説明

携帯端末装置、システムおよびプログラム

【課題】移動通信網に接続可能な第一端末部と第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末の第二端末部を残置した場合であっても、第二端末部の位置を利用者に報知することを目的とする。
【解決手段】第二端末部は、所定のルールに基づいて、第二端末部が置き忘れられて紛失状態にあるかどうかを判断し、自機が紛失状態にあると判断した場合には、近距離無線通信を用いて、他端末が通信範囲内にいるか検出する。第二端末部は、検出された他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼する。また、第二端末部は、紛失情報を送信することで、位置情報と、紛失情報とを、移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する。一方、第一端末部は、移動通信網を介して、管理サーバから受信された位置情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信網に接続可能な親機と各種操作の入力を受け付ける子機とに分離することができる携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。分離された親機と子機は、BT(Blue Tooth)や無線LAN(Wireless Local Area Network)などの近距離無線通信を介して、互いに通信を行う。
【0003】
例えば、子機は、移動通信網に接続する操作を受け付けた場合には、近距離無線通信を介して、親機へ操作内容を送信する。そして、親機は、操作内容を受信すると、3G(3rd Generation)やGSM(Global System For Mobile Communications)等の移動通信網と接続して通信を行う。
【0004】
このような分離可能な携帯端末について、親機または子機の一方が置き忘れられてしまう場合がある。そこで、置き忘れを防止させる技術として、所定の時間を越えて親機と子機が分離した場合には、親機が有するアラームを起動させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、置き忘れを防止させる技術として、子機から親機までの距離が一定以上離れた場合には、子機のアラーム機能や振動機能を駆動させる技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。具体的には、子機は、近距離無線通信で使用される電波の強度に基づいて、親機との距離を識別する。そして、子機は、親機までの距離が一定以上離れた場合には、アラーム機能や振動機能を駆動させる。
【0006】
また、分離することができない携帯端末であるが、置き忘れられた携帯端末の位置を利用者に通知する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。具体的には、携帯端末は、最後に操作されてから一定時間が経過した場合には、予め登録された他端末の電話番号に対して発信を行う。そして、携帯端末は、他端末の着信音を検出した場合には、他端末の近傍に自端末があると認識する。その後、携帯端末は、自端末があると認識した場所を予め登録された特定の連絡先へ通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−152696号公報
【特許文献2】特開2007−5915号公報
【特許文献3】特開2003−87368号公報
【特許文献4】特開2007−243614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記した親機のアラームを起動させる技術では、所定の時間を越えて親機と子機とが分離していることを報知するのみで、残置した子機の位置を利用者に報知することができないという問題があった。
【0009】
また、上記した子機のアラームを駆動させる技術では、親機と子機との距離が一定以上離れたことを報知するのみで、残置した子機の位置を利用者に報知することができないという問題があった。
【0010】
また、上記した携帯端末の位置を利用者に通知する技術では、移動通信網と接続できない子機を残置した場合には、他端末の電話番号に対して発信を行うことができないので、残置した子機の位置を利用者に報知することができないという問題があった。
【0011】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、移動通信網に接続できない子機を残置した場合であっても、子機の位置を利用者に報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の開示する携帯端末装置は、移動通信網に接続可能な第一端末部と、第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末である。また、第二端末部は、所定のルールに基づいて自機が置き忘れられて紛失状態にあるかどうかを判断する。また、第二端末部は、自機が紛失状態にあると判断した場合には、近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるかどうかを検出する。第二端末部は、他端末が検出された場合には、検出された他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼する。また、第二端末部は、紛失情報を送信することで他端末によって作成された位置情報と、送信された紛失情報とを、移動通信網を介して管理サーバに送信するように他端末に対して依頼する。また、第一端末部は、移動通信網を介して、管理サーバから位置情報を受信した場合には、受信された位置情報を出力する。
【発明の効果】
【0013】
本願の開示する携帯端末装置、システムおよびプログラムの一つの態様によれば、移動通信網に接続できない子機を置き忘れた場合であっても、子機の位置を利用者に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係る携帯端末装置を説明するためのブロック図の一例である。
【図2】図2は、実施例2に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。
【図3A】図3Aは、実施例2に係る子機から送信される紛失通知受信可否問合せメッセージの一例を表す図である。
【図3B】図3Bは、実施例2に係る他人の親機から返信される紛失通知受信可否応答メッセージの一例を表す図である。
【図3C】図3Cは、実施例2に係る子機から紛失通知の送信を依頼する紛失通知送信依頼メッセージの一例を表す図である。
【図3D】図3Dは、実施例2に係る他人の親機から送信される紛失子機発見通知メッセージの一例を表す図である。
【図3E】図3Eは、実施例2に係る親機に通知されるメッセージの一例を表す図である。
【図4】図4は、実施例2に係る処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。
【図5】図5は、実施例3に係るシステムの一例を説明するためのブロック図である。
【図6A】図6Aは、実施例3に係るシステムが用いる位置測定の重み付け情報の一例を説明するための図である。
【図6B】図6Bは、実施例3に係るシステムが用いる位置測地の一例を説明するための図である。
【図7】図7は、実施例3に係るシステムの処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図8】図8は、実施例4に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。
【図9】図9は、実施例4に係る子機制御メッセージを説明するための図の一例である。
【図10】図10は、実施例4に係るシステムが実行する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、実施例5に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。
【図12】図12は、実施例5に係る携帯端末に表示される指示の例を表す図である。
【図13】図13は、実施例5に係るシステムが用いる位置測定の一例を説明するための図である。
【図14】図14は、実施例5に係るシステムが表示する検索結果の表示例を表す図である。
【図15】図15は、実施例5に係るシステムが実行する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【図16】図16は、紛失情報を送信するプログラムを実行する携帯端末の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本願の開示する携帯端末装置、システムおよびプログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
以下の実施例では、携帯端末装置の構成および処理の流れを順に説明する。
【0017】
まず最初に、図1を用いて、携帯端末装置の構成について説明する。図1は、実施例1に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。携帯端末装置10は、第一端末部30と第二端末部20とに分離することができる。図1に示すように、第二端末部20は、判断部21、検出部22および紛失情報送信部24を有する。また、第一端末部30は、出力部35を有する。また、他の携帯端末装置は、他端末の第一端末部50と他端末の第二端末部80とを有する。他端末の第一端末部50は、送信部53と位置情報作成部52を有する。
【0018】
他端末の第二端末部80は、第二端末部20と近距離無線通信を行う。ここで言う他端末は、携帯端末装置10と同じ機種または、同じ機能を持つ携帯端末装置に限定される必要はない。紛失した第二端末部20と同じ近距離通信が可能で、情報を転送するソフトウェア、が組み込まれている別の携帯端末であれば、第一端末部と第二端末部が分離する端末でなくても可能である。本実施形態では、他端末は分離型の形態装置としている。
【0019】
第二端末部20および他端末の第一端末部50は、近距離無線通信を用いて、互いに通信を行う。図1では、他端末の第一端末部50が送信部53と位置情報作成部52を有することになっているが、他端末の第二端末部80が送信部53と位置情報作成部52を有するようにしてもよい。
【0020】
判断部21は、所定のルールに基づいて、第二端末部20が置き忘れられた状態である紛失状態であるかを判断する。検出部22は、近距離無線通信を用いて、他端末を検出する。例えば、検出部22は、一定時間毎に近距離無線の接続要求を発振する。そして検出部22は、他端末の第一端末部50が接続要求を受信し、接続要求に対する応答を送信した場合には、検出部22は、その応答を検出する。紛失情報送信部24は、検出部22によって他端末の第一端末部50を検出した場合は、第二端末部20が置き忘れられた状態である紛失状態であることを示す紛失情報を送信する。
【0021】
また、紛失情報送信部24は、紛失情報を送信することで、他端末に対し、他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、送信された紛失情報とを、移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する。なお、本実施形態では、他端末を検出してから、紛失情報を送信しているが、近距離無線通信を用いると一瞬しか通信できない場合があるため、応答要求と紛失情報を一緒に送ってもよい。
