説明

携帯電話機

【課題】 従来の携帯電話機では、予め設定されたアイコンとの対応づけを利用者が変更することはできず、不便であるという問題点があり、表示するアイコンを利用者の任意に設定できるようにして、利用者のニーズに合わせたアイコンの表示を行って機能選択を容易にし、使い勝手を向上させ、多様な利用者のニーズに柔軟に対応することができる携帯電話機を提供する。
【解決手段】 メモリ3に、アイコンと機能とを対応させて記憶し、書換え可能な設定メニューテーブル33を設け、制御部2が、メニュー設定モードにおいて、入力部1からの指示に従って設定メニューテーブル33にアイコンと機能とを対応させて登録し、設定メニューテーブル33に登録されているアイコンを表示して、表示されたアイコンをカーソルで選択する携帯電話機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に係り、特に付加機能の選択を容易にして使い勝手を向上させることができる携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話機では多機能化が進み、機能選択の際に多くの機能を限られたスペースに端的に表示するために、アイコン表示を行うものがあった。そして、アイコン表示機能付き携帯電話機では、表示されたアイコンが選択されると、当該アイコンに割り当てられた機能を実行するようになっている。
【0003】
従来の携帯電話機では、機能実行の開始の指示が入力されると、まず、表示部に複数のアイコンが表示され、利用者は、カーソルを移動させて、所望の機能に対応するアイコンを選択し、所望のアイコンが選択されたところで確定キー等の特定キーを押下する。これにより携帯電話機は、アイコンに対応する機能を実行するようになっている。
【0004】
具体的には、メモリにアイコンと機能とを対応させるテーブルを備えており、機能実行の際にアイコンが選択されると、テーブルを参照して、選択されたアイコンに対応する機能を実行するようになっている。
【0005】
このように、多くの機能をアイコンによって表すことにより、利用者は、機能を視覚的に認識しやすく、多くの機能メニューの中から所望の機能を簡単な操作で選択することができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の携帯電話機では、機能選択の指示が入力された場合に表示するアイコンや、各アイコンに対応する機能は予め設定されており、利用者が、表示するアイコンや、アイコンと機能との対応づけを変更することはできず、頻繁に使用する機能でもアイコンで表示されないことがあり、機能メニューの中から選び出すのに時間がかかって不便であるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、表示するアイコンの種類やアイコンと機能との対応づけを任意に設定できるようにして、利用者のニーズに合わせたアイコン表示を行って、機能の選択を容易にして使い勝手を向上させることができ、また、多様な利用者のニーズに柔軟に対応することができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、無線信号の送受信を行う送受信部と、音声を出力するスピーカと、音声を入力する入力部と、指示等を入力する入力部と、データを表示する表示部とを有し、当該表示部に表示される複数のアイコンから機能を選択する携帯電話機であって、機能を選択するための複数のアイコンから変更したいアイコンの1つが選択され、アイコンの一覧を表示する指示が入力されると、表示部にアイコン一覧が表示され、当該表示されているアイコン一覧から1つのアイコンが選択されて、確定指示が入力されると、変更したいアイコンをアイコン一覧から選択されたアイコンに変更し、更に他のアイコンについて変更処理を可能とすることを特徴としており、用意されたアイコンの中から自分の好みに合わせたアイコンを任意に選択することができ、機能選択を容易にして、使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無線信号の送受信を行う送受信部と、音声を出力するスピーカと、音声を入力する入力部と、指示等を入力する入力部と、データを表示する表示部とを有し、当該表示部に表示される複数のアイコンから機能を選択する携帯電話機であって、機能を選択するための複数のアイコンから変更したいアイコンの1つが選択され、アイコンの一覧を表示する指示が入力されると、表示部にアイコン一覧が表示され、当該表示されているアイコン一覧から1つのアイコンが選択されて、確定指示が入力されると、変更したいアイコンをアイコン一覧から選択されたアイコンに変更し、更に他のアイコンについて変更処理を可能とすることを特徴としており、用意されたアイコンの中から自分の好みに合わせたアイコンを任意に選択することができ、機能選択を容易にして、使い勝手を向上させることができ、また多様な利用者のニーズに柔軟に対応することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る携帯電話機は、アイコンと機能との対応付けを利用者が任意に設定し、設定された対応付けを設定メニューとして記憶しておき、機能を実行する場合には、設定メニューに従ってアイコンを表示して選択されたアイコンに対応する機能を実行することにより、利用者個人のニーズにあわせてアイコンを表示することができ、機能の選択を容易にして、使い勝手を向上させることができるものである。
