説明

撮像装置、撮像装置の制御方法

【課題】撮影した画像に対するぶれの復元処理に影響されることなく、連続した撮影が可能な撮像技術を提供する。
【解決手段】画像の撮影直後にぶれ量に応じて、復元なしA、簡易復元処理B、本格復元処理C、復元不可D、を判別して(ステップS202〜S204)、各処理を実行するとともに、処理時間の長い本格復元処理Cの実行中(ステップS209〜S212)に次のレリーズ操作(撮影開始)が検出された場合には、ぶれの復元処理を中止して(ステップS213、S214)、次の撮影動作に移行する。中止された復元処理は、必要に応じて、後の再生時に実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像技術に関し、たとえば、撮像中の手ぶれを検出してぶれ画像をぶれのない画像に復元する撮像装置および画像復元方法等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、ビデオカメラなどの撮像装置においては、撮像時の手ぶれによる劣化画像を補正して原画像に近い画像を復元する手ぶれ補正機能が求められている。
たとえば、デジタルカメラ(以下、「カメラ」と適宜略す)においては、静止画などの手ぶれ補正は、角速度センサなどを用いてカメラの手ぶれの軌跡を検出し、検出したぶれ軌跡に基づいて撮像後に所定の画像復元演算(点ひろがり関数(PSF:Point Spread Function)を用いる方法など)を行なう技術が知られている(たとえば特許文献1)。
【0003】
上記のようなぶれ画像をPSF等の方法に基づいて復元する処理は、撮影直後に連続して自動的に実行する方法が最も簡便で、安価な普及価格帯のカメラには好適である。
しかし、このような普及価格帯のカメラの場合、コスト的な観点からカメラに搭載しうる比較的安価で処理能力の低い処理回路で処理した場合、数秒の処理時間を要し、引き続き撮影を行いたい場合、復元処理と並列的に撮影を実行することは困難である。
【0004】
この結果、復元処理の完了までの待ち時間のために次のシャッターチャンスをのがすケースが生じる懸念がある、という技術的課題があった。
【特許文献1】特開2006−229392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、撮影した画像に対するぶれの復元処理に影響されることなく、連続した撮影が可能な撮像技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡便かつ自動的にぶれの画像復元が実行され、しかもシャッターチャンスを逃さない撮像技術を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、撮影した画像に対するぶれの復元処理機能を備えた撮像装置の操作性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて前記画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による復元動作の実行中に前記撮像素子の露光開始操作を検出すると、当該復元動作を中止して前記撮像素子の露光動作を実行させる制御論理を備えた撮像装置を提供する。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の撮像装置において、
前記制御手段の前記制御論理は、前記復元動作を中止して露光動作を行う際には、復元前の前記画像データと共に前記ぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記憶する撮像装置を提供する。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1の観点に記載の撮像装置において、
前記制御手段の前記制御論理は、前記記憶媒体から復元動作を中止した前記画像データと、当該画像データに関する前記ぶれ軌跡情報を読み出し、前記復元手段により当該画像データを復元した後、前記記憶媒体に再度記録する動作を、前記撮像素子の露光動作の終了後の所定のタイミングで実施する撮像装置を提供する。
【0010】
本発明の第4の観点は、被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき互いに所要時間の異なる第1処理および第2処理の少なくとも一方を実行して劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された前記画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて前記画像データを取得し、当該画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による第2処理を用いた復元動作の実行中に前記撮像素子への露光開始操作を検出すると、前記復元手段による前記第2処理を止めて前記第1処理を実行させる制御論理を備えた撮像装置を提供する。
【0011】
本発明の第5の観点は、第4の観点に記載の撮像装置において、
前記復元手段が前記画像データの復元動作に要する時間は、前記第1処理の実行時間が前記第2処理の実行時間に比べて短い撮像装置を提供する。
【0012】
本発明の第6の観点は、第4の観点に記載の撮像装置において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データの復元処理が行われる撮像装置を提供する。
【0013】
