説明

撮像装置

【課題】部品点数の増加を抑制することが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】このビデオカメラ10(撮像装置)は、シャッタ装置部30に、シャッタ開口部31aが設けられたシャッタ基板31と、シャッタ基板31に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部31aを開閉可能で、かつ、シャッタ基板31のシャッタ開口部31aから入射する光量を減少させる絞り穴32aを有する1枚のシャッタ羽根32と、1枚のシャッタ羽根32を回動駆動させる1つのステッピングモータ33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像装置に関し、特に、シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板を備えた撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、開口部が設けられたシャッタ基板と、シャッタ基板に回動可能に支持され、シャッタ基板の開口部を開閉することが可能なシャッタ用セクタ(シャッタ羽根)および絞り穴(小穴)を有する絞り用セクタ(絞り羽根)と、1つの駆動源(ステッピングモータ)とを備えた撮像装置が開示されている。この特許文献1に記載の撮像装置では、駆動源の駆動軸に取り付けられた駆動アームの突起部(ピン)が、シャッタ用セクタに設けられたカム穴および絞り用セクタに設けられたカム穴の両方に係合することによって、1つの駆動源でシャッタ用セクタおよび絞り用セクタの両方を必要に応じて駆動させることが可能なように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、開口部が設けられたシャッタ基板と、シャッタ基板に回動可能に支持され、シャッタ基板の開口部を開閉することが可能な2枚のシャッタ用セクタ(シャッタ羽根)と、1つの駆動源(ステッピングモータ)とを備えた撮像装置が開示されている。この特許文献2に記載の撮像装置では、駆動源の駆動軸に取り付けられた作動部材(作動ピン)が、異なる固定軸を中心として回動可能な2枚のシャッタ用セクタのそれぞれに設けられたカム穴に係合することによって、1つの駆動源で2枚のシャッタ用セクタを駆動させることが可能なように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、開口部が設けられたシャッタ基板と、シャッタ基板に回動可能に支持され、シャッタ基板の開口部を開閉することが可能な2枚のシャッタ羽根と、1つの駆動源(電磁アクチュエータ)とを備えた撮像装置が開示されている。この特許文献3に記載の撮像装置では、駆動源の駆動軸に取り付けられた作動部材(作動アーム)の作動ピンが、異なる固定軸を中心として回動可能な2枚のシャッタ羽根のそれぞれに設けられた長穴(カム穴)に係合することによって、1つの駆動源で2枚のシャッタ羽根を駆動させることが可能なように構成されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、開口部が設けられたシャッタ基板と、シャッタ基板に回動可能に支持され、シャッタ基板の開口部を開閉することが可能な2枚のシャッタ用セクタ(シャッタ羽根)と、シャッタ基板に回動可能に支持され、シャッタ基板の開口部面積を縮小することが可能な絞り穴(小穴)を有する1枚の絞り用セクタ(絞り羽根)と、1つの駆動源(スイングモータ)とを備えた撮像装置が開示されている。この特許文献4に記載の撮像装置では、駆動源の駆動軸に取り付けられた作動部材(複数の作動レバー)が、それぞれ異なる固定軸を中心として回動可能な2枚のシャッタ用セクタに係合するとともに、2枚のシャッタ用セクタの固定軸とは別な第3の固定軸を中心として回動可能な1枚の絞り用セクタに係合することによって、1つの駆動源で2枚のシャッタ用セクタと1枚の絞り用セクタとを駆動させることが可能なように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−72161号公報
【特許文献2】特開2005−77760号公報
【特許文献3】特開2004−109933号公報
【特許文献4】特開平11−125850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の撮像装置では、1つの駆動源(ステッピングモータ)を用いて1枚のシャッタ用セクタおよび1枚の絞り用セクタの合計2枚のセクタ(羽根)を駆動させるとともに、駆動源の駆動力をセクタに伝達するための駆動機構(駆動アームおよびカム穴)を設ける必要がある。このため、構成部品の部品点数が増加するという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の撮像装置では、1つの駆動源(ステッピングモータ)を用いて2枚のシャッタ用セクタを駆動させるとともに、駆動源の駆動力をシャッタ用セクタに伝達するための駆動機構(作動ピンおよびカム穴)を設ける必要がある。このため、構成部品の部品点数が増加するという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献3に記載の撮像装置では、1つの駆動源(電磁アクチュエータ)を用いて合計2枚のシャッタ用セクタを駆動させるとともに、駆動源の駆動力をシャッタ用セクタに伝達するための駆動機構(作動アームおよびカム穴)を設ける必要がある。このため、構成部品の部品点数が増加するという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献4に記載の撮像装置では、1つの駆動源(スイングモータ)を用いて2枚のシャッタ用セクタおよび1枚の絞り用セクタの合計3枚のセクタ(羽根)を駆動させるとともに、駆動源の駆動力を3枚のセクタに伝達するための駆動機構(複数の作動レバー)を設ける必要がある。このため、構成部品の部品点数が増加するという問題点がある。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制することが可能な撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0013】