【0022】
第一端末部30は、出力部35を有している。出力部35は、移動通信網を介して、管理サーバから位置情報を受信した場合には、受信された位置情報を出力する。
【0023】
他端末の第一端末部に係る位置情報作成部52は、携帯端末装置10の第二端末部20から紛失情報と位置情報とを送信するように依頼された場合には、他端末の第一端末部50の位置を示す位置情報を作成する。送信部53は、紛失情報送信部24によって送信された紛失情報と、位置情報作成部52によって作成された位置情報とを移動通信網を介して、管理サーバへ送信する。
【0024】
上述してきたように、実施例1に係る第二端末部20は、自らが紛失状態であると判定した場合は、近距離無線通信を用いて、周囲の第一端末部を検出する。第二端末部20は、他端末の第一端末部50を検出した場合は、近距離無線通信を用いて、検出された他端末の第一端末部50へ紛失情報を送信する。また、第二端末部20は、他端末へ紛失情報を送信することにより、位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と送信された紛失情報とを移動通信網を介して管理サーバへ送信するように依頼する。
【0025】
他端末の第一端末部50は、作成された位置情報と送信された紛失情報とを移動通信網を介して管理サーバへ送信するように依頼された場合は、他端末の第一端末部50の位置を示す位置情報を作成する。そして、他端末の第一端末部50は、紛失情報と位置情報とを移動通信網を介して管理サーバへ送信する。紛失情報には、携帯端末装置10のメールアドレスか電話番号を含んでいるものとする。携帯端末装置10に係る第一端末部30は受信した紛失情報と位置情報から、第一端末部の出力部35に表示するものとする。
【0026】
そのため、実施例1に係る携帯端末装置は、紛失状態の第二端末部20の位置を第二端末部20に対応する第一端末部10へ報知する。結果として、携帯端末装置は、紛失状態の第二端末部20の捜索を容易にすることができる。
【実施例2】
【0027】
以下の実施例では、本願に開示するシステムの構成および処理の流れを順に説明する。
【0028】
[システムの構成]
まず最初に、図2を用いて、システムの構成について説明する。図2は、実施例2に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。図2に示すように、図2に係るシステムは、携帯端末A10aと加入者情報管理装置40aとを有する。また、システムには、携帯端末A10aとは異なる第三者の携帯端末B50aが含まれる。
【0029】
携帯端末A10a(携帯端末装置10)は、携帯端末A子機20a(第二端末部20)と携帯端末A親機30a(第一端末部30)とに分離可能な携帯端末である。携帯端末A10aは、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)などの情報通信端末である。また、第三者の携帯端末B50aは、携帯電話、PHS、PDAおよびPC(Personal Computer)などの情報通信端末である。
【0030】
携帯端末A子機20aは、例えば、BT(Blue Tooth)や無線LAN(Wireless LocalArea Network)等の近距離無線通信を用いて、携帯端末A親機30aと通信を行う。携帯端末A子機20aは、例えば、携帯端末A10aのうち、携帯端末のテンキーを有する部分、もしくは、携帯端末A10aの操作を入力するための装置を備えた部分である。また、携帯端末A親機20aは、例えば、携帯端末A10aのうち、移動通信網に接続するためのアンテナおよび表示装置を有する部分である。
【0031】
[携帯端末A子機20aの構成]
携帯端末A子機20aは、子機紛失判定部21a(判断部21)、近傍端末検出部22a(検出部22)、子機無線部A23a、紛失通知送信部24a(紛失情報送信部24)およびユーザインタフェース部25aとを有する。
【0032】
子機紛失判定部21a、近傍端末検出部22aおよび紛失通知送信部24aは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、もしくは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0033】
ユーザインタフェース部25aは、携帯端末A10aの操作を行うためのインタフェースである。ユーザインタフェース部25aは、例えば、携帯端末A10aを操作するためのテンキー等の入力装置である。
【0034】
また、子機無線部A23aは、近距離無線技術を介して、近傍に存在する通信可能な端末と通信を行う。子機無線部A23aは、例えば、アンテナを有する近距離無線装置である。ここで、子機無線部A23aは、近距離無線技術としてBTや無線LAN等の技術を用いる。実施例2では、無線LANを用いて、近傍に存在する通信可能な端末と通信を行う。また、子機無線部A23aは、アドホックモードで通信を行う。
【0035】
子機紛失判定部21aは、携帯端末A子機20aが紛失状態であるかを判定する。例えば、子機紛失判定部21aは、携帯端末A子機20aと携帯端末A親機30aとが互いに電気信号を交信する接触端子を有する場合には、電気信号の交信が途絶えたことを契機として携帯端末A10aが分離されたと判定する。そして、子機紛失判定部21aは、携帯端末A10aが分離され、かつ、ユーザインタフェース部25aがユーザの操作を受け付けてから一定の時間が経過した場合は、携帯端末A子機20aが紛失状態であると判定する。なお、子機紛失判定部21aは、携帯端末A10aが分離したことを判定する場合には、上記した方法に限らず、携帯端末A10aが携帯端末A子機20a一定時間物理的に接続されておらず、近距離通信されてもおらず、携帯端末A子機20aからの近距離通信の接続要求に対する応答がない、または、応答が他の端末からのものであること等、種々の方法を用いてもよい。
【0036】
近傍端末検出部22aは、子機紛失判定部21aによって携帯端末A子機20aが紛失状態であると判定された場合には、近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が、近距離無線通信可能な範囲に存在するかどうかを検出する。具体的には、近傍端末検出部22aは、BTや無線LAN等の近距離無線技術を用いて応答要求を発振し、発振された応答要求に対する応答を受信することにより、他端末の親機もしくは携帯端末を検出する。具体的には、近傍端末検出部22aは、子機紛失判定部21aによって携帯端末A子機20aが紛失状態であると判定された場合は、子機無線部A23aを介して、近傍に存在する通信可能な端末を検出する。
【0037】
例えば、近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aに所定の時間間隔で電波を発信させる。そして、近傍端末検出部22aは、例えば、発信された電波に対する応答電波を子機無線部A23aが受信した場合には、近傍に通信可能な端末があると検出する。
【0038】
具体的には、近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aに、他の端末と無線LANによる接続を確立させるための信号を、他の端末から応答を受信するまで繰り返しマルチキャスト送信させる。近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aより送信された信号に対する応答を他の端末から受信した場合には、近傍に通信可能な端末があると検出する。
【0039】
近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aが通信可能な他の端末を検出した場合は、子機無線部A23aを介して、検出された他の端末が紛失通知受信部54aを有しているかを判定する。具体的には、近傍端末検出部22aは、図3Aに示す紛失通知受信可否問合せメッセージを検出された端末へ送信する。そして、近傍端末検出部22aは、図3Bに示す紛失通知受信可否問合せメッセージを送信した端末から紛失通知受信可否応答メッセージが返信された場合には、他の端末が紛失通知受信部54aを有していると判定する。
【0040】
ここで、図3Aは、実施例2に係る子機から送信される紛失通知受信可否問合せメッセージの一例を表す図である。図3Aに示すように、紛失通知受信可否問合せメッセージは、ヘッダ部分に、紛失通知受信可否問合せメッセージを示す情報「Type:0x01」が格納されている。また、紛失通知受信可否問合せメッセージは、データ格納部分に、データが格納されずに送信される。
【0041】
紛失通知受信可否問合せメッセージを取得した他の端末は、紛失通知受信部54aを有している場合は、図3Bに示す紛失通知受信可否応答メッセージを携帯端末A子機20aへ送信する。ここで、図3Bは、実施例2に係る他人の親機から返信される紛失通知受信可否応答メッセージの一例を表す図である。図3Bに示すように、紛失通知受信可否応答メッセージは、ヘッダ部分に、紛失通知受信可否応答メッセージを示す情報「Type:0x02」が格納されている。また、紛失通知受信可否応答メッセージは、データ格納部分に、紛失通知の受信可能を示す4Byteのデータ「0x01」が格納されている。
【0042】
近傍端末検出部22aは、紛失通知受信可否応答メッセージを受信した場合には、紛失通知受信可否応答メッセージを送信した通信端末が、紛失通知受信部54aを有し、かつ、移動通信網に接続可能な通信端末であると判定する。
【0043】
紛失通知送信部24aは、近傍端末検出部22aによって他の通信端末が検出された場合は、携帯端末A子機20aが紛失状態であることを示す情報を、近距離無線通信を介して送信する。また、紛失通知送信部24aは、他の通信端末に対して、紛失状態であるこを示す情報を送信することで、他の通信端末の位置を示す情報を作成するように依頼する。また、紛失通知送信部24aは、他の通信端末に対して、紛失状態であることを示す情報を送信することで、他の通信端末の位置を示す情報と携帯端末A子機20aが紛失状態であることを示す情報とを移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する。具体的には、紛失通知送信部24aは、子機無線部A23aが通知受信可否応答メッセージを受信した場合は、図3Cに示す紛失通知送信依頼メッセージを作成し、紛失通知受信可否応答メッセージを送信した端末へ送信する。
【0044】
ここで、図3Cは、実施例2に係る子機から紛失通知の送信を依頼する紛失通知送信依頼メッセージの一例を表す図である。図3Cに示すように、紛失通知送信依頼メッセージは、ヘッダ部分に、紛失通知送信依頼メッセージを示す情報「Type:0x03」が格納されている。また、紛失通知送信依頼メッセージは、データ長部分に、以下のデータが無いことを示す「Length:0」が格納される。
【0045】
[携帯端末A親機の構成]
携帯端末A親機30aは、親機無線部A31a、移動通信網通信部A33a、子機紛失登録部34aおよびユーザインタフェース部35a(出力部35)を有する。子機紛失登録部34aは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0046】
