説明

撮像システム、撮像方法、およびプログラム

【課題】器具の位置に応じた適切な範囲を撮像することができる撮像システムを提供すること。
【解決手段】撮像システムであって、物体に光を照射する光照射部と、光照射部が照射した光によって生じる物体からの光により物体を撮像する撮像部と、器具の位置、器具の向き、および器具の移動方向を検出する検出部と、検出部が検出した器具の位置、器具の向き、および器具の移動方向に応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システム、撮像方法、およびプログラムに関する。本発明は、特に、画像を撮像する撮像システム、撮像方法、および当該撮像システム用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
処置具挿入方向とは異なる方向へ向かって光を発する発光部を把持鉗子の先端に備えた蛍光観察内視鏡用処置具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、挿入部の長さ方向に沿って挿通された光ファイババンドルの射出端面が出射部内に配設されており、光ファイババンドルで出射部に導かれたレーザ光が、出射部内に設けられたレンズを通った後、ガイド光として出射される処置具システムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004―24618号公報
【特許文献2】特開2005―296379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1および特許文献2の発明では、処置具の位置によっては、処置具による処置先に光が照射されない場合がある。また、特許文献1に記載されたように、励起光を使用して蛍光観察をする場合には、励起光を照射する範囲はできるだけ小さいことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、撮像システムであって、物体に光を照射する光照射部と、光照射部が照射した光によって生じる物体からの光により物体を撮像する撮像部と、物体を処置する器具の位置を検出する検出部と、検出部が検出した器具の位置に応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する制御部とを備える。
【0005】
検出部は、器具の位置および器具の向きを検出してよい。そして、制御部は、検出部が検出した器具の位置および器具の向きに応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御してよい。
【0006】
また、検出部は、器具の位置、器具の向き、および器具の移動方向を検出してよい。そして、制御部は、検出部が検出した器具の位置、器具の向き、および器具の移動方向に応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御してよい。
【0007】
検出部が検出した器具の位置および移動方向に基づいて、器具の移動先を予測する移動先予測部をさらに備えてよい。そして、制御部は、移動先予測部が予測した移動先における器具の向きの先の位置を含む範囲に、光照射部に光を照射させてよい。制御部は、検出部が検出した器具の位置の近傍の位置および移動先予測部が予測した移動先における器具の向きの先の位置を含む範囲に、光照射部に光を照射させてよい。
【0008】
光照射部は、異なる範囲に光を照射する複数の発光部を有してよい。そして、制御部は、検出部が検出した処置具の位置、器具の向き、および器具の移動方向に応じて、複数の発光部のうちの少なくとも一の発光部を選択する選択部と、選択部が選択した発光部から光を照射させる発光制御部とを有してよい。
【0009】
光照射部は、異なる範囲に光を照射する複数の発光部を有してよい。そして、制御部は、複数の発光部のうち、検出部が検出した器具の位置の近傍の位置および移動先予測部が予測した移動先における器具の向きの先の位置を含む範囲に光を照射することができる少なくとも一の発光部を選択する選択部と、選択部が選択した発光部から光を発光させる発光制御部とを有してよい。
【0010】
複数の発光部は、物体の内部のルミネッセンス物質を励起する光である励起光を発光してよい。そして、撮像部は、発光部から照射された励起光によってルミネッセンス物質が発した光により、物体を撮像してよい。他にも、撮像部は、発光部から照射されて物体によって反射された光により、物体を撮像してよい。
【0011】
器具の画像を取得する器具画像取得部をさらに備えてよい。そして、検出部は、器具画像取得部が取得した器具の画像の画像内容に基づいて、器具の位置および器具の向きを検出してよい。
【0012】
器具画像取得部は、異なる複数のタイミングのそれぞれにおける器具の画像を取得してよい。そして、検出部は、異なるタイミングのそれぞれにおける器具の画像の画像内容に基づいて、器具の移動方向を検出してよい。
【0013】
検出部は、器具の位置、器具の向き、器具の移動方向、および器具の移動速度を検出してよい。そして、制御部は、検出部が検出した器具の位置、器具の向き、器具の移動方向、および器具の移動速度に応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御してよい。また、制御部は、器具の移動速度が大きいほど、光照射部が物体に照射する光の照射範囲をより広い範囲に制御してよい。
【0014】
本発明の第2の形態によると、撮像方法であって、物体に光を照射する光照射段階と、光照射段階において照射された光によって生じる物体からの光により物体を撮像する撮像段階と、物体を処置する器具の位置を検出する検出段階と、検出段階において検出された器具の位置に応じて、光照射段階において物体に照射された光の照射範囲を制御する制御段階とを備える。
【0015】
