撮像装置、撮像装置の制御方法、及びコンピュータプログラム
【課題】 撮像される画像の画質の劣化を正確に検出する。
【解決手段】 1フレーム内において、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。そして、この画質劣化検出用データを用いて、次に撮像される静止画像の画質の劣化を検出する。
【解決手段】 1フレーム内において、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。そして、この画質劣化検出用データを用いて、次に撮像される静止画像の画質の劣化を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、撮像された画像の画質の劣化を検出するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を使用したディジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置が普及している。
このような撮像装置として、静止画像を記録する静止画撮影モードと、撮像動作を繰り返して表示又は記録する撮影モード(いわゆる動画撮影モード)とを切り替えて、各撮影モードを併用できるものも増えてきている。
【0003】
近年は、撮像装置の操作性の向上のため、ライブビュー機能を備えた撮像装置も一般化してきている。ライブビュー機能は、動画撮影モードを使用して、得られた画像を繰り返し表示し、被写体を確認することができるようにする機能である。
動画像の撮影の動作時間が長くなったり、ライブビューの動作時間が長くなったりすると、撮像素子等のカメラ内部のデバイスが発熱し、カメラの内部温度が上昇する。カメラの内部温度の上昇により撮像素子においては、暗電流ノイズ等のノイズ量が増大し、このノイズにより画質の低下を招くという課題がある。
【0004】
この課題に対して、特許文献1では、温度センサを用いて撮像素子の温度を検出し、検出した温度情報に基づいて画質の劣化を予測し、ライブビュー動作の制限又は警告を行う撮像装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−033508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、温度センサを用いて画質の劣化の予測を行う場合、撮像素子に近接させて温度センサを配置する必要がある。また、温度センサの検出バラツキを考慮して、画質の劣化を予測する必要がある。このため、実際の画質の劣化よりも早いタイミングで、ライブビューの動作の制限又は警告を行う必要がある。
【0007】
また、デジタル一眼レフカメラに搭載されているような、大型の撮像素子においては、撮像素子の内部の回路レイアウト等により、撮像素子の温度分布が一様とならない場合が多い。したがって、撮像素子の温度の検出結果に基づいて画質の劣化を正確に検出するためには、撮像素子全体の温度分布を正確に把握する必要がある。
したがって、特許文献1に記載の技術のように温度センサを用いて撮像素子の温度分布を正確に検出するためには、複数の温度センサを撮像素子に近接させて配置する必要がある。このため、部品点数の増加や、温度センサを配置するスペースの確保という課題があった。また、複数の温度センサを用いて、撮像素子の近傍の温度分布を測定した場合であっても、その温度分布は撮像素子自体の温度分布ではない。よって、その温度分布を用いて画質の劣化を予測したとしても、画質の劣化の正確な予測が困難であるという課題がある。
【0008】
また、このような課題に対しては、撮像した画像に基づいて画質の劣化を検出することが考えられる。被写体が撮像されている画像では、精度の高い画質の劣化の予測をすることは困難であるため、暗出力を取得する必要がある。しかしながら、動画像等の連続動作の状態で暗出力を出す為にメカニカルなシャッターを閉じることは困難である。よって、撮像素子内で光学的に遮光されているオプティカルブラック部等の一部の領域のみの暗出力しか得ることができず、撮像素子全体の画質の劣化を予測することは困難であった。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、撮像される画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
具体的には、例えば、動画像又はライブビュー画像の撮影中に、その直後に撮像される静止画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
また、例えば、動画像の撮影の際に、撮像素子全体において動画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素と、前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力手段と、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出手段と、を有し、前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像される画像の画質の劣化を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像装置の全体構成を示す図である。
【図2】撮像素子の概略構成を示す図である。
【図3】撮像素子の単位画素の回路を示す図である。
【図4】撮像素子の全体レイアウトを示す図である。
【図5】ライブビュー動作時の撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】ライブビュー動作時の撮像素子の1行の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第1の例を示すタイミングチャートである。
【図8】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第2の例を示すタイミングチャートである。
【図9】各出力モードにおける撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第3の例を示すタイミングチャートである。
【図11】画質劣化検出用データの取得単位である画素領域を示す図である。
【図12】動画撮影時の電子ズーム領域と、画質劣化検出用データを取得する画素領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置の全体構成の一例を示す図である。
図1において、撮影用レンズ110には不図示のモータが備えられている。後述するAF142の処理結果に応じて、当該モータを駆動して、撮影用レンズ110の焦点を合わせる機構が撮像装置に備えられている。
【0014】
レンズ制御部111は、撮影用レンズ110からの情報をシステム制御回路150に伝達すると共に、撮影用レンズ110の動作の制御を行う。
レンズ制御部111は、制御信号発生手段を含んでいる。撮影用レンズ110の焦点を調整する動作等のモータ駆動は、当該制御信号発生手段で得られるパルス信号によって行われる。
シャッター112は、撮像素子114の露光量を制御する。シャッター112は、周知のメカニカルなシャッターでも、電気的に遮光することの出来る液晶シャッター等でもよい。
【0015】
撮像素子114は、光学像を電気信号に変換する。本実施形態では、撮像素子114として、例えばCMOS撮像素子を使用している。撮像素子114の内部構成は、図3を参照しながら後述する。
LPF115は、撮影用レンズ110を透過してきた光の余分な波長(色再現に影響する不要となる波長)をカットするためのローパスフィルタである。LPF115は、撮影用レンズ110と撮像素子114との間に配設されている。
【0016】
AFE116は、撮像素子114から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、クランプ回路(オフセット調整回路)と、D/A変換器と、を含むアナログ・フロント・エンド回路である。
DFE117は、各画素からAFE116を介して出力されたデジタル信号を入力し、当該デジタル信号に対して、補正や並び替え等のデジタル処理を行うデジタル・フロント・エンド回路である。DFE117は、必要に応じて、後述するメモリ152や不揮発性メモリ156に格納されている補正データを取得し、当該補正データを、デジタル信号の補正処理に使用する。
【0017】
TG118は、撮像素子114、AFE116、及びDFE117にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路である。TG118は、システム制御回路150によって制御される。TG118は、細かくは、複数の系統の基準信号TGsig1、TGsig2を発生できるTG(1)118a、TG(2)118bを備えている。ライブビュー画像の出力時には、撮影画像の表示領域には、TG(1)118aにて生成される基準信号TGsig1より駆動信号が供給される。ライブビュー画像の出力中の画質劣化検出用データの取得時には、TG(2)118bにて生成される基準信号TGsig2より駆動信号が供給される。すなわち、本実施形態の撮像装置では、TG118の動作によって、ライブビュー画像を得る第1の出力モードと、画質劣化検出用データを取得する第2の出力モードとを切り替えることが可能である。
【0018】
画像処理回路120は、DFE117からのデータ、或いはメモリ制御回路122からのデータに対して、所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理回路120は、必要に応じて、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。
メモリ制御回路122は、AFE116、DFE117、TG118、画像処理回路120、画像表示メモリ124、及びメモリ130を制御する。
DFE117からのデータは、画像処理回路120及びメモリ制御回路122を介して、或いは、メモリ制御回路122を介して、画像表示メモリ124或いはメモリ130に書き込まれる。
【0019】
画像処理回路120は、撮像素子114から出力される電荷信号に対し、後述するメモリ152に格納された補正データ等を元に補正をかけると共に、各出力信号に対してカラー変換等の現像処理を行って画像化するものである。
また、本実施形態における画像処理回路120は、データ演算部120aを備え、画像から、焦点の検出と明るさの検出とを行うことができる。さらに、画像処理回路120は、データ演算部120aで検出したデータに基づいて、システム制御回路150を介して、レンズ制御部111へ制御信号を送ることができる。この制御信号により撮影用レンズ110の焦点を調節する動作を行うことができる。
【0020】
画像表示部128は、例えば、TFT方式の液晶表示部を備える。ライブビュー画像の出力時及び動画像の撮影時には、画像表示部128の画面に連続的に画像が表示される。ユーザは、この画像を見ることにより、被写体の動きを確認することができる。
メモリ130は、撮影された静止画像や動画像を格納する。メモリ130は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を有している。
シャッター制御部140は、シャッター112の動作を制御する。
【0021】
AF142は、AF(オートフォーカス)処理を行うための測距手段であるところの測距制御部である。
AE146は、AE(自動露出)処理を行うための測光手段であるところの測光制御部である。フラッシュ部148は、暗時の撮影に使用され、閃光を発生させる。AE146は、フラッシュ部148と連携することにより、フラッシュ撮影機能も有する。
システム制御回路150は、画像処理装置全体を制御する。システム制御回路150は、CPU等を内蔵する。
【0022】
メモリ152は、システム制御回路150の動作用の変数や、プログラム等を記憶する。
不揮発性メモリ156には、後述するプログラム等が格納される。不揮発性メモリ156は、例えば、電気的に消去・記録が可能なフラッシュメモリ等により実現される。不揮発性メモリ156には、各種パラメータやISO感度等の設定値、設定モード、及び各種補正データ等が格納される。
操作部160は、システム制御回路150への各種動作指示を入力するための各種のユーザインタフェースを備える。例えば、操作部160は、メインスイッチ(起動スイッチ)、シャッタースイッチ、及び撮影モード等の切り替えを行うためのモード設定ダイアル等を含む。操作部160に含まれるレリーズスイッチを押し込むことで2つのスイッチ(SW1、SW2)が段階的にONされる。
【0023】
レリーズスイッチの第一段階の操作(SW1 ON)で、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、及びEF(フラッシュ調光)処理等の動作が実施される。そして、第二段階の操作(SW2 ON)で、シャッター制御部140等の制御により、撮像素子114からの信号が、AFE116、DFE117、及びメモリ制御回路122を介して、メモリ130に画像データとして書き込まれ、露光処理が行われる。そして、画像処理回路120やメモリ制御回路122での演算に基づく現像処理と、メモリ130の画像データを圧縮して記録媒体190へ書き込む記録処理とが、一連の処理として開始する。
【0024】
さらに、操作部160は、画像表示部128に被写体を連続的に表示するためのライブビュー動作スイッチと、各種撮影モードの切り替えを行うためのモード設定ダイアルと、単写/連写を切り替える単写/連写スイッチと、を含む。この他、操作部160は、連続的にAF処理・レンズの焦点合わせ処理を繰り返し行うための連続測距動作設定スイッチ、撮影感度を設定するためのISO感度設定スイッチ、及び各種システムに電源を供給するための電源スイッチ等を含む。
【0025】
電源制御部182は、電源部186を制御するものであり、電池検出回路やDC−DCコンバータ等から構成されている。電源部186は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池・NiMH電池・Li電池等の二次電池、又はACアダプタ等からなる電源部である。
記録媒体190は、メモリカードやハードディスク等の着脱可能な記録媒体である。
【0026】
次に、撮像素子114(CMOS撮像素子)の構成の一例について、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、撮像素子114の概略構成の一例を示す図である。撮像素子114は、画素が遮光されているHOB領域(水平オプティカルブラック領域)51と、HOB領域51と同様に画素が遮光されているVOB領域(垂直オプティカルブラック領域)52と、通常の遮光されていない画素エリアである有効部53とを有する。本実施形態では、画質の劣化の検出にあたっては、VOB領域52の出力を用いる。
【0027】
図3は、撮像素子114の単位画素60(1画素分)の回路の一例を示す図である。
フォトダイオード61は、光電変換素子の一例である。フォトダイオード61は、撮影用レンズ110によって結像された光画像を受けて電荷を発生し(光電変換し)蓄積する。以下の説明では、フォトダイオード61を必要に応じてPD61と称する。転送スイッチ62は、MOSトランジスタで構成されている。以下の説明では、転送スイッチ62を必要に応じてTX62と称する。フローティングディフージョン64は、コンデンサになっている。以下の説明では、フローティングディフージョン64を必要に応じてFD64と称する。PD61で蓄積された電荷は、TX62の動作によりFD64に転送されて電圧に変換され、アンプ65からソースフォロワで画素信号として出力される。行選択スイッチ66は、垂直出力線67に画素信号が出力される際に動作する。リセットスイッチ63は、FD64やPD61の電位をリセットする。リセットスイッチ63、アンプ65、及び行選択スイッチ66は、MOSトランジスタで構成されている。
