
【0146】
ステップS17において、図7に示すように、IDフィールドに、プロファイル情報からの投稿者名を設定し、本文フィールドに、ステップS16で作成されたコンテンツを設定し、該条件に対応するパラメータとその値をメタデータフィールドに設定して、投稿データを生成する。ステップS18において、該生成された投稿データを、携帯電話10を介して投稿サイトに送信する。
【0147】
ステップS19において、たとえば投稿サイトの更新後のウェブページを要求する信号を、携帯電話10に送信することにより、携帯電話10から、更新後のウェブページのデータを受信して、表示装置21上に表示する。更新後のウェブページには、自身が投稿したコンテンツが表示されることとなる。
【0148】
次に当該プロセスを実施したときには、ステップS12の判断がYesとなり、ステップS14に進む。なお、携帯電話10が、投稿サイトへのアクセスを中止したとき、ステップS19において、携帯電話10を介して更新後のウェブページを受信することができなくなる。これに応じて、ステップS11の判断はNoとなり、コンテンツの作成および投稿も中止されることとなる。
【0149】
図12は、車載機器20の処理部24によって実行される、コンテンツ抽出プロセスのフローチャートを示す。該プロセスは、所定の時間間隔で実行されることができ、また、図11のプロセスと並列に実行されることができる。
【0150】
ステップS31の処理は、ステップS11と同じであり、携帯電話10が投稿サイトにアクセスしている間にわたり、当該プロセスは実行される。
【0151】
ステップS32において、車載機器20によって受信された該投稿サイト上の投稿コンテンツに対して検索処理を実行し、carinfoというメタデータが付加されたコンテンツが見つかるかどうかを調べる。前述したように、ステップS19において投稿サイトのウェブページ(画面データ)を受信する際に、該ウェブページ内のコンテンツのデータを受信してこれを検索してもよいし、該画面データとは別個に携帯電話10を介してウェブサーバ32から取得した投稿コンテンツのファイルに対して検索してもよい。また、前述したように、検索対象となるコンテンツを、たとえば現在の時間から所定時間内に制限してもよい。
【0152】
ステップS33において、該メタデータ付きのコンテンツが見つかったかどうかを判断する。見つからなければ、抽出すべき情報が無いことを示すので、当該プロセスを抜ける。見つかったならば、ステップS34において、該メタデータ付きのコンテンツを抽出し、ステップS35において、該抽出したコンテンツをナビゲーション装置30に送信する。
【0153】
図13は、ナビゲーション装置30によって実行される、ナビ情報の生成配信プロセスのフローチャートを示す。該プロセスは所定の時間間隔で実行されることができる。
【0154】
ステップS51において、車載機器20によってステップS35(図12)で送信された抽出コンテンツを受け取ったかどうかを判断する。受け取っていなければ、当該プロセスを抜ける。受け取ったならば、ステップS52に進み、該受け取ったメタデータ付きコンテンツから、rain=ONおよびjam=ONのコンテンツをさらに選択して、前述したように、位置毎に、降雨中および渋滞中を示すナビ情報を生成する。
【0155】
ステップS53において、こうして生成されたナビ情報を、表示装置21および(または)スピーカ22を介して出力する。図10に示すように、地図データ上に視覚的に該ナビ情報を重畳表示することができる。
【0156】
ステップS54において、該ナビ情報を、所定のナビサーバ33に送信する。こうして、ナビサーバ33は、該受信したナビ情報を、他の車両に配信することができる。
【0157】
上記の実施形態では、情報取得部53によって、所定のセンサ29からの出力とナビゲーション装置30からの情報との両方が取得されているが、代替的に、いずれか一方のみを用いてもよい。この場合、いずれを用いるかに応じて、投稿条件およびテンプレートが規定されることとなる。
【0158】
また、上記の実施形態では、コンテンツの作成と投稿、およびコンテンツの抽出は、車載機器20の処理部24によって実行されるが、代替的に、携帯電話10の処理部14によって実行されてもよい。また、上記の実施形態では、ナビゲーション装置30は車載用のものであり、ナビ情報の生成および配信は、該車載のナビゲーション装置30によって実行されるが、代替的に、携帯電話10の処理部14によって実行されてもよい。すなわち、携帯電話10に備えられたナビゲーション機能を利用してもよく、この場合、車載のナビゲーション装置は必ずしも必要とされない。
【0159】
たとえば、図14は、この発明の他の実施形態に従う、携帯電話10に、コンテンツの作成と投稿、コンテンツの抽出、ナビ情報の生成および配信の機能を実装した、機能ブロック図を示す。図4と異なるのは、データ受信部51、情報取得部53および条件判定部54を除き、車載機器20側で設けられていた機能が、携帯電話10側に設けられている点である。
【0160】
各機能ブロックにより実現される機能は、図4を参照して説明したもの実質的に同じであるが、携帯電話10側のプロファイル作成部152、投稿データ作成部155、コンテンツ抽出部156は、投稿サイトアクセス部41と同様に、図3のアプリケーション実行部111が対応するプログラムを起動することによって実現される機能をブロックで表したものである。同様に、情報送出部171およびナビ情報生成部172は、アプリケーション実行部111が、対応するナビゲーションプログラムを起動することによって実現される機能をブロックで表したものである。ここで、プロファイル記憶部161およびテンプレート記憶部162は、記憶部15に実現される。