本発明の第7の観点は、被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき互いに所要時間の異なる第1処理および第2処理の少なくとも一方を実行して劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による前記第2処理を用いた復元動作の実行中に前記撮像素子への露光開始操作を検出すると、実行中の前記復元動作の経過時間が所定時間を経過しているならば前記復元手段に実行中の前記復元動作を継続させ、前記経過時間が所定時間未満ならば実行中の前記復元動作を止めさせて前記第1処理を用いた復元動作を実行させる制御論理を備えた撮像装置を提供する。
【0014】
本発明の第8の観点は、第7の観点に記載の撮像装置において、
前記復元手段が画像データの復元動作に要する時間は、前記第1処理の実行時間が前記第2処理の実行時間に比べて短い撮像装置を提供する。
【0015】
本発明の第9の観点は、第7の観点に記載の撮像装置において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データが復元される撮像装置を提供する。
【0016】
本発明の第10の観点は、被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
前記記憶媒体から画像データを読み出して再生する再生手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記復元手段による復元動作の実行中に前記撮像素子の露光開始操作を検出すると、当該復元動作を中止し、復元されていない前記画像データと共に前記ぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記録後、前記撮像素子の露光動作を行い、
前記再生手段は、前記記録媒体から復元されていない前記画像データを読み出すとき、当該画像データの前記ぶれ軌跡情報に基づき前記復元手段に当該画像データの復元動作を実行させ、復元された画像データを再び前記記録媒体へ記録する撮像装置を提供する。
【0017】
本発明の第11の観点は、被写体からの画像データの取得および前記画像データにおけるぶれの復元処理を連続して行う第1ステップと、
前記復元処理の実行中に次の画像データの露光開始操作が検出された場合に、当該復元処理を中止して、次の露光動作に移行する第2ステップと、
を含む撮像装置の制御方法を提供する。
【0018】
本発明の第12の観点は、第10の観点に記載の撮像装置の制御方法において、
前記第2ステップでは、前記復元動作を中止して次の露光動作を行う際には、復元前の前記画像データと共に、当該復元動作において用いられたぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記憶する撮像装置の制御方法を提供する。
【0019】
本発明の第13の観点は、第12の観点に記載の撮像装置の制御方法において、
さらに、前記記憶媒体から復元動作を中止した前記画像データと、当該画像データに関する前記ぶれ軌跡情報を読み出し、前記復元手段により当該画像データを復元した後、前記記憶媒体に再度記録する動作を、前記露光動作の終了後の所定のタイミングで実施する第3ステップを含む撮像装置の制御方法を提供する。
【0020】
本発明の第14の観点は、被写体からの画像データの取得および前記画像データにおけるぶれの復元処理を連続して行う第1ステップと、
前記復元処理の実行中に次の画像データの露光開始操作が検出された場合に、前記復元処理を、互いに異なる第1処理と第2処理との間で切り替える第2ステップと、
を含む撮像装置の制御方法を提供する。
【0021】
本発明の第15の観点は、第14の観点に記載の撮像装置の制御方法において、
前記第1処理による前記画像データの復元動作の実行時間が、前記第2処理による前記画像データの復元動作の実行時間に比べて短く、
前記第2ステップでは、実行時間の長い前記第2処理から、実時間の短い前記第1処理に切り替える撮像装置の制御方法を提供する。
【0022】
本発明の第16の観点は、第14の観点に記載の撮像装置の制御方法において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データが復元される撮像装置の制御方法を提供する。
【0023】
上記した本発明の撮像装置およびその制御方法によれば、ぶれの画像復元中のレリーズにも対応でき、シャッターチャンスを逃すことがない。
また、シャッターチャンスを逃さずに、かつ後ほど前の画像の復元処理ができる。
【0024】
また、撮影後の画像復元自体を短時間の方法で行うので、シャッターチャンスを逃さず、あとで再度処理を行うことが不要である。
また、ユーザが特に操作を行わなくても、レリーズタイムラグに影響のない再生時に復元処理を実行でき、レリーズタイムラグを少なくしかつ画像確認までに間に自動的に手ぶれが除去された画像を得られる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、撮影した画像に対するぶれの復元処理に影響されることなく、連続した撮影が可能な撮像技術を提供することができる。
また、簡便かつ自動的にぶれの画像復元が実行され、しかもシャッターチャンスを逃さない撮像技術を提供することができる。
【0026】
また、撮影した画像に対するぶれの復元処理機能を備えた撮像装置の操作性を向上させる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施の形態>
