撮像装置及び撮像方法及びプログラム
【課題】撮影した画像に対して、再撮影をすることなく使用者の意図を反映させた画像処理を施すことができるようにする。
【解決手段】撮像素子101からの撮影データを一旦メモリ105に記録しておき、撮影データのデジタル現像処理結果の画像を表示し、その表示画像からデジタル現像処理時の各種の画像処理のパラメータが撮影画像に対して不適切であると判断された場合、再度パラメータ設定を修正して、メモリ105から撮影データを読み出して再デジタル現像処理する動作を必要回数行い、撮影者の意図した画質が得られた時点で記録媒体117に記録する。
【解決手段】撮像素子101からの撮影データを一旦メモリ105に記録しておき、撮影データのデジタル現像処理結果の画像を表示し、その表示画像からデジタル現像処理時の各種の画像処理のパラメータが撮影画像に対して不適切であると判断された場合、再度パラメータ設定を修正して、メモリ105から撮影データを読み出して再デジタル現像処理する動作を必要回数行い、撮影者の意図した画質が得られた時点で記録媒体117に記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子により撮影された画像信号に対して複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行い、デジタル現像処理が行われた画像を表示部で確認した後に記録媒体に記録する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの市場への普及が近年急速に進み、撮影機器としての役割は従来のカラーフィルムを用いたカメラからデジタルカメラへと置き換わりつつある。その理由のひとつとして、撮像素子により撮影された画像信号に対して複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行って、撮影直後に付属のTFTモニタなどの画像表示装置に表示して、撮影結果を瞬時に観察できる機能を備えていることがあげられる。このようなデジタルカメラの一例が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、フィルムカメラでは、カメラに装填したフィルムにより、感度やホワイトバランスや発色などの特性は決められてしまうが、デジタルカメラでは、画像処理用パラメータの設定を変更することにより、撮影画像の発色などを容易に変更することが可能である。
【0004】
図3は、複数の色フィルタを備える従来のデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【0005】
複数の色フィルタは、例えば図21に示されるような、R(レッド)、Gr1(グリーン1)、Gr2(グリーン2)、B(ブルー)の配列を持つ原色フィルタであるとする。ここでは、Gr1、Gr2は回路構成上異なる読み出しアンプを用いる場合を考慮して、R行のGrをGr1、B行のGrをGr2として、Gr1,Gr2を異なる色成分として扱う。
【0006】
このような配列の色フィルタを持つ撮像素子301により撮影されて、A/D変換器303によりA/D変換されたデジタル色信号の各色成分データ304に対して、ホワイトバランス調整処理部320によりホワイトバランス調整処理が行われる。
【0007】
ここでは、ホワイトバランス処理を行うためのホワイトバランス制御値が各色成分ごとにパラメータとして与えられる。この各制御値は、各色成分の画素ごとに乗算されて、画像の無彩色の部分の各色信号成分の大きさの比率が、R:Gr1:Gr2:B=1:1:1:1になるように設定される。
【0008】
撮影された画像データから撮影画像に適したホワイトバランス制御値を自動で求めるオートホワイトバランスの場合は、例えば以下のようにして求める方法がある。
【0009】
画像データのうちの隣接しあったR,Gr1,Gr2,Bで、R:B比、(R+B):(Gr1+Gr2)比を求めて、図19に示されるような二次元座標上に★印2103のようにプロットし、黒体輻射軌跡、あるいはCIE昼光軌跡と呼ばれる軌跡線2102の近傍の座標範囲2101に位置したR,Gr1,Gr2,Bの組み合わせを無彩色の領域とする。そして、その領域中の、色成分ごとの積分値SumR,SumGr1,SumGr2,SumBを求め、それよりSumR:SumGr1:SumGr2:SumB比を求めて、その比が1:1:1:1になるようなホワイトバランス制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを次式のようにして求める。
【0010】
WbR=(SumGr1+SumGr2)/(2×R) …(1)
WbGr1=(SumGr1+SumGr2)/(2×Gr1) …(2)
WbGr2=(SumGr1+SumGr2)/(2×Gr2) …(3)
WbB=(SumGr1+SumGr2)/(2×B) …(4)
オートホワイトバランスでは、このホワイトバランス制御値をこの画像での最適な光源の色温度に対して決定し、画像データのうち、Rフィルタの画素に対してWbRを、Gr1フィルタの画素に対してWbGr1を、Gr2フィルタの画素に対してWbGr2を、Bフィルタの画素に対してWbBをそれぞれ乗算することでホワイトバランス調整処理を行う。
【0011】
このオートホワイトバランス以外にも、所定の光源の色温度に対する一定の制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを与えてホワイトバランス調整処理を行うプリセットホワイトバランスや、撮影を行う光源と同一の光源下であらかじめ無彩色の物体を撮影し、その撮影画像のR,Gr1,Gr2,Bのデータよりホワイトバランス制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを求めるマニュアルホワイトバランスなどがある。
【0012】
次に、ホワイトバランス処理された画像信号に対して、レベル補正部322において、色成分ごとに画素に関係なく一律に同じゲイン値をパラメータとして与え、これを各信号成分に乗算することにより信号レベルの補正を行う。
【0013】
レベル補正が行われた画像信号に対して、ローパスフィルター処理部324でローパスフィルター処理が行われる。
【0014】
ここでは、各色フィルターに対応した画素ごとにR,Gr1,Gr2,Bの4種類の2次元平面に分離し、図22のようにそれぞれの平面で自身の色フィルターの割り当てのなかった画素配置の位置の画素に0を割り当てて挿入し、各2次元平面ごとにフィルタリング処理を行う。
【0015】
次に、ローパスフィルター処理部324から出力された信号325に対して、マトリックス処理部326において、各色信号成分を他の色信号成分に置き換えるためのマトリックス演算処理が行われる。例えば(R,Gr1,Gr2,B)の信号成分を(Y,Cr,Cb)の輝度信号Y、色信号Cr,Cbの各信号成分に変換する演算は次式のように4×3のマトリックス変換によって演算される。
【0016】
【数1】
【0017】
…(A)
(Y,Cr,Cb)の信号成分に変換された画像信号は、ガンマテーブルによってコントラスト調整処理328がなされる。例えば、図7に示されるような10ビット入力画像信号から8ビット画像信号に変換する特性テーブルがパラメータとして与えられ、画像の階調やコントラストが調整される。
【0018】
ガンマテーブルによってコントラスト調整された画像データ329のうち、Cr,Cb信号は色処理である色ゲイン補正部330、Y信号は輝度信号処理である輪郭強調部333に分けてそれぞれ送られる。
【0019】
輝度・色信号成分に分離された(Y,Cr,Cb)の各信号成分のうち、色信号成分Cr,Cbに対しては、色ゲイン補正部330で色ゲイン補正処理を行う。ここでは色ゲイン補正値をパラメータとして、Cr,Cb値にこのゲインを乗算して色の濃度の調整をする。この色ゲイン補正によって、Cr−Cb座標上でゲインがかかり、色の彩度の調整を行うことができる。
【0020】
さらに、色信号成分Cr、Cbに対して、色相マトリックス変換部332において、2×2のマトリックス演算を行うことによって、色相の調整を行う。ここでは、2×2のマトリックスをパラメータとして与えて、次式の演算により(Cr,Cb)2次元の座標上で座標の変換を行うことで色相角の変換を行う。
【0021】
【数2】
【0022】
…(B)
一方、輝度信号成分Yに対しては、輪郭強調処理部333において、輪郭強調処理を行う。ここでのパラメータは、輪郭強調をかける画素に対して参照する隣接画素の数やエッジ強調のゲイン値やエッジ強調をかける輪郭検出の閾値であるオフセット値などがある。
【0023】
例えば図20に示すように、輪郭強調の参照画素を輪郭強調する対象画素Pの周囲8画素(a1〜a8)とすると、対象画素Pを含めて9画素の平均値Sを求める。
【0024】
【数3】
【0025】
次に対象画素と平均値Sの差分を求め、この差分が前記オフセット値thを越えたとき、輪郭強調のゲイン値Gainをかけて、それを元の対象画素Pに加算することで輪郭強調処理を行う。
P'=P+(P−S−th)・Gain ((P−S)≧th)
これらのパラメータにより画像の輪郭強調処理の強弱の調整を行う。ゲイン値を大きくすることで輪郭強調を強くすることができ、小さくすると輪郭強調を弱くすることができる。また、オフセット値を大きくすることで輪郭強調を弱くすることができ、小さくすることで輪郭強調を強くすることができる。
【0026】
以上のように、各種の画像処理によってデジタル現像処理された画像信号(Y,Cr,Cb)は、フォーマット部309において、例えばJPEGファイルのような汎用画像フォーマットに画像ファイル化して、画像記録部317において、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカードなどのカメラ本体から取り外しが可能な各種の記録媒体に記録する。
【特許文献1】特開2003−134530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
以上の説明によると、撮影画像をデジタル現像処理する際の各種の画像処理用パラメータを撮影前に設定することによって、様々な撮影条件に対して、デジタルカメラの使用者の意思を反映させた画像処理を実現することは可能である。しかし、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合は、各パラメータを再設定して、再度撮影を行う必要があり、また、設定したパラメータが最適なものであるかは、撮影後の画像確認まで分からないため、再撮影を繰り返す場合が生じ、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃す問題が生じる場合がある。
【0028】
したがって、本発明は上述した課題に鏡みてなされたものであり、その目的は、撮影した画像に対して、再撮影をすることなく使用者の意図を反映させた画像処理を施すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、被写体像を撮像する撮像手段と、該撮像手段から出力された第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を記憶する第1の記憶手段と、前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理手段と、前記第3の画像信号を表示する表示手段と、前記第3の画像信号を記憶する第2の記憶手段と、前記画像処理手段における画像処理のためのパラメータを変更する変更手段と、前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示手段とを具備し、前記変更手段により前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理手段による画像処理を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段により表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示手段の指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係る撮像方法は、被写体像を撮像する撮像工程と、該撮像工程において得られた第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を第1の記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理工程と、前記第3の画像信号を表示手段に表示する表示工程と、前記第3の画像信号を第2の記憶手段に記憶する第2の記憶工程と、前記画像処理工程における画像処理のためのパラメータを変更する変更工程と、前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示工程とを具備し、前記変更工程において前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理工程を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段に表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示工程における指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、撮影した画像に対して、再撮影をすることなく使用者の意図を反映させた画像処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを採用した場合を説明するが、第1の実施形態に係る撮像装置はデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き装置(デジタルカメラ付き携帯電話を含む)等で構成することも可能である。
【0034】
本実施形態では、撮影画像に対してデジタル現像処理部で現像した結果を画像表示部で確認した後、デジタル現像処理部の複数種類の画像処理のうちの、1種類以上の画像処理のパラメータを切り替えて再現像する。そして、再現像結果が画像表示部で所望の現像結果であると確認された後、記録指示部の指示によって記録部において記録媒体に記録するものである。
【0035】
図1において、101は複数の色フィルタを備える撮像手段である撮像素子、103は撮像素子101より出力された第1の画像信号102をデジタルデータである第2の画像信号104に変換するA/D変換部、105はA/D変換された第2の画像信号104を記録しておく第1のメモリ、106は複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行うデジタル現像処理部、107はデジタル現像処理によって生成された第3の画像信号(色差信号)、109は信号108(輝度信号)を画像ファイル化するフォーマット部、111は第3の画像信号をファイル化したデータ110を表示する画像表示部、112は第3の画像信号をファイル化したデータ110を保持しておく第2のメモリ、117は第2のメモリ112から読み出した第3の画像信号をファイル化したデータ116を記録する記録部、113は第2のメモリ112から第3の画像信号をファイル化したデータを読み出して、カメラから取り出し可能な記録媒体117に記録するための記録指示信号114を出力する記録指示部である。
【0036】
また、デジタル現像処理を行うデジタル現像処理部106は、ホワイトバランス調整処理部120、画像信号レベル調整をするゲイン処理部122、ローパスフィルター処理部124、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部126、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部128、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部130、色相を変換する色相調整処理部132、輪郭強調処理部133を備えて構成されている。
【0037】