【0161】
動作について簡単に述べると、投稿サイトアクセス部41を介して携帯電話10が所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、プロファイル作成部152は、前述したように、該投稿サイトの特性と投稿者の特性から、プロファイル情報を作成し、これをプロファイル記憶部161に記憶する。前述したように、該作成されたプロファイル情報には、該プロファイル情報の内容に沿ったテンプレートファイルが関連づけられる。
【0162】
車載機器20の情報取得部53は、所定の時間間隔で、所定のセンサ29からの出力を取得すると共に、携帯電話10のナビゲーションプログラムによって実現される情報送出部171を介して、現在位置等の所定の情報を取得する。
【0163】
条件判定部54は、情報取得部53によって取得された情報に基づいて、条件記憶部63に記憶された所定の条件のうち、いずれかの条件が満たされるかどうかを判定する。満たされたならば、その旨を示す信号を、該条件に関連づけられた変数の内容(データ)およびパラメータ名と共に、携帯電話10に送信する。
【0164】
該信号に応じて、投稿データ作成部155は、プロファイル情報に対応するテンプレートファイルをテンプレート記憶部162から読み出し、該テンプレートファイルから、該満たされた条件に対応するテンプレートを読み出す。該テンプレート中に変数があれば、車載機器20から受け取った変数のデータを設定し、コンテンツを作成する。投稿データ作成部155は、図7に示すように、IDフィールドに、プロファイル情報の投稿者名を設定し、本文フィールドに、該作成したコンテンツを作成し、メタデータフィールドに、車載機器20から受け取ったパラメータとその値を設定して、投稿データを生成する。投稿サイトアクセス部41は、該生成された投稿データを、通信部16を介して、ウェブサーバ32に送信する。
【0165】
ウェブサーバ32からは、たとえば携帯電話10からの要求に応じて、投稿サイトの更新後のウェブページのデータが返信される。図には省略されているが、該ウェブページのデータは、図3を参照して説明したように、表示制御部113によってメモリ115に一旦描画された後、送受信制御部117によって読み出され、車載機器20に送られる。これが、データ受信部51を介して表示装置21上に表示される。
【0166】
他方、コンテンツ抽出部156は、投稿サイトアクセス部41を介して投稿サイト上に投稿されたコンテンツを取得する。前述したように、投稿サイトのウェブページの受信と一緒に該ウェブページ内のコンテンツをウェブサーバ32から取得してもよいし、これとは別個に、たとえば所定件数および所定期間の最新のコンテンツのファイルをウェブサーバ32から取得してもよい。コンテンツ抽出部156は、取得したコンテンツの中から、carinfoのメタデータが付加されたコンテンツを抽出する。抽出されたコンテンツは、ナビゲーションプログラムによって実現されるナビ情報生成部172に渡され、前述したようにナビ情報が生成される。ナビ情報生成部172は、地図データ上に該ナビ情報を、たとえば図10に示すように重畳表示するための指示を表示制御部113に送る。表示制御部113は、該指示に従って、該地図データに該ナビ情報を重畳表示した表示画面のデータを、メモリ115に描画する。前述したように、送受信制御部117は、該メモリ115から画面データを読み出して車載機器20に送り、これが、表示装置21上に表示される。
【0167】
生成されたナビ情報は、通信部16を介してナビサーバ33に送信されることができ、これにより、該サーバ33に接続している他の車両(前述したように、車載専用のナビゲーション装置でもよいし、ナビゲーション機能を備えた他の携帯機器でもよい)に配信されることができる。
【0168】
代替的に、ナビ情報自体を車載機器20に送信するようにしてもよい。この場合、たとえば、車載機器20の処理部24は、記憶部25をアクセスすることにより、もしくは所定のサーバをアクセスすることにより、該ナビ情報に含まれる位置を含む地図データを取得し、該地図データ上に、該ナビ情報を、図10に示すようにマップして表示装置21上に表示することができる。また、該ナビ情報を、車載機器20からナビサーバ33に送信するようにしてもよい。
【0169】
図11〜図13のプロセスは、図14の形態にも適用可能である。この場合、図11のステップS14およびS15は、車載機器20によって実行されるが、他のステップは、携帯機器10によって実行されることができる。
【0170】
図14に示すものは、図4の実施形態の一変形例にすぎず、様々な変形が可能である。たとえば、図14において、条件判定部54は車載機器20に設けられているが、これを、携帯電話10の処理部14に設けてもよい。また、図14に示すものは、コンテンツ作成、投稿および抽出機能と、ナビゲーション機能とが、携帯電話10側に設けられているが、コンテンツ作成、投稿および抽出機能を携帯電話10側に設け、ナビゲーション機能は、図4に示すように、車載に専用に搭載されているナビゲーション装置30を用いて実現してもよい。
【0171】
以上のように、この発明の特定の実施形態について説明したが、本願発明は、これら実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0172】