本発明の第3の形態によると、撮像システム用のプログラムであって、撮像システムを、物体に光を照射する光照射部、光照射部が照射した光によって生じる物体からの光により物体を撮像する撮像部、物体を処置する器具の位置を検出する検出部、検出部が検出した器具の位置に応じて、光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する制御部として機能させる。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態の撮像システム10の構成の一例を検体20とともに示す。撮像システム10は、内視鏡100、画像生成部140、検出部142、移動先予測部144、出力部180、制御部105、光源部150、およびICG注入部190を備える。なお、図1において、A部は、内視鏡100の先端部102を拡大して示す。
【0019】
ICG注入部190は、ルミネッセンス物質であるインドシアニングリーン(ICG)を、物体の一例である検体20に注入する。検体20は、たとえば人体等の生体であってよく、血管、臓器等を含む。検体20は、撮像システム10が処理する画像の撮像対象となる。なお、本実施形態においてルミネッセンス物質としてICGを例示するが、ルミネッセンス物質として、ICG以外の蛍光物質を用いてもよい。なお、この発明における物体とは、胃、腸等の臓器等の生体の他にも、遺構等の自然物、工業製品等のような生体以外の物を含む概念であってよい。
【0020】
ICGは、たとえば波長750nmの赤外線に励起されて、810nmを中心とするブロードなスペクトルの蛍光を発する。検体20が生体である場合、ICG注入部190は、静脈注射によってICGを生体の血管内に注入する。撮像システム10は、ICGからのルミネッセンス光により、生体内の血管を撮像する。なお、ルミネッセンス光は、特定波長領域の光の一例であり、蛍光および燐光を含む。また、物体からの光の一例であるルミネッセンス光は、励起光等の光による光ルミネッセンスの他に、化学ルミネッセンス、摩擦ルミネッセンス、熱ルミネッセンスによるルミネッセンス光を含む。
【0021】
なお、ICG注入部190は、例えば制御部105による制御によって、生体内のICG濃度が略一定に維持されるよう、ICGを検体20に注入する。なお、検体20の内部には血管等のオブジェクトが存在する。
【0022】
内視鏡100は、撮像部110、ライトガイド120、鉗子口130、およびノズル138、および複数の発光部124a−fを有する。なお、複数の発光部124a−fは、この発明における光照射部として機能する。また、内視鏡100の先端部102には、撮像部110の一部としてのレンズ112が設けられる。また、ノズル138および発光部124a−fは、内視鏡100の先端部102に設けられる。
【0023】
鉗子口130には鉗子135が挿入され、鉗子口130は鉗子135を先端部102にガイドする。なお、鉗子135の先端部位である鉗子先端部136は、鉗子口130の移動軸と異なる方向を向いている。なお、鉗子135は、本図に示した先端形状の他にも、各種の先端形状を備えてよい。なお、鉗子口130には、鉗子の他に、電気メス等の、生体を処置する種々の処置具が挿入されてよい。ノズル138は、水あるいは空気を送出する。
【0024】
光源部150は、内視鏡100の先端部102から照射される光を発生する。光源部150で発生する光は、検体20の内部に含むルミネッセンス物質を励起して特定波長領域の光を発光させる波長領域の光である励起光の一例としての赤外線、および検体20に照射する照射光を含む。照射光には、たとえばR成分、G成分およびB成分の成分光を含む。
【0025】
ライトガイド120は、例えば光ファイバで形成される。ライトガイド120は、光源部150で発生した光を、発光部124a−fにガイドする。光源部150で発生した光は、発光部124a−fから出射して検体20に照射される。このように、発光部124a−fは、物体に光を照射する。
【0026】
撮像部110は、発光部124a−fが照射した光によって生じる物体からの光により物体を撮像する。具体的には、撮像部110は、ルミネッセンス物質が発する光および照射光がオブジェクトで反射する反射光の少なくとも一方を受光する。画像生成部140は、撮像部110から取得した受光データを処理することによって画像を生成する。出力部180は、画像生成部140が生成した画像を出力する。
【0027】
制御部105は、撮像制御部160および発光制御部170を有する。撮像制御部160は、撮像部110による撮像を制御する。また、発光制御部170は、撮像制御部160からの制御を受けて、光源部150を制御する。たとえば撮像部110が、赤外線、R成分、G成分、およびB成分の各成分光を時分割で撮像する場合に、発光制御部170は、各成分光の照射のタイミングと撮像のタイミングとを同期させるよう、光源部150からの光の照射を制御する。
【0028】
検出部142は、この発明における器具の一例としての、物体を処置する鉗子135の位置を検出する。そして、発光制御部170は、検出部142が検出した鉗子135の位置に応じて、発光部124a−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。例えば、発光制御部170は、検出部142が検出した器具の位置の近傍に、発光部124a−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。
【0029】
また、移動先予測部144は、検出部142が検出した器具の位置および移動方向に基づいて、鉗子135の移動先を予測する。そして、発光制御部170は、移動先予測部144が予測した移動先における鉗子135の向きの先の位置を含む範囲に、発光部124a−fを含む光照射部に光を照射させる。なお、この発明における器具は、鉗子135等の種々の処置具を含む。
【0030】
図2は、撮像部110の構成の一例を示す。撮像部110は、レンズ112、撮像デバイス210、分光フィルタ部220、および受光側励起光カットフィルタ部230を有する。撮像デバイス210は、第1受光素子251aを含む複数の第1受光素子251、第2受光素子252aおよび第2受光素子252bを含む複数の第2受光素子252、第3受光素子253aを含む複数の第3受光素子253を含む。
【0031】
以下に、撮像部110が有する構成要素の機能および動作を説明する。以下の説明においては、説明が複雑になることを防ぐべく、複数の第1受光素子251を総称して第1受光素子251と呼び、複数の第2受光素子252を総称して第2受光素子252と呼び、複数の第3受光素子253を総称して第3受光素子253と呼ぶ場合がある。また、複数の第1受光素子251、複数の第2受光素子252、複数の第3受光素子253を総称して、単に受光素子と呼ぶ場合がある。