さらに、134はこれらの画像処理のパラメータを切り替える指示信号137を出力し、第1のメモリ105から第2の画像信号136を読み出して再現像する指示信号135を出力するパラメータ切換指示部である。各パラメータへの切換指示信号137のうち、ホワイトバランス調整処理部120のパラメータは137a、ゲイン処理部122のパラメータは137b、ローパスフィルター処理部124のパラメータは137c、マトリックス演算処理部126のパラメータは137d、ガンマ特性変換処理部128のパラメータは137e、色ゲイン補正処理部130のパラメータは137f、色相調整処理部132のパラメータは137g、輪郭強調処理部133のパラメータは137hによってそれぞれ切り替えられる。
【0038】
従来例と同様に(R,G1,G2,B)の4色のカラーフィルタを持つ撮像素子101から得られた(R,G1,G2,B)4色の色成分で構成される画像信号102は、A/D変換部103によってデジタルの第2の画像信号104に変換される。
【0039】
このデジタル画像信号104は、図4に示されるデジタルカメラの背面400の画像調整スイッチ404を押すことによって、その後の撮影が行われた際に、デジタル現像処理部106に送られる以外に、後述する再現像指示信号135により読み出し可能な第1のメモリ105に送られて保持されるように設定される。
【0040】
画像信号104に対して、デジタル現像処理部106において、撮影後1回目のデジタル現像処理を行う。このとき、各種の画像処理におけるパラメータをデフォルトの設定状態で処理する。
【0041】
本実施形態では、デジタル現像処理部106での処理には、ホワイトバランス調整処理部120、画像信号レベル調整をするレベル補正部122、ローパスフィルター処理部124、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部126、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部128、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部130、色相を変換する色相調整処理部132、輪郭強調処理部133での各種の画像処理があり、そのうち、ガンマ特性テーブル変換処理部128、色ゲイン補正処理部130、輪郭強調処理部133のパラメータの組み合わせを現像パラメータとして変更して再現像を行う場合について説明する。
【0042】
図6は、本実施形態でのガンマ特性テーブルを表す図である。ここで、横軸はこの処理部の入力レベル10ビット、縦軸は出力レベル8ビットとする。
【0043】
デフォルトのテーブル601に対して、テーブル602の曲線はコントラストの強い画像を出力する特性のテーブルとなる。また、テーブル603の曲線はコントラストの弱い画像を出力する特性のテーブルとなる。パラメータ切換指示命令137eによって、パラメータであるこのガンマ特性テーブルは、「デフォルト」「コントラスト強」「コントラスト弱」の3種類の間で切り替えられる。
【0044】
また、色ゲイン補正処理部130では、デフォルトで1.0倍の色ゲインとするのに対して、色濃度の高い処理で1.2倍をかけて現像結果の色の彩度を高くし、色濃度の低い処理で0.8倍をかけて現像結果の色の彩度を低くする。パラメータ切換指示命令137fによって、パラメータである色ゲイン補正テーブルは、「デフォルト」「色濃度濃い」「色濃度薄い」の3種類の間で切り替えられる。
【0045】
さらにまた、輪郭強調処理部133では、従来例で説明した輪郭強調のゲイン値をデフォルトで1.0倍とするのに対して、輪郭強調強いで2.0倍、輪郭強調弱いで0.0倍にして輪郭強調の強弱の度合いを変える。また、オフセット値をデフォルトで4.0と設定し、それに対して輪郭強調を強くする設定で2.0を与える。これで、パラメータ切換指示命令137hによって、パラメータである輪郭強調テーブルは、「デフォルト」(ゲイン値1.0、オフセット値4.0)、「強い」(ゲイン値2.0、オフセット値2.0)、「弱い(輪郭強調オフ)」(ゲイン値0.0、オフセット値任意)の3種類の間で切り替えられる。
【0046】
以上の3種類の画像処理のテーブルを組み合わせて、「ガンマ特性テーブル→デフォルト」「色ゲイン補正テーブル→デフォルト」「輪郭強調テーブル→デフォルト」の組み合わせを「現像パラメータ1」とし、「ガンマ特性テーブル→コントラスト強」「色ゲイン補正テーブル→色濃度濃い」「輪郭強調テーブル→強い」の組み合わせを「現像パラメータ2」とし、「ガンマ特性テーブル→コントラスト弱」「色ゲイン補正テーブル→色濃度薄い」「輪郭強調テーブル→弱い(輪郭強調オフ)」の組み合わせを「現像パラメータ3」とする。
【0047】
ここで本実施形態の特徴的な動作について説明する。
【0048】
前記のように、図4に示されるデジタルカメラの背面の画像調整スイッチ404を押し、撮影が行われたとき、図1の画像データ104は、デジタル現像処理部106でデジタル現像処理される以外に、第1のメモリ105に送られて保持される。デジタル現像処理部106においては、撮影後1回目のデジタル現像処理が「現像パラメータ1」すなわちデフォルトのパラメータ設定状態で行われる。
【0049】
このとき、現像結果である第3の画像信号107(色差信号)、108(輝度信号)をフォーマット部109においてJPEGファイル化し、第2のメモリ112に送る。
【0050】
また、このJPEGファイル化された第3の画像信号を表示部111にも送り、図5に示されるように、現像結果の画像502を、現像パラメータ選択表503とともに表示部501に表示する。
【0051】
ここで、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、選択される現像パラメータを「現像パラメータ1」から「現像パラメータ2」に切り替える。この操作によって、図1の切換指示部134よりパラメータ切換指示信号137が出力され、ガンマ特性テーブルは137eによって「デフォルト」から「コントラスト強」に、色ゲイン補正処理部は137fによって「デフォルト」から「色濃度濃い」に、輪郭強調処理部は137hによって「デフォルト」から「強い」に、それぞれパラメータ設定値が切り替えられる。
【0052】
そして、切換指示部134より出力された再現像指示信号135によって、第1のメモリに記録されていた第2の画像信号を読み出してデジタル現像処理部106によって再デジタル現像処理が行われる。
【0053】
再現像された第3の画像信号107(色差信号)、108(輝度信号)は、フォーマット部109においてJPEGファイル化され、ファイル化された画像信号110は、第2のメモリ112に送られ、「現像パラメータ1」でデジタル現像処理された画像ファイルに上書きされるか、または別の領域に記録され、さらにファイル化された画像信号110は、表示部111に送られ、それまで表示されていた「現像パラメータ1」によるデジタル現像処理結果の画像データと置きかえられて、「現像パラメータ2」によるデジタル現像処理結果の画像データとして表示される。
【0054】
さらに、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、選択される現像パラメータを「現像パラメータ2」から「現像パラメータ3」に切り替える。この操作によって、図1の切換指示部134よりパラメータ切換指示信号137が出力され、ガンマ特性テーブルは137eによって「コントラスト強」から「コントラスト弱」に、色ゲイン補正処理部は137fによって「色濃度濃い」から「色濃度薄い」に、輪郭強調処理部は137hによって「強い」から「弱い(輪郭強調オフ)」に、それぞれパラメータ設定値が切り替えられ、前記と同様に再デジタル現像処理が行われて、「現像パラメータ3」による現像結果の画像データが、第2のメモリ112に記録され、表示部111に「現像パラメータ2」から置きかえられて表示される。
【0055】
さらに、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、元の「現像パラメータ1」により現像されたデフォルトの状態に戻る。
【0056】
また、図4に示される、カメラ背面の十字キー409を押すことによって、前記とは逆の順序で現像パラメータを切り替えることができる。
【0057】
現像パラメータを切り替えて、表示部111に現れるデジタル現像処理結果の画像402を観察し、カメラの使用者は、希望の現像パラメータを選択し図4に示されるパラメータ選択ボタン408を押す。この操作によって、記録指示部113より記録指示命令114が出力されて、選択された現像パラメータによるデジタル現像処理結果の画像ファイルのデータが第2のメモリ112より読み出されて、記録媒体117に記録される。
【0058】
以上のようにして、現像パラメータを切り替えることで、標準設定の「現像パラメータ1」と、標準設定に対してコントラストが強く、色の濃度が濃く、輪郭強調の効いた、撮ったままで後処理不要で使用できるような「現像パラメータ2」と、標準設定に対してコントラストが弱く、色の濃度が薄く輪郭強調されていない、後処理の自由度の高い素材として使用できるような「現像パラメータ3」とを、現像結果をモニタ401に表示された画像402で比較して、カメラの使用者が最適と思われる画像を選択して記録することができる。
【0059】
このようにして、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合であっても、現像パラメータを切り替えて再設定してデジタル現像処理することが可能となり、また、設定したパラメータが最適なものであるかの確認を容易に行えるので、再撮影を繰り返す必要がなくなり、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現できるようになる。
【0060】
本実施形態では、現像パラメータに、ガンマ特性テーブル、色ゲイン補正、輪郭強調処理を組み合わせて説明したが、この他にも、ホワイトバランス調整処理部120やマトリックス演算処理部126や色相調整処理部132を用いて、現像結果の画像の発色特性を切り替えたり、レベル補正部122を用いて露出の補正を行ったり、ローパスフィルター処理部124の特性を切り替えて画質の調子を切り替えたりすることも可能である。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0062】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを採用した場合を説明するが、第2の実施形態に係る撮像装置はデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き装置(デジタルカメラ付き携帯電話を含む)等で構成することも可能である。
【0063】
本実施形態は、撮影画像に対してデジタル現像処理部で現像した結果を画像表示部で確認した後、デジタル現像処理部の複数種類の画像処理のうちの、1種類の画像処理を選択し、そのパラメータを切り替えて再現像し、再現像結果を画像表示部で所望の現像結果であることを確認した後、記録指示部の指示によって記録部において記録媒体に記録するものである。
【0064】
図2において、201は複数の色フィルタを備える撮像手段である撮像素子、203は撮像素子201より出力された第1の画像信号202をデジタルデータである第2の画像信号204に変換するA/D変換部、205は第2の画像信号204を記録しておく第1のメモリ、206は複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行うデジタル現像処理部、209はデジタル現像処理によって生成された第3の画像信号207(色差信号)、208(輝度信号)を画像ファイル化するフォーマット部、211は第3の画像信号をファイル化したデータ210を表示する画像表示部、212は第3の画像信号をファイル化したデータ210を保持しておく第2のメモリ、217は第2のメモリ212から読み出した第3の画像信号をファイル化したデータ216を記録する記録部、213は第2のメモリ212から第3の画像信号をファイル化したデータを読み出して、カメラから取り出し可能な記録媒体217に記録するための記録指示信号214を出力する記録指示部である。
【0065】
また、デジタル現像処理を行うデジタル現像処理部206は、ホワイトバランス調整処理部220、画像信号レベル調整をするゲイン処理部222、ローパスフィルター処理部224、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部230、色相を変換する色相調整処理部232、輪郭強調処理部233を備えて構成されている。
【0066】
さらに、239は、これらの画像処理のうち、パラメータを切り替える画像処理を選択する指示信号240を出力する画像処理選択指示部、238はパラメータを切り替える画像処理を選択指示信号240により選択する画像処理選択部、234はパラメータを切り替える指示信号237を出力すると共に、第1のメモリ205から第2の画像信号236を読み出して再現像する指示信号235を出力するパラメータ切換指示部である。
【0067】
各パラメータへの切換指示信号237のうち、ホワイトバランス調整処理部220のパラメータは237a、ゲイン処理部222のパラメータは237b、ローパスフィルター処理部224のパラメータは237c、マトリックス演算処理部226のパラメータは237d、ガンマ特性変換処理部228のパラメータは237e、色ゲイン補正処理部230のパラメータは237f、色相調整処理部232のパラメータは237g、輪郭強調処理部233のパラメータは237hによってそれぞれ切り替えられる。
【0068】
従来例と同様に(R,G1,G2,B)の4色のカラーフィルタを持つ撮像素子201から得られた(R,G1,G2,B)4色の色成分で構成される画像信号202は、A/D変換部203によってデジタルの第2の画像信号204に変換される。
【0069】
このデジタル画像信号204は、図8に示されるデジタルカメラの背面800の画像調整スイッチ804を押すことによって、その後の撮影が行われた際に、デジタル現像処理部206に送られる以外に、後述する再現像指示信号235により読み出し可能な第1のメモリ205に送られて保持されるように設定される。
【0070】
画像信号204に対して、デジタル現像処理部206において、撮影後1回目のデジタル現像処理を行う。このとき、各種の画像処理におけるパラメータをデフォルトの設定状態で処理する。
【0071】
本実施形態では、デジタル現像処理部206での処理には、ホワイトバランス調整処理部220、画像信号レベル調整をするレベル補正部222、ローパスフィルター処理部224、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部230、色相を変換する色相調整処理部232、輪郭強調処理部233の各種の画像処理があり、撮影前あるいは撮影後に図8における画像処理メニュースイッチ813を押して、表示画面にそれらの画像処理の種類を表示し、十字キー809〜812を押して画像処理の種類を選択し、セットボタン808を押すことによって、複数の画像処理の中からパラメータ設定を切り替える画像処理を決定する。
【0072】
この操作によって、撮影されて1回目のデフォルトのパラメータでデジタル現像処理を終えた第3の画像信号207(色差信号)、208(輝度信号)は、フォーマット部209においてJPEGファイル形式の画像データに変換され、この画像信号210は第2のメモリ212に記録されるとともに、表示部211に送られて表示される。そのとき、表示部211では、前記の選択された画像処理のパラメータ設定の状態も一緒に表示する。このときは、1回目のデジタル現像処理結果であるので、選択された画像処理のデフォルトのパラメータの設定値が「標準」の設定値として表示される。
【0073】
以下、本実施形態における特徴的な動作を、各画像処理を選択した場合毎に分けて説明する。
【0074】