【0028】
図4は、撮像素子114の全体レイアウトの一例を示す図である。
図4に示す例では、図3に示した単位画素60が、二次元のマトリックス状に配置(画素60(1,1)〜60(n,m))される構成となっている。
各単位画素60の蓄積制御は、垂直選択手段であるところの垂直走査回路77a又は77bからの信号により行われる。本実施形態では、垂直走査回路77a、77bはシフトレジスタで構成されている。
【0029】
垂直走査回路77a、77bの基準となる信号は、TG118より送られてくる基準信号TGsig1、TGsig2である。
画素の水平1ライン毎に、垂直走査回路77a、77bの何れの信号を制御信号として使用するかを設定するのが各水平ラインの制御線である。制御線は、TX62を制御する電荷転送制御線TX、リセット制御線RES、及び行選択制御線SELを含む。電荷転送制御線TXには、スイッチ群SWt_x_1、SWt_x_2が接続されている。リセット制御線RESには、スイッチ群SWr_x_1、SWr_x_2が接続されている。行選択制御線SELには、スイッチ群SWs_x_1又は、SWs_x_2が接続されている。ここで、xは、1〜nである(nは2以上の整数であり二次元マトリックスの行数である)。
【0030】
スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1がONしている(閉じている)場合には、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2がOFFのとなり、垂直走査回路77aの制御信号(基準信号TGsig1)で動作する。また、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2がONしている場合には、スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1がOFFとなり、垂直走査回路77bの制御信号(基準信号TGsig2)で動作する。
【0031】
尚、スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1と、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2のON/OFFの設定は、システム制御回路150からの信号によってなされる。スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1とスイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2のうち、何れかのスイッチ群しかONしない構成となっている。
【0032】
垂直走査回路77aからの信号は、転送スイッチ62の制御信号φTXaと、リセットスイッチ63の制御信号φRESaと、及び行選択スイッチ66の制御信号φSELaとを含む。転送スイッチ62の制御信号φTXaは、スイッチ群SWt_x_1を介して各画素60に出力される。リセットスイッチ63の制御信号φRESaは、スイッチ群SWr_x_1を介して各画素60に出力される。行選択スイッチ66の制御信号φSELaは、スイッチ群SWs_x_1を介して各画素60に出力される。
【0033】
一方、垂直走査回路77bからの信号は、転送スイッチ62の制御信号φTXbと、リセットスイッチ63の制御信号φRESbと、行選択スイッチ66の制御信号φSELbとを含む。転送スイッチ62の制御信号φTXbは、スイッチ群SWt_x_2を介して各画素に出力される。リセットスイッチ63の制御信号φRESbは、スイッチ群SWr_x_2を介して各画素に出力される。行選択スイッチ66の制御信号φSELbは、スイッチ群SWs_x_2を介して各画素60に出力される。
【0034】
また、垂直出力線67(y)は、垂直方向に配置されている画素に接続されている。ここで、yは、1〜mである(mは2以上の整数であり二次元マトリックスの列数である)。
垂直出力線67(y)は、1ライン毎に、S−N回路75a又は75bに接続されている。S−N回路75a、75b(75(1)〜75(m))の出力の選択等の制御は水平走査回路76a、76bにより行われる。S−N回路75a、75bには、不図示の読み出し信号ΦPTN、ΦPTSが供給される。S−N回路75a、75bは、この読み出し信号ΦPTN、ΦPTSに基づいて、各々の画素60の信号成分とノイズ成分とを読み出して、差動動作を行い出力アンプ74a、74bへ出力する。出力アンプ74a、74bは、不図示の電流切り替え回路を用いて、駆動能力を変更することが可能である。
【0035】
水平選択手段であるところの水平走査回路76a、76bには、TG(1)118aで生成された基準信号TGsig1、又はTG(2)118bで生成された基準信号TGsig2に伴う信号が送られる。水平走査回路76a、76bは、各々の出力に対応した駆動信号を個別に送ることが出来る。
本実施形態では、水平走査回路76a、76bは、垂直走査回路77a、77bと同様にシフトレジスタで構成されている。
【0036】
また、画質劣化検出用データの出力時には、垂直走査回路77a、77b及び水平走査回路76a、76bにより、全ての画素領域ではなく、画質の劣化の検出に用いる所望の一部の画素領域のみから画素のデータ(画素値)の読み出しが行われる。すなわち、所望の画素領域のみに、垂直走査回路77a、77b及び水平走査回路76a、76bが接続されるように駆動信号の制御が行われる。
【0037】
本実施形態では、画質の劣化の検出時に使用される画素領域は、VOB領域52であり、例えば1、2行目の画素のデータが、画質劣化検出用データとして使用される。すなわち、VOB領域52である1、2行目の画素の選択時に、S−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig2を基準の信号として出力される。S−N回路75からの出力は、出力アンプ74a1、74a2、74b1、74b2を介して後段の処理回路(AFE116等)へ出力される。
出力アンプ74は、4個の出力アンプ74a1、74a2、74b1、74b2を備え、出力経路に応じて、信号が振り分けられて出力される。
【0038】
次に、図5を用いて、ライブビュー動作時における、撮像素子114のローリング蓄積動作の一例を説明する。図5は、ライブビュー動作時における撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
ライブビュー動作時には、1行毎の第1の出力(表示用画像出力)を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。これにより、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー動作時の表示用データであるライブビュー表示用データの1フレーム分の読み出しが行われる。その後、次のフレームのデータの取得開始までの時間として、撮像装置のシステムとして安定した連続動作をするために事前に定められた「フレームレート(例えば30fps等)で動作するための調整期間」であるフレーム調整期間を設ける。このようにすることによって、所定のフレームレートにてライブビュー動作が行われる。
【0039】
図6は、ライブビュー動作時の撮像素子114の1行の詳細な駆動の一例を説明するタイミングチャートである。図6を用いて、図5に示したライブビュー動作中の1行の駆動に対する詳細な動作タイミングの一例を説明する。
最初に、時間T0のタイミングで画素部のリセットが開始する。時間T0において、垂直走査回路77aは、リセットスイッチ63を制御するリセット信号ΦRESa(n)と転送スイッチ62を制御する転送信号ΦTXa(n)とをアクティブにする。これにより、PD61及びFD64はリセットされた状態となる。
【0040】
続いて、時間T1において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)とリセット信号ΦRESa(n)とをオフする。この段階で、PD61への電荷蓄積動作が開始する。
次に、電荷の読み出し直前の時間T2において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)をアクティブにし、時間T3において、リセット信号ΦRESa(n)をオフする。すなわち、時間T2〜T3の期間において、蓄積動作中にFD64に蓄積された暗電流(電荷)をリセットした状態とする。
続いて、時間T4において、垂直走査回路77aは、行選択スイッチ66を制御する行選択信号ΦSELa(n)をアクティブにして、FD64に蓄積された電荷を垂直出力線67へ転送させる。
【0041】
次に、時間T5〜T6の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTN(n)をアクティブにして、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、ノイズ成分を読み出す。すなわち、光信号のないリセット状態での読み込みが行われる。
次に、時間T7〜T8の期間において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)をアクティブにし、PD61に蓄積された電荷をFD64へ転送させる。すなわち、時間T1〜T8の期間が撮像装置としての露光期間(電荷蓄積期間)となる。
【0042】
続いて、時間T8〜T9の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTS(n)をアクティブにし、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、信号成分を読み出す。すなわち、PD61に蓄積され、FD64に転送された光信号の読み込みが行われる。
次に、時間T10において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をオフすると同時に、水平走査回路76は、S−N回路75に対して制御信号を送信する。S−N回路75は、光の蓄積電荷から、FD64のリセット状態のノイズ分の出力を差し引いた信号を、出力アンプ74へ出力する読み出す動作を順次開始する。
【0043】
以上が動画像撮影モードにおける水平方向の一行分の蓄積−読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESa(n+1)、転送信号ΦTXa(n+1)、行選択信号ΦSELa(n+1)、読み出し信号ΦPTN(n+1)、及び読み出し信号ΦPTS(n+1)を用いて前述した動作が行われる。
ここで、ライブビュー表示用の画像出力の取得時の駆動信号は、基準信号TGsig1を基準の信号として出力される。
【0044】
以上がライブビュー動作の基本動作となる。本実施形態では、ライブビュー動作中のフレーム調整期間を利用して、このフレーム調整期間内に収まる様に画質劣化検出用データの出力を得ることで、ライブビュー動作の直後に撮影される静止画像の画質の劣化を予測する。
【0045】
次に、図7を用いて、画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図7は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
まず、図5を用いて説明した様に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いてライブビュー表示用の画像の出力を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー表示用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。
【0046】
次に、フレームレート調整期間内に、画質劣化検出用データを得る動作を行う。ここで、画質劣化検出用データのフレームの取得に際しては、基準信号TGsig2が基準の信号として用いられる。画質劣化検出用データのデータ領域として、VOB領域52の一部、例えば1、2行目の画素領域が用いられる。すなわち、TG118から出力される基準信号TGSig2を基に、まずは、1行目が選択される。そして、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、1行目の画質劣化検出用データが読み出される。
2行目についても1行目と同様の動作により、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。以上により、画質劣化検出用データとして、VOB領域52の2行分のデータが取得される。
【0047】
次に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、ライブビュー表示用の次のフレームの画像出力を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー動作用のデータの1フレーム分の読み出しを行う。以上の動作は、所定のフレームレートにて繰り返され、ライブビュー表示用の画像データの出力と、画質劣化検出用データの出力とが行われる。
【0048】
そして、取得した画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの値の標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合は、画質が劣化していると判定する。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、ライブビュー画像が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、ライブビュー動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0049】
ここで、画質劣化検出用データとしては、直後に撮影される静止画像の画質の劣化を高精度に推測する必要がある。撮像装置の内部の温度上昇によって静止画像の画質の劣化が生じるのは、暗電流によるノイズ等のノイズ量が増大すること等に起因する。このとき、電荷の蓄積時間が増大するほど、暗電流によるノイズによって静止画像の画質の劣化が顕著となる。したがって、電荷の蓄積時間をできるだけ延ばした状態で画質劣化検出用データを取得することで、画質の劣化の検出精度を向上させる事が可能となる。
【0050】
以上のように、本実施形態では、1フレーム内において、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。そして、この画質劣化検出用データを用いて、直後に撮像される静止画像の画質の劣化を検出する。このとき、VOB領域52から画質劣化検出用データを取得する。このため、画像の露出条件とは独立で、フレーム調整期間内に収まる範囲で、電荷の蓄積時間を延ばす事ができる。よって、ライブビューの動作中に、その直後に撮像される静止画像の、撮像装置の内部温度の上昇等に伴う画質の劣化を正確に検出することができる。
ここで、画質の劣化の検出精度を向上させるために、電荷の蓄積時間以外の他の動作条件も通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作時の条件と異ならせても良い。例えば、画質の劣化が顕著となる高いISO感度に設定して画質劣化検出用データを取得してもよい。また、画質の劣化は、電荷の蓄積期間中の撮像装置の内部の発熱量に影響される為、出力アンプ74の駆動電流の大きさを、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作時よりも大きな値に変更して、画質劣化検出用データを取得しても良い。
【0051】