【0032】
第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、レンズ112を通じて供給された物体からの光を受光する。具体的には、第1受光素子251は、特定波長領域の光および特定波長領域と異なる第1波長領域の光を受光する。また、第2受光素子252は、特定波長領域と異なる第2波長領域の光を受光する。また、第3受光素子253は、特定波長領域、第1波長領域、および第2波長領域と異なる第3波長領域の光を受光する。
【0033】
なお、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域は互いに異なる波長領域であって、他の波長領域が含まない波長領域を含む。また、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、所定のパターンで2次元的に配列されている。
【0034】
分光フィルタ部220は、第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光のいずれかの光を通過する複数のフィルタ要素を含む。各フィルタ要素は、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253のそれぞれの受光素子に応じて2次元的に配列されており、個々の受光素子は、個々のフィルタ要素が通過した光を受光する。このように、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、互いに異なる波長領域の光を受光する。
【0035】
受光側励起光カットフィルタ部230は、物体と第2受光素子252および第3受光素子253の間に少なくとも設けられ、励起光の波長領域の光をカットする。そして、第2受光素子252および第3受光素子253は、物体からの反射光を受光側励起光カットフィルタ部230を通じて受光する。このため、第2受光素子252および第3受光素子253は、励起光が物体から反射した反射光を実質的に受光することがない。
【0036】
なお、受光側励起光カットフィルタ部230は、励起光の波長領域の光および特定波長領域の光をカットしてもよい。この場合、第2受光素子252および第3受光素子253は、物体からのルミネッセンス光を実質的に受光することがない。
【0037】
なお、受光側励起光カットフィルタ部230は、物体と第1受光素子251の間に設けられてもよい。この場合、受光側励起光カットフィルタ部230は、ルミネッセンス光を透過する。
【0038】
なお、受光側励起光カットフィルタ部230は、分光フィルタ部220と同様に、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253のそれぞれの受光素子に応じて2次元的に配列されたフィルタ要素を含んでよい。そして、第1受光素子251に光を供給するフィルタ要素は、励起光の波長領域の光をカットして、第1波長領域および特定波長領域の光を通過させる。一方、第2受光素子252に光を供給するフィルタ要素は、励起光の波長領域の光および特定波長領域の光をカットして、第2波長領域の光を少なくとも通過させる。また、第3受光素子253に光を供給するフィルタ要素は、励起光の波長領域の光および特定波長領域の光をカットして、第3波長領域の光を少なくとも通過させる。
【0039】
画像生成部140は、第1受光素子251a、第2受光素子252a、第2受光素子252b、および第3受光素子253aが受光した受光量に少なくとも基づいて、1画素の画素値を決定する。すなわち、第1受光素子251a、第2受光素子252a、第2受光素子252b、および第3受光素子253aの2次元配列構造により一の画素素子が形成され、当該画素素子配列が2次元的に配列されることによって複数の画素素子が形成される。なお、受光素子は、本図に示した配列構造に限られず、多様な配列構造で配列されてよい。
【0040】
図3は、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253の分光感度特性の一例を示す。線330、線310、および線320は、それぞれ第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253の分光感度分布を示す。例えば、第1受光素子251は、他の受光素子が実質的に感度を有しない650nm近傍の波長の光に感度を有する。また、第2受光素子252は、他の受光素子が実質的に感度を有しない450nm近傍の波長の光に感度を有する。また、第3受光素子253は、他の受光素子が実質的に感度を有しない550nm近傍の波長の光に感度を有する。
【0041】
また、第1受光素子251は、特定波長領域の一例である赤外領域(例えば、810nm)の光を受光することができる。この分光感度特性は、受光側励起光カットフィルタ部230および分光フィルタ部220の特性による。
【0042】
このように、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、それぞれR成分の光、B成分の光、およびG成分の光を受光する。また、第1受光素子251は、特定波長領域の一例である赤外領域の光も受光することができる。なお、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、一例としてCCD、CMOS等の撮像素子であってよい。そして、受光側励起光カットフィルタ部230の分光透過率、分光フィルタ部220が含むフィルタ要素の分光透過率、および撮像素子自体の分光感度の組合せによって、第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253は、それぞれ線330、線310、および線320で示す分光感度特性を持つ。
【0043】
図4は、光源部150の構成の一例を示す。光源部150は、光源410および光源側フィルタ部420を有する。光源410は、励起光の波長領域、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域を含む波長領域の光を発光する。本実施形態では、光源410は、一例としてキセノンランプであってよい。