この発明の第1の局面による撮像装置は、シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板を備えた撮像装置において、シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、シャッタ基板のシャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とをさらに備え、駆動源は、駆動源の駆動軸が、シャッタ羽根の回動中心部に直接的に接続されるとともに、駆動源の駆動軸が、シャッタ羽根の回動平面に対して実質的に垂直となるようにシャッタ基板に取り付けられ、駆動源は、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータであり、シャッタ羽根は、駆動源の駆動軸の回動角度に応じて、シャッタ開口部を開く全開位置、シャッタ開口部を閉じる全閉位置、および、シャッタ開口部に絞り穴を配置させてシャッタ開口部を部分的に開く小絞り位置の3つの位置に移動可能である。
【0014】
この第1の局面による撮像装置では、上記のように、シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、シャッタ基板のシャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とを備えるように構成することによって、駆動源が絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根を回動させる際に、露光を調節する小絞り状態を含めた撮像に関わる全てのシャッタ動作を行わせることができるために、シャッタ装置を構成する部品点数の増加を抑制することができる。また、駆動源の駆動軸を、シャッタ羽根の回動中心部に直接的に接続するように構成することによって、駆動源の駆動力をシャッタ羽根に伝達するためのギア部材やカム機構などを新たに設ける必要がないので、シャッタ装置の駆動機構を簡素化することができるとともに、部品点数の増加をより抑制することができる。また、駆動源を、駆動源の駆動軸が、シャッタ羽根の回動平面に対して実質的に垂直となるようにシャッタ基板に取り付けるように構成することによって、駆動源の駆動軸と、シャッタ羽根の回動軸とが平行となるので、容易に、駆動源の駆動力をシャッタ羽根の回動中心部に直接的に取り付けることができる。
【0015】
また、第1の局面による撮像装置では、駆動源を、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータであるように構成することによって、パルス数の制御により容易に駆動源の駆動軸の回動角度を制御することができる。また、シャッタ羽根を、駆動源の駆動軸の回動角度に応じて、シャッタ開口部を開く全開位置、シャッタ開口部を閉じる全閉位置、および、シャッタ開口部に絞り穴を配置させてシャッタ開口部を部分的に開く小絞り位置の3つの位置に移動可能であるように構成することによって、1枚のシャッタ羽根により、シャッタ開口部を全開、全閉および小絞り状態の3つの状態を撮像プロセスに従って形成することができるので、露光状況に応じた被写体の撮像を容易に行うことができる。
【0016】
この発明の第2の局面による撮像装置は、シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板と、シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、シャッタ基板のシャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とを備えている。
【0017】
この第2の局面による撮像装置では、上記のように、シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、シャッタ基板のシャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とを備えるように構成することによって、駆動源が1枚のシャッタ羽根を回動させる際に、露光を調節する小絞り状態を含めた撮像に関わる全てのシャッタ動作を行わせることができるために、シャッタ装置を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【0018】
上記第2の局面による撮像装置において、好ましくは、駆動源の駆動軸が、シャッタ羽根の回動中心部に直接的に接続されている。このように構成すれば、駆動源の駆動力をシャッタ羽根に伝達するためのギア部材やカム機構などを設ける必要がないので、シャッタ装置の駆動機構を簡素化することができるとともに、部品点数の増加を抑制することができる。
【0019】
