説明

携帯無線機

【課題】部品点数の増大を抑えつつ、複数の周波数帯に係る信号を受信することができる携帯無線機を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、第1の周波数帯に共振される磁界アンテナ50と、
磁界アンテナ50により共振される第1の周波数帯の信号を処理する第1の通信処理部51と、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号を減衰するように構成されると共に、磁界アンテナ50の一部において、第2の周波数帯の信号に共振される共振部50aを形成するよう磁界アンテナ50に接続される帯域阻害素子81、82と、共振部50aにより共振される第2の周波数帯の信号を処理する第2の通信処理部71と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを有する携帯無線機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯無線機は、移動体通信網に接続されるメインアンテナが携帯無線機の筐体の外部に設けられたものが一般的であるが、近年、デザイン性の側面から、筐体内部にメインアンテナを内蔵させたものが多くなっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、携帯無線機において、メインアンテナ以外の周波数帯で外部機器と通信を行うためのアンテナが筐体内部に複数個設けられたものも多くなっている(例えば、特許文献2参照)。ここで、メインアンテナ以外の周波数帯を用いた外部機器との通信を行う周波数帯としては、例えばRFID、GPS、Bluetooth等の周波数帯が挙げられる。
【特許文献1】特開2004−227046号公報
【特許文献2】特開2007−306287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に示したような構成では、上述した複数の異なる周波数帯を用いて外部機器と通信を行うためには、周波数帯の数に応じた複数のアンテナを別途設ける必要がある。このため、携帯無線機に搭載される部品点数が増大してしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、部品点数の増大を抑えつつ、複数の周波数帯に係る信号を受信することができる携帯無線機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯無線機は、上記課題を解決するために、第1の周波数帯に共振されるアンテナと、前記アンテナにより共振される前記第1の周波数帯の信号を処理する第1の信号処理部と、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号を減衰可能に構成されると共に、前記アンテナの一部において前記第2の周波数帯の信号に共振される共振部を形成するよう前記アンテナに接続される第1の信号減衰部と、前記共振部により共振される前記第2の周波数帯の信号を処理する第2の信号処理部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記携帯無線機では、前記共振部と前記第2の信号処理部との間に前記第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰する第2の信号減衰部を有することが好ましい。
【0008】
また、上記携帯無線機では、前記第2の信号減衰部は、前記第1の周波数帯の信号を減衰するように構成される、ことが好ましい。
【0009】
また、上記携帯無線機では、前記第1の信号減衰部は、前記共振部が、前記第2の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、前記アンテナに接続される、ことが好ましい。
【0010】
また、上記携帯無線機では、前記第2の周波数帯は、前記第1の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれ、前記共振部には、高次の副次共振点を調整する調整手段が接続される、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品点数の増大を抑えつつ、複数の周波数帯に係る信号を受信することができる携帯無線機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る携帯無線機の一例である携帯電話機1の外観斜視図を示す。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては特にこれに限られない。
【0014】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作ボタン群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12と、を備えて構成される。操作ボタン群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を動作させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、を備える。
【0015】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22と、を備える。
【0016】
また、上述した操作ボタン群11、音声入力部12、ディスプレイ21及び音声出力部22は、後述する処理部62を構成している。
【0017】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開かれた状態(開放状態)にされたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(折畳み状態)にされたりすることができる。
