説明

携帯電話機と携帯電話機の文字情報入力方法

【課題】表示部を大きくして文字情報入力の操作性を良くした携帯電話機と携帯電話機の文字情報入力方法を提供する。
【解決手段】本発明の携帯電話機1は、四つ折りの屏風のように、折り畳んだり、拡げたりできる四つ折り式の携帯電話機であり、第1の筺体11の表示面には液晶タッチパネル21が設けられ、第2の筺体12の表示面には液晶タッチパネル22が設けられ、第3の筺体13の表示面には液晶タッチパネル23が設けられ、第4の筺体14の表示面には液晶タッチパネル24が設けられ、携帯電話機1の各筺体を完全に開いた状態で、入力用の文字情報を液晶タッチパネル21,22,23,24に表示し、文字情報の表示と文字情報入力キーの表示を大きくして文字情報入力の操作性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話機において文字情報入力を容易にした携帯電話機と携帯電話機の文字情報入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機では12個ほどのキーに、数字、かな文字、英字を設定し、入力モードを切り替えるモードキーを用いてモード変更し、数字入力モード、かな入力モード、英字入力モード等に切り替えて入力している。
このような携帯電話機では、キーが小さい上に何回もキーを押さなければならないので指の疲労が激しく、キーが小さいこともあって例えば高齢者も敬遠するものとなっている。
【0003】
携帯電話機では特にキー打鍵回数が多くなり入力操作性が悪いということでキー数を少なくして入力するキー入力方法が提案されている(例えば特許文献1)。
また、二つ折り式携帯電話機にして表示部とキー部(入力部)とを分けてキー部における個々のキーを大きくしたものもある(例えば特許文献2)
【0004】
しかしながら、二つ折り式携帯電話機にしても、表示部はまだまだ小さく、キー部も小さく、例えば特に高齢者には表示部の文字を見るのも、キー部から文字を入力するのも煩わしく操作性が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特許公開2005−4500号公報
【特許文献2】 特許公開2004−48719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、携帯電話機における表示部と入力部が小さく、表示部の文字を見るのも、入力部から文字を入力するのも煩わしく操作性が悪いという課題があった。
この発明の目的は、表示部を大きくして文字情報入力の操作性を良くした携帯電話機と携帯電話機の文字情報入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、音声入力部と音声出力部とを有する携帯電話機の文字情報入力方法であって、上記携帯電話機が、表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている筺体を複数有し、前記複数の筺体に設けられている複数の表示一体型タッチパネル装置を用いて文字情報が入力されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、表示部を大きくして文字情報入力の操作性を良くした携帯電話機と携帯電話機の文字情報入力方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態が適用可能な携帯電話機の一例を示す外観図。
【図2】図1に示す携帯電話機をA方向から見た状態を示す外観図。
【図3】図1に示す携帯電話機をA方向から見て半分開いた状態を示す外観図。
【図4】携帯電話機の各筺体を完全に開いた状態を示す外観図。
【図5】携帯電話機の液晶タッチパネルに数字を表示した例を示す図。
【図6】携帯電話機の液晶タッチパネルにひらがなを表示した例を示す図。
【図7】携帯電話機の液晶タッチパネルにアルファベットを表示した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明に係る携帯電話機1の外観構成を示すものである。すなわち、この携帯電話機1のおもて面には、音声を入力するためのマイクが配置された音声入力部10と、音声を出力するためのスピーカが配置された音声出力部20が設けられている。
【0011】
図2は、携帯電話機1を図1のA方向から見たものである。携帯電話機1は、第1の筺体11と、第2の筺体12と、第3の筺体13と、第4の筺体14とから構成されている。
第1の筺体11と第2の筺体12とが対峙するよう開閉自在にヒンジ部2を介して連結され、第2の筺体12と第3の筺体13とが対峙するよう開閉自在にヒンジ部3を介して連結され、第3の筺体13と第4の筺体14とが対峙するよう開閉自在にヒンジ部4を介して連結されている。
なお、第1の筺体11に上記音声入力部10と音声出力部20とが設けられている。
【0012】
図3は、携帯電話機1の各筺体を半開き状態にして図1のA方向から見たものである。第1の筺体11と第2の筺体12と第3の筺体13と第4の筺体14とで略Wの文字に似た状態となる。
第1の筺体11と第2の筺体12とはヒンジ部2を介して矢印a方向へ開くことができる。第2の筺体12と第3の筺体13とはヒンジ部3を介して矢印b方向へ開くことができる。第3の筺体13と第4の筺体14とはヒンジ部4を介して矢印c方向へ開くことができる。
【0013】
すなわち、本発明の携帯電話機1は、四つ折りの屏風のように、折り畳んだり、拡げたりできる四つ折り式の携帯電話機である。
第1の筺体11の表示面には、液晶表示装置及びその上に積層された静電容量式タッチパネルとからなる表示一体型タッチパネル装置である液晶タッチパネル21が設けられている。
第2の筺体12の表示面には、液晶表示装置及びその上に積層された静電容量式タッチパネルとからなる表示一体型タッチパネル装置である液晶タッチパネル22が設けられている。
第3の筺体13の表示面には、液晶表示装置及びその上に積層された静電容量式タッチパネルとからなる表示一体型タッチパネル装置である液晶タッチパネル23が設けられている。
第4の筺体14の表示面には、液晶表示装置及びその上に積層された静電容量式タッチパネルとからなる表示一体型タッチパネル装置である液晶タッチパネル24が設けられている。
【0014】
