説明

携帯端末機

【課題】スピーカを端末機内の適切な位置に設置することにより音圧と音質を改善し、その設置により音が漏れたり端末機の厚さに影響したりしない携帯端末機を提供する。
【解決手段】携帯端末機は、スピーカ孔が形成された端末機本体と、端末機本体に設置されるディスプレイと、ディスプレイの背面に配設され、その一部分がスピーカ孔に露出するように位置するスピーカとを含む。好ましい実施形態として、前記スピーカは、円板状に形成される。前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間には、前記スピーカを支持するスピーカリブが形成されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機に関し、特に、スピーカを端末機内の適切な位置に設置することにより音圧と音質を改善し、その設置により音が漏れたり端末機の厚さに影響したりしないように構成される携帯端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やPDAなどを含む携帯端末機は、ユーザが移動中に無線送受信や情報の閲覧又は処理を行い得るようにする電子機器の1つである。
【0003】
近年、情報通信技術とメモリ技術が発展するにつれて、マルチメディアを送受信したり鑑賞する機能を備えた携帯端末機が増加している。例えば、VODやゲームなどの動画像ファイルの再生、MP3などの音楽ファイルの再生、さらには、衛星通信を利用したTV放送の受信機能まで搭載したものもある。
【0004】
このように、マルチメディアが携帯端末機に積極的に活用されることによって、携帯端末機に設置されるスピーカ装置も、単純な通話音の伝達や通知音の伝達から向上して、よりよい音質とパワーを提供できるように発展している。
【0005】
一方、携帯端末機は、携帯しやすく、かつ使用しやすくするために、小型化、スリム化している。このような傾向は、携帯端末機の設計にも大きな影響を及ぼす。これは、広い空間を占める部品の代わりに小さくて集積度の高い部品を使用し、不要な空間や無駄な空間を減らすために部品を適切に配設しなければならないことを意味する。
【0006】
従来の携帯端末機に使用される代表的なスピーカの1つであるダイナミックスピーカを利用する場合、MP3ファイルやAACファイルなどの音楽ファイルの再生に適した音質や音圧を提供するためには、少なくとも15mm(L)×10mm(W)×3.6mm(T)のサイズを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このように体積の大きいダイナミックスピーカを携帯端末機に設置するためには、それだけ広い空間を必要とするが、この場合、相対的に他の部品の設置面積を縮小させるという問題があった。
【0008】
特に、ディスプレイ装置がより多様で多くの情報を表示するために大きくなっており、携帯端末機内でスピーカとディスプレイ装置を隣接して配設する場合、それだけ機器全体を大きくしたり不要空間を作ったりするという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、音楽ファイルの鑑賞に適した高い音質と音圧を提供するスピーカを備えた携帯端末機を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、携帯端末機に設置されるスピーカの面積が大きくなっても、スピーカの前方への音と後方への音が混ざって相殺されることを防止し得る携帯端末機を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、このようなスピーカが設置されても、厚さへの影響を受けない携帯端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明に係る携帯端末機は、スピーカ孔が形成された端末機本体と、該端末機本体に設置されるディスプレイと、該ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の好ましい実施形態として、前記スピーカは、円板状に形成されることを特徴とする。
【0014】
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間には、前記スピーカを支持するスピーカリブが形成されることが好ましい。
【0015】
前記スピーカリブは、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることが好ましい。
【0016】
前記スピーカリブは、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることが好ましい。
【0017】
前記スピーカの前面は、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることが好ましい。
【0018】
前記スピーカは、圧電スピーカであることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る携帯端末機は、スピーカ孔が形成された端末機本体と、該端末機本体に設置されるディスプレイと、該ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、該スピーカの前面に設置され、該スピーカから放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の好ましい実施形態として、前記音漏れ防止部は、前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に形成されるスピーカリブと、該スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面と前記スピーカの前面との間に設置される遮音部材とから構成されることを特徴とする。
【0021】
前記スピーカリブは、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることが好ましい。
【0022】
前記スピーカリブは、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることが好ましい。
【0023】