移動通信網通信部A33aは、3G(3rd Generation)やGSM(Global System For Mobile Communications)、などの移動通信網を介して、通信を行う。また、移動通信網通信部A33aは、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの移動通信網を介して、通信を行う。移動通信網通信部A33aは、例えば、アンテナを有し、移動通信網に接続する通信装置である。親機無線部A31aは、BTや無線LANを介して、子機無線部A23aと通信を行う。親機無線部A31aは、例えば、アンテナを有する近距離無線装置である。
【0047】
ユーザインタフェース部35aは、加入者情報管理装置40aから位置情報をを受信した場合には、受信された位置情報を出力する。具体的には、ユーザインタフェース部35aは、加入者情報管理装置40aから発見メッセージを受信した場合は、発見メッセージを表示し、利用者に携帯端末A子機20aの位置を通知する。また、ユーザインタフェース部35aは、利用者からの操作を取得し、携帯端末A10aに反映させる。例えば、ユーザインタフェース部35aは、利用者から携帯端末A子機20aの紛失状態の登録要求を受けた場合は、子機紛失登録部34aへ、紛失登録を実行するように要求する。ユーザインタフェース部35aは、例えば、携帯端末A10aを操作するためのテンキー等の入力装置である。
【0048】
子機紛失登録部34aは、ユーザインタフェース部35aから紛失登録の実行を要求された場合は、移動通信網通信部A33aを介して、加入者情報管理装置40aに携帯端末A子機20aの紛失状態を登録するように通知する。具体的には、子機紛失登録部34aは、携帯端末A子機20aのMACアドレスを予め記憶しており、加入者情報管理装置40aに対して、携帯端末A子機20aのMACアドレスと、携帯端末A子機20aの紛失登録の要求とを送信する。
【0049】
[第三者の携帯端末Bの構成]
第三者の携帯端末B50a(他端末の第一端末部50)は、親機無線部B51a、測位部52a(位置情報作成部52)、移動通信網通信部B53a(送信部53)、紛失通知受信部54aおよび子機情報送信部55aを有する。紛失通知受信部54aおよび子機情報送信部55aは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0050】
親機無線部B51aは、近距離無線技術を用いて、子機無線部A23aと通信を行う。ここで、親機無線部B51aは、近距離無線技術としてBTや無線LAN等の技術を用いる。また、親機無線部B51aは、例えば、アドホックモードで通信を行う。親機無線部B51aは、例えば、アンテナを有する近距離無線装置である。
【0051】
移動通信網通信部B53aは、3G、GSM、LTE、WiMAXなどの移動通信網を介して、通信を行う。移動通信網通信部B53aは、例えば、アンテナを有し、移動通信網に接続する通信装置である。
【0052】
測位部52aは、携帯端末A子機20aから送信された紛失通知送信依頼メッセージを第三者の携帯端末B50aが受信した場合は、第三者の携帯端末B50aの位置を示す位置情報を作成する。具体的には、測位部52aは、子機情報送信部55aから第三者の携帯端末B50aの位置を測位するように要求された場合は、GPSや、移動通信網の基地局との電波強度を用いて、第三者の携帯端末B50aの位置を測位する。また、測位部52aは、測位された第三者の携帯端末B50aの位置を位置情報として子機情報送信部55aへ通知する。測位部52aは、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いて、位置を測位する装置である。
【0053】
紛失通知受信部54aは、親機無線部B51aを介して、近傍端末検出部22aから紛失通知受信可否問合せメッセージを受信した場合は、紛失通知受信可否応答メッセージを作成する。そして、紛失通知受信部54aは、親機無線部B51aを介して、作成された紛失通知受信可否応答メッセージを子機無線部A23aへ送信する。また、紛失通知受信部54aは、紛失通知送信依頼メッセージを受信した場合は、紛失通知送信依頼メッセージを送信した携帯端末A子機20aのMACアドレスを取得する。
【0054】
また、紛失通知受信部54aは、携帯端末A子機20aから紛失通知送信依頼メッセージを受信した場合は、携帯端末A子機20aが発する近距離無線通信の電波強度を用いて、携帯端末A子機20aと、第三者の携帯端末B50aとの間の距離を測定する。そして、紛失通知受信部54aは、計測された携帯端末A子機20aと第三者の携帯端末B50aとの間の距離を示す距離情報を作成する。
【0055】
具体的には、紛失通知受信部54aは、電波強度と距離とを対応付けてあらかじめ記憶する。そして、紛失通知受信部54aは、RSSI(Received Signal Strength Indicator、電波強度値)を用いて、携帯端末A子機20aと、携帯端末B50aとの間の距離を計算する。ここで、RSSIとは、携帯端末A子機20aが発する近距離無線通信の電波強度の値をいう。また、紛失通知受信部54aは、計算された携帯端末間の距離を示す距離情報と、取得された携帯端末A子機20aのMACアドレスを子機情報送信部55aへ通知する。
【0056】
子機情報送信部55aは、第三者の携帯端末B50aが、携帯端末A子機20aから送信された紛失情報を受信した場合には、受信された紛失情報と第三者の携帯端末B50aの位置を示す情報とを管理サーバへ送信する。具体的には、紛失通知受信部54aによって計算された距離情報と紛失通知受信部54aによって取得された携帯端末A子機20aのMACアドレスとを通知された場合には、測位部52aに、携帯端末B50aの位置を測位する要求を通知する。そして、子機情報送信部55aは、測位部52aによって測位された位置情報を取得する。
【0057】
子機情報送信部55aは、紛失通知受信部54aから通知された距離情報と携帯端末A子機20aのMACアドレスとを紛失子機発見通知に格納する。また、子機情報送信部55aは、測位部52aから通知された位置情報を紛失子機発見通知に格納する。子機情報送信部55aは、紛失通知受信部54aから通知された距離情報と、測位部52aから通知された位置情報を用いて、図3Dに示す紛失子機発見通知メッセージを作成する。図3Dは、実施例2に係る他人の親機から送信される紛失子機発見通知メッセージの一例を表す図である。
【0058】
図3Dに示す場合は、子機情報送信部55aは、紛失子機発見通知メッセージのヘッダ部分に、紛失子機発見通知メッセージを示す「Type:0x04」を格納する。また、子機情報送信部55aは、紛失子機発見通知メッセージのヘッダ部分に続くデータ長部に、以下のデータ長が38Byteであることを示す情報「Length:50」を格納する。
【0059】
次に、子機情報送信部55aは、以下のデータが子機MACアドレスであることを示す「Type:0x11」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、データ長部として、以下6ByteのデータがMACアドレスであることを示す「Length:6」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、紛失通知受信部54aより通知された携帯端末A子機20aのMACアドレスを紛失子機発見通知メッセージに格納する。
【0060】
次に、子機情報送信部55aは、以下のデータが携帯端末A子機20aと第三者の携帯端末B50aとの間の距離を示す情報が続くことを示す「Type:0x12」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、データ長部として、以下4Byteのデータが距離情報であることを示す「Length:4」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、紛失通知受信部54aから通知された距離情報を紛失子機発見通知メッセージに格納する。
【0061】
次に、子機情報送信部55aは、以下のデータが第三者の携帯端末B50aの位置情報が続くことを示す「Type:0x13」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、データ長部として、以下4Byteのデータが位置情報であることを示す「Length:4」を格納する。次に、子機情報送信部55aは、測位部52aによって通知された位置情報を紛失子機発見通知メッセージに格納する。
【0062】
また、子機情報送信部55aは、紛失子機発見通知メッセージを作成した場合は、移動通信網通信部B53aを介して、加入者情報管理装置40aへ送信する。
【0063】
[加入者情報管理装置40aの構成]
加入者情報管理装置40aは、移動通信網通信部41a、紛失子機管理部42aおよび子機位置通知部43aを有する。紛失子機管理部42aおよび子機位置通知部43aは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0064】
加入者情報管理装置40aは、例えば、移動通信網ネットワークのコアネットワーク(基幹回線網)上に位置するサーバである。例えば、加入者情報管理装置40aは、基地局や、基地局によって受信された情報を処理するMPE(Multimedia Processing Equipment)よりも上位のネットワークに接続され、回線交換機であるLS(Local Switch)と接続される。
【0065】
移動通信網通信部41aは、3G、GSM、LTE、WiMAXなどの移動通信網通信手法を用いて、移動通信網通信部A33a、移動通信網通信部B53aおよびその他の移動通信網通信部と通信を行う。移動通信網通信部41aは、例えば、アンテナを有し、移動通信網に接続する通信装置である。
【0066】
紛失子機管理部42aは、携帯端末A子機20aのMACアドレスと、携帯端末A子機20aの紛失登録を要求する通知とを携帯端末A親機30aから取得した場合には、携帯端末A子機20aの紛失登録を実行する。具体的には、紛失子機管理部42aは、携帯端末A親機30aから送信された携帯端末A子機20aのMACアドレスと、携帯端末A子機20aが紛失状態であることを示す情報とを対応付けて記憶する。
【0067】
また、紛失子機管理部42aは、第三者の携帯端末B50aから紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージが示す残置された子機と対応する親機に対して、紛失子機発見通知メッセージに格納された位置情報を転送する。具体的には、紛失子機管理部42aは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスと同一のMACアドレスが、紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されているかを判定する。
【0068】
そして、紛失子機管理部42aは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが、紛失状態を示す情報と対応付けて記憶されていた場合には、紛失子機発見通知メッセージに格納された距離情報と位置情報とを子機位置通知部43aへ通知する。また、紛失子機管理部42aは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機と対応する親機に対して、発見メッセージを送信するように子機位置通知部43aに通知する。
【0069】
子機位置通知部43aは、紛失子機管理部42aから発見メッセージを送信するように通知された場合は、通知された距離情報と位置情報とを用いて、図3Eに示す発見メッセージを含む電子メールを作成する。ここで、図3Eは、実施例2に係る親機に通知されるメッセージの一例を表す図である。
【0070】
