説明

携帯無線端末装置

【課題】アンテナ特性を維持しつつ、小型化及び薄型化を実現することができる携帯無線端末装置を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、操作部側筐体2と、操作部側筐体2に配置される回路基板70と、回路基板70に実装された給電部75と、回路基板70に形成されたグランド部77と、グランド部77に接続される負極充電端子71bと、操作部側筐体2に配置され、給電部75に接続されるアンテナ66の放射エレメント66aと、放射エレメント66aに対して所定距離を隔てて配置され、かつ、接続端子72bに接続されるグランドエレメント74と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを有する携帯無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯無線端末装置において、アンテナと、無給電素子とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような携帯無線端末装置は、アンテナの放射エレメントの近傍に無給電素子を設けることにより、アンテナ特性(例えば、アンテナの利得)を向上させることができる。
【0003】
特許文献1に記載の広帯域内蔵アンテナ装置は、筐体の箱部分にアンテナが形成された回路基板を配置し、筐体の蓋部分に無給電素子を配置している。そして、広帯域内蔵アンテナ装置において、箱部分と蓋部分とを組み合わせたときに、アンテナと無給電素子とが静電容量結合されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−85436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、携帯無線端末装置については、小型化及び薄型化が要望される場合がある。しかし、携帯無線端末装置の小型化及び薄型化を実現しようとすると、携帯無線端末装置の筐体内において、無給電素子を配置することが困難になり、その結果、アンテナ特性の劣化を招くおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、アンテナ特性を維持しつつ、小型化及び薄型化を実現することができる携帯無線端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯無線端末装置は、上記課題を解決するために、筐体と、該筐体に配置される回路基板と、該回路基板に実装された高周波給電部と、前記回路基板に形成されたグランド部と、該グランド部に接続される負極充電端子と、前記筐体に配置され、前記高周波給電部に接続されるアンテナの放射エレメントと、該放射エレメントに対して所定距離を隔てて配置され、かつ、前記負極充電端子に接続される前記アンテナのグランドエレメントと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記アンテナは、複数の周波数帯に対応可能なマルチバンドアンテナであり、前記グランドエレメントは、前記複数の周波数帯のうち一の周波数帯に対応する前記放射エレメントの長手方向に対して平行に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記グランドエレメントは、前記負極端子と一体に成形された板金からなることが好ましい。
【0010】
また、前記筐体は、前記回路基板及び前記アンテナが配置される第1ケース部と、前記第1ケース部と結合して前記回路基板及び前記アンテナを収容する第2ケース部を有し、前記グランドエレメントは、前記第2ケース部における前記回路基板と対向する側の面とは反対側の面に形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記筐体は、前記回路基板及び前記アンテナが配置される第1ケース部と、前記第1ケース部と結合して前記回路基板及び前記アンテナを収容する第2ケース部を有し、前記グランドエレメントは、前記第2ケース部における前記回路基板と対向する側の面に形成されることが好ましい。
【0012】
また、前記グランドエレメントは、前記回路基板上に実装されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アンテナ特性を維持しつつ、小型化及び薄型化を実現することができる携帯無線端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る携帯無線端末装置の第1実施形態である携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】操作部側筐体に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図3】第1実施形態の携帯電話機におけるアンテナ及びグランドエレメントの構成を示す概略図である。
【図4】フロントケースとリアケースとを結合させた場合における断面構造を示す図である。
【図5】放射エレメント、回路基板、グランドエレメント、給電部及び充電ピンの構成について示す概略図である。
【図6】第2実施形態の携帯電話機におけるアンテナ及びグランドエレメントの構成を示す概略図である。
【図7】第2実施形態の携帯電話機において、フロントケースとリアケースとを結合させた場合における断面構造を示す図である。
【図8】第3実施形態の携帯電話機におけるアンテナ及びグランドエレメントの構成を示す概略図である。
【図9】第3実施形態の携帯電話機において、フロントケースとリアケースとを結合させた場合における断面構造を示す図である。
【図10】第4実施形態の携帯電話機におけるアンテナ及びグランドエレメントの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明に係る携帯無線端末装置の第1実施形態である携帯電話機1の外観斜視図である。