前記遮音部材は、前記スピーカリブの端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、前記スピーカリブと前記スピーカとの間に設置される第1遮音部材と、前記ディスプレイと前記スピーカとが重なる領域に設置される第2遮音部材とから構成されることが好ましい。
【0024】
前記第2遮音部材は、平板状に形成されることが好ましい。
【0025】
前記第1遮音部材と前記第2遮音部材間のギャップは、前記ディスプレイと前記ディスプレイガードリブ間のギャップより小さいか等しく形成されることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明に係る携帯端末機は、一側にスピーカ孔が形成され、該スピーカ孔に隣接してディスプレイが設置された第1本体と、前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、前記第1本体がスライド移動自在に結合される第2本体と、前記第1本体と前記第2本体との間に設置され、前記第1本体がスライド移動するようにガイドするスライドモジュールとを含み、前記スピーカは、前記スライドモジュールに挿入されて設置されることを特徴とする。
【0027】
前記スライドモジュールは、前記第1本体の下面に固定される第1スライド部材と、前記第2本体の上面に固定される第2スライド部材と、前記第1スライド部材と前記第2スライド部材とをスライド自在に連結する連結部材とから構成されることが好ましい。
【0028】
前記第1スライド部材には挿入空間が形成され、該挿入空間に前記スピーカが収容されることが好ましい。
【0029】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する:
(項目1)
スピーカ孔が形成された端末機本体と、
前記端末機本体に設置されるディスプレイと、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
を含むことを特徴とする携帯端末機。
(項目2)
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする項目1に記載の携帯端末機。
(項目3)
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に、前記スピーカを支持するスピーカリブが形成されることを特徴とする項目2に記載の携帯端末機。
(項目4)
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする項目3に記載の携帯端末機。
(項目5)
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする項目3に記載の携帯端末機。
(項目6)
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする項目3に記載の携帯端末機。
(項目7)
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする項目1に記載の携帯端末機。
(項目8)
スピーカ孔が形成された端末機本体と、
前記端末機本体に設置されるディスプレイと、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
前記スピーカの前面に設置され、該スピーカから放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部と、
を含むことを特徴とする携帯端末機。
(項目9)
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする項目8に記載の携帯端末機。
(項目10)
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする項目8に記載の携帯端末機。
(項目11)
前記音漏れ防止部が、
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に形成されるスピーカリブと、
前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面と前記スピーカの前面との間に設置される遮音部材と、
から構成されることを特徴とする項目8に記載の携帯端末機。
(項目12)
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする項目11に記載の携帯端末機。
(項目13)
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする項目11に記載の携帯端末機。
(項目14)
前記遮音部材が、
前記スピーカリブの端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、前記スピーカリブと前記スピーカとの間に設置される第1遮音部材と、
前記ディスプレイと前記スピーカとが重なる領域に設置される第2遮音部材と、
から構成されることを特徴とする項目11に記載の携帯端末機。
(項目15)
前記第2遮音部材が、平板状に形成されることを特徴とする項目14に記載の携帯端末機。
(項目16)
前記第1遮音部材と前記第2遮音部材間のギャップが、前記ディスプレイと前記ディスプレイガードリブ間のギャップより小さいか等しく形成されることを特徴とする項目14に記載の携帯端末機。
(項目17)
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする項目11に記載の携帯端末機。
(項目18)
一側にスピーカ孔が形成され、該スピーカ孔に隣接してディスプレイが設置された第1本体と、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
前記第1本体がスライド移動自在に結合される第2本体と、
前記第1本体と前記第2本体との間に設置され、前記第1本体がスライド移動するようにガイドするスライドモジュールとを含み、
前記スピーカが、前記スライドモジュールに挿入されて設置されることを特徴とする携帯端末機。
(項目19)
前記スライドモジュールが、
前記第1本体の下面に固定される第1スライド部材と、
前記第2本体の上面に固定される第2スライド部材と、
前記第1スライド部材と前記第2スライド部材とをスライド自在に連結する連結部材と、
から構成されることを特徴とする項目18に記載の携帯端末機。
(項目20)
