説明

携帯通信端末及び音量調整方法

【課題】 複数の異なるアプリケーションプログラムについて音量を変更する際の操作性を向上させた携帯通信端末を提供する。
【解決手段】 ユーザの操作入力によって複数の異なるアプリケーションプログラムごとに指定される音声出力の強度を音量個別設定情報として書き換え可能に記憶する音量個別設定記憶部17と、ユーザの操作入力によって各アプリケーションプログラムについて一括して指定される音量調整係数を書き換え可能に記憶する音量一括設定記憶部18と、音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行う音量個別調整部16と、音量個別設定情報及び音量調整係数から求められる音声出力の強度に基づいて全てのアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度調整を行う音量一括調整部19と、個別モード又は一括モードのいずれかをユーザに選択させる音量調整モード選択部15により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末及び音量調整方法に係り、さらに詳しくは、ユーザの操作入力によって複数の異なるアプリケーションプログラムごとに音声出力の強度調整が可能な携帯電話機などの携帯通信端末の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通話の着呼時や電子メールの着信時に着信音を出力する機能の他に、メール送信時やキー操作時、折り畳み式端末の場合における端末の開閉動作時に報知音を出力する機能、指定された時刻にアラーム音を出力する機能などを備えた携帯電話機が普及している。この様なアプリケーションプログラムごとの音声出力を行う携帯通信端末として、ユーザの操作入力によって複数の異なるアプリケーションプログラムごとに音声出力の強度調整が可能な携帯電話機が従来から提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の携帯電話機では、ユーザによる操作入力に基づいて指定される音声出力の強度が複数の異なるアプリケーションプログラムごとに記憶され、アプリケーションプログラムに応じて音量を異ならせることができる。
【特許文献1】特開2003−152826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上述した様な従来の携帯電話機では、全てのアプリケーションプログラムについて音量を変更しようとすると、アプリケーションプログラムごとに表示画面を切り替えながら、音声出力の強度を指定する必要があった。このため、複数の異なるアプリケーションプログラムについて音量を変更する際の操作性が良くないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の異なるアプリケーションプログラムについて音量を変更する際の操作性を向上させた携帯通信端末を提供することを目的としている。特に、ユーザが必要に応じて、複数の異なるアプリケーションプログラムについて一括して音量を下げることができる携帯通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による携帯通信端末は、ユーザによる操作入力に基づいて2以上の異なるアプリケーションプログラムごとに指定される音声出力の強度を音量個別設定情報として書き換え可能に記憶する音量個別設定記憶手段と、ユーザによる操作入力に基づいて上記各アプリケーションプログラムについて一括して指定される音量調整係数を書き換え可能に記憶する音量調整係数記憶手段と、アプリケーションプログラムごとの上記音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行う音量個別調整手段と、上記音量個別設定情報及び上記音量調整係数から求められるアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度に基づいて全てのアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度調整を行う音量一括調整手段と、上記音量個別調整手段が音声出力の強度調整を行う個別モード、又は、上記音量一括調整手段が音声出力の強度調整を行う一括モードのいずれかをユーザに選択させる音量調整モード選択手段により構成される。
【0007】
この様な構成により、ユーザによって選択指定されたモードに応じて音声出力の強度調整が行われるので、ユーザが一括モードを選択指定することにより、複数の異なるアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度を変更することができる。その際、ユーザによる操作入力に基づいて指定される音量調整係数からアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度が自動的に求められるので、複数の異なるアプリケーションプログラムについて音量を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0008】
本発明による携帯通信端末は、上記構成に加え、上記音量一括調整手段が、一括モードがユーザによって選択指定された場合、個別設定された音量よりも音量を下げるように構成される。すなわち、一括モードが選択指定されれば、ユーザによって個別設定された音量よりも音量を下げて音声出力が行われる。これにより、ユーザは、必要に応じて、複数の異なるアプリケーションプログラムについて一括して音量を下げることができる。
【0009】