図1Aは、本発明の一実施の形態である撮像装置としてのデジタルカメラの正面側の斜視図であり、図1Bは、その背面側の斜視図である。
【0028】
本実施の形態のデジタルカメラ10は、カメラ本体1、レンズ鏡筒2、レリーズボタン3、ズームスイッチ4、パワースイッチ5、ビルトインフラッシュ6、背面LCDパネル7、十字キー8を備えている。
【0029】
カメラ本体1の正面側にはズーミング可能なレンズ鏡筒2が設けられ、背面側には、背面LCDパネル7が設けられている。
カメラ本体1の上部に配置されたレリーズボタン3は、半押しと全押しを検知可能な2段スイッチであり、半押しで半押しスイッチ3a(RSW1)がONし、全押しで全押しスイッチ3b(RSW2)がONする。
【0030】
ズームスイッチ4は、ズームスイッチ・テレ4−1、ズームスイッチ・ワイド4−2からなる。ズームスイッチ・テレ4−1のTSWを押すとレンズは電動駆動でテレ(望遠)状態に移行し、ズームスイッチ・ワイド4−2のWSWを押すとレンズはワイド(広画角)状態に移行する。
【0031】
パワースイッチ5は、デジタルカメラ10の電源のON/OFFを切り替える。
ビルトインフラッシュ6は、カメラ本体1の正面側に配置され、図示しない被写体に対する補助照明として発光可能である。
【0032】
背面LCDパネル7は、レンズ鏡筒2から見えるスルー画を表示したり、撮像画を表示させたり、十字キー8の操作で設定される各種のメニューを表示する。
十字キー8はカメラ本体1の背面側に背面LCDパネル7の近傍に配置されている。十字キー8は、上下左右の4方向の矢印キー、および中央の決定キーの5つのキーで構成され、たとえば、中央の決定キーでメニューを開いた後、矢印キーを操作して各種設定をすることが可能である。
【0033】
カメラ本体1の内部には、角速度センサー101および角速度センサー102が実装されている。これらの角速度センサー101、角速度センサー102は、カメラ本体1(レンズ鏡筒2)のX軸周り、およびY軸周りの方向の角速度を検出する。すなわち、この角速度センサー101、角速度センサー102は、カメラに生じたぶれを検出するための手段である。
【0034】
図2は、本実施の形態の撮像装置としてのデジタルカメラ10の制御回路部の構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態のデジタルカメラ10の制御回路部は、アナログ処理回路103、AD変換回路104、基本軌跡演算回路105、軌跡メモリ回路106、手ぶれ復元関数算出回路107、手ぶれ復元処理回路108、撮像素子109、撮像素子出力処理回路110、画像メモリ111、画像処理回路112、画像圧縮伸長回路113、画像記録媒体114、シーケンスコントローラ115、LCDドライバ116、バッテリ118、電源回路119、モータドライバ回路120、ズームモータ121、フォーカスモータ122、シャッタモータ123、絞りモータ124、を含んでいる。
【0035】
角速度センサー101と角速度センサー102の出力はアナログ処理回路103で増幅され、AD変換回路104でデジタル信号に変換される。
基本軌跡演算回路105は、シャッタ開の時間内のAD変換回路104の出力と、ズーム状態を示すデータに基づいて、撮像素子109上のぶれの軌跡を算出する。そしてこれを一時的に軌跡メモリ回路106内に記憶しておく。
【0036】
撮像素子109はMOSセンサーやCCDセンサーなどの撮像素子である。この撮像素子109で取得された画像データは撮像素子出力処理回路110で画像信号として処理された後、画像メモリ111に記憶される。この画像メモリ111に格納された画像データは非圧縮の状態であり、手ぶれによる画像劣化の復元演算に適している。
【0037】
手ぶれ復元関数算出回路107は、軌跡メモリ回路106内のデータに基づいて、点広がり関数(PSF:Point Spread Function)を算出し、画像を復元するための、前記点広がり関数の逆関数を算出する。
【0038】
手ぶれ復元処理回路108は手ぶれ復元関数算出回路107で算出された復元関数を画像メモリ111内の撮影画像データに作用させて手ぶれ復元処理を行う。
画像処理回路112は、画像に対して設定されたパラメータで最適化する処理を行う。
【0039】
画像圧縮伸長回路113は、画像処理回路112で最適化された画像を圧縮して画像記録媒体114への保存に適した形にする処理、および画像記録媒体114からの読み出し画像を展開して再処理できるようにする処理を行う。
【0040】
画像記録媒体114はフラッシュメモリカードなどの画像記録媒体である。
シーケンスコントローラ115は、たとえばマイクロプロセッサで構成され、本実施の形態のデジタルカメラ10の各部の状態を把握して、各回路に対して動作指示を出す。また、AD変換回路104の出力を直接読み込み可能で、レリーズボタン3の押下時のぶれの量を検出可能である。
【0041】
また、シーケンスコントローラ115には、レリーズボタン3(半押しスイッチ3a、全押しスイッチ3b)、ズームスイッチ4(ズームスイッチ・テレ4−1、ズームスイッチ・ワイド4−2)、パワースイッチ5、十字キー8、等から、各スイッチやキーのON/OFF等の操作信号が入力される。
【0042】
この場合、シーケンスコントローラ115は、後述のような所定のプログラム線に基づき設定される撮像素子109の露光時間と当該撮像素子109の露光前に基本軌跡演算回路105の検出するぶれ情報とから当該露光時間で露光した際に発生するぶれ量を予測する予測機能と、この予測機能の予測したぶれ量が所定の値以上の時は、プログラム線に基づき設定された露光時間を変更する変更機能と、を実現する制御論理115aを備えている。