【0018】
図2は、携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。携帯電話機1は、図2に示すように、第1の通信部60と、外部の端末と通信を行う第2の通信部61と、第2の通信部61により通信される情報を処理する処理部62と、を備えている。
【0019】
第1の通信部60は、第1の使用周波数帯(例えば、13.56MHz)により外部装置と通信を行う磁界アンテナ50と、第1の通信処理部(第1の信号処理部)51と、調整用のコンデンサ52と、を備える。なお、第1の通信部60の詳細については後述する。
【0020】
磁界アンテナ50は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)材料からなるシート上に複数回渦巻き状に巻かれたコイルを備えており、外部装置から送信される第1の使用周波数帯の信号を受信する。
【0021】
また、第1の通信部60は、電源部を有さない、いわゆる受動型(Passive)の誘導電磁界方式(電磁誘導方式)や、受動型の相互誘導方式(電磁結合方式)又は放射電磁界方式(電波方式)や、電源部を有する能動型(Active)等を用いることができる。また、第1の通信部60のアクセス方式として、リード・ライト型や、リードオンリー型や、ライトワンス型等を用いることができる。
【0022】
また、第2の通信部61は、図2に示すように、第1の使用周波数帯よりも高い周波数帯である第2の使用周波数帯により外部装置と通信を行うメインアンテナ70と、変調処理又は復調処理等の信号処理を行う第2の通信処理部(第2の信号処理部)71と、を備える。また、第1の通信部60及び第2の通信部61は、充電池43から電源の供給を受けている。
【0023】
メインアンテナ70は、第2の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。なお、本実施の形態では、第2の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。
【0024】
第2の通信処理部71は、メインアンテナ70によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を処理部62に供給し、あるいは処理部62から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ70を介して外部装置に送信する。
【0025】
また、処理部62は、図2に示すように、操作ボタン群11と、音声入力部12と、ディスプレイ21と、音声出力部22と、所定の演算処理を行うCPU72と、所定のデータが格納されているメモリ73と、所定の音処理を行う音響処理部74と、所定の画像処理を行う画像処理部75と、被写体を撮像するカメラモジュール76と、着信音等が出力されるスピーカ77と、を備えている。また、処理部62は、充電池43から電源の供給を受けている。なお、携帯電話機1は、図2に示すように、第1の通信処理部51とCPU72とが、信号線Sで結ばれており、信号線Sを介して第1の通信部60により処理された情報が画像処理部75に供給され、画像処理部75により処理された情報がディスプレイ21に表示される構成となっている。
【0026】
ここで、以下の第1〜第3実施形態では、第1の通信部60の構成について、より詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について以下に説明する。図3は、第1実施形態における第1の通信部60の構成について示す図である。図3に示すように、第1の通信部60は、磁界アンテナ(アンテナ)50と、帯域阻害素子(第1の信号減衰部)81、82と、第1の通信処理部(第1の信号処理部)51と、第2の通信処理部(第2の信号処理部)71と、フィルタ(第2の信号減衰部)55と、を備える。
【0028】
なお、本実施形態においては、上述したメインアンテナ70は、磁界アンテナ50の一部により構成されているものとする。このような構成では、メインアンテナ70を別途設ける必要が無い。
【0029】
磁界アンテナ50は、第1の周波数帯(例えば13.56MHz)に共振される。
第1の通信処理部51は、磁界アンテナ50により共振される第1の周波数帯の信号を処理する。具体的には、磁界アンテナ50を介して供給された第1の周波数帯の信号に対して復調等の信号処理を行う。
【0030】
帯域阻害素子81、82は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯(例えば、800MHz)の信号を減衰可能に構成されると共に、磁界アンテナ50の一部において、第2の周波数帯の信号に共振される共振部50aを形成するように磁界アンテナ50に接続される。すなわち、帯域阻害素子81、82により第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号が減衰される。また、帯域阻害素子81、82で形成される共振部50aは、第2の周波数帯の信号と共振される。帯域阻害素子81、82は、例えばノッチフィルタやフェライトビーズにより構成される。本実施形態では、帯域阻害素子81、82としてフェライトビーズを用いる。
【0031】
ここで、共振部50aは、磁界アンテナ50のうち、帯域阻害素子81と帯域阻害素子82との間に形成されるエレメント(図3中の破線で囲まれる領域)である。
【0032】
第2の通信処理部71は、共振部50aにより共振される第2の周波数帯の信号を処理する。
【0033】
第1実施形態の携帯電話機1は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号を減衰するように構成されると共に、磁界アンテナ50の一部において、第2の周波数帯の信号に共振される共振部50aを形成するように磁界アンテナ50に接続される帯域阻害素子81、82を設けた。