携帯電話機1は、表面がフロントケース2aとリアケース2bにより構成される操作部側筐体2と、表面がフロントパネル3aとリアパネル3bにより構成される表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2は、フロントケース2a表面に、操作ボタン群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とが露出するように構成される。また、操作ボタン群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15とを有する。また、操作部側筐体2の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェースを覆うキャップ16が設けられている。
【0016】
また、表示部側筐体3は、フロントパネル3aに、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22とが露出するように構成される。
【0017】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、図1に示すように、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(折畳み状態)にしたりできる。なお、本実施形態において、ヒンジ機構4による折り畳み式の携帯電話機1の説明をしているが、折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを、2軸ヒンジを介して連結したもの、さらには、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ)でもよい。
【0018】
図2は、操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。
図2に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、上述した操作ボタン群11を構成するキーシート40と、フレキシブルプリント回路基板50と、シールドケース60と、基準電位パターンが形成されている層及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、リアケース2bと、二次電池80と、電池蓋90とを備える。また、操作部側筐体2において、フロントケース2aと、キーシート40と、フレキシブルプリント回路基板50と、シールドケース60と、支持部材65と、アンテナ66と、回路基板70と、リアケース2bとは、積層的に配置される。二次電池80は、リアケース2bの外側から装脱可能に収納され、電池蓋90により覆われる。また、二次電池80は、回路基板70と接続し、回路基板70上に実装された電子部品に電力を供給する。
【0019】
また、フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キーシート40と、フレキシブルプリント回路基板50と、シールドケース60と、回路基板70とが挟まれるようにして内蔵される。つまり、回路基板70を覆うようにしてシールドケース60が積層配置され、また、シールドケース60の上面側にフレキシブルプリント回路基板50が積層配置され、また、フレキシブルプリント回路基板50の上面にキーシート40が積層配置される。つまり、フロントケース2aとリアケース2bとは、キーシート40と、フレキシブルプリント回路基板50と、シールドケース60と、回路基板70とを収容している。
【0020】
回路基板70は、シールドケース60と対向する上面70aと、リアケース2bと対向する裏面70bとを有している。
また、回路基板70とシールドケース60とは、複数の連結部において着脱可能に部分的に固定される。また、回路基板70には、複数の電子回路が形成されている。複数の電子回路は、所定の機能を発揮する各種電子部品により構成されている。また、各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、無線回路、電源回路、デジタル回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
【0021】
シールドケース60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する金属製の部材である。なお、シールドケース60は、金属により形成する以外に、骨格を樹脂により形成し、その表面に導体膜を形成したものでもよい。
【0022】
フレキシブルプリント回路基板50は、フロントケース2a側の面に複数のキースイッチ51、52、53を有し、シールドケース60における平板部42に載置される。フレキシブルプリント回路基板50のキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、フレキシブルプリント回路基板50の表面に印刷された不図示の電気回路に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通する。なお、フレキシブルプリント回路基板50は、複数の絶縁フィルムの間に配線を挟み込んで構成される基板である。
【0023】
キーシート40は、シリコンゴム製のシート41の表面に操作ボタン群11が接着剤により貼り付けられて構成される。キーシート40における操作ボタン群11を構成する機能設定操作ボタン13、入力操作ボタン14及び決定操作ボタン15は、フレキシブルプリント回路基板50におけるキースイッチ51、52、53と対向する位置に配置されると共に、後述するフロントケース2aに形成されるキー孔から露出するように配置される。
【0024】