また、本発明による携帯通信端末は、上記構成に加え、ユーザの操作入力に基づいて有効化されるフラグ情報を上記アプリケーションプログラムごとに書き換え可能に記憶するフラグ情報記憶手段を備え、上記音量一括調整手段が、一括モードがユーザによって選択指定された場合、上記フラグ情報が有効化されたアプリケーションプログラムについて、個別設定された音量よりも音量を下げるように構成される。すなわち、一括モードが選択指定されれば、フラグ情報が有効化されたアプリケーションプログラムについて、ユーザによって個別設定された音量よりも音量を下げて音声出力が行われる。従って、ユーザは、所望のアプリケーションプログラムについてフラグ情報を有効化することにより、音量を一括変更させるアプリケーションプログラムを指定することができる。
【0010】
本発明による音量調整方法は、ユーザによる操作入力に基づいて2以上の異なるアプリケーションプログラムごとに指定される音声出力の強度を音量個別設定情報として書き換え可能に記憶する音量個別設定記憶ステップと、ユーザによる操作入力に基づいて上記各アプリケーションプログラムについて一括して指定される音量調整係数を書き換え可能に記憶する音量調整係数記憶ステップと、アプリケーションプログラムごとの上記音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行う音量個別調整ステップと、上記音量個別設定情報及び上記音量調整係数から求められるアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度に基づいて全てのアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度調整を行う音量一括調整ステップと、音声出力の強度調整が個別に行われる個別モード、又は、音声出力の強度調整が一括して行われる一括モードのいずれかをユーザに選択させる音量調整モード選択ステップからなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による携帯通信端末及び音量調整方法によれば、ユーザによって選択指定されたモードに応じて音声出力の強度調整が行われるので、ユーザが一括モードを選択指定することにより、複数の異なるアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度を変更することができる。その際、ユーザによる操作入力に基づいて指定される音量調整係数からアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度が自動的に求められるので、複数の異なるアプリケーションプログラムについて音量を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0012】
特に、一括モードが選択指定されれば、ユーザによって個別設定された音量よりも音量を下げて音声出力が行われるので、ユーザは、必要に応じて、複数の異なるアプリケーションプログラムについて一括して音量を下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による携帯通信端末の概略構成の一例を示したブロック図であり、アプリケーションプログラムごとに音量調整が可能な携帯電話機1が示されている。本実施の形態による携帯電話機1は、携帯可能な小型の折り畳み式通信端末であり、ユーザによる操作入力に基づいて指定される音声出力の強度を2以上の異なるアプリケーションプログラムごとに記憶し、当該各アプリケーションプログラムに応じて音量を異ならせている。
【0014】
この携帯電話機1は、主制御部2、無線通信部3、表示制御部4、操作制御部5、端末状態監視部6、スケジュール管理部7、通話制御部8、音声出力制御部9及びアプリケーションプログラム記憶部11からなる。
【0015】
無線通信部3は、高周波信号の送受信処理を行っており、音声信号や電子メールなどの通信データがアンテナ3aを介して送受信される。表示制御部4は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)4aにおける画面表示に関する制御を行っている。例えば、待ち受け画面を表示したり、各種メニュー画面や入力画面、着信画面、電子メールの閲覧画面の表示が行われる。
【0016】
操作制御部5は、各種操作キーの操作に基づく入力制御を行っている。操作キーとしては、数字キー、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キーなどが操作パネルに配置されている。
【0017】
端末状態監視部6は、携帯電話機1の開閉状態を監視し、端末の開閉を検出する動作を行っている。ここで、携帯電話機1は、LCD4aを有する表示筐体と、操作パネルを有する操作筐体と、各筐体を折り畳み可能に連結する連結部からなり、クローズ状態及びオープン状態間を遷移可能となっている。クローズ状態は、LCD4a及び操作パネルを対向させて両筐体を折り畳んだ端末状態であり、オープン状態は、LCD4a及び操作パネルを同一方向に向けて両筐体を展開させた端末状態である。端末状態監視部6では、この様な端末状態の変化が検出される。これにより、端末状態に応じた各種制御を行うことができる。例えば、ユーザによる端末の展開操作時や折り畳み操作時に端末状態の変化に応じて音の種類を異ならせて報知音を出力する制御が行われる。
【0018】
スケジュール管理部7は、タイマーを有し、ユーザによって指定された時刻にアラーム音を出力させる制御を行っている。通話制御部8は、音声信号の入出力に関する制御を行っており、受話音をレシーバー8aに対して出力するとともに、マイクロフォン8bからの送話音を無線通信部3へ出力する。
