説明

携帯端末装置

【課題】 本発明は携帯端末装置に関し、筐体が回動することによる自分撮りカメラの向きが変わることを防止することを目的とする。
【解決手段】携帯端末装置1の第一の筐体10と第二の筐体20とが開閉可能に構成されると共に、第三の筐体30が第二の筐体20に対して回動可能に軸支されている。第二の筐体20には、自分撮りカメラ22が設けられており、第三の筐体30を第二の筐体20に対して回動させたとしても、自分撮りカメラ22の向きを保つことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置に関する。特に、回動可能に軸支され、左右方向に倒すことが可能な、表示部などが形成された筐体を有する携帯端末装置に関する。
【0002】
以下、携帯端末装置として携帯電話装置を例示するが、これは本発明が携帯電話装置に限定されることを意図したものではない。
【背景技術】
【0003】
従来より、カメラを有する携帯電話装置が広く用いられている。一般的には、カメラは周りの写真などを撮影するために用いられている。しかし、最近では例えばテレビ電話などの機能が携帯電話装置にも搭載され始めており、周囲を撮影するためのカメラ(以下「相手撮りカメラ」と称す)とは別に、話者を撮影するためのカメラ(以下「自分撮りカメラ」と称す)を備える携帯電話装置が出現している。
【0004】
また、携帯電話装置を用いて、ワンセグ(「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」)などによりテレビ放送を受信することが近年行われている。ここで、通常の携帯電話装置は縦長であるのに対し、テレビの表示画面は横長であることから、テレビ放送の視聴に都合の良いように、表示部が設けられている筐体を横に90度折り曲げられるように構成した携帯電話装置が実現している。
【0005】
図6は、自分撮りカメラを備え、且つ表示部を備えた筐体を90度折り曲げられるようにした携帯電話装置の外観を示す図面である。図6に示されるように、携帯電話装置100は第一の筐体110、第二の筐体120および第三の筐体130を有する。第一の筐体110には、数値などを入力するためのキー111が設けられている。また、第二の筐体120は、ヒンジ121によって第一の筐体110に対して開閉可能に軸支される。
【0006】
第三の筐体130には、表示部131が設けられている。さらに、第三の筐体130の表示部131下部には、自分撮りカメラ132が設けられている。なお、第三の筐体130は、第二の筐体120に対して左右に90度の範囲で倒すことができる。
【0007】
図7は、第三の筐体130を右側に90度倒した状態を示す図面である。
【特許文献1】特許公開2007−043479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、図6および図7に図示された携帯電話装置では、以下のような問題が生じる可能性がある。
【0009】
図6および図7に示された携帯電話装置では、回動可能な第三の筐体130に自分撮りカメラ132が設けられている。その場合、図6に示された状態では問題はないが、図7のように第三の筐体を折り曲げた場合には、第三の筐体130に合わせて自分撮りカメラ132も回転してしまう。図7の状態では、自分撮りカメラ132は90度横倒しとなっている。
【0010】
このように、第三の筐体130の回転に合わせて自分撮りカメラ132が倒されてしまうため、図7のような状態で話者を撮影しようとすると、90度傾いた話者の画像が撮影されてしまうという問題が生じる。特に、テレビ電話機能を用いて相手に話者の画像を送信した場合、話者側と相手側との画面の配置状態が同じではないと、話者側で撮影した画像が正しく相手側に表示されない。一例として、話者側が図7の状態、相手側が図6の状態にあったとすると、相手側画面には90度横倒しとなった話者画像が表示されることになり、通話および話者画像の視認に支障を生じてしまう。
【0011】
一方、自分撮りカメラ132を第一の筐体110に設けると対応も可能ではある。この場合、自分撮りカメラ132は表示部に合わせて回転することがない。しかし、このような折りたたみ式携帯電話装置では、第一の筐体110に対して第二の筐体120がある程度の角度を持って開くように構成され、第一の筐体110の面と第二の筐体の面とが同一平面上に配置されるようには構成されていないのが一般的である。
【0012】
