説明

撮像装置及び固体撮像素子の駆動方法

【課題】光電変換素子の露光時間制御のための該光電変換素子からの電荷読み出し時において、電荷を完全に読み出すことが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像素子5は、光電変換素子51R,51G,51Bと、光電変換素子51R,51G,51Bよりも露光時間が短く制御される光電変換素子51r,51g,51bとを備える。撮像素子駆動部10は、光電変換素子51R,51G,51Bの露光期間中に、転送電極V2,V6に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V4,V8に読み出しパルスとは逆極性の抑制パルスを印加して、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路54に読み出し、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動手段とを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1回の撮影で低感度の画像データと高感度の画像データとを得て、これらを合成してダイナミックレンジを広げるために、高感度の光電変換素子と低感度の光電変換素子とを有する固体撮像素子が提案されている。光電変換素子に感度差を付ける方法はいろいろあり、例えば、特許文献1には、光電変換素子の露光時間に差をつけることで、感度差をつける方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−275044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、光電変換素子に露光時間差をつけるために、一部の光電変換素子の露光期間中に、該一部以外の光電変換素子に読み出しパルスを印加して、その光電変換素子に蓄積されている電荷を読み出すことで、該一部以外の光電変換素子の露光期間を制御している。露光期間終了後に光電変換素子から電荷を読み出すときは、既に撮影が終了しているため、電荷の読み出しが完全に行われかったとしても画質にそれほど影響を与えないが、露光時間を制御するための電荷読み出し動作においては、残像防止のために、電荷の完全な読み出しが求められる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光電変換素子の露光時間制御のための該光電変換素子からの電荷読み出し時において、電荷を完全に読み出すことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動手段とを有する撮像装置であって、前記固体撮像素子は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含み、前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられた前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、前記駆動手段は、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加すると共に、前記読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に、前記読み出しパルスによる前記光電変換素子の電荷蓄積領域の電位変化を抑制するための前記読み出しパルスとは逆極性の抑制パルスを印加する駆動を行う。
【0007】
本発明の撮像装置は、前記駆動手段が、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値以下の場合に前記駆動を行い、前記露光時間が閾値よりも大きい場合に、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行う。
【0008】
本発明の撮像装置は、前記駆動手段が、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値よりも大きい場合に、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行い、前記露光時間が閾値以下の場合に、前記駆動において前記抑制パルスを停止し、前記読み出しパルスのレベルを、前記露光時間が閾値よりも大きい場合の駆動で印加するときのレベルよりも高くした駆動を行う。
【0009】
本発明の撮像装置は、前記抑制パルスの印加開始タイミングと、前記読み出しパルスの印加開始タイミングとが一致している。
【0010】
本発明の撮像装置は、前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、前記駆動手段が、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する。
【0011】
本発明の撮像装置は、固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動手段とを有する撮像装置であって、前記固体撮像素子は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含み、前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、前記駆動手段は、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値よりも大きい場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加する駆動を行い、前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値以下の場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記読み出しパルスよりも大きいレベルの読み出しパルスを印加する駆動を行う。
【0012】
本発明の撮像装置は、前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、前記駆動手段は、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する。
【0013】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に、前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加すると共に、前記読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に、前記読み出しパルスによる前記光電変換素子の電荷蓄積領域の電位変化を抑制するための前記読み出しパルスとは逆極性の抑制パルスを印加する駆動を行う駆動ステップを有する。
【0014】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値とを比較する比較ステップを有し、前記露光時間が閾値以下の場合に前記駆動を行い、前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行う。
【0015】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値とを比較する比較ステップを有し、前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行い、前記露光時間が閾値以下の場合、前記駆動において前記抑制パルスを停止し、前記読み出しパルスのレベルを、前記露光時間が閾値より大きい場合の前記駆動で印加するときのレベルよりも高くする。
【0016】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記抑制パルスの印加開始タイミングと、前記読み出しパルスの印加開始タイミングとを一致させる。
【0017】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加するステップを有する。
【0018】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値を比較する比較ステップと、前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加する駆動を行うステップと、前記露光時間が閾値以下の場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記読み出しパルスよりもレベルの高い読み出しパルスを印加する駆動を行うステップとを有する。
【0019】
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する駆動を行うステップを有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光電変換素子の露光時間制御のための該光電変換素子からの電荷読み出し時において、電荷を完全に読み出すことが可能な撮像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態を説明するための撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図示するデジタルカメラの撮像系は、撮影レンズ1と、固体撮像素子5と、この両者の間に設けられた絞り2と、赤外線カットフィルタ3と、光学ローパスフィルタ4とを備える。