【0019】
アプリケーションプログラム記憶部11は、不揮発性の半導体メモリからなり、各種機能を実現するための機能プログラムや制御プログラムをアプリケーションプログラムとして記憶している。例えば、通信データの送受信に関する制御プログラムが予め格納されており、通話の着呼時や電子メールの着信時に着信音を出力する制御が行われる。また、メール送信時やキー操作時、端末の開閉操作時に報知音を出力する機能プログラムが格納されている。また、指定された時刻にアラーム音を出力する機能プログラムが格納されている。
【0020】
音声出力制御部9は、この様なアプリケーションプログラムごとの音声出力に関する制御を行っている。すなわち、音声出力制御部9は、起動中のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)に基づいてスピーカー10を駆動し、音声出力の強度調整を行っている。この音声出力制御部9では、2つの異なる音量調整モードのいずれか1つをユーザに選択させ、ユーザによって選択指定されたモードに応じて音声出力の強度調整が行われる。
【0021】
図2は、図1の携帯電話機の要部詳細を示したブロック図であり、音量調整モード選択部15、音量個別調整部16、音量個別設定記憶部17、音量調整係数記憶部18及び音量一括調整部19からなる音声出力制御部9が示されている。上述した音量調整モードには、個別モード及び一括モードがあり、個別モードでは、音量個別設定情報に基づく音声出力の強度調整が音量個別調整部16により行われる。この音量個別設定情報は、ユーザによる操作入力に基づいて2以上の異なるアプリケーションごとに指定される音声出力の強度であり、音量個別設定記憶部17により書き換え可能に記憶される。
【0022】
つまり、音量個別調整部16は、アプリケーションごとの音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行っている。
【0023】
一括モードでは、音量一括設定情報に基づく音声出力の強度調整が音量一括調整部19により行われる。この音量一括設定情報は、音量個別設定情報及び音量調整係数から求められるアプリケーションごとの音声出力の強度である。
【0024】
上記音量調整係数は、ユーザによる操作入力に基づいて上記各アプリケーションについて一括して指定される音声出力の強度調整のための音量パラメータであり、音量調整係数記憶部18により書き換え可能に記憶される。
【0025】
つまり、音量一括調整部19は、アプリケーションごとの音量一括設定情報に基づいて全てのアプリケーションについて一括して音声出力の強度調整を行っている。音量調整モード選択部15は、個別モード又は一括モードのいずれかをユーザに選択させ、ユーザによって選択指定されたモードに応じて音量個別調整部16及び音量一括調整部19を動作させている。
【0026】
つまり、ユーザによって選択指定されたモードに応じて音声出力の強度調整が行われるので、ユーザが一括モードを選択指定することにより、複数の異なるアプリケーションについて一括して音量を変更することができる。その際、ユーザによって指定される音量調整係数からアプリケーションごとの音量が自動的に求められるので、複数の異なるアプリケーションについて音量を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0027】
ここでは、所定の音量調整範囲内で音声出力の強度が変更可能であるものとし、この音量調整範囲は、全ての音量調整可能なアプリケーションについて同一であるものとする。また、音量調整係数は、上記音量調整範囲内で指定され、一括モードが選択された場合、ユーザによってアプリケーションごとに個別設定された音量よりも音量を下げる制御が行われるものとする。
【0028】
具体的には、音量調整範囲を0以上10以下とし、音量レベルとしてこの範囲内の整数値が指定される。「音量レベル=0」では、音声出力が休止され、「音量レベル=10」では、最大音量で音声出力が行われる。
【0029】
また、音量調整係数は、音量パラメータとして1以上10以下の値がユーザによって指定される。このとき、音量一括設定情報としての音量レベルA4は、音量レベルの最大値をA1(A1=10)として、アプリケーションごとに音量個別設定情報として指定されている音量レベルA2(0≦A2≦10)と、音量調整係数A3(1≦A3≦10)からアプリケーションごとに、次式(1)により求められる。
A4=[(A3/A1)×A2]…(1)
【0030】
上式(1)において、[…]は、ガウス記号を用いて表された式となっており、例えば、[A]は実数Aを超えない最大の整数として規定される。また、A3/A1は、倍率パラメータであり、1以下となっている。
【0031】
これにより、ユーザは、必要に応じて、複数の異なるアプリケーションについて一括して音量を下げることができる。例えば、周囲の状況などによっては、個別設定した音量よりも音量を下げておきたい場合がある。この様な場合において全てのアプリケーションについて音量を一括して下げることができるので、極めて便利である。また、全てのアプリケーションについて個別に音量を下げるのに比べて、音量変更に要する時間や労力、消費電力を節約することができる。
【0032】
また、一括設定される音量レベルA4が倍率パラメータから求められることから、異なるアプリケーション間の音量レベルにおける相対比率は、常に一定に保持される。アプリケーションによっては、他のアプリケーションよりも音量を大きくしておきたい場合がある。例えば、ユーザがスケジュールの管理を重視している場合には、アラーム音の音量を着信音などの音量よりも大きい方が良い。この様な場合であっても、相対比率が一定に保持された状態で音量の一括変更が行われるので、音量の一括変更を適切に行うことができる。