まず、画像処理のうち、ホワイトバランス調整処理部220のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0075】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からホワイトバランスのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部801に図10Aのような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1002とホワイトバランスの白点として設定した点を表す色度座標1005が表示される。
【0076】
ここでの色度座標の元になるR,Gr1,Gr2,B値は、ホワイトバランス制御に用いられるWbR,WbGr1,WbGr2,WbBの逆数よりそれぞれ求める。
【0077】
R=1/WbR …(5)
Gr1=1/WbGr1 …(6)
Gr2=1/WbGr2 …(7)
B=1/WbB …(8)
そして、色度座標X,Yは、使用者が白点の位置を容易に把握できるように、横軸X(1004)方向を黒体輻射軌跡、あるいは昼光軌跡に沿った軸とし、色温度で座標を表し、カメラ内での演算を高速かつ簡易に行うために、
X=(B−R)/Yi …(9)
と和差演算でRed〜Blue方向、すなわち色温度方向を表している。
【0078】
Xと色温度の関係は、図18に示されるようなX−色温度テーブルをあらかじめ準備しておく。
【0079】
また、縦軸Y(1003)も同様に、
Y={(R+B)−(Gr1+Gr2)}/Yi …(10)
で、Green〜Magenta方向を表したもので定義することとする。
【0080】
ここで、Yiは色座標XYを輝度成分で正規化するためのもので、例えばNTSC規格で定義されている次式を用いてもよい。
【0081】
Yi=0.299×R+0.587×(Gr1+Gr2)/2+0.144×B
…(11)
図10Aは、まず撮影後の1回目のデジタル現像処理における画像処理で用いたホワイトバランス制御値より求めた色度座標XYを表示部1001に現像結果の画像とともに表示したものである。このときのホワイトバランスは、従来例で説明したオートホワイトバランスでもプリセットホワイトバランスでもマニュアルホワイトバランスのいずれの制御値でもよい。
【0082】
次に、撮影者がこのホワイトバランス調整処理によるデジタル現像処理結果の画像の色再現をパラメータの設定値を変えることによって変更するために、デフォルトの(X,Y)座標から目標となる白点座標(X',Y')へ十字キー809〜812を用いて色度座標上を移動させる。図10Bにおいて、★印がデフォルトの色度座標(X,Y)(1005)、☆印が変更目標となる色度座標(X',Y')(1006)である。十字キー810,811は、Red〜Blue(色温度)方向のそれぞれ+,−に一定間隔で移動するキーで、十字キー809、812は、Green〜Magenta方向のそれぞれ+,−方向に一定間隔で移動するキーである。
【0083】
目標点へ移動をしたら、セットボタン808を押すことによって、図2のパラメータ切換指示部234より第2の画像信号236を第1のメモリ205より読み出す信号とパラメータ設定値を切り替える信号237aを出力して再現象処理を開始する。
【0084】
ホワイトバランス調整処理での新しいパラメータである制御値は、従来例の(1)〜(4)式からわかるように、(Gr1+Gr2)/2を基準としていることから、(Gr1+Gr2)/2=1.0倍として(10)式に代入すると、(9)、(10)式に(X',Y')を代入することで、(X',Y')に対応したR':Gr':B'比が求められ、(5)〜(8)式より変更したホワイトバランス調整処理のパラメータである新しい制御値のWbR',WbGr1',WbGr2',WbB'が求められる。このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0085】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現結果の画像データが表示部211で再生した画像1002によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0086】
以上のようにして、ホワイトバランス処理演算のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0087】
ここでは、十字キー809〜812によって、ホワイトバランス白点の目標値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809〜812のいずれかを1回押す毎に移動した(X',Y')座標(1006)の数値を元に変更したホワイトバランス制御値を求めて再現像を行って結果の画像を表示してもよい。
【0088】
次に、画像処理のうち、レベル補正部222のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0089】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からレベル補正のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1101に図11のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1102とレベル補正のゲイン値1103が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である適正露出による撮影結果が表示されているので、図11のように「×1.0」が表示される。
【0090】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「×1.2」、「×1.4」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「×0.8」、「×0.6」、…と変化していく。撮影者が所望のゲイン値になったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのゲイン値がレベル補正部222の変更したパラメータの設定値として信号237bによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0091】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する露出の画像データが表示部211で再生した画像1102によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0092】
以上のようにして、レベル補正処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する露出の画像を得ることができる。
【0093】
ここでは、十字キー809,812によって、レベル補正の目標となるゲイン値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したレベル補正ゲイン値によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0094】
また、ここではゲイン値を「×1.0」、「×1.2」、…と倍数の表記に設定したが、EV値による露出制御を用いて、「標準」を「0」として、「+1.0」、「+2.0」、…とし、例えば、「+1.0」のときは、2倍のゲインを画像信号にかけ、「+1/3」のときは、2(1/3)倍のゲインをかけるなどの処理を行ってもよい。
【0095】
次に、画像処理のうち、ローパスフィルター処理部224のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0096】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からローパスフィルターのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1201に図12のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1202とローパスフィルター特性1203が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である水平方向垂直方向とも「1−2−1」の3タップフィルターであることが表示される。
【0097】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「LPF2:水平1−2−5−2−1、垂直1−2−5−2−1」「LPF3:水平1−0−3−0−1、垂直1−2−1」と変化していく。撮影者が所望の画像が得られたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのローパスフィルターに変更したパラメータの設定値として信号237cによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0098】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する画像が表示部211で再生した画像1202によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0099】
以上のようにして、ローパスフィルターのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する解像感の画像を得ることができる。また、ローパスフィルター特性を切り替えることで、画像に偽色が発生した際も対応することができる。
【0100】
ここでは、十字キー809,812によって、ローパスフィルターの目標となる特性を選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したローパスフィルターの特性によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0101】
次に、画像処理のうち、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0102】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からカラーマトリックスのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1301に図13のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1302とともに、1303に1回目のデジタル現像処理結果は「標準」である「マトリックス1(標準)」による現像結果であることが表示される。
【0103】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「マトリックス2」、「マトリックス3」、「マトリックス4」と変化していく。それぞれのマトリックステーブルには、従来例の式(A)における色再現が変えられるような4×3の各要素値m11〜m34を持つマトリックステーブルを準備しておく。撮影者が所望のマトリックステーブルが設定されたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのカラーマトリックステーブルに変更したパラメータの設定値として信号237dによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0104】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現の画像データが表示部211で再生した画像1302によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0105】
以上のようにして、カラーマトリックスのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0106】
ここでは、十字キー809,812によって、カラーマトリックステーブルの目標となるテーブルを選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したカラーマトリックステーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0107】
また、十字キー809〜812とセットボタン808によって、カラーマトリックスの各要素の数値m11〜m34を個別に選択して、この数値の大きさを変化させて再現像することも可能である。
【0108】
次に、画像処理のうち、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0109】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からガンマテーブルのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1401に図14のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1402と「ガンマ1(標準)」が1403の表と1404の特性グラフに表示される。
【0110】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「ガンマ2」、「ガンマ3」と変化していく。それぞれのガンマ特性テーブルは、図6に示されるような特性のテーブルを準備しておく。ここでは、「ガンマ1」の特性は601で標準的な特性、「ガンマ2」の特性は602で「ガンマ1」よりもコントラストの強い特性、「ガンマ3」の特性は603で「ガンマ1」よりもコントラストの弱い特性を示している。
【0111】
撮影者が所望のコントラストが得られたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのガンマ特性テーブルに変更したパラメータの設定値として信号237eによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0112】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望するコントラストの画像が表示部1401で再生した画像1402によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0113】
以上のようにして、ガンマ特性テーブルのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望するコントラストの画像を得ることができる。
【0114】
ここでは、十字キー809,812によって、ガンマ特性テーブルの目標となるテーブルを選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したガンマ特性テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0115】
次に、画像処理のうち、色成分Cr,Cbにゲインをかける色ゲイン補正処理部230のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0116】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から色ゲイン補正のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部211に図15のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1502とレベル補正のゲイン値1503が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である色ゲイン1倍による撮影結果が表示されているので、図15のように「×1.0」が表示される。