以上のように、本実施形態では、画質劣化検出用データの取得時の条件を、ライブビュー表示用のデータの取得時の条件と独立して変更することが可能である。よって、画質の劣化を検出するのに適した撮像装置の駆動条件を設定し、その駆動条件で撮像装置を駆動して画質劣化検出用データをすることで、画質の劣化の検出を、より高精度に行うことが可能となる。
【0052】
本実施形態は、ライブビュー画像表示モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合に限られるものではない。記録メディアへ動画像を記録する動画撮影モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合においても同様に適用することができる。
また、不図示の温度センサからの出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、1フレーム毎に画質劣化検出用データを取得したが、複数フレームに1回、画質劣化検出用データを取得する構成としても良い。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、フレーム調整期間に画質劣化検出用データを取得するようにした。これに対し、本実施形態では、撮像素子114の一部の領域を、ライブビューの表示用に用いずに、画質の劣化の検出用に用いるようにし、ライビュー表示用のデータの取得期間とフレーム調整期間との双方の期間で画質劣化検出用データを取得する。このようにすることにより、ライブビュー画像のフレームレートにはよらずに、画質劣化検出用データを得るための電荷の蓄積期間をより延ばすことが可能となる。このように本実施形態と第1の実施形態とは、画質劣化検出用データを取得する際の撮像装置の動作の一部が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1の実施形態と同一の部分については図1〜図7に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、例えば、VOB領域52の1、2行目の画素領域は、画質の劣化の検出用のみに使用され、ライブビューの表示用には使用されないようにする。
図8を用いて、画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図8は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を示すタイミングチャートである。
まず、図5を用いて説明した様に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いてライブビュー表示用の画像の出力を得るためのリセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー表示用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。
【0055】
ここで、本実施形態では、ライブビュー表示用の画像データとして使用される画素領域は、VOB領域52の1、2行目を除いた画素領域である。すなわち、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、水平走査回路76a、76b、垂直走査回路77a、77bを駆動して、VOB領域52の1、2行目を除く画素領域が選択される。
【0056】
次に、画質劣化検出用データを得る動作の一例について説明する。画質劣化検出用データの取得に際しては、基準信号TGsig2が基準の信号として用いられる。画質の劣化の検出用に使用されるデータ領域として、VOB領域52の一部(本実施形態の例では、1、2行目)の画素領域が用いられる。すなわち、TG118から出力される基準信号TGSig2を基に、まずは、1行目が選択される。そして、1行目について、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、1行目の画質劣化検出用データが読み出される。
2行目についても1行目と同様の動作により、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。以上により、画質劣化検出用データとして、VOB領域52の2行分のデータが取得される。
【0057】
ここで、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域は、ライブビュー表示用のデータの取得時には使用されない画素領域として設定されている。したがって、図8に示すように、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域については、ライブビュー表示用の画像データの取得に用いられる画素領域とは独立して、電荷の蓄積時間を設定する事が可能である。すなわち、ライブビュー表示用の画像データの画素領域を読み出しているタイミングでも、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域については、電荷の蓄積を継続する。そして、所望の蓄積時間が経過した後に、基準信号TGsig2を用いて、フレーム調整期間内で画質劣化検出用データの取得を継続して行うことができる。
【0058】
そして、取得した画質劣化検出用データから、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合には、画質が劣化していることになる。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、ライブビュー画像(動画像)が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、ライブビュー動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0059】
ここで、本実施形態では、画質の劣化の検出用の画素領域を、ライブビュー画像の表示用の画素領域とは別の独立した領域として設定している。したがって、画質劣化検出用データを得るための電荷の蓄積時間として、ライブビュー画像の1フレーム期間以上の蓄積時間を設定する事ができる。すなわち、1秒、2秒といった長秒での電荷の蓄積も可能である。よって、直後に撮影される静止画像の画質の劣化をより高精度に検出する事が可能となる。
【0060】
本実施形態は、ライブビュー画像表示モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合に限られるものではない。記録メディアへ動画像を記録する動画撮影モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合においても同様に適用することができる。
また、不図示の温度センサ出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、1フレーム毎に画質劣化検出用データを取得したが、複数フレームに1回、画質劣化検出用データを取得する構成としても良い。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、ライブビュー画像の表示、又は動画像の撮影を行っているときに、静止画像の撮影を行う場合の当該静止画像の画質の劣化を検出する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、動画像の撮影を行っているときに、当該動画像の画質の劣化を検出する。このように、本実施形態と第1及び第2の実施形態とは、画質の劣化を検出する対象が異なることによる処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1及び第2の実施形態と同一の部分については図1〜図8に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0062】
まず、撮像装置の全体構成の一例は、図1に示したものと同じである。ただし、第1及び第2の実施形態では、TG118により、ライブビュー画像を得る第1の出力モードと、画質劣化検出用データを取得するための第2の出力モードとを切り替えるようにした。これに対し、すなわち、本実施形態では、TG118により、動画像を撮影して記録メディアへ記録する第1の出力モード(動画撮影モード)と、画質の劣化を検出する(画質劣化検出用データを取得する)第2の出力モード(画質劣化検出モード)とを切り替える。動画撮影モードでは、TG(1)118aにて生成される基準信号TGsig1より駆動信号が供給される。一方、画質劣化検出モードでは、TG(2)118bにて生成される基準信号TGsig2より駆動信号が供給される。
【0063】
また、動画撮影モードにおいて動画像を出力する際には、基準信号TGsig1により生成された不図示の読み出し信号ΦPTNa、ΦPTSaがS−N回路75a、75bに出力される。一方、画質劣化検出モードにおいて画質劣化検出データを出力する際には、基準信号TGsig2により生成された不図示の読み出し信号ΦPTNb、ΦPTSbがS−N回路75a、75bに出力される。
【0064】
また、本実施形態では、動画像撮影モードにおける動画像の出力に使用される画素領域は、画面全体の領域である。すなわち、動画像撮影モードで動画像を出力する際にS−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig1を基準の信号として、後述する光出力用のS−N駆動が行われる。一方、画質劣化検出モードで画質劣化検出用データを取得する際にS−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig2を基準の信号として、画面全体のうち、必要な領域のみ、後述のN−N駆動が行われる。
【0065】
次に、図9を用いて、各出力モード(動画像撮影モード及び画質劣化検出モード)における撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートである。具体的に図9(a)は、動画像撮影モードにおける撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートであり、図9(b)は、画質劣化検出モードにおける撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートである。
まず、図9(a)について説明する。
最初に、時間T0のタイミングで画素部のリセットを開始する。時間T0において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)と転送信号ΦTXa(n)とをアクティブにする。これにより、PD61及びFD64はリセットされた状態となる。
【0066】
続いて、時間T1において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)とリセット信号ΦRESa(n)とをオフする。この段階で、PD61への電荷蓄積動作が開始する。
次に、電荷の読み出し直前の時間T2において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)をアクティブにし、時間T3において、リセット信号ΦRESa(n)をオフする。すなわち、時間T2〜T3の期間において、蓄積動作中にFD64に蓄積された暗電流(電荷)をリセットした状態とする。
続いて、時間T4において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をアクティブにして、FD64に蓄積された電荷を垂直出力線67へ転送させる。
【0067】
次に、時間T5〜T6の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTN(n)をアクティブにして、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、ノイズ成分を読み出す。すなわち、光信号のないリセット状態での読み込みが行われる。
次に、時間T7〜T8の期間において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)をアクティブにし、PD61に蓄積された電荷をFD64へ転送させる。すなわち、時間T1〜T8の期間が撮像装置としての露光期間(電荷蓄積期間)となる。
【0068】
続いて、時間T8〜T9の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTS(n)をアクティブにし、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、信号成分を読み出す。すなわち、PD61に蓄積され、FD64に転送された光信号の読み込みが行われる。
次に、時間T10において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をオフすると同時に、水平走査回路76は、S−N回路75に対して制御信号を送信する。S−N回路75は、光の蓄積電荷から、FD64のリセット状態のノイズ分の出力を差し引いた信号を、出力アンプ74へ出力する読み出す動作を順次開始する。
以上が水平方向の一行分の蓄積−読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESa(n+1)、転送信号ΦTXa(n+1)、行選択信号ΦSELa(n+1)、読み出し信号ΦPTNa(n+1)、及び読み出し信号ΦPTSa(n+1)を用いて前述した動作が行われる。
【0069】
続いて、図9(b)について説明する。
基本的に、転送信号ΦTXb(n)の動作以外は、図9(a)に示したものと同様となる(ΦRESa(n)=ΦRESb(n)、ΦSELa(n)=ΦSELb(n))。図9(a)と異なる部分は、時間T7〜T8の期間で、垂直走査回路77bが、転送信号ΦTXb(n)をアクティブにしない点である。よって、この期間に、PD61に蓄積された電荷はFD64へ転送されない。
【0070】
その為、時間T8〜T9の期間で、水平走査回路76が、読み出し信号ΦPTSb(n)をアクティブにすると、S−N回路75へ読み出される信号は、光信号(PD61に蓄積された電荷)ではなく、リセット電位にあるFD64の電荷となる。
すなわち、図9(b)の動作は、PD61の光出力はなされず、回路系のノイズ成分のみが出力される暗出力モードでの動作ある。
以上が画質劣化検出用モードにおける水平方向の一行分の読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESb(n+1)、転送信号ΦTXb(n+1)、行選択信号ΦSELb(n+1)、読み出し信号ΦPTNb(n+1)、及び読み出し信号ΦPTSb(n+1)を用いて前述した動作が行われる。本実施形態では、撮像装置の内部の温度上昇によって生じる回路系のノイズを含む暗出力データを用いて画質の劣化を検出する。
【0071】
次に、図10を用いて、動画撮影時の画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図10は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
動画像撮影時には、1行毎の第1の出力(表示用画像出力)を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。これにより、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、動画撮影用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。その後、次のフレームのデータの取得開始までの時間として、撮像装置のシステムとして安定した連続動作をするために事前に定められたフレームレート(例えば30fps等)で動作するための調整期間であるフレーム調整期間を設ける。このようにすることによって、所定のフレームレートにて動画像の撮影動作が行われる。