具体的には、子機位置通知部43aは、通知された位置情報に示された場所近辺の地図を作成する。そして、子機位置通知部43aは、通知された位置情報と距離情報とから残置された子機が存在する範囲を示す円を重ね合わせる。
【0071】
例えば、子機位置通知部43aは、図3Eに示すような発見メッセージを作成する。図3Eの中央左側に現された円は、距離情報と位置情報とから得られた携帯端末A子機20aが存在する範囲を示している。また、図3Eの中央左側に現された円の中心は、位置情報から得られた地点、すなわち、携帯端末A子機20aから送信された紛失通知送信依頼メッセージを第三者の携帯端末B50aが受信した地点を示す。また、図3Eの中央左側に現された円の範囲は、距離情報から得られた範囲、すなわち、携帯端末A子機20aと第三者の携帯端末B50aとの距離から得られた携帯端末A子機20aが存在する範囲を示す。
【0072】
子機位置通知部43aは、発見メッセージを作成した場合は、移動通信網通信部41aを介して、携帯端末A親機30aへ発見メッセージを電子メールとして送信する。
【0073】
[システムの処理]
次に、図4を用いて、実施例2に係るシステムの処理の流れを説明する。図4は、実施例2に係る処理の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。図4に示した場合は、システムは、MACアドレスを用いて、子機を一意に識別する。
【0074】
まず初めに、携帯端末A親機30aが紛失登録を実行する処理の流れについて説明する。携帯端末A親機30aの子機紛失登録部34aは、ユーザインタフェース部25aを介して、残置された子機の紛失登録を要求された場合は(ステップS101)、携帯端末A子機20aのMACアドレスを取得する(ステップS102)。次に、携帯端末A親機30aの子機紛失登録部34aは、移動通信網通信部A33aを介して(ステップS103)、残置された携帯端末A子機20aのMACアドレスを加入者情報管理装置40aの紛失子機管理部42aに通知する(ステップS104)。加入者情報管理装置40aの紛失子機管理部42aは、通知されたMACアドレスと紛失したことを示す情報とを対応付けて記憶する(ステップS105)。
【0075】
次に、システムが実行する紛失状態の携帯端末A子機20aが残置された位置を示す処理について説明する。まず、携帯端末A子機20aの子機紛失判定部21aは、携帯端末A子機20aが紛失状態であるかを判定する(ステップS106)。次に、携帯端末A子機20aの近傍端末検出部22aは、子機紛失判定部21aによって携帯端末A子機20aが紛失状態であると判定された場合は、子機無線部A23aを介して、近傍に存在する通信可能な他の端末を検出する(ステップS107)。
【0076】
携帯端末A子機20aの近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aを介して、接続可能な他の端末を検出するまで、検出を繰り返す(ステップS108)。次に、携帯端末A子機20aの近傍端末検出部22aは、子機無線部A23aを介して、接続可能な他の機器を検出した場合は、紛失通知受信可否問合せメッセージを検出された端末へ送信する(ステップS109)。そして、第三者の携帯端末B50aの紛失通知受信部54aは、紛失通知受信可否応答メッセージを作成する(ステップS110)。
【0077】
次に、第三者の携帯端末B50aの紛失通知受信部54aは、親機無線部B51aと子機無線部A23aとを介して、作成された紛失通知受信可否応答メッセージを携帯端末A子機20aの近傍端末検出部22aへ送信する(ステップS111)。
【0078】
携帯端末A子機20aの近傍端末検出部22aは、紛失通知受信可否応答メッセージを取得した場合は、紛失通知受信可否応答メッセージを取得した旨を紛失通知送信部24aへ通知する。(ステップS112)。次に、携帯端末A子機20aの紛失通知送信部24aは、紛失通知送信依頼メッセージを、第三者の携帯端末B50aの紛失通知受信部54aへ送信する(ステップS113)。
【0079】
携帯端末B50aの紛失通知受信部54aは、紛失通知送信依頼メッセージを受信した場合は、携帯端末A子機20aが発するRSSIの電波強度を用いて、携帯端末A子機20aと、携帯端末B50aとの間の距離情報を作成する(ステップS114)。次に、携帯端末B50aの紛失通知受信部54aは、携帯端末A子機20aのMACアドレスと距離情報とを子機情報送信部55aへ通知する(ステップS115)。
【0080】
次に、携帯端末B50aの子機情報送信部55aは、測位部52aに携帯端末B50aの位置を測位させるため、測位部52aに測位を要求する(ステップS116及びS117)。携帯端末B50aの測位部52aは、GPSもしくは基地局との電波強度を用いて、携帯端末B50aの位置を測位する(ステップS118)。携帯端末B50aの測位部52aは、携帯端末B50aの位置を測位した場合は、携帯端末の50aの位置を測位情報として子機情報送信部55aへ応答する(ステップS119)。
【0081】
次に、携帯端末B50aの子機情報送信部55aは、移動通信網通信部B53aを介して、取得された距離情報、測位情報およびMACアドレスを紛失子機発見通知メッセージとして加入者情報管理装置40aへ送信する(ステップS120)。加入者情報管理装置40aの紛失子機管理部42aは、紛失子機発見通知メッセージを受信した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されているかを判定する(ステップS121)。
【0082】
加入者情報管理装置40aの紛失子機管理部42aは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されている場合は、距離情報と位置情報とを子機位置通知部43aへ通知する(ステップS122)。
【0083】
加入者情報管理装置40aの子機位置通知部43aは、通知された距離情報と位置情報とを用いて、発見メッセージを作成する(ステップS123)。次に、加入者情報管理装置40aの子機位置通知部43aは、移動通信網通信部41aおよび移動通信網通信部A33aを介して、作成された発見メッセージを携帯端末A親機30aへ送信する(ステップS124)。そして、システムは、処理を終了する。
【0084】
[実施例2の効果]
上述したように、実施例2に係る携帯端末の子機は、残置されて紛失状態となった場合は、近傍にある他の携帯端末と近距離無線を介して通信を行う。また、他の携帯端末は、移動通信網を介して、携帯端末A子機20aの紛失子機発見通知メッセージを加入者情報管理装置40aへ送信する。そのため、実施例2に係るシステムは、分離することができる携帯端末の子機を置き忘れた場合にも、残置された子機の位置を識別し、残置された子機と対応する親機に対して通知することができる。
【0085】
また、実施例2に係る加入者情報管理装置40aは、あらかじめ登録された紛失登録と同一のMACアドレスが格納された紛失子機発見通知メッセージを取得した場合にのみ、発見メッセージを作成し、紛失状態の子機と対応する親機へ送信する。そのため、実施例2に係るシステムは、子機を紛失していないにも係らず、子機が置き忘れられて紛失状態であると判定した場合は、不要な発見メッセージを作成し、対応する親機へ送信することを防ぐことができる。
【0086】
また、実施例2に係る紛失通知受信部54aは、携帯端末A子機20aが発する電波の強度を用いて、携帯端末B50aと携帯端末A子機20aとの間の距離を識別する。そのため、実施例2に係るシステムは、位置情報だけでなく距離情報を考慮した発見メッセージを作成することができる。結果として、実施例2に係るシステムは、利用者に対して、紛失状態の子機が残置された位置をより正確に示すことができる。
【実施例3】
【0087】
次に、実施例3として、複数の携帯端末から送信された紛失子機発見通知メッセージを用いて、紛失状態の携帯端末子機の位置を示すシステムについて説明する。なお、実施例2に係るシステムと同一の処理については、説明を省略する。
【0088】
[システムの構成]
まず最初に、図5を用いて、実施例3に係るシステムの構成について説明する。図5は、実施例3に係るシステムの一例を説明するための図である。図5に示す様に、システムは、携帯端末A10b、加入者情報管理装置40b、第三者の携帯端末B50b、携帯端末C60b、携帯端末D70bとを有する。携帯端末A10bは、実施例2に係る携帯端末A10aと同様に、携帯端末A子機20bと携帯端末A親機30bとに分離可能な携帯端末である。また、携帯端末A10bおよび第三者の携帯端末B50aは、例えば、携帯電話、PHS、PDAおよびPCなどの情報通信端末である。加入者情報管理装置40bは、例えば、移動通信網ネットワークのコアネットワーク(基幹回線網)上に位置するサーバである。
【0089】
携帯端末A子機20bは、実施例2に係る携帯端末A子機20aと同様の構成を有する。また、携帯端末A親機30bは、実施例2に係る携帯端末A親機30bと同様の構成を有する。また、第三者の携帯端末B50bは、実施例2に係る第三者の携帯端末B50aと同様の構成を有する。また、携帯端末C60bおよび携帯端末D70bは、第三者の携帯端末B50bと同様の携帯端末である。各携帯端末が有する各部21b〜55bの機能は、実施例2に係る携帯端末が有する各部21a〜55aの機能と同様の機能を発揮する。
【0090】
[加入者情報装置の構成]
実施例3に係る加入者情報管理装置40bは、移動通信網通信部41b、紛失子機管理部42b、子機位置通知部43bを有する。各部41b〜43bの発揮する機能は、実施例2に係る各部41a〜43aの機能と同一である。また、加入者情報管理装置40bは、子機位置推定部44bを有する。子機位置推定部44bは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0091】
子機位置推定部44bは、複数の親機から送信された紛失子機発見通知メッセージを収集し、収集された紛失子機発見通知メッセージを用いて、紛失された子機の位置を特定する。具体的には、子機位置推定部44bは、第三者の携帯端末B50b、携帯端末C60b、携帯端末D70bからそれぞれ紛失子機発見通知メッセージを取得する。
【0092】
なお、第三者の携帯端末B50b、携帯端末C60bおよび携帯端末D70bは、それぞれ紛失状態の子機から紛失通知依頼を受けた場合には、実施例2に係る第三者の携帯端末B50aと同様の処理を実行し、紛失子機発見通知メッセージを作成する。次に、各携帯端末は、加入者情報管理装置40bに対して、作成された紛失子機発見通知メッセージを送信する。
【0093】
子機位置推定部44bは、各携帯端末から送信された紛失子機発見通知メッセージに基づいて、紛失状態の子機が残置された位置を推定する。また、子機位置推定部44bは、紛失状態の子機が残置された位置を推定した場合は、推定した子機の位置を子機位置通知部43bに通知する。
【0094】
次に、子機位置推定部44bが子機の位置を推定する手法の例について図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aは、実施例3に係るシステムが用いる位置推定の重み付け情報の一例を説明するための図である。また、図6Bは、実施例3に係るシステムが用いる位置測地の一例を説明するための図である。
【0095】
まず、子機位置推定部44bは、紛失子機発見通知メッセージに格納された位置情報と距離情報を収集し、収集された位置情報と距離情報とを用いて、紛失状態の子機が存在する位置を推定する。例えば、子機位置推定部44bは、紛失子機発見通知メッセージに格納された距離情報が「D」であった場合は、位置情報に格納された位置を原点とした半径Dの円周範囲上に子機が存在する確率が高いと推定する。また、図6Aに示すように、子機位置推定部44bは、半径Dの円周上からある程度の広がりを持った範囲に紛失状態の子機があると推定する。