【0117】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「×1.2」、「×1.4」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「×0.8」、「×0.6」、…と変化していく。撮影者が所望の色ゲイン値になったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの色ゲイン値が色ゲイン補正部230の変更したパラメータの設定値として信号237fによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0118】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色の濃度の画像が表示部211で再生した画像1502によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0119】
以上のようにして、色ゲイン補正処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する露出の画像を得ることができる。
【0120】
ここでは、十字キー809,812によって、色ゲイン補正の目標となるゲイン値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した色ゲイン補正のゲイン値によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0121】
次に、画像処理のうち、色成分Cr,Cbの色相を回転させる色相調整処理部232のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0122】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から色相調整のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1601に図16のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1602と色相調整のテーブル1603が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である色相調整による撮影結果が表示されているので、図16のように「標準」と表示される。
【0123】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「+1」、「+2」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「−1」、「−2」、…と変化していく。それぞれの色相回転テーブルには、従来例の式(B)における色再現が変えられるような2×2の各要素値を持つ色相回転テーブルを準備しておく。式(B)の2×2のマトリックスは、CrCb色座標上で回転角θを与える行列で、各テーブルの段階ごとに均等の回転角が設定されている。
【0124】
撮影者が所望の色相テーブルになったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの色相回転マトリックスが色相調整部232の変更したパラメータの設定値として信号237gによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0125】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現の画像が表示部211で再生した画像1602によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0126】
以上のようにして、色相調整処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0127】
ここでは、十字キー809,812によって、色相調整の目標となる色相回転テーブルを設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した色相回転テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0128】
次に、画像処理のうち、輪郭強調処理部233のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0129】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から輪郭強調のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1701に図17のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1702とその画像の部分拡大画像1704と輪郭強調テーブル1703が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である輪郭強調による撮影結果が表示されているので、図17のように「標準」と表示される。
【0130】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「+1」、「+2」と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「−1」、「−2」と変化していく。それぞれの輪郭強調テーブルは、従来例のように輪郭強調の強さを変化させるテーブルを準備しておく。
【0131】
従来例のように、輪郭強調をかける画素に対して参照する隣接画素の数やエッジ強調のゲイン値やエッジ強調をかける輪郭検出の閾値であるオフセット値をそれぞれセットで準備して輪郭強調の強さを変化できるテーブルにする。いずれも参照する隣接画素を8画素とし、
「標準」では、エッジ強調ゲイン値:1.0、オフセット値:4.0
「+1」では、エッジ強調ゲイン値:2.0、オフセット値:2.0
「+2」では、エッジ強調ゲイン値:3.0、オフセット値:1.0
「−1」では、エッジ強調ゲイン値:0.5、オフセット値:4.0
「−2(輪郭強調オフ)」では、エッジ強調ゲイン値:0.0、オフセット値:任意
と設定する。
【0132】
撮影者が所望の輪郭強調テーブルになったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの輪郭強調テーブルが輪郭強調処理部233の変更したパラメータの設定値として信号237hによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0133】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望するシャープネスの画像が表示部211で再生した画像1702および1704によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0134】
以上のようにして、輪郭強調処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望するシャープネスの画像を得ることができる。
【0135】
ここでは、十字キー809,812によって、輪郭強調の目標となるテーブルを設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した輪郭強調テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0136】
また、輪郭強調の参照周辺画素数やエッジ強調ゲイン値やオフセット値毎に、個別に数値を切り替えることも可能である。
【0137】
このようにして、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合であっても、現像パラメータを切り替えて再設定してデジタル現像処理することが可能となり、また、設定したパラメータが最適なものであるかの確認を容易に行えるので、再撮影を繰り返す必要がなくなり、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現できるようになる。
【0138】
以上説明したように、上記の第1及び第2の実施形態によれば、撮像素子からの撮影データを一旦メモリに記録しておき、撮影データのデジタル現像処理結果の画像を表示し、デジタル現像処理時の各種の画像処理のパラメータが撮影画像に対して不適切であった場合、再度パラメータ設定を修正して、メモリから撮影データを読み出して再デジタル現像処理を行い、撮影者の意図した画質を撮影画像に対して実現することによって、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現することができるようになる。
【0139】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0140】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0141】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】従来のデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のデジタルカメラの背面を示す図である。
【図5】図4の情報表示部を示す図である。
【図6】ガンマテーブル特性を示す図である。
【図7】ガンマテーブル特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のデジタルカメラの背面を示す図である。
【図9】図8の情報表示部を示す図で、画像処理メニューを表示した状態を示す図である。
【図10A】図8の情報表示部を示す図で、ホワイトバランスの標準パラメータでの現像結果を表示した状態を示す図である。
【図10B】図8の情報表示部を示す図で、ホワイトバランスのパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図11】図8の情報表示部を示す図で、レベル補正のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図12】図8の情報表示部を示す図で、ローパスフィルター特性のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図13】図8の情報表示部を示す図で、色変換マトリックスのパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図14】図8の情報表示部を示す図で、ガンマ特性のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図15】図8の情報表示部を示す図で、色ゲイン補正のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図16】図8の情報表示部を示す図で、色相調整のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図17】図8の情報表示部を示す図で、輪郭強調のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図18】ホワイトバランスを求めるための色度座標Xと色温度との対応テーブルを示す図である。
【図19】ホワイトバランスを求めるための色度座標上の黒体輻射軌跡もしくはCIE昼光軌跡と無彩色領域を表す図である。
【図20】輪郭強調処理を行うときの対象画素と周辺画素の関係を示す図である。
【図21】デジタルカメラの撮像部における撮像素子上の色フィルターの配列を説明する図である。
【図22】画像データの色成分ごとの処理を説明する図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子により撮影された画像信号に対して複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行い、デジタル現像処理が行われた画像を表示部で確認した後に記録媒体に記録する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの市場への普及が近年急速に進み、撮影機器としての役割は従来のカラーフィルムを用いたカメラからデジタルカメラへと置き換わりつつある。その理由のひとつとして、撮像素子により撮影された画像信号に対して複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行って、撮影直後に付属のTFTモニタなどの画像表示装置に表示して、撮影結果を瞬時に観察できる機能を備えていることがあげられる。このようなデジタルカメラの一例が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
また、フィルムカメラでは、カメラに装填したフィルムにより、感度やホワイトバランスや発色などの特性は決められてしまうが、デジタルカメラでは、画像処理用パラメータの設定を変更することにより、撮影画像の発色などを容易に変更することが可能である。
【0004】
図3は、複数の色フィルタを備える従来のデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【0005】
複数の色フィルタは、例えば図21に示されるような、R(レッド)、Gr1(グリーン1)、Gr2(グリーン2)、B(ブルー)の配列を持つ原色フィルタであるとする。ここでは、Gr1、Gr2は回路構成上異なる読み出しアンプを用いる場合を考慮して、R行のGrをGr1、B行のGrをGr2として、Gr1,Gr2を異なる色成分として扱う。
【0006】
このような配列の色フィルタを持つ撮像素子301により撮影されて、A/D変換器303によりA/D変換されたデジタル色信号の各色成分データ304に対して、ホワイトバランス調整処理部320によりホワイトバランス調整処理が行われる。
【0007】
ここでは、ホワイトバランス処理を行うためのホワイトバランス制御値が各色成分ごとにパラメータとして与えられる。この各制御値は、各色成分の画素ごとに乗算されて、画像の無彩色の部分の各色信号成分の大きさの比率が、R:Gr1:Gr2:B=1:1:1:1になるように設定される。
【0008】
撮影された画像データから撮影画像に適したホワイトバランス制御値を自動で求めるオートホワイトバランスの場合は、例えば以下のようにして求める方法がある。
【0009】
画像データのうちの隣接しあったR,Gr1,Gr2,Bで、R:B比、(R+B):(Gr1+Gr2)比を求めて、図19に示されるような二次元座標上に★印2103のようにプロットし、黒体輻射軌跡、あるいはCIE昼光軌跡と呼ばれる軌跡線2102の近傍の座標範囲2101に位置したR,Gr1,Gr2,Bの組み合わせを無彩色の領域とする。そして、その領域中の、色成分ごとの積分値SumR,SumGr1,SumGr2,SumBを求め、それよりSumR:SumGr1:SumGr2:SumB比を求めて、その比が1:1:1:1になるようなホワイトバランス制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを次式のようにして求める。
【0010】
WbR=(SumGr1+SumGr2)/(2×R) …(1)
WbGr1=(SumGr1+SumGr2)/(2×Gr1) …(2)
WbGr2=(SumGr1+SumGr2)/(2×Gr2) …(3)
WbB=(SumGr1+SumGr2)/(2×B) …(4)
オートホワイトバランスでは、このホワイトバランス制御値をこの画像での最適な光源の色温度に対して決定し、画像データのうち、Rフィルタの画素に対してWbRを、Gr1フィルタの画素に対してWbGr1を、Gr2フィルタの画素に対してWbGr2を、Bフィルタの画素に対してWbBをそれぞれ乗算することでホワイトバランス調整処理を行う。
【0011】
このオートホワイトバランス以外にも、所定の光源の色温度に対する一定の制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを与えてホワイトバランス調整処理を行うプリセットホワイトバランスや、撮影を行う光源と同一の光源下であらかじめ無彩色の物体を撮影し、その撮影画像のR,Gr1,Gr2,Bのデータよりホワイトバランス制御値WbR,WbGr1,WbGr2,WbBを求めるマニュアルホワイトバランスなどがある。