【0044】
図5は、光源側フィルタ部420の構成の一例を示す。図5は、光源410から光源側フィルタ部420に光が導かれる方向に見た場合の構造を示す。光源側フィルタ部420は、照射光カットフィルタ部520、励起光カットフィルタ部510、および励起光カットフィルタ部515を含む。なお、発光制御部170は、光源側フィルタ部420の中心軸450を中心として、光源410が発光した光が進む方向に略垂直な面内で、光源側フィルタ部420を回転させる。
【0045】
励起光カットフィルタ部510は、第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光を通過して、励起光の波長領域の光をカットする。また、励起光カットフィルタ部515は、第2波長領域の光および第3波長領域の光を通過して、第1波長領域の光および励起光の波長領域の光をカットする。また、照射光カットフィルタ部520は、励起光の波長領域の光を通過して、第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光をカットする。なお、光源410からの光は、光源側フィルタ部420の中心軸450からずれた位置に導かれる。
【0046】
なお、励起光カットフィルタ部510および励起光カットフィルタ部515を通過した光は、ライトガイド120によって発光部124aに導かれる。また、照射光カットフィルタ部520を通過した光は、ライトガイド120によって発光部124b−fに導かれる。
【0047】
したがって、光源410からの光が励起光カットフィルタ部510に導かれているタイミングでは、光源410からの光のうち、励起光の波長領域の光は励起光カットフィルタ部510によりカットされ、第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光は励起光カットフィルタ部510を通過する。したがって、このタイミングでは、第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光が物体に照射されることになる。
【0048】
一方、光源410からの光が照射光カットフィルタ部520および励起光カットフィルタ部515に導かれているタイミングでは、光源410からの光のうち、励起光の波長領域の光が照射光カットフィルタ部520を通過して、第2波長領域の光および第3波長領域の光が励起光カットフィルタ部515を通過する。したがって、このタイミングでは、励起光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光が物体に照射されることになる。
【0049】
なお、撮像部110は、撮像制御部160の制御により、可視光である第1波長領域の光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光が照射されているタイミングで、照射された光を検体20が反射した反射光を受光する。そして、画像生成部140は、撮像部110が受光した光の受光量に基づいて可視光画像を生成する。
【0050】
また、撮像部110は、撮像制御部160の制御により、励起光、第2波長領域の光、および第3波長領域の光が照射されているタイミングで、物体の内部のICGが発したルミネッセンス光と、物体による第2波長領域の光および第3波長領域の光の反射光とを受光する。そして、画像生成部140は、撮像部110が受光したルミネッセンス光の受光量に基づいてルミネッセンス光画像を生成するとともに、第2波長領域の光および第3波長領域の光の受光量と、他のタイミングにおいて撮像部110が受光した第1波長領域の光の受光量とに基づいて可視光画像を生成する。
【0051】
なお、発光制御部170は、撮像制御部160によるタイミング制御により、第1のタイミングにおいて、光源410が発光した光を励起光カットフィルタ部510を通じて発光部124aに導いて、発光部124aから物体に照射させる。このようにして、発光制御部170は、第1のタイミングにおいて、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域を含む波長領域の光を物体に照射させる。
【0052】
そして、撮像制御部160は、第1のタイミングにおいて、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域を含む波長領域の光を物体に照射して物体から反射した反射光のうち、第1波長領域の光を第1受光素子251に受光させ、反射光のうち第2波長領域の光を第2受光素子252に受光させ、反射光のうち第3波長領域の光を第3受光素子253に受光させる。
【0053】
一方、第2のタイミングにおいては、発光制御部170は、撮像制御部160によるタイミング制御により、光源410が発光した光を照射光カットフィルタ部520を通じて発光部124b−fの少なくとも一つに導いて、発光部124b−fの少なくとも一つから励起光を物体に照射させる。また、発光制御部170は、撮像制御部160によるタイミング制御により、光源410が発光した光を励起光カットフィルタ部515を通じて発光部124aに導いて、第2波長領域の光および第3波長領域の光を物体に照射させる。
【0054】
このように、発光制御部170は、第2のタイミングにおいて、発光部124b−fの少なくとも一つから励起光を物体に照射するとともに、第2波長領域および第3波長領域を含む波長領域の光を発光部124aから物体に照射する。そして、第2のタイミングにおいては、撮像制御部160は、物体が発光した特定波長領域の光を、第1受光素子251に受光させる。
【0055】
そして、画像生成部140は、それぞれのタイミングにおいて受光素子が受光した受光量に基づいて、物体の画像を生成する。具体的には、画像生成部140は、第1のタイミングにおいて第1受光素子251が受光した第1波長領域の光、第1のタイミングにおいて第2受光素子252が受光した第2波長領域の光、および第1のタイミングにおいて第3受光素子253が受光した第3波長領域の光により、第1のタイミングにおける物体画像を生成する。