【0023】
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、フラッシュ発光部12及び受光部13を制御し、レンズ駆動部8を制御して撮影レンズ1の位置をフォーカス位置に調整したりズーム調整を行ったりし、絞り駆動部9を介し絞り2の開口量を制御して露光量調整を行う。
【0024】
又、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して固体撮像素子5を駆動し、撮影レンズ1を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
【0025】
デジタルカメラの電気制御系は、更に、固体撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、このアナログ信号処理部6から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備え、これらはシステム制御部11によって制御される。
【0026】
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、補間演算やガンマ補正演算,RGB/YC変換処理、画像合成処理等を行って画像データを生成するデジタル信号処理部17と、デジタル信号処理部17で生成された画像データをJPEG形式に圧縮したり圧縮画像データを伸張したりする圧縮伸張処理部18と、測光データを積算しデジタル信号処理部17が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部23が接続される表示制御部22とを備え、これらは、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
【0027】
図2は、図1に示す固体撮像素子5の一構成例を示した平面模式図である。
固体撮像素子5は、半導体基板50上の行方向Xとこれに直交するY方向とに正方格子状に配列された赤色(R)の波長域の光(R光)を検出する光電変換素子51R(図中に“R”の文字を付してある)、緑色(G)の波長域の光(G光)を検出する光電変換素子51G(図中に“G”の文字を付してある)、青色(B)の波長域の光(B光)を検出する光電変換素子51B(図中に“B”の文字を付してある)からなるRGB光電変換素子群と、半導体基板50上の行方向Xとこれに直交するY方向とに正方格子状に配列されたR光を検出する光電変換素子51r(図中に“r”の文字を付してある)、G光を検出する光電変換素子51g(図中に“g”の文字を付してある)、B光を検出する光電変換素子51b(図中に“b”の文字を付してある)からなるrgb光電変換素子群とを備え、これらが、それぞれの光電変換素子配列ピッチの略1/2だけ、行方向X及び列方向Yにずれた位置に配置されている。
【0028】
RGB光電変換素子群の各光電変換素子の上方にはカラーフィルタが設けられており、このカラーフィルタの配列はベイヤー配列となっている。rgb光電変換素子群の各光電変換素子の上方にも同様にカラーフィルタが設けられており、このカラーフィルタの配列もベイヤー配列となっている。
【0029】
RGB光電変換素子群の各光電変換素子と、rgb光電変換素子群の各光電変換素子とは、それぞれ同一構造となっているが、撮像素子駆動部10によって、それぞれの露光時間が異なるように制御される。本実施形態では、rgb光電変換素子群の各光電変換素子の露光時間が、RGB光電変換素子群の各光電変換素子の露光時間よりも短くなるように制御されるものとする。
【0030】
RGB光電変換素子群の各光電変換素子の配列は、列方向Yに並ぶ光電変換素子51Gと光電変換素子51Rとからなる光電変換素子列であるGR光電変換素子列と、列方向Yに並ぶ光電変換素子51Bと光電変換素子51Gとからなる光電変換素子列であるBG光電変換素子列とを、行方向Xに交互に配列したものと言うことができる。又、RGB光電変換素子群の各光電変換素子の配列は、行方向Xに並ぶ光電変換素子51Gと光電変換素子51Bとからなる光電変換素子行であるGB光電変換素子行と、行方向Xに並ぶ光電変換素子51Rと光電変換素子51Gとからなる光電変換素子行であるRG光電変換素子行とを、列方向Yに交互に配列したものと言うこともできる。
【0031】
rgb光電変換素子群の各光電変換素子の配列は、列方向Yに並ぶ光電変換素子51gと光電変換素子51rとからなる光電変換素子列であるgr光電変換素子列と、列方向Yに並ぶ光電変換素子51bと光電変換素子51gとからなる光電変換素子列であるbg光電変換素子列とを、行方向Xに交互に配列したものと言うことができる。又、rgb光電変換素子群の各光電変換素子の配列は、行方向Xに並ぶ光電変換素子51gと光電変換素子51bとからなる光電変換素子行であるgb光電変換素子行と、行方向Xに並ぶ光電変換素子51rと光電変換素子51gとからなる光電変換素子行であるrg光電変換素子行とを、列方向Yに交互に配列したものと言うこともできる。
【0032】
各光電変換素子列の右側部には、各光電変換素子列に対応させて、各光電変換素子列を構成する光電変換素子に蓄積された電荷を列方向Yに転送するための垂直電荷転送路54(図2では一部のみ図示してある)が形成されている。垂直電荷転送路54は、例えば、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層内に注入されたn型不純物によって形成されている。
【0033】
垂直電荷転送路54上方には、垂直電荷転送路54に読み出された電荷の転送を制御するための8相の転送パルスが撮像素子駆動部10によって印加される転送電極V1〜V8が形成されている。転送電極V1には転送パルスφV1が印加され、転送電極V2には転送パルスφV2が印加され、転送電極V3には転送パルスφV3が印加され、転送電極V4には転送パルスφV4が印加され、転送電極V5には転送パルスφV5が印加され、転送電極V6には転送パルスφV6が印加され、転送電極V7には転送パルスφV7が印加され、転送電極V8には転送パルスφV8が印加される。
【0034】
転送電極V1〜V8は、それぞれ、各光電変換素子行の間を、これらを構成する光電変換素子を避けるように行方向Xに蛇行して配設されている。gb光電変換素子行の上側部には、隣接する光電変換素子行との間に、該光電変換素子行側から順に転送電極V8と転送電極V1が配置されている。gb光電変換素子行の下側部には、隣接する光電変換素子行との間に、該gb光電変換素子行側から順に転送電極V2と転送電極V3が配置されている。rg光電変換素子行の上側部には、隣接する光電変換素子行との間に、該光電変換素子行側から順に転送電極V4と転送電極V5が配置されている。rg光電変換素子行の下側部には、隣接する光電変換素子行との間に、該rg光電変換素子行側から順に転送電極V6と転送電極V7が配置されている。
【0035】
各光電変換素子と、それに対応する垂直電荷転送路54との間には、各光電変換素子で発生した電荷を、該垂直電荷転送路54に読み出すための電荷読出し部55が設けられている。電荷読出し部55は、例えば、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層の一部分によって形成されている。電荷読出し部55は、各光電変換素子に対して同一の方向(図中の斜め右下方向)に設けられている。
【0036】
gb光電変換素子行の各光電変換素子に対応する電荷読出し部55上方には転送電極V2が形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、gb光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、各光電変換素子の右側部にある垂直電荷転送路54に読み出すことができる。
【0037】
GB光電変換素子行の各光電変換素子に対応する電荷読出し部55上方には転送電極V4が形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、GB光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、各光電変換素子の右側部にある垂直電荷転送路54に読み出すことができる。
【0038】
rg光電変換素子行の各光電変換素子に対応する電荷読出し部55上方には転送電極V6が形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、rg光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、各光電変換素子の右側部にある垂直電荷転送路54に読み出すことができる。
【0039】
RG光電変換素子行の各光電変換素子に対応する電荷読出し部55上方には転送電極V8が形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、RG光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、各光電変換素子の右側部にある垂直電荷転送路54に読み出すことができる。
【0040】
垂直電荷転送路54には、垂直電荷転送路54を転送されてきた電荷を行方向Xに転送するための水平電荷転送路57が接続され、水平電荷転送路57には、水平電荷転送路57を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプ58が接続されている。