【0034】
このため、携帯電話機1は、共振させたい周波数帯(第1の周波数帯、第2の周波数帯)が複数存在する場合であっても、磁界アンテナ50により複数の周波数帯の信号と共振することができる。したがって、携帯電話機1の部品点数を削減し、携帯電話機1の筐体の大型化を抑制することができる。
【0035】
フィルタ55は、共振部50aと、第2の通信処理部71との間に設けられ、共振部50a及び第2の通信処理部71と接続されており、第1の周波数帯の信号を減衰する。
【0036】
これにより、磁界アンテナ50により共振された第1の周波数帯の信号がフィルタ55により第1の周波数帯の信号を減衰されるため、第2の通信処理部71は、第2の周波数帯での無線通信を好適に行うことができる。
【0037】
また、フィルタ55は、第1の周波数帯に限らず、第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するように構成されてもよい。例えば、フィルタ55として、第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するバンドパスフィルタを用いることができる。
【0038】
このため、第2の通信処理部71は、第2の周波数帯での無線通信をより好適に行うことができる。
【0039】
また、帯域阻害素子81、82は、共振部50aが、第2の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、磁界アンテナ50に接続されるように構成してもよい。
【0040】
このため、携帯電話機1は、磁界アンテナ50のエレメントの長さを不必要に長くすることなく、複数の周波数帯の信号と共振することができる。したがって、携帯電話機1の筐体の大型化を抑制することができる。
【0041】
また、第2の周波数帯が、第1の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれる場合には、共振部50aに、高次の副次共振点を減衰させる手段としてのフィルタ55が接続されるように構成してもよい。
【0042】
また、図示しないリアクタンス調整手段を磁界アンテナ50に接続することにより、この高次の副次共振点を調整する構成としてもよい。ここでリアクタンス調整手段としては、誘電体材料、磁性体材料、離調コンデンサ、磁界アンテナの巻き数を調整可能な構成等が考えられる。これは、高次の副次共振点に関しては、磁界アンテナ50のL値が支配的であり、このL値を変化させることにより、高次共振点の位置を調整することができることに基づくものである。
【0043】
これにより、第2の通信処理部71は、第2の周波数帯(例えば、800MHz)に第1の周波数帯の高次の副次共振点(例えば、13.56MHz×n)の一部が含まれる場合であっても、フィルタ55により第1の周波数帯の高次の副次共振点を低減することができる。したがって、第1の周波数帯の高次の副次共振点が第2の周波数帯に重なって共振部50aの利得が劣化することを好適に抑制することができる。
【0044】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について以下に説明する。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0045】
図4は、第2実施形態における携帯電話機1の第1の通信部60の構成について示す図である。図4に示すように、第1の通信部60は、磁界アンテナ50と、帯域阻害素子83、84、85、86と、第1の通信処理部51と、第2の通信処理部71と、フィルタ55と、GPS回路部56と、フィルタ57と、Bluetooth(登録商標)回路部58と、フィルタ59とを備える。
【0046】
第2実施形態における携帯電話機1は、帯域阻害素子83、84、85、86と、GPS回路部56と、フィルタ57と、Bluetooth回路部58と、フィルタ59とを備える点が第1実施形態と異なる。
【0047】
帯域阻害素子83、84は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯(例えば、800MHz)の信号を減衰し、磁界アンテナ50の一部において、第2の周波数帯の信号に共振される共振部50bを形成するように磁界アンテナ50に接続される。すなわち、帯域阻害素子83、84により第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号が減衰される。また、帯域阻害素子83、84の間に形成される共振部50bは第2の周波数帯の信号に共振される。
【0048】
帯域阻害素子83、85は、第1の周波数帯とは異なる第3の周波数帯(例えば、1.5GHz)の信号を減衰し、磁界アンテナ50の一部において、第3の周波数帯の信号に共振される共振部50cを形成するように磁界アンテナ50に接続される。すなわち、帯域阻害素子83、85により第1の周波数帯とは異なる第3の周波数帯の信号が減衰される。また、帯域阻害素子83、85の間に形成される共振部50cは第3の周波数帯の信号に共振される。
【0049】
帯域阻害素子83、86は、第1の周波数帯とは異なる第4の周波数帯(例えば、2.4GHz)の信号を減衰し、磁界アンテナ50の一部において、第4の周波数帯の信号に共振される共振部50dを形成するように磁界アンテナ50に接続される。すなわち、帯域阻害素子83、86により第1の周波数帯とは異なる第4の周波数帯の信号が減衰される。また、帯域阻害素子83、86の間に形成される共振部50dは第4の周波数帯の信号に共振される。
【0050】
本実施形態では、磁界アンテナ50を構成する各線に亘って設けられるフェライトビーズを帯域阻害素子83として用いる。また、磁界アンテナ50を構成する各線のうち、一線ごとに設けられるフェライトビーズを帯域阻害素子84、85、86として用いる。
【0051】