【0096】
子機位置推定部44bは、紛失子機発見通知メッセージに格納された位置情報および距離情報を用いて、子機が存在する確率が高い円周範囲を地図上に重ね合わせる。また、子機位置推定部44bは、別の通信端末から取得された紛失子機発見通知メッセージに格納された位置情報および距離情報を用いて、子機が存在する確率が高い円周範囲をさらに地図上に重ね合わせる。
【0097】
ここで図6Bに示す円環は、紛失状態の子機が存在する確率を示している。また、図6Bに示す円環は、点描部分に子機が存在する確率が高いことを示している。子機位置推定部44bは、重ね合わせを行った範囲から、紛失状態の子機が存在する確率が最も高い範囲に、紛失状態の子機が存在すると推定する。
【0098】
子機位置推定部44bは、紛失状態の子機が残置された位置を推定した場合は、子機位置通知部43bへ、推定された位置を紛失状態の子機に対応する親機へ通知するように依頼する。子機位置通知部43bは、推定された位置を通知するように依頼された場合は、子機位置推定部44bによって推定された位置を示す発見メッセージを作成し、作成された発見メッセージを携帯端末A親機30bへ送信する。
【0099】
例えば、子機位置推定部44bは、図3Eに示された実施例2に係る子機位置通知部43aによって作成された発見メッセージよりも、紛失状態の携帯端末A子機20aの位置をより詳細に示すことができる。そのため、子機位置通知部43bは、実施例2に係る子機位置通知部43aよって作成された発見メッセージよりも、紛失状態の携帯端末A子機20aの位置より詳細に示した発見メッセージを作成し、携帯端末A親機30bへ送信することができる。
【0100】
[システムの処理]
次に、図7を用いて、実施例3に係るシステムの処理の流れを説明する。図7は、実施例3に係るシステムの処理の一例を説明するためのシーケンス図である。また、実施例3に係るシステムは、図4に示したステップS101からステップS120まで同一の処理を実行する。そのため、図7は、図4に示したステップS101からステップS120までに対応する処理について省略する。
【0101】
第三者の携帯端末B50bの子機情報送信部55bは、紛失子機発見通知メッセージを作成した場合は、移動通信網通信部B53bを介して、加入者情報管理装置40bへ送信する(ステップS201)。次に、加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機について紛失登録されているかどうかを判定する(ステップS202)。
【0102】
加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機について紛失登録されている場合は、位置情報と距離情報とを子機位置推定部44bへ転送する(ステップS203)。加入者情報管理装置40bの子機位置推定部44bは、位置情報と距離情報とを取得した場合は、子機の存在する確率が高い円周範囲を取得し、地図上に重ね合わせる(ステップS204)。
【0103】
次に、加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、携帯端末C60bから通知された紛失子機発見通知メッセージを取得する(ステップS205)。加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されているか判定する(ステップS206)。
【0104】
加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されている場合は、位置情報と距離情報とを子機位置推定部44bへ転送する(ステップS207)。次に、加入者情報管理装置40bの子機位置推定部44bは、位置情報と距離情報とを取得した場合は、子機の存在する確率が高い円周範囲を取得し、地図上に重ね合わせる(ステップS208)。
【0105】
次に、加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、携帯端末D70bから通知された紛失子機発見通知メッセージを取得する(ステップS209)。加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、携帯端末D70bから紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機が紛失登録されているか判定する(ステップS210)。
【0106】
加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42bは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機について紛失登録されている場合は、位置情報と距離情報とを子機位置推定部44bへ転送する(ステップS211)。次に、加入者情報管理装置40bの子機位置推定部44bは、位置情報と距離情報とを取得した場合は、子機の存在する確率が高い円周範囲を取得し、地図上に重ね合わせる(ステップS212)。
【0107】
加入者情報管理装置40bの子機位置推定部44bは、3つの紛失子機発見通知メッセージを用いて、紛失状態の子機が残置された位置を推定した場合は、推定された位置を通知するように子機位置通知部43bへ依頼する(ステップS213)。具体的には、加入者情報管理装置40bの子機位置推定部44bは、3つの紛失子機発見通知メッセージを地図上に重ね合わせ、最も確率が高い範囲に残置された子機があると推定する。加入者情報管理装置40bの子機位置通知部43bは、推定された位置を通知するように依頼された場合は、子機位置推定部44bによって推定された位置を用いて、発見メッセージを作成する(ステップS214)。
【0108】
次に、加入者情報管理装置40bの子機位置通知部43bは、発見メッセージを作成した場合は、作成された発見メッセージを携帯端末A親機30bへ送信する(ステップS215)。その後、システムは、処理を終了する。
【0109】
[実施例3の効果]
上述したように、実施例3に係る加入者情報管理装置は、複数の紛失情報を用いて、紛失状態の子機が存在する位置を推定し、推定された位置を紛失状態の子機に対応する親機へ通知する。そのため、実施例3に係るシステムは、利用者に対して、紛失状態の子機が残置された位置を実施例2に係るシステムよりも正確に、かつ、詳細に示した発見メッセージを通知することができる。
【実施例4】
【0110】
次に、実施例4として、紛失子機発見通知メッセージを送信した第三者の携帯端末に対して子機の捜索を依頼するシステムについて説明する。なお、実施例2に係るシステムおよび実施例3に係るシステムと同一の処理については、説明を省略する。
【0111】
まず最初に、図8を用いて、実施例4に係るシステムの構成について説明する。図8は、実施例4に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。図8に示すように、実施例4に係るシステムは、携帯端末A10c、第三者の携帯端末B50c、加入者情報管理装置40cを有する。携帯端末A10c(携帯端末装置10)は、実施例2および実施例3に係る携帯端末Aと同様に、携帯端末A子機20cと携帯端末A親機30cとに分離可能な携帯端末である。また、携帯端末A10cおよび第三者の携帯端末B50cは、例えば、携帯電話、PHS、PDAおよびPCなどの情報通信端末である。加入者情報管理装置40cは、例えば、移動通信網ネットワークのコアネットワーク(基幹回線網)上に位置するサーバである。
【0112】
[携帯端末A子機の構成]
実施例4に係る携帯端末A子機20cは、実施例3に係る携帯端末A子機20bと同様に子機紛失判定部21c、近傍端末検出部22c、子機無線部A23c、紛失通知送信部24cおよびユーザインタフェース部25cを有する。実施例4に係る各部21c〜24cは、実施例3に係る各部21b〜24bと同様の機能を発揮する。また、実施例4に係る携帯端末A子機20cは、捜索指示受信部26cを有する。捜索指示受信部26cは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0113】
捜索指示受信部26cは、第三者の携帯端末B50cから駆動指示を受信した場合は、ユーザインタフェース部25cを制御して、駆動制御の指示を実行する。具体的には、捜索指示受信部26cは、子機無線部A23cを介して、他人の携帯端末から送信される子機制御メッセージを受信する。また、捜索指示受信部26cは、受信された子機制御メッセージに応じて、ユーザインタフェース部25cを制御する。ここで、ユーザインタフェース部25cは、例えば、携帯端末A10aを操作するためのテンキー等の入力装置、着信を知らせるバイブレータ、スピーカー、モニタ等である。
【0114】
例えば、捜索指示受信部26cは、図9に示す子機制御メッセージのうち、音出力指示が格納された子機制御メッセージを受信した場合は、アラーム音等の音声を鳴らすようにユーザインタフェース部25cに通知する。ユーザインタフェース部25cは、捜索指示受信部26cよりアラーム音等の音声を鳴らすように通知された場合には、アラーム音等の音声を鳴らす。ここで、図9は、実施例4に係る子機制御メッセージを説明するための図の一例である。
【0115】
また、例えば、捜索指示受信部26cは、図9に示す子機制御メッセージのうち、光出力指示が格納された子機制御メッセージを受信した場合は、光を点灯させるようにユーザインタフェース部25cに通知する。ユーザインタフェース部25cは、捜索指示受信部26cより光を点灯させるように通知された場合には、光を点灯あるいは点滅等させる。
【0116】
また、例えば、捜索指示受信部26cは、図9に示す子機制御メッセージのうち、振動指示が格納された子機制御メッセージを受信した場合は、バイブレータを駆動させるようにユーザインタフェース部25cに通知する。ユーザインタフェース部25cは、捜索指示受信部26cよりバイブレータを駆動させるように通知された場合には、バイブレータを駆動させる。
【0117】
また、例えば、捜索指示受信部26cは、複数の指示が格納された子機制御メッセージを受信した場合は、ユーザインタフェース部25cを制御して、格納されていた各指示を同時に実行する。
【0118】
[第三者の携帯端末Bの構成]
第三者の携帯端末B50cは、親機無線部B51c、測位部52c、移動通信網通信部B53c、紛失通知受信部54cおよび子機情報送信部55cを有する。各部51c〜55cは、実施例3に係る各部51b〜55bと同様の機能を発揮する。また、第三者の携帯端末B50cは、ユーザインタフェース部56cおよび捜索指示送信部57cをさらに有する。捜索指示送信部57cは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0119】
ユーザインタフェース部56cは、第三者の携帯端末B50cのユーザインタフェースである。具体的には、ユーザインタフェース部56cは、第三者の携帯端末B50cに対する操作を受け付ける入力装置や表示装置等である。また、ユーザインタフェース部56cは、利用者によって入力された操作を捜索指示送信部57cへ通知する。ユーザインタフェース部56cは、携帯端末A10aを操作するためのテンキー等の入力装置である。
【0120】