【0041】
電荷読出し部55上方の転送電極(V2,V4,V6,V8)には、それぞれ、垂直電荷転送路54に電荷を蓄積するパケットを形成するためのミドルレベル(VM,例えば0V)の転送パルスVMと、垂直電荷転送路54に該パケットのバリアを形成するためのVMよりもレベルの低いローレベル(VL,例えば−8V)の転送パルスVLと、各光電変換素子から垂直電荷転送路54に電荷を読み出すためのパルスであってVMよりも高いレベル(VH,例えば15V)の読み出しパルスとのいずれかが印加可能となっている。電荷読出し部55上方の転送電極(V2,V4,V6,V8)以外の転送電極(V1,V3,V5,V7)には、VLとVMとのいずれかの転送パルスが印加可能となっている。
【0042】
次に、このような構成のデジタルカメラの撮影動作について説明する。図3は、第一実施形態のデジタルカメラによる撮影時の転送パルスのタイミングチャートである。
操作部14に含まれるシャッタボタンが半押しされると、システム制御部11により、自動露出(AE)処理及び自動焦点調節(AF)処理が行われ、被写体の撮影に必要なダイナミックレンジの測定が行われる。システム制御部11は、測定したダイナミックレンジにより、光電変換素子51R,51G,51Bの露光時間と、光電変換素子51r,51g,51bの露光時間とをそれぞれ決定し、決定した露光時間で撮像を行うように撮像素子駆動部10を制御する。
【0043】
図3に示すように、デジタルカメラに搭載される図示しないメカニカルシャッタが開いている期間に、撮像素子駆動部10により電子シャッタパルス(SUBパルス)の供給が停止されて電子シャッタが開の状態になると、光電変換素子51R,51G,51Bの露光期間が開始される。この露光期間開始時点では、転送電極V1〜V8には、それぞれローレベル(VL,例えば約−8V)の転送パルスが撮像素子駆動部10から供給される。
【0044】
光電変換素子51r,51g,51bの露光開始タイミングの直前になると、撮像素子駆動部10により、転送電極V1〜V8に印加される転送パルスがそれぞれミドルレベル(VM,例えば0V)に制御される。そして、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始タイミングになると、撮像素子駆動部10が、転送電極V2,V6にそれぞれハイレベル(VH,例えば15V)の読み出しパルスを印加して、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部55を介して垂直電荷転送路54に読み出し、読み出しパルスの停止を以って、光電変換素子51r,51g,51bの露光期間を開始する駆動を行う。
【0045】
読み出しパルスの印加により、電荷読み出し部55のポテンシャルが下がり、バリアが消滅するため、光電変換素子の電荷蓄積領域にある電荷は垂直電荷転送路54に読み出される。しかし、この読み出しパルスの印加により光電変換素子の電荷蓄積領域の電位も高くなり、最小空乏化電圧を高くする傾向がある。つまり、光電変換素子の電荷蓄積領域の電位が高くなることで、電荷蓄積領域内に電荷が残りやすくなり、電荷の完全転送が行われなくなって、残像が発生してしまうという問題がある。
【0046】
又、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路54に完全に読み出すためには、転送電極V2,V6に印加される読み出しパルスの実効電圧が重要となる。この実効電圧は、読み出しパルスが印加される転送電極の電位と、読み出しパルスを印加する転送電極に隣接する転送電極の電位との電位差によって決まり、15V程度が必要である。しかし、読み出しパルスが転送電極V2,V6に印加されると、そこに隣接する転送電極V1,V3,V5,V7の電位は、高レベルの読み出しパルスによってグラウンドレベルよりも上に引き上げられてしまう。この結果、読み出しパルスの実効電圧は低下してしまうという問題もある。
【0047】
そこで、本実施形態では、撮像素子駆動部10が、読み出しパルスの印加と同時に、転送電極V2,V6以外の転送電極の一部(例えば転送電極V4,V8)に、読み出しパルスと逆方向の変化を示す抑制パルス(例えばVL)を印加するものとしている。読み出しパルスが正極性の変化を示すとき、抑制パルスは負極性の変化を示し、読み出しパルスによる電荷蓄積領域の電位変化を抑制して、最小空乏化電圧を減少させる。この抑制パルスは、光電変換素子の電位を引き下げる(ポテンシャルを持ち上げる)機能を有するため、光電変換素子に残留していた電荷は垂直電荷転送路54に読み出される。読み出しパルスのみでは電荷が残っているところ、抑制パルスの印加により電荷を全て読み出せるようになったので、最小空乏化電圧が低下したことになる。又、抑制パルスの印加によって、転送電極V1,V3,V5,V7の電位がグラウンドレベルに引き寄せられるため、読み出しパルスの実効電圧を、電荷の読み出しに十分な値にすることができる。
【0048】
尚、読み出しパルスと抑制パルスのタイミングは正確に一致している必要はなく、オーバーラップ期間を有して、抑制パルスが読み出しパルスの影響を少なくとも一部抑制し、電荷読み出し動作として実質的に同じ効果を示せばよい。又、抑制パルスは、読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の全てに印加しても良い。抑制パルスについては、特開2006−54685号にも詳細が記載されているので、これを参照されたい。
【0049】
このように、読み出しパルスと抑制パルスの印加により、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始時には、光電変換素子51r,51g,51bには電荷が全く蓄積されていない状態となるので、残像を防ぐことができる。
【0050】
撮像素子駆動部10は、読み出しパルスと抑制パルスの印加後、転送パルスφV2,φV4,φV6,φV8をそれぞれVMに戻し、その後、転送パルスφV2,φV6以外をVLにする。電子シャッタが閉じられて、光電変換素子の露光期間が終了すると、撮像素子駆動部10は、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路54に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V4,V8に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V2,V6に抑制パルスを印加して、光電変換素子51R,51G,51Bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路54に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路57まで転送し、水平電荷転送路57で出力アンプ58まで転送する。これにより、光電変換素子51R,51G,51Bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5から出力される。
【0051】
次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路54に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V2,V6に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V4,V8に抑制パルスを印加して、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路54に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路57まで転送し、水平電荷転送路57で出力アンプ58まで転送する。これにより、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5から出力される。
【0052】
デジタル信号処理部17は、光電変換素子51R,51G,51Bから得られた信号によって画像データを生成し、光電変換素子51r,51g,51bから得られた信号によって画像データを生成し、この2つの画像データを合成してダイナミックレンジの広がった合成画像データを生成し、これを圧縮伸張処理部18に出力する。圧縮伸張処理部18では、合成画像データの圧縮処理が行われ、圧縮された合成画像データが記録媒体21に記録されて撮影動作が終了する。
【0053】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラによれば、光電変換素子51R,51G,51Bと光電変換素子51r,51g,51bとの露光時間に差をつけるための読み出しパルスの印加時に、その読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に抑制パルスを印加するようにしているため、光電変換素子51r,51g,51bに蓄積されていた電荷を完全に読み出すことができ、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始時に、光電変換素子51r,51g,51bに電荷が残っていることによる残像の発生を防ぐことができる。
【0054】