本実施形態では、このフレーム調整期間を利用して、このフレーム期間内に収まる様に、画質劣化検出用データ(暗出力データ)を得、この画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を予測する。
まず、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、動画撮影用の画像の出力を得るためのリセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、水平走査回路76を用いて、動画撮影用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。ここで、基準信号TGsig1を用いて、S−N駆動モードにより、動画撮影用の画像データ(光出力画像)の出力を得る。
【0072】
次に、フレームレート調整期間内に、画質劣化検出用データを得る動作を行う。ここでは、基準信号TGsig2を基準の信号として用いて、N−N駆動モードにより、画質劣化検出用データの出力(暗出力)を得る。
撮像素子114全体の画質の劣化を正確に検出する為に、画質劣化検出用データのデータ領域を、撮像素子114の全画素領域とする必要がある。しかしながら、事前に定められたフレームレートを満足する為には、フレームレート調整期間内に撮像素子114の全画素領域の出力を取得することができない。そこで、本実施形態では、撮像素子114の全画素領域のうち、フレームレート調整期間内に収まる画素領域のデータを取得する。すなわち、1フレーム期間内では、撮像素子114の一部分の画素領域を指定して当該指定した画素領域から画像劣化検出用データを取得する。そして、フレーム毎に、画素領域の変更を行い、複数フレームの期間を掛けて、撮像素子114の全画素領域から画質劣化検出用データを取得する(図10の「R1領域データ N−N読出」、「R2領域データ N−N読出」を参照)。
【0073】
図11は、画質劣化検出用データの取得単位である画素領域の一例を示す図である。図11に示す例では、撮像素子114の全画素領域を水平方向に6分割、垂直方向に5分割し、30の画素領域に分割している。
本実施形態では、最初の1フレーム目のフレーム調整期間には、画素領域R1の画質劣化検出用データが取得される。次のフレームのフレーム調整期間には、画素領域R2のデータを取得する。この様に、画質劣化検出用データを取得する画素領域を順次切り替えることにより、30フレームを1周期として、撮像素子114の全画素領域の暗出力データを画質劣化検出用データとして取得することができる。したがって、撮像素子114の温度分布が不均一であり、撮像素子114の場所により画質の劣化の程度が異なる場合においても、正確に画質の劣化を検出することが可能となる。
【0074】
そして、取得した各画素領域Ri(i=1〜30)の画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合は、画質が劣化していると判定する。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、動画像が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、動画像の撮影動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0075】
以上のように、本実施形態では、1フレーム内において、動画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。このとき、1フレーム調整期間で取得できる画質劣化検出用データを複数の画素領域から取得することを、複数のフレーム期間において順次行って、撮像素子114の全ての画素領域から画質劣化検出用データを取得する。したがって、動画像の撮影の際に、撮像装置の操作感を損なうことなく、撮像素子114全体の画質の劣化を正確に検出することができる。
【0076】
ここで、本実施形態では、撮像素子114の画素領域を順次切り替えて、撮像素子114の全画素領域の画質劣化検出用データを取得する例を説明した。しかしながら、例えば、撮像素子114の温度分布の特徴を抽出するのに適した画素領域の画質劣化検出用データのみを取得する構成としても良い。例えば、撮像素子114の四隅と中央部に相当する領域(図11に示す例では、画素領域R1、R5、R13、R18、R26、R30)を順次取得する様にしても良い。
また、不図示の温度センサ出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
【0077】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、動画像を電子ズームにより拡大して撮影しているときに、当該動画像の画質の劣化を検出する。このように、第3の実施形態では、拡大されていない動画像の画質の劣化を検出するのに対し、本実施形態では、電子ズームにより拡大された動画像の画質の劣化を検出する点が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1〜第3の実施形態と同一の部分については図1〜図11に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0078】
本実施形態では、電子ズームによる動画撮影時に、電子ズーム領域に連動して、画質劣化検出用データを取得する画素領域を変更する点が第3の実施形態と異なる。
図12は、動画撮影時の電子ズーム領域と(図12(a))、画質劣化検出用データを取得する画素領域(図12(b))の一例を示す図である。
図12(a)に示すように、動画撮影時の電子ズームの操作により、図12(a)の斜線で示す画素領域(画素領域R7〜R10、R12〜R15、R17〜R20、R22〜R25)のみを電子ズーム領域として使用して、動画撮影時の画像データが読み出される。このとき、フレームレート調整期間内に取得する画質劣化検出用データの画素領域を、電子ズーム領域に連動して変更する。すなわち、図12(b)に示すように、図12(b)のグレーで塗りつぶした画素領域(画素領域R7〜R10、R12〜R15、R17〜R20、R22〜R25)に相当する箇所のみ画質劣化検出用データを取得する。すなわち、最初のフレームでは、画素領域R7の画質劣化検出用データを取得し、次のフレームでは、画素領域R8の画質劣化検出用データを取得する。そして、順次、図12(b)の灰色で塗りつぶした画素領域に相当する箇所の全てから画質劣化検出用データの取得を行う。これにより、撮像素子114の全画素領域の画質劣化検出用データを取得する場合と比較して、より少ないフレーム期間で、動画撮影時に使用している画像データに対応する画素領域の画質の劣化を検出することが可能となる。よって、より短い時間で、画質の劣化を正確に検出することが可能となる。
【0079】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0080】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
【符号の説明】
【0081】
114 撮像素子、120 画像処理回路、128 画像表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、撮像された画像の画質の劣化を検出するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を使用したディジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置が普及している。
このような撮像装置として、静止画像を記録する静止画撮影モードと、撮像動作を繰り返して表示又は記録する撮影モード(いわゆる動画撮影モード)とを切り替えて、各撮影モードを併用できるものも増えてきている。
【0003】
近年は、撮像装置の操作性の向上のため、ライブビュー機能を備えた撮像装置も一般化してきている。ライブビュー機能は、動画撮影モードを使用して、得られた画像を繰り返し表示し、被写体を確認することができるようにする機能である。
動画像の撮影の動作時間が長くなったり、ライブビューの動作時間が長くなったりすると、撮像素子等のカメラ内部のデバイスが発熱し、カメラの内部温度が上昇する。カメラの内部温度の上昇により撮像素子においては、暗電流ノイズ等のノイズ量が増大し、このノイズにより画質の低下を招くという課題がある。
【0004】
この課題に対して、特許文献1では、温度センサを用いて撮像素子の温度を検出し、検出した温度情報に基づいて画質の劣化を予測し、ライブビュー動作の制限又は警告を行う撮像装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−033508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、温度センサを用いて画質の劣化の予測を行う場合、撮像素子に近接させて温度センサを配置する必要がある。また、温度センサの検出バラツキを考慮して、画質の劣化を予測する必要がある。このため、実際の画質の劣化よりも早いタイミングで、ライブビューの動作の制限又は警告を行う必要がある。
【0007】
また、デジタル一眼レフカメラに搭載されているような、大型の撮像素子においては、撮像素子の内部の回路レイアウト等により、撮像素子の温度分布が一様とならない場合が多い。したがって、撮像素子の温度の検出結果に基づいて画質の劣化を正確に検出するためには、撮像素子全体の温度分布を正確に把握する必要がある。
したがって、特許文献1に記載の技術のように温度センサを用いて撮像素子の温度分布を正確に検出するためには、複数の温度センサを撮像素子に近接させて配置する必要がある。このため、部品点数の増加や、温度センサを配置するスペースの確保という課題があった。また、複数の温度センサを用いて、撮像素子の近傍の温度分布を測定した場合であっても、その温度分布は撮像素子自体の温度分布ではない。よって、その温度分布を用いて画質の劣化を予測したとしても、画質の劣化の正確な予測が困難であるという課題がある。
【0008】
また、このような課題に対しては、撮像した画像に基づいて画質の劣化を検出することが考えられる。被写体が撮像されている画像では、精度の高い画質の劣化の予測をすることは困難であるため、暗出力を取得する必要がある。しかしながら、動画像等の連続動作の状態で暗出力を出す為にメカニカルなシャッターを閉じることは困難である。よって、撮像素子内で光学的に遮光されているオプティカルブラック部等の一部の領域のみの暗出力しか得ることができず、撮像素子全体の画質の劣化を予測することは困難であった。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、撮像される画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
具体的には、例えば、動画像又はライブビュー画像の撮影中に、その直後に撮像される静止画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
また、例えば、動画像の撮影の際に、撮像素子全体において動画像の画質の劣化を正確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素と、前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力手段と、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出手段と、を有し、前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像される画像の画質の劣化を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】撮像装置の全体構成を示す図である。
【図2】撮像素子の概略構成を示す図である。
【図3】撮像素子の単位画素の回路を示す図である。
【図4】撮像素子の全体レイアウトを示す図である。
【図5】ライブビュー動作時の撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】ライブビュー動作時の撮像素子の1行の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第1の例を示すタイミングチャートである。
【図8】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第2の例を示すタイミングチャートである。
【図9】各出力モードにおける撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子の動作の第3の例を示すタイミングチャートである。
【図11】画質劣化検出用データの取得単位である画素領域を示す図である。
【図12】動画撮影時の電子ズーム領域と、画質劣化検出用データを取得する画素領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、撮像装置の全体構成の一例を示す図である。
図1において、撮影用レンズ110には不図示のモータが備えられている。後述するAF142の処理結果に応じて、当該モータを駆動して、撮影用レンズ110の焦点を合わせる機構が撮像装置に備えられている。
【0014】
レンズ制御部111は、撮影用レンズ110からの情報をシステム制御回路150に伝達すると共に、撮影用レンズ110の動作の制御を行う。
レンズ制御部111は、制御信号発生手段を含んでいる。撮影用レンズ110の焦点を調整する動作等のモータ駆動は、当該制御信号発生手段で得られるパルス信号によって行われる。
シャッター112は、撮像素子114の露光量を制御する。シャッター112は、周知のメカニカルなシャッターでも、電気的に遮光することの出来る液晶シャッター等でもよい。
【0015】
撮像素子114は、光学像を電気信号に変換する。本実施形態では、撮像素子114として、例えばCMOS撮像素子を使用している。撮像素子114の内部構成は、図3を参照しながら後述する。
LPF115は、撮影用レンズ110を透過してきた光の余分な波長(色再現に影響する不要となる波長)をカットするためのローパスフィルタである。LPF115は、撮影用レンズ110と撮像素子114との間に配設されている。
【0016】
AFE116は、撮像素子114から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、クランプ回路(オフセット調整回路)と、D/A変換器と、を含むアナログ・フロント・エンド回路である。
DFE117は、各画素からAFE116を介して出力されたデジタル信号を入力し、当該デジタル信号に対して、補正や並び替え等のデジタル処理を行うデジタル・フロント・エンド回路である。DFE117は、必要に応じて、後述するメモリ152や不揮発性メモリ156に格納されている補正データを取得し、当該補正データを、デジタル信号の補正処理に使用する。
【0017】
TG118は、撮像素子114、AFE116、及びDFE117にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路である。TG118は、システム制御回路150によって制御される。TG118は、細かくは、複数の系統の基準信号TGsig1、TGsig2を発生できるTG(1)118a、TG(2)118bを備えている。ライブビュー画像の出力時には、撮影画像の表示領域には、TG(1)118aにて生成される基準信号TGsig1より駆動信号が供給される。ライブビュー画像の出力中の画質劣化検出用データの取得時には、TG(2)118bにて生成される基準信号TGsig2より駆動信号が供給される。すなわち、本実施形態の撮像装置では、TG118の動作によって、ライブビュー画像を得る第1の出力モードと、画質劣化検出用データを取得する第2の出力モードとを切り替えることが可能である。