【0056】
また、画像生成部140は、第2のタイミングにおいて受光素子が受光した受光量に基づいてルミネッセンス光画像を生成する。また、画像生成部140は、第1のタイミングにおいて第1受光素子251が受光した受光量、第2のタイミングにおいて第2受光素子252および第3受光素子253が受光した受光量に基づいて、可視光画像を生成する。
【0057】
このようにして、画像生成部140は、ルミネッセンス光画像を撮像しているタイミングにおける可視光画像を生成する。そして、出力部180は、画像生成部140が生成した可視光画像を連続的に表示することによって、コマ落ちのない映像を提供することができる。
【0058】
したがって、撮像システム10によると、たとえば医師が出力部180が表示した映像を見つつ手術等を実施する場合に、可視光画像からでは視認できない内部の血管を、ルミネッセンス画像によって医師に認識させることができる場合がある。また、撮像システム10によると、医師は、実質的にコマ落ちのない可視光画像を参照しつつ、手術等を実施できるという利点が得られる。
【0059】
図6は、発光部124a−fによる照射領域の一例を示す。発光部124aは、第1のタイミングおよび第2のタイミングにおいて、線600で囲まれる範囲に、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域の光を照射する。なお、本実施形態においては、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域の光は可視光であるから、以後の説明では、第1波長領域、第2波長領域、および第3波長領域の光を可視光と総称する場合がある。
【0060】
また、第2のタイミングにおいて、発光部124b、発光部124c、発光部124d、発光部124e、および発光部124fは、それぞれ線610で囲まれる範囲、線620で囲まれる範囲、線630で囲まれる範囲、線640で囲まれる範囲、線650で囲まれる範囲に励起光を照射する。このように、発光部124b−fは、互いに異なる範囲に励起光を照射する。なお、発光部124b−fが発光する発光範囲は、他の発光部124による発光範囲と一部が重複していてもよい。なお、以後の説明では、説明が複雑になることを防ぐべく、線610、線620、線630、線640、および線650のそれぞれで囲まれる範囲を、それぞれ範囲610、範囲620、範囲630、範囲640、および範囲650と呼ぶ。
【0061】
ここで、図示されるように、発光部124fが照射することができる範囲650の近傍に検出部142が鉗子135を検出した場合には、選択部175は、鉗子135の位置に励起光を照射することができる発光部124fを選択する。そして、発光制御部170は、発光部124fから励起光を照射させる。
【0062】
なお、検出部142は、鉗子135の位置に加えて、鉗子135の移動方向を検出する。そして、移動先予測部144は、検出部142が検出した鉗子135の移動方向に基づいて、鉗子135の移動先を予想する。一例として図において、鉗子135が矢印690によって示す方向に移動していることを検出部142が検出した場合には、移動先予測部144は、発光部124bが発光する範囲610内の領域に、鉗子135の移動先を予測する。
【0063】
この場合、選択部175は、当該移動先に励起光を照射することができる発光部124bも選択する。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124fおよび発光部124bから励起光を照射させる。この結果、範囲650および範囲610に励起光が照射される。
【0064】
このように、発光制御部170は、検出部142が検出した鉗子135の位置の近傍の位置および移動先予測部144が予測した移動先における鉗子135の向きの先の位置を含む範囲に、発光部124b−fを含む光照射部に光を照射させる。また、発光制御部170は、検出部142が検出した鉗子135の位置および鉗子135の移動方向に応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。
【0065】
具体的には、選択部175は、検出部142が検出した鉗子135の位置および鉗子135の移動方向に応じて、複数の発光部124のうちの少なくとも一の発光部124を選択する。より具体的には、選択部175は、発光制御部170は、複数の発光部124のうち、検出部142が検出した鉗子135の位置の近傍の位置および移動先予測部144が予測した移動先を含む範囲に励起光を照射することができる少なくとも一の発光部124を選択する。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124から励起光を照射させる。
【0066】
なお、検出部142は、鉗子135の位置および鉗子135の移動方向に加えて、鉗子135の移動速度を検出する。なお、移動速度とは、鉗子先端部136の移動速度であってよい。そして、選択部175は、検出部142が検出した移動速度が予め定められた値より大きい場合に、鉗子135の移動方向の更に先の領域に励起光を照射することができる発光部124を選択する。
【0067】
本図の例では、選択部175は、移動速度が予め定められた速度より大きい場合に、範囲630に励起光を照射することができる発光部124dをさらに選択する。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124f、発光部124b、および発光部124dから励起光を照射させる。この結果、範囲650、範囲610、および範囲630に励起光が照射される。
【0068】
このように、発光制御部170は、検出部142が検出した鉗子135の位置、鉗子135の移動方向、および鉗子135の移動速度に応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。具体的には、発光制御部170は、鉗子135の移動速度が大きいほど、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲をより広い範囲に制御する。
【0069】