又、以上のような駆動によれば、光電変換素子51R,51G,51Bの露光期間開始から光電変換素子51r,51g,51bの露光期間開始まで期間の一部の期間、転送電極V1〜V8の各々にVLの転送パルスが供給されているため、この期間に各光電変換素子と垂直電荷転送路54との間のシリコン基板50の領域とこの上方のゲート絶縁膜との界面で発生した電子を、光電変換素子51R,51G,51Bに移動させることなく、該領域に蓄積しておくことが可能となる。これは、該領域上方の転送電極に極性がマイナスの転送パルスを印加すると、該領域にはホールが蓄積され、このホールと上記界面で発生した電子とが再結合することになり、該領域に電子を蓄積しておくことができるためである。この結果、光電変換素子51R,51G,51Bでの白傷を減らすことができる。
【0055】
尚、本実施形態では、光電変換素子51R,51G,51Bの露光開始から光電変換素子51r,51g,51bの露光開始までの間の一部の期間は、転送電極V1〜V8にVLの転送パルスが印加されているため、この期間に発生したスミア電荷によって、ブルーミングが起こる可能性がある。しかし、ブルーミングが発生するほどスミア電荷の量が多くなるのは、光電変換素子51r,51g,51bの露光時間を極端に短くしない限り、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始後となるため、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始前でのブルーミングの発生の確率は低い。したがって、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始前は、白傷防止のために、転送電極V1〜V8にVLの転送パルスを印加しておくことが有効となる。
【0056】
又、図3の例では、光電変換素子51r,51g,51bの露光開始の直前に、転送電極V1〜V8にVMの転送パルスを印加してから読み出しパルスを印加するようにしているが、読み出しパルスの印加と同時に、読み出しパルスと抑制パルスを印加していない転送電極にVMの転送パルスを印加するようにしておくことも可能であり、このようにした場合には、光電変換素子51R,51G,51Bの露光開始から光電変換素子51r,51g,51bの露光開始までの間の全ての期間において転送電極V1〜V8にVLの転送パルスを印加しておくことが可能となり、白傷防止効果を高めることができる。
【0057】
(第二実施形態)
第一実施形態では、固体撮像素子5の光電変換素子配列が、RGB光電変換素子群とrgb光電変換素子群とを、行方向Xと列方向Yに配列ピッチの1/2だけずらした、所謂ハニカム配列である場合を例にしたが、光電変換素子配列はこれに限らず、例えば正方配列であっても構わない。本実施形態では、このような固体撮像素子の別の構成例について説明する。
【0058】
図4は、図1に示したデジタルカメラに搭載される固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図である。
図4に示す固体撮像素子5’は、半導体基板上の行方向Xとこれに直交するY方向とに格子状に配列されたR光を検出する光電変換素子61R(図中に“R”の文字を付してある)、G光を検出する光電変換素子61G(図中に“G”の文字を付してある)、B光を検出する光電変換素子61B(図中に“B”の文字を付してある)からなるRGB光電変換素子群と、半導体基板上の行方向Xとこれに直交するY方向とに格子状に配列されたR光を検出する光電変換素子61r(図中に“r”の文字を付してある)、G光を検出する光電変換素子61g(図中に“g”の文字を付してある)、B光を検出する光電変換素子61b(図中に“b”の文字を付してある)からなるrgb光電変換素子群とを備え、これらが、それぞれの光電変換素子の列方向配列ピッチの略1/2だけ、列方向Yにずれた位置に配置されている。
【0059】
RGB光電変換素子群の各光電変換素子と、rgb光電変換素子群の各光電変換素子とは、それぞれ同一構造となっているが、撮像素子駆動部10によって、それぞれの露光時間が異なるように制御される。本実施形態では、rgb光電変換素子群の各光電変換素子の露光時間が、RGB光電変換素子群の各光電変換素子の露光時間よりも短くなるように制御されるものとする。
【0060】
固体撮像素子5’の光電変換素子の配列は、光電変換素子61bと光電変換素子61gと光電変換素子61rとからなる光電変換素子行であって、光電変換素子61bと光電変換素子61gと光電変換素子61rと光電変換素子61gとをこの順番で行方向Xに配列した組を、行方向Xに繰り返し配列してなるbgrg光電変換素子行と、光電変換素子61Bと光電変換素子61Gと光電変換素子61Rとからなる光電変換素子行であって、光電変換素子61Bと光電変換素子61Gと光電変換素子61Rと光電変換素子61Gとをこの順番で行方向Xに配列した組を、行方向Xに繰り返し配列してなるBGRG光電変換素子行と、光電変換素子61bと光電変換素子61gと光電変換素子61rとからなる光電変換素子行であって、光電変換素子61rと光電変換素子61gと光電変換素子61bと光電変換素子61gとをこの順番で行方向Xに配列した組を、行方向Xに繰り返し配列してなるrgbg光電変換素子行と、光電変換素子61Bと光電変換素子61Gと光電変換素子61Rとからなる光電変換素子行であって、光電変換素子61Rと光電変換素子61Gと光電変換素子61Bと光電変換素子61Gとをこの順番で行方向Xに配列した組を、行方向Xに繰り返し配列してなるRGBG光電変換素子行とを、この順番で列方向Yに繰り返し配置したものとなっている。
【0061】
列方向Yに並ぶ光電変換素子からなる光電変換素子列の右側部には、該光電変換素子列に対応させて、該光電変換素子列を構成する光電変換素子に蓄積された電荷を列方向Yに転送するための垂直電荷転送路64(図4では一部のみ図示してある)が形成されている。垂直電荷転送路64は、例えば、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層内に注入されたn型不純物によって形成されている。
【0062】
各光電変換素子と、それに対応する垂直電荷転送路64との間には、各光電変換素子で発生した電荷を、該垂直電荷転送路64に読み出すための電荷読出し部65が設けられている。電荷読出し部65は、例えば、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層の一部分によって形成されている。電荷読出し部65は、各光電変換素子に対して同一の位置に設けられている。
【0063】
垂直電荷転送路64上方には、垂直電荷転送路64に読み出された電荷の転送を制御するための8相の転送パルスが撮像素子駆動部10によって印加される転送電極V1〜V8が形成されている。転送電極V1には転送パルスφV1が印加され、転送電極V2には転送パルスφV2が印加され、転送電極V3には転送パルスφV3が印加され、転送電極V4には転送パルスφV4が印加され、転送電極V5には転送パルスφV5が印加され、転送電極V6には転送パルスφV6が印加され、転送電極V7には転送パルスφV7が印加され、転送電極V8には転送パルスφV8が印加される。
【0064】
転送電極V1,V2は、bgrg光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応して設けられている。転送電極V2は、bgrg光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応する電荷読出し部65も覆うように形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、bgrg光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0065】
転送電極V3,V4は、BGRG光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応して設けられている。転送電極V4は、BGRG光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応する電荷読出し部65も覆うように形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、BGRG光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0066】
転送電極V5,V6は、rgbg光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応して設けられている。転送電極V6は、rgbg光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応する電荷読出し部65も覆うように形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、rgbg光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0067】
転送電極V7,V8は、RGBG光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応して設けられている。転送電極V8は、RGBG光電変換素子行を構成する各光電変換素子に対応する電荷読出し部65も覆うように形成されており、ここに読み出しパルスを印加することで、RGBG光電変換素子行の各光電変換素子に蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0068】