【0018】
画像処理回路120は、DFE117からのデータ、或いはメモリ制御回路122からのデータに対して、所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理回路120は、必要に応じて、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。
メモリ制御回路122は、AFE116、DFE117、TG118、画像処理回路120、画像表示メモリ124、及びメモリ130を制御する。
DFE117からのデータは、画像処理回路120及びメモリ制御回路122を介して、或いは、メモリ制御回路122を介して、画像表示メモリ124或いはメモリ130に書き込まれる。
【0019】
画像処理回路120は、撮像素子114から出力される電荷信号に対し、後述するメモリ152に格納された補正データ等を元に補正をかけると共に、各出力信号に対してカラー変換等の現像処理を行って画像化するものである。
また、本実施形態における画像処理回路120は、データ演算部120aを備え、画像から、焦点の検出と明るさの検出とを行うことができる。さらに、画像処理回路120は、データ演算部120aで検出したデータに基づいて、システム制御回路150を介して、レンズ制御部111へ制御信号を送ることができる。この制御信号により撮影用レンズ110の焦点を調節する動作を行うことができる。
【0020】
画像表示部128は、例えば、TFT方式の液晶表示部を備える。ライブビュー画像の出力時及び動画像の撮影時には、画像表示部128の画面に連続的に画像が表示される。ユーザは、この画像を見ることにより、被写体の動きを確認することができる。
メモリ130は、撮影された静止画像や動画像を格納する。メモリ130は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を有している。
シャッター制御部140は、シャッター112の動作を制御する。
【0021】
AF142は、AF(オートフォーカス)処理を行うための測距手段であるところの測距制御部である。
AE146は、AE(自動露出)処理を行うための測光手段であるところの測光制御部である。フラッシュ部148は、暗時の撮影に使用され、閃光を発生させる。AE146は、フラッシュ部148と連携することにより、フラッシュ撮影機能も有する。
システム制御回路150は、画像処理装置全体を制御する。システム制御回路150は、CPU等を内蔵する。
【0022】
メモリ152は、システム制御回路150の動作用の変数や、プログラム等を記憶する。
不揮発性メモリ156には、後述するプログラム等が格納される。不揮発性メモリ156は、例えば、電気的に消去・記録が可能なフラッシュメモリ等により実現される。不揮発性メモリ156には、各種パラメータやISO感度等の設定値、設定モード、及び各種補正データ等が格納される。
操作部160は、システム制御回路150への各種動作指示を入力するための各種のユーザインタフェースを備える。例えば、操作部160は、メインスイッチ(起動スイッチ)、シャッタースイッチ、及び撮影モード等の切り替えを行うためのモード設定ダイアル等を含む。操作部160に含まれるレリーズスイッチを押し込むことで2つのスイッチ(SW1、SW2)が段階的にONされる。
【0023】
レリーズスイッチの第一段階の操作(SW1 ON)で、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、及びEF(フラッシュ調光)処理等の動作が実施される。そして、第二段階の操作(SW2 ON)で、シャッター制御部140等の制御により、撮像素子114からの信号が、AFE116、DFE117、及びメモリ制御回路122を介して、メモリ130に画像データとして書き込まれ、露光処理が行われる。そして、画像処理回路120やメモリ制御回路122での演算に基づく現像処理と、メモリ130の画像データを圧縮して記録媒体190へ書き込む記録処理とが、一連の処理として開始する。
【0024】
さらに、操作部160は、画像表示部128に被写体を連続的に表示するためのライブビュー動作スイッチと、各種撮影モードの切り替えを行うためのモード設定ダイアルと、単写/連写を切り替える単写/連写スイッチと、を含む。この他、操作部160は、連続的にAF処理・レンズの焦点合わせ処理を繰り返し行うための連続測距動作設定スイッチ、撮影感度を設定するためのISO感度設定スイッチ、及び各種システムに電源を供給するための電源スイッチ等を含む。
【0025】
電源制御部182は、電源部186を制御するものであり、電池検出回路やDC−DCコンバータ等から構成されている。電源部186は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池・NiMH電池・Li電池等の二次電池、又はACアダプタ等からなる電源部である。
記録媒体190は、メモリカードやハードディスク等の着脱可能な記録媒体である。
【0026】
次に、撮像素子114(CMOS撮像素子)の構成の一例について、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、撮像素子114の概略構成の一例を示す図である。撮像素子114は、画素が遮光されているHOB領域(水平オプティカルブラック領域)51と、HOB領域51と同様に画素が遮光されているVOB領域(垂直オプティカルブラック領域)52と、通常の遮光されていない画素エリアである有効部53とを有する。本実施形態では、画質の劣化の検出にあたっては、VOB領域52の出力を用いる。
【0027】
図3は、撮像素子114の単位画素60(1画素分)の回路の一例を示す図である。
フォトダイオード61は、光電変換素子の一例である。フォトダイオード61は、撮影用レンズ110によって結像された光画像を受けて電荷を発生し(光電変換し)蓄積する。以下の説明では、フォトダイオード61を必要に応じてPD61と称する。転送スイッチ62は、MOSトランジスタで構成されている。以下の説明では、転送スイッチ62を必要に応じてTX62と称する。フローティングディフージョン64は、コンデンサになっている。以下の説明では、フローティングディフージョン64を必要に応じてFD64と称する。PD61で蓄積された電荷は、TX62の動作によりFD64に転送されて電圧に変換され、アンプ65からソースフォロワで画素信号として出力される。行選択スイッチ66は、垂直出力線67に画素信号が出力される際に動作する。リセットスイッチ63は、FD64やPD61の電位をリセットする。リセットスイッチ63、アンプ65、及び行選択スイッチ66は、MOSトランジスタで構成されている。
【0028】
図4は、撮像素子114の全体レイアウトの一例を示す図である。
図4に示す例では、図3に示した単位画素60が、二次元のマトリックス状に配置(画素60(1,1)〜60(n,m))される構成となっている。
各単位画素60の蓄積制御は、垂直選択手段であるところの垂直走査回路77a又は77bからの信号により行われる。本実施形態では、垂直走査回路77a、77bはシフトレジスタで構成されている。
【0029】
垂直走査回路77a、77bの基準となる信号は、TG118より送られてくる基準信号TGsig1、TGsig2である。
画素の水平1ライン毎に、垂直走査回路77a、77bの何れの信号を制御信号として使用するかを設定するのが各水平ラインの制御線である。制御線は、TX62を制御する電荷転送制御線TX、リセット制御線RES、及び行選択制御線SELを含む。電荷転送制御線TXには、スイッチ群SWt_x_1、SWt_x_2が接続されている。リセット制御線RESには、スイッチ群SWr_x_1、SWr_x_2が接続されている。行選択制御線SELには、スイッチ群SWs_x_1又は、SWs_x_2が接続されている。ここで、xは、1〜nである(nは2以上の整数であり二次元マトリックスの行数である)。
【0030】
スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1がONしている(閉じている)場合には、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2がOFFのとなり、垂直走査回路77aの制御信号(基準信号TGsig1)で動作する。また、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2がONしている場合には、スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1がOFFとなり、垂直走査回路77bの制御信号(基準信号TGsig2)で動作する。
【0031】
尚、スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1と、スイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2のON/OFFの設定は、システム制御回路150からの信号によってなされる。スイッチ群SWt_x_1、SWr_x_1、SWs_x_1とスイッチ群SWt_x_2、SWr_x_2、SWs_x_2のうち、何れかのスイッチ群しかONしない構成となっている。
【0032】
垂直走査回路77aからの信号は、転送スイッチ62の制御信号φTXaと、リセットスイッチ63の制御信号φRESaと、及び行選択スイッチ66の制御信号φSELaとを含む。転送スイッチ62の制御信号φTXaは、スイッチ群SWt_x_1を介して各画素60に出力される。リセットスイッチ63の制御信号φRESaは、スイッチ群SWr_x_1を介して各画素60に出力される。行選択スイッチ66の制御信号φSELaは、スイッチ群SWs_x_1を介して各画素60に出力される。
【0033】
一方、垂直走査回路77bからの信号は、転送スイッチ62の制御信号φTXbと、リセットスイッチ63の制御信号φRESbと、行選択スイッチ66の制御信号φSELbとを含む。転送スイッチ62の制御信号φTXbは、スイッチ群SWt_x_2を介して各画素に出力される。リセットスイッチ63の制御信号φRESbは、スイッチ群SWr_x_2を介して各画素に出力される。行選択スイッチ66の制御信号φSELbは、スイッチ群SWs_x_2を介して各画素60に出力される。
【0034】
また、垂直出力線67(y)は、垂直方向に配置されている画素に接続されている。ここで、yは、1〜mである(mは2以上の整数であり二次元マトリックスの列数である)。
垂直出力線67(y)は、1ライン毎に、S−N回路75a又は75bに接続されている。S−N回路75a、75b(75(1)〜75(m))の出力の選択等の制御は水平走査回路76a、76bにより行われる。S−N回路75a、75bには、不図示の読み出し信号ΦPTN、ΦPTSが供給される。S−N回路75a、75bは、この読み出し信号ΦPTN、ΦPTSに基づいて、各々の画素60の信号成分とノイズ成分とを読み出して、差動動作を行い出力アンプ74a、74bへ出力する。出力アンプ74a、74bは、不図示の電流切り替え回路を用いて、駆動能力を変更することが可能である。
【0035】
水平選択手段であるところの水平走査回路76a、76bには、TG(1)118aで生成された基準信号TGsig1、又はTG(2)118bで生成された基準信号TGsig2に伴う信号が送られる。水平走査回路76a、76bは、各々の出力に対応した駆動信号を個別に送ることが出来る。
本実施形態では、水平走査回路76a、76bは、垂直走査回路77a、77bと同様にシフトレジスタで構成されている。
【0036】
また、画質劣化検出用データの出力時には、垂直走査回路77a、77b及び水平走査回路76a、76bにより、全ての画素領域ではなく、画質の劣化の検出に用いる所望の一部の画素領域のみから画素のデータ(画素値)の読み出しが行われる。すなわち、所望の画素領域のみに、垂直走査回路77a、77b及び水平走査回路76a、76bが接続されるように駆動信号の制御が行われる。
【0037】
本実施形態では、画質の劣化の検出時に使用される画素領域は、VOB領域52であり、例えば1、2行目の画素のデータが、画質劣化検出用データとして使用される。すなわち、VOB領域52である1、2行目の画素の選択時に、S−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig2を基準の信号として出力される。S−N回路75からの出力は、出力アンプ74a1、74a2、74b1、74b2を介して後段の処理回路(AFE116等)へ出力される。
出力アンプ74は、4個の出力アンプ74a1、74a2、74b1、74b2を備え、出力経路に応じて、信号が振り分けられて出力される。
【0038】
次に、図5を用いて、ライブビュー動作時における、撮像素子114のローリング蓄積動作の一例を説明する。図5は、ライブビュー動作時における撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
ライブビュー動作時には、1行毎の第1の出力(表示用画像出力)を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。これにより、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー動作時の表示用データであるライブビュー表示用データの1フレーム分の読み出しが行われる。その後、次のフレームのデータの取得開始までの時間として、撮像装置のシステムとして安定した連続動作をするために事前に定められた「フレームレート(例えば30fps等)で動作するための調整期間」であるフレーム調整期間を設ける。このようにすることによって、所定のフレームレートにてライブビュー動作が行われる。
【0039】
図6は、ライブビュー動作時の撮像素子114の1行の詳細な駆動の一例を説明するタイミングチャートである。図6を用いて、図5に示したライブビュー動作中の1行の駆動に対する詳細な動作タイミングの一例を説明する。
最初に、時間T0のタイミングで画素部のリセットが開始する。時間T0において、垂直走査回路77aは、リセットスイッチ63を制御するリセット信号ΦRESa(n)と転送スイッチ62を制御する転送信号ΦTXa(n)とをアクティブにする。これにより、PD61及びFD64はリセットされた状態となる。
【0040】
続いて、時間T1において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)とリセット信号ΦRESa(n)とをオフする。この段階で、PD61への電荷蓄積動作が開始する。
次に、電荷の読み出し直前の時間T2において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)をアクティブにし、時間T3において、リセット信号ΦRESa(n)をオフする。すなわち、時間T2〜T3の期間において、蓄積動作中にFD64に蓄積された暗電流(電荷)をリセットした状態とする。
続いて、時間T4において、垂直走査回路77aは、行選択スイッチ66を制御する行選択信号ΦSELa(n)をアクティブにして、FD64に蓄積された電荷を垂直出力線67へ転送させる。
【0041】
次に、時間T5〜T6の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTN(n)をアクティブにして、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、ノイズ成分を読み出す。すなわち、光信号のないリセット状態での読み込みが行われる。
次に、時間T7〜T8の期間において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)をアクティブにし、PD61に蓄積された電荷をFD64へ転送させる。すなわち、時間T1〜T8の期間が撮像装置としての露光期間(電荷蓄積期間)となる。