捜索指示送信部57cは、第三者の携帯端末B50cが紛失情報を携帯端末A子機20cから受信した場合は、駆動指示を携帯端末A子機20cへ送信する。具体的には、第三者の携帯端末B50cは、紛失情報を携帯端末A子機20cから受信した場合には、第三者の携帯端末B50cが紛失子機管理部42cへ紛失子機発見通知メッセージを送信する。すると、第三者の携帯端末B50cは、紛失子機管理部42cから、紛失状態の子機を捜索するように依頼される。
【0121】
捜索指示送信部57cは、紛失子機管理部42cから、紛失状態の子機を捜索するように依頼された場合には、紛失状態の子機に対して、図9に示す子機制御メッセージを送信する。例えば、捜索指示送信部57cは、音出力指示が格納された子機制御メッセージが利用者によって選択された場合は、音出力指示が格納された子機制御メッセージを送信する。
【0122】
図9に示すように、子機制御メッセージは、ヘッダ部分に、指示を示す情報が格納されている。例えば、子機制御メッセージは、ヘッダ部分に「Type:0x05」を格納した場合は、子機制御メッセージを受信した子機に対して音を出力するよう指示する。また、子機制御メッセージは、ヘッダ部分に「Type:0x06」を格納した場合は、子機制御メッセージを受信した子機に対して光を出力するよう指示する。また、子機制御メッセージは、ヘッダ部分に「Type:0x07」を格納した場合は、子機制御メッセージを受信した子機に対して振動するよう指示する。
【0123】
図9に示すように、各子機制御メッセージのデータ長部には、以下のデータ長が4Byteであることを示す情報「Length:4」が格納される。また、データ長部の次に、各制御の開始を指示する4Byteの情報が格納される。
【0124】
[加入者情報管理装置の構成]
加入者情報管理装置40cは、移動通信網通信部41c、紛失子機管理部42c、子機位置通知部43cを有している。移動通信網通信部41cおよび子機位置通知部43cは、実施例2に係る移動通信網通信部41aおよび子機位置通知部43aと同様の処理を実行する。
【0125】
実施例4に係る紛失子機管理部42cは、子機情報送信部55cから紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態を示す情報と対応付けて記憶されているかを判定する。また、紛失子機管理部42cは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態を示す情報と対応付けて記憶されている場合は、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末B50cの所有者が、捜索協力を事前登録しているかを判定する。
【0126】
実施例4に係るシステムは、紛失子機発見通知メッセージを送信した第三者の携帯端末B50cの所有者が、携帯端末の捜索協力を事前登録している場合にのみ、紛失状態の子機を捜索するよう要請する。紛失子機管理部42cは、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末B50cの所有者が、携帯端末の捜索に協力する登録を行っている場合は、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末B50cに対して、紛失状態の子機を捜索するよう要請する。
【0127】
[システムの処理]
次に、図10を用いて、実施例4に係るシステムが実行する処理の流れを説明する。図10は、実施例4に係るシステムが実行する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。また、実施例3に係るシステムは、図4に示したステップS101からステップS120まで同一の処理を実行する。そのため、図10では、図4に示したステップS101からステップS120までに対応する処理について省略する。
【0128】
まず、加入者情報管理装置40cの紛失子機管理部42cは、紛失子機発見通知メッセージを取得する(ステップS301)。加入者情報管理装置40cの紛失子機管理部42cは、紛失子機発見通知メッセージを取得した場合には、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機について紛失登録されているかどうかを判定する(ステップS302)。
【0129】
加入者情報管理装置40cの紛失子機管理部42cは、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスを有する子機が紛失登録されている場合は、携帯端末B50cの所有者が、携帯端末の捜索協力を事前登録しているか判定する(ステップS303)。加入者情報管理装置40cの紛失子機管理部42cは、携帯端末B50cの所有者が、携帯端末の捜索協力を事前登録している場合は、携帯端末B50cに対して、紛失状態の子機を捜索するよう要請する(ステップS304)。
【0130】
携帯端末B50cの捜索指示送信部57cは、子機の捜索を要請された場合は、子機制御メッセージの送信を利用者に促すため(ステップS305)、ユーザインタフェース部56cに子機制御メッセージを選択させる画面を表示させる(ステップS306)。
【0131】
次に、携帯端末B50cのユーザインタフェース部56cは、子機制御メッセージを紛失状態の子機へ送信するように操作された場合は(ステップS307)、子機制御メッセージを送信するように捜索指示送信部57cへ指示する(ステップS308)。携帯端末B50cの捜索指示送信部57cは、子機制御メッセージを送信するように指示された場合は、親機無線部B51cを介して、子機制御メッセージを紛失状態の子機へ送信する(ステップS309)。
【0132】
次に、携帯端末子機20cの捜索指示受信部26cは、子機制御メッセージを受信した場合は、子機制御メッセージに格納された指示をユーザインタフェース部25cへ転送する(ステップS310)。携帯端末子機20cのユーザインタフェース部25cは、指示を取得した場合は、指示された処理を実行する(ステップS311)。例えば、携帯端末子機20cのユーザインタフェース部25cは、音を鳴らす、光を点灯する、もしくは振動を起こす処理を実行する。
【0133】
[実施例4の効果]
上述したように、実施例4に係る携帯端末B50cは、近距離無線を介して、紛失状態の携帯端末A子機20cに子機制御メッセージを送信する。そして、携帯端末A子機20cは、子機制御メッセージを受信した場合は、子機制御メッセージに格納された指示を実行する。そのため、実施例4に係るシステムは、紛失状態の子機の捜索に協力する利用者に対して、紛失状態の子機を容易に発見する手法を提供することができる。
【実施例5】
【0134】
次に、実施例5に係るシステムについて説明する。実施例5に係るシステムは、紛失子機発見通知メッセージを送信した第三者の携帯端末に対して、紛失状態の子機を捜索するように協力を依頼するシステムについて説明する。また、実施例5に係るシステムは、紛失状態の子機が残置された位置を捜索する第三者の携帯端末に対して、紛失状態の子機が残置された位置を示す。なお、実施例2〜実施例4に係るシステムと同一の処理については、説明を省略する。
【0135】
[システムの構成]
まず最初に、図11を用いて、実施例5に係るシステムの構成について説明する。図11は、実施例5に係るシステムを説明するためのブロック図の一例である。実施例5に係るシステムは、携帯端末A10d、第三者の携帯端末B50d、加入者情報管理装置40dを有する。また、携帯端末A10dおよび第三者の携帯端末B50dは、携帯電話、PHS、PDAおよびPCなどの情報通信端末である。加入者情報管理装置40dは、例えば、移動通信網ネットワークのコアネットワーク(基幹回線網)上に位置するサーバである。
【0136】
実施例5に係る携帯端末A10dは、実施例2〜4に係る携帯端末Aと同様に、携帯端末A子機20dと携帯端末A親機30dとに分離可能な携帯端末である。携帯端末A10dは、実施例4に係る携帯端末A10cと同様の構成を有し、携帯端末A10cと同様の処理を実行する。携帯端末A10dは、例えば、携帯電話、PHS、PDAなどの情報通信端末である。また、第三者の携帯端末B50dは、携帯電話、PHS、PDAおよびPCなどの情報通信端末である。実施例5に係る加入者情報管理装置40dは、実施例4に係る加入者情報管理装置40cと同様の構成を有し、加入者情報管理装置40cと同様の処理を実行する。
【0137】
[第三者の携帯端末Bの構成]
図11に示すように、第三者の携帯端末B50dは、各部51d〜57dおよび子機位置特定部58dを有する。ここで、実施例5に係る各部51d〜57dは、実施例3に係る各部51c〜57cと同様の機能を発揮する。また、第三者の携帯端末B50dは、子機位置特定部58dを有している。子機位置特定部58dは、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0138】
子機位置特定部58dは、複数の位置から携帯端末A子機20dの発する近距離無線通信の電波強度を親機無線部B51dを介してそれぞれ測定し、測定された複数の電波強度を用いて、携帯端末A子機20dの位置を識別する。具体的には、子機位置特定部58dは、親機無線部B51dを用いて、紛失状態の携帯端末A子機20dと通信を行う。そして、子機位置特定部58dは、携帯端末A20dが発振する電波の強度を用いて、携帯端末A20dが残置された位置を推定する。また、子機位置特定部58dは、推定した携帯端末A子機20dの位置を、携帯端末B50dに表示する。
【0139】
子機位置特定部58dは、第三者の携帯端末B50dが携帯端末A子機20dの捜索を行う場合は、ユーザインタフェース部56dを用いて、図12に示すような指示を表示させる。また、子機位置特定部58dは、測位部52dに、携帯端末A子機20dと通信を行った第三者の携帯端末B50dの複数の位置を測位させる。また、子機位置特定部58dは、複数の位置から携帯端末A子機20dと通信を行い、携帯端末A子機20dの位置を推定する。ここで、図12は、実施例5に係る携帯端末に表示される指示の例を表す図である。
【0140】
子機位置特定部58dが紛失状態の子機が残置された位置を推定する方法について、図12および図13を用いて詳しく説明する。図13は、実施例5に係るシステムが用いる位置測定の一例を説明するための図である。図13に示した矢印は、携帯端末B50dを有するユーザの移動した軌跡を現す。また、図13に示す円環は、紛失状態の子機が存在する確率を示している。また、図13に示す円環は、点描部分に子機が存在する確率が高いことを示している。
【0141】
まず、子機位置特定部58dは、図12に示すように、近距離無線技術を用いて、紛失状態の子機である携帯端末A子機20dと通信を行う。また、子機位置特定部58dは、測位部52dに、第三者の携帯端末B50dの位置情報を測位させる。
【0142】
次に、子機位置特定部58dは、図12に示すように、携帯端末B50dの利用者に10歩前進させる。子機位置特定部58dは、携帯端末B50dの利用者に10歩前進させた場合は、近距離無線技術を用いて、携帯端末A子機20dと再度通信を行う。また、子機位置特定部58dは、測位部52dに、携帯端末B50dの位置情報を測位させる。
【0143】
次に、子機位置特定部58dは、図12に示すように、携帯端末B50dの利用者に右90度の方向へ10歩前進させる。子機位置特定部58dは、携帯端末B50dの利用者に右90度の方向へ10歩前進させた場合は、近距離無線技術を用いて、携帯端末A子機20dと再度通信を行う。また、子機位置特定部58dは、測位部52dに、携帯端末B50dの位置情報を測位させる。
【0144】