なお、撮像部110は、発光部124から照射された励起光によってルミネッセンス物質が発したルミネッセンス光により、物体を撮像する。このため、撮像部110が撮像した画像には、範囲600を示す画像領域の一部の領域にしかルミネッセンス光による血管像が含まれない場合がある。しかしながら、そのような場合でも、撮像部110が撮像した画像には、鉗子135の近傍の領域および鉗子135の移動先の領域における血管像が含まれている。したがって、撮像システム10によると、鉗子135の位置に応じた適切な範囲に、励起光の照射範囲を制限することができる。
【0070】
なお、画像生成部140は、発光部124aから照射された可視光を撮像部110が撮像した画像を処理して、鉗子135の画像を生成する。そして、器具画像取得部146は、画像生成部140が生成した鉗子135の画像を取得する。なお、鉗子135の画像は、上述の可視光画像に含まれてよい。
【0071】
検出部142は、器具画像取得部146が取得した鉗子135の画像の画像内容に基づいて、鉗子135の位置および鉗子135の移動方向の少なくとも一方を検出してよい。例えば、検出部142は、鉗子135の画像と予め定められた鉗子135のパターンとのパターンマッチングにより、鉗子135の位置および鉗子135の移動方向の少なくとも一方を検出してよい。
【0072】
また、鉗子135画像取得部は、異なる複数のタイミングのそれぞれにおける鉗子135の画像を取得してよい。そして、検出部142は、異なるタイミングのそれぞれにおける鉗子135の画像の画像内容に基づいて、鉗子135の移動方向を検出してよい。
【0073】
なお、検出部142は、鉗子口130に挿入されている鉗子135の長さおよび内視鏡100の位置に基づいて、鉗子135の位置を検出してもよい。また、検出部142は、鉗子口130に挿入されている鉗子135の長さの時間変化および内視鏡100の位置の時間変化に基づいて、鉗子135の移動速度を検出してもよい。
【0074】
図7は、発光部124a−fによる照射範囲の他の一例を示す。発光制御部170は、鉗子135の向きに応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。
【0075】
具体的には、検出部142は、鉗子135の位置、鉗子135の移動方向、および鉗子135の移動速度に加えて、鉗子135の向きを検出する。なお、鉗子135の向きとは、鉗子135が処置することができる処置先への向きであってよい。例えば、鉗子135の向きとは、鉗子135の鉗子先端部136の向きであってよい。
【0076】
そして、発光制御部170は、検出部142が検出した鉗子135の位置、鉗子135の向き、および鉗子135の移動方向に応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。本図の例では、選択部175は、鉗子135の鉗子先端部136の位置に励起光を照射することができる発光部124bとともに、鉗子先端部136の向きの先に励起光を励起光を照射することができる発光部124cを選択する。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124bおよび発光部124cから励起光を照射させる。この結果、範囲610および範囲620に励起光が照射される。
【0077】
なお、鉗子135が矢印790で示す方向に移動していることを検出部142が検出した場合には、選択部175は、鉗子135の移動先の領域に励起光を照射することができる発光部124eをさらに選択してもよい。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124b、発光部124c、および発光部124eから励起光を照射させる。その結果、範囲610、範囲620、範囲640に励起光が照射される。
【0078】
このように、選択部175は、発光制御部170は、複数の発光部124のうち、検出部142が検出した鉗子135の位置の近傍の位置および移動先予測部144が予測した移動先における鉗子135の向きの先の位置を含む範囲に光を照射することができる少なくとも一の発光部124を選択する。なお、発光制御部170は、上記において説明した制御方法を組み合わせることによって、検出部142が検出した鉗子135の位置、鉗子135の移動方向、鉗子135の移動速度に加えて、鉗子135の向きに応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御することができる。
【0079】
図8は、発光部124a−fによる照射領域の更なる他の一例を示す。発光制御部170は、鉗子135の移動方向の一例である鉗子135の回転方向に応じて、発光部124b−fを含む光照射部が物体に照射する光の照射範囲を制御する。
【0080】
具体的には、検出部142は、鉗子135の位置、鉗子135の向きに加えて、鉗子135の回転方向を検出する。なお、検出部142は、器具画像取得部146が取得した鉗子135の画像内容に基づいて鉗子135の回転方向を検出してよい。他にも、検出部142は、鉗子135の軸の回転方向に基づいて、鉗子135の回転方向を検出してもよい。
【0081】
本図において、検出部142が矢印890で示す方向に回転していることを検出した場合には、選択部175は、現在の鉗子135の位置に励起光を照射することができる発光部124bに加えて、鉗子135の回転先の領域に励起光を照射することができる発光部124eを選択する。そして、発光制御部170は、選択部175が選択した発光部124bおよび発光部124eから励起光を照射させる。この結果、範囲610および範囲640に励起光が照射される。
【0082】
なお、以上の説明では、発光部124から照射されて物体によって生じたルミネッセンス光によって撮像部110が物体の画像を撮像するとしたが、撮像部110は、発光部124から照射されて物体によって反射された光により、物体を撮像してもよい。この場合、発光部124b−fは、励起光に限らず、種々の波長の光を物体に照射してもよい。
【0083】
他にも、撮像部110は、オブジェクトからの光に限らず、種々の方法で物体を撮像することができる。例えば、撮像部110は、X線、γ線等の電磁放射線、或いはアルファ線等の粒子線を含む放射線を利用して物体を撮像してよい。また、撮像部110は、種々の波長の電磁波、電波、音波を利用して物体を撮像してよい。また、本実施形態においては、鉗子135が内視鏡100を通じて挿入される場合を例に挙げてこの発明を説明したが、鉗子135は内視鏡100と別に挿入されてもよい。