図4は、携帯電話機1の各筺体を完全に開いた状態を示すものである。図4において、上述したように、第1の筺体11は液晶タッチパネル21、第2の筺体12は液晶タッチパネル22、第3の筺体13は液晶タッチパネル23、第4の筺体14は液晶タッチパネル24とを有している。
【0015】
図5は、携帯電話機1の各筺体を完全に開いた状態で、入力用の数字を液晶タッチパネル21,22,23,24に表示させ、数字表示と数字キー(文字情報)表示とを大きくして数字入力の操作性を向上させたものである。なお、液晶タッチパネル21,22,23,24は、数字キーが互いに関連して表示されて入力される。
【0016】
図6は、携帯電話機1の各筺体を完全に開いた状態で、入力用の全てのひらがなを液晶タッチパネル21,22,23,24に表示させ、ひらがな表示とひらがなキー(文字情報)表示とを大きくしてひらがな入力の操作性を向上させたものである。なお、液晶タッチパネル21,22,23,24は、ひらがなキーが互いに関連して表示されて入力される。
【0017】
図7は、携帯電話機1の各筺体を完全に開いた状態で、入力用のアルファベットを液晶タッチパネル21,22,23,24に表示させ、アルファベット表示とアルファベットキー(文字情報)表示とを大きくしてアルファベット入力の操作性を向上させたものである。なお、液晶タッチパネル21,22,23,24は、アルファベットキーが互いに関連して表示されて入力される。
なお、図5、図6、図7の表示は例であって、どのように文字情報入力キーを表示させてもよく、要は、大きい文字で、大きいキーを表示すれば操作性が向上するのである。
例えば、アルファベットキーの表示の場合、A方向を上にして液晶タッチパネル21,22,23,24の表示を組み合わせて表示下部(図7上でA方向の下方)にキーボードと同じ配列でアルファベットキーを表示するようにしてもよい。
【0018】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、携帯電話機を四つ折り式にして液晶タッチパネルを4つ有し、大きい文字表示、大きいキー表示をすることにより、操作性を向上させることができる。
また、携帯電話機と同じようなPHS等の携帯端末に応用することも可能である。
また、英語のアルファベットだけでなく、ドイツ語、ハングル語等の外国語文字(文字情報)にも対応することができる。
さらに、4つの液晶タッチパネルを用いることにより、通常の人の指の大きさに適した文字情報入力キーを表示することができる。
また、近年、スマートフォンの供給が増大しているが、スマートフォンに表示される文字情報キーではまだ通常の人の指の大きさに適した文字情報入力キーとはならない。
なお、上記実施の形態では、表示部に液晶表示装置を用いたが有機ELの表示装置でもよく、要は薄型で表示できればよい。また、静電容量式タッチパネルを設けたが透明で位置が特定できるパネルを積層して入力できるようにしてもよく、要は薄くて表示を妨げなければよい。
【0019】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0020】
1…携帯電話機、2,3,4…ヒンジ部、10…音声入力部、11…第1の筺体、12…第2の筺体、13…第3の筺体、14…第4の筺体、20…音声出力部、21,22,23,24…液晶タッチパネル(表示一体型タッチパネル装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声入力部と音声出力部とを有する携帯電話機の文字情報入力方法であって、
上記携帯電話機が、
表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている筺体を複数有し、
前記複数の筺体に設けられている複数の表示一体型タッチパネル装置を用いて文字情報が入力されることを特徴とする携帯電話機の文字情報入力方法。
【請求項2】
上記複数の筺体に設けられている複数の表示一体型タッチパネル装置を用いて、上記操作者の指の大きさに適した入力用の全てのひらがなキーを表示し、当該タッチパネルを用いてひらがなの文字情報が入力されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の文字情報入力方法。
【請求項3】
音声入力部と音声出力部とを有する携帯電話機であって、
表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている長辺と短辺と高さとから成る略長方体の第1の筺体と、
この第1の筺体の略長方体の長辺と対峙するよう開閉自在に第1のヒンジ部を介して連結され、表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている長辺と短辺と高さとから成る略長方体の第2の筺体と、
この第2の筺体の略長方体の長辺と対峙するよう開閉自在に第2のヒンジ部を介して連結され、表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている長辺と短辺と高さとから成る略長方体の第3の筺体と、
この第3の筺体の略長方体の長辺と対峙するよう開閉自在に第3のヒンジ部を介して連結され、表示部と、この表示部の表示面上に配置されて操作者による接触があるとその接触位置を出力するタッチパネルとを含む表示一体型タッチパネル装置が設けられている長辺と短辺と高さとから成る略長方体の第4の筺体と、
を有し、
前記第1の筺体と前記第2の筺体と前記第3の筺体と前記第4の筺体とが、前記第1のヒンジ部と前記第2のヒンジ部と前記第3のヒンジ部とを介して開かれた際、文字情報が入力されることを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−174261(P2012−174261A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165996(P2011−165996)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【分割の表示】特願2011−53518(P2011−53518)の分割
【原出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(506296592)
【Fターム(参考)】