すると、図13に示すように、子機位置特定部58dは、異なった3つの地点から紛失状態の子機である携帯端末A子機20dと通信を行うことになる。子機位置特定部58dは、携帯端末A子機20dから発信された電波の強度を各地点において観測し、実施例3に係る子機位置推定部44bと同様の処理を行う。
【0145】
具体的には、子機位置特定部58dは、携帯端末A子機20dから発信された電波の強度(RSSI)と、測位部52dによって測位された位置情報とを用いて携帯端末A子機20dが存在する確率が高い円周範囲を複数取得する。そして、子機位置特定部58dは、図13に示すように、携帯端末A子機20dが存在する確率が高い円周範囲を重ね合わせる。そして、子機位置特定部58dは、重ね合わせを行った範囲から、携帯端末A子機20dが存在する確率が最も高い範囲に、携帯端末A子機20dが存在すると推定する。
【0146】
また、子機位置特定部58dは、携帯端末A子機20dの位置を推定した場合は、図14に示すように、携帯対端末B50dの位置を基準として、推定された携帯端末A子機20dの位置を相対的にユーザインタフェース部56dに表示させる。ここで、図14は、実施例5に係る子機位置特定部が表示させる検索結果の表示例である。図14に例示した場合には、携帯端末A子機20dの位置が、第三者の携帯端末B50dから右30度前方5メートル先にあることを示している。
【0147】
[システムの処理]
次に、図15を用いて、実施例5に係るシステムが実行する処理の流れを説明する。図15は、実施例5に係るシステムが実行する処理の一例を説明するためのシーケンス図である。また、実施例5に係るシステムは、図4に示したステップS101からステップS120まで同一の処理を実行する。そのため、図15は、図4に示したステップS101からステップS120までに対応する処理について省略する。
【0148】
加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42dは、紛失子機発見通知メッセージを取得した場合は、紛失子機発見通知メッセージに格納されたMACアドレスが紛失状態であることを示す情報と対応付けて記憶されているか判定する(ステップS401)。次に、加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42dは、携帯端末B50dの所有者が、携帯端末の捜索協力を事前登録しているかを判定する(ステップS402)。
【0149】
加入者情報管理装置40bの紛失子機管理部42dは、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末B50dの所有者が、携帯端末の捜索協力を事前登録している場合は、紛失状態の子機を捜索するよう要請する(ステップS403)。次に、携帯端末B50dの子機位置特定部58dは、携帯端末B50dの位置を移動させるため、ユーザインタフェース部56dに指示を表示させる(ステップS404)。
【0150】
携帯端末B50dのユーザインタフェース部56dは、子機位置特定部58dから利用者に対する指示を表示するよう指示された場合は(ステップS405)、利用者に対する指示を表示する(ステップS406)。
【0151】
次に、携帯端末B50dの子機位置特定部58dは、ユーザインタフェース部56dに指示を表示させた場合は(ステップS407)、測位部52dに携帯端末B50dの位置を測位させる(ステップS408)。携帯端末B50dの測位部52dは、携帯端末B50dの位置を測位させた場合は(ステップS409)、測位結果を子機位置特定部58dへ通知する(ステップS410)。
【0152】
携帯端末B50dの子機位置特定部58dは、携帯端末A子機20dから発信された電波の強度を異なる3つの地点において観測し、携帯端末A子機20dの位置を特定する(ステップS411)。
【0153】
携帯端末B50dの子機位置特定部58dは、携帯端末A子機20dの位置を特定した場合は、特定した携帯端末A子機20dの位置をユーザインタフェース部56dに表示させる(ステップS412)。そして、携帯端末B50dのユーザインタフェース部56dは、特定した携帯端末A子機20dの位置を表示する(ステップS413)。その後、システムは、処理を終了する。
【0154】
[実施例5の効果]
上述したように、実施例5に係る第三者の携帯端末B50dは、近距離無線の強度を用いて、紛失状態の携帯端末A子機20dが残置された位置を特定する。そのため、実施例5に係るシステムは、携帯端末A子機20dの近傍に、第三者の携帯端末B50dが接近した場合は、第三者の携帯端末B50dを用いて携帯端末A子機20dの位置を特定させることができる。結果として、実施例5に係るシステムは、紛失状態の子機が残置された位置をより正確に利用者に示すことができ、子機の発見を容易にすることができる。
【実施例6】
【0155】
これまで、実施例1〜実施例5について説明したが、各実施例に係る携帯端末およびシステムは、上記した実施例以外にも様々な異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例6として、他の実施例を説明する。
【0156】
(1)システムが実行する処理について
実施例2〜実施例5に係るシステムは、それぞれ独立した処理を実行し、紛失状態の携帯端末が残置された位置を利用者に示していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、紛失状態の子機の位置を示し、紛失状態の子機の発見を容易にするのであれば、異なる実施例において示された複数の処理を同時に実行してもよい。
【0157】
例えば、実施例3と実施例4とに示した処理を実行するシステムは、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末のユーザが紛失状態の子機を捜索する協力の登録を行っていない場合は、実施例3に示した処理を実行する。また、システムは、紛失子機発見通知メッセージを送信した携帯端末が、紛失状態の子機を捜索する協力の登録を行っている場合は、実施例4に示した処理を実行する。
【0158】
(2)近距離無線について
上記した各実施例1〜5に係る携帯端末の親機、子機及び他の通信端末は、近距離無線技術として無線LANを用いて通信していた。しかし、実施例は、これに限定されるものではなく、近距離無線技術を用いて子機および他の通信端末が通信するのであればよい。そのため、親機、子機及び他の通信端末は、近距離無線技術として、例えばBTや、IC通信、Wi−Fi等の規格を用いてもよい。
【0159】
また、上記した各実施例2〜5に係る携帯端末および通信端末は、BTを用いて通信を行う場合は、MACアドレスではなくBTアドレスを紛失子機発見通知メッセージに格納してもよい。また、近傍端末検出部は、子機無線部がBTを用いる場合は、Serial Port Profile(SPP)を適用する。ここで、SPPとは、BTを用いて、仮想のシリアルケーブルを介した通信を実現するプロトコルである。
【0160】
また、上記した各実施例2〜5では、子機はアドホックモードで通信を行っていた。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。例えば、紛失された子機は、公共のアクセスポイントに対して接続可能な範囲に存在する場合は、インフラストラクチャモードを用いて、同一のアクセスポイントに対して接続している他の通信端末に紛失子機発見通知メッセージの送信を依頼してもよい。
【0161】
(3)紛失子機発見通知メッセージについて
実施例2〜5に係るシステムでは、他の通信端末が測位した場所を紛失子機発見通知メッセージに格納していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、システムは、残置された子機が、公共のアクセスポイントに対して接続可能な範囲に存在する場合は、接続可能なアクセスポイントを示す情報を紛失子機発見通知メッセージに格納するようにしてもよい。
【0162】
また、実施例2〜5に係るシステムは、紛失された子機が測位部を有する場合は、測位部を用いて測位した位置情報を紛失子機発見通知メッセージに格納してもよい。
【0163】
(4)紛失状態の判定について
実施例2〜5に係る子機紛失判定部は、例えば、一定時間操作されていない場合は、携帯端末A子機が紛失状態であると判定していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、子機紛失判定部は、子機の動きを検知する加速度センサを有し、子機が一定時間以上動いていない場合は、子機が紛失状態であると判定してもよい。
【0164】
また、子機紛失判定部は、子機がGPS等を用いる測位部を有する場合は、一定時間以上子機が移動していない場合は、子機が紛失状態であると判定してもよい。また、子機紛失判定部は、これら紛失状態を判定する技術を複合的に用いて判定してもよい。
【0165】
(5)子機位置の推定について
実施例3に係る子機位置推定部および実施例5に係る子機位置特定部は、3つの点から観測された近距離無線通信の強度を用いて、子機の位置を測定していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、別の方法を用いてもよい。
【0166】
例えば、子機位置推定部および子機位置特定部は、2つの点から観測された近距離無線通信の強度を用いる場合は、残置された子機が存在する位置として2つもしくは1つの場所を特定する。また、例えば、子機位置推定部および子機位置特定部は、3つ以上の点から観測された近距離無線通信の強度を用いてもよい。
【0167】
(6)プログラム
ところで、各実施例では、ハードウェアを利用して各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、あらかじめ用意されたプログラムを第二端末部で実行することによって実現するようにしてもよい。
【0168】
そこで、以下では、図16を用いて、実施例1に示した第二端末部と同様の機能を有するプログラムを実行する携帯端末の一例を説明する。図16は、紛失情報を送信するプログラムを実行する携帯端末の一例を説明するための図である。図16に例示された携帯端末100は、RAM(Random Access Memory)150、CPU(Central Processing Unit)140、ROM(Read Only Memory)130をバス170で接続されている。さらにバス170には、近距離無線通信装置のアンテナと接続するための接続端子部分I/O(Input/Output)160が接続されている。
【0169】
ROM130には、判断プログラム131、検出プログラム132、紛失情報送信プログラム133があらかじめ保存されている。CPU140が各プログラム131〜133をROM130から読み出して実行することによって、図16に示す様に、各プログラム131〜133は、判断プロセス141、検出プロセス142、紛失情報送信プロセス143として機能するようになる。
【0170】
なお、各プロセス141〜143は、図1に示した判断部21、検出部22、紛失情報送信部24にそれぞれ対応する。
【0171】
なお、各プログラム131〜133はROM130に保持されている必要は無く、例えば外部記憶装置に記憶されており、I/O160を介してCPU140によって展開され、各プロセス141〜143として機能するようにしてもよい。
【0172】
また、CPU140は、MCU(Micro Controller Unit)や、MPU(Micro Processing Unit)でもよい。
【0173】
