説明

撮像装置

【課題】レリーズ待機操作を行わなくても、オートブラケット撮影の残り枚数と撮影順序についての情報を容易に得ることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明の撮像装置は、オートブラケット撮影が可能な撮像装置であって、オートブラケット情報を設定する設定手段と、前記オートブラケット情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記オートブラケット情報を表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、オートブラケット撮影が行われる前は、前記オートブラケット情報のすべてを表示し(a)、オートブラケット撮影が行われる毎に、前記オートブラケット情報のうち撮影が行われたオートブラケット情報を表示しないようにする(b)、(c)、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートブラケット撮影が可能な撮像装置に関し、より詳しくは、オートブラケット撮影時のオートブラケット情報表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オートブラケット撮影時のオートブラケット段数情報を露出情報に対応させて表示する技術として、特許文献1がある。
【0003】
レリーズ待機操作(レリーズ釦半押し)がなされていない場合には、記憶手段に記録されているすべてのオートブラケット段数情報を表示し、レリーズ待機操作がなされた場合には、次のオートブラケット撮影に用いられるオートブラケット段数情報のみを表示手段に表示させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平2−8826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではレリーズ待機操作がなされていない場合となされている場合で表示するオートブラケット段数情報を変更しているため、次のオートブラケット撮影に用いられるオートブラケット段数情報を得るためには、レリーズ待機操作を行わなくてはならなかった。また、オートブラケット撮影の残り枚数と撮影順序についての情報を容易に得ることはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、オートブラケット撮影が可能な撮像装置であって、オートブラケット情報を設定する設定手段と、前記オートブラケット情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記オートブラケット情報を表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、オートブラケット撮影が行われる前は、前記オートブラケット情報のすべてを表示し、オートブラケット撮影が行われる毎に、前記オートブラケット情報のうち撮影が行われたオートブラケット情報を表示しないようにする、ことを特徴とする。この構成によって、レリーズ待機操作を行わなくても、オートブラケット撮影の残り枚数と撮影順序についての情報を容易に得ることができる。
【0006】
また、本発明の撮像装置の前記表示手段は、オートブラケット撮影が行われる毎に、前記オートブラケット情報のうち撮影が行われたオートブラケット情報をグレーアウトする、ことを特徴としてもよい。この構成によって、すでに撮影が行われたオートブラケット情報をも同時に得ることができる。
【0007】
また、本発明の撮像装置の前記表示手段は、露出情報を表示し、前記オートブラケット情報を前記露出情報に対応させて表示する、ことを特徴としてもよい。この構成によって、オートブラケット情報を露出情報に対応させて視覚的に得ることができる。
【0008】
また、本発明の撮像装置の前記表示手段は、前記オートブラケット情報のうち少なくとも一つが前記露出情報に対応させて表示できないときに、前記露出情報に対応させて表示できないオートブラケット情報を特定して報知する、ことを特徴としてもよい。この構成によって、極端な露出オーバーまたは露出アンダーとなる撮影を撮影前に報知することができる。
【0009】
また、本発明の撮像装置の前記オートブラケット情報は、少なくとも撮影順序を含む、ことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、レリーズ待機操作を行わなくても、オートブラケット撮影の残り枚数と撮影順序についての情報を容易に得ることができる。そのため、従来に比べてユーザがわかりやすい、オートブラケットの情報表示が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施形態1)
1.構成
以下、本発明の一例を、図を用いて詳述する。なお、ここでは、本発明を撮像装置であるデジタルスチルカメラに適用し、オートブラケット撮影を行う場合について説明するが、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施の形態におけるデジタルスチルカメラの回路構成を示すブロック図である。同図によれば、レンズ1によって集められた光は、CCD(Charge Coupled Devices)駆動回路3により駆動されるCCD2に入り、電気的信号である画像データに変換される。CCD2で生成された画像データは、A/D変換回路4によって、デジタル信号へと変換される。そして、その信号は、レンズ1が取り込んだ画像データとして、SDRAM5に格納される。また、SDRAM5に格納された画像データは、画像信号処理回路6とCPU(Central Processing Unit)7によって表示画像に変換され、LCD(Liquid Crystal Display)8に出力される。