この場合、好ましくは、駆動源は、駆動源の駆動軸が、シャッタ羽根の回動平面に対して実質的に垂直となるようにシャッタ基板に取り付けられている。このように構成すれば、駆動源の駆動軸と、シャッタ羽根の回動軸とが平行となるので、容易に、駆動源の駆動力をシャッタ羽根の回動中心部に直接的に取り付けることができる。
【0020】
上記第2の局面による撮像装置において、好ましくは、駆動源は、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータである。このように構成すれば、パルス数の制御により容易に駆動源の駆動軸の回動角度を制御することができる。
【0021】
上記第2の局面による撮像装置において、好ましくは、シャッタ羽根は、駆動源の駆動軸の回動角度に応じて、シャッタ開口部を開く全開位置、シャッタ開口部を閉じる全閉位置、および、シャッタ開口部に絞り穴を配置させてシャッタ開口部を部分的に開く小絞り位置の3つの位置に移動可能である。このように構成すれば、1枚のシャッタ羽根により、シャッタ開口部を全開、全閉および小絞り状態の3つの状態を撮像プロセスに従って形成することができるので、露光状況に応じた被写体の撮像を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部を別方向から見た場合の斜視図である。図3〜図6は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラの構造を示した図である。図7〜図12は、図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態によるビデオカメラの構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の撮像装置の一例として、磁気テープに映像を録画するとともに、録画された映像を再生することが可能なビデオカメラに、本発明を適用した場合について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態によるビデオカメラ10では、図3および図4に示すように、樹脂製の筐体11に、複数の光学レンズ12が内部に収納された鏡筒13と、ストロボ14と、内蔵マイク15と、ビデオテープ50(図5参照)が着脱可能に装着されるビデオカセット部16と、映像を録画する際に使用される録画/再生ボタン17と、静止画像を録画する際に使用されるフォトボタン18と、ファインダ19と、録画時の映像を画面表示可能な液晶モニタ20とが取り付けられた構造を有する。
【0025】
また、図3および図4に示すように、複数の光学レンズ12が収納された鏡筒13は、筐体11の正面側から外部に水平に突出されるように構成されている。また、ストロボ14は、撮影時に補助光として発光する機能を有している。また、内蔵マイク15は、撮影時(録画時)に被写体周辺の音を収集する機能を有している。また、録画/再生ボタン17は、ユーザが撮影時に押圧することによって、後述するビデオカメラ10の撮像部21が撮影した映像をビデオテープ50(図5参照)に録画する動作を開始するとともに、録画終了時には、ビデオテープ50(図5参照)への録画を停止する機能を有している。また、フォトボタン18は、ユーザが撮影時に押圧することにより、押圧された際に撮像部21によって撮影されていた映像を静止画像として後述する制御回路部22に設けられたメモリ部22d(図5参照)へ録画する機能を有する。また、ファインダ19および筐体11から開閉可能に開けられる液晶モニタ20は、ユーザがファインダ19および液晶モニタ20のいずれか、またはその両方を通して被写体を見ながら、撮影範囲を決定することが可能なように構成されている。
【0026】
また、筐体11の内部には、図4に示すように、シャッタ装置部30と、被写体を撮影するためのCCDセンサ(図示せず)などの撮像素子を駆動させる撮像部21と、制御回路部22と、電源部23と、撮影された映像データをビデオカメラ10とビデオテープ50(図5参照)との間で受け渡し可能なビデオテープI/F部24とが設けられている。
【0027】
ここで、本実施形態では、図1および図2に示すように、シャッタ装置部30は、シャッタ開口部31aが設けられたシャッタ基板31と、シャッタ開口部31aから入射する光量を減少させるための円形状の絞り穴32a(小絞り用)が設けられるとともに、シャッタ基板31に回動可能に取り付けられた扇形の外形形状を有する1枚のシャッタ羽根32と、入力されたパルス数に基づいて回動角度が制御可能な、シャッタ羽根32を回動駆動させるためのステッピングモータ33とから構成されている。なお、ステッピングモータ33は、本発明の「駆動源」の一例である。また、ステッピングモータ33は、図2に示すように、シャッタ基板31のシャッタ羽根32が取り付けられている一方側面31bとは反対側の他方側面31c側から、シャッタ羽根32の回動平面(シャッタ基板31の他方側面31cと平行な平面)に対してステッピングモータ33の駆動軸33aが垂直となる方向に、2個のねじ部材34によってシャッタ基板31に取り付けられている。また、図6に示すように、ステッピングモータ33の駆動軸33aは、シャッタ基板31の他方側面31c側から、シャッタ基板31を貫通して、シャッタ基板31の一方側面31bのシャッタ羽根32が回動する回動中心部32bに、ギア部材などを介さずに直接的に取り付けられるように構成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、ステッピングモータ33の駆動軸33aに直接的に取り付けられた1枚のシャッタ羽根32が、ステッピングモータ33の回動角度に応じて、シャッタ基板31のシャッタ開口部31aを完全に開く全開位置と、図9および図10に示すように、シャッタ羽根32の絞り穴32aをシャッタ開口部31aに重ねることによってシャッタ開口部31aを部分的に開く小絞り位置と、図11および図12に示すように、シャッタ開口部31aを完全に閉じる全閉位置との3つの状態を形成することが可能なように構成されている。