【0012】
次に、ホワイトバランス処理された画像信号に対して、レベル補正部322において、色成分ごとに画素に関係なく一律に同じゲイン値をパラメータとして与え、これを各信号成分に乗算することにより信号レベルの補正を行う。
【0013】
レベル補正が行われた画像信号に対して、ローパスフィルター処理部324でローパスフィルター処理が行われる。
【0014】
ここでは、各色フィルターに対応した画素ごとにR,Gr1,Gr2,Bの4種類の2次元平面に分離し、図22のようにそれぞれの平面で自身の色フィルターの割り当てのなかった画素配置の位置の画素に0を割り当てて挿入し、各2次元平面ごとにフィルタリング処理を行う。
【0015】
次に、ローパスフィルター処理部324から出力された信号325に対して、マトリックス処理部326において、各色信号成分を他の色信号成分に置き換えるためのマトリックス演算処理が行われる。例えば(R,Gr1,Gr2,B)の信号成分を(Y,Cr,Cb)の輝度信号Y、色信号Cr,Cbの各信号成分に変換する演算は次式のように4×3のマトリックス変換によって演算される。
【0016】
【数1】
【0017】
…(A)
(Y,Cr,Cb)の信号成分に変換された画像信号は、ガンマテーブルによってコントラスト調整処理328がなされる。例えば、図7に示されるような10ビット入力画像信号から8ビット画像信号に変換する特性テーブルがパラメータとして与えられ、画像の階調やコントラストが調整される。
【0018】
ガンマテーブルによってコントラスト調整された画像データ329のうち、Cr,Cb信号は色処理である色ゲイン補正部330、Y信号は輝度信号処理である輪郭強調部333に分けてそれぞれ送られる。
【0019】
輝度・色信号成分に分離された(Y,Cr,Cb)の各信号成分のうち、色信号成分Cr,Cbに対しては、色ゲイン補正部330で色ゲイン補正処理を行う。ここでは色ゲイン補正値をパラメータとして、Cr,Cb値にこのゲインを乗算して色の濃度の調整をする。この色ゲイン補正によって、Cr−Cb座標上でゲインがかかり、色の彩度の調整を行うことができる。
【0020】
さらに、色信号成分Cr、Cbに対して、色相マトリックス変換部332において、2×2のマトリックス演算を行うことによって、色相の調整を行う。ここでは、2×2のマトリックスをパラメータとして与えて、次式の演算により(Cr,Cb)2次元の座標上で座標の変換を行うことで色相角の変換を行う。
【0021】
【数2】
【0022】
…(B)
一方、輝度信号成分Yに対しては、輪郭強調処理部333において、輪郭強調処理を行う。ここでのパラメータは、輪郭強調をかける画素に対して参照する隣接画素の数やエッジ強調のゲイン値やエッジ強調をかける輪郭検出の閾値であるオフセット値などがある。
【0023】
例えば図20に示すように、輪郭強調の参照画素を輪郭強調する対象画素Pの周囲8画素(a1〜a8)とすると、対象画素Pを含めて9画素の平均値Sを求める。
【0024】
【数3】
【0025】
次に対象画素と平均値Sの差分を求め、この差分が前記オフセット値thを越えたとき、輪郭強調のゲイン値Gainをかけて、それを元の対象画素Pに加算することで輪郭強調処理を行う。
P'=P+(P−S−th)・Gain ((P−S)≧th)
これらのパラメータにより画像の輪郭強調処理の強弱の調整を行う。ゲイン値を大きくすることで輪郭強調を強くすることができ、小さくすると輪郭強調を弱くすることができる。また、オフセット値を大きくすることで輪郭強調を弱くすることができ、小さくすることで輪郭強調を強くすることができる。
【0026】
以上のように、各種の画像処理によってデジタル現像処理された画像信号(Y,Cr,Cb)は、フォーマット部309において、例えばJPEGファイルのような汎用画像フォーマットに画像ファイル化して、画像記録部317において、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカードなどのカメラ本体から取り外しが可能な各種の記録媒体に記録する。
【特許文献1】特開2003−134530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
以上の説明によると、撮影画像をデジタル現像処理する際の各種の画像処理用パラメータを撮影前に設定することによって、様々な撮影条件に対して、デジタルカメラの使用者の意思を反映させた画像処理を実現することは可能である。しかし、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合は、各パラメータを再設定して、再度撮影を行う必要があり、また、設定したパラメータが最適なものであるかは、撮影後の画像確認まで分からないため、再撮影を繰り返す場合が生じ、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃す問題が生じる場合がある。
【0028】
したがって、本発明は上述した課題に鏡みてなされたものであり、その目的は、撮影した画像に対して、再撮影をすることなく使用者の意図を反映させた画像処理を施すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、被写体像を撮像する撮像手段と、該撮像手段から出力された第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を記憶する第1の記憶手段と、前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理手段と、前記第3の画像信号を表示する表示手段と、前記第3の画像信号を記憶する第2の記憶手段と、前記画像処理手段における画像処理のためのパラメータを変更する変更手段と、前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示手段とを具備し、前記変更手段により前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理手段による画像処理を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段により表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示手段の指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係る撮像方法は、被写体像を撮像する撮像工程と、該撮像工程において得られた第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を第1の記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理工程と、前記第3の画像信号を表示手段に表示する表示工程と、前記第3の画像信号を第2の記憶手段に記憶する第2の記憶工程と、前記画像処理工程における画像処理のためのパラメータを変更する変更工程と、前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示工程とを具備し、前記変更工程において前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理工程を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段に表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示工程における指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、撮影した画像に対して、再撮影をすることなく使用者の意図を反映させた画像処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを採用した場合を説明するが、第1の実施形態に係る撮像装置はデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き装置(デジタルカメラ付き携帯電話を含む)等で構成することも可能である。
【0034】
本実施形態では、撮影画像に対してデジタル現像処理部で現像した結果を画像表示部で確認した後、デジタル現像処理部の複数種類の画像処理のうちの、1種類以上の画像処理のパラメータを切り替えて再現像する。そして、再現像結果が画像表示部で所望の現像結果であると確認された後、記録指示部の指示によって記録部において記録媒体に記録するものである。
【0035】
図1において、101は複数の色フィルタを備える撮像手段である撮像素子、103は撮像素子101より出力された第1の画像信号102をデジタルデータである第2の画像信号104に変換するA/D変換部、105はA/D変換された第2の画像信号104を記録しておく第1のメモリ、106は複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行うデジタル現像処理部、107はデジタル現像処理によって生成された第3の画像信号(色差信号)、109は信号108(輝度信号)を画像ファイル化するフォーマット部、111は第3の画像信号をファイル化したデータ110を表示する画像表示部、112は第3の画像信号をファイル化したデータ110を保持しておく第2のメモリ、117は第2のメモリ112から読み出した第3の画像信号をファイル化したデータ116を記録する記録部、113は第2のメモリ112から第3の画像信号をファイル化したデータを読み出して、カメラから取り出し可能な記録媒体117に記録するための記録指示信号114を出力する記録指示部である。
【0036】
また、デジタル現像処理を行うデジタル現像処理部106は、ホワイトバランス調整処理部120、画像信号レベル調整をするゲイン処理部122、ローパスフィルター処理部124、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部126、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部128、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部130、色相を変換する色相調整処理部132、輪郭強調処理部133を備えて構成されている。
【0037】
さらに、134はこれらの画像処理のパラメータを切り替える指示信号137を出力し、第1のメモリ105から第2の画像信号136を読み出して再現像する指示信号135を出力するパラメータ切換指示部である。各パラメータへの切換指示信号137のうち、ホワイトバランス調整処理部120のパラメータは137a、ゲイン処理部122のパラメータは137b、ローパスフィルター処理部124のパラメータは137c、マトリックス演算処理部126のパラメータは137d、ガンマ特性変換処理部128のパラメータは137e、色ゲイン補正処理部130のパラメータは137f、色相調整処理部132のパラメータは137g、輪郭強調処理部133のパラメータは137hによってそれぞれ切り替えられる。
【0038】
従来例と同様に(R,G1,G2,B)の4色のカラーフィルタを持つ撮像素子101から得られた(R,G1,G2,B)4色の色成分で構成される画像信号102は、A/D変換部103によってデジタルの第2の画像信号104に変換される。
【0039】
このデジタル画像信号104は、図4に示されるデジタルカメラの背面400の画像調整スイッチ404を押すことによって、その後の撮影が行われた際に、デジタル現像処理部106に送られる以外に、後述する再現像指示信号135により読み出し可能な第1のメモリ105に送られて保持されるように設定される。
【0040】
画像信号104に対して、デジタル現像処理部106において、撮影後1回目のデジタル現像処理を行う。このとき、各種の画像処理におけるパラメータをデフォルトの設定状態で処理する。
【0041】
本実施形態では、デジタル現像処理部106での処理には、ホワイトバランス調整処理部120、画像信号レベル調整をするレベル補正部122、ローパスフィルター処理部124、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部126、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部128、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部130、色相を変換する色相調整処理部132、輪郭強調処理部133での各種の画像処理があり、そのうち、ガンマ特性テーブル変換処理部128、色ゲイン補正処理部130、輪郭強調処理部133のパラメータの組み合わせを現像パラメータとして変更して再現像を行う場合について説明する。
【0042】
図6は、本実施形態でのガンマ特性テーブルを表す図である。ここで、横軸はこの処理部の入力レベル10ビット、縦軸は出力レベル8ビットとする。
【0043】
デフォルトのテーブル601に対して、テーブル602の曲線はコントラストの強い画像を出力する特性のテーブルとなる。また、テーブル603の曲線はコントラストの弱い画像を出力する特性のテーブルとなる。パラメータ切換指示命令137eによって、パラメータであるこのガンマ特性テーブルは、「デフォルト」「コントラスト強」「コントラスト弱」の3種類の間で切り替えられる。
【0044】
また、色ゲイン補正処理部130では、デフォルトで1.0倍の色ゲインとするのに対して、色濃度の高い処理で1.2倍をかけて現像結果の色の彩度を高くし、色濃度の低い処理で0.8倍をかけて現像結果の色の彩度を低くする。パラメータ切換指示命令137fによって、パラメータである色ゲイン補正テーブルは、「デフォルト」「色濃度濃い」「色濃度薄い」の3種類の間で切り替えられる。
【0045】
さらにまた、輪郭強調処理部133では、従来例で説明した輪郭強調のゲイン値をデフォルトで1.0倍とするのに対して、輪郭強調強いで2.0倍、輪郭強調弱いで0.0倍にして輪郭強調の強弱の度合いを変える。また、オフセット値をデフォルトで4.0と設定し、それに対して輪郭強調を強くする設定で2.0を与える。これで、パラメータ切換指示命令137hによって、パラメータである輪郭強調テーブルは、「デフォルト」(ゲイン値1.0、オフセット値4.0)、「強い」(ゲイン値2.0、オフセット値2.0)、「弱い(輪郭強調オフ)」(ゲイン値0.0、オフセット値任意)の3種類の間で切り替えられる。
【0046】
以上の3種類の画像処理のテーブルを組み合わせて、「ガンマ特性テーブル→デフォルト」「色ゲイン補正テーブル→デフォルト」「輪郭強調テーブル→デフォルト」の組み合わせを「現像パラメータ1」とし、「ガンマ特性テーブル→コントラスト強」「色ゲイン補正テーブル→色濃度濃い」「輪郭強調テーブル→強い」の組み合わせを「現像パラメータ2」とし、「ガンマ特性テーブル→コントラスト弱」「色ゲイン補正テーブル→色濃度薄い」「輪郭強調テーブル→弱い(輪郭強調オフ)」の組み合わせを「現像パラメータ3」とする。
【0047】
ここで本実施形態の特徴的な動作について説明する。
【0048】
前記のように、図4に示されるデジタルカメラの背面の画像調整スイッチ404を押し、撮影が行われたとき、図1の画像データ104は、デジタル現像処理部106でデジタル現像処理される以外に、第1のメモリ105に送られて保持される。デジタル現像処理部106においては、撮影後1回目のデジタル現像処理が「現像パラメータ1」すなわちデフォルトのパラメータ設定状態で行われる。
【0049】
このとき、現像結果である第3の画像信号107(色差信号)、108(輝度信号)をフォーマット部109においてJPEGファイル化し、第2のメモリ112に送る。
【0050】
また、このJPEGファイル化された第3の画像信号を表示部111にも送り、図5に示されるように、現像結果の画像502を、現像パラメータ選択表503とともに表示部501に表示する。
【0051】