【0084】
図9は、撮像システム10として機能させるコンピュータ1500のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係る撮像システム10は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、および表示デバイス1580を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、およびCD−ROMドライブ1560を有する入出力部と、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570を有するレガシー入出力部とを備える。
【0085】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505およびグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510およびRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部を制御する。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示デバイス1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0086】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、CD−ROMドライブ1560を接続する。通信インターフェイス1530は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ1540は、撮像システム10内のCPU1505が使用するプログラムおよびデータを格納する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。
【0087】
また、入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、および入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、撮像システム10が起動時に実行するブート・プログラム、撮像システム10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0088】
RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供される通信プログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。通信プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1520を介して撮像システム10内のハードディスクドライブ1540にインストールされ、CPU1505において実行される。撮像システム10にインストールされて実行される通信プログラムは、CPU1505等に働きかけて、撮像システム10を、図1から図8にかけて説明した撮像部110、画像生成部140、検出部142、移動先予測部144、器具画像取得部146、制御部105、光源部150、および出力部180等として機能させる。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施形態の撮像システム10の構成の一例を検体20とともに示す図である。
【図2】撮像部110の構成の一例を示す図である。
【図3】第1受光素子251、第2受光素子252、および第3受光素子253の分光感度特性の一例を示す図である。
【図4】光源部150の構成の一例を示す図である。
【図5】光源側フィルタ部420の構成の一例を示す図である。
【図6】発光部124a−fによる照射領域の一例を示す図である。
【図7】発光部124a−fによる照射範囲の他の一例を示す図である。
【図8】発光部124a−fによる照射領域の更なる他の一例を示す図である。
【図9】撮像システム10として機能させるコンピュータ1500のハードウェア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
10 撮像システム
20 検体
100 内視鏡
102 先端部
105 制御部
110 撮像部
112 レンズ
120 ライトガイド
124 発光部
130 鉗子口
135 鉗子
136 鉗子先端部
138 ノズル
140 画像生成部
142 検出部
144 移動先予測部
146 器具画像取得部
150 光源部
160 撮像制御部
170 発光制御部
180 出力部
190 ICG注入部
210 撮像デバイス
220 分光フィルタ部
230 受光側励起光カットフィルタ部
251 第1受光素子
252 第2受光素子
253 第3受光素子
410 光源
420 光源側フィルタ部
510 励起光カットフィルタ部
515 励起光カットフィルタ部
520 照射光カットフィルタ部
1505 CPU
1510 ROM
1520 RAM
1530 通信インターフェイス
1540 ハードディスクドライブ
1550 フレキシブルディスク・ドライブ
1560 CD−ROMドライブ
1570 入出力チップ
1575 グラフィック・コントローラ
1580 表示デバイス
1582 ホスト・コントローラ
1584 入出力コントローラ
1590 フレキシブルディスク
1595 CD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に光を照射する光照射部と、
前記光照射部が照射した光によって生じる前記物体からの光により前記物体を撮像する撮像部と、
前記物体を処置する器具の位置を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記器具の位置に応じて、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲を制御する制御部と