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3のディスプレイ21と対向する内側面に、キー孔が複数形成される。複数のキー孔それぞれからは、キーシート40上に形成される機能設定操作ボタン13、入力操作ボタン14及び決定操作ボタン15の押圧面が露出する。この露出した操作ボタン群11を構成する機能設定操作ボタン13、入力操作ボタン14及び決定操作ボタン15の押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれにおけるメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
【0025】
リアケース2bは、回路基板70と対向する側の面である内面23と、内面23の反対側の面である二次外観面24とを有している。
リアケース2bの一端側には、支持部材65の上に配置され、支持部材65によって支持されたアンテナ66が配置される。アンテナ66は、携帯電話機1における一端側に配置される。具体的には、アンテナ66は、携帯電話機1におけるヒンジ機構4側と反対の端部側に配置される。
【0026】
アンテナ66は、高周波給電部としての給電部75(図5参照)を介して回路基板70から給電されると共に、回路基板70のRFモジュール等と接続される。
【0027】
アンテナ66は、複数の使用周波数帯に対応可能なマルチバンドアンテナである。
例えば、アンテナ66は、3バンドに対応可能であり、第1の使用周波数帯(例えば、800MHz)及び第2の使用周波数帯(例えば、2GHz)で外部装置(基地局)と通信を行い、第3の使用周波数帯(例えば、1.5GHz)でGPS通信を行う。
【0028】
アンテナ66は、上述した3つの使用周波数帯に対応しているため、複数の放射エレメント66aを有している。放射エレメント66aは、3つの使用周波数帯それぞれに対応した電気的な長さを有する板状の板金で形成され、操作部側筐体2の短手方向に長く形成される。なお、アンテナ66の配置位置、形状、材料等は一例であり、これに限定されるものではない。
【0029】
図3は、第1実施形態の携帯電話機1におけるアンテナ66及びグランドエレメント74の構成を示す概略図である。図3(a)は、回路基板70を裏面70b側から視た図であり、図3(b)は、リアケース2bを二次外観面24側から視た図である。
【0030】
図3(a)に示すように、フロントケース2aには、回路基板70及びアンテナ66が配置される。回路基板70の一端側(アンテナ66が配置される側)には、接続端子72a、72bが形成される。
【0031】
図3(b)に示すように、リアケース2bの二次外観面24側には、充電ピン73a、73bと、グランドエレメント74と、が形成される。
図3(a)及び図3(b)に示すフロントケース2a及びリアケース2bを重ね合わせて結合した場合、フロントケース2a及びリアケース2bは、回路基板70及びアンテナ66を収容する。
【0032】
充電ピン73aは、正極(HOT)側の充電ピンであり、充電ピン73bは、負極(GND(グランド))側の充電ピンである。また、充電ピン73bは、回路基板70に形成されるグランド部77(図5参照)と電気的に接続している。なお、グランド部77は、例えば、回路基板70に形成される基準電位パターン(不図示)である。
【0033】
また、充電ピン73a、73bは、それぞれ接続端子72a、72bに対応しており、充電ピン73aと充電ピン73bとの間隔は、接続端子72aと接続端子72bとの間隔と等しくなっている。
【0034】
フロントケース2aにリアケース2bを重ね合わせて結合した場合、接続端子72a及び充電ピン73aが接続し、接続端子72b及び充電ピン73bが接続する。
この場合、接続端子72a及び充電ピン73aは、二次電池80の正極充電端子71aを構成し、接続端子72b及び充電ピン73bは、二次電池80の負極充電端子71bを構成する。ここで、二次電池80から出力される電力は、正極充電端子71a及び負極充電端子71bを介して、回路基板70上に配置される電子部品に供給される。
【0035】
グランドエレメント74は、充電ピン73bと一体に成形された板金からなり、L字形状を有している。グランドエレメント74は、アンテナ66の放射エレメント66aと対応する位置に配置されている。また、グランドエレメント74は、3つの使用周波数帯のうち一の使用周波数帯に対応する放射エレメント66aの長手方向に対して、平行となるように形成されている。
【0036】
グランドエレメント74の電気的な長さは、例えば、第3の使用周波数帯(2GHz帯)に対応した長さで形成される。このため、グランドエレメント74は、第3の使用周波数帯に対応する放射エレメント66aにおける利得を向上させることができる。
また、グランドエレメント74の一端(充電ピン73bと一体に成形されていない側)は、開放端となっている。
【0037】
図4は、フロントケース2aとリアケース2bとを結合させた場合における断面構造を示す図であり、図3(a)及び図3(b)に示すA−A線断面図である。
図4に示すように、フロントケース2aとリアケース2bとを結合させた場合、接続端子72aと充電ピン73aとが接続し、正極充電端子71aを構成する。また、接続端子72bと充電ピン73bとが接続し、負極充電端子71bを構成する。
【0038】
グランドエレメント74は、二次外観面24において、充電ピン73bと一体に成形されている。また、グランドエレメント74は、放射エレメント66aと対向する位置に形成されている。また、グランドエレメント74は、放射エレメント66aと所定距離を隔てて形成されている。
【0039】
図5は、放射エレメント66a、回路基板70、グランドエレメント74、給電部75及び充電ピン73bの構成について示す模式図である。
図5に示すように、放射エレメント66aは、一端が開放端となっており、他端が給電部75と接続している。また、上述したように、グランドエレメント74は、一端が開放端となっており、他端が充電ピン73bと一体に成形されることで、充電ピン73b(グランド部77)と接続している。