ここで、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、選択される現像パラメータを「現像パラメータ1」から「現像パラメータ2」に切り替える。この操作によって、図1の切換指示部134よりパラメータ切換指示信号137が出力され、ガンマ特性テーブルは137eによって「デフォルト」から「コントラスト強」に、色ゲイン補正処理部は137fによって「デフォルト」から「色濃度濃い」に、輪郭強調処理部は137hによって「デフォルト」から「強い」に、それぞれパラメータ設定値が切り替えられる。
【0052】
そして、切換指示部134より出力された再現像指示信号135によって、第1のメモリに記録されていた第2の画像信号を読み出してデジタル現像処理部106によって再デジタル現像処理が行われる。
【0053】
再現像された第3の画像信号107(色差信号)、108(輝度信号)は、フォーマット部109においてJPEGファイル化され、ファイル化された画像信号110は、第2のメモリ112に送られ、「現像パラメータ1」でデジタル現像処理された画像ファイルに上書きされるか、または別の領域に記録され、さらにファイル化された画像信号110は、表示部111に送られ、それまで表示されていた「現像パラメータ1」によるデジタル現像処理結果の画像データと置きかえられて、「現像パラメータ2」によるデジタル現像処理結果の画像データとして表示される。
【0054】
さらに、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、選択される現像パラメータを「現像パラメータ2」から「現像パラメータ3」に切り替える。この操作によって、図1の切換指示部134よりパラメータ切換指示信号137が出力され、ガンマ特性テーブルは137eによって「コントラスト強」から「コントラスト弱」に、色ゲイン補正処理部は137fによって「色濃度濃い」から「色濃度薄い」に、輪郭強調処理部は137hによって「強い」から「弱い(輪郭強調オフ)」に、それぞれパラメータ設定値が切り替えられ、前記と同様に再デジタル現像処理が行われて、「現像パラメータ3」による現像結果の画像データが、第2のメモリ112に記録され、表示部111に「現像パラメータ2」から置きかえられて表示される。
【0055】
さらに、図4に示される、カメラ背面の十字キー412を押すことによって、元の「現像パラメータ1」により現像されたデフォルトの状態に戻る。
【0056】
また、図4に示される、カメラ背面の十字キー409を押すことによって、前記とは逆の順序で現像パラメータを切り替えることができる。
【0057】
現像パラメータを切り替えて、表示部111に現れるデジタル現像処理結果の画像402を観察し、カメラの使用者は、希望の現像パラメータを選択し図4に示されるパラメータ選択ボタン408を押す。この操作によって、記録指示部113より記録指示命令114が出力されて、選択された現像パラメータによるデジタル現像処理結果の画像ファイルのデータが第2のメモリ112より読み出されて、記録媒体117に記録される。
【0058】
以上のようにして、現像パラメータを切り替えることで、標準設定の「現像パラメータ1」と、標準設定に対してコントラストが強く、色の濃度が濃く、輪郭強調の効いた、撮ったままで後処理不要で使用できるような「現像パラメータ2」と、標準設定に対してコントラストが弱く、色の濃度が薄く輪郭強調されていない、後処理の自由度の高い素材として使用できるような「現像パラメータ3」とを、現像結果をモニタ401に表示された画像402で比較して、カメラの使用者が最適と思われる画像を選択して記録することができる。
【0059】
このようにして、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合であっても、現像パラメータを切り替えて再設定してデジタル現像処理することが可能となり、また、設定したパラメータが最適なものであるかの確認を容易に行えるので、再撮影を繰り返す必要がなくなり、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現できるようになる。
【0060】
本実施形態では、現像パラメータに、ガンマ特性テーブル、色ゲイン補正、輪郭強調処理を組み合わせて説明したが、この他にも、ホワイトバランス調整処理部120やマトリックス演算処理部126や色相調整処理部132を用いて、現像結果の画像の発色特性を切り替えたり、レベル補正部122を用いて露出の補正を行ったり、ローパスフィルター処理部124の特性を切り替えて画質の調子を切り替えたりすることも可能である。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0062】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを採用した場合を説明するが、第2の実施形態に係る撮像装置はデジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き装置(デジタルカメラ付き携帯電話を含む)等で構成することも可能である。
【0063】
本実施形態は、撮影画像に対してデジタル現像処理部で現像した結果を画像表示部で確認した後、デジタル現像処理部の複数種類の画像処理のうちの、1種類の画像処理を選択し、そのパラメータを切り替えて再現像し、再現像結果を画像表示部で所望の現像結果であることを確認した後、記録指示部の指示によって記録部において記録媒体に記録するものである。
【0064】
図2において、201は複数の色フィルタを備える撮像手段である撮像素子、203は撮像素子201より出力された第1の画像信号202をデジタルデータである第2の画像信号204に変換するA/D変換部、205は第2の画像信号204を記録しておく第1のメモリ、206は複数の画像処理からなるデジタル現像処理を行うデジタル現像処理部、209はデジタル現像処理によって生成された第3の画像信号207(色差信号)、208(輝度信号)を画像ファイル化するフォーマット部、211は第3の画像信号をファイル化したデータ210を表示する画像表示部、212は第3の画像信号をファイル化したデータ210を保持しておく第2のメモリ、217は第2のメモリ212から読み出した第3の画像信号をファイル化したデータ216を記録する記録部、213は第2のメモリ212から第3の画像信号をファイル化したデータを読み出して、カメラから取り出し可能な記録媒体217に記録するための記録指示信号214を出力する記録指示部である。
【0065】
また、デジタル現像処理を行うデジタル現像処理部206は、ホワイトバランス調整処理部220、画像信号レベル調整をするゲイン処理部222、ローパスフィルター処理部224、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部230、色相を変換する色相調整処理部232、輪郭強調処理部233を備えて構成されている。
【0066】
さらに、239は、これらの画像処理のうち、パラメータを切り替える画像処理を選択する指示信号240を出力する画像処理選択指示部、238はパラメータを切り替える画像処理を選択指示信号240により選択する画像処理選択部、234はパラメータを切り替える指示信号237を出力すると共に、第1のメモリ205から第2の画像信号236を読み出して再現像する指示信号235を出力するパラメータ切換指示部である。
【0067】
各パラメータへの切換指示信号237のうち、ホワイトバランス調整処理部220のパラメータは237a、ゲイン処理部222のパラメータは237b、ローパスフィルター処理部224のパラメータは237c、マトリックス演算処理部226のパラメータは237d、ガンマ特性変換処理部228のパラメータは237e、色ゲイン補正処理部230のパラメータは237f、色相調整処理部232のパラメータは237g、輪郭強調処理部233のパラメータは237hによってそれぞれ切り替えられる。
【0068】
従来例と同様に(R,G1,G2,B)の4色のカラーフィルタを持つ撮像素子201から得られた(R,G1,G2,B)4色の色成分で構成される画像信号202は、A/D変換部203によってデジタルの第2の画像信号204に変換される。
【0069】
このデジタル画像信号204は、図8に示されるデジタルカメラの背面800の画像調整スイッチ804を押すことによって、その後の撮影が行われた際に、デジタル現像処理部206に送られる以外に、後述する再現像指示信号235により読み出し可能な第1のメモリ205に送られて保持されるように設定される。
【0070】
画像信号204に対して、デジタル現像処理部206において、撮影後1回目のデジタル現像処理を行う。このとき、各種の画像処理におけるパラメータをデフォルトの設定状態で処理する。
【0071】
本実施形態では、デジタル現像処理部206での処理には、ホワイトバランス調整処理部220、画像信号レベル調整をするレベル補正部222、ローパスフィルター処理部224、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228、色成分にゲインをかける色ゲイン補正処理部230、色相を変換する色相調整処理部232、輪郭強調処理部233の各種の画像処理があり、撮影前あるいは撮影後に図8における画像処理メニュースイッチ813を押して、表示画面にそれらの画像処理の種類を表示し、十字キー809〜812を押して画像処理の種類を選択し、セットボタン808を押すことによって、複数の画像処理の中からパラメータ設定を切り替える画像処理を決定する。
【0072】
この操作によって、撮影されて1回目のデフォルトのパラメータでデジタル現像処理を終えた第3の画像信号207(色差信号)、208(輝度信号)は、フォーマット部209においてJPEGファイル形式の画像データに変換され、この画像信号210は第2のメモリ212に記録されるとともに、表示部211に送られて表示される。そのとき、表示部211では、前記の選択された画像処理のパラメータ設定の状態も一緒に表示する。このときは、1回目のデジタル現像処理結果であるので、選択された画像処理のデフォルトのパラメータの設定値が「標準」の設定値として表示される。
【0073】
以下、本実施形態における特徴的な動作を、各画像処理を選択した場合毎に分けて説明する。
【0074】
まず、画像処理のうち、ホワイトバランス調整処理部220のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0075】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からホワイトバランスのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部801に図10Aのような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1002とホワイトバランスの白点として設定した点を表す色度座標1005が表示される。
【0076】
ここでの色度座標の元になるR,Gr1,Gr2,B値は、ホワイトバランス制御に用いられるWbR,WbGr1,WbGr2,WbBの逆数よりそれぞれ求める。
【0077】
R=1/WbR …(5)
Gr1=1/WbGr1 …(6)
Gr2=1/WbGr2 …(7)
B=1/WbB …(8)
そして、色度座標X,Yは、使用者が白点の位置を容易に把握できるように、横軸X(1004)方向を黒体輻射軌跡、あるいは昼光軌跡に沿った軸とし、色温度で座標を表し、カメラ内での演算を高速かつ簡易に行うために、
X=(B−R)/Yi …(9)
と和差演算でRed〜Blue方向、すなわち色温度方向を表している。
【0078】
Xと色温度の関係は、図18に示されるようなX−色温度テーブルをあらかじめ準備しておく。
【0079】
また、縦軸Y(1003)も同様に、
Y={(R+B)−(Gr1+Gr2)}/Yi …(10)
で、Green〜Magenta方向を表したもので定義することとする。
【0080】
ここで、Yiは色座標XYを輝度成分で正規化するためのもので、例えばNTSC規格で定義されている次式を用いてもよい。
【0081】
Yi=0.299×R+0.587×(Gr1+Gr2)/2+0.144×B
…(11)
図10Aは、まず撮影後の1回目のデジタル現像処理における画像処理で用いたホワイトバランス制御値より求めた色度座標XYを表示部1001に現像結果の画像とともに表示したものである。このときのホワイトバランスは、従来例で説明したオートホワイトバランスでもプリセットホワイトバランスでもマニュアルホワイトバランスのいずれの制御値でもよい。
【0082】
次に、撮影者がこのホワイトバランス調整処理によるデジタル現像処理結果の画像の色再現をパラメータの設定値を変えることによって変更するために、デフォルトの(X,Y)座標から目標となる白点座標(X',Y')へ十字キー809〜812を用いて色度座標上を移動させる。図10Bにおいて、★印がデフォルトの色度座標(X,Y)(1005)、☆印が変更目標となる色度座標(X',Y')(1006)である。十字キー810,811は、Red〜Blue(色温度)方向のそれぞれ+,−に一定間隔で移動するキーで、十字キー809、812は、Green〜Magenta方向のそれぞれ+,−方向に一定間隔で移動するキーである。
【0083】
目標点へ移動をしたら、セットボタン808を押すことによって、図2のパラメータ切換指示部234より第2の画像信号236を第1のメモリ205より読み出す信号とパラメータ設定値を切り替える信号237aを出力して再現象処理を開始する。
【0084】
ホワイトバランス調整処理での新しいパラメータである制御値は、従来例の(1)〜(4)式からわかるように、(Gr1+Gr2)/2を基準としていることから、(Gr1+Gr2)/2=1.0倍として(10)式に代入すると、(9)、(10)式に(X',Y')を代入することで、(X',Y')に対応したR':Gr':B'比が求められ、(5)〜(8)式より変更したホワイトバランス調整処理のパラメータである新しい制御値のWbR',WbGr1',WbGr2',WbB'が求められる。このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0085】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現結果の画像データが表示部211で再生した画像1002によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0086】
以上のようにして、ホワイトバランス処理演算のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0087】
ここでは、十字キー809〜812によって、ホワイトバランス白点の目標値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809〜812のいずれかを1回押す毎に移動した(X',Y')座標(1006)の数値を元に変更したホワイトバランス制御値を求めて再現像を行って結果の画像を表示してもよい。
【0088】
次に、画像処理のうち、レベル補正部222のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0089】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からレベル補正のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1101に図11のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1102とレベル補正のゲイン値1103が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である適正露出による撮影結果が表示されているので、図11のように「×1.0」が表示される。