【0011】
まず、本発明の実施の形態に係る携帯電話機の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る携帯電話機の構成ブロック図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る携帯電話機は、キーパッド、タッチパネル等から成り、データを入力する入力部1と、アイコンや機能のデータを記憶するメモリ3と、メモリ3に対する入出力や機能実行の処理を行う制御部2と、LCD表示器等から成りデータを表示する表示部5と、表示部5を駆動する表示駆動回路4と、制御部2からの指示に従って振動するバイブレータ6と、無線信号の送受信を行う送受信部7と、符号化/復号化を行う信号処理部8と、音声信号とディジタルデータとの変換を行う音声処理部9と、音声を出力するスピーカ10と、音声を入力するマイク11とから構成されている。
【0012】
更に、入力部1には、選択キー14と、確定キー15と、設定開始キー16と、機能実行キー17とが設けられており、メモリ3には、各アイコンの表示データ(アイコン)を記憶するアイコンテーブル31と、機能一覧を記憶する機能テーブル32と、各アイコンと機能とを対応づける設定メニューテーブル33とが設けられている。また、制御部2における処理が従来とは一部異なっている。
【0013】
次に各構成部分について具体的に説明する。図1に示した構成部分の内、表示駆動回路4、表示部5、バイブレータ6、送受信部7、信号処理部8、音声処理部9、スピーカ10、及びマイク11は従来の携帯電話機と同様の部分であり、ここでは説明を省略する。
【0014】
本装置の特徴部分について説明する。まず、メモリ3について説明する。メモリ3には、従来と同様に各機能の処理プログラムと、アイコンテーブル31と、機能テーブル32が記憶され、更に、個々のアイコンと機能とを対応づけ、書き換え可能な設定メニューテーブル33が記憶されているものである。
【0015】
ここで、メモリ3に記憶されているテーブルについて図2を用いて説明する。図2(a)は、アイコンテーブル31の模式説明図であり、(b)は、機能テーブル32の模式説明図であり、(c)は、設定メニューテーブル33の模式説明図である。
【0016】
図2(a)に示すように、アイコンテーブル31は、後述するメニュー設定時にアイコン一覧を表示する際のアイコンの表示データを記憶するものであり、従来と同様に予め記憶されているものである。
【0017】
また、図2(b)に示すように、機能テーブル32は、携帯電話機に備えられている機能の名称の一覧データを記憶するものであり、後述するメニュー設定時に機能一覧を表示する際のデータとして用いられ、アイコンテーブル31と同様に予め記憶されているものである。尚、各機能に対応する処理プログラムは、メモリ3内に別に記憶されている。
【0018】
また、図2(c)に示すように、設定メニューテーブル33は、本装置の特徴部分であり、アイコンテーブル31に記憶されている個々のアイコンと、機能テーブル32に記憶されている個々の機能とを対応づけるものであり、また、機能選択時(機能実行モード)に表示するアイコンを規定するものである。つまり、機能選択時には、設定メニューテーブル33に登録されているアイコンのみを表示して、そこで選択されたアイコンに対応する機能を実行するようになっている。
【0019】
そして、本装置の特徴として、設定メニューテーブル33は、書き換え可能なものであり、利用者が自分で任意に登録や変更を行うことができるものである。つまり、予めアイコンテーブル31や機能テーブル32に用意されているアイコン及び機能を、利用者が自分の好みに合わせて自由に組み合わせて登録するものである。そして、これにより、機能実行の開始時に、自分が登録したアイコンを表示させることができるようにしているものである。
【0020】
次に、入力部1について説明する。本装置の入力部1の選択キー14は、表示画面上でカーソルを移動してアイコン又は機能を順次選択する指示を入力するものであり、確定キー15は、カーソルで選択されたアイコン又は機能を確定データとして一時的に記憶する指示を入力するものであり、設定開始キー16は、メニュー設定モードに移行する指示を入力するものであり、機能実行キー17は、機能を実行させたい場合に機能実行モードに移行する指示を入力するものであり、その他にアイコンテーブル31を表示する指示を入力するキーや、機能テーブル32を表示する指示を入力するキーが設けられている。