【0040】
給電部75は、アンテナ66に近接する位置(例えば、アンテナ66上)に配置され、アンテナ66に給電する。給電部75は、放射エレメント66a、回路基板70及び充電ピン73bと電気的に接続している。また、給電部75は、グランド部77と接続されており、グランド部77は、接続端子72bを介して、充電ピン73bと接続されるため、給電部75と充電ピン73bとは、電気的に接続されているものとして扱うことができる。
【0041】
このように第3の使用周波数帯を有する放射エレメント66aは、この放射エレメント66aに対応するグランドエレメント74が所定距離を隔てて設けられているため、第3の使用周波数帯を送受信する際のアンテナ利得が向上する。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態の携帯電話機1は、給電部75に接続されると共に、放射エレメント66aを有するアンテナ66と、リアケース2bにおける放射エレメント66aに所定距離を隔てて配置され、充電ピン73b(負極充電端子71b)に接続されるグランドエレメント74とを備えている。
【0043】
これにより、グランドエレメント74は、負極充電端子71bと接続されるため、携帯電話機1の設計及び/又は製造時にグランドエレメント74の組み込みが容易になる。したがって、携帯電話機1は、小型化及び薄型化を実現しつつ、アンテナ66のアンテナ特性を維持することができる。
【0044】
また、第1実施形態の携帯電話機1において、アンテナ66は、複数の使用周波数帯を有するマルチバンドアンテナであり、グランドエレメント74は、複数の使用周波数帯のうち一の使用周波数帯に対応する放射エレメント66aの長手方向に対して平行に形成される。
【0045】
このように、携帯電話機1は、放射エレメント66aと、グランドエレメント74とが平行に形成されているため、例えば、第3の使用周波数帯に対応する放射エレメント66aのアンテナ特性がより向上する。
【0046】
また、第1実施形態の携帯電話機1において、グランドエレメント74は、充電ピン73b(負極充電端子71b)と一体に成形された板金からなる。このため、携帯電話機1は、より好適に小型化及び薄型化を実現でき、さらにグランドエレメント74の製造コストを削減できる。また、グランドエレメント74は、充電ピン73bと一体に成形されるため、携帯電話機1の設計及び/又は製造時にグランドエレメント74の組み込みがより容易になる。また、グランドエレメント74は、充電ピン73b(負極充電端子71b)と接続しているため、グランド部77の安定化、及び各使用周波数帯におけるバンド幅の確保が容易になる。
【0047】
また、第1実施形態の携帯電話機1において、グランドエレメント74は、リアケース2bにおける回路基板70と対向する側の面とは反対側の二次外観面24に形成される。このため、携帯電話機1は、小型化及び薄型化をより好適に実現することができる。
【0048】
以下、本発明の携帯無線端末装置の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同一符号を付し、説明を省略する。他の実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
【0049】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る携帯電話機1について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態の携帯電話機1におけるアンテナ66及びグランドエレメント74の構成を示す概略図である。図6(a)は、回路基板70を裏面70b側から視た図であり、図6(b)は、リアケース2bを内面23側から視た図である。
【0050】
図7は、第2実施形態の携帯電話機1において、フロントケース2aとリアケース2bとを結合させた場合における断面構造を示す図であり、図6(a)及び図6(b)に示すA−A線断面図である。
【0051】
図6及び図7に示すように、第2実施形態の携帯電話機1は、グランドエレメント74がリアケース2bの内面23側に形成されている点が第1実施形態とは異なる。
詳細には、グランドエレメント74は、リアケース2bの内面23側において、充電ピン73bと一体に成形された板金からなり、逆L字形状で形成されている。グランドエレメント74についての他の構成は、第1実施形態のグランドエレメント74と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0052】
第2実施形態の携帯電話機1は、内面23にグランドエレメント74を形成するため、例えば、設計上の都合等によりリアケース2bの二次外観面24にグランドエレメント74が形成できない場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0053】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る携帯電話機1について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、第2実施形態の携帯電話機1におけるアンテナ66及びグランドエレメント74の構成を示す概略図である。詳細には、図8は、回路基板70の裏面70b側から視た図である。図9は、第3実施形態の携帯電話機1において、フロントケース2aとリアケース2bとを結合させた場合における断面構造を示す図であり、図8に示すA−A線断面図である。
【0054】
図8及び図9に示すように、第2実施形態の携帯電話機1は、リアケース2bに代えて、回路基板70の裏面70b側にグランドエレメント74が実装(形成)されている点が第1及び第2実施形態とは異なる。詳細には、図8に示すように、グランドエレメント74は、接続端子72bと一体に成形されて、回路基板70に実装されている。また、接続端子72bは、回路基板70のグランド部77と接続している。また、図8及び図9に示すように、グランドエレメント74は、回路基板70のアンテナ66に近接する位置に配置されている。