【0090】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「×1.2」、「×1.4」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「×0.8」、「×0.6」、…と変化していく。撮影者が所望のゲイン値になったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのゲイン値がレベル補正部222の変更したパラメータの設定値として信号237bによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0091】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する露出の画像データが表示部211で再生した画像1102によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0092】
以上のようにして、レベル補正処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する露出の画像を得ることができる。
【0093】
ここでは、十字キー809,812によって、レベル補正の目標となるゲイン値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したレベル補正ゲイン値によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0094】
また、ここではゲイン値を「×1.0」、「×1.2」、…と倍数の表記に設定したが、EV値による露出制御を用いて、「標準」を「0」として、「+1.0」、「+2.0」、…とし、例えば、「+1.0」のときは、2倍のゲインを画像信号にかけ、「+1/3」のときは、2(1/3)倍のゲインをかけるなどの処理を行ってもよい。
【0095】
次に、画像処理のうち、ローパスフィルター処理部224のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0096】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からローパスフィルターのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1201に図12のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1202とローパスフィルター特性1203が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である水平方向垂直方向とも「1−2−1」の3タップフィルターであることが表示される。
【0097】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「LPF2:水平1−2−5−2−1、垂直1−2−5−2−1」「LPF3:水平1−0−3−0−1、垂直1−2−1」と変化していく。撮影者が所望の画像が得られたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのローパスフィルターに変更したパラメータの設定値として信号237cによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0098】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する画像が表示部211で再生した画像1202によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0099】
以上のようにして、ローパスフィルターのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する解像感の画像を得ることができる。また、ローパスフィルター特性を切り替えることで、画像に偽色が発生した際も対応することができる。
【0100】
ここでは、十字キー809,812によって、ローパスフィルターの目標となる特性を選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したローパスフィルターの特性によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0101】
次に、画像処理のうち、色成分の構成を変換するマトリックス演算処理部226のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0102】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からカラーマトリックスのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1301に図13のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1302とともに、1303に1回目のデジタル現像処理結果は「標準」である「マトリックス1(標準)」による現像結果であることが表示される。
【0103】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「マトリックス2」、「マトリックス3」、「マトリックス4」と変化していく。それぞれのマトリックステーブルには、従来例の式(A)における色再現が変えられるような4×3の各要素値m11〜m34を持つマトリックステーブルを準備しておく。撮影者が所望のマトリックステーブルが設定されたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのカラーマトリックステーブルに変更したパラメータの設定値として信号237dによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0104】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現の画像データが表示部211で再生した画像1302によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0105】
以上のようにして、カラーマトリックスのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0106】
ここでは、十字キー809,812によって、カラーマトリックステーブルの目標となるテーブルを選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したカラーマトリックステーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0107】
また、十字キー809〜812とセットボタン808によって、カラーマトリックスの各要素の数値m11〜m34を個別に選択して、この数値の大きさを変化させて再現像することも可能である。
【0108】
次に、画像処理のうち、コントラストの調整を行うガンマ特性テーブル変換処理部228のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0109】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中からガンマテーブルのパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1401に図14のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1402と「ガンマ1(標準)」が1403の表と1404の特性グラフに表示される。
【0110】
ここで、十字キー812を押すことにより、順次表示が「ガンマ2」、「ガンマ3」と変化していく。それぞれのガンマ特性テーブルは、図6に示されるような特性のテーブルを準備しておく。ここでは、「ガンマ1」の特性は601で標準的な特性、「ガンマ2」の特性は602で「ガンマ1」よりもコントラストの強い特性、「ガンマ3」の特性は603で「ガンマ1」よりもコントラストの弱い特性を示している。
【0111】
撮影者が所望のコントラストが得られたところで、セットボタン808を押すことによって、そのときのガンマ特性テーブルに変更したパラメータの設定値として信号237eによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0112】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望するコントラストの画像が表示部1401で再生した画像1402によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0113】
以上のようにして、ガンマ特性テーブルのパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望するコントラストの画像を得ることができる。
【0114】
ここでは、十字キー809,812によって、ガンマ特性テーブルの目標となるテーブルを選択してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更したガンマ特性テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0115】
次に、画像処理のうち、色成分Cr,Cbにゲインをかける色ゲイン補正処理部230のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0116】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から色ゲイン補正のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部211に図15のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1502とレベル補正のゲイン値1503が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である色ゲイン1倍による撮影結果が表示されているので、図15のように「×1.0」が表示される。
【0117】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「×1.2」、「×1.4」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「×0.8」、「×0.6」、…と変化していく。撮影者が所望の色ゲイン値になったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの色ゲイン値が色ゲイン補正部230の変更したパラメータの設定値として信号237fによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0118】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色の濃度の画像が表示部211で再生した画像1502によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0119】
以上のようにして、色ゲイン補正処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する露出の画像を得ることができる。
【0120】
ここでは、十字キー809,812によって、色ゲイン補正の目標となるゲイン値を設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した色ゲイン補正のゲイン値によって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0121】
次に、画像処理のうち、色成分Cr,Cbの色相を回転させる色相調整処理部232のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0122】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から色相調整のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1601に図16のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1602と色相調整のテーブル1603が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である色相調整による撮影結果が表示されているので、図16のように「標準」と表示される。
【0123】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「+1」、「+2」、…と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「−1」、「−2」、…と変化していく。それぞれの色相回転テーブルには、従来例の式(B)における色再現が変えられるような2×2の各要素値を持つ色相回転テーブルを準備しておく。式(B)の2×2のマトリックスは、CrCb色座標上で回転角θを与える行列で、各テーブルの段階ごとに均等の回転角が設定されている。
【0124】
撮影者が所望の色相テーブルになったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの色相回転マトリックスが色相調整部232の変更したパラメータの設定値として信号237gによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0125】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望する色再現の画像が表示部211で再生した画像1602によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0126】
以上のようにして、色相調整処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望する色再現の画像を得ることができる。
【0127】
ここでは、十字キー809,812によって、色相調整の目標となる色相回転テーブルを設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した色相回転テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0128】
次に、画像処理のうち、輪郭強調処理部233のパラメータの設定値を切り替える場合について説明する。
【0129】
図8における画像処理メニュースイッチ813と十字キー809〜812によって、デジタル現像処理における画像処理の中から輪郭強調のパラメータ設定を切り替える画像処理を選び、セットボタン808を押すことによって決定すると、表示部1701に図17のような1回目の「標準」の設定値によるデジタル現像処理結果の画像1702とその画像の部分拡大画像1704と輪郭強調テーブル1703が表示される。1回目のデジタル現像処理結果では、「標準」である輪郭強調による撮影結果が表示されているので、図17のように「標準」と表示される。
【0130】
ここで、十字キー809を押すことにより、順次表示が「+1」、「+2」と変化し、十字キー812を押すことにより、順次表示が「−1」、「−2」と変化していく。それぞれの輪郭強調テーブルは、従来例のように輪郭強調の強さを変化させるテーブルを準備しておく。
【0131】
従来例のように、輪郭強調をかける画素に対して参照する隣接画素の数やエッジ強調のゲイン値やエッジ強調をかける輪郭検出の閾値であるオフセット値をそれぞれセットで準備して輪郭強調の強さを変化できるテーブルにする。いずれも参照する隣接画素を8画素とし、
「標準」では、エッジ強調ゲイン値:1.0、オフセット値:4.0
「+1」では、エッジ強調ゲイン値:2.0、オフセット値:2.0
「+2」では、エッジ強調ゲイン値:3.0、オフセット値:1.0
「−1」では、エッジ強調ゲイン値:0.5、オフセット値:4.0
「−2(輪郭強調オフ)」では、エッジ強調ゲイン値:0.0、オフセット値:任意
と設定する。
【0132】