【0043】
また、この制御論理115aは、手ぶれ復元関数算出回路107や手ぶれ復元処理回路108等の復元手段による復元動作の実行中に撮像素子109の露光開始操作を検出すると、当該復元動作を中止して撮像素子109の露光動作を実行させる機能を実現する。
【0044】
また、制御論理115aは、復元動作を中止して撮像素子109の露光動作を行わせる際には、復元前の画像データと共にぶれ軌跡情報を画像メモリ111や画像記録媒体114へ記憶する動作を行う。
【0045】
また、制御論理115aは、画像記録媒体114から復元動作を中止した画像データと、当該画像データに関する前記ぶれ軌跡情報を読み出し、手ぶれ復元関数算出回路107または手ぶれ復元処理回路108により当該画像データを復元した後、画像記録媒体114に再び記録する動作を、撮像素子109の露光動作の終了後の所定のタイミングで実施する機能を備えている。
【0046】
この制御論理115aは、シーケンスコントローラ115の備えるソフトウェアやハードウェアにて実現される。
LCDドライバ116は、画像データを背面LCDパネル7に出力し、表示させる。
【0047】
バッテリ118は電池などの電源からなる。電源回路119は、バッテリ118からの電力を各部に適した電源に変換し供給する。
モータドライバ回路120は、シーケンスコントローラ115によって制御され、たとえば、ズームモータ121、フォーカスモータ122、シャッタモータ123、絞りモータ124に動作電力を供給する。
【0048】
次に、本実施の形態のデジタルカメラ10の、撮影時の動作について説明する。
図3は、本実施の形態のデジタルカメラ10の画像復元処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
この画像復元は、デジタルカメラ10で撮影した後、記録媒体に記録される前に実行される。または一度ぶれの軌跡データとともに画像記録媒体114に記録された画像を読み出し、伸長したあとにも実行可能である。
【0050】
画像復元処理が開始されると(ステップS201)、まず、ぶれの軌跡の絶対値が閾値P0のレベル以下か否かを見る(ステップS202)。ぶれが閾値P0のレベル以下であれば、ぶれは撮影画像に影響を与えていないと判断し、復元処理を実行しない(復元なしA)(ステップS207)。
【0051】
ステップS202でぶれが閾値P0以上の場合、ステップS203で閾値P1以上か否かを見る。ここでぶれが閾値P1以下の場合は、簡易復元処理(簡易復元処理B)(第1処理)を実行する(ステップS208)。この簡易復元処理Bは、本格的な復元演算ではなく、エッジ強調処理を中心とした処理であり、高速化と、復元処理による副作用の防止を実現する。
【0052】
ステップS203で閾値P1以上の場合、ぶれ量が閾値P3をこえているか否をみる(ステップS204)。ここで閾値P3は復元演算が対応できる限界値であり、この閾値P3をこえた場合には、復元処理を実行しても画像の改善は見込めないため、復元不可(ぶれ大)の警告表示を実行して復元処理を行わない(復元不可D)(ステップS205)。
【0053】
一方、ステップS204で閾値P3以下の場合はPSF(Point Spread Function)に基づいた本格的な復元演算処理(本格復元処理C)(第2処理)を開始する(ステップS209)。
【0054】
ここで、復元演算処理の効果と、処理時間について説明する。
図4を参照して、上述の復元なしA、簡易復元処理B、本格復元処理C、復元不可Dの四通りの復元処理の効果について説明する。
【0055】
図4は、たとえば700万画素の撮像素子109を用いたデジタルカメラ10の例である。
上記の閾値P0,閾値P1,閾値P2,閾値P3の量は、例えばそれぞれ3,6,20,30ピクセルとなっている。この数値は、撮像素子109のサイズや画素数、処理回路の能力により適宜設定される。
【0056】
図4は横軸にぶれの軌跡の絶対値を、縦軸に2Lサイズのプリントで見た場合の、人の感覚による画像の良否(OK/NG)の判断(官能評価)の比率を示す線図である。
ぶれ画像の、PSFによる復元演算は、図4のように所定量までは良好に働いているが、ある量(この場合、閾値P2付近)を超えると急激にその効果が低下する。これは、ぶれ量が大きくなるとぶれ検出や演算の誤差の影響が大きくなり、正確に復元できないばかりか、復元処理による演算の副作用が目立つため、官能評価的に見ると画像が悪化して見えるためである。このため、たとえば撮影画像そのものが閾値P2以下のぶれ量に抑えられれば、ぶれ画像復元は有効に働くことになる。
【0057】
図5は、上記画像復元を含む、撮影後の処理時間を示す図である。
復元処理を行わない復元なしAの場合は、圧縮や、画像記録媒体114への書き込み時間が所要時間になるので、もっとも短い。また、簡易復元処理Bも、それについで短い時間になる。
【0058】
一方、本格復元処理Cになった場合は、処理時間が大きくなる。しかも、処理対象の画像のぶれ量が大きいと演算が複雑化するので、より長い時間が必要になる。同じ本格復元処理Cであっても、閾値P2をこえるとその処理時間はより増大する。
【0059】
ふたたび図3のフローチャートに戻って、ステップS209で開始された本格復元処理Cについて説明する。