ここで、話者が自分の姿を撮影しようとする場合、自分撮りカメラで撮影された画像を表示部131で確認しながら、自分撮りカメラの位置を合わせる必要がある。しかし、従来の携帯電話装置では、第一の筐体110に設けられた自分撮りカメラが向く方向と、表示部131が向く方向とが異なっていることから、表示部131を視認した状態で利用者が認識している自分撮りカメラの向きと、実際に自分撮りカメラが向いている方向が食い違う可能性が出てくる。そのため、表示部131に表示された画像を確認しながらの自分撮りカメラの位置合わせが行いにくいという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑み、より操作性のよい携帯電話装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、第一の筐体と、第一の筐体に対して開閉可能に軸支された第二の筐体と、第二の筐体に対して回動可能に軸支された第三の筐体と、第三の筐体に設けられた表示部と、第二の筐体の表示部が面する側と同じ面に設けられた第一の撮像手段と、を備える携帯端末装置であることを特徴とする。
【0015】
特に本発明による携帯端末装置はさらに、第二の筐体の第一の撮像手段が設けられた面とは反対側の面に設けられた第二の撮像手段を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の携帯端末装置は、第一の筐体と前記第一の撮像手段とを接続する第一のケーブルと、第一の筐体と前記表示部とを接続する第二のケーブルと、を有し、第一のケーブルおよび第二のケーブルとが第二の筐体に収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成によって、本発明では自分撮りカメラの回転を防ぎつつ表示部の傾きを変えることができるため、自分撮りカメラが傾くことによる種々の問題を解決することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施形態による携帯端末装置を説明する。以下は、特に携帯電話装置を対象として説明を進める。
【0019】
図1は、本実施形態による携帯電話装置1の外観を示す図面である。携帯電話装置1は、入力キー11などを有する第一の筐体10、第一の筐体10に対してヒンジ21により軸支された第二の筐体20および、表示部31が設けられた第三の筐体30を有する。第三の筐体30は、第二の筐体20に対して左右90度の範囲で回動可能に、第二の筐体20に軸支されている。
【0020】
本実施形態では、第二の筐体20に自分撮りカメラ22が設けられている。回動する第三の筐体30には自分撮りカメラが設けられていないため、第三の筐体30の回動に合わせて自分撮りカメラ31が回転することが無く、自分撮りカメラ31によって撮影された話者画像が傾くことを防止できる。
【0021】
また、第二の筐体20の面と第三の筐体30の面とは、ほぼ面一となるように配置されている。つまり、自分撮りカメラ22が向く方向と、表示部31が向く方向とがほぼ一致しているため、表示部31に対する視線と自分撮りカメラ22に対する視線とがほぼ同一の向きとなり、話者を撮影する際の自分撮りカメラ22の位置合わせが行いやすくなっている。
【0022】
図2は、本実施形態による携帯電話装置1の裏面を示した図面である。第二の筐体20の裏面には、相手撮りカメラ23が設けられている。このように、第二の筐体20に自分撮りカメラ22と相手撮りカメラ23とを配置しているため、第三の筐体30を回動させても、自分撮りカメラ22と相手撮りカメラ23とのそれぞれの向きは常に一致する。したがって、第三の筐体30を回動させている場合に、いずれのカメラを用いても正位置での操作と同様な操作で、画像の撮影を行うことが可能となる。
【0023】
また、図示左右の位置は若干異なるものの、図1に示された自分撮りカメラ22と図2に示された相手撮りカメラ23とは、携帯電話装置1の裏表でほぼ同じ位置に取り付けられている。そのために、同じような姿勢で自分撮りカメラ22と相手撮りカメラ23とを用いることも可能となる。
【0024】
図3は、第二の筐体20の背面カバーを取り外した状態を示している。相手撮りカメラ23および自分撮りカメラ22(図3の裏面に配置されるため図3には図示されず)は、いずれも第二の筐体20に設けられている。カメラで撮影された画像を処理する処理部は、第一の筐体10に設けられている。そこで、各カメラと第一の筐体10とがケーブル41で接続される。なお、ケーブル41はフラットケーブルによって構成されるものとする。ケーブル41は、自分撮りカメラと相手撮りカメラ23との双方に接続されている。