【0029】
また、図5に示すように、ビデオカメラ10の制御回路部22は、撮影信号処理部22aと、プログラム格納メモリ部22bと、作業用メモリ部22cと、メモリ部22dと、CPUからなる制御部22eと、を含んでいる。
【0030】
また、撮影信号処理部22aは、CCDセンサ(図示せず)が接続された撮像部21によって撮影された映像を画像信号に変換するとともに、色調補正などの画像処理を加えたうえで記録可能なデータサイズに圧縮する機能を有する。また、プログラム格納メモリ部22bは、ビデオカメラ10の動作全体を制御する制御プログラムを記憶させるために設けられている。また、作業用メモリ部22cは、ビデオカメラ10が各種の動作を行う上で必要となるプログラムデータや制御パラメータなどを一時的に記憶させるために設けられている。また、メモリ部22dは、撮像部21によって撮影された静止画像を記録するために設けられている。また、制御部22eは、ビデオカメラ10の動作全体を制御する機能を有する。
【0031】
次に、図1、図4、図5および図7〜図12を参照して、本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の動作について説明する。
【0032】
まず、ビデオカメラ10が撮影モード(録画待機状態)で被写体を撮影している状態では、図5に示すように、CPUからなる制御部22eが、複数の光学レンズ12(図4参照)を通過して撮像部21に入射する被写体からの反射光(露光)の強さを検知している。
【0033】
ここで、本実施形態では、図7〜図10に示すように、撮像部21が検知した反射光の強さに応じて、制御部22eは、パルス制御によりシャッタ装置部30のシャッタ基板31に取り付けられたステッピングモータ33を所定の角度だけ回動させることによって、シャッタ羽根32がシャッタ基板31のシャッタ開口部31aを完全に開く位置(全開位置)、または、シャッタ羽根32に設けられた絞り穴32aをシャッタ開口部31aに配置させて、シャッタ開口部31aを部分的に開く位置(小絞り位置)にシャッタ羽根32を回動させる。
【0034】
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、シャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを完全に開く位置(全開位置)をシャッタ羽根32の初期位置(基準位置)とした場合、シャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを部分的に開く位置(小絞り位置)へシャッタ羽根32を回動させる際には、制御部22e(図5参照)が、ステッピングモータ33にパルス制御を行うことによって、シャッタ羽根32は、矢印A方向に角度α(90度)だけ回動される。その結果、図9および図10に示すように、シャッタ羽根32は、シャッタ開口部31aを部分的に開く位置(小絞り位置)に移動された状態となる。なお、露光状態によってはシャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを完全に開く位置(全開位置)を継続する場合もあり、この場合、制御部22e(図5参照)によるシャッタ羽根32の回動動作(矢印A方向)は行われない。
【0035】
そして、図7〜図10に示すように、反射光(露光)の強さに応じたシャッタ羽根32の位置を維持した状態で、ユーザがビデオカメラ10の録画/再生ボタン17(図4参照)を押圧することによって、制御部22e(図5参照)は撮像部21(図5参照)から得られた映像に画像処理を加えると同時に、ビデオテープI/F部24(図5参照)を介してビデオテープ50(図5参照)への録画を開始する。また、録画中にユーザが再度録画/再生ボタン17(図4参照)を押圧することによって、制御部22e(図5参照)はビデオテープ50(図5参照)への録画を停止するとともに、録画待機状態に移行する。
【0036】
次に、ビデオカメラ10が撮影モード(録画待機状態)の状態で、図4に示すように、ユーザがフォトボタン18を押圧することによって、制御部22e(図5参照)はフォトボタン18を押圧したタイミングにおける被写体の映像を静止画として画像処理を行うとともに、制御回路部22(図5参照)に設けられたメモリ部22d(図5参照)に録画する。
【0037】
ここで、本実施形態では、図11および図12に示すように、制御部22e(図5参照)が、シャッタ装置部30のシャッタ羽根32が全開位置(図7参照)の状態から、ユーザがフォトボタン18(図4参照)を押圧するタイミングに同期しながら、パルス制御によりシャッタ装置部30のステッピングモータ33を矢印A方向に角度β(45度)だけ回動させることによって、シャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを完全に閉じる位置(全閉位置)まで、シャッタ羽根32は回動される。この場合、上述のように、シャッタ羽根32が切られた(全閉された)時点での被写体の映像が静止画として、制御回路部22(図5参照)のメモリ部22d(図5参照)に録画される。