ステップS210で本格復元処理Cを継続しつつ、この処理中にステップS211にて、次の撮影のためのレリーズボタン3の操作(2ndレリーズ)がなされたかを監視する。ここでレリーズボタン3の操作が検出されればステップS213に進み、画像復元処理を中止し、処理および処理中の中間データをクリアし(ステップS214)、終了する(ステップS206)。
【0060】
ステップS211でレリーズがない場合は、ステップS212で画像復元処理が終了したか否かを確認し、終了していなければステップS210にもどって処理を継続し、終了していれば、画像復元処理を終了する(ステップS206)。
【0061】
図6は、本実施の形態のデジタルカメラ10のレリーズ時の処理の一例を示すフローチャートである。
レリーズボタン3を半押しして半押しスイッチ3a(RSW1)がONすると(ステップS301)、自動焦点制御(AF),自動露光制御(AE)は実行され(ステップS302)、ピントが固定されるとともに露出が仮決定される(ステップS303)。ここでは、露出決定のプログラム線図の中で、基本となるラインに沿って撮像素子109のISO感度、絞り、シャッタ速度が決定されるが、これはぶれが小さいときを想定して画質優先で各定数を決定している。
【0062】
図7は、このプログラム線図の一例を示したものである。たとえば、このプログラム線図を備えたカメラの場合、望遠状態(ズームスイッチ・テレ4−1がON)の場合はteleで示されたプログラム線L1にて、また広角端(ズームスイッチ・ワイド4−2がON)ではwideで示されたプログラム線L2にて、露出の設定が決まる。
【0063】
図6に戻って、ステップS303で露出が仮決定した後、反復してぶれ量をシーケンスコントローラ115がモニタしつつ(ステップS304)、レリーズボタン3が全押しされるのを待つ(ステップS305)。ここでレリーズボタン3が全押しされ、全押しスイッチ3b(RSW2)がONしたことを検知すると、その直前のぶれの角速度、ズームの状態、およびステップS303で仮決定された露出のシャッタ速度T0を用いて、T0時間内の予測ぶれ量を算出する(ステップS306)。
【0064】
ステップS306にて、予測ぶれ量が閾値P2以下の場合(ステップS307)は、そのままのシャッタ速度で露出を実行する(ステップS309)。
一方、ステップS307でぶれが閾値P2を越えると予測された場合は、ステップS303で用いた被写体輝度と同一の被写体輝度で、シャッタを高速化して撮影できるように、撮影感度をアップさせることにより、閾値P2と同等以下になるようなシャッタ速度T1を算出する。
【0065】
ステップS308でのプログラム線図は図7に記載されている。図7中のtele H−limit(プログラム線L3)およびwide H−limit(プログラム線L4)を上限として、撮像素子109のISO感度アップによりぶれ量が閾値P2以下になるシャッタ速度T1を決定する。仮に、上限までアップさせても閾値P2以下にならない場合は、上限のISO感度でシャッタ速度T1を決定する。
【0066】
上記のようにしてシャッタ速度T1を決定することにより、電子手ぶれ補正の効果が発揮できるブレ量に抑えるようにしている。
再び図6のフローチャートに戻って、以上で露出値が最終的に決定したので、それにて撮像素子109の露光動作を行い(ステップS309)、撮像素子109から画像を読み出す(ステップS310)。
【0067】
その後、画像復元演算に移行し(ステップS311)、上述の図3のフローチャートで説明した内容の画像復元処理を実行する。
このステップS311の画像復元処理から抜けた際、ステップS312にて、復元演算の途中でレリーズ操作によって復元処理を中止して画像復元処理から抜けたのか否かを確認する。
【0068】
復元処理を途中中止した場合は復元前の画像データをもとに画像圧縮処理を実施し(ステップS321)、復元演算中止フラグをセットして、画像記録媒体114に画像データとセットで書き込み(ステップS322)、画像記録媒体114にぶれ軌跡データを書き込んで(ステップS323)、画像記録媒体114に画像データを書き込む(ステップS324)。その後、直ちに次の撮影動作に移行する(ステップS325)。具体的には、このステップS325では、上述のステップS301以下の処理に移行する。
【0069】
ステップS312で、復元演算中に復元処理を中止していない場合は、復元処理後の画像を画像圧縮処理し(ステップS313)、画像記録媒体114に書き込む(ステップS314)。
【0070】
次に、図8のフローチャートを参照して、本実施の形態のデジタルカメラ10での画像データの再生動作、すなわち画像を背面LCDパネル7に表示する動作について説明する。
【0071】
たとえば、十字キー8等に適宜割り当てられた図示しない再生ボタンを押して再生モードに入ると(ステップS401)、まず、画像記録媒体114から読み出された当該画像が復元を途中停止した画像か否かを確認する(ステップS402)。これは、上述の図3のステップS322でのべた、復元演算中止フラグが当該画像に付随して書き込まれているかを見ればよい。
【0072】
復元中止画像でなければ、そのまま画像を背面LCDパネル7に表示する(ステップS407)。
一方、ステップS403で復元中止画像であった場合は、一緒に記録されているぶれ軌跡データに基づいて、ぶれの画像復元演算を実行し(ステップS403)、画像を背面LCDパネル7に再生表示した後(ステップS404)、復元画像を画像記録媒体114に上書き記録する(ステップS405)。そして、当該画像とセットに記録されていた復元演算中止フラグをクリアする(ステップS406)。
【0073】