【0025】
一方、表示部は第三の筐体30に設けられており、第一の筐体10と表示部とはケーブル42で接続されている。なお、ケーブル42は第三の筐体30の回動中心43を介して、表示部に導かれている。また、ケーブル42は同軸ケーブルなどによって構成されているものとする。
【0026】
このように、カメラを接続するケーブル41と、表示部を接続するケーブル42とを分けることによって、各カメラを第二の筐体20内に収容することが可能となる。また、自分撮りカメラと表示部とを同じ側に設けることも可能となる。
【0027】
図4は、第三の筐体30を右に90度倒した状態を示している。自分撮りカメラ22は第二の筐体20に設けられているため、図4に示されるように、仮に第三の筐体30を回動させたとしても、自分撮りカメラ22の傾きは変わらない。図5は、図4に図示された携帯電話装置1を裏面から見た状態を示している。図5に示されるように、相手撮りカメラ23は第二の筐体20の裏面に配置されている。自分撮りカメラ22と同様、第三の筐体30を回動させても、相手撮りカメラ23の傾きは全く変わらない。
(付記1)
第一の筐体と、
前記第一の筐体に対して開閉可能に軸支された第二の筐体と、
前記第二の筐体に対して回動可能に軸支された第三の筐体と、
前記第三の筐体に設けられた表示部と、
前記第二の筐体の、前記表示部が面する側と同じ面に設けられた第一の撮像手段と、を備えることを特徴とする、携帯端末装置。
(付記2)
前記携帯端末装置はさらに、
前記第二の筐体の、前記第一の撮像手段が設けられた面とは反対側の面に設けられた、第二の撮像手段を備えることを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
(付記3)
前記携帯端末装置において、
前記第一の筐体と前記第一の撮像手段とを接続する第一のケーブルと、
前記第一の筐体と前記表示部とを接続する第二のケーブルと、を有し、
前記第一のケーブルおよび前記第二のケーブルとが前記第二の筐体に収納されていることを特徴とする、付記1に記載の携帯端末装置。
(付記4)
前記携帯端末装置において、
前記第二のケーブルは、前記第二の筐体と前記第三の筐体との回動軸を通して前記第三の筐体に導かれていることを特徴とする、付記3に記載の携帯端末装置。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話装置の外観を示す図面である。
【図2】一実施形態による携帯電話装置の裏面を示す図面である。
【図3】第二の筐体内部の構成を示す図面である。
【図4】第三の筐体を90度倒した状態の携帯電話装置を示す図面である。
【図5】図4に示された携帯電話装置を裏面から見た状態を示す図面である。
【図6】従来の携帯電話装置を示す図面である。
【図7】従来の携帯電話装置の第三の筐体を90度倒した状態を示す図面である。
【符号の説明】
【0029】
1 携帯電話装置
20 第二の筐体
22 自分撮りカメラ
23 相手撮りカメラ
30 第三の筐体
31 表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の筐体と、
前記第一の筐体に対して開閉可能に軸支された第二の筐体と、
前記第二の筐体に対して回動可能に軸支された第三の筐体と、
前記第三の筐体に設けられた表示部と、
前記第二の筐体の、前記表示部が面する側と同じ面に設けられた第一の撮像手段と、を備えることを特徴とする、携帯端末装置。
【請求項2】
前記携帯端末装置はさらに、
前記第二の筐体の、前記第一の撮像手段が設けられた面とは反対側の面に設けられた、第二の撮像手段を備えることを特徴とする、付記2に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記携帯端末装置において、
前記第一の筐体と前記第一の撮像手段とを接続する第一のケーブルと、
前記第一の筐体と前記表示部とを接続する第二のケーブルと、を有し、
前記第一のケーブルおよび前記第二のケーブルとが前記第二の筐体に収納されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−258906(P2008−258906A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98533(P2007−98533)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】