【0038】
また、本実施形態では、図11および図12に示すように、制御部22e(図5参照)が、シャッタ装置部30のシャッタ羽根32が小絞り位置(図9参照)の状態から、ユーザがフォトボタン18(図4参照)を押圧するタイミングに同期しながら、パルス制御によりシャッタ装置部30のステッピングモータ33を矢印B方向に角度β(45度)だけ回動させることによって、シャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを完全に閉じる位置(全閉位置)まで、シャッタ羽根32は回動される。この場合も上述と同様に、シャッタ羽根32が切られた(全閉された)時点での被写体の映像が静止画として、制御回路部22(図5参照)のメモリ部22d(図5参照)に録画される。
【0039】
また、本実施形態では、図11に示すように、シャッタ羽根32が切られて静止画が制御回路部22(図5参照)のメモリ部22d(図5参照)に録画されると、ビデオカメラ10の制御部22e(図5参照)は、パルス制御によりシャッタ装置部30のステッピングモータ33を矢印B方向に角度β(45度)だけ回動させる。この結果、図7に示すように、シャッタ羽根32がシャッタ開口部31aを完全に開く位置(全開位置)である初期位置(基準位置)まで、シャッタ羽根32は回動されるとともに、ビデオカメラ10は撮影モード(録画待機状態)の状態を継続する。
【0040】
本実施形態では、上記のように、シャッタ基板31に回動可能に取り付けられるとともに、シャッタ開口部31aを開閉可能で、かつ、シャッタ基板31のシャッタ開口部31aから入射する光量を減少させる絞り穴32aを有する1枚のシャッタ羽根32と、1枚のシャッタ羽根32を回動駆動させる1つのステッピングモータ33とを備えるように構成することによって、ステッピングモータ33が1枚のシャッタ羽根32を回動させる際に、露光を調節する小絞り状態を含めた撮像に関わる全てのシャッタ動作を行わせることができるために、シャッタ装置部30を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、ステッピングモータ33の駆動軸33aを、シャッタ羽根32の回動中心部32bにギア部材などを介さずに直接的に接続するように構成することによって、ステッピングモータ33の駆動力をシャッタ羽根32に伝達するためのギア部材やカム機構などを新たに設ける必要がないので、シャッタ装置部30の駆動機構を簡素化することができるとともに、部品点数の増加をより抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、ステッピングモータ33を、ステッピングモータ33の駆動軸33aがシャッタ羽根32の回動平面に対して実質的に垂直となるように、2個のねじ部材34によってシャッタ基板31の他方側面31bに取り付けるように構成することによって、ステッピングモータ33の駆動軸33aと、シャッタ羽根32の回動軸とが平行となるので、容易に、ステッピングモータ33の駆動力をシャッタ羽根32の回動中心部32bに直接的に取り付けることができる。
【0043】
また、本実施形態では、シャッタ羽根32の駆動源を、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータ33を使用するように構成することによって、パルス数の制御により容易にステッピングモータ33の駆動軸33aの回動角度を制御することができる。
【0044】
また、本実施形態では、シャッタ羽根32を、ステッピングモータ33の駆動軸33aの回動角度に応じて、シャッタ開口部31aを開く全開位置(図7参照)、シャッタ開口部31aを閉じる全閉位置(図11参照)、および、シャッタ開口部31aに絞り穴32aを配置させてシャッタ開口部31aを部分的に開く小絞り位置(図9参照)の3つの位置に移動可能であるように構成することによって、1枚のシャッタ羽根32を使用して、シャッタ開口部31aを全開、全閉および小絞り状態の3つの状態を撮像プロセスに従って形成することができるので、露光状況に応じた被写体の撮像を容易に行うことができる。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、上記実施形態では、撮影装置の一例としてビデオカメラを示したが、本発明はこれに限らず、シャッタ基板を有する撮影装置であれば、ビデオカメラ以外の他の撮影装置にも適用可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、シャッタ装置部30は、シャッタ開口部31aが設けられたシャッタ基板31と、シャッタ開口部31aから入射する光量を減少させるための円形状の絞り穴32a(小絞り用)が設けられるとともに、シャッタ基板31に回動可能に取り付けられた扇形の外形形状を有する1枚のシャッタ羽根32と、入力されたパルス数に基づいて回動角度が制御可能な、シャッタ羽根32を回動駆動させるためのステッピングモータ33とから構成される例を示したが、本発明はこれに限らず、シャッタ装置部には、円形以外の他の形状を有する絞り穴が設けられるとともに、扇形以外の他の外形形状を有するシャッタ羽根が設けられるようにしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、ステッピングモータ33が、シャッタ基板31のシャッタ羽根32が取り付けられている一方側面31bとは反対側の他方側面31cに取り付けられる例を示したが、本発明はこれに限らず、シャッタ基板のシャッタ羽根が取り付けられている側の側面にステッピングモータを取り付けるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、シャッタ装置部30に設けられたシャッタ羽根32の駆動源として、入力されたパルス数に基づいて回動角度が制御可能なステッピングモータ33を使用した例を示したが、本発明はこれに限らず、シャッタ羽根の駆動源として、ステッピングモータ以外の3つの位置を往復回動可能な駆動源を使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部を示した斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部を別方向から見た場合の斜視図である。