共振部50bは、磁界アンテナ50のうち、帯域阻害素子83と、帯域阻害素子84とにより構成されるエレメントである。また、共振部50cは、磁界アンテナ50のうち、帯域阻害素子83と、帯域阻害素子85とにより構成されるエレメントである。また、共振部50dは、磁界アンテナ50のうち、帯域阻害素子83と、帯域阻害素子86とにより構成されるエレメントである。
【0052】
第2の通信処理部(第2の信号処理部)71は、共振部50bに接続され、共振部50bにより共振される第2の周波数帯の信号を処理する。
【0053】
GPS回路部(第2の信号処理部)56は、地球上における現在位置を測位するシステム(GPS:Global Positioning System)を利用してリアルタイムに現在位置を検出する。GPS通信で用いられる周波数帯は、第3の周波数帯(1.5GHz)である。
【0054】
そして、GPS回路部56は、共振部50cに接続され、共振部50cにより共振される第3の周波数帯の信号を処理する。
【0055】
Bluetooth回路部(第2の信号処理部)58は、Bluetooth規格に準拠した外部装置との無線通信を行う。Bluetooth通信で用いられる周波数帯は、第4の周波数帯(2.4GHz)である
【0056】
そして、Bluetooth回路部58は、共振部50dに接続され、共振部50dにより共振される第4の周波数帯の信号を処理する。
【0057】
フィルタ55は、共振部50bと、第2の通信処理部71との間に設けられ、共振部50b及び第2の通信処理部71と接続されており、第1、第3及び第4の周波数帯の信号を減衰する。また、フィルタ55は、第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するように構成されてもよい。例えば、フィルタ55として、第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するバンドパスフィルタを用いることができる。
【0058】
フィルタ57は、共振部50cと、GPS回路部56との間に設けられ、共振部50c及びGPS回路部56と接続されており、第1、第2及び第4の周波数帯の信号を減衰する。また、フィルタ57は、第3の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するように構成されてもよい。例えば、フィルタ57として、第3の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するバンドパスフィルタを用いることができる。
【0059】
フィルタ59は、共振部50dと、Bluetooth回路部58との間に設けられ、共振部50d及びBluetooth回路と接続されており、第1、第2及び第3の周波数帯の信号を減衰する。また、フィルタ59は、第4の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するように構成されてもよい。例えば、フィルタ59として、第4の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰するバンドパスフィルタを用いることができる。
【0060】
帯域阻害素子83、84は、共振部50bが、第2の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、磁界アンテナ50に接続されるように構成してもよい。
【0061】
また、帯域阻害素子83、85は、共振部50cが、第3の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、磁界アンテナ50に接続されるように構成してもよい。
【0062】
また、帯域阻害素子83、86は、共振部50dが、第4の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、磁界アンテナ50に接続されるように構成してもよい。
【0063】
第2の周波数帯が、第1、第3及び第4の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれる場合には、共振部50bには、これら高次の副次共振点を減衰させる手段としてのフィルタ55が接続されるように構成してもよい。
【0064】
また、図示しないリアクタンス調整手段を磁界アンテナ50に接続することにより、この高次の副次共振点を調整する構成としてもよい。ここでリアクタンス調整手段としては、誘電体材料、磁性体材料、離調コンデンサ、磁界アンテナの巻き数を調整可能な構成等が考えられる。これは、高次の副次共振点に関しては、磁界アンテナ50のL値が支配的であり、このL値を変化させることにより、高次共振点の位置を調整することができることに基づくものである。
【0065】
また、第3の周波数帯が、第1、第2及び第4の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれる場合には、共振部50cには、これら高次の副次共振点を減衰させる手段としてのフィルタ57が接続されるように構成してもよい。
【0066】
また、図示しないリアクタンス調整手段を磁界アンテナ50に接続することにより、この高次の副次共振点を調整する構成としてもよい。ここでリアクタンス調整手段としては、誘電体材料、磁性体材料、離調コンデンサ、磁界アンテナの巻き数を調整可能な構成等が考えられる。これは、高次の副次共振点に関しては、磁界アンテナ50のL値が支配的であり、このL値を変化させることにより、高次共振点の位置を調整することができることに基づくものである。
【0067】
また、第4の周波数帯が、第1、第2及び第3の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれる場合には、共振部50dには、これら高次の副次共振点を減衰させる手段としてのフィルタ59が接続されるように構成してもよい。
【0068】