【0013】
撮影を行う際には、ユーザがシャッタ釦9を押下すると、CPU7がそれを判断し、CCD駆動回路3に撮影動作を指示する。撮影駆動でCCD2が取り込んだ画像は、一旦SDRAM5に格納され、画像信号処理回路6で所定の処理が施された後に、メモリカード10に保存される。また、SDRAM5に格納された画像データから信号処理回路6とCPU7が算出した露光情報や、ユーザによって設定されたオートブラケット情報についても、LCD8に出力される。オートブラケット情報は、ユーザがLCD8に表示されたガイダンスに従い、十字キー11及びメニュー設定キー12操作によって行う。
【0014】
なお、ここでは光センサとしてCCDを用いた場合について説明するが、より低消費電力であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やその他の撮像素子でもよい。
【0015】
また、記憶素子としてSDRAMを用いた場合について説明するが、より高速に動作するSRAM(Static Random Access Memory)や、SDRAMの倍の転送速度が実現できるDDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)、またその他の記憶素子でもよい。
【0016】
また、ディスプレイとしてLCDを用いた場合について説明するが、より低消費電力である有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイやより高輝度なCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、またその他のディスプレイを用いてもよい。
【0017】
また、記憶装置としてメモリカードを用いた場合について説明するが、フロッピー(登録商標)ディスクやMO(Magneto−Optical disk)、ハードディスクなどの磁気記録媒体、またその他の記憶装置を用いてもよい。
2.手順
次に、オートブラケット情報の表示手順について説明する。本実施の形態では、オートブラケット情報と残り枚数、撮影順序の情報を同時に確認できる点が特徴である。
2.1オートブラケット情報の設定
以下、オートブラケット情報の設定例について説明する。オートブラケット情報の設定手順は図2のフローチャートに示される。以降の説明において、S11、S12などは、フローチャートの該当するステップを示す。
【0018】
まず、メニュー設定キー12を押下するとメニュー一覧(図3)がLCD8に表示される。その中から、「オートブラケット設定」を十字キー11で選択することで、オートブラケット設定画面(図4)に入る。
【0019】
オートブラケット設定画面では、「補正幅」と撮影順序(「ブラケット順序」)についての設定を行う(S11)。「補正幅」には、露出をどれくらいの幅で変化させるのかを設定する。図4の例は、1/3EVの幅で露出を変化させる設定である。撮影順序(「ブラケット順序」)には、どのような順序で露出を変えて撮影するかを設定する。図4の例は、0/−/+の順序で露出を変えて撮影する設定である。すなわち、図4の設定でオートブラケット撮影を行うと、1枚目は適正露出、2枚目は適正露出−1/3EV、3枚目は適正露出+1/3EVにて撮影を行うこととなる。各項目の選択操作方法については、変更したい項目を十字キー11で選択した後、変更したい設定値を十字キーにて選択、メニュー設定キー12にて決定する。ここで設定したオートブラケット情報は、SDRAM5に記憶される。
2.2オートブラケット情報の表示
次に、オートブラケット情報の表示について説明する。オートブラケット撮影時、LCD8に表示されるオートブラケット情報画面の例を図5に示す。図5の51の枠内に示されているのが露出情報及びオートブラケット情報である。図5の52の数字は、0が適正露出、その他の数字は何EV適正露出から外れているかを表している。図5の53の図形はオートブラケット撮影の撮影順序とその時の露出を示している。図5の53の図形が指す露出にて、図形上の数字の順序で撮影を行う。この例の場合、1枚目は適正露出、2枚目は適正露出−1/3EV、3枚目は適正露出+1/3EVにて撮影を行うことを示しており、これらはSDRAM5に記憶されているオートブラケット情報(補正幅と撮影順序)に基づいて表示する。
【0020】
次に、オートブラケット撮影が行われる毎に、オートブラケット情報の表示が更新(S12)される様子を図6に示す。撮影は、シャッタ釦9を押下することで行う。図6(a)はオートブラケット撮影前のオートブラケット情報の表示を示すが、図5の51の枠内の表示と同様である。図6(b)は1枚目を撮影後のオートブラケット情報の表示を示す。1枚目の撮影順序と露出(適正露出)を表す図形を消すことにより、1枚目の撮影が終了していることを示している。図6(c)は2枚目を撮影後のオートブラケット情報の表示を示す。2枚目の撮影順序と露出(適正露出−1/3EV)を表す図形を消すことにより、2枚目の撮影が終了していることを示している。このように、SDRAM5に記憶されているオートブラケット情報(補正幅と撮影順序)に対して、何枚目まで撮影が完了しているか(S13、S14)の情報もSDRAM5に記録し、それらの情報によりオートブラケット表示を更新していく。