を備える撮像システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記器具の位置および前記器具の向きを検出し、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記器具の位置および前記器具の向きに応じて、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲を制御する
請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記検出部は、前記器具の位置、前記器具の向き、および前記器具の移動方向を検出し、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記器具の位置、前記器具の向き、および前記器具の移動方向に応じて、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲を制御する
請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記検出部が検出した前記器具の位置および移動方向に基づいて、前記器具の移動先を予測する移動先予測部
をさらに備え、
前記制御部は、前記移動先予測部が予測した移動先における前記器具の向きの先の位置を含む範囲に、前記光照射部に光を照射させる
請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出部が検出した前記器具の位置の近傍の位置および前記移動先予測部が予測した移動先における前記器具の向きの先の位置を含む範囲に、前記光照射部に光を照射させる
請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記光照射部は、異なる範囲に光を照射する複数の発光部を有し、
前記制御部は、
前記検出部が検出した器具の位置、前記器具の向き、および前記器具の移動方向に応じて、前記複数の発光部のうちの少なくとも一の発光部を選択する選択部と、
前記選択部が選択した発光部から光を照射させる発光制御部と
を有する請求項3に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記光照射部は、異なる範囲に光を照射する複数の発光部を有し、
前記制御部は、
前記複数の発光部のうち、前記検出部が検出した前記器具の位置の近傍の位置および前記移動先予測部が予測した移動先における前記器具の向きの先の位置を含む範囲に光を照射することができる少なくとも一の発光部を選択する選択部と、
前記選択部が選択した発光部から光を発光させる発光制御部と
を有する請求項5に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記複数の発光部は、前記物体の内部のルミネッセンス物質を励起する光である励起光を発光し、
前記撮像部は、前記発光部から照射された励起光によって前記ルミネッセンス物質が発した光により、前記物体を撮像する
請求項7に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記撮像部は、前記発光部から照射されて前記物体によって反射された光により、前記物体を撮像する
請求項7に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記器具の画像を取得する器具画像取得部
をさらに備え、
前記検出部は、前記器具画像取得部が取得した前記器具の画像の画像内容に基づいて、前記器具の位置および前記器具の向きを検出する
請求項8に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記器具画像取得部は、異なる複数のタイミングのそれぞれにおける前記器具の画像を取得し、
前記検出部は、前記異なるタイミングのそれぞれにおける前記器具の画像の画像内容に基づいて、前記器具の移動方向を検出する
請求項10に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記検出部は、前記器具の位置、前記器具の向き、前記器具の移動方向、および前記器具の移動速度を検出し、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記器具の位置、前記器具の向き、前記器具の移動方向、および前記器具の移動速度に応じて、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲を制御する
請求項3に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記器具の移動速度が大きいほど、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲をより広い範囲に制御する
請求項12に記載の撮像システム。
【請求項14】
物体に光を照射する光照射段階と、
前記光照射段階において照射された光によって生じる前記物体からの光により前記物体を撮像する撮像段階と、
前記物体を処置する器具の位置を検出する検出段階と、
前記検出段階において検出された前記器具の位置に応じて、前記光照射段階において前記物体に照射された光の照射範囲を制御する制御段階と
を備える撮像方法。
【請求項15】
撮像システム用のプログラムであって、前記撮像システムを、
物体に光を照射する光照射部、
前記光照射部が照射した光によって生じる前記物体からの光により前記物体を撮像する撮像部、
前記物体を処置する器具の位置を検出する検出部、
前記検出部が検出した前記器具の位置に応じて、前記光照射部が前記物体に照射する光の照射範囲を制御する制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−148341(P2009−148341A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326938(P2007−326938)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】