前記第1スライド部材に挿入空間が形成され、該挿入空間に前記スピーカが収容されることを特徴とする項目19に記載の携帯端末機。
(項目21)
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする項目18に記載の携帯端末機。
(項目22)
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする項目18に記載の携帯端末機。
(項目23)
前記スピーカの前面に設置され、該スピーカから放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部をさらに含むことを特徴とする項目18に記載の携帯端末機。
(項目24)
前記音漏れ防止部が、
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に形成されるスピーカリブと、
前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面と前記スピーカの前面との間に設置される遮音部材と、
から構成されることを特徴とする項目23に記載の携帯端末機。
(項目25)
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする項目24に記載の携帯端末機。
(項目26)
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする項目24に記載の携帯端末機。
(項目27)
前記遮音部材が、
前記スピーカリブの端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、前記スピーカリブと前記スピーカとの間に設置される第1遮音部材と、
前記ディスプレイと前記スピーカとが重なる領域に設置される第2遮音部材と、
から構成されることを特徴とする項目24に記載の携帯端末機。
(項目28)
前記第2遮音部材が、平板状に形成されることを特徴とする項目24に記載の携帯端末機。
(項目29)
前記第1遮音部材と前記第2遮音部材間のギャップが、前記ディスプレイと前記ディスプレイガードリブ間のギャップより小さいか等しく形成されることを特徴とする項目27に記載の携帯端末機。
(項目30)
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする項目24に記載の携帯端末機。
【発明の効果】
【0030】
本発明においては、スピーカをディスプレイの背面に配設することによって、端末機本体をより広くしたり、ディスプレイの面積を減らすことなく、音楽鑑賞に適したサイズのスピーカを採用できる。
【0031】
また、スピーカをディスプレイの背面に配設することによってスピーカの前方への音と後方への音が混ざる危険性は、本発明の音漏れ防止部により解決される。
【0032】
さらに、スライド型携帯端末機の場合、スライドモジュールにスピーカを挿入することにより、第1本体の厚さが増加することを防止するだけでなく、部品の設置空間の浪費を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照して本発明に係る携帯端末機の好ましい実施形態を説明する。本図面においてはスライド型携帯端末機を示しているが、本発明は、ストレート型、折り畳み型、回転型など、他のタイプの携帯端末機に適用することもできる。
【0034】
図1は本発明に係る携帯端末機の斜視図である。
【0035】
図1に示すように、本発明に係る携帯端末機1は、音を外部に放出し得るように一側にスピーカ孔11が形成され、スピーカ孔11に隣接した下部に視覚情報を表示するディスプレイ12が設置された第1本体10と、第1本体10にスライド移動自在に連結される第2本体20とから構成される。
【0036】
第1本体10には、ディスプレイ12の下側に、入力のために複数のキーボタンを有する第1キーパッド13が設置され、第2本体20には、第1本体10がスライド移動されることによって開閉される部分に、入力のために複数のキーボタンを有する第2キーパッド21が設置される。
【0037】
図2及び図3に第1本体10の内部に設置されるディスプレイ、遮音部材、スピーカを示す。図2は第1本体10の内部に設置されるディスプレイ、遮音部材、スピーカの分解された状態を示す後方からの分解斜視図であり、図3は図2の後方からの結合状態を示す斜視図である。
【0038】
図2及び図3に示すように、スピーカ30は、第1本体10のディスプレイ12の背面に配設され、その一部分がスピーカ孔11に露出するように位置する。好ましくは、スピーカ30としては、直径の大きい(すなわち、音圧とパワーを大きくできる)円板状のものが使用される。
【0039】
また、スピーカ30としては、消費電力が少なくて薄い形状に製作し得るという利点を有するセラミック製のスピーカを使用し、特に、圧電スピーカを使用することが好ましい。
【0040】
図2に示すように、第1本体10の内側面には、スピーカ30の前面に設置され、スピーカ30から放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部が形成される。
【0041】
前記音漏れ防止部は、第1本体10の内側面とスピーカ30の露出した部分との間に形成されるスピーカリブ14と、スピーカリブ14及びディスプレイ12の背面とスピーカ30の前面との間に設置される遮音部材31とから構成される。
【0042】
スピーカリブ14は、音が側方に漏れないように、スピーカ孔11の周囲を円弧状に囲むように形成され、その端部はスピーカ30の露出した部分の周方向に沿って接してスピーカ30を支持する。
【0043】
好ましくは、スピーカリブ14は、スピーカ30の露出した部分の面積を最も広く確保し得るように、外部の衝撃からディスプレイ12を保護するためにディスプレイ12の周囲に形成されるディスプレイガードリブ15に接して配設される。また、スピーカ30の前面は、スピーカリブ14及びディスプレイ12の背面にそれぞれ接着されて固定されることが好ましい。
【0044】
遮音部材31は、スピーカ30の前面の上部に取り付けられる第1遮音部材32と、下部に取り付けられる第2遮音部材33とから構成される。第1遮音部材32は、スピーカリブ14の端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、スピーカリブ14とスピーカ30との間に設置され、第2遮音部材33は、ディスプレイ12とスピーカ30とが重なる領域に設置される。