垂直電荷転送路64には、垂直電荷転送路64を転送されてきた電荷を行方向Xに転送するための水平電荷転送路67が接続され、水平電荷転送路67には、水平電荷転送路67を転送されてきた電荷を電圧信号に変換して出力する出力アンプ68が接続されている。
【0069】
次に、このような構成のデジタルカメラの撮影動作について説明する。
操作部14に含まれるシャッタボタンが半押しされると、システム制御部11により、自動露出(AE)処理及び自動焦点調節(AF)処理が行われ、被写体の撮影に必要なダイナミックレンジの測定が行われる。システム制御部11は、測定したダイナミックレンジにより、光電変換素子61R,61G,61Bの露光時間と、光電変換素子61r,61g,61bの露光時間とをそれぞれ決定し、決定した露光時間で撮像を行うように撮像素子駆動部10を制御する。
【0070】
デジタルカメラに搭載される図示しないメカニカルシャッタが開いている期間に、撮像素子駆動部10により電子シャッタパルス(SUBパルス)の供給が停止されて電子シャッタが開の状態になると、光電変換素子61R,61G,61Bの露光期間が開始される。この露光期間開始時点では、転送電極V1〜V8には、それぞれローレベル(VL)の転送パルスが撮像素子駆動部10から供給される。
【0071】
光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングの直前になると、撮像素子駆動部10により、転送電極V1〜V8に印加される転送パルスがそれぞれミドルレベル(VM)に制御される。そして、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングになると、撮像素子駆動部10が、転送電極V2,V6にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V4,V8にそれぞれローレベルの抑制パルスを印加して、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出し、読み出しパルスの停止を以って、光電変換素子61r,61g,61bの露光期間を開始する駆動を行う。
【0072】
撮像素子駆動部10は、読み出しパルスと抑制パルスの印加後、転送パルスφV2,φV4,φV6,φV8をそれぞれVMに戻し、その後、転送パルスφV2,φV6以外をVLにする。電子シャッタが閉じられて、光電変換素子の露光期間が終了すると、撮像素子駆動部10は、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路64に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V4,V8に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V2,V6に抑制パルスを印加して、光電変換素子61R,61G,61Bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路64に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路67まで転送し、水平電荷転送路67で出力アンプ68まで転送する。これにより、光電変換素子61R,61G,61Bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5’から出力される。
【0073】
次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路64に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V2,V6に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V4,V8に抑制パルスを印加して、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路64に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路67まで転送し、水平電荷転送路67で出力アンプ68まで転送する。これにより、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5’から出力される。
【0074】
デジタル信号処理部17は、光電変換素子61R,61G,61Bから得られた信号によって画像データを生成し、光電変換素子61r,61g,61bから得られた信号によって画像データを生成し、この2つの画像データを合成してダイナミックレンジの広がった合成画像データを生成し、これを圧縮伸張処理部18に出力する。圧縮伸張処理部18では、合成画像データの圧縮処理が行われ、圧縮された合成画像データが記録媒体21に記録されて撮影動作が終了する。
【0075】
以上のように、固体撮像素子が図4に示したような構成であっても、第一実施形態と同様の駆動が可能となり、同様の効果を得ることができる。
【0076】
(第三実施形態)
図5は、図1に示すデジタルカメラに搭載する固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図である。
図5に示す固体撮像素子5’’は、図4に示した固体撮像素子において、光電変換素子61Gと、その水平電荷転送路67とは反対側に隣接する光電変換素子61gとの位置を逆にした構成となっている。又、図4に示した光電変換素子61Gに対応して設けていた電荷読出し部65の位置を、転送電極V4下方にあったものは、その転送電極V4隣の転送電極V3下方に変更し、転送電極V8下方にあったものは、その転送電極V8隣の転送電極V7下方に変更した構成となっている。更に、図4に示した光電変換素子61r,61bに対応して設けた電荷読出し部65の位置を、転送電極V2下方にあったものは、その転送電極V2隣の転送電極V1下方に変更し、転送電極V6下方にあったものは、その転送電極V6隣の転送電極V5下方に変更した構成となっている。
【0077】
転送電極V1と転送電極V5は、それぞれ、光電変換素子61r,61bに対応する電荷読出し部65を覆っているため、ここに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子61r,61bに蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0078】
転送電極V3と転送電極V7は、それぞれ、光電変換素子61gに対応する電荷読出し部65を覆っているため、ここに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子61gに蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0079】
転送電極V2と転送電極V6は、それぞれ、光電変換素子61Gに対応する電荷読出し部65を覆っているため、ここに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子61Gに蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0080】
転送電極V4と転送電極V8は、それぞれ、光電変換素子61R,61Bに対応する電荷読出し部65を覆っているため、ここに読み出しパルスを印加することで、光電変換素子61R,61Bに蓄積されている電荷を、その右側部にある垂直電荷転送路64に読み出すことができる。
【0081】
次に、このような固体撮像素子5’’を搭載した図1に示す構成のデジタルカメラの撮影動作について説明する。
図6は、第三実施形態のデジタルカメラによる撮影時の動作フローを示した図である。図7は、第三実施形態のデジタルカメラによる撮影時の転送パルスのタイミングチャートである。
操作部14に含まれるシャッタボタンが半押しされると(ステップS1)、システム制御部11により、自動露出(AE)処理(ステップS2)及び自動焦点調節(AF)処理(ステップS3)が行われ、被写体の撮影に必要なダイナミックレンジの測定が行われる(ステップS4)。システム制御部11は、測定したダイナミックレンジにより、光電変換素子61R,61G,61Bの露光時間と、光電変換素子61r,61g,61bの露光時間とをそれぞれ決定する。
【0082】
次に、システム制御部11は、光電変換素子61r,61g,61bの露光時間が閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS5)。光電変換素子61r,61g,61bの露光時間が閾値よりも大きかった場合(ステップS5:YES)、システム制御部11は、光電変換素子61r,61g,61bを2つのグループに分け、各グループ毎にタイミングをずらして読み出しパルス及び抑制パルスの印加を行って、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されている電荷を垂直電荷転送路64に読み出す時分割読み出し駆動を、撮像素子駆動部10を介して行う(ステップS6)。
【0083】
時分割読み出し駆動について詳しく説明する。