【0033】
図3は、図1の携帯電話機における要部詳細の一例を示した図であり、音量パラメータとしての音量調整係数A3の入力画面の様子が示されている。音量調整係数A3の設定時には、LCD4a上に音量パラメータの入力画面が表示される。この入力画面は、ピクト表示領域21及び音量レベルゲージ表示領域22からなる。
【0034】
ピクト表示領域21は、入力画面内の上端に配置され、電波の受信状況などが絵文字(ピクトグラム)で表示される。音量レベルゲージ表示領域22には、音量調整係数A3を入力するための棒状の音量レベルゲージ23が表示される。ユーザは、方向キーを用いて音量レベルゲージ23上の指針24を移動させ、決定キー25を操作すれば、所望の音量レベルを入力することができる。
【0035】
図4のステップS101〜S110は、図1の携帯電話機における音量設定動作の一例を示したフローチャートである。まず、音声出力制御部9は、メニュー画面を表示し、ユーザに個別設定又は一括設定のいずれかを選択させる(ステップS101,S102)。
【0036】
このとき、一括設定が選択指定されれば、音声出力制御部9は、音量パラメータの入力画面を表示し、ユーザによって音量調整係数A3が入力されるまで待機する(ステップS103)。次に、音声出力制御部9は、音量調整係数A3が入力されると、倍率パラメータ(音量調整倍率A3/A1)を生成し、音量一括設定情報としての音量レベルA4を式(1)に基づいて算出する(ステップS104,S105)。求められた音量レベルA4は、アプリケーションごとに音量調整係数記憶部18内に格納される(ステップS106)。
【0037】
一方、個別設定が選択指定された場合、音声出力制御部9は、機能選択画面を表示し、音量を変更する機能(アプリケーション)を選択させる(ステップS107)。次に、音声出力制御部9は、音量レベルの入力画面を表示し、ユーザによって音量レベルが入力されるまで待機する(ステップS108)。
【0038】
音量レベルが入力されると、音声出力制御部9は、当該音量レベルを音量個別設定記憶部17内に格納し(ステップS109)、他の機能についても音量変更するか否かを照会するための照会画面を表示する(ステップS110)。このとき、他に音量変更する機能がなければ、この音量設定動作は終了され、他の機能についても音量変更する場合には、ステップS107からステップS110までの処理が繰り返される。
【0039】
本実施の形態によれば、ユーザが一括モードを選択指定することにより、全てのアプリケーションについて一括して音量を変更することができる。その際、ユーザによって指定される音量調整係数A3からアプリケーションごとの音量レベルA4が自動的に求められるので、複数の異なるアプリケーションについて音量を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、複数の異なるアプリケーションについて一括して音量が下げられる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、複数の異なるアプリケーションについて一括して音量を上げるようにしても良い。具体的には、倍率パラメータとして1以上の数値をユーザに指定させることによって、全てのアプリケーションについて一括して音量を上げることが考えられる。このようにすれば、周囲が騒々しい場合などに、音量を一括して上げることができるので、便利である。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態1では、全ての音量調整可能なアプリケーションについて一括して音量が変更される場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、フラグ情報が有効化されたアプリケーションについて一括して音量を変更する場合について説明する。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態2による携帯通信端末の要部構成の一例を示したブロック図である。本実施の形態による携帯通信端末は、図1の携帯電話機1(実施の形態1)と比較すれば、音声出力制御部31にフラグ情報記憶部32を備えている点で異なる。
【0043】
フラグ情報記憶部32は、フラグ情報を書き換え可能に記憶する半導体メモリである。このフラグ情報は、ユーザの操作入力に基づいて有効化される制御コードであり、アプリケーションごとに指定される。
【0044】
音声出力制御部31の音量一括調整部19は、一括モードがユーザによって選択指定された場合、フラグ情報が有効化されたアプリケーションについて一括して音量を下げる制御を行う。具体的には、フラグ情報を参照し、フラグ情報が有効化されているアプリケーションについてのみ、一括音量変更の対象とされる。従って、フラグ情報が有効化されていないアプリケーションについては、ユーザによる個別設定が優先される。すなわち、一括モード選択時であっても、当該アプリケーションについては、音量個別設定情報としての音量レベルで音声出力が行われる。
【0045】
図6のステップS201〜S205は、図5の携帯通信端末における音量の一括変更指定動作の一例を示したフローチャートである。まず、音声出力制御部31は、メニュー画面を表示し、フラグ情報を有効化させる機能(アプリケーション)をユーザに選択させる(ステップS201,S202)。
【0046】