【0021】
次に、制御部2について説明する。本装置の制御部2は、設定開始キー16が押下された場合に、メニュー設定モードに移行して、入力部1からの入力データに従って設定メニューテーブル33への登録を行うものである。また、制御部2は、機能実行キー17が押下された場合に、機能実行モードに移行して、設定メニューテーブル33に基づいてアイコンを表示し、アイコンが選択されると、設定メニューテーブル33及び機能テーブル32を参照して、選択されたアイコンに対応した機能を実行するものである。
【0022】
次に、本装置の動作について説明する。まず、設定メニューテーブル33への登録時の動作について、利用者の操作を交えて簡単に説明する。図3は、設定メニューテーブル33への登録時の表示例を示す説明図である。図3(a)に示すように、本装置は、設定開始キー16が押下されると、メニュー設定モードに移行して、現在の設定メニューテーブル33の設定内容を確認する表示を行う。設定確認表示の際には、メニュー番号とそれに対応するアイコン及び機能を順次表示する。利用者は、これを見て、設定するメニュー番号を選択する。
【0023】
ここでは、図3(b)に示すように、「メニュー番号2」には、アイコンも機能も登録されていない。そこで、利用者が、入力部1からアイコンテーブル31を表示する指示を入力すると、本装置は、図3(c)に示すようにアイコン一覧を表示し、利用者は、選択キー14を押下してカーソルを移動させてアイコンを選択し、確定キー15によって確定する。
【0024】
次いで、利用者が、入力部1から機能テーブル32の表示指示を入力すると、本装置は、図3(d)に示すように機能一覧を表示し、利用者は、アイコンの場合と同様にカーソルを移動させて機能を選択し、確定する。ここでは、(c)で選択したアイコンに「音声メモ」の機能を対応させている。これにより制御部2は、設定メニューテーブル33の指定されたメニュー番号にアイコンと機能を対応させて記憶し、図3(e)に示すように設定内容を表示するようになっている。
【0025】
そして、制御部2は、機能実行の開始時には、設定メニューテーブル33を参照して、アイコンを表示し、選択されたアイコンに対応する機能を実行する。
【0026】
これにより、利用者は、一般的ではなくても、自分が頻繁に用いる機能をアイコンによって表示させることができ、機能実行時の機能選択を容易にして使い勝手を向上させることができるものである。また、用意されたアイコンの中から自分の好みに合わせたアイコンを任意に選択することができる。
【0027】
次に、本装置の制御部2における動作について具体的に説明する。図4は、本装置の制御部2における設定メニューテーブル33への登録処理を示すフローチャート図である。まず、入力部1から設定開始キー16が押下される(100)と、制御部2はメニュー設定モードに移行し、設定確認表示として、設定メニューテーブル33の内容を表示する(102)。
【0028】
そして、設定するメニュー番号が入力される(104)と、アイコンを選択するか、機能を選択するかの入力が行われ(106)、「アイコン」が入力されると、制御部2は、メモリ3からアイコンテーブル31を読み出して、表示部5に出力する(108)。
【0029】
そして、選択キー14によってアイコンが選択され(110)、確定キー15が押下されると(112)、制御部2はアイコンを設定メニューテーブル33の選択されたメニュー番号の対応するエリアに格納する(120)。
【0030】
また、処理106で「機能」が選択された場合には、制御部2は、機能テーブル32に基づいて機能一覧を表示し(114)、選択キー14によって機能が選択され(116)、確定キー15が押下されると(118)、処理120に移行して選択された機能を設定メニューテーブル33の選択されたメニュー番号の対応するエリアに格納する。
【0031】
そして、制御部2は、設定内容を確認する設定確認表示を行い(122)、処理104で選択されたメニュー番号について、設定完了の指示が入力されたかどうかを判断し(124)、設定完了ではない場合には、処理106に戻って、同様にしてアイコン又は機能の選択が行われる。
【0032】
また、設定完了の場合には、制御部2は、更に登録完了かどうかを判断し(126)、登録完了ではない場合には、処理104に移行して、別のメニュー番号について同様に設定を行う。このようにして、本装置の制御部2における設定メニューテーブル33への登録処理が行われるものである。
【0033】
次に、本装置の制御部2における機能実行時の処理について図5を用いて説明する。図5は、制御部2の機能実行時の処理を示すフローチャート図である。図5に示すように、入力部1の機能実行キー17が押下されると(200)、制御部は機能実行モードに移行して、設定メニューテーブル33に記憶されているアイコンの表示データを表示駆動回路4に出力して、表示部5にアイコン一覧を表示させる(202)。
【0034】