【0042】
続いて、時間T8〜T9の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTS(n)をアクティブにし、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、信号成分を読み出す。すなわち、PD61に蓄積され、FD64に転送された光信号の読み込みが行われる。
次に、時間T10において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をオフすると同時に、水平走査回路76は、S−N回路75に対して制御信号を送信する。S−N回路75は、光の蓄積電荷から、FD64のリセット状態のノイズ分の出力を差し引いた信号を、出力アンプ74へ出力する読み出す動作を順次開始する。
【0043】
以上が動画像撮影モードにおける水平方向の一行分の蓄積−読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESa(n+1)、転送信号ΦTXa(n+1)、行選択信号ΦSELa(n+1)、読み出し信号ΦPTN(n+1)、及び読み出し信号ΦPTS(n+1)を用いて前述した動作が行われる。
ここで、ライブビュー表示用の画像出力の取得時の駆動信号は、基準信号TGsig1を基準の信号として出力される。
【0044】
以上がライブビュー動作の基本動作となる。本実施形態では、ライブビュー動作中のフレーム調整期間を利用して、このフレーム調整期間内に収まる様に画質劣化検出用データの出力を得ることで、ライブビュー動作の直後に撮影される静止画像の画質の劣化を予測する。
【0045】
次に、図7を用いて、画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図7は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
まず、図5を用いて説明した様に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いてライブビュー表示用の画像の出力を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー表示用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。
【0046】
次に、フレームレート調整期間内に、画質劣化検出用データを得る動作を行う。ここで、画質劣化検出用データのフレームの取得に際しては、基準信号TGsig2が基準の信号として用いられる。画質劣化検出用データのデータ領域として、VOB領域52の一部、例えば1、2行目の画素領域が用いられる。すなわち、TG118から出力される基準信号TGSig2を基に、まずは、1行目が選択される。そして、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、1行目の画質劣化検出用データが読み出される。
2行目についても1行目と同様の動作により、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。以上により、画質劣化検出用データとして、VOB領域52の2行分のデータが取得される。
【0047】
次に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、ライブビュー表示用の次のフレームの画像出力を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー動作用のデータの1フレーム分の読み出しを行う。以上の動作は、所定のフレームレートにて繰り返され、ライブビュー表示用の画像データの出力と、画質劣化検出用データの出力とが行われる。
【0048】
そして、取得した画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの値の標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合は、画質が劣化していると判定する。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、ライブビュー画像が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、ライブビュー動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0049】
ここで、画質劣化検出用データとしては、直後に撮影される静止画像の画質の劣化を高精度に推測する必要がある。撮像装置の内部の温度上昇によって静止画像の画質の劣化が生じるのは、暗電流によるノイズ等のノイズ量が増大すること等に起因する。このとき、電荷の蓄積時間が増大するほど、暗電流によるノイズによって静止画像の画質の劣化が顕著となる。したがって、電荷の蓄積時間をできるだけ延ばした状態で画質劣化検出用データを取得することで、画質の劣化の検出精度を向上させる事が可能となる。
【0050】
以上のように、本実施形態では、1フレーム内において、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。そして、この画質劣化検出用データを用いて、直後に撮像される静止画像の画質の劣化を検出する。このとき、VOB領域52から画質劣化検出用データを取得する。このため、画像の露出条件とは独立で、フレーム調整期間内に収まる範囲で、電荷の蓄積時間を延ばす事ができる。よって、ライブビューの動作中に、その直後に撮像される静止画像の、撮像装置の内部温度の上昇等に伴う画質の劣化を正確に検出することができる。
ここで、画質の劣化の検出精度を向上させるために、電荷の蓄積時間以外の他の動作条件も通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作時の条件と異ならせても良い。例えば、画質の劣化が顕著となる高いISO感度に設定して画質劣化検出用データを取得してもよい。また、画質の劣化は、電荷の蓄積期間中の撮像装置の内部の発熱量に影響される為、出力アンプ74の駆動電流の大きさを、通常のライブビュー表示用の画像を得る為の出力動作時よりも大きな値に変更して、画質劣化検出用データを取得しても良い。
【0051】
以上のように、本実施形態では、画質劣化検出用データの取得時の条件を、ライブビュー表示用のデータの取得時の条件と独立して変更することが可能である。よって、画質の劣化を検出するのに適した撮像装置の駆動条件を設定し、その駆動条件で撮像装置を駆動して画質劣化検出用データをすることで、画質の劣化の検出を、より高精度に行うことが可能となる。
【0052】
本実施形態は、ライブビュー画像表示モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合に限られるものではない。記録メディアへ動画像を記録する動画撮影モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合においても同様に適用することができる。
また、不図示の温度センサからの出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、1フレーム毎に画質劣化検出用データを取得したが、複数フレームに1回、画質劣化検出用データを取得する構成としても良い。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、フレーム調整期間に画質劣化検出用データを取得するようにした。これに対し、本実施形態では、撮像素子114の一部の領域を、ライブビューの表示用に用いずに、画質の劣化の検出用に用いるようにし、ライビュー表示用のデータの取得期間とフレーム調整期間との双方の期間で画質劣化検出用データを取得する。このようにすることにより、ライブビュー画像のフレームレートにはよらずに、画質劣化検出用データを得るための電荷の蓄積期間をより延ばすことが可能となる。このように本実施形態と第1の実施形態とは、画質劣化検出用データを取得する際の撮像装置の動作の一部が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1の実施形態と同一の部分については図1〜図7に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、例えば、VOB領域52の1、2行目の画素領域は、画質の劣化の検出用のみに使用され、ライブビューの表示用には使用されないようにする。
図8を用いて、画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図8は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を示すタイミングチャートである。
まず、図5を用いて説明した様に、基準信号TGsig1を基準の信号として用いてライブビュー表示用の画像の出力を得るためのリセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、ライブビュー表示用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。
【0055】
ここで、本実施形態では、ライブビュー表示用の画像データとして使用される画素領域は、VOB領域52の1、2行目を除いた画素領域である。すなわち、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、水平走査回路76a、76b、垂直走査回路77a、77bを駆動して、VOB領域52の1、2行目を除く画素領域が選択される。
【0056】
次に、画質劣化検出用データを得る動作の一例について説明する。画質劣化検出用データの取得に際しては、基準信号TGsig2が基準の信号として用いられる。画質の劣化の検出用に使用されるデータ領域として、VOB領域52の一部(本実施形態の例では、1、2行目)の画素領域が用いられる。すなわち、TG118から出力される基準信号TGSig2を基に、まずは、1行目が選択される。そして、1行目について、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、1行目の画質劣化検出用データが読み出される。
2行目についても1行目と同様の動作により、リセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。以上により、画質劣化検出用データとして、VOB領域52の2行分のデータが取得される。
【0057】
ここで、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域は、ライブビュー表示用のデータの取得時には使用されない画素領域として設定されている。したがって、図8に示すように、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域については、ライブビュー表示用の画像データの取得に用いられる画素領域とは独立して、電荷の蓄積時間を設定する事が可能である。すなわち、ライブビュー表示用の画像データの画素領域を読み出しているタイミングでも、VOB領域52の1、2行目の2行分の画素領域については、電荷の蓄積を継続する。そして、所望の蓄積時間が経過した後に、基準信号TGsig2を用いて、フレーム調整期間内で画質劣化検出用データの取得を継続して行うことができる。
【0058】
そして、取得した画質劣化検出用データから、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合には、画質が劣化していることになる。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、ライブビュー画像(動画像)が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、ライブビュー動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0059】
ここで、本実施形態では、画質の劣化の検出用の画素領域を、ライブビュー画像の表示用の画素領域とは別の独立した領域として設定している。したがって、画質劣化検出用データを得るための電荷の蓄積時間として、ライブビュー画像の1フレーム期間以上の蓄積時間を設定する事ができる。すなわち、1秒、2秒といった長秒での電荷の蓄積も可能である。よって、直後に撮影される静止画像の画質の劣化をより高精度に検出する事が可能となる。
【0060】
本実施形態は、ライブビュー画像表示モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合に限られるものではない。記録メディアへ動画像を記録する動画撮影モードから静止画撮影モードに出力モードを切り替える場合においても同様に適用することができる。
また、不図示の温度センサ出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、1フレーム毎に画質劣化検出用データを取得したが、複数フレームに1回、画質劣化検出用データを取得する構成としても良い。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態では、ライブビュー画像の表示、又は動画像の撮影を行っているときに、静止画像の撮影を行う場合の当該静止画像の画質の劣化を検出する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、動画像の撮影を行っているときに、当該動画像の画質の劣化を検出する。このように、本実施形態と第1及び第2の実施形態とは、画質の劣化を検出する対象が異なることによる処理が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1及び第2の実施形態と同一の部分については図1〜図8に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0062】
まず、撮像装置の全体構成の一例は、図1に示したものと同じである。ただし、第1及び第2の実施形態では、TG118により、ライブビュー画像を得る第1の出力モードと、画質劣化検出用データを取得するための第2の出力モードとを切り替えるようにした。これに対し、すなわち、本実施形態では、TG118により、動画像を撮影して記録メディアへ記録する第1の出力モード(動画撮影モード)と、画質の劣化を検出する(画質劣化検出用データを取得する)第2の出力モード(画質劣化検出モード)とを切り替える。動画撮影モードでは、TG(1)118aにて生成される基準信号TGsig1より駆動信号が供給される。一方、画質劣化検出モードでは、TG(2)118bにて生成される基準信号TGsig2より駆動信号が供給される。
【0063】
また、動画撮影モードにおいて動画像を出力する際には、基準信号TGsig1により生成された不図示の読み出し信号ΦPTNa、ΦPTSaがS−N回路75a、75bに出力される。一方、画質劣化検出モードにおいて画質劣化検出データを出力する際には、基準信号TGsig2により生成された不図示の読み出し信号ΦPTNb、ΦPTSbがS−N回路75a、75bに出力される。
【0064】
また、本実施形態では、動画像撮影モードにおける動画像の出力に使用される画素領域は、画面全体の領域である。すなわち、動画像撮影モードで動画像を出力する際にS−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig1を基準の信号として、後述する光出力用のS−N駆動が行われる。一方、画質劣化検出モードで画質劣化検出用データを取得する際にS−N回路75(1)、75(m)等に送られる駆動信号は、基準信号TGsig2を基準の信号として、画面全体のうち、必要な領域のみ、後述のN−N駆動が行われる。
【0065】