図7に示すように、デジタルカメラに搭載される図示しないメカニカルシャッタが開いている期間に、撮像素子駆動部10により電子シャッタパルス(SUBパルス)の供給が停止されて電子シャッタが開の状態になると、光電変換素子61R,61G,61Bの露光期間が開始される。この露光期間開始時点では、転送電極V1〜V8には、それぞれローレベル(VL)の転送パルスが撮像素子駆動部10から供給される。
【0084】
光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングの直前になると、撮像素子駆動部10により、転送電極V1〜V8に印加される転送パルスがそれぞれミドルレベル(VM)に制御される。そして、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングになると、撮像素子駆動部10が、まず転送電極V1,V5にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V3,V7に抑制パルスを印加して、光電変換素子61r,61bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスφV1〜φV8をそれぞれVMに戻し、その後、転送電極V3,V7にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V1,V5に抑制パルスを印加して、光電変換素子61gに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。
【0085】
以上が、時分割読み出し駆動の詳細である。
【0086】
図6の動作説明に戻り、光電変換素子61r,61g,61bの露光時間が閾値以下だった場合(ステップS5:NO)、システム制御部11は、rgb光電変換素子群の全ての光電変換素子に対応する電荷読出し部65上方の転送電極に同時に読み出しパルスを印加し、読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に抑制パルスを印加して、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されている電荷を垂直電荷転送路64に読み出す同時読み出し駆動を、撮像素子駆動部10を介して行う(ステップS7)。
【0087】
同時読み出し駆動について詳しく説明する。
デジタルカメラに搭載される図示しないメカニカルシャッタが開いている期間に、撮像素子駆動部10により電子シャッタパルス(SUBパルス)の供給が停止されて電子シャッタが開の状態になると、光電変換素子61R,61G,61Bの露光期間が開始される。この露光期間開始時点では、転送電極V1〜V8には、それぞれローレベル(VL)の転送パルスが撮像素子駆動部10から供給される。
【0088】
光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングの直前になると、撮像素子駆動部10により、転送電極V1〜V8に印加される転送パルスがそれぞれミドルレベル(VM)に制御される。そして、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングになると、撮像素子駆動部10が、転送電極V1,V3,V5,V7にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V2,V4,V6,V8に抑制パルスを印加して、光電変換素子61R,61G,61Bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。
【0089】
以上が、同時読み出し駆動の詳細である。
【0090】
撮像素子駆動部10は、ステップS6又はステップS7が終了し、電子シャッタが閉じられて、光電変換素子の露光期間が終了すると、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路64に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V2,V6に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V4,V8に抑制パルスを印加して、光電変換素子61Gに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路64に読み出す。次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスφV1〜φV8をそれぞれVMに戻し、その後、転送電極V4,V8にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V2,V6に抑制パルスを印加して、光電変換素子61R,61Bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路67まで転送し、水平電荷転送路67で出力アンプ68まで転送する。これにより、光電変換素子61R,61G,61Bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5’’から出力される(ステップS8)。
【0091】
次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスを制御して、垂直電荷転送路64に存在している不要電荷の高速掃き出しを行い、電荷の掃き出し終了後、転送電極V1,V5に読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V3,V7に抑制パルスを印加して、光電変換素子61r,61bに蓄積されていた電荷を垂直電荷転送路64に読み出す。次に、撮像素子駆動部10は、転送パルスφV1〜φV8をそれぞれVMに戻し、その後、転送電極V3,V7にそれぞれハイレベル(VH)の読み出しパルスを印加すると共に、転送電極V1,V5に抑制パルスを印加して、光電変換素子61gに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。その後は、転送パルスを制御して、読み出した電荷を水平電荷転送路67まで転送し、水平電荷転送路67で出力アンプ68まで転送する。これにより、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されていた電荷に応じた信号が固体撮像素子5’’から出力される(ステップS8)。
【0092】
デジタル信号処理部17は、光電変換素子61R,61G,61Bから得られた信号によって画像データを生成し、光電変換素子61r,61g,61bから得られた信号によって画像データを生成し、この2つの画像データを合成してダイナミックレンジの広がった合成画像データを生成し(ステップS9)、これを圧縮伸張処理部18に出力する。圧縮伸張処理部18では、合成画像データの圧縮処理が行われ、圧縮された合成画像データが記録媒体21に記録されて(ステップS10)、撮影動作が終了する。
【0093】
第一実施形態で説明した抑制パルスは、読み出しパルスを印加する転送電極以外の電極であれば、どこに印加しても効果があるものである。しかし、読み出しパルスを印加する転送電極に隣接する転送電極に抑制パルスを印加してしまうと、高電位の転送電極と低電位の転送電極とが隣接することになり、この2つの転送電極間の電位差によって電極ダメージが発生し、電極ダメージが発生した回数に比例して光電変換素子61r,61g,61bに蓄積される暗電流が増えてくるなど、信頼性の低下が懸念される。
【0094】
このような理由から、上記暗電流を減らして信頼性を向上させるためには、読み出しパルスを印加する転送電極の隣の転送電極に抑制パルスを印加する駆動をなるべく行わないようにすることが重要となる。
【0095】
本実施形態では、上記信頼性を向上させるための駆動として、上述した時分割読み出し駆動を採用している。本実施形態の固体撮像素子5’’は、光電変換素子61r,61bと光電変換素子61gとで独立に電荷の読み出しを制御することができるような構成となっている。このため、光電変換素子61r,61g,61bの露光時間制御のための読み出しパルスの印加時に、その読み出しパルスを印加する転送電極の隣の転送電極以外の転送電極に抑制パルスを印加することが可能となっており、上述した電極ダメージの累積を防いで、暗電流の発生を抑えることができる。
【0096】
ただし、上記時分割読み出し駆動を行うと、光電変換素子61r,61bと光電変換素子61gとで、わずかではあるが露光時間に差が生じてしまう。この露光時間差は、システム制御部11によって決定された光電変換素子61r,61b,61gの露光時間が十分に大きければ、許容できるものとなるが、該露光時間が小さい場合には画質劣化が顕著なものとなってしまう。
【0097】
このように、時分割読み出し駆動は、暗電流低減効果はあるが、光電変換素子61r,61bと光電変換素子61gとの露光時間差に起因する画質劣化の恐れもある駆動となっている。一方、同時読み出し駆動は、読み出しパルスを印加する転送電極の隣の転送電極に抑制パルスを印加しているため、電極ダメージによる暗電流が発生しやすい駆動となっているが、露光時間差は発生しないため、画質劣化の恐れがない駆動ともなっている。
【0098】
本実施形態のデジタルカメラでは、電極ダメージが累積してしまう同時読み出し駆動をなるべく行わないために、光電変換素子61r,61b,61gの露光時間が閾値よりも大きく、上記露光時間差による影響が許容できると判断された場合には、撮像素子駆動部10が時分割読み出し駆動を行い、光電変換素子61r,61b,61gの露光時間が閾値以下であり、上記露光時間差による影響が許容できないと判断された場合にのみ、撮像素子駆動部10が同時読み出し駆動を行うものとしている。