そして、制御部2は、入力部1の選択キー14からの指示に従って表示駆動回路4にカーソル移動の指示を出力してアイコンを選択し(204)、確定キー15が押下されると(206)、設定メニューテーブル33を参照して、カーソルによって選択されたアイコンに対応する機能を実行する。
【0035】
具体的には、制御部2は、設定メニューテーブル33を参照して、選択されたアイコンに対応する機能を読み取り、メモリ3に記憶されている機能プログラムの中から、選択された機能のプログラムを読み出して起動するものである。このようにして、本装置の制御部2における機能実行時の処理が行われるものである。
【0036】
次に、本装置における機能実行時の表示例について図6を用いて説明する。図6は、本装置の機能実行時の表示例を示す説明図である。機能実行モードに移行すると、図6に示すように、設定メニューテーブル33に登録されているアイコンを表示し、利用者はカーソルを移動させてアイコンを選択する。ここでは6個のアイコンが表示され、上段の真中のアイコンが選択されている。そして、確定キー15によって確定されると、選択されたアイコンに対応する機能を実行するようになっている。
【0037】
本発明の実施の形態に係る携帯電話機によれば、メモリ3にアイコンと機能とを対応させ、書き換え可能な設定メニューテーブル33を設け、制御部2が、メニュー設定モードにおいては、入力部1からの指示に従って設定メニューテーブル33にアイコンと機能とを対応させて登録し、また、機能実行モードにおいては、設定メニューテーブル33に登録されているアイコンを表示して、カーソルで選択されたアイコンに対応する機能を実行するようにしているので、利用者は、アイコンと機能との対応を自由に設定することができ、一般的にはあまり用いられなくても利用者個人にとっては頻繁に用いる機能をアイコン表示させることができ、機能実行時に所望の機能を容易に選択でき、使い勝手を向上させることができる効果がある。
【0038】
また、利用者個人がよく用いるものだけを選択して設定メニューテーブル33に登録すれば、機能実行の開始時に表示されるアイコン数が限定され、機能選択が容易になるという効果がある。
【0039】
更に、利用者が、自分にとって分かりやすいアイコンを自分で選択して登録することができるため、アイコンが表す機能を忘れにくいという効果があり、また、他人にはわからないようなアイコンを登録して自分専用機としての楽しみを得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯電話機の構成ブロック図である。
【図2】(a)は、アイコンテーブル31の模式説明図であり、(b)は、機能テーブル32の模式説明図であり、(c)は、設定メニューテーブル33の模式説明図である。
【図3】設定メニューテーブル33への登録時の表示例を示す説明図である。
【図4】本装置の制御部2における設定メニューテーブル33への登録処理を示すフローチャート図である。
【図5】制御部2の機能実行時の処理を示すフローチャート図である。
【図6】本装置の機能実行時の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1…入力部、 2…制御部、 3…メモリ、 4…表示駆動回路、 5…表示部、 6バイブレータ、 7…送受信部、 8…信号処理部、 9…音声処理部、 10…スピーカ、 11…マイク、 14…選択キー、 15…確定キー、16…設定開始キー、 17…機能実行キー、 31…アイコンテーブル、32…機能テーブル、 33…設定メニューテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号の送受信を行う送受信部と、音声を出力するスピーカと、音声を入力する入力部と、指示等を入力する入力部と、データを表示する表示部とを有し、当該表示部に表示される複数のアイコンから機能を選択する携帯電話機であって、
機能を選択するための複数のアイコンから変更したいアイコンの1つが選択され、アイコンの一覧を表示する指示が入力されると、表示部にアイコン一覧が表示され、当該表示されているアイコン一覧から1つのアイコンが選択されて、確定指示が入力されると、変更したいアイコンをアイコン一覧から選択されたアイコンに変更し、更に他のアイコンについて変更できることを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−180536(P2006−180536A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7399(P2006−7399)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【分割の表示】特願平9−169207の分割
【原出願日】平成9年6月25日(1997.6.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】