次に、図9を用いて、各出力モード(動画像撮影モード及び画質劣化検出モード)における撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートである。具体的に図9(a)は、動画像撮影モードにおける撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートであり、図9(b)は、画質劣化検出モードにおける撮像素子114の動作の一例を説明するタイミングチャートである。
まず、図9(a)について説明する。
最初に、時間T0のタイミングで画素部のリセットを開始する。時間T0において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)と転送信号ΦTXa(n)とをアクティブにする。これにより、PD61及びFD64はリセットされた状態となる。
【0066】
続いて、時間T1において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)とリセット信号ΦRESa(n)とをオフする。この段階で、PD61への電荷蓄積動作が開始する。
次に、電荷の読み出し直前の時間T2において、垂直走査回路77aは、リセット信号ΦRESa(n)をアクティブにし、時間T3において、リセット信号ΦRESa(n)をオフする。すなわち、時間T2〜T3の期間において、蓄積動作中にFD64に蓄積された暗電流(電荷)をリセットした状態とする。
続いて、時間T4において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をアクティブにして、FD64に蓄積された電荷を垂直出力線67へ転送させる。
【0067】
次に、時間T5〜T6の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTN(n)をアクティブにして、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、ノイズ成分を読み出す。すなわち、光信号のないリセット状態での読み込みが行われる。
次に、時間T7〜T8の期間において、垂直走査回路77aは、転送信号ΦTXa(n)をアクティブにし、PD61に蓄積された電荷をFD64へ転送させる。すなわち、時間T1〜T8の期間が撮像装置としての露光期間(電荷蓄積期間)となる。
【0068】
続いて、時間T8〜T9の期間において、水平走査回路76は、読み出し信号ΦPTS(n)をアクティブにし、FD64の電位をS−N回路75へ出力し、信号成分を読み出す。すなわち、PD61に蓄積され、FD64に転送された光信号の読み込みが行われる。
次に、時間T10において、垂直走査回路77aは、行選択信号ΦSELa(n)をオフすると同時に、水平走査回路76は、S−N回路75に対して制御信号を送信する。S−N回路75は、光の蓄積電荷から、FD64のリセット状態のノイズ分の出力を差し引いた信号を、出力アンプ74へ出力する読み出す動作を順次開始する。
以上が水平方向の一行分の蓄積−読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESa(n+1)、転送信号ΦTXa(n+1)、行選択信号ΦSELa(n+1)、読み出し信号ΦPTNa(n+1)、及び読み出し信号ΦPTSa(n+1)を用いて前述した動作が行われる。
【0069】
続いて、図9(b)について説明する。
基本的に、転送信号ΦTXb(n)の動作以外は、図9(a)に示したものと同様となる(ΦRESa(n)=ΦRESb(n)、ΦSELa(n)=ΦSELb(n))。図9(a)と異なる部分は、時間T7〜T8の期間で、垂直走査回路77bが、転送信号ΦTXb(n)をアクティブにしない点である。よって、この期間に、PD61に蓄積された電荷はFD64へ転送されない。
【0070】
その為、時間T8〜T9の期間で、水平走査回路76が、読み出し信号ΦPTSb(n)をアクティブにすると、S−N回路75へ読み出される信号は、光信号(PD61に蓄積された電荷)ではなく、リセット電位にあるFD64の電荷となる。
すなわち、図9(b)の動作は、PD61の光出力はなされず、回路系のノイズ成分のみが出力される暗出力モードでの動作ある。
以上が画質劣化検出用モードにおける水平方向の一行分の読み出し動作の一例である。以下同様に、次の対象の行について、リセット信号ΦRESb(n+1)、転送信号ΦTXb(n+1)、行選択信号ΦSELb(n+1)、読み出し信号ΦPTNb(n+1)、及び読み出し信号ΦPTSb(n+1)を用いて前述した動作が行われる。本実施形態では、撮像装置の内部の温度上昇によって生じる回路系のノイズを含む暗出力データを用いて画質の劣化を検出する。
【0071】
次に、図10を用いて、動画撮影時の画質劣化検出用データの取得動作の一例を説明する。図10は、画質劣化検出用データの取得を行う際の撮像素子114の動作の概略の一例を説明するタイミングチャートである。
動画像撮影時には、1行毎の第1の出力(表示用画像出力)を得るための「リセット−蓄積−転送−読み出し」が行われる。これにより、垂直走査回路77a、S−N回路75、及び水平走査回路76を用いて、動画撮影用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。その後、次のフレームのデータの取得開始までの時間として、撮像装置のシステムとして安定した連続動作をするために事前に定められたフレームレート(例えば30fps等)で動作するための調整期間であるフレーム調整期間を設ける。このようにすることによって、所定のフレームレートにて動画像の撮影動作が行われる。
本実施形態では、このフレーム調整期間を利用して、このフレーム期間内に収まる様に、画質劣化検出用データ(暗出力データ)を得、この画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を予測する。
まず、基準信号TGsig1を基準の信号として用いて、動画撮影用の画像の出力を得るためのリセット−蓄積−転送−読み出しが行われる。すなわち、垂直走査回路77a、S−N回路75、水平走査回路76を用いて、動画撮影用の画像データの1フレーム分の読み出しが行われる。ここで、基準信号TGsig1を用いて、S−N駆動モードにより、動画撮影用の画像データ(光出力画像)の出力を得る。
【0072】
次に、フレームレート調整期間内に、画質劣化検出用データを得る動作を行う。ここでは、基準信号TGsig2を基準の信号として用いて、N−N駆動モードにより、画質劣化検出用データの出力(暗出力)を得る。
撮像素子114全体の画質の劣化を正確に検出する為に、画質劣化検出用データのデータ領域を、撮像素子114の全画素領域とする必要がある。しかしながら、事前に定められたフレームレートを満足する為には、フレームレート調整期間内に撮像素子114の全画素領域の出力を取得することができない。そこで、本実施形態では、撮像素子114の全画素領域のうち、フレームレート調整期間内に収まる画素領域のデータを取得する。すなわち、1フレーム期間内では、撮像素子114の一部分の画素領域を指定して当該指定した画素領域から画像劣化検出用データを取得する。そして、フレーム毎に、画素領域の変更を行い、複数フレームの期間を掛けて、撮像素子114の全画素領域から画質劣化検出用データを取得する(図10の「R1領域データ N−N読出」、「R2領域データ N−N読出」を参照)。
【0073】
図11は、画質劣化検出用データの取得単位である画素領域の一例を示す図である。図11に示す例では、撮像素子114の全画素領域を水平方向に6分割、垂直方向に5分割し、30の画素領域に分割している。
本実施形態では、最初の1フレーム目のフレーム調整期間には、画素領域R1の画質劣化検出用データが取得される。次のフレームのフレーム調整期間には、画素領域R2のデータを取得する。この様に、画質劣化検出用データを取得する画素領域を順次切り替えることにより、30フレームを1周期として、撮像素子114の全画素領域の暗出力データを画質劣化検出用データとして取得することができる。したがって、撮像素子114の温度分布が不均一であり、撮像素子114の場所により画質の劣化の程度が異なる場合においても、正確に画質の劣化を検出することが可能となる。
【0074】
そして、取得した各画素領域Ri(i=1〜30)の画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化の度合いが判定される。例えば、画像処理回路120は、画質劣化検出用データの標準偏差の算出を行う。そして、画像処理回路120は、算出した標準偏差の値が所定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、標準偏差の値が所定値以上の場合は、画質が劣化していると判定する。画質が劣化していると判定された場合、画像処理回路120は、動画像が表示されている画像表示部128の画面に、画質が劣化していることをユーザに知らせる為の警告表示を行う。また、このような警告表示を行う代わりに、画像処理回路120は、動画像の撮影動作を終了させてもよい。
以上が、画質劣化検出用データの取得動作の一例である。
【0075】
以上のように、本実施形態では、1フレーム内において、動画像を得る為の出力動作とは別に、当該画像の画素信号の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、画質劣化検出用データを取得する。このとき、1フレーム調整期間で取得できる画質劣化検出用データを複数の画素領域から取得することを、複数のフレーム期間において順次行って、撮像素子114の全ての画素領域から画質劣化検出用データを取得する。したがって、動画像の撮影の際に、撮像装置の操作感を損なうことなく、撮像素子114全体の画質の劣化を正確に検出することができる。
【0076】
ここで、本実施形態では、撮像素子114の画素領域を順次切り替えて、撮像素子114の全画素領域の画質劣化検出用データを取得する例を説明した。しかしながら、例えば、撮像素子114の温度分布の特徴を抽出するのに適した画素領域の画質劣化検出用データのみを取得する構成としても良い。例えば、撮像素子114の四隅と中央部に相当する領域(図11に示す例では、画素領域R1、R5、R13、R18、R26、R30)を順次取得する様にしても良い。
また、不図示の温度センサ出力を用いて、撮像素子114等の温度情報を取得し、取得した温度が所定温度以上になった場合に前述の画質の劣化の検出を行うようにしても良い。
【0077】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、動画像を電子ズームにより拡大して撮影しているときに、当該動画像の画質の劣化を検出する。このように、第3の実施形態では、拡大されていない動画像の画質の劣化を検出するのに対し、本実施形態では、電子ズームにより拡大された動画像の画質の劣化を検出する点が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において第1〜第3の実施形態と同一の部分については図1〜図11に付した符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0078】
本実施形態では、電子ズームによる動画撮影時に、電子ズーム領域に連動して、画質劣化検出用データを取得する画素領域を変更する点が第3の実施形態と異なる。
図12は、動画撮影時の電子ズーム領域と(図12(a))、画質劣化検出用データを取得する画素領域(図12(b))の一例を示す図である。
図12(a)に示すように、動画撮影時の電子ズームの操作により、図12(a)の斜線で示す画素領域(画素領域R7〜R10、R12〜R15、R17〜R20、R22〜R25)のみを電子ズーム領域として使用して、動画撮影時の画像データが読み出される。このとき、フレームレート調整期間内に取得する画質劣化検出用データの画素領域を、電子ズーム領域に連動して変更する。すなわち、図12(b)に示すように、図12(b)のグレーで塗りつぶした画素領域(画素領域R7〜R10、R12〜R15、R17〜R20、R22〜R25)に相当する箇所のみ画質劣化検出用データを取得する。すなわち、最初のフレームでは、画素領域R7の画質劣化検出用データを取得し、次のフレームでは、画素領域R8の画質劣化検出用データを取得する。そして、順次、図12(b)の灰色で塗りつぶした画素領域に相当する箇所の全てから画質劣化検出用データの取得を行う。これにより、撮像素子114の全画素領域の画質劣化検出用データを取得する場合と比較して、より少ないフレーム期間で、動画撮影時に使用している画像データに対応する画素領域の画質の劣化を検出することが可能となる。よって、より短い時間で、画質の劣化を正確に検出することが可能となる。
【0079】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0080】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
【符号の説明】
【0081】
114 撮像素子、120 画像処理回路、128 画像表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力手段と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出手段と、を有し、
前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記取得手段は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていない期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出手段は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記複数の画素のうち、前記取得手段により電荷が読み出される画素とは異なる画素から電荷を読み出し、
前記取得手段は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っている期間と、行っていない期間との双方の期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出手段は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記出力手段により電荷が読み出されるときとは異なる条件で前記撮像装置が駆動されているときに、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記出力手段により電荷が読み出されるときとは異なる条件は、前記出力手段により電荷が読み出されるときよりも前記撮像装置の駆動電流の大きさが大きいという条件、または、前記出力手段により電荷が読み出されるときよりもISO感度が高いという条件であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記光電変換素子で光電変換された電荷を含む電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像を出力し、
前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像の1フレーム期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の一部を指定して読み出すことを、複数のフレーム期間のそれぞれで、指定する画素を異ならせて行い、
前記検出手段は、前記動画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記複数の画素の全てを指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記複数の画素のうち、画質の劣化を検出する画素として予め設定されている一部の画素を指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記動画像の出力を行っているときにユーザからの指示があると、前記複数の画素のうち、当該指示に対応する一部の画素から読み出した電荷に基づいて当該動画像を拡大して出力し、