撮影者が所望の輪郭強調テーブルになったところで、セットボタン808を押すことによって、そのときの輪郭強調テーブルが輪郭強調処理部233の変更したパラメータの設定値として信号237hによって更新される。このとき、このパラメータを用いて再デジタル現像処理を行い、現像結果の画像ファイル210を第2のメモリ212に送って記録し、表示部211に表示する。
【0133】
この操作を繰り返すことによって、撮影者の所望するシャープネスの画像が表示部211で再生した画像1702および1704によって確認できたら、図8の記録指示スイッチ805を押すことによって、記録指示部213より記録指示信号214が出力され、第2のメモリ212に記録されていた画像ファイルが記録部217に送られて記録媒体に記録される。
【0134】
以上のようにして、輪郭強調処理のパラメータの「標準」の設定値を変更して再現像された画像を記録することで、撮影者の所望するシャープネスの画像を得ることができる。
【0135】
ここでは、十字キー809,812によって、輪郭強調の目標となるテーブルを設定してパラメータを変更して再現像を行う説明をしたが、十字キー809,812のいずれかを1回押す毎に変更した輪郭強調テーブルによって再現像を行って結果の画像を順次表示してもよい。
【0136】
また、輪郭強調の参照周辺画素数やエッジ強調ゲイン値やオフセット値毎に、個別に数値を切り替えることも可能である。
【0137】
このようにして、撮影中の撮影条件の変化などにより、撮影者の意図が反映されない画質の画像が撮影された場合であっても、現像パラメータを切り替えて再設定してデジタル現像処理することが可能となり、また、設定したパラメータが最適なものであるかの確認を容易に行えるので、再撮影を繰り返す必要がなくなり、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現できるようになる。
【0138】
以上説明したように、上記の第1及び第2の実施形態によれば、撮像素子からの撮影データを一旦メモリに記録しておき、撮影データのデジタル現像処理結果の画像を表示し、デジタル現像処理時の各種の画像処理のパラメータが撮影画像に対して不適切であった場合、再度パラメータ設定を修正して、メモリから撮影データを読み出して再デジタル現像処理を行い、撮影者の意図した画質を撮影画像に対して実現することによって、撮影者の意図した撮影場面を撮り逃すことがなくなり、最適な撮影結果を常時実現することができるようになる。
【0139】
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0140】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0141】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】従来のデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のデジタルカメラの背面を示す図である。
【図5】図4の情報表示部を示す図である。
【図6】ガンマテーブル特性を示す図である。
【図7】ガンマテーブル特性を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のデジタルカメラの背面を示す図である。
【図9】図8の情報表示部を示す図で、画像処理メニューを表示した状態を示す図である。
【図10A】図8の情報表示部を示す図で、ホワイトバランスの標準パラメータでの現像結果を表示した状態を示す図である。
【図10B】図8の情報表示部を示す図で、ホワイトバランスのパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図11】図8の情報表示部を示す図で、レベル補正のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図12】図8の情報表示部を示す図で、ローパスフィルター特性のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図13】図8の情報表示部を示す図で、色変換マトリックスのパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図14】図8の情報表示部を示す図で、ガンマ特性のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図15】図8の情報表示部を示す図で、色ゲイン補正のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図16】図8の情報表示部を示す図で、色相調整のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図17】図8の情報表示部を示す図で、輪郭強調のパラメータを切り替える場合の表示を示す図である。
【図18】ホワイトバランスを求めるための色度座標Xと色温度との対応テーブルを示す図である。
【図19】ホワイトバランスを求めるための色度座標上の黒体輻射軌跡もしくはCIE昼光軌跡と無彩色領域を表す図である。
【図20】輪郭強調処理を行うときの対象画素と周辺画素の関係を示す図である。
【図21】デジタルカメラの撮像部における撮像素子上の色フィルターの配列を説明する図である。
【図22】画像データの色成分ごとの処理を説明する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段から出力された第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理手段と、
前記第3の画像信号を表示する表示手段と、
前記第3の画像信号を記憶する第2の記憶手段と、
前記画像処理手段における画像処理のためのパラメータを変更する変更手段と、
前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示手段とを具備し、
前記変更手段により前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理手段による画像処理を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段により表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示手段の指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像処理は、前記第2の画像信号にホワイトバランス調整処理を行うホワイトバランス処理と、前記第2の画像信号レベルを調整するゲイン処理と、画像信号にローパスフィルターを施すローパスフィルター処理と、前記撮像手段が備える複数の色フィルタに対応した各信号成分を別の色成分から構成される信号に変換するマトリックス演算処理と、ガンマ特性テーブルにより画像のコントラストを調整するコントラスト処理と、色成分に対するゲイン補正処理と、色相を変換する色相補正処理と、画像の輪郭を強調する輪郭強調処理のうちの少なくとも複数の処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の処理のうちの少なくとも1つの処理を選択する選択手段をさらに具備し、前記変更手段は、前記選択手段により選択された処理のためのパラメータを変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記選択手段により選択された処理がホワイトバランス処理である場合には、前記変更手段は、ホワイトバランス制御値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記選択手段により選択された処理がゲイン処理である場合には、前記変更手段は、ゲイン処理の数値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記選択手段により選択された処理がローパスフィルター処理である場合には、前記変更手段は、ローパルフィルターの特性を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記選択手段により選択された処理がマトリックス演算処理である場合には、前記変更手段は、マトリックス値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記選択手段により選択された処理がコントラスト処理である場合には、前記変更手段は、ガンマ特性テーブルを変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記選択手段により選択された処理がゲイン補正処理である場合には、前記変更手段は、補正ゲイン値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記選択手段により選択された処理が色相補正処理である場合には、前記変更手段は、色相を変換する補正値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記選択手段により選択された処理が輪郭強調処理である場合には、前記変更手段は、輪郭強調処理の数値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項12】
被写体像を撮像する撮像工程と、
該撮像工程において得られた第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を第1の記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、
前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理工程と、
前記第3の画像信号を表示手段に表示する表示工程と、
前記第3の画像信号を第2の記憶手段に記憶する第2の記憶工程と、
前記画像処理工程における画像処理のためのパラメータを変更する変更工程と、
前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示工程とを具備し、
前記変更工程において前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理工程を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段に表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示工程における指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする撮像方法。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像手段と、
該撮像手段から出力された第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理手段と、
前記第3の画像信号を表示する表示手段と、
前記第3の画像信号を記憶する第2の記憶手段と、
前記画像処理手段における画像処理のためのパラメータを変更する変更手段と、
前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示手段とを具備し、
前記変更手段により前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理手段による画像処理を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段により表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示手段の指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像処理は、前記第2の画像信号にホワイトバランス調整処理を行うホワイトバランス処理と、前記第2の画像信号レベルを調整するゲイン処理と、画像信号にローパスフィルターを施すローパスフィルター処理と、前記撮像手段が備える複数の色フィルタに対応した各信号成分を別の色成分から構成される信号に変換するマトリックス演算処理と、ガンマ特性テーブルにより画像のコントラストを調整するコントラスト処理と、色成分に対するゲイン補正処理と、色相を変換する色相補正処理と、画像の輪郭を強調する輪郭強調処理のうちの少なくとも複数の処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の処理のうちの少なくとも1つの処理を選択する選択手段をさらに具備し、前記変更手段は、前記選択手段により選択された処理のためのパラメータを変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記選択手段により選択された処理がホワイトバランス処理である場合には、前記変更手段は、ホワイトバランス制御値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記選択手段により選択された処理がゲイン処理である場合には、前記変更手段は、ゲイン処理の数値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記選択手段により選択された処理がローパスフィルター処理である場合には、前記変更手段は、ローパルフィルターの特性を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記選択手段により選択された処理がマトリックス演算処理である場合には、前記変更手段は、マトリックス値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記選択手段により選択された処理がコントラスト処理である場合には、前記変更手段は、ガンマ特性テーブルを変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記選択手段により選択された処理がゲイン補正処理である場合には、前記変更手段は、補正ゲイン値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記選択手段により選択された処理が色相補正処理である場合には、前記変更手段は、色相を変換する補正値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記選択手段により選択された処理が輪郭強調処理である場合には、前記変更手段は、輪郭強調処理の数値を変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項12】
被写体像を撮像する撮像工程と、
該撮像工程において得られた第1の画像信号に所定の処理を施して生成された第2の画像信号を第1の記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、
前記第2の画像信号に画像処理を施して第3の画像信号を生成する画像処理工程と、
前記第3の画像信号を表示手段に表示する表示工程と、
前記第3の画像信号を第2の記憶手段に記憶する第2の記憶工程と、
前記画像処理工程における画像処理のためのパラメータを変更する変更工程と、
前記第2の記憶手段から前記第3の画像信号を読み出して記録媒体に記録することを指示する記録指示工程とを具備し、
前記変更工程において前記パラメータが変更される毎に、前記第1の記憶手段から前記第2の画像信号を読み出して、変更されたパラメータに応じて前記画像処理工程を行い、新たに前記第3の画像信号を生成して前記表示手段に表示すると共に前記第2の記憶手段に記憶する動作を行い、前記記録指示工程における指示により前記第2の記憶手段から所望の前記第3の画像信号を読み出して前記記録媒体に記録することを特徴とする撮像方法。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−5477(P2006−5477A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177345(P2004−177345)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]