音声出力制御部31は、ユーザによって機能が選択指定されると、当該機能に対応付けられているフラグ情報を有効化し、フラグ情報記憶部32内に格納する(ステップS203,S204)。次に、音声出力制御部31は、他の機能についても有効化するか否かを照会するための照会画面を表示し、他に有効化させる機能がなければ、この音量一括変更指定動作を終了する(ステップS205)。他の機能についても有効化させる場合には、ステップS202からステップS205までの処理が繰り返される。
【0047】
本実施の形態によれば、一括モードが選択指定されれば、フラグ情報が有効化されたアプリケーションについて、ユーザによって個別設定された音量よりも音量を下げてスピーカー10が駆動される。従って、ユーザは、所望のアプリケーションについてフラグ情報を有効化することにより、音量を一括変更させるアプリケーションを指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1による携帯通信端末の一構成例を示したブロック図であり、アプリケーションごとに音量調整が可能な携帯電話機1が示されている。
【図2】図1の携帯電話機の要部詳細を示したブロック図である。
【図3】図1の携帯電話機における要部詳細の一例を示した図であり、音量パラメータとしての音量調整係数A3の入力画面の様子が示されている。
【図4】図1の携帯電話機における音量設定動作の一例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2による携帯通信端末の要部構成の一例を示したブロック図である。
【図6】図5の携帯通信端末における音量の一括変更指定動作の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 携帯電話機
2 主制御部
3 無線通信部
4 表示制御部
5 操作制御部
6 端末状態監視部
7 スケジュール管理部
8 通話制御部
9 音声出力制御部
10 スピーカー
11 アプリケーションプログラム記憶部
15 音量調整モード選択部
16 音量個別調整部
17 音量個別設定記憶部
18 音量一括設定記憶部
19 音量一括調整部
31 音声出力制御部
32 フラグ情報記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作入力に基づいて2以上の異なるアプリケーションプログラムごとに指定される音声出力の強度を音量個別設定情報として書き換え可能に記憶する音量個別設定記憶手段と、
ユーザによる操作入力に基づいて上記各アプリケーションプログラムについて一括して指定される音量調整係数を書き換え可能に記憶する音量調整係数記憶手段と、
アプリケーションプログラムごとの上記音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行う音量個別調整手段と、
上記音量個別設定情報及び上記音量調整係数から求められるアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度に基づいて全てのアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度調整を行う音量一括調整手段と、
上記音量個別調整手段が音声出力の強度調整を行う個別モード、又は、上記音量一括調整手段が音声出力の強度調整を行う一括モードのいずれかをユーザに選択させる音量調整モード選択手段とを備えたことを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
上記音量一括調整手段は、一括モードがユーザによって選択指定された場合、個別設定された音量よりも音量を下げることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
ユーザの操作入力に基づいて有効化されるフラグ情報を上記アプリケーションプログラムごとに書き換え可能に記憶するフラグ情報記憶手段を備え、
上記音量一括調整手段は、一括モードがユーザによって選択指定された場合、上記フラグ情報が有効化されたアプリケーションプログラムについて、個別設定された音量よりも音量を下げることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
ユーザによる操作入力に基づいて2以上の異なるアプリケーションプログラムごとに指定される音声出力の強度を音量個別設定情報として書き換え可能に記憶する音量個別設定記憶ステップと、
ユーザによる操作入力に基づいて上記各アプリケーションプログラムについて一括して指定される音量調整係数を書き換え可能に記憶する音量調整係数記憶ステップと、
アプリケーションプログラムごとの上記音量個別設定情報に基づいて個別に音声出力の強度調整を行う音量個別調整ステップと、
上記音量個別設定情報及び上記音量調整係数から求められるアプリケーションプログラムごとの音声出力の強度に基づいて全てのアプリケーションプログラムについて一括して音声出力の強度調整を行う音量一括調整ステップと、
音声出力の強度調整が個別に行われる個別モード、又は、音声出力の強度調整が一括して行われる一括モードのいずれかをユーザに選択させる音量調整モード選択ステップとからなることを特徴とする音量調整方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−157082(P2006−157082A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339931(P2004−339931)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】