前記取得手段は、前記複数の画素のうち、前記指示に対応する一部の画素を指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記出力手段は、前記検出手段により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像が表示されている画面に、そのことを示す情報を出力することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記検出手段により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像の出力を終了することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素を有する撮像装置の制御方法であって、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力工程と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出工程と、を有し、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項13】
前記取得工程は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていない期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出工程は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項14】
前記出力工程は、前記複数の画素のうち、前記取得工程により電荷が読み出される画素とは異なる画素から電荷を読み出し、
前記取得工程は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っている期間と、行っていない期間との双方の期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出工程は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項15】
前記取得工程は、前記出力工程により電荷が読み出されるときとは異なる条件で前記撮像装置が駆動されているときに、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項16】
前記出力工程により電荷が読み出されるときとは異なる条件は、前記出力工程により電荷が読み出されるときよりも前記撮像装置の駆動電流の大きさが大きいという条件、または、前記出力工程により電荷が読み出されるときよりもISO感度が高いという条件であることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項17】
前記出力工程は、前記光電変換素子で光電変換された電荷を含む電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像を出力し、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像の1フレーム期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の一部を指定して読み出すことを、複数のフレーム期間のそれぞれで、指定する画素を異ならせて行い、
前記検出工程は、前記動画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項18】
前記取得工程は、前記複数の画素の全てを指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項19】
前記取得工程は、前記複数の画素のうち、画質の劣化を検出する画素として予め設定されている一部の画素を指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項20】
前記出力工程は、前記動画像の出力を行っているときにユーザからの指示があると、前記複数の画素のうち、当該指示に対応する一部の画素から読み出した電荷に基づいて当該動画像を拡大して出力し、
前記取得工程は、前記複数の画素のうち、前記指示に対応する一部の画素を指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項21】
前記出力工程は、前記検出工程により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像が表示されている画面に、そのことを示す情報を出力することを特徴とする請求項12〜20の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項22】
前記出力工程は、前記検出工程により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像の出力を終了することを特徴とする請求項12〜20の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項23】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素を有する撮像装置を制御することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力工程と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出工程と、をコンピュータに実行させ、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力手段と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出手段と、を有し、
前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記取得手段は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていない期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出手段は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記複数の画素のうち、前記取得手段により電荷が読み出される画素とは異なる画素から電荷を読み出し、
前記取得手段は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っている期間と、行っていない期間との双方の期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出手段は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記出力手段により電荷が読み出されるときとは異なる条件で前記撮像装置が駆動されているときに、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記出力手段により電荷が読み出されるときとは異なる条件は、前記出力手段により電荷が読み出されるときよりも前記撮像装置の駆動電流の大きさが大きいという条件、または、前記出力手段により電荷が読み出されるときよりもISO感度が高いという条件であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記光電変換素子で光電変換された電荷を含む電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像を出力し、
前記取得手段は、前記出力手段により出力される動画像の1フレーム期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の一部を指定して読み出すことを、複数のフレーム期間のそれぞれで、指定する画素を異ならせて行い、
前記検出手段は、前記動画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記複数の画素の全てを指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記複数の画素のうち、画質の劣化を検出する画素として予め設定されている一部の画素を指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記動画像の出力を行っているときにユーザからの指示があると、前記複数の画素のうち、当該指示に対応する一部の画素から読み出した電荷に基づいて当該動画像を拡大して出力し、
前記取得手段は、前記複数の画素のうち、前記指示に対応する一部の画素を指定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記出力手段は、前記検出手段により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像が表示されている画面に、そのことを示す情報を出力することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記検出手段により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像の出力を終了することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素を有する撮像装置の制御方法であって、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力工程と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出工程と、を有し、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項13】
前記取得工程は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていない期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出工程は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項14】
前記出力工程は、前記複数の画素のうち、前記取得工程により電荷が読み出される画素とは異なる画素から電荷を読み出し、
前記取得工程は、1フレーム期間内の、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っている期間と、行っていない期間との双方の期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素のうち、遮光されている画素から読み出し、
前記検出工程は、前記動画像またはライブビュー画像の出力の後に出力される静止画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項15】
前記取得工程は、前記出力工程により電荷が読み出されるときとは異なる条件で前記撮像装置が駆動されているときに、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項16】
前記出力工程により電荷が読み出されるときとは異なる条件は、前記出力工程により電荷が読み出されるときよりも前記撮像装置の駆動電流の大きさが大きいという条件、または、前記出力工程により電荷が読み出されるときよりもISO感度が高いという条件であることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項17】
前記出力工程は、前記光電変換素子で光電変換された電荷を含む電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像を出力し、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像の1フレーム期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の一部を指定して読み出すことを、複数のフレーム期間のそれぞれで、指定する画素を異ならせて行い、
前記検出工程は、前記動画像の画質の劣化を検出することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項18】
前記取得工程は、前記複数の画素の全てを指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項19】
前記取得工程は、前記複数の画素のうち、画質の劣化を検出する画素として予め設定されている一部の画素を指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項20】
前記出力工程は、前記動画像の出力を行っているときにユーザからの指示があると、前記複数の画素のうち、当該指示に対応する一部の画素から読み出した電荷に基づいて当該動画像を拡大して出力し、
前記取得工程は、前記複数の画素のうち、前記指示に対応する一部の画素を指定することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項21】
前記出力工程は、前記検出工程により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像が表示されている画面に、そのことを示す情報を出力することを特徴とする請求項12〜20の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項22】
前記出力工程は、前記検出工程により、画質の劣化が検出されると、前記動画像またはライブビュー画像の出力を終了することを特徴とする請求項12〜20の何れか1項に記載の撮像装置の制御方法。
【請求項23】
光電変換素子を有する画素であって、二次元に配置された複数の画素を有する撮像装置を制御することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記光電変換素子で光電変換された電荷を読み出し、読み出した電荷に基づく動画像またはライブビュー画像を出力する出力工程と、
前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出し、読み出した電荷に基づく画質劣化検出用データを取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された画質劣化検出用データを用いて、画質の劣化を検出する検出工程と、をコンピュータに実行させ、
前記取得工程は、前記出力工程により出力される動画像またはライブビュー画像の1フレーム期間のうち、少なくとも、前記動画像またはライブビュー画像を得るための電荷の読み出しを行っていないフレーム調整期間に、前記光電変換素子で光電変換された電荷とは異なる電荷を、前記複数の画素の少なくとも一部から読み出すことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−21559(P2013−21559A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154140(P2011−154140)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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