なお、本実施の形態1の変形例として、上述の復元演算中止フラグを、画像記録媒体114に記録されている全画像についてチェックし、任意の画像の背面LCDパネル7への再生表示時に、再生中の当該画像以外であっても復元演算を中止した画像があればその画像の復元処理を、シーケンスコントローラ115がバックグラウンドで実行する方法が考えられる。
【0074】
この方法によれば、再生する画像以外であっても再生時に復元処理ができ、その画像を再生しない場合であっても、復元処理が実行されることになる。
本実施の形態1のデジタルカメラ10によれば、画像復元演算中にレリーズ操作が発生しても、画像復元演算の待ち時間のために次のシャッターチャンスを逃すことがなく速やかに次の撮影に移行することが可能である。
【0075】
すなわち、撮影した画像に対するぶれの復元処理に影響されることなく、連続した撮影が可能となる。
また、復元演算中のデータをクリアして次の撮影に移行するため、デジタルカメラ10内の処理用の画像メモリ111等のメモリ資源が解放され、次の撮影画像の取り込みや処理が容易である。
【0076】
また、復元演算前の画像、ぶれ軌跡データ、復元演算中止フラグにもとづいて、シャッターチャンスのような即時性を要求されない背面LCDパネル7等への再生時に復元演算を実行するため、手ぶれの復元処理が後追いではあるが実行でき、また、後追いの復元処理が自動で行われるため、ユーザの操作で行う場合に比べて簡便に行うことができる。
【0077】
すなわち、簡便かつ自動的にぶれの画像復元が実行され、しかもシャッターチャンスを逃さない撮像技術を提供することができる。
また、本実施の形態1の上述の変形例においては、画像記録媒体114に記録された複数の画像の何れかが復元演算を中止したものであれば、それについて自動的に復元演算を行うため、背面LCDパネル7等に表示される再生画像のみに対しておこなうよりもさらに便利である。
【0078】
すなわち、撮影した画像に対するぶれの復元処理機能を備えた撮像装置の操作性を向上させることができる。
<第2実施の形態>
次に、本発明の第2実施の形態であるデジタルカメラについて説明する。
【0079】
この第2実施の形態は、デジタルカメラ10の構成や主な動作は第1実施の形態と同様であるが、ぶれの画像復元演算中にレリーズ操作があった場合、そのまま続行する方が早いか、短時間ですむ簡易処理に切り替えたほうが早いかをシーケンスコントローラ115の制御論理115aが判断し、いずれかを実行し、連続撮影におけるタイムラグを少なくする点が異なっている。
【0080】
図9は、この実施の形態2のデジタルカメラ10の画像復元処理の一例を示すフローチャートである。
上述の図3のフローチャートと同一の処理について同一の符号を付して重複した説明を割愛し、異なっている部分を説明する。
【0081】
ステップS209で本格復元処理Cを開始し、この処理を継続しているときに(ステップS210)、再びレリーズ操作が検出されたら(ステップS211)、復元処理の進行状況をみて、処理を継続したほうがよいか、それともそれまでの処理を破棄して短時間で処理が可能な簡易復元処理Bに移行すべきかを判断する(ステップS221)。すなわち、現在の本格復元処理Cの処理の経過時間≦既定値の場合には、現在の本格復元処理Cを続行した方が早く終了すると判断する場合は処理を実行する。
【0082】
より具体的には、一例として、現在実行中の本格復元処理Cの残り所要時間trC(すなわち、現時点から本格復元処理Cの完了までの時間)と、簡易復元処理Bの予測される所要時間tBを比較し、trC≦tBの場合には、すなわち、現在の本格復元処理Cを続行した方が早く終了すると判断する場合は処理を実行する。
【0083】
一方、ステップS221で処理を切り替えた方が早いと判定された場合(trC>tB)は、現在の本格復元処理Cを中止して処理中のデータをクリアし(ステップS222)、簡易復元処理Bに移行して、再度処理を開始する(ステップS208)。
【0084】
図10は、本実施の形態2のデジタルカメラ10の、レリーズ操作時の処理の一例を示すフローチャートである。なお、上述の図6と同一の処理には同一の符号を付して重複した説明は割愛する。
【0085】
この図10は、上述の図6のフローチャートと類似であるが、画像復元処理中にレリーズ操作が発生した場合においても簡易復元処理Bまたは本格復元処理Cのいずれかの復元処理がすでに実行されているので、復元演算中止フラグや、ぶれ軌跡データを記録媒体に書きこまない点が異なっている。
【0086】
すなわち、この図10のフローチャートでは、上述の図6のフローチャートのステップS312、およびステップS321〜S325の処理が省略されている。
本実施の形態2のデジタルカメラ10によれば、画像復元中にレリーズ操作が発生しても、いずれかの画像復元処理が実行されているため、後で画像を処理する手間や時間が不要である。
【0087】
特に、上述の実施の形態1よりも背面LCDパネル7への再生時のレスポンスを重視する場合に、再生時の負担が少ないという利点がある。
なお、上述の各実施の形態において、露出・シャッタ速度をレリーズボタン3の半押しスイッチ3a(RSW1)に応答して仮決定した後、全押しスイッチ3b(RSW2)がONされた際に、そのときのぶれの状態によって再び変更する動作(図6および図10のフローチャートにおけるステップS304〜S308の処理)は必須ではなく、処理能力の低いプロセッサなどをシーケンスコントローラ115として用いる場合は、当該動作を省略してもよい。
【0088】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1A】本発明の一実施の形態である撮像装置としてのデジタルカメラの正面側の斜視図である。