10 携帯機器(携帯電話)
20 車載機器
29 センサ
21 表示装置
22 スピーカ
30 ナビゲーション装置
32 ウェブサーバ
33 ナビサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムであって、
前記携帯機器がネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む手段と、
前記車載機器によって、前記車両の走行状態に関する情報を取得する手段と、
前記プロファイル情報および前記取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する手段と、
前記作成したコンテンツが前記投稿サイトに反映されるように、前記携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する手段と、
前記サーバから前記携帯機器を介して受信した前記投稿サイト上のコンテンツを、前記表示装置上に表示する表示手段と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記プロファイル情報は、前記携帯機器が前記所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、自動的に作成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記走行状態に関する情報は、前記車両に搭載された所定のセンサからの出力、および、該車両または携帯機器に搭載されたナビゲーション手段によって出力される情報、の少なくとも一方から取得される、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、ナビゲーション情報として利用可能なコンテンツを抽出し、前記ナビゲーション手段に送る手段を備える、
請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記ナビゲーション手段は、前記抽出されたコンテンツに基づいて生成されたナビゲーション情報を、該ナビゲーション手段に接続される表示装置上に表示すると共に、所定のサーバを経由して他の車両に配信する、
請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【請求項1】
車両に搭載され、表示装置に接続されると共に、通信機能および情報処理機能を備える携帯機器と通信する通信手段を有する車載機器を備えるシステムであって、
前記携帯機器がネットワーク上の所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、該投稿サイトの特性および該携帯機器による投稿を行う投稿者の特性の少なくとも一方を規定したプロファイル情報を読み込む手段と、
前記車載機器によって、前記車両の走行状態に関する情報を取得する手段と、
前記プロファイル情報および前記取得した走行状態の情報に基づいて、投稿すべきコンテンツを作成する手段と、
前記作成したコンテンツが前記投稿サイトに反映されるように、前記携帯機器によって、該コンテンツを、該投稿サイトを提供するサーバに送信する手段と、
前記サーバから前記携帯機器を介して受信した前記投稿サイト上のコンテンツを、前記表示装置上に表示する表示手段と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記プロファイル情報は、前記携帯機器が前記所定の投稿サイトにアクセスしたことに応じて、自動的に作成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記走行状態に関する情報は、前記車両に搭載された所定のセンサからの出力、および、該車両または携帯機器に搭載されたナビゲーション手段によって出力される情報、の少なくとも一方から取得される、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記投稿サイト上に投稿されたコンテンツから、ナビゲーション情報として利用可能なコンテンツを抽出し、前記ナビゲーション手段に送る手段を備える、
請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記ナビゲーション手段は、前記抽出されたコンテンツに基づいて生成されたナビゲーション情報を、該ナビゲーション手段に接続される表示装置上に表示すると共に、所定のサーバを経由して他の車両に配信する、
請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図10】
【公開番号】特開2012−8969(P2012−8969A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146803(P2010−146803)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.JAVA
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.JAVA
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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