【0021】
また、露出情報の目盛り以上に露出オーバーもしくは露出アンダーに設定された場合は、図7のように、オートブラケット撮影の撮影順序とその時の露出を示す図形を露出情報の目盛り外に表示させるようにする。この際、露出情報の目盛り外の設定値であることを強調するために、露出情報の目盛り外の図形の表示の色を変えたり、点滅させたりしてもよい。
【0022】
図7では、補正幅を4/3EVに、ブラケット順序を0/−/+に設定した後、適正露出を示す図7の71の図形を4/3EVだけ露出オーバー側に移動した。これにともなって、適正露出−4/3EVを示す図7の72の図形と適正露出+4/3EVを示す図7の73の図形も、4/3EVだけ露出オーバー側に移動している。その結果、適正露出+4/3EVを示す図7の73の図形は、露出情報の目盛り外の設定値となった。そこで、目盛り外の設定値であることを強調するために、図7の73の図形の表示の色を変えたり、点滅させたりする。図7の「+/−」マーク74は、適正露出である図7の71の図形が、露出情報の目盛り0から移動していることを示している。
【0023】
なお、ここではオートブラケット撮影が行われる毎に、その撮影のオートブラケット情報の表示を消すようにしているが、表示を薄くする(グレーアウト)などすることによって、すでに撮影が行われたオートブラケット情報とこれから撮影を行うオートブラケット情報との区別をつけつつも、すでに撮影が行われたオートブラケット情報を過去の情報として表示し続けるようにしてもよい。また、ここでは3枚のオートブラケット撮影の例を挙げているが、それ以上の枚数を撮影する時でも同様であることは言うまでもない。また、図5のオートブラケット情報画面には、現在CCD2に取り込まれている画像を、逐次表示するようにしてもよいし、その他の表示に関しても、図5に示すものは1例である。
【0024】
また、本実施の形態ではビューファインダを持たないカメラを想定しているが、ビューファインダを持つような実施の形態を想定した場合、ビューファインダ内のディスプレイに同様の表示をしてもよい。また、オートブラケット情報などを、撮像装置の電源を切っても記憶させて起きたい場合には、フラッシュメモリーなどに記憶させておくような形態にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、オートブラケット撮影の時に、オートブラケット撮影に関する情報をユーザが容易に得ることができるため、デジタルスチルカメラ、静止画撮影機能付きビデオカメラ、静止画撮影機能付き携帯電話のような静止画撮影機能を有する機器及びパーソナルコンピュータなどで実現される画像撮影時の情報表示として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態におけるデジタルスチルカメラの回路構成を示すブロック図
【図2】オートブラケット情報の設定手順を示すフローチャート
【図3】メニュー一覧画面のイメージ図
【図4】オートブラケット設定画面のイメージ図
【図5】オートブラケット情報表示画面のイメージ図
【図6】オートブラケット情報表示画面の変化のイメージ図
【図7】露出オーバー時のオートブラケット情報表示画面のイメージ図
【符号の説明】
【0027】
1 レンズ
2 CCD
3 CCD制御回路
4 A/D変換回路
5 SDRAM
6 画像信号処理回路
7 CPU
8 LCD
9 シャッタ釦
10 メモリカード
11 十字キー
12 メニュー設定キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートブラケット撮影が可能な撮像装置であって、
オートブラケット情報を設定する設定手段と、
前記オートブラケット情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記オートブラケット情報を表示する表示手段と、
を有し、
前記表示手段は、
オートブラケット撮影が行われる前は、前記オートブラケット情報のすべてを表示し、
オートブラケット撮影が行われる毎に、前記オートブラケット情報のうち撮影が行われたオートブラケット情報を表示しないようにする、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
オートブラケット撮影が行われる毎に、前記オートブラケット情報のうち撮影が行われたオートブラケット情報をグレーアウトする、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
露出情報を表示し、
前記オートブラケット情報を前記露出情報に対応させて表示する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記オートブラケット情報のうち少なくとも一つが前記露出情報に対応させて表示できないときに、前記露出情報に対応させて表示できないオートブラケット情報を特定して報知する、
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記オートブラケット情報は、
少なくとも補正幅と撮影順序を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−53598(P2009−53598A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222397(P2007−222397)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】