【0045】
第2遮音部材33は、スピーカ30の後方に向かう音と、スピーカ孔11に直接向かえない領域で発生する音、すなわち、スピーカ30のディスプレイ12と重なる領域で発生する音が混ざることを防止するために、その重なる領域で発生する音を全て遮蔽し得るように、平板状に形成される。
【0046】
好ましくは、第1遮音部材32と第2遮音部材33との間から放射される音を最小化するために、第1遮音部材32と第2遮音部材33間のギャップg1は、ディスプレイ12とディスプレイガードリブ15間のギャップg2(一般的に、約0.15mmである)より小さいか等しく形成される。
【0047】
また、遮音部材31は、スピーカリブ14とスピーカ30との間、又はディスプレイ12とスピーカ30との間の隙間を密閉して音が漏れないように遮断する材質、例えば、発泡樹脂や多孔性樹脂などの材質で形成できる。
【0048】
図4及び図5に示すように、スライドモジュール40は、第1本体10の下面に固定される第1スライド部材41と、第2本体の上面に固定される第2スライド部材42と、第1スライド部材41と第2スライド部材42とをスライド自在に連結する連結部材43とから構成される。
【0049】
第1スライド部材41には、スピーカ30を前後方向に挿入し得るように、挿入空間41aが形成されている。特に、スピーカ30の厚さt1を第1スライド部材41の厚さt2より小さくした場合、スピーカ30は第1スライド部材41に完全に挿入される。従って、スピーカ30がディスプレイ12の背面に重なるように配設されることによって、予想される厚さの増加分を相殺し、端末機全体の厚さの増加を防止できる。
【0050】
以下、このように構成された携帯端末機の動作を説明する。
【0051】
スピーカ30がスピーカリブ14及びディスプレイ12の背面に設置されると、スピーカ30の前面のうち、スピーカ孔11に露出した部分から放射される音は、スピーカ孔11から第1本体10の前方に放出される。また、スピーカ30の背面から放射される音は、第1本体10の内部空間で共鳴し、その共鳴した音がユーザに伝えられる。
【0052】
これにより、スピーカ30の前面の露出した部分から放射される高い音域帯の音は、スピーカ孔11を通過してそのままユーザに伝えられるので、人の音声や楽器の音の鑑賞に適し、スピーカ30の背面から放射される音は、第1本体10の内部空間で共鳴するので、中間又は低い音域帯の音の鑑賞に適している。
【0053】
遮音部材31とスピーカ30がディスプレイ12の背面に順次設置されると、スピーカ30の背面で発生する音と、スピーカ30の前面のうち、ディスプレイ12と重なる領域で発生する音は、第1遮音部材32と第2遮音部材33により混ざらない。
【0054】
もし、音がディスプレイ12とディスプレイガードリブ15間のギャップg2内に入っても、第1遮音部材32により遮断されるため、スピーカ孔11から第1本体10の前方に放出されない。
【0055】
第1遮音部材32と第2遮音部材33とがギャップg1により分離されているため、外部の衝撃によりディスプレイ30がディスプレイガードリブ15内で少しずつ移動することを妨害しなくなる。
【0056】
このような構成により、薄くて広い円板状の圧電スピーカ30をディスプレイ12の背面に配設することによって、端末機をより広くしたり、ディスプレイの面積を減らすことなく、音楽鑑賞に適した大きいサイズを有するスピーカを採用することができる。
【0057】
また、スピーカ30をディスプレイ12の背面に配設することによってスピーカ30の前方への音と後方への音が混ざる危険性は、本発明の音漏れ防止部により解決される。
【0058】
さらに、スライド型携帯端末機の場合、スライドモジュール40の挿入空間41aにスピーカ30を挿入して設置することにより、第1本体10の厚さが増加することを防止するだけでなく、部品の設置空間の浪費を防止できる。
【0059】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る携帯端末機の斜視図である。
【図2】図1の第1本体の内部に設置されるディスプレイ、遮音部材、スピーカの分解された状態を示す後方からの分解斜視図である。
【図3】図2の後方からの結合状態を示す斜視図である。
【図4】図1の携帯端末機の側断面図である。
【図5】図4のスライドモジュールとスピーカの斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
10 第1本体
11 スピーカ孔
12 ディスプレイ
13 第1キーパッド
14 スピーカリブ
15 ディスプレイガードリブ
20 第2本体
21 第2キーパッド
30 スピーカ
31 遮音部材
32 第1遮音部材
33 第2遮音部材
g1 第1遮音部材と第2遮音部材間のギャップ
g2 ディスプレイとディスプレイガードリブ間のギャップ
40 スライドモジュール
41 第1スライド部材
41a 挿入空間
42 第2スライド部材
43 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ孔が形成された端末機本体と、
前記端末機本体に設置されるディスプレイと、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
を含むことを特徴とする携帯端末機。
【請求項2】
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項3】
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に、前記スピーカを支持するスピーカリブが形成されることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末機。
【請求項4】
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項5】
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項6】
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末機。
【請求項7】
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項8】
スピーカ孔が形成された端末機本体と、