【0099】
このように、露光時間差による画質劣化が顕著となるような露光時間である場合にのみ同時読み出し駆動を行い、それ以外の場合には時分割読み出し駆動を行うことで、露光時間制御のための電荷の完全読み出しを実現しながら、電極ダメージの累積を防ぐことができ、電極ダメージに起因する暗電流の増加を極力防ぐことができる。
【0100】
尚、露光期間終了後の電荷読み出し時においては、時分割読み出し駆動を行ったとしても画質には何も影響がない。このため、上述したように、露光期間終了後の電荷読み出し時においては、暗電流の発生を避けるために、常に時分割読み出し駆動を実施することが好ましい。
【0101】
又、上記閾値は、露光時間差に起因する画質劣化が許容できなくなるような光電変換素子61r,61g,61bの露光時間の上限値としておけば良い。
【0102】
尚、図7の例では、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始の直前に、転送電極V1〜V8にVMの転送パルスを印加してから読み出しパルスを印加するようにしているが、読み出しパルスの印加と同時に、読み出しパルスと抑制パルスを印加していない転送電極にVMの転送パルスを印加するようにしておくことも可能であり、このようにした場合には、光電変換素子61R,61G,61Bの露光開始から光電変換素子61r,61g,61bの露光開始までの間の全ての期間において転送電極V1〜V8にVLの転送パルスを印加しておくことが可能となり、白傷防止効果を高めることができる。
【0103】
(第四実施形態)
本実施形態のデジタルカメラの構成は、第三実施形態のデジタルカメラとほぼ同様であり、撮像素子駆動部10による駆動方法が若干異なるものとなっている。本実施形態のデジタルカメラは、図6に示すステップS7で同時読み出し駆動を行う代わりに、抑制パルスの印加を行わずにrgb光電変換素子群の全ての光電変換素子に対応する電荷読出し部65上方の転送電極に同時に読み出しパルスの印加を行って、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されている電荷を垂直電荷転送路64に読み出す、抑制パルスなし同時読み出し駆動を行うものとなっている。
【0104】
以下、固体撮像素子の駆動方法について説明する。
図8は、第四実施形態のデジタルカメラによる撮影時の動作フローを示した図である。図9は、第四実施形態のデジタルカメラによる撮影時(抑制パルスなし同時読み出し駆動を行う場合)の転送パルスのタイミングチャートである。図8において図6と同じ処理には同一符号を付してある。
光電変換素子61r,61g,61bの露光時間が閾値以下だった場合(ステップS5:NO)、システム制御部11は、読み出しパルスのレベルを上昇させる指示を行った後(ステップS17)、抑制パルスなし同時読み出し駆動を、撮像素子駆動部10を介して行う(ステップS18)。抑制パルスなし同時読み出し駆動が終了した後は、ステップS8に処理を移行する。
【0105】
抑制パルスなし同時読み出し駆動について詳しく説明する。
図9に示すように、デジタルカメラに搭載される図示しないメカニカルシャッタが開いている期間に、撮像素子駆動部10により電子シャッタパルス(SUBパルス)の供給が停止されて電子シャッタが開の状態になると、光電変換素子61R,61G,61Bの露光期間が開始される。この露光期間開始時点では、転送電極V1〜V8には、それぞれローレベル(VL)の転送パルスが撮像素子駆動部10から供給される。
【0106】
光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングの直前になると、撮像素子駆動部10により、転送電極V1〜V8に印加される転送パルスがそれぞれミドルレベル(VM)に制御される。そして、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始タイミングになると、撮像素子駆動部10が、転送電極V1,V3,V5,V7にそれぞれ高電圧(時分割読み出し駆動時に印加する読み出しパルスよりも高いレベル(例えば18、19V)の電圧の読み出しパルスを印加して、光電変換素子61r,61g,61bに蓄積されていた電荷を電荷読出し部65を介して垂直電荷転送路64に読み出す。
【0107】
以上が、抑制パルスなし同時読み出し駆動の詳細である。
【0108】
第一実施形態で説明した抑制パルスは、光電変換素子からの電荷の完全な読み出しを目的として用いられている。しかし、読み出しパルスのレベルが十分に大きければ、この抑制パルスがなくとも、電荷の完全な読み出しは可能であり、本実施形態では、このことを利用して電荷の完全読み出しを実現した抑制パルスなし同時読み出し駆動を採用している。抑制パルスなし同時読み出し駆動によれば、抑制パルスを印加する必要がなく、読み出しパルスが印加されている転送電極の隣の転送電極の電位をグラウンド電位とすることができるため、電極ダメージによる暗電流の発生といった問題をなくすことができる。
【0109】
本実施形態のデジタルカメラでは、高電圧の読み出しパルスを印加する抑制パルスなし同時読み出し駆動をなるべく行わないため(消費電力低減のため)に、光電変換素子61r,61b,61gの露光時間が閾値よりも大きく、上記露光時間差による影響が許容できると判断された場合には、撮像素子駆動部10が時分割読み出し駆動を行い、光電変換素子61r,61b,61gの露光時間が閾値以下であり、上記露光時間差による影響が許容できないと判断された場合にのみ、撮像素子駆動部10が抑制パルスなし同時読み出し駆動を行うものとしている。
【0110】
このように、露光時間差による画質劣化が顕著となるような露光時間である場合にのみ抑制パルスなし同時読み出し駆動を行い、それ以外の場合には時分割読み出し駆動を行うことで、露光時間制御のための電荷の完全読み出しを実現しながら、電極ダメージの累積を防ぐことができ、電極ダメージに起因する暗電流の増加を極力防ぐことができる。
【0111】
抑制パルスなし同時読み出し駆動時に印加する読み出しパルスのレベルは、光電変換素子からの電荷の完全読み出しができるようになる程度のレベルであれば良く、VHとVLの絶対値とを加算したレベル(+22V)よりも十分に小さい値で良いため、読み出しパルスが印加される転送電極と、その隣の転送電極との電位差は、同時読み出し駆動を行った場合よりも小さくすることができる。このため、電極ダメージを減らすことができ、暗電流の増加防止という効果が得られる。
【0112】
尚、図8のステップS6において抑制パルスの印加を省略することも可能である。ステップS6において抑制パルスの印加を省略して、読み出しパルスを複数回に分けて印加するようにした場合、読み出しパルスを1回しか印加しない場合と比べて、読み出し対象となる光電変換素子の周囲に存在する読み出しパルスが印加される電極数を減らすことができる。この結果、光電変換素子の電位変動や読み出しパルスの実効電圧の変動が小さくなるため、抑制パルスを印加しなくとも、光電変換素子からの電荷の完全な読み出しを実現することが可能となる。又、ステップS6において抑制パルスの印加を省略した場合でも、露光時間差に起因する画質劣化が許容できないときにステップS6の駆動を実行せずにステップS18の駆動を実行することは、画質を向上させる上で技術的に意義のある処理となる。
【0113】
尚、図9の例では、光電変換素子61r,61g,61bの露光開始の直前に、転送電極V1〜V8にVMの転送パルスを印加してから読み出しパルスを印加するようにしているが、読み出しパルスの印加と同時に、読み出しパルスを印加していない転送電極にVMの転送パルスを印加するようにしておくことも可能であり、このようにした場合には、光電変換素子61R,61G,61Bの露光開始から光電変換素子61r,61g,61bの露光開始までの間の全ての期間において転送電極V1〜V8にVLの転送パルスを印加しておくことが可能となり、白傷防止効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第一実施形態を説明するための撮像装置の一例であるデジタルカメラの概略構成を示す図
【図2】本発明の第一実施形態のデジタルカメラに搭載された固体撮像素子の一構成例を示した平面模式図
【図3】本発明の第一実施形態のデジタルカメラによる撮影時の転送パルスのタイミングチャート
【図4】図1に示したデジタルカメラに搭載される固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図
【図5】図1に示すデジタルカメラに搭載する固体撮像素子の別の構成例を示す平面模式図
【図6】第三実施形態のデジタルカメラによる撮影時に動作フローを示した図
【図7】第三実施形態のデジタルカメラによる撮影時の転送パルスのタイミングチャート
【図8】第四実施形態のデジタルカメラによる撮影時に動作フローを示した図
【図9】第四実施形態のデジタルカメラによる撮影時の転送パルスのタイミングチャート
【符号の説明】
【0115】
5 固体撮像素子
51R,51G,51B 長時間露光用の光電変換素子
51r,51g,51b 短時間露光用の光電変換素子
10 撮像素子駆動部
11 システム制御部
54 垂直電荷転送路
55 電荷読出し部
57 水平電荷転送路
58 出力アンプ
V1〜V8 転送電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動手段とを有する撮像装置であって、