【0055】
第3実施形態の携帯電話機1は、グランドエレメント74が回路基板70に実装されるため、第1実施形態の携帯電話機1の効果に加え、例えば、回路基板70の厚さ方向において設計の自由度を向上させることができる。
【0056】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る携帯電話機1について、図10を参照しながら説明する。図10は、第4実施形態の携帯電話機1におけるアンテナ66及びグランドエレメント74の構成を示す概略図である。図10(a)は、回路基板70の裏面70b側から視た図であり、図10(b)は、リアケース2bの二次外観面24側から視た図である。
【0057】
図10に示すように、第4実施形態の携帯電話機1は、リアクタンス素子76を備える点が第1〜第3実施形態とは異なる。
リアクタンス素子76は、充電ピン73bとグランドエレメント74との間に形成され、二次電池80の充電時に発生する所定の周波数帯の信号を減衰(抑制)する。リアクタンス素子76としては、例えば、コイル又はコンデンサを用いることができる。また、コイル又はコンデンサは、二次電池80の充電時に発生する所定の周波数帯の信号に応じて適宜選択される。
【0058】
第4実施形態の携帯電話機1は、小型化及び薄型化を実現しつつ、アンテナ66のアンテナ特性を維持することができ、さらに二次電池80から発生する所定の周波数帯の信号に起因するノイズを抑制することができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、アンテナ66は、3つの使用周波数帯に対応するように構成されていたが、本発明はこれに限らず、例えば、アンテナ66は、1、2又は4以上の使用周波数帯に対応するように構成されていてもよい。また、上述した実施形態では、グランドエレメント74は、第3の使用周波数帯に対応するように構成されていたが、本発明はこれに限らず、他の使用周波数帯に対応するように構成されていてもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、グランドエレメント74は、回路基板70に接続されていたが、本発明はこれに限らず、例えば、フレキシブルプリント回路基板50に接続されていてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態では、本発明の携帯無線端末装置としての携帯電話機1について説明したが、これに限定されず、デジタルカメラ、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、パソコン、ノートパソコン、携帯ゲーム装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 携帯電話機(携帯無線端末装置)
2 操作部側筐体(筐体)
65 支持部材
66 アンテナ
66a 放射エレメント
70 回路基板
72a 接続端子(充電端子、正極充電端子)
72b 接続端子(充電端子、負極充電端子)
73a 充電ピン(充電端子、正極充電端子)
73b 充電ピン(充電端子、負極充電端子)
74 グランドエレメント
77 グランド部
90 二次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体に配置される回路基板と、
該回路基板に実装された高周波給電部と、
前記回路基板に形成されたグランド部と、
該グランド部に接続される負極充電端子と、
前記筐体に配置され、前記高周波給電部に接続されるアンテナの放射エレメントと、
該放射エレメントに対して所定距離を隔てて配置され、かつ、前記負極充電端子に接続される前記アンテナのグランドエレメントと、を備える携帯無線端末装置。
【請求項2】
前記アンテナは、複数の周波数帯に対応可能なマルチバンドアンテナであり、
前記グランドエレメントは、前記複数の周波数帯のうち一の周波数帯に対応する前記放射エレメントの長手方向に対して平行に形成される請求項1に記載の携帯無線端末装置。
【請求項3】
前記グランドエレメントは、前記負極充電端子と一体に成形された板金からなる請求項1又は2に記載の携帯無線端末装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記回路基板及び前記アンテナが配置される第1ケース部と、前記第1ケース部と結合して前記回路基板及び前記アンテナを収容する第2ケース部を有し、
前記グランドエレメントは、前記第2ケース部における前記回路基板と対向する側の面とは反対側の面に形成される請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯無線端末装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記回路基板及び前記アンテナが配置される第1ケース部と、前記第1ケース部と結合して前記回路基板及び前記アンテナを収容する第2ケース部を有し、
前記グランドエレメントは、前記第2ケース部における前記回路基板と対向する側の面に形成される請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯無線端末装置。
【請求項6】
前記グランドエレメントは、前記回路基板上に実装される請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−135249(P2011−135249A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291841(P2009−291841)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】