前記端末機本体に設置されるディスプレイと、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
前記スピーカの前面に設置され、該スピーカから放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部と、
を含むことを特徴とする携帯端末機。
【請求項9】
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯端末機。
【請求項10】
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする請求項8に記載の携帯端末機。
【請求項11】
前記音漏れ防止部が、
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に形成されるスピーカリブと、
前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面と前記スピーカの前面との間に設置される遮音部材と、
から構成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯端末機。
【請求項12】
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする請求項11に記載の携帯端末機。
【請求項13】
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする請求項11に記載の携帯端末機。
【請求項14】
前記遮音部材が、
前記スピーカリブの端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、前記スピーカリブと前記スピーカとの間に設置される第1遮音部材と、
前記ディスプレイと前記スピーカとが重なる領域に設置される第2遮音部材と、
から構成されることを特徴とする請求項11に記載の携帯端末機。
【請求項15】
前記第2遮音部材が、平板状に形成されることを特徴とする請求項14に記載の携帯端末機。
【請求項16】
前記第1遮音部材と前記第2遮音部材間のギャップが、前記ディスプレイと前記ディスプレイガードリブ間のギャップより小さいか等しく形成されることを特徴とする請求項14に記載の携帯端末機。
【請求項17】
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする請求項11に記載の携帯端末機。
【請求項18】
一側にスピーカ孔が形成され、該スピーカ孔に隣接してディスプレイが設置された第1本体と、
前記ディスプレイの背面に配設され、その一部分が前記スピーカ孔に露出するように位置するスピーカと、
前記第1本体がスライド移動自在に結合される第2本体と、
前記第1本体と前記第2本体との間に設置され、前記第1本体がスライド移動するようにガイドするスライドモジュールとを含み、
前記スピーカが、前記スライドモジュールに挿入されて設置されることを特徴とする携帯端末機。
【請求項19】
前記スライドモジュールが、
前記第1本体の下面に固定される第1スライド部材と、
前記第2本体の上面に固定される第2スライド部材と、
前記第1スライド部材と前記第2スライド部材とをスライド自在に連結する連結部材と、
から構成されることを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機。
【請求項20】
前記第1スライド部材に挿入空間が形成され、該挿入空間に前記スピーカが収容されることを特徴とする請求項19に記載の携帯端末機。
【請求項21】
前記スピーカが、円板状に形成されることを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機。
【請求項22】
前記スピーカが、圧電スピーカであることを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機。
【請求項23】
前記スピーカの前面に設置され、該スピーカから放射される音が漏れることを防止する音漏れ防止部をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の携帯端末機。
【請求項24】
前記音漏れ防止部が、
前記端末機本体の内側面と前記スピーカの露出した部分との間に形成されるスピーカリブと、
前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面と前記スピーカの前面との間に設置される遮音部材と、
から構成されることを特徴とする請求項23に記載の携帯端末機。
【請求項25】
前記スピーカリブが、前記スピーカ孔の周囲を円弧状に囲むように形成されることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項26】
前記スピーカリブが、前記ディスプレイを保護するディスプレイガードリブに接して配設されることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項27】
前記遮音部材が、
前記スピーカリブの端部に沿って所定幅を有する帯状に形成され、前記スピーカリブと前記スピーカとの間に設置される第1遮音部材と、
前記ディスプレイと前記スピーカとが重なる領域に設置される第2遮音部材と、
から構成されることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項28】
前記第2遮音部材が、平板状に形成されることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項29】
前記第1遮音部材と前記第2遮音部材間のギャップが、前記ディスプレイと前記ディスプレイガードリブ間のギャップより小さいか等しく形成されることを特徴とする請求項27に記載の携帯端末機。
【請求項30】
前記スピーカの前面が、前記スピーカリブ及び前記ディスプレイの背面にそれぞれ接着されて固定されることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−333474(P2006−333474A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142144(P2006−142144)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】