なお、本実施例で説明したプログラムは、あらかじめ用意されたプログラムを種々の携帯端末で実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM,MO、DVDなどの第二端末部で読取可能な記憶媒体に記憶され、第二端末部によって記憶媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0174】
(7)各装置の処理について
なお、上記した各実施例における各装置による処理に必要な情報や各装置によって生成された情報など各種の情報(例えば、地図データ、発見メッセージ、対応する子機のMACアドレス等)は、各装置が有する所定の記憶部が記憶する。記憶部は、例えば、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0175】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0176】
(付記1)移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末であって、
前記第二端末部は、
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断部と、
前記判断部によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出部と、
前記検出部によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信部と、
を備え、
前記第一端末部は、
前記移動通信網を介して、前記管理サーバから前記位置情報を受信した場合には、当該受信された位置情報を出力する出力部を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【0177】
(付記2)前記紛失情報を作成した第二端末部は、
前記他端末からアラームを鳴らす旨の指示、振動機能を駆動させる指示、または発光機能を駆動させる駆動指示を受信した場合には、当該指示を実行する駆動部をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の携帯端末装置。
【0178】
(付記3)移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末と、
前記第二端末部と前記第一端末部との対応を管理する管理サーバと、
前記移動通信網に接続可能かつ前記近距離無線通信を用いて通信可能な他端末と、
を備えるシステムであって、
前記第二端末部は、
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断部と、
前記判断部によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出部と、
前記検出部によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信部と、
を備え、
前記第一端末部は、前記移動通信網を介して、前記管理サーバから前記位置情報を受信した場合には、当該受信された位置情報を出力する出力部を備え、
前記他端末は、前記第二端末部から前記紛失情報と前記位置情報とを前記管理サーバへ送信するように依頼された場合には、当該第二端末部から受信した前記紛失情報と前記位置情報とを前記管理サーバへ送信する送信部を備え、
前記管理サーバは、前記他端末から前記位置情報と前記紛失情報とを受信した場合には、当該紛失情報を送信した前記第二端末部と対応する前記第一端末部に対して、前記受信された前記位置情報を転送する転送部を備えることを特徴とするシステム。
【0179】
(付記4)前記他端末は、
前記紛失情報と前記位置情報とを前記管理サーバへ送信するように依頼された場合には、前記第二端末部が発する前記近距離無線通信の電波の強度を用いて、前記第二端末部と前記他端末との間の距離を計測し、計測された距離に関する情報である距離情報を作成する距離情報作成部をさらに備え、
前記送信部は、前記距離情報作成部によって作成された前記距離情報と、前記位置情報と、前記紛失情報とを前記管理サーバへと送信し、
前記管理サーバは、複数の他端末から前記位置情報と前記紛失情報とを収集し、収集された前記複数の距離情報および前記複数の位置情報を用いて前記第二端末部の位置を特定する位置特定部をさらに備え、
前記転送部は、前記位置特定部によって位置を特定された前記第二端末部と対応する前記第一端末部に対して、前記特定された第二端末部の位置を転送することを特徴とする付記3に記載のシステム。
【0180】
(付記5)前記紛失情報を送信した第二端末部は、前記他端末からアラームを鳴らす旨の指示、振動機能を駆動させる指示、または発光機能を駆動させる駆動指示を受信した場合には、当該指示を実行する駆動部をさらに備え、
前記他端末は、前記第二端末部から前記紛失情報を受信した場合には、当該第二端末部に対して前記駆動指示を送信する駆動指示送信部をさらに備えることを特徴とする付記3もしくは付記4に記載のシステム。
【0181】
(付記6)前記他端末は、前記第二端末部から前記紛失情報を受信した場合には、前記紛失情報を送信した第二端末部が発する前記近距離無線通信の電波強度を複数の位置で測定し、測定された各電波強度を用いて、前記紛失情報を送信した第二端末部の位置を識別する第二端末位置識別部をさらに備えることを特徴とする付記3〜付記5のいずれか一つに記載のシステム。
【0182】
(付記7)移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末で実行されるプログラムであって
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断手順と、
前記判断手順によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出手順と、
前記検出手順によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信手順と、
を前記第二端末部に実行させることを特徴とするプログラム。
【0183】
(付記8)前記他端末からアラームを鳴らす旨の指示、振動機能を駆動させる指示、または発光機能を駆動させる駆動指示を受信した場合には、当該指示を実行する駆動手順をさらに前記第二端末部に実行させることを特徴とする付記7に記載のプログラム。
【0184】
(付記9)移動通信網に接続可能かつ近距離無線通信を用いて通信可能な他端末で実行されるプログラムであって、
移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末の前記第二端末から、当該第二端末部が紛失状態であることを示す紛失情報を受信した場合には、自機の位置を示す情報である位置情報を作成し、当該位置情報と、前記紛失情報とを前記移動通信網を介して管理サーバに送信する送信手順を前記他端末に実行させることを特徴とするプログラム。
【0185】
(付記10)前記第二端末部から前記紛失情報を受信した場合には、当該第二端末部に対してアラームを鳴らす旨の指示、振動機能を駆動させる指示、または発光機能を駆動させる駆動指示を送信する駆動指示送信手順をさらに前記他端末に実行させることを特徴とする付記7もしくは付記9に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0186】
10 携帯端末装置
20 第二端末部
22 検出部
24 紛失情報送信部
30 第一端末部
40a 加入者情報管理装置
50 他端末の第一端末部
52 位置情報作成部
53 送信部
60b 第三者の携帯端末C
70b 第三者の携帯端末D

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末であって、
前記第二端末部は、
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断部と、
前記判断部によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出部と、
前記検出部によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信部と、
を備え、
前記第一端末部は、
前記移動通信網を介して、前記管理サーバから前記位置情報を受信した場合には、当該受信された位置情報を出力する出力部を備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記紛失情報を作成した第二端末部は、
前記他端末からアラームを鳴らす旨の指示、振動機能を駆動させる指示、または発光機能を駆動させる駆動指示を受信した場合には、当該指示を実行する駆動部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末と、
前記第二端末部と前記第一端末部との対応を管理する管理サーバと、
前記移動通信網に接続可能かつ前記近距離無線通信を用いて通信可能な他端末と、
を備えるシステムであって、
前記第二端末部は、
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断部と、
前記判断部によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出部と、
前記検出部によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信部と、
を備え、
前記第一端末部は、前記移動通信網を介して、前記管理サーバから前記位置情報を受信した場合には、当該受信された位置情報を出力する出力部を備え、
前記他端末は、前記第二端末部から前記紛失情報と前記位置情報とを前記管理サーバへ送信するように依頼された場合には、当該第二端末部から受信した前記紛失情報と前記位置情報とを前記管理サーバへ送信する送信部を備え、
前記管理サーバは、前記他端末から前記位置情報と前記紛失情報とを受信した場合には、当該紛失情報を送信した前記第二端末部と対応する前記第一端末部に対して、前記受信された前記位置情報を転送する転送部を備えることを特徴とするシステム。
【請求項4】
移動通信網に接続可能な第一端末部と、前記第一端末部と近距離無線通信を用いて通信を行う第二端末部とに分離可能な携帯端末で実行されるプログラムであって
所定のルールに基づいて、前記第二端末部が、前記第一端末から紛失状態にあると判断する判断手順と、
前記判断手順によって前記第二端末部が紛失状態にあると判断された場合には、前記近距離無線通信を用いて、同じ近距離無線通信が可能な他端末が通信範囲内にいるか検出する検出手順と、
前記検出手順によって前記他端末が検出された場合には、当該他端末に対して自らが紛失状態であることを示す紛失情報を送信することで、前記他端末の位置を示す情報である位置情報を作成するように依頼するとともに、作成された位置情報と、前記送信された紛失情報とを、前記移動通信網を介して管理サーバに送信するように依頼する紛失情報送信手順と、
を前記第二端末部に実行させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−29920(P2011−29920A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173585(P2009−173585)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.FLASH
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】