【図1B】その背面側の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態である撮像装置としてのデジタルカメラの制御回路部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるデジタルカメラの画像復元処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】画像のぶれ量と復元処理の効果の関係の一例を示す線図である。
【図5】画像のぶれ量と復元処理の所要時間の関係の一例を示す線図である。
【図6】本発明の一実施の形態であるデジタルカメラのレリーズ時の処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態であるデジタルカメラに備えられたプログラム線図である。
【図8】本発明の一実施の形態であるデジタルカメラでの画像データの再生動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施の形態であるデジタルカメラの画像復元処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施の形態であるデジタルカメラのレリーズ操作時の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 カメラ本体
2 レンズ鏡筒
3 レリーズボタン
3a 半押しスイッチ
3b 全押しスイッチ
4 ズームスイッチ
4−1 ズームスイッチ・テレ
4−2 ズームスイッチ・ワイド
5 パワースイッチ
6 ビルトインフラッシュ
7 背面LCDパネル
8 十字キー
10 デジタルカメラ
101 角速度センサー
102 角速度センサー
103 アナログ処理回路
104 AD変換回路
105 基本軌跡演算回路
106 軌跡メモリ回路
107 手ぶれ復元関数算出回路
108 手ぶれ復元処理回路
109 撮像素子
110 撮像素子出力処理回路
111 画像メモリ
112 画像処理回路
113 画像圧縮伸長回路
114 画像記録媒体
115 シーケンスコントローラ
115a 制御論理
116 LCDドライバ
118 バッテリ
119 電源回路
120 モータドライバ回路
121 ズームモータ
122 フォーカスモータ
123 シャッタモータ
124 絞りモータ
A 復元なし
B 簡易復元処理
C 本格復元処理
D 復元不可
L1 プログラム線
L2 プログラム線
L3 プログラム線
L4 プログラム線
P0 閾値
P1 閾値
P2 閾値
P3 閾値
tB 簡易復元処理Bの所要時間
trC 本格復元処理Cの残り所要時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて前記画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による復元動作の実行中に前記撮像素子の露光開始操作を検出すると、当該復元動作を中止して前記撮像素子の露光動作を実行させる制御論理を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置において、
前記制御手段の前記制御論理は、前記復元動作を中止して露光動作を行う際には、復元前の前記画像データと共に前記ぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記憶することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置において、
前記制御手段の前記制御論理は、前記記憶媒体から復元動作を中止した前記画像データと、当該画像データに関する前記ぶれ軌跡情報を読み出し、前記復元手段により当該画像データを復元した後、前記記憶媒体に再度記録する動作を、前記撮像素子の露光動作の終了後の所定のタイミングで実施することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき互いに所要時間の異なる第1処理および第2処理の少なくとも一方を実行して劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された前記画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて前記画像データを取得し、当該画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による第2処理を用いた復元動作の実行中に前記撮像素子への露光開始操作を検出すると、前記復元手段による前記第2処理を止めて前記第1処理を実行させる制御論理を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置において、
前記復元手段が前記画像データの復元動作に要する時間は、前記第1処理の実行時間が前記第2処理の実行時間に比べて短いことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項4記載の撮像装置において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データの復元処理が行われることを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき互いに所要時間の異なる第1処理および第2処理の少なくとも一方を実行して劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