【図3】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラの全体構成を示した斜視図である。
【図4】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラの全体構成を示した斜視図である。
【図5】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の平面図である。
【図7】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【図8】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【図9】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【図10】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【図11】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【図12】図1に示した本発明の一実施形態によるビデオカメラを構成するシャッタ装置部の構成および動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0051】
31 シャッタ基板
31a シャッタ開口部
32 シャッタ羽根
32a 絞り穴
32b 回動中心部
33 ステッピングモータ(駆動源)
33a 駆動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板を備えた撮像装置において、
前記シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、前記シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、前記シャッタ基板の前記シャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、
前記1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とをさらに備え、
前記駆動源は、前記駆動源の駆動軸が、前記シャッタ羽根の回動中心部に直接的に接続されるとともに、前記駆動源の駆動軸が、前記シャッタ羽根の回動平面に対して実質的に垂直となるように前記シャッタ基板に取り付けられ、
前記駆動源は、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータであり、
前記シャッタ羽根は、前記駆動源の駆動軸の回動角度に応じて、前記シャッタ開口部を開く全開位置、前記シャッタ開口部を閉じる全閉位置、および、前記シャッタ開口部に前記絞り穴を配置させて前記シャッタ開口部を部分的に開く小絞り位置の3つの位置に移動可能である、撮像装置。
【請求項2】
シャッタ開口部が設けられたシャッタ基板と、
前記シャッタ基板に回動可能に取り付けられるとともに、前記シャッタ開口部を開閉可能で、かつ、前記シャッタ基板の前記シャッタ開口部から入射する光量を減少させる絞り穴を有する1枚のシャッタ羽根と、
前記1枚のシャッタ羽根を回動駆動させる1つの駆動源とを備えた、撮像装置。
【請求項3】
前記駆動源の駆動軸が、前記シャッタ羽根の回動中心部に直接的に接続されている、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記駆動源は、前記駆動源の駆動軸が、前記シャッタ羽根の回動平面に対して実質的に垂直となるように前記シャッタ基板に取り付けられている、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記駆動源は、パルス数により回動角度の制御が可能なステッピングモータである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記シャッタ羽根は、前記駆動源の駆動軸の回動角度に応じて、前記シャッタ開口部を開く全開位置、前記シャッタ開口部を閉じる全閉位置、および、前記シャッタ開口部に前記絞り穴を配置させて前記シャッタ開口部を部分的に開く小絞り位置の3つの位置に移動可能である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−52155(P2008−52155A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230037(P2006−230037)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】