前記固体撮像素子は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含み、
前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられた前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、
前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、
前記駆動手段は、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加すると共に、前記読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に、前記読み出しパルスによる前記光電変換素子の電荷蓄積領域の電位変化を抑制するための前記読み出しパルスとは逆極性の抑制パルスを印加する駆動を行う撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記駆動手段が、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値以下の場合に前記駆動を行い、前記露光時間が閾値よりも大きい場合に、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行う撮像装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記駆動手段が、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値よりも大きい場合に、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行い、前記露光時間が閾値以下の場合に、前記駆動において前記抑制パルスを停止し、前記読み出しパルスのレベルを、前記露光時間が閾値よりも大きい場合の駆動で印加するときのレベルよりも高くした駆動を行う撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記抑制パルスの印加開始タイミングと、前記読み出しパルスの印加開始タイミングとが一致している撮像装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、
前記駆動手段は、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する撮像装置。
【請求項6】
固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動手段とを有する撮像装置であって、
前記固体撮像素子は、半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含み、
前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、
前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、
前記駆動手段は、設定された前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値よりも大きい場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加する駆動を行い、前記第二の光電変換素子の露光時間が閾値以下の場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記読み出しパルスよりも大きいレベルの読み出しパルスを印加する駆動を行う撮像装置。
【請求項7】
請求項6記載の撮像装置であって、
前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、
前記駆動手段は、前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する撮像装置。
【請求項8】
半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、
前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、
前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、
前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に、前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加すると共に、
前記読み出しパルスを印加する転送電極以外の転送電極の少なくとも一部に、前記読み出しパルスによる前記光電変換素子の電荷蓄積領域の電位変化を抑制するための前記読み出しパルスとは逆極性の抑制パルスを印加する駆動を行う駆動ステップを有する固体撮像素子の駆動方法。
【請求項9】
請求項8記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値とを比較する比較ステップを有し、
前記露光時間が閾値以下の場合に前記駆動を行い、前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行う固体撮像素子の駆動方法。
【請求項10】
請求項8記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値とを比較する比較ステップを有し、
前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記駆動において、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記読み出しパルス及び前記抑制パルスを印加する駆動を行い、
前記露光時間が閾値以下の場合、前記駆動において前記抑制パルスを停止し、前記読み出しパルスのレベルを、前記露光時間が閾値より大きい場合の前記駆動で印加するときのレベルよりも高くする固体撮像素子の駆動方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記抑制パルスの印加開始タイミングと、前記読み出しパルスの印加開始タイミングとを一致させる固体撮像素子の駆動方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、
前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加するステップを有する固体撮像素子の駆動方法。
【請求項13】
半導体基板内の特定方向とこれに直交する方向に二次元状に配列された多数の光電変換素子と、前記特定方向に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子列に対応して設けられた前記複数の光電変換素子の各々で発生した電荷を前記特定方向に転送するための電荷転送路と、前記電荷転送路上方に前記特定方向に向かって配列された転送電極とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、
前記転送電極は、前記光電変換素子列を構成する複数の光電変換素子の各々に対応して設けられ、前記各々の光電変換素子から前記電荷転送路への電荷の読み出し及び前記電荷転送路での電荷の転送を制御するための第一の転送電極を含み、
前記多数の光電変換素子は、第一の光電変換素子と第二の光電変換素子を含み、前記第二の光電変換素子は、前記第一の光電変換素子よりも露光時間が短く制御されるものであり、
設定された前記第二の光電変換素子の露光時間と閾値を比較する比較ステップと、
前記露光時間が閾値よりも大きい場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極を複数のグループに分けて前記複数のグループ毎に異なるタイミングで前記光電変換素子から前記電荷転送路に電荷を読み出すための読み出しパルスを印加する駆動を行うステップと、
前記露光時間が閾値以下の場合、前記第一の光電変換素子の露光期間中に、前記第二の光電変換素子に対応する前記第一の転送電極に前記読み出しパルスよりもレベルの高い読み出しパルスを印加する駆動を行うステップとを有する固体撮像素子の駆動方法。
【請求項14】
請求項13記載の固体撮像素子の駆動方法であって、
前記転送電極には、前記電荷転送路に電荷を蓄積するパケットを形成するための前記読み出しパルスよりもレベルの低い第一の転送パルスと、前記電荷転送路に前記パケットのバリアを形成するための前記第一の転送パルスよりもレベルの低い第二の転送パルスとが印加可能であり、
前記第一の光電変換素子の露光期間開始から前記読み出しパルスを印加するまでの間の少なくとも一部の期間に、全ての前記転送電極に前記第二の転送パルスを印加する駆動を行うステップを有する固体撮像素子の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−88706(P2009−88706A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252600(P2007−252600)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】