また、図示しないリアクタンス調整手段を磁界アンテナ50に接続することにより、この高次の副次共振点を調整する構成としてもよい。ここでリアクタンス調整手段としては、誘電体材料、磁性体材料、離調コンデンサ、磁界アンテナの巻き数を調整可能な構成等が考えられる。これは、高次の副次共振点に関しては、磁界アンテナ50のL値が支配的であり、このL値を変化させることにより、高次共振点の位置を調整することができることに基づくものである。
【0069】
第2実施形態の携帯電話機1によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができ、更に第1、第2の周波数帯だけでなく、第3、第4の周波数帯であっても、磁界アンテナ50により共振することができる。
【0070】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について以下に説明する。第3実施形態については、第2実施形態と異なる点を中心に説明し、第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0071】
第3実施形態は、磁界アンテナ50を構成する各線に亘って設けられる帯域阻害素子83に代えて、磁界アンテナ50を構成する各線のうち、一線ごとに設けられる帯域阻害素子87、88、89を備える点が第2実施形態とは異なる。
【0072】
第3実施形態の携帯電話機1は、磁界アンテナ50を構成する各線のうち、一線ごとに設けられる帯域阻害素子87、88、89を備える。したがって、共振部50b、50c、50dに対応する位置ごとに、それぞれ、第2の通信処理部71及びフィルタ55、GPS回路部56及びフィルタ57、Bluetooth回路部58及びフィルタ59を配置することができる。
【0073】
このように、第3実施形態の携帯電話機1によれば、第2実施形態と同様の効果を奏することができ、さらに携帯電話機1の筐体内部の限られた空間を有効に活用することができ、携帯電話機1の筐体の大型化を抑制することができる。
【0074】
なお、上述した実施形態では、第1の周波数帯により外部装置と通信を行う磁界アンテナ50を用いて複数の周波数帯との共振を行ったが、これに限られない。例えば、ダイバーシチのループアンテナを用いて複数の周波数帯との共振を行ってもよい。
【0075】
また、磁界アンテナ50により共振させる周波数帯は、上述した第2〜第4の周波数帯に限られず、他の周波数帯を用いて共振させてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態においては、携帯電話機1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、例えばノートパソコン等の携帯型パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る携帯無線機の一例である携帯電話機1の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機1の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態における第1の通信部60の構成について示す図である。
【図4】第2実施形態における第1の通信部60の構成について示す図である。
【図5】第3実施形態における第1の通信部60の構成について示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯電話機
50 磁界アンテナ
50a 共振部
51 第1の通信処理部
55 フィルタ
71 第2の通信処理部
81、82 帯域阻害素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯に共振されるアンテナと、
前記アンテナにより共振される前記第1の周波数帯の信号を処理する第1の信号処理部と、
前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の信号を減衰可能に構成されると共に、前記アンテナの一部において前記第2の周波数帯の信号に共振される共振部を形成するよう前記アンテナに接続される第1の信号減衰部と、
前記共振部により共振される前記第2の周波数帯の信号を処理する第2の信号処理部と、を有することを特徴とする携帯無線機。
【請求項2】
前記共振部と前記第2の信号処理部との間に前記第2の周波数帯以外の周波数帯の信号を減衰する第2の信号減衰部を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯無線機。
【請求項3】
前記第2の信号減衰部は、前記第1の周波数帯の信号を減衰するように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の携帯無線機。
【請求項4】
前記第1の信号減衰部は、前記共振部が、前記第2の周波数帯に対応する波長の半波長分又は4分の1波長分の長さになるように、前記アンテナに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯無線機。
【請求項5】
前記第2の周波数帯は、前記第1の周波数帯の高次の副次共振周波数帯の少なくとも一部に含まれ、
前記共振部には、高次の副次共振点を調整する調整手段が接続される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯無線機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−35037(P2010−35037A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196885(P2008−196885)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】