を含み、
前記制御手段は、前記復元手段による前記第2処理を用いた復元動作の実行中に前記撮像素子への露光開始操作を検出すると、実行中の前記復元動作の経過時間が所定時間を経過しているならば前記復元手段に実行中の前記復元動作を継続させ、前記経過時間が所定時間未満ならば実行中の前記復元動作を止めさせて前記第1処理を用いた復元動作を実行させる制御論理を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項7記載の撮像装置において、
前記復元手段が画像データの復元動作に要する時間は、前記第1処理の実行時間が前記第2処理の実行時間に比べて短いことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項7記載の撮像装置において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データが復元されることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
被写体の画像データを取得する撮像素子と、
ぶれ検出手段と、
前記ぶれ検出手段の出力に基づき前記撮像素子の露光動作中の前記ぶれの軌跡に関するぶれ軌跡情報を求める演算手段と、
前記撮像素子が取得した画像データを前記ぶれ軌跡情報に基づき劣化がない画像データへ復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された画像データを記憶する記憶媒体と、
前記撮像素子に露光動作を実行させて画像データを取得し、この画像データを前記復元手段により復元させた後、前記記憶媒体に記憶する制御手段と、
前記記憶媒体から画像データを読み出して再生する再生手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記復元手段による復元動作の実行中に前記撮像素子の露光開始操作を検出すると、当該復元動作を中止し、復元されていない前記画像データと共に前記ぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記録後、前記撮像素子の露光動作を行い、
前記再生手段は、前記記録媒体から復元されていない前記画像データを読み出すとき、当該画像データの前記ぶれ軌跡情報に基づき前記復元手段に当該画像データの復元動作を実行させ、復元された画像データを再び前記記録媒体へ記録することを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
被写体からの画像データの取得および前記画像データにおけるぶれの復元処理を連続して行う第1ステップと、
前記復元処理の実行中に次の画像データの露光開始操作が検出された場合に、当該復元処理を中止して、次の露光動作に移行する第2ステップと、
を含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10記載の撮像装置の制御方法において、
前記第2ステップでは、前記復元動作を中止して次の露光動作を行う際には、復元前の前記画像データと共に、当該復元動作において用いられたぶれ軌跡情報を前記記憶媒体へ記憶することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項13】
請求項12記載の撮像装置の制御方法において、
さらに、前記記憶媒体から復元動作を中止した前記画像データと、当該画像データに関する前記ぶれ軌跡情報を読み出し、前記復元手段により当該画像データを復元した後、前記記憶媒体に再度記録する動作を、前記露光動作の終了後の所定のタイミングで実施する第3ステップを含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項14】
被写体からの画像データの取得および前記画像データにおけるぶれの復元処理を連続して行う第1ステップと、
前記復元処理の実行中に次の画像データの露光開始操作が検出された場合に、前記復元処理を、互いに異なる第1処理と第2処理との間で切り替える第2ステップと、
を含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項15】
請求項14記載の撮像装置の制御方法において、
前記第1処理による前記画像データの復元動作の実行時間が、前記第2処理による前記画像データの復元動作の実行時間に比べて短く、
前記第2ステップでは、実行時間の長い前記第2処理から、実時間の短い前記第1処理に切り替えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項16】
請求項14記載の撮像装置の制御方法において、
前記第1処理を用いた復元動作においては、前記画像データのエッジ強調処理が行われ、前記第2処理を用いた復元動作においては、前記ぶれ軌跡情報に基づいて点ひろがり関数の逆関数を計算して前記画像データが復元されることを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−245146(P2008−245